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特表2022-554172カメラモジュールの製造のための方法、カメラモジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】カメラモジュールの製造のための方法、カメラモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20221221BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20221221BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20221221BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
G02B7/02 D
G03B15/00 U
G03B15/00 V
G03B30/00
H04N5/225 700
G02B7/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523907
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2020078536
(87)【国際公開番号】W WO2021078548
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】102019216283.5
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】メールレ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ビンクラー,モリッツ
【テーマコード(参考)】
2H044
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AA02
2H044AA16
2H044AB24
2H044AB25
2H044AC01
2H044AD02
2H044AD03
2H044AJ03
2H044AJ04
2H044AJ06
5C122EA55
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
(57)【要約】
本発明はカメラモジュール(1)の製造のための方法であって、レンズ(2)が、画像センサ(3)に対してアライメントされ、続いて、接合相手材としての、画像センサ(3)を受け止めている支持体(4)、画像センサ(3)を取り囲んでいるハウジング(5)、または中間の接合構造(6)との接合によって位置固定される、方法に関する。本発明によればレンズ(2)は、最初はまだ移動可能なスペーサ要素(7)上で支えられ、かつスペーサ要素(7)の移動により画像センサ(3)に対してアライメントされる。レンズ(2)のアライメントの後、スペーサ要素(7)がレンズ(2)および接合相手材(4、5、6)と溶接される。本発明はさらにカメラモジュール(1)に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ(2)が、画像センサ(3)に対してアライメントされ、続いて、接合相手材としての、前記画像センサ(3)を受け止めている支持体(4)、前記画像センサ(3)を取り囲んでいるハウジング(5)、または中間の接合構造(6)との接合によって位置固定されるカメラモジュール(1)を製造する方法であって、
前記レンズ(2)が、はじめのうちはまだ移動可能であるスペーサ要素(7)上で支えられ、かつ前記スペーサ要素(7)の移動により前記画像センサ(3)に対してアライメントされ、かつ前記レンズ(2)のアライメントの後、前記スペーサ要素(7)が前記レンズ(2)および前記接合相手材(4、5、6)と溶接されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
それぞれ少なくとも1つの球形、部分球形、円筒形、または部分円筒形の当接輪郭(8)をもつスペーサ要素(7)が使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スペーサ要素(7)が互いに同じ角距離をあけて、前記レンズ(2)の好ましくは円筒形のまたは円錐形に成形された外輪郭(9)の周りに配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記スペーサ要素(7)が、前記支持体(4)もしくは前記ハウジング(5)によって形成されるガイド形状(10)または前記接合構造(6)でガイドされることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記スペーサ要素(7)が共通の保持部材(11)によってガイドされることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
レンズ(2)と、支持体(4)上に配置されており、かつハウジング(5)によって取り囲まれている画像センサ(3)とを含むカメラモジュール(1)であって、
前記レンズ(2)がスペーサ要素(7)上で支えられており、前記スペーサ要素(7)が、一方では前記レンズ(2)と、他方では前記支持体(4)、前記ハウジング(5)、または中間の接合構造(6)と溶接されていることを特徴とするカメラモジュール(1)。
【請求項7】
前記スペーサ要素(7)が、それぞれ少なくとも1つの球形、部分球形、円筒形、または部分円筒形の当接輪郭(8)を有することを特徴とする請求項6に記載のカメラモジュール(1)。
【請求項8】
前記スペーサ要素(7)が互いに同じ角距離をあけて、前記レンズ(2)の好ましくは円筒形のまたは円錐形に成形された外輪郭(9)の周りに配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載のカメラモジュール(1)。
【請求項9】
前記スペーサ要素(7)が、少なくとも一部の区間でガイド形状(10)および/または共通の保持部材(11)内に収容されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のカメラモジュール(1)。
【請求項10】
シール要素(12)、好ましくはシールリングが、前記レンズ(2)と前記支持体(4)との間に、前記レンズ(2)と前記ハウジング(5)との間に、または前記レンズ(2)と前記接合構造(6)との間に配置されていることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載のカメラモジュール(1)。
【請求項11】
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法に基づいて製造されていることを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載のカメラモジュール(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1のプリアンブルの特徴を有するカメラモジュールの製造のための方法に関する。それだけでなく本発明は請求項6のプリアンブルの特徴を有するカメラモジュールに関する。該カメラモジュールは、好ましくは本発明による方法に基づいて製造されている。
【背景技術】
【0002】
冒頭に挙げた種類のカメラモジュールは、多数の異なる用途に用いられる。例えば、固定またはモバイルの安全システム、例えば車両のビデオベースの運転者支援システムにおいて、周辺環境監視のために用いられ得る。それだけでなくこのようなカメラモジュールは、非常に様々な民生品内で、例えばモバイル端末機器、例えばスマートフォンまたはタブレット内で用いられ得る。これに関しては、できるだけ単純に組み立てられた小さなモジュールに向かう傾向にある。
【0003】
冒頭に挙げた種類のカメラモジュールの主要な構成要素は、画像センサと、少なくとも1つのレンズを備えたレンズとである。画像センサは、一般的に支持体上に配置されており、かつ外部の影響からの保護のためにハウジングによって取り囲まれている。レンズが支持体またはハウジングと接合できるようになる前に、レンズが画像センサに対してアクティブアライメントされなければならない。その後のレンズと支持体またはハウジングとの接合には、一般的に接着方法または溶接方法が用いられ、なぜならそれにより同時に必要なシール性が確立され得るからである。しかしながら接着接合は複数の欠点を有している。この欠点の一つは、通常の接着剤が、膨潤および/または老朽化によりその材料特性を変化させるので、周囲条件に応じて、耐用期間全体でのレンズの安定した焦点位置の達成がほとんどできないことである。これに加え、接着剤の通常は高い熱膨張係数が欠点であることが分かっている。したがって一般的には接着接合より溶接接合が好まれ得る。
【0004】
米国特許出願公開第2019/005278号明細書から、例えばレンズ、レンズホルダ、画像センサ、およびプリント基板を備えたカメラモジュールが知られている。このカメラモジュールを組み立てる際には、レンズとレンズホルダが互いに対してアライメントされ、続いて溶接点で永続的に固定される。溶接点はレーザによって作製される。レンズとレンズホルダの間にシール要素を配置することがさらに提案されている。
【0005】
溶接接合の確立は、接合相手材間の隙間寸法がまったくまたは少ししかないことを前提とする。しかしながら画像センサに対するレンズの多軸アライメントは、溶接接合をできなくする比較的大きな隙間寸法を生じさせ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、本発明が改善策をもたらすべきである。とりわけ、画像センサに対するレンズの多軸アライメントの後に、溶接接合による位置固定が可能にされるべきであり、それも、それぞれの接合相手材間の隙間寸法に関係なく可能にされるべきである。このようにしてロバスト性のある接合および安定した焦点位置が達成されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するため、請求項1の特徴を有する方法および請求項6の特徴を有するカメラモジュールが提示される。本発明の有利な実施形態は、それぞれの従属請求項から明らかである。
【0008】
カメラモジュールの製造のために提案される方法では、レンズが、画像センサに対してアライメントされ、続いて、接合相手材としての、画像センサを受け止めている支持体、画像センサを取り囲んでいるハウジング、または中間の接合構造との接合によって位置固定される。本発明によればレンズは、はじめのうちはまだ移動可能なスペーサ要素上で支えられ、かつスペーサ要素の移動により画像センサに対してアライメントされる。レンズのアライメントの後、スペーサ要素がレンズおよび接合相手材と溶接される。
【0009】
スペーサ要素が、一方ではレンズと、他方ではレンズのそれぞれの接合相手材と溶接されることにより、スペーサ要素およびレンズの位置固定が達成される。つまりスペーサ要素は、溶接後にさらに移動することはできず、かつレンズの調整された焦点位置を維持し続ける。溶接接合は、とりわけ接着接合に比べ、温度および湿気の影響をほとんど受けず、したがって非常にロバスト性があるので、同時にレンズの特に安定した焦点位置が達成される。
【0010】
溶接前は、最初はまだ移動可能なスペーサ要素が、レンズの多軸アライメント、好ましくは3つの並進軸および2つの回転軸についてのアライメントを可能にし、これによりレンズの精密な合焦が可能である。その際、レンズと接合相手材の間に直接的な接触が存在するのではなく、移動可能なスペーサ要素を介した間接的な接触が存在しているだけなので、レンズがほぼ自由に移動できることが利点である。
【0011】
好ましくは、カメラモジュールの製造の際、それぞれ少なくとも1つの球形、部分球形、円筒形、または部分円筒形の当接輪郭をもつスペーサ要素が使用される。例えば、球またはロールがスペーサ要素として用いられ得る。それだけでなく、端部側だけに部分球形または部分円筒形の当接輪郭をもつ棒がスペーサ要素として使用され得る。このように成形された当接輪郭により、スペーサ要素と、レンズまたはそれぞれの接合相手材に形成された当接面との間の点状または線状の接触がもたらされる。点状または線状の接触は、当接面でのスペーサ要素の転動を可能にし、これにより画像センサに対するレンズのアライメントがさらに簡単にされる。
【0012】
さらに好ましくは、スペーサ要素が互いに対して同じ角距離をあけて、レンズの好ましくは円筒形のまたは円錐形に成形された外輪郭の周りに配置される。有利には、スペーサ要素の数が3つであり、これは、最大の自由度と同時に、レンズの確実な突っ張り支持を可能にする。スペーサ要素は、点状または線状の接触領域での転動により、アライメントに必要なレンズのすべての移動に参加し得る。その際、棒状のスペーサ要素はその設置角度を変化させる。レンズの外輪郭が円錐形に成形されている場合、スペーサ要素の点状または線状の接触領域がのっている直径が変化する。
【0013】
有利には、スペーサ要素が、支持体またはハウジングによって形成されるガイド形状でガイドされる。このガイドが、支持体またはハウジングとのそれぞれの接触領域におけるスペーサ要素の移動空間を制限し、これによりスペーサ要素はコントロールされた移動を実施する。ガイド形状は、とりわけスペーサ要素のサイドのガイドが達成されるように形成され得る。このためにガイド形状は、各スペーサ要素に対して2つの平行に走るガイド面を有することが好ましく、このガイド面は、レンズに対して実質的に径方向に配置されている。スペーサ要素がガイド面に当接している場合、さらなる点状または線状の接触領域がもたらされる。その代わりにまたはそれを補完してガイド形状はある種の対向支持部を形成してもよい。この場合には、支持体またはハウジングを伴うスペーサ要素の点状および/または線状の接触領域がのる最大直径をガイド形状が設定する。スペーサ要素のための対向支持部を形成するため、ガイド形状が、例えばレンズに対して実質的に接線方向にアライメントされたガイド面を有することができ、このガイド面でスペーサ要素が突っ張り支持される。この場合には、スペーサ要素と、対向支持部を形成しているガイド面との点状または線状の接触も存在している。
【0014】
支持体またはハウジングによって形成されたガイド形状の代わりに、スペーサ要素は、既に言及した接合構造が設けられていればそれによってもガイドされ得る。接合構造は、例えば支持体の金属コンポーネントであってもよく、または支持体としてプリント基板が使用される場合はプリント基板の金属被覆であってもよい。接合構造は、支持体またはハウジング上に配置された金属フレームであってもよい。金属の接合構造の使用は、接合構造の溶接可能性が確保されるという利点を有する。スペーサ要素をガイドするため、接合構造は、平行に走る側壁を有してもよく、この側壁はレンズに対して実質的に径方向にアライメントされており、かつ/またはレンズに対して実質的に接線方向にアライメントされた壁を有することができ、この壁がそれぞれスペーサ要素のための対向支持部を形成する。
【0015】
さらに、スペーサ要素が共通の保持部材によってガイドされることが提案される。共通の保持部材によるガイドは、ガイド形状または接合構造によるガイドの代わりにまたはそれを補完して設けられ得る。共通の保持部材によるガイドは、スペーサ要素が相互に連結するという利点を有する。保持部材は、レンズのアライメントに必要なスペーサ要素の移動を可能にするため、少なくとも一部の領域では柔軟なまたは弾性変形可能な材料から作製され得る。加えて保持部材は、棒状の押し離し要素の設置角度の変化を可能にするため、少なくとも1つの関節継手を有し得る。
【0016】
それだけでなく冒頭に挙げた課題を解決するために提案されるカメラモジュールは、レンズと、支持体上に配置されており、かつハウジングによって取り囲まれている画像センサとを含む。本発明によれば、レンズはスペーサ要素上で支えられており、スペーサ要素は、一方ではレンズと、他方では支持体、ハウジング、または中間の接合構造と材料結合式に接合されている。
【0017】
それゆえ提案されたカメラモジュールでは、レンズが直接的にではなく、スペーサ要素を介して間接的に、それぞれの接合相手材と接合されている。スペーサ要素は、レンズとそれぞれの接合相手材との隙間を橋絡し、これにより、隙間寸法に関係なくロバスト性のある溶接接合を確立することができる。これに加え、溶接接合を確立する前に、スペーサ要素が画像センサに対するレンズのアライメントを可能にし、それも好ましくは前述の本発明による方法に基づいて可能にする。
【0018】
さらに好ましくは、スペーサ要素が、それぞれ少なくとも1つの球形、部分球形、円筒形、または部分円筒形の当接輪郭を有する。このような当接輪郭は、当接面における転動を可能にし、これによりスペーサ要素は、レンズおよびそれぞれの接合相手材との溶接の前に、レンズのアライメントに必要なすべての移動に参加できる。
【0019】
本発明の好ましい一実施形態によれば、スペーサ要素は互いに対して同じ角距離をあけて、レンズの好ましくは円筒形のまたは円錐形に成形された外輪郭の周りに配置されている。したがってレンズは周面にわたって均一に突っ張り支持されており、これがレンズの安定した焦点位置を補助している。これに関し、スペーサ要素の数は3つであることが好ましく、なぜなら3つのスペーサ要素は、確実な突っ張り支持を可能にし、しかしカメラモジュールの製造中のレンズのアライメントの際の最大限可能な自由度も可能にするからである。
【0020】
さらに、スペーサ要素が少なくとも一部の区間でガイド形状および/または共通の保持部材内に収容されていることが提案される。スペーサ要素のガイドは、とりわけ、カメラモジュールの製造の際のレンズのアライメントを簡単にするべきである。完成したカメラモジュールでは、このガイド形状および/または保持部材により、スペーサ要素の追加的な突っ張り支持を達成でき、これにより焦点位置の安定性がさらに上昇する。それゆえガイドは、カメラモジュールの製造の際の利点に限らず、幾つかの利点を有する。
【0021】
本発明の発展形態では、レンズと支持体の間に、レンズとハウジングの間に、またはレンズと接合構造の間にシール要素が配置されることが提案される。シール要素は第一義的には、光学的に重要な領域をゴミの侵入から遮断する働きをする。とりわけ画像センサは汚れから保護されるべきである。したがってシール要素は、全周の封鎖または密封を可能にするシールリングであることが理想的である。
【0022】
提案された本発明によるカメラモジュールは、前述の本発明による方法に基づいて製造されていることが好ましく、なぜならこの方法が、レンズの多軸アライメントを可能にし、かつその後のスペーサ要素とレンズおよびそれぞれの接合相手材との溶接により、安定した焦点位置を保証するからである。
【0023】
提案されたカメラモジュールはイメージャモジュールであってもよい。この点で、カメラモジュールとイメージャモジュールは区別されない。
【0024】
画像センサが上に配置された支持体は、ハウジングまたはレンズホルダと好ましくは固定的に接合されており、例えばネジ固定、接着、はんだ付け、または溶接されている。支持体はとりわけプリント基板であり得る。
【0025】
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいてより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a】本発明によるカメラモジュールのための様々なスペーサ要素の透視図であって、a)丸い断面および部分球形の端部を有する棒の図であり、本発明によるカメラモジュールのための棒状のスペーサ要素の様々な位置での透視図である。
図1b】本発明によるカメラモジュールのための様々なスペーサ要素の透視図であって、b)長方形の断面および部分円筒形の端部を有する棒の図であり、本発明によるカメラモジュールのための棒状のスペーサ要素の様々な位置での透視図である。
図1c】本発明によるカメラモジュールのための様々なスペーサ要素の透視図であって、c)球の図であり、本発明によるカメラモジュールのための棒状のスペーサ要素の様々な位置での透視図である。
図1d】本発明によるカメラモジュールのための様々なスペーサ要素の透視図であって、d)ロールの図であり、本発明によるカメラモジュールのための棒状のスペーサ要素の様々な位置での透視図である。
図2a】本発明によるカメラモジュールのための様々なスペーサ要素の透視図である。
図2b】本発明によるカメラモジュールのための様々なスペーサ要素の透視図である。
図2c】本発明によるカメラモジュールのための様々なスペーサ要素の透視図である。
図2d】本発明によるカメラモジュールのための様々なスペーサ要素の透視図である。
図3a図3aは本発明によるカメラモジュールの第1の好ましい実施形態の透視図である。
図3b図3bは本発明によるカメラモジュールの第1の好ましい実施形態の断面図である。
図4a図4aは本発明によるカメラモジュールの第2の好ましい実施形態の透視図である。
図4b図4bは本発明によるカメラモジュールの第2の好ましい実施形態の断面図である。
図5a図5aは本発明によるカメラモジュールの第3の好ましい実施形態の透視図である。
図5b図5bは本発明によるカメラモジュールの第3の好ましい実施形態の断面図である。
図6a図6aは本発明によるカメラモジュールの第4の好ましい実施形態の透視図である。
図6b図6bは本発明によるカメラモジュールの第4の好ましい実施形態の断面図である。
図7a図7aは本発明によるカメラモジュールの第5の好ましい実施形態の透視図である。
図7b図7bは本発明によるカメラモジュールの第5の好ましい実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明によるカメラモジュール1は、画像センサ3に対するレンズ2の多軸アライメントを可能にするスペーサ要素7を有している。図1に基づいて最初にこのスペーサ要素7の機能方式を解説する。
【0028】
図1aには、丸い断面および部分球形の端部を有する3つの棒状のスペーサ要素7が示されており、端部が当接輪郭8を形成している。3つのスペーサ要素7は、直径Dの円周に沿って据え付けられており、かつそれぞれ内側に傾けられており、よって上の当接輪郭8は直径Dの共通の円周上にある。この円周が、スペーサ要素7とレンズ2の外輪郭9との接触領域を示している。
【0029】
当接輪郭8がそれぞれ部分球形に形成されているので、それぞれ、スペーサ要素7と、一方ではレンズ2の外輪郭9との、他方では据付面との点状の接触が存在している。それゆえ部分球形の端部が当接輪郭8を形成しており、この当接輪郭8により、スペーサ要素7はそれぞれの当接面において転動し得る。これが、レンズ2を多軸アライメントするための、スペーサ要素7の設置角度の変更を可能にする。
【0030】
例示的に図1bで示しているように、レンズ2と画像センサ3の間隔を減少させるため、スペーサ要素7の設置角度を小さくすることができる。ここでは直径Dはその外側の限界に定められているので、実質的に直径Dだけが変化する。
【0031】
レンズ2を僅かに傾けるため、例示的に図1cおよび図1dに示したように、スペーサ要素7を異なる強さで傾けることもできる。その際、スペーサ要素7は、アライメントの際のレンズ2の移動に追従する。
【0032】
図1cおよび図1dでは、レンズ2における直径Dが正確な円形ではなく楕円形になっているが、これはここでは無視する。
【0033】
図2から代替的なスペーサ要素7が明らかである。図2aは、既に図1から知られている丸い断面および部分球形の当接輪郭8を有する棒状のスペーサ要素7を示している。図2bは、同様に棒状のスペーサ要素7を示しているが、当接輪郭8は長方形の断面および部分円筒形である。図2cは球形のスペーサ要素7を示しており、図2dはロール状のスペーサ要素7を示している。様々なスペーサ要素7の使用可能性を以下に具体的な例示的実施形態に基づいてより詳しく解説する。
【0034】
図3aおよび図3bから、レンズ2および画像センサ3を備えた第1の本発明によるカメラモジュール1が明らかである。画像センサ3は、支持体4上に配置されており、支持体4はここでは、画像センサ3の必要な電気接触を確立するプリント基板である。レンズ2は、画像センサ3の上に間隔をあけて置かれており、かつ図1aに基づく3つの棒状のスペーサ要素7を介して支えられている。図1aとは異なり、スペーサ要素7はその当接輪郭8でレンズ2の外周面に当接しており、端面に当接しているのではない。これは、直径Dではなく直径Dが変化可能であるという効果を有する。レンズ2のアライメントの際、スペーサ要素7の設置角度が変わると、同時に直径Dが変化する。
【0035】
図3aおよび図3bでは、スペーサ要素7が、直接的に支持体4上で突っ張り支持されているのではなく、支持体4上に配置された接合構造6を介して間接的に突っ張り支持されている。接合構造6は金属材料から作製されており、したがって、同様に金属材料から作製されたスペーサ要素7は、レンズ2のアライメント後に接合構造6と溶接され得る。このようにしてレンズ2の位置固定が達成される。溶接接合は非常にロバスト性があるので、同時にレンズ2の安定した焦点位置が達成される。
【0036】
金属の接合構造6は、図3aおよび図3bに示した実施形態では、同時に、レンズ2のアライメント中にスペーサ要素7をガイドするガイド形状10として役立つ。このためにガイド形状10は高さをもたせた側壁13を有しており、側壁13は、レンズ2に対して半径線に平行に、および接線に平行に走っている。接線に平行に走る側壁13はそれぞれスペーサ要素7のための対向支持部を形成しており、これにより最大の直径Dが設定されている。
【0037】
図3aおよび図3bに示した例示的実施形態では、レンズ2と支持体4の間に追加的にリング状のシール要素12が配置されている。シール要素12は弾性変形可能な材料から作製されているので、アライメントの際にレンズ2の動きに追随し得る。シール要素12は、ここではレンズ2の端部区間を取り囲んでおり、レンズ2は減少させた外径を有しているので、これによりリング状の段部14が形成されており、この段部14にシール要素12が密着して隣接している。
【0038】
本発明によるカメラモジュール1の第2の好ましい実施形態が図4aおよび図4bに示されている。ここではレンズ2がスペーサ要素7を介し、支持体4上ではなくハウジング5上で突っ張り支持されている。支持体4はハウジング5と固定的に接合されている。レンズ2の形成およびスペーサ要素7の形成は、図3aおよび図3bのそれに実質的に相応している。レンズ2とハウジング5の間のシール要素12も設けられており、このシール要素12は、ハウジング5の中空円筒形の継足し部15上に配置されている。
【0039】
中空円筒形の継足し部15から径方向外側へと、ガイド形状10のセグメント16が延びている。それゆえガイド形状10はハウジング5に組み込まれている。セグメント16の数はスペーサ要素7の数に相応する。各セグメント16は、半径線に平行に走る2つの側壁13および接線に平行に走る1つの側壁13を有している。後者は対向支持部を形成しており、したがって直径Dは外に向かって画定されている。ここでもスペーサ要素7は、外周面に、レンズ2の円筒形の外輪郭9に当接しているので、直径Dはレンズ2によって設定されている。
【0040】
これは、図5aおよび図5bに示したカメラモジュール1では違っている。ここではレンズ2が段部14の領域で、円錐形に成形された外輪郭9を有しており、この外輪郭9にスペーサ要素7が当接している。つまり、レンズ2の円錐形の外輪郭9でのスペーサ要素7の位置に応じて直径Dが変化可能である。反対側でもスペーサ要素7はガイド形状10でガイドされてはいないので、直径Dも変化できる。同時に、スペーサ要素7を移動可能に支える保持部材11によるスペーサ要素7のガイドが達成されている。保持部材11はこのためにスリーブ状の収容部17を有しており、収容部17は、リング18を介して連結されており、かつそれぞれ回転運動可能に支えられており、したがって保持部材11がスペーサ要素7の設置角度の変更を可能にしている。
【0041】
スペーサ要素7はその足元で、金属の接合構造6を介して間接的に支持体4上で突っ張り支持されている。レンズ2の位置固定のために、スペーサ要素7は、一方では接合構造6と、他方ではレンズ2の外輪郭9と溶接される。シール要素12は、ここではレンズ2と接合構造6の間に配置されている。
【0042】
本発明によるカメラモジュール1のさらなる好ましい一実施形態が図6aおよび図6bに示されている。スペーサ要素7は、ここでは球形に作製されており、かつレンズ2の円錐形に成形された外輪郭9に当接している。円錐形に成形された外輪郭9は、ここではレンズ2のリング状のフランジ区間19に接して形成されている。球形のスペーサ要素7は金属の接合構造6上で転動し、接合構造6は、支持体4上に配置されており、かつレンズ2のアライメント後のスペーサ要素7の溶接を可能にしている。シール要素12は、レンズ2と接合構造6の間に配置されている。
【0043】
球形のスペーサ要素7の代わりにロール状のスペーサ要素7も使用され得る。相応の一実施形態が図7aおよび図7bに例示的に示されている。レンズ2は、図6aおよび図6bのそれに類似して作製されており、したがってロールはレンズ2の円錐形に成形された外輪郭9に当接している。レンズ2の外輪郭9には、支持体4上に配置された金属の接合構造6が向かい合っている。接合構造6はリングとして作製されており、レンズ2がアライメントされると、このリング上で、ロール状のスペーサ要素7が転動する。アライメントの後、スペーサ要素7は接合構造6と溶接される。シール要素12は、レンズ2と支持体4の間に配置されている。
【0044】
図示した例示的実施形態だけでなく、基礎となる本発明思想を具現する多数のさらなる実施形態が可能である。基本的には、図6a、図6b、図7a、および図7bに基づいて球形またはロール状に形成されたスペーサ要素7は、アライメントの際のレンズ2の移動に追従し得るよう、円錐形に成形された当接面を必要とするということが言える。円錐形に成形された当接面は、選択的にレンズ2の外輪郭9またはハウジング5、支持体4、もしくは接合構造6の円錐形に成形された当接面によって構成され得る。棒状のスペーサ要素7の場合、少なくとも直径Dおよび/または直径Dが可変であれば、棒状のスペーサ要素7がその設置角度を変え得るので、レンズ2の外輪郭9は円筒形に形成されていてもよい。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
【国際調査報告】