(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】視野窓と洗浄ユニットとを備えたライダーセンサおよびこれに関連するセンサ装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20221221BHJP
B60S 1/62 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
B60S1/62 110B
B60S1/62 120A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523901
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(85)【翻訳文提出日】2022-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2020079552
(87)【国際公開番号】W WO2021078762
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】102019216440.4
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【氏名又は名称】鳥居 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】ノイシュタット,アルフ
【テーマコード(参考)】
3D225
5J084
【Fターム(参考)】
3D225AA11
3D225AC01
3D225AD22
3D225AE84
5J084AC02
5J084BA03
5J084BA49
5J084BB28
5J084EA40
(57)【要約】
本発明は、視野窓(2)と洗浄ユニット(3)とを備えたライダーセンサ(1)が提示され、ライダーセンサ(1)は、ライダーセンサ(1)の第1の面(5)をライダーセンサ(1)の第2の面(6)と接続する垂直軸(4)を有し、前記第1の面(5)および前記第2の面(6)は互いに対向する面であり、前記視野窓(2)が、ライダーセンサ(1)の前記第1の面(5)を前記第2の面(6)と接続するライダーセンサ(1)の前面(7)に配置されており、ライダーセンサ(1)は、ライダーセンサ(1)の前記第1の面(5)を前記第2の面(6)と接続する背面(8)を有し、前記洗浄ユニット(3)がライダーセンサ(1)の前記前面(7)に配置されており、前記洗浄ユニット(3)は待機位置(11)にあるときに前記垂直軸の方向に沿って前記前面(7)上に延在し、ライダーセンサ(1)は、前記第1の面(5)または前記第2の面(6)が選択的にライダーセンサ(1)の上面となるように車両(20)に設置されて動作するように適合している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視野窓(2)と洗浄ユニット(3)とを備えたライダーセンサ(1)であって、
当該ライダーセンサ(1)は、当該ライダーセンサ(1)の第1の面(5)を当該ライダーセンサ(1)の第2の面(6)と接続する垂直軸(4)を有し、前記第1の面(5)および前記第2の面(6)が互いに対向する面であり、
前記視野窓(2)は、当該ライダーセンサ(1)の前記第1の面(5)を前記第2の面(6)と接続する当該ライダーセンサ(1)の前面(7)に配置されており、
当該ライダーセンサー(1)は、当該ライダーセンサ(1)の前記第1の面(5)を前記第2の面(6)と接続する背面(8)を有し、
前記洗浄ユニット(3)は、当該ライダーセンサ(1)の前記前面(7)に配置され、前記洗浄ユニット(3)が待機位置(11)にあるときに前記垂直軸の方向に沿って前記前面(7)上に延在し、
当該ライダーセンサー(1)は、前記第1の面(5)または前記第2の面(6)が選択的に当該ライダーセンサ(1)の上面となるように車両(20)に設置されて動作するように適合している、ライダーセンサ(1)。
【請求項2】
前記洗浄ユニット(3)は、前記待機位置(11)で前記垂直軸(4)に対して平行に配置されているワイパーブレードを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のライダーセンサ(1)。
【請求項3】
前記洗浄ユニット(8)は、前記待機位置(11)から前記視野窓(2)上を移動させられるように適合しており、前記洗浄ユニット(8)が前記垂直軸(4)に対して直角をなす移動方向に移動させられる、ことを特徴とする請求項1または2に記載のライダーセンサ(1)。
【請求項4】
当該ライダーセンサ(1)の固定を可能にし、前記垂直軸(4)に垂直な対称面(9)に関して対称となるように形成されている取付部(10)を有する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のライダーセンサ(1)。
【請求項5】
前記取付部が、対称面(9)上に位置する中心取付点を含み、および/または前記対称面(9)の異なる側に対称に配置されている2つの偏心取付点を有する、ことを特徴とする請求項4に記載のライダーセンサ(1)。
【請求項6】
前記視野窓(2)を備えた前記前面(7)が、前記垂直軸(4)に垂直な対称面(9)に関して対称となるように形成されている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のライダーセンサ(1)。
【請求項7】
当該ライダーセンサ(1)は、前記前面(7)に沿って延在するとともに前記垂直軸(4)に垂直である長手方向軸を有し、当該ライダーセンサ(1)の光学中心が前記長手方向軸上に当該ライダーセンサの幾何学的中心から離れて位置する、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のライダーセンサ(1)。
【請求項8】
当該ライダーセンサ(1)の走査方向、特にライダーセンサ(1)の回転偏向部の回転方向が設定可能である、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のライダーセンサ(1)。
【請求項9】
当該ライダーセンサ(1)の走査プロセスを所定の時間周波数および/または所定の位相と同期させることを可能にする同期信号を受信するように適合している、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のライダーセンサ(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のライダーセンサ(1)を少なくとも2つ含むセンサ装置であって、複数の前記ライダーセンサ(1)のうちの1つの第1の面と複数の前記ライダーセンサ(1)のうちの別の1つの第2の面(6)とが共通の面上に配置されている、センサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライダー(LiDAR)センサおよびこれに関連するセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般に異なる3種類のライダーセンサが自動車環境において使用されている。これらには、典型的に測定タスクに使用される非自動車用ライダー(LiDAR)システム、自動車環境において試験走行(および少数生産車)用に使用される非自動車用ライダーシステム、および自動車用ライダー(LiDAR)システムが含まれる。
【0003】
最初の2種類、すなわち非自動車用ライダーシステムの場合、外観および部分的には車両との一体性の視覚的印象もどちらかといえば重要ではない。広い視野がしばしば要求されるので、アクティブロータを備えたライダーセンサが使用される場合が多い。この場合、ライダーシステムはたいてい、その長手方向軸に関して対称である。
【0004】
自動車用ライダーシステムの場合、外観および車両との一体性が重要である。通常、車両毎に1つのライダーセンサが使用され、このセンサが、例えば前照灯の間のラジエータグリル内に、またはフロントフェンダー内/フロントエプロン内に配置されている。この場合、ライダーセンサはたいてい、車両の中心から左側または右側に配置されている。
【0005】
そして今、新しい種類のものがライダーシステムに加わった。それは、自動運転を支援するために量産車において使用され得る自動車用ライダーシステムである。このために、複数の、例えば6個または7個のライダーセンサが1台の車両に組み込まれる。この場合、車両との一体性/外観に対する要求は、試験車両の場合よりも著しく高い。このようなライダーセンサの視野は、水平方向に約110~120度である。
【0006】
自動運転の場合、ライダーセンサの可用性に対する要求は他の用途の場合よりも著しく高い。したがって、悪天候あるいは雨天時に走行する際にも、センサの視野を可能な限り汚れや水滴が存在しない状態に保つことが特に必要である。そのためには、すすぎ水を用いるだけでなく視野窓を拭き取りによって洗浄することが有効である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ワイパーの早期の摩耗を防ぐために、ワイパーブレードの移動領域に接合部/エッジがあってはならない。そのため、有利にはライダー(LiDAR)機能にとって必要ではない領域であってガラスワイパーを「待機」させることが可能なフロントガラスの領域、したがってライダーセンサの視野窓の領域が存在する。その位置を待機位置と呼ぶ。
【0008】
そのような領域は、追加のスペースを必要とし、あるいはライダーのハウジングのサイズを大きくするものである。車両における対称的な(左右対称の)組み込み位置(例えば、左右のフェンダー)の場合は、(車両に対して)2つの異なるワイパーの待機位置と、(空力、ワイパーの露出、視野を考慮した)2つの異なる車両一体性、または、ライダー上の2つの待機位置とそれに伴うライダーのハウジングの幅を追加的に拡張することが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるライダー(LiDAR)センサは、視野窓と洗浄ユニットとを含む。ライダーセンサは、ライダーセンサの第1の面をライダーセンサの第2の面と接続する垂直軸を有し、第1の面および第2の面は互いに対向する面である。視野窓は、ライダーセンサの第1の面を第2の面と接続するライダーセンサの前面に配置されている。ライダーセンサは、ライダーセンサの第1の面を第2の面と接続する背面を有する。洗浄ユニットはライダーセンサの前面に配置されており、待機位置にあるときに垂直軸の方向に沿って前面上に延在している。ライダーセンサは、第1の面または第2の面が選択的にライダーセンサの上面となるように車両に設置されて動作するように適合している。
【0010】
したがって、上下逆さまにも設置可能なライダーセンサが提供される。これによって、洗浄ユニットの第2の待機位置が不要とされ得、なおかつ車両に複数のライダーセンサを配置した際に対称な構成が確保され得る。これは、車両の右側の周囲を捕捉するためにライダーセンサが特に車両の右側に配置されてもよく、または車両の左側の周囲を捕捉するために車両の左側に配置されてもよいことを意味する。したがって、構造的に同一のセンサが車両の右側または左側のいずれかに配置され得、車両の対称な外観が維持される。この場合、例えば洗浄ユニットの待機位置を変更するために、洗浄ユニットを新たに構成する必要がない。
【0011】
したがって、車両の右側または左側のいずれかに配置され得るライダーセンサが提供され、複数のセンサを車両の右側にも左側にも配置するために構造的に同一のセンサが利用され得る。ライダーセンサが選択的に第1の面または第2の面を上面として車両に配置されるのに適していることによって、待機位置が変更されずに維持され得、車両における複数のライダーセンサの外観が対称に保たれる。例えば、ライダーセンサにおける洗浄ユニットの待機位置が、ライダーセンサが車両の右側に配置されている場合に車両での配置に関して車両の車両前部の側であれば、この待機位置は、ライダーセンサが車両の左側に配置されており第1の面の代わりに第2の面がライダーセンサの上面として選択される場合、すなわちライダーセンサが上下逆さまに設置される場合にも、同様に車両前部の側にある。
【0012】
そのため、車両の反対側の面に配置するために垂直軸周りに回転させられるセンサとは異なり、対称的な外観を維持するために洗浄ユニットの待機位置を新たに確定する必要がない。したがって、車両での異なる組み込み位置に対して異なるライダーセンサを準備する、またはライダーセンサの待機位置を再設定可能にする必要がない。さらに、ライダーセンサが車両の右側または左側のどちらに設置されているかによって洗浄ユニットが異なる待機位置に到達できるように前面または視野窓を構成する必要がないので、ライダーセンサがよりコンパクトに形成され得る。
【0013】
したがって、ライダーセンサが車両に設置されている場合、第1の面および第2の面がライダーセンサの上面および下面になる。しかし、この場合、ライダーセンサが車両にどのように設置されているかによって第1の面および第2の面のどちらも上面とみなすことができるので、第1の面および第2の面を上面および下面と呼ぶことはできない。ライダーセンサは、選択的に第1の面または第2の面がライダーセンサの上面となるように車両に設置されて動作するのに適している。これはとりわけ、ライダーセンサ内の機構が、ライダーセンサの車両への配置の際に第1の面または第2の面のどちらがライダーセンサの上面となるかに左右されずに動作可能となるように構成されていることを意味する。したがって、特にライダーセンサの軸受は、ライダーセンサの第1の面および第2の面のどちらがライダーセンサの上面となるかに左右されずにライダーセンサの例えば偏向部が確実に動作可能となるように構成されている。
【0014】
ライダーセンサの垂直軸は構造上の要素ではなく、ライダーセンサの向きを表す仮想的な軸である。ライダーセンサが車両に設置されている場合、通常、ライダーセンサの垂直軸は車両の垂直軸に対応する。
【0015】
ライダーセンサは視野窓を備えた前面を有する。この視野窓は透明な部材であり、この部材を通してライダーセンサから光線が出射され、ライダーセンサの周辺からの反射光がライダーセンサによって受光される。ライダーセンサの第1の面、第2の面、前面、および背面は、好ましくはライダーセンサのハウジングの面である。視野窓は好ましくはライダーセンサの前面の全体にわたって延在している。ライダーセンサの前面は、ライダーセンサが車両の車体と一体的に組み込まれた際に車両の車体の外側に位置する表面の一部を構成するライダーセンサの面である。そのため、任意にライダーセンサの前面はシーリングリップによって囲まれている。ライダーセンサの背面は、ライダーセンサが車両の車体と一体的に組み込まれた際に見ることができないライダーセンサの面である。
【0016】
洗浄ユニットは、好ましくは、洗浄プロセスにおいて待機位置を起点として視野窓または視野窓の一部の上を移動させられる機械的な洗浄ユニットである。この場合、待機位置は視野窓上または視野窓の隣に位置し得る。
【0017】
洗浄ユニットは、待機位置にある場合、垂直軸の方向に沿って前面上に延在する。この場合、洗浄ユニットは、好ましくは垂直軸に沿って、洗浄ユニットによって洗浄される視野窓の領域上に延在する。
【0018】
従属請求項には本発明の好ましい発展形態が示されている。
【0019】
好ましくは、洗浄ユニットは、待機位置において垂直軸に対して平行に配置されているワイパーブレードを含む。この場合、ワイパーブレードは、待機位置において視野窓上または視野窓の隣に配置されていてもよい。この場合、ワイパーブレードは特に、拭き取りのために意図された方向に待機位置、すなわちその静止位置から視野窓上を直線的な動作で移動させられるように配置されている。したがって、好ましくは、ワイパーブレードの掻き取り縁は垂直軸に対して平行に延在している。
【0020】
好ましくは、洗浄ユニットは待機位置から視野窓上を移動させられるように適合しており、洗浄ユニットは垂直軸に対して直角をなす移動方向に移動させられる。これは、好ましくは、洗浄ユニットは駆動されたときにライダーセンサの第1の面と第2の面との間に延びる長手方向に視野窓上を移動させられることを意味する。逆に言えば、洗浄プロセスは上から下へ向けられた動作によって行われないことを意味する。洗浄プロセスは、直線的な動作によって行われる。したがって、ライダーセンサの構造を特に簡素化することが可能になる。
【0021】
また、有利には、ライダーセンサは、ライダーセンサの固定を可能にし、前記垂直軸に垂直な対称面に関して対称となるように形成されている取付部を有する。この場合、対称面は取付部の対称面であり、対称面は垂直軸に関して半分の高さでライダーセンサをも横断している。ライダーセンサ自体、すなわち取付部を除くライダーセンサは必ずしも対称面に関して対称に形成されていなくてもよい。したがって、特にライダーセンサの内部で構成部品が対称面に対して非対称に配置されていてもよい。好ましくは、ライダーセンサを接触させるための挿入接続部も必ずしも対称面に関して対称に配置されていなくてもよい。取付部が対称面に関して対称であることによって、ライダーセンサの取付部が車両に固定される取付点を車両の異なる側に互いに対称に設けることが可能になる。
【0022】
さらに、この場合有利には、取付部が対称面上に位置する中心取付点を含み、および/または対称面の異なる側に対称に配置されている2つの偏心取付点を有する。特に中心取付点と2つの偏心取付点とを組み合わせることが有利である。2つの偏心取付点によって、ライダーセンサのねじれを特に効果的に防止することができる。この場合、中心取付点は特に低コストで設けられており、ライダーセンサの取り付けを簡易化することができる。中心取付点と、ライダーセンサの背面上の特に異なる側、好ましくは対向する側に配置されている2つの偏心取付点とを組み合わせる場合、ライダーセンサは一方ではねじれが防止され、他方ではその位置において両側で固定される。取付点、したがって取付部は好ましくはライダーセンサの背面に配置されている。
【0023】
さらに、有利には、視野窓を備えた前面は、垂直軸に垂直な対称面に関して対称となるように形成されている。このように、ライダーセンサの外観は確実にライダーセンサが車両の右側または左側のどちらに配置されるかに左右されなくなる。
【0024】
また、有利には、ライダーセンサは、前面に沿って延在するとともに垂直軸に対して垂直である長手方向軸を有し、ライダーセンサの光学中心が長手方向軸上にライダーセンサの幾何学的中心から離れて位置する。この場合、特にライダーセンサの視野は、ライダーセンサが付属する視野窓を備えた前面のある領域を透過することによって、洗浄ユニットの待機位置を形成するのに十分な大きさの別の1つの領域だけが前面上に残されるように方向付けられている。ここで、走査ビームがライダーセンサから出射する前に偏向されずに直線的に延びるときに、光学中心は、ライダーセンサを外側から見た際に走査ビームがそこから出射されているように見える点である。つまり、ライダーセンサの走査ビームは、前面の少なくとも一方の側に十分なスペースが残されることによって、ライダーセンサの光線の進行を妨害せずに洗浄ユニットをこの部位の待機位置へ移動させることができるように、前面の視野窓を通る。さらに、好ましくは、ライダーセンサの走査ビームは、別の一方の側に十分なスペースが残されずに、ライダーセンサの光線の進行を妨害せずに洗浄ユニットをこの部位の待機位置へ移動させることができないように、前面の視野窓を通る。同時に、有利には、ライダーセンサの視線方向が車両前部または車両後部の方へ、すなわち長手方向軸に沿って決められた方向に向けられている。したがって、ライダーセンサは決められた方向に視線を向けることができる。ライダーセンサの視野は非対称であってもよい。
【0025】
また、有利には、ライダーセンサの走査方向、特にライダーセンサの回転偏向部の回転方向が設定可能である。したがって、例えばライダーセンサが車両の右側に設置されるときにライダーセンサの走査方向を右回りに設定し、ライダーセンサが車両の左側に設置されるときにライダーセンサの走査方向を左回りに設定することができる。あるいは、例えばライダーセンサが車両の左側に設置されるときにライダーセンサの走査方向を右回りに設定し、ライダーセンサが車両の右側に設置されるときにライダーセンサの走査方向を左回りに設定することができる。ライダーセンサは車両の面のうちの1つに上下逆さまに設置されることが意図されているので、異なるライダーセンサの走査方向を車両に対して同一にすることが可能になる。それによって、異なるライダーセンサの走査ビームが衝突して互いに干渉することを防止することができる。
【0026】
また、有利には、ライダーセンサは、ライダーセンサの走査プロセスを所定の時間周波数および/または所定の位相と同期させることを可能にする同期信号を受信するように適合している。この場合、走査プロセスの時間周波数は、ライダーセンサがその視野を一度捕捉するのに必要な時間によって決定される。視野の一回の捕捉を繰り返すことによって時間周波数が得られる。したがって、ライダーセンサがその周囲を捕捉する速度を同期信号を介して調節することができる。ライダーセンサの位相とライダーセンサの走査プロセスは、ライダーセンサの走査ビームがいつ特定の部位に位置するかを定める。ライダーセンサの走査プロセスの時間周波数および位相を同期信号によって調節可能であり、その際、特に位相および時間周波数が同期信号で定められることによって、複数のライダーセンサを、例えばこれらの走査ビーム同士が衝突しないように互いに同期させることができる。
【0027】
さらに、本発明によるライダーセンサを少なくとも2つ含むセンサ装置であって、それらライダーセンサのうちの1つの第1の面とそれらライダーセンサのうちの別の1つの第2の面が共通の面上に配置されているセンサ装置が有利である。この場合、センサ装置は特に車両におけるセンサ装置であり、その際、ライダーセンサのうちの1つが車両の第1の面に配置され、ライダーセンサのうちの別の1つが車両の反対側の面に配置されている。このセンサ装置は個々のライダーセンサの全ての長所を備えており、この場合、対称なセンサ装置を特に安価に提供することができる。
【0028】
以下では本発明の実施例が添付図面を参照しながら詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態によるライダーセンサの概略図である。
【
図2】本発明によるライダーセンサの概略断面図である。
【
図3】本発明によるライダーセンサの概略側面図である。
【
図4】ライダーセンサを背面から見た概略図である。
【
図5】ライダーセンサが車両の車両前部に配置されているセンサ装置の図である。
【
図6】複数のライダーセンサが車両に配置されているセンサ装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明によるライダー(LiDAR)センサ1の概略図を示す。この場合、ライダーセンサ1は外観図で示されており、
図1にはライダーセンサ1のハウジングが示されている。
【0031】
ライダーセンサ1は、第1の面5と第2の面6とを有する。この場合、第1の面5は
図1において上方に示されており、第2の面6は
図1においてライダーセンサ1の図示の下側の面であるが、この面は斜視図では見ることができない。ライダーセンサの第1の面5および第2の面6は、ライダーセンサ1の垂直軸4がこれらの面を通ることによってこれらの面が垂直軸4によって接続されるように配置されている。この場合、垂直軸4は単なる仮想的な軸であり、ライダーセンサ1の個々の構成要素の向きを定義するために
図1に示されている。垂直軸4はライダーセンサ1の構造上の要素ではない。したがって、ライダーセンサ1の第1の面5および第2の面6は、ライダーセンサ1の2つの対向する面である。ライダーセンサ1が空間内にどのように配置されるかに応じて、第1の面5がライダーセンサの上面に、または第2の面6がライダーセンサ1の上面になる。それに対応して、第1の面5がライダーセンサ1の下面に、または第2の面6がライダーセンサ1の下面になる。
【0032】
ライダーセンサ1は、ライダーセンサ1の透明な視野窓2が配置されている前面7を有する。視野窓2は、好ましくは前面7の全体にわたって延在するが、前面7の一部の領域のみを含んでもよい。ライダーセンサ1の前面7は第1の面5を第2の面6と接続する。この場合、ライダーセンサ1の前面7は、車両へのライダーセンサ1の構造的な配置の際に、通常、車両の車体と面一に終端するライダーセンサ1の面である。この場合、ライダーセンサ1は、通常、前面7だけが見えるように車両に配置されている。そのため、前面7が車体形状に最も適合するように、前面7が特にある程度の湾曲を有するように形成されていてもよい。
【0033】
ライダーセンサ1は、ライダーセンサ1の第1の面5を第2の面6と接続する背面8をさらに有する。この場合、第1の面5を第2の面6と接続しているがライダーセンサ1の前面7には含まれないライダーセンサ1のその他の面が、ライダーセンサ1の背面8とされる。ライダーセンサ1の背面8は、ライダーセンサ1の車両への構造的な配置の際に、通常、車体によって隠されるライダーセンサ1の面である。
【0034】
ライダーセンサ1の前面7には洗浄ユニット3が配置されている。この場合、洗浄ユニット3は、視野窓2上を移動させられるように移動自在に支持されたワイパーブレードを含む。代替的な実施形態では、洗浄ユニット3は、例えばブラシまたは複数の薄板からなる装置である。洗浄ユニット3によって視野窓2の洗浄が可能になる。この場合、洗浄ユニット3、したがってワイパーブレードは、垂直軸4に対して直角をなす移動方向に移動させられる。この移動方向が
図1に両矢印30で示されている。ワイパーブレードを備えた洗浄ユニット3の正確な移動経路は、前面7および視野窓2の表面形状によって定まるものである。視野窓2に対する洗浄効果を発揮するには、洗浄ユニット3が視野窓2上を移動させられる際に視野窓2に継続して接触している必要がある。洗浄効果を発揮するとともに視野窓2全体を高さ方向に覆うために、洗浄ユニット3のワイパーブレードは垂直軸4に対して平行に配置されている。
【0035】
洗浄ユニット3は、不要になれば前面7上の決められた部位の待機位置11へ移動させられ、その際、洗浄ユニット3のワイパーブレードが垂直軸4に対して平行に配置される。つまり、言い換えれば、洗浄ユニット3が不要になったときの移動先である定位置が定められる。この位置も同様に前面7上に位置している。ライダーセンサ1の視野が洗浄ユニット3によって制限されないようにするためには、ライダーセンサ1が視野窓2を通して制限されない光照射視野を有することができ、洗浄ユニット3を待機位置11へ移動させ得る十分なスペースが前面7上に存在するように、前面7の寸法を相応に定める必要がある。
【0036】
現在の車両システムでは、複数のライダーセンサを1台の車両に配置することがしばしば必要である。したがって、例えば
図1に示されたライダーセンサ1の複数個が1台の車両に配置される。ライダーセンサ1は、選択的に第1の面5または第2の面6がライダーセンサ1の上面となるように車両20に設置されて動作するのに好適である。
図1では上方にある第1の面5を下方へ回転させるために
図1に示されたライダーセンサ1を回転させた後、洗浄ユニット3がその移動方向に関して同一の部位にとどまることが分かる。つまり、言い換えれば、待機位置11が車両の車両前部に向けて前面7上に位置するように
図1に示したライダーセンサ1が車両に設置される場合、第1の面5を下方へ回転させるためにライダーセンサ1が180°回転させられても、すなわち上下逆さまに置かれても、待機位置11が同様に車両前部に向けて前面7上に位置する。その結果、
図1に示されたライダーセンサ1が2つ設置されたとき、ライダーセンサ1のうちの1つが車両100の右側に設置され、ライダーセンサ1のうちのもう1つが車両100の左側に設置された車両100については、両方のライダーセンサ1の洗浄ユニット3の待機位置11によって車両30における両方のライダーセンサ1が対称性をもつ外観を呈することが可能になる。ライダーセンサ1が車両30の右側および車両30の左側において構造的に同一であるにもかかわらず、それが可能である。ライダーセンサ1を単に垂直軸4の周りに180°回転させただけではそれが可能ではない。というのも、この場合、待機位置11が車両30の前側から車両30の後側に移るからである。したがって、2つの待機位置11を定めることが必要になる。ただし、そうすれば、ライダーセンサ1において待機位置11がどのように設定されてもライダーセンサ1の視野が制限されないようにするために、ライダーセンサ1をより大きい寸法の前面7を有するように構成しなければならなくなる。
【0037】
図2は、
図1に示したライダーセンサ1の断面図を示すものである。この場合、ライダーセンサ1の内部の1つの面上に光送信部13および光受信部14が配置されていることが分かる。したがって、光送信部13からライダーセンサ1の走査ビーム16、特にレーザビームがレンズ部15上に投射され、そこから偏向部17へ反射させられる。この場合、偏向部17は所定の回転方向に回転する回転ミラーシステムである。走査ビーム16は回転ミラーシステムの回転ミラー上に投射されて回転ミラーによって偏向させられ、視野窓2を通過した走査ビーム16がライダーセンサ1の周囲に出射される。この場合、ライダーセンサ1によって、例えば-60°から+60°までの視野が確保される。したがって、ライダーセンサ1は、ライダーセンサ1の前面7を起点として対称に広がる視野を有する。この場合、-60°から+60°までの角度の走査ビーム16を視野窓2を通して出射するとともに、洗浄ユニット3が走査ビーム16を遮ることなく待機位置11にとどまることを可能にするために、視野窓2、したがって前面7もその全体が使用されることが分かる。
【0038】
念のために言及しておくと、ライダーセンサ1の周囲にある物体に当たって反射した反射走査ビーム16は、偏向部17、すなわち回転ミラーを介してレンズ部15へ、そしてレンズ部15を介して光受信部14へ反射させられる。この場合、反射走査ビーム16は、レンズ部15に到達するまで出射走査ビーム16の光路をたどる。したがって、これに対応して、洗浄ユニット3が待機位置11に位置しているときに反射走査ビーム16も洗浄ユニット3によって遮られない。
【0039】
この場合、
図2にはライダーセンサ1の光学中心18が示されている。この場合、光学中心18は、ライダーセンサ1を外側から視野窓2を通して見た際にライダーセンサ1の走査ビーム16が出射している点である。この場合、ライダーセンサ1の光学中心18の位置がライダーセンサ1の幾何学的中心に対してずれていることが分かる。したがって、ライダーセンサ1は、前面7に対して平行に延在するとともに垂直軸4に対して垂直である長手方向軸19を有する。光学中心18は、この長手方向軸19に沿ったライダーセンサ1の中心に位置するのではなく、ライダーセンサ1の幾何学的中心から離れて長手方向軸19上に位置する。これによって、洗浄ユニット3が待機位置11に位置しているときに洗浄ユニット3のためのスペースが前面7上に十分に確保される。
【0040】
言い換えれば、ライダーセンサ1の前面7を見た場合、光学中心18の位置が前面7の中心に対して右側または左側にずれていることを意味する。この場合、このずれは長手方向軸19に沿ったずれでもある。この場合、特に、洗浄ユニット3の待機位置11の側の前面7の端部までの距離は、前面7の反対側の端部までの距離より長い。
図2では長手方向軸19が例示的に示されており、その向きのみによって定められていることに留意すべきである。したがって、長手方向軸19のそれに応じた表示では、光学中心18が長手方向軸19上に位置する。
【0041】
任意的に、ライダーセンサ1は、ライダーセンサ1の前面7を起点として非対称に広がる視野を有する。すなわち、ライダーセンサ1は、指向性をもつ視線を有してもよい。これは、ライダーセンサ1の視野がある方向において他の方向よりも広いことを意味する。
【0042】
図2に示したライダーセンサ1の表示では、偏向部17の回転方向が右回りとして示されている。この場合、回転偏向部17の回転方向は設定可能である。つまり、回転方向が左回りに設定されてもよい。これによって、走査方向、すなわち走査ビーム16の移動方向を反転させることが可能になる。したがって、ライダーセンサ1が上下逆さまに設置された際に、回転偏向部17の回転方向を反転させることによって、ライダーセンサ1の走査ビーム16の移動方向を車両に対して維持することができる。
【0043】
したがって、
図2はライダーセンサ1の組み込み原理が示しており、視野の中心はセンサの中心の側方にあり、洗浄ユニット3を待機させることが可能な「不使用(デッド)」領域が視野窓2上に存在している。好ましくは、組み込みは車両100、例えばフェンダーにおいて対称に行われる。洗浄ユニット3は「適所」に待機させられる。車両100の車体は、ライダーセンサ1の視野に対して最適化することができる。車両100の車体の他のそれぞれの面にこれが反映されるので、わざわざ最適化しなくてもよい。車体の内部構造、例えばフェンダーも、ケーブルの取り回し、冷却空気の案内等を含めて対称に配置することができる。
【0044】
図1を参照する。ライダーセンサ1の視野窓2を備えた前面7は、垂直軸4に垂直な対称面9に関して対称となるように形成されている。したがって、前面7の上半分は前面7の下半分と対称的である。これによって、第1の面5および第2の面6のどちらがライダーセンサ1の上面として使用されるかに左右されずに、ライダーセンサ1の設置状態における外観を不変にすることが可能になる。
【0045】
ライダーセンサ1の固定を可能にするために、ライダーセンサ1は取付部10を有する。この取付部10は、例えばライダーセンサ1を車両に固定することを可能にする。取付部10は、垂直軸4に垂直な対称面9に関して対称となるようにライダーセンサ1のハウジングに配置されている。したがって、ライダーセンサ1が同様に対称に構成されている車両100の車体に固定することができる。
【0046】
本実施形態では、取付部10は中心取付点10aと2つの偏心取付点10b、10cとを有する。この場合、中心取付点10aは対称面9上に位置するように配置されており、両方の偏心取付点10b、10cは対称面9の異なる側に対称に位置するように配置されている。この場合、対称面9は、前面7を互いに対称的な2つの半分の部分に分割する面と同じ対称面9である。ライダーセンサ1の対称性に関して、ライダーセンサ1全体としての構造は必ずしも対称でなくてもよいことに留意すべきである。したがって、例えばライダーセンサ1の背面8上のコネクタ12が非対称に設けられていてもよく、光送信部13および光受信部14ならびにレンズ部15も対称面9に対して非対称であってもよい。コネクタ12、例えば1つまたは複数の挿入接続部は、好ましくは容易に操作できるようにライダーセンサ1の外縁に位置する。
【0047】
図3および
図4には取付点10a、10b、10cが再び示されている。この場合、ライダーセンサ1の側面図が
図3に示されている。第1の取付点10aが、第1の面5と第2の面6との間の間隔の半分の高さで第1の面5および第2の面6に対して平行にライダーセンサ1を通る対称面9上に配置されていることが分かる。さらに、別の取付点10dがライダーセンサ1の背面上に、対称面9上に配置されていることが
図3から分かる。この後方の別の取付点10dは、ライダーセンサ1の中心軸に対して非対称であってもよい。
【0048】
両方の偏心取付点10b、10cの配置が
図4に概略的に示されている。したがって、第1の偏心取付点10bは対称面9に対して第2の偏心取付点10cと同じ間隔を空けて配置されている。特に、偏心取付点10b、10cと中心取付点10aとを組み合わせることが有利である。これも同様に
図4に概略的に示されている。特に偏心取付点10b、10cによってライダーセンサ1のねじれを防止することができる。同時に、ライダーセンサ1の固定が中心取付点10aによって簡易化され、三角形をなす取付点の組み合わせによって固定後のライダーセンサ1を安定して配置することが可能になる。
【0049】
ライダーセンサ1は、ライダーセンサ1の走査プロセスを所定の時間周波数および/または所定の位相と同期させることを可能にする同期信号を受信するように適合されている。この同期信号は、例えばライダーセンサ1の背面8のコネクタ12を介して受信される。この場合、同期信号が、ライダーセンサ1を同期させるべき時間周波数および/または位相を示す情報を含んでいることが有利である。このように、複数のライダーセンサ1を使用する際に、走査ビームの重なりおよびライダーセンサ1の過度な反応を防止できるように両方のライダーセンサ1の走査ビーム16の現在位置を互いに同期させることができる。
【0050】
ライダーセンサ1は、特に好ましくは車両において構造的に同一の複数のライダーセンサ1と組み合わせて使用できるように構成されている。車両100における2つの本発明によるライダーセンサ1の例示的な配置が
図5に示されている。この場合、
図5には車両前部が示されており、その際、上述のライダーセンサ1に対応する第1のライダーセンサ20が車両前部の右側に配置されており、第1のライダーセンサ20と構造的に同一の第2のライダーセンサ21が車両100の車両前部の左側に配置されている。この場合、両方のライダーセンサ20、21は、例示的に車両100の前輪101、102の前方に配置されている。したがって、ライダーセンサ20、21は、例えば車両100のバンパーに配置されている。第1のライダーセンサ20が車両100の右側を向く視野30を備えていることが分かる。これに対応して、第2のライダーセンサ21が車両100の左側を向く視野31を有する。この場合、第1のライダーセンサ20は、第1のライダーセンサ20の第1の面5と別のライダーセンサ、すなわち第2のライダーセンサ21の第2の面6とが共通の面上に配置されるように配置されている。したがって、
図5では、第1のライダーセンサ20の第1の面5と第2のライダーセンサ21の第2の面6とが見られる。両方のライダーセンサ20、21の洗浄ユニット3は待機位置11にあり、車両100の車両後部の方向においてそれぞれが属するライダーセンサ1の前面7に置かれている。したがって、
図5の洗浄ユニット3が位置している同じ待機位置11が使用される。
【0051】
さらに有利には、構造的に同一の本発明による多数のライダーセンサ1が1台の車両100に配置される。例示的なセンサ装置が
図6に示されている。この場合、車両100には、第1のライダーセンサ20および第2のライダーセンサ21の他に、第3のライダーセンサ22、第4のライダーセンサ23、第5のライダーセンサ24、および第6のライダーセンサ26が配置されている。この場合、第1から第6のライダーセンサ20~26は構造的に同一のライダーセンサである。ライダーセンサ20~26が必ずしも車両100の長手方向軸に対して平行に向けられなくてもよいことが分かる。むしろ、個々のライダーセンサ20~25が意図的に車両100に配置されていてもよい。この場合、これらのライダーセンサが車両100の長手方向軸に関して車両100に対称に配置されれば、審美的および視覚的な効果ならびに最適な空力特性が維持される。したがって、ライダーセンサ1は、例えば
図6に示されたそれぞれの位置に配置されていてもよく、車両100の対称な全体像が維持され得る。
【0052】
以上により、ライダーセンサ1によって、上下逆さまにも設置できるように構成されたセンサが提供され得る。これによって、待機位置11用のスペースを確保するためにライダーセンサ1の幅を拡張することが不要となり、車両100の構造を対称に設けることが可能になる。
【0053】
このために、有利には、車両におけるライダーセンサ1の固定部(固定点)もZ軸、すなわち垂直軸4に関して対称に、理想的にはライダーセンサ1の高さの半分のところに構成される。
【0054】
ライダーセンサ1の光学中心18が水平方向において中心に位置していないことによって、特に視野に関して車両との一体性の改善にさらに貢献することができる。
【0055】
複数のライダーセンサ1間の相互の干渉を最小限に抑えるために、1台の車両に複数のライダーセンサ1が配置される場合、これらのライダーセンサ1が共通の時間周波数で同期させられ、各時点において複数のライダーセンサ1が異なる方向に視線を向けるとともにこれらの動作が重ならないように偏向部17の動作が車両に関して調整される。このために、回転偏向部を備えた反転可能なライダーセンサ1の場合、偏向部17の回転方向がライダーセンサ1に関して反転可能とされており、車両では車両の右側のライダーセンサ1が車両の左側のライダーセンサ1とは異なる回転方向に設定される。
【0056】
有利には、偏向部17の動作が、車両100に関して同じ方向の走査が一定の時間間隔で行われるように同期させられる。したがって、例えばライダーセンサ1の1つ当たりの繰り返しレートが100msの場合、複数のライダーセンサ1のうちの2つは、これら両方のライダーセンサ1が車両前部に向かって交互に50ms毎に領域を走査するように設定される。
【0057】
上述の開示内容とともに
図1から
図6の開示内容も参照すべきであることを明示しておく。
【国際調査報告】