(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】電動ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04D 13/06 20060101AFI20221221BHJP
H01R 4/48 20060101ALI20221221BHJP
F04D 29/00 20060101ALI20221221BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20221221BHJP
H02K 11/40 20160101ALI20221221BHJP
【FI】
F04D13/06 H
H01R4/48 C
F04D29/00 B
H02K7/14 B
H02K11/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523887
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2021079937
(87)【国際公開番号】W WO2021185131
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】202010181934.5
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011410931.0
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、 ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、 ジュピン
(72)【発明者】
【氏名】フ-、 シーフォン
【テーマコード(参考)】
3H130
5H607
5H611
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AB22
3H130AB60
3H130AC13
3H130BA88H
3H130DD04Z
3H130DF01X
3H130DF02X
5H607AA05
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC01
5H607CC07
5H607FF06
5H607JJ10
5H611BB01
5H611BB06
5H611TT01
5H611UA03
(57)【要約】
電動ポンプ(100)であって、ステータユニット(2)と、電子制御板ユニット(4)と、導電可能な伝導部材(8)とを含み、ステータユニット(2)と電子制御板ユニット(4)とは電気的に接続され、ステータユニット(2)はステータコア(21)を含み、伝導部材(8)は電子制御板ユニット(4)の基準グランド層とステータコア(21)とを電気的に接続し、このように、電子制御板ユニット(4)に対する蓄積電荷の影響の減少に寄与し、電動ポンプ(100)の性能を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に接続されたステータユニット及び電子制御板ユニットを含む電動ポンプであって、
導電可能な伝導部材をさらに含み、前記ステータユニットは、ステータコアを含み、
前記伝導部材は、前記電子制御板ユニットの基準グランド層と前記ステータコアとを電気的に接続する、ことを特徴とする電動ポンプ。
【請求項2】
前記伝導部材は、前記電子制御板ユニットの基準グランド層に接続される第1接続端と、前記ステータコアに当接される第2接続端と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電動ポンプ。
【請求項3】
少なくとも一部の前記ステータコアの表面と前記電子制御板ユニットの表面とは、同じ室内に位置し、
少なくとも一部の前記ステータコアの表面と前記電子制御板ユニットの表面との間に空気通路が予め設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の電動ポンプ。
【請求項4】
前記ステータコアと前記電子制御板ユニットの表面とを電気的に接続する導電部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項2に記載の電動ポンプ。
【請求項5】
前記電子制御板ユニットは、基板と、前記基板上に設けられた電子素子とを含み、
前記基板は、第1面と第2面とを含み、
前記第1面は、前記第2面よりも前記ステータユニットに近く、
前記電子制御板ユニットは、前記第1面に位置し且つ前記電子制御板ユニットの基準グランド層に電気的に接続される当接部をさらに含み、
前記第1接続端は、前記当接部と接触して設けられるとともに、前記当接部と電気的に接続される、ことを特徴とする請求項3または4に記載の電動ポンプ。
【請求項6】
前記伝導部材は、弾性素子であり、
前記伝導部材は、前部が前記第2接続端に接続される傾斜段を含み、
前記傾斜段は、前記第2接続端と一体的に設けられ、
前記傾斜段は、前記第1接続端に対して前記第2接続端に近く、
前記電動ポンプは、少なくとも一部が前記ステータユニットの外周に位置する第1ハウジングを含み、
少なくとも一部の前記傾斜段は、前記第1ハウジングと前記ステータコアの外周面との間に位置し、
前記傾斜段は、前記ステータコアの外周面と角度をなして設けられ、
前記第2接続端は、前記ステータコアの外周面に当接される、ことを特徴とする請求項5に記載の電動ポンプ。
【請求項7】
前記伝導部材は、弾性素子であり、
前記伝導部材は、前部が前記第2接続端に接続される傾斜段を含み、
前記傾斜段は、前記第2接続端と一体的に設けられ、
前記傾斜段は、前記第1接続端に対して前記第2接続端に近く、
前記電動ポンプは、少なくとも一部が前記ステータユニットの内周に位置するスペーサ部を含み、
少なくとも一部の前記傾斜段は、前記スペーサ部と前記ステータコアの内周面との間に位置し、
前記傾斜段は、前記ステータコアの内周面と角度をなして設けられ、
前記第2接続端は、前記ステータコアの内周面に当接される、ことを特徴とする請求項5に記載の電動ポンプ。
【請求項8】
少なくとも前記ステータユニットをインサートとして第1射出部材を射出成形し、
前記第1射出部材は、前記ステータユニットの一部の外表面を被覆する射出部を含み、
前記射出部は、前記第1射出部材の軸方向に沿って延伸し且つ少なくとも1つの開口が前記電子制御板ユニットに向く孔部を含み、
前記ステータユニットの円周方向に沿って隣り合う2つの前記巻線の間には、少なくとも1つの前記孔部が設けられており、
前記コアヨーク部の内周面は、前記孔部の第1側壁を構成し、
前記第2接続端は、前記孔部の室体に入り込んで前記第1側壁と接触する、ことを特徴とする請求項5に記載の電動ポンプ。
【請求項9】
前記伝導部材は、別体として設けられる第1導電部、第2導電部を含み、
前記第1接続端は、前記第1導電部の第1端に成形され、
前記第2接続端は、前記第2導電部の第1端に成形され、前記第1導電部の第2端と前記第2導電部の第2端とが接触する、ことを特徴とする請求項6~8のいずれかの1項に記載の電動ポンプ。
【請求項10】
少なくとも前記第1導電部および前記第2導電部のいずれか一方は、弾性素子であり、
前記第2導電部は、前記傾斜段を含み、
前記第1導電部の第1端が、前記電子制御板ユニットの基準グランド層に電気的に接続され、且つ、前記第1導電部の第2端が、前記第2導電部の第2端と接触する場合の前記第1導電部の長さを使用高さとして定義し、
前記第1導電部の使用高さは、前記第1導電部の自然状態における高さよりも小さい、ことを特徴とする請求項9に記載の電動ポンプ。
【請求項11】
前記電動ポンプは、前記電子制御板ユニットと前記ステータコアとの間に位置する位置制限部を含み、
前記位置制限部は、前記位置制限部の軸方向に沿って延伸し、大溝部と切欠部とを含む第1位置制限溝を含み、
前記大溝部と前記切欠部とは連通し、
前記大溝部の幅が前記切欠部の幅よりも大きく、
前記伝導部材は、互いに接続されて一体的に設けられ、前記第1接続端と前記第2接続端との間に位置する第1位置制限段及び折り曲げ段をさらに含み、
前記第1位置制限段が、前記折り曲げ段よりも前記第1接続端に近く、前記第1位置制限段の少なくとも一部が前記大溝部に入り込み、
前記第1位置制限段の幅が、前記切欠部の幅よりも大きく、少なくとも一部の前記折り曲げ段が前記切欠部に位置する、ことを特徴とする請求項10に記載の電動ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年03月16日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202010181934.5であり、発明名称が「電動ポンプ」である中国特許出願、および、2020年12月03日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202011410931.0であり、発明名称が「電動ポンプ」である中国特許出願という2つの中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
【0002】
本発明は、流体ポンプに関し、具体的に、電動ポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
電動ポンプは、電気的に接続されるステータユニット、電子制御板ユニットを含み、回路基板上に電子素子が設けられている。
通常、電動ポンプの使用過程で、外部システムまたは電動ポンプ自体は、蓄積電荷を発生することになり、これらの蓄積電荷は、電子素子の性能、使用に影響を与える可能性があり、さらに、電動ポンプの性能に影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電動ポンプの性能に対する蓄積電荷の影響の減少に寄与する電動ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明の一実施形態は、以下のものを採用する。
電気的に接続されたステータユニット及び電子制御板ユニットを含む電動ポンプであって、導電可能な伝導部材をさらに含み、前記ステータユニットは、ステータコアを含み、前記伝導部材は、電子制御板ユニットの基準グランド層とステータコアとを電気的に接続する、電動ポンプである。
【0006】
本発明において、電動ポンプは、導電可能であって、電子制御板ユニットの基準グランド層とステータコアとを電気的に接続する伝導部材をさらに含み、ステータコアが基準グランド層に接続されるから、ステータコアと電子制御板ユニットの表面とは電位差が形成される。
このように、電子制御板ユニットの表面に蓄積された電荷がステータコアに伝導することに寄与することにより、電子制御板ユニットに対する蓄積電荷の影響の減少に寄与し、さらに電動ポンプの性能を向上させることに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1実施形態である電動ポンプの断面構造模式図。
【
図2】
図1におけるステータユニットの立体構造模式図。
【
図3】
図2におけるステータコアの立体構造模式図。
【
図9】
図1における電子制御板ユニットの立体構造模式図。
【
図10】
図1における電子制御板ユニット、固定部、伝導部材が組み付けられた立体構造模式図。
【
図12】
図10における固定部、伝導部材が組み付けられた立体構造模式図。
【
図13】本発明の第2実施形態である電動ポンプの断面構造模式図。
【
図15】本発明の第3実施形態である電動ポンプの断面構造模式図。
【
図17】
図15における第1射出部材の一方向における立体構造模式図。
【
図18】
図15における第1射出部材の他方向における立体構造模式図。
【
図20】
図19においてA-A方向断面に沿った断面構造模式図。
【
図22】
図21においてB-B方向断面に沿った断面構造模式図。
【
図24】本発明の第4実施形態である電動ポンプの断面構造模式図。
【
図25】
図24における第1射出部材の一方向における立体構造模式図。
【
図26】
図24における第1射出部材の他方向における立体構造模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面および実施例を結合して、本発明をさらに説明する。
以下の電動ポンプは、自動車の熱管理システムの作動媒体に対して流動動力を提供でき、作動媒体は、50%エチレングリコールを含む水溶液、または、清水であってもよく、この作動媒体は、他の物質であってもよい。
【0009】
図1を参照すれば、電動ポンプ100は、ポンプハウジングと、ロータユニット1と、ステータユニット2と、ポンプ軸3と、電子制御板ユニット4とを含み、ロータユニット1が、ポンプ軸3の外周に外挿される。
そして、ポンプハウジングは、相対的に固定接続された第1ハウジング5及び第2ハウジング6を含み、このポンプハウジングは、ポンプ内室を形成することができ、電動ポンプ100は、作動媒体が流れることができる第1室80と、作動媒体と直接的に接触しない第2室90とにポンプ内室を区画するスペーサ部7をさらに含み、ロータユニット1は、第1室80に位置し、ステータユニット2および電子制御板ユニット4は、第2室90に位置する。
本実施例において、第1ハウジング5とスペーサ部7との間の接続部分に第1環状シールリング101が設けられ、第2ハウジング6とスペーサ部7との間の接続部分に第2環状シールリング102が設けられている。
そして、この設けられた第1環状シールリング101の構造は、第1ハウジング5とスペーサ部7との間の接続箇所で作動媒体が染み出すことを阻止でき、設けられた第2環状シールリング102の構造は、第2ハウジング6とスペーサ部7との間の接続箇所で作動媒体が染み出すことを阻止することができると同時に、ポンプ内室に外界媒体が染み込むことを阻止することができる。
図1を参照すれば、ステータユニット2と電子制御板ユニット4とは、電気的に接続され、ロータユニット1は、永久磁石11とインペラユニット12とを含み、電動ポンプ100が作動する場合、電子制御板ユニット4は、ステータユニット2を流れる電流を制御してさらにステータユニット2に発生した励起磁場を制御し、ロータユニット1は、励起磁場の作用によりポンプ軸3周りに回動する。
【0010】
図2を参照すれば、ステータユニット2は、ステータコア21と、絶縁ホルダ22と、少なくとも3つの巻線23とを含み、絶縁ホルダ22がステータコア21の少なくとも一部の表面を被覆し、巻線22が絶縁ホルダ23に巻かれ、巻線23が
図1における電子制御板ユニット4と電気的に接続される。
具体的には、本実施例におけるステータユニット2は、6つの巻線23を含み、ステータユニット2は、ほかの数の巻線を含んでもよく、例えば、3つや9つや12つ等のほかの数である。
図3を参照すれば、ステータコア21は、コアネック部211と、コアシュー部212と、コアヨーク部213とを含み、このコアヨーク部213は、コアネック部211の少なくとも一部の外周に設けられ、コアネック部211は、コアシュー部212とコアヨーク部213とを接続し、コアネック部211が
図2における巻線23の巻きのために支持を提供し、本実施例において、コアネック部211の数が、
図2における巻線23の数と対応的に同じである。
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態である電動ポンプの構造模式図であり、以下、第1実施形態の電動ポンプの構造を詳しく紹介する。
【0012】
図1~
図5を参照すれば、電動ポンプ100は、導電可能な伝導部材8をさらに含む。
そして、この伝導部材8は、電子制御板ユニット4の基準グランド層と電気的に接続される第1接続端81と、ステータコア21と電気的に接続される第2接続端82とを含み、電子制御板ユニット4の基準グランド層は、伝導部材8を介してステータコア21と電気的に伝導する。
また、ステータコア21が、基準グランド層に電気的に接続されるから、ステータコア21と電子制御板ユニット4の表面とは、電位差を形成することができる。
このように、電子制御板ユニット4の表面に蓄積された電荷がステータコア21に伝導することに寄与することにより、電子制御板ユニット4における電子素子に対する蓄積電荷の影響の減少に寄与し、さらに、電動ポンプに対する蓄積電荷の影響の減少に寄与し、同時にも電動ポンプの電磁両立性の向上に寄与する。
ここでの蓄積電荷は、静電と、電子制御板ユニット自体が発生した電磁障害とを含む。
そして、この蓄積電荷が、ステータコア21に伝導できることをさらに保証するために、ここでは、2種類の実施形態を含むことができ、第1実施形態において、少なくとも一部のステータコア21の表面と電子制御板ユニット4の表面とは、同じ室内に位置し、ステータコア21の表面と電子制御板ユニット4の表面との間に空気通路が予め設けられている。
さらに、第2実施形態における電動ポンプは、導電部材を設けてもよく、導電部材を介してステータコア21と電子制御板ユニット4の表面とを接続し、導電部材の構造が伝導部材の構造と同じであってもよい。
以下、上記第1実施形態で紹介し、即ち、ステータコア21の表面と電子制御板ユニット4の表面とは、第2室90に位置する。
【0013】
図1~
図5を参照すれば、本実施例における第2接続端82は、コアヨーク部213と接触し、具体的には、
図1および
図3を参照すれば、コアヨーク部213は、内周面2131と外周面2132とを含み、コアヨーク部213は、内周面2131が外周面2132よりもステータコア21の軸方向の中心軸線に近い。
そして、第2接続端82は、コアヨーク部213の外周面2132と接触する。
【0014】
図1、
図5~
図8を参照すれば、本実施例における伝導部材8は、別体として設けられる第1導電部83及び第2導電部84を含む。
ここでの「別体として設けられる」とは、第1導電部83および第2導電部84をそれぞれ独立した2つの部品に加工して組み付けることを意味する。
図6~
図8を参照すれば、本実施例における第1接続端81は、第1導電部83の第1端に位置し、第2接続端82は、第2導電部84の第1端に位置し、第1導電部83の第2端832と第2導電部84の第2端842とは接触し、具体的には、本実施例において、第1導電部83の第2端832と第2導電部84の第2端842とは、直接的に接触し、第1導電部83の第2端832と第2導電部84の第2端とは、導電アダプタ部材を介して間接的に接触してもよい。
本実施例における伝導部材8は、第1導電部83と第2導電部84とを含み、これらの第1導電部83および第2導電部84が別体として設けられ、第1導電部83および第2導電部84が一体的に設けられてもよく、ここでの「一体的に設けられる」とは、第1導電部83および第2導電部84を1つの部品に加工することを意味し、伝導部材8は、第2導電部84のみを含んでもよく、つまり、伝導部材8は、1つの部品から構成され、具体的には、本発明における第2実施形態の電動ポンプおよび第3実施形態の電動ポンプを参照可能である。
伝導部材は、2つまたは2つ以上の部品から構成されてもよい。
【0015】
図1、
図5~
図8を参照すれば、第1導電部83および第2導電部84の少なくとも1つは、弾性素子であり、具体的には、本実施例における第1導電部83および第2導電部84は、ともに弾性素子であり、第1導電部83の第1端が電子制御板ユニット4の基準グランド層と電気的に接続されて第1導電部83の第2端832と第2導電部84の第2端842とが接触する場合に第1導電部83の高さを使用高さとして定義し、第1導電部83の使用高さは、この第1導電部83の自然状態における高さよりも小さい。
つまり、第1導電部83の第2端832と第2導電部84の第2端842とが接触する場合、第1導電部83は、第2導電部84の正圧を受けることによって圧縮され、さらに、第1導電部83の使用高さは、この第1導電部83の自然状態における高さよりも小さくなる。
このように、第1導電部83と電子制御板ユニット4の基準グランド層との接触の信頼性、および、第1導電部83と第2導電部84との接触の信頼性を向上させることに寄与する。
これにより、蓄積電荷が第1導電部83および第2導電部84を介して伝導できることに寄与し、また、ステータユニット2および/または電子制御板ユニット4および/または第1導電部83および/または第2導電部84が加工製造および組立ての過程において高さ誤差の存在の可能性があるから、第1導電部83および第2導電部84がともに弾性素子であることは、さらに、ステータユニット2および/または電子制御板ユニット4および/または第1導電部83および/または第2導電部84の加工製造および組立ての過程における高さ誤差に適応することに寄与し、さらに、伝導部材とステータコア21、並びに伝導部材と電子制御板ユニット4の接触の信頼性の向上に寄与する。
【0016】
図1、
図4~
図8を参照すれば、第2導電部84は、第2接続端82と一体的に設けられる傾斜段843を含み、本実施例における第2接続端82は、鉛直状をなし、傾斜段843と角度をなして設けられ、第2接続端82は、傾斜状をなすとともに、傾斜段843と角度をなして設けられてもよい。
あるいは、第2接続端82は、傾斜段843の延長段とするとともに、傾斜段843と平行または重ね合わせて設けられている。
ここでは、第2接続端82に関する設置は、上記のいくつかの態様だけに限定されるものではない。
図1~
図5を参照すれば、傾斜段843は、ステータコア21のコアヨーク部213の外周面2132と角度をなして設けられ、ここでは、コアヨーク部213の外周面2132は、ステータコアの外周面である。
本実施例における傾斜段843の外側面は、第1ハウジング5と接触し、この第1ハウジング5は、傾斜段843に作用力を生成し、傾斜段843がステータコア21と角度をなして設けられ、且つ、傾斜段843が第2接続端82と一体的に設けられ、第2接続端82が
図3におけるコアヨーク部213の外周面2132と接触することにより、第2接続端82をステータコア21のコアヨーク部213の外周面2132によりよく貼り合わせ、さらに第2接続端82とステータコア21との接触の信頼性の向上に寄与する。
【0017】
また、
図1~
図3を参照すれば、本実施例におけるステータユニット2と第1ハウジング5とは、別体として設けられ、ここでの「別体として設けられる」とは、ステータユニット2および第1ハウジング5をそれぞれ2つの単独の部品に加工して組み付けることを意味する。
ステータユニット2および第1ハウジング5は、射出成形によって接続して一体的に形成されてもよく、具体的には、以下の2種類の態様を含むことができ、第1実施態様は、以下のことであり、即ち、少なくともステータユニット2をインサートとして第1ハウジング5を射出成形し、この場合、ステータコア21のコアヨーク部213の少なくとも一部の外周面2132を露出させることができ、露出されたコアヨーク部213の外周面が、
図5における伝導部材8の第2接続端82と接触するために用いられることができる。
これにより、ステータコア21、伝導部材8および電子制御板ユニット4の基準グランド層が導電通路を形成でき、電子制御板ユニット4における電子素子に対する蓄積電荷の影響の減少に寄与し、さらに、電動ポンプの性能に対する蓄積電荷の影響の減少に寄与し、一方、電磁障害に発生した電荷について、電動ポンプの電磁両立性の向上に寄与する。
第2実施態様は、以下のことであり、即ち、まず、ステータコア21と伝導部材8の第2接続端82とを固定接続し、または、位置制限して設け、ここでは、ステータコア21と伝導部材8の第2接続端82との固定態様は、接着、係着等のほかの固定態様であってもよく、そして、さらにステータユニット2および少なくとも一部の伝導部材8をインサートとして第1ハウジング5を射出成形する。
また、本実施例において、ポンプ軸3をインサートとしてスペーサ部7を射出成形し、このスペーサ部7と第1ハウジング5とは別体として設けられ、スペーサ部7は、ステータユニット2と一体的に設けられてもよく、あるいは、スペーサ部7、ステータユニット2および第1ハウジング5は一体的に設けられてもよく、具体的には、以下の第3実施形態である電動ポンプの詳しい紹介を参照可能であり、ここでは、一々に贅言しない。
【0018】
図9および
図10を参照すれば、電子制御板ユニット4は、基板41と、基板41上に設けられた電子素子42とを含む。
この基板41は、第1面411と第2面412とを含み、第1面411が第2面412よりも
図1におけるステータユニット2に近い。
そして、電子制御板ユニット4は、第1面411に設けられ、この電子制御板ユニット4の基準グランド層と電気的に接続される当接部43をさらに含み、
図5における第1接続端81は、当接部43と接触して設けられるとともにこの当接部43と電気的に接続される。
本実施例において、当接部43の表面に導電層が成形され、そのうち、導電層は、錫メッキ層、無電解ニッケルめっきおよび金浸漬等の処理であってもよく、このように、当接部43と
図6における第1接続端81との間の導電性の向上に寄与し、当接部43は、1つの単独の部品に加工されてさらに基板41と固定接続されてもよく、この場合、当接部43は、導電金属片等のほかの導電可能な構造であってもよい。
図6、
図9および
図10を参照すれば、本実施例において、第1導電部83の第1端は、第1接続端81であり、第1接続端81は、当接部43に溶接され、第1導電部83の第2端832は、片持ち端であり、第1導電部83の第2端832は、第2導電部84に当接される。
【0019】
図1、
図10~
図12を参照すれば、電動ポンプ100は、電子制御板ユニット4とステータコア21との間に位置する位置制限部9をさらに含み、第1接続端81は、位置制限部9の一方側に位置し、第2接続端82は、位置制限部9の他方側に位置する。
そして、この位置制限部9は、位置制限部9の軸方向に沿って延伸し、位置制限部9の中心に対して位置制限部9の縁に近く設けられる第1位置制限溝91を含む。
図11を参照すれば、第1位置制限溝91は、大溝部911と切欠部912とを含み、大溝部911と切欠部912とが連通し、大溝部911の幅が切欠部912の幅よりも大きい。
図5、
図7、
図8および
図12を参照すれば、伝導部材8は、一体的に設けられた第1位置制限段844、折り曲げ段845および第2位置制限段846をさらに含み、折り曲げ段845が、第1位置制限段844と第2位置制限段846とを接続し、第2位置制限段846が、第1位置制限段844よりも傾斜段843に近く、本実施例において、第1位置制限段844、折り曲げ段845および第2位置制限段846が、第2導電部84に成形され、具体的には、第1位置制限段844、折り曲げ段845および第2位置制限段846が、第2導電部84の第1端と第2導電部84の第2端842との間に位置し、
図12を結合すれば、第1位置制限段844の少なくとも一部が、大溝部911に入り込み、第1位置制限段844の幅が、切欠部912の幅よりも大きく、第1位置制限段844が、大溝部911と緊密に嵌合され、少なくとも一部の折り曲げ段845が、切欠部912に位置する。
以上の実施態様により、第2導電部84が、径方向および軸方向で位置制限されることに寄与することにより、第2導電部84が、径方向および軸方向で移動することの防止に寄与する。
図11を参照すれば、位置制限部9は、この位置制限部9の軸方向に沿って延伸する第2位置制限溝92をさらに含み、本実施例において、第2位置制限溝92が、第1位置制限溝91よりも
図1におけるステータコア21に近く、第2位置制限溝92が、位置制限部9の中心に対して位置制限部9の縁に近く設けられる。
図12を結合すれば、第2位置制限段846の少なくとも一部は、第2位置制限溝92に位置し、このように、第2導電部84と位置制限部9との間の軸方向の支持面積を増加することに寄与し、さらに、第2導電部84の揺動を防止することに寄与する。
【0020】
図11および
図12を参照すれば、位置制限部9は、さらに、この位置制限部9の表面から
図1における電子制御板ユニット4の方向に向けて凸となって設けられる位置決め柱93を少なくとも2つ含み、
図10を結合すれば、位置決め柱93は、電子制御板ユニット4における通孔に対応して設けられることにより、電子制御板ユニット4は、位置決めして装着されることができる。
本実施例において、位置制限柱93は、位置制限部9の円周方向に沿って不均一に分布する位置決め柱93を3つ含み、このように、電子制御板ユニット4は、装着時に唯一の装着方向を有することにより、間違った装着の防止に寄与する。
また、本実施例において、位置制限部9と第1ハウジング5とは、別体として設けられ、位置制限部9と第1ハウジング5とは、一体的に設けられてもよく、具体的な構造について、第4実施形態の電動ポンプおよび第5実施形態の電動ポンプを参照可能であり、ここでは、一々に贅言しない。
【0021】
図13および
図14は、本発明における第2実施形態の電動ポンプの構造模式図であり、以下、この第2実施形態の電動ポンプの構造を詳しく紹介する。
【0022】
図13および
図14を参照すれば、電動ポンプ100’は、伝導部材8’を含み、本実施例において、伝導部材8’の第1接続端81’が電子制御板ユニット4の基準グランド層と電気的に接続され、伝導部材8’の第2接続端82’が、
図2、
図3におけるコアシュー部212の内周面2121と接触し、ここでは、コアシュー部212の内周面2121が、ステータコア21の内周面である。
このように、ステータコア21、伝導部材8’および電子制御板ユニット4の基準グランド層は、蓄積電荷の導電通路を形成でき、ステータコア21が、伝導部材8’を介して電子制御板ユニット4の基準グランド層に接続されるから、ステータコア21と電子制御板ユニット4の表面とは、電位差が形成される。
このように、電子制御板ユニット4の表面に蓄積された電荷がステータコア21に伝導することに寄与することにより、電子制御板ユニット4における電子素子に対する蓄積電荷の影響の減少に寄与し、さらに、電動ポンプに対する蓄積電荷の影響の減少に寄与し、同時にも電動ポンプの電磁両立性の向上に寄与する。
ここでの蓄積電荷は、静電と電子制御板ユニット4自体に発生した電磁障害とを含む。
図14を参照すれば、本実施例における伝導部材8’は、一体部材であり、伝導部材8’は、2つの部品、または、2つ以上の部品を含んで構成されてもよく、具体的には、第1実施形態の電動ポンプを参照可能であり、ここでは、一々に贅言しない。
【0023】
図14を参照すれば、伝導部材8’は、弾性素子であり、この伝導部材8’は、前部が第2接続端82’に接続される傾斜段843’を含み、この傾斜段843’が第2接続端82’と一体的に設けられ、本実施例における第2接続端82’は、鉛直状をなし、傾斜段843’と角度をなして設けられ、第2接続端82’は、傾斜状をなすとともに、傾斜段843’と角度をなして設けられてもよい。
あるいは、第2接続端82’は、傾斜段843’の延長段とするとともに、傾斜段843と平行して設けられ、ここでは、第2接続端82’に関する設置は、上記のいくつかの態様だけに限定されるものではない。
そして、傾斜段843’は、第1接続端81’と第2接続端82’との間に位置し、この傾斜段843’は、第1接続端81’よりも第2接続端82’に近く、傾斜段843’は、ステータコア21のコアシュー部212の内周面2121と角度をなして設けられ、本実施例において、傾斜段843’の外側面がスペーサ部7と接触し、このように、スペーサ部7は、傾斜段843’の外側面に作用力を生成することができ、傾斜段843’がステータコア21のコアシュー部212の内周面2121と角度をなして設けられるから、第2接続端82’は、コアシュー部の端面と接触することにより、第2接続端82’とステータコア21のコアシュー部212の内周面2121との接触の信頼性の向上に寄与する。
【0024】
第1実施形態の電動ポンプと比較すれば、本実施例における伝導部材8’の第2接続端82’は、
図2、
図3におけるコアシュー部212の内周面2121と接触し、且つ、伝導部材8’は、一体部材である。
本実施例におけるほかの構造特徴について、第1実施形態の電動ポンプを参照可能であり、ここでは、一々に贅言しない。
【0025】
図15は、本発明における第3実施形態の電動ポンプの構造模式図であり、以下、第3実施形態の電動ポンプの構造を詳しく紹介する。
図15、
図16および
図22を参照すれば、電動ポンプ100’’は、伝導部材8’’を含み、本実施例における伝導部材8’’の第1接続端81’’は、電子制御板ユニット4の基準グランド層と電気的に接続され、伝導部材8’’の第2接続端82’’は、
図3におけるコアヨーク部213の内周面2131と接触し、伝導部材8’’の第2接続端82’’は、隣り合う2つのコアネック部211の間に位置する。
このように、ステータコア21、伝導部材8’’および、電子制御板ユニット4の基準グランド層は、蓄積電荷の導電通路を構成できることにより、蓄積電荷をステータコア21に伝導することに寄与する。
ステータコアが基準グランド層に接続されるから、ステータコアと電子制御板ユニットの表面とは、電位差が形成される。
このように、電子制御板ユニットの表面に蓄積された電荷がステータコアに伝導することに寄与することにより、電子制御板ユニット4における電子素子に対する蓄積電荷の影響の減少に寄与し、さらに、電動ポンプに対する蓄積電荷の影響の減少に寄与し、同時にも電動ポンプの電磁両立性の向上に寄与する。
ここでの蓄積電荷は、静電と、電子制御板ユニット自体に発生した電磁障害とを含む。
図15および
図16を参照すれば、本実施例において、伝導部材8’’は、一体部材であり、この伝導部材8’’は、2つの部品、または2つ以上の部品を含んで構成されてもよく、具体的には、第1実施形態の電動ポンプを参照可能であり、ここでは、一々に贅言しない。
【0026】
図15~
図20を参照すれば、本実施例において、
図2におけるステータユニット2をインサートとして第1射出部材10を射出成形し、具体的には、本実施例において、
図2におけるステータユニット2およびポンプ軸3をインサートとして第1射出部材10を射出成形し、ここでの「射出成形」とは、1回の射出であってもよいし、2回の射出、または、2回以上の射出であってもよい。
図15~
図20を参照すれば、第1射出部材10は、第1ハウジング5’’と、スペーサ部7’’と、位置制限部9’’とを含み、つまり、第1ハウジング5’’と、スペーサ部7’’と、位置制限部9’’とが一体的に設けられ、このように、1セットの金型だけが必要であればよく、これにより、コストの節約に寄与する。
【0027】
図18~
図22を参照すれば、第1射出部材10は、第1射出部材10の軸方向に沿って延伸し、室体が、
図15における第2室90に連通する孔部13を含む。
ステータユニット2の円周方向に沿って、隣り合う2つの巻線23の間に少なくとも1つの上記孔部13が設けられている。
射出過程および/または射出後および/または使用過程において、第1射出部材10のプラスチック部分は温度の影響で熱膨脹と冷収縮が発生する可能性があるから、熱膨脹と冷収縮を発生したプラスチック部分は、巻線23におけるエナメル線を押し出す可能性があり、さらに巻線23におけるエナメル線の絶縁塗料層が互いの間の押し出し力を受けることで損害される可能性があり、孔部23を設けることでプラスチック部分に対して熱膨脹と冷収縮の発生のときに一定の空間を事前に確保することができる。
これにより、第1射出部材10のプラスチック部分が孔部23の室体に向けてひずみを発生できることに寄与し、さらに巻線23に対する第1射出部材10のプラスチック部分の押し出し力を減少することに寄与する。
このように、巻線におけるエナメル線の絶縁塗料層が第1射出部材10のプラスチック部分の押し出し力を受けることで損害されることの防止に寄与する。
【0028】
図18、
図19および
図22を参照すれば、本実施例において、隣り合う2つの巻線23の間に1つの孔部13が設けられ、孔部13は、ステータユニットの円周方向に沿って均一に分布する。
隣り合う2つの巻線23の間に2つまたは複数の孔部13が設けられてもよい。
【0029】
図20および
図22を参照すれば、第1射出部材10の軸方向に沿って、孔部13の軸方向の深さと巻線23の軸方向の長さとは、少なくとも一部が重ね合わせる。
具体的には、
図18~
図22を参照すれば、本実施例における孔部13は、ブラインドビアであり、
図15におけるインペラ12から離間する側に向く開口130を1つ含む。
電動ポンプ100’’の軸方向に沿って、孔部13の底壁134は、ステータコア21の上端面210よりも
図15におけるインペラ12に近く、孔部13の開口130は、ステータコア21の下端面214よりも
図15における電子制御板ユニット4に近く、つまり、孔部13の軸方向の深さは、ステータコア21の軸方向の高さよりも大きく、このように、孔部13の底壁134の厚さを相対的に減少することに寄与し、さらに、孔部13の底壁134での肉厚と孔部13の孔部各周側壁での肉厚とを相対的に均一にさせ、さらに、第1射出部材が射出過程において気孔を形成することの防止に寄与する。
ここでの「相対的に均一にする」とは、孔部13の底壁134での肉厚と孔部13の孔部各周側壁での肉厚とが等しく、または、肉厚の差の絶対値が2mm以下であることを意味する。
【0030】
図21~
図23を参照すれば、ステータユニット2の中心軸線に対して垂直な方向に沿って第1射出部材10を断面化し、第1射出部材10の断面において、そのうちの1つの孔部13、および孔部13と隣り合う2つのコアネック部211について、そのうちの一方のコアネック部を第1コアネック部2111として定義し、他方のコアネック部を第2コアネック部2112として定義し、孔部13の周側壁は、第1側壁131と、第2側壁132と、第3側壁133とを含み、第1側壁131がコアヨーク部213の一部の内周面2131と重ね合わせ、つまり、コアヨーク部213の一部の内周面2131が第1側壁131を構成し、第2側壁132が第3側壁133よりも第1コアネック部2111に近く、第2側壁132が、第1コアネック部2111のうち、第2側壁132に最も近い側壁2113に平行であり、第3側壁133が、第2コアネック部2112のうち、第3側壁133に最も近い側壁2114に平行である。
ここでの「平行」とは、理論上の平行であり、実際には、加工過程では、加工誤差のある可能性があり、加工誤差範囲内にある全ての平行度は、いずれも本出願の保護している範囲内にある。
また、本実施例において、第1コアネック部2111と第2コアネック部2112との間に1つの孔部13が設けられ、第1コアネック部2111および第2コアネック部2112は、孔部の中心面に対して対称に分布する。
【0031】
図23を参照すれば、本実施例における第1側壁131の第1端は、第2側壁132の第1端に接続され、第1側壁131の第2端は第3側壁133の第1端に接続され、第2側壁132の第2端は、第3側壁122の第2端に接続される。
ここでの「接続」とは、直接的な接続であってもよいし、間接的な接続であってもよく、具体的には、図を参照すれば、本実施例において、第1側壁131、第2側壁132および第3側壁133は、互いに間接的に接続して、閉じた図形になるように囲む。
第1側壁131、第2側壁132および第3側壁133は、互いに直接的に接続してもよく、第1側壁131、第2側壁132および第3側壁133は、互いに直接的に接続する場合、両者の間の接続箇所は、円弧で滑らかに移行し接続することができることにより、横断面が略三角形の孔部を形成する。
【0032】
図22および
図23を参照すれば、本実施例において、ステータユニット2の径方向に沿って、孔部13は、コアヨーク部213の外周面2132とコアシュー部212の外周面2122との間に設けられ、このように、孔部13は、巻線23に相対的に近く設けられる。
具体的には、ここでは、3つの状況があり、第1種の状況は、以下のことであり、即ち、
図22および
図23を参照すれば、隣り合う2つのコアネック部211の間に位置するコアヨーク部213の内周面2131において、一部の内周面2131は、射出層がなく、射出層のないコアヨーク部の内周面は、第1側壁131を構成し、つまり、第1側壁131は、射出層がなく、第1側壁131でのステータコアは、露出し、第2側壁132および第3側壁122は、ともに射出層であり、この場合、第1射出部材を射出成形する過程において、第1側壁131を金型の位置決め基準面とすることができる。
このように、金型は、孔部に入り込むことで第1側壁131と接触でき、また、
図15および
図16を結合すれば、伝導部材8’’の第2接続端82’は、孔部13に入り込んで第1側壁131と接触し、つまり、伝導部材8’’の第2接続端82’’は、コアヨーク部213の内周面2131と接触し、このように、電子制御板ユニット4の基準グランド層は、伝導部材8’’を介してステータコアと電気的に伝導することができる。
第2種の状況は、以下のことであり、即ち、第1側壁131、第2側壁132、第3側壁133は、いずれも射出層であり、この場合、コアヨーク部213の外周面2132の少なくとも一部は射出層がなく、このように、ステータユニットをインサートとして射出部材を射出成形する場合、コアヨーク部213における射出層の外周面2132を金型の位置決め基準面とすることができる。
第3実施形態の状況は、以下のことであり、即ち、第1側壁131、第2側壁132、第3側壁133は、いずれも射出層であり、この場合、コアシュー部の少なくとも一部の内周面は、射出層がなく、このように、ステータユニットをインサートとして射出部材を射出成形する場合、コアシュー部の射出層の内周面を金型の位置決め基準面とすることができ、具体的には、以下の第4実施形態の電動ポンプを参照可能である。
【0033】
第1実施形態の電動ポンプと比較すれば、本実施形態において、ステータユニット2およびポンプ軸3をインサートとして第1射出部材10を射出成形し、且つ、第1射出部材10は、ブラインドビアである孔部13を含み、第1実施形態の電動ポンプと比べて、本実施形態における第1射出部材10は、第1ハウジング5’’と、スペーサ部7’’と、位置制限部9’’とを含み、つまり、第1ハウジング5’’と、スペーサ部7’’と、位置制限部9’’とが一体的に設けられ、このように、1セットの金型だけが必要であればよく、コストの相対的な節約に寄与し、本実施形態における他の構造について、第1実施形態の電動ポンプを参照可能であり、ここでは、一々に贅言しない。
【0034】
図24は、本発明における第4実施形態の電動ポンプの構造模式図であり、以下、第4実施形態の電動ポンプの構造を詳しく紹介する。
【0035】
図24~
図26を参照すれば、本実施例において、ステータユニット2をインサートとして第1射出部材10’を射出成形し、ここでの「射出成形」は、1回の射出であってもよいし、2回の射出、または、2回以上の射出であってもよい。
図25~
図26を参照すれば、本実施例において、第1射出部材10’によっては、第1ハウジング5’’’と位置制限部9’’’とが成形され、つまり、第1ハウジング5’’’と位置制限部9’’’とは、一体的に設けられている。
また、本実施例において、スペーサ部7’’’は、別体として設けられ、ここでの「別体として設けられる」とは、1つの部品に単独加工することを意味する。
【0036】
図24~
図26を参照すれば、本実施例における孔部13’は、第1射出部材10’の軸方向に沿って延伸し、通孔である。
孔部13’は、第1開口135’と、第2開口136’とを含み、第1開口135’が、インペラに向き、第2開口136’が、インペラから離間する側に向き、第1開口135’が第2開口136’よりもスペーサ部7’に近く、第1開口135’が、第1ハウジング5’の上端面51’の下方に位置し、このように、第1開口135’が、第1ハウジング5’とスペーサ部7’との接続に対して干渉することの防止に寄与する。
また、
図13を参照すれば、本実施例において、第1開口135’は、巻線の頂部の射出層231’の下方に位置する。
【0037】
第1実施形態の電動ポンプと比較すれば、本実施形態において、ステータユニット2をインサートとして第1射出部材10’を射出成形し、且つ、第1射出部材10’は、通孔である孔部13’を含み、第1実施形態の電動ポンプと比べて、本実施形態における電動ポンプは、組み付けを便利にさせ、本実施形態における他の構造について、第1実施形態および第4実施形態の電動ポンプを参照可能であり、ここでは、一々に贅言しない。
【0038】
説明しようとするのは、以上の実施例は、本出願に記載された発明を制限するものではなく、本発明を説明するために用いられるだけであり、本明細書は、上記の実施例を参照して本発明を既に詳しく説明したが、当業者であれば理解するように、当業者は依然として本発明に対して補正、または、等同交替を行うことができ、本発明の精神および範囲を逸脱しない一切の技術案及びその改善は、いずれも本出願の請求項の範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】