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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】通信デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/16 20090101AFI20221221BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20221221BHJP
   H04W 84/12 20090101ALN20221221BHJP
【FI】
H04W28/16
H04W16/28
H04W16/28 150
H04W84/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523823
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2020080400
(87)【国際公開番号】W WO2021084010
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】19206564.7
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンデ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】チオキナ ダナ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067BB21
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067HH22
5K067KK02
(57)【要約】
本開示は、バックホールのデータレート要件を最小化する効率的なバックホール操作を提示する。バックホール情報は、マスタAPからSTAへの送信と協調して、1つ以上のスレーブAPからSTAへの接続送信のために、マスタAPから1つ以上のスレーブAPに送信される。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-第2の通信デバイスに送信されるMAC入力データユニットのメディアアクセス制御(MAC)層処理を実行することによってMAC出力データユニットを生成し、かつ、
-1つ以上の選択されたMAC出力データユニットの制御情報を生成する
ように構成された
MAC層回路と、
-前記MAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによってPHY出力データユニットを生成するように構成された
PHY層回路と、
を具備し、
前記制御情報は、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットが第3の通信デバイスによって処理される物理(PHY)層であり、かつ、前記第3の通信デバイスおよび第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信されることを示し、
前記選択されたMAC出力データユニットから前記第3の通信デバイスによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と協調して、前記第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたMAC出力データユニットから、選択されたPHY出力データユニットが生成され、
前記第1の通信デバイスは、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットおよび関連する前記制御情報を前記第3の通信デバイスに提供するように構成されている
第1の通信デバイス。
【請求項2】
前記MAC層回路は、前記選択されたMAC出力データユニットを生成するために、MAC入力データユニットの1つ以上の宛先アドレスに基づいて1つ以上のMAC入力データユニット、前記第2の通信デバイスの位置、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイス間のチャネル状態情報、前記第3の通信デバイスと前記第2の通信デバイス間のチャネル状態情報、および、MAC入力データユニットの優先度を選択するように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項3】
前記制御情報は、選択されたMAC出力データユニットの送信元としての前記第1の通信デバイスを示す送信元アドレス情報と、選択されたMAC出力データユニットの宛先としての前記第3の通信デバイスを示す宛先アドレス情報とを含む
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項4】
前記制御情報は、選択されたMAC出力データユニットを識別する識別子を含む
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項5】
前記第1の通信デバイスは、前記第1の通信デバイスおよび前記第3の通信デバイスによって選択されたPHY出力データユニットの協調送信を、前記第3の通信デバイスに通知するように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項6】
-前記協調送信において前記第3の通信デバイスによって前記第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたPHY出力データユニットを生成するために使用される1つ以上の選択されたMAC出力データユニットの識別子と、
-前記選択されたPHY出力データユニットを生成するために使用される前記第3の通信デバイスのPHY層回路の構成を示すPHY層構成情報と、
-前記協調送信において使用される前記第3の通信デバイスによって実行される空間マッピングを示す空間マッピング情報と、
-前記協調送信において使用される前記第3の通信デバイスによって提供される1つ以上のストリームを示すストリーム・インデックス情報と、
のうちの1つ以上を含むトリガおよび/またはアナウンスを送信することによって、前記第3の通信デバイスに通知するように、前記第1の通信デバイスが構成されている
請求項5に記載の第1の通信デバイス。
【請求項7】
前記制御情報は、それぞれの選択されたMAC出力データユニットに含まれるか、または、関連する、
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項8】
前記制御情報は、それぞれ選択されたMAC出力データユニットの先頭ヘッダまたは制御フレームに含まれる
請求項7に記載の第1の通信デバイス。
【請求項9】
前記MAC層回路は、前記制御情報を生成した後に、選択されたMAC入力データユニットとして前記1つ以上の選択されたMAC入力データユニットのMAC層処理を実行して、1つ以上の選択された新たなMAC出力データユニットを生成するように構成されており、
前記PHY層回路は、前記制御情報に含まれるアドレス情報に従って、前記1つ以上の選択された新たなMAC出力データユニットのPHY層処理を実行して、前記第3の通信デバイスに送信するための1つ以上の選択された新たなPHY出力データユニットを生成するように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項10】
前記第1の通信デバイスは、前記制御情報と共に前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットを前記第3の通信デバイスとは異なる外部エンティティに提供し、前記外部エンティティが前記制御情報に従って前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットを前記第3の通信デバイスに提供できるように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項11】
前記第1の通信デバイスおよび前記第3の通信デバイスがアクセスポイントとして動作するように構成され、前記第2の通信デバイスが局として動作するように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項12】
前記MAC入力データユニットは、MACサービスデータユニット(MSDU)または集約MSDU(A-MSDU)であり、前記MAC出力データユニットは、MACプロトコルデータユニット(MPDU)または集約MPDU(A-MPDU)であり、前記PHY出力データユニットは、物理プロトコルデータユニット(PPDU)である
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項13】
前記PHY層回路は、
-前記MAC出力データユニットをN個の空間ストリームに分割し、
-空間ストリームごとに並列に、インターリーブおよび/またはコンスタレーションマッピング処理を実行し、
-処理されたN個の空間ストリームをM個の送信ストリームにマッピングする空間ストリームマッピングを実行し、
-M個の送信ストリームの逆フーリエ変換ならびにアナログおよびRF処理を実行して(M個は、前記第1の通信デバイスのアクティブな送信チェーンの数に対応する)、M個の送信信号を生成する
ように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項14】
前記PHY層回路は、
-前記MAC出力データユニットをN個の空間ストリームに分割し、
-前記N個の空間ストリームのうちのM個について、空間ストリーム毎に並列に、インターリーブおよび/またはコンスタレーションマッピング、空間ストリームマッピング、逆フーリエ変換、ならびに、アナログおよびRF処理を行って、M個の送信信号を生成する(M個は、前記第1の通信デバイスのアクティブな送信チェーンの数に対応する)
ように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項15】
第1の通信デバイスから1つ以上の選択されたメディアアクセス制御(MAC)出力データユニットおよび関連する制御情報を取得するように構成されたMAC層回路と、
前記選択されたMAC出力データユニットから前記第1の通信デバイスによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と協調して、第3の通信デバイスから第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたMAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによって、選択されたPHY出力データユニットを生成するように構成されたPHY層回路と、
を具備し、
前記制御情報は、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットが前記第3の通信デバイスによって処理される物理(PHY)層であり、かつ、前記第3の通信デバイスおよび前記第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信されることを示す
第3の通信デバイス。
【請求項16】
前記PHY層回路は、前記第1の通信デバイスから1つ以上の選択されたMAC出力データユニットを受信し、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットの逆PHY層処理を実行して、逆PHY層出力データユニットを生成するように構成されており、
前記MAC層回路は、前記逆PHY層出力データユニットの逆MAC層処理を実行して、関連する前記制御情報および前記選択されたMAC出力データユニットを取得するように構成されており、
前記PHY層回路は、前記選択されたMAC出力データユニットから前記選択されたPHY出力データユニットを生成するように構成されている
請求項15に記載の第3の通信デバイス。
【請求項17】
前記MAC層回路は、前記第1の通信デバイスとは異なる外部エンティティから1つ以上の選択されたMAC出力データユニットおよび関連する前記制御情報を受信するように構成されている
請求項15に記載の第3の通信デバイス。
【請求項18】
-第2の通信デバイスに送信されるMAC入力データユニットのメディアアクセス制御(MAC)層処理を実行することによってMAC出力データユニットを生成するステップと、
-1つ以上の選択されたMAC出力データユニットの制御情報を生成するステップと、
-前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットおよび関連する前記制御情報を第3の通信デバイスに提供するステップと、
-前記MAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによってPHY出力データユニットを生成するステップと、
を含み、
前記制御情報は、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットが前記第3の通信デバイスによって処理される物理(PHY)層であり、かつ、前記第3の通信デバイスおよび第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信されることを示し、
前記選択されたMAC出力データユニットから前記第3の通信デバイスによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と協調して、前記第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたMAC出力データユニットから、選択されたPHY出力データユニットが生成される
第1の通信デバイスの通信方法。
【請求項19】
第1の通信デバイスから1つ以上の選択されたメディアアクセス制御(MAC)出力データユニットおよび関連する制御情報を取得するステップと、
前記選択されたMAC出力データユニットから前記第1の通信デバイスによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と協調して、第3の通信デバイスから第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたMAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによって、選択されたPHY出力データユニットを生成するステップと、
を含み、
前記制御情報は、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットが前記第3の通信デバイスによって処理される物理(PHY)層であり、かつ、前記第3の通信デバイスおよび前記第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信されることを示す
第3の通信デバイスの通信方法。
【請求項20】
プロセッサによって実行されると、請求項18または19に記載の方法が実行される、コンピュータプログラム製品内に記憶する、非一時的コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特にマルチアクセスポイント(マルチAP)通信システムで使用するための通信デバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、無線LAN(WLAN)において、アクセスポイント(AP)は、1つ以上のPPDU(物理層プロトコルデータユニット)を1つ以上の局(STA、基地局)に送信する。これにより、特定の時点で送信しているのは1つのAPだけになる。他のAPまたはSTAによる送信は、その送信を妨げており、したがって望ましくない。
次世代無線LANは、複数のAP(MAP)によるPPDUの同時送信(JTX)を同時に考慮する。この利点は、カバレッジおよび/または受信品質を向上できることである。
【0003】
本明細書で提供される「背景技術」の説明は、本開示の背景を大まかに提示するためのものである。本背景技術の項に記載されている範囲において指名されている発明者の研究、および、出願時に先行技術として適格でないと思われる明細書の態様は、明示的にも黙示的にも、本開示に対して先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0004】
効率的なマルチAP動作を可能にする通信デバイスおよび方法を提供することが目的である。さらに、前記方法を実現するための、対応するコンピュータプログラムと、非一時的コンピュータ読み取り可能な記録媒体とを提供することが目的である。
【0005】
本発明の一態様によると、
-第2の通信デバイスに送信されるMAC入力データユニットのメディアアクセス制御(MAC)層処理を実行することによってMAC出力データユニットを生成し、かつ、
-1つ以上の選択されたMAC出力データユニットの制御情報を生成する
ように構成された
MAC層回路と、
-上記MAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによってPHY出力データユニットを生成するように構成された
PHY層回路と、
を具備し、
上記制御情報は、上記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットが第3の通信デバイスによって処理される物理(PHY)層であり、かつ、上記第3の通信デバイスおよび第1の通信デバイスから上記第2の通信デバイスに送信されることを示し、
上記選択されたMAC出力データユニットから上記第3の通信デバイスによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と協調して、上記第1の通信デバイスから上記第2の通信デバイスに送信するために、上記選択されたMAC出力データユニットから、選択されたPHY出力データユニットが生成され、
上記第1の通信デバイスは、上記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットおよび関連する上記制御情報を上記第3の通信デバイスに提供するように構成されている
第1の通信デバイスが提供される。
【0006】
本発明の一態様によると、
第1の通信デバイスから1つ以上の選択されたメディアアクセス制御(MAC)出力データユニットおよび関連する制御情報を取得するように構成されたMAC層回路と、
上記選択されたMAC出力データユニットから上記第1の通信デバイスによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と協調して、第3の通信デバイスから第2の通信デバイスに送信するために、上記選択されたMAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによって、選択されたPHY出力データユニットを生成するように構成されたPHY層回路と、
を具備し、
上記制御情報は、上記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットが上記第3の通信デバイスによって処理される物理(PHY)層であり、かつ、上記第3の通信デバイスおよび上記第1の通信デバイスから上記第2の通信デバイスに送信されることを示す
第3の通信デバイスが提供される。
【0007】
さらなる別の態様によれば、対応する方法と、
コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、コンピュータに本明細書に開示する方法のステップを実行させるためのプログラム手段を具備するコンピュータプログラムと、
プロセッサによって実行されるときに、本明細書に開示する方法を実行させるコンピュータプログラム製品を記憶する非一時的コンピュータ読み取り可能な記録媒体と、が提供される。
【0008】
実施形態は従属クレームで定義される。開示される通信デバイスおよび方法、ならびに、開示されるコンピュータプログラムおよび開示されるコンピュータ可読記録媒体は、請求項に記載される第1の通信デバイス、従属クレームに定義されるもの、および/または、本明細書に開示されるものと、同様および/または同一のさらなる実施形態を有することを理解されたい。
【0009】
本開示の一態様は、マルチAP通信設定において、アクセスポイント(一般にAP STAまたは単にAPと呼ばれる)は、(一般に、非AP STAまたは単にSTAと呼ばれ、本明細書では「第2の通信デバイス」とも呼ばれる)局に送信されるデータの知識を必要とすることである。バックホールリンクは、実際の接続送信が行われる前に、接続送信に参加するAPに必要な情報を送信するために提供される。
本開示によれば、バックホールのデータレート要件を最小化する効率的なバックホール動作が提示される。特に、マスタAP(ここでは「第1の通信デバイス」とも呼ばれる)から1つ以上のスレーブAP(ここでは「第3の通信デバイス」とも呼ばれる)へバックホール情報を転送する概念が、実施形態で開示される。さらに、この情報を提供するマスタAPおよびこの情報を受信するスレーブAPにおける送信信号構成の2つの概念が、本開示の実施形態において開示される。
提案したソリューションは、必要なバックホールデータ速度に関して既知の概念より優れており、IEEE 802.11準拠通信システムへのシームレスな統合を提供する。
【0010】
前述の段落は一般的な導入により提供されており、以下の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。説明される本実施形態は、さらなる利点とともに、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示およびそれに付随する利点の多くのより完全な理解は、添付の図面に関連して考慮される場合、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるようになるので、容易に得られる。
図1】従来の通信システムの模式図を示す。
図2】別の従来の通信システムの模式図を示す。
図3】APとして動作する通信デバイス、および、STAとして動作する通信デバイスの一般的なレイアウトを示す。
図4】APのPHYユニットの一実施形態の模式図である。
図5】送受信のMAC動作を示す図を示す。
図6】MSDU、A-MSDU、MPDU、A-MPDU、PSDUおよびPPDUの関係を示す図である。
図7】本開示によるマスタAPとしての動作を示すための第1の通信デバイスの模式図を示す。
図8】マスタAPのMACユニットの動作フローチャートを示す。
図9】MAP-MSDUを示す図である。
図10】スレーブAPとしての動作を示す第3の通信デバイスの第1の実施形態の模式図である。
図11】スレーブAPとしての動作を示す第3の通信デバイスの第2の実施形態の模式図である。
図12】スレーブAPのMACユニットの動作フローチャートを示す。
図13】マスタAPおよびスレーブAPの時間的な動作を示す図である。
図14】無線バックホールの場合のマスタAPおよびスレーブAPの模式図であり、それらの動作のステップのシーケンスおよび情報の流れを示す。
図15】DS/有線バックホールの場合のマスタAPおよびスレーブAPの模式図であり、それらの動作のステップのシーケンスおよび情報の流れを示す。
図16】非マップモードにおける(マスタまたはスレーブ)APのPHYユニットの一実施形態の模式図を示す。
図17】マップモードにおけるマスタAP100のPHYユニットの第1の実施形態の模式図を示す。
図18】マップモードにおけるスレーブAPのPHYユニットの第1の実施形態の模式図を示す。
図19】マップモードにおけるマスタAP100のPHYユニットの第2の実施形態の模式図を示す。
図20】マップモードにおけるスレーブAPのPHYユニットの第2の実施形態の模式図を示す。
図21】周知の通信方式の主な概念を示す図である。
図22】本開示に係る通信方式の主な概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
今日では、どのような無線LANにおいても、アクセスポイント(AP)は1つ以上のPPDU(物理層プロトコルデータユニット)を1つ以上の局(STA、基地局)に送信する。これにより、ある時点で単一のAPのみが送信される。他のAPまたはSTAによる送信は、その送信を妨げており、したがって望ましくない。
【0013】
対照的に、次世代無線LANは、同時に複数のAP(MAP、マップ)によるPPDUの接続送信(JTX)を考慮する。利点は、カバレッジおよび/または受信品質が向上することである。欠点として、AP間の同期化および高度なチャネルサウンド化の必要性がある。
【0014】
マップ用のさらに重要な態様は、マップ セットアップで同時に送信するAP間での情報を共有する必要があることである。この情報の交換は、本開示の目的の1つである。
【0015】
以下では、システムモデルの簡単な概要について説明する。
図1は、2つのAPから1つのSTAへの地図データ伝送を使用するシステムを示している。
すなわち、セットアップ方法はダウンリンクシナリオに似ている。各APおよび各STAは、それぞれ複数の送信アンテナまたは受信アンテナを有することができる。AP1からSTA1へのチャネル伝達関数はH1であるが、H2はAP2からSTA1へのチャネル伝達関数である。H1とH2の両方が行列であり、最も一般的なケースではキャリアまたはトーンインデックスの関数であることに注意する。
すなわち、チャネルは一連の行列によってモデル化することができる。加えて、両方の行列は時間と共に変化する可能性があるが、これは、チャネル行列が少なくともそれぞれのAPに良好な精度で知られていると仮定されるので、ここでは考慮されない。
【0016】
(特定のキャリアまたはトーンの場合の)STA1での受信信号rは、
【数1】
であり、ここで、t1およびt2は、それぞれのAPの実際の送信信号を示す。各APは、それぞれ行列Q1またはQ2をもつプレコーディングを実行することができる。したがって、受信信号rは、
【数2】
Sであり、ここで、
【数3】
は、全体的なプリコーディング行列であり、sはプリコーディング前のベースバンド送信信号である。上のモデルでは、送信信号、受信信号、チャネル行列およびプリコーディング行列はキャリアベースである。OFDMシステムが仮定され、ここで、各OFDMシンボルは、1つ以上のサブキャリアまたはトーン上で送信されるべき情報を伝送する。送信信号は、1つ以上のOFDMシンボルで構成することができる。
【0017】
最も一般的な場合、ベクトルsは次元Nss×1を有し、NssはJTXの空間ストリームの数を表す。Qiは、次元NTX,i×Nssを有し、NTX,iは、AP iの送信チェーンまたは送信アンテナの数を示す。HiはNRX×NTX,iの次元を有し、NRXは、STA1の受信アンテナの数を示す。ここで示したモデルは、単一の受信機を想定しているが、マルチユーザ(MU)シナリオに容易に拡張できる。MUコンテキストでは、マップは同時にいくつかのSTAに役立つ。
【0018】
以下では、図2に示すように、単一のAPでデータトラフィックが入ると仮定する。図2は、局(STA1; 一般には第2の通信デバイス)にデータ提供する、マスタAP(AP1; ここでは一般に第1の通信デバイスとも呼ばれる)と、スレーブAP(AP2; ここでは一般に第3の通信デバイスとも呼ばれ、さらなるスレーブAPが存在してもよい)とを有する通信システムを示す。
したがって、STAに送信される(ユーザ)データは、1つのAP(マスタAP)にのみ入力される。JTXに参加する他のすべてのAPは、スレーブAPと呼ばれる。以下に詳細に説明するように、バックホール情報は、マスタAPからSTAへの送信と協調して、1つ以上のスレーブAPからSTAへの接続送信のために、マスタAPから1つ以上のスレーブAPに送信される。
【0019】
ルータ、サーバ、ネットワークなどの外部エンティティであってもよいディストリビューションシステム(DS)は、上位層への接続であり、APの観点から入力トラフィックのソースと出力トラフィックのシンクとを提供する。MACサービスデータユニット(MSDU)を目的の宛先に配信することが、DSの目的である。
DSは、有線および/または更に別の無線リンクを含むことができる。マスタAPおよびスレーブAPはDSにも出力トラフィックを提供することに留意すべきであるが、これは本開示では主に扱われていない。
【0020】
上の式からわかるように、マスタAP(たとえば、AP1)は、入力トラフィックに基づいてsを生成してもよいが、STA1に送信されるデータを認識していないため、AP2はsを生成できない。本開示の目的は、マスタAPから1つ以上のスレーブAPに必要な情報を伝達し、それらのスレーブAPがsを生成できるようにする手段を提供することである。
【0021】
実施形態によれば、1つ以上の選択されたMAC出力データユニットおよび関連する制御情報をスレーブAPに提供するための2つの方法が、すなわち、無線バックホールまたはDSバックホールを介して提供され、すなわち、スレーブAPは、マスタAPへの(例えば、有線)リンクを介して、または、無線バックホールを介して接続される(すなわち、スレーブAPは、マスタAPに無線接続される)。
無線接続では、連続するJTXと同じ周波数帯域を使用することも、異なる周波数帯域を使用することもできる。さらに、スレーブAPに必要な情報が伝えられた後にJTXが開始またはトリガされる方法の実施形態が提示される。一般に、提案されたソリューションの実施形態は、バックホールの要求ビットレートに関して非常に効率的である。
なぜなら、それらは、完全なPHY層情報の代わりに、スレーブAPにMAC層情報のみを提供するからである。
【0022】
マップの詳細に進む前に、APとして動作する通信デバイス10およびSTAとして動作する通信デバイス20の一般的なレイアウトを示すことを参照して、WLANの一般的な動作を簡単に説明する。
通信デバイス10は、MAC(メディアアクセス制御)ユニット11(MAC層ユニットまたはMAC層回路または単にMAC層とも呼ばれる)およびPHY(物理)ユニット12(PHY層ユニットまたはPHY層回路または単にPHY層とも呼ばれる)を備える。通信デバイス20は、同様にMACユニット21とPHYユニット22とを備える。これらのユニットはすべて、例えば、それぞれの回路、プロセッサまたはコンピュータによって実現することができる。
【0023】
一般に、MACユニット11は、任意の着信MSDU(ここではMAC入力データユニットとも呼ぶ)をいくつかのステップで処理する。主な手順は次のとおりである。
まず、MACユニット11は、その優先順位に応じて、1つ以上のキューに入ってくるMSDUをバッファリングする。無線チャネルが一定時間フリーになると、MACユニット11は、1つ以上のMSDUの処理を開始する。MACユニット11は、ユーザデータ(すなわち、1つ以上のMSDU)を暗号化し、MACヘッダを付加し、フレームチェックシーケンス(FCS)を付加する。
これはMPDU(ここではMAC出力データユニットとも呼ぶ)を形成する。MACヘッダには、フレームのタイプ、継続時間、送信元、宛先(MAC)アドレス、シーケンス番号など、ピアSTA 20のMACユニットの制御情報が含まれる。FCSは、MSDUまたはMACヘッダが誤って受信されたかどうかを検出するために(かつ、潜在的に再送を要求するために)、ピアSTA 20のMACユニット21に存在する。
【0024】
次のステップでは、1つ以上のMPDUがA-MPDUに集約され、これが物理層サービスデータユニット(PSDU、ここではPHY入力データユニットとも呼ばれる)を形成する。MACユニット11は、PSDUをPHYユニット12に転送し、PHYユニット12は、MACメッセージ(MPDUまたはA-MPDUのいずれか)、すなわち、PSDUを符号化し、変調し、送信する。
ピアSTA 20のPHYユニット22が受信PHY出力データユニットを復調することを可能にするために、PHYユニット12は、PHY構成およびチャネル推定シーケンスを保持するPHYプリアンブルをプリペンドする。最後に得られたPPDU(PHY出力データユニット)は、STA 20に送信される。
【0025】
STA 20のPHYユニット22は、PPDUを受信し、MACユニット21によって逆MAC層処理に続く逆PHY層処理を実行して、MSDU、すなわち、STAへの送信のためにAPに提供された元のデータを得る。
【0026】
PHYユニット12は、(マルチユーザ) MU-PPDUにおいて、異なる宛先/受信機アドレスをもつMPDUを組み合わせてもよい。この場合、OFDMAやMU-MIMOなどの直交PHY層リソースは、異なる宛先/受信機アドレスを持つPSDUの分離を実行する。
【0027】
図4は、AP 10のPHYユニット11の一実施形態の模式図である。
スクランブラ110、順方向誤り訂正(FEC)エンコーダ111、ストリームパーサ112、Nss空間ストリーム処理ユニット113(各々はインタリーバ1131、コンスタレーションマッパ1132、および(第1のストリームを除く)サイクリックシフト遅延(CSD)ユニット1133を含む)、空間マッパ114およびNTX送信チェーン115(各々は、逆離散フーリエ変換(IDFT)ユニット1151、ガードインターバル(GI)および窓を挿入する挿入ユニット1152、ならびにアナログおよびRF処理ユニット1153を含む)を含む。
なお、STA 20のPHY部22は、一般に同じように構成してもよい。
【0028】
図5に送受信のMAC動作を示す図を示す。
図6は、MSDU、A-MSDU、MPDU、AMPDU、PSDUおよびPPDUの関係を示す図である。
これらの関係の詳細、およびMACおよびPHY回路の一般的な設定と動作については、例えばIEEE 802.11規格に記載されている。
【0029】
本開示によれば、MSDUの処理は、以下に詳細に説明するように、マスタAPおよびスレーブAPの両方のマップに対して異なる。
【0030】
図7は、本開示によるマスタAPとしての動作を示すための第1の通信デバイス100の模式図を示す。
マスタAP 100は、MACユニット101およびPHYユニット102からなる。マスタAP 100は、いったんMSDUを受信すると、そのMSDUがMAP適格であるかどうか、すなわち、マスタAPとスレーブAPの両方が協調して、すなわち、接続伝送(JTX)で、特定の局に送信できるかどうかをチェックする。
したがって、マップ適格MSDU(選択MSDUとも呼ばれる)は、JTXのスレーブAPによって送信されるPPDUの一部であるMSDUである。このチェック(または選択)は、例えば、MSDUと共に提供される宛先および/または受信機アドレスおよび/またはユーザ優先度を評価することによって達成され得る。
マップまたは非マップ適格MSDUの分類は、任意の(内部または外部の)制御ユニット103(例えば、局管理エンティティ、SME)またはマスタAPの他のエンティティによって行われてもよい。この分類は、MSDUのMAC処理の前後に行われてもよい。MSDUがマップ適格でない場合、通常のMACおよびPHY処理が行われる。
【0031】
ある実施形態では、初期段階で、マスタAPは、接続送信が使用されるべきであり(例えば、1つ以上または全てのSTAへの送信のため)、マップモードに入るべきであると決定してもよいことに留意されたい(例えば、接続送信は、改善されたデータレートまたは信頼性に関して有益であるため)。
マスタAPがそのマップモードにある場合、上記の適格性チェックは、したがって、JTXで使用されるMSUを選択するステップを含むか、または、表すことができる。別の実施形態では、適格性チェックのステップおよび選択ステップは、後に実行される別個のステップであってもよい。
【0032】
MSDUがMAP適格である場合、MACユニット101は、図8に示されるフローチャートに示される以下のステップを実行することができる。
【0033】
最初に、MAC出力データユニットは、STAに送信されるMAC入力データユニットのMAC層処理を実行することによって生成される。特に、最初のステップS101において、MAC部100は、MSDU(MAC入力データユニット)を定期的に処理する(すなわち、暗号化、MACヘッダ、FCS加算、A-MPDUへの集約などのステップを行う(図7のブロック104で示す)。
この出力はMPDUまたはA-MPDU(MAC出力データユニット)のいずれかである。マップ適格MSDUに対するこのMAC処理は、チャネルがビジー状態でも実行することができる。
【0034】
マスタAP 100は、後に送信するために選択されたMAC出力データユニット(「選択されたMAC出力データユニット」とも呼ばれる)をメモリ105(後にPSDUまたはその少なくとも一部)に格納する(ステップS102)。
【0035】
続いて、1つ以上の選択されたMAC出力データユニット用の制御情報が生成される。この制御情報は、1つ以上の選択されたMAC出力データユニットがスレーブAPによって処理され、スレーブAPから、および、マスタAPからSTAに送信されることを示す。
【0036】
特に、ステップS103において、MACユニット101は、選択されたMAC出力データユニット(すなわち、MPDUまたはA-MPDU)を新たなMSDU(以下ではMAP-MSDUと呼ぶ)として解釈するが、送信元アドレスと宛先アドレスとを異なるように設定する。新たな送信元アドレスはマスタAPアドレス(すなわち、マスタAP 100のアドレス)であり、新たな宛先アドレスはスレーブAPアドレス(すなわち、スレーブAPのアドレス(200および300;図10および11を参照)である。
【0037】
さらに、ステップS104で、MACユニット101は、そのMAP-MSDUにさらに制御情報、例えば一意の識別子を追加する。これには、別のヘッダ、マップヘッダ、マップ(制御)フレームなどがある。詳細については、以下で詳しく説明する。ステップ103および104は、図7のブロック106で実行される。
地図情報(「制御情報」)は、制御ユニット(例えば、SME 103)によって提供されてもよい。別の実施形態では、S103とS104を組み合わせてもよい。すなわち、アドレスを制御情報において設定してもよい。
【0038】
続いて、1つ以上の選択されたMAC出力データユニットおよび関連する制御情報が、スレーブAPに提供される。無線バックホールを使用する実施形態では、ステップS105で提供されるように、チャネルが自由になると、MACユニット101はこのMAP-MSDUを定期的に処理するが、MAC(例えば、暗号化)およびPHY(例えば、符号化、変調)パラメータなどの送信元-宛先(例えば、マスタAP-スレーブAP)固有のパラメータを考慮し、PHYユニット102をトリガして、それらを処理して、送信のために選択されたPHY出力データユニットを生成する。
送信元アドレスおよび宛先アドレスが変更されたため、選択されたPHY出力データユニット(つまり、対応するMSDU)はスレーブAP(第3の通信デバイス)に送信され、意図したSTA(第2の通信デバイス)には送信されない。
【0039】
ステップS106で提供されるように、1つ以上の選択されたMAC出力データユニットおよび関連する制御情報をスレーブAPに提供する別の実施形態では、MACユニット101は、宛先アドレス(DA)、送信元アドレス(SA)、および長さ情報と共に、MAP-MSDUを上位層(DS)に提供する。
その結果、DAはスレーブAPに設定され、SAはマスタAPに設定される。この情報(すなわち、選択されたMAC出力データユニットおよび制御情報)をスレーブAPに伝達することは、DSの目的である。
【0040】
マスタAP 100は、1つ以上のMAP-MSDUの正常な受信を示す確認応答(ACK)を待つことができ(ステップS107)、必要に応じてMAP-MSDUを再送することさえできる。
【0041】
マスタAPが、おそらく確認通知を受信したJTXに必要なすべてのスレーブAPにすべてのMAP-MSDUを伝達すると、マスタAP 100は、ステップS108でJTXを開始することを決定してもよい。したがって、マスタAP 100は、アナウンス情報(アナウンスフレーム)を、少なくとも、以下で共同送信されるMAP-MSDUの固有識別子を含むすべてのスレーブAPに送信する。
さらに、PHY層構成データが追加され、空間マッピング行列Qが示されてもよい(詳細は以下に説明する)。
【0042】
次に、マスタAP 100は、ステップS109で、ステップS107で送信されたアナウンス情報(フレーム)が送信された後の所定時間後、または、マスタAP 100によってスレーブAPに送信されたトリガに続いて、ステップ102で保存されたPSDUを含むPPDUを送信する。
これは、制御ユニット(例えば、SME 103)によって提供されてもよいJTXトリガによって図7に示されている。なお、アナウンスとJTXを別々に送信してもよいし、情報を組み合わせてトリガとしてもよい。
【0043】
JTXにおいてマスタAPによって送信されるものであり、マップ適格ではないMSDUが存在する可能性があることに留意されたい。これらのMSDUは、JTXが開始されるまで、マスタAPのメモリに格納されてもよい。概念的には、これらは、メモリ105、または、いずれにせよMACユニット101に含まれ、例えば送信キューに格納される複数のメモリのいずれかに格納することができる。
【0044】
図9は、マップヘッダ(MAP hdr)と、MPDUまたはA-MPDUを構成するデータ部とを含むMAP-MSDUを示す図である。
【0045】
図10および図11は、第3の通信デバイス200および210(それぞれがMACユニット201およびPHYユニット202を有する)の異なる実施形態の模式図を示し、JTXにおける本開示によるスレーブAPとしてのその動作を示す。スレーブAPは、無線バックホールのための受信PPDU(図10)、または、有線バックホールのための上位層インタフェース(図11)を介してMAP-MSDUを受信すると、図12に示すフローチャートに示される以下のステップを実行する。
【0046】
最初に、1つ以上の選択されたMAC出力データユニットと関連する制御情報が、マスタAPからスレーブAPによって取得される。特に、最初のステップS201において、MAC部201は、MPDUまたはA-MPDUと、MAP-MSDU(ブロック204によって示される)に存在する識別子とを抽出する。
無線バックホールの場合、これにはさまざまなステップが含まれる可能性がある。MAP-MSDUを保持するPPDUは、通常のPPDUが処理されるのと同じように、復調、デコード、分析、デフラグ、復号化される。ステップS202で、受信したPPDU内の設定に従って確認通知が送信されてもよい。
【0047】
MAP-MSDU内に存在する付加制御情報は、ステップS203で抽出され(ブロック206によって示される)、ステップS204で、識別子と共にMPDUまたはA-MPDUがメモリ205に格納される。ステップS203では、送信元アドレスをマスタAP 100に設定し、宛先アドレスをJTXでデータを受信する局に設定してもよい。
【0048】
続いて、スレーブAPは、選択されたMAC出力データユニットからマスタAPによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と連携して、スレーブAPからSTAに送信するための選択されたMAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによって、選択されたPHY出力データユニットを生成する。
特に、スレーブAP 200/210は、アナウンス情報(フレーム)を受信すると、そのPHYユニット202と、アナウンスに示されているような空間マッピングマトリックスとを構成し、PSDU内容、すなわち、1つ以上のMPDUまたはA-MPDUをPHYユニット202に転送する(ステップS205)。
PHYユニット202は、事前に定義された時間後、アナウンス情報(フレーム)の後、または、図10および図11のメモリ205をトリガするJTXトリガによって示されるマスタAPから受信されたトリガの後、のいずれかで、PSDUと共にPPDUを送信する(ステップS206)。
【0049】
図13は、マスタAP 200とスレーブAP 200/210との時間的動作を示す図であり、マスタAPとスレーブAPとの間の依存性を含む。
【0050】
図14は、無線バックホール例のためのマスタAP 100(図7に示す)とスレーブAP 200(図10に示す)の概略図であり、マスタAP 100およびスレーブAP 200を通るそれらの動作のステップのシーケンスおよび情報の流れは、丸番号1から11で示されている。
【0051】
図14に示すように、バックホール動作後、同じMAC出力データユニットがマスタAPおよびスレーブAPのメモリに存在する(両方のAPから送信されるMSDUのみが存在すると仮定する。そうでない場合、メモリ内容は互いにサブセットである)。破線は、送受信PHY MAC動作を示す。両方とも互いをキャンセルする(送信エラーがない場合。これは通常のリンクであるため、確認通知、再送などのすべての機能を適用できる)。
これは通常の無線リンクである。このリンクのPHY構成は、JTXとは異なる。JTXの場合、両方のAPは、PHY出力データユニットとしてPHY層処理によってMAC出力データユニットを同時に送信する。
【0052】
図15は、マスタAP100(図7に示す)とスレーブAP210(図11に示す)の概略図であり、DS/有線バックホールケースについて、それらの動作のステップシーケンスと、マスタAP 100およびスレーブAP 210を介した情報のフローとを、丸番号1から7で示している。
【0053】
図15に示すように、バックホール動作後、マスタAPおよびスレーブAPのメモリには同一のMAC出力データユニットが存在する。JTXの場合、両方のAPは、PHY出力データユニットとしてPHY層処理によってこれらのMAC出力データユニットを同時に送信する。
【0054】
ある実施形態では、スレーブAPは、実際にはAPおよびSTAを含んでもよい。STAはAPとコロケーションされ、両方が内部的にデータを交換する(局管理エンティティSME経由などで)。これは、AP-AP通信がWLANデバイスに対して定義されていないため、APとSTA間のデータ交換を常に有効にするためである。
この点に関して、マスタAPは、スレーブAPとコロケーションされているSTAに無線バックホール情報を送信する。このSTAは、上記のように内部データ交換を介してスレーブAPを設定している。
【0055】
MAP-MSDUは、JTX中にスレーブAPによって送信されるMPDUまたはA-MPDUを含む。さらに、MAP-MSDUは、制御情報を保持する。この制御情報は、MPDUまたはA-MPDUに集約されるか、または、マップヘッダの形式で追加されるフレーム内に存在してもよい。
【0056】
この制御情報は、少なくともMAP-MSDUの識別子を含んでもよい。この識別子は、マスタAPがJTXの前にスレーブAPに、MAP-MSDU内のどのMPDUまたはAMPDUを送信するべきかを示すために必要である。スレーブAPは、JTXでMAP-MSDUの複数のMPDUまたはA-MPDUを送信できる。それゆえ、一連の識別子は、送信されるMAP-MSDUのMPDUまたはA-MPDUの順序を配列してもよい。
【0057】
JTXを成功させるために、マスタAPによってスレーブAPに、より多くの制御情報が提供されてもよい。この情報は、上記の制御情報、または、アナウンスフレーム、あるいはJTXの前のトリガのいずれかに存在してもよい。この情報には、
- スレーブAPのPHY層の構成と、
- (任意の)スレーブAPに関連する空間マッピングマトリックス(すなわち、上記の例では少なくともQ2)と、
- スレーブAPが提供する空間ストリーム・インデックスまたは複数のインデックスと
の1つ以上を含んでもよい。
【0058】
アナウンスまたはトリガフレームには、次のJTXでスレーブAPによって送信されるMAP-MSDU内のMPDUまたはA-MPDUの1つ以上の識別子を含んでもよい。
【0059】
PHY操作にはさまざまなオプションがある。これらは、各APがJTXで実行する必要がある作業で異なる。この想定は、各APが2つの送信アンテナを有し、4つの送信アンテナが2つのAPの共同送信で使用されることである。
【0060】
まず、図16では、AP 100のPHYユニット102(ここでは102aとして示す)の実施形態の模式図を、JTXが存在しない通常モード、すなわち、マスタAPのみからすべてのMSDUがSTAに送信される通常モードである非マップモードで図示している。
スレーブAP200および210のPHYユニットは、それに応じて非MAPモードに構成されることに留意されたい。
【0061】
図17は、マップモードにおけるAP 100のPHYユニット102(ここでは102bと記載)の第1の実施形態の模式図である。
図18は、マップモードにおけるAP 200のPHYユニット202(ここでは202bとして示される)の第1の実施形態の模式図を示す。代替実施形態では、図17に示す実施形態をスレーブAP 200で使用してもよく、図18に示す実施形態をマスタAP 100で使用してもよい。
【0062】
図17および図18に示される第1の実施形態は、最も一般的なアプローチを使用する。
これはより複雑であるが、ほとんどのマップ ゲインを提供する。各PHYユニット102b、202bは、マップ内のすべてのNss空間ストリームに対して、スクランブル、FEC符号化、ストリーム構文解析、インターリーブ(任意)、コンスタレーションマッピングおよびCSDを実行する。これらの操作は、各APで同時に実行される。
CSD演算に続いて、それぞれのPHYユニット102b、202bは、Nss空間ストリームをNT,X,i送信ストリームにマップするそのQi行列と乗算する。NT,X,iは、使用されているアクティブな送信チェーンまたは送信アンテナの数に対応する。その後、それぞれのPHYユニット102b、202bは、自身のNT,X,iのアクティブな送信チェーンに対して、IDFT動作、GIの挿入、ウィンドウ処理、およびアナログおよびRF処理を実行する。
Nss > NT,X,i の場合、空間マッピングの前に必要なPHYユニットの処理能力は、空間マッピングの後よりも大きくなる。
【0063】
図19には、マップモードにおけるAP 100のPHYユニット102(ここでは102cとして示されている)の第2実施形態の模式図が示されている。
図20には、マップモードにおけるAP 210のPHYユニット212(ここでは212cと記載)の第2実施形態の模式図が示されている。代替実施形態では、図19に示す実施形態をスレーブAP 210で使用することができ、図20に示す実施形態をマスタAP 100で使用することができる。
【0064】
図19および図20に示された第2の実施形態は、あまり一般的ではない。複雑さは少なくなるが、正のMAPゲインは少なくなる。各PHYユニット102c、212cは、スクランブリング、FEC符号化、ストリームパーシングを実行する。これらの操作は、各APで同時に実行される。
ストリームパーサ動作に続いて、各PHYユニット102c、212cはインターリービング(任意)、コンステレーションマッピング、CSD(任意)、そのQiマトリクスによる空間マッピング、IDFT動作、GI、ウインドウイングの挿入、および、独自のNT,X,iのアクティブな送信チェーンのためのアナログ&RF処理を実行する。Nss > NT,X,iの場合、PHYユニットの必要な処理能力は、第1の実施形態と比較して大幅に低くなる。
【0065】
Qi行列は、第1の実施形態とは異なるサイズを有する。なお、第1の実施形態ではQiは、サイズNT,X,i×Nssであるのに対し、第2の実施形態ではサイズがNT,X,i×NT,X,iである。
なお、Q全体は、第1の実施形態では
【数4】
であるのに対し、第2の実施形態ではNss > NT,X,iの場合は、Qは、
【数5】
である。
したがって、第2の実施形態は、全体のQ行列に存在するように、反対角線上のゼロエントリを仮定する。
【0066】
第1の実施形態では、ストリームパーサは従来通り動作する。ラウンドロビン方式で、連続するビットを第1の空間ストリームに割り当てる。それに続いて、次の連続したビットを第2の空間ストリームなどにさらに割り当てる。最後の空間ストリームへのビットが割り当てられると、第1の空間ストリームから続行される。
しかしながら、第2の実施形態については、ストリームパーサの関連する出力のみがさらに処理され、特定のAPのための関連しない空間ストリームはそれ以上考慮されない。つまり、APはストリームパーサの一部の出力を破棄する。
【0067】
原則として、第1の実施形態および第2の実施形態は、マスタAPが第1の実施形態に従って動作するのに対し、スレーブAPは、例えば、第2の実施形態に従って動作するという意味で組み合わせてもよい。
【0068】
すべてのAPのすべてのPHYコンポーネントは、同じ設定を使用することが望ましい。これらの設定は、マスタAPとスレーブAPとで共有され、TXVECTORパラメータのすべてまたはサブセットが含まれてもよい。TXVECTORパラメータは、送信用にPHYを設定している。
TXVECTORの圧縮スキームが適用可能であってもよい。1つの方法は、受信側が受信PPDUを処理するために関連するすべてのTXVECTOR情報を含むため、JTXのPHYヘッダを送信することで構成される。
【0069】
第2の実施形態と同様に、プリアンブルについても、APは、空間ストリームがJTXにおいて役割を果たすべきものであることを知る必要がある。これは、空間ストリーム・インデックス番号によって示される。図19および20の例の場合、マスタAPは空間ストリーム1および空間ストリーム2を送信するのに対し、スレーブAPは空間ストリーム3および空間ストリーム4を提供する。
【0070】
マスタAPが全体的な空間マッピング行列Qを計算するか、各APが独自の空間マッピング行列を計算するかのいずれかである。第1のケースでは、スレーブAPに関連するQ行列の少なくともその部分が信号を送られるのに対し、第2のケースではQ行列信号を送る必要はない。
【0071】
本開示の実施形態は、詳細に説明されてきた。以下では、本開示の必須態様の短い要約が提供されるものとする。
【0072】
本開示は、AR/VRを含むUHDビデオ転送のようなアプリケーションに最近要求されている、無線通信の信頼性、待ち時間、およびスループットの強化を提供することを求めている。
複数AP(マルチAP)は、同時に1つ以上のSTA(ネットワークMIMOとも呼ばれる)に共同で送信すると想定されている。接続伝送における各APの送信信号は、(少なくとも部分的に)同一データから発生する。複数のAPは、1つのマスタAPと1つ以上のスレーブAPに分類される。STAは、(少なくとも)マスタAPに論理的に関連付けられる。
【0073】
PHY波形のバックホール送信は、PHY波形がアナログ信号であり、PHY冗長性を保持するため、非常に非効率的である。したがって、必要なバックホールビットレート要求は非常に高く、これはマルチAPのスループットと適用性を制限するため望ましくない。バックホールのレート要件を最小限に抑えることが目的である。
このソリューションはバックホール圧縮と見なすことができる。さらに、マスタおよびスレーブAPによるバックホールデータの非常に単純な圧縮および圧縮解除をそれぞれ有効にする必要がある。
【0074】
既知の通信方式の主な概念を図21に示す。
マスタAPは、スレーブAPのPPDU(波形)を生成し、バックホールを介してデジタル化されたPPDU波形をスレーブAPに送信する(ステップ1)。スレーブAPは、受信した波形を、接続送信用のトリガを受信(ステップ2)したら送信する(ステップ3)。したがって、バックホールはPPDU波形を伝える。
【0075】
本開示に係る通信方式の主な概念を図22に示す。
マスタAPは、MDPUまたはA-MPDUを、JTXに適用されるPHY構成と組み合わせて送信する(ステップ1)。スレーブAPは、受信したPHY構成に従って、受信したMPDUまたはA-MPDUをPHY層で処理し、JTXのトリガを受信すると(ステップ2)、送信されるPPDU波形を生成する(ステップ3)。
【0076】
より詳細には、図7から図12に示すように、本開示によれば、マスタAPは、後の接続送信のためにメモリに記憶され、M-AP情報(例えば、PHY構成、識別子)が追加されるA-MPDUを生成する。A-MPDUおよびM-AP情報は、DSに行くか、無線伝送のための通常のMSDUとして解釈されるかのいずれかであるMAP-MSDUを形成する。JTXトリガ後、メモリ内のA-MPDUはマスタAP PHYによって処理され、PPDUが送信される。
一実施形態では、スレーブAP(DS)は、DSからMAP-MSDUを受信し、M-AP情報を抽出する。その後、A-MPDUは、後の接続送信のためにメモリに格納される。JTXトリガを受信すると、スレーブAP PHYはM-AP情報のPHY構成に従ってAMPDUを処理し、PPDUが送信される。
別の実施形態では、スレーブAP(無線)は、MAP-MSDUを含むマスタAPからPPDUを受信する。MAP‐MSDUはバックホールPPDUから抽出される。以下の処理は、第1実施形態と同様である。バックホールとJTX PPDUではPHY構成が異なることに注意する。
【0077】
したがって、本開示を要約すると、バックホールは、スレーブAPによって送信されるデータユニット(MPDU/A-MPDUまたはPSDU)と、コンフィギュレーションデータとで構成される。既知のシステムでは、マスタAPはスレーブAPの送信信号を生成し、バックホールはスレーブAPのPPDUを伝達する。
本開示によれば、バックホールは、スレーブAPによって送信されるデータユニット(MPDU/A-MPDUまたはPSDU)と、コンフィギュレーションデータとで構成される。
【0078】
MPDU/A-MPDUレベルでバックホールを実装すると、PPDUレベルで行うよりもはるかに効率的である。PPDUレベルでは、チャネルコーディングのため、サンプルごとにI要素とQ要素とを量子化し、冗長性を確保する必要がある。
各I要素およびQ要素に対する8ビット量子化と1/2のチャネル符号レートとを仮定すると、バックホールビットレート要求に関するオーバヘッドは、(8*2*2=32)の係数で低減される。
【0079】
提示されたバックホール提案は、通常の802.11リンクにさらにシームレスに統合されてもよく、したがって、BAckまたはAckなどのすべてのMAC特徴を使用することができる。
【0080】
したがって、前述の議論は、単に本明細書の例示的な実施形態を開示し、説明しているに過ぎない。当業者には理解されるように、本明細書は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができる。したがって、本開示は、他のクレームと同様に、説明的であるが、開示の範囲を限定するものではないことを意図している。
本開示は、本明細書の教示の、任意の容易に識別可能な変形を含み、発明の主題が公衆に専用とされないように、前述の請求項の用語の範囲を部分的に定義する。
【0081】
請求項において「含む、備える、具備する」という語は、他の構成要件またはステップを除外することなく、不定冠詞「1つの~」は複数を除外しない。単一の構成要件または他のユニットは、請求範囲に記載されているいくつかの項目の機能を満たすことができる。
特定の手段が相互に異なる従属クレームで列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが利点を得るために使用できないことを示すものではない。
【0082】
本開示の実施形態が、少なくとも部分的に、ソフトウェア制御型のデータ処理装置によって実装されるものとして説明されている限り、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなど、そのようなソフトウェアを搬送する非一時的なコンピュータ可読媒体も、本開示の一実施形態を表すと考えられることが理解される。
さらに、このようなソフトウェアは、インターネットもしくは他の有線または無線電気通信システムを介して、他の形態で配布することもできる。
【0083】
ここで開示された装置、機器およびシステムの要素は、例えば適切な回路のように、対応するハードウェアおよび/またはソフトウェア要素によって実現することができる。回路は、従来の回路素子、特定用途向け集積回路を含む集積回路、標準集積回路、特定用途向け標準製品、およびフィールドプログラマブルゲートアレイを含む電子部品の構造アセンブリである。
さらに、回路は、中央処理ユニット、グラフィック処理ユニット、およびマイクロプロセッサを含み、これらは、ソフトウェアコードに従ってプログラムまたは構成される。回路は、上述のソフトウェアを実行するハードウェアを含むが、純粋なソフトウェアを含まない。
【0084】
以下は、開示された主題のさらなる実施形態のリストに従う。
1. -第2の通信デバイスに送信されるMAC入力データユニットのメディアアクセス制御(MAC)層処理を実行することによってMAC出力データユニットを生成し、かつ、
-1つ以上の選択されたMAC出力データユニットの制御情報を生成する
ように構成された
MAC層回路と、
-前記MAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによってPHY出力データユニットを生成するように構成された
PHY層回路と、
を具備し、
前記制御情報は、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットが第3の通信デバイスによって処理される物理(PHY)層であり、かつ、前記第3の通信デバイスおよび第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信されることを示し、
前記選択されたMAC出力データユニットから前記第3の通信デバイスによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と協調して、前記第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたMAC出力データユニットから、選択されたPHY出力データユニットが生成され、
前記第1の通信デバイスは、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットおよび関連する前記制御情報を前記第3の通信デバイスに提供するように構成されている
第1の通信デバイス。
2. 前記MAC層回路は、前記選択されたMAC出力データユニットを生成するために、MAC入力データユニットの1つ以上の宛先アドレスに基づいて1つ以上のMAC入力データユニット、前記第2の通信デバイスの位置、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイス間のチャネル状態情報、前記第3の通信デバイスと前記第2の通信デバイス間のチャネル状態情報、および、MAC入力データユニットの優先度を選択するように構成されている
任意の先の実施形態で定義された第1の通信デバイス。
3. 前記制御情報は、選択されたMAC出力データユニットの送信元としての前記第1の通信デバイスを示す送信元アドレス情報と、選択されたMAC出力データユニットの宛先としての前記第3の通信デバイスを示す宛先アドレス情報とを含む
任意の先の実施形態で定義された第1の通信デバイス。
4. 前記制御情報は、選択されたMAC出力データユニットを識別する識別子を含む
任意の先の実施形態で定義された第1の通信デバイス。
5. 前記第1の通信デバイスは、前記第1の通信デバイスおよび前記第3の通信デバイスによって選択されたPHY出力データユニットの協調送信を、前記第3の通信デバイスに通知するように構成されている
任意の先の実施の形態で定義された第1の通信デバイス。
6. -前記協調送信において前記第3の通信デバイスによって前記第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたPHY出力データユニットを生成するために使用される1つ以上の選択されたMAC出力データユニットの識別子と、
-前記選択されたPHY出力データユニットを生成するために使用される前記第3の通信デバイスのPHY層回路の構成を示すPHY層構成情報と、
-前記協調送信において使用される前記第3の通信デバイスによって実行される空間マッピングを示す空間マッピング情報と、
-前記協調送信において使用される前記第3の通信デバイスによって提供される1つ以上のストリームを示すストリーム・インデックス情報と、
のうちの1つ以上を含むトリガおよび/またはアナウンスを送信することによって、前記第3の通信デバイスに通知するように、前記第1の通信デバイスが構成されている
実施形態5で定義された第1の通信デバイス。
7. 前記制御情報は、それぞれの選択されたMAC出力データユニットに含まれるか、または、関連する、
任意の先の実施形態で定義された第1の通信デバイス。
8. 前記制御情報は、それぞれ選択されたMAC出力データユニットの先頭ヘッダまたは制御フレームに含まれる
実施形態7で定義された第1の通信デバイス。
9. 前記MAC層回路は、前記制御情報を生成した後に、選択されたMAC入力データユニットとして前記1つ以上の選択されたMAC入力データユニットのMAC層処理を実行して、1つ以上の選択された新たなMAC出力データユニットを生成するように構成されており、
前記PHY層回路は、前記制御情報に含まれるアドレス情報に従って、前記1つ以上の選択された新たなMAC出力データユニットのPHY層処理を実行して、前記第3の通信デバイスに送信するための1つ以上の選択された新たなPHY出力データユニットを生成するように構成されている
任意の先の実施形態で定義された第1の通信デバイス。
10. 前記第1の通信デバイスは、前記制御情報と共に前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットを前記第3の通信デバイスとは異なる外部エンティティに提供し、前記外部エンティティが前記制御情報に従って前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットを前記第3の通信デバイスに提供できるように構成されている
任意の先の実施形態で定義された第1の通信デバイス。
11. 前記第1の通信デバイスおよび前記第3の通信デバイスがアクセスポイントとして動作するように構成され、前記第2の通信デバイスが局として動作するように構成されている
任意の先の実施形態で定義された第1の通信デバイス。
12. 前記MAC入力データユニットは、MACサービスデータユニット(MSDU)または集約MSDU(A-MSDU)であり、前記MAC出力データユニットは、MACプロトコルデータユニット(MPDU)または集約MPDU(A-MPDU)であり、前記PHY出力データユニットは、物理プロトコルデータユニット(PPDU)である
任意の先の実施形態で定義された第1の通信デバイス。
13. 前記PHY層回路は、
-前記MAC出力データユニットをN個の空間ストリームに分割し(N個は協調送信における空間ストリームの数に対応する)、
-空間ストリームごとに並列に、インターリーブおよび/またはコンスタレーションマッピング処理を実行し、
-処理されたN個の空間ストリームをM個の送信ストリームにマッピングする空間ストリームマッピングを実行し、
-M個の送信ストリームの逆フーリエ変換ならびにアナログおよびRF処理を実行して(M個は、前記第1の通信デバイスのアクティブな送信チェーンの数に対応する)、M個の送信信号を生成する
ように構成されている
任意の先行する実施形態で定義された第1の通信デバイス。
14. 前記PHY層回路は、
-前記MAC出力データユニットをN個の空間ストリームに分割し、
-前記N個の空間ストリームのうちのM個について、空間ストリーム毎に並列に、インターリーブおよび/またはコンスタレーションマッピング、空間ストリームマッピング、逆フーリエ変換、ならびに、アナログおよびRF処理を行って、M個の送信信号を生成する(M個は、前記第1の通信デバイスのアクティブな送信チェーンの数に対応する)
ように構成されている
任意の先行する実施形態で定義された第1の通信デバイス。
15. 第1の通信デバイスから1つ以上の選択されたメディアアクセス制御(MAC)出力データユニットおよび関連する制御情報を取得するように構成されたMAC層回路と、
前記選択されたMAC出力データユニットから前記第1の通信デバイスによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と協調して、第3の通信デバイスから第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたMAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによって、選択されたPHY出力データユニットを生成するように構成されたPHY層回路と、
を具備し、
前記制御情報は、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットが前記第3の通信デバイスによって処理される物理(PHY)層であり、かつ、前記第3の通信デバイスおよび前記第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信されることを示す
第3の通信デバイス。
16. 前記PHY層回路は、前記第1の通信デバイスから1つ以上の選択されたMAC出力データユニットを受信し、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットの逆PHY層処理を実行して、逆PHY層出力データユニットを生成するように構成されており、
前記MAC層回路は、前記逆PHY層出力データユニットの逆MAC層処理を実行して、関連する前記制御情報および前記選択されたMAC出力データユニットを取得するように構成されており、
前記PHY層回路は、前記選択されたMAC出力データユニットから前記選択されたPHY出力データユニットを生成するように構成されている
実施形態15に定義された第3の通信デバイス。
17. 前記MAC層回路は、前記第1の通信デバイスとは異なる外部エンティティから1つ以上の選択されたMAC出力データユニットおよび関連する前記制御情報を受信するように構成されている
実施形態15または16に定義された第3の通信デバイス。
18. 前記MAC層回路は、前記制御情報を処理するように構成され、
前記制御情報は、選択されたMAC出力データユニットを識別する識別子を含む
実施形態15から17のいずれか1つに定義された第3の通信デバイス。
19. 前記第3の通信デバイスは、前記第1の通信デバイスおよび前記第3の通信デバイスによるPHY出力データユニットの協調送信を前記第3の通信デバイスに通知する通知を前記第1の通信デバイスから受信するように構成されている
実施形態15から18のいずれか1つに定義された第3の通信デバイス。
20. -前記協調送信において前記第3の通信デバイスによって前記第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたPHY出力データユニットを生成するために使用される1つ以上の選択されたMAC出力データユニットの識別子と、
-前記選択されたPHY出力データユニットを生成するために使用される前記第3の通信デバイスのPHY層回路の構成を示すPHY層構成情報と、
-前記協調送信において使用される前記第3の通信デバイスによって実行される空間マッピングを示す空間マッピング情報と、
-前記協調送信において使用される前記第3の通信デバイスによって提供される1つ以上のストリームを示すストリーム・インデックス情報と、
のうちの1つ以上を含むトリガおよび/またはアナウンスを受信するように、かつ、
前記トリガおよび/またはアナウンスに含まれる情報を使用して、前記選択されたMAC出力データユニットを決定し、かつ/または、前記PHY層構成、前記空間マッピングおよび/または1つ以上のストリームのストリーミングを設定するように、
前記第3の通信デバイスが構成されている
実施形態15から19のいずれか1つに定義された第3の通信デバイス。
21. -第2の通信デバイスに送信されるMAC入力データユニットのメディアアクセス制御(MAC)層処理を実行することによってMAC出力データユニットを生成するステップと、
-1つ以上の選択されたMAC出力データユニットの制御情報を生成するステップと、
-前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットおよび関連する前記制御情報を第3の通信デバイスに提供するステップと、
-前記MAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによってPHY出力データユニットを生成するステップと、
を含み、
前記制御情報は、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットが前記第3の通信デバイスによって処理される物理(PHY)層であり、かつ、前記第3の通信デバイスおよび第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信されることを示し、
前記選択されたMAC出力データユニットから前記第3の通信デバイスによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と協調して、前記第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたMAC出力データユニットから、選択されたPHY出力データユニットが生成される
第1の通信デバイスの通信方法。
22. 第1の通信デバイスから1つ以上の選択されたメディアアクセス制御(MAC)出力データユニットおよび関連する制御情報を取得するステップと、
前記選択されたMAC出力データユニットから前記第1の通信デバイスによって生成された選択されたPHY出力データユニットの送信と協調して、第3の通信デバイスから第2の通信デバイスに送信するために、前記選択されたMAC出力データユニットのPHY層処理を実行することによって、選択されたPHY出力データユニットを生成するステップと、
を含み、
前記制御情報は、前記1つ以上の選択されたMAC出力データユニットが前記第3の通信デバイスによって処理される物理(PHY)層であり、かつ、前記第3の通信デバイスおよび前記第1の通信デバイスから前記第2の通信デバイスに送信されることを示す
第3の通信デバイスの通信方法。
23. プロセッサによって実行されると、実施形態21または22に定義された方法が実行される、コンピュータプログラム製品内に記憶する、非一時的コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
24. コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、前記コンピュータに実施形態21または22に定義された方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を具備するコンピュータプログラム。
図1
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【国際調査報告】