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  • 特表-常温保存可能なスナック製品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】常温保存可能なスナック製品
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/00 20160101AFI20221221BHJP
   A23L 25/00 20160101ALI20221221BHJP
【FI】
A23L5/00 F
A23L25/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524082
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-05-31
(86)【国際出願番号】 GB2020052683
(87)【国際公開番号】W WO2021079138
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】1915339.4
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522163610
【氏名又は名称】ノッシー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【弁理士】
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【弁理士】
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【弁理士】
【氏名又は名称】大木 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100204582
【弁理士】
【氏名又は名称】大栗 由美
(72)【発明者】
【氏名】シラギ,ステファニー
【テーマコード(参考)】
4B035
4B036
【Fターム(参考)】
4B035LC05
4B035LE05
4B035LE07
4B035LE11
4B035LG07
4B035LG15
4B035LG31
4B035LG32
4B035LG33
4B035LG36
4B035LP21
4B035LP24
4B035LP26
4B035LP31
4B036LC04
4B036LE04
4B036LE05
4B036LH15
4B036LH21
4B036LH24
4B036LH28
4B036LH29
4B036LH35
4B036LP09
4B036LP13
4B036LP14
4B036LP19
(57)【要約】
本発明は、スナック、それを作製する方法、スナック製品を保存する方法、及びブレンドされた自然食品の塊を保存するための乾燥植物性フレークの使用の分野に関する。具体的には、本発明は、乾燥植物性フレークでコーティングされた脂肪及び水含有量の高いブレンドされた自然食品の塊を含む常温保存可能なスナックに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温保存可能なスナックであって、
ブレンドされた自然食品の塊であって、
前記塊の総重量に基づいて20~40重量%の脂肪であって、
そのうち、前記脂肪の50%未満が飽和脂肪である、前記脂肪と、
前記塊の総重量に基づいて10~30重量%の水と、を含む、前記ブレンドされた自然食品の塊と、
外側コーティング層であって、
乾燥植物性フレークと、
前記外側コーティング層の総重量に基づいて30重量%未満の脂肪であって、
そのうち、前記脂肪の50%未満が飽和脂肪である、前記脂肪と、を含む、前記外側コーティング層と、を含み、
前記外側コーティング層が前記塊の外面を実質的に覆う、前記常温保存可能なスナック。
【請求項2】
前記塊が、前記塊の総重量に基づいて、5~20重量%のタンパク質、好ましくは7~15重量%のタンパク質、より好ましくは9~13重量%のタンパク質をさらに含む、請求項1に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項3】
前記塊が、前記塊の総重量に基づいて、3~15重量%の繊維、好ましくは6~12重量%の繊維、より好ましくは7~9重量%の繊維をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項4】
前記塊が、前記塊の総重量に基づいて、30~42重量%の可消化炭水化物、好ましくは33~40重量%の可消化炭水化物、より好ましくは35~38重量%の可消化炭水化物をさらに含む、請求項1~3に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項5】
前記塊が、前記塊の総重量に基づいて、25~32重量%の脂肪、好ましくは27~29重量%の脂肪を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項6】
前記塊が、前記塊の総重量に基づいて、12~25重量%の水、好ましくは14~20重量%の水を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項7】
前記塊中の前記脂肪の40%未満、好ましくは30%未満が飽和脂肪である、請求項1~6のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項8】
前記塊が、少なくとも70g/100g、好ましくは少なくとも80g/100g、より好ましくは少なくとも90g/100gのブレンドされた自然食品を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項9】
前記塊が、
20~60g/100gの少なくとも1つのナッツ及び/または種子であって、前記ナッツ及び/または前記種子の総重量に基づいて1~10%の水含有量を有する、前記ナッツ及び/または前記種子と、
20~80g/100gの少なくとも1つの果実及び/または野菜であって、前記果実及び/または前記野菜の総重量に基づいて11~35%の水含有量を有する、前記果実及び/または前記野菜と、を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項10】
前記外側コーティング層が、前記外側コーティング層の総重量に基づいて、20重量%未満の脂肪、好ましくは10重量%未満の脂肪を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項11】
前記乾燥植物性フレークが、少なくとも70g/100gの乾燥花びら、葉、外皮、殻、及び/または穀皮、好ましくは少なくとも70g/100gの乾燥花びら及び/または葉、より好ましくは少なくとも70g/100gの乾燥花びらを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項12】
前記外側コーティング層が、少なくとも80g/100g、好ましくは少なくとも90g/100g、より好ましくは少なくとも95g/100gの前記乾燥植物性フレークを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項13】
前記コーティング層が、前記塊の外面の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を覆う、請求項1~12のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項14】
前記乾燥植物性フレークが、1~15mm、好ましくは2~10mm、より好ましくは3~8mmの平均最長寸法を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項15】
前記常温保存可能なスナック製品が、1~200g、好ましくは5~100g、より好ましくは10~50gの重量を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の常温保存可能なスナック。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の包装された常温保存可能なスナック。
【請求項17】
常温保存可能なスナックを製造する方法であって、以下のステップ、
a)自然食品、好ましくは植物性自然食品の塊をブレンドするステップと、
b)前記塊をスナックの形状に形成するステップと、
c)前記スナックの外面を水性液体で湿らせるステップと、
d)前記スナックの外面を、乾燥植物性フレークを含む外側コーティング層で実質的に覆うステップと、
e)任意選択的に、前記スナックを包装するステップと、を、以上の順序で含み、
前記塊を前記スナックの形状に形成するステップと前記スナックを前記乾燥植物性フレークでコーティングするステップとの間の時間が、5分未満、好ましくは2分未満、より好ましくは1分未満である、前記方法。
【請求項18】
ブレンドされた自然食品の塊を含むスナックを保存する方法であって、前記塊を、1mm未満、好ましくは0.6mm未満、より好ましくは0.4mm未満の平均厚さを有する乾燥植物性フレークでコーティングすることを含む、前記方法。
【請求項19】
ブレンドされた自然食品の塊を含むスナックを保存するための、乾燥花びら、葉、外皮、殻、及び/または穀皮からなる群から選択される乾燥植物性フレークの使用。
【請求項20】
前記塊が、前記塊の総重量に基づいて20~40重量%の脂肪であって、そのうち、前記脂肪の50%未満が飽和である、前記脂肪と、前記塊の総重量に基づいて10~30重量%の水と、を含む、請求項17または請求項18に記載の方法、または請求項19に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スナック、それを作製する方法、スナック製品を保存する方法、及びブレンドされた自然食品の塊を保存するための乾燥植物性フレークの使用の分野に関する。具体的には、本発明は、乾燥植物性フレークでコーティングされた脂肪及び水含有量の高いブレンドされた自然食品の塊を含む常温保存可能なスナックに関する。
【背景技術】
【0002】
チョコレートバー及びシリアルバーなどのスナック食品は、それらが便利であり、かつそれらがすぐに食べられる形態で購入することができるにもかかわらず、数日または数週間経っても新鮮さを保つことができるという事実のため、消費者に人気である。伝統的なスナック食品は、高エネルギーであるが健康に有害であり、栄養素レベルが低く、加工成分量が高く、飽和脂肪レベルが高い傾向があった。スナック食品が新鮮さを保つことを確実にするために、スナック食品は、通常、気密のしばしば不透明な包装で販売されている。これは、スナック食品が食欲をそそるものではなく、消費者に十分に評価されていない可能性があることを意味する。
【0003】
マカロン、職人チョコレートトリュフ、及び「エネルギーボール」などのプレミアムスナック製品が入手可能である。マカロン及びトリュフなどの製品は、飽和脂肪及び/または加工糖が多く含まれている傾向があり、人工着色料及び/または防腐剤が含まれることが多い。したがって、健康に関心の高い消費者は、これらの製品を避ける傾向がある。
【0004】
自然食品から作製された職人エネルギーボールは、当業者に既知である。多くの場合、これらの製品は、大量の乾燥果実及びナッツを含んでおり、それらは、高エネルギーであり、栄養素を多く含み、より少量の加工成分を含み、より少量の飽和脂肪を含む。水及び脂肪含有量(特に油)が高いため、職人エネルギーボールは、水分及び液体油が漏出して「汗をかいている」ような外観を作り出す傾向があり、これは、製品が新鮮さを欠いているか、または腐敗していると認識する消費者には不評である。職人エネルギーボールを、例えば、ココアパウダー、ビート根パウダー、または粉末ココナッツで覆うことができるが、棚に数日間保管した後、液体がこれらのコーティングに浸透し、同じ問題をもたらす傾向がある。興味深いことに、この問題は、より少量の水を含み、かつ室温で固体になる傾向があるより多くの飽和脂肪を含む職人チョコレートトリュフにはあまり一般的ではない。したがって、この問題は、特徴的に多くの水を含み、かつ多くの不飽和脂肪を含む大量の自然食品を含むスナック製品に特有である。
【0005】
長期保管の問題は、職人エネルギーボールが柔らかい傾向があるという事実に悩まされている。これは、それらを菓子売り場の棚に移動させる際に、またはサーバーがそれらを箱に入れる際にそれらの形状が失われてしまう可能性があることを意味する。
【0006】
この問題の解決策の1つは、エネルギーボールを気密の不透明な包装に包装することである。例えば、「DELICIOUSLY ella CACAO & ALMOND ENERGY BALLS」は、気密の不透明なパッケージで販売されている。しかしながら、これは、製品が新鮮ではなく大量生産されたように見せ、製品が消費者に十分に評価されることを妨げ、環境に損害を与える大量の包装廃棄物を生じさせる。自宅で作った場合、これらのエネルギーボールを「冷蔵庫で気密容器内に保管」しなければならないとウェブサイトに提言されている(https://deliciouslyella.com/recipes/cacao-almond-energy-ball/)。それらは、常温保存可能ではない。
【0007】
ウェブサイト「marasbazaar.com」(http://www.marasbazaar.com/en/p-rose-petals-coated-finger-turkish-delight)は、アイシング用粉糖、ココナッツ、または花びらでコーティングされたトルコ菓子を公開している。花びらが「魅力的な外観」を提供することは明らかである。トルコ菓子は、多くの糖を含むため、職人エネルギーボールよりも生来より安定している。市販のトルコ菓子は、標準的に、47%の糖、47%の水、ゲル化剤として6%のトウモロコシデンプンを含んでいる(Kaya and Tattan,Journal of Food Science and Engineering,2017,7,186-191)。トルコ菓子は、一般に、自然食品のブレンドを含んでおらず、不飽和脂肪含有量も高くない。
【0008】
CN 205358063 Uは、表面上に花びら層を有するローズヌガースナックを開示している。ヌガー糖の本体は、審美的な理由により上面のみ覆われている。
【0009】
「Prestige By Aicha」のツイッターアカウント(https://twitter.com/prestigebyaicha/status/951522583761088512?lang=en)は、美味しいローズホワイトチョコレートを手作業でコーティングし、かつ乾燥したバラの花びらを散りばめた、ミックスナッツを詰めたマジョールデーツを公開している。チョコレートベースのコーティングには「乾燥したバラの花びらが散りばめられ」ており、乾燥したバラの花びらはその塊の外面を実質的に覆わない。
【0010】
ウェブサイト「spicesinmydna.com」(https ://www.spicesinmydna.com/healthy-dark-chocolate-nut-and-date-rose-truffies)は、ダークチョコレートをコーティングし、かつ乾燥したバラのつぼみを散りばめたエネルギーボールを公開している。コーティングは、主にチョコレートベースであり、飾り付けのためにバラのつぼみが散りばめられている。この製品は、冷蔵庫での保管を必要とする。レシピノートには、「*乾燥したバラのつぼみの代わりに、スプリンクル、刻んだナッツ、グラノーラ、またはご自分の好きなもので飾り付けすることもできます!」と記載されている。
【0011】
したがって、気密包装外で常温保存可能であり、かつ腐敗しないプレミアムスナック製品が依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】CN 205358063 U
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Kaya and Tattan,Journal of Food Science and Engineering,2017,7,186-191
【発明の概要】
【0014】
本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
【0015】
本発明者らは、驚くべきことに、ブレンドされた自然食品(ナッツ及び乾燥果実など)の塊を乾燥植物性フレーク(乾燥花びらまたは葉など)でコーティングすることにより、数週間の向上した保存可能期間を有する常温保存可能なスナック製品(エネルギーボールなど)の製造が可能になることを見出した。
【0016】
本発明者らは、驚くべきことに、特許請求される常温保存可能なスナック製品が塊に対して硬化した外側を有し、これにより、取り扱いの際に形崩れに対するスナック製品の抵抗力がより高まることが確実になることも発見した。
【0017】
したがって、ブレンドされた自然食品の塊を含む常温保存可能なスナックであって、塊が、塊の総重量に基づいて20~40重量%の脂肪(そのうち、脂肪の50%未満が飽和脂肪である)と、塊の総重量に基づいて10~30重量%の水と、を含む、常温保存可能なスナックが提供される。常温保存可能なスナックは、乾燥植物性フレークを含む外側コーティング層をさらに含み、外側コーティング層は、外側コーティング層の総重量に基づいて30重量%未満の脂肪(そのうち、脂肪の50%未満が飽和脂肪である)を含み、外側コーティング層は、塊の外面を実質的に覆う。
【0018】
好ましい実施形態では、塊は、塊の総重量に基づいて、5~20重量%のタンパク質、好ましくは7~15重量%のタンパク質、より好ましくは9~13重量%のタンパク質をさらに含む。タンパク質のこの量は、伝統的なスナック製品よりも多く、特許請求されるスナックをより健康的なものにする。
【0019】
別の好ましい実施形態では、塊は、塊の総重量に基づいて、3~15重量%の繊維、好ましくは6~12重量%の繊維、より好ましくは7~9重量%の繊維をさらに含む。繊維のこの量は、伝統的なスナック製品よりも多く、特許請求されるスナックをより健康的なものにする。
【0020】
別の好ましい実施形態では、塊は、塊の総重量に基づいて、30~42重量%の可消化炭水化物、好ましくは33~40重量%の可消化炭水化物、より好ましくは35~38重量%の可消化炭水化物をさらに含む。炭水化物のこの量は、伝統的なスナック製品よりも少なく、特許請求されるスナックをより健康的なものにする。
【0021】
別の好ましい実施形態では、塊は、塊の総重量に基づいて、25~32重量%の脂肪、好ましくは27~29重量%の脂肪を含む。脂肪のこの量は、以下に記載の実施例で見つけられ、自然食品から作製されたエネルギーボールタイプの製品の特徴である。
【0022】
別の好ましい実施形態では、塊は、塊の総重量に基づいて、12~25重量%の水、好ましくは14~20重量%の水を含む。水のこの量は、以下に記載の実施例で見つけられ、自然食品から作製されたエネルギーボールタイプの製品の特徴である。
【0023】
別の好ましい実施形態では、塊中の脂肪の40%未満、好ましくは30%未満が飽和脂肪である。飽和脂肪のこの割合は、伝統的なスナック製品よりも少なく、特許請求されるスナックをより健康的なものにする。
【0024】
別の好ましい実施形態では、塊は、少なくとも70g/100g、好ましくは少なくとも80g/100g、より好ましくは少なくとも90g/100gのブレンドされた自然食品を含む。ブレンドされた自然食品のこの割合により、この製品が健康に関心の高い消費者にとって魅力的なものになるが、水及び不飽和脂肪の量を最も高くする。
【0025】
別の好ましい実施形態では、塊は、20~60g/100gの少なくとも1つのナッツ及び/または種子(ナッツ及び/または種子の総重量に基づいて1~10%の水含有量を有する)と、20~80g/100gの少なくとも1つの果実及び/または野菜(果実及び/または野菜の総重量に基づいて11~35%の水含有量を有する)とを含む。これらの特定の成分のこれらの量は、以下に記載の実施例で見つけられ、上述の栄養成分の量、具体的には、脂肪及び水の量を提供する。
【0026】
別の好ましい実施形態では、外側コーティング層の総重量に基づいて、外側コーティング層の20重量%未満、好ましくは10重量%未満が脂肪である。脂肪のこの割合は、すりおろしココナッツなどの伝統的なコーティングよりも低い。理論に拘束されることなく、これは、より少ない量の脂肪である可能性があり、その量により、乾燥植物性フレークが特許請求されるスナック製品をすりおろしココナッツでは不可能な方法で保存することを可能にする。
【0027】
別の好ましい実施形態では、外側コーティング層は、少なくとも70g/100gの花びら、葉、外皮、殻、及び/または穀皮、好ましくは少なくとも70g/100gの花びら及び/または葉、より好ましくは少なくとも70g/100gの花びらを含む。これらの種類の乾燥植物性フレークは、スナック製品の腐敗防止に特に効果的であることが見出された。
【0028】
別の好ましい実施形態では、外側コーティング層は、少なくとも80g/100g、好ましくは少なくとも90g/100g、より好ましくは少なくとも95g/100gの乾燥植物性フレークを含む。外側コーティング層の大部分が乾燥植物性フレークからなることが好ましいが、本発明は、少量の代替成分が外側コーティング層に含まれる場合でも依然として機能する。
【0029】
別の好ましい実施形態では、コーティング層は、塊の外面の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%を覆う。塊の外面の大部分が外側コーティング層によって覆われていることが好ましいが、本発明は、塊の外面のわずかな割合が露出している場合でも依然として機能する。
【0030】
別の好ましい実施形態では、乾燥植物性フレークは、1~15mm、好ましくは2~10mm、より好ましくは3~8mmの平均最長寸法(最長寸法平均値)を有する。これらの寸法を有する乾燥植物性フレークは、標準サイズのエネルギーボール及び同様の直径を有する製品をコーティングする際に特に効率的であることが見出されている。理論に拘束されることなく、これは、より大きい平均最長寸法である可能性があり、その平均最長寸法により、乾燥植物性フレークが特許請求されるスナック製品をココアパウダーでは不可能な方法で保存することを可能にする。
【0031】
別の好ましい実施形態では、常温保存可能なスナック製品は、1~200g、好ましくは5~100g、より好ましくは10~50gの塊を有する。これらのサイズは、スナック製品、具体的には、エネルギーボールの特徴である。このサイズ及び重量を有するスナック製品は、上述の平均最長寸法から最大の利益を得る。
【0032】
別の好ましい実施形態では、あらゆる前述の実施形態によるスナックは包装される。特許請求される常温保存可能なスナック製品が包装内に保管されなければならないという要件はないが、本発明のさらなる利点は、常温保存可能なスナック製品がプレゼンテーションボックス内に包装され、腐敗することも包装に染みをつけることもなく数週間保管され得ることである。
【0033】
本発明は、常温保存可能なスナックを製造する方法であって、以下のステップ:
a)植物性自然食品の塊をブレンドするステップと、
b)塊をスナックの形状に形成するステップと、
c)スナックの外面を水性液体で湿らせるステップと、
d)スナックの外面を、乾燥植物性フレークを含む外側コーティング層で実質的に覆うステップと、
e)任意選択的に、スナックを保管用のボックスまたは容器内に包装するステップと、を、以上の順序で含む、方法も提供する。
【0034】
塊をスナックの形状に形成するステップとスナックを乾燥植物性フレークでコーティングするステップとの間の時間は、5分未満、好ましくは2分未満、より好ましくは1分未満である。本発明者らは、驚くべきことに、常温保存可能なスナックの生産に必要なコーティングのレベルを達成するために、形成された塊を湿らせ、スナックの外面を乾燥植物性フレークで迅速にコーティングすることが必要であることを見出した。
【0035】
本発明は、スナックを保存する方法であって、ブレンドされた自然食品の塊を、1mm未満、好ましくは0.6mm未満、より好ましくは0.4mm未満の平均厚さを有する乾燥植物性フレークでコーティングすることを含む、方法も提供する。上で論じられるように、これらの平均厚さを有する乾燥植物性フレークは、常温保存可能なスナックの生産に特に好適であった。
【0036】
本発明は、ブレンドされた自然食品の塊を保存するための、花びら、葉、外皮、殻、及び/または穀皮からなる群から選択される乾燥植物性フレークの使用も提供する。本発明者らは、驚くべきことに、乾燥植物性フレークのこの特定の群がブレンドされた自然食品の塊を最も良好に保存することができたことを発見した。
【0037】
好ましい実施形態では、上述の方法または用途によれば、塊は、塊の総重量に基づいて20~40重量%の脂肪(そのうち、脂肪の50%未満が不飽和である)と、塊の総重量に基づいて10~30重量%の水とを含む。特許請求される常温保存可能なスナックについて上で論じられるように、脂肪及び水のこれらの量は、上述の方法及び使用に特に好適なエネルギーボールの特徴である。
【0038】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載の実施形態から明らかにあり、それらを参照して解明されるであろう。
【0039】
本発明のさらなる理解のために、かつ本発明がどのように実行され得るかをより明確に示すために、一例として、添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明による異なる乾燥植物性フレークを計測するために定規と並べて提示する。aは、加工後の5±3mmの最長平均寸法を有する乾燥したバラ及びボタンの花びらを示し、bは、加工後の10±4mmの最長平均寸法を有する乾燥したバラ及びケシの花びらを示し、cは、加工後の6±3mmの最長平均寸法を有する乾燥したバラ及びブラックマロウの花びらを示し、dは、8±3mmの最長平均寸法を有する乾燥したバラ及びヒマワリの花びらを示す。
図2】コーティングされたスナックを提示する。aは、コーティングが施されていないスナックを示し、bは、装飾用花びらが施されたときの標準としての花びら(約20mm)で部分的に覆われた(約50%)スナックを示し、cは、本発明によるスナックを示す。
図3】異なるコーティングを有する異なるスナックを9日間紙上に放置したときの油染みのサイズを提示する。染みの外側周辺に鉛筆の線が引かれている。aは、コーティングが施されていないときの染みを示し、bは、装飾用花びらが施されたときの標準としてのスナックが花びら(約20mm)で部分的に覆われたときの染色を示し、cは、本発明によるスナックを使用して目に見える跡がついていないことを確認し、dは、以下の表3のデータをグラフで示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、実施例を参照して記載される。
【0042】
発明を実施するための形態及び特定の実施例が、製品、方法、及び使用の例示的な実施形態を示す一方で、単に例証目的を意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。本発明の製品、方法、及び使用のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の記述、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からさらに理解されるであろう。
【0043】
本発明は、防腐剤を必要とすることなく数週間にわたって常温保存可能な大量のブレンドされた自然食品を含むスナックを生産することを目標とする。
【0044】
本発明は、塊を含むスナックであって、塊の大部分がブレンドされた自然食品を含む、スナックを提供する。塊は、塊の総重量に基づいて20~40重量%の脂肪(そのうち、脂肪の50%未満が飽和である)と、塊の総重量に基づいて10~30重量%の水とを含む。スナックは、乾燥植物性フレーク(例えば、1mm未満の平均厚さを有する)を含む外側コーティング層をさらに含み、外側コーティング層は、外側コーティング層の総重量に基づいて30重量%未満の脂肪(そのうち、脂肪の50%未満が飽和脂肪である)を含み、外側コーティング層は、塊の外面を実質的に覆う。
【0045】
「スナック」とは、それを摂取する個体の1日あたりの推奨カロリー摂取量未満を含む食品である。さらに、スナックの成分は、それを摂取する個体が食べられるものでなければならない。好ましい実施形態では、個体は、ヒトであり、スナックは、食品グレードの成分を含み、1片あたり500kcal未満、好ましくは250kcal未満、より好ましくは100kcal未満である。
【0046】
特許請求されるスナックは、「常温保存可能」であり、これは、20℃の周囲温度で少なくとも1週間新鮮さを保つものと定義される。好ましくは、スナックは、少なくとも2週間、より好ましくは少なくとも3週間、さらにより好ましくは少なくとも4週間、最も好ましくは最大3ヶ月間常温保存可能である。スナックの新鮮さは、以下の実施例5及び実施例6に記載の実験を使用して評価することができる。具体的には、常温保存可能とは、スナックの外側に「汗をかいている」ような外観が存在しないこと(実施例5)、及び/または脂肪の浸出が最小限であること(実施例5)、及び/または取り扱い時に望ましくないくぼみが存在しないこと(実施例6)を意味する。
【0047】
スナックは、ブレンドされた自然食品の塊を含む。「塊」は、粗くても細かくてもよく、塊をスナックの形状に形成することができるように十分に湿っているが、スナックがその形状を保持するのに十分に固体でなければならない。これは、特許請求される量の脂肪及び水を使用したときに達成されるか、あるいは、以下に記載され、かつ実施例で使用される特定の量の成分を定義することによって達成され得る。
【0048】
「ブレンドされた自然食品」とは、細かいまたは粗いペースト(塊)を形成するために粉砕されたナッツ、種子、果実、及び野菜を含む未加工食品である。好ましくは、自然食品は植物性であるが、本発明は、動物由来のある量の自然食品でも依然として機能する。動物性脂肪には大量の飽和脂肪が含まれているため、動物性自然食品の量は特許請求の範囲で暗黙的に制限される。
【0049】
スナックの外側コーティング層は、「乾燥植物性フレーク」を含む。本出願の文脈の中で、乾燥植物性フレークとは、より大きい切片から分解または剥離される場合もされない場合もある乾燥植物の薄い(それらの長さと比較して)切片(すなわち、フレーク)である。フレークが適切なサイズを有する場合、それらを分解する必要はないであろう。しかしながら、より大きい切片(例えば、大きい乾燥花びら)由来のフレークは、実施例1に概説される方法を使用して分解することができる。フレークは、パウダーでも粉末でもなく、これらでは同じ利点はもたらされない。個々のフレークは、ヒトの肉眼で見えるものでなければならず、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも3mmの平均最長寸法(最長寸法平均値)を有するものとする。好ましくは、乾燥植物性フレークは、1~15mm、好ましくは2~10mm、より好ましくは3~8mmの平均最長寸法を有する。さらに、フレークの大部分は、これらの範囲内の最長寸法を有するであろう。したがって、前述の範囲の各々について、フレークの少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%がこれらの範囲内の最長寸法を有するであろう。フレークは、曲がるのに十分に薄いが、スナック上で崩壊しないように十分に厚くなければならない。例示的な乾燥植物性フレークは、図1a~図1dに示される。
【0050】
特定の植物性フレークが「乾燥している」とみなされる場合、特定の材料によって異なり得るが、水含有量を減少させることによって製品の耐久性を増加させる能動的乾燥プロセスを経たものと定義される。一般に、乾燥植物性フレークは、20重量%未満の水、好ましくは15重量%未満の水、より好ましくは10重量%未満の水を含む。
【0051】
「平均厚さ」は、代表的な数の個々のフレーク中の最短寸法を測定することによって計算することができる。これは、外側コーティング層の厚さではなく、フレークの厚さを定義する。フレークをスナックから除去することが困難である可能性があることを考慮して、この値は、コーティングとして使用されていない同じタイプのフレークを使用して計算することができる。一般に、フレークは、1mm未満、好ましくは0.6mm未満、より好ましくは0.4mm未満の平均厚さを有する。一般に、食用乾燥花びらまたは葉は、これらの基準を満たすであろう。
【0052】
乾燥植物性フレークは、チップまたはすりおろしたもの(grating)とすることもできるが、依然として、平均最長寸法が少なくとも1mmであり、平均厚さが1mm未満であるという最小寸法要件に従わなければならない。
【0053】
塊及び外側コーティング層中の脂肪量及び水量は、当業者に既知の方法によって計算することができる。この計算は、塊の外面から遠位のスナックの面積に基づいて行われなければならない。これにより、脂肪及び/または水が塊からフレーク中に移動するリスクを最小限に抑えられる。新鮮なスナックのフレーク中の脂肪量及び水量と経時劣化したスナックのフレーク中の脂肪量及び水量との間に相違が生じた場合、コーティングに使用されていない同じタイプのフレークを使用してフレーク中の脂肪量及び水量を計算することができる。
【0054】
外側コーティング層は、スナックの腐敗を防止し、かつスナックが常温保存可能な状態を保つことを確実にするために、塊の実質的に全外面を覆わなければならない。一般に、表面のほぼ全てが覆われることになる。しかしながら、水レベル及び/または脂肪レベルが低いか、または飽和脂肪レベルが比較的高いスナックは、より低い被覆度レベルに耐えることができる。
【0055】
したがって、「実質的に覆う」とは、外側コーティング層が、塊の全外側表面積の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を覆うことを意味する。
【0056】
自然食品
「自然食品」の定義は、食用にするために最小限の加工及び精製しか受けていない食品である。自然食品は、乾燥したものまたは部分的に乾燥したものであり得る。したがって、自然食品は、伝統的なスナック食品に一般的な多くの成分、例えば、精糖、精粉、タンパク質抽出物、油及びココアバターを含む純脂肪、人工着色料、人工香味料、人工防腐剤、さらにはココアパウダーなどの天然香味料を含まない。
【0057】
自然食品には、最小限の加工及び精製(乾燥を除く)しか受けていない果実、豆及び豆類を含む野菜、ナッツ、種子、ハーブ、ホールスパイス、ならびに全粒穀物が含まれる。本発明のスナック製品が、蜂蜜、蜂花粉、牛乳、または卵などの動物性自然食品を含むことができるが、好ましい実施形態では、自然食品の大部分または全てが植物性である。好ましくは、自然食品の総重量に基づいて、少なくとも90g/100gの自然食品が植物性自然食品である。より好ましくは、自然食品の総重量に基づいて、少なくとも95g/100gの自然食品が植物性自然食品である。最も好ましくは、自然食品の総重量に基づいて、少なくとも99g/100gの自然食品が植物性自然食品である。
【0058】
蜂蜜が含まれる場合、蜂蜜は、最大でも20g/100g、好ましくは10g/100g、より好ましくは5g/100gに制限される。
【0059】
ブレンドされた自然食品の塊
ブレンドされた自然食品の塊は、一般に、コアを含むスナックの大部分を形成する。しかしながら、塊が別の層を包囲することは本発明の範囲内である。例えば、塊は、ホールナッツ、乾燥ベリー、または適切なサイズの他の食品を包み込むことができる。
【0060】
ブレンドされた自然食品の塊は、一般に、20~40重量%の脂肪及び10~30重量%の水の存在に基づいて、30~70重量%の脂肪及び水を含むであろう。脂肪、水、及び他の栄養成分の総量の制限は、重量%(重量%)で特許請求されるこれらの成分の量によって定義される。
【0061】
好ましい実施形態では、常温保存可能なスナックは、塊の総重量に基づいて、5~20重量%のタンパク質、好ましくは7~15重量%のタンパク質、より好ましくは9~13重量%のタンパク質をさらに含む。タンパク質のこの量は、スナックをより健康的なものにし、かつ改善された稠度を有することを確実にする。
【0062】
別の好ましい実施形態では、塊は、塊の総重量に基づいて、3~15重量%の繊維、好ましくは6~12重量%の繊維、より好ましくは7~9重量%の繊維をさらに含む。繊維のこの量は、スナックがより健康的なものであり、かつ改善された稠度を有することを確実にする。
【0063】
別の好ましい実施形態では、塊は、塊の総重量に基づいて、30~42重量%の可消化炭水化物、好ましくは33~40重量%の可消化炭水化物、より好ましくは35~38重量%の可消化炭水化物をさらに含む。
【0064】
可消化炭水化物は、好ましくは、可消化炭水化物の総量に基づいて、少なくとも50%の植物性炭水化物、より好ましくは少なくとも60%の植物性炭水化物を含む。
【0065】
別の好ましい実施形態では、塊は、塊の総重量に基づいて、25~32重量%の脂肪、好ましくは27~29重量%の脂肪を含む。
【0066】
別の好ましい実施形態では、塊は、塊の総重量に基づいて、12~25重量%の水、好ましくは14~20重量%の水を含む。
【0067】
別の好ましい実施形態では、塊中の脂肪の40%未満、好ましくは30%未満が飽和脂肪である。
【0068】
個々の実施形態の開示される量の脂肪、水、タンパク質、繊維、及び炭水化物は、適切な自然食品、具体的には、ナッツ及び乾燥果実を組み合わせることによって、当業者によって容易に組み合わせられ得る。
【0069】
好ましい実施形態では、塊は、少なくとも70g/100g、好ましくは少なくとも80g/100g、より好ましくは少なくとも90g/100gのブレンドされた自然食品を含む。これらの値が別々に計算されるため、100g/100gの自然食品を有する塊が重量%で特許請求される栄養成分を含むことができることが当業者には明らかである。
【0070】
スナックの塊が、塊の総重量に基づいて、20~60g/100gの少なくとも1つのナッツ及び/または種子を含むことが特に好ましい。一般に、ナッツ及び/または種子は、ナッツ及び/または種子の総重量に基づいて1~10%の水含有量を有するであろう。より好ましいナッツ及び種子には、アーモンド、ブラジルナッツ、チャイ種子、コブナッツ、カシューナッツ、亜麻種子、ヘーゼルナッツ、麻種子、マカダミアナッツ、ピーナッツ、ペカンナッツ、パインナッツ、ピスタチオナッツ、カボチャ種子、ケシ種子、ゴマ種子、ヒマワリ種子、及びクルミのうちの1つ以上が含まれる。最も好ましくは、ナッツは、アーモンド、カシューナッツ、コブナッツ、ピーナッツ、ペカンナッツ、ピスタチオナッツ、及びクルミから選択される。
【0071】
好ましい実施形態では、スナックの塊は、塊の総重量に基づいて、30~50g/100gの少なくとも1つのナッツ及び/または種子、より好ましくは35~45g/100gの少なくとも1つのナッツ及び/または種子を含む。
【0072】
スナックの塊が、塊の総重量に基づいて、20~80g/100gの少なくとも1つの果実及び/または野菜を含むことが特に好ましい。一般に、果実及び/または野菜は、果実及び/または野菜の総重量に基づいて11~35%の水含有量を有するであろう。この水含有量を有する果実及び野菜は、一般に、半乾燥または乾燥果実及び野菜とみなされる。より好ましい果実及び野菜には、リンゴ、アスパラガス、バナナ、ビート、ブロッコリー、ニンジン、セロリ、チェリー、柑橘類果皮、トウモロコシ、ナツメヤシ(例えば、マジョールデーツ)、乾燥アプリコット、乾燥ベリー、乾燥ピーチ、イチジク、ニンニク、ショウガ、ケール、マンゴー、タマネギ、パースニップ、ナシ、エンドウ豆、パプリカ、パイナップル、ジャガイモ、プルーン、カボチャ、レーズン、ホウレンソウ、スルタナ、乾燥トマト、オリーブ、及び豆類のうちの1つ以上が含まれる。甘味スナックに最も好ましい果実または野菜は、マジョールデーツである。香辛スナックに最も好ましい果実または野菜は、乾燥トマトである。
【0073】
好ましい実施形態では、スナックの塊は、塊の総重量に基づいて、30~70g/100gの少なくとも1つの果実及び/または野菜、より好ましくは35~60g/100gの少なくとも1つの果実及び/または野菜を含む。
【0074】
ブレンドされた自然食品の塊の組成が1~10%の水含有量を有するナッツ及び/または種子の上記のg/100g範囲ならびに11~35%の水含有量を有する果実及び/または野菜のg/100g範囲に基づいて定義される場合、必要な量が生来存在するため、ブレンドされた自然食品の塊の組成を塊中の脂肪量(飽和脂肪を含む)及び水量に基づいて定義する必要はないであろう。
【0075】
したがって、本発明の特定の態様は、ナッツ及び/または種子の総重量に基づいて1~10%の水含有量を有する20~60g/100gの少なくとも1つのナッツ及び/または種子と、果実及び/または野菜の総重量に基づいて11~35%の水含有量を有する20~80g/100gの少なくとも1つの果実及び/または野菜とを含むブレンドされた自然食品の塊を含む常温保存可能なスナックに関する。常温保存可能なスナックは、以下に定義される外側コーティング層をさらに含む。
【0076】
好ましい実施形態では、塊は、塊中の脂肪の総量に基づいて、50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満の長鎖飽和脂肪酸(14個以上の炭素原子を含む)を含む。これらの脂肪酸を多く含む脂肪は、室温で固体になる傾向があり、健康に有害であるとみなされている。
【0077】
外側コーティング層
外側コーティング層は、一般に1mm未満の平均厚さを有する乾燥植物性フレークを含む。さらに、外側コーティング層は、外側コーティング層の総重量に基づいて30重量%未満の脂肪(そのうち、脂肪の50%未満が飽和脂肪である)を含む。最後に、外側コーティング層は、塊の外面を実質的に覆う。
【0078】
塊の外面を実質的に覆う外側コーティング層中の乾燥植物性フレークの含有量を高めることにより、スナックが常温保存可能であることが確実になる。乾燥植物性フレークは、スナックの腐敗を防止するだけでなく、塊の外面も硬化させ、これにより、取り扱いの際に形崩れに対するスナックの抵抗力がより高まることが確実になる。塊の内側は湿った状態を保つ。
【0079】
別の好ましい実施形態では、外側コーティング層は、外側コーティング層の総重量に基づいて、20重量%未満の脂肪、好ましくは10重量%未満の脂肪を含む。
【0080】
別の好ましい実施形態では、外側コーティング層は、外側コーティング層の総重量に基づいて、10重量%未満の糖、好ましくは5重量%未満の糖を含む。
【0081】
別の好ましい実施形態では、外側コーティング層は、外側コーティング層の総重量に基づいて、少なくとも50重量%の構造性炭水化物(例えば、繊維、セルロース、ヘミセルロース、及びリグニン)、好ましくは少なくとも60重量%の構造性炭水化物を含む。
【0082】
フレークは、パウダーでも粉末でもなく、これらでは同じ利点はもたらされない。個々のフレークは、ヒトの肉眼で見えるものでなければならず、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも3mmの平均最長寸法を有するものとする。これにより、特許請求されるフレークが、例えば、ココアパウダー、ビート根パウダー、または粉末スパイスと区別される。
【0083】
別の好ましい実施形態では、乾燥植物性フレークは、1~15mm、好ましくは2~10mm、より好ましくは3~8mmの平均最長寸法を有する。これらのサイズを有する乾燥植物性フレークを生産するための方法が以下の実施例1に記載される。以下の実施例5及び実施例6に記載されるように、このサイズの寸法がスナックの保存に特に効果的であることが見出された。本発明者らは、より大きい乾燥植物性フレークがスナックをあまり効果的に覆わない傾向があり、それらが塊の外層を実質的に覆わない一方で、粉末に粉砕されたものがスナックの腐敗を防止しないことを発見した。乾燥植物性フレークの最適サイズは、スナックのサイズ及び形状(例えば、曲率)に依存するであろう。多数の平坦区分(通常、少なくとも32個)が組み合わされて球形ボールが作製されるフットボール(サッカーボール)に例えると、それらの区分のサイズは、ボールのサイズに依存する。上に列挙される寸法は、以下に列挙されるサイズ(すなわち、1~200g、好ましくは5~100g、より好ましくは10~50g)のスナックに最も好適である。
【0084】
一般に、フレークは、1mm未満の平均厚さを有する。好ましくは、フレークは、0.6mm未満、より好ましくは0.4mm未満の平均厚さを有する。この厚さを有するフレークが塊の外側コーティング層を覆うのに最適であり、保護を提供するのに十分に強いと同時に、塊のあらゆる平坦でない表面を覆うのに十分に柔軟であるように見える。さらに、この厚さを有するフレークは、スナックにザラザラした質感を与えない。
【0085】
これらの厚さを有する乾燥花びら及び葉ハーブは、葉脈(木部)によってさらに強化されており、これにより、それらがコーティングに特に好適なものになる。乾燥葉と乾燥花びらは構造的に関連しており、いずれも、多くの(例えば、60重量%超の)構造性炭水化物(例えば、繊維、セルロース、ヘミセルロース、及びリグニン)を含み、少量の(例えば、15重量%未満の)糖(例えば、フルクトース、グルコース、及びスクロース)しか含まず、少量の(例えば、10重量%未満の)脂肪しか含まない傾向がある。重要な違いは、花びらの色が異なる傾向がある一方で、ほとんどの葉が緑色であることである。
【0086】
別の好ましい実施形態では、外側コーティング層は、少なくとも70g/100gの乾燥花びら、葉、外皮、殻、及び/または穀皮のフレーク、好ましくは少なくとも70g/100gの乾燥花びら及び/または葉のフレーク、より好ましくは少なくとも70g/100gの乾燥花びらのフレークを含む。30名の参加者のパネルに味覚試験を行った結果、本発明者らは、中心の塊の風味を妨害することも圧倒することもない中立的な風味であるため、乾燥花びらベースのコーティングが好ましいことを発見した。花びらは、花のような味覚を持たせることなくスナックの風味プロファイルを変更すると考えられた。
【0087】
食用花の正体は当業者に知られている。乾燥花びらの例には、Abelmoschus esculentus、Allium schoenoprasum、Althaea、Anethum graveolens、Antirrhinum majus、Anthriscus cerefolium、Asparagus officinalis、Bellis perennis、Borago officinalis、Brassica oleracea、Calendula officinalis、Centaurea cyanus、Chrysanthemum、Cichorium intybus、Cucurbita pepo、Cymbopetalum costaricense、Cymbopetalum penduliflorum、Dianthus、Eruca sativa、Foeniculum vulgare、Galium odoratum、Helianthus annuus、Hemerocallis、Hibiscus rosa-sinensis、Lavandula、Levisticum officinale、Lonicera japonica、Malus、Malva sylvestris、Matricaria recutita、Mentha、Monarda didyma、Ocimum basilicum、Passiflora、Pelargonium、Paeonia、Papaver somniferum、Phaseolus vulgaris、Phalaenopsis、Rosa、Punica granatum、Rosmarinus officinalis、Salvia elegans、Salvia officinalis、Sambucus canadensis、Sambucus nigra、Syringa vulgaris、Tagetes patula、Tagetes tenuifolia、Taraxacum officinale、Thymus、Tilia、Trifolium pratense、Tropaeolum majus、Tulipa、Viola odorata、Viola tricolor、及びViola × wittrockianaが挙げられる。好ましい乾燥花びらには、キンセンカ(calendula officinalis)、ヤグルマギク(centaurea cyanus)、エルダーフラワー(sambucus nigra)、マローフラワー(malva sylvestris)、ボタン(paeonia)、ザクロ(punica granatum)、ケシ(papaver somniferum)、バラ(rosa)、及びヒマワリ(helianthus annuus)が含まれる。
【0088】
食用葉の正体は当業者に知られている。好ましくは、乾燥葉には、乾燥葉野菜、茶、及び/またはハーブが含まれる。より好ましくは、乾燥葉は、バジル、ゲッケイジュ、ルリジサ、キャラウェー、ショウズク、キャットニップ、チャービル、エゾネギ、コリアンダー、クミン、カレー、ディル、アリタソウ、ウイキョウ、ニンニク、ショウガ、ラベンダー、レモングラス、ラビッジ、ハナハッカ、ミント、キンレンカ、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージ、サフラン、スイバ、ウルシ、タラゴン、タイム、ウコン、及び/またはザアタルからなる群から選択されるハーブである。さらにより好ましくは、乾燥ハーブは、バジル、ルリジサ、チャービル、コリアンダー、カレー、ウイキョウ、ニンニク、ショウガ、ハナハッカ、ミント、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージ、サフラン、スイバ、ウルシ、タラゴン、タイム、及び/またはウコンからなる群から選択される。
【0089】
食用外皮、殻、及び/または穀皮の正体は当業者に知られている。好ましい例には、ナッツ外皮、トマト外皮、柑橘類果皮、及び穀物穀皮が挙げられる。
【0090】
別の好ましい実施形態では、外側コーティング層は、少なくとも80g/100g、好ましくは少なくとも90g/100g、より好ましくは少なくとも95g/100gの乾燥植物性フレークを含む。
【0091】
外側コーティング層の組成が少なくとも90g/100gの乾燥花びら及び/または葉のフレーク(例えば、1mm未満の平均厚さを有する)を含む場合、外側コーティング層の組成を脂肪量及び飽和脂肪量に基づいて定義する必要はない。かかる乾燥花びら及び葉は、生来低脂肪であり、脂肪の50%未満が飽和である。
【0092】
したがって、本発明の特定の態様は、上述のブレンドされた自然食品の塊を含む常温保存可能なスナックに関する。常温保存可能なスナックは、1mm未満、好ましくは0.6mm未満、より好ましくは0.4mm未満の平均厚さを有する、少なくとも90g/100gの乾燥花びら及び/または葉のフレークをさらに含む。
【0093】
常温保存可能なスナック
特許請求されるスナックは、それを摂取する個体が食べられるものでなければならない。好ましくは、個体は、ヒトであり、スナックは、ヒト摂取に好適である。
【0094】
特許請求されるスナックは、20℃の周囲温度で少なくとも1週間常温保存可能である。好ましくは、スナックは、少なくとも2週間、より好ましくは少なくとも3週間、さらにより好ましくは少なくとも4週間、最も好ましくは最大3ヶ月間常温保存可能である。
【0095】
常温保存可能なスナックは、上で定義されるように、ブレンドされた自然食品の塊と、乾燥植物性フレークを含む外側コーティング層とを含む。外側コーティング層は、塊の外面を実質的に覆う。塊の脂肪及び水含有量がより低く、かつ飽和脂肪量がより多いスナックには完全な被覆は必要ではないが、外側コーティング層は、一般に、塊の外面の少なくとも70%を覆う。
【0096】
好ましい実施形態では、コーティング層は、塊の外面の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%を覆う。これらの大量のコーティングにより、特許請求されるスナックが、純粋に審美的な理由により乾燥花びらで飾り付けられた既知のスナックと区別される。特許請求される被覆率レベル未満では、スナックは、腐敗に対する抵抗力が乏しくなる。
【0097】
特許請求されるスナックのサイズは、その寸法及び/または重量に関して特に制限されない。例えば、長い円筒形のスナックは、陳列目的で生産されてもよく、それから個々の切片がスライスされ得る。これにより、個々の部分がスライスされるまでスナックが数週間常温保存可能な状態を保つことが可能になる。
【0098】
好ましい実施形態では、個々の部分に形成されたとき、常温保存可能なスナック製品は、1~200g、好ましくは5~100g、より好ましくは10~50gの重量を有する。
【0099】
球形または円筒形のスナックをより容易に乾燥植物性フレークでコーティングすることができるが、コーティングは、平坦なまたは不規則な形状のスナックにプレスされる場合もある。しかしながら、好ましい実施形態では、スナックは、1~10cm、より好ましくは2~5cmの直径を有する球形である。これらの寸法は、エナジーボールの標準であり、スナックを便利に持ち歩くことができるようにする。
【0100】
特許請求されるスナックが任意の特定の包装内に保管されなければならないという要件はないが、好ましい実施形態では、スナックは包装される。より好ましくは、包装は気密ではなく、消費者がスナックの新鮮な外観を評価することを可能にするために覗き窓を含んでもよい。さらにより好ましくは、包装は、プラスチックを含まず、完全に再生利用可能である。
【0101】
常温保存可能なスナックを製造する方法
本発明の別の態様によれば、常温保存可能なスナックを製造する方法であって、以下のステップ:
a)植物性自然食品の塊をブレンドするステップと、
b)塊をスナックの形状に形成するステップと、
c)スナックの外面を水性液体で湿らせるステップと、
d)スナックの外面を、乾燥植物性フレークを含む外側コーティング層で実質的に覆うステップと、
e)任意選択的に、スナックを保管用のボックスまたは容器内に包装するステップと、を、以上の順序で含む、方法が提供される。
【0102】
本発明者らは、驚くべきことに、実施例3に記載されるように、乾燥植物性フレークが塊の外面を効果的に覆うことを確実にするために、塊をスナックの形状に形成するステップとスナックを乾燥植物性フレークでコーティングするステップとの間の時間が5分未満でなくてはならないことを見出した。これは、ブレンドされるとすぐに硬化する傾向がある、飽和脂肪の割合が高く、かつ水分量が少ない製品にとって既知の問題である。しかしながら、この問題は、水量が多く、かつ飽和脂肪の割合が低いより柔らかい植物性塊には予想されなかった。植物性自然食品の塊及び乾燥植物性フレークの組成は、上に記載されている。
【0103】
好ましい実施形態では、塊をスナックの形状に形成するステップとスナックを乾燥植物性フレークでコーティングするステップとの間の時間は、好ましくは2分未満、より好ましくは1分未満である。短時間で特に効果的なコーティングが確保され、生産プロセスを加速させる。
【0104】
乾燥植物性フレークを含む外側コーティング層でスナックの外面を覆う前に、形成された塊を水性液体で湿らせなければならない。好ましくは、液体は、水、任意選択的に、天然香味料を含む水である。液体を任意の方法によって塗布することができるが、エアロゾルでスプレーするか、または形成された塊に液体を迅速に浴びせることが好ましい。
【0105】
別の好ましい実施形態では、製造する方法は、塊中の脂肪酸の総量に基づいて、50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満の長鎖飽和脂肪酸(14個以上の炭素原子を含む)を含む塊に関する。これらの脂肪酸を多く含む脂肪は、室温で固体になる傾向があり、健康に有害であるとみなされている。この点で、「脂肪酸」という用語には、遊離型のもの、及びモノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリドの一部を形成するものが含まれる。
【0106】
別の好ましい実施形態では、製造する方法は、塊の総重量に基づいて20~40重量%の脂肪であって、そのうち、脂肪の50%未満が不飽和である、脂肪と、塊の総重量に基づいて10~30重量%の水とを含む塊に関する。
【0107】
別の好ましい実施形態では、製造する方法は、1mm未満、好ましくは0.6mm未満、より好ましくは0.4mm未満の平均厚さを有する乾燥植物性フレークに関する。これらの厚さを有するフレークは、スナックにザラザラした質感を与えることなく、スナックの表面を効率的にコーティングする。
【0108】
スナックを保存する方法
本発明の別の態様によれば、スナックを保存する方法であって、ブレンドされた自然食品の塊を、1mm未満、好ましくは0.6mm未満、より好ましくは0.4mm未満の平均厚さを有する乾燥植物性フレークでコーティングすることを含む、方法が提供される。
【0109】
本発明者らは、驚くべきことに、この特定のタイプの乾燥植物性フレークが、ブレンドされた自然食品から作製されたスナックの腐敗防止に特に効果的であることを見出した。ブレンドされた自然食品の塊及び乾燥植物性フレークの塊の組成は、上に記載されている。
【0110】
フレークは、パウダーでも粉末でもなく、これらでは同じ利点はもたらされない。個々のフレークは、ヒトの肉眼で見えるものでなければならず、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも3mmの平均最長寸法を有するものとする。これにより、特許請求されるフレークが、例えば、ココアパウダーと区別される。
【0111】
好ましい実施形態では、乾燥植物性フレークは、1~15mm、好ましくは2~10mm、より好ましくは3~8mmの平均最長寸法を有する。
【0112】
別の好ましい実施形態では、スナックを保存する方法は、塊中の脂肪酸の総量に基づいて、50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満の長鎖飽和脂肪酸(14個以上の炭素原子を含む)を含む塊に関する。これらの塊がより高い割合の油を含むため、記載される方法から特に利益を得る。
【0113】
別の好ましい実施形態では、スナックを保存する方法は、塊の総重量に基づいて20~40重量%の脂肪であって、そのうち、脂肪の50%未満が飽和である、脂肪と、塊の総重量に基づいて10~30重量%の水とを含む塊に関する。これらの塊がより高い割合の脂肪及び水を含むため、記載される方法から特に利益を得る。
【0114】
好ましい実施形態では、常温保存可能なスナック製品は、1~200g、好ましくは5~100g、より好ましくは10~50gの重量を有する。
【0115】
ブレンドされた自然食品の塊を保存するための、乾燥花びら、葉、外皮、殻、及び/または穀皮の使用
本発明の別の態様によれば、ブレンドされた自然食品の塊を保存するための、乾燥花びら、葉、外皮、殻、及び/または穀皮からなる群から選択される乾燥植物性フレークの使用が提供される。
【0116】
本出願人は、驚くべきことに、乾燥植物性フレークのこの特定の群が、ブレンドされた自然食品から作製されたスナックの保存に特に効果的であることを見出した。植物性自然食品の塊及びこれらの乾燥植物性フレークを含む外側コーティング層の組成は、上に記載されている。
【0117】
好ましい実施形態では、外側コーティング層は、少なくとも70g/100gの乾燥花びら、葉、外皮、殻、及び/または穀皮、好ましくは少なくとも70g/100gの乾燥花びら及び/または葉、より好ましくは少なくとも70g/100gの乾燥花びらを含む。これらの特定の乾燥植物性フレークは、常温保存可能なスナックを提供する際の塊のコーティングに特に好適である。
【0118】
別の好ましい実施形態では、外側コーティング層は、少なくとも80g/100g、好ましくは少なくとも90g/100g、より好ましくは少なくとも95g/100gの乾燥植物性フレークを含む。
【0119】
好ましい実施形態では、使用は、塊中の脂肪酸の総量に基づいて、50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満の長鎖飽和脂肪酸(14個以上の炭素原子を含む)を含む塊を保存することに関する。これらの塊がより高い割合の油を含むため、記載される使用から特に利益を得る。
【0120】
別の好ましい実施形態では、使用は、塊の総重量に基づいて20~40重量%の脂肪であって、そのうち、脂肪の50%未満が飽和である、脂肪と、塊の総重量に基づいて10~30重量%の水とを含む塊に関する。これらの塊がより高い割合の脂肪及び水を含むため、記載される使用から特に利益を得る。
【実施例
【0121】
実施例1:1~15mmの平均最長寸法を有する乾燥花びらの生産
1~2gの乾燥したバラ及び牡丹の花びらを、食品グレードの空気乾燥させた花びらを販売している供給業者から購入した。花びらのサイズは、長さおよそ2cm(最長寸法)であった。花びらを、4ナイフブレードを装備した1500Wフードプロセッサーに入れた。3~5秒間の初期加工後、花びらのおよそのサイズを目測で調べた。必要に応じて、適切なサイズが達成されるまで、2秒間のバーストでさらに加工した。一般に、加工された花びらを慎重に取り除くことにより、粉末または小さい粒子が分離され、適切なサイズの乾燥花びらのフレークに混入しないことが確実になる。必要に応じて、適切なサイズのメッシュを有する1つ以上の篩を使用して、乾燥花びらのフレークをサイズ決定することができる。かかる技法は当業者に既知であり、例えば、茶葉の粒度選別で標準的に使用されている。
【0122】
この実施例では、5±3mmの平均サイズを、30個の無作為のフレーク(花びら片)を定規で測定することによって計算した。かかるフレークの一例を図1aに示す。異なるサイズのフレークを図1b~図1dに示す。これらのサイズの食用乾燥花びらは市販されていないが、より大きい乾燥花びらから低コストで容易に生産することができる。
【0123】
実施例2:ブレンドされた自然食品の塊の生産
成分を、4ナイフブレードを備えた1500Wフードプロセッサー内で混合した。なめらかな塊が形成されるまで、試料をブレンドした。必要な稠度を有する3つの例示的な塊を以下の表1に詳述する。
【0124】
【表1】
【0125】
栄養含有量を成分に基づいて計算することができ、概して、25~32重量%の範囲の脂肪(3~12重量%の飽和脂肪を含む)、7~15重量%の範囲のタンパク質、6~12重量%の範囲の繊維、25~45重量%の範囲の可消化炭水化物、10~27重量%の範囲の水であった。
【0126】
形成されたペーストは、成形に十分に適応性があるにもかかわらず、形成された形状を保持するのに十分に堅いものであった。実施例3に記載されるように、それを直ちに使用して、常温保存可能なスナックを生産した。
【0127】
実施例3:常温保存可能なスナックの生産
上記の実施例2に従って、ブレンドされた自然食品の塊を生産した。塊をおよそ20gの重量の個々のボールに丸め、その後、スプレーポンプからのエアゾール水を使用して迅速に湿らせた。その後、個々のボールを、上記の実施例1に従って生産した乾燥したバラ及びボタンの花びらのフレーク中で転がした。乾燥花びらのフレークは粉末を概ね含まなかったが、残りの粉末は、フレークが入っているトレイの底部に落下する傾向があり、ボールと直接接触しなかった。したがって、塊の外面は、2~8mmの最長寸法を有する乾燥花びらのフレークで実質的に覆われていた。この場合、目視検査に基づいて、表面の95%超が乾燥花びらのフレークで覆われていた。コーティングは、3週間安定して付着したままであった。
【0128】
20mmの平均最長寸法を有する未加工乾燥花びらを使用した繰り返し実験では被覆率が悪く、乾燥花びらの多くが3週間の保管中に付着した状態を保てなかった。これを図2に示す。同様に、乾燥していない花びらは、塊の表面に付着することができず、それを覆うことができなかった。
【0129】
実施例4:常温保存可能なスナック
実施例2に記載の塊を、実施例1に記載の異なる乾燥花びら中で転がした。甘味スナックA及びB(乾燥したバラの花びらのフレーク中で転がしたもの)ならびに香辛スナックC(乾燥バジル葉のフレーク中で転がしたもの)を7日間保管した後、30名の味覚試験者のパネルがそれらを評価した。試験者は、概して、本発明のスナックが新鮮かつ魅力的であり、口当たりのよいものとみなし、乾燥植物性フレークが塊の風味を圧倒するか、または顕著により硬い製品をもたらすとはみなさなかった。花びらは、花のような味覚を持たせることなくスナックの風味プロファイルを変更すると考えられた。
【0130】
実施例5:常温保存可能なスナックの長期安定性
乾燥したバラの花びらのフレークで実質的に覆われた実施例2のスナックA(5mmの花びらサイズ)の長期安定性を、同じブレンドされた塊から作製したが、コーティングしていないボール、乾燥した花びらの粉末でコーティングした(すなわち、1mm未満の花びらサイズ)ボール、すりおろしココナッツでコーティングしたボール、または20mmの平均最長寸法を有する乾燥した花びらのフレークでまばらにコーティングした(70%未満)ボールのいずれかのボールと比較した。各スナックの試料を、80g/mの紙上で、20℃の周囲温度で保管した。1週間後に、各試料の外観を、新鮮なもの、新鮮さを欠いたもの、または腐敗したもののいずれかとして評価した。結果を以下の表2に示す。
【0131】
【表2】
【0132】
スナックを7日間放置し、各ボールから染み出た脂肪及び水分のレベルを、定規を使用してその最長寸法にわたって測定し、記録した。結果を以下の表3に示す。
【0133】
【表3】
【0134】
従来技術で既知のコーティングはコーティングしていないスナックと比較してある程度の保護を提供したが、約5mmの乾燥花びらのフレークは、スナックからの脂肪及び水の漏出からの完全な保護を提供した。結果を以下の表3にグラフで示す。紙を空気乾燥させたが、紙上に目に見える染みが残っており、その跡に脂肪が含まれていることを確認した。これらの結果により、本発明によるスナックがより少ない脂肪及び水分しか放出しないことが確認され、対照スナックよりも長期間新鮮であると考えられるであろう。
【0135】
スナックを陳列棚のガラス棚に1週間保管した場合に同様の跡が観察された。しかしながら、コーティングした(5mmの乾燥花びらのフレーク)スナックにはそのような跡は残っていなかった。
【0136】
実施例6:常温保存可能なスナックの耐久性
実施例5で評価したものと同等の5つの球形試料を、トングを使用してガラス瓶に入れた。1日後、試料をガラス表面上に傾け、各試料の外観を評価した。結果を以下の表4に示す。
【0137】
【表4】
【0138】
これらの結果により、取り扱いの際に損傷に対する本発明によるスナックの抵抗力がより高いことが確認され、コーティングしていないスナックのようにくっつかなかった。
【0139】
開示される実施形態に対する変更は、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を検討することにより、当業者によって理解され、特許請求される本発明を実践する際に実現され得る。特許請求の範囲では、「含む」という単語は、他の要素またはステップを除外せず、不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外しない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】