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特表2022-554050シリンジ本体の閉鎖装置及び閉鎖方法
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  • 特表-シリンジ本体の閉鎖装置及び閉鎖方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】シリンジ本体の閉鎖装置及び閉鎖方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20221221BHJP
   G01N 1/14 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A61M5/315
G01N1/14 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513655
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(85)【翻訳文提出日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 EP2020075711
(87)【国際公開番号】W WO2021052931
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】102019214071.8
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522075922
【氏名又は名称】ブルッガー シュテファン
(71)【出願人】
【識別番号】522075933
【氏名又は名称】クロッツ マルギット
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ブルッガー シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】クロッツ マルギット
【テーマコード(参考)】
2G052
4C066
【Fターム(参考)】
2G052CA20
2G052HC08
2G052HC32
2G052JA08
4C066EE14
4C066HH11
4C066LL30
(57)【要約】
本発明は、プランジャ型ストッパをシリンジシリンダに手動で挿入するための装置(10)に関し、この装置は、シリンジシリンダを保持するように適合されたレセプタクル(18)と、その中にプランジャ型ストッパを収容するように適合された筒状の設定管(30)と、設定管を保持するように適合された保持装置(28)と、プランジャ型ストッパを変位させるように適合された変位装置(40、42、44、46、48)と、を備え、保持装置(28)は、プランジャ型ストッパに対して設定管(30)を変位させるための作動部(34)を備える。さらに、本発明は、対応する方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランジャの一部を形成するエラストマ製のプランジャ型ストッパをシリンジシリンダに手動で挿入するための装置(10)であって、
前記シリンジシリンダを保持するように適合されたレセプタクル(18)と、
前記プランジャ型ストッパをその内部に収容するように適合された筒状の設定管(30)と、
前記レセプタクル(18)に対して前記設定管(30)を保持するように適合された保持装置(28)と、
前記設定管(30)に対して前記プランジャ型ストッパを変位させるように適合された変位装置(40、42、44、46、48)と、
を備え、
前記保持装置(28)は、前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるために手動で操作するように適合された作動部(34)を含む、装置(10)。
【請求項2】
前記保持装置(28)の前記作動部(34)が細長い板状要素として有利に設計されたロッキング装置(34)からなり、前記ロッキング装置(34)は、前記ロッキング装置(34)の第一端で入力された第一の方向に作用する手動の作動力を、前記第一端と反対側に配置された前記ロッキング装置(34)の第二端で第二の方向に作用する梃子力に伝達するように適合され、前記第一の方向が前記第二の方向と実質的に反対であることを特徴とする、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記保持装置(28)及び/又は前記変位装置(40、42、44、46、48)及び/又は前記レセプタクル(18)が、有利にはそれぞれ少なくとも1つのねじ接続(26)を介して、互いに対して調整可能であることを特徴とし、及び/又は、
前記設定管(30)もさらに前記レセプタクル(18)に対して変位可能に適合され、その変位経路の所定の位置において、前記レセプタクル(18)上に配置されたシリンジシリンダの内部空間内に少なくとも部分的に突出することを特徴とし、及び/又は、
前記設定管(30)が、一端に半径方向外側に延びるカラー(32)を有することを特徴とし、及び/又は、
前記シリンジシリンダを保持するように適合された前記レセプタクル(18)が、少なくとも2つの部分からなることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記設定管(30)を保持するように適合された前記保持装置(28)が、少なくとも部分的に前記設定管(30)を包囲し、
前記保持装置(28)は、有利には、前記設定管(30)のレセプタクル(18)のために、好ましくは前記保持装置(28)の中心軸と同心であるボアを備えた中空シリンダ形状に設計されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記設定管に対して前記プランジャ型ストッパを変位させるように適合された前記変位装置(40、42、44、46、48)は、
プランジャ(44)を前記設定管に対して整列させるように適合されたプランジャガイド(42)と、
前記プランジャ型ストッパを前記設定管に対して変位させるように適合された前記プランジャ(44)と、
を備え、
前記プランジャ(44)が、有利には、前記保持装置(28)に面する端部に円筒部を有し、その外径が前記設定管(30)の明確な内径よりも小さいこと、及び/又は、
前記プランジャ(44)が、有利には、前記保持装置(28)の反対側の端部に、有利には半径方向外側に延びるヘッド(48)をさらに備え、前記ヘッド(48)は、有利には指によって手動で作動させて前記プランジャ型ストッパを前記設定管(30)に対して変位させるように適合されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項6】
ベースプレート(12)と、
前記ベースプレート(12)に接続された支持要素(14)と、
前記ベースプレート(12)に有利に取り付けられたレセプタクル(18)であって、
第二の心出しレセプタクル(24)を支持するように適合され、有利には深さストッパ(26)を有する第一の心出しレセプタクル(22)と、
前記シリンジシリンダを支持するように適合された前記第二の心出しレセプタクル(24)と、
を備える、レセプタクル(18)と、
前記プランジャ型ストッパをその内部に収容するように適合された筒状の設定管(30)と、
前記支持要素(14)に有利に取り付けられた保持装置(28)であって、前記保持装置(28)が前記レセプタクル(18)に対して前記設定管(30)を保持するように適合されており、有利には前記設定管(30)を少なくとも部分的に包囲し、前記保持装置(28)は細長い板状要素として構成されたロッキング装置(34)を備え、前記ロッキング装置は前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるように適合され、前記ロッキング装置(34)は、有利には、指によって作動されるように適合された第一端(38)と、前記第一端(38)の実質的に反対側に配置され、前記設定管(30)を少なくとも部分的に包囲する第二端と、を有する、保持装置(28)と、
変位装置(40、42、44、46、48)であって、
プランジャ(44)を前記設定管に対して整列させるように適合されたプランジャガイド(42)であって、有利には直接的又は間接的に調整可能である、プランジャガイド(42)と、
前記プランジャ型ストッパを前記設定管(30)に対して変位させるように適合され、有利には深さストッパ(46)を含む、前記プランジャ(44)と、
前記支持要素(14)に有利に取り付けられ、前記プランジャガイド(42)を保持するように適合されたプランジャガイドレセプタクル(40)と、任意選択で、
前記設定管(30)に対するプランジャ型ストッパの不注意な変位を防止するように適合された固定装置(50)であって、有利には少なくとも1つの前記支持要素(14)に枢動可能に接続される、固定装置(50)と、
を備える、変位装置(40、42、44、46、48)と、
を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項7】
プランジャの一部を形成するエラストマ製のプランジャ型ストッパをシリンジシリンダに流体密に手動で挿入するための方法であって、
(i)前記プランジャ型ストッパを筒状の設定管(30)に挿入するステップと、
(ii)このために適合されたレセプタクル(18)にシリンジシリンダを挿入するステップと、
(iii)前記設定管(30)内で前記プランジャ型ストッパを所定の位置まで変位させるステップと、
(iv)変位装置(40、42、44、46、48)の作動部(34)を手動作動によって、前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記設定管(30)内で前記プランジャ型ストッパを変位させるステップは、前記設定管(30)に対して前記プランジャ型ストッパを変位させるように適合された変位装置(40、42、44、46、48)によって行われることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるステップは、ロッキング装置(34)の第一端(38)に対して、有利には指を用いて第一の方向に作用する作動力を手動で作用させるステップであって、それによって、第二の方向に作用する梃子力が、前記第一端(38)の実質的に反対側に配置され、有利には前記設定管(30)を少なくとも部分的に包囲する前記ロッキング装置(34)の第二端で前記設定管(30)に伝達され、前記第一の方向は前記第二の方向と実質的に反対側にある、ステップによって行なわれ、
有利には、
(i)有利には固定可能なプランジャ(44)を介して、前記プランジャ型ストッパに保持力を作用させ、前記シリンジシリンダ内部の前記所定の位置に前記プランジャ型ストッパを保持するステップであって、前記プランジャ(44)は、前記変位装置(40、42、44、46、48)の一部を形成し、前記設定管(30)に対して前記プランジャ型ストッパを変位させるように適合され、有利には、その上に配置された深さストッパ(46)でプランジャガイド(42)を支持する、ステップと、
(ii)細長い板状要素(34)の第一端(38)に、有利には指を用いて圧縮力を作用させるステップであって、それによって、前記第一端(38)の反対側に配置され、少なくとも部分的に前記設定管(30)を包囲する第二端で、前記設定管(30)に梃子力が伝達され、前記梃子力の方向は前記圧縮力に対して実質的に反対である、ステップと、
によって行われ、
前記プランジャ型ストッパは、前記設定管(30)から完全に脱出して、前記シリンジシリンダの内面に接触するように拡張することを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
(i)前記プランジャ型ストッパを筒状の設定管(30)に挿入するステップと、
(ii)このために適合されたレセプタクル(18)に、有利には充填されたシリンジシリンダを挿入するステップであって、前記レセプタクル(18)は、第二の心出しレセプタクル(24)を保持するように適合された第一の心出しレセプタクル(22)と、前記シリンジシリンダを保持するように適合された前記第二の心出しレセプタクル(24)を含む、ステップと、
(iii)前記シリンジシリンダと共に前記第二の心出しレセプタクル(24)を前記第一の心出しレセプタクル(22)内の所定の位置に変位させるステップであって、前記所定の位置は、有利には、前記第二の心出しレセプタクル(24)を前記第一の心出しレセプタクル(22)に取り付けられた深さストッパ(26)に対して配置することによって達成される、ステップと、
(iv)前記プランジャ型ストッパの前記設定管(30)を保持装置(28)に配置するステップと、
(v)任意選択で、前記シリンジシリンダを有する前記レセプタクル(18)と前記設定管(30)を、それらが互いに実質的に同軸となるように調整するステップと、
(vi)前記設定管(30)に対する前記プランジャ型ストッパの不注意な変位を防止するように適合された固定装置(50)を解放するステップと、
(vii)前記プランジャ型ストッパを前記設定管(30)に対して変位させるように適合されたプランジャ(44)に、有利には手動で圧縮力を加えることによって、前記設定管(30)内で前記プランジャ型ストッパを変位させるステップであって、前記プランジャ(44)の反対側の前記プランジャ型ストッパの端部に配置された前記プランジャ型ストッパは、前記プランジャ(44)に加えられる圧縮力によって所定の位置に変位され、前記プランジャ型ストッパの前記所定の位置は、プランジャガイド(42)に対して前記プランジャ(44)に配置された深さストッパ(46)を配置することによって有利に達成される、ステップと、
(viii)前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるステップを、
前記プランジャ(44)を介して、前記プランジャ型ストッパに保持力を作用させ、前記シリンジシリンダ内部の前記所定の位置に前記プランジャ型ストッパを保持するステップであって、前記プランジャは、有利には、前記深さストッパ(46)で前記プランジャガイド(42)を支持する、ステップと、
細長い板状要素(34)の第一端(38)に、有利には指で圧縮力を作用させるステップであって、それによって、前記第一端(38)とは反対の第二端で、前記設定管(30)を少なくとも部分的に包囲し、前記圧縮力とは実質的に反対の方向を有する梃子力を、前記設定管(30)に伝達させる、ステップと、
によって行い、前記プランジャ型ストッパは、前記設定管(30)から完全に脱出して、前記シリンジシリンダの内面に接触するように拡張する、ステップと、
を含むことを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プランジャの一部を構成するエラストマ製のプランジャ型ストッパ(Kolbenstopfen)をシリンジシリンダに手動で挿入するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プランジャ型ストッパでシリンジを閉鎖するためにこれまで使用されてきた方法は、非常に複雑(充填機の使用)であるか、無菌でないか、代表的なもの(過圧を避けるためにセット中にプランジャ型ストッパを操作する)であった。シリンジの形態で投与される液体薬剤又は医療機器の開発の初期段階やライフサイクル管理において、通常の大量生産以外にプランジャ型ストッパでシリンジを閉鎖することが必要となる理由は、基本的に2つある。
・より長い期間(好ましくは薬剤の意図された保存期間に相当)にわたって溶液と包装材料の相互作用に関して材料適合性を調査して、分析し、必要であれば製剤又は包装材料を適合させる必要がある。ここで重要なのは、生産方法が後の充填機による工業生産にできるだけ密接に対応していることである。わずかな偏差でも解析結果に大きな影響を与え、互換性について信頼性の高いステートメントが、もはや作成できなくなる。その結果、薬剤の開発の後期段階で大きな問題(保存性の低下)を引き起こしたり、製剤/包装材料の新たな開発を余儀なくされ、多大な時間と費用がかかることになる。
・薬剤開発の初期段階では、in vivo試験だけでなく、毒性試験も必要となることが多い。これらの試験では、対象となる無菌薬剤が実際の無菌性を示すことも必要である。従来の手動ストッパ設定でプランジャ型ストッパを操作しても保証されないため、このような生産はできない。GMP規制により、毒性学的特性が不明の物質を敷地内に持ち込むことはできないので、充填機での充填も同様に困難である(相互汚染の回避、洗浄の検証ができない)。さらに、充填機で自動ストッパ設定を行うには、使用可能なバッチサイズが不十分な場合が多い(デッドボリューム)。
【0003】
そのため、小さなシリーズでも上記のようなシリンジへの充填を可能にする装置又は方法を提供することが求められていた。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様では、この課題は、ピストンの一部を形成するエラストマ製プランジャ型ストッパをシリンジシリンダに手動で挿入するための装置によって解決され、この装置は、シリンジシリンダを保持するように適合されたレセプタクルと、その中にプランジャ型ストッパを収容するように適合された筒状の設定管(Setzrohr)と、設定管を保持するように適合された保持装置と、プランジャ型ストッパを変位させるように適合された変位装置と、を備え、保持装置は、プランジャ型ストッパに対して設定管を変位させるために、手動で作動するように適合された作動部を備える。
【0005】
本発明による装置では、1つの量から1シリーズの充填済みシリンジ(及びカートリッジ、ダブルチャンバーカートリッジ、ダブルチャンバーシリンジなどの他のシリンジ状円筒管)を製造することが可能である。さらに、本発明による装置を用いて、無菌的に完全な方法で、異なる目的のために、それぞれのシリンジを充填することができる。これにより、上述した用途において、コストと時間を大幅に削減することができる。
【0006】
特に、本発明による装置では、全自動充填システムの充填シーケンスを模倣することができるので、小さなシリーズから実際の薬剤製造のシリーズへの後の切り替えが、大きな変換なしに可能である。この文脈では、製造されるシリンジの特性について完全に同一の条件を達成するために、充填機のコンポーネントを本発明による装置に直接取り入れることも可能である。例えば、ここで問題になるのが、設定管やプランジャ(後述)である。
【0007】
本発明による装置によって、シリンジシリンダ内に過圧を形成することなく、それぞれのプランジャ型ストッパを設定することができ、その結果、例えば、製品が意図せず排出される可能性がある。したがって、本発明と関連して、「無圧」ストッパ設定という用語も使用される。
【0008】
そのため、プランジャ型ストッパを絶対的な精度で位置決めすることができ、バッチ全体にわたって所望の必要な「フリードスペース」と均一性を得ることができる。
【0009】
シールドガス(Schutzgase)又は他のガスなどを接続し、ガスを沈降させること(Setz-Begasung)も可能である。一般に、本発明による装置は、開発チェーン全体(製剤開発、安定性試験、毒性試験、臨床試験、包装材料変更からライフサイクル管理)にわたって無菌環境(実験室からアイソレータまで)で使用して、操作することも可能である。
【0010】
有利には、本発明による装置の、充填されるシリンジ及び/又は薬剤の部分と接触する少なくとも全ての構成要素、特に全ての構成要素がオートクレーブ可能である。
【0011】
さらに、少なくともレセプタクル及び/又は設定管は、それらが異なる形式のシリンジとの対応相手と交換できるように設計されていることが有利となり得る。このようにして、例えば、1ml、3ml、10mlの形式のシリンジに充填することが実現できる。
【0012】
本発明による装置では、例えば、まず、既に充填されたシリンジシリンダをレセプタクル内に配置することができ、次に、シリンジシリンダを設定管に対して変位させて、薬剤に関連する設定管の端部が薬剤から所定の距離になるようにすることができる。さて、プランジャ型ストッパは、設定管内を変位させることができ、これにより、プランジャ型ストッパと薬剤との間の設定管内に配置されたガスは、設定管内のプランジャ型ストッパの変位時に排出され、シリンジシリンダ内に過圧を形成せずに、設定管とシリンジシリンダとの間のシリンジシリンダから逃げることが可能である。プランジャ型ストッパが薬剤に隣接する設定管の端部に位置するとき、本発明の装置のオペレータは、作動部を作動させ、それによって設定管をプランジャ型ストッパに対して変位させ、薬液から離間させることができる。これにより、プランジャ型ストッパは拡張し、シリンジシリンダと密封状態で相互作用する。こうして完成したシリンジは、本発明による装置から取り外すことができるようになる。
【0013】
本発明のさらなる実施形態において、保持装置の作動部がロッキング装置(Wippeinrichtung)からなってもよく、ロッキング装置は、ロッキング装置の第一端で入力された第一の方向に作用する手動操作力を、第一端と反対側に配置されたロッキング装置の第二端で第二の方向に作用する梃子力に伝達するように適合され、第一の方向が第二の方向と実質的に反対であってもよい。このような工夫により、一端での小さな作動力を他端での比較的大きな変位力に変換することが可能となり、作動部の作動を簡略化できる可能性がある。
【0014】
ロッキング装置は、細長い板状要素として構成することができる。特にシンプルで費用対効果の高いロッキング装置の設計が可能になる。
【0015】
さらに、指によって作動されるように適合された第一端と、第一端の実質的に反対側に配置され、設定を少なくとも部分的に包囲する第二端とを有し得る。したがって、板状要素は、ユーザが板状要素の第一端に指で作用できるように、ユーザが容易にアクセスできるような方法で、特に、本発明による装置上に配置することができる。
【0016】
有利には、装置は、また保持装置及び/又は変位装置が接続されている少なくとも1つの支持要素を含むことができる。
【0017】
装置は、また少なくとも1つの支持要素に有利に接続され得るベースプレートをさらに含むことができる。したがって、少なくとも1つの支持要素及びベースプレートは、一緒になって、本発明による装置の上記の部分を保持することができるフレームを形成することができる。
【0018】
特に、レセプタクルはベースプレートに取り付けることができる。これにより、レセプタクルがベースプレートに対して支持され、例えば、ベースプレートに対するレセプタクルの水平方向の遊びを低減又は回避することさえできる。
【0019】
レセプタクルは、保持装置及び/又は変位装置に対して、有利には少なくとも1つのねじ接続を介して調整可能である。これにより、シリンジシリンダが装置内で変位することができる。さらに、本発明による装置は、したがって、異なる充填レベル又は異なるシリンジ形式を有するシリンジの充填に適合させることができる。
【0020】
有利には、保持装置及び/又は変位装置及び/又はレセプタクルは、有利にはそれぞれの場合において少なくとも1つのねじ接続によって、互いに調整可能である。このようにして、シリンジを製造する際、及び/又は本発明による装置を異なるシリンジ形式及び/又は充填レベルに適合させる際に、最大限の柔軟性を達成することができる。
【0021】
さらに、設定管は、その変位経路の所定の位置で、レセプタクル上に配置されたシリンジシリンダの内部空間に少なくとも部分的に突出するように、レセプタクルに対して変位可能に適合されてもよい。したがって、プランジャ型ストッパが配置された設定管を、シリンジシリンダ内に配置された薬剤の近傍に位置するまで、シリンジシリンダ内で変位させることができる。
【0022】
特に、設定管は、一端に半径方向外側に延びるカラーを有していてもよい。このため、設定管は、例えば上方から対応するホルダに挿入され、カラーと重力により所定の位置に保持される。これにより、本発明に係る装置の上で、設定管の交換を容易に行うことが可能になる。
【0023】
さらに、シリンジシリンダを保持するように適合されたレセプタクルは、少なくとも2つの部分から構成されてもよい。
【0024】
この点に関して、レセプタクルは、第二の心出しセプタクルを保持するように適合された第一の心出しレセプタクルと、シリンジシリンダを保持するように適合された第二の心出しセプタクルとを含んでよく、ここで、第二の心出しセプタクルは少なくとも部分的に第一の心出しセプタクル中に浸漬される。
【0025】
第一の心出しセプタクルは、第二の心出しセプタクルの変位経路を制限するように適合された深さストッパを含んでもよい。言い換えれば、第二の心出しセプタクルの変位経路は、第一の心出しセプタクルによって規定することができる。
【0026】
第二の心出しレセプタクルは、第一の心出しレセプタクルと実質的に反対側の端部にシリンジシリンダ用のホルダを有することができ、これは有利には中空シリンダ形状又はクランプ状に設計されている。それぞれのシリンジシリンダを、第二の心出しレセプタクルのこのホルダに、上から挿入することも、あるいは横から係合することもできる。例えば、弾性クランプとして設計されている場合、横方向、例えば水平方向に係合することができる。次に、このとき、薬剤はすでにシリンジシリンダ内に存在していてもよいし、あるいは第二の心出しレセプタクルのホルダが調整された後に充填されるだけであってもよい。
【0027】
さらに、設定管を保持するように適合された保持装置は、少なくとも部分的に設定管を包囲することができる。部分的な包囲は、特に、設定管がその長手方向延長方向に沿ってのみ変位可能に収容されるようなものであることが可能である。
【0028】
この場合、保持装置は、好ましくは保持装置の中心軸と同心で、設定管のレセプタクルのためにボアを有する中空シリンダ形状に設計することができる。
【0029】
本発明のさらなる実施形態において、プランジャ型ストッパを設定管に対して変位させるように適合された変位装置は、設定管に対してプランジャを位置合わせするように適合されたプランジャガイドと、設定管に対してプランジャ型ストッパを変位させるように適合されたプランジャとを含んでいてもよい。プランジャは、例えば、シリンジシリンダの長手方向中心軸に対して特に平行に、有利には同軸上に変位可能なロッドとして設計されてもよい。
【0030】
この場合、変位装置は、プランジャガイドを保持するように適合されたプランジャガイドレセプタクルをさらに備えてもよい。例えば、プランジャガイドは、スライドブッシュの形態であってもよい。
【0031】
さらに、プランジャガイド又はプランジャガイドレセプタクルは、少なくとも1つの支持要素に接続されてもよく、プランジャトガイドは、有利には少なくとも1つのねじ接続を介して、有利には直接的又は間接的に調整可能であってもよい。ここでも、プランジャガイドが分割できるために、本発明による装置を異なるシリンジ形式に適合させることができる場合がある。
【0032】
有利には、プランジャは、保持装置に面する端部に、その外径が設定管の明確な内径よりも小さい円筒状部分を有していてもよい。これにより、プランジャが設定管内に潜り込み、プランジャ型ストッパをその中で変位させることができる。プランジャのこの部分の直径を設定管の内径よりわずかに小さくすることで、プランジャ型ストッパが設定管内で不用意に傾くことを防止することができる。
【0033】
プランジャは、保持装置の反対側の端部に、有利には半径方向外側に延びるヘッドをさらに備えてもよく、このヘッドは、有利には指で手動作動させてプランジャ型ストッパを設定管に対して変位させるように適合されている。一方では、プランジャのヘッドは、オペレータが手でプランジャを変位させることができるように、十分に大きな作動面を提供することができる。他方、プランジャのヘッドは、プランジャ型ストッパが設定管内を通って変位させるのに必要な力をオペレータが加えるのを補助する錘として機能することができる。
【0034】
特に、プランジャは、有利には調整可能な深さストッパをさらに含んでいてもよく、これは、変位装置を通る設定管内のプランジャ型ストッパの変位経路の端部を規定するように適合されている。これにより、オペレータは、深さ方向の調整がうまくいき、シリンジ形式/充填レベルが変わらなければ、シリンジシリンダに対するプランジャの位置に注意を払うことなく、限界までプランジャを変位させることができ得る。プランジャが最大変位量に達すると、オペレータは、作動部、例えばロッキング装置を作動させ、それによって、上述のようにプランジャ型ストッパを解放することができる。
【0035】
さらに、装置は、設定管に対するプランジャ型ストッパの不注意な変位を防止するように適合された固定装置を備えてもよく、固定装置は、有利には少なくとも1つのねじ接続を介して、有利には少なくとも1つの支持要素に枢動可能に接続されている。したがって、ねじ接続は、固定状態における固定装置の枢動を防止し、解放状態における固定装置の枢動を可能にすることができる。また、固定装置は、プランジャの変位を許容する解放状態からプランジャの変位を抑制する固定状態に、自動的に移行するように、バネなどの弾性要素を備えることができる。
【0036】
装置の有利な実施形態では、この装置は、
ベースプレートと、
ベースプレートに接続された支持要素と、
ベースプレートに有利に取り付けられたレセプタクルであって、
第二の心出しレセプタクルを支持するように適合され、有利には深さストッパを有する第一の心出しレセプタクルと、
シリンジシリンダを支持するように適合された第二の心出しレセプタクルと、を備える、レセプタクルと、
プランジャ型ストッパをその内部に収容するように適合された筒状の設定管と、
支持要素に有利に取り付けられた保持装置であって、保持装置がレセプタクルに対して設定管を保持するように適合されており、有利には設定管を少なくとも部分的に包囲し、保持装置は細長い板状要素として構成されたロッキング装置を備え、ロッキング装置はプランジャ型ストッパに対して設定管を変位させ、ロッキング装置は、有利には、指によって作動されるように適合された第一端と、第一端の実質的に反対側に配置され、設定管を少なくとも部分的に包囲する第二端と、を有する、保持装置と、
変位装置であって、
プランジャを設定管に対して整列させるように適合されたプランジャガイドであって、有利には直接的又は間接的に調整可能である、プランジャガイドと、
プランジャ型ストッパを設定管に対して変位させるように適合され、有利には深さストッパを含む、プランジャと、
支持要素に有利に取り付けられ、プランジャガイドを保持するように適合されたプランジャガイドレセプタクルと、任意選択で、
設定管に対するプランジャ型ストッパの不注意な変位を防止するように適合された固定装置であって、有利には少なくとも1つの支持要素に回動可能に接続される、固定装置と、を備える、変位装置と、
を備える。本発明のこの特別な実施形態に関して、対応する個々の特徴について与えられた説明が参照される。
【0037】
第二の態様では、本発明は、プランジャの一部を形成するエラストマ製のプランジャ型ストッパをシリンジシリンダに流体密に手動で挿入するための方法に関し、この方法は、
(i)プランジャ型ストッパを筒状の設定管に挿入するステップと、
(ii)このために適合されたレセプタクルにシリンジシリンダを挿入するステップと、
(iii)設定管内でプランジャ型ストッパを所定の位置まで変位させるステップと、
(iv)変位装置の作動部を手動作動によって、プランジャ型ストッパに対して設定管を変位させるステップと、を含む。
【0038】
すでにこの時点で、本発明による装置に関連して述べた全ての利点、特徴及び効果は、本発明による方法にも適用でき、逆もまた同様であることを指摘しておく必要がある。
【0039】
したがって、本発明による方法は、同時に一連の条件を維持しながら、1の量から薬剤の充填済みの小さなシリーズのシリンジ(及びカートリッジ、ダブルチャンバーカートリッジ、ダブルチャンバーシリンジなどの他のシリンジ状円筒管)を製造することも可能である。
【0040】
この場合、プランジャ型ストッパをシリンジシリンダ内の所定の位置に配置することができる。すなわち、プランジャ型ストッパは、設定間内とシリンジシリンダ内の両方の所定の位置に配置することができる。
【0041】
プランジャ型ストッパが設定管及びシリンジシリンダ内の所定の位置に到達した後、設定管をプランジャ型ストッパに対して別の位置に変位させ、プランジャ型ストッパが設定管から完全に脱出して、シリンジシリンダの内面に接触するように拡張させることができる。このようにして、プランジャ型ストッパは、シリンジシリンダと密封状態で相互作用する。
【0042】
本発明による方法は、シリンジシリンダをレセプタクルに挿入する前に、シリンジシリンダを充填し、任意選択で、シリンジヘッドを閉鎖するステップをさらに含むことができる。シリンジシリンダに薬剤を充填するこのステップは、この目的に適合した本発明による装置のセクションで、又は本発明による装置とは別のセクションで実施することができる。充填は、例えばピペット又は半自動充填によって、有利には無菌環境で、例えばアイソレータ内で行うことができる。本発明によれば、一方ではシリンジシリンダへの充填に、他方ではプラグインに必要な全ての装置をアイソレータに配置することが可能である。これは、充填とストッパ設定の両方を無菌的に行えることを意味する。
【0043】
さらに、この方法は、プランジャ型ストッパを設定管に挿入する前に、設定管を保持装置に配置するステップを含むこともできる。このように、保持装置を用いて、異なる設定管を交換可能に接続することができる。
【0044】
この方法は、設定管内でプランジャ型ストッパを変位させる前に、シリンジシリンダでレセプタクルを所定の位置まで変位させるステップをさらに含んでもよく、シリンジシリンダの所定の位置では、シリンジシリンダに面した設定管の端部がシリンジシリンダ内に少なくとも部分的に存在する。本発明による方法のそのような実施形態では、設定管を有する保持装置は、例えば保持装置が接続されるフレームに対して固定されたままであってもよく、一方、シリンジシリンダは設定管を介して所定位置に変位させられていてもよい。
【0045】
シリンジシリンダを備えたレセプタクルとの所定位置は、レセプタクルに取り付けられた深さストッパに、レセプタクルを配置することで実現できる。これにより、シリンジシリンダが設定管に対して所定位置以上に変位することを防止し、ひいては、設定管が薬剤と接触することを防止することができる。
【0046】
プランジャ型ストッパを設定管内で変位させる前に、シリンジシリンダのレセプタクルと設定管が実質的に同軸となるように調整することができる。これにより、設定管とシリンジシリンダを接触することなく互いに変位させることができるが、これは、例えばシリンジシリンダ内壁を汚染する可能性がある。
【0047】
さらに、設定管内でプランジャ型ストッパを変位させるステップは、設定管に対してプランジャ型ストッパを変位させるように適合された変位装置によって達成することができる。変位装置の変位方向は、設定管及び/又はシリンジシリンダの長手方向中心軸と実質的に平行又は同軸であってもよい。
【0048】
特に、設定管内でプランジャ型ストッパを変位させるステップは、変位装置の一部を形成し、設定管に対してプランジャ型ストッパを変位させるように適合されたプランジャに圧縮力を及ぼすことによって、有利には手動で及ぼすことによって行われることがある。本発明による装置を参照して既に説明したように、プランジャは、特に、プランジャ型ストッパが設定管に対して所望の向きを維持するように、設定管を介してプランジャ型ストッパを傾斜することができ、すなわち、プランジャ型ストッパが不用意に傾くことを防止することができる。
【0049】
この場合、プランジャ型ストッパの所定位置は、プランジャに配置された深さストッパをプランジャガイドに配置することによって有利に実現することができる。この場合も、深さストッパによって、プランジャ型ストッパが所定位置を超えて変位するのを防ぐことができる。
【0050】
有利には、プランジャ型ストッパに対して設定管を変位させるステップは、第一の方向に作用する作動力をロッキング装置の第一端に手動で作用し、有利には指を用いて作用し、それによって、第二の方向に作用する梃子力が、第一端の実質的に反対に配置され、有利には設定管を少なくとも部分的に包囲しでいるロッキング装置の第二端で設定管に伝えられることによって実現でき、第一の方向が第二の方向と実質的に反対であり得る。これにより、設定管が保持装置から外れてシリンジシリンダから離れ、プランジャ型ストッパが解放されて、拡張し、シリンジシリンダと接触することができる。遅くとも完成したシリンジを取り出した後、設定管は、例えば重力によって、又は新しいプランジャ型ストッパが設定管に挿入されることによって、その保持装置内の元の位置に変位して戻ることができる。
【0051】
この場合、プランジャ型ストッパに対して設定管を変位させるステップは、
(i)有利には固定可能なプランジャを介して、プランジャ型ストッパに保持力を作用させ、シリンジシリンダ内部の所定の位置にプランジャ型ストッパを保持するステップであって、プランジャは、変位装置の一部を形成し、設定管に対してプランジャ型ストッパを変位させるように適合され、有利には、その上に配置された深さストッパでプランジャガイドを支持する、ステップと、
(ii)細長い板状要素の第一端に、有利には指を用いて圧縮力を作用させるステップであって、それによって、第一端の反対側に配置され、少なくとも部分的に設定管を包囲する第二端で、設定管に梃子力が伝達され、梃子力の方向は圧縮力に対して実質的に反対である、ステップと、
によって行われ、
プランジャ型ストッパが設定管から完全に脱出して、シリンジシリンダの内面に接触するように拡張する。上述のように、シリンジシリンダ内のプランジャ型ストッパは、シリンジシリンダ内に過圧を生じさせることなく、シリンジシリンダ内に配置された薬剤の充填レベルに近づけることができ、例えば、シリンジシリンダから薬剤を排出させることができる。
【0052】
本発明による方法の有利な実施形態では、この方法は、以下のステップ、すなわち、
(i)プランジャ型ストッパを筒状の設定管に挿入するステップと、
(ii)このために適合されたレセプタクルに、有利には充填されたシリンジシリンダを挿入するステップであって、レセプタクルは、第二の心出しレセプタクルを保持するように適合された第一の心出しレセプタクルと、シリンジシリンダを保持するように適合された第二の心出しレセプタクルを含む、ステップと、
(iii)シリンジシリンダと共に第二の心出しレセプタクルを第一の心出しレセプタクル内の所定の位置に変位させるステップであって、所定の位置は、有利には、第二の心出しレセプタクルを第一の心出しレセプタクルに取り付けられた深さストッパに対して配置することによって達成される、ステップと、
(iv)プランジャ型ストッパの設定管を保持装置に配置するステップと、
(v)任意選択で、シリンジシリンダを有するレセプタクルと設定管を、それらが互いに実質的に同軸となるように調整するステップと、
(vi)設定管に対するプランジャ型ストッパの不注意な変位を防止するように適合された固定装置を解放するステップと、
(vii)プランジャ型ストッパを設定管に対して変位させるように適合されたプランジャに、有利には手動で圧縮力を加えることによって、設定管でプランジャ型ストッパを変位させるステップであって、プランジャの反対側のプランジャ型ストッパの端部に配置されたプランジャ型ストッパは、プランジャに加えられる圧縮力によって所定の位置に変位され、プランジャ型ストッパの所定の位置は、プランジャガイドに対してプランジャに配置された深さストッパを配置することによって有利に達成される、ステップと、
(viii)プランジャ型ストッパに対して設定管を変位させるステップを、
プランジャを介して、プランジャ型ストッパに保持力を作用させ、シリンジシリンダ内部の所定の位置にプランジャ型ストッパ保持するステップであって、プランジャは、有利には、深さストッパでプランジャガイドを支持する、ステップと、
細長い板状要素の第一端に、有利には指で圧縮力を作用させるステップであって、それによって、第一端とは反対の第二端で、設定管を少なくとも部分的に包囲し、圧縮力とは実質的に反対の方向を有する梃子力を、設定管に伝達させる、ステップと、
によって行い、プランジャ型ストッパは、設定管から完全に脱出して、シリンジシリンダの内面に接触するように拡張する、ステップと、
を含む。
【0053】
この実施形態の個々の特徴に関する本発明による方法及び本発明による装置の上記の説明を参照すると、この実施形態では、一連の条件を維持しながら、薬剤で満たされる非常に小さな一連のシリンジを様々なシリンジ形式で、製造するための特に単純な実現を表すことができる。
【0054】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施形態例によりさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本発明による装置の一実施形態を示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1において、本発明による装置の一実施形態は、一般に参照符号10で指定されている。装置10は、装置10が設立されるボトムプレートとしてのベースプレート12を含んで構成される。ベースプレート12に接続されているのは支持要素14であり、この場合、正方形のチューブとして設計されており、ベースプレート12と反対側の端部でカバー16に溶接されている。
【0057】
さらに、図1に示す例では、2つのネジ20を介してシリンジレセプタクル18がベースプレート12に連結されている。ここで、シリンジレセプタクル18をベースプレート12に接続することで、シリンジレセプタクル18は、軸Xに沿って支持要素14に向かって又は支持要素から離れるように変位することができる。シリンジレセプタクル18は、第一の心出しレセプタクル22を備え、これは、第二の心出しレセプタクル24を収容するように適合されており、第二の心出しレセプタクル24は、順に、図示されていないシリンジシリンダを収容するように適合されている。第二の心出しレセプタクル24は、軸線Yに沿って第一の心出しレセプタクル22内に変位可能であり、第二の心出しレセプタクル24に接続され、第一の心出しレセプタクル22と係合するねじ26が深さストッパ26を形成し、2つの心出しレセプタクル22、24を所望の位置で互いに調整できるようにする。
【0058】
方向Yに沿って、保持装置28が、ねじ接続が緩められたときに、保持装置28が支持要素14に対して軸Xに沿って変位できるように、第二の心出しレセプタクル24の上の支持要素14にねじ止めされる。保持装置28は、設定管30が挿入される中央貫通孔を有する。設定管30は、第二の心出しレセプタクル24と反対側の管状部分のその端部に、設定管30の管状部分から半径方向外側に延びるカラー32を含む。一方、カラー32は、保持装置28に対する設定管30の所定の位置を規定する。他方、作動部34は、カラー32と係合し、カラー32と保持装置28の間で設定管30を少なくとも部分的に取り囲む。
【0059】
作動部34は、ここでは板状のロッキング装置として設計されており、調整ねじ36を介して保持装置28に支持されており、この調整ねじ36によって、保持装置28又は設定管30に対する作動部34のプレテンション又は傾斜を調整することができるようになっており、作動部34がその端部38において、設定管30と反対側に、例えばユーザの指圧によって図1におけるY方向下方に作動させると、設定管30が図1におけるY方向に上向きに上昇する。
【0060】
保持装置28の上方の図1におけるY方向において、プランジャガイドレセプタクル40が支持要素14に接続され、このプランジャガイドレセプタクル40も軸Xに沿って支持要素14に対して変位可能かつ調整可能である。プランジャガイドレセプタクル40に接続されているのは、プランジャ44がY方向に沿って変位可能に配置されたプランジャガイド42である。プランジャ44の設定管30に面する部分は、プランジャ44が設定管30内に浸漬できるように、設定管30の内径よりも小さい外径を有している。プランジャ44の所定の特に調整可能な位置には、深さストッパ46が接続されており、この深さストッパ46によって規定される位置を超えたプランジャのY方向への変位を防止するように、プランジャガイド42と接触することができるようになっている。
【0061】
設定管30と反対側の端部には、プランジャ44は、オペレータの把持面として機能する圧力ヘッド48を有する。図1では、固定装置50が圧力ヘッド48と係合しており、プランジャ44の変位、特に図1に示す位置からY方向に沿って下への変位を防止していることが分かる。図1に示す固定装置50の実施形態は、プランジャ44の変位を解除するために、軸Yを中心に回動するように適合されている。
【0062】
以下では、可能な実施形態における本発明による方法を、本発明による装置10を参照して再び簡単に説明する。まず、プランジャ型ストッパを、例えばピンセットを用いて設定管30に挿入する。その後、第二の心出しレセプタクル24に、薬剤が充填されたシリンジシリンダが挿入される。第二の心出しレセプタクル24は、これ以上の変位が深さストッパ26によって制限されるまで、図1における方向Yに上方に変位するようになる。この位置で、ねじ26は、第一の心出しレセプタクル22に対する第二の心出しレセプタクル24の相対位置が固定されるように締め付けられる。この状態では、設定管30はシリンジシリンダに浸漬されている。次に、固定装置50を側方に揺動させ、深さストッパ46がプランジャガイド42に当たるまでプランジャ44をY方向下方に変位させることができるようにする。オペレータが圧力ヘッド48を押圧した状態を維持しながら、オペレータは、作動部34の第一端38を上から下へY方向に押圧し、設定管30を少なくとも部分的にシリンジシリンダから上方へ変位させる。これにより、プランジャ型ストッパが解放され、プランジャ44によってシリンジシリンダに対して位置を保持され続け、シリンジシリンダと密封的に係合するために拡張することができる。
【0063】
その後、プランジャ44及び第二の心出しレセプタクル24は、初期位置まで変位して戻り、プランジャ型ストッパを備えるシリンジシリンダを装置10から取り外すことができる。
【0064】
本発明の目的は、以下のポイントである。
(ポイント1)
プランジャの一部を形成するエラストマ製のプランジャ型ストッパをシリンジシリンダに手動で挿入するための装置(10)であって、
前記シリンジシリンダを保持するように適合されたレセプタクル(18)と、
前記プランジャ型ストッパをその内部に収容するように適合された筒状の設定管(30)と、
前記レセプタクル(18)に対して前記設定管(30)を保持するように適合された保持装置(28)と、
前記設定管(30)に対して前記プランジャ型ストッパを変位させるように適合された変位装置(40、42、44、46、48)と、
を備え、
前記保持装置(28)は、前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるために手動で操作するように適合された作動部(34)を含む、装置(10)。
(ポイント2)
前記保持装置(28)の前記作動部(34)がロッキング装置(34)からなり、前記ロッキング装置(34)は、前記ロッキング装置(34)の第一端で入力された第一の方向に作用する手動の作動力を、前記第一端と反対側に配置された前記ロッキング装置(34)の第二端で第二の方向に作用する梃子力に伝達するように適合され、前記第一の方向が前記第二の方向と実質的に反対であることを特徴とする、ポイント1に記載の装置(10)。
(ポイント3)
前記ロッキング装置(34)が細長い板状要素として構成されることを特徴とする、ポイント2に記載の装置(10)。
(ポイント4)
前記板状要素(34)が、指によって作動されるように適合された第一端(38)と、前記第一端(38)の実質的に反対側に配置され、前記設定管(30)を少なくとも部分的に包囲する第二端とを有することを特徴とする、ポイント3に記載の装置(10)。
(ポイント5)
前記保持装置(28)及び/又は前記変位装置(40、42、44、46、48)が接続される少なくとも1つの支持要素(14)をさらに備えることを特徴とする、ポイント1~4のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント6)
ポイント5による前記少なくとも1つの支持要素(14)に有利に接続されたベースプレート(12)をさらに備えることを特徴とする、ポイント1~5のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント7)
前記レセプタクル(18)が前記ベースプレート(12)に取り付けられることを特徴とする、ポイント6に記載の装置(10)。
(ポイント8)
前記レセプタクル(18)が、前記保持装置(28)及び/又は前記変位装置(40、42、44、46、48)に対して、有利には少なくとも1つのねじ接続(26)を介して調整可能であることを特徴とする、ポイント1~7のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント9)
前記保持装置(28)及び/又は前記変位装置(40、42、44、46、48)及び/又は前記レセプタクル(18)が、有利にはそれぞれ少なくとも1つのねじ接続(26)を介して、互いに対して調整可能であることを特徴とする、ポイント1~8のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント10)
前記設定管(30)もさらに前記レセプタクル(18)に対して変位可能に適合され、その変位経路の所定の位置において、前記レセプタクル(18)上に配置されたシリンジシリンダの内部空間内に少なくとも部分的に突出することを特徴とする、ポイント1~9のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント11)
前記設定管(30)が、一端に半径方向外側に延びるカラー(32)を有することを特徴とする、ポイント1~10のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント12)
前記シリンジシリンダを保持するように適合された前記レセプタクル(18)が、少なくとも2つの部分からなることを特徴とする、ポイント1~11のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント13)
前記レセプタクル(18)が、
第二の心出しレセプタクル(24)を保持するように適合された第一の心出しレセプタクル(22)と、
前記シリンジシリンダを保持するように適合された前記第二の心出しレセプタクル(24)と、
を備え、
前記第二の心出しレセプタクル(24)は、少なくとも部分的に第一の心出しレセプタクル(22)に浸漬されることを特徴とする、ポイント12に記載の装置(10)。
(ポイント14)
前記第一の心出しレセプタクル(22)は、前記第二の心出しレセプタクル(24)の変位経路を制限するように適合された深さストッパ(26)を有することを特徴とする、ポイント13に記載の装置(10)。
(ポイント15)
前記第二の心出しレセプタクル(24)が、前記第一の心出しレセプタクル(22)の実質的に反対側の端部に、シリンジシリンダ用のホルダを有し、前記ホルダは、有利には、中空シリンダ形状又はクランプ状に設計されていることを特徴とする、ポイント13又は14に記載の装置(10)。
(ポイント16)
前記設定管(30)を保持するように適合された前記保持装置(28)が、少なくとも部分的に前記設定管(30)を包囲することを特徴とする、ポイント1~15のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント17)
前記保持装置(28)は、前記設定管(30)のレセプタクル(18)のために、好ましくは前記保持装置(28)の中心軸と同心であるボアを備えた中空シリンダ形状に設計されることを特徴とする、ポイント16に記載の装置(10)。
(ポイント18)
前記設定管に対して前記プランジャ型ストッパを変位させるように適合された前記変位装置(40、42、44、46、48)は、
プランジャ(44)を前記設定管に対して整列させるように適合されたプランジャガイド(42)と、
前記プランジャ型ストッパを前記設定管に対して変位させるように適合された前記プランジャ(44)と、
を備えることを特徴とする、ポイント1~17のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント19)
前記変位装置(40、42、44、46、48)が、前記プランジャガイド(42)を保持するように適合されたプランジャガイドレセプタクル(40)をさらに備えることを特徴とする、ポイント18に記載の装置(10)。
(ポイント20)
前記プランジャガイド(42)又は前記プランジャガイドレセプタクル(40)が、少なくとも1つの支持要素(14)に接続されており、前記プランジャガイド(42)が、有利には、少なくとも1つのねじ接続を介して、有利には、直接的又は間接的に調整可能であることを特徴とする、ポイント7、18又は19のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント21)
前記プランジャ(44)が、前記保持装置(28)に面する端部に円筒部を有し、その外径が前記設定管(30)の明確な内径よりも小さいことを特徴とする、ポイント18~20のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント22)
前記プランジャ(44)が、前記保持装置(28)の反対側の端部に、有利には半径方向外側に延びるヘッド(48)をさらに備え、前記ヘッド(48)は、有利には指によって手動で作動させて前記プランジャ型ストッパを前記設定管(30)に対して変位させるように適合されることを特徴とする、ポイント18~21のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント23)
前記プランジャ(44)が、有利には調整可能な深さストッパ(46)をさらに備え、前記深さストッパ(46)は、前記変位装置(40、42、44、46、48)による前記設定管(30)内の前記プランジャ型ストッパの変位経路の端部を規定するように適合されることを特徴とする、ポイント18~22のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント24)
前記装置(10)が、前記設定管(30)に対する前記プランジャ型ストッパの不注意な変位を防止するように適合された固定装置(50)をさらに備え、前記固定装置(50)が、有利には少なくとも1つのねじ接続を介して、有利には少なくとも1つの支持要素(14)に枢動可能に接続されることを特徴とする、ポイント1~23のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント25)
ベースプレート(12)と、
前記ベースプレート(12)に接続された支持要素(14)と、
前記ベースプレート(12)に有利に取り付けられたレセプタクル(18)であって、
第二の心出しレセプタクル(24)を支持するように適合され、有利には深さストッパ(26)を有する第一の心出しレセプタクル(22)と、
前記シリンジシリンダを支持するように適合された前記第二の心出しレセプタクル(24)と、
を備える、レセプタクル(18)と、
前記プランジャ型ストッパをその内部に収容するように適合された筒状の設定管(30)と、
前記支持要素(14)に有利に取り付けられた保持装置(28)であって、前記保持装置(28)が前記レセプタクル(18)に対して前記設定管(30)を保持するように適合されており、有利には前記設定管(30)を少なくとも部分的に包囲し、前記保持装置(28)は細長い板状要素として構成されたロッキング装置(34)を備え、前記ロッキング装置は前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるように適合され、前記ロッキング装置(34)は、有利には、指によって作動されるように適合された第一端(38)と、前記第一端(38)の実質的に反対側に配置され、前記設定管(30)を少なくとも部分的に包囲する第二端と、を有する、保持装置(28)と、
変位装置(40、42、44、46、48)であって、
プランジャ(44)を前記設定管に対して整列させるように適合されたプランジャガイド(42)であって、有利には直接的又は間接的に調整可能である、プランジャガイド(42)と、
前記プランジャ型ストッパを前記設定管(30)に対して変位させるように適合され、有利には深さストッパ(46)を含む、前記プランジャ(44)と、
前記支持要素(14)に有利に取り付けられ、前記プランジャガイド(42)を保持するように適合されたプランジャガイドレセプタクル(40)と、任意選択で、
前記設定管(30)に対するプランジャ型ストッパの不注意な変位を防止するように適合された固定装置(50)であって、有利には少なくとも1つの前記支持要素(14)に枢動可能に接続される、固定装置(50)と、
を備える、変位装置(40、42、44、46、48)と、
を備える、ポイント1~24のいずれか1つに記載の装置(10)。
(ポイント26)
プランジャの一部を形成するエラストマ製のプランジャ型ストッパをシリンジシリンダに流体密に手動で挿入するための方法であって、
(i)前記プランジャ型ストッパを筒状の設定管(30)に挿入するステップと、
(ii)このために適合されたレセプタクル(18)にシリンジシリンダを挿入するステップと、
(iii)前記設定管(30)内で前記プランジャ型ストッパを所定の位置まで変位させるステップと、
(iv)変位装置(40、42、44、46、48)の作動部(34)を手動作動によって、前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるステップと、
を含む、方法。
(ポイント27)
前記プランジャ型ストッパが前記シリンジシリンダ内の所定の位置に配置されることを特徴とする、ポイント26に記載の方法。
(ポイント28)
前記プランジャ型ストッパが前記設定管(30)及び前記シリンジシリンダ内の前記所定の位置に到達した後、前記設定管(30)が前記プランジャ型ストッパに対してさらなる位置まで変位し、前記プランジャ型ストッパが前記設定管(30)から完全に脱出して前記シリンジシリンダの内面に接触するように拡張することを特徴とする、ポイント27に記載の方法。
(ポイント29)
前記シリンジシリンダを前記レセプタクル(18)に挿入するステップの前に、前記シリンジシリンダを充填し、任意選択で、シリンジヘッドを閉鎖するステップをさらに含む、ポイント26~28のいずれか1つに記載の方法。
(ポイント30)
前記プランジャ型ストッパを前記設定管(30)に挿入するステップの前に、前記設定管(30)を保持装置(28)に配置するステップをさらに含む、ポイント26~29のいずれか1つに記載の方法。
(ポイント31)
前記プランジャ型ストッパを前記設定管(30)内で変位させるステップの前に、前記レセプタクル(18)を前記シリンジシリンダと共に所定の位置に変位させるステップをさらに含み、前記設定管(30)の前記シリンジシリンダに面した端部が、前記シリンジシリンダの前記所定の位置において少なくとも部分的に前記シリンジシリンダ内にある、ポイント26~30のいずれか1つに記載の方法。
(ポイント32)
前記シリンジシリンダとの前記レセプタクル(18)の前記所定の位置が、前記レセプタクル(18)を、前記レセプタクル(18)に取り付けられた深さストッパ(26)に対して配置することによって達成されることを特徴とする、ポイント30又は31に記載の方法。
(ポイント33)
前記設定管(30)内で前記プランジャ型ストッパを変位させるステップの前に、前記シリンジシリンダを有する前記レセプタクル(18)と前記設定管(30)とを、それらが互いに実質的に同軸に配置されるように調整することを特徴とする、ポイント26~32のいずれか1つに記載の方法。
(ポイント34)
前記設定管(30)内で前記プランジャ型ストッパを変位させるステップは、前記設定管(30)に対して前記プランジャ型ストッパを変位させるように適合された変位装置(40、42、44、46、48)によって行われることを特徴とする、ポイント26~33のいずれか1つに記載の方法。
(ポイント35)
前記設定管(30)内で前記プランジャ型ストッパを変位させるステップは、前記変位装置(40、42、44、46、48)の一部を形成し、前記設定管(30)に対して前記プランジャ型ストッパを変位させるように適合されているプランジャ(44)に圧縮力を及ぼすことによって、有利には手動で及ぼすことによって行われることを特徴とする、ポイント26~34のいずれか1つに記載の方法。
(ポイント36)
前記プランジャ型ストッパの前記所定の位置は、有利には、プランジャガイド(42)上の前記プランジャ(44)に配置された深さストッパ(46)を配置することによって達成されることを特徴とする、ポイント35に記載の方法。
(ポイント37)
前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるステップは、ロッキング装置(34)の第一端(38)に対して、有利には指を用いて第一の方向に作用する作動力を手動で作用させることによって行われ、それによって、第二の方向に作用する梃子力が、前記第一端(38)の実質的に反対側に配置され、有利には前記設定管(30)を少なくとも部分的に包囲する前記ロッキング装置(34)の第二端で前記設定管(30)に伝達され、前記第一の方向は前記第二の方向と実質的に反対側にあることを特徴とする、ポイント26~36のいずれか1つに記載の方法。
(ポイント38)
前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるステップは、
(i)有利には固定可能なプランジャ(44)を介して、前記プランジャ型ストッパに保持力を作用させ、前記シリンジシリンダ内部の前記所定の位置に前記プランジャ型ストッパを保持するステップであって、前記プランジャ(44)は、前記変位装置(40、42、44、46、48)の一部を形成し、前記設定管(30)に対して前記プランジャ型ストッパを変位させるように適合され、有利には、その上に配置された深さストッパ(46)でプランジャガイド(42)を支持する、ステップと、
(ii)細長い板状要素(34)の第一端(38)に、有利には指を用いて圧縮力を作用させるステップであって、それによって、前記第一端(38)の反対側に配置され、少なくとも部分的に前記設定管(30)を包囲する第二端で、前記設定管(30)に梃子力が伝達され、前記梃子力の方向は前記圧縮力に対して実質的に反対である、ステップと、
によって行われ、
前記プランジャ型ストッパは、前記設定管(30)から完全に脱出して、前記シリンジシリンダの内面に接触するように拡張することを特徴とする、ポイント37に記載の方法。
(ポイント39)
(i)前記プランジャ型ストッパを筒状の設定管(30)に挿入するステップと、
(ii)このために適合されたレセプタクル(18)に、有利には充填されたシリンジシリンダを挿入するステップであって、前記レセプタクル(18)は、第二の心出しレセプタクル(24)を保持するように適合された第一の心出しレセプタクル(22)と、前記シリンジシリンダを保持するように適合された前記第二の心出しレセプタクル(24)を含む、ステップと、
(iii)前記シリンジシリンダと共に前記第二の心出しレセプタクル(24)を前記第一の心出しレセプタクル(22)内の所定の位置に変位させるステップであって、前記所定の位置は、有利には、前記第二の心出しレセプタクル(24)を前記第一の心出しレセプタクル(22)に取り付けられた深さストッパ(26)に対して配置することによって達成される、ステップと、
(iv)前記プランジャ型ストッパの前記設定管(30)を保持装置(28)に配置するステップと、
(v)任意選択で、前記シリンジシリンダを有する前記レセプタクル(18)と前記設定管(30)を、それらが互いに実質的に同軸となるように調整するステップと、
(vi)前記設定管(30)に対する前記プランジャ型ストッパの不注意な変位を防止するように適合された固定装置(50)を解放するステップと、
(vii)前記プランジャ型ストッパを前記設定管(30)に対して変位させるように適合されたプランジャ(44)に、有利には手動で圧縮力を加えることによって、前記設定管(30)内で前記プランジャ型ストッパを変位させるステップであって、前記プランジャ(44)の反対側の前記プランジャ型ストッパの端部に配置された前記プランジャ型ストッパは、前記プランジャ(44)に加えられる圧縮力によって所定の位置に変位され、前記プランジャ型ストッパの前記所定の位置は、プランジャガイド(42)に対して前記プランジャ(44)に配置された深さストッパ(46)を配置することによって有利に達成される、ステップと、
(viii)前記プランジャ型ストッパに対して前記設定管(30)を変位させるステップを、
前記プランジャ(44)を介して、前記プランジャ型ストッパに保持力を作用させ、前記シリンジシリンダ内部の前記所定の位置に前記プランジャ型ストッパを保持するステップであって、前記プランジャは、有利には、前記深さストッパ(46)で前記プランジャガイド(42)を支持する、ステップと、
細長い板状要素(34)の第一端(38)に、有利には指で圧縮力を作用させるステップであって、それによって、前記第一端(38)とは反対の第二端で、前記設定管(30)を少なくとも部分的に包囲し、前記圧縮力とは実質的に反対の方向を有する梃子力を、前記設定管(30)に伝達させる、ステップと、
によって行い、前記プランジャ型ストッパは、前記設定管(30)から完全に脱出して、前記シリンジシリンダの内面に接触するように拡張する、ステップと、
を含むことを特徴とする、ポイント26~38のいずれか1つに記載の方法。
図1
【国際調査報告】