(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】径方向荷重を受ける伝達シャフトに適用するためのコンパクトなギヤ減速ユニット
(51)【国際特許分類】
F16H 1/46 20060101AFI20221221BHJP
F16H 57/021 20120101ALI20221221BHJP
F03D 80/80 20160101ALI20221221BHJP
【FI】
F16H1/46
F16H57/021
F03D80/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522817
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2020079777
(87)【国際公開番号】W WO2021083789
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】102019000020024
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522152119
【氏名又は名称】カマー インダストリーズ エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】COMER INDUSTRIES S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ガロ, アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ビンダニ, フェデリコ
【テーマコード(参考)】
3H178
3J027
3J063
【Fターム(参考)】
3H178AA20
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB73
3H178CC25
3H178DD03X
3J027FA36
3J027FA38
3J027FB40
3J027GA01
3J027GB03
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3J027GD12
3J027GE01
3J027GE05
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3J027GE29
3J063AA40
3J063AB12
3J063AC01
3J063BB41
3J063BB48
3J063CA01
3J063CB02
3J063CD02
3J063CD06
3J063CD09
3J063CD42
3J063XD03
(57)【要約】
径方向荷重を受ける伝達シャフトに適用するコンパクトなギヤ減速ユニット1は、駆動シャフト4から伝達シャフト5への回転運動の伝達のためにギヤシステム3を収容する本体2を備え、ギヤシステムは、遊星型の出力減速段7を備える。減速段は、主軸線Aを中心に回転する太陽ギヤ8と、本体に一体化されたリングギヤ9とを備え、ギヤ間には、主軸線に平行な各長手方向軸線を中心に回転式に伝達遊星キャリア11によって支持される複数の遊星ギヤ10が係合され、遊星キャリアは、主軸線を中心に回転し、接続領域12で伝達シャフトと回転一体にされる。減速ユニットは、伝達シャフトの回転案内のために径方向荷重を支持する転動手段14を提供する。転動手段は、本体と遊星キャリアとの間に径方向で介在する第1ラジアル軸受15と、本体と伝達シャフトとの間に径方向で介在する第2ラジアル軸受16とを備え、両軸受は、接続領域の両側に軸方向で配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
径方向荷重を受ける伝達シャフトに適用するためのコンパクトなギヤ減速ユニット(1)であって、駆動シャフト(4)から伝達シャフト(5)に回転運動を伝達するためのギヤシステム(3)が内部に収容された略箱状本体(2)を備え、前記ギヤシステムには、主軸線(A)を中心に回転する駆動太陽ギヤ(8)と、前記略箱状本体(2)と一体的に関連付けられたリングギヤ(9)とを備える遊星型の出力減速段(7)が設けられており、前記ギヤ間には、前記主軸線(A)に平行であるそれぞれの長手方向軸線を中心に回転式に伝達遊星キャリア(11)によって支持される複数の遊星ギヤ(10)が係合されており、前記伝達遊星キャリア(11)は、さらに、前記主軸線を中心に回転し、接続領域(12)で前記伝達シャフト(5)と回転一体であるように関連付けられており、前記伝達シャフトの回転を案内するために前記伝達シャフト(5)に関連する径方向荷重を支持するように適合された転動手段(14)が、さらに設けられている、ギヤ減速ユニット(1)において、
前記転動手段(14)が、前記略箱状本体(2)と前記遊星キャリア(11)との間に径方向で介在する第1のラジアル軸受(15)と、前記本体と前記伝達シャフト(5)との間に径方向で介在する第2のラジアル軸受(16)とを備え、前記第1および第2の軸受(15、16)が、前記接続領域(12)の両側に軸方向で配置されていることを特徴とする、コンパクトなギヤ減速ユニット。
【請求項2】
前記遊星キャリア(11)が、前記主軸線(A)の周りに延びるフランジ(17)を備え、前記フランジから、それぞれの遊星ギヤ(10)を回転式に支持するための複数のピボット(18)が一方の側で軸方向に突出しており、前記接続領域(12)を形成する前記伝達シャフト(5)に接続するためのハブ(19)が、他方の側で突出していることを特徴とする、請求項1に記載のコンパクトなギヤ減速ユニット(1)。
【請求項3】
前記ハブ(19)と前記伝達シャフト(5)が、スプライン状プロファイル(20)を有する接続手段によって、前記主軸線(A)を中心に回転一体であるように関連付けられていることを特徴とする、請求項2に記載のコンパクトなギヤ減速ユニット(1)。
【請求項4】
前記第1の軸受(15)が、前記フランジ(17)の外側で前記遊星キャリア(11)と関連付けられていることを特徴とする、請求項2に記載のコンパクトなギヤ減速ユニット(1)。
【請求項5】
前記フランジ(17)には、前記主軸線(A)に沿って延び、前記軸線に向かって突出する環状突出部(22)が内部に設けられた、軸方向孔(21)が設けられており、前記伝達シャフト(5)が、前記孔(21)に沿って収容され、前記突出部(22)を越えて突出する軸部(23)を備え、前記軸部(23)に結合され、前記突出部(22)に軸方向で当接するように適合された調整リング(24)が、設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のコンパクトなギヤ減速ユニット(1)。
【請求項6】
前記リング(24)と前記突出部(22)との間に軸方向で介在する、調整された厚さを有する少なくとも1つのリング(25)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のコンパクトなギヤ減速ユニット(1)。
【請求項7】
前記ハブ(19)と前記略箱状本体(2)との間に径方向で介在し、前記第1および第2の軸受(15、16)の間に軸方向で配置された液圧シーリング手段(26)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のコンパクトなギヤ減速ユニット(1)。
【請求項8】
前記伝達シャフト(5)と、前記第2の軸受(16)と、前記略箱状本体(2)との間にクランプされた閉鎖シーリングリング(27)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のコンパクトなギヤ減速ユニット(1)。
【請求項9】
前記第1および第2の軸受(15、16)が、代替的に、円錐ころがO字形構成で取り付けられたラジアル軸受、円筒ころを有するラジアル軸受、ラジアル針状ころ軸受、ラジアル球面ころ軸受、ラジアルトロイダルころ軸受、ラジアル玉軸受のタイプであることを特徴とする、請求項1に記載のコンパクトなギヤ減速ユニット(1)。
【請求項10】
前記伝達シャフト(5)が、前記伝達シャフト(5)と前記主軸線(A)を中心に回転一体であり、前記略箱状本体(2)の外側に配置された、歯付きピニオン(28)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のコンパクトなギヤ減速ユニット(1)。
【請求項11】
前記ギヤシステム(3)が、前記駆動シャフト(4)と前記出力減速段(7)との間に介在する少なくとも1つのさらなる減速段(13a、13b、13c)を備え、前記少なくとも1つのさらなる減速段(13a、13b、13c)が、遊星型または平行軸を有する型のものであることを特徴とする、請求項1に記載のコンパクトなギヤ減速ユニット(1)。
【請求項12】
風力マストのナセルを回転作動させるためのアセンブリであって、請求項1~11のいずれか一項に記載の減速ユニット(1)を備え、前記減速ユニット内では、対応するピニオン(28)が、風力マストのナセルと一体的に回転する中央軸受と機能的に関連付けられ得ることを特徴とする、風力マストのナセルを回転作動させるためのアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、径方向荷重を受ける伝達シャフトに適用するためのコンパクトなギヤ減速ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
駆動シャフトと伝達シャフトとの間で回転を伝達するためのギヤシステムを収容するためのケーシングを実質的に備えるギヤ減速ユニットが、知られている。
【0003】
特に、減速ユニットが知られており、そのギヤシステムは、主軸線を中心に回転する駆動太陽ギヤと、ケーシングと一体のリングギヤとで構成された少なくとも1つの遊星出力減速段を備え、そのギヤ間には、主軸線に平行であるそれぞれの長手方向軸線を中心に回転式に伝達遊星キャリアによって支持された複数の遊星ギヤが係合され、伝達遊星キャリアは、前記主軸線を中心に回転し、伝達シャフトに回転式に一体的に関連付けられている。
【0004】
減速ユニットが多段型である場合、前記遊星ギヤ出力減速段の上流に、遊星ギヤ型および/または平行軸を有する直列の1つまたは複数の減速段を設けることが可能である。
【0005】
伝達シャフトは、ケーシング内に収容された少なくとも1つの部分を有し、この部分は、例えば軸受の対などの適切な転動部材によって回転式に支持され、軸受の各々1つは、伝達シャフトに取り付けられる内輪と、ケーシング内に形成された対応する座部に収容される外輪とを有する。伝達シャフトにねじ込まれた調整リングによって、軸受の予圧を調整することが可能である。
【0006】
特に、伝達シャフトが曲げモーメントを受けるだけでなく、片持ち状に加えられる径方向荷重を受ける用途では、円錐ころがO字構成(いわゆる背中合わせの構成)で取り付けられた2つの軸受が、一般的に使用される。
【0007】
典型的には、上述のタイプの1つまたは複数の遊星減速段を有する減速ユニットは、例えば、風力タービンのナセルの回転作動システムに適用される。この場合、減速ユニットの伝達シャフトは、前記ナセルと一体の歯付き中央軸受と噛み合うピニオンと回転一体であり、伝達シャフトに加えられる径方向荷重が、前記要素間の結合において発生する。
【0008】
構成要素の上記の構成によれば、伝達シャフトは、実質的にケーシングの内側に収容された部分を有し、この部分に沿って、遊星キャリアと結合するための端部領域、前記調整リングと結合するための領域、および2つの軸受と結合するための領域を軸方向で識別することが、可能である。
【0009】
既知のタイプのこの解決策にはいくつかの欠点があり、これには、上記で説明した構成によれば、ケーシング内に収容された伝達シャフトの部分の長手方向延長部の寸法の選択、およびそれに応じて、減速ユニットの強度を損なうことを回避するために特定の値以下には低減することができない前記ケーシングの寸法の選択が、容積、重量、およびコストに関してその性能に不利益をもたらすという事実が含まれる。
【0010】
実際、知られているように、円錐ころを有する軸受が耐えることができる径方向応力は、それらの間の距離が増加するにつれて、および軸受のうちの最大のものと荷重が加えられる点との間の距離が減少するにつれて増加する。このため、減速ユニットの寸法を選択する際に、一方の軸受を荷重印加点に近接して配置し、他方の軸受を所望の支持を得るのに十分な距離に配置する必要がある。
【0011】
したがって、伝達シャフトに加えられる片持ち状の径方向荷重が増加するにつれて、前記距離、ひいてはケーシングの内側に収容される伝達シャフトの部分の長さおよび前記ケーシングの長手方向容積も増加する。したがって、その結果、減速ユニットの長手方向の容積および全体的な重量が増加し、個々の構成要素(伝達シャフトおよびケーシング)と減速ユニット全体の両方の生産および物流管理コストが増加し、適用されることが意図されている機械における減速ユニットの組み立てが複雑になり、可動構成要素を潤滑するためにケーシングに導入される潤滑剤の量が増加する。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、片持ち状に加えられる径方向荷重の存在下であっても伝達シャフトの適切な回転支持を得ることを可能にし、それと同時に減速ユニットの長手方向容積および重量を制限することを可能にする、径方向荷重を受ける伝達シャフトに適用するためのコンパクトなギヤ減速ユニットを考案して、背景技術の上記の欠点を排除することである。
【0013】
この目的の範囲内で、本発明の目的は、構成要素および減速ユニット全体の生産および物流管理コストを低減することである。
【0014】
本発明の別の目的は、重量およびその運転コストをさらに低減するために、減速ユニットで使用される潤滑剤の量を低減することである。
【0015】
本発明の別の目的は、減速ユニットが内部に適用される複雑な機械の内側への適用および設置をより容易にすることである。
【0016】
本発明の別の目的は、例えば風力タービンのナセルの回転作動ユニットなど、伝達シャフトが片持ち状の径方向荷重を受ける用途に使用する際に汎用性があることである。
【0017】
本発明の別の目的は、単純であり、実際に提供するのが比較的容易であり、使用時に安全であり、動作時に効果的であり、比較的低コストの構造を有することである。
【0018】
この目的、ならびに以下でより明らかになるこれらおよび他の目的はすべて、請求項1に記載の径方向荷重を受ける伝達シャフトに適用するための、そして従属請求項に記載の特性の1つまたは複数を任意選択的に備えたコンパクトなギヤ減速ユニットによって達成される。
【0019】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に非限定的な例として示されている、径方向荷重を受ける伝達シャフトに適用するためのコンパクトなギヤ減速ユニットの、好ましいが排他的ではない実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明による、径方向荷重を受ける伝達シャフトに適用するためのコンパクトなギヤ減速ユニットの正面図である。
【
図2】平面II-IIに沿った、
図1の減速ユニットの断面図である。
【
図3】本発明による減速ユニットの一部の分解側面図である。
【
図4】平面IV-IVに沿った
図3の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
特に図面を参照すると、径方向荷重を受ける伝達シャフトに適用するためのコンパクトなギヤ減速ユニットが、全体的に符号1で示されている。
【0022】
減速ユニット1は、駆動シャフト4から伝達シャフト5に回転運動を伝達するためのギヤシステム3が内部に収容された、略箱状本体2を備える。
【0023】
図示の実施形態では、略箱状本体2は、ねじ部材6によって接続された2つのハーフシェル2aおよび2bからなる。略箱状本体2が別の形で成形され、別の形で成形され相互に結合された2つ以上の構成要素によって構成され得ることは、排除されない。
【0024】
使用中に、駆動シャフト4は、従来の電気モータまたは液圧モータなどの回転作動手段に直接的または間接的に接続されるように適合される。
【0025】
伝達シャフト5は、略箱状本体2の外側に突出し、回転式に作動されるユニットに運動を伝達するように適合された端部を有する。
【0026】
図示の実施形態では、例えば、伝達シャフト5は、運動伝達のために回転式に作動されるユニットの対応する歯付き部材と結合するように設計された端部にある歯付きピニオン28と回転一体であるように関連付けられている。ピニオン28は、好ましくは、伝達シャフト5と一体になるように形成されるが、機械的接続手段によって少なくとも主軸線Aを中心に回転一体にされる2つの別個の部分内に設けられ得ることは、排除されない。
【0027】
ギヤシステム3は、主軸線Aを中心に回転する駆動太陽ギヤ8と、略箱状本体2と一体的に結合され、前記軸線の周りに延びるリングギヤ9とを備える遊星型の出力減速段7を備える。複数の遊星ギヤ10が、太陽ギヤ8とリングギヤ9との間に係合され、主軸線Aに平行であるそれぞれの長手方向軸線を中心に回転式に伝達遊星キャリア11によって支持され、伝達遊星キャリアは、前記主軸線を中心に回転し、接続領域12で伝達シャフト5と回転一体であるように関連付けられる。
【0028】
遊星ギヤ10の数および配置は、特定の用途に最適な出力減速段7のサイズに関連して変化し得る。図示の実施形態では、主軸線Aを中心に90°ずつ対をなして角度を付けて離間された4つの遊星ギヤ10が、設けられる。
【0029】
1つの可能な実施形態では、ギヤシステム3は、単段タイプのものである。この場合、出力減速段7は、太陽ギヤ8に接続された駆動シャフト4と遊星キャリア11に接続された伝達シャフト5との間に直接介在する。
【0030】
代替として、ギヤシステム3は、多段型のものとすることができる。この場合、駆動シャフト4と出力減速段7との間に直列に配置された1つ以上の減速段が、存在する。前記さらなる減速段は、遊星型のものまたは平行軸を有するものとすることができる。
【0031】
図に示す実施形態では、ギヤシステム3は多段型のものであり、駆動シャフト4と出力減速段7との間に直列に配置された遊星型の3つのさらなる減速段13a、13b、13cを提供する。
【0032】
遊星型の対応する3つのさらなる減速段13a、13b、13cを有するギヤシステム3は、当業者に知られているタイプであるため、詳細には説明されない。
【0033】
この場合、駆動シャフト4および伝達シャフト5は、主軸線Aに沿って整列している。しかし、駆動シャフト4および伝達シャフト5は平行であり得るが、整列していなくてもよいこと(ギヤシステムが平行な軸線を有する1つまたは複数のさらなる減速段を含む場合)、すなわち互いに直角または斜めであり得ることは、排除されない。
【0034】
さらに、減速ユニット1は、伝達シャフト5の回転を案内するために伝達シャフト5に関連する径方向荷重を支えるように適合された転動手段14を備える。
【0035】
転動手段14は、略箱状本体2と遊星キャリア11との間に径方向で介在する第1のラジアル軸受15と、本体と伝達シャフト5との間に径方向で介在する第2のラジアル軸受16とを備え、第1および第2の軸受15および16は、接続領域12の両側に軸方向で配置される。
【0036】
図示の実施形態では、第1および第2の軸受15および16は、円錐ころがO字構成(いわゆる背中合わせの構成)で取り付けられたラジアル軸受のタイプである。代替として、これらの軸受は、例えば、円筒ころを有するラジアル軸受、ラジアル針状ころ軸受、ラジアル球面ころ軸受、ラジアルトロイダルころ軸受またはラジアル玉軸受のタイプであってもよい。
【0037】
第1および第2の軸受15および16の特定の配置は、径方向荷重の印加領域に近接して第2の軸受16を配置することを可能にし、伝達シャフト5の最適な支持を得るために前記軸受間で軸方向に適切な距離を維持することを可能にするが、既知の解決策に対して、伝達シャフトおよび略箱状本体2の軸方向容積は、低減される。
【0038】
このようにして、出力減速段7の遊星キャリア11はまた、伝達シャフト5を支持する際に協働する。
【0039】
より詳細には、遊星キャリア11は、主軸線Aの周りに延びるフランジ17を備え、このフランジから、それぞれの遊星ギヤ10を回転可能に支持するための複数のピボット18が、一方の側で軸方向に突出し、接続領域12を形成する伝達シャフト4への接続のためのハブ19が、他方の側で突出する。図示の実施形態では、主軸線Aを中心に90°ずつ対をなして角度を付けて離間された4つのピボット18が、設けられる。
【0040】
例えばころタイプの従来の軸受29が、各ピボット18と対応する遊星ギヤ10との間に介在する。
【0041】
したがって、遊星キャリア11は、いわゆる、片持ち状に支持されたピボット18を有する構成を有する。
【0042】
ハブ19および伝達シャフト5は、接続領域12に設けられたスプライン状プロファイル20を有する接続手段によって、主軸線Aを中心に回転一体であるように関連付けられる。しかし、当業者に知られているハブ19と伝達シャフト5との機械的接続の代替方法は、排除されない。
【0043】
第1の軸受15は、フランジ17の外側で遊星キャリア11と関連付けられる。したがって、第1の軸受15の内輪は、フランジ17の外側側壁にキー留めされる。
【0044】
フランジ17には、主軸線Aに沿って延び、前記軸線に向かって突出する環状突出部22が内部に設けられた軸方向穴21が、設けられる。
【0045】
伝達シャフト5にはエンド軸部23が設けられ、エンド軸部は、孔21に沿って収容され、略箱状本体2の内側で突出部22を超えて突出する。
【0046】
軸部23に結合され、軸受15および16の予荷重を調整するために突出部22に軸方向で当接するように適合された調整リング24も、設けられる。
【0047】
リング24は、雌ねじが切られており、軸部23の円筒形の側壁に形成された対応する雌ねじと結合される。
【0048】
さらに、調整された厚さを有する1つまたは複数のリング25を設けることができ、これらのリングは、軸受15および16の所望の予荷重を得るために、リング24と突出部22との間に軸方向で介在する。
【0049】
さらに、図示の実施形態では、ギヤシステム3および第1の軸受15を収容し、可動部材の油による潤滑が提供される本体の内部空洞の部分を絶縁するためにハブ19と略箱状本体2との間に径方向で介在する、既知のタイプの液圧シーリング手段26と、第2の軸受16が収容され、可動部材のグリース潤滑が存在する前記本体の内部空洞の部分を制限するために伝達シャフト5と、第2の軸受16と、略箱状本体2との間にクランプされた、Nilosタイプの閉鎖シーリングリング27とが、存在する。
【0050】
略箱状本体2の内部に収容されたすべての可動部材の油潤滑が提供され得ること、したがって、液圧シーリング手段26が別の形で成形され配置され得ることは、排除されない。
【0051】
特に、減速ユニット1は、図示しない風力マストのナセルの垂直軸を中心とした回転作動のためのユニットに適用することができる。
【0052】
この場合、減速ユニット1は、複合機械の構成要素を構成し、また、主軸が垂直に配置され、ピニオン28が上部領域に配置され、回転駆動されるナセルと一体の歯付き中央軸受と結合された状態で、設置される。
【0053】
この場合、伝達シャフト5に加えられる径方向荷重は、ピニオン28と中央軸受との間の結合の反作用に起因する。
【0054】
しかし、例えば、バスケット、クレーン、コンクリートポンプ、固定セメントミキサー、固定クレーン、移動式クレーン、ミキサートラック、スラリーミキサー、バイオガスプラント用ミキサー、鉱山機械、シュレッダーまたは圧延機などの作業車両のキャブまたは付属品の回転作動のためのユニットなどの、伝達シャフト5に加えられる径方向荷重がもたらされる用途での減速ユニット1の代替的な使用は、排除されない。
【0055】
実際には、記載された発明は意図された目的を達成することが分かっており、特に、本発明による減速ユニットは、径方向荷重が存在する場合であっても伝達シャフトの適切な回転支持を得ることを可能にし、シャフト、これが部分的に収容される略箱状本体、したがって減速ユニット全体の軸方向延長部を抑制することを可能にすることが、留意される。
【0056】
したがって、本発明による減速ユニットはまた、軽量であり、したがって使用および移動がより容易であり、また、既知の解決策よりも生産および運転コストが低く、潤滑剤の消費量が少ない。
【0057】
さらに、本発明による減速ユニットは、使用において汎用性があり、特定の用途の要件に従って構成およびサイズ設定することができる。
【0058】
このように考案された本発明は、数多くの改変形態および変形形態が可能であり、そのすべては、添付の特許請求の範囲内にある。
【0059】
さらに、すべの詳細は、技術的に等価な他の要素に置き換えることができる。
【0060】
実際には、使用される材料、ならびに条件付きの形状および寸法は、以下の特許請求の範囲の保護範囲を放棄することなく、要件に従って任意であり得る。
【0061】
本出願が優先権を主張するイタリア国特許出願第102019000020024号明細書の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
特許請求の範囲に述べる技術的特徴の後に参照符号が続く合、これらの参照符号は、特許請求の範囲の明瞭性を高める目的のためにのみ含まれており、したがって、そのような参照符号は、そのような参照符号によって例として特定される各要素の解釈に対するいかなる制限効果も有さない。
【国際調査報告】