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特表2022-554130四員環誘導体の調節剤、調製方法及びその利用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】四員環誘導体の調節剤、調製方法及びその利用
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/42 20060101AFI20221221BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20221221BHJP
   C07D 333/66 20060101ALI20221221BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20221221BHJP
   C07D 307/24 20060101ALI20221221BHJP
   C07D 213/60 20060101ALI20221221BHJP
   C07D 205/00 20060101ALI20221221BHJP
   C07D 277/56 20060101ALI20221221BHJP
   C07D 261/18 20060101ALI20221221BHJP
   C07D 263/34 20060101ALI20221221BHJP
   C07D 215/16 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
C07D209/42 CSP
A61P25/00
A61P25/18
A61P25/20
A61P25/08
A61P21/02
A61P25/28
A61P17/02
A61P9/00
A61P25/30
A61P25/24
A61P27/16
A61K31/496
A61K31/495
C07D333/66
C07D405/12
A61K31/551
C07D307/24
C07D213/60
C07D205/00
C07D277/56
C07D261/18
C07D263/34
C07D215/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523690
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 CN2020124609
(87)【国際公開番号】W WO2021083246
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】201911039123.5
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010028151.3
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010725922.4
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】518405393
【氏名又は名称】上▲海▼翰森生物医▲薬▼科技有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】518402015
【氏名又は名称】江▲蘇▼豪森▲薬▼▲業▼集▲団▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ ▲イ▼▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】毛 ▲梟▼峰
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲凱▼▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】汪 ▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡 家▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲包▼ 如迪
【テーマコード(参考)】
4C055
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C055AA01
4C055BA01
4C055CA02
4C055CA58
4C055DA01
4C055FA01
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC75
4C063DD36
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC50
4C086BC54
4C086BC67
4C086BC69
4C086BC82
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA23
4C086ZA36
4C086ZA89
(57)【要約】
四員環誘導体の調節剤、調製方法及びその利用が提供される。特に、中枢神経系疾患及び/又は精神疾患の処置又は予防におけるGタンパク質共役受容体修飾物質としての一般式(IX-A)によって表される化合物、その調製方法、化合物を含む医薬組成物、及びその使用が提供される。一般式(IX-A)中の各置換基の定義は、本明細書の定義と同じである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IX-A)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩
【化1】
(式中、
R4は、5~6員N含有ヘテロシクリル、
【化2】
からなる群から選択され;
前記5~6員N含有ヘテロシクリルは、好ましくは、オキサゾリジノニルであり;
Raは、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され;
Rbは、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アミノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
R5は、水素、重水素、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され;
好ましくは、R5は、水素、シアノ、ハロゲン、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択され、より好ましくは、水素及び塩素からなる群から選択され;
或いは、任意の隣接する2つのR5が結合して、5~6員ヘテロシクリル又は5~6員ヘテロアリール、好ましくは、1から2個のN、S又はOヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール、より好ましくは、チエニルを形成し;
rは、0、1又は2であり;
mは、0又は1であり;
tは、0、1、2又は3であり、好ましくは、2であり;
【化3】

【化4】
であり、mが、1である場合、R4は、
【化5】
、-NHC(O)C2H5、-NHC(O)N(CH3)2、-NHC(O)NHCH3、-NHC(O)N(C2H5)CH3、-NHC(O)NHC2H5
【化6】
ではなく;
mが2である場合、R4は、-NHC(O)N(CH3)2ではない)。
【請求項2】
式(X)又は式(X-A):
【化7】
でさらに示されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
R4が、5~6員N含有ヘテロシクリル、
【化8】
からなる群から選択され、前記5~6員N含有ヘテロシクリルは、好ましくは、オキサゾリジノニルであり;
Raが、水素、シアノ、ハロゲン、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;
好ましくは、Raが、水素及びメチルからなる群から選択され;
Rbが、任意にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換される、アミノ、C1~3アルキル、C1~3アルコキシ、C1~3ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、C6~10アリール及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
好ましくは、Rbが、任意にフッ素、シアノ、ヒドロキシ、メチル及びメトキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換される、アミノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシイソプロピル、シクロプロピル、アゼチジニル、フェニル、ピリジル、フラニル、ピリミジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、キノリル及びベンゾオキサゾリルからなる群から選択され;
rが、0、1又は2であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
式(XI)
【化9】
(式中、
R6は、水素、重水素、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され;
R7は、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール、5~12員ヘテロアリール、Ree、-C(O)(CH2)n2Ree、-(CH2)n2C(O)NReeRff、-C(O)NReeRff、-(CH2)n2C(O)NReeC(O)Rff、-(CH2)n2S(O)m2Ree、-(CH2)n2NReeS(O)m2Rff、-(CH2)n2S(O)m2NReeRff、-(CH2)n1S(O)m2NReeRff、-(CH2)n2ORee、-C(O)NRee(CH2)n2Rff、-C(O)(CH2)n2ORee、-(CH2)n2SRee、-(CH2)n2C(O)ORee、-P(O)ReeRff、-(CH2)n2NReeC(O)Rff及び-(CH2)n2NReeS(O)m2Rffからなる群から選択され、前記C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
好ましくは、R7は、Ree、-C(O)(CH2)n2Ree、-C(O)NReeRff、-C(O)NRff(CH2)n2Ree、-S(O)m2Ree及び-S(O)m2NReeRffからなる群から選択され;
Ree及びRffはそれぞれ、水素、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、前記アミノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル及びC1~6アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
好ましくは、Ree及びRffは、それぞれ任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、C1~6アルキル及びC1~6アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換される、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、1から2個の窒素原子を含む4~6員ヘテロシクリル及び1から2個の酸素、窒素、硫黄原子を含む5~10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
より好ましくは、Ree及びRffはそれぞれ、
(CH3)2N-、CH3NH-、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2NH-、CH3CH2NCH3-、(CH3)2C(OH)-、(CH3)2C(OH)CH2-、CH3OCH2-、
【化10】
からなる群から独立して選択され;
n2は、0、1及び2からなる群から選択され;
m2は、0、1及び2からなる群から選択され;
mは、0、1及び2からなる群から選択される)
でさらに示されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Ree及びRffがそれぞれ、水素及び以下の置換基からなる群から独立して選択されることを特徴とする、請求項4に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化11】
【請求項6】
R6が、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~3アルキル、C1~3重水素化アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ、C1~3ハロアルコキシ、C2~3アルケニル及びC2~3アルキニルからなる群から選択され、好ましくは、水素であり;
R7が、Ree、-C(O)(CH2)n2Ree、-C(O)NReeRff、-C(O)NRff(CH2)n2Ree、-S(O)m2Ree及び-S(O)m2NReeRffからなる群から選択され;
Reeが、水素、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アミノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル及びC1~6アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
好ましくは、Reeが、任意にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、C1~6アルキル及びC1~6アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によって置換される、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、1から2個の酸素、窒素、硫黄ヘテロ原子を含む4~6員ヘテロシクリル及び1から2個の酸素、窒素、硫黄ヘテロ原子を含む5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
より好ましくは、Reeが、
(CH3)2N-、CH3NH-、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2NH-、CH3CH2NCH3-、(CH3)2C(OH)-、(CH3)2C(OH)CH2-、CH3OCH2-、
【化12】
からなる群から選択され;
Rffが、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され;
好ましくは、Rffが、水素、シアノ、ハロゲン、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;
より好ましくは、Rffが、水素及びメチルからなる群から選択され;
n2が、0、1及び2からなる群から選択され;
m2が、0、1及び2からなる群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
式(XI-A)又は式(XI-B)
【化13】
でさらに示されることを特徴とする、請求項4に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
【化14】
が、
【化15】
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項4又は7に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
【化16】
が、
【化17】
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項4又は7に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
式(XII)
【化18】
(式中、
R8は、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アミノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
好ましくは、R8は、アミノ、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、C6~10アリール及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アミノ、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、C6~10アリール及び5~10員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、ヒドロキシ、シアノ、C1~3アルキル、C1~3アルコキシ及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
より好ましくは、R8は、
CH3O-、HOC(CH3)2-、
【化19】
からなる群からさらに選択され;
vは、0又は1であり;
vが0である場合、R8は、-C2H5、-N(CH3)2、-NHCH3、-NC2H5CH3、-NHC2H5
【化20】
ではなく;
vが1である場合、R8は、フェニルではない)
でさらに示されることを特徴とする、請求項4に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
前記式(XII)の化合物が、式(XII-A)又は式(XII-B)でさらに示されることを特徴とする、請求項10に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化21】
【請求項12】
R4が、
【化22】
であり;
Rbが、任意に重水素、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ及びC1~3ハロアルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換される、C3~6シクロアルキル及び1から2個の窒素、酸素、硫黄原子を含む5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
R5が、水素、ハロゲン及びC1~3アルキルからなる群から選択され;
mが、1であり;
tが、1、2又は3であり;
rが0であり、Rb
【化23】
である場合、Rbは、少なくとも1つの置換基によって置換され;
rが0であり、Rb
【化24】
である場合、Rbは、少なくとも1つの置換基によって置換されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
Rbが、任意に重水素、ハロゲン、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ及びC1~3ハロアルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換される、C3~6シクロアルキル、窒素又は酸素を含む5~6員ヘテロアリール及び窒素を含む9~10員縮合ヘテロアリールからなる群から選択され;
好ましくは、Rbが、任意にハロゲン、C1~3アルキル及びC1~3ハロアルキルからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換される、シクロプロピル、ピリジル、フラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル及びキノリルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
前記化合物の具体的な構造が、以下のとおりであることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化25A】
【化25B】
【化25C】
【請求項15】
請求項10に記載の式(XII)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
【化26】
式(XII-1)の化合物を式(XII-2)の塩化アシル又はカルボン酸と反応させて、前記式(XII)の化合物、前記その立体異性体又は前記その薬学的に許容される塩を得る工程
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項16】
式(XII-1)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化27】
【請求項17】
請求項16に記載の式(XII-1)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
【化28】
式(XII-3)の化合物を脱保護して、前記式(XII-1)の化合物、前記その立体異性体又は前記その薬学的に許容される塩を得る工程と;
任意に、式(XII-4)の化合物を式(XII-5)の化合物と反応させて、前記式(XII-3)の化合物、前記その立体異性体又は前記その薬学的に許容される塩を得る工程と
を含むことを特徴とし、
【化29】
式中、
Pg1は、アリルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、2,4-ジメトキシベンジル、ニトロベンゼンスルホニル、トリチル、フルオレンメトキシカルボニル、p-トルエンスルホニル、ホルマート、アセチル、ベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジル及びp-メトキシフェニルからなる群から選択され、好ましくは、tert-ブトキシカルボニルである、アミノ保護基であり;
Pg2は、メチル、tert-ブチル、トリフェニル、メチルチオメチルエーテル、2-メトキシエトキシメチルエーテル、メトキシメチルエーテル、p-メトキシベンジルエーテル、ピバロイル、ベンジルエーテル基、メトキシメチル、トリメチルシリル、テトラヒドロフラニ、tert-ブチルジシリル、アセチル、ベンゾイル及びp-トルエンスルホニルからなる群から選択され、好ましくは、p-トルエンスルホニルである、ヒドロキシ保護基である、方法。
【請求項18】
治療有効用量の請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩、及び1つ又は複数の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項19】
前記治療有効用量が、0.1から500mg、好ましくは0.1から100mg、より好ましくは0.1から50mg、さらに好ましくは0.1から20mg、さらにより好ましくは0.5から10mg、最も好ましくは0.5から5mgである、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
Gタンパク質共役受容体修飾医薬、特にドーパミンD3受容体修飾医薬及び5-HT2A受容体修飾医薬の調製における請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩、又は請求項18に記載の医薬組成物の使用。
【請求項21】
中枢神経系疾患及び/又は精神疾患若しくは障害を処置又は予防するための医薬の調製における請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項18に記載の医薬組成物の使用であって、前記神経系疾患及び/又は精神疾患は、好ましくは統合失調症、睡眠障害、気分障害、統合失調症スペクトラム障害、痙攣障害、記憶障害及び/又は認知障害、運動障害、パーソナリティ障害、自閉症スペクトラム障害、疼痛、外傷性脳損傷、血管性疾患、物質乱用障害及び/又は退薬症候、耳鳴症、うつ病、自閉症、老年認知症、アルツハイマー病、発作、神経痛、解毒症候性大うつ病性障害(detoxification symptomatic major depressive disorder)及び躁病からなる群から選択される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物合成の分野に属し、特に、四員環誘導体阻害剤、それを調製するための方法、及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ドーパミンD3受容体は、Gタンパク質共役受容体ファミリーのメンバーであり、ドーパミン受容体のサブタイプである。これは、ドーパミンD2及びD4受容体とともにD2様抑制性受容体に属する。DAと結合すると、それは、Gタンパク質を阻害することによってcAMPレベルを低下させる。D3受容体は、主に中脳辺縁系、特に運動機能に関係しない側坐核、嗅結節及びカレハ島に分布している。極めて活性なD3受容体修飾物質は、優れた抗統合失調症活性を有する可能性もある。D3受容体は、気分、認知、気性、依存症などと密接に関係し、統合失調症患者の陰性症状を改善することができる。D3受容体は、アセチルコリンの放出を調節し、グルタミン酸受容体を調節することによって認知において調節的役割を果たすことができる。D3受容体の部分的アゴニズムは、認知を改善することができる。
【0003】
5-ヒドロキシトリプタミン2A(5-HT2A)受容体は、Gタンパク質共役受容体ファミリーのメンバーであり、5-HT受容体の主要な興奮性受容体サブタイプである。それらは、中心及び末梢に分散しており、気性、情動、学習、記憶などと密接に関係する。極めて活性な5-HT2A受容体阻害剤は、著しい抗統合失調症効果を有し、錐体外路症状の副作用を低減することができる。
【0004】
統合失調症は、最も罹患率が高く、疾患の経過が遅い精神疾患であり、発作、増悪又は悪化が繰り返される傾向があり、結果として患者及びその家族に対して深刻な負担及び不都合な結果をもたらす。精神病質者は、妄想、幻覚並びに思考、言語及び行動の障害などの陽性症状、情動及び表現の欠如、不十分な発話及び喜びの欠如、並びに認知障害などその他の症状などの陰性症状を経験することもある。抗統合失調症薬物の研究、開発及び臨床利用が過去数十年に大幅に発展したが、従来の抗精神病薬(第一世代)(ハロペリドール、ドロペリドール、チオリダジンなど)及び非定型抗精神病薬(第二世代)(クロザピン、リスペリドン、オランザピン、アリピプラゾールなど)はともに、陽性症状を処置するのには効果的であるが、陰性症状及び認知障害を改善するには不十分である。したがって、陽性症状だけでなく、陰性症状及び認知障害も改善することができる抗統合失調症薬物を開発する差し迫った必要性がある。極めて活性なドーパミンD3受容体修飾物質は、錐体外路症状及び体重増加などの第一及び第二世代抗精神病薬の副作用を伴わずに、統合失調症の患者の陰性症状、陽性症状及び認知障害を改善することができる。
【0005】
D3受容体のアンタゴニスト又は部分的アゴニストは、統合失調症の陽性症状、陰性症状及び認知障害の改善に対して優れた効力を有する。国際特許出願WO2007093540号、同第WO2009013212A2号、同第WO2010031735A1号、及び同第WO2012117001A1号は、D3受容体及び5HT2A二重修飾化合物について報告しているが、D3受容体及び5HT2Aに対する化合物の最大の結合活性Kiは10nMを超える。Jiangsu Hengyi Pharmaceutical社が出願した国際特許出願WO2014086098A1号は、D3選択的阻害剤について報告しているが、5HT2Aに対する結合活性の研究については報告されていない。Gedeon Richter社によって開発されたD3アンタゴニストであるカリプラジンは、2015年に入手可能で、国際特許出願WO2005012266A1号が出願された。カリプラジンは、強力なD3受容体アゴニスト活性を有し、統合失調症の陰性症状に対する処置におけるその使用は、既存の薬物を超える著しい利点を有する。しかしながら、カリプラジンは、5-HT2A受容体に対する阻害活性が弱く、結果として錐体外路症状(ESP)の深刻な副作用を生じる。したがって、錐体外路症状の副作用を低減し、統合失調症における陰性症状に対する効果及び認知の改善を向上させるための、5HT2A結合活性が最適化された極めて活性なD3受容体修飾物質を開発する差し迫った必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願WO2007093540号
【特許文献2】国際特許出願WO2009013212A2号
【特許文献3】国際特許出願WO2010031735A1号
【特許文献4】国際特許出願WO2012117001A1号
【特許文献5】国際特許出願WO2014086098A1号
【特許文献6】国際特許出願WO2005012266A1号
【特許文献7】特許出願第PCT/CN2020/073153号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
特許出願第PCT/CN2020/073153号に含まれるすべての内容は、参照によって本発明に組み込まれる。
【0008】
本発明の目的は、式(IX-A)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩を提供することであり、式(IX-A)の化合物の構造は、以下のとおりであり、
【0009】
【化1】
【0010】
式中、
R4は、5~6員N含有ヘテロシクリル、
【0011】
【化2】
【0012】
からなる群から選択され、5~6員N含有ヘテロシクリルは、好ましくは、オキサゾリジノニルであり;
Raは、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され;
Rbは、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され、アミノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
R5は、水素、重水素、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され;
好ましくは、水素、シアノ、ハロゲン、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;
より好ましくは、水素及び塩素からなる群から選択され;
或いは、任意の隣接する2つのR5が結合して、5~6員ヘテロシクリル又は5~6員ヘテロアリール;
好ましくは、1から2個のN、S又はOヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール、より好ましくは、チエニルを形成し;
rは、0、1又は2であり;
mは、0又は1であり;
tは、0、1、2又は3、好ましくは2である。
【0013】
本発明はまた、
【0014】
【化3】
【0015】
【0016】
【化4】
【0017】
であり、mが、1である場合、R4は、以下ではない、式(IX-A)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩に関する好適な実施形態も提供する。
【0018】
【化5】
【0019】
、-NHC(O)C2H5、-NHC(O)N(CH3)2、-NHC(O)NHCH3、-NHC(O)NC2H5CH3、-NHC(O)NHC2H5
【0020】
【化6】
【0021】
本発明はまた、化合物が、式(X)又は式(X-A)
【0022】
【化7】
【0023】
(式中、
R4及びmは、式(IX-A)において定義されたとおりである)
に示されるとおりである、好適な実施形態、化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0024】
本発明の別の好適な実施形態において、R4は、5~6員N含有ヘテロシクリル、
【0025】
【化8】
【0026】
からなる群から選択され、5~6員N含有ヘテロシクリルは、好ましくは、オキサゾリジノニルであり;
Raは、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され;
好ましくは、Raは、水素、シアノ、ハロゲン、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;
より好ましくは、Raは、水素及びメチルからなる群から選択され;
Rbは、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され、アミノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
好ましくは、Rbは、アミノ、C1~3アルキル、C1~3アルコキシ、C1~3ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、C6~10アリール及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、アミノ、C1~3アルキル、C1~3アルコキシ、C1~3ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、C6~10アリール及び5~10員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
より好ましくは、Rbは、アミノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシイソプロピル、シクロプロピル、アゼチジニル、フェニル、ピリジル、フラニル、ピリミジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、キノリル及びベンゾオキサゾリルからなる群から選択され、アミノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシイソプロピル、シクロプロピル、アゼチジニル、フェニル、ピリジル、フラニル、ピリミジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、キノリル及びベンゾオキサゾリルは、それぞれ任意に、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシ、メチル及びメトキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
rは、0、1又は2である。
【0027】
本発明はまた、式(IX-A)が、式(XI)
【0028】
【化9】
【0029】
(式中、
R6は、水素、重水素、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され;
R7は、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール、5~12員ヘテロアリール、Ree、-C(O)(CH2)n2Ree、-(CH2)n2C(O)NReeRff、-C(O)NReeRff、-(CH2)n2C(O)NReeC(O)Rff、-(CH2)n2S(O)m2Ree、-(CH2)n2NReeS(O)m2Rff、-(CH2)n2S(O)m2NReeRff、-(CH2)n1S(O)m2NReeRff、-(CH2)n2ORee、-C(O)NRee(CH2)n2Rff、-C(O)(CH2)n2ORee、-(CH2)n2SRee、-(CH2)n2C(O)ORee、-P(O)ReeRff、-(CH2)n2NReeC(O)Rff及び-(CH2)n2NReeS(O)m2Rffからなる群から選択され、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され、好ましくは、5~10員ヘテロアリール、Ree、-C(O)(CH2)n2Ree、-C(O)NReeRff、-C(O)NRff(CH2)n2Ree、-S(O)m2Ree及び-S(O)m2NReeRffからなる群から選択され;
Ree及びRffはそれぞれ、水素、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル及びC1~6アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
好ましくは、Ree及びRffはそれぞれ、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、1から2個の窒素原子を含む4~6員ヘテロシクリル及び1から2個の酸素、窒素、硫黄原子を含む5~10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、1から2個の窒素原子を含む4~6員ヘテロシクリル及び1から2個の酸素、窒素、硫黄原子を含む5~10員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、C1~6アルキル及びC1~6アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によって置換され;
より好ましくは、Ree及びRffはそれぞれ、
(CH3)2N-、CH3NH-、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2NH-、CH3CH2NCH3-、(CH3)2COH-、(CH3)2COHCH2-、CH3OCH2-、
【0030】
【化10】
【0031】
からなる群から独立して選択され;
n2は、0、1及び2からなる群から選択され;
m2は、0、1及び2からなる群から選択され;
mは、0、1及び2からなる群から選択される)
に示されるとおりである、好適な実施形態、化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0032】
本発明の別の好適な実施形態において、Ree及びRffはそれぞれ、水素及び以下の置換基からなる群から独立して選択される。
【0033】
【化11】
【0034】
本発明はまた、式(XI)が、式(XI-A)又は式(XI-B)に示されるとおりである、好適な実施形態、化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0035】
【化12】
【0036】
本発明の好適な実施形態において、R6は、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~3アルキル、C1~3重水素化アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ、C1~3ハロアルコキシ、C2~3アルケニル及びC2~3アルキニルからなる群から選択され、好ましくは、水素であり;
R7は、Ree、-C(O)(CH2)n2Ree、-C(O)NReeRff、-C(O)NRff(CH2)n2Ree、-S(O)m2Ree及び-S(O)m2NReeRffからなる群から選択され;
Reeは、水素、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールからなる群から選択され、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~14アリール及び5~14員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル及びC1~6アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
好ましくは、Reeは、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、1から2個の酸素、窒素、硫黄ヘテロ原子を含む4~6員ヘテロシクリル及び1から2個の酸素、窒素、硫黄ヘテロ原子を含む5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、アミノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、1から2個の酸素、窒素、硫黄ヘテロ原子を含む4~6員ヘテロシクリル及び1から2個の酸素、窒素、硫黄ヘテロ原子を含む5~10員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、C1~6アルキル及びC1~6アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によって置換され;
より好ましくは、Reeは、
(CH3)2N-、CH3NH-、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2NH-、CH3CH2NCH3-、(CH3)2C(OH)-、(CH3)2C(OH)CH2-、CH3OCH2-、
【0037】
【化13】
【0038】
からなる群から選択され;
Rffは、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され;
好ましくは、Rffは、水素、シアノ、ハロゲン、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;
より好ましくは、Rffは、水素及びメチルからなる群から選択され;
n2は、0、1及び2からなる群から選択され;
m2は、0、1及び2からなる群から選択される。
【0039】
本発明はまた、
【0040】
【化14】
【0041】
が、
【0042】
【化15】
【0043】
からなる群から選択されることを特徴とする、好適な実施形態、化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0044】
本発明はまた、式(XI)が、式(XII)
【0045】
【化16】
【0046】
(式中、
R8は、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され、アミノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
好ましくは、アミノ、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、C6~10アリール及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、アミノ、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、C6~10アリール及び5~10員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、水素、ヒドロキシ、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
CH3O-、HOC(CH3)2-、
【0047】
【化17】
【0048】
からなる群からさらに選択され;
vは、0又は1である)
に示されるとおりである、好適な実施形態、化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0049】
本発明はまた、式(XI)が、式(XII)
【0050】
【化18】
【0051】
(式中、
R8は、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択され、アミノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6重水素化アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクリル、C6~12アリール及び5~12員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
好ましくは、アミノ、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、C6~10アリール及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、アミノ、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル、C3~6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、C6~10アリール及び5~10員ヘテロアリールは、それぞれ任意に、ヒドロキシ、シアノ、C1~3アルキル、C1~3アルコキシ及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換され;
CH3O-、HOC(CH3)2-、
【0052】
【化19】
【0053】
からなる群からさらに選択され;
vは、0又は1である)
に示されるとおりである、好適な実施形態、化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0054】
本発明はまた、vが0である場合、R8は、-C2H5、-N(CH3)2、-NHCH3、-NC2H5CH3、-NHC2H5
【0055】
【化20】
【0056】
ではなく、
vが1である場合、R8は、フェニルではない、好適な実施形態、式(XII)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0057】
本発明はまた、式(XII)が、式(XII-A)又は式(XII-B)に示されるとおりである、好適な実施形態、化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0058】
【化21】
【0059】
本発明はまた、
R4が、
【0060】
【化22】
【0061】
であり;
Rbが、任意に重水素、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ及びC1~3ハロアルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換される、C3~6シクロアルキル及び1から2個の窒素、酸素、硫黄原子を含む5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
R5が、水素、ハロゲン及びC1~3アルキルからなる群から選択され;
mが、1であり;
tが、1、2又は3である、好適な実施形態、式(IX-A)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0062】
本発明はまた、rが0であり、Rb
【0063】
【化23】
【0064】
である場合、Rbは、少なくとも1つの置換基によって置換され;
rが0であり、Rb
【0065】
【化24】
【0066】
である場合、Rbは、少なくとも1つの置換基によって置換される、好適な実施形態、式(IX-A)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0067】
本発明はまた、
Rbが、任意に重水素、ハロゲン、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3アルコキシ及びC1~3ハロアルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換される、C3~6シクロアルキル、窒素又は酸素を含む5~10員ヘテロアリール及び窒素を含む9~10員縮合ヘテロアリールからなる群から選択され;
R5が、水素、ハロゲン、メチル及びエチルからなる群から選択される、さらに好適な実施形態、式(IX-A)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0068】
本発明はまた、
Rbが、任意にハロゲン、C1~3アルキル及びC1~3ハロアルキルからなる群から選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換される、シクロプロピル、ピリジル、フラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル及びキノリルからなる群から選択される、さらに好適な実施形態、式(IX-A)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0069】
本発明の化合物は、強力なD3受容体アゴニスト活性を有するだけでなく、カリプラジンよりも著しく優れた5-HT2Aに対する阻害活性も有し、統合失調症の陰性症状を処置する際の良好な臨床効果及びEPS副作用のリスクの著しい低下につながる。
【0070】
本発明はまた、式(XII)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
【0071】
【化25】
【0072】
式(XII-1)の化合物を式(XII-2)の塩化アシル又はカルボン酸と反応させて、式(XII)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩を得る工程を含む方法に関する。
【0073】
本発明はまた、式(XII-1)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0074】
【化26】
【0075】
本発明はまた、式(XII-1)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
【0076】
【化27】
【0077】
式(XII-3)の化合物を脱保護して、式(XII-1)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩を得る工程
を含み、式中、
Pg1は、アリルオキシカルボニル(Alloc)、トリフルオロアセチル、2,4-ジメトキシベンジル、ニトロベンゼンスルホニル、トリチル、フルオレンメトキシカルボニル(FMOC)、p-トルエンスルホニル(Tos)、ホルマート、アセチル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジル(Bn)及びp-メトキシフェニル(PMP)からなる群から選択され、好ましくは、tert-ブトキシカルボニル(Boc)である、アミノ保護基である、方法に関する。
【0078】
本発明はまた、式(XII-3)の中間化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
【0079】
【化28】
【0080】
式(XII-4)の化合物を式(XII-5)の化合物と反応させて、式(XII-3)の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩を得る工程
を含み、式中、
Pg2は、メチル(-CH3)、tert-ブチル(-C(CH3)3)、トリフェニル(-CPh3)、メチルチオメチルエーテル(MTM)、2-メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、メトキシメチルエーテル(MOM)、p-メトキシベンジルエーテル(PMB)、ピバロイル(Piv)、ベンジルエーテル基(-CH2Ph)、メトキシメチル(-CH2OCH3)、トリメチルシリル(-Si(CH3)3)、テトラヒドロフラニル(-THP)、tert-ブチルジシリル(-SiMe2(t-Bu))、アセチル(-Ac)、ベンゾイル(-COPh)及びp-トルエンスルホニル(-SO2PhMe)からなる群から選択され、好ましくは、p-トルエンスルホニルである、ヒドロキシ保護基である、方法に関する。
【0081】
本発明はまた、治療有効用量の上記の一般式の化合物、特定の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩、及び1つ又は複数の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む、医薬組成物に関する。
【0082】
本発明はまた、Gタンパク質共役受容体修飾医薬、特にドーパミンD3受容体修飾医薬及び5-HT2A受容体修飾医薬の調製における上記の一般式の化合物、特定の化合物、その立体異性体若しくはその薬学的に許容される塩、又は上記の医薬組成物の使用に関する。
【0083】
本発明は、さらに式(IX-A)の化合物、その立体異性体若しくはその薬学的に許容される塩又はその医薬組成物によって炎症性疾患を処置するための方法に関する。
【0084】
本発明はまた、中枢神経系疾患及び/又は精神疾患若しくは障害を処置及び/又は予防するための方法であって、患者に治療有効用量の式(IX-A)の化合物、その立体異性体若しくはその薬学的に許容される塩又はその医薬組成物を投与する工程を含む方法に関する。
【0085】
本発明はまた、本発明による化合物又は医薬組成物を使用することによって疾患状態を処置するための方法も提供し、疾患状態としては、以下に限定されないが、ドーパミン受容体修飾物質及び5-HT2A受容体修飾物質と関連する状態が挙げられる。
【0086】
本発明はまた、哺乳動物における神経系疾患及び/又は精神疾患を処置するための方法であって、哺乳動物に治療有効量の本発明による化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物若しくは誘導体を投与する工程を含む、方法に関する。
【0087】
いくつかの実施形態において、本方法は、がん、骨疾患、炎症性疾患、免疫性疾患、神経疾患、代謝疾患、呼吸器疾患及び心臓疾患などの状態の処置を含む。
【0088】
いくつかの実施形態において、本方法は、統合失調症、うつ病、睡眠障害、気分障害、統合失調症スペクトラム障害、痙攣障害、記憶障害及び/又は認知障害、運動障害、パーソナリティ障害、自閉症スペクトラム障害、疼痛、外傷性脳損傷、血管性疾患、物質乱用障害及び/又は退薬症候、耳鳴症、うつ病、自閉症、老年認知症、アルツハイマー病、発作、神経痛、退薬症候性大うつ病性障害(drug withdrawal symptomatic major depressive disorder)及び躁病からなる群から選択される中枢神経系疾患及び/又は精神疾患若しくは障害の処置及び/又は予防を含む。
【0089】
本明細書において提供される処置方法は、対象に治療有効量の本発明の化合物を投与する工程を含む。ある実施形態において、本発明は、哺乳動物における神経系疾患及び/又は精神疾患を処置するための方法を提供する。本方法は、哺乳動物に治療有効量の本発明による化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物若しくは誘導体を投与する工程を含む。
【0090】
定義
別に明記されない限り、本明細書及び請求項において使用される用語は、以下に示される意味を有する。
【0091】
「アルキル」という用語は、1から20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖基である飽和脂肪族炭化水素基を指し、好ましくは、アルキルは、1から8個の炭素原子を有し、より好ましくは、アルキルは、1から6個の炭素原子を有し、最も好ましくは、アルキルは、1から3個の炭素原子を有する。非限定例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、n-ヘプチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、n-オクチル、2,3-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルヘキシル、2,5-ジメチルヘキシル、2,2-ジメチルヘキシル、3,3-ジメチルヘキシル、4,4-ジメチルヘキシル、2-エチルヘキシル、3-エチルヘキシル、4-エチルヘキシル、2-メチル-2-エチルペンチル、2-メチル-3-エチルペンチル、n-ノニル、2-メチル-2-エチルヘキシル、2-メチル-3-エチルヘキシル、2,2-ジエチルペンチル、n-デシル、3,3-ジエチルヘキシル、2,2-ジエチルヘキシル、及びそれらのさまざまな分岐異性体が挙げられる。より好ましくは、アルキル基は、1から6個の炭素原子を有する低級アルキルであり、非限定例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどが挙げられる。アルキル基は、置換されてもよく、又は置換されなくてもよい。置換される場合、置換基は、任意の利用可能な結合点で置換されてもよい。置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオ、オキソ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から独立して選択される1つ又は複数の基である。本発明のアルキルは、好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、ハロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシ置換アルキル及びヒドロキシ置換アルキルからなる群から選択される。
【0092】
「アルキレン」という用語は、水素原子がさらに置換されたアルキルを指し、例えば、「メチレン」は、-CH2-を指し、「エチレン」は、-(CH2)2-を指し、「プロピレン」は、-(CH2)3-を指し、「ブチレン」は、-(CH2)4-を指すなどである。「アルケニル」という用語は、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素・炭素二重結合からなる上で定義されたアルキルを指し、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-、2-又は3-ブテニルなどである。アルケニル基は、置換されてもよく、又は置換されなくてもよい。置換される場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ及びヘテロシクリルチオからなる群から独立して選択される1つ又は複数の基である。
【0093】
「シクロアルキル」という用語は、3から20個の炭素原子、好ましくは、3から12個の炭素原子、より好ましくは、3から8個の炭素原子、最も好ましくは、3から6個の炭素原子を有する飽和又は部分不飽和単環式又は多環式炭化水素置換基を指す。単環式シクロアルキルの非限定例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクチルなどが挙げられる。多環式シクロアルキルとしては、スピロ環、縮合環又は架橋環を有するシクロアルキルが挙げられる。シクロアルキルは、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル及びシクロヘプチル、より好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル及びシクロヘキシルである。
【0094】
「スピロシクロアルキル」という用語は、1つの共有炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を介して結合した個々の環を有する5~20員多環式基を指し、環は、1つ又は複数の二重結合を含んでもよいが、いずれの環も完全共役π電子系を有さない。スピロシクロアルキルは、好ましくは、6~14員スピロシクロアルキル、より好ましくは、7~10員スピロシクロアルキルである。環の間で共有されるスピロ原子の数に従い、スピロシクロアルキルは、モノ-スピロシクロアルキル、ジ-スピロシクロアルキル、又はポリ-スピロシクロアルキルに分けることができ、スピロシクロアルキルは、好ましくは、モノ-スピロシクロアルキル又はジ-スピロシクロアルキル、より好ましくは、4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員、又は5員/6員モノ-スピロシクロアルキルである。スピロシクロアルキルの非限定例としては、
【0095】
【化29】
【0096】
が挙げられ、シクロアルキル及びヘテロシクリルが1つのスピロ原子を介して結合しているスピロシクロアルキルも挙げられ、その非限定例としては、以下のものが挙げられる。
【0097】
【化30】
【0098】
「縮合シクロアルキル」という用語は、5~20員全炭素多環式基を指し、系の各環は、隣接する1組の炭素原子を別の環と共有し、1つ又は複数の環は、1つ又は複数の二重結合を含んでもよいが、いずれの環も完全共役π電子系を有さない。縮合シクロアルキルは、好ましくは、6~14員縮合シクロアルキル、より好ましくは、7~10員縮合シクロアルキルである。環員数に従い、縮合シクロアルキルは、二環式、三環式、四環式又は多環式縮合シクロアルキルに分けることができ、縮合シクロアルキルは、好ましくは、二環式又は三環式縮合シクロアルキル、より好ましくは、4員/4員、5員/5員又は5員/6員二環式縮合シクロアルキルである。縮合シクロアルキルの非限定例としては、以下のものが挙げられる。
【0099】
【化31】
【0100】
「架橋シクロアルキル」という用語は、5~20員全炭素多環式基を指し、系の各2つの環が2つの非結合炭素原子を共有し、環は、1つ又は複数の二重結合を有してもよいが、いずれの環も完全共役π電子系を有さない。架橋シクロアルキルは、好ましくは、6~14員架橋シクロアルキル、より好ましくは、7~10員架橋シクロアルキルである。環員数に従い、架橋シクロアルキルは、二環式、三環式、四環式又は多環式架橋シクロアルキルに分けることができ、架橋シクロアルキルは、好ましくは、二環式、三環式又は四環式架橋シクロアルキル、より好ましくは、二環式又は三環式架橋シクロアルキルである。架橋シクロアルキルの非限定例としては、以下のものが挙げられる。
【0101】
【化32】
【0102】
シクロアルキル環は、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルの環と縮合することができ、親構造に結合した環はシクロアルキルである。非限定例としては、インダニル、テトラヒドロナフチル、ベンゾシクロヘプチルなどが挙げられる。シクロアルキルは、任意に置換されてもよく、又は置換されなくてもよい。置換される場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオ、オキソ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から独立して選択される1つ又は複数の基である。
【0103】
「ヘテロシクリル」という用語は、3~20員飽和又は部分不飽和単環式又は多環式炭化水素基を指し、1つ又は複数の環原子は、窒素、酸素、ホウ素、リン、S(O)m(mが0から2の整数である)及びP(O)n(nが0から2の整数である)からなる群から選択されるヘテロ原子であるが、環中の-O-O-、-O-S-又は-S-S-は除外し、残りの環原子は炭素原子である。好ましくは、ヘテロシクリルは、3から12個の環原子、より好ましくは、3から8個の環原子、最も好ましくは、3から8個の環原子を有し、1から4個の原子がヘテロ原子である。単環式ヘテロシクリルの非限定例としては、オキサシクロブチル、オキサシクロブチル、ピロリジニル、オキサゾリジン-2-オン基、アゼピニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニル、ピラニルなど、好ましくは、オキサシクロブチル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジン-2-オン基、モルホリニル、ピペラジニル及びアゼピニル、より好ましくは、オキサシクロブチル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル及びオキサゾリジン-2-オン基が挙げられる。多環式ヘテロシクリルとしては、スピロ環、縮合環又は架橋環を有するヘテロシクリルが挙げられる。スピロ環、縮合環又は架橋環を有するヘテロシクリルは、任意に単結合を介して他の基と結合しているか、又は環上の任意の2つ以上の原子を介して他のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールとさらに結合している。
【0104】
「スピロヘテロシクリル」という用語は、1つの共有原子(スピロ原子と呼ばれる)を介して結合した個々の環を有する3から20員多環式ヘテロシクリル基を指し、1つ又は複数の環原子は、窒素、酸素、ホウ素、リン、S(O)m(mが0から2の整数である)及びP(O)n(nが0から2の整数である)からなる群から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は、炭素原子であり、1つ又は複数の二重結合を含んでもよいが、いずれの環も完全共役π電子系を有さない。スピロヘテロシクリルは、好ましくは、6~14員スピロヘテロシクリル、より好ましくは、7~10員スピロヘテロシクリルである。環の間で共有されるスピロ原子の数により、スピロヘテロシクリルは、モノ-スピロヘテロシクリル、ジ-スピロヘテロシクリル、又はポリ-スピロヘテロシクリルに分けることができ、スピロヘテロシクリルは、好ましくは、モノ-スピロヘテロシクリル又はジ-スピロヘテロシクリル、より好ましくは、3員/5員、4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員、又は5員/6員モノ-スピロヘテロシクリルである。スピロヘテロシクリルの非限定例としては、以下のものなどが挙げられる。
【0105】
【化33】
【0106】
「縮合ヘテロシクリル」という用語は、5~20員多環式ヘテロシクリル基を指し、系の各環は、隣接する1組の原子を別の環と共有し、1つ又は複数の環は、1つ又は複数の二重結合を含んでもよいが、いずれの環も完全共役π電子系を有さず、1つ又は複数の環原子は、窒素、酸素及びS(O)m(mが0から2の整数である)からなる群から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は、炭素原子である。縮合ヘテロシクリルは、好ましくは、6~14員縮合ヘテロシクリル、より好ましくは、7~10員縮合ヘテロシクリルである。環員数に従い、縮合ヘテロシクリルは、二環式、三環式、四環式又は多環式縮合ヘテロシクリルに分けることができ、好ましくは、二環式又は三環式縮合ヘテロシクリル、より好ましくは、3員/5員、4員/5員又は5員/6員二環式縮合ヘテロシクリルである。縮合ヘテロシクリルの非限定例としては、以下のものなどが挙げられる。
【0107】
【化34】
【0108】
「架橋ヘテロシクリル」という用語は、5~14員多環式ヘテロシクリル基を指し、系の各2つの環が2つの非結合原子を共有し、環は、1つ又は複数の二重結合を有してもよいが、いずれの環も完全共役π電子系を有さず、1つ又は複数の環原子は、窒素、酸素及びS(O)m(mが0から2の整数である)からなる群から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は、炭素原子である。架橋ヘテロシクリルは、好ましくは、6~14員架橋ヘテロシクリル、より好ましくは、7~10員架橋ヘテロシクリルである。環員数に従い、架橋ヘテロシクリルは、二環式、三環式、四環式又は多環式架橋ヘテロシクリルに分けることができ、架橋ヘテロシクリルは、好ましくは、二環式、三環式又は四環式架橋ヘテロシクリル、より好ましくは、二環式又は三環式架橋ヘテロシクリルである。架橋ヘテロシクリルの非限定例としては、以下のものが挙げられる。
【0109】
【化35】
【0110】
ヘテロシクリル環は、アリール、ヘテロアリール又はシクロアルキルの環と縮合することができ、親構造に結合した環は、ヘテロシクリルである。その非限定例としては、以下のものなどが挙げられる。
【0111】
【化36】
【0112】
ヘテロシクリルは、任意に置換されてもよく、又は置換されなくてもよい。置換される場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオ、オキソ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から独立して選択される1つ又は複数の基である。
【0113】
「アリール」という用語は、共役π電子系を有する6~14員全炭素単環式環又は多環式縮合環を指し(すなわち、系の各環は、隣接する1組の炭素原子を系の別の環と共有する)、好ましくは、6~10員アリール、例えば、フェニル及びナフチルである。アリールは、より好ましくは、フェニルである。アリール環は、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はシクロアルキルの環と縮合することができ、親構造に結合した環は、アリール環である。その非限定例としては、以下のものなどが挙げられる。
【0114】
【化37】
【0115】
アリールは、置換されてもよく、又は置換されなくてもよい。置換される場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から独立して選択される1つ又は複数の基である。
【0116】
「ヘテロアリール」という用語は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を有する5~14員複素環式芳香族系を指す。ヘテロアリールは、好ましくは、5~12員ヘテロアリール、より好ましくは、5~10員ヘテロアリール、さらに好ましくは5又は6員ヘテロアリールであり、ヘテロ原子は、酸素、硫黄及び窒素原子からなる群から選択される1から2個のヘテロ原子であり、例えば、イミダゾリル、フラニル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、チアジアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニルなど、好ましくは、ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル及びチアゾリル、より好ましくは、ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フラニル及びピリミジニルである。ヘテロアリール環は、アリール、ヘテロシクリル又はシクロアルキルの環と縮合することができ、親構造に結合した環は、ヘテロアリール環である。その非限定例としては、以下のものが挙げられる。
【0117】
【化38】
【0118】
ヘテロアリールは、任意に置換されてもよく、又は置換されなくてもよい。置換される場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から独立して選択される1つ又は複数の基である。
【0119】
「アルコキシ」という用語は、-O-(アルキル)又は-O-(非置換シクロアルキル)基を指し、アルキルは、上で定義されたとおりである。アルコキシの非限定例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ及びシクロヘキシルオキシが挙げられる。アルコキシは、任意に置換されてもよく、又は置換されなくてもよい。置換される場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から独立して選択される1つ又は複数の基である。
【0120】
「ハロアルキル」は、1つ又は複数のハロゲンによって置換されたアルキル基を指し、アルキルは、上で定義されたとおりである。
【0121】
「ハロアルコキシ」は、1つ又は複数のハロゲンによって置換されたアルコキシ基を指し、アルコキシは、上で定義されたとおりである。
【0122】
「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシによって置換されたアルキル基を指し、アルキルは、上で定義されたとおりである。
【0123】
「アルケニル」は、アルケン基としても知られている鎖アルケニルを指す。アルケニルは、その他の関連基、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオ、カルボキシ又はアルコキシカルボニルによってさらに置換されてもよい。
【0124】
「アルキニル」は、(CH≡C-)を指す。アルキニルは、その他の関連基、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオ、カルボキシ又はアルコキシカルボニルによってさらに置換されてもよい。
【0125】
「ヒドロキシ」は、-OH基を指す。
【0126】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
【0127】
「アミノ」は、-NH2基を指す。
【0128】
「シアノ」は、-CN基を指す。
【0129】
「ニトロ」は、-NO2基を指す。
【0130】
「カルボキシ」は、-C(O)OH基を指す。
【0131】
「THF」は、テトラヒドロフランを指す。
【0132】
「EtOAc」は、酢酸エチルを指す。
【0133】
「MeOH」は、メタノールを指す。
【0134】
「DMF」は、N,N-ジメチルホルムアミドを指す。
【0135】
「DIPEA」は、ジイソプロピルエチルアミンを指す。
【0136】
「TFA」は、トリフルオロ酢酸を指す。
【0137】
「MeCN」は、アセトニトリルを指す。
【0138】
「DMA」は、N,N-ジメチルアセトアミドを指す。
【0139】
「Et2O」は、ジエチルエーテルを指す。
【0140】
「DCE」は、1,2-ジクロロエタンを指す。
【0141】
「DIPEA」は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを指す。
【0142】
「NBS」は、N-ブロモスクシンイミドを指す。
【0143】
「NIS」は、N-ヨードスクシンイミドを指す。
【0144】
「Cbz-Cl」は、ベンジルクロロホルマートを指す。
【0145】
「Pd2(dba)3」は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを指す。
【0146】
「Dppf」は、1,1'-ビスジフェニルホスフィノフェロセンを指す。
【0147】
「HATU」は、2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートを指す。
【0148】
「KHMDS」は、カリウムヘキサメチルジシラジドを指す。
【0149】
「LiHMDS」は、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドを指す。
【0150】
「MeLi」は、メチルリチウムを指す。
【0151】
「n-BuLi」は、n-ブチルリチウムを指す。
【0152】
「NaBH(OAc)3」は、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを指す。
【0153】
「Xは、A、B又はCからなる群から選択される」、「Xは、A、B及びCからなる群から選択される」、「Xは、A、B又はCである」、「Xは、A、B及びCである」などの異なる表現は、同じ意味、すなわち、Xは、任意の1つ又は複数のA、B及びCであってもよいことを表す。
【0154】
本発明の水素原子は、その同位元素である重水素によって置換されてもよい。本発明の例の化合物中にあるいかなる水素原子も重水素原子によって置換されてもよい。
【0155】
「任意の」又は「任意に」は、記載されている事象又は環境が、その後、生じてもよいが、生じなくてもよいことを意味し、そのような説明は、事象又は環境が生じる、又は生じない状況を含む。例えば、「任意にアルキルによって置換されるヘテロシクリル」とは、アルキル基が存在してもよいが、存在しなくてもよいことを意味し、そのような説明は、ヘテロシクリルがアルキルによって置換されている状況及びヘテロシクリルがアルキルによって置換されていない状況を含む。
【0156】
「置換される」とは、基中の1つ又は複数の水素原子、好ましくは、最大5個、より好ましくは、1から3個の水素原子が、独立して対応する数の置換基によって置換されることを指す。置換基は、可能な化学的位置にのみ存在することは言うまでもない。当業者は、置換が可能か、又は不可能かを過大な労力なしに実験又は理論によって判断することができる。例えば、自由水素を有するアミノ又はヒドロキシと不飽和結合(オレフィンなどの)を有する炭素原子の組み合わせは不安定な場合もある。
【0157】
「医薬組成物」とは、1つ又は複数の本発明による化合物又はその生理学的/薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグと、その他の化学成分、並びに生理学的/薬学的に許容される担体及び賦形剤などのその他の成分との混合物を指す。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与を容易にすることであり、これが、生物学的活性を発揮するよう活性成分の吸収の助けになる。
【0158】
一般に、式(IX-A)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、類似の用途を有する薬剤の任意の許容される投与様式によって治療有効量で投与される。本開示の化合物の治療有効量は、1日当たり患者の体重1kgにつき約0.01から約500mgに及ぶ場合もあり、これは、単回用量又は複数用量で投与されてもよい。適した用量レベルは、1日当たり約0.1から約250mg/kg、1日当たり約0.5から約100mg/kgであってもよい。適した用量レベルは、1日当たり約0.01から約250mg/kg、1日当たり約0.05から約100mg/kg、又は1日当たり約0.1から約50mg/kgであってもよい。この範囲内で、用量は、1日当たり約0.05から約0.5、約0.5から約5又は約5から約50mg/kgであってもよい。経口投与される場合、本組成物は、約1.0から約1000mgの活性成分、特に、約0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7.5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900及び1000mgの活性成分、好ましくは、0.1、0.2、0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7.5、10、15及び20mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供されてもよい。本開示の化合物、すなわち、活性成分の実際の量は、処置される疾患の重症度、患者の年齢及び関連する健康状態、使用される化合物の効力、投与の経路及び形態などの多くの要素によって決まる。
【0159】
「薬学的に許容される塩」とは、哺乳動物において安全で、有効であり、所望の生物学的活性を有する本発明の化合物の塩を指す。
【発明を実施するための形態】
【0160】
本発明を以下の実施例を参照してさらに記載するが、実施例は、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【実施例
【0161】
本発明の化合物の構造を、核磁気共鳴(NMR)及び/又は液体クロマトグラフィー・質量分析(LC-MS)によって特定した。NMRシフト(δ)をパーツ・パー・ミリオン(ppm)単位で示す。NMRは、Bruker社AVANCE-400装置によって測定した。測定のための溶媒を重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化メタノール(CD3OD)及び重水素化クロロホルム(CDCl3)とし、内部標準をテトラメチルシラン(TMS)とした。
【0162】
液体クロマトグラフィー・質量分析(LC-MS)は、Agilent社1200 Infinityシリーズ質量分析計において測定した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、Agilent社1200DAD高圧液体クロマトグラフ(Sunfire C18、150×4.6mmクロマトグラフィーカラム)、及びWaters社2695-2996高圧液体クロマトグラフ(Gimini C18、150×4.6mmクロマトグラフィーカラム)において測定した。
【0163】
薄層シリカゲルクロマトグラフィー(TLC)プレートとしてYantai Huanghai社HSGF254又はQingdao社GF254シリカゲルプレートを使用した。TLCに使用したシリカゲルプレートの寸法は、0.15mmから0.2mmであり、生成物精製に使用したシリカゲルプレートの寸法は、0.4mmから0.5mmであった。カラムクロマトグラフィー用の担体としてYantai Huanghai社200から300メッシュシリカゲルを一般に使用した。
【0164】
本発明の実施例に使用した原料は、知られているものであり、商業的に入手可能であるか、或いは当該技術分野に既知の方法を採用すること、又はそれに従うことによって合成することができる。
【0165】
別に明記されない限り、本発明のすべての反応は、連続的に磁気撹拌しながら、乾燥窒素又はアルゴン雰囲気下で行い、溶媒は、脱水であり、反応温度は、摂氏温度とした。
【0166】
(実施例1)
1-ベンジル-3-(トランス-4-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)シクロヘキシル)尿素
【0167】
【化39】
【0168】
工程1:1-ベンジル-3-(トランス-4-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)シクロヘキシル)尿素
【0169】
【化40】
【0170】
トランス-4-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)シクロヘキサン-1-アミン(60mg、0.162mmol)及びトリエチルアミン(50mg、0.49mmol)をDCM(3mL)に添加した。CDI(29mg、0.178mmol)を添加し、反応溶液を室温で1時間撹拌した。ベンジルアミン(36mg、0.324mmol)を添加し、反応溶液を室温で16時間撹拌した。水(20mL)を反応溶液に添加し、その後、それを酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機相を、混合し、飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を、減圧下で濃縮し、分取クロマトグラフィーによって精製して、1-ベンジル-3-(トランス-4-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)シクロヘキシル)尿素を白色の固体として得た(10mg、収率:12%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36 - 7.27 (m, 5H), 7.18 - 7.04 (m, 2H), 6.97 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.58 (s, 1H), 4.37 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 4.17 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 3.48 (s, 1H), 3.11-2.79 (m, 8H), 2.00 (s, 2H), 1.79-1.64 (m, 4H), 1.33 - 1.00 (m, 9H).
MS m/z (ESI): 503.2 [M+H]+.
【0171】
(実施例2)
3-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素
【0172】
【化41】
【0173】
工程1:tert-ブチル(3-オキソシクロブチル)カルバマート
【0174】
【化42】
【0175】
3-オキソシクロブタン-1-カルボン酸(1.5g、13.2mmol)、トリエチルアミン(2.0mL、14.5mmol)及びトルエン(30mL)を100mLナス型フラスコに連続的に添加した。ジフェニルホスホリルアジド(4.0g、14.5mmol)を、-5℃から0℃でゆっくりと添加した。反応溶液を0℃で16時間撹拌した。反応溶液を、0℃の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL×1)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL×1)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。tert-ブタノール(7.5mL、74.8mmol)を有機相に添加し、反応溶液を100℃に加熱し、16時間撹拌した。反応溶液を、回転蒸発によって、濃縮し、乾燥状態にして、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:5/1)によって精製して、tert-ブチル(3-オキソシクロブチル)カルバマートを得た(500mg、収率:20.5%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.86 (s, 1H), 4.27 (s, 1H), 3.50 - 3.33 (m, 2H), 3.11 - 2.97 (m, 2H), 1.46 (s, 9H).
【0176】
工程2:メチル2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチリデン)アセタート
【0177】
【化43】
【0178】
tert-ブチル(3-オキソシクロブチル)カルバマート(450mg、2.43mmol)及びトルエン(20mL)を50mLナス型フラスコに連続的に添加し、続いてメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセタート(1.22g、3.64mmol)をゆっくり添加した。反応溶液を、窒素雰囲気下で16時間還流し、冷却し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:6/1)によって精製して、メチル2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチリデン)アセタートを得た(450mg、収率:76.8%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.76 - 5.66 (m, 1H), 4.80 (br, 1H), 4.24 (s, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.63 - 3.49 (m, 1H), 3.27 - 3.10 (m, 1H), 3.00 - 2.86 (m, 1H), 2.82 - 2.64 (m, 1H), 1.45 (s, 9H).
【0179】
工程3:メチル2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチル)アセタート
【0180】
【化44】
【0181】
メチル2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチリデン)アセタート(450mg、1.9mmol)及びメタノール(10mL)を、50mLナス型フラスコに連続的に添加した。Pd/C(45mg、パラジウム10%及び水50%を含む)を、窒素雰囲気下においてゆっくりと添加した。反応溶液を、水素雰囲気下(1気圧)で5時間撹拌し、ろ過し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、溶媒を除去し、粗生成物メチル2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチル)アセタート(450mg)を得、これを直接次の工程に使用した。
MS m/z(ESI):244.2 [M+H]+
【0182】
工程4: tert-ブチル(3-(2-ヒドロキシエチル)シクロブチル)カルバマート
【0183】
【化45】
【0184】
メチル2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチル)アセタート(450mg、1.9mmol)及び無水テトラヒドロフラン(10mL)を、50mLナス型フラスコに連続的に添加した。水素化リチウムアルミニウム(210mg、5.6mmol)を、0℃、窒素雰囲気下でゆっくりと添加した。反応溶液を、0℃で2時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液によって反応をクエンチした。反応溶液を、無水硫酸ナトリウムで直接乾燥し、15分間撹拌した。有機相を、ろ過し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、粗生成物tert-ブチル(3-(2-ヒドロキシエチル)シクロブチル)カルバマート(450mg)を得、これを直接次の工程に使用した。
MS m/z(ESI):216.2 [M+H]+
【0185】
工程5:2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチル)エチル4-メチルベンゼンスルホナート
【0186】
【化46】
【0187】
tert-ブチル(3-(2-ヒドロキシエチル)シクロブチル)カルバマート(450mg、2.1mmol)、トリエチルアミン(634mg、6.3mmol)及びジクロロメタン(10mL)を、50mLナス型フラスコに連続的に添加し、続いて、4-トシルクロリド(438mg、2.3mmol)をゆっくり添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌し、続いて、ジクロロメタン(20mL)を添加し、水(30mL×1)で洗浄した。有機相を、乾燥し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル:5/1)によって精製して、2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチル)エチル4-メチルベンゼンスルホナートを得た(710mg、収率:84%)。
MS m/z(ESI):370.2 [M+H]+
【0188】
工程6:tert-ブチル(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)カルバマート
【0189】
【化47】
【0190】
2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチル)エチル4-メチルベンゼンスルホナート(350mg、0.95mmol)、炭酸カリウム(392mg、2.84mmol)及びアセトニトリル(10mL)を、50mLナス型フラスコに連続的に添加し、続いて、1-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン(219mg、0.95mmol)をゆっくり添加した。反応溶液を一晩還流した。反応溶液を、冷却し、続いて、ジクロロメタン(20mL)を添加し、水(30mL×3)で洗浄した。有機相を、乾燥し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:50/1)によって精製して、tert-ブチル(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)カルバマート(310mg、収率:76%)を得た。
MS m/z(ESI):428.2 [M+H]+
【0191】
工程7:3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン塩酸塩
【0192】
【化48】
【0193】
tert-ブチル(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)カルバマート(310mg、0.72mmol)及び酢酸エチル(2mL)を、25mLナス型フラスコに連続的に添加し、続いて、0℃の酢酸エチル中の塩酸(10mL、4M)を添加した。反応溶液を室温で1時間撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、溶媒を除去し、粗生成物3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン塩酸塩(310mg)を得、これを直接次の工程に使用した。
MS m/z(ESI):328.1 [M+H]+
【0194】
工程8:3-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素
【0195】
【化49】
【0196】
3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン塩酸塩(50mg、0.11mmol)、トリエチルアミン(69mg、0.69mmol)及びジクロロメタン(2mL)を、10mL反応フラスコに連続的に添加し、続いて、ジメチルカルバモイルクロリド(18.4mg、0.17mmol)を撹拌下で添加した。反応溶液を、室温で12時間撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、溶媒を除去し、粗生成物を得た。粗生成物を、分取HPLCによって精製して、3-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素を得た(11mg、収率:24%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.23 - 7.10 (m, 2H), 7.08 - 6.91 (m, 1H), 4.61 - 3.93 (m, 2H), 3.56 - 3.02 (m, 4H), 3.03 - 2.64 (m, 8H), 2.65 - 2.31 (m, 3H), 2.31 - 1.21 (m, 7H).
MS m/z (ESI): 399.2[M+H]+.
【0197】
(実施例2A)
3-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素
【0198】
【化50】
【0199】
工程1:トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン(中間体2-1)及びシス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン(中間体2-2)
【0200】
【化51】
【0201】
3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン塩酸塩を分離して、トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン(2-1)及びシス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン(2-2)を得た。
【0202】
【表1】
【0203】
中間体2-1:tR=1.285分
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.18 - 7.12 (m, 2H), 6.99 - 6.93 (m, 1H), 3.63 - 3.53 (m, 1H), 3.16 - 3.02 (m, 4H), 2.74 - 2.54 (m, 4H), 2.39 - 2.30 (m, 2H), 2.26 - 2.13 (m, 1H), 2.06 - 1.99 (m, 2H), 1.99 - 1.93 (m, 2H), 1.91 - 1.84 (m, 2H), 1.72 - 1.64 (m, 2H).
MS m/z (ESI):328.1 [M+H]+.
【0204】
中間体2-2:tR=0.882分
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.18 - 7.11 (m, 2H), 7.00 - 6.93 (m, 1H), 3.33 - 3.22 (m, 1H), 3.13 - 3.00 (m, 4H), 2.71 - 2.56 (m, 4H), 2.51 - 2.43 (m, 2H), 2.37 - 2.30 (m, 2H), 2.07 - 1.97 (m, 2H), 1.89 - 1.75 (m, 1H), 1.67 - 1.58 (m, 2H), 1.39 - 1.28 (m, 2H).
MS m/z (ESI):328.1 [M+H]+.
【0205】
工程2:3-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素
【0206】
【化52】
【0207】
実施例2の工程8の反応条件に従って、中間体2-1を出発材料として使用し、それに応じて、3-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.23 - 7.07 (m, 2H), 7.07 - 6.91 (m, 1H), 4.49 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.44 - 4.28 (m, 1H), 3.53 - 3.03 (m, 5H), 2.90 (s, 6H), 2.82 - 2.61 (m, 3H), 2.51 - 2.35 (m, 2H), 2.27 - 2.10 (m, 3H), 2.08 - 1.95 (m, 2H), 1.88 - 1.72 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 399.1[M+H]+.
【0208】
(実施例2B)
3-(シス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素
【0209】
【化53】
【0210】
実施例2の工程8の反応条件に従って、中間体2-2を出発材料として使用し、それに応じて、3-(シス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.20 - 7.12 (m, 2H), 6.97 (dd, J = 6.7, 2.8 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.21 - 4.08 (m, 1H), 3.21 - 3.04 (m, 4H), 2.89 (s, 6H), 2.81 - 2.59 (m, 4H), 2.53 (dd, J = 9.6, 7.0 Hz, 2H), 2.45 - 2.32 (m, 2H), 1.99 - 1.88 (m, 1H), 1.70 - 1.65 (m, 2H), 1.47 - 1.39 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 399.1[M+H]+.
【0211】
(実施例3)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)プロピオンアミド
【0212】
【化54】
【0213】
工程1:N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)プロピオンアミド
【0214】
【化55】
【0215】
3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン塩酸塩(50mg、0.11mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(88mg、0.69mmol)及びジクロロメタン(10mL)を、10mL反応フラスコに連続的に添加し、続いて、プロピオニルクロリド(12.7mg、0.14mmol)を撹拌下で添加した。反応溶液を室温で12時間撹拌し、水で洗浄した。有機相を、乾燥し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、溶媒を除去し、粗生成物を得た。粗生成物を、分取HPLCによって精製して、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)プロピオンアミドを得た(18mg、収率:41%)。
MS m/z(ESI): 384.2[M+H]+
【0216】
(実施例4)
1-シクロプロピル-3-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)尿素
【0217】
【化56】
【0218】
3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン塩酸塩(33mg、0.09mmol)、トリエチルアミン(46mg、0.45mmol)及びN'N-カルボニルジイミダゾール(22mg、0.16mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させた。反応溶液を、室温で2時間撹拌し、原料が消失した。シクロプロピルアミン(10mg、0.18mmol)を添加し、反応溶液を、35℃で48時間撹拌した。反応溶液を、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にし、得られた粗生成物を、分取HPLCによって精製して、1-シクロプロピル-3-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)尿素を得た(12mg、収率:32.2%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.20 - 7.12 (m, 2H), 6.97 (dd, J = 7.0, 2.4 Hz, 1H), 5.08 (dd, J = 28.8, 7.3 Hz, 1H), 4.64 (s, 1H), 4.43 - 4.09 (m, 1H), 3.14 (s, 4H), 2.73 (s, 4H), 2.56 (ddd, J = 16.2, 7.4, 2.8 Hz, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.05 (dddd, J = 33.4, 24.1, 16.7, 8.5 Hz, 4H), 1.83 - 1.68 (m, 2H), 1.48 (dt, J = 9.6, 6.0 Hz, 2H), 0.76 (q, J = 6.3 Hz, 2H), 0.61 - 0.53 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 411.2[M+H]+.
【0219】
(実施例5)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1H-インドール-2-カルボキサミド
【0220】
【化57】
【0221】
3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン(50mg、0.15mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、続いて、1H-インドール-2-カルボン酸(30mg、0.18mmol)、HATU(86mg、0.23mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(58mg、0.45mmol)を添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にした。得られた粗生成物を、高速液体クロマトグラフィーによって精製して、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1H-インドール-2-カルボキサミドを得た。
MS m/z(ESI): 471.2[M+H]+
【0222】
(実施例6)
3-(3-(2-(4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素
【0223】
【化58】
【0224】
工程1:tert-ブチル(3-(2-(4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)カルバマート
【0225】
【化59】
【0226】
2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブチル)エチル4-メチルベンゼンスルホナート(200mg、0.54mmol)、炭酸カリウム(224mg、1.62mmol)及びアセトニトリル(10mL)を50mLナス型フラスコに連続的に添加し、続いて、1-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン(118mg、0.54mmol)をゆっくり添加した。反応溶液を一晩還流した。反応溶液を、冷却し、続いて、ジクロロメタン(20mL)を添加し、水(30mL×3)で洗浄した。有機相を、乾燥し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:50/1)によって精製して、tert-ブチル(3-(2-(4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)カルバマート(120mg、収率:53%)を得た。
MS m/z(ESI):416.2 [M+H]+
【0227】
工程2:3-(2-(4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン塩酸塩
【0228】
【化60】
【0229】
tert-ブチル(3-(2-(4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)カルバマート(120mg、0.29mmol)及び酢酸エチル(1mL)を25mLナス型フラスコに連続的に添加し、続いて、0℃の酢酸エチル中の塩酸(6mL、4M)を添加した。反応溶液を室温で1時間撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、溶媒を除去し、粗製塩酸塩(110mg)を得、これを直接次の工程に使用した。
MS m/z(ESI):316.1 [M+H]+
【0230】
工程3:3-(3-(2-(4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素
【0231】
【化61】
【0232】
3-(2-(4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン塩酸塩(50mg、0.12mmol)、トリエチルアミン(71mg、0.70mmol)及びジクロロメタン(2mL)を10mL反応フラスコに連続的に添加し、続いて、ジメチルカルバモイルクロリド(19mg、0.18mmol)を撹拌下で添加した。反応溶液を、室温で12時間撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、溶媒を除去し、粗生成物を得た。粗生成物を、分取HPLCによって精製して、3-(3-(2-(4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1,1-ジメチル尿素(17mg、収率:37%)を得た。
MS m/z(ESI):387.2 [M+H]+
【0233】
(実施例7)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)-1,4-ジアゼパン-1-イル)エチル)シクロブチル)フラン-2-カルボキサミド
【0234】
【化62】
【0235】
プロセスは、実施例2におけるものと同じであった。
MS m/z(ESI): 436.2[M+H]+
【0236】
(実施例8)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-5-メチルフラン-2-カルボキサミド
【0237】
【化63】
【0238】
実施例2の工程8に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-5-メチルフラン-2-カルボキサミド(23mg、白色の固体、収率:28.3%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.21 - 7.12 (m, 2H), 7.01 - 6.96 (m, 2H), 6.39 (dd, J = 34.1, 8.0 Hz, 1H), 6.11 - 6.06 (m, 1H), 4.52 (dq, J = 84.5, 8.0 Hz, 1H), 3.23 - 3.05 (m, 4H), 2.76 (s, 4H), 2.59 (td, J = 7.4, 6.8, 2.2 Hz, 1H), 2.48 - 2.46 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.24 - 2.13 (m, 2H), 2.04 - 1.97 (m, 1H), 1.84 - 1.75 (m, 2H), 1.62 (qd, J = 9.1, 2.8 Hz, 2H).
MS m/z (ESI): 436.1 [M+H]+.
【0239】
(実施例9)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-メトキシアセトアミド
【0240】
【化64】
【0241】
実施例2の工程8に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-メトキシアセトアミド(29mg、白色の固体、収率:33%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.19 - 7.12 (m, 2H), 6.97 (dd, J = 7.0, 2.5 Hz, 1H), 6.63 (dd, J = 42.2, 8.2 Hz, 1H), 4.42 (dq, J = 87.5, 7.9 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 4.7 Hz, 2H), 3.42 (d, J = 2.5 Hz, 3H), 3.22 - 3.06 (m, 4H), 2.81 - 2.61 (m, 4H), 2.58 - 2.52 (m, 1H), 2.45 - 2.32 (m, 2H), 2.21 - 2.03 (m, 2H), 2.02 - 1.91 (m, 1H), 1.79 - 1.73 (m, 1H), 1.70 - 1.67 (m, 1H), 1.57 - 1.49 (m, 1H).
MS m/z (ESI): 400.1 [M+H]+.
【0242】
(実施例10)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)ニコチンアミド
【0243】
【化65】
【0244】
実施例2に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)ニコチンアミド(25mg、白色の固体、収率:29%)を得た。
【0245】
実施例5の合成方法に従って実施例10の化合物も得ることが可能である。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.97 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.72 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 8.12 (dq, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.44 - 7.34 (m, 1H), 7.19 - 7.12 (m, 2H), 6.97 (dt, J = 7.0, 2.7 Hz, 1H), 6.41 (dd, J = 14.4, 7.5 Hz, 1H), 4.85 - 4.34 (m, 1H), 3.12 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.78 - 2.66 (m, 4H), 2.46 - 2.39 (m, 2H), 2.27 - 2.16 (m, 2H), 2.13 - 2.02 (m, 1H), 1.87 - 1.79 (m, 1H), 1.79 - 1.57 (m, 3H).
MS m/z (ESI): 433.1 [M+H]+.
【0246】
(実施例11)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド
【0247】
【化66】
【0248】
実施例2に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド(32mg、白色の固体、収率:30%)を得た。
【0249】
実施例5の合成方法に従って実施例11の化合物も得ることが可能である。
MS m/z(ESI): 414.1 [M+H]+
【0250】
(実施例12)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-3-メトキシアゼチジン-1-カルボキサミド
【0251】
【化67】
【0252】
実施例4に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-3-メトキシアゼチジン-1-カルボキサミド(22mg、白色の固体、収率:23%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.18 - 7.12 (m, 2H), 6.96 (dd, J = 7.1, 2.6 Hz, 1H), 4.41 - 4.22 (m, 1H), 4.21 - 4.15 (m, 2H), 4.11 - 4.06 (m, 2H), 3.85 - 3.78 (m, 2H), 3.29 (s, 3H), 3.16 - 3.08 (m, 4H), 2.69 (s, 4H), 2.55 - 2.49 (m, 1H), 2.42 - 2.35 (m, 2H), 2.11 (ddd, J = 11.5, 7.3, 2.9 Hz, 1H), 2.04 - 1.85 (m, 2H), 1.71 (dq, J = 32.8, 7.8 Hz, 2H), 1.44 (td, J = 9.2, 2.9 Hz, 1H).
MS m/z (ESI): 441.1 [M+H]+.
【0253】
(実施例13)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミド
【0254】
【化68】
【0255】
3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン(50mg、0.15mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、続いて、1-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボン酸(18mg、0.18mmol)、HATU(86mg、0.23mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(58mg、0.45mmol)を添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にした。得られた粗生成物を、高速液体クロマトグラフィーによって精製して、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミド(13mg、白色の固体、収率:21%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.20 - 7.12 (m, 2H), 7.07 (dd, J = 28.3, 8.0 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 7.1, 2.5 Hz, 1H), 4.38 (dq, J = 87.6, 7.9 Hz, 1H), 3.20 - 3.05 (m, 4H), 2.72 (s, 4H), 2.56 (dd, J = 8.9, 2.9 Hz, 1H), 2.41 (dd, J = 9.5, 6.3 Hz, 2H), 2.25 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 2.19 - 2.06 (m, 2H), 1.99 (dd, J = 14.2, 6.4 Hz, 1H), 1.82 - 1.69 (m, 2H), 1.55 (dd, J = 9.1, 2.9 Hz, 1H), 1.35 - 1.30 (m, 2H), 1.01 (q, J = 4.6 Hz, 2H).
MS m/z (ESI): 412.1 [M+H]+.
【0256】
(実施例13A)
N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミド
【0257】
【化69】
【0258】
実施例13の反応条件に従って、中間体2-1を出発材料として使用し、それに応じて、N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミドを得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.20 - 7.13 (m, 2H), 7.07 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 7.0, 2.6 Hz, 1H), 4.56 - 4.44 (m, 1H), 3.22 - 3.07 (m, 4H), 2.86 - 2.66 (m, 4H), 2.50 - 2.41 (m, 2H), 2.32 - 2.24 (m, 1H), 2.20 - 2.05 (m, 5H), 1.84 - 1.76 (m, 2H), 1.38 - 1.32 (m, 2H), 1.06 - 1.00 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 412.1 [M+H]+.
【0259】
(実施例13B)
N-(シス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミド
【0260】
【化70】
【0261】
実施例13の反応条件に従って、中間体2-2を出発材料として使用し、それに応じて、N-(シス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミド(13B)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.24 - 7.15 (m, 2H), 7.09 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.02 - 6.98 (m, 1H), 4.36 - 4.25 (m, 1H), 3.33 (s, 4H), 3.18 - 2.95 (m, 3H), 2.73 - 2.65 (m, 2H), 2.63 - 2.54 (m, 2H), 2.05 - 1.89 (m, 4H), 1.71 - 1.59 (m, 3H), 1.36 - 1.30 (m, 2H), 1.06 - 1.00 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 412.1 [M+H]+.
【0262】
(実施例14)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)チアゾール-2-カルボキサミド
【0263】
【化71】
【0264】
3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン(50mg、0.15mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、続いて、チアゾール-2-カルボン酸(23mg、0.18mmol)、HATU(86mg、0.23mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(58mg、0.45mmol)を添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にした。得られた粗生成物を、高速液体クロマトグラフィーによって精製して、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)チアゾール-2-カルボキサミドを得た(21mg、白色の固体、収率:32%)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.86 (dd, J = 3.1, 1.5 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 42.4, 8.2 Hz, 1H), 7.20 - 7.12 (m, 2H), 7.01 - 6.93 (m, 1H), 4.73 - 4.28 (m, 1H), 3.18 - 3.03 (m, 4H), 2.78 - 2.54 (m, 6H), 2.44 - 2.35 (m, 2H), 2.24 - 2.19 (m, 1H), 2.10 - 1.98 (m, 1H), 1.81 - 1.75 (m, 1H), 1.71 - 1.65 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 439.1 [M+H]+.
【0265】
(実施例14A)
N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)チアゾール-2-カルボキサミド
【0266】
【化72】
【0267】
実施例14の反応条件に従って、中間体2-1を出発材料として使用し、それに応じて、N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)チアゾール-2-カルボキサミド(21mg、白色の固体、収率:32%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.86 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.21 - 7.13 (m, 2H), 7.00 - 6.95 (m, 1H), 4.74 - 4.59 (m, 1H), 3.18 - 3.02 (m, 4H), 2.79 - 2.58 (m, 4H), 2.47 - 2.38 (m, 2H), 2.35 - 2.27 (m, 1H), 2.25 - 2.18 (m, 4H), 1.87 - 1.77 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 439.1 [M+H]+.
【0268】
(実施例15)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-3-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド
【0269】
【化73】
【0270】
実施例2に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-3-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド(21mg、白色の固体、収率:20%)を得た。
【0271】
実施例5の合成方法に従って実施例15の化合物も得ることが可能である。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.21 - 7.13 (m, 2H), 6.96 (dd, J = 7.0, 2.7 Hz, 1H), 6.08 (dd, J = 21.6, 7.5 Hz, 1H), 4.51 - 4.19 (m, 2H), 3.10 (d, J = 6.2 Hz, 4H), 2.76 - 2.62 (m, 4H), 2.56 (ddd, J = 8.9, 5.9, 2.7 Hz, 1H), 2.42 - 2.36 (m, 2H), 2.29 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.05 - 1.96 (m, 3H), 1.72 (dq, J = 28.0, 7.6 Hz, 2H), 1.51 (td, J = 9.1, 2.8 Hz, 1H), 1.27 (d, J = 2.2 Hz, 6H).
MS m/z (ESI): 428.1 [M+H]+.
【0272】
(実施例16)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-(5-メチルオキサゾール-2-イル)アセトアミド
【0273】
【化74】
【0274】
実施例2に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-(5-メチルオキサゾール-2-イル)アセトアミド(15mg、白色の固体、収率:16%)を得た。
【0275】
実施例5の合成方法に従って実施例16の化合物も得ることが可能である。
MS m/z(ESI): 451.1 [M+H]+
【0276】
(実施例17)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アセトアミド
【0277】
【化75】
【0278】
実施例2に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アセトアミド(26mg、白色の固体、収率:28%)を得た。
【0279】
実施例5の合成方法に従って実施例17の化合物も得ることが可能である。
MS m/z(ESI): 451.1 [M+H]+
【0280】
(実施例18)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)シクロプロパンスルホンアミド
【0281】
【化76】
【0282】
3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン塩酸塩(40mg、0.11mmol)、トリエチルアミン(44mg、0.44mmol)及びシクロプロパンスルホニルクロリド(31mg、0.22mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させた。反応溶液を、室温で12時間撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にして、溶媒を除去した。得られた粗生成物を、分取HPLCによって精製して、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)シクロプロパンスルホンアミドを得た(15mg、収率:31.6%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.20 - 7.10 (m, 2H), 7.00 - 6.92 (m, 1H), 4.75 - 4.60 (m, 1H), 4.14 - 3.73 (m, 1H), 3.09 (s, 4H), 2.67 (s, 4H), 2.62 - 2.49 (m, 2H), 2.42 - 2.29 (m, 3H), 2.25 - 1.89 (m, 5H), 1.79 - 1.54 (m, 4H), 1.16 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 0.99 (q, J = 6.8 Hz, 2H).
MS m/z (ESI): 432.0 [M+H]+.
【0283】
(実施例19)
3-(3-(2-(4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1-エチル-1-メチル尿素
【0284】
【化77】
【0285】
実施例6に従って、1-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジンを出発材料として使用し、それに応じて、3-(3-(2-(4-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1-エチル-1-メチル尿素を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 3.7 Hz, 2H), 7.31 - 7.26 (m, 1H), 6.90 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.54 - 4.09 (m, 2H), 3.41 - 3.15 (m, 6H), 2.85 (d, J = 4.0 Hz, 3H), 2.82 - 2.63 (m, 4H), 2.59 - 2.51 (m, 1H), 2.48 - 2.35 (m, 2H), 2.28 - 2.07 (m, 1H), 2.07 - 1.87 (m, 2H), 1.85 - 1.62 (m, 2H), 1.53 - 1.40 (m, 1H), 1.22 - 1.02 (m, 3H).
MS m/z (ESI): 401.2 [M+H]+.
【0286】
(実施例20)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)オキサゾール-2-カルボキサミド
【0287】
【化78】
【0288】
実施例3の工程1に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)オキサゾール-2-カルボキサミド(白色の固体、収率:26%)を得た。
【0289】
実施例20の化合物は、以下の方法によっても得ることが可能である。
【0290】
【化79】
【0291】
3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン(50mg、0.15mmol)を、室温のN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、続いて、オキサゾール-2-カルボン酸(20mg、0.18mmol)、HATU(86mg、0.23mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(58mg、0.45mmol)を添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、乾燥状態にした。得られた粗生成物を、高速液体クロマトグラフィーによって精製して、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)オキサゾール-2-カルボキサミドを得た(13mg、白色の固体、収率:21%)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.79 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.24 - 7.14 (m, 4H), 6.98 (m, 2.0 Hz, 1H), 4.68 - 4.59 (m, 0.3H), 4.48 - 4.38 (m, 0.7H), 3.26 - 3.15 (m, 4H), 2.98 - 2.81 (m, 4H), 2.64 - 2.56 (m, 2H), 2.22 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.07 - 1.99 (m, 1H), 1.89 - 1.80 (m, 2H), 1.75 - 1.67 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 423.1M+H]+.
【0292】
(実施例20A及び実施例20B)
N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)オキサゾール-2-カルボキサミド(20A)
【0293】
N-(シス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)オキサゾール-2-カルボキサミド(20B)
【0294】
【化80】
【0295】
実施例20の化合物を分離して、N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)オキサゾール-2-カルボキサミド(20A)及びN-(シス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)オキサゾール-2-カルボキサミド(20B)を得た。20Aの20Bに対する質量比は約1:2であった。
【0296】
【表2】
【0297】
実施例20A:tR=2.473分
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.79 (s, 1H), 7.24 - 7.20 (m, 2H), 7.17 - 7.11 (m, 2H), 6.97 (dd, J = 6.4, 3.1 Hz, 1H), 4.69 - 4.58 (m, 1H), 3.16 - 3.02 (m, 4H), 2.76 - 2.58 (m, 4H), 2.41 - 2.36 (m, 2H), 2.36 - 2.28 (m, 1H), 2.24 - 2.17 (m, 4H), 1.82 - 1.73 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 423.1M+H]+.
【0298】
実施例20B:tR=1.782分
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.79 (s, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.19 - 7.10 (m, 3H), 6.97 (dd, J = 7.0, 2.5 Hz, 1H), 4.49 - 4.37 (m, 1H), 3.28 - 3.03 (m, 4H), 2.84 - 2.67 (m, 4H), 2.67 - 2.54 (m, 2H), 2.53 - 2.35 (m, 2H), 2.15 - 2.02 (m, 1H), 1.75 - 1.63 (m, 4H).
MS m/z (ESI): 423.1M+H]+.
【0299】
(実施例21)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-4-メチルイソオキサゾール-5-カルボキサミド
【0300】
【化81】
【0301】
実施例5に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-4-メチルイソオキサゾール-5-カルボキサミドを得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.16 (s, 1H), 7.23 - 7.09 (m, 2H), 7.05 - 6.91 (m, 1H), 6.75 - 6.51 (m, 1H), 4.70 - 4.33 (m, 1H), 3.41 - 3.00 (m, 4H), 2.90 - 2.54 (m, 4H), 2.54 - 2.40 (m, 2H), 2.34 (s, 3H), 2.26 - 2.02 (m, 3H), 1.91 - 1.58 (m, 4H).
MS m/z (ESI): 437.1[M+H]+.
【0302】
(実施例21A)
N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-4-メチルイソオキサゾール-5-カルボキサミド
【0303】
【化82】
【0304】
実施例5の反応条件に従って、中間体2-1を出発材料として使用し、それに応じて、N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-4-メチルイソオキサゾール-5-カルボキサミド(21A)(21mg、白色の固体、収率:25%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.17 (s, 1H), 7.22 - 7.09 (m, 2H), 7.02 - 6.90 (m, 1H), 6.71 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.69 - 4.54 (m, 1H), 3.30 - 3.00 (m, 4H), 2.86 - 2.58 (m, 4H), 2.53 - 2.39 (m, 2H), 2.34 (s, 3H), 2.33 - 2.27 (m, 1H), 2.26 - 2.12 (m, 4H), 1.91 - 1.72 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 437.1[M+H]+.
【0305】
(実施例21B)
N-(シス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-4-メチルイソオキサゾール-5-カルボキサミド
【0306】
【化83】
【0307】
実施例5の反応条件に従って、中間体2-2を出発材料として使用し、それに応じて、N-(シス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-4-メチルイソオキサゾール-5-カルボキサミド(21B)を得た。
MS m/z(ESI): 437.1[M+H]+
【0308】
(実施例22)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-3-メチルイソオキサゾール-5-カルボキサミド
【0309】
【化84】
【0310】
実施例5に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-3-メチルイソオキサゾール-5-カルボキサミド(21mg、白色の固体、収率:32%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.21 - 7.11 (m, 2H), 7.02 - 6.93 (m, 1H), 6.77 - 6.57 (m, 2H), 4.69 - 4.33 (m, 1H), 3.30 - 3.01 (m, 4H), 2.89 - 2.56 (m, 5H), 2.49 - 2.38 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.27 - 2.15 (m, 1H), 2.10 - 1.99 (m, 1H), 1.87 - 1.57 (m, 4H).
MS m/z (ESI): 437.0 [M+H]+.
【0311】
(実施例23)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)イソキサゾール-5-カルボキサミド
【0312】
【化85】
【0313】
実施例5に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)イソキサゾール-5-カルボキサミド(14mg、白色の固体、収率:22%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.46 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.21 - 7.11 (m, 2H), 7.06 - 6.87 (m, 2H), 6.84 - 6.77 (m, 1H), 4.70 - 4.34 (m, 1H), 3.24 - 3.01 (m, 4H), 2.76 - 2.57 (m, 5H), 2.46 - 2.35 (m, 2H), 2.34 - 2.14 (m, 2H), 2.11 - 1.99 (m, 1H), 1.83 - 1.59 (m, 3H).
MS m/z (ESI): 423.0 [M+H]+.
【0314】
(実施例23A)
N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)イソキサゾール-5-カルボキサミド
【0315】
【化86】
【0316】
実施例5の反応条件に従って、中間体2-1を出発材料として使用し、それに応じて、N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)イソキサゾール-5-カルボキサミド(23A)(白色の固体)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.34 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.22 - 7.11 (m, 2H), 6.98 (dd, J = 6.7, 2.9 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.70 - 4.57 (m, 1H), 3.28 - 3.02 (m, 4H), 2.86 - 2.56 (m, 4H), 2.50 - 2.39 (m, 2H), 2.39 - 2.30 (m, 1H), 2.28 - 2.14 (m, 4H), 1.88 - 1.76 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 423.2 [M+H]+.
【0317】
(実施例24)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-メチルオキサゾール-5-カルボキサミド
【0318】
【化87】
【0319】
実施例5に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-メチルオキサゾール-5-カルボキサミドを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.55 (s, 1H), 7.16 (dd, J = 7.2, 4.3 Hz, 2H), 6.96 (dd, J = 6.6, 2.8 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.47 - 4.32 (m, 1H), 3.09 (s, 4H), 2.68 - 2.58 (m, 7H), 2.41 - 2.33 (m, 2H), 2.18 (td, J = 20.3, 12.2 Hz, 2H), 2.02 (dd, J = 15.7, 8.3 Hz, 1H), 1.78 (dd, J = 15.3, 7.6 Hz, 1H), 1.71 - 1.55 (m, 3H).
MS m/z (ESI):437.1 [M+H]+.
【0320】
(実施例25)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)イソキサゾール-3-カルボキサミド
【0321】
【化88】
【0322】
実施例5に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)イソキサゾール-3-カルボキサミドを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.33 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.19 - 7.14 (m, 2H), 7.02 - 6.93 (m, 1H), 6.91 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 4.48-4.64 (m, 1H), 3.29-3.11 (m, 4H), 2.79 - 2.60 (m, 4H), 2.45 - 2.39 (m, 2H), 2.26-2.22 (m, 2H), 2.05-2.01(m, 1H), 1.76-1.60 (m, 4H).
MS m/z (ESI):423.1 [M+H]+.
【0323】
(実施例25A)
N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)イソキサゾール-3-カルボキサミド
【0324】
【化89】
【0325】
実施例5の反応条件に従って、中間体2-1を出発材料として使用し、それに応じて、N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)イソキサゾール-3-カルボキサミドを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.46 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.22-7.17(m, 2H), 7.00 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 6.81 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 4.64 (dd, J = 15.1, 7.5 Hz, 1H), 3.29 (s, 4H), 2.79-2.77 (m, 4H), 2.36 (s, 2H), 2.24 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 2.01 (s, 1H), 1.60 (s, 4H).
MS m/z (ESI):423.1 [M+H]+.
【0326】
(実施例26)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-メチルオキサゾール-4-カルボキサミド
【0327】
【化90】
【0328】
実施例5に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-メチルオキサゾール-4-カルボキサミド(白色の固体)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.06 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.17 - 7.13 (m, 2H), 7.05 - 6.90 (m, 2H), 4.66 - 4.36 (m, 1H), 3.19 - 3.05 (m, 4H), 2.74 - 2.63 (m, 3H), 2.64 - 2.53 (m, 2H), 2.50 - 2.46 (m, 3H), 2.42 - 2.34 (m, 2H), 2.21 - 2.13 (m, 1H), 2.08 - 1.94 (m, 1H), 1.68 - 1.60 (m, 4H).
MS m/z (ESI): 437.1M+H]+.
【0329】
(実施例26A)
N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-メチルオキサゾール-4-カルボキサミド
【0330】
【化91】
【0331】
実施例5の反応条件に従って、中間体2-1を出発材料として使用し、それに応じて、N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-メチルオキサゾール-4-カルボキサミドを得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.06 (s, 1H), 7.20 - 7.11 (m, 2H), 7.05 - 6.92 (m, 2H), 4.67 - 4.54 (m, 1H), 3.19 - 3.06 (m, 4H), 2.76 - 2.63 (m, 4H), 2.48 (s, 3H), 2.44 - 2.41 (m, 2H), 2.21 - 2.11 (m, 5H), 1.84 - 1.75 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 437.1M+H]+.
【0332】
(実施例27)
N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)キノリン-5-カルボキサミド
【0333】
【化92】
【0334】
実施例5の工程1に従って、N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)キノリン-5-カルボキサミド(35mg、白色の固体)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.96 (dd, J = 4.2, 1.7 Hz, 1H), 8.76 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.25 - 8.16 (m, 1H), 7.75 - 7.67 (m, 2H), 7.51 - 7.45 (m, 1H), 7.16 (dd, J = 7.0, 2.0 Hz, 2H), 7.03 - 6.95 (m, 1H), 6.29 - 6.15 (m, 1H), 4.84 - 4.52 (m, 1H), 3.23 - 3.05 (m, 4H), 2.80 - 2.67 (m, 4H), 2.52 - 2.41 (m, 2H), 2.35 - 2.04 (m, 3H), 1.70 - 1.57 (m, 4H).
MS m/z (ESI): 483.1M+H]+.
【0335】
(実施例27A)
N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)キノリン-5-カルボキサミド
【0336】
【化93】
【0337】
実施例5の反応条件に従って、中間体2-1を出発材料として使用し、それに応じて、N-(トランス-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)キノリン-5-カルボキサミドを得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.96 (dd, J = 4.3, 1.7 Hz, 1H), 8.76 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.25 - 8.14 (m, 1H), 7.69 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 7.47 (dd, J = 8.6, 4.2 Hz, 1H), 7.19 - 7.14 (m, 2H), 6.98 (dd, J = 7.2, 2.4 Hz, 1H), 6.29 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.84 - 4.71 (m, 1H), 3.22 - 3.14 (m, 4H), 2.94 - 2.88 (m, 1H), 2.86 - 2.74 (m, 4H), 2.56 - 2.50 (m, 2H), 2.32 - 2.26 (m, 2H), 2.25 - 2.18 (m, 2H), 1.93 - 1.84 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 483.1M+H]+.
【0338】
(実施例28)
1-シクロプロピル-3-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1-メチル尿素
【0339】
【化94】
【0340】
実施例1の工程1に従って、1-シクロプロピル-3-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-1-メチル尿素(43mg、白色の固体、収率:33%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.22 - 7.11 (m, 2H), 7.03 - 6.92 (m, 1H), 5.32 (dd, J = 36.5, 7.6 Hz, 1H), 4.45 - 4.10 (m, 1H), 3.25 - 3.02 (m, 4H), 2.88 (d, J = 1.7 Hz, 3H), 2.82 - 2.57 (m, 4H), 2.57 - 2.51 (m, 1H), 2.47 - 2.32 (m, 3H), 2.24 - 2.10 (m, 1H), 2.08 - 1.90 (m, 1H),2.06 - 1.75 (m, 2H), 1.50 - 1.39 (m, 1H), 0.88 - 0.78 (m, 2H), 0.75 - 0.67 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 425.1 [M+H]+.
【0341】
(実施例29)
1-シアノ-N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【0342】
【化95】
【0343】
実施例5の工程1に従って、1-シアノ-N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド(31mg、白色の固体)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.19 - 7.12 (m, 2H), 7.00 - 6.94 (m, 1H), 6.56 - 6.36 (m, 1H), 4.54 - 4.17 (m, 1H), 3.21 - 3.02 (m, 4H), 2.79 - 2.60 (m, 4H), 2.57 - 2.53 (m, 1H), 2.43 - 2.36 (m, 2H), 2.18 - 2.12 (m, 1H), 2.06 - 1.95 (m, 1H), 1.68 - 1.65 (m, 3H), 1.63 - 1.56 (m, 3H), 1.51 - 1.45 (m, 2H).
MS m/z (ESI): 421.1M+H]+.
【0344】
(実施例30)
(R)-N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド
【0345】
【化96】
【0346】
工程1:tert-ブチル(R)-4-(2,3-ジクロロフェニル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
【0347】
【化97】
【0348】
実施例2の工程1に従って、1-ブロモ-2,3-ジクロロベンゼン及びtert-ブチル(R)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシラートを出発材料として使用し、それに応じて、tert-ブチル(R)-4-(2,3-ジクロロフェニル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシラート(600mg、黄色の固体、収率:32.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.26 - 7.21 (m, 1H), 7.21 - 7.11 (m, 1H), 7.11 - 6.94 (m, 1H), 3.99 - 3.00 (m, 7H), 1.49 (s, 9H), 0.91 (d, J = 6.3 Hz, 3H).
MS m/z (ESI):345.1 [M+H]+.
【0349】
工程2:(R)-1-(2,3-ジクロロフェニル)-2-メチルピペラジン
【0350】
【化98】
【0351】
実施例2の工程2に従って、tert-ブチル(R)-4-(2,3-ジクロロフェニル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシラートを出発材料として使用し、それに応じて、(R)-1-(2,3-ジクロロフェニル)-2-メチルピペラジン(420mg、黄色の固体、収率:98.8%)を得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.36 - 7.29 (m, 1H), 7.27 - 7.16 (m, 2H), 3.60 - 3.44 (m, 1H), 3.42 - 3.27 (m, 2H), 3.21 - 3.13 (m, 2H), 3.02 - 2.81 (m, 2H), 0.88 (d, J = 6.3 Hz, 3H).
MS m/z (ESI):245.1 [M+H]+.
【0352】
工程3:(R)-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン
【0353】
【化99】
【0354】
実施例2の工程6及び7に従って、(R)-3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エチル)シクロブタン-1-アミン(280mg)を得た。
MS m/z(ESI): 342.1 [M+H]+
【0355】
工程4:(R)-N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド
【0356】
【化100】
【0357】
実施例5に従って、(R)-N-(3-(2-(4-(2,3-ジクロロフェニル)-3-メチルピペラジン-1-イル)エチル)シクロブチル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド(18mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.25 - 7.20 (m, 1H), 7.16 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.10 - 7.04 (m, 1H), 6.91 - 6.75 (m, 1H), 4.49 - 4.14 (m, 1H), 3.47 - 3.34 (m, 1H), 3.21 - 3.13 (m, 1H), 2.91 - 2.82 (m, 1H), 2.83 - 2.68 (m, 2H), 2.59 - 2.48 (m, 2H), 2.38 - 2.31 (m, 2H), 2.24 - 2.12 (m, 2H), 2.11 - 1.93 (m, 2H), 1.82 - 1.73 (m, 1H), 1.70 - 1.65 (m, 1H), 1.56 - 1.46 (m, 2H), 1.44 (d, J = 2.4 Hz, 6H), 0.90 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
MS m/z (ESI): 428.1 [M+H]+.
【0358】
生物学的アッセイ及び評価
本発明を、本発明の範囲を限定することを意図しない以下の試験実施例とともにさらに下に記載する。
【0359】
I.放射性リガンド・受容体結合アッセイ
試験実施例1.ドーパミンD3受容体に対する本発明の化合物の結合能力の判定
【0360】
1.実験目的:
この試験実施例の目的は、ドーパミンD3受容体に対する化合物の親和性を判定することである。
【0361】
2.1実験機器:
ボルテックスミキサー(IKA社;MS3ベーシック)
電気加熱恒温インキュベーター(Shanghai Yiheng Scientific Instruments社;DHP-9032)
マイクロプレート振盪機(VWR社;12620-928)
TopCount(PerkinElmer社;NTX)
Universal Harvester(PerkinElmer社;UNIFILTER-96)。
【0362】
2.2実験試薬及び消耗品:
[3H]-メチルスピペロン(PerkinElmer社;NET856250UC)
ヒトドーパミンD3受容体膜(PerkinElmer社;ES-173-M400UA)
GR 103691(Sigma社;162408-66-4)
ULTIMA GOLD(Perkin Elmer社;77-16061)
96丸型ディープウェルプレート1.1mL(Perkin Elmer社;P-DW-11-C)
UNIFILTER-96GF/Bフィルタープレート(PerkinElmer社;6005174)
ポリエチレンイミン、分岐(Sigma社;408727)
遠心管(BD社、352096;352070)
ローディングスロット(Loading slot)(JET BIOFIL社;LTT001050)
トレー(JET BIOFIL社;LTT001050)
ピペットチップ(Axygen;T-300-R-S、T-200-Y-R-S、T-1000-B-R-S)
塩化マグネシウム(Sigma社、7786-30-3)
トリス塩基(Sigma社、77-86-1)
【0363】
3.実験方法:
0.5から5μLの試験化合物(0.005nMから100nM、全部で10の濃度)及び100μLのバッファーを96ウェルアッセイプレートに添加した。0.5μLの細胞膜及び300μLのバッファーを各ウェルに添加した。[3H]-メチルスピペロンを、バッファーに添加し、そのプレートを27℃で30分間インキュベートした。0.5% PEIとともに1時間プレインキュベートしたUNIFILTER-96GF/Bフィルタープレートを、バッファー(1mL/ウェル)で2回洗浄した。細胞膜懸濁液を、UNIFILTER-96GF/Bフィルタープレートに添加し、4回洗浄し、55℃で10分間インキュベートした。40μLのULTIMA GOLDを各ウェルに添加し、液体シンチレーション計数を行った。
【0364】
4.実験データ処理方法:
CPM(カウント毎分)値をTopCountによって測定した。[3H]-メチルスピペロン結合の阻害率パーセントを、高対照(DMSO対照)実験群及び低対照(100nM陽性化合物)実験群の値から算出した{阻害率%=(CPMサンプル-CPM低対照)/(CPM高対照-CPM低対照)×100}。10の濃度の化合物は、反応系の3倍希釈後、100nMから0.005nMであった。阻害率パーセント及び10点濃度データを、GraphPad prismを使用することによってパラメータ非線形ロジスティック方程式に適合して、化合物のIC50値を算出した。
【0365】
5.実験結果:
D3に対する本発明の化合物の結合活性を上記アッセイによって求め、得られたIC50値をTabel 1(表3)に示す。
【0366】
【表3】
【0367】
6.実験の結論:
本発明の化合物は、ドーパミン受容体D3に対して良好な親和性を有する。
【0368】
試験実施例2. 5-HT2A受容体に対する本発明の化合物の結合能力の判定
1.実験目的:
この試験実施例の目的は、5-HT2A受容体に対する化合物の親和性を判定することである。
【0369】
2.1実験機器:
ボルテックスミキサー(IKA社;MS3ベーシック)
電気加熱恒温インキュベーター(Shanghai Yiheng Scientific Instruments社;DHP-9032)
マイクロプレート振盪機(VWR社;12620-928)
TopCount(PerkinElmer社;NTX)
Universal Harvester(PerkinElmer社;UNIFILTER-96)。
【0370】
2.2実験試薬及び消耗品:
[3H]-ケタンセリン(PerkinElmer社NET791)
ヒトドーパミン5-HT2A受容体膜(PerkinElmer社)
GR 103691(Sigma社;162408-66-4)
ULTIMA GOLD(Perkin Elmer社;77-16061)
96丸型ディープウェルプレート1.1mL(Perkin Elmer社;P-DW-11-C)
UNIFILTER-96GF/Bフィルタープレート(PerkinElmer社;6005174)
ポリエチレンイミン、分岐(Sigma社;408727)
遠心管(BD社、352096;352070)
ローディングスロット(JET BIOFIL社;LTT001050)
トレー(JET BIOFIL社;LTT001050)
ピペットチップ(Axygen;T-300-R-S、T-200-Y-R-S、T-1000-B-R-S)
塩化マグネシウム(Sigma社、7786-30-3)
トリス塩基(Sigma社、77-86-1)
【0371】
3.実験方法:
0.5から5μLの試験化合物(0.005nMから100nM、全部で10の濃度)及び100μLのバッファーを96ウェルアッセイプレートに添加した。0.5μLの細胞膜及び300μLのバッファーを各ウェルに添加した。[3H]-ケタンセリンをバッファーに添加し、そのプレートを27℃で30分間インキュベートした。0.5% PEIとともに1時間プレインキュベートしたUNIFILTER-96GF/Bフィルタープレートを、バッファー(1mL/ウェル)で2回洗浄した。細胞膜懸濁液を、UNIFILTER-96GF/Bフィルタープレートに添加し、4回洗浄し、55℃で10分間インキュベートした。40μLのULTIMA GOLDを各ウェルに添加し、液体シンチレーション計数を行った。
【0372】
4.実験データ処理方法:
CPM(カウント毎分)値をTopCountによって測定した。[3H]-ケタンセリン結合の阻害率パーセントを、高対照(DMSO対照)実験群及び低対照(100nM陽性化合物)実験群の値から算出した{阻害率%=(CPMサンプル-CPM低対照)/(CPM高対照-CPM低対照)×100}。10の濃度の化合物は、反応系の3倍希釈後、100nMから0.005nMであった。阻害率パーセント及び10点濃度データを、GraphPad prismを使用することによってパラメータ非線形ロジスティック方程式に適合して、化合物のIC50値を算出した。
【0373】
5.実験結果:
5-HT2Aに対する本発明の化合物の結合活性を、上記アッセイによって求め、得られたIC50値をTabel 2(表4)に示す。
【0374】
【表4】
【0375】
6.実験の結論:
上記データは、本発明の化合物が5-HT2Aに対して良好な親和性を有することを示す。
【0376】
II.細胞機能アッセイ
試験実施例1. D3受容体を安定して発現する細胞中のcAMP含有量に対する本発明の化合物の効果の判定
【0377】
1.実験目的:
D3受容体に対する化合物の活性化効果を判定すること。
【0378】
2.1実験機器:
384ウェルアッセイプレート(Perkin Elmer社;6007680)
96ウェルV底PPプレートナチュラル、RNASE/Dnase-freeプレート(ThermoFisher社;249944)
ピペット(Axygen)
EnVision(Perkin Elmer社)。
【0379】
2.2実験試薬:
ウシ胎仔血清(Gibco社、10999141)
Ham's F-12K(Kaighn's)培地(Hyclone社;SH30526.01)
ペニシリン・ストレプトマイシン、液体(Gibco社;15140122)
G418(invitrogen社;0131-027)
ホルスコリン(Selleck社、S2449)
BSA安定剤(Perkin Elmer社;CR84-100)
cAMPキット(Cisbio社;62AM4PEC)
IBMX(Sigma社;I5879)
HEPES(Gibco社;15630080)。
【0380】
3.実験方法:
1.バッファーの調製:1×HBSS+20mM HEPES+0.1% BSA+500μM IBMX。
完全培地:Ham's F12K+10%ウシ胎仔血清+1×ペニシリン・ストレプトマイシン+400μg/mL G418。
2.CHO-D3細胞を、37℃、5%CO2で完全培地において培養した。TrypLE消化後、細胞を、実験バッファーに再懸濁させ、1ウェル当たり8000細胞の接種密度で384ウェル細胞培養プレートに播いた。
3.実験バッファー(1×HBSS、0.1% BSA、20mM HEPES及び500μM IBMX)を調製した。化合物をバッファーで希釈した。2.5μLの化合物溶液を各ウェルに添加し、そのプレートを37℃で10分間インキュベートした。ホルスコリンを、実験バッファーで8μM(8×)に希釈した。2.5μLの8倍希釈ホルスコリンを添加し、そのプレートを37℃で30分間インキュベートした。cAMP-d2及び抗cAMP-Eu3+を解凍し、溶解緩衝液で20倍希釈した。10μLのcAMP-d2を、実験ウェルに添加し、続いて、10μLの抗cAMP-Eu3+を添加した。反応プレートを、200g、室温で30秒間遠心分離し、25℃で1時間静置した。Envisionを使用してデータを収集した。
【0381】
4.実験データ処理方法:
1)Z'値=1-3×(SDMax+SDMin)/(平均Max-平均Min);
2)CVMax=(SDMax/平均Max)×100%;
3)CVMin=(SDMin/平均Min)×100%;
4)S/B=信号/背景;
5)化合物のEC50を、GraphPad非線形適合方程式(nonlinear fitting equation)を使用して算出した:
Y=最下部+(最上部-最下部)/(1+10^((LogEC50-X)×ヒル勾配))
X:化合物濃度のlog値、Y:活性化%
【0382】
5.実験結果:
【0383】
【表5】
【0384】
6.実験の結論:
表のデータから、本発明の実施例の化合物が、D3受容体を安定して発現する細胞中のcAMP含有量効果アッセイにおいて良好なアゴニスト活性を示すことがわかる。
【0385】
試験実施例2. 5-HT2A受容体を安定して発現する細胞中のカルシウムイオン移動度に対する本発明の化合物の効果の判定
【0386】
1.実験目的:
5-HT2A受容体に対する化合物の阻害効果を判定すること。
【0387】
2.実験機器及び試薬:
2.1実験機器:
384ウェルアッセイプレート(Corning社;3712)
ピペット(Axygen)
FLIPR(Molecular Devices社)
【0388】
2.2実験試薬:
DMEM(Invitrogen社;11965)
ウシ胎仔血清(Biowest社;S1810-500)
透析血清(S-FBS-AU-065;Serana社)
ペニシリン・ストレプトマイシン(Biowest社;L0022-100)
ハイグロマイシンB(CABIOCHEM社、400052)
マトリゲル(BD社;354230)
DMSO(Sigma社;D2650)
HBSS(Invitrogen社;14065)
HEPES(Invitrogen社;15630080)
プロベネシド(Sigma社;P8761)
BSA(Genview社;FA016)
TrypLE(ThermoFisher社;12604021)。
【0389】
3.実験方法:
1)バッファーの調製:1×HBSS、20mM HEPES、2.5mMプロベネシド(プロベネシドは1M NaOH中の400mMストックとした)、0.1% BSA。プロベネシド及びBSAを、実験の日に新たに添加した。実験バッファーは、色素バッファー及び化合物希釈バッファーを含む。
2)細胞培養培地:Ham's F-12K+10%ウシ胎仔血清+600μg/mlハイグロマイシンB+1×ペニシリン・ストレプトマイシン。接種培地:Ham's F-12K+10%透析血清。アッセイバッファー:1×HBSS+20mM HEPES。細胞株:Flp-In-CHO-5HT2A安定プール。
3)細胞を、70%~90%の培養密度まで37℃、5% CO2で完全培地において培養した。細胞を、TrypLEトリプシンで消化し、384ウェルアッセイプレートに1×104細胞/ウェルの密度で播き、16から24時間(少なくとも一晩)インキュベートした。
4)20X Component Aを室温に解凍し、アッセイバッファーで2×使用濃度(5mMプロベネシドを含む)に希釈し、後で使用するために室温に置いた。
5)細胞培養プレートを取り出し、室温で10分間静置した。FBSをApricot及びアッセイバッファーで0.03%の濃度に希釈し、20μLの溶液が3764培養プレートに最後に残った。20μLの2X Component A(5mMプロベネシドを含む)を、各実験ウェルに添加し、200g及び室温で3から5秒間遠心分離し、37℃で2時間インキュベートした。
6)培地を捨て、20μLの色素を添加した。プレートを37℃、暗所で60分間インキュベートし、カルシウム信号を測定した。
7)実験前にアンタゴニストを調製した:試験化合物(6×)の使用溶液をDMSOとともに調合した。細胞培養プレートを取り出し、室温で10分間静置した。6×試験化合物を、384ウェルアッセイプレートに添加し(10μL/ウェル)、その後、それを室温、暗所で35分間インキュベートした。アッセイプレートをFLIPRに移した。10μLの希釈5HTを、各実験ウェルに添加し、続いて、6×濃度のアゴニスト化合物を添加した(5μL/ウェル)。値をFLIPRによって測定し、保存した。合計アッセイ体積は、30μLであり、20μL/ウェルの色素バッファー、5μL/ウェルの5×濃度の試験化合物及び5μL/ウェルの6×濃度のアゴニスト化合物を含んでいた。
【0390】
4.実験データ処理方法:
カルシウム信号値を、FLIPRによって測定した。実験における各サンプリング時点に対して計算された出力は、340/510nm波長信号の380/510nm波長信号に対する比であった。最大マイナス最小の計算は、比の信号曲線から導き出した。阻害率パーセント及び10点濃度データを、GraphPad prismを使用することによってパラメータ非線形ロジスティック方程式に適合して、化合物のIC50値を算出した。
【0391】
5.実験結果:
【0392】
【表6】
【0393】
6.実験の結論:
表のデータから、本発明の実施例の化合物が、5-HT2A受容体を安定して発現する細胞中のカルシウムイオン移動度アッセイにおいて良好な阻害活性を示すことがわかる。
【0394】
III.Balb/cマウスにおける薬物動態アッセイ
1.研究目的:
試験動物としてBalb/cマウスを使用した。5mg/kgの用量で経口投与された本発明の実施例の化合物のマウス体内(血漿及び脳組織)における薬物動態挙動を調査した。
【0395】
2.実験プロトコル:
2.1試験化合物:
本出願人によって調製された本発明の実施例の化合物。
【0396】
2.2試験動物:
証明番号:SCXK(Shanghai)2013-0006 N0.311620400001794のShanghai Jiesijie Laboratory Animal社から購入した雄のBalb/cマウス(1群当たり12匹のマウス)。
【0397】
2.3調製物の調合:
試験化合物を、超音波処理によって0.5% CMC-Na(1% Tween80)に溶解させて、透明な溶液又は均質な懸濁液を調合した。
【0398】
2.4投与:
一晩の絶食後、雄のBalb/cマウス(1群当たり12匹のマウス)に5mg/kgの投与用量及び10mL/kgの投与体積で試験化合物をp.o.投与した。
【0399】
2.5サンプル採取:
投与前及び投与の1、2、4、8及び24時間後に、マウスの心臓から0.2mLの血液を採取し、マウスをCO2で屠殺した。サンプルを、EDTA-K2チューブ中で保存し、4℃、6000rpmで6分間遠心分離して、血漿を分離させた。血漿サンプルを、-80℃で保存した。全脳組織を取り出し、計量し、2mL遠心管に入れ、-80℃で保存した。
【0400】
2.6サンプル処理:
1)160μLのアセトニトリルを、沈殿のために40μLの血漿サンプルに添加した後、混合物を3500×gで5から20分間遠心分離した。
2)内部標準(100ng/mL)を含む90μLのアセトニトリルを、沈殿のために30μLの血漿及び脳ホモジネートサンプルに添加した後、混合物を13000rpmで8分間遠心分離した。
3)70μLの水を70μLの処理済み上清に添加し、ボルテックスによって10分間混合した。20μLの上清を採り、LC/MS/MSによって試験化合物の濃度を分析した。LC/MS/MS分析機器:AB Sciex API 4000 Qtrap。
【0401】
2.7液体クロマトグラフィー分析:
●液体クロマトグラフィー条件:Shimadzu LC-20ADポンプ
●クロマトグラフィーカラム:Agilent ZORBAX XDB-C18(50×2.1mm、3.5μm);移動相:溶離液Aは水中の0.1%ギ酸とし、溶離液Bはアセトニトリルとした。
●流量:0.4mL/分
●溶出時間:0~4.0分間、溶離液は以下のとおりである。
【0402】
【表7】
【0403】
3.実験結果及び分析:
薬物動態の主なパラメータをWinNonlin 6.1によって計算した。マウスにおける薬物動態試験の結果を以下のTabel 5(表8)に示す。
【0404】
【表8A】
【0405】
【表8B】
【0406】
4.実験の結論:
表のマウスにおける薬物動態アッセイの実験結果から、本発明の実施例の化合物が良好な薬物動態的特性を示し、曝露AUC及び最大血漿中濃度Cmaxともに良好であったことがわかる。
【0407】
IV.インビトロにおける肝臓ミクロソーム中での安定性アッセイ
1.実験目的:
インビトロにおける肝臓ミクロソーム中での本発明の化合物の代謝安定性を評価すること。
【0408】
2.実験機器:
2.1機器:
【0409】
【表9】
【0410】
2.2試薬:
【0411】
【表10】
【0412】
3.実験プロセス:
3.1.化合物の使用溶液の調合
化合物の使用溶液の調合:2μLの化合物の原液を998μLのリン酸バッファーに添加し、最終濃度は20μMであった。
【0413】
対照化合物(7-ヒドロキシクマリン)の使用溶液の調合:調合は、化合物のものと一致していた。
【0414】
3.2.肝臓ミクロソームの使用溶液の調合
78.1μLの20mg/mLミクロソームを、100mMリン酸バッファーで2.5mLに希釈し、十分に混合し、最終濃度は、0.625mg/mLであった。
【0415】
3.3.NADPH及びUDPGAの調合
33.3mgのNADPH及び25.8mgのUDPGAをそれぞれ計量し、続いて、2mLの100mMリン酸バッファーを添加した。最終濃度は、20mMであった。
【0416】
3.4.チャネル形成試薬(アラメチシン)の調合
1mgのアラメチシンを計量し、それに、200μLのDMSOを添加して、5mg/mLの溶液を得た。10μLのこの溶液を990μLのリン酸バッファー(pH7.4)に添加し、最終濃度は、50μg/mLであった。
【0417】
3.5.反応停止溶液の調合
停止溶液:2から8℃で冷蔵庫中において保存された、内部標準として100ng/mL塩酸ラベタロール及び400ng/mLトルブタミドを含む低温のアセトニトリル。
【0418】
3.6.インキュベーション手順
400μLの調合した肝臓ミクロソーム、25μLの化合物の使用溶液(10μM)及び25μLのアラメチシン(50μg/mL)を96ウェルプレートに連続的に添加し、その後、それを37℃で10分間プレインキュベートした。50μLの調合したNADPH/UDPGAを添加して、反応を開始させ、プレートを37℃でインキュベートした。反応系の総体積は、500μLであった。成分の最終含有量は以下のとおりである。
【0419】
【表11】
【0420】
50μLのサンプルを、それぞれ0分、5分、10分、20分、30分及び60分の時点で採取し、続いて、内部標準を含む200μLの低温停止溶液を添加して、サンプル中の反応を停止させた。得られたサンプルを4000gで10分間遠心分離し、LC-MS/MS分析のために上清を回収した。
【0421】
4.実験結果:
【0422】
【表12】
【0423】
注:
【0424】
【表13】
【0425】
5.実験の結論:
上記データは、本発明の実施例の化合物が、インビトロにおいてヒト、ラット及びイヌ肝臓ミクロソーム中で適度に代謝されることを示している。
【0426】
V.ラットの能動的回避実験の薬力学的モデル
1.実験目的:
ラットの能動的回避実験の薬力学的モデルを使用して化合物の抗統合失調症効果を評価すること。
【0427】
2.実験機器及び試薬:
2.1機器:
【0428】
【表14】
【0429】
2.2試薬:
【0430】
【表15】
【0431】
2.3試験化合物:
本出願人によって調製された本発明の実施例の化合物。
【0432】
3.試験動物:
【0433】
【表16】
【0434】
4.ビヒクル及び化合物の調合:
4.1ビヒクル(0.5%CMC-Na+1%Tween80)
一定の量(1.0gなど)のCMC-Naを計量してガラスビンに入れ、一定の体積(200mLなど)の精製水を添加し、得られた混合物を撹拌して、均等に分散させた。1%(v/v)Tween 80を溶液体積に従って添加し、得られた混合物を一晩撹拌して、均質で透明な溶液を得、これを、後で使用するために2から8℃で保存した。
【0435】
4.2化合物の調合:
規定量の化合物を計量し、続いて、規定体積の0.5% CMC-Na+1% Tween 80溶液を添加した。化合物溶液は、投与前に調合し、2から8℃で保存し、4日以内に使用した。
【0436】
実際のサンプル量は、化合物溶液の調合及び投与の間に計算される必要がある。計算方程式は以下のとおりである:実際のサンプル量の化合物=理論上の計量サンプル量×純度/塩係数。
【0437】
5.実験操作:
実験設備に到着後、動物を実験開始前の1週間順応させた。
【0438】
5.1薬力学的モデルの確立:
5.1.1動物をシャトルボックスに入れ、5秒間順応させ、続いて、10秒間の音及び光刺激に供した。
【0439】
5.1.2動物が10秒間の音及び光刺激の間に他方の側によけた場合、電気ショックは与えられず、これは回避と記録され、1回の訓練を終了した。
【0440】
5.1.3動物が10秒間の音及び光刺激後に他方側に移動できなかった場合、電気ショックが与えられ、電流強度は0.6mA、継続時間は10秒間であり、動物が10秒間の電気ショックの間に他方側によけた場合、電気ショックが停止され、これは回避と記録され、1回の訓練を終了した。
【0441】
5.1.4動物が10秒間の電気ショックの間によけられなかった場合、電気ショックが停止され、これは回避失敗と記録され、1回の訓練を終了した。
【0442】
5.1.5各動物を1日に30回、合計6日間訓練し、訓練後にケージに戻した。
【0443】
5.2ベースライン試験及び群分け
化合物スクリーニング試験の前日に、ベースライン試験を実施した。試験プロセスは、5.1.1から5.1.3と同じで、ベースライン試験の回数は20回とした。回避の回数が16回に達した動物(80%)を、回避の回数により1群当たり10匹の動物で群分けした。第1の群にビヒクルを経口投与し、その他の群には対応する試験化合物を実験設計に従って投与した。
【0444】
5.3化合物スクリーニング試験
試験の1時間前に化合物を経口投与した(5mL/kg)。
【0445】
試験プロセスは、5.1.1から5.1.4と同じであり、試験の回数は20回とした。
【0446】
6.データ処理:
データ分析のためにソフトウェアによって以下のデータを収集した。
動物の回避の回数
動物の回避失敗の回数
動物の回避潜時
【0447】
すべての測定データを平均±標準誤差(平均±SEM)として表し、Graphpad 6統計ソフトウェアによって分析した。差は、p<0.05の場合に有意と見なした。
【0448】
7.実験結果:
【0449】
【表17】
【0450】
8.実験の結論:
上記データから、本発明の実施例の化合物が、ラットの能動的回避実験の薬力学的モデルにおいて優れた効果を有し、これは、それらが抗統合失調症効果を有することを示すことがわかる。
【国際調査報告】