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  • 特表-コネクタおよびアセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】コネクタおよびアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/04 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
A61M16/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523728
(86)(22)【出願日】2020-10-13
(85)【翻訳文提出日】2022-05-13
(86)【国際出願番号】 GB2020000086
(87)【国際公開番号】W WO2021079079
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】1915251.1
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509342843
【氏名又は名称】スミスズ メディカル インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ウサマ ハニフ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン マーク タッパー
(57)【要約】
閉鎖系吸引カテーテル(3)は、気管チューブに接続された1つのポート(202)、呼吸チューブ(200)に接続された第2のポート(203)および閉鎖系吸引カテーテルに接続された第3のポート(204)を有するY型コネクタ2によって気管チューブ(1)に接続される。コネクタの第3のポートは、換気圧が維持され、汚染が防げるように、閉鎖系吸引カテーテルの患者端継手(306)の挿入によって開き、吸引カテーテルがコネクタから取り外されるときに閉じる常時閉フラップバルブ(320)を含んでいる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気管チューブ(1)、呼吸チューブ(200)および吸引装置(3)に取り付けるコネクタ(2)であって、該コネクタ(2)は、前記気管チューブ(1)に取り付けるように構成された第1のポート(202)、該第1のポート(202)内に開き、前記呼吸チューブ(200)の端部に取り付けられるように構成された第2のポート(203)および前記吸引装置(3)が前記第3および第1のポート(204および202)内を前記気管チューブ(1)まで前進することができるよう、前記吸引装置(3)に取り付けられるように構成された第3のポート(204)を有し、該第3のポート(204)が前記吸引装置(3)の一部(306)によって開き、前記吸引装置の前記一部が取り外されるときに閉じるバルブ(320)を含むコネクタ。
【請求項2】
前記吸引装置(3)の一部が前記吸引装置(3)の患者端継手(306)であり、該患者端継手(306)が前記バルブ(320)に係合して該バルブを開く、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記バルブはダックビルバルブまたはフラップバルブ(320)である、請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記バルブは、その自然な状態において、共に密閉するように促される概ね三角形の3つのリーフ(321~323)を備えた三尖弁である、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コネクタ(2)の前記第1のポート(202)は、前記気管チューブ(1)の機械端(100)でコネクタ(104)に取り付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の気管チューブ(1)およびコネクタ(2)のアセンブリ。
【請求項6】
前記コネクタ(2)の前記第3のポート(204)は、前記吸引装置(3)の前記患者端で継手(306)に取り付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸引装置 (3)およびコネクタ(2)のアセンブリ。
【請求項7】
前記吸引装置は閉鎖系吸引カテーテルアセンブリ(3)である、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
気管チューブ(1)、呼吸チューブ(200)、閉鎖系吸引カテーテルアセンブリ(3)およびコネクタ(2)のアセンブリであって、前記コネクタは、前記気管チューブ(1)に接続された第1のポート(202)、前記呼吸チューブ(200)に接続された第2のポート(203)、および前記閉鎖系吸引カテーテルアセンブリ(3)内の吸引カテーテル(302)が前記第3および第1のポート(204および202)を通って前記気管チューブ(1)へと前進することができるように、前記閉鎖系吸引カテーテルアセンブリ(3)に接続された第3のポート(204)を有し、前記第3のポート(204)は前記閉鎖系吸引カテーテルアセンブリ(3)の一部(306)によって開き、該閉鎖系吸引カテーテルアセンブリの一部が取り外されるときに閉じるバルブ(320)を含む、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は気管チューブ、呼吸管および吸引装置に取り付けるコネクタに関し、コネクタは、気管チューブに取り付けるように構成された第1のポートと、第1のポートに開口し、呼吸管の端部に取り付けるように構成された第2のポートと、吸引装置が第3および第1のポートを通って気管チューブ内に前進できるように吸引装置に取り付けるように構成された第3のポートとを有する。
【0002】
本発明はまた、気管チューブ、コネクタおよび吸引カテーテルアセンブリのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
吸引カテーテルアセンブリは、気管チューブや患者の気道から分泌物を除去するために使用することができる。これらは他の用途にも使用することができる。吸引カテーテルアセンブリは、カテーテルが柔軟なエンベロープに封入された閉鎖系のものであってもよい。そのようなアセンブリは、患者端に、吸引カテーテルが前進および後退することのできるスライド式シールの付いたマニホールドを有する。柔軟なエンベロープは一端でマニホールドに接合され、その長さに沿ってカテーテルを囲んでいる。エンベロープのもう片方の端およびカテーテルは、吸引制御弁およびコネクタを含む後方の機械端ハウジングに接合される。コネクタはカテーテルを吸引源に接続し、バルブによって臨床医はカテーテルによる吸引を制御することができる。
【0004】
閉鎖系吸引カテーテルアセンブリの例は、特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4,特許文献5,特許文献6,特許文献7,特許文献8,特許文献9,特許文献10,特許文献11,特許文献12,特許文献13,特許文献14,特許文献15,特許文献16,特許文献17,特許文献18,特許文献19,特許文献20,特許文献21,特許文献22,特許文献23,特許文献24,特許文献25,特許文献26,特許文献27,特許文献28,特許文献29,特許文献30,特許文献31,特許文献32,特許文献33,特許文献34,特許文献35,特許文献36,特許文献37,特許文献38,特許文献39,特許文献40,特許文献41,特許文献42,特許文献43,特許文献44,特許文献45,特許文献46,特許文献47,特許文献48,特許文献49,特許文献50,特許文献51,特許文献52,特許文献53,特許文献54,特許文献55,特許文献56,特許文献57,特許文献58,特許文献59,特許文献60,特許文献61,特許文献62,特許文献63,特許文献64,特許文献65,特許文献66,特許文献67,特許文献68,特許文献69,特許文献70,特許文献71,特許文献72,特許文献73,特許文献74,特許文献75,特許文献76,特許文献77,特許文献78,特許文献79,特許文献80,特許文献81,特許文献82,特許文献83,特許文献84,特許文献85,特許文献86,特許文献87,特許文献88,特許文献89,特許文献90,特許文献91,特許文献92,特許文献93,特許文献94,特許文献95,特許文献96,特許文献97,特許文献98,特許文献99,特許文献100,特許文献101,特許文献102,特許文献103,特許文献104,特許文献105,特許文献106,特許文献107,特許文献108,特許文献109,特許文献110,特許文献111,特許文献112,特許文献113,特許文献114,特許文献115,特許文献116,特許文献117,特許文献118,特許文献119,特許文献120,特許文献121,特許文献122,特許文献123,特許文献124および特許文献115に記載されている。閉鎖系吸引カテーテルは、スミスズメディカル、キンバリークラーク、コヴィディエンおよびバイアッセイなどの様々なメーカーから入手することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5269768号明細書
【特許文献2】米国特許第5300043号明細書
【特許文献3】米国特許第4569344号明細書
【特許文献4】米国特許第4638539号明細書
【特許文献5】米国特許第4872579号明細書
【特許文献6】米国特許第5167622号明細書
【特許文献7】米国特許第5779687号明細書
【特許文献8】米国特許第5325850号明細書
【特許文献9】米国特許第5490503号明細書
【特許文献10】米国特許第5419769号明細書
【特許文献11】米国特許第5460613号明細書
【特許文献12】米国特許第5349950号明細書
【特許文献13】英国特許第2394761号明細書
【特許文献14】英国特許第2400160号明細書
【特許文献15】米国特許第6109259号明細書
【特許文献16】米国特許第6227197号明細書
【特許文献17】欧州特許第801577B号明細書
【特許文献18】国際公開第96/09082号
【特許文献19】欧州特許第1239907B号明細書
【特許文献20】欧州特許第1478424B号明細書
【特許文献21】米国特許第6588427号明細書
【特許文献22】欧州特許第1620148B号明細書
【特許文献23】米国特許出願公開第2004/0221852号明細書
【特許文献24】欧州特許出願公開第1911482A号明細書
【特許文献25】欧州特許出願公開第1795217A号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2007/0282250号明細書
【特許文献27】国際公開第2007/143502号
【特許文献28】米国特許出願公開第2008/0188833号明細書
【特許文献29】米国特許第6227200号明細書
【特許文献30】米国特許第6543451号明細書
【特許文献31】欧州特許第1239909B号明細書
【特許文献32】米国特許第6602219号明細書
【特許文献33】欧州特許第1347798号明細書
【特許文献34】国際公開第02/49680号
【特許文献35】米国特許第6609520号明細書
【特許文献36】国際公開第/055143号
【特許文献37】米国特許第6805125号明細書
【特許文献38】米国特許第6923184号明細書
【特許文献39】米国特許第7021313号明細書
【特許文献40】米国特許第7191782号明細書
【特許文献41】国際公開第2004/101045号
【特許文献42】米国特許第7263997号明細書
【特許文献43】国際公開第2004/103448号
【特許文献44】国際公開第00/15276号
【特許文献45】欧州特許第637257B号明細書
【特許文献46】欧州特許第1113835B号明細書
【特許文献47】欧州特許出願公開第1210957A号明細書
【特許文献48】欧州特許第1237612B号明細書
【特許文献49】米国特許第7152603号明細書
【特許文献50】欧州特許第1267957B号明細書
【特許文献51】米国特許第6978783号明細書
【特許文献52】米国特許出願公開第2004/0007236号明細書
【特許文献53】米国特許出願公開第2005/0211253号明細書
【特許文献54】米国特許出願公開第2005/0211245号明細書
【特許文献55】米国特許出願公開第2005/0235987号明細書
【特許文献56】米国特許第7059322号明細書
【特許文献57】国際公開第2004/032817号
【特許文献58】米国特許出願公開第2008/0135051号明細書
【特許文献59】米国特許第4836199号明細書
【特許文献60】米国特許第4850350号明細書
【特許文献61】米国特許第4967743号明細書
【特許文献62】米国特許第5025806号明細書
【特許文献63】米国特許第5083561号明細書
【特許文献64】米国特許第5220916号明細書
【特許文献65】米国特許第5215522号明細書
【特許文献66】米国特許第5255676号明細書
【特許文献67】米国特許第5277177号明細書
【特許文献68】米国特許第5309902号明細書
【特許文献69】米国特許第5333606号明細書
【特許文献70】米国特許第5343857号明細書
【特許文献71】米国特許第5487381号明細書
【特許文献72】米国特許第5513628号明細書
【特許文献73】米国特許第5791337号明細書
【特許文献74】欧州特許出願公開第1343552A号明細書
【特許文献75】国際公開第02/49699号
【特許文献76】米国特許第6612304号明細書
【特許文献77】欧州特許出願公開第1322371A号明細書
【特許文献78】国際公開第02/28463号
【特許文献79】米国特許第6629530号明細書
【特許文献80】国際公開第02/051485号
【特許文献81】米国特許第6769430号明細書
【特許文献82】欧州特許第1330284号明細書
【特許文献83】国際公開第02/36191号
【特許文献84】米国特許第6886561号明細書
【特許文献85】国際公開第2004/034946号
【特許文献86】米国特許第7188623号明細書
【特許文献87】国際公開第2006/014431号
【特許文献88】米国特許第7341059号明細書
【特許文献89】国際公開第2005/094925号
【特許文献90】国際公開第2006/103233号
【特許文献91】国際公開第2007/030388号
【特許文献92】国際公開第2009/003135号
【特許文献93】米国特許第4838255号明細書
【特許文献94】米国特許第5107829号明細書
【特許文献95】米国特許第5133345号明細書
【特許文献96】米国特許第5642726号明細書
【特許文献97】米国特許第6702789号明細書
【特許文献98】米国特許第7458955号明細書
【特許文献99】米国特許第7273473号明細書
【特許文献100】米国特許第5139018号明細書
【特許文献101】米国特許第4327723号明細書
【特許文献102】米国特許第4515592号明細書
【特許文献103】米国特許第6099519号明細書
【特許文献104】欧州特許第695556B号明細書
【特許文献105】米国特許第5065754号明細書
【特許文献106】米国特許第5730123号明細書
【特許文献107】米国特許第5207220号明細書
【特許文献108】米国特許第5309903号明細書
【特許文献109】米国特許第7086402号明細書
【特許文献110】米国特許第7597686号明細書
【特許文献111】米国特許第7726315号明細書
【特許文献112】国際公開第11020985号
【特許文献113】英国特許第2468946号
【特許文献114】英国出願第1914578.8号
【特許文献115】英国出願第1911561.7号
【特許文献116】英国出願第1910834.9号
【特許文献117】英国出願第1906050.8号
【特許文献118】英国出願第1902867.9号
【特許文献119】英国出願第1902868.7号
【特許文献120】英国出願第1818954.8号
【特許文献121】英国出願第1816890.6号
【特許文献122】英国特許第1914426号
【特許文献123】英国出願第1910630.1号
【特許文献124】英国出願第1910629.3号
【特許文献125】英国出願第1906183.7号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
気管切開チューブを使って患者が換気されている場合、人工呼吸器は呼吸チューブまたは換気チューブを介して気管切開チューブに連続的に接続されていなければならない。気管切開チューブは数時間おきに吸引装置を使って洗浄しなければならない。呼吸チューブを外さないですむように、1つのリムが気管切開チューブコネクタに取り付けられ、第2のリムが呼吸チューブを介して人工呼吸器に接続され、第3のリムが吸引装置に接続されたYコネクタを使用するのが一般的である。吸引装置は外された第3のリムからガスが大気に放出されるのを防ぐため、接続したままにしておかなければならない。しかし、このように吸引装置を気管切開チューブに接続したままにすると、気管切開チューブの機械端に力が加わり、患者に不快感を与えてしまうことになりかねないという問題が生じる。また、気管切開部が乱され、この領域のチューブやケーブルが絡まってしまう可能性がある。患者が子供の場合、吸引カテーテルが装着されていると、親が子供を抱っこすることが難しくなり、子供が親との身体的な触れ合いによる恩恵を受けることができなくなるという更なる問題も生じる。
【0007】
吸引カテーテルアセンブリを数日おきに取り外して交換しなければならないので、別の問題が発生する。従来の吸引カテーテルアセンブリを気管チューブから外すと、一時的ではあるが換気圧が即座に失われる。このため肺が収縮し、これまでの換気によって得られた治療効果が失われる可能性がある。気管チューブが大気に解放されるため、吸引カテーテルアセンブリを取り外すとさらなる問題が発生する。このため、汚染物質が患者に入ったり、また、患者からの汚染物質が大気に放出され、この汚染物質が患者の近くにいる臨床ワーカーに危険を及ぼす可能性がある。汚染物質は、細菌、ウイルス、またはその他の生物学的なもの、毒性のあるもの、または放射性形態のものである可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、代替のコネクタおよびアセンブリを提供することである。
【0009】
本発明の一態様によれば、第3のポートが吸引装置の一部によって開き、吸引装置の一部が取り外されると閉じるバルブを含む、上述の種類のコネクタが提供される。
【0010】
吸引装置の一部は、バルブと係合してバルブを開く、吸引装置の患者端継手であってもよい。バルブはダックビルバルブまたはフラップバルブであってもよい。バルブは、その自然な状態において、概ね三角形の3つのリーフが共に密閉するように促される三尖弁であってもよい。
【0011】
本発明の他の態様によれば、本発明の上述の一態様による、気管チューブおよびコネクタのアセンブリが提供され、コネクタの第1のポートが気管チューブの機械端でコネクタに取り付けられている。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、本発明の上述の一態様による、吸引装置およびコネクタのアセンブリが提供され、コネクタの第3のポートが吸引装置の患者端で継手に取り付けられている。
【0013】
吸引装置は、好適には、閉鎖系吸引カテーテルアセンブリである。
【0014】
本発明の第4の態様によれば、気管チューブ、呼吸チューブ、閉鎖系吸引カテーテルアセンブリおよびコネクタのアセンブリが提供され、コネクタは、気管チューブと接続された第1のポート、呼吸チューブと接続された第2のポート、および閉鎖系吸引カテーテルアセンブリ内で吸引カテーテルが第3および第1のポートを通って気管チューブ内へ前進することができるように、閉鎖系吸引カテーテルアセンブリと接続された第3のポートを有し、第3のポートは閉鎖系吸引カテーテルアセンブリの一部によって開き、閉鎖系吸引カテーテルアセンブリが取り外されると閉じるバルブを含んでいる。
【0015】
添付の図面を参照して、本発明による気管切開チューブ、呼吸チューブ、コネクタおよび閉鎖系吸引カテーテルのアセンブリを例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】アセンブリの断面側面図である。
図2】嵌合前のコネクタおよび吸引カテーテルの患者端の断面側面図である。
図2A】2A-2Aの線に沿った、コネクタの吸引ポートの断面端面図である。
図3】嵌合の準備段階における、コネクタおよび吸引カテーテルの患者端の断面側面図である。
図4】完全に嵌合され、吸引カテーテルが延びた状態の、コネクタおよび吸引カテーテルの患者側の断面側面図である。
図5】嵌合されたコネクタおよび吸引カテーテルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
先ず図1および図2を参照すると、アセンブリは、その機械端100でコネクタ2の1つのポートに接続された気管切開チューブ1を備える。コネクタ2の第2のポートは呼吸管または換気管200を介して人工呼吸器201に接続されている。コネクタ2の第3のポートは、閉鎖系吸引カテーテルアセンブリ3の形態で吸引装置の患者端に接続され、吸引チューブ300を介して吸引源301に接続されている。
【0018】
気管切開チューブ1は完全に従来型のものであり、気管内の位置に適合した患者端101,湾曲シャフト102,およびチューブの機械端100で患者の首の表面の近くに置かれるように構成されたネックフランジ103を有する。チューブ1は、その患者端101に向かう膨張式封止カフ105付きのものとして示されているが、カフは付いていなくてもよい。
【0019】
吸引カテーテルアセンブリ3は、その後方の機械端で吸引制御弁303に取り付けられた、小口径の可撓性吸引カテーテル302を有する閉鎖系のものである。吸引制御弁303は、ポンプおよび収集リザーバを含むような吸引源301に、吸引チューブ300によって接続された吸引口304を有する。吸引カテーテル302の反対側の患者端は、アセンブリの患者端継手306内に延在し、継手は、その患者端に急勾配のテーパ状の先端308を有するノーズ部307を備え、吸引カテーテル302の外径よりもわずかに広い中央開口309を提供する。この先端308の後方に向けて、患者端継手306はより浅い外部のテーパ状連結部309を有する。その後方の機械端で、患者端継手306は吸引カテーテル302が摺動可能に延びる中央開口311を有するワイパーシール310を収容する。灌注ポート312は、患者端継手306の半径方向外側に、その長さの途中において突出している。灌注ポート312の外端は短い灌注ライン313に連結され、そうすることによって液体を、患者端継手の内部によって提供される洗浄キャビティ314内に導入することができる。吸引カテーテル302は、通常の方法において、吸引カテーテルに吸引をかけながら、灌注ポート312を介して洗浄キャビティ314内に灌注液を導入することによって洗浄することができる。吸引カテーテルアセンブリ3は、吸引カテーテル302の外周に延在し、その後方端で吸引制御弁303の前方端に、その前方端で患者端継手306の後方に接続する、柔軟なスリーブまたはエンベロープ316によって完成される。
【0020】
コネクタ2は図2図5に最も明確に示されており、気管切開チューブの機械端を人工呼吸器および吸引カテーテルアセンブリに接続するために使用された以前のY字型コネクタとは異なり、吸引カテーテルアセンブリをコネクタから取り外した場合に閉じるバルブ320を含んでいる。コネクタ2は透明なプラスチック素材から、3つのポートまたはリム202,203および204を備えた単一の一体構造体として成形されている。コネクタ2の前端または患者端にある第1のポート202の外端は開いており、気管切開チューブ1の雄コネクタ104の外側に取り付ける雌の嵌合カプリングを提供するように成形されたテーパボアを備えた円形断面を有する。第2のポートまたはリム203は概ね後方に向けて延在し、第1のポート202に対して約120°の角度で傾斜しており、第1のポートよりも外径が僅かに小さい。第2のポート203もその外端で開いており、換気チューブ200の前端または患者端で雄コネクタ207の外側に取り付けられる雌カプリングを提供するテーパボア206を有する。第2の換気ポート203のボア206は、直径が減少した通路207を介して第1のチューブポート202のボア205に無制限に開いており、空気またはガスがこれらの2つのポート間を両方向に自由に流れることができるようになっている。
【0021】
第3のポートまたはリム204は円形の断面を有しており、直径は第1のポート202よりも小さく、その外径の約3分の2である。この第3の吸引ポート204は後方に向かって延在し、第1のポート202と軸方向に整列している。第3のポート204は、閉鎖系吸引カテーテル3の患者端継手306におけるノーズ307のカプリング部309の外側と嵌合、密封するように構成されたテーパボア205を有する。第3のポート204は閉鎖系吸引カテーテル3によって開き、カテーテルが取り外されたときに閉じるように配置された内部バルブ320を含んでいる。内部バルブ320は吸引カテーテル302の通過を可能にする種々の形態をとることができる。通常、内部バルブは、その自然な状態においてともに密封するように促される、概して三角形の3つのリーフ321,322および323を有する、図2Aに示される三尖弁320のような、フラップタイプまたはダックビルタイプとすることができる。図において、内部バルブ320はコネクタ2と一体的に形成されているが、後から吸引ポート204内にはめ込まれる別部品として形成することもできる。
【0022】
第3の吸引ポート204の寸法は、吸引カテーテルアセンブリ3上の患者端継手306のノーズ307が吸引ポート内に密封嵌合される際に、患者端継手の先端308がバルブ320と十分に係合してそれを開くように選択される。図2はコネクタ2に接続する前の吸引カテーテルアセンブリ3を示している。図3は完全に挿入する前の患者端継手306を示し、図4は、完全に挿入した場合の同じ継手を示し、バルブ320のリーフ321~323は継手の先端との係合によって開いている。あるいは、コネクタの吸引ポートを長くして、吸引ポートと連結した際に患者端継手の先端とバルブの後方との間に間隔を空け、バルブが開かないようにしてもよい。または、バルブは吸引カテーテルが延びたときのみ開くように配置してもよい。このため、バルブをより柔らかく柔軟にして吸引カテーテルによって確実にたわむことができるようにする必要があるかもしれない。この配置の利点は、吸引カテーテルアセンブリ3をコネクタ2に接続したまま、吸引カテーテルをアセンブリ内に引っ込め、灌注液を患者端継手に供給した場合、コネクタのバルブによって灌注液が患者の気道へ流れ込むことが防止され、安全性が増すことである。
【0023】
コネクタ2内のバルブ320によって換気ガスが吸引ポートから漏れるのを防止することができるため、不要な場合には吸引装置3を取り外すことができる。このように、吸引を行うために取り外す必要がないため、コネクタ2を人工呼吸器201に常時接続したままにすることができる。バルブ付きコネクタアセンブリにより、患者にかける換気圧を低下させることなく、吸引カテーテルアセンブリの取り外しおよび交換が可能となる。コネクタアセンブリはまた、吸引カテーテルアセンブリの取り外しおよび交換中に生じる患者への、または患者からの汚染の可能性の問題を回避する。コネクタアセンブリによって換気圧を失うことなく吸引カテーテルアセンブリを取り外すことが可能になるので、吸引が必要な場合を除き、患者を吸引カテーテルアセンブリから離すことができる。これにより、取り付けられた吸引カテーテルアセンブリの重さによって生じる患者への不快感が回避され、両親はその小児患者により自由に触れることができるようになる。
【0024】
吸引装置を取り外す際にバルブ付き吸引ポートから換気ガスが漏れないようにするために、コネクタの吸引ポートに取り付けることのできるキャップ(図示せず)を設けてもよい。
【0025】
コネクタは閉鎖系吸引カテーテルとの使用に制限されず、従来の吸引カテーテルと使用してもよい。そのようなカテーテルでは、吸引カテーテルを挿入したときにカテーテルがバルブの中心を向くように、吸引ポートにガイドを取り付ける必要があるかもしれない。
【0026】
本発明は気管切開チューブに限定されず、吸引を必要とする他のチューブにも使用することができる。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
【国際調査報告】