(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】リサイクルコポリエステルから製造されたコポリエステル
(51)【国際特許分類】
C08G 63/78 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
C08G63/78
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523894
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 US2020054684
(87)【国際公開番号】W WO2021080777
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】ピーターズ,マーク・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ホートン,ジョナサン・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】キーヴァー,トラヴィス・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】エカート,マイケル・ポール
(72)【発明者】
【氏名】エカート,エリン・ジー
【テーマコード(参考)】
4J029
【Fターム(参考)】
4J029AA01
4J029AB04
4J029AB05
4J029AE01
4J029AE03
4J029BA02
4J029BA03
4J029BA04
4J029BA05
4J029BA08
4J029BA10
4J029BB06A
4J029BD02
4J029BD07A
4J029BF09
4J029BF18
4J029BF25
4J029BF30
4J029CB05A
4J029CB05B
4J029CB06A
4J029CC05A
4J029CD03
4J029CH02
4J029DB02
4J029FC36
4J029HB06
4J029JC433
4J029JC533
4J029JE162
4J029JF321
4J029JF361
4J029JF471
4J029KD02
4J029KD07
4J029KE02
4J029KE05
(57)【要約】
リサイクルポリエステルから、ポリエステル組成物を製造するプロセス。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクルポリエステルからポリエステル組成物を製造するプロセスであって、
(a)テレフタル酸(TPA);およびエチレングリコール(EG);およびリサイクルPET、リサイクルPETG、リサイクルPCT、リサイクルPCTA、リサイクルPCTG、リサイクルPCTMまたはリサイクルPETMのうちの1種または複数を含むリサイクルポリエステルを、ペーストタンクの中へ導入して、撹拌され、150℃以下の温度で加熱されたスラリーを形成するステップと;
(b)ペーストタンクスラリーを第1の反応ゾーンへ通過させるステップと;
(c)1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、または2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)、ジエチレングリコール(DEG)またはイソソルビドを含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、任意選択で、リサイクルPET、リサイクルPETG、リサイクルPCT、リサイクルPCTA、リサイクルPCTG、リサイクルPCTMまたはリサイクルPETMのうちの1種または複数を含む追加のリサイクルポリエステルを添加し;任意選択で、追加のテレフタル酸(TPA);およびエチレングリコール(EG)を、1:1~4:1の総グリコール:TPAのモル比で、第1の反応ゾーンの中へ、任意選択でエステル化触媒および/または安定剤の存在下で、添加するステップと;
(d)TPAおよびEGおよびリサイクルポリエステルを、少なくとも1種の追加のグリコールと、第1の反応ゾーンにおいて、少なくとも175℃の溶融温度で反応させて、オリゴマーならびに未反応のTPA、EG、および追加のグリコールを含むエステル化生成物を形成するステップと;
(e)任意選択で、エステル化生成物を第1のゾーンから第2の反応ゾーンへ通過させるステップと;
(f)任意選択でエステル化触媒および/または安定剤の存在下で、任意選択で第2の反応ゾーンにおいて、少なくとも200℃の溶融温度で、第1のゾーンからのエステル化生成物をさらに反応させ、任意選択で、CHDM、NPG、TMCD、DEGもしくはイソソルビドのうちの1種または複数を含む追加のグリコールおよび/またはリサイクルPET、リサイクルPETG、リサイクルPCT、リサイクルPCTA、リサイクルPCTG、リサイクルPCTMもしくはリサイクルPETMのうちの1種もしくは複数を含む追加のリサイクルポリエステルを添加して、ポリエステルオリゴマーを含むエステル化生成物を形成するステップと;
(g)得られたエステル化生成物を、1つまたは複数の反応ゾーンから第3の反応ゾーンへ通過させるステップと;
(h)任意選択で重縮合触媒および/または安定剤の存在下で、得られたエステル化生成物を第3の反応ゾーンにおいて重縮合し、任意選択で、リサイクルPET、リサイクルPETG、リサイクルPCT、リサイクルPCTA、リサイクルPCTG、リサイクルPCTMまたはリサイクルPETMのうちの1種または複数を含む追加のリサイクルポリエステルを添加して、ポリエステルを含む重合生成物を形成するステップと
を含む、プロセス。
【請求項2】
ステップ(d)が、少なくとも240℃の溶融温度で実行される;またはステップ(d)が少なくとも250℃の溶融温度、および207kPa(30psig)以下の圧力で実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
ステップ(f)が少なくとも240℃の溶融温度で実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
エステル化触媒が、Mn、Ti、Zn、Co、GeもしくはAlのうちの1種または複数を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
重縮合触媒が、Sn、Sb、Ti、Li/Al、Al、Ge、Pb、Zn、Co、Bi、Cd、CaもしくはNiのうちの1種または複数を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
ポリエステルが0.4~1.2dL/gのインヘレント粘度を有する;または、ポリエステルが0.5~0.9dL/gのインヘレント粘度を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
ポリエステルが、ポリエステル中の総ジオール残基に対して、19~96.5モル%のエチレングリコールおよび3.5~81モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含む;または
ポリエステルが、ポリエステル中の総ジオール残基に対して、50~90モル%のエチレングリコールおよび10~50モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含む;または
ポリエステルが、ポリエステル中の総ジオール残基に対して、65~75モル%のエチレングリコールおよび25~35モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含む;または
ポリエステルが、ポリエステル中の総ジオール残基に対して、60~70モル%のエチレングリコールおよび20~25モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールおよび10~15%のジエチレングリコールを含む;または
ポリエステルが、ポリエステル中の総ジオール残基に対して、75~93モル%のエチレングリコールおよび5~15モル%のネオペンチルグリコール、および2~10%のジエチレングリコールを含む;または
ポリエステルが、ポリエステル中の総ジオール残基に対して、65~92モル%のエチレングリコール、1~10モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールおよび5~15モル%のネオペンチルグリコール、および2~10%のジエチレングリコールを含む、
請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
ポリエステルが、
(a)90~100モル%のテレフタル酸を含む二酸成分;ならびに
(b)65~75モル%のエチレングリコールおよび25~35モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール成分
を含み、
ここで、二酸成分は、ポリエステル中の100モル%の総二酸残基に対するものであり、ジオール成分は、ポリエステル中の100モル%の総ジオール残基に対するものである、
請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
ポリエステルが、合計100モル%の酸残基および合計100モル%のジオール残基に対して、50モル%~99.99モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、0.01モル%~50モル%のエチレングリコール、および70モル%~100モル%のテレフタル酸を含む;または
ポリエステルが、合計100モル%の酸残基および合計100モル%のジオール残基に対して、80モル%~99.99のモル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、0.01モル%~20モル%のエチレングリコール、および70モル%~100モル%のテレフタル酸を含む;
ポリエステルが、合計100モル%の酸残基および合計100モル%のジオール残基に対して、90モル%~99.99モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの残基、0.01モル%~10モル%のエチレングリコールの残基、および70モル%~100モル%のテレフタル酸の残基を含む;
ポリエステルが、合計100モル%の酸残基および合計100モル%のジオール残基に対して、95モル%~99.99モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの残基、0.01モル%~10モル%のエチレングリコールの残基、90モル%~100モル%のテレフタル酸の残基、および0.01~10モル%のイソフタル酸の残基を含む;
ポリエステルが、合計100モル%の酸残基および合計100モル%のジオール残基に対して、20モル%~50モル%未満の1,4-シクロヘキサンジメタノールの残基、50モル%超~80モル%のエチレングリコールの残基、および70モル%~100モル%のテレフタル酸の残基を含む、
請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
ポリエステルが、
(a)(i)約70~約100モル%のテレフタル酸残基、および
(ii)約0~約30モル%の20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基
を含む、ジカルボン酸成分;ならびに
(b)(i)約0~約40モル%の2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(ネオペンチルグリコールまたはNPG)残基;
(ii)約0~約100モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)残基;
(iii)約0~約45モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基;
(iv)in situで形成されたか否かにかかわらず、約0~約40モルパーセントのジエチレングリコール(DEG)残基;
を含む、グリコール成分であって、
グリコール成分の残りが、
(v)エチレングリコールの残基、および、
(vi)任意選択で、0~10モル%の少なくとも1種の他の修飾グリコール(modifying glycol)の残基
を含む、グリコール成分
を含み、
ここで、ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、グリコール成分の総モル%は100モル%である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
ポリエステルが、少なくとも約90モル%のテレフタル酸、および約59~約77.5モル%のエチレングリコール、および約15~約28モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、および約7.5~約13モル%のジエチレングリコール(DEG)を含み、ここで、二酸成分は100モルパーセントに対するものであり、ジオール成分は100モルパーセントに対するものである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
請求項1に記載のプロセスによって製造されたポリエステルを含む、収縮性フィルム、ボイド化フィルム(voided film)、成型物品、熱成形可能物品、押出しフィルムまたはシート、インフレートフィルム、押出しブロー成形物品。
【請求項13】
請求項1に記載のプロセスによって製造されたポリエステル中のリサイクル内容物を導入または定着させる方法であって、
a.TPA、EG、DMT、CHDM、NPG、TMCDまたはDEGを含む少なくとも1種のリサイクルモノマーに対して、リサイクルモノマーの配分またはクレジットを得るステップと、
b.合成プロセスにおいて、リサイクルモノマーを変換してポリエステルを製造するステップと、
c.リサイクルモノマーの配分またはクレジットの少なくとも一部に対応するように、ポリエステルの少なくとも一部を指定するステップと、任意選択で
d.こうした指定に対応したリサイクルモノマー内容物を含有する、またはリサイクルモノマー内容物とともに得られたものとして、ポリエステルの販売を申し出るまたはポリエステルを販売するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
プロセスに添加されるリサイクルポリエステルの量が、必要なTPAの量に対して5~100%である、請求項1から11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
リサイクルポリエステルの添加を介して触媒または添加剤を添加するステップをさらに含み、触媒または添加剤が、Sb、Ti、Co、Mn、Li、Al、Pなどのリサイクルポリエステルの成分である、請求項1から11、または請求項14のいずれか1項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般にポリマー化学の分野に関する。特に、リサイクルポリエステルおよびコポリエステルから、コポリエステルを製造するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ポリエステルは、世界で最も多く購入され、多様に利用されている部類のポリマーとしばしば見なされており、公表された世界生産量(リサイクルを含む)は7500万トンをはるかに超えると最近報告された。このレベルの商業的成功は、ポリエステルの相対的なコスト、製造可能性、および競争力のある性能属性の魅力的な組合せに、一部起因すると考えられる。ポリエステルの物理的、化学的および熱的な特性は、それらを多種多様な最終用途に対して有用で望ましいものにしている。ポリエチレンテレフタレート(PET)は、多くの最終用途にとって最もポピュラーなタイプのポリエステルのうちの1つである。一般にポリエステルの商業的成功が持続するとともに、PETは特に、消費者による使用後の(post-consumer)供給源、工業的に使用後の(post-industrial)供給源および他の供給源からスクラップ材料を回収し、それらの材料を埋立てなどの基本的廃棄方法の代わりとして再利用する取組みがなされた。
【0003】
[0003]いくつかの公知のリサイクル方法では、リサイクルPETは未使用材料とブレンドされる。このアプローチを使用して、例えば、未使用ポリ(ブチレンテレフタレート)(「PBT」)とリサイクルPETのブレンドを調製し、リサイクル内容物を有するPBT系製品を生成してきた(例えば、米国特許出願公開第2009/0275698号を参照されたい)。しかしながら、こうしたブレンドは一般に不混和性であり、比較的不透明な材料を生成する可能性がある。従ってブレンディングは、リサイクル内容物を有する商業的に容認できる最終製品を提供するのに、均一に満足な方法ではない。
【0004】
[0004]他のリサイクル方法では、ポリエステルを解重合して、ポリエステルの製造に初めから使用されるモノマー単位を形成する。商業的に利用されるポリエステル解重合の1つの方法は、メタノリシスである。メタノリシスでは、ポリエステルをメタノールと反応させて、ポリエステルオリゴマー、テレフタル酸ジメチル(「DMT」)、およびエチレングリコール(「EG」)を含む解重合されたポリエステル混合物を生成する。メタノリシス供給原料の流れにおけるポリエステルの組成に応じて、例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノール(「CHDM」)およびジエチレングリコールなどの他のモノマーも存在し得る。PETのメタノリシスのためのいくつかの代表的な方法は、米国特許第3,037,050号;第3,321,510号;第3,776,945号;第5,051,528号;第5,298,530号;第5,414,022号;第5,432,203号;第5,576,456号および第6,262,294号に記述されており、その内容および開示は、参照により本明細書に組み込まれる。代表的なメタノリシス法は米国特許第5,298,530号にも説明されており、その内容および開示は、参照により本明細書に組み込まれる。’530特許は、エチレングリコールおよびテレフタル酸ジメチルをスクラップポリエステルから回収するプロセスを記述している。このプロセスは、スクラップポリエステルを、エチレングリコールのオリゴマー、およびテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチル中に溶解させるステップと、過熱されたメタノールをこの混合物に通過させるステップとを含む。オリゴマーは、スクラップポリマーが低分子量オリゴマー中に溶解するように、出発成分として用いられるスクラップ材料と同じ組成の任意の低分子量ポリエステルポリマーを含むことができる。テレフタル酸ジメチルおよびエチレングリコールは、解重合反応器から出るメタノール蒸気流から回収される。
【0005】
[0005]ポリエステルを解重合する別のアプローチは、ポリエステルをエチレングリコールまたはCHDMなどのグリコールと反応させて解重合されたポリエステル混合物を生成する、グリコール分解(glycolysis)である。従って、米国特許第4,259,478号は、1,4-シクロヘキサンジメタノールの存在下でポリエステルを加熱してポリマーをグリコール分解する(glycolize)ステップと、グリコール分解混合物からエチレングリコールを蒸留するステップと、グリコール分解混合物を重縮合して、エチレングリコール単位の少なくとも一部が、1,4-シクロヘキサンジメタノール単位によって置換されるコポリエステルを形成するステップと、を含むプロセスを開示している。同様に米国特許第5,635,584号は、ポリエステルの解重合によってモノマーまたは低分子量オリゴマーを製造するために、グリコールと反応した消費者から回収されたポリエステルまたはスクラップポリエステルを開示している。次に、モノマーまたはオリゴマーは、場合によっては、濾過、蒸留、結晶化、および任意選択で吸着剤処理または蒸発を含む1つまたは複数のステップを使用して精製される。このように製造されたモノマーまたはオリゴマーは、包装グレードポリエステル材料の酸またはエステルベースのポリエステル製造用原料として、特に好適である。このプロセスは精製ステップを含むので、リサイクルポリエステル材料の規格を制限する必要がない。
【0006】
[0006]スクラップポリエステルを再利用する別の方法は、重合プロセスの中へスクラップを導入することである。従って米国特許第5,559,159号は、以前に使用されたポリ(エチレンテレフタレート)ポリエステル材料およびこれらのコポリマー、特に、以前に使用された材料の75%以下を含有するボトルグレードポリマーを製造するために解重合および再重合された消費者から回収されたポリエステル材料を開示している。このプロセスは、テレフタル酸ジメチル、エチレングリコールおよびこれらのエステル交換反応生成物を含有するエステル交換反応ならびに/または重合混合物中での、以前に使用されたポリエステル材料の可溶化および解重合を含む。米国特許第5,945,460号は、ポリエステル廃棄物をほとんどまたは全く発生させない、ポリエステル物品を製造するプロセスを開示している。このプロセスは、1種または複数のジカルボン酸またはそれらのジアルキルエステルのエステル化またはエステル交換反応、高分子量ポリエステルを生成するための重縮合、および所望の製品を製造するためのポリエステルの成型またはシェーピングを提供している。成型プロセス中に生成したスクラップは、プロセスのエステル化またはエステル交換反応または重縮合の一部へ再びリサイクルされる。任意選択で、スクラップは成型作業前の中間ステップにもリサイクルされ得る。米国特許第7,297,721号は、触媒および添加剤の組合せの存在下で、未使用原料としての精製されたテレフタル酸(PTA)、イソフタル酸およびエチレングリコールとともに、50%以下の消費者から回収されたリサイクルPETフレークを使用して、低い重合度を有する中間プレポリマーヒール(heel)を得、さらにオートクレーブ処理に供して非晶溶融物を生成させ、固相重合が続く、高分子量の結晶性PETを調製するプロセスを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]それにもかかわらず、リサイクルコポリエステルを利用して高品質のコポリエステルを製造するための、代わりのおよび/または改良されたプロセスへの必要性が引続き存在する。リサイクル内容物へのこの要求が、既存のプラスチック廃棄物の流れを、新しいプラスチック物品へ取り込み変換する、新しい方法および新しいプロセスを開発する必要性を生み出した。
【0008】
[0008]本開示は、この必要性ならびに他のものに取り組むものであり、以下の記述および添付の特許請求の範囲から明白になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0009]本開示の一態様は、リサイクルコポリエステルからコポリエステルを調製するプロセスである。本開示の一態様は、リサイクルポリエステルおよび/またはリサイクルコポリエステルからコポリエステルを調製するプロセスである。
【0010】
[00010]一態様では、本開示は、(A)その酸成分が少なくとも70モルパーセントのテレフタル酸からなり、そのジオール成分が少なくとも70モルパーセントのエチレングリコールからなる、リサイクルポリエステルおよび/もしくはリサイクルコポリエステル、または(B)その酸成分が少なくとも70モルパーセントのテレフタル酸からなり、そのジオール成分が、モル比が96:3:1~20:68:12にある、少なくとも70モルパーセントのエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、およびジエチレングリコールの混合物からなるリサイクルコポリエステル、または(C)その酸成分が少なくとも70モルパーセントのテレフタル酸からなり、そのジオール成分が、少なくとも70モルパーセントの、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、もしくは2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD))、ブタンジオール、およびイソソルビドを含む2種以上のグリコールの混合物からなるリサイクルコポリエステル、または(D)その酸成分が少なくとも70モルパーセントのテレフタル酸からなり、そのジオール成分が、モル比が3.5:96.5~100:0にある、少なくとも70モルパーセントのエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノールの混合物からなるリサイクルコポリエステル、のいずれかから直鎖の高分子量コポリエステルを調製するプロセスを提供する。
【0011】
[00011]このプロセスは速い重合速度を提供し、そのように製造されたポリマーは、良好な物理特性を有するプラスチック、繊維、フィルム、収縮性フィルム、シート、成型物品および他の造形物の製造に使用することができる。一態様では、開示されるプロセスは、工業的に使用後のおよび消費者から回収された廃棄物製品を、高レベルのリサイクル内容物を有する新しいプラスチックを製造するために使用することができる、高品質コポリエステル樹脂へ変換する方法を記述している。別の態様では、開示されるプロセスは、工業的に使用後のおよび消費者から回収された廃棄物製品を、高品質収縮性フィルムを製造するために使用することができる樹脂へ変換する方法を記述している。
【0012】
[00012]本開示の一態様は、リサイクルコポリエステルからコポリエステルを製造するプロセスであって、
(a)リサイクルPET、リサイクルPETG、リサイクルPCT、リサイクルPCTG、リサイクルPCTA、リサイクルPCTMおよび/またはリサイクルPETM;テレフタル酸(TPA);ならびにエチレングリコール(EG)をペーストタンクの中へ導入して、撹拌され、150℃以下の温度で加熱されたスラリーを形成するステップと;
(b)ペーストタンクスラリーを第1の反応ゾーンへ通過させるステップと;
(c)1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、または2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)を含む少なくとも1種の追加のグリコールを導入し、任意選択で、追加のリサイクルPET、リサイクルPETG、リサイクルPCTMおよび/またはリサイクルPETM;テレフタル酸(TPA);およびエチレングリコール(EG)を、1:1~4:1のEG:TPAのモル比で第1の反応ゾーンの中へ、ならびに任意選択で触媒を添加するステップと;
(d)TPAを、EGおよび(CHDMなどの)少なくとも1種の追加のグリコールと、第1反応ゾーンにおいて、少なくとも200℃の溶融温度および276kPa(40psi)以下の圧力で反応させて、オリゴマーならびに未反応のTPA、EG、および(CHDMなどの)追加のグリコールを含む、第1のエステル化生成物を形成するステップと;
(e)第1のエステル化生成物を、第2の反応ゾーンへ通過させるステップと;
(f)第1のエステル化生成物中の未反応のTPA、EGおよび(CHDMなどの)追加のグリコールを、第2の反応ゾーンにおいて、少なくとも200℃の溶融温度および138kPa(20psi)以下の圧力でエステル化して、コポリエステルオリゴマーを含む第2のエステル化生成物を形成するステップと;
(g)第2のエステル化生成物を、第3の反応ゾーンへ通過させるステップと;
(h)第3の反応ゾーンにおいて、任意選択で重縮合触媒の存在下で、第2のエステル化生成物を重縮合して、コポリエステルを含むプレ重合生成物を形成するステップと;
(i)プレ重合生成物を1つまたは複数の終了ゾーンへ通過させるステップと
を含む、プロセスである。
【0013】
[00013]本開示の一態様は、前の態様のいずれか1つのプロセスであり、このプロセスは、リサイクルポリエステルの添加を介して触媒または添加剤を添加するステップをさらに含み、触媒または添加剤は、Sb、Ti、Co、Mn、Li、Al、Pなどのリサイクルポリエステルの成分である。本開示の一態様は、前の態様のプロセスによって製造されたポリエステル中のリサイクル内容物を導入または定着させる方法であって、
a.TPA、EG、DMT、CHDM、NPGまたはDEGを含む少なくとも1種のリサイクルモノマーに対して、リサイクルモノマーの配分またはクレジットを得るステップと;
b.合成プロセスにおいてリサイクルモノマーを変換してポリエステルを製造するステップと;
c.リサイクルモノマーの配分またはクレジットの少なくとも一部に対応するように、ポリエステルの少なくとも一部を指定するステップと;
d.任意選択で、こうした指定に対応するリサイクルモノマー内容物を含有する、またはリサイクルモノマー内容物とともに得られたものとして、ポリエステルの販売を申し出るまたはポリエステルを販売するステップと
を含む、方法である。
【0014】
[00014]本開示一態様は、前述の態様のいずれか1つであり、プロセスに添加されるリサイクルポリエステルの量は、必要とされるTPAの量に対して、5~100%である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[00015]本開示による様々なプロセスのフローダイヤグラムである。
【
図2】[00016]rPET出発材料投入レベルの関数としての、最終材料中のSb触媒レベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[00017]驚くべきことに、リサイクルコポリエステルおよび/またはリサイクルポリエステルから、高品質なコポリエステル樹脂が製造できることが発見された。
[00018]一実施形態では、リサイクルポリエステルおよび/またはコポリエステルは、製造スクラップまたは産業廃棄物または消費者から回収されたリサイクル(PCR)廃棄物として回収することができる。通常は、PCRまたはリサイクル廃棄物は、使用され廃棄されたポリエステルまたはコポリエステルから製造された物品である。今日、PETは機械的方法によってリサイクルされ、新しいPETボトルおよび他のPET物品へ未使用材料とのブレンドとして組み込まれる。
【0017】
[00019]リサイクル内容物を有するコポリエステルおよびリサイクル内容物から製造されたコポリエステルは、ジカルボン酸モノマー残基、ジオールまたはグリコールのモノマー残基、および繰返し単位を含む。従って、本明細書で使用する「モノマー残基」という用語は、ジカルボン酸、ジオールもしくはグリコール、またはヒドロキシカルボン酸の残基を意味する。本明細書で使用する「繰返し単位」は、カルボニルオキシ基を通して結合された2つのモノマー残基を有する有機構造を意味する。本開示のコポリエステルは、酸残基(100モル%)およびグリコール残基(100モル%)の実質的に等しいモル比を含有し、繰返し単位の総モルが100モル%に等しいように、これらは実質的に等しい比で反応する。従って、本開示で提供されるモルパーセントは、酸残基の総モル、グリコール残基の総モル、または繰返し単位の総モルに対するものであり得る。例えば、総繰返し単位に対して、ジカルボン酸、グリコール、またはヒドロキシカルボン酸であり得る30モル%のモノマーを含有するコポリエステルは、コポリエステルが合計100モル%の繰返し単位のうち、30モル%のモノマーを含有していることを意味する。従って、100モルの繰返し単位ごとに、30モルのモノマー残基が存在する。同様に、総酸残基に対して30モル%のジカルボン酸モノマーを含有するコポリエステルは、合計100モル%の酸残基のうち、ポリエステルが30モル%のジカルボン酸モノマーを含有することを意味する。従って、この後者の場合では、100モルの酸残基ごとに、30モルのジカルボン酸モノマー残基が存在する。
【0018】
[00020]本明細書で使用する「ポリエステル」という用語は、「ホモポリマー」および「ホモポリエステル」ならびに「コポリエステル」の両方を包含し、1つまたは複数の二官能性カルボン酸を含む少なくとも1種の二酸成分と、1つまたは複数の二官能性ヒドロキシル化合物を含む少なくとも1種のグリコール成分との重縮合によって調製される、合成ポリマーを意味する。本明細書で使用する「コポリエステル」という用語は、少なくとも3つの異なるモノマーの重縮合、例えば、1つのジカルボン酸と2つ以上のグリコール、または別の例では、1つのジオールと2つ以上の異なるジカルボン酸、から形成されるポリエステルを意味する意図である。通常は、二官能性カルボン酸はジカルボン酸であり、二官能性ヒドロキシル化合物は、例えばグリコールおよびジオールなどの二価アルコールである。代わりに、二官能性カルボン酸が、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸であってもよく、二官能性ヒドロキシル化合物が、例えば、ヒドロキノンなどの、2つのヒドロキシ置換基を有する芳香核であってもよい。本明細書で使用する「残基」という用語は、対応するモノマーが関係する重縮合反応を通してポリマーへ組み込まれる、任意の有機構造を意味する。ジカルボン酸残基は、ジカルボン酸モノマーまたはそれの関連する酸ハロゲン化物、エステル、塩、無水物、もしくはこれらの混合物から誘導することができる。例えば、一実施形態では、本開示のコポリエステルに対して、二酸成分は、テレフタル酸またはイソフタル酸として供給される。
【0019】
[00021]リサイクルポリエステルおよび/またはコポリエステルは、当技術分野で公知である任意の重縮合反応条件を使用して、コポリエステルに再重合することができる。それらは連続的、半連続的、およびバッチモードの運転によって製造することができ、様々な反応器タイプを利用することができる。好適な反応器タイプの例としては、限定されるものではないが、撹拌槽、連続撹拌槽、スラリー、管状、ワイプトフィルム、流下薄膜、または押出し反応器が挙げられる。本明細書で使用する「連続的」という用語は、途切れない様式で、反応物が導入され生成物は同時に抜き取られるプロセスを意味する。プロセスは、経済的理由のために連続プロセスとして、および高温の反応器にあまりに長時間滞留するようにされるとコポリエステルは外観が劣化する恐れがあるので、ポリマーの優れた色合いを発生させるために有利に運転される。
【0020】
[00022]本開示のコポリエステルは、当業者に公知の手順によって調製される。ジオール成分とジカルボン酸成分の反応は、従来のコポリエステル重合条件を使用して実行することができる。例えば、例えばジカルボン酸成分のエステル形態から、エステル交換反応によってコポリエステルを調製する場合、反応プロセスは2つのステップを含むことができる。第1のステップでは、ジオール成分と、例えば、テレフタル酸などのジカルボン酸成分は、約150℃~約250℃の高温で、約0.5~約8時間、約0.0kPaゲージ~約414kPaゲージ(60ポンド/平方インチ、「psig」)の範囲の圧力で反応する。エステル交換反応の温度は約1~約4時間の間、約180℃~約230℃の範囲であり、一方、圧力は約103kPaゲージ(15psig)~約276kPaゲージ(40psig)の範囲である。その後、反応生成物はより高温下および減圧下で加熱され、ジオールを排除しながらコポリエステルを形成し、ジオールはこれらの条件下で容易に揮発し、系から除去される。
【0021】
[00023]この第2のステップ、または重縮合ステップは、より高い真空下、および一般に約230℃~約350℃、または約250℃~約310℃、または約260℃~約290℃の範囲の温度下で、約0.1~約6時間、または約0.2~約2時間、インヘレント粘度(inherent viscosity)によって決定される所望の重合度を有するポリマーが得られるまで継続される。重縮合ステップは、約53kPa(400トル)~約0.013kPa(0.1トル)の範囲の減圧下で、行うことができる。十分な熱伝導および反応混合物の表面一新、ならびに水、過剰なグリコール、またはアルコールの除去を確実にして、反応および重合を促進するために、撹拌または適切な条件が両段階で使用される。両段階の反応速度は、例えば、アルコキシチタン化合物、アルカリ金属の水酸化物およびアルコレートなどの適切な触媒、有機カルボン酸の塩、アルキルスズ化合物、金属酸化物などによって増加される。特に酸およびエステルの混合モノマー供給原料が用いられる場合は、米国特許第5,290,631号に記述されたものと類似の3段階の製造手順もまた使用することができる。
【0022】
[00024]エステル交換反応によるジオール成分とジカルボン酸成分の反応を確実に完了させるために、1モルのジカルボン酸成分に対して約1.05~約2.5モルのジオール成分を用い、続いてその後のステップで過剰なグリコールを除去することが、時に望ましい。しかしながら、ジオール成分とジカルボン酸成分の比は、反応プロセスが起こる反応器のデザインによって一般に決定されることを、当業者は理解するであろう。
【0023】
[00025]例えば、ジカルボン酸成分の酸形態からの直接エステル化によるコポリエステルの調製では、ジカルボン酸またはジカルボン酸の混合物を、グリコール成分またはグリコール成分の混合物と反応させることによって、コポリエステルが製造される。約1.4~約10の平均重合度を有する低分子量の直鎖または分岐コポリエステル製品を製造するために、反応は、約7kPaゲージ(1psig)~約1379kPaゲージ(200psig)、または689kPa(100psig)未満の圧力で行われる。直接エステル化反応中に用いられる温度は、約180℃~約280℃、または約220℃~約270℃である。次にこの低分子量ポリマーは、重縮合反応によって重合することができる。
【0024】
[00026]いくつかの実施形態では、好適なグリコールとしては、限定されるものではないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、ポリテトラメチレングリコール、イソソルビドまたはこれらの混合物が挙げられる。
【0025】
[00027]いくつかの実施形態では、以下の二酸:テレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメリト酸(またはトリメリト酸)、ナフタレンジカルボン酸、および1,4-シクロヘキサンジカルボン酸を含むコポリエステルが、リサイクル内容物を用いて新しいコポリエステルを製造するための、再重合プロセスまたは重合プロセスで使用するのに好適である。
【0026】
[00028]いくつかの実施形態では、以下のグリコール:エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、ポリテトラメチレングリコール、イソソルビドまたはこれらの混合物を含むコポリエステルが、リサイクル内容物を用いて新しいコポリエステルを製造するための、再重合プロセスまたは重合プロセスで使用するのに好適である。
【0027】
[00029]一実施形態では、テレフタレートポリエステルおよび/またはコポリエステルを含むリサイクル廃棄材料を、再重合プロセスで使用することができる。一実施形態では、任意の従来通り調製されたテレフタレートポリエステルまたはコポリエステルを、再重合プロセスで使用することができる。一実施形態では、好適なテレフタレートポリエステルおよび/またはコポリエステルとしては、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、グリコール変性ポリ(エチレンテレフタレート)(PETG)、グリコール変性ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCTG)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、TMCD変性ポリ(エチレンテレフタレート)(PETM)、TMCD変性ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCTM)、およびこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、テレフタレートポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)である。一実施形態では、コポリエステルはPETGである。一実施形態では、コポリエステルはPCTである。一実施形態では、コポリエステルはPCTGである。一実施形態では、コポリエステルはPCTAである。一実施形態では、コポリエステルはPCTMである。一実施形態では、コポリエステルはPETMである。
【0028】
[00030]一実施形態では、テレフタレートポリエステルおよびコポリエステルの混合物は、一緒に組み合わせて再重合される。一実施形態では、PETおよびPETGは一緒に組み合わせて再重合される。一実施形態では、PETおよびPETMは一緒に組み合わせて再重合される。一実施形態では、PETおよびPCTは一緒に組み合わせて再重合される。一実施形態では、PETおよびPCTAは一緒に組み合わせて再重合される。一実施形態では、PETおよびPCTGは一緒に組み合わせて再重合される。一実施形態では、PETおよびPCTMは一緒に組み合わせて再重合される。一実施形態では、PETおよびPETGおよびPETMは一緒に組み合わせて再重合される。一実施形態では、PETおよびPETGおよびPCTMは一緒に組み合わせて再重合される。一実施形態では、PET、PETG、PCTMおよびPETMは一緒に組み合わせて再重合される。
【0029】
[00031]一実施形態では、本開示で使用するのに好適なコポリエステルは、例えば、テレフタル酸ジメチル(DMT)、テレフタル酸(TPA)、イソフタル酸(IPA)、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、および2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)などのモノマーから調製される。
【0030】
[00032]本開示の一実施形態は、水またはアルコールまたはグリコールとともに、テレフタレート含有ポリエステル(例えばPET)および/またはコポリエステル(例えばPETG)を含む、スクラップもしくは消費者から回収されたポリエステルを再重合することによって得られる、高レベルのリサイクル内容物を有する、コポリエステルを調製するプロセス、ならびに、リサイクルモノマーを使用して、高いモルパーセントのリサイクルモノマー残基を含有するコポリエステルを調製するプロセスに関する。
【0031】
[00033]本開示の一態様では、高分子量コポリエステルは、グリコール成分および二酸成分を含有し、ここで、グリコール成分は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、トランス-ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸、イソソルビドおよびこれらの混合物を含み、二酸成分は、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸、イソフタル酸(IPA)、無水トリメリト酸(またはトリメリト酸)、5-(スルホ)イソフタル酸(SIPA)の塩、ナフタレンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、およびこれらの混合物を含み;解重合助剤、または水、アルコールもしくは過剰のグリコールなどの溶媒が、可逆的なエステル交換反応が起こり得る条件下で導入されると、次に加水分解、加アルコール分解またはグリコール分解による解重合が起こり、ポリマーの鎖長(分子量)を低減する。十分な量の溶媒により、反応は、混合物が主にモノマー、グリコールおよび酸成分のジエステルからなるポイントに進むであろう。一態様では、混合物のグリコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、トランス-ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸、イソソルビドおよびこれらの混合物を含む。一実施形態では、混合物のグリコールは、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールおよびこれらの混合物を含む。一実施形態では、混合物のグリコールは、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールおよびこれらの混合物を含む。次に、これらのリサイクルモノマーを使用して、高いモルパーセントのリサイクルモノマー残基を含有するコポリエステルを調製することができる。
【0032】
[00034]本発明は、リサイクルポリエチレンテレフタレート(PET)およびリサイクルグリコール変性ポリエチレンテレフタレートコポリエステル(PETG)、特に消費者から回収された廃棄材料を、直鎖、高分子量コポリエステルの製造に利用するプロセスに関する。プラスチック物品におけるより多量のリサイクル材料を使用する需要が、増大している。リサイクル内容物へのこの需要が、既存のプラスチック廃棄物の流れを、新しいプラスチック物品へ取り込み変換する、新しい方法および新しいプロセスを開発する必要性を生み出した。PETG廃棄材料の再生利用は、特に関心が強い。近年、リサイクルグリコール変性PET(PETG)廃棄物製品を、樹脂識別コード(RIC)1を保有するリサイクルポリエチレンテレフタレート(PET)廃棄物製品から分離するための立法化が、これらの組合せ廃棄物の処理の流れの間に経験する問題に起因して試みられている。さらに、再生して新しいプラスチック物品に変換することができる、現在はリサイクルされていない大量のPETGが存在している。特に、PETGで製造された収縮性フィルムは、高品質で透明なリサイクルPET(rPET)を製造するために、再生利用の流れから除去されるべきインクや他の汚染物質を含有している。さらに、医療用包装は大部分がPETGから製造されており、この材料は今のところ再生利用の流れを有していない。本発明は、収縮性フィルム、繊維、耐久消費財、ならびに他の造形物品および造形品のような、押出し製品および射出成形製品の製造に有用なコポリエステル製造の反応中間体として、リサイクルPETG、およびPETと組み合わせたリサイクルPETGを利用するプロセスを提供する。
【0033】
[00035]今日、ポリエチレンテレフタレート(PET)物品が再生され、半結晶性のリサイクルPET(rPET)に変換され、新しいプラスチック物品へさらに組み込まれる、非常に明確に定義された大規模な機械的再生利用プロセスが存在する。1,4-シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、またはネオペンチルグリコールのような他のグリコールによるPETのグリコール変性は、PETの透明度を改良し、靭性を改良し、結晶化度を低減するための非常に一般的な方法である。これらのグリコール変性材料は、通常はグリコール変性PETまたはPETGと呼ばれる。これらの材料の化学組成がPETに非常に類似していたとしても、エチレングリコール以外のグリコールによる変性は、PET再生利用プロセスにおいて再生利用することが困難な材料を生み出す。これらのPETG材料を回収し再生利用するために、新しい方法を生み出さなければならない。
【0034】
[00036]本開示に記述するプロセスは、様々な新しいコポリエステル樹脂を製造するための原料供給として、リサイクルPETGを使用する。このプロセスでは、リサイクルPETG(rPETG)をエチレングリコールおよびテレフタル酸とともにペーストとして導入し、製造プロセスの初期にエステル交換反応器へ供給して、新しいコポリエステルを生成する。プロセス中に、添加されたグリコールは、rPETGをそのもとの酸およびグリコール残基へ分解し、出発材料、新しいグリコールおよび酸を添加し、次に混合物をエステル化および重合して、新しいコポリエステルを生成する。このプロセスは、生み出された酸およびグリコールをさらに精製する必要がない供給材料としてリサイクルPETGを使用するという、利点を有している。さらに、このプロセスは、今のところ機械的再生利用の流れを有さず、従って埋立て地に配置されるrPETGを使用する方法を提供するので、有利である。
【0035】
[00037]加えて、rPETG(またはrPCTG、またはrPCTM、またはrPETM、またはrPCTA、またはrPCTG、またはrPCT)は、rPETには存在しない、CHDM、TMCD、DEGおよびNPGなどの、2つ以上のより高い値のモノマーを含有する。このプロセスから製造されたPETG製品は、未使用PETGと同様に機能し、リサイクル材料の添加によっていかなる性能も犠牲にすることなく、全く同じ用途で使用することができる。従来、rPETGは、未使用材料とブレンドして、物理的ブレンドを形成している。これらのブレンドは、機械的特性に関する性能、または色および外観に関するいずれかの性能をしばしば失い、未使用材料と同じ用途ではあまり使用できない。
【0036】
[00038]前に使用された、特に消費者から回収されたPETを、水および炭酸飲料のボトルを製造するための新しいPETの合成で使用することが、商業的に望ましくなってきた。前に使用されたポリエステル材料の再生および再生利用を促進するための、いくつかの化学処理技術は公知である。こうした技術はリサイクルポリエステル材料を解重合するために用いられ、解重合によってポリエステル材料はモノマー成分および/またはオリゴマー成分に縮小される。次に、モノマー成分および/またはオリゴマー成分を再重合して、リサイクルポリエステル材料を生成することができる。
【0037】
[00039]1つの公知の解重合技術は、リサイクルPETをメタノリシスへ供することである。メタノリシスアプローチによれば、rPETをメタノールと反応させて、テレフタル酸ジメチル(DMT)およびエチレングリコール(EG)を生成する。DMTおよびEGは容易に精製することができ、その後リサイクルポリエステル材料を含有するPETを製造するために使用される。しかしながら、世界中のほとんどの従来の商業的PET製造設備は、いずれかのテレフタル酸(TPA)を使用するように設計されており、小規模の一部の設備ではDMTを使用するが、ほとんどの設備は、TPAとDMTの両方をモノマー原料として使用するように設計されていない。従って、DMTを、多くのこうした設備用の原料として必要なTPAに変換するための追加の処理が一般に必要であり、いずれの場合にも、グリコールおよびDMT/TPAのさらなる精製が必要である。
【0038】
[00040]別の公知の解重合技術は加水分解であり、加水分解によってリサイクルPETを水と反応させて、rPETをTPAおよびEGへ解重合する。しかしながら、リサイクルPET中に一般に存在するある特定のタイプの汚染物質は、TPAから除去することが非常に困難であり費用がかかることが公知である。そのうえ、原料としてDMTを使用するように設計された設備では、TPAをDMTに変換しなければならず、グリコールおよびDMT/TPAの精製がさらに必要である。
【0039】
[00041]グリコール分解もリサイクルPETの解重合に使用することができる。rPETがEGと反応するとグリコール分解が起こり、従ってビス-(2-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)および/またはそのオリゴマーを生成する。グリコール分解は、主として、製造施設の大きな改良またはさらなる精製なく、BHETをDMT系またはTPA系PET製造プロセスの原料として使用することができるので、メタノリシスまたは加水分解よりも、いくつかの有意な利点を有する。グリコール分解技術によって提供される別の有意な利点は、解重合溶媒からのグリコールの除去が必要ないことである。
【0040】
[00042]以前に公知のグリコール分解プロセスは、消費者から回収されたrPETの独立した完全なグリコール分解、およびその後のグリコール分解生成物の一部の重縮合プロセスへの添加を含む。こうしたグリコール分解プロセスは、米国特許第5,223,544号に記述されている。こうしたプロセスは、高圧および大幅に過剰のエチレングリコールを必要とする。これらの要件は、反応器の潜在的製造能力を減少させることによって、反応器の効率を低減させる。
【0041】
[00043]通常、これらのグリコール分解プロセスでポリエステル分子を可溶化して、次に、BHETおよびそのオリゴマーなどのその構成要素に分解できるようにするには、高温および大幅に過剰のEGを必要とすることが見出されてきた。高温および過剰のEGは、副生物として大量のジエチレングリコールの生成をもたらす。このように製造されたジエチレングリコールはBHETから容易に除去することができず、そのため、次にBHETを使用して再生PETを製造する場合、得られるPET製品は過剰のジエチレングリコール含有量を有し、ポリマーを多くの商業的用途で容認できなくする。
【0042】
[00044]グリコール分解を含む他の公知プロセスは、消費者から回収されたrPETがほとんどの溶媒に不溶であるので、これを可溶化するために、10超の重合度を有するBHETオリゴマーのヒールを、反応操業の終わりに反応器中に保持する必要がある。これらの手順は、米国特許第4,609,680号に記述されている。従って、当技術分野には、新しい包装グレードPETの製造において、前に使用された消費者から回収されたrPETを効率的に扱うことができるグリコール分解プロセスに対する必要性が明確に残っている。
【0043】
[00045]本開示は、上で議論した問題への解決策を提供する。特に、本開示のプロセスは、リサイクルPET、リサイクルPETG、リサイクルPETM、およびリサイクルPCTMもしくはこれらの材料の混合物を含む、リサイクルポリエステルおよび/またはリサイクルコポリエステルを利用して、包装グレードポリエステル製品を製造するための効率的かつ経済的な手順を提供する。
【0044】
[00046]一実施形態では、ペーストゾーンにおける材料の粘度およびペーストゾーンを離れる材料の粘度は、rPET単独によるよりもrPETG(およびrPCTMまたはrPETとのブレンド)による方がはるかに低減される。一実施形態では、TPAは、EG単独よりrPETにより速やかに溶解する。一実施形態では、TPAは、rPETG、rPETMまたはrPCTMにさらにより速やかに溶解することができる。
【0045】
[00047]一実施形態では、TPAは、リサイクルポリエステルまたはコポリエステルと完全に置き換わる。
[00048]一実施形態では、最終的なポリエステル製品の組成制御は、リサイクル供給原料と第1反応ゾーンへ添加される成分の組合せによって行われる。
【0046】
[00049]本開示の一実施形態では、コポリエステルは2つの主な段階で製造される。第1の段階は、出発材料を反応させてモノマーおよび/またはオリゴマーを形成する。第1の段階に入る出発材料が、TPAまたはイソフタル酸などの酸末端基を含む場合、第1の段階はエステル化と呼ばれる。エステル化段階は単一のステップであることができる、または複数のステップに分割することができる。第2の段階は、モノマーおよび/またはオリゴマーをさらに反応させて、最終的なコポリエステル製品を形成する。第2の段階は、一般に重縮合段階と呼ばれる。重縮合段階は、単一のステップであることができる、またはプレ重縮合(またはプレ重合)ステップと最終(もしくは終了)重縮合ステップに分割することができる。
【0047】
[00050]
図1は、本開示の様々な実施形態による、ポリエステルまたはPETGなどのコポリエステルを製造するプロセスフローダイヤグラムを示す。フローダイヤグラム(
図1)は反応ゾーンを個別の容器として示すが、通常は連続撹拌槽型反応器(CSTR)であり、容器は、適切な仕切りおよび制御を備える複数のエステル化ゾーンを有する一体型ユニットであり得る。同様に、反応ゾーンが個別の容器として示されているが、通常はワイプフィルムタイプまたは薄膜タイプのCSTRであり、容器は、適切な仕切りおよび制御を備える複数の重縮合ゾーンを有する、1つまたは複数の一体型ユニットに連結され得る。様々な他のタイプのエステル化および重縮合反応槽、ならびに反応器の配置は当技術分野で公知であり、本開示による使用のために適合させることができる。
【0048】
[00051]
図1を参照して、一実施形態では、リサイクルコポリエステルおよび/またはポリエステルとともに、2:1のモル比でEGとTPAから構成されるペーストを、ペーストタンクとラベル付けされた場所に供給した。追加のEGを第1の反応ゾーンまたは反応器1へ供給し、CHDM、TMCD、NPG、およびDEGなどの他のグリコールも、同じ場所でコポリエステルの目標とする最終組成に基づいて第1の反応ゾーンへ供給することができ、任意選択で追加のリサイクル材料を添加することができる。一実施形態では、これらの原料は、別個におよび/または直接第1の反応ゾーンへ添加することができる。いくつかの実施形態では、リサイクルコポリエステルおよび/またはポリエステルは、以下の場所:ペーストタンク、ゾーン#1、ゾーン#2または終了ゾーンのうちの少なくとも1つへ供給される。いくつかの実施形態では、リサイクルコポリエステルおよび/またはポリエステルは、以下の場所:ペーストタンク、ゾーン#1、ゾーン#2もしくは終了ゾーンうちのの1つまたは複数へ供給される。
【0049】
[00052]第1の反応ゾーンの反応混合物は、熱交換器を含むリサイクルループを介して加熱される。エステル化は第1の反応ゾーンにおいて行われて、コポリエステルモノマー、オリゴマー、または両方を含む第1のエステル化生成物、ならびに未反応のTPA、EG、およびCHDM、TMCD、NPGまたはDEGなどの他のグリコールを形成する。次に第1の反応ゾーンの反応生成物を、第2の反応ゾーンへ通過させる。さらなるエステル化が第2の反応ゾーンにおいて行われ、追加のコポリエステルモノマー、オリゴマーまたは両方を含む第2のエステル化生成物を形成する。
【0050】
[00053]いくつかの実施形態では、エステル化段階を出るモノマーおよび/またはオリゴマーの平均鎖長は、25未満、1~20、または5~15であり得る。
[00054]一実施形態では、第2の反応ゾーンは任意選択である。いくつかの実施形態では、生成物は第1の反応ゾーンから第3の反応ゾーンへ通過する。
【0051】
[00055]次に、第2の反応ゾーンの反応生成物を、第3の反応ゾーンへ通過させる。いくつかの実施形態では、重縮合は、任意選択で重縮合触媒の存在下で第3の反応ゾーンにおいて行われ、コポリエステルオリゴマーを含むプレ重合生成物を形成する。いくつかの実施形態では、重縮合は第3の反応ゾーンにおいて重縮合触媒を必要とせずに行われ、コポリエステルオリゴマーを含むプレ重合生成物を形成する。いくつかの実施形態では、リサイクルコポリエステルおよびポリエステルから残っている触媒残留物は、重縮合触媒として作用するのに十分である。いくつかの実施形態では、第3の反応ゾーンは、エステル化段階を出るモノマーを、2~40個、5~35個、または10~30個の範囲の平均鎖長を有するオリゴマーへ変換する。
【0052】
[00056]次に、プレ重合生成物は、1つまたは複数の反応ゾーンまたは終了ゾーンへ通過する。追加の重縮合は、任意選択で重縮合触媒の存在下で終了ゾーンにおいて行われ、所望の平均鎖長またはIVを有するコポリエステルを形成する。次に、コポリエステルは、水面下のペレタイザーに連結された押出機を介したペレットの形成などの後処理のために、終了ゾーンから回収される。
【0053】
[00057]一実施形態では、ペーストタンクの温度は、120~180℃の間である。
[00058]一実施形態では、グリコール分解およびエステル交換反応ゾーンの温度は200~300℃である。
【0054】
[00059]一実施形態では、反応させるステップは、少なくとも253℃、少なくとも255℃、または少なくとも257℃の溶融温度で実行される。一実施形態では、さらにまたは代わりに、反応させるステップは、290℃以下、285℃以下、280℃以下、275℃以下、270℃以下、または265℃以下の溶融温度で実行される。様々な実施形態では、反応させるステップは、250~270℃、または257~265℃の溶融温度で実行される。
【0055】
[00060]一実施形態では、反応させるステップは、172~276kPa(25~40psi)、または207~276kPag(30~40psig)の圧力で実行される。
[00061]一実施形態では、エステル化ステップは、少なくとも253℃、少なくとも255℃、または少なくとも257℃の溶融温度で実行される。一実施形態では、さらにまたは代わりに、エステル化ステップは、290℃以下、285℃以下、280℃以下、275℃以下、270℃以下、または265℃以下の溶融温度で実行される。様々な実施形態では、エステル化ステップは、250~270℃、または257~265℃の溶融温度で実行される。
【0056】
[00062]一実施形態では、エステル化するステップ(d)は、55~138kPag(8~20psig)の圧力で実行される。
[00063]一実施形態では、反応させるステップにおける反応物の平均滞留時間は、2時間以下、1.75時間以下、1.5時間以下、1.25時間以下、1時間以下、または0.75時間以下である。様々な実施形態では、反応させるステップにおける反応物の平均滞留時間は、30~40分である。
【0057】
[00064]一実施形態では、エステル化するステップにおける反応物の平均滞留時間は、2時間以下、1.75時間以下、1.5時間以下、1.25時間以下、1時間以下、または0.75時間以下である。様々な実施形態では、エステル化するステップ(d)における反応物の平均滞留時間は、30~40分である。
【0058】
[00065]様々な実施形態では、プロセスへ導入されるEG:TPAの全体的モル比は、2.3:1~3.0:1の範囲である。
[00066]様々な実施形態では、プロセスへ導入されるEG:TPAの全体的モル比は、2.3:1~2.71:1の範囲である。
【0059】
[00067]第1の反応ゾーンにおける反応させるステップの温度、圧力、および平均滞留時間は、上述のものである。
[00068]様々な実施形態では、第1の反応ゾーンにおける反応させるステップは、250~270℃の溶融温度および172~276kPa(25~40psi)の圧力で実行される。
【0060】
[00069]様々な実施形態では、第1の反応ゾーンにおける反応させるステップは、257~265℃の溶融温度および207~276kPa(30~40psi)の圧力で実行される。
【0061】
[00070]第2の反応ゾーンにおけるエステル化するステップの温度、圧力、および平均滞留時間は、上述のものであり得る。
[00071]様々な実施形態では、第2の反応ゾーンにおけるエステル化するステップは、250~270℃の溶融温度および55~138kPa(8~20psi)の圧力で実行される。
【0062】
[00072]様々な実施形態では、第2の反応ゾーンにおけるエステル化するステップは、257~265℃の溶融温度および55~138kPa(8~20psi)の圧力で実行される。
【0063】
[00073]本開示のプロセスで有用な重縮合触媒は、特に限定されない。こうした触媒の例としては、チタン系化合物、アンチモン系化合物、およびゲルマニウム系化合物が挙げられる。チタン触媒は非常に効率的であり、低い触媒レベルで高い重縮合速度を与える。重縮合触媒は、エステル化段階中または重縮合段階中に添加することができる。一実施形態では、重縮合触媒は供給材料とともに第1の反応ゾーンへ添加される。一実施形態では、触媒は、コポリエステルの重量に対して1~500ppmの範囲で添加される。一実施形態では、チタンの場合には、触媒を、コポリエステルの重量に対して1~50ppmの範囲で添加することができる。
【0064】
[00074]一実施形態では、触媒の選択は、リサイクル供給原料に由来する触媒によって影響される。特定の触媒優位性は、供給原料からの触媒と第1の反応ゾーンおよび第2の反応ゾーンへ添加される触媒の組合せによって達成される。rPETに由来する可能性の高い触媒としては、SbおよびLi/Alが挙げられる。rPETGに由来する触媒は、Ti、Co、Ge、およびSbであり得る。rPETMおよびrPCTMに由来する触媒としては、Coが挙げられる。
【0065】
[00075]いくつかの実施形態では、熱安定性を改善するために、触媒とともに、リン化合物がしばしば添加される。熱安定剤として有用なリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、亜ホスフォン酸、ならびにこれらの様々なエステルおよび塩が挙げられる。エステルは、アルキル、分岐アルキル、置換アルキル、二官能性アルキル、アルキルエーテル、アリール、および置換アリールであり得る。いくつかの実施形態では、好適な熱安定剤としては、リン酸トリフェニルMerpol Aが挙げられる。一実施形態では、リンは、コポリエステルの重量に対して10~100ppmの範囲で添加される。
【0066】
[00076]様々な実施形態では、1種または複数の他の添加剤を、出発材料、コポリエステル、および/またはコポリエステルのモノマー/オリゴマーに、プロセス内の1つまたは複数の場所で添加することができる。様々な実施形態では、好適な添加剤としては、例えば、無水トリメリト酸、トリメチロールプロパン、ピロメリト酸二無水物、ペンタエリスリトール、または他のポリ酸もしくはポリオールなどの三官能性または四官能性コモノマー;架橋剤または他の分岐剤;着色剤;トナー;顔料;カーボンブラック;ガラス繊維;充填剤;衝撃改質剤;酸化防止剤;UV吸収性化合物;酸素捕捉化合物などを挙げることができる。
【0067】
[00077]本開示によるプロセスは、工業規模での使用に特に好適である。例えば、一実施形態では、それらは、227~13,600kg/時(500~30,000ポンド/時)のポリマーの速度で運転することができる、商業的製造ラインにおいて実施することができる。
【0068】
[00078]別の態様では、本開示は、本開示のプロセスから製造されたコポリエステルに関する。
[00079]さらなる前述のプロセスによれば、新しいポリエステル生成物は、エチレングリコール単位、ジエチレングリコール単位、および1,4-シクロヘキサンジメタノールジオール単位を含有することができ、1,4-シクロヘキサンジメタノール単位はジオール単位の合計の約25モル%以下を構成し、ジエチレングリコールは総ジオール単位の15モル%以下を構成する。この場合、1,4-シクロヘキサンジメタノール単位およびジエチレングリコール単位は、第1の反応混合物中、または消費者から回収されたポリ(エチレンテレフタレート)もしくはグリコール変性ポリ(エチレンテレフタレート)フレーク材料の一部に由来する、エチレングリコール成分の一部に直接添加することができる。
【0069】
[00080]様々な実施形態では、コポリエステルは、
(a)60~100モル%のテレフタル酸の残基、イソフタル酸の残基、またはこれらの混合物を含む二酸成分;ならびに
(b)0~96.5モル%のエチレングリコールの残基および3.5~100モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール成分
を含み、
ここで二酸成分は、コポリエステル中で100モル%の総二酸残基に対するものであり、ジオール成分は、コポリエステル中で100モル%の総ジオール残基に対するものである。
【0070】
[00081]様々な実施形態では、コポリエステルは、
(a)90~100モル%のテレフタル酸の残基を含む二酸成分;ならびに
(b)50~96.5モル%のエチレングリコールの残基および3.5~50モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール成分
を含み、
ここで二酸成分は、コポリエステル中で100モル%の総二酸残基に対するもとのであり、ジオール成分は、コポリエステル中で100モル%の総ジオール残基に対するものである。
【0071】
[00082]様々な実施形態では、コポリエステルは、
(a)90~100モル%のテレフタル酸の残基を含む二酸成分;ならびに
(b)0~50モル%のエチレングリコールの残基および50~100モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール成分
を含み、
ここで二酸成分は、コポリエステル中で100モル%の総二酸残基に対するものであり、ジオール成分は、コポリエステル中で100モル%の総ジオール残基に対するものである。
【0072】
[00083]様々な実施形態では、コポリエステルは、
(a)60~100モル%のテレフタル酸の残基を含む二酸成分;ならびに
(b)65~85モル%のエチレングリコールの残基および25~35モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール成分
を含み、
ここで二酸成分は、コポリエステル中で100モル%の総二酸残基に対するものであり、ジオール成分は、コポリエステル中で100モル%の総ジオール残基に対するものである。
【0073】
[00084]様々な実施形態では、コポリエステルは、0.4~1.5dL/gまたは0.5~1.2dL/gまたは0.6~0.9dL/gのインヘレント粘度を有する。
[00085]様々な他の実施形態では、コポリエステルは、
(a)100モル%のテレフタル酸の残基、イソフタル酸の残基、またはこれらの混合物を含む二酸成分;
(b)0~96.5モル%のエチレングリコールの残基、3.5~100モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの残基、および0~0.4モル%の無水トリメリト酸の残基を含むジオール成分;
を含み、
ここで、コポリエステルは0.4~1.5dL/gのインヘレント粘度(IV)を有し、
全ての重量パーセントはコポリエステルの総重量に対するものであり;
二酸成分は、コポリエステル中で100モル%の総二酸残基に対するものであり、ジオール成分は、コポリエステル中で100モル%の総ジオール残基に対するものである。
【0074】
[00086]一実施形態では、本開示は、本開示のいずれかの収縮フィルムの実施形態の収縮フィルムを含む、製造物品または造形物を含む。別の実施形態では、本開示は、本開示のいずれかの配向フィルムの実施形態の配向フィルムを含む、製造物品または造形物を含む。
【0075】
[00087]ある特定の実施形態では、本開示は、限定されるものではないが、容器、プラスチックボトル、ガラスボトル、包装、電池、高温充填容器、および/もしくは工業用物品または他の用途に適用される収縮フィルムを含む。一実施形態では、本開示は、限定されるものではないが、容器、包装、プラスチックボトル、ガラスボトル、紙などの写真基材、電池、高温充填容器、および/もしくは工業用物品または他の用途に適用される配向フィルムを含む。
【0076】
[00088]本開示のある特定の実施形態では、本開示の収縮フィルムは、ラベルまたはスリーブへ形成することができる。次に、ラベルまたはスリーブは、容器の壁、電池などの製造物品、またはシートもしくはフィルムの上に適用することができる。
【0077】
[00089]本開示の配向フィルムまたは収縮フィルムは、シート、フィルム、チューブ、ボトルなどの造形物に適用することができ、一般に様々な包装用途で使用される。例えば、ポリオレフィンなどのポリマー、ポリスチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)などから製造されたフィルムおよびシートは、プラスチックの飲料または食品容器用収縮ラベルを製造するために頻繁に使用される。例えば、本開示の収縮フィルムは、造形物に適用される収縮フィルムが、良好な印刷適性、高い不透明性、より高い収縮力、良好な触感、および良好な剛さなどの特性を示す、多くの包装用途で使用することができる。
【0078】
[00090]改善された収縮特性と改善された靭性の組合せは、限定されるものではないが、容器、プラスチックボトル、ガラスボトル、包装、電池、高温充填容器、および/もしくは工業用物品に適用される収縮フィルムまたは他の用途を含む、新しい商業的選択肢を提示するはずである。
【0079】
[00091]さらに、本開示の材料をシートへ押し出すことができ、シートをさらに3次元物品へさらに熱成形することができる。本開示の材料は、成型物品、フィルム、収縮性フィルム、配向フィルム、ブロー成型物品、およびインフレートフィルム物品(blown film article)へ変換することができる。
【0080】
[00092]本開示は、本明細書で言及する実施形態、特徴、特性、パラメータ、および/または範囲のあらゆる組合せを、含み、明確に想定し、開示する。すなわち、本開示の主題は、本明細書で言及する実施形態、特徴、特性、パラメータ、および/または範囲の任意の組合せによって定義され得る。
【0081】
[00093]本開示の任意のプロセス/方法、装置、化合物、組成、実施形態、または成分は、暫定的用語「含む」、「本質的にからなる」「からなる」またはこれらの用語の変形によって修正され得る。
【0082】
[00094]本明細書で使用する場合、不定冠詞「a」および「an」は、文脈で明確に示唆しない限り、1つまたは複数を意味する。同様に名詞の単数形は、文脈で明確に示唆しない限り、その複数形を含み、逆もまた同様である。
【0083】
[00095]正確であるべく努めているが、本明細書に記述する数値および数の範囲は、文脈で特に示さない限り近似値と見なされるべきである。これらの値および範囲は、本開示によって得ようと求めた所望の特性ならびに計測技術に見出される標準偏差に起因する変動に応じて、それらの提示された数から変動し得る。そのうえ、本明細書に記述される範囲は、提示された範囲内の全ての部分範囲および値を含むように意図され、特に想定される。例えば、50~100の範囲は、60~90、70~80などの部分範囲を含む、範囲内の全ての値を含むように意図される。
【0084】
[00096]実施例で報告される同じ特性またはパラメータの任意の2つの数は、範囲を設定することができる。それらの数は、最も近い1000分の1、100分の1、10分の1、整数、10、100、または1000に端数を丸めて、範囲を設定することができる。
【0085】
[00097]特許ならびに非特許文献を含む、本明細書に引用される全ての文書の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。任意の組み込まれた内容が本明細書の開示と矛盾する範囲で、本明細書の開示が組み込まれた内容に優先するものとする。
【0086】
[00098]本開示は以下の実施例によってさらに説明することができるが、これらの例は単に例証の目的で含まれており、本開示の範囲を限定する意図ではないことを理解すべきである。
【実施例】
【0087】
実験室規模プロセスの結果:
[00099]一般的手順:PTA 53.16g、EG 62.21g、DEG 2.97g、CHDM 11.52g、およびrPET 18.86gの混合物を、窒素用入口、金属撹拌機、および短い蒸留塔を装備した500ミリリットルのフラスコに入れた。加えて、Ti触媒溶液0.14ml(16ppm Tiを目標)およびMn溶液1ml(45ppm Mnを目標)をフラスコに添加した。フラスコを、すでに200℃に加熱されたWoodの金属槽に入れた。撹拌速度は、実験の最初に200RPMに設定した。フラスコの内容物を200℃で60分間加熱し、次に温度を250℃まで300分にわたって徐々に上げた。次に、撹拌機を100rpmまで減速し、真空を0.4トルまで徐々にかけながら、反応混合物を20分間で270℃まで加熱した。次に、温度を20分間にわたって278℃に上げ、撹拌を60rpmに低減し、混合物をこれらの条件下で120分間保持した。この保持の後に、混合物を大気圧に戻し、熱から取り出した。次に、分析のためにポリマーをフラスコから取り出した。実施例1は、TPAのrPETによる100%置換を使用して行った。実施例2は、TPAの20%rPET置換により行った。
【0088】
[000100]本開示の一態様では、rPETの供給が適度に一定であるとすれば、Sbおよび他の残留触媒ならびに添加剤の量は、
図2に示すように予測可能であり得る。いくつかの実施形態では、
図2は、系に添加すべきアンチモンの量を、プロセスへ供給するrPETの量に基づいて釣り合わせることができることを示している。例えば、最終製品中に100ppmのSbを望む場合、プロセスへ60%のrPETを供給する、または、20%のrPETを供給して系へ60ppmのSbを添加することができる。
実験室樹脂のキャラクタリゼーション:
【0089】
【0090】
[000101]両方のケースで製造された樹脂は、全ての不可欠な性能基準に関して類似していた。両方の材料は、添加されたrPETの量にかかわらず、類似の色、IV、および組成を有した。
パイロットプラントプロセスの結果:
[000102]リサイクルPET7.3重量%を、エチレングリコール45.7重量%、ジエチレングリコール0.7重量%、シクロヘキサンジメタノール9.8重量%、およびテレフタル酸36.4重量%を含有する反応器に添加することによって、樹脂試料(A1およびA2)を製造した。Ti触媒を、30ppm添加した。グリコールと酸の比は3.3であり、エチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールを使用して過剰を作り上げた。反応混合物を、250~255℃および172~207kPag(25~30psig)で3~3.5時間保持した。リンを21ppm添加し、次に目標の溶融粘度に到達するまで反応混合物を270℃に加熱し、真空下で撹拌した。
【0091】
[000103]反応混合物にrPETまたはDEGを添加せず、Ti触媒50ppmを使用する以外は、同じプロセスを使用して対照樹脂試料(B)を製造した。エチレングリコール44.1重量%、シクロヘキサンジメタノール10.5重量%、およびテレフタル酸45.5重量%を反応器に入れた。グリコールと酸の比は2.9であり、エチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールを使用して過剰を作り上げた。CHDMの過剰は前の試料と同じであったが、EGの過剰は減少した。
【0092】
[000104]樹脂のキャラクタリゼーションを以下の表に記述する。
パイロットプラント樹脂のキャラクタリゼーション:
【0093】
【0094】
[000105]樹脂実施例A1とA2を一緒にして、樹脂Aを作り出した。樹脂AおよびBを、乾燥剤乾燥器(desiccant drier)中、60℃で4~6時間乾燥した。次に、10ミル(250ミクロン)の厚さを有するフィルムを、6.4cm(2.5インチ)Davis and Standard押出機を使用して押し出した。押し出したら、フィルムを切断し、50ミクロンの最終厚さまでBruckner Karo 4 テンターフレーム(tenter frame)上で延伸した。フィルムを、100%/秒の延伸速度、および押し出したフィルムのTgより摂氏5~15度高い延伸温度で、5:1の比で延伸した。このプロセスで製造した収縮性フィルムのキャラクタリゼーションを、以下の表に記述する。
実施例AおよびB:rPETから製造した樹脂組成物から製造した収縮性フィルム
【0095】
【0096】
[000106]樹脂AおよびBは、非常に類似する組成、IVおよび色を有した。樹脂で製造した収縮性フィルムもまた、非常に類似する性能を有した。これらの結果は、樹脂製造プロセスにrPETを組み込みことが、樹脂または樹脂から製造された物品の最終性能に影響を及ぼさないことを実証している。
商業規模のプロセス:
[000107]本発明の有用性を実証するために、樹脂試料を商業的製造装置でも製造した。
【0097】
[000108]商業規模のプロセスでは、5%のリサイクルPETをテレフタル酸およびエチレングリコールとともにスラリータンクに添加した。スラリータンクは、十分な混合を可能にするために、30分を超えて撹拌した。次に、このスラリーを、触媒、追加のエチレングリコール、ジエチレングリコール、およびシクロヘキサンジオールとともに反応ゾーン1へ添加した。この混合物を、242+kPag(35+psig)の圧力下、235℃を超えて少なくとも1時間反応させて、同時にPETを解重合させ、モノマーを反応させた。次に、追加のグリコールを取り除くが反応温度を維持しながら、反応ゾーン1からのモノマーおよびオリゴマーを、さらにそれらを反応させる反応ゾーン2へ通過させた。より高い温度およびより深い真空条件下で終了させるために、この材料を反応ゾーン3へ通過させた。最終生成物、実施例Cのキャラクタリゼーションを、同じ組成を有し、やはり商業プロセスでrPETを添加せずに製造した、別のコポリエステル樹脂、実施例Dと比較して、以下の表に示す。
商業的プロセス樹脂のキャラクタリゼーション:
【0098】
【0099】
[000109]樹脂CおよびDを、乾燥剤乾燥器中、60℃で4~6時間乾燥した。次に、10ミル(250ミクロン)の厚さを有するフィルムを、6.4cm(2.5インチ)Davis and Standard押出機を使用して押し出した。押し出したら、フィルムを切断し、50ミクロンの最終厚さまでBruckner Karo 4 テンターフレーム上で延伸した。フィルムを、100%/秒の延伸速度、および押し出したフィルムのTgより摂氏5~15度高い延伸温度で、5:1の比で延伸した。このプロセスで製造した収縮性フィルムのキャラクタリゼーションを、以下の表に記述する。
実施例CおよびD:rPETから製造した樹脂組成物から製造した収縮性フィルム
【0100】
【0101】
[000110]樹脂CおよびDは、非常に類似する組成、IV、および色を有した。樹脂で製造した収縮性フィルムもまた、非常に類似する性能を有した。これらの結果は、樹脂製造プロセスにrPETを組み込みことが、樹脂または樹脂から製造された物品の最終性能に影響を及ぼさないことを実証している。
【0102】
[000111]本開示を、その特定の実施形態を特に参照して詳細に記述してきたが、本開示の趣旨および範囲内で変形および修正ができることは、理解されるであろう。
【国際調査報告】