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特表2022-554093磁気共鳴検査装置用カメラによる監視システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】磁気共鳴検査装置用カメラによる監視システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
A61B5/055 390
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523291
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2020079415
(87)【国際公開番号】W WO2021083714
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】19205534.1
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ワイス ステフェン
(72)【発明者】
【氏名】ウエルバーン ヤン ヘンドリック
(72)【発明者】
【氏名】ルスラー クリストフ グンター
(72)【発明者】
【氏名】セネガス ユリアン トーマス
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AD19
4C096CA70
4C096FC09
(57)【要約】
検査ゾーン(11)を備え、カメラ(21)及び非金属ミラー(22)を備え、特に検査ゾーン(11)内に、非金属ミラー(22)を介して、検査ゾーン(11)の部分とカメラ(21)との間に光路(23)を配置する、磁気共鳴検査システムが提供される。カメラは、直接視線(28)が遮断されても、その部分から画像情報を得ることができる。非金属ミラーは、巨視的に格子化されるベースを有する誘電体ミラーである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査ゾーンを有する磁気共鳴検査システムであって、前記システムは、カメラと、非金属ミラーであって、前記検査ゾーン内において、前記非金属ミラーを介して、前記カメラと前記検査ゾーンの部分との間に光路を構成する、非金属ミラーとを有する監視システムを有し、
前記非金属ミラーは、巨視的に格子化されるベースを有する誘電体ミラーである、
磁気共鳴検査システム。
【請求項2】
前記監視システムは、前記カメラの画像出力に基づいて、患者から情報を取得するように構成され、前記情報は、
前記患者のバイタルサインと、
前記患者の身体の動きと、
前記患者の苦痛又は気分の指標と、
呼吸サイクルフェーズと、
心周期フェーズと
の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の磁気共鳴検査システム。
【請求項3】
前記光路は、前記検査ゾーンに配置される補助装置を回避する、請求項1乃至2の何れか一項に記載の磁気共鳴検査システム。
【請求項4】
前記非金属ミラーは、巨視的に格子化されるベースを有する誘電体ミラーであり、その上に誘電体層の積層体は、前記積層体からの傾斜される有効反射が得られるように、堆積される、請求項1乃至3の何れか一項に記載の磁気共鳴検査システム。
【請求項5】
前記巨視的に格子化されるベースは、前記ベースの横方向延長部の法線に対してそれぞれ同じ斜角であるパッチを有する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の磁気共鳴検査システム。
【請求項6】
前記非金属ミラーは、前記内壁に対するその方向が変更され得るように調整可能に取り付けられる、請求項1乃至5の何れか一項に記載の磁気共鳴検査システム。
【請求項7】
前記非金属ミラーを介して光ビームを前記検査ゾーンに向ける光源を含む、請求項1乃至6の何れか一項に記載の磁気共鳴検査システム。
【請求項8】
前記監視システムは複数の非金属ミラーを含む、請求項1乃至7の何れか一項に記載の磁気共鳴検査システム。
【請求項9】
前記カメラは赤外線に対して高感度であり、前記一つ又は複数の非金属ミラーは、赤外線に対して反射性である、請求項1乃至8の何れか一項に記載の磁気共鳴検査システム。
【請求項10】
前記非金属ミラーは、視覚波長範囲において透明である、請求項1乃至9の何れか一項に記載の磁気共鳴検査システム。
【請求項11】
監視システムであって、
カメラと、
非金属ミラーであって、前記非金属ミラーを介して検査ゾーンの部分と前記カメラとの間に光路を構成するように前記検査ゾーン内に配置するための非金属ミラーと
を有し、
前記非金属ミラーは、巨視的に格子化されるベースを有する誘電体ミラーである、
監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴検査システムの検査領域を監視するためのカメラを備えた監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような監視システムは、米国特許出願第2017/0146619号から知られている。既知の監視システムは、MRI装置の保護カバーに隣接して、磁気共鳴撮像(MRI)装置のボアの外側に取り付けられたカメラによって形成される。カメラは、MRI装置の動作中に検査される患者を撮像するように構成される。
【0003】
JP H0928689は、MRIシステムのボアに設置されるミラーと、ミラー上にミラーされる対象の画像を取るためのTVカメラを開示している。コンピュータは画像を分析し、被検体の動きを検出する。コンピュータは例えば、被験者が限られた範囲外に移動するかどうかに応じて、MRデータが廃棄されるべきか、再び取り出されるべきか、又は収集されるべきかどうかを決定する。あるいは、MRIパラメータを最適化して、被験者の動きの影響を打ち消すことができる。
【0004】
特開2018042892号公報は、患者寝台と、スクリーンと、反射板と、フレームとを備えるMRIシステムを開示している。患者寝台は、ボアの中心軸に沿ってシステムのボア内で移動可能である。患者寝台上のフレームは寝台上に置かれた被験者が反射板を介してスクリーン上に投影される画像を見ることができるように、反射板を支持する。
【0005】
米国特許出願公開第2017/123020号は、ガントリ、治療台、反射板、及び処理回路を含む医用画像診断システムを開示している。反射板は、画像出力装置から出力される画像を反射する。処理回路は画像が反射板を介さずに観察者に示される第1の場合に、第1の画像に関する第1の画像信号を画像出力装置に出力する。反射板を介して観察者に画像が示される第2の場合には、処理回路が第2の画像に関する第2の画像信号を画像出力装置に出力する。
【0006】
特開2004041411号公報には、MRIシステムにおいて視覚刺激を提示する方法が開示されている。ダイクロイックミラーは、被検者の眼球に実質的に正面方向から入射する光路において使用され、投影機及びスクリーンからの視覚刺激を提示する。眼球は赤外線ランプによって照射され、眼球の動きは、赤外線カメラによってダイクロイックミラーを通して、すなわち、赤外線を照射し、眼球を監視するために、赤外線が通過する間に、光波長スペクトルの視覚刺激がダイクロイックミラーによって反射される設定を使用して、監視される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、磁気共鳴検査装置の検査領域において、より有効な範囲を有する磁気共鳴検査装置のためのカメラによる監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は本発明によれば、検査ゾーンを有する磁気共鳴検査システムであって、赤外線に対して感度の高いカメラと、検査ゾーン内の少なくとも1つの非金属ミラーであって、非金属ミラーを介して、検査ゾーンの部分とカメラとの間に光路を構成する、非金属ミラーを備える、磁気共鳴検査システムによって達成される。非金属ミラーは、巨視的に格子化されるベースを有する誘電体ミラーである。
【0009】
本発明の監視システムは、カメラによって取得される画像(単一画像フレームによるものであろうと動的画像によるものであろうと)に基づいて検査ゾーンを監視するように機能する。カメラは(ボリュメトリック)範囲又は視野を有し、それに対してカメラは、そこから画像情報を得るために高感度である。非金属ミラーはカメラがその部分から画像情報を得ることができるように、検査ゾーンの一部とカメラとの間の光路を構成する。非金属ミラーは、例えば検査ゾーンの内壁に取り付けることによって、検査ゾーン内に配置することができる。非金属ミラーはまた、患者キャリア上に配置される局所無線周波数(RF)コイルなどの検査ゾーン内の補助装置上に配置されてもよい。例えば、非金属ミラーをRFヘッドコイルに取り付けることは実用的である。さらに、非金属ミラーは、検査ゾーンの外側の別個のフレーム上に設けることができる。特に、ステップが行われなかった場合、問題の部分はカメラの範囲からブロックされることになる。このような障害物は、カメラの検査ゾーンへの直接的な視線に位置する不透明な対象物によって形成される。この物体は、しばしばカメラの視野から検査ゾーンの一部を遮る。このような障害物はローカルRF(Radio Frequency)送信又は受信(T/R)アンテナのように、検査ゾーン内に配置される補助機器であってもよい。検査されるべき患者の身体の部分もまた、障害物を作り出し得る。非金属ミラーは、カメラと検査ゾーンの部分との間の1つ又は複数の障害物を回避する光路を生成する。検査ゾーンの内壁上に複数の非金属ミラーを設けることによって、より複雑な回避光路を形成することができる。本発明は例えば、検査ゾーンに障害物が存在する場合であっても、検査されるべき患者のより多くの正面図を提供する。本発明によれば、検査ゾーンへのカメラの直接的な視線を潜在的に妨害する対象物によって、検査ゾーンのより少ない部分がカメラの範囲から取り出されるか、又は全く取り出されない。非金属ミラーは、検査ゾーンの内壁に取り付けるのが簡単である。非金属ミラーは製造コストが安い。非金属ミラーの取り付けは、検査ゾーン内のローカルRF T/Rアンテナなどの様々な撮像環境及び障害物の位置、又は検査される患者のサイズ及び位置に容易に適合させることができる。単一のカメラ及び幾つかの非金属ミラーの配置は例えば、幾つかのカメラを採用する場合と比較して比較的安価であり、それらの各々は、検査ゾーンのそれぞれの部分を概観する。
【0010】
非金属ミラーは、磁気共鳴検査システムの高周波動作を(電磁的に)妨害しない。すなわち、弱い磁気共鳴信号の高感度RF取得は、非金属ミラーによって影響されない。さらに、非金属ミラーは、磁気共鳴検査システムの磁場及び高周波ダイナミック伝送場を摂動させない。非金属ミラーは誘電体ミラーとして形成される。このような誘電体ミラーは、異なる屈折率の層の積層体を含む。層は、誘電体共振器を形成する隣接する層間で異なる屈折率を有するガラス層であってもよい。これらの積み重ねられた層は、スタック内の隣接する層のインターフェースから反射される光の干渉を引き起こす。単純な実施形態では、誘電体ミラーが好ましくは一方の側が暗くコーティングされるガラス板であってもよい。このコーティングされるガラスプレートは、コーティングされていない側を検査ゾーンに向けて取り付けることができる。この単層ガラス板は4乃至5%程度の反射率を有し、これにより、検査ゾーンから、低い光強度ではあるが、カメラが画像情報を取得することができる。
【0011】
本発明のこれら及び他の態様は、従属請求項に定義される実施形態を参照してさらに詳述される。
【0012】
非金属ミラーは、巨視的に格子化されるベースを有する誘電体ミラーである。非金属ミラーは、マクロ的に格子化されるベース上に堆積される誘電体層の積み重ねによって形成することができる。巨視的に格子状のベースは、ベースの横方向延長部の法線に対してそれぞれ等しい斜角であるパッチを有することができる。このような巨視的格子構造は、非金属ミラーの層状積層体から傾いた有効反射を誘起する。この傾斜は、非金属ミラーへの、及び非金属ミラーからの光路を構成するためのさらなる自由度を提供する。誘電体ミラーの取り付けは、取り付け及び取り外しを容易にするように構成されてもよく、その結果、適切な傾斜を有する誘電体ミラーが検査されるべき患者及び補助装置の特定の構成をそれぞれ有する各検査のために使用され得る。即ち、誘電体ミラーは検査ゾーンからカメラへの最適な光路を提供する傾斜角を有し、障害物が無くても、高々少なくてもよい。そのために、取り付けは、誘電体ミラーを取り付け/取り外すためのクランプを備えた単純な機械的スライド機構とすることができる。
【0013】
例えば、格子化されるベースのパッチの傾斜によって生じる有効な反射はベースの横方向延長部の法線に関する反射とは異なる場合があり、その結果、ミラーの位置決め(例えば、向き)がより制約されなくなることは留意される。例えば、ミラーがスキャナボアの制約されるボリューム内に過度に突出する必要がない間に、光路に沿った良好な反射を達成することができ、例えば、検査領域の壁と同一平面上に留まるか、又は少なくともそれより少ない程度拡張されるままであってもよい。
【0014】
本発明の磁気共鳴検査システムの別の例では、非金属ミラーが例えばヒンジ又はピボットによって調節可能な方法で取り付けられてもよい。これにより、非金属ミラーの方向を内壁に対して、又は検査ゾーンの主軸に対して変化させることが可能になる。これは、検査ゾーンから非金属ミラーを介してカメラまでの光学経路を構成するためのさらなる自由度を提供する。これにより、検査ゾーン内の障害物を回避できる範囲が広がり、したがって、検査ゾーンの一部がカメラの視野から遮られることがさらに回避される。
【0015】
好ましくはカメラ及び非金属ミラーを構成する監視システム、及び任意選択で1つ又は複数の光源は狭い波長範囲内及び可視波長範囲外で動作する。好ましい例はシステムを(赤外線(IR))波長、例えば、800nmより大きい波長、例えば、約850nm +/―20nmの波長で動作させることである。次いで、マルチ積層は、その狭い波長範囲において反射性であって、広範囲の入射角に対して、又は少なくとも一定範囲の入射角に対して高い反射率を有するように構成することができる。これは、検査ゾーン内に位置し得る障害物にもかかわらず、カメラの検査ゾーンの良好なカバレージを達成するように光路を構成することを可能にする。これはまた、多くの患者にとって快適であると思われる可視光レベルが低いか暗い間に、IR光を用いて患者の監視を可能にする。このようなセットアップのために、検査ゾーンのIR照明用に別個のIR光源が設置される。
【0016】
さらなる例では磁気共鳴検査システムのうち、光源は非金属ミラーを介してその光ビームを検査ゾーンに向けるように構成され、配置される。この構成は共通の光源を用いて患者上のいくつかの異なる領域を照明することを可能にし、この光源は、非金属ミラーを介した光学経路を使用して検査ゾーンを照明するためにカメラの隣に配置されてもよい。特に、光源から検査ゾーンへの、及び検査ゾーンからカメラへの光路は、1つ又は複数の非金属ミラーを共通に有することができる。これにより、磁気共鳴検査システムの設定を簡素化し、検査ゾーン内のより自由なボア幅を提供する検査ゾーン外のカメラと同様に、光源の位置を特定することが可能になる。このようにして、例えば円筒形磁気共鳴検査システムにおいて、ボアの一端、すなわち検査ゾーンはスタッフが補助装置を位置決めし、例えば電極を介して補助装置を患者に接続するために自由にアクセス可能なままにされる。検査ゾーンの自由端はまた、閉所恐怖効果を減少させ、自由ボア空間を広くし、(閉所恐怖)患者に対する不快感を少なくし、一方、ボアサイズを広くすると、磁気共鳴検査システムの主磁場コイル及び傾斜磁場コイルの配置がより高価になる。
【0017】
本発明の別の例では、非金属ミラーが可視波長範囲において透明である。この実施例の枠組みにおいて、透明度手段は例えば、400nm乃至800nmの視覚的波長範囲において反射率が10%未満であることである。視覚スペクトルにおいて透明であるこのような非金属ミラーは、気を散らさず、オペレータ及び検査される患者などの観察者にはほとんど目立たないように見える。この視覚的透明性は、術者及び検査対象患者との注意散漫を減少させる。これは、特に、患者に提示される混乱したビュー又は苦痛を与えるビューを回避するために、及び/又は検査室内へのオペレータのための明確な(妨害されない)ビューを提供するために、及び/又は観察システムによる妨害なしに患者に視覚的刺激又は娯楽を提供するための更なるシステム構成要素を可能にするために有利であり得る。
【0018】
別の例として、本発明の実施形態による監視システムは患者のバイタルサイン、及び/又は患者の動き、及び/又は患者の苦痛の兆候(又はより一般的な、患者の気分検出)、及び/又はフォトプレチスモグラフィ(PPG)、及び/又はビデオベースの会話の検出(又は例えば、顔の特徴に基づく単純な単語又は命令の音声の認識)などの情報を患者から取得するように機能することができる。患者の運動に関する情報は例えば、呼吸運動及び/又は心臓運動(例えば、呼吸及び/又は心周期相の相を示す)を含み得る。例えば、患者の動きに関する情報は、患者の身体の外船体の画像情報から導出されてもよい。情報は処理によって(例えば、画像ベースの動き検出器によって)、及び/又はオペレータ又はスタッフメンバーによるシステムを介した患者の(直接的)視覚的監視によって決定されてもよい。呼吸及び/又は心臓位相情報は取得される磁気共鳴信号を動きについて補正するために、又は再構成される磁気共鳴画像に動き補正を適用するために、再構成器に適用されてもよい。例えば、心臓トリガ信号は、カメラからのビデオ信号に基づいて決定されてもよい。心臓トリガリングは明らかな理由から、心臓MRIに特に有用であるが、より一般的に適用されることもある。例えば、ニューロ撮像では、血流及び/又は脳脊髄液の拍動流によって引き起こされる頭部及び/又は頸部のスキャンにおけるアーチファクトが心臓位相信号に基づくそのようなトリガ技術又は他の補償アプローチによって抑制又は低減され得る。これはまた、頸動脈における血流の定量的測定に有用であり得る。さらに、PPG信号は例えば、額又は頬などの被験者の顔における皮膚画素の微妙な強度変化を分析することによって、ビデオ信号から抽出することができる。
【0019】
また、本発明は、カメラによって磁気共鳴検査システムの検査ゾーンを見るための監視システムに関する。本発明の監視システムはカメラと、非金属ミラーを介して、検査ゾーンの部分とカメラとの間に光路を構成するように検査ゾーン内に配置するための非金属ミラーとを備える。非金属ミラーは、巨視的に格子化されるベースを有する誘電体ミラーである。
【0020】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載される実施形態を参照して、及び添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明を組み込んだ磁気共鳴検査装置の一例の概略側面図である。
図2】本発明を組み込んだ磁気共鳴検査システムの別の例の概略側面仰角を示す。
図3】監視システムに組み込まれた非金属ミラーの例の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明を組み込んだ磁気共鳴検査装置の一例の概略側面図である。磁気共鳴検査システムは、検査ゾーンを規定する主磁石構造体10を備える。検査されるべき患者13は患者キャリア14、例えば、患者寝台上で、検査ゾーン内に配置されてもよい。主磁石構造は検査ゾーンに固定の均一な磁場を発生させるために、フレーム保持磁石巻線を含む。検査ゾーンは、一組の同軸(超伝導)巻線によって包含される円筒形ボリュームであってもよい。取得される磁気共鳴信号は、磁気共鳴信号から磁気共鳴画像を再構成する再構成器15に印加される。再構成される磁気共鳴画像は最終的に、観察、処理又は記憶のために出力16される。RF T/Rヘッドコイル12のような補助装置は特に患者13の頭部から磁気共鳴信号を取得するために、検査ゾーンに配置される。例えば、脳、頭蓋及び/又は頸部のスキャンは典型的にはカメラによる直視がほとんど不明瞭になるように、患者の頭部及び頸部を(少なくとも大部分)完全に囲むことができるそのようなヘッドコイルの助けを借りて実行することができる。
【0023】
監視システム20は検査される患者から、特にバイタルサイン及び動作に関する情報を得るために機能する。特に、呼吸運動及び心臓運動は、患者の身体の外皮の画像情報から導き出され得る。カメラ21は、検査ゾーンの1つの入口に近接して取り付けることができる。例えば、カメラはMRボアのフランジに組み込まれ、(例えば、使用可能な自由ボア直径が影響を受けないように、又は最小限にしか減少しないように、及び/又はMRシステムの動作に対する干渉を回避又は最小限に抑えるように)取り付けられてもよい。
【0024】
カメラ制御部25はカメラ21を制御するために設けられ、特に、カメラの焦点距離に関して、カメラの範囲が検査ゾーン内に延びる方向に関して、カメラの焦点距離を制御する。カメラ21によって取得される検査ゾーン11の内側の画像は、ディスプレイ26上に示されてもよい。このようにして、スタッフ又はオペレータは、検査ゾーンにおいて検査される患者を視覚的に監視することができる。カメラ21によって取得される画像情報はカメラ21によって取得される画像情報から検査される患者の呼吸及び/又は心周期位相として生理学的情報を導出するために、動き検出器27(例えば、ソフトウェアで実装されてもよい)にも適用されてもよい。呼吸及び/又は心臓位相情報は取得される磁気共鳴信号を動き補正するために、及び/又は再構成される磁気共鳴画像に運動補正を適用するために、再構成器15に適用されてもよい。
【0025】
監視システム20はさらに、検査ゾーンの内壁17(例えば、磁石ボア囲いの内壁)に取り付けることができる非金属ミラー22を含む。監視システムは、非金属ミラーを取り付けるためのピボット24を備え、その向きが調節可能なピボットによって制御され得るようにしてもよい。非金属ミラー22は非金属ミラーによって検査ゾーン内の僅かなスペースしか取り出されないように、内壁17に直接取り付けることができる。非金属ミラーは、検査されるべき患者の一人部からカメラへの(追加の)光路23を生成する。このようなカメラを介した追加の光路23は、一例として、図1及び図2に示すRF T/Rヘッドコイル12のような障害物を回避することができる。従って、非金属ミラーは、カメラの直接的な視線28が例えばRF T/Rヘッドコイル12によって妨害されるとしても、検査されるべき患者の部分が監視され得ることを達成する。
【0026】
代替的に(又は追加的に)、非金属ミラーは例えば、頸部、頭部、及び/又は神経放射線学的MR検査に使用されるようなヘッドT/Rコイル上に取り付けられてもよく、又はヘッドT/Rコイルの一部として形成されてもよい。ミラーをヘッドコイル内又は上に一体化することは、例えばスキャナボアのような既存の装置のコスト高又は複雑な改造を回避し得ることに留意される。例えば、ボアのフランジに取り付けられたカメラ間の比較的遠い距離は例えば額又は額の一部のみを示す非常に限定される視野をもたらし得るが、これは幾つかの用途、例えば、ピクセル強度のわずかな変動による血液拍動を監視するのに十分であり得る。
【0027】
図2は、本発明を組み込んだ磁気共鳴試験システムの別の例の概略側面図である。図2に示す磁気共鳴検査システムの監視システムは、図1に示すものと同様である。図2の監視システムには、検査ゾーンを照明する照明システム(一部)が付加的に設けられている。照明システムは、光源29、例えば赤外線(IR)光源を含む。例えば、光源は、カメラ21と並んで配置することができる。光源はカメラから距離を置いて配置されてもよいが、例えば、ほぼその近傍に配置されてもよい。従って、光源は、例えば直接及び/又は非金属ミラー22を介して、検査ゾーンの関連部分を照明することができる。このようにして、障害となり得る検査ゾーンの一部を非金属ミラーを介して照明することができる。したがって、非金属ミラーは、検査ゾーン内に遮蔽物体が存在する可能性があるにもかかわらず、検査ゾーンの照明が有効であることを達成することができる。図3は、監視システムに組み込まれた非金属ミラー22の一例の詳細を示す。非金属ミラー22は、ベースプレート31の一方の側に巨視的に格子状のベース33を有するベースプレート31を含む。巨視的に格子化されるベース31は、ベースプレートの平面拡張に対して法線35に対して傾斜される複数のパッチ34を有する。すなわち、各々のパッチは、ベースプレートの平面拡張に対して法線35にgな角度θである。個々のパッチの横方向寸法は、検査ゾーンからの(IR)光の波長よりも実質的に大きい。したがって、パッチは、光形成/検査ゾーンへの反射角度に対して有効な傾斜を誘発する。この有効傾斜は、個々のパッチの向きによって決定することができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】