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  • 特表-大流量貴金属通路 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】大流量貴金属通路
(51)【国際特許分類】
   C03B 5/18 20060101AFI20221221BHJP
   C03B 5/225 20060101ALI20221221BHJP
   C03B 5/185 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
C03B5/18
C03B5/225
C03B5/185
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506758
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2021088203
(87)【国際公開番号】W WO2021249025
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】202010510893.X
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522044582
【氏名又は名称】凱盛科技集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】TRIUMPH SCIENCE & TECHNOLOGY GROUP CO., LTD
(71)【出願人】
【識別番号】522027518
【氏名又は名称】蚌埠中光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BENGBU CHINA OPTOELECTRONIC TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.199,Shiwu Rd.,Bengbu,Anhui 233000,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】彭 寿
(72)【発明者】
【氏名】張 沖
(72)【発明者】
【氏名】蒋 洋
(72)【発明者】
【氏名】金 良茂
(72)【発明者】
【氏名】曹 志強
(72)【発明者】
【氏名】江 龍躍
(72)【発明者】
【氏名】官 敏
(72)【発明者】
【氏名】朱 明柳
(72)【発明者】
【氏名】沈 玉国
(57)【要約】
ガラス液混流攪拌区間を含み、ガラス液混流攪拌区間の一端に少なくとも2つのガラス液加熱清澄化冷却区間が並列に接続され、ガラス液混流攪拌区間の他端に給液槽が連通されている、大流量貴金属通路を提供する。本発明は、主に、第8.5世代以上のTFTガラスの製造工程において大流量且つ高温のガラス液の清澄及び均質化に用いられ、その後のフロート法成形やオーバーフロー法成形に、気泡や縞のない高品質のガラス液を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス液混流攪拌区間(1)を含む大流量貴金属通路であって、
ガラス液混流攪拌区間(1)の一端に少なくとも2つのガラス液加熱清澄化冷却区間(2)が並列に接続され、ガラス液混流攪拌区間(1)の他端に給液槽(3)が連通され、
前記ガラス液加熱清澄化冷却区間(2)は、加熱通路(2a)を含み、加熱通路(2a)の一端に溶融窯(5)が連通され、他端に清澄槽(2b)及び冷却通路(2c)が順次に連通され、
前記ガラス液混流攪拌区間(1)は、合流通路(1a)を含み、合流通路(1a)の一端に前記冷却通路(2c)が連通され、合流通路(1a)内に1組のスポイラー(1c)が配置され、合流通路(1a)の他端に攪拌通路が連通され、前記攪拌通路が少なくとも1つのガラス液攪拌槽(1b)を含み、ガラス液攪拌槽(1b)の液体排出口に給液槽(3)が連通されている
ことを特徴とする、大流量貴金属通路。
【請求項2】
前記1組のスポイラー(1c)の各スポイラー(1c)がずれて配置され、蛇行流路(4)は、1組のスポイラー(1c)の区画によって合流通路(1a)内で区画されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の大流量貴金属通路。
【請求項3】
合流通路(1a)の他端には、少なくとも1つのガラス液攪拌槽(1b)が順次に連通されており、隣り合う2つのガラス液攪拌槽(1b)の攪拌方向が異なる
ことを特徴とする、請求項1に記載の大流量貴金属通路。
【請求項4】
前記加熱通路(2a)は、直径が150mm~300mmであり、長さが500mm~1500mmであり、
前記清澄槽(2b)は、直径が250mm~400mmであり、長さが3000mm~8000mmであり、
前記冷却通路(2c)は、直径が220mm~360mmであり、長さが2000mm~6000mmであり、
前記合流通路(1a)は、直径が300mm~500mmであり、長さが2000mm~5000mmであり、
前記ガラス液攪拌槽(1b)は、直径が350mm~550mmであり、攪拌速度が2回転~20回転/分であり、
前記給液槽(3)は、直径が300mm~500mmであり、長さが1000mm~2000mmである
ことを特徴とする、請求項1に記載の大流量貴金属通路。
【請求項5】
前記加熱通路(2a)の動作中の最高温度は1650℃であり、前記清澄槽(2b)の動作中の最高温度は1670℃であり、前記冷却通路(2c)の動作中の温度は1500℃~1550℃であり、前記給液槽(3)の動作中の温度は1200℃~1400℃である
ことを特徴とする、請求項1に記載の大流量貴金属通路。
【請求項6】
前記加熱通路(2a)、清澄槽(2b)、冷却通路(2c)、合流通路(1a)、ガラス液攪拌槽(1b)、スポイラー(1c)、及び給液槽(3)は、プラチナ-ロジウム合金又はプラチナ-イリジウム合金又はプラチナから製造される
ことを特徴とする、請求項1に記載の大流量貴金属通路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年6月8日に中国国家知的財産権局に提出された出願番号が202010510893.Xであり、発明の名称が「大流量貴金属通路」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電子ガラス製造装置の技術分野に関し、特に、第8.5世代以上の高世代TFTガラス基板の製造プロセスで使用される大流量貴金属通路に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、TFTガラスの製造方法として、貴金属通路を利用してガラス液を処理する技術が最もよく用いられている。当該方法は、優れた耐熱性を持ち、直接通電加熱でき、延性がよいなど貴金属の利点によって、1650℃まで直接通電加熱可能である。TFT基板ガラス液を高温で効果的に脱泡でき、高い品質で清澄及び均質化を行うできる効果を奏する。当該方法は、大量生産を容易に実現でき、TFTガラスの製造に主要な技術設備である。それに関するプロセスは、世界中の多くの特許や文献が記載している。例えば、中国の発明特許CN101935146Bには、1つの清澄化チェンバーと、1つの冷却チェンバーと、1つの攪拌チェンバーと、1つの均質化チェンバーと、1つの供給チェンバーとによる5段階の処理ステップで、5~20トン/日のガラス液流量の清澄及び均質化を実現できるプラチナ通路内のガラス液処理方法が公開された。しかし、この方法の処理能力は限られており、20トン/日を超えた大流量のガラス液の場合、必要となるプラチナチューブが大きいすぎるため、高温における機械的強度を確保できず、高い品質で安定した清澄化を実現できない。また、中国の発明特許CN105948462Aは、プラチナ通路の加熱装置と方法、プラチナ通路及びガラスの生産システムを関する。この装置によって、交番磁界を生成させ、プラチナ通路に誘導電渦流を発生させ、電渦流がプラチナ通路を流れることで熱が発生して、プラチナ通路の均一加熱を実現した。しかし、当該発明には、大流量のガラス液に対する具体的な処理方法が含まれていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の技術の不足を克服し、大流量貴金属通路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、以下の技術案を提供する。
【0006】
本願は、ガラス液混流攪拌区間を含む大流量貴金属通路であって、ガラス液混流攪拌区間の一端に少なくとも2つのガラス液加熱清澄化冷却区間が並列に接続され、ガラス液混流攪拌区間の他端に給液槽が連通され、前記ガラス液加熱清澄化冷却区間は、加熱通路を含み、加熱通路の一端に溶融窯が連通され、他端に清澄槽及び冷却通路が順次に連通され、前記ガラス液混流攪拌区間は、合流通路を含み、合流通路の一端に前記冷却通路が連通され、合流通路内で1組のスポイラーが配置され、合流通路の他端に攪拌通路が連通され、前記攪拌通路が少なくとも1つのガラス液攪拌槽を含み、ガラス液攪拌槽の液体排出口に給液槽が連通されていることを特徴とする、大流量貴金属通路を提供する。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態において、前記1組のスポイラーの各スポイラーはずれて配置され、蛇行流路は、1組のスポイラーの区画によって合流通路内で区画されている。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態において、合流通路の他端には、少なくとも1つのガラス液攪拌槽が順次に連通されており、隣り合う2つのガラス液攪拌槽の攪拌方向は異なる。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態において、前記加熱通路は、直径が150mm~300mmであり、長さが500mm~1500mmであり、前記清澄槽は、直径が250mm~400mmであり、長さが3000mm~8000mmであり、前記冷却通路は、直径が220mm~360mmであり、長さが2000mm~6000mmであり、前記合流通路は、直径が300mm~500mmであり、長さが2000mm~5000mmであり、前記ガラス液攪拌槽は、直径が350mm~550mmであり、攪拌速度が2回転~20回転/分であり、前記給液槽は、直径が300mm~500mmであり、長さが1000mm~2000mmである。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、前記加熱通路の動作中の最高温度は1650℃であり、前記清澄槽の動作中の最高温度は1670℃であり、前記冷却通路の動作中の温度は1500℃~1550℃であり、前記給液槽の動作中の温度は1200℃~1400℃である。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態において、前記加熱通路、清澄槽、冷却通路、合流通路、ガラス液攪拌槽、スポイラー、及び給液槽は、プラチナ-ロジウム合金又はプラチナ-イリジウム合金又はプラチナから製造される。前記加熱通路、清澄槽、冷却通路、合流通路、ガラス液攪拌槽、スポイラー、及び給液槽は、それぞれ独立してプラチナ-ロジウム合金又はプラチナ-イリジウム合金又はプラチナからなり、同じであってもよく、異なってもよい。好ましくは、前記加熱通路、清澄槽、冷却通路、合流通路、ガラス液攪拌槽、スポイラー、及び給液槽は、同じのプラチナ-ロジウム合金又はプラチナ-イリジウム合金又はプラチナから製造される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施例の有利な効果
本発明の実施例に係る大流量貴金属通路は、技術設備が簡単であり、操作性が強く、清澄及び均質化の効果が優れている。少なくとも2本の並行するガラス液加熱清澄化冷却区間を設置することによって、大流量のガラス液の高温加熱清澄化を実現するとともに、高温区間でのプラチナの耐用年数及び高温における機械強度を十分に保証できる。高生産量を確保することを前提に、1本の大直径のガラス液通路が高温区間で大流量かつ高液位のガラス液の圧力により崩壊するリスクを回避できる。
【0013】
本発明の実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例及び従来技術に必要な図面を簡単に紹介する。以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、これらの図面に基づいて他の図面を得ることは当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明に係る実施例1~4のプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的、技術案、及び利点をより明らかとするために、以下、図面を参照しながら実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。説明する実施例は、本発明の実施例の一部にすぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて得られる他の全ての実施例が本発明の保護範囲に含まれることは当業者にとって明らかである。
【0016】
実施例1:
本実施例に係る大流量貴金属通路は、図1に示すように、ガラス液混流攪拌区間1を含み、前記ガラス液混流攪拌区間1は直径400mm長さ3000mmの合流通路1aを含み、合流通路1aの一端に前記2つの直径280mm長さ3000mmの冷却通路2cが連通され、合流通路1a内には1組のスポイラー1cが溶接されており、前記1組のスポイラー1cは8枚の互いにずれて配置されているスポイラー1cを含み、蛇行流路4は、これら8枚のスポイラー1cによって合流通路1a内で区画されている。
【0017】
蛇行流路4の一端にある合流通路1aには、直径が400mmで、回転速度が3回転/分で、攪拌方向がそれぞれ反時計回り、時計回り及び反時計回りである3つのガラス液攪拌槽1bが順次に連通されている。最後のガラス液攪拌槽1bの液体排出口には、直径360mm長さ1600mmの給液槽3が連通されている。
【0018】
合流通路1aの他端には、寸法及び構造が同じである2つのガラス液加熱清澄化冷却区間2が接続されており、前記ガラス液加熱清澄化冷却区間2は、直径200mm長さ1000mmかつ一端が溶融窯5と連通する加熱通路2aを含み、加熱通路2aの他端には、直径300mm長さ5000mmの清澄槽2b及び冷却通路2cが順次に連通される。前記2つのガラス液加熱清澄化冷却区間2の冷却通路2cの液体排出端のいずれにも合流通路1aが連通されている。
【0019】
前述した加熱通路2a、清澄槽2b、冷却通路2c、合流通路1a、ガラス液攪拌槽1b、スポイラー1c、及び給液槽3は、いずれも貴金属であるプラチナロジウム合金から製造される。加熱通路2a、清澄槽2b、冷却通路2c、合流通路1a、及び給液槽3のいずれにも、電線及び熱電対が接続されており、前記電線及び熱電対のいずれも、図示しないコンソールに接続されている。コンソールは、熱電対から送信された信号により、検出された温度を確認して電流入力の電力を制御して、加熱通路2aの動作温度を1630℃に、清澄槽2bの動作温度を1650℃に、冷却通路2cの動作温度を1520℃に、合流通路1aの動作温度を1470℃に、給液槽3の動作温度を1300℃に制御する。
【0020】
最後に、ガラス液は給液槽3を通って溶融スズ槽に入って精密成形し、フロート法による第8.5世代TTF-LCDガラス基板が製造される。後続の品質検査により、製造されたフロート法の第8.5世代TFT-LCDガラス基板には気泡や縞がなかったことが分かる。本実施例のガラス窯は、1日あたりの溶融量が35トン/日である。
【0021】
実施例2:
本実施例に係る大流量貴金属通路は、図1に示すように、ガラス液混流攪拌区間1を含み、前記ガラス液混流攪拌区間1は直径300mm長さ5000mmの合流通路1aを含み、合流通路1aの一端に前記2つの直径220mm長さ2000mmの冷却通路2cが連通され、合流通路1a内には1組のスポイラー1cが溶接されており、前記1組のスポイラー1cは5枚の互いにずれて配置されているスポイラー1cを含み、蛇行流路4は、これら5枚のスポイラー1cによって合流通路1a内で区画されている。
【0022】
蛇行流路4の一端にある合流通路1aには、直径が350mmで、回転速度が8回転/分で、攪拌方向がそれぞれ時計回り、反時計回り及び時計回りである3つのガラス液攪拌槽1bが順次に連通されている。最後のガラス液攪拌槽1bの液体排出口には、直径300mm長さ2000mmの給液槽3が連通されている。
【0023】
合流通路1aの他端には、寸法及び構造が同じである2つのガラス液加熱清澄化冷却区間2が接続されており、前記ガラス液加熱清澄化冷却区間2は、直径150mm長さが500mmかつ一端が溶融窯5と連通する加熱通路2aを含み、加熱通路2aの他端には、直径250mm長さ3000mmの清澄槽2b及び冷却通路2cが順次に連通される。前記2つのガラス液加熱清澄化冷却区間2の冷却通路2cの液体排出端のいずれにも合流通路1aが連通されている。
【0024】
前述した加熱通路2a、清澄槽2b、冷却通路2c、合流通路1a、ガラス液攪拌槽1b、スポイラー1c、及び給液槽3は、いずれも貴金属であるプラチナから製造される。加熱通路2a、清澄槽2b、冷却通路2c、合流通路1a、及び給液槽3のいずれにも、電線及び熱電対が接続されており、前記電線及び熱電対のいずれも、図示されていないコンソールに接続されている。コンソールは、熱電対から送信された信号により、検出された温度を確認して電流入力の電力を制御して、加熱通路2aの動作温度を1620℃に、清澄槽2bの動作温度を1640℃に、冷却通路2cの動作温度を1500℃に、合流通路1aの動作温度を1450℃に、給液槽3の動作温度を1200℃に制御する。
【0025】
最後に、ガラス液は給液槽3を通ってオーバーフロー槽に入って精密成形し、オーバーフロー法による第8.5世代TFT-LCDガラス基板が製造される。後続の品質検査により、オーバーフロー法により製造された第8.5世代フロート法TFT-LCDガラス基板には気泡や縞がなかったことが分かる。本実施例のガラス窯は、1日あたりの溶融量が20トン/日である。
【0026】
実施例3:
本実施例に係る大流量貴金属通路は、図1に示すように、ガラス液混流攪拌区間1を含み、前記ガラス液混流攪拌区間1は直径500mm長さ2000mmの合流通路1aを含み、合流通路1aの一端に前記2つの直径360mm長さ6000mmの冷却通路2cが連通され、合流通路1a内には1組のスポイラー1cが溶接されており、前記1組のスポイラー1cは12枚の互いにずれて配置されているスポイラー1cを含み、蛇行流路4は、これら12枚のスポイラー1cによって合流通路1a内で区画されている。
【0027】
蛇行流路4の一端にある合流通路1aには、直径が550mmで、回転速度が18回転/分で、攪拌方向がそれぞれ反時計回り、時計回り及び反時計回りである3つのガラス液攪拌槽1bが順次に連通されている。最後のガラス液攪拌槽1bの液体排出口には、直径500mm長さ1000mmの給液槽3が連通されている。
【0028】
合流通路1aの他端には、寸法及び構造が同じである2つのガラス液加熱清澄化冷却区間2が接続されており、前記ガラス液加熱清澄化冷却区間2は、直径300mm長さ1500mmかつ一端が溶融窯5と連通する加熱通路2aを含み、加熱通路2aの他端には、直径400mm長さ8000mmの清澄槽2b及び冷却通路2cが順次に連通される。前記2つのガラス液加熱清澄化冷却区間2の冷却通路2cの液体排出端のいずれにも合流通路1aが連通されている。
【0029】
前述した加熱通路2a、清澄槽2b、冷却通路2c、合流通路1a、ガラス液攪拌槽1b、スポイラー1c、及び給液槽3は、いずれも貴金属であるプラチナイリジウム合金から製造される。加熱通路2a、清澄槽2b、冷却通路2c、合流通路1a、及び給液槽3のいずれにも、電線及び熱電対が接続されており、前記電線及び熱電対のいずれも、図示されていないコンソールに接続されている。コンソールは、熱電対から送信された信号により、検出された温度を確認して電流入力の電力を制御して、加熱通路2aの動作温度を1650℃に、清澄槽2bの動作温度を1670℃に、冷却通路2cの動作温度を1550℃に、合流通路1aの動作温度を1500℃に、給液槽3の動作温度を1400℃に制御する。
【0030】
最後に、ガラス液は給液槽3を通って溶融スズ槽に入って精密成形し、フロート法による第11世代TTF-LCDガラス基板が製造される。後続の品質検査により、製造されたフロート法の第11世代TFT-LCDガラス基板に気泡や縞がなかったことが分かる。本実施例のガラス窯は、1日あたりの溶融量が100トン/日である。
【0031】
実施例4:
本実施例に係る大流量貴金属通路は、図1に示すように、ガラス液混流攪拌区間1を含み、前記ガラス液混流攪拌区間1は直径450mm長さ2600mmの合流通路1aを含み、合流通路1aの一端に前記2つの直径330mm長さ5500mmの冷却通路2cが連通され、合流通路1a内には1組のスポイラー1cが溶接されており、前記1組のスポイラー1cは10枚の互いにずれて配置されているスポイラー1cを含み、蛇行流路4は、これら10枚のスポイラー1cによって合流通路1a内で区画されている。
【0032】
蛇行流路4の一端にある合流通路1aには、直径が500mmで、回転速度が13回転/分で、攪拌方向がそれぞれ時計回り、反時計回り及び時計回りである3つのガラス液攪拌槽1bが順次に連通されている。最後のガラス液攪拌槽1bの液体排出口には、直径450mm長さ1200mmの給液槽3が連通されている。
【0033】
合流通路1aの他端には、寸法及び構造が同じである2つのガラス液加熱清澄化冷却区間2が接続されており、前記ガラス液加熱清澄化冷却区間2は、直径280mm長さ1300mmかつ一端が溶融窯5と連通する加熱通路2aを含み、加熱通路2aの他端には、直径380mm長さ7000mmの清澄槽2b及び冷却通路2cが順次に連通される。前記2つのガラス液加熱清澄化冷却区間2の冷却通路2cの液体排出端のいずれにも合流通路1aが連通されている。
【0034】
前述した加熱通路2a、清澄槽2b、冷却通路2c、合流通路1a、ガラス液攪拌槽1b、スポイラー1c、及び給液槽3は、いずれも貴金属であるプラチナイリジウム合金から製造される。加熱通路2a、清澄槽2b、冷却通路2c、合流通路1a、及び給液槽3のいずれにも、電線及び熱電対が接続されており、前記電線及び熱電対のいずれも、図示しないコンソールに接続されている。コンソールは、熱電対から送信された信号により、検出された温度を確認して電流入力の電力を制御して、加熱通路2aの動作温度を1650℃に、清澄槽2bの動作温度を1650℃に、冷却通路2cの動作温度を1510℃に、合流通路1aの動作温度を1470℃に、給液槽3の動作温度を1350℃に制御する。
【0035】
最後に、ガラス液は給液槽3を通ってオーバーフロー槽に入って精密成形し、オーバーフロー法による第10.5世代TFT-LCDガラス基板が製造される。後続の品質検査により、オーバーフロー法により製造された第10.5世代フロート法TFT-LCDガラス基板に気泡や縞がなかったことが分かる。本実施例のガラス窯は、1日あたりの溶融量が70トン/日である。
【0036】
以上の説明は、本発明の好ましい実施形態にすぎない。なお、当業者にとって、本発明の主旨から逸脱しない前提での様々な改善や変更は可能であり、これらは全て本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0037】
1-ガラス液混流攪拌区間、1a-合流通路、1b-ガラス液攪拌槽、1c-スポイラー、2-ガラス液加熱清澄化冷却区間、2a-加熱通路、2b-清澄槽、2c-冷却通路、3-給液槽、4-蛇行流路、5-溶融窯。
図1
【国際調査報告】