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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】電極リードの製造方法及び加圧機
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/578 20210101AFI20221221BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20221221BHJP
   B30B 15/34 20060101ALI20221221BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 50/562 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 50/564 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 50/178 20210101ALI20221221BHJP
【FI】
H01M50/578
H01M50/533
B30B15/34 Z
H01M50/534
H01M50/531
H01M50/557
H01M50/562
H01M50/564
H01M50/178
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523499
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2020014728
(87)【国際公開番号】W WO2021085977
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0138806
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ヒョン・カン
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ホン・チョン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ス・チェ
(72)【発明者】
【氏名】サン・フン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・キョン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・テ・キム
(72)【発明者】
【氏名】イル・ギュ・ビェン
(72)【発明者】
【氏名】チュン・キ・チョ
【テーマコード(参考)】
4E090
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
4E090AB02
4E090AB06
4E090DA02
4E090DA07
4E090DA09
4E090EC01
4E090HA10
5H011AA13
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD13
5H011KK02
5H043AA04
5H043BA19
5H043CA08
5H043CA12
5H043CA13
5H043EA29
5H043GA12
5H043HA04E
5H043HA05E
5H043HA11E
5H043HA29E
5H043LA45E
(57)【要約】
前記課題を解決するための本発明の実施形態に係る電極リードの製造方法は、二次電池に含まれる電極リードを製造する方法において、金属板を切断して、第1電極リード及び第2電極リードをそれぞれ製造するステップと、前記第1電極リードの一端及び前記第2電極リードの他端のうち少なくとも一方に接着剤を塗布するステップと、前記第1電極リードの一端と前記第2電極リードの他端を互いに接着させてリード積層体を形成するステップと、前記リード積層体をダイに載置するステップと、前記リード積層体において前記第1電極リード及び前記第2電極リードが互いに連結された連結部に、加圧機を用いて熱及び圧力を印加するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池に含まれる電極リードを製造する方法であって、
金属板を切断して、第1電極リード及び第2電極リードをそれぞれ製造するステップと、
前記第1電極リードの一端及び前記第2電極リードの他端のうち少なくとも一方に接着剤を塗布するステップと、
前記第1電極リードの一端と前記第2電極リードの他端を互いに接着させてリード積層体を形成するステップと、
前記リード積層体をダイに載置するステップと、
前記リード積層体において前記第1電極リード及び前記第2電極リードが互いに連結された連結部に、加圧機を用いて熱及び圧力を印加するステップと、を含む、電極リードの製造方法。
【請求項2】
前記加圧機は、
前記リード積層体を上方から加圧する上部加圧機と、
前記リード積層体を下方から加圧する下部加圧機と、を含む、請求項1に記載の電極リードの製造方法。
【請求項3】
前記上部加圧機は、
上下に移動して前記リード積層体を加圧する、請求項2に記載の電極リードの製造方法。
【請求項4】
前記下部加圧機は、
上下に移動して前記リード積層体を加圧する、請求項3に記載の電極リードの製造方法。
【請求項5】
前記下部加圧機は、
前記ダイに固定される、請求項3または4に記載の電極リードの製造方法。
【請求項6】
前記加圧機は、
内部にヒーティングコイルを含む、請求項1~5の何れか一項に記載の電極リードの製造方法。
【請求項7】
前記熱及び圧力を印加するステップにおいて、
前記加圧機は、
前記連結部に30秒~3分間熱及び圧力を印加する、請求項1~6の何れか一項に記載の電極リードの製造方法。
【請求項8】
前記金属板を切断するステップの前に、
前記金属板に表面処理を行うステップをさらに含む、請求項1~7の何れか一項に記載の電極リードの製造方法。
【請求項9】
前記接着剤は、
導電材及びポリマーが混合されて形成される、請求項1~8の何れか一項に記載の電極リードの製造方法。
【請求項10】
前記導電材は、
黒鉛、カーボンブラック、導電性繊維、金属粉末、導電性ウイスカー、導電性金属酸化物及び導電性素材のうち少なくとも一つを含む、請求項9に記載の電極リードの製造方法。
【請求項11】
前記導電材は、
銀を含む、請求項10に記載の電極リードの製造方法。
【請求項12】
前記ポリマーは、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)樹脂、CPE(Chlorinated Polyethylene)樹脂、シリコーン、ポリウレタン、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和エステル樹脂、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリエチレン(Polyethylen)、ポリイミド(Polyimide)及びポリアミド(Polyamid)のうち少なくとも一つを含む、請求項9~11の何れか一項に記載の電極リードの製造方法。
【請求項13】
前記ポリマーは、
エポキシ樹脂を含む、請求項12に記載の電極リードの製造方法。
【請求項14】
前記接着剤は、
前記導電材を70~80wt%含み、
前記ポリマーを20~30wt%含む、請求項9~13の何れか一項に記載の電極リードの製造方法。
【請求項15】
第1電極リードの一端と第2電極リードの他端を互いに接着させて形成したリード積層体を上方から加圧する上部加圧機と、
前記リード積層体を下方から加圧する下部加圧機と、を含み、
前記リード積層体において前記第1電極リード及び前記第2電極リードが互いに連結された連結部に、熱及び圧力を印加する加圧機。
【請求項16】
前記上部加圧機は、
上下に移動して前記リード積層体を加圧する、請求項15に記載の加圧機。
【請求項17】
前記下部加圧機は、
上下に移動して前記リード積層体を加圧する、請求項16に記載の加圧機。
【請求項18】
前記下部加圧機は、
前記ダイに固定される、請求項16または17に記載の加圧機。
【請求項19】
前記加圧機は、
内部にヒーティングコイルを含む、請求項15~18の何れか一項に記載の加圧機。
【請求項20】
前記連結部に30秒~3分間熱及び圧力を印加する、請求項15~19の何れか一項に記載の加圧機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年11月01日付けの韓国特許出願第10-2019-0138806号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、電極リードの製造方法及び加圧機に関し、より詳細には、2段の電極リードを形成して電池ケースの内部に発生したガスを外部に排出して安全性を確保することができ、このような2段の電極リードを迅速かつ容易に製造することができる電極リードの製造方法及び前記2段の電極リードの製造工程に使用される加圧機に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池の種類としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池などがある。このような二次電池は、デジタルカメラ、P-DVD、MP3P、携帯電話、PDA、Portable Game Device、Power Tool、E-bikeなどの小型製品だけでなく、電気自動車やハイブリッド自動車のような高出力が要求される大型製品と余剰の発電電力や再生可能エネルギーを蓄える電力貯蔵装置とバックアップ用の電力貯蔵装置にも適用され、使用されている。
【0004】
電極組立体を製造するために、正極(Cathode)、分離膜(Separator)及び負極(Anode)を製造し、これらを積層する。具体的に、正極活物質スラリーを正極集電体に塗布し、負極活物質スラリーを負極集電体に塗布して正極(Cathode)と負極(Anode)を製造する。そして、前記製造された正極及び負極の間に分離膜(Separator)が介在されて積層されると、単位セル(Unit Cell)が形成され、単位セルが互いに積層されることにより、電極組立体が形成される。そして、このような電極組立体が特定のケースに収容され、電解液を注入すると、二次電池が製造される。
【0005】
このような二次電池は、電極組立体を収容する電池ケースの材質によって、パウチ型(Pouch Type)及び缶型(Can Type)などに分類される。パウチ型(Pouch Type)は、形態が一定でない柔軟なポリマー材質から製造されたパウチに電極組立体を収容する。そして、缶型(Can Type)は、形態が一定である金属やプラスチックなどの材質から製造されたケースに電極組立体を収容する。
【0006】
パウチ型電池ケースは、柔軟性を有するパウチフィルムに絞り(Drawing)成形を施して、カップ部を形成することにより製造される。そしてカップ部が形成されると、前記カップ部の収容空間に電極組立体を収納し、電池ケースを折り畳んだ後、シーリング部をシーリングして二次電池を製造する。
【0007】
一方、二次電池は、内部短絡、過充電、過放電などによって内部でガスが発生する可能性がある。このようなガスは、二次電池の内部の圧力を上昇させ、部品間の結合力の弱化、二次電池のケース破損、保護回路の早期作動、電極の変形、内部短絡、爆発などの問題を発生させる。缶型(Can Type)の二次電池の場合には、CIDフィルタ及び安全ベントのような保護部材が設けられて、ケースの内部の圧力が増加すると、電気的連結を物理的に遮断した。しかし、従来のパウチ型(Pouch Type)の二次電池の場合には、このような保護部材が十分に設けられていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、2段の電極リードを形成して電池ケースの内部に発生したガスを外部に排出して安全性を確保することができ、このような2段の電極リードを迅速かつ容易に製造することができる電極リードの製造方法及び前記2段の電極リードの製造工程に使用される加圧機を提供することである。本発明の課題は、上述した課題に制限されず、言及されていない更なる他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための本発明の実施形態に係る電極リードの製造方法は、二次電池に含まれる電極リードを製造する方法において、金属板を切断して、第1電極リード及び第2電極リードをそれぞれ製造するステップと、前記第1電極リードの一端及び前記第2電極リードの他端のうち少なくとも一方に接着剤を塗布するステップと、前記第1電極リードの一端と前記第2電極リードの他端を互いに接着させてリード積層体を形成するステップと、前記リード積層体をダイに載置するステップと、前記リード積層体において第1電極リード及び前記第2電極リードが互いに連結された連結部に、加圧機を用いて熱及び圧力を印加するステップと、を含む。
【0010】
また、前記加圧機は、前記リード積層体を上方から加圧する上部加圧機と、前記リード積層体を下方から加圧する下部加圧機とを含むことができる。また、前記上部加圧機は、上下に移動して前記リード積層体を加圧することができる。また、前記下部加圧機は、上下に移動して前記リード積層体を加圧することができる。また、前記下部加圧機は、前記ダイに固定することができる。また、前記加圧機は、内部にヒーティングコイルを含むことができる。また、前記熱及び圧力を印加するステップにおいて、前記加圧機は、前記連結部に30秒~3分間熱及び圧力を印加することができる。また、前記金属板を切断するステップの前に、前記金属板に表面処理を行う工程をさらに含むことができる。また、前記接着剤は、導電材及びポリマーが混合されて形成されることができる。また、前記導電材は、黒鉛、カーボンブラック、導電性繊維、金属粉末、導電性ウイスカー、導電性金属酸化物及び導電性素材のうち少なくとも一つを含むことができる。また、前記導電材は、銀を含むことができる。
【0011】
また、前記ポリマーは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)樹脂、CPE(Chlorinated Polyethylene)樹脂、シリコーン、ポリウレタン、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和エステル樹脂、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリイミド(Polyimide)及びポリアミド(Polyamide)のうち少なくとも一つを含むことができる。また、前記ポリマーは、エポキシ樹脂を含むことができる。また、前記接着剤は、前記導電材を70~80wt%含み、前記ポリマーを20~30wt%含むことができる。
【0012】
前記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る加圧機は、第1電極リードの一端と第2電極リードの他端を互いに接着させて形成したリード積層体を上方から加圧する上部加圧機と、前記リード積層体を下方から加圧する下部加圧機と、を含み、前記リード積層体において前記第1電極リード及び前記第2電極リードが互いに連結された連結部に、熱及び圧力を印加する。
【0013】
また、前記上部加圧機は、上下に移動して前記リード積層体を加圧することができる。また、前記下部加圧機は、上下に移動して前記リード積層体を加圧することができる。また、前記下部加圧機は、前記ダイに固定することができる。また、前記加圧機は、内部にヒーティングコイルを含むことができる。また、前記連結部に30秒~3分間熱及び圧力を印加することができる。本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態によれば、少なくとも次のような効果がある。電極リードを複数で設けて2段の電極リードを形成することにより、電池ケースの内部にガスが発生して内部の圧力が増加しても、ガスを外部に排出して安全性を確保することができる。また、治具及びオーブンを使用せずに別途の加圧機を使用することにより、2段の電極リードを迅速かつ容易に製造することができる。本発明による効果は、前記で例示された内容により制限されず、さらに様々な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池の組立図である。
図2】本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池の体積が膨張した様子を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電極リードを製造する方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る第1電極リードの一端と第2電極リードの他端が互いに接着された様子を示す概略図である。
図6】本発明の一実施形態に係る加圧機が、第1電極リードと第2電極リードの連結部を加圧する様子を示す概略図である。
図7】本発明の一実施形態に係る電極リードに絶縁部が取り付けられた様子を示す概略図である。
図8】本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池を図2のA-A’線に沿って切断した断面図の一部である。
図9】本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池の体積が膨張した様子を図2のA-A’線に沿って切断した断面図の一部である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明らかになる。しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現することができ、単に本実施形態は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、特許請求の範囲によって定義されるだけである。明細書全体にわたって、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。
【0017】
他の定義がなければ、本明細書で使用されるすべての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使用されることができる。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、特に明確に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0018】
本明細書で使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限することを意図するものではない。本明細書において、単数形は文章中で特に断りのない限り、複数形も含む。本明細書で使用される「含む(comprises)」及び/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素のほかに一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
【0019】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池1の組立図であり、図2は、本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池1の斜視図である。
【0020】
本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池1は、図1に示されたように、正極、負極等の電極及び分離膜が積層されて形成される電極組立体10及び前記電極組立体10を内部に収容するパウチ型の電池ケース13を含む。
【0021】
パウチ型二次電池1を製造するために、まず、電極活物質とバインダー及び可塑剤を混合したスラリーを正極集電体及び負極集電体に塗布して正極及び負極等の電極を製造する。これを分離膜(Separator)の両側に積層することで所定の形状の電極組立体10を形成した後、電極組立体10を電池ケース13に挿入し、電解液の注入後にシーリングする。
【0022】
具体的に、電極組立体(Electrode Assembly)10は、正極及び負極の2種類の電極と、電極を相互に絶縁させるために電極の間に介在されるか、いずれか一つの電極の左側または右側に配置される分離膜とを備えた積層構造体であってもよい。前記積層構造体は、所定の規格の正極と負極が分離膜を挟んで積層されてもよく、ゼリーロール(Jelly Roll)の形で巻き取られてもよいなど制限されず、様々な形態であってもよい。2種類の電極、すなわち正極と負極は、それぞれアルミニウムと銅を含む金属箔または金属メッシュ状の電極集電体に活物質スラリーが塗布された構造である。スラリーは、通常的に粒状の活物質、補助導体、バインダー及び可塑剤などが、溶媒が添加された状態で攪拌されて形成されてもよい。溶媒は後続工程で除去される。
【0023】
電極組立体10は、図1に示されたように、電極タブ(Electrode Tab)11を含む。電極タブ11は、電極組立体10の正極及び負極とそれぞれ連結され、電極組立体10の外部に突出して、電極組立体10の内部と外部との間に電子が移動できる経路となる。電極組立体10の電極集電体は、電極活物質が塗布された部分と、電極活物質が塗布されていない末端部分、すなわち無地部で構成される。そして、電極タブ11は、無地部を裁断して形成されてもよく、無地部に別途の導電部材を超音波溶接等で連結して形成されてもよい。このような電極タブ11は、図1に示されたように、電極組立体10の一側から同じ方向に並んで突出してもよいが、これに制限されず、それぞれ異なる方向に突出してもよい。
【0024】
電極組立体10の電極タブ11には、電極リード(Electrode Lead)12がスポット(Spot)溶接等で連結される。本発明の一実施形態に係る電極リード12は複数で設けられ、2段の電極リード12を形成する。そして、2段の電極リード12のうち、第1電極リード1201(図4に示される)は、電極組立体10の電極タブ11と連結され、第2電極リード1202(図4に示される)は、電池ケース(Battery Case)13の外側に突出する。2段の電極リード12に対する詳細な説明は後述する。
【0025】
電極リード12の一部は絶縁部14で周囲が包囲される。絶縁部14は、電池ケース13の上部ケース131と下部ケース132とが熱融着するシーリング部134に限定されて位置し、電極リード12を電池ケース13に接着させる。そして、電極組立体10から生成される電気が電極リード12を介して電池ケース13に流れることを防止し、電池ケース13のシーリングを保持する。したがって、このような絶縁部14は、電気がよく通らない非伝導性を有する不導体から製造される。一般的に、絶縁部14としては、電極リード12に取り付けやすく、厚さが比較的に薄い絶縁テープをよく使用するが、これに制限されず、電極リード12を絶縁することができるものであれば、様々な部材を使用することができる。
【0026】
電極リード12は、正極タブ111に一端が連結され、正極タブ111が突出した方向に延びる正極リード121及び負極タブ112に一端が連結され、負極タブ112が突出した方向に延びる負極リード122を含む。一方、正極リード121及び負極リード122は、図1に示されたように、いずれも他端が電池ケース13の外部に突出する。これにより、電極組立体10の内部で生成された電気を外部に供給することができる。また、正極タブ111及び負極タブ112がそれぞれ様々な方向に向かって突出形成されるため、正極リード121及び負極リード122もそれぞれ様々な方向に向かって延びることができる。
【0027】
正極リード121及び負極リード122は、互いにその材質が異なってもよい。すなわち、正極リード121は正極集電体と同じアルミニウム(Al)材質であり、負極リード122は負極集電体と同じ銅(Cu)材質またはニッケル(Ni)がコーティングされた銅材質であってもよい。そして、電池ケース13の外部に突出した電極リード12の一部分は端子部となり、外部端子と電気的に連結される。
【0028】
電池ケース13は、電極組立体10を内部に収納する、延性の材質から製造されたパウチである。以下、電池ケース13はパウチであるものとして説明する。パンチ等を用いて柔軟性を有するパウチフィルム135を絞り(Drawing)成形すると、一部が延伸されてポケット状の収容空間1331を含むカップ部133が形成されることにより、電池ケース13が製造される。電池ケース13は、電極リード12の一部、すなわち端子部が露出されるように電極組立体10を収容してシーリングされる。このような電池ケース13は、図1に示されたように、上部ケース131と下部ケース132とを含む。下部ケース132には、カップ部133が形成されて電極組立体10を収容することができる収容空間1331が設けられ、上部ケース131は、前記電極組立体10が電池ケース13の外部に離脱しないように、前記収容空間1331を上部でカバーする。そして、シーリング部134がシーリングされることにより、前記収容空間1331を密閉する。この際、上部ケース131にも収容空間1331が設けられたカップ部133が形成され、電極組立体10を上部で収容することもできる。上部ケース131と下部ケース132は、図1に示されたように、一側が互いに連結されて製造されてもよいが、これに制限されず、互いに分離して別途に製造されるなど、多様に製造されてもよい。
【0029】
電極組立体10の電極タブ11に電極リード12が連結され、電極リード12の一部分に絶縁部14が形成されると、下部ケース132のカップ部133に設けられた収容空間1331に電極組立体10が収容され、上部ケース131が前記空間を上部でカバーする。そして、内部に電解液を注入し、上部ケース131と下部ケース132の縁に形成されたシーリング部134をシーリングする。電解液は、二次電池1の充・放電時、電極の電気化学的反応により生成されるリチウムイオンを移動させるためのものであって、リチウム塩と高純度有機溶媒類の混合物である非水質系有機電解液または高分子電解質を用いたポリマーを含むことができる。このような方法により、図2に示されたように、パウチ型二次電池1を製造することができる。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池1の体積が膨張した様子を示す斜視図である。
一般的に、パウチ型二次電池1は、電極組立体10の外部衝撃による内部短絡、過充電、過放電などによる発熱と、これによる電解質分解、熱暴走現象などにより、異常的に大量のガスが発生する可能性がある。または、高温で保管または貯蔵する場合、高い温度が電解質及び電極活物質の電気化学的反応を急速に促進し、ガスが発生する可能性がある。
【0031】
一方、パウチ型電池ケース13を製造するために、パンチなどを用いて柔軟性を有するパウチフィルム135を絞り(Drawing)成形して、下部ケース132にカップ部133を陥没形成する。このような絞り成形は、プレスにパウチフィルム135を挿入し、パンチでパウチフィルム135に圧力を印加して、パウチフィルム135を延伸させることにより行われる。このようにパウチフィルム135を延伸させてカップ部133を形成することにより、電池ケース13が製造される。このようなパウチフィルム135は、主にナイロン(Nylon)樹脂またはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーから製造される表面保護層(Surface Protection Layer)、主にアルミニウム薄膜(Al Foil)から製造されるガスバリア層(Gas Barrier Layer)及び主にポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)などのポリマーから製造されるシーラント層(Sealant Layer)を積層して形成する。
【0032】
もし電池ケース13の内部で気体が発生して圧力が増加すると、図3に示されたように電池ケース13は柔軟性を有するため、二次電池1の体積が膨張する。そして、部品間の結合力の弱化、二次電池1のケース破損、保護回路の早期作動、電極の変形、内部短絡、爆発などの問題を発生させる。
【0033】
したがって、本発明の一実施形態によれば、電極リード12が複数で設けられ、2段の電極リード12を形成する。そして、二次電池1の体積が膨張すると、2段の電極リード12間の連結が遮断され、電気的連結を物理的に遮断する。このような2段の電極リード12を製造するために、まず、第1電極リード1201の一端及び第2電極リード1202の他端のうち少なくとも一方に接着剤151を塗布する。そして、第1電極リード1201の一端と第2電極リード1202の他端を互いに接着させてリード積層体120を形成した後、熱を印加する。これにより、接着剤151が硬化して接着部15(図8に示される)を形成し、2段の電極リード12の製造が完了する。
【0034】
ところで、従来は、第1電極リード1201と第2電極リード1202を接着させたリード積層体120を治具に挿入して固定した後、オーブンに投入した。したがって、熱のみが印加され、別途に圧力が印加されず、接着剤151を硬化するのに2時間以上のかなり長い時間がかかった。
【0035】
そして、リード積層体120を一つずつ治具に挿入し、複数の治具をプレートに並べた後、オーブンに投入するため、その過程が煩わしいという問題があった。図4は、本発明の一実施形態に係る電極リード12を製造する方法を示すフローチャートである。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、電極リード12を複数で設けて2段の電極リード12を形成することにより、電池ケース13の内部にガスが発生して内部の圧力が増加しても、ガスを外部に排出して安全性を確保することができる。また、治具及びオーブンを使用せずに別途の加圧機2(図6に示される)を使用することにより、2段の電極リード12を迅速かつ容易に製造することができる。
【0037】
このために、本発明の一実施形態に係る電極リード12の製造方法は、二次電池1に含まれる電極リード12を製造する方法において、金属板を切断して、第1電極リード1201及び第2電極リード1202をそれぞれ製造するステップと、前記第1電極リード1201の一端及び前記第2電極リード1202の他端のうち少なくとも一方に接着剤151を塗布するステップと、前記第1電極リード1201の一端と前記第2電極リード1202の他端を互いに接着させてリード積層体120を形成するステップと、前記リード積層体120をダイに載置するステップと、加圧機2を用いて、前記リード積層体120において前記第1電極リード1201及び前記第2電極リード1202が互いに連結された連結部16に、熱及び圧力を印加するステップと、を含む。
【0038】
以下、図4のフローチャートに示された各ステップについて、図5図7を参照して具体的に説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る第1電極リード1201の一端と第2電極リード1202の他端が互いに接着された様子を示す概略図である。
【0039】
まず、金属板にめっき及び酸化、被膜処理などの表面処理を行う(S401)。もし電極リード12が正極リード121であれば、上述のように金属板は正極集電体と同じアルミニウム(Al)材質であってもよい。そして、もし電極リード12が負極リード122であれば、金属板は負極集電体と同じ銅(Cu)材質であってもよい。このような金属板にニッケル(Ni)等の金属でめっき工程を行う。めっき工程は、電解めっき、無電解めっきなど制限されず、様々な方式で行うことができる。
【0040】
めっき工程が完了すると、金属板の酸化を防止し、絶縁部14との接着力を向上させるために表面処理を行う。前記表面処理は、クロムを用いたクロメート(Chromate)処理であってもよい。クロメート処理とは、化成被膜処理の一種であって、金属の表面にクロム成分を含む不溶性のクロメート(クロム酸塩)被膜が薄く形成されるものである。このために、前記金属板をクロムイオンが含まれた水溶液に浸漬する。すると、クロムイオンが酸化反応して金属板の外面に不溶性のクロム酸化物が生成されることにより、クロメート被膜が形成される。ここで、クロムイオンは、6価イオンまたは3価イオンなど制限されず、様々な種類のイオンであってもよい。そして、クロムイオンが含まれた水溶液としては、無水クロム酸、硝酸クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、塩化クロムなど制限されず、様々な物質が使用されることができる。
【0041】
一方、前記表面処理は、クロムでない物質を用いた非クロメート(Non-Chromate)処理であってもよい。ここで、クロムでない物質としては、例えば、ジルコニウムであってもよい。もしジルコニウムを用いたジルコニア処理を行う場合、前記金属板をジルコニウムイオンが含まれた水溶液に浸漬する。すると、ジルコニウムイオンが酸化反応して金属板の外面にジルコニウム酸化物が生成されることにより、ジルコニア被膜が形成される。非クロメート処理はこれに制限されず、チタンを用いたチタン処理などを含んでもよい。すなわち、金属板の表面処理は制限されず、様々な方法を使用することができる。
【0042】
金属板の表面処理が完了した後、前記金属板を切断して、第1電極リード1201及び第2電極リード1202をそれぞれ製造する(S402)。第1電極リード1201と第2電極リード1202は、いずれも四角形の形状を有することが好ましい。そして、後で互いに容易に接着されるために、幅が互いに等しいことが好ましい。
【0043】
金属板を切断する際には、プレス装置を用いてもよく、レーザーを用いてもよい。すなわち、第1電極リード1201及び第2電極リード1202を製造するためには、制限されず、様々な方法で金属板を切断することができる。
【0044】
前記製造された第1電極リード1201の一端及び第2電極リード1202の他端のうち少なくとも一方の一端に接着剤151を塗布する(S403)。そして、第1電極リード1201の一端と第2電極リード1202の他端を互いに接着させてリード積層体120を形成する(S404)。
【0045】
接着剤151は伝導性を有する物質を含む。これにより、電極組立体10から生成された電気を容易に外部に放出することができる。このために、接着剤151は、導電材及びポリマーが混合されて形成されることが好ましい。
【0046】
導電材は、天然または人造などの黒鉛と、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラックと、炭素繊維または金属繊維などの導電性繊維と、フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル、金、銀、銅粉末などの金属粉末と、1種の金属の上に異種の金属でコーティングされたCore/Shell構造を有する粉末と、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウイスカーと、酸化チタンなどの導電性金属酸化物と、ポリフェニレン誘導体などの導電性素材のうち少なくとも一つを含み、特に銀を含むことが最も好ましい。このような接着剤151に含まれる導電材は70~80wt%であることが好ましい。
【0047】
ポリマーは、熱硬化性高分子樹脂としてエポキシ樹脂、アクリル樹脂、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)樹脂、CPE(Chlorinated Polyethylene)樹脂、シリコーン、ポリウレタン、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂及び不飽和エステル樹脂、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリイミド(Polyimide)及びポリアミド(Polyamide)のうち少なくとも一つを含み、特にエポキシまたはアクリル樹脂を含むことが最も好ましい。このような接着剤151に含まれるポリマーは20~30wt%であることが好ましい。
【0048】
図6は、本発明の一実施形態に係る加圧機2が、第1電極リード1201と第2電極リード1202の連結部16を加圧する様子を示す概略図である。前記形成されたリード積層体120をダイ(図示せず)に載置させる(S405)。そして、加圧機2を用いて、前記リード積層体120において第1電極リード1201及び前記第2電極リード1202が互いに連結された連結部16に、熱及び圧力を印加する(S406)。これにより、接着剤151が硬化して2段の電極リード12を製造することができる。
【0049】
本発明の一実施形態に係る加圧機2は、図6に示されたように、リード積層体120を上方から加圧する上部加圧機21及びリード積層体120を下方から加圧する下部加圧機22を含む。そして、上部加圧機21及び下部加圧機22はそれぞれ上下に移動することができる。したがって、リード積層体120がダイに載置されると、リード積層体120の上方に上部加圧機21が、下方に下部加圧機22がそれぞれ配置される。そして、上部加圧機21は下方に移動し、下部加圧機22は上方に移動する。これにより、上部加圧機21と下部加圧機22が、第1電極リード1201及び第2電極リード1202に上方及び下方からそれぞれ圧力を印加することができる。
【0050】
一方、第1電極リード1201及び第2電極リード1202は、同一平面上に位置して側面が連結されるよりは、互いに異なる平面上に位置して上下面が互いに接着されて連結されることが好ましい。これにより、第1電極リード1201及び第2電極リード1202間の接着力が向上することができる。したがって、2段の電極リード12の製造が完了すると、第1電極リード1201及び第2電極リード1202が連結された連結部16では、段差が形成されることができる。
【0051】
したがって、ダイは、第1電極リード1201及び第2電極リード1202の連結部16に形成された段差に対応する形状を有することが好ましい。すなわち、ダイにも段差が形成されることが好ましい。これにより、リード積層体120がダイに載置されると、小さな外力に揺れることなく安定して載置されることができる。
【0052】
また、リード積層体120はダイの上面に載置される。したがって、下部加圧機22が上下に移動してリード積層体120を下方から容易に加圧するために、ダイには下部加圧機22の移動通路(図示せず)が打ち抜き形成されてもよい。
【0053】
加圧機2の前記連結部16に印加する圧力は調節されることができる。もし加圧機2の圧力を増加させると、接着剤151が硬化する時間が減少して工程時間が減少するが、リード積層体120が損傷し、または接着剤151が外部に飛散して電極リード12の品質が低下する可能性がある。逆に、加圧機2の圧力を減少させると、接着剤151が硬化する時間が増加して工程時間が増加する可能性がある。したがって、加圧機2の圧力を調節することにより、工程時間及び電極リード12の品質を調節することができる。
【0054】
加圧機2には、内部にヒーティングコイル(図示せず)が含まれてもよい。すなわち、上部加圧機21と下部加圧機22のうち少なくとも一つは、内部にヒーティングコイル(図示せず)が含まれてもよい。したがって、前記上部加圧機21と下部加圧機22が第1電極リード1201及び第2電極リード1202に圧力を印加するとき、ヒーティングコイルに電気が流れ、熱も共に印加することもできる。そして、使用者が前記ヒーティングコイルに流れる電気の電流を調節することにより、ヒーティングコイルの温度を容易に変更することもできる。前記加圧機2が熱を印加するときの温度は150℃~220℃、好ましくは180℃~200℃であってもよい。
【0055】
本発明の他の実施形態によれば、加圧機2において上部加圧機21のみが上下に移動し、下部加圧機22はダイに固定されてもよい。そして、リード積層体120がダイに載置されるとき、下部加圧機22はダイの一部となり、リード積層体120を下方から支持することができる。そして、上部加圧機21のみが下方に移動してリード積層体120の上方から圧力を印加することができる。この際、下部加圧機22がダイに固定されるため、ダイには下部加圧機22の移動通路が形成されなくてもよい。
【0056】
このように、リード積層体120を治具に挿入せず、単にダイに載置させる。そして、第1電極リード1201及び第2電極リード1202をオーブンに投入して加熱せずに別途の加圧機2を使用して熱及び圧力を共に印加する。したがって、過程が煩わしくない。
【0057】
また、熱のみを印加していた従来は、接着剤151を硬化するのに2時間以上のかなり長い時間がかかったのに対し、本発明の一実施形態によれば、熱だけでなく圧力を共に印加するため、たった数分の短時間の所要だけで接着剤151が硬化することができる。例えば、前記加圧機2は、第1電極リード1201及び第2電極リード1202が互いに連結された連結部16に30秒~3分間熱及び圧力を印加することができ、特に好ましくは、1分~2分間熱及び圧力を印加することができる。これにより、接着剤151が硬化し、2段の電極リード12の製造が完了することができる。
【0058】
さらに、加圧機2の長さを調節して、一つの加圧機2で複数のリード積層体120に熱及び圧力を印加することもできる。これにより、電極リード12の製造工程時間をさらに短縮して生産量を増大することができる。
【0059】
図7は、本発明の一実施形態に係る電極リード12に絶縁部が取り付けられた様子を示す概略図である。上部ケース131と下部ケース132がシーリングされる過程で、電極リード12と接触する部分は相対的に圧力が高いため、電池ケース13のシーラント層が破損する可能性が高い。このようなシーラント層は、上述したように、電極組立体10と直接的に接触するため、絶縁性を有する。しかし、シーラント層が破損すると、電極リード12を介して電池ケース13に電気が流れる可能性がある。特に、電池ケース13のガスバリア層はアルミニウムのような金属から製造されるため、シーラント層が少しでも破損してガスバリア層が露出されると、電極リード12と接触して電気が容易に流れることができる。
【0060】
したがって、上述したように、電極リード12の一部は、絶縁部14で周囲が包囲される。絶縁部14は、電気がよく通らない非伝導性を有する不導体から製造される。また、絶縁部14は高い機械的強度と耐熱性を有する。したがって、上部ケース131と下部ケース132が熱融着されるとき、絶縁部14は形態を保持し、シーラント層が一部破損してガスバリア層が露出されても、電極リード12とガスバリア層との接触を遮断する。これにより、電極組立体10から生成される電気が電極リード12を介して電池ケース13に流れることを防止する。
【0061】
したがって、絶縁部14は、電池ケース13の上部ケース131と下部ケース132が熱融着されるシーリング部134に限定されて位置し、電極リード12を電池ケース13に接着させる。このような絶縁部14は、高分子樹脂であって、電気絶縁性を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および光硬化型樹脂のうち少なくとも一つからなることができる。一般的に絶縁部14としては、電極リード12に取り付けやすく、厚さが比較的に薄い絶縁テープを主に使用するが、これに制限されず、電極リード12を絶縁することができるものであれば、様々な部材を使用することができる。
【0062】
図7に示されたように、絶縁部14は、第1電極リード1201及び第2電極リード1202が互いに連結された連結部16を包囲する。もし、絶縁部が連結部16を包囲しない場合であれば、それは、電池ケース13が膨張してもシーリング部134が第1電極リード1201及び第2電極リード1202にチャック力を印加することができないからである。チャック力に対する詳細な説明は後述する。
【0063】
図8は、本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池1を図2のA-A’線に沿って切断した断面図の一部である。本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池1は、図8に示されたように、電極リード12が2段に形成される。すなわち、電極リード12は、電極組立体10の電極タブ11と連結される第1電極リード1201及び電池ケース13の外部に突出する第2電極リード1202を含む。そして、第1電極リード1201と第2電極リード1202は、それぞれ一面が接着部15を介して接着されることにより、互いに連結される。このような接着部15は、接着剤151を硬化することにより形成される。
【0064】
第1電極リード1201及び第2電極リード1202を互いに接着させる接着部15は、厚さが1~500μmと非常に薄いことが好ましい。したがって、第1電極リード1201及び第2電極リード1202が段差を形成しても、段差の大きさが過度に大きくならない。
【0065】
図9は、本発明の一実施形態に係るパウチ型二次電池1の体積が膨張した様子を図2のA-A’線に沿って切断した断面図の一部である。上述したように、パウチ型電池ケース13の内部で圧力が増加すると、パウチ型二次電池1の体積が膨張する。したがって、図9に示されたように、電池ケース13の外壁が外側に向かって移動する。この際、電池ケース13の外壁のうち上壁及び下壁は面積が広くシーリングされておらず、延性がさらに大きい。したがって、電池ケース13の上壁は上方に、下壁は下方に移動する。
【0066】
二次電池1の体積が膨張すると、図9に示されたように、電池ケース13の外壁が外側に向かって移動しながら絶縁部14を介して連結された第1電極リード1201と第2電極リード1202にチャック力を印加する。したがって、電池ケース13の内部の圧力が次第に増加すると、電池ケース13の外壁が移動しようとする力がさらに大きくなり、第1電極リード1201と第2電極リード1202に印加されるチャック力の大きさも更に増加する。
【0067】
第1電極リード1201と第2電極リード1202との間の接着力より前記チャック力の大きさがさらに大きくなると、図9に示されたように、第1電極リード1201と第2電極リード1202は結局脱着(分離)される。したがって、電気的連結が遮断され、もはや電気が流れることはできない。ただし、この際、第1電極リード1201及び第2電極リード1202と接着部15との間の接着力は、第1電極リード1201及び第2電極リード1202と絶縁部14との間の接着力より弱い。したがって、第1電極リード1201及び第2電極リード1202にチャック力が印加されると、第1電極リード1201及び第2電極リード1202と絶縁部14との間の接着力は保持されて電池ケース13のシーリングが保持され、第1電極リード1201及び第2電極リード1202が互いに脱着される。
【0068】
本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施され得ることを理解することができる。よって、上述した実施形態は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないことを理解すべきである。本発明の範囲は、前記の詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される様々な実施形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0069】
1 二次電池
2 加圧機
12 電極リード
16 連結部
21 上部加圧機
22 下部加圧機
120 リード積層体
151 接着剤
1201 第1電極リード
1202 第2電極リード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】