(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ベンティング誘導部が形成されたパウチ型電池ケースの製造方法及び前記方法によって製造されたパウチ型電池ケース
(51)【国際特許分類】
H01M 50/105 20210101AFI20221221BHJP
H01M 50/129 20210101ALN20221221BHJP
【FI】
H01M50/105
H01M50/129
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523501
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2020013793
(87)【国際公開番号】W WO2021091097
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0140964
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】テ・ジュン・ソ
(72)【発明者】
【氏名】ウ・ヨン・イ
【テーマコード(参考)】
5H011
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011AA13
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD03
5H011KK01
(57)【要約】
本発明は、(a)パウチ型電池ケース用ラミネートシートを下部成形型上に位置させる段階と、(b)上部成形型で前記ラミネートシートを押圧して電極組立体収納部を成形する段階と、(c)前記電極組立体収納部の底にベンティング誘導部を成形する段階と、(d)前記電極組立体収納部及び前記ベンティング誘導部が成形されたパウチ型電池ケースを前記下部成形型から取り外す段階とを含むパウチ型電池ケースの製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチ型電池ケース用ラミネートシートを下部成形型上に位置させる段階(a)と、
上部成形型で前記ラミネートシートを押圧して電極組立体収納部を成形する段階(b)と、
前記電極組立体収納部の底にベンティング誘導部を成形する段階(c)と、
前記電極組立体収納部及び前記ベンティング誘導部が成形されたパウチ型電池ケースを前記下部成形型から取り外す段階(d)と、
を含む、パウチ型電池ケースの製造方法。
【請求項2】
前記段階(b)及び前記段階(c)は同時に遂行され、
前記上部成形型は、下面のサイズが前記電極組立体収納部の底に対応するサイズを有し、下面には凹部が形成されている第1上部成形型であり、
前記下部成形型は、前記第1上部成形型の凹部に対応する上面に突起が形成されている第1下部成形型である、請求項1に記載のパウチ型電池ケースの製造方法。
【請求項3】
前記段階(b)及び前記段階(c)は順次遂行され、
前記段階(b)は、下面のサイズが電極組立体収納部の底に対応するサイズを有する第2上部成形型及び第2下部成形型を用い、
前記段階(c)は、下面のサイズが電極組立体収納部の底に対応するサイズを有し、下面には凹部が形成されている第1上部成形型、及び前記第1上部成形型の凹部に対応する上面に突起が形成されている第1下部成形型を用いる、請求項1に記載のパウチ型電池ケースの製造方法。
【請求項4】
前記凹部は前記第1上部成形型の中心部に形成される、請求項2または3に記載のパウチ型電池ケースの製造方法。
【請求項5】
前記凹部に前記突起が挿入される構造を有し、前記凹部と前記突起は互いに対応するサイズ及び形態を有し、
前記突起の形態は、多角錐、多角錐台、円錐、円錐台、及び半球の中でいずれか一つである、請求項2~4のいずれか一項に記載のパウチ型電池ケースの製造方法。
【請求項6】
前記突起は、複数の突起が前記下部成形型の中心部に集中するように形成される、請求項5に記載のパウチ型電池ケースの製造方法。
【請求項7】
前記段階(c)は、ベンティング誘導部の金属層の厚さを薄くするために複数回遂行される、請求項1~6のいずれか一項に記載のパウチ型電池ケースの製造方法。
【請求項8】
前記段階(c)は、ラミネートシートを複数回プレスする過程を含む、請求項7に記載のパウチ型電池ケースの製造方法。
【請求項9】
外部被覆層、金属層及び内部接着層を含む上部ケース及び下部ケースからなり、
前記上部ケース及び前記下部ケースの中で少なくとも一つには電極組立体収納部が形成され、
前記電極組立体収納部にはベンティング誘導部が形成されている、パウチ型電池ケース。
【請求項10】
前記ベンティング誘導部において前記金属層の厚さは前記ベンティング誘導部を除いた電極組立体収納部の底の厚さより薄い、請求項9に記載のパウチ型電池ケース。
【請求項11】
前記ベンティング誘導部は前記電極組立体収納部の底の中心部に形成されている、請求項9または10に記載のパウチ型電池ケース。
【請求項12】
前記ベンティング誘導部のベンティング圧力は熱融着で密封される前記上部ケース及び前記下部ケースのシーリング部のベンティング圧力より小さい、請求項9~11のいずれか一項に記載のパウチ型電池ケース。
【請求項13】
請求項9~12のいずれか一項に記載のパウチ型電池ケースを含むパウチ型電池セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年11月6日付の韓国特許出願第2019-0140964号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明はベンティング誘導部が形成されたパウチ型電池ケースの製造方法及び前記方法によって製造されたパウチ型電池ケースに関し、具体的には、パウチ型電池ケースの製造過程中に前記パウチ型電池ケースの一部にベンティング誘導部を成形する過程を含むパウチ型電池ケースの製造方法及びこれによって製造されたパウチ型電池ケースに関する。
【背景技術】
【0003】
リチウム二次電池は、外形によって、大別して、円筒型二次電池、角型二次電池及びパウチ型二次電池に分類することができ、電解液の種類によって、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウムポリマー電池及び全固体電池などに分類することができる。
【0004】
ウェアラブルデバイス(wearable device)及びモバイルデバイス(mobile device)の小型化及び軽量化の傾向に応じて、厚さの薄い角型電池やパウチ型電池に対する需要が増加している。特に、金属缶を用いる円筒型二次電池または角型二次電池より電池ケースの重さを著しく減らすことができるので、電池の軽量化が可能であり、多様な形態変形が可能なパウチ型二次電池に対する関心が高い。前記パウチ型二次電池は、樹脂層及び金属層を含むラミネートシートをパウチ型にした電池ケースに電極組立体が内蔵される形態を有する。
【0005】
前記リチウム二次電池は、継続的な充放電過程で発生する熱によって電極組立体及び電気的連結部材などの温度が増加する。このように、リチウム二次電池の内部温度が高くなれば、電解液などが分解してガスが発生して電池ケースを膨張させる。また、中大型電池パックは多数の電池セルが一定したケース内に固定された状態で装着された構造を有するので、それぞれの膨張した電池セルは限定されたケース内で一層圧縮され、異常作動条件の下で発火及び爆発の危険性が増加する。
【0006】
このようなリチウム二次電池の危険性を低めるための多様な試みが遂行されている。特許文献1は、電池の内圧上昇によってケースが収縮する方向に沿ってコーティングされることで、他の部分より優先的に破断されてガスを外部に排出させるようにケースの外面に形成される破断層を含むリチウムポリマー電池に関するものであり、前記破断層はケースの外面に一定の幅でコーティングされたポリマー素材であり、延伸率に優れた素材である。
【0007】
特許文献2は、電極組立体に連結される一対の電極リードの中で相対的に柔軟性が低い電極リードに対応する部位のシーリング部上に、所定の圧力が印加されるときに物理的変形が引き起こされて内部ガスを放出させることができる脆弱部が形成された電池セルを開示する。
【0008】
しかし、前記特許文献1及び特許文献2は破断層や脆弱部を形成する具体的な方法を提示していない。
【0009】
一方、特許文献3は、ガスポケット部において電極組立体に隣接するように電極組立体の縁部に沿って内側遮断ラインと外側遮断ラインを設ける段階を含むパウチ型二次電池の製造方法を開示する。しかし、前記内側及び外側遮断ラインはパウチ型二次電池の製造中の脱ガス過程で電解液が一緒に吐き出されることを防止するための構造であるだけで、パウチ型二次電池の安全性を確保するための技術を開示していない。
【0010】
このように、パウチ型二次電池の製造過程で、パウチ型電池ケースの外面に破断を誘導して電池ケースの爆発を防止することができる方法の開発が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第2003-0035187号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2008-0094602号公報
【特許文献3】韓国公開特許第2018-0059373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前記のような問題を解決するためのものであり、パウチ型電池ケースを成形する過程中にベンティング誘導部を形成する場合、パウチ型電池ケースの製造工程を簡素化することができるとともに、パウチ型電池ケースの内圧増加の際に破断を誘導して爆発を防止することができる構造を有するパウチ型電池ケースの製造方法及び前記方法によって製造されたパウチ型電池ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するための本発明によるパウチ型電池ケースの製造方法は、(a)パウチ型電池ケース用ラミネートシートを下部成形型上に位置させる段階と、(b)上部成形型で前記ラミネートシートを押圧して電極組立体収納部を成形する段階と、(c)前記電極組立体収納部の底にベンティング誘導部を成形する段階と、(d)前記電極組立体収納部及び前記ベンティング誘導部が成形されたパウチ型電池ケースを前記下部成形型から取り外す段階とを含む。
【0014】
一実施例で、前記段階(b)及び前記段階(c)は同時に遂行され、前記上部成形型は、下面のサイズが前記電極組立体収納部の底に対応するサイズを有し、下面には凹部が形成されている第1上部成形型であり、前記下部成形型は、前記第1上部成形型の凹部に対応する上面に突起が形成されている第1下部成形型であることができる。
【0015】
他の実施例で、前記段階(b)及び前記段階(c)は順次遂行され、前記段階(b)は、下面のサイズが電極組立体収納部の底に対応するサイズを有する第2上部成形型及び第2下部成形型を用い、前記段階(c)は、下面のサイズが電極組立体収納部の底に対応するサイズを有し、下面には凹部が形成されている第1上部成形型、及び前記第1上部成形型の凹部に対応する上面に突起が形成されている第1下部成形型を用いることができる。
【0016】
前記凹部は前記第1上部成形型の中心部に形成されることができる。
【0017】
また、前記凹部に前記突起が挿入される構造を有し、前記凹部と前記突起は互いに対応するサイズ及び形態を有し、前記突起の形態は、多角錐、多角錐台、円錐、円錐台、及び半球の中でいずれか一つであることができる。
【0018】
前記突起は、複数の突起が前記下部成形型の中心部に集中するように形成されることができる。
【0019】
前記段階(c)は、ベンティング誘導部の金属層の厚さを薄くするために複数回遂行することができる。
【0020】
また、前記段階(c)は、ラミネートシートを複数回プレスする過程を含むことができる。
【0021】
本発明によるパウチ型電池ケースは、外部被覆層、金属層及び内部接着層を含む上部ケース及び下部ケースからなり、前記上部ケース及び前記下部ケースの中で少なくとも一つには電極組立体収納部が形成され、前記電極組立体収納部にはベンティング誘導部が形成される構造を有する。
【0022】
前記ベンティング誘導部において前記金属層の厚さは前記ベンティング誘導部を除いた電極組立体収納部の底の厚さより薄いことができる。
【0023】
前記ベンティング誘導部は前記電極組立体収納部の底の中心部に形成されることができる。
【0024】
前記ベンティング誘導部のベンティング圧力は熱融着で密封される前記上部ケース及び前記下部ケースのシーリング部のベンティング圧力より小さいことができる。
【0025】
また、本発明は、前記パウチ型電池ケースを含むパウチ型電池セルを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1実施例によるパウチ型電池ケースの製造方法の模式図である。
【
図2】第2実施例によるパウチ型電池ケースの製造方法の模式図である。
【
図3】第3実施例によるパウチ型電池ケースの製造方法の模式図である。
【
図4】
図1の製造方法によって製造されたパウチ型電池ケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に基づいて本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただ、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0028】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけではなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0029】
構成要素を限定するか付け加えて具体化する説明は、特別な制限がない限り、すべての発明に適用されることができ、特定の発明に限定されない。
【0030】
本発明を図面に基づいて詳細な実施例と一緒に説明する。
【0031】
図1は第1実施例によるパウチ型電池ケースの製造方法の模式図である。
【0032】
図1を参照すると、パウチ型電池ケース用ラミネートシート110は、外部被覆層101、金属層102、及び内部接着層103を含み、場合によって、外部被覆層と金属層との間、及び金属層と内部接着層との間に接着層をさらに含むことができる。
【0033】
パウチ型電池ケース用ラミネートシート110を第1下部成形型121上に位置させた後、第1上部成形型131でラミネートシート110を押圧することにより、電極組立体収納部112及びベンティング誘導部113を成形する。
【0034】
第1上部成形型131は、下面のサイズが電極組立体収納部112の底面に対応するサイズを有し、下面には凹部135が形成されている。第1下部成形型121は、第1上部成形型131の凹部135に対応する位置の上面に突起125が形成されている。
【0035】
第1上部成形型131の凹部135は第1上部成形型131の下面中心部に形成され、第1下部成形型121の突起125は第1下部成形型121の上面中心部に形成される。
【0036】
したがって、前記過程によって製造されたパウチ型電池ケース111は、電極組立体収納部112の底面中心部にベンティング誘導部113が形成される。
【0037】
一般に、リチウム二次電池の内圧増加によって電池ケースが膨張したとき、圧力が集中する部分でベンティングされる点を考慮すると、前記ベンティング誘導部は電極組立体収納部の中心部に形成されることが好ましい。よって、突起125は複数が形成されることができ、特に、下部成形型の中心部に複数の突起が集中するように形成されることができる。
【0038】
本発明は、上部成形型の凹部135に下部成形型の突起125が挿入される構造を有し、凹部135と突起125は互いに対応するサイズ及び形態を有するように形成される。
【0039】
例えば、突起125の形態は、多角錐、多角錐台、円錐、円錐台、及び半球の中でいずれか一形態になることができ、詳細には半球形になることができる。
【0040】
前記過程においてベンティング誘導部を成形する段階(c)は、第1上部成形型131でラミネートシート110をプレスする過程を遂行することができ、ベンティング誘導部においてラミネートシート110の金属層102の厚さを小さくするために、前記プレスする過程を複数回繰り返し遂行することができる。
【0041】
このように、電極組立体収納部及びベンティング誘導部が成形されたパウチ型電池ケース111を第1下部成形型121から取り外す。
【0042】
このように、本発明によるパウチ型電池ケースは、ベンティング誘導部において金属層の厚さが、ベンティング誘導部を除いた電極組立体収納部の底の厚さより薄く形成されるので、リチウム二次電池の内圧増加の際、前記ベンティング誘導部に圧力が集中することによって早く破断されてガスを排出することができる。
【0043】
したがって、リチウム二次電池の内圧増加による爆発が起こるに先立って予めベンティング誘導部が破断されるので、リチウム二次電池の安全性を確保することができる。
【0044】
また、
図1に示すパウチ型電池ケースの製造方法のように電極組立体収納部の成形とベンティング誘導部の成形を同時に遂行する場合には、パウチ型電池ケースの製造過程を手短に設計することができるので、製造コストを節減し、生産性を向上させることができる。
【0045】
図2は第2実施例によるパウチ型電池ケースの製造方法の模式図である。
【0046】
図2のパウチ型電池ケースの製造方法は、
図1のパウチ型電池ケースの製造方法とは違い、電極組立体収納部を成形する段階(b)とベンティング誘導部を成形する段階(c)とを順次遂行する。
【0047】
具体的には、
図2を参照すると、ラミネートシート210を第2下部成形型222上に位置させた後、第2上部成形型232でラミネートシート210を押圧して電極組立体収納部212を成形する。
【0048】
その後、電極組立体収納部212が成形されたパウチ型電池ケースを突起225の形成された第1下部成形型221上に配置し、凹部235の形成された第1上部成形型231でパウチ型電池ケース211を押圧してベンティング誘導部213を成形する。
【0049】
前記ベンティング誘導部の成形方法は
図1の説明に記載したものと同様である。
【0050】
また、第1下部成形型221と第1上部成形型231のそれぞれは
図1で説明した第1下部成形型121及び第1上部成形型131と凹部及び突起の構造とその位置及び形態で同一であるので、以下ではその説明を省略する。
【0051】
図2に示すパウチ型電池ケースの製造方法のように電極組立体収納部の成形とベンティング誘導部の成形を順次進行する場合には、電極組立体収納部が形成されるとき、ラミネートシートが1次に延伸された状態でベンティング誘導部を成形するから、第1上部成形型でラミネートシートをプレスする過程を独立的に数回遂行することができるので、ラミネートシート金属層の厚さをより薄く成形することができ、金属層の厚さ偏差を減らすことができる。
【0052】
図3は第3実施例によるパウチ型電池ケースの製造方法の模式図である。
【0053】
図3を参照すると、
図3に示すパウチ型電池ケースの製造方法は、
図1に示す方法と同様に、電極組立体収納部を成形する段階(b)と、ベンティング誘導部を成形する段階(c)とを同時に遂行する。
【0054】
したがって、
図3に示す第1下部成形型321は上面に突起325が形成され、第1上部成形型331は下面に凹部335が形成された構造を有する。
【0055】
また、パウチ型電池ケース311は、上部ケース311aと下部ケース311bのそれぞれにベンティング誘導部315とベンティング誘導部314が形成される構造を有し、第1下部成形型321は、ラミネートシートにおいて上部ケース予定部及び下部ケース予定部が配置される部分のそれぞれに突起325が形成され、前記突起に対応する位置に二つの第1上部成形型331が下降してラミネートシートをプレスする。
【0056】
図4は
図1の製造方法によって製造されたパウチ型電池ケースの斜視図を示す。
【0057】
図4を参照すると、パウチ型電池セル100は電極組立体収納部112が上部ケース及び下部ケースの中でいずれか一方に形成された構造を有し、電極組立体収納部の底112aの中心部にベンティング誘導部113が形成された形態を有する。
【0058】
ベンティング誘導部において、ラミネートシート金属層の厚さは電極組立体収納部の底からベンティング誘導部を除いた部分の厚さより薄く形成されるので、電池ケースの膨張の際、物理的な強度の弱いベンティング誘導部が先に破断される。
【0059】
また、ベンティング誘導部113のベンティング圧力は熱融着で密封される上部ケース及び下部ケースのシーリング部のベンティング圧力より小さい圧力である。よって、パウチ型電池セルの内部圧力増加の際、上部ケース及び下部ケースのシーリング部がベンティングされるに先立てベンティング誘導部が破断される。
【0060】
このように、本発明によるパウチ型電池ケースの製造方法は、パウチ型電池セルの安全性を確保するための構造としてベンティング誘導部を含み、前記ベンティング誘導部の形成過程をパウチ型電池ケース成形過程に含むので、パウチ型電池ケースの製造段階が増加せずにパウチ型電池セルの安全性を向上させることができる。
【0061】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上で説明したように、本発明によるパウチ型電池ケースの製造方法は、電池ケースを成形する過程中にベンティング誘導部を形成するので、製造工程を簡素化することができる。
【0063】
また、本発明によるパウチ型電池ケースは、内圧増加によって膨張する場合、ベンティング誘導部が破断されるので、パウチ型二次電池の爆発を予め防止することができる。
【符号の説明】
【0064】
100 パウチ型電池セル
101 外部被覆層
102 金属層
103 内部接着層
110、210、310 ラミネートシート
111、211、311 パウチ型電池ケース
112、212 電極組立体収納部
112a 電極組立体収納部の底
113、213、314、315 ベンティング誘導部
121、221、321 第1下部成形型
125、225、325 突起
131、231、331 第1上部成形型
135、235、335 凹部
222 第2下部成形型
232 第2上部成形型
311a 上部ケース
311b 下部ケース
【国際調査報告】