(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】少なくとも流体を搬送するための搬送装置及びそのような搬送装置を備えるポンプ
(51)【国際特許分類】
F04C 5/00 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
F04C5/00 311E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523367
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2020079817
(87)【国際公開番号】W WO2021078898
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】102019128679.4
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】311000720
【氏名又は名称】ワトソン―マーロウ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】クルツェンビヒラー アロイス
(72)【発明者】
【氏名】フライヘル ヴァルンビュラー フォン ウント ズ ヘミンゲン-レドシュラグ ラース
(72)【発明者】
【氏名】リシュカ レイモント
(72)【発明者】
【氏名】ハウグ ニコ
(57)【要約】
本発明は、少なくとも流体を搬送するための搬送装置に関し、少なくとも1つの搬送チャンバ(18)と、前記搬送チャンバ(18)を少なくとも部分的に区画する少なくとも1つの寸法的に安定した搬送チャンバ要素(20)と、前記搬送チャンバ要素(20)と共に前記搬送チャンバ(18)を区画し、前記搬送チャンバ要素(20)上に配置される少なくとも1つの弾性変形可能で特に環状の搬送要素(22)、特に搬送膜と、を備え、前記搬送要素(22)が、前記搬送要素(22)のベース本体(76)と一体的に設計され、前記搬送要素(22)が前記搬送チャンバ要素(20)上に配置されるときに、前記搬送チャンバ要素(20)のシール溝(88)内に少なくとも部分的に配置される少なくとも1つのシール延長部(90)を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの搬送チャンバ(18)と、前記搬送チャンバ(18)を少なくとも部分的に区画する少なくとも1つの寸法的に安定した搬送チャンバ要素(20)と、前記搬送チャンバ要素(20)と共に前記搬送チャンバ(18)を区画し、前記搬送チャンバ要素(20)上に配置される少なくとも1つの弾性変形可能で特に環状の搬送要素(22)、特に搬送膜と、を備える、少なくとも流体を搬送するための搬送装置であって、前記搬送要素(22)が、前記搬送要素(22)のベース本体(76)と一体的に設計され、前記搬送要素(22)が前記搬送チャンバ要素(20)上に配置されるときに、前記搬送チャンバ要素(20)のシール溝(88)内に少なくとも部分的に配置される少なくとも1つのシール延長部(90)を有し、前記搬送チャンバ要素(20)が、流体を搬送するために前記搬送要素(22)の前記ベース本体(76)の搬送表面(78)と相互作用するためのカウンタ表面(74)を有し、前記カウンタ表面が、特に断面で見て、連続的に配置されている少なくとも3つの円弧部にわたって延び、前記シール溝(88)を区画する前記搬送チャンバ要素(20)の少なくとも1つのエッジ領域(92)が、前記3つの円弧部の少なくとも1つに接するように、特に直接接するよう配置されていることを特徴とする、搬送装置。
【請求項2】
前記シール溝(88)は、前記シール延長部(90)と、前記シール溝(88)を区画する前記搬送チャンバ要素(20)のエッジ領域(92)とが平らに互いに当接するように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記シール溝(88)と、前記シール溝(88)を区画し、前記搬送要素(22)の前記ベース本体(76)の前記搬送表面(78)に面する前記シール溝(88)の側に配置される前記搬送チャンバ要素(20)のエッジ領域(92)とが、前記シール延長部(90)が、前記シール溝(88)を区画する前記搬送チャンバ要素(20)の前記エッジ領域(92)上と、前記シール溝(88)の溝底(94)上とに、平らに当接するように設計されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記シール溝(88)は、流体を搬送するために前記搬送要素(22)の前記ベース本体(76)の前記搬送表面(78)と相互作用する前記搬送チャンバ要素(20)のカウンタ表面(74)の周りに完全に延び、前記シール溝は前記カウンタ表面(74)を区画することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記シール延長部(90)が、前記搬送要素(22)の前記ベース本体(76)の前記搬送表面(78)の周囲に完全に延び、前記搬送表面(78)を区画することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記シール延長部(90)が、前記搬送要素(22)の前記ベース本体(76)のエッジ領域に向かって移行領域を有し、前記移行領域が、前記ベース本体の前記搬送表面(78)に向かって前記シール延長部(90)の追加移行領域の断面とは異なる断面を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項7】
少なくとも1つの押圧要素(98、100)、特に少なくとも1つのクランプリングを有する少なくとも1つの押圧ユニット(96)を備え、前記押圧ユニット(96)が、前記搬送チャンバ要素(20)の方向に押圧力をもって前記シール延長部(90)に作用し、少なくとも前記シール溝(88)の領域で前記シール延長部(90)を圧縮することを意図されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記シール延長部(90)は、前記搬送要素(22)の前記ベース本体(76)の前記搬送表面(78)に対して横方向に延びる方向、特に少なくとも本質的に垂直な方向に沿って前記搬送表面(78)上に延びることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の搬送装置を少なくとも1つ有する、ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも流体を搬送するための搬送装置、及びそのような搬送装置を備えるポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも流体を搬送するための搬送装置は、特許文献1から公知であり、この公知の搬送装置は、少なくとも1つの搬送チャンバと、搬送チャンバを少なくとも部分的に区画する少なくとも1つの寸法的に安定した搬送チャンバ要素と、搬送チャンバ要素と一緒に搬送チャンバを区画し、搬送チャンバ要素上に配置された少なくとも1つの弾性変形可能で、特に環状の搬送要素と、を備える。また、特許文献1は、そのような搬送装置を備えたポンプも開示している。
【0003】
さらに、少なくとも流体を搬送するための搬送装置は、特許文献2から公知であり、この搬送装置は、少なくとも1つの搬送チャンバと、搬送チャンバを少なくとも部分的に区画する少なくとも1つの寸法的に安定した搬送チャンバ要素と、搬送チャンバ要素とともに搬送チャンバを区画し、搬送チャンバ要素に配置される少なくとも1つの弾性変形可能な搬送要素と、を備え、搬送要素は、搬送要素のベース本体と一体的に設計され、搬送要素が搬送チャンバ要素上に配置されたときに搬送チャンバ要素のシール溝内に少なくとも部分的に配置される少なくとも1つのシール延長部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102017104400号明細書
【特許文献2】米国特許第3922119号明細書
【特許文献3】欧州特許第1317626号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特に、最初に説明したタイプの搬送装置及び/又はポンプで、有利な搬送機能に関して改善された特性を有するものを利用できるようにするという目的に基づく。本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴によって達成され、一方、本発明の有利な実施形態及び強化は、従属請求項から収集することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも流体を搬送するための搬送装置に基づき、この搬送装置は、少なくとも1つの搬送チャンバと、搬送チャンバを少なくとも部分的に区画する少なくとも1つの寸法的に安定した搬送チャンバ要素と、搬送チャンバ要素と共に搬送チャンバを区画し、搬送チャンバ要素上に配置される少なくとも1つの弾性変形可能で特に環状の搬送要素、特に搬送膜と、を備え、搬送要素は、搬送要素のベース本体と一体的に設計され、搬送要素が搬送チャンバ要素上に配置されるときに、搬送チャンバ要素のシール溝内に少なくとも部分的に配置される少なくとも1つのシール延長部を有する。
【0007】
搬送チャンバ要素は、流体を搬送するために、搬送要素のベース本体の搬送表面と、特に、搬送要素のベース本体の前述の搬送表面と相互作用するためのカウンタ表面を有利、前記カウンタ表面が、特に断面で見て、連続的に配置されている少なくとも3つの円弧部にわたって延び、シール溝を区画する搬送チャンバ要素の少なくとも1つのエッジ領域、特に、搬送チャンバ要素の前述のエッジ領域が、3つの円弧部の少なくとも1つに接するように、特に直接接するよう配置されている。円弧部は、好ましくは、搬送チャンバ要素のカウンタ表面を形成する。3つの円弧部のうちの2つは、カウンタ表面の高所を形成し、外側に配置されている。3つの円弧部のうちの1つは、好ましくは、窪みを形成し、内側、特に2つの高所の間に配置される。3つの円弧部が異なる半径を有することも、同一の半径を有することも考えられる。用語「一体的に」は、例えば、溶接プロセス、接合プロセス、射出オーバーモールドプロセス、及び/又は当業者によって賢明とみなされる異なるプロセスによって製造され、少なくとも強固に接合された接続、及び/又は、例えば、鋳造から、及び/又は単一成分若しくは多成分の射出成形プロセスで、有利には単一のブランクから、1つのピースへの有利な製造を特に意味する。「本質的に垂直」という用語は、特に、基準方向に対する方向の整列を定義し、方向と基準方向は、特に投影平面で見て90°の角度を含み、角度は、特に、8°未満、好ましくは5°未満、特に2°未満の最大偏差を有している。好ましくは、シール延長部は、搬送表面に対して少なくとも実質的に垂直である方向に沿って、搬送表面を横切って延びるシール突起部を有する。流体が搬送チャンバを通って搬送可能である搬送チャンバの主搬送方向に対して少なくとも実質的に垂直である平面で見て、シール突起部は、半円形又は楕円形を有する断面を有している。しかしながら、シール突起部が、当業者によって賢明であると見なされる別の断面を有することも考えられる。シール突起部又はシール延長部全体は、ベース本体の外縁に数珠状に配置される。シール突起部は、搬送表面に対して少なくとも実質的に垂直に整列され、特に搬送側から離れて延びる方向に整列された主延長方向に延びる。
【0008】
ベース本体の搬送側は、好ましくは、ベース本体の活性化側から離れる方向に面するベース本体の側に配置される。搬送側は、特に、ベース本体の外側を形成する。活性化側は、好ましくは、ベース本体の内側を形成する。搬送要素の少なくとも1つの活性化延長部は、好ましくは、活性化側に配置される。活性化延長部は、好ましくは、搬送装置を構成するポンプの駆動ユニットの伝達要素、特に駆動ユニットの少なくとも2つの伝達要素と相互作用することを意図している。伝達要素は、好ましくは、搬送装置を構成するポンプの駆動ユニットの駆動要素上に配置される。ベース本体は、好ましくは、環状設計を有する。ベース本体は、特に、スロット付き環状設計を有する。平面、特に駆動シャフトの駆動軸に対して少なくとも本質的に垂直に延びる平面で見て、ベース本体は、特に、360°未満、特に90°以上の角度範囲に沿って延びる円弧又は開放リングと、円弧又は開放リングに対して横方向に延び、特に円弧又は開放リングの端部領域において円弧又は開放リングに直接接する2つの入口及び/又は出口延長部と、から本質的になる断面形状を有する。活性化延長部は、好ましくは、ベース本体上、特にベース本体の内側に、ベース本体の円弧範囲又はリング範囲の領域に配置される。活性化延長部の最大長手方向範囲は、特に、ベース本体の最大長手方向範囲よりも少なくとも5%小さく、好ましくは10%小さく、特に少なくとも20%小さい。活性化延長部は、好ましくは、ベース本体の円弧又は開放リングの全体的な範囲に少なくとも本質的に沿って、特に、ベース本体の入口及び/又は出口延長部がそれぞれ配置される円弧又は開放リングの端部領域まで延びる。活性化延長部は、特に、360°未満、好ましくは350°未満、特に180°以上の角度範囲に沿って活性化側に延びる。
【0009】
シール溝及びシール延長部は、特にシール突起部は、好ましくは、対応する形状、特に対応する断面を有する。シール溝は、好ましくは、特に搬送チャンバの主搬送方向に対して少なくとも実質的に垂直に延びる平面で見ると、U字形の断面を有する。シール溝は、好ましくは、搬送要素に面する搬送チャンバ要素の内側に配置される。特に、シール溝は、搬送チャンバ要素の外側エッジ領域に配置される。好ましくは、シール溝は、搬送チャンバ要素の外縁から最大距離だけ離間して配置され、この外縁は、搬送要素に面する搬送チャンバ要素の内側と、搬送要素から離れる方向に面する搬送チャンバ要素の外面との間の移行部を形成し、この最大距離は、特に15mm未満、好ましくは10mm未満、特に好ましくは8mm未満であり、特に12mm~6mmの間の値を有している。シール溝は、好ましくは、搬送チャンバ要素の外縁から最大距離で離間し、これは、特にシール溝の最大横方向範囲の少なくとも半分、特に50%に相当し、好ましくはシール溝の少なくとも最大横方向範囲に相当し、特にシール溝の最大横方向範囲の倍数に相当する。最大横方向範囲は、好ましくは、駆動ユニットの駆動軸に少なくとも実質的に平行に、及び/又は、搬送チャンバの主搬送方向に対して少なくとも実質的に垂直に延びる。
【0010】
搬送要素、特に搬送膜は、有利には、特に搬送チャンバ内に真空を発生させるために、活性化側から離れる方向に作用する駆動力の作用の結果として、搬送チャンバ要素のカウンタ表面から離れるように、特にカウンタ表面から持ち上がるように移動させることができる。特に搬送装置を取り囲む大気圧を基準として-0.1barより低い、好ましくは-0.2barより低い、特に-0.3barより低い真空は、好ましくは、搬送要素、特に搬送膜がカウンタ表面から離れて移動する結果として生成することができる。これにより、カウンタ表面と搬送表面とによって少なくとも部分的に区画される搬送装置の搬送チャンバ内へ搬送されるべき媒体の有利な搬送を達成することが可能となる。
【0011】
搬送要素、特に搬送膜は、好ましくは、搬送される媒体、特に流体の搬送が進行波原理(例えば、特許文献3の開示参照)に従って実現できるように、駆動ユニットによって駆動されることができる。駆動ユニットは、機械的駆動ユニット、磁気駆動ユニット、圧電駆動ユニット、油圧駆動ユニット、空気圧駆動ユニット、電気駆動ユニット、磁気レオロジー駆動ユニット、カーボンチューブ駆動ユニット、前述のタイプの駆動ユニットの組み合わせの形態で、又は当業者によって賢明とみなされる異なる駆動ユニットの形態で設計することができる。駆動ユニットは、好ましくは、搬送要素、特に搬送膜に作用することを意図した駆動要素を少なくとも有する。しかしながら、駆動ユニットが、搬送要素に作用することを意図した2つ以上の駆動要素を有することも考えられる。駆動要素は、好ましくは、搬送要素、特に搬送膜に駆動力を作用させた結果として、搬送要素、特に搬送膜の弾性変形を引き起こすことを意図している。駆動要素は、当業者によって賢明とみなされる任意の設計、例えば、プランジャー、延長部、係合リング、フック、把持要素等の形態を有していてもよい。駆動要素は、好ましくは、偏心シャフトの形態で設計される。偏心シャフトは、好ましくは、当業者に周知の方法で、搬送装置を構成するポンプのモータユニットによって回転するように駆動され得る。モータユニットは、電気モータユニット、内燃機関ユニット、ハイブリッドモータユニット等の形態で設計することができる。駆動要素は、好ましくは、回転軸を有する。回転軸は、好ましくは、搬送チャンバの主搬送方向に対して横方向に、特に少なくとも本質的に垂直に延びており、これに沿って、流体が搬送チャンバを通って搬送され得る。
【0012】
搬送装置の搬送チャンバは、好ましくは、搬送要素のベース本体と搬送チャンバ要素によって区画される。搬送装置の搬送チャンバは、好ましくは、搬送表面と、搬送表面の反対側にあるカウンタ表面とによって区切られる。搬送チャンバ要素は、好ましくは、寸法的に安定した態様で設計されている。搬送チャンバ要素は、好ましくは、特に、搬送装置の駆動ユニット及び/又は押圧ユニットの方向で搬送要素に力を及ぼすための押圧トレスを有している。搬送要素、特に搬送膜は、好ましくは、バネ弾性のある態様で設計されている。用語「バネ弾性のある(federelastisch)」とは、特に、要素、特に搬送要素の特性を指し、特に要素の形状の変化に依存し、好ましくは変化に比例し、その変化を打ち消す反力を発生させる特性を意図している。搬送要素、特に搬送膜は、好ましくは、繰り返し変形させることができるが、特にその繰り返し変形によって搬送要素、特に搬送膜を機械的に損傷又は破壊することはない。搬送要素、特に搬送膜は、好ましくは、特に変形後に、基本形状に、特にカウンタ表面を基準にして凸状に湾曲した基本形状に、特に搬送要素、特に搬送膜のゼロ位置に自動的に戻ろうとする。搬送要素、特に搬送膜のバネ弾性のある設計は、好ましくは、ベース本体の特に幾何学的な設計によって、及び/又はカウンタ表面を有する搬送チャンバ要素上の搬送要素、特に搬送膜の配置によって、少なくとも部分的に、影響を受けること、及び/又は引き起こされることが可能である。搬送要素、特に搬送膜は、好ましくは、搬送要素、特に搬送膜の窪みの結果として、流体の搬送が搬送チャンバ内及び/又はそれを通して行われるように、カウンタ表面を有する搬送チャンバ要素上に配置される。流体を搬送するための搬送要素、特に搬送膜に対する駆動力の影響が除去された後、搬送要素、特に搬送膜の搬送表面は、好ましくは、特にバネ弾性のある設計の結果として、少なくとも本質的に自動的に、カウンタ表面を基準として凸状に湾曲した配置に戻る。搬送要素、特に搬送膜は、好ましくは、ラバー状及び/又はゴム状の材料で作られている。しかしながら、搬送要素、特に搬送膜が、当業者によって賢明とみなされる異なる材料、又は複数の材料の組み合わせからなり、搬送要素、特に搬送膜のバネ弾性のある設計を可能にすることも考えられる。搬送要素、特に搬送膜は、好ましくは、搬送チャンバ内及び/又はそれを通して流体を搬送するために、「窪み効果(Beuleffekt)」を利用する。搬送要素、特に搬送表面は、好ましくは、流体を搬送するために少なくとも一時的に窪むことができ、少なくとも1つの窪み(Beule)は、流体を搬送するための搬送表面に沿って、特に転がるように変位することができる。用語「意図される」ことは、特に、特別に構築され、特別に設計され、及び/又は特別に装備されることを意味する。要素及び/又はユニットという表現は、ある特定の機能を意図され、特に、その要素及び/又はユニットが、少なくとも適用状態及び/又は動作状態にで、この特定の機能を満たすこと、及び/又は実行することを意味する。
【0013】
本発明の設計によって、搬送チャンバの確実なシールを有利に達成することができる。有利なシール機能を達成することができる。特に有利な態様で、流体の確実な搬送を達成することができる。確実なシールを有利に達成することができる。リークを有利に防止することができる。流体の効率的な搬送を有利に実現することができる。搬送チャンバ要素と搬送要素との間のシールラインに沿った大きなシール表面を有利に実現することができる。
【0014】
さらに、シール溝が、特に少なくとも搬送装置の非搬送状態及び搬送状態において、シール延長部と、シール溝を区画する搬送チャンバ要素のエッジ領域とが平らに互いに当接するように設計されていることが提案される。この文脈において、用語「非搬送状態」は、特に搬送表面の少なくとも部分領域で見て、搬送表面が変形せず、特にカウンタ表面から最大距離だけ離間し、搬送表面によって、特に搬送表面の少なくとも一部の領域によって搬送されるべき媒体を搬送するための駆動力の影響から切り離された、搬送表面の状態を指す。シール溝を区画するエッジ領域は、好ましくは、シール溝から、特にシール溝の溝底から、搬送表面を当てることができるカウンタ表面への移行部を形成する。シール溝を区画するエッジ領域は、好ましくは、特に直接、シール溝、特にシール溝の溝底、及びカウンタ表面に接する。シール溝を区画するエッジ領域は、好ましくは、特に直接、シール溝、特にシール溝の溝底、及びカウンタ表面の高所に接している。シール突起部の外面全体の少なくとも20%以上、好ましくは30%以上、特に40%以上が、特にシール溝を区切るエッジ領域上に接している。本発明の設計によって、有利なことに、多次元的なシール機能を実現することが可能になる。特に有利な態様で、流体の確実な搬送を達成することができる。確実なシールを有利に達成することができる。リークを有利に防止することができる。流体の効率的な搬送を有利に実現することができる。
【0015】
さらに、シール溝と、シール溝を区画する搬送チャンバ要素のエッジ領域、特に、搬送要素のベース本体の前述の搬送表面に面するシール溝の側に配置される搬送チャンバ要素の前述のエッジ領域は、シール延長部がシール溝を区画する搬送チャンバ要素のエッジ領域及びシール溝の溝底に平らに接するように設計されていることが提案される。シール突起部の外面全体の少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、特に80%以上が、シール溝の内面及びシール溝を区画するエッジ領域上に当接している。本発明の設計によって、有利なことに、多次元的な封止機能を実現することが可能になる。確実なシールを有利に達成することができる。リークを有利に防止することができる。流体の効率的な搬送を有利に実現することができる。特に有利な態様で、流体の確実な搬送を達成することができる。
【0016】
さらに、シール溝が、搬送チャンバ要素のカウンタ表面の周りに、特に、流体を搬送するために搬送要素のベース本体の前述の搬送表面と相互作用する搬送チャンバ要素の前述のカウンタ表面の周りに完全に延び、シール溝がカウンタ表面を区切ることが提案される。シール溝は、好ましくは、搬送チャンバ要素のエッジ領域上に配置される。カウンタ表面は、好ましくは、シール溝によって完全に囲まれる。シール溝は、カウンタ表面の周囲に完全に延びる。主搬送方向に対して少なくとも本質的に垂直に延びる方向及び/又は駆動ユニットの駆動軸に対して少なくとも本質的に平行な方向に沿って見て、シール溝及びカウンタ表面は、搬送チャンバ要素の断面において、シール溝、特にシール溝の一部分が最初に配置され、カウンタ表面がそれに隣接して配置され、シール溝、特にシール溝の別の部分が再びカウンタ表面に隣接して配置されるような方法で、配置されている。本発明の設計によって、有利なことに、大きなシール表面を実現することが可能になる。搬送チャンバを有利な方法で確実にシールすることができる。リークを有利に防止することができる。流体の効率的な搬送を有利に実現することができる。特に有利な態様で、流体の確実な搬送を達成することができる。
【0017】
さらに、シール延長部が、搬送要素のベース本体の搬送表面の周囲に、特に搬送要素のベース本体の前述の搬送表面の周囲に完全に延び、搬送表面を区画することが提案される。シール突起部又はシール延長部全体は、好ましくは、搬送要素の外縁に沿ってベース本体の周囲に完全に延びている。本発明の設計によって、有利なことに、大きなシール表面を実現することが可能になる。搬送チャンバを有利な方法で確実にシールすることができる。リークを有利に防止することができる。流体の効率的な搬送を有利に実現することができる。特に有利な態様で、流体の確実な搬送を達成することができる。
【0018】
さらに、シール延長部が、搬送要素のベース本体のエッジ領域に向かって移行領域を有し、前記移行領域が、ベース本体の搬送表面に向かってシール延長部の追加移行領域の断面とは異なる断面を有することが提案される。シール延長部の移行領域は、搬送表面から離れる方向に面するシール延長部の側に配置される。好ましくは、シール延長部の移行領域は、シール突起部の外側の輪郭に接線方向に移行するように配置される。シール延長部の追加移行領域は、搬送表面に面するシール延長部の側に配置される。シール延長部の追加移行領域は、好ましくは、幾何学的な反転点でシール突起部の外側の輪郭に接する。本発明の設計によって、有利なことに、シール溝を区画するエッジ領域とシール延長部との間に、大きな接触面を実現することが可能になる。多次元的なシール機能を有利に実現することができる。確実なシールを有利に達成することができる。リークを有利に防止することができる。流体の効率的な搬送を有利に実現することができる。特に有利な態様で、流体の確実な搬送を達成することができる。
【0019】
さらに、搬送装置が、少なくとも1つの押圧要素、特に少なくとも1つのクランプリングを有する少なくとも1つの押圧ユニットを備え、押圧ユニットが、搬送チャンバ要素の方向に押圧力をもってシール延長部に作用し、少なくともシール溝の領域でシール延長部を圧縮することを意図されることが提案される。押圧ユニットは、好ましくは、特に搬送要素の周方向に沿って延びる搬送要素のシールラインに沿って不均一な押圧力分布を発生させることを意図している。不均一な押圧力は、好ましくは、押圧要素の押圧表面の特別な幾何学的設計及び/又は搬送要素のシール延長部の特別な幾何学的設計の結果として生成される。不均一な押圧力の設計又は進行/分布は、特に、流体の搬送、特に搬送装置を構成するポンプの駆動ユニットの効果による搬送要素と搬送チャンバ要素の相互作用による特に圧縮から生じるシールラインに沿った最大力ピーク又は最大負荷ピークに依存する。押圧ユニットは、好ましくは、少なくとも押圧ユニット、特に押圧ユニットの少なくとも1つの押圧要素とシール延長部との相互作用の結果として、搬送要素のシール延長部が、搬送要素又はシールラインに沿った異なる位置で異なる程度に圧縮されるように設計されている。搬送要素は、細長い設計、特に扁長設計、又は環状設計を有していてもよい。シールラインに沿った不均一な押圧力又は不均一な圧縮の生成に関する押圧ユニットの基本的な機能性は、好ましくは、そのような搬送要素の形状に依存する。搬送要素は、平坦な搬送膜、環状の搬送膜、又は当業者によって賢明とみなされる異なる搬送膜、例えば、板状又はディスク状の搬送膜等の形態で設計されてもよい。押圧表面の幾何学的設計及び押圧表面と相互作用するシール延長部の幾何学的設計は、好ましくは、シールラインに沿って不均一な押圧力又は不均一な圧縮を発生させる役割を果たす。
【0020】
搬送要素は、好ましくは、押圧ユニットの設計の結果として、特に押圧表面の幾何学的設計の結果として、シール領域の最大全体範囲に沿って、特に環状搬送要素の最大周方向範囲に沿って、シール領域の異なる位置で不均一な圧縮を有する。搬送要素は、押圧ユニットによって、特に押圧表面の幾何学的設計の結果として、シール領域の最大全体範囲に沿って、特に環状搬送要素の最大周方向範囲に沿って、異なる程度に圧縮される。押圧ユニットは、少なくとも1つの押圧要素、特に少なくとも1つのクランプリングを有し、搬送要素は環状に設計され、特に搬送要素のシール延長部は、押圧要素によって異なる強さで、環状搬送チャンバ要素の内周に対して、特にシール領域の最大全体範囲に沿って押圧される。押圧要素は、駆動ユニットの駆動要素の回転軸に少なくとも本質的に平行に作用する押圧力で、搬送要素に作用する。押圧要素は、好ましくは、駆動要素の回転軸に対して横方向に、特に少なくとも本質的に垂直に作用する付加的な押圧力を搬送要素に作用させる。押圧要素は、特に、駆動要素の回転軸に対して本質的に平行に搬送要素に作用する押圧力を発生させるための周方向カラーを備える。押圧ユニットは、好ましくは、少なくとも2つの押圧要素、特に少なくとも2つのクランプリングを備え、それによって、搬送要素、特に搬送要素のシール延長部が、環状搬送チャンバ要素の内周に対して異なる強度で、特にシール領域の最大全体範囲に沿って押圧される。搬送要素は、好ましくは、少なくとも2つの押圧要素の間の搬送チャンバ要素内に配置される。
【0021】
押圧要素は、好ましくは、搬送チャンバ要素に対して、特に少なくとも搬送チャンバ要素の周方向に沿って、周方向に沿った不均一な押圧力でシール延長部を押圧する。不均一な押圧力の主要な作用方向は、好ましくは、駆動要素の回転軸に対して横方向に、特に少なくとも本質的に垂直に、整列される。押圧要素は、好ましくは、押圧表面の最大長手方向範囲に沿って、特に押圧要素の周方向において、押圧表面から離れる方向に向く押圧要素の表面、特に内面からの距離が変化するレベルを有する押圧表面を有する。押圧表面の変化するレベルは、好ましくは、押圧表面の全体的な範囲に沿って、特に駆動要素の回転軸に対して少なくとも本質的に垂直である平面内に延びる周方向に沿って、異なる曲率によって形成される。しかしながら、押圧表面の変化するレベルは、特に駆動要素の回転軸に少なくとも本質的に垂直である平面内に延びる周方向に沿って、押圧表面の高所の異なる最大高さによって、形成されることも考えられる。また、押圧表面の変化するレベルは、押圧要素の縁部、特に押圧要素のカラーの異なる最大厚さによって形成され、その上に押圧表面が搬送要素を配置した側で押圧要素に配置されることも考えられる。押圧表面の変化するレベルを実現するために当業者によって賢明であるとみなされる押圧表面の他の設計も同様に考えられる。
【0022】
代替又は追加として、押圧ユニットによって環状搬送チャンバ要素の内周に押し付けられるシール延長部は、長手方向の最大範囲に沿って、特に搬送要素の周方向に沿って変化する最大厚さを有することが考えられる。最大厚さは、好ましくは、特に、搬送表面に対して少なくとも本質的に垂直に延びる方向に沿って見て、シール延長部の最大範囲、特に最大高さによって形成されている。しかしながら、シール延長部の最大厚さは、特に、搬送表面に対して少なくとも本質的に垂直に延びる方向に沿って見て、搬送表面から出発するシール突起部の最大範囲によって形成されることも考えられる。シール延長部は、好ましくは、少なくとも1つの押圧要素、特にクランプリングによって少なくとも1つのシール溝に押し込まれ、シール延長部の圧縮は、シール延長部の最大長手方向範囲に沿って、特に搬送要素の周方向に沿って不均一に行われる。代替又は追加として、押圧表面のレベル及び/又はシール延長部の厚さの変化に対して、特にシールラインに沿って不均一な押圧力を実現するために、シール溝が変化するレベルを有することも考えられる。本発明の設計によって、押圧ユニットの有利な効果を達成することができる。搬送要素に対する多次元的な押圧効果を有利に実現することができる。確実なシールを有利に達成することができる。リークを有利に防止することができる。流体の効率的な搬送を有利に実現することができる。特に有利な態様で、流体の確実な搬送を達成することができる。
【0023】
さらに、シール延長部が、搬送要素のベース本体の上述の搬送表面に対して横方向に延びる方向、特に少なくとも本質的に垂直な方向に沿って搬送表面上に延びることが提案される。シール延長部の少なくともシール突起部が、搬送表面から出発して搬送表面上に、特に、搬送表面に対して横方向に延びる方向、特に少なくとも本質的に垂直な方向に沿って延びていることが好ましい。本発明の設計によって、シール延長部の有利なシール効果を達成することが可能になる。確実なシールを有利に達成することができる。リークを有利に防止することができる。流体の効率的な搬送を有利に実現することができる。特に有利な態様で、流体の確実な搬送を達成することができる。
【0024】
さらに、少なくとも1つの本発明による搬送装置を有するポンプが提案される。ポンプは、好ましくは、食品分野、化学分野、医薬品分野、特にバッチ準拠の使用、動植物飼養場(Vivariumbereich)(水族館等)分野、家電製品分野、歯科衛生分野、自動車分野、医療分野、水処理分野等での使用を意図している。ポンプは、好ましくは、少なくとも1つの駆動要素、特に前述の駆動ユニットを備え、駆動ユニットは、特に駆動ユニットの駆動軸の周りに延びる周方向に沿って見て、少なくとも1つの駆動要素、特に前述の駆動要素、特に、大部分が搬送チャンバ要素、搬送要素及び押圧ユニットによって囲まれる少なくとも1つの偏心シャフトを有する。駆動ユニット、特に少なくとも駆動要素は、好ましくは、特に駆動ユニットの駆動軸の周りに延びる周方向に沿って見て、搬送チャンバ要素、搬送要素、及び押圧ユニットによって完全に囲まれる。本発明の設計によって、コンパクトで強力なポンプを有利に実現することができる。特に、搬送装置全体が駆動ユニットと共にハウジングから取り外すことができるので、容易な保守性を有利に達成することができる。搬送されるべき媒体の搬送を実現することができる。
【0025】
本発明のポンプ及び/又は本発明の搬送装置は、上述した用途及び実施形態に限定されるものではない。特に、本発明のポンプ及び/又は本発明の搬送装置の個々の要素、構成要素及びユニットの個数は、本明細書に記載の機能を果たすために、本明細書の記載とは異なる個数を有することがある。さらに、本開示で特定されている値の範囲に関し、言及された限界内にある値も、開示されたものとして、任意に適用可能であるとみなされるべきである。
【0026】
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかになる。図面は、本発明の例示的な実施形態を示している。図面、詳細な説明、及び特許請求の範囲には、複数の特徴が組み合わされて含まれている。また、当業者は、適宜、これらの特徴を個別に検討し、それらを組み合わせてさらに意味のある組み合わせにすることもできよう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明による搬送装置を有する本発明によるポンプの概略図を示す。
【
図2】開放されたハウジングを有する本発明によるポンプの概略図を示す。
【
図3】本発明によるポンプを通る概略断面図を示す。
【
図4】本発明によるポンプを通る別の概略断面図を示す。
【
図5】ポンプのハウジングから取り外された状態にある本発明による搬送装置の概略図を示す。
【
図6】本発明による搬送装置の搬送要素の概略図を示す。
【
図7】本発明による搬送装置の搬送チャンバ要素の概略図を示す。
【
図8】搬送要素及び搬送チャンバ要素を通る概略部分断面図を示す。
【
図9】本発明による搬送装置の押圧ユニットの押圧要素の概略図を示す。
【
図10】本発明による搬送装置の流体供給ラインアダプタ又は流体排出ラインアダプタの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、少なくとも(図示しない)流体を搬送するための搬送装置12を有するポンプ10を示す。搬送装置12は、特に、ポンプ10の駆動ユニット16が搬送装置12に及ぼす影響の結果として、特に搬送装置12の弾性変形可能な搬送要素22に及ぼす影響の結果として、少なくとも流体を搬送するように設計されている。搬送装置12は、少なくとも1つの搬送チャンバ18と、搬送チャンバ18を少なくとも部分的に区画する少なくとも1つの寸法的に安定した搬送チャンバ要素20と、搬送チャンバ要素20とともに搬送チャンバ18を区画し、搬送チャンバ要素20上に配置された少なくとも弾性変形可能で、特に環状の搬送要素22を備える(
図4参照)。搬送要素22は、好ましくは、搬送膜の形態で設計されている。搬送チャンバ要素20は、少なくとも大部分が、特に完全に、プラスチック、特に射出成形プラスチックで作られている。しかしながら、搬送チャンバ要素20が、当業者によって賢明とみなされる異なる材料で作られていることも考えられる。搬送要素22は、好ましくは、少なくとも大部分が、特に完全に、ゴム、特にEPDM、FC、NBR等の合成ゴムで作られている。しかしながら、搬送要素22が、当業者によって賢明とみなされる異なる材料で作られていることも考えられる。
【0029】
ポンプ10は、少なくとも、搬送装置12に作用するための駆動ユニット16と、搬送装置12を収容するための少なくとも1つのハウジング14とを備える。駆動ユニット16は、好ましくは、搬送装置12に作用させるための少なくとも1つの駆動要素24を備える(
図4参照)。駆動要素24は、好ましくは、偏心シャフトの形態で設計される。しかしながら、駆動要素24が、当業者によって賢明であるとみなされる異なる設計、例えば、回転対称シャフトの形態で、その上に搬送装置12に作用するための少なくとも1つの偏心(Exzenter)が配置されていること等も、考えられる。駆動要素24は、電気モータ、内燃機関、空気圧エンジン等の(図示しない)モータユニットの駆動軸に、直接的に、特に回転固定的に、又は間接的に、例えばギアユニット又は少なくとも1つのギアホイール要素の手段によって接続されてもよい。駆動要素24は、流体が搬送チャンバ18を通って搬送され得る主搬送方向に対して横方向に、特に少なくとも本質的に垂直に、延びる回転軸26を有する。
【0030】
搬送装置は、好ましくは、少なくとも大部分が、特に完全に、ハウジング14内に配置される。搬送装置12は、少なくとも大部分が、特に完全に、ハウジング14によって囲まれている。当業者には、ハウジング14が特に、ポンプ10の搬送装置12及び/又は駆動ユニット16を少なくとも部分的に、特に完全に包囲及び/又は支持するためのものであることが分かる。ハウジング14は、プラスチック、金属、プラスチックと金属の組み合わせ、又は当業者によって賢明とみなされる異なる材料で作られてもよい。ハウジング14は、シェル設計、ポット設計、シェル設計とポット設計の組み合わせ、又は当業者によって賢明とみなされる異なる設計を有してもよい。
【0031】
ハウジング14は、搬送装置12の搬送チャンバ要素20、特に全体としての搬送装置12とは少なくとも別個に形成されており、すなわち、その結果、搬送チャンバ要素20、特に全体としての搬送装置12がハウジング14から取り外すことができるようになっている。搬送チャンバ要素20、特に全体としての搬送装置12は、好ましくは、上部ハウジング部36の取り外し後に、特に搬送チャンバ要素20上に配置された搬送要素22とともに、ハウジング14から取り外すことができる。搬送装置12は、好ましくは、全体としてハウジング14から、特にハウジング14の上部ハウジング部36を取り外した後に、取り外すことができ、その結果、搬送装置12の個々の構成要素の取り外しから切り離される。搬送装置12、特に搬送装置12が全体として、ハウジング14内に配置されるとき、特に、ハウジング14は、駆動ユニット16の駆動軸70に対して本質的に垂直にある平面内に延びる周方向に沿って少なくとも大部分が搬送チャンバ要素20、特に搬送装置12を取り囲む。
【0032】
駆動ユニット16の駆動軸70に対して横方向に延びる方向に沿って見ると、搬送チャンバ要素20は、少なくともハウジング14と搬送装置12の搬送要素22との間に、特にハウジング14に直接隣接して、又はハウジング14上に直接当接して配置されている(
図2参照)。搬送装置12がハウジング14内に配置される場合、搬送装置12は、少なくとも本質的に駆動ユニット16を完全に囲み、特に駆動ユニット16の駆動軸70に対して少なくとも本質的に垂直にある平面内に延びる周方向に沿って、駆動ユニット16を完全に囲む。搬送装置12がハウジング14内に配置されるとき、搬送チャンバ要素20の外側は、摩擦結合及び/又は形状結合(kraft- und/oder formschluessig)の方法でハウジングの内側に接続され、特に好ましくは、ハウジング14の内側に直接当接している。搬送装置12、特に全体としての搬送装置12がハウジング14内に配置されるとき、搬送チャンバ要素20の外側は、好ましくは、少なくとも部分的にハウジング14の内側に、特に少なくともハウジング14の下部ハウジング部72の内側で当接している。搬送チャンバ要素20は、好ましくは、ハウジング14の内側に、特にハウジング14の下部ハウジング部72の内側に、その外側の外側表面全体の30%以上で、好ましくは40%以上95%以下で、特に40%以上60%以下で当接している。ハウジング14は、好ましくは、凹部を有し、その中に、搬送装置12が配置されてもよく、あるいは特に配置される。ハウジング14の凹部は、特に下部ハウジング部72の凹部は、好ましくは、ハウジング14の、特に下部ハウジング部72の内部において、カラー状の延長部によって区切られている。カラー状の延長部は、特に、ハウジング14に、特に下部ハウジング部72に搬送装置12の入口領域及び出口領域の配置を可能にするために、360°未満にわたって延びている。
【0033】
ハウジング14は、搬送装置12の少なくとも1つの流体供給ラインアダプタ28及び/又は1つの流体排出ラインアダプタ30を収容するための少なくとも1つのレセプタクル32、特に少なくとも2つのレセプタクル32、34をさらに備える。流体供給ラインアダプタ28は、好ましくは、流体ライン、特に、搬送チャンバ18への流体の供給を実現するための流体ラインに接続されることを意図している。流体排出ラインアダプタ30は、好ましくは、流体ライン、特に、搬送チャンバ18からの流体の排出を実現するための流体ラインに接続されることを意図している。レセプタクル32、34は、好ましくは、ハウジング14の上部ハウジング部36に配置される(
図1及び
図3参照)。しかしながら、レセプタクル32、34が、ハウジング14の別の構成要素、例えば下部ハウジング部72等に配置されることも考えられる。流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30は、好ましくは、レセプタクル32、34に接続され、特にレセプタクル32、34に固定され、それは、形状結合及び/又は摩擦結合による接続によって、行われる。例えば、レセプタクル32、34は、流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30をハウジング14、特に上部ハウジング部36上に固定するための内部ネジを内側に備える(
図3参照)。しかしながら、流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30が、別の接続によって、特に、例えば、レセプタクル32、34への挿入によって生じるネジなしの形状結合によって、レセプタクル32、34上に配置、特に固定されることも、考えられる。レセプタクル32、34は、ハウジング14、特に上部ハウジング部36の外側から、ハウジング14、特に上部ハウジング部36の内側まで連続して延びる。レセプタクル32、34は、好ましくは、ハウジング14の外側から内側まで、貫通開口の形態で設計されている。搬送装置12がハウジング14内に配置されるとき、流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30は、搬送チャンバ要素20から少なくともハウジング14の外面まで、特にその外面を超えて延び、特に、搬送チャンバ要素20の接続片38が流体供給ラインアダプタ28に接続されるとき、及び/又は搬送チャンバ要素20の特に追加の接続片40が流体排出ラインアダプタ30に接続されるときに(
図3参照)、延びる。
【0034】
接続片38及び/又は特に追加の接続片40は、それぞれ、搬送チャンバ要素20の少なくとも1つの横方向延長部60、62上に配置され、特に対応する横方向延長部60、62と一体的に設計されている(
図2、
図3、
図5及び
図7参照)。平面で見て、特に、駆動要素24の回転軸26、特に駆動ユニット16の駆動軸70に対して少なくとも本質的に垂直に延びる平面で見て、搬送チャンバ要素20は、特に、本質的に円弧又は開放リングからなる断面形状であって、その円弧又は開放リングが360°未満、特に90°以上の角度範囲に沿って延びる断面形状と、2つの横方向延長部60、62であって、円弧又は開放リングに対して横方向に延び、円弧又は開放リング上で、特に円弧又は開放リングの端部領域において、直接接している、2つの横方向延長部60、62と、を有する。接続片38及び/又は特に追加の接続片40は、それぞれ、少なくとも1つの横方向延長部60、62の主面に、特にそれぞれの横方向延長部60、62の主面に対して横方向に、特に少なくとも本質的に垂直に延びる主軸64、66を有する。接続片38及び/又は特に追加の接続片40の主軸64、66は、好ましくは、流体が搬送チャンバ18を通って搬送され得る搬送チャンバ18の主搬送方向に対して横方向に、特に少なくとも本質的に垂直に延びる。接続片38及び/又は特に追加の接続片40の主軸64、66は、好ましくは、駆動要素24の回転軸26に少なくとも本質的に垂直にある平面に、少なくとも本質的に平行に延びる。接続片38及び特に追加の接続片40は、異なるように、特に対向して整列されるように、搬送要素22から離れる方向に面する搬送チャンバ要素20の側に、特に外側に配置される。接続片38と、特に追加の接続片40とは、好ましくは、異なる方向に延び、特に、搬送チャンバ要素20の外側の側から出発して、反対方向に延びる。接続片38と、特に追加の接続片40とは、好ましくは、搬送チャンバ要素20から離れる方向に延び、搬送チャンバ要素20の外側から出発して、反対方向に整列される。
【0035】
接続片38及び/又は特に追加の接続片40の主軸64、66に沿って見ると、接続片38及び/又は特に追加の接続片40は、搬送装置12がハウジング14内に配置さるときに、ハウジング14の内壁から、特に少なくとも上部ハウジング部36及び/又は下部ハウジング部72から離間している(
図2及び
図3参照)。接続片38及び/又は特に追加の接続片40は、好ましくは、搬送装置12がハウジング14内に配置されているときに、接続片38及び/又は特に追加の接続片40の全周に沿って、ハウジング14の内壁から、特に上部ハウジング部36の内側及び/又は下部ハウジング部72の内側から離間している。ハウジング14の内壁からの、特に上部ハウジング部36の内側からの、及び/又は下部ハウジング部72の内側からの、接続片38及び/又は特に追加の接続片40の最小距離は、好ましくは0.001mmより大きく、特に0.01mmより大きく、特に0.1mmより大きく10mmより小さい。ハウジング14の内壁からの、特に上部ハウジング部36の内側からの、及び/又は下部ハウジング部72の内側からの、接続片38及び/又は特に追加の接続片40の最小距離は、好ましくは、0.1mm~5mmの間の範囲にある値を有する。しかしながら、ポンプ10の代替設計では、接続片38及び/又は特に追加の接続片40が、ハウジング14の内壁、特に上部ハウジング部36の内側及び/又は下部ハウジング部72の内側に突出し、搬送装置12がハウジング14内に配置されると、ハウジング14の内壁、特に上部ハウジング部36の内側及び/又は下部ハウジング部72の内側に支持されることも、考えられる。
【0036】
搬送チャンバ要素20は、特にホースとは異なるように設計されている流体供給ラインアダプタ28用の少なくとも接続片38、及び/又は、特にホースとは異なるように設計されている流体排出ラインアダプタ30用の少なくとも特に追加の接続片を備え、前記接続片は、それぞれ、搬送要素22から離れる方向に面する搬送チャンバ要素20の側に、特に外側に配置される(
図2、
図3、
図5及び
図7参照)。流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30は、好ましくは、管状に設計されている。流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30は、好ましくは、円錐状に延びる挿入端44、46を有する(
図3及び
図10参照)。流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30のそれぞれの挿入端44、46は、それぞれ、流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタが搬送チャンバ要素20上に配置されているとき、接続片38又は特に追加の接続片40に配置される。流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30は、好ましくは、それぞれ搬送チャンバ18から流体を供給、又はその中に流体を排出するための供給ライン又は排出ラインに接続されるための結合端48、50を備える。流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30が、当業者によって賢明とみなされる異なる構成要素、例えば流体カプラ、ホースコネクタ等との接続を作る糸を有することも、また考えられる。結合端48、50は、挿入端44、46から離れる方向に面する流体供給ラインアダプタ28又は流体排出ラインアダプタ30の側に配置される。流体供給ラインアダプタ28と流体排出ラインアダプタ30は、好ましくは、少なくとも本質的に同一の設計を有する。しかしながら、流体供給ラインアダプタ28と流体排出ラインアダプタ30とが、少なくとも部分的に異なるように設計されること、例えば機能ユニット58等の形態で設計されることも考えられる。
【0037】
搬送装置12は、流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30と同様に、少なくとも1つの機能ユニット58、特にフィルタユニット及び/又はバルブユニットを備え、機能ユニット58は、少なくとも部分的に、特に完全に、流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30の中に配置されている(
図2、
図3及び
図10参照)。機能ユニット58は、好ましくは、少なくとも部分的に、特に完全に、流体供給ラインアダプタ28内及び/又は流体排出ラインアダプタ30内に恒久的に組み込まれるか、あるいは少なくとも部分的に、特に完全に、流体供給ラインアダプタ28内及び/又は流体排出ラインアダプタ30内に交換自在に配置される。例えば、機能ユニット58は、それぞれ流体供給ラインアダプタ28内又は流体排出ラインアダプタ30内に配置される1つ又は特に2つのフィルタ及び/又はバルブカートリッジを有してもよい。当業者によって賢明とみなされる機能ユニット58の異なる設計又は配置も同様に考えられ、例えば、接続片38と流体供給ラインアダプタ28との間の配置、又は、特に追加の接続片40と流体排出ラインアダプタ30との間の配置等が考えられる。
【0038】
流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30は、ハウジング14上、特に上部ハウジング部36上及び/又は搬送チャンバ要素20上に、取り外し可能に配置されている。ポンプ10は、流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30を、ハウジング14上、特に上部ハウジング部36上に、形状結合及び/又は摩擦結合による接続によって固定するための少なくとも1つの固定ユニット42を備える。固定ユニット42は、好ましくは、外部ネジ、特に2つの外部ネジを備え、外部ネジは、特にレセプタクル32、34(
図1参照)の外側に配置される。固定ユニットが、流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30をハウジング14上に固定するために、外部ネジと相互作用し、特に、流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30のカラーをしっかりとクランプする少なくとも1つのネジキャップ(図示せず)、特に2つのネジキャップを備えることは、考えられる。固定ユニット42は、代替又は追加として、少なくともレセプタクル32、34上に配置された内部ネジを備えることが好ましい。さらに、固定ユニット42が、代替又は追加として、流体供給ラインアダプタ28及び/又は流体排出ラインアダプタ30をハウジング14上、特に上部ハウジング部36上に、形状結合及び/又は摩擦結合による接続によって固定するために当業者が賢明と考える他の構成要素、例えば、固定リング、固定ピン等を備えることも考えられる。
【0039】
搬送装置12は、接続片38が流体供給ラインアダプタ28に接続されたときに、流体供給ラインアダプタ28と接続片38との間の相対運動を少なくとも部分的に補償及び/又は減衰させるため、及び/又は特に追加の接続片40が流体排出ラインアダプタ30に接続されたときに、流体排出ラインアダプタ30と、特に追加の接続片40との間の相対運動を少なくとも部分的に補償及び/又は減衰させるための少なくとも1つの運動補償ユニット52を備える(
図3参照)。運動補償ユニット52は、好ましくは、少なくとも1つの減衰要素54、特に少なくとも2つの減衰要素54、56を備える。減衰要素は、好ましくは、Oリングの形態で設計される。しかしながら、減衰要素54、56が、当業者によって賢明とみなされる異なる設計、例えば、エラストマーディスク、中空エラストマーシリンダー等の形態を有することも、また考えられる。減衰要素54、56はそれぞれ、接続片38と流体供給ラインアダプタ28との間、又は特に追加の接続片40と流体排出ラインアダプタ30との間に配置されることが好ましい。減衰要素54、56は、特に、接続片38の内側と流体供給ラインアダプタ28の挿入端44の外側とに、及び/又は内側、特に追加の接続片40の内側と、流体排出ラインアダプタ30の挿入端46の外側に当接する。運動を減衰させることに加えて、減衰要素54、56は、好ましくは、それぞれ、接続片38と流体供給ラインアダプタ28との間に流体シールを生成すること、及び/又は、特に追加の接続片40と流体排出ラインアダプタ30との間に流体シールを生成することも意図している。
【0040】
搬送要素22は、特に少なくとも本質的に環状に設計された少なくとも1つのベース本体76を備え(
図3及び
図6参照)、前記ベース本体は弾性的に変形することができ、ベース本体76の搬送側に配置されている少なくとも1つの搬送表面78を有している。さらに、搬送要素22は、好ましくは、駆動ユニット16の少なくとも1つの伝達要素82に接続されるための少なくとも1つの活性化延長部80、特に複数の活性化延長部80を備え、この伝達要素は、ベース本体76の活性化側で活性化延長部80、特に複数の活性化延長部80と相互作用する。ベース本体76の搬送側は、好ましくは、ベース本体76の活性化側から離れる方向に面するベース本体76の側に、ベース本体76に配置される。搬送側は、特に、ベース本体76の外側を形成する。活性化側は、好ましくは、ベース本体76の内側を形成する。ベース本体76の内側は、特に、活性化側によって少なくとも部分的に形成される。活性化延長部80、特に複数の活性化延長部80は、特にベース本体76と一体的に設計される。しかしながら、活性化延長部80、特に複数の活性化延長部80は、ベース本体76とは別個に形成され、当業者によって賢明とみなされる形状結合及び/又は摩擦結合による接続によってベース本体76上に固定されることも考えられる。
【0041】
活性化延長部80、特に複数の活性化延長部80は、少なくとも活性化側から離れる方向に作用する駆動力を伝達するために、形状結合及び/又は摩擦結合による接続によって、特に連動していない形状結合及び/又は摩擦結合による接続によって、伝達要素82と相互作用/接触する形状結合及び/又は摩擦結合要素の形態で設計される。活性化延長部80、特に複数の活性化延長部80は、好ましくは、駆動要素24上に配置される2つの伝達要素82、特に伝達リングの間にクランプされる(
図4参照)。駆動ユニット16の駆動軸70の周りに延びる周方向に沿って見て、特に、活性化延長部80、特に複数の活性化延長部80は、ベース本体76の最大長手方向範囲よりも小さい最大長手方向範囲を有する。
【0042】
平面で見て、特に駆動軸70に対して少なくとも本質的に垂直に延びる平面で見て、ベース本体76は、好ましくは、本質的に、円弧又は開放リングと、円弧又は開放リングに対して横方向に延びる2つの入口及び/又は出口延長部とからなる断面形状を有している。ベース本体76の断面形状の円弧又は開放リングは、好ましくは、360°未満、特に90°以上の角度範囲に沿って延びる。円弧又は開放リングに対して横方向に延びるベース本体76の断面形状の入口及び/又は出口延長部は、好ましくは、円弧又は開放リングに直接接するように、特に円弧又は開放リングの端部領域で配置されている。活性化延長部80、特に複数の活性化延長部80は、好ましくは、閉じた円形リングに沿って延び、活性化延長部80、特に複数の活性化延長部80は、円形リング自体を形成してもよい。ベース本体76の中心軸に沿った活性化延長部80の最大範囲、又はベース本体76の中心軸に沿った複数の連続する活性化延長部80の全体範囲は、特に、ベース本体76の最大長手方向範囲よりも少なくとも5%小さく、好ましくは少なくとも10%小さく、特に少なくとも20%小さくなっている。活性化延長部80又は複数の連続する活性化延長部80の全ては、特に、活性化側で270°超、好ましくは360°以下の角度範囲に沿って延びることが好ましい。
【0043】
搬送チャンバ要素20は、特に、駆動ユニット16の駆動軸70に対して少なくとも本質的に垂直な面内に延びる周方向に沿って、少なくとも大部分が搬送要素22を囲む(
図3及び
図5参照)。搬送チャンバ要素20は、環状に設計されている。搬送チャンバ要素20及び搬送要素22は、好ましくは、特に駆動ユニット16の駆動軸70に対して少なくとも本質的に垂直に延びる平面で見て、少なくとも本質的にアナログ形状を有する。搬送チャンバ要素20及び搬送要素22、特に搬送要素22のベース本体76は、特に大文字のギリシャ文字Ωに似た基本形状を有し、搬送チャンバ要素20及び搬送要素22の延長部は、好ましくは、大文字のギリシャ文字Ωの延長部に対して90°の角度がつけられている。
【0044】
搬送チャンバ要素20は、流体を搬送するために搬送要素22の搬送表面78と相互作用するカウンタ表面74を有し、前記カウンタ表面は搬送要素22に面し、搬送要素22の方向に向けられた少なくとも1つの高所84、86を有する(
図4、
図7及び
図8参照)。カウンタ表面74は、好ましくは、搬送要素22の方向に向けられる少なくとも2つの高所84、86を有する。周方向に沿って見ると、高所84、86は、搬送チャンバ要素20の少なくとも本質的に全体の内側に沿って延び、特に円弧の形状で延びている。高所84、86は、好ましくは、円弧又は開放リングに沿って、横方向延長部60、62の一方から他方の横方向延長部60、62まで搬送チャンバ要素20の内側の上に延びている。
【0045】
搬送要素22、特にベース本体76は、搬送表面78を有し、搬送表面78は、搬送要素22の断面、特に搬送チャンバ18の断面で見て、搬送チャンバ要素20のカウンタ表面74の最大横方向範囲に少なくとも本質的に、特に完全に対応する最大横方向範囲を有する(
図4及び
図8参照)。流体を搬送チャンバ18の中へ、及び/又はそれを通して搬送するために、搬送表面78は、特に、駆動ユニット16によって発生させることができる駆動力の作用の結果として、搬送チャンバ要素20のカウンタ表面74に対して完全に配置されることができる。搬送チャンバ要素20の断面で見ると、搬送チャンバ要素20のカウンタ表面74は、少なくとも3つの連続した円弧部を有する。円弧部は、カウンタ表面74を形成する。3つの円弧部のうちの2つは、カウンタ表面74の高所84,86を形成し、外側に配置される。3つの円弧部のうちの1つは、窪みを形成し、内側、特に高所84,86の間に配置される。3つの円弧部が異なる半径を有することも、同一の半径を有することも考えられる。
【0046】
搬送チャンバ要素20は、少なくとも1つの接続領域、特に少なくとも1つの接続溝、好ましくは、シール溝88を有し、シール溝88は、特に搬送チャンバ要素20の内側に配置され、搬送要素22の少なくともエッジ領域、特に搬送要素22の縁部に配置される延長部、好ましくは、シール延長部90は、それが搬送チャンバ要素20に配置されると、特にシールするように、前記シール溝内に係合する(
図4及び
図8参照)。搬送要素22は、少なくともシール延長部90を有し、このシール延長部は、搬送要素22のベース本体76と一体的に設計され、搬送要素22が搬送チャンバ要素20上に配置されたときに、少なくとも部分的に搬送チャンバ要素20のシール溝88に配置される。シール溝88は、シール延長部90と、シール溝88を区画する搬送チャンバ要素20のエッジ領域92とが互いに平らに当接するように設計されている。搬送要素22のベース本体76の搬送表面78に面するシール溝88の側に配置される、シール溝88と、シール溝88を区画する搬送チャンバ要素20のエッジ領域92は、シール延長部90がシール溝88を区画する搬送チャンバ要素20のエッジ領域92と、シール溝88の溝底94とに平らに当接するように設計されている。シール溝88は、流体を搬送するために搬送要素22のベース本体76の搬送表面78と相互作用する搬送チャンバ要素20のカウンタ表面74の周りに完全に延び、カウンタ表面74を区切る。シール溝88は、好ましくは、それぞれの横方向延長部60、62のそれぞれの入口開口部又は出口開口部の周りで搬送チャンバ要素20の横方向延長部60、62上に延び、特に継ぎ目なく変形して、カウンタ表面74を区切るために搬送チャンバ要素20の環状内側に入る。シール溝88は、好ましくは、搬送チャンバ要素20の内部エッジ領域全体に沿って延びる。搬送チャンバ要素20は、流体を搬送するために、搬送要素22のベース本体76の搬送表面78と相互作用するカウンタ表面74を有し、前記カウンタ表面は、特に断面で見た場合に、連続的に配置される少なくとも3つの円弧部にわたって延び、シール溝88を区画する搬送チャンバ要素20の少なくともエッジ領域92は、特に直接3つの円弧部のうちの少なくとも1つに縁取るように、特に外側円弧部に縁取るように配置されている。
【0047】
シール延長部90は、搬送要素22のベース本体76の搬送表面78の周囲に完全に延び、搬送表面78を区画している。シール延長部90は、好ましくは、ベース本体76の全外周に沿って延びている。シール延長部90は、好ましくは、ベース本体76の入口延長部及び/又は出口延長部の周りに延び、搬送表面78を区切るために、特に継ぎ目なしに、ベース本体76の環状の基本形状に変形する。シール延長部90は、好ましくは、搬送要素22のベース本体76のエッジ領域に向かって移行領域を有し、前記移行領域の断面は、ベース本体76の搬送表面78に向かってシール延長部90の追加移行領域の断面とは異なる(
図8参照)。
【0048】
搬送装置12は、さらに、少なくとも1つの押圧要素98、100、特に少なくとも1つのクランプリングを有する少なくとも1つの押圧ユニット96を備え、押圧ユニット96は、搬送チャンバ要素20の方向に押圧力をもってシール延長部90に作用し、少なくともシール溝88の領域でシール延長部90を圧縮するために設計されている(
図4、
図5及び
図9参照)。シール延長部90は、搬送要素22のベース本体76の搬送表面78に対して横方向に延びる方向、特に少なくとも本質的に垂直な方向に沿って搬送表面78上に延びる。少なくとも搬送要素22の非搬送状態で、特に、押圧ユニット96は、少なくとも搬送要素22と搬送チャンバ要素20との間のシール領域102において、シール領域102の最大全体範囲に沿って、特に搬送要素22と搬送チャンバ要素20との間の最大周方向範囲に沿って不均一な押圧力分布を生成することを意図している。シール領域102は、好ましくは、シール溝88とシール延長部90の相互作用に起因して形成される。押圧ユニット96は、好ましくは、特に搬送要素22の周方向に沿って延びる搬送要素22のシールラインに沿って不均一な押圧力分布を生成することを意図している。シールラインは、好ましくは、シール延長部90によって形成される。
【0049】
押圧ユニット96は、好ましくは、搬送要素22が、特に少なくとも搬送要素22の非搬送状態において、シール領域102又はシールラインの最大全体範囲に沿って、特に環状搬送要素22の最大円周範囲に沿って、不均一な圧縮を有するように設計されている。押圧ユニット96は、少なくとも1つの押圧要素98、100、特に少なくとも1つのクランプリングを有し、搬送要素22は、環状に設計され、押圧要素98、100によって環状搬送チャンバ要素20の内周に対して押圧される。押圧ユニット96は、好ましくは、少なくとも2つの押圧要素98、100、特に2つのクランプリングを備え、その間で搬送要素22が搬送チャンバ要素20内に配置される。搬送要素22は、好ましくは、押圧要素98、100によって、環状搬送チャンバ要素20の内周に対して押圧され得る。特にシール延長部90は、搬送要素22に対する押圧要素98,100の効果により、シール溝88の中へと押圧される。押圧ユニット96は、少なくとも押圧要素98、100、特に少なくともクランプリングを有し、搬送要素22は、少なくともシール延長部90を有し、押圧要素98、100は、シール延長部90を搬送チャンバ要素20に対して、特に少なくとも搬送チャンバ要素20の周方向に沿って、特に周方向に沿った不均一な押圧力で押圧している。押圧ユニット96は、少なくとも押圧要素98、100、特に少なくともクランプリングを有し、クランプリングは押圧表面104を有し、前記押圧表面は、押圧表面104kから離れる方向に面する押圧要素98、100の表面、特に内面から、特に押圧要素98、100の周方向に沿って延びる押圧表面104の最大長手方向範囲に沿って変化するレベル、特に変化する距離を有している。押圧表面104の変化するレベルは、好ましくは、周方向に沿った押圧表面104の異なる最大高さによって形成される。一例として、
図9は、押圧要素98上の3つの異なる位置106、108、110を破線で示し、これらの位置では、押圧表面104は、シール延長部90の異なる圧縮度を生成するために意図される。押圧表面104は、特に、3つの異なる位置106、108、110において、様々な方法で、例えば押圧要素98の他の位置と比較して3つの位置106、108、110における押圧要素98の最大厚さを変えることによって、搬送要素22に面する押圧要素98の側における押圧表面104の幾何学的範囲を変えることによって、又は当業者によって賢明とみなされる異なる方法で形成できる異なる最大高さを有する。例えば、シール延長部90は、レベルを変化させた結果、位置106、108、110において異なる程度に圧縮される。位置106において、例えば、シール延長部90は、特に、シール延長部90の最大厚さ68の10%以上、好ましくは15%以上、特に20%以上、とりわけ22%以上、圧縮される。位置108において、例えば、シール延長部90は、特に、シール延長部90の最大厚さ68の5%以上、好ましくは10%以上、特に15%以上、とりわけ19%以上、圧縮される。位置110において、例えば、シール延長部90は、特に、シール延長部90の最大厚さ68の4%以上、好ましくは8%以上、特に14%以上、とりわけ16%以上、圧縮される。
【0050】
押圧ユニット96は、少なくとも押圧要素98、特に少なくともクランプリングと、少なくとも1つの追加押圧要素100、特に少なくとも1つの追加クランプリングとを備え、搬送要素22は環状に設計されて、押圧要素98及び追加押圧要素100によって環状搬送チャンバ要素22の内周に押し付けられ、押圧要素98及び追加押圧要素100は搬送要素22の反対側で搬送要素22上に配置されている。押圧ユニット96の押圧要素98と追加押圧要素100は、好ましくは、少なくとも本質的に類似の設計を有する。押圧要素98と追加押圧要素100は、特に搬送チャンバ要素20に対して搬送要素22を押圧し、シール延長部90をシール溝88の中へと押圧するために、搬送チャンバ要素20上に鏡面対称に配置される。搬送チャンバ要素20は、少なくとも溝、好ましくはシール溝88を有し、シール溝88は、特に環状搬送チャンバ要素20の内周に沿って延び、シール溝88の中に、特に環状搬送要素22の少なくともシール延長部90が押圧要素98、特にクランプリングによって、及び/又は押圧ユニット96の追加押圧要素100によって押し込まれ、シール延長部90の圧縮が、シール延長部90の最大長手方向の広がりに沿って、特に搬送要素22の周方向に沿って不均一にされる。押圧要素98及び/又は追加押圧要素100の押圧表面104の変化するレベルに対する代替又は追加として、搬送要素22が、押圧ユニット96によって環状搬送チャンバ要素20の内周に押し付けられる少なくともシール延長部90を有し、シール延長部90の最大の長手方向の範囲に沿って、特に搬送要素22の周方向に沿って変化する最大厚さ68を有していると考えられる。シール領域102において周方向に沿ってシール延長部90の不均一な圧縮を生成するために当業者によって賢明であるとみなされる押圧ユニット96の異なる設計も同様に考えられる。
【国際調査報告】