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特表2022-554186造影および処置のためのフィブリン結合化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】造影および処置のためのフィブリン結合化合物
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/06 20060101AFI20221221BHJP
   A61K 51/08 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 33/24 20190101ALI20221221BHJP
【FI】
C07K7/06 ZNA
A61K51/08 200
A61P35/00
A61K33/24
A61K51/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524083
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 US2020057198
(87)【国際公開番号】W WO2021081430
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】62/924,997
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522163621
【氏名又は名称】コラジェン メディカル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】キャラバン ピーター
(72)【発明者】
【氏名】マクマリー トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ルービー リチャード ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C085HH03
4C085KA29
4C085KA34
4C085KB15
4C085KB56
4C085KB82
4C085LL01
4C085LL13
4C085LL18
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086HA05
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA13
4C086ZB26
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA16
4H045BA71
4H045BA72
4H045EA20
4H045EA51
4H045FA34
4H045FA51
(57)【要約】
本開示は、フィブリン造影のための式IVの化合物であって、造影または治療用放射性同位体を含む、化合物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IVの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
R4が、放射性同位体であり;
C4が、以下:
からなる群より選択されるキレート部分であり;
CP4が、フィブリン結合ペプチドであり;
AAが、フィブリン結合ペプチドのN末端アミノ酸であり;
L4が、リンカーであり;
yが、0または1より選択される整数であり;かつ
zが、0または1より選択される整数である、
化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R4が、治療用放射性同位体および核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体より選択される放射性同位体である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体が、陽電子放射同位体、または単一光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)造影に好適な放射性同位体である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
陽電子放射同位体が、フッ素18、フッ化アルミニウム(Al18F)、スカンジウム43、スカンジウム44、マンガン51、マンガン52、銅60、銅61、銅62、銅64、ガリウム68、イットリウム86、ジルコニウム89、ヨウ素124、テルビウム149、およびテルビウム152からなる群より選択される、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
SPECT造影に好適な放射性同位体が、ガリウム67、テクネチウム99m、インジウム111、ヨウ素123、ヨウ素125、テルビウム155、および鉛203からなる群より選択される、請求項3記載の化合物。
【請求項6】
治療用放射性同位体が、スカンジウム47、銅67、イットリウム90、ヨウ素131、サマリウム153、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、アスタチン211、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項7】
AA-CP4が、SEQ ID NO:1のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、
X1、X2、X3、およびX4のそれぞれが独立して任意のアミノ酸であり;かつ
y*が、L-チロシンまたはD-チロシンである、
請求項1~6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
AA-CP4が、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドである、請求項1~6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
AA-CP4が、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである、請求項1~6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
AA-CP4が、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである、請求項1~6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
AA-CP4が、以下のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである、請求項1~6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
C4が、以下:
からなる群より選択される、請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
C4が、以下:
である、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
C4が、以下:
からなる群より選択される、請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
C4が、以下:
からなる群より選択される、請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
yが1である、請求項1~15のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
yが0である、請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
L4が、ピリジニルまたは(ピリジニル)-C(O)-である、請求項1~17のいずれか一項記載の化合物。
【請求項19】
zが1である、請求項1~18のいずれか一項記載の化合物。
【請求項20】
zが0である、請求項1~17のいずれか一項記載の化合物。
【請求項21】
yが1であり、zが0である、請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項22】
yが1であり、zが1である、請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項23】
yが0であり、zが0である、請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項24】
yが0であり、zが1である、請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項25】
式IVの化合物が、式IVaの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4が、キレート部分C4によってキレート化されることが可能な放射性同位体である、
請求項1記載の化合物。
【請求項26】
R4が、フッ化アルミニウム(Al18F)、スカンジウム43、スカンジウム44、スカンジウム47、マンガン51、マンガン52、銅60、銅61、銅62、銅64、銅67、ガリウム67、ガリウム68、イットリウム86、ジルコニウム89、テクネチウム99m、イットリウム90、インジウム111、テルビウム149、テルビウム152、サマリウム153、テルビウム155、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、鉛203、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される、請求項25記載の化合物。
【請求項27】
式IVの化合物が、式IVbの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4が、リンカーL4、フィブリン結合ペプチドAAのN末端アミノ酸、または両方に共有結合することが可能な放射性同位体である、
請求項1記載の化合物。
【請求項28】
式IVの化合物が、式IVcの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4が、リンカーL4、フィブリン結合ペプチドAAのN末端アミノ酸、または両方に共有結合することが可能な放射性同位体である、
請求項1記載の化合物。
【請求項29】
式IVの化合物が、式IVdの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4が、リンカーL4、フィブリン結合ペプチドAAのN末端アミノ酸、または両方に共有結合することが可能な放射性同位体である、
請求項1記載の化合物。
【請求項30】
R4が、フッ素18、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、およびアスタチン211からなる群より選択される、請求項27~29のいずれか一項記載の化合物。
【請求項31】
前記化合物が、以下:
からなる群より選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である、
請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項32】
前記化合物が、以下:
からなる群より選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である、
請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項33】
前記化合物が、以下:
であるか、またはその薬学的に許容される塩である、
請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項34】
前記化合物が、以下:
からなる群より選択される、
請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、
薬学的に許容される賦形剤と
を含む、薬学的組成物。
【請求項36】
ラジカルスカベンジャーを含む、請求項35記載の薬学的組成物。
【請求項37】
ラジカルスカベンジャーが抗酸化剤である、請求項36記載の薬学的組成物。
【請求項38】
ラジカルスカベンジャーが、カルノシン酸、緑茶抽出物、アピゲニン、ジオスミン、ロスマリン酸、リポ酸、ベータカロテン、L-アスコルビン酸(ビタミンC)、N-アセチルシステイン(NAC)、δ-トコフェロール、ルチン、アミフォスチン、レスベラトロール、ゲンチジン酸、および没食子酸からなる群より選択される、請求項36または37記載の薬学的組成物。
【請求項39】
(a) 有効量の請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程であって、R4が、核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体である、工程;
(b) 核造影技術を用いて哺乳類のフィブリンの画像を取得する工程;
(c) 磁気共鳴造影またはコンピューター断層撮影法を用いて哺乳類の解剖学的画像を取得する工程;ならびに
(d) 哺乳類の解剖学的画像内にフィブリンの画像を見出すために、工程(b)および(c)の画像を重ね合わせる工程
を含む、哺乳類におけるフィブリンを造影する方法。
【請求項40】
フィブリンの存在が、神経炎症と関連している、請求項39記載の方法。
【請求項41】
神経炎症が、アルツハイマー病、多発性硬化症、および外傷性脳損傷と関連している、請求項39または40記載の方法。
【請求項42】
(e) 有効量の請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する工程であって、R4が治療用放射性同位体である、工程
をさらに含む、請求項39記載の方法。
【請求項43】
フィブリンが腫瘍に存在する、請求項39~42のいずれか一項記載の方法。
【請求項44】
腫瘍が、がん性である、請求項43記載の方法。
【請求項45】
フィブリンが血栓に存在する、請求項39~44のいずれか一項記載の方法。
【請求項46】
有効量の請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程であって、R4が治療用放射性同位体である、工程
を含む、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を処置する方法。
【請求項47】
アミノ酸溶液を投与する工程をさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
アミノ酸溶液が、L-リジン、L-アルギニン、およびその薬学的に許容される塩、およびその組み合わせを含む、請求項47記載の方法。
【請求項49】
アミノ酸溶液が、L-リジンHClおよびL-アルギニンHClを含む、請求項48記載の方法。
【請求項50】
アミノ酸溶液が、請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する前、同時、後、またはその組み合わせで投与される、請求項47~49のいずれか一項記載の方法。
【請求項51】
アミノ酸溶液が、請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する約30分前に投与される、請求項50記載の方法。
【請求項52】
アミノ酸溶液が、請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与すると同時に投与される、請求項50または51記載の方法。
【請求項53】
アミノ酸溶液が、請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与した約30分後に投与される、請求項50~51のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
制吐剤を投与する工程をさらに含む、請求項46~53のいずれか一項記載の方法。
【請求項55】
制吐剤が、請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する前、同時、後、またはその組み合わせで投与される、請求項54記載の方法。
【請求項56】
制吐剤が、アミノ酸溶液を投与する前、同時、後、またはその組み合わせで投与される、請求項54または55記載の方法。
【請求項57】
制吐剤が、5-HT3受容体拮抗剤、コルチコステロイド、ニューロキニン-1(NK-1)受容体阻害剤、プロクロルペラジン、メトクロルプラミド、およびカンナビノイドからなる群より選択される、請求項54~56のいずれか一項記載の方法。
【請求項58】
フィブリンの存在と関連している疾患または状態が、がんである、請求項46~57のいずれか一項記載の方法。
【請求項59】
有効量の請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程であって、R4が治療用放射性同位体である、工程
を含む、哺乳類におけるがんを処置する方法。
【請求項60】
治療用放射性同位体であるR4が、スカンジウム47、銅67、イットリウム90、ヨウ素131、サマリウム153、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、アスタチン211、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される、請求項59記載の方法。
【請求項61】
(a) 有効量の請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程であって、R4が、核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体である、工程;
(b) 核造影技術を用いて哺乳類のフィブリンの画像を取得する工程;
(c) 磁気共鳴造影またはコンピューター断層撮影法を用いて哺乳類の解剖学的画像を取得する工程;
(d) 哺乳類の解剖学的画像内にフィブリンの画像を見出すために、工程(b)および(c)の画像を重ね合わせる工程;ならびに
(e) 有効量の請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する工程であって、R4が治療用放射性同位体である、工程
を含む、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を検出しかつ処置する方法。
【請求項62】
核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体であるR4が、フッ素18、フッ化アルミニウム(Al18F)、スカンジウム43、スカンジウム44、銅64、ガリウム68、イットリウム86、ジルコニウム89、インジウム111、ヨウ素123、ヨウ素124、テルビウム149、テルビウム152、テルビウム155、および鉛203からなる群より選択される、請求項61記載の方法。
【請求項63】
治療用放射性同位体であるR4が、スカンジウム47、銅67、イットリウム90、ヨウ素131、サマリウム153、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、アスタチン211、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される、請求項61または62記載の方法。
【請求項64】
アミノ酸溶液を投与する工程をさらに含む、請求項61~63のいずれか一項記載の方法。
【請求項65】
アミノ酸溶液が、請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する前、同時、後、またはその組み合わせで投与される、請求項64記載の方法。
【請求項66】
制吐剤を投与する工程をさらに含む、請求項61~65のいずれか一項記載の方法。
【請求項67】
制吐剤が、アミノ酸溶液を投与する前、同時、後、またはその組み合わせで投与される、請求項66記載の方法。
【請求項68】
フィブリンの存在と関連する疾患または状態が、がんである、請求項61~67のいずれか一項記載の方法。
【請求項69】
(a) 有効量の請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程であって、R4が、フッ素18、銅64、およびガリウム68からなる群より選択される核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体である、工程;
(b) 核造影技術を用いて哺乳類のフィブリンの画像を取得する工程;
(c) 磁気共鳴造影またはコンピューター断層撮影法を用いて哺乳類の解剖学的画像を取得する工程;
(d) 哺乳類の解剖学的画像内にフィブリンの画像を見出すために、工程(b)および(c)の画像を重ね合わせる工程;
(e) 有効量の請求項35~37のいずれか一項記載の薬学的組成物または有効量の請求項1~34のいずれか一項記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する工程であって、R4が、イットリウム90、ルテチウム177、およびアクチニウム225からなる群より選択される治療用放射性同位体である、工程
を含む、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を検出しかつ処置する方法。
【請求項70】
フィブリンが腫瘍に存在する、請求項69記載の方法。
【請求項71】
腫瘍が、がん性である、請求項70記載の方法。
【請求項72】
式Vの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
C4が、キレート部分であり;
CP4が、フィブリン結合ペプチドであり;
AAが、フィブリン結合ペプチドのN末端アミノ酸であり;
L4が、リンカーであり;
yが、0または1より選択される整数であり;かつ
zが、0または1より選択される整数である、
化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項73】
式IVeの化合物が、以下:
からなる群より選択される化合物である、請求項72記載の化合物の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2019年10月23日に出願の米国仮特許出願第62/924,997号の優先権の恩典を主張し、該出願はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発
本発明は国立衛生研究所により授与された契約番号第HHSN268201400044C号の下で政府の支援によって行われた。政府は発明において一定の権利を有する。
【0003】
技術分野
本開示はフィブリンの存在に関連した様々な疾患および状態の診断用造影および処置のための、放射性部分を含むフィブリン結合化合物に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
フィブリンは、可溶性血漿タンパク質フィブリノゲンから誘導される繊維状の非球状タンパク質であり、血餅(血栓)の主成分である。プロテアーゼトロンビンによって促進されるフィブリノゲンの重合はフィブリンを形成し、これは血小板と共に創傷部位での血栓の形成をもたらし、引いてはさらなる出血を止める。フィブリンは血栓の古さまたは身体の位置に関係なくすべての血栓に存在し、フィブリンの存在が関与する疾患および状態の診断および処置に有用である。磁気共鳴画像法(MRI)、X線、ならびに陽電子放射断層撮影法(PET)および単一光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)を含む核放射性薬物造影などの診断用造影技術は、心血管イベントの診断に用いられることが多い。1つのアプローチは、フィブリンを含む特定の分子標的を介した血栓の視覚化に依るものである。
【0005】
フィブリンは悪性腫瘍の病態生理において重要な役割を果たすことも公知である(Costantini and Zacharski, 1992, Cancer and Metastasis Rev., 11, 283(非特許文献1))。がんにおいては、腫瘍の浸潤および転移は、隣接する血管組織の侵食をもたらし得、通常の創傷治癒プロセスと同様の様式で、出血、その後の腫瘍内での血栓の形成、およびコラーゲンによる置換をもたらす(例えば、Falanga et al., 2013, J Thromb Haemost, 11, 223-233(非特許文献2); Obonai, et al., 2016, Sci. Rep., 6, 23613(非特許文献3)を参照されたい)。血栓が創傷の発現時にのみ形成され、プラスミン消化またはコラーゲンとの置換により最終的に消失することになる、通常の創傷治癒プロセスと異なり、がんにおけるフィブリン血栓は、がん細胞が体内で生き残る限り存続する。様々な腫瘍組織および血栓における不溶性フィブリンの沈着は、腫瘍の攻撃性および進行と相関している。よって、様々ながんの診断および処置のために用いることができるフィブリン標的剤に対する必要性がある。
【0006】
フィブリン沈着物は、アルツハイマー病(AD)、多発性硬化症、および外傷性脳損傷(TBI)などの全身性炎症(神経炎症)に関連した神経変性疾患に関連することも公知である。フィブリン沈着物は、ADおよびTBIを含む神経炎症性疾患における記憶低下と関連付けられてきた(Sulimai and Lominadze, 2020, Mol. Neurobiol., 57, 4692-4703(非特許文献4))。よって、神経炎症の診断および処置のために用いることができるフィブリン標的剤に対する必要性もある。
【0007】
フィブリン特異的結合化合物、およびフィブリンを造影するための方法が本明細書において提供される。心血管疾患、脳血管疾患およびがんを含む、フィブリンの存在と関連する様々な疾患および状態を処置する方法も提供される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Costantini and Zacharski, 1992, Cancer and Metastasis Rev., 11, 283
【非特許文献2】Falanga et al., 2013, J Thromb Haemost, 11, 223-233
【非特許文献3】Obonai, et al., 2016, Sci. Rep., 6, 23613
【非特許文献4】Sulimai and Lominadze, 2020, Mol. Neurobiol., 57, 4692-4703
【発明の概要】
【0009】
概要
式IVの化合物:
またはその薬学的に許容される塩が本開示において提供され、式中、
R4は、放射性同位体であり;
C4は、以下:
からなる群より選択されるキレート部分であり;
CP4は、フィブリン結合ペプチドであり;
AAは、フィブリン結合ペプチドのN末端アミノ酸であり;
L4は、リンカーであり;
yは、0および1より選択される整数であり;かつ
zは、0および1より選択される整数である。
【0010】
式IVの化合物のいくつかの態様では、R4は、治療用放射性同位体および核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体より選択される放射性同位体である。いくつかの態様では、核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体は、陽電子放射同位体、または単一光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)造影に好適な放射性同位体である。いくつかの態様では、陽電子放射同位体は、フッ素18、フッ化アルミニウム(Al118F)、スカンジウム43、スカンジウム44、マンガン51、マンガン52、銅60、銅61、銅62、銅64、ガリウム68、イットリウム86、ジルコニウム89、ヨウ素124、テルビウム149、およびテルビウム152からなる群より選択される。いくつかの態様では、陽電子放射同位体は、フッ素18、銅64、およびガリウム68からなる群より選択される。いくつかの態様では、陽電子放射同位体は、フッ素18である。いくつかの態様では、陽電子放射同位体は銅64である。いくつかの態様では、陽電子放射同位体はガリウム68である。いくつかの態様では、SPECT造影に好適な放射性同位体は、ガリウム67、テクネチウム99m、インジウム111、ヨウ素123、テルビウム155、および鉛203からなる群より選択される。
【0011】
いくつかの態様では、放射性同位体は、治療用放射性同位体(例えば、ベータ放射体またはアルファ放射体)である。いくつかの態様では、治療用放射性同位体は、スカンジウム47、銅67、イットリウム90、ヨウ素125、ヨウ素131、サマリウム153、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、アスタチン211、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される。いくつかの態様では、治療用同位体は、イットリウム90、ルテチウム177、およびアクチニウム225からなる群より選択される。いくつかの態様では、治療用同位体は、イットリウム90である。いくつかの態様では、治療用同位体は、ルテチウム177である。いくつかの態様では、治療用同位体は、アクチニウム225である。
【0012】
式IVの化合物のいくつかの態様では、AA-CP4は、SEQ ID NO:1のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、
X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して任意のアミノ酸であり;かつ
y*はL-チロシンまたはD-チロシンである。
【0013】
式IVの化合物のいくつかの態様では、AA-CP4は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドである。
【0014】
式IVの化合物のいくつかの態様では、AA-CP4は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0015】
式IVの化合物のいくつかの態様では、AA-CP4は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0016】
式IVの化合物のいくつかの態様では、AA-CP4は、以下のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0017】
式IVの化合物のいくつかの態様では、C4は独立して、以下:
からなる群より選択される。いくつかの態様では、C4は、以下:
である。いくつかの態様では、C4は独立して、以下:
からなる群より選択される。いくつかの態様では、C4は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0018】
式IVの化合物のいくつかの態様では、yは0である。いくつかの態様では、yは1である。
【0019】
式IVの化合物のいくつかの態様では、L4は、ピリジニルまたは(ピリジニル)-C(O)-である。
【0020】
式IVの化合物のいくつかの態様では、zは0である。いくつかの態様では、zは1である。
【0021】
いくつかの態様では、yは1であり、zは0である。いくつかの態様では、yは1であり、zは1である。いくつかの態様では、0およびzは0である。いくつかの態様では、yは0であり、zは1である。
【0022】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、式IVaの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4は、キレート部分C4によってキレート化されることが可能な放射性同位体である。
【0023】
いくつかの態様では、R4は、フッ化アルミニウム(Al18F)、スカンジウム43、スカンジウム44、スカンジウム47、マンガン51、マンガン52、銅60、銅61、銅62、銅64、銅67、ガリウム67、ガリウム68、イットリウム86、ジルコニウム89、テクネチウム99m、イットリウム90、インジウム111、テルビウム149、テルビウム152、サマリウム153、テルビウム155、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、鉛203、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される。
【0024】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、式IVbの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4は、リンカーL4、フィブリン結合ペプチドAAのN末端アミノ酸、または両方に共有結合することが可能な放射性同位体である。
【0025】
いくつかの態様では、R4は、フッ素18、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、およびアスタチン211からなる群より選択される。
【0026】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、式IVcの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4は、リンカーL4、フィブリン結合ペプチドAAのN末端アミノ酸、または両方に共有結合することが可能な放射性同位体である。
【0027】
いくつかの態様では、R4は、フッ素18、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、およびアスタチン211からなる群より選択される。
【0028】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、式IVdの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4は、リンカーL4、フィブリン結合ペプチドAAのN末端アミノ酸、または両方に共有結合することが可能な放射性同位体である。
【0029】
いくつかの態様では、R4は、フッ素18、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、およびアスタチン211からなる群より選択される。
【0030】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、以下:
からなる群より選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である。
【0031】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、以下:
からなる群より選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である。
【0032】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、以下:
であるか、またはその薬学的に許容される塩である。
【0033】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、以下:
からなる群より選択される。
【0034】
式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物も、本開示において提供される。
【0035】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、ラジカルスカベンジャーを含む。いくつかの態様では、ラジカルスカベンジャーは、抗酸化剤である。いくつかの態様では、ラジカルスカベンジャーは、カルノシン酸、緑茶抽出物、アピゲニン、ジオスミン、ロスマリン酸、リポ酸、ベータカロテン、L-アスコルビン酸(ビタミンC)、N-アセチルシステイン(NAC)、δ-トコフェロール、ルチン、アミフォスチン、レスベラトロール、ゲンチジン酸、および没食子酸からなる群より選択される。
【0036】
(a) 式IVの化合物を含有する有効量の薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程であって、R4が、核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体である、工程;
(b) 核造影技術を用いて哺乳類のフィブリンの画像を取得する工程;
(c) 磁気共鳴造影またはコンピューター断層撮影法を用いて哺乳類の解剖学的画像を取得する工程;ならびに
(d) 哺乳類の解剖学的画像内にフィブリンの画像を見出すために、工程(b)および(c)の画像を重ね合わせる工程
を含む、哺乳類におけるフィブリンを造影する方法も、提供される。
【0037】
いくつかの態様では、フィブリンの存在は神経炎症と関連する。いくつかの態様では、神経炎症はアルツハイマー病、多発性硬化症、および外傷性脳損傷と関連する。
【0038】
いくつかの態様では、方法は、
(e) 式IVの化合物を含有する有効量の薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する工程であって、R4が治療用放射性同位体である、工程
をさらに含む。
【0039】
方法のいくつかの態様では、フィブリンは、腫瘍に存在する。いくつかの態様では、腫瘍は、がん性である。いくつかの態様では、フィブリンは、血栓に存在する。
【0040】
式IVの化合物を含有する有効量の薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程であって、R4が治療用放射性同位体である、工程、を含む、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を処置する方法も本開示において提供される。
【0041】
いくつかの態様では、方法は、アミノ酸溶液を投与する工程をさらに含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、L-リジン、L-アルギニン、およびその薬学的に許容される塩、およびその組み合わせを含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、L-リジンHClおよびL-アルギニンHClを含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式IVの化合物を含有する薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する前、同時、後、またはその組み合わせで投与される。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式IVの化合物を含有する薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する約30分前に投与される。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式IVの化合物を含有する薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与すると同時に投与される。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式IVの化合物を含有する薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与した約30分後に投与される。
【0042】
いくつかの態様では、方法は、制吐剤を投与する工程をさらに含む。いくつかの態様では、制吐剤は、式IVの化合物を含有する薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する前、同時、後、またはその組み合わせで投与される。いくつかの態様では、制吐剤は、アミノ酸溶液を投与する前、同時、後、またはその組み合わせで投与される。いくつかの態様では、制吐剤は、5-HT3受容体拮抗剤、コルチコステロイド、ニューロキニン-1(NK-1)受容体阻害剤、プロクロルペラジン、メトクロルプラミド、およびカンナビノイドからなる群より選択される。
【0043】
方法のいくつかの態様では、フィブリンの存在と関連する疾患または状態は、がんである。
【0044】
式IVの化合物を含有する有効量の薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程であって、R4が治療用放射性同位体である、工程、を含む、哺乳類におけるがんを処置する方法も、本開示において提供される。いくつかの態様では、治療用放射性同位体であるR4は、スカンジウム47、銅67、イットリウム90、ヨウ素131、サマリウム153、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、アスタチン211、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される。いくつかの態様では、治療用放射性同位体であるR4は、イットリウム90、ルテチウム177、およびアクチニウム225からなる群より選択される。いくつかの態様では、治療用放射性同位体であるR4は、イットリウム90である。いくつかの態様では、治療用放射性同位体であるR4は、ルテチウム177である。いくつかの態様では、治療用放射性同位体であるR4は、アクチニウム225である。
【0045】
(a) 式IVの化合物を含有する有効量の薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程であって、R4が、核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体である、工程;
(b) 核造影技術を用いて哺乳類のフィブリンの画像を取得する工程;
(c) 磁気共鳴造影またはコンピューター断層撮影法を用いて哺乳類の解剖学的画像を取得する工程;
(d) 哺乳類の解剖学的画像内にフィブリンの画像を見出すために、工程(b)および(c)の画像を重ね合わせる工程;ならびに
(e) 式IVの化合物を含有する有効量の薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する工程であって、R4が治療用放射性同位体である、工程
を含む、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を検出しかつ処置する方法も、提供される。
【0046】
方法のいくつかの態様では、核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体であるR4は、フッ素18、フッ化アルミニウム(Al18F)、スカンジウム43、スカンジウム44、銅64、ガリウム68、イットリウム86、ジルコニウム89、インジウム111、ヨウ素123、ヨウ素124、テルビウム149、テルビウム152、テルビウム155、および鉛203からなる群より選択される。いくつかの態様では、核造影技術を用いた検出が可能なR4は、フッ素18、銅64、およびガリウム68からなる群より選択される。いくつかの態様では、核造影技術を用いた検出が可能なR4は、フッ素18である。いくつかの態様では、核造影技術を用いた検出が可能なR4は、銅64である。いくつかの態様では、核造影技術を用いた検出が可能なR4は、ガリウム68である。
【0047】
方法のいくつかの態様では、治療用放射性同位体であるR4は、スカンジウム47、銅67、イットリウム90、ヨウ素131、サマリウム153、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、アスタチン211、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される。いくつかの態様では、治療用放射性同位体であるR4は、イットリウム90、ルテチウム177、およびアクチニウム225からなる群より選択される。いくつかの態様では、治療用放射性同位体であるR4は、イットリウム90である。いくつかの態様では、治療用放射性同位体であるR4は、ルテチウム177である。いくつかの態様では、治療用放射性同位体であるR4は、アクチニウム225である。
【0048】
いくつかの態様では、方法は、アミノ酸溶液を投与する工程をさらに含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式IVの化合物を含有する薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する前、同時、後、またはその組み合わせで投与される。
【0049】
いくつかの態様では、方法は、制吐剤を投与する工程をさらに含む。いくつかの態様では、制吐剤は、アミノ酸溶液を投与する前、同時、後、またはその組み合わせで投与される。
【0050】
方法のいくつかの態様では、フィブリンの存在と関連する疾患または状態は、がんである。
【0051】
(a) 式IVの化合物を含有する有効量の薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程であって、R4が、フッ素18、銅64、およびガリウム68からなる群より選択される核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体である、工程;
(b) 核造影技術を用いて哺乳類のフィブリンの画像を取得する工程;
(c) 磁気共鳴造影またはコンピューター断層撮影法を用いて哺乳類の解剖学的画像を取得する工程;
(d) 哺乳類の解剖学的画像内にフィブリンの画像を見出すために、工程(b)および(c)の画像を重ね合わせる工程;ならびに
(e) 式IVの化合物を含有する有効量の薬学的組成物または有効量の式IVの化合物もしくはその薬学的に許容される塩を投与する工程であって、R4が、イットリウム90、ルテチウム177、およびアクチニウム225からなる群より選択される治療用放射性同位体である、工程
を含む、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を検出しかつ処置する方法も、本開示において提供される。いくつかの態様では、フィブリンは腫瘍に存在する。いくつかの態様では、腫瘍はがん性である。
【0052】
式Vの化合物:
またはその薬学的に許容される塩も本開示において提供され、式中、
C4は、キレート部分であり;
CP4は、フィブリン結合ペプチドであり;
AAは、フィブリン結合ペプチドのN末端アミノ酸であり;
L4は、リンカーであり;
yは、0または1より選択される整数であり;かつ
zは、0または1より選択される整数である。
【0053】
式Vの化合物は、以下:
からなる群より選択される化合物である。
【0054】
式Iの化合物:
またはその薬学的に許容される塩が本明細書において提供され、式中、
各M1は独立して、銅64またはガリウム68であり;
各C1は独立して、以下:
からなる群より選択されるキレート部分であり;
CP1は、フィブリン結合ペプチドであり;
各L1は独立して、リンカー部分であり;
mは、0~5より選択される整数であり;
nは、0~5より選択される整数であり;
oは、0~5より選択される整数であり;
pは、0~5より選択される整数であり;かつ
qは、0~5より選択される整数である。
【0055】
いくつかの態様では、M1は銅64である。いくつかの態様では、M1はガリウム68である。
【0056】
いくつかの態様では、各C1は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0057】
いくつかの態様では、各C1は、以下:
である。
【0058】
いくつかの態様では、各C1は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0059】
いくつかの態様では、CP1は、SEQ ID NO:1のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、
X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して任意のアミノ酸であり;かつ
y*はL-チロシンまたはD-チロシンである。
【0060】
いくつかの態様では、CP1は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドである。
【0061】
いくつかの態様では、CP1は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0062】
いくつかの態様では、各L1は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0063】
いくつかの態様では、mは1である。いくつかの態様では、pは1である。いくつかの態様では、nは1である。いくつかの態様では、oは1である。
【0064】
いくつかの態様では、式Iの化合物は、以下:
からなる群より選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である。
【0065】
式IIの化合物:
またはその薬学的に許容される塩も本明細書において提供され、式中、
各M2は独立して、アクチニウム225、アスタチン211、ビスマス213、銅64、銅67、フッ化アルミニウム(Al18F)、ガリウム68、ホルミウム166、インジウム111、ヨウ素123、ヨウ素124、およびヨウ素131、鉛203、鉛212、ルテチウム177、ラジウム223、サマリウム153、スカンジウム43、スカンジウム44、スカンジウム47、テルビウム149、テルビウム152、テルビウム155、テルビウム161、トリウム227;イットリウム86、イットリウム90、またはジルコニウム89であり;
各C2は独立して、キレート部分であり;
CP2は、フィブリン結合ペプチドであり;
各R2は独立して、有機非キレート部分であり;
rは、0~5より選択される整数であり;
sは、0~5より選択される整数であり;かつ
tは、0~5より選択される整数である。
【0066】
いくつかの態様では、M2は銅64である。いくつかの態様では、M2はガリウム68である。
【0067】
いくつかの態様では、CP2は、SEQ ID NO: 16のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、
X5、X6、X7、およびX8のそれぞれは独立して任意のアミノ酸であり;かつ
y*はL-チロシンまたはD-チロシンである。
【0068】
いくつかの態様では、CP2は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドである。
【0069】
いくつかの態様では、CP2は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0070】
いくつかの態様では、rは1である。いくつかの態様では、sは1である。いくつかの態様では、tは1である。
【0071】
式IIIの化合物:
またはその薬学的に許容される塩も本明細書において提供され、式中、
各M3は独立して、銅64またはガリウム68であり;
各C3は、キレート部分であり;
CP3は、フィブリン結合ペプチドであり;
各R3は独立して、有機非キレート部分であり;
uは、0~5より選択される整数であり;
vは、0~5より選択される整数であり;かつ
wは、0~5より選択される整数である。
【0072】
いくつかの態様では、M3は銅64である。いくつかの態様では、M3はガリウム68である。
【0073】
いくつかの態様では、CP3は、SEQ ID NO: 17のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、
X9、X10、X11、およびX12のそれぞれは独立して任意のアミノ酸であり;かつ
y*はL-チロシンまたはD-チロシンである。
【0074】
いくつかの態様では、CP3は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドである。
【0075】
いくつかの態様では、CP3は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0076】
いくつかの態様では、uは1である。いくつかの態様では、vは1である。いくつかの態様では、wは1である。
【0077】
式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物も、本明細書において提供される。
【0078】
有効量の式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは、式I、式IIもしくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む薬学的組成物を、哺乳類に投与する工程;
核造影技術を用いて哺乳類のフィブリンの画像を取得する工程;
磁気共鳴造影またはコンピューター断層撮影法を用いて哺乳類の解剖学的画像を取得する工程;および
哺乳類の解剖学的画像内にフィブリンの画像を見出すために、画像を重ね合わせる工程
を含む、哺乳類におけるフィブリンを造影するための方法も本明細書において提供される。
【0079】
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み入れられることが具体的かつ個別に示されたのと同程度に参照により本明細書に組み入れられる。参照により組み入れられる刊行物および特許または特許出願が明細書に含まれる開示と矛盾する場合は、あらゆるそのような矛盾する資料に対して本明細書が優先しかつ/または取って代わることが意図される。
【0080】
発明の他の特徴および利点は以下の詳細な説明および図面から、ならびに請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図面の説明
図1】化合物4、6、7、10、12、13、14、および15の蛍光偏光DD(E)結合/置換アッセイを示す。
図2】化合物2、3、5、8、9、および11の蛍光偏光DD(E)結合/置換アッセイを示す。
図3】4時間までの37℃でのラット血漿における化合物の安定性を示す。
図4】セミ分取HPLC精製後の18F-Py-TFPのラジオHPLCトレースを示す。
図5】セミ分取HPLC精製後の化合物18F-7のラジオHPLCトレースを示す。
図6】均等目盛にプロットしたプレートアッセイからのデータを示しており、TBS緩衝液中(上)およびヒト血漿中(下)では結合部位がフィブリンモノマーあたり約2個で飽和することを強調表示している。
図7】TBS緩衝液中(上、Kd=1.6±0.2μM)およびヒト血漿中(下、Kd=1.8±0.2μM)での化合物18F-7のヒトフィブリンへの結合を示す。
図8】化合物68Ga-20のラジオHPLCトレースを示す。
図9】頸動脈圧挫損傷のラットモデルにおける血液クリアランスを示す。プローブ注入前および注入の2、5、10、15、30、60、90、120分後に血液試料を採取した。各試料における活性は組織1グラムあたりのパーセント注入量(%ID)として算出した。
図10】ラット注入前(T=0分)および注入後(T=10、60)にフィブリンに結合した68Ga標識化合物の割合を示す。
図11】循環する放射能のフラクションを示す。プローブ注入の10および60分後に採取した血液を遠心分離して血漿を分離した。次いで血漿をフィブリン固定化ウェルにおいてRTで2時間インキュベートした。インキュベート後、フィブリン含有および不含ウェルの両方の上清におけるカウントをガンマカウンターで測定し、血漿の重量で割り、非結合プローブ[非結合]および総プローブ[合計]の濃度をそれぞれ決定した。フィブリンに結合した68Ga含有種の量[結合]は[結合]=[合計]-[非結合]から算出した。正の対照として、投与量の一定分量を血漿に添加して、アッセイにおける可能なフィブリン結合の総量を推定するために用いた(t=0での%結合)。時間tでの血液中の機能性プローブの量は、時間tでのフィブリンへの%結合のt=0での%結合に対する比を取得し、血液中における測定された総68Ga%ID/gをこの比に掛けることによって決定した。
図12】ラットにおける化合物68Ga-16、68Ga-17、68Ga-18、68Ga-19、68Ga-20、および68Ga-21の注入後の血液分析のためのラジオHPLCトレースを示す。トレースは注入の15および90分後の血液分析を表す。
図1368Ga標識化合物の注射後のラットにおける生体内分布を示す。様々な臓器における活性は組織1グラムあたりのパーセント注入量(%ID)として示されている。
図14】対象の反対側と比較した、血栓(同側)における化合物68Ga-19(左)および68Ga-20(右)活性を示すオートラジオグラフィーの代表的な画像を示す。
図15】(上パネル)右頸動脈に血栓があるラットの直交CT画像を示す。黄色の矢印は右頸動脈の位置を示し、これはCT造影剤の注入によりわずかに高強度となっている。軸位画像(左上)のオレンジ色の矢印は反対側の頸動脈を示している。(下パネル)カラースケールでレンダリングしたPET画像を用いた68Ga-20の投与後のPET-CT融合画像。緑色の十字線は、この場合では右頸動脈の血栓を中心にした、示されている3つの直交画像スライスの位置を表す。この動物モデルでは、喉を切開し、右総頸動脈を隔離し、次いで血管に圧挫損傷を生じさせることによって血栓が誘導される。このモデルは外科的損傷部位の周囲にも微小血栓をもたらし、これは軸位(左下)と矢状(右下)画像では赤色の矢印で示されている。
図16】対照ウサギおよびプラーク破裂ウサギにおける経時的な化合物68Ga-20のPET取り込みを示す。黒色の実線は各時点での破裂:対照の比を表す。
図17】プラーク破裂ウサギ(左パネル)および対照ウサギ(右パネル)からの、化合物68Ga-20 PET(上パネル)、高解像度T2 MR(中央パネル)、およびTOF(下パネル)の代表的な画像を示す。矢印は腹部大動脈(緑色)および下大静脈(青色)を示す。挿入パネルは大動脈(aorta)および大静脈(vena cava)のズームPET-MR画像を示す。
図18】頸動脈内膜剥離術患者の検体において、フィブリン結合プローブ68Ga-20の取り込みが非結合プローブ68Ga-22よりも有意に多かったことを示す。68Ga-20の取り込みが多い(図18A~18F)および少ない(図18G~18L)患者検体からの代表的なオートラジオグラフィー(図18A~18Bおよび18G~18H)およびカーステアズ染色切片の光学顕微鏡画像(図18C~18Fおよび18I~18L)。赤血球(緑色の矢印)を伴うかどうかに関わらず、高取り込み検体(図18C~18F)はフィブリン(黄色の矢印)の集中的な存在を示し、フィブリンメッシュ(図18C~18D)を形成してさえいたが、低取り込み検体(図18I~18L)ではフィブリンの存在は最小限であった。スケールバー:図18C、18E、18I、18Kでは100μm;図18D、18F、18J、18Lでは200μm。12人すべての患者からの得られた内膜剥離術検体のオートラジオグラフィー(図18M)および機能性プローブアッセイ(図18N)は、非結合プローブ68Ga-22と比較して、フィブリン結合プローブ68Ga-20の取り込みが、一定ではないが有意に高い(P<0.05)ことを明らかにした。破線:68Ga-22平均、平均±SD、および平均±2SDカットオフ線。
【発明を実施するための形態】
【0082】
詳細な説明
血栓塞栓症は、脳卒中、冠動脈イベント、深部静脈血栓症、肺塞栓症を含む致命的となり得る多数の心血管イベントの原因となる役割を担っている。米国で毎年起こる約795,000例の脳卒中のうち、80%超が本質的には虚血性、すなわち血栓塞栓性である。処置の選択肢は血栓の解剖学的位置に大きく影響される。現在、各身体領域を調べるために複数の検査が必要であり、例えば、CTスキャンは肺血栓の位置を特定するために用いられ、超音波検査は頸動脈に用いることができ、MRI分析は心腔の画像を提供する。適切な処置法を決定するためには原因となる血栓の位置を迅速に特定する必要がある。
【0083】
体中の血栓の視覚化のために多くのアプローチが開発されてきた。フィブリンは、動脈、静脈、心臓を含むすべての血栓に存在するため特に魅力的な標的となり;これは血漿には見られないので、視覚化技術を非常に特異的にし;これは血栓発生のすべての活動期でアクセス可能であり;これは約20~100μMの濃度の高濃度標的である。フィブリン結合ペプチドは、例えば、アクチニウム225、ビスマス213、銅64、銅67、フッ化アルミニウム(Al18F)、ガリウム68、ホルミウム166、インジウム111、鉛203、鉛212、ルテチウム177、ラジウム223、サマリウム153、スカンジウム43、スカンジウム44、スカンジウム47、テルビウム149、テルビウム152、テルビウム155、テルビウム161、トリウム227、イットリウム86、イットリウム90、およびジルコニウム89を非限定的に含む様々な金属の放射性同位体をキレート化することができるキレート部分で官能化することができる。フィブリン結合ペプチドは直接的共有結合修飾、または、キレート基を必要としない、リンカーを介した間接的共有結合修飾を介して、放射性同位体(18F、123I、124I、131I、および211Atを非限定的に含む)で官能化することもできる。いくつかの態様では、放射性同位体(これは金属の放射性同位体を含む)は、造影用または診断用剤として有用である。いくつかの態様では、放射性同位体(金属の放射性同位体を含む)は治療剤として有用である。1つまたは複数の放射性同位体を含むフィブリン特異的化合物が本明細書において提供される。フィブリンを造影するための方法も提供される。造影用もしくは診断用剤、治療剤、または両方として、本開示のフィブリン特異的化合物を用いて疾患または障害を処置するための方法も提供される。
【0084】
定義
本開示において明確に定義されていない一般的に用いられる化学的な略語は、The American Chemical Society Style Guide, Second Edition, American Chemical Society, Washington, D.C. (1997); "2001 Guidelines for Authors," J. Org. Chem. 66(1), 24A (2001); and "A Short Guide to Abbreviations and Their Use in Peptide Science," J. Peptide Sci. 5, 465-471 (1999)に見出し得る。
【0085】
本明細書において用いられるように、「ペプチド」という用語は、長さがアミノ酸残基約2~約25個のアミノ酸鎖を指す。本明細書におけるすべてのペプチド配列は、NからC末端に向けて書かれている。システイン残基を2個以上含む本明細書に記載のペプチドのいずれについても、システイン残基は非還元条件下で1つまたは複数のジスルフィド結合を形成することができると理解される。ジスルフィド結合の形成は、環状ペプチドの構築をもたらし得る。
【0086】
本明細書において用いられるように、「天然の」または「天然に存在する」アミノ酸という用語は、天然に存在する20種類の最も一般的なアミノ酸のうちの1つを指す。検出目的のための標識(例えば、放射性標識、光学標識、または色素)を提供するために修飾された天然アミノ酸は、天然アミノ酸と見なされる。天然Lアミノ酸は、それらの標準的な1または3文字の略称によって言及される。Dアミノ酸は、標準的な1文字の略称には小文字の慣習を用い、標準的な3文字の略称には「D-」接頭辞の慣習を用いて言及される。
【0087】
本明細書において用いられるように、「キレート剤」、「キレート基」、および「キレート部分」という用語は、リガンドと単一の中心原子、典型的には金属イオンとの間に2つ以上の別個の配位結合を形成することができる多座(多重結合)リガンドを指す。いくつかの態様では、金属イオンは金属の放射性同位体である。そのような金属イオンの例は、アクチニウム225、ビスマス213、銅64、銅67、ガリウム68、ホルミウム166、インジウム111、鉛203、鉛212、ルテチウム177、ラジウム223、サマリウム153、スカンジウム43、スカンジウム44、スカンジウム47、テルビウム149、テルビウム152、テルビウム155、テルビウム161、トリウム227、イットリウム86、イットリウム90、およびジルコニウム89を非限定的に含む。
【0088】
本明細書において用いられるように、「放射性同位体(radioactive isotope)」、「放射性同位体(radioisotope)」、「放射性核種(radionuclide)」、および「放射性核種(radioactive nuclide)」という用語は、互換的に用いることができ、過剰な核エネルギーを有する不安定な原子を指し;そのような過剰なエネルギーは3つの様式のうちの1つで放出され得る:ガンマ線としての核からの放出;転換電子としてのその電子のうちの1つの移動および解放;または核からの新しい粒子(アルファまたはベータ粒子)の放出。そのようなプロセスは放射性同位体の放射性崩壊として公知である。放射性同位体は本開示において記載されているものを含む様々な疾患および状態の診断用造影のためおよび処置のために用いることができる。
【0089】
本明細書において用いられるように、「標的結合」および「結合」という用語は、標的内でのペプチドまたは組成物の非共有結合性相互作用を指す。これらの非共有結合性相互作用は互いに独立しており、とりわけ、疎水性、親水性、双極子-双極子、パイスタッキング、水素結合、静電会合、および/またはルイス酸-塩基相互作用であってもよい。標的に対する結合親和性は、規定された一連の条件下での標的への平衡解離定数「Kd」で表される。
【0090】
本明細書において用いられるように、「精製された」という用語は、ペプチドまたは化合物であって、それが通常は会合する天然に存在する有機分子から分離されたか、または化学合成された分子の場合、化学合成に存在する他の有機分子から分離されたペプチドまたは化合物を指す。典型的には、ポリペプチドまたは化合物は、任意の他のタンパク質または有機分子を、乾燥重量で少なくとも70%(例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%)含まない場合に、「精製された」と見なされる。「精製された」および「単離された」という用語は、本明細書においては互換的に用いられる。
【0091】
2つ以上の核酸またはポリペプチドの文脈における「パーセント同一性」または「同一性」という用語は、同一であるか、または特定されたパーセンテージで同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基を有する2つ以上の配列を指す。パーセント同一性は、配列比較ソフトウェアもしくはアルゴリズムを用いて、または目視検査によって、測定することができる。
【0092】
概して、パーセント配列同一性は、整列させた核酸またはポリペプチド配列における一致した位置の数を決定し、一致した位置の数を整列させたヌクレオチドまたはアミノ酸それぞれの総数で割り、100を掛けることによって算出される。一致した位置とは、整列させた配列における同じ位置に同一のヌクレオチドまたはアミノ酸が存在する位置を指す。整列させたヌクレオチドまたはアミノ酸の総数とは2つ目の配列を整列させるために必要なヌクレオチドまたはアミノ酸の最小数を指し、非フィブリン結合配列との整列(例えば、強制的な整列)を含まない。整列させたヌクレオチドまたはアミノ酸の総数は配列全体に対応する場合もあれば、完全長配列のフラグメントに対応する場合もある。
【0093】
配列は、ワールド・ワイド・ウェブ上のncbi.nlm.nih.govで取得可能なBLAST(basic local alignment search tool)プログラムに組み込まれているように、Altschulら(Nucleic Acids Res, 25:3389-3402, 1997)によって記載されたアルゴリズムを用いて整列させることができる。Altschulらのアルゴリズムを用いてBLAST検索または整列を実施して、核酸またはポリペプチドと任意の他の配列またはその一部分との間のパーセント配列同一性を決定することができる。BLASTNは、核酸配列を整列させかつそれらの間の同一性を比較するために用いられるプログラムであり、BLASTPは、アミノ酸配列を整列させかつそれらの間の同一性を比較するために用いられるプログラムである。BLASTプログラムを利用してフィブリン結合配列と別の配列との間のパーセント同一性を算出する場合、それぞれのプログラムのデフォルトパラメーターが用いられる。
【0094】
値が範囲として記載されている場合、そのような開示は、そのような範囲内のすべての可能な部分範囲、ならびに、特定の数値または特定の部分範囲が明確に記されているかどうかに関わらず、そのような範囲内に入る特定の数値の開示を含む、と理解されるであろう。
【0095】
化合物
式Iの化合物:
またはその薬学的に許容される塩が本明細書において提供され、式中、
各M1は独立して、銅64またはガリウム68であり;
各C1は独立して、以下:
からなる群より選択されるキレート部分であり;
CP1は、フィブリン結合ペプチドであり;
各L1は独立して、リンカー部分であり;
mは、0~5より選択される整数であり;
nは、0~5より選択される整数であり;
oは、0~5より選択される整数であり;
pは、0~5より選択される整数であり;かつ
qは、0~5より選択される整数である。
【0096】
式Iのいくつかの態様では、各M1は銅64である。式Iのいくつかの態様では、各M1はガリウム68である。
【0097】
式Iのいくつかの態様では、各C1は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0098】
式Iのいくつかの態様では、C1は、NODAGA:
である。
【0099】
式Iのいくつかの態様では、各C1は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0100】
式Iのいくつかの態様では、CP1は、SEQ ID NO:1のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して任意のアミノ酸であり;かつy*はL-チロシンまたはD-チロシンである。例えば、CP1は、SEQ ID NO:1のポリペプチドに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドである。いくつかの態様では、CP1は、SEQ ID NO:1のポリペプチドである(すなわち、それは100%の配列同一性を有する)。
【0101】
いくつかの態様では、y*はL-チロシンである。いくつかの態様では、y*はD-チロシンである。
【0102】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、およびTyrより選択される。いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸のD-配置より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、D-Ala、D-Cys、D-Asp、D-Glu、D-Phe、D-His、D-Ile、D-Lys、D-Leu、D-Met、D-Asn、D-Pro、D-Gln、D-Arg、D-Ser、D-Thr、D-Val、D-Trp、およびD-Tyrより選択される。いくつかの態様では、X1はGluである。いくつかの態様では、X1はD-Hisである。いくつかの態様では、X2はGlyである。いくつかの態様では、X2はAspである。いくつかの態様では、X2はD-Aspである。いくつかの態様では、X3はHisである。いくつかの態様では、X3はTyrである。いくつかの態様では、X4はGlnである。いくつかの態様では、X4はD-Glnである。いくつかの態様では、X4はLeuである。いくつかの態様では、X4はD-Leuである。
【0103】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在しないアミノ酸より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、Hyp、D-Hyp、Tyr-3-Cl、およびD-Tyr-3-Clより選択される。
【0104】
式Iのいくつかの態様では、CP1は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドである。
【0105】
式Iのいくつかの態様では、CP1は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0106】
式Iのいくつかの態様では、各L1は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0107】
いくつかの態様では、mは1である。いくつかの態様では、mは2である。いくつかの態様では、pは1である。いくつかの態様では、pは2である。いくつかの態様では、nは1である。いくつかの態様では、nは2である。いくつかの態様では、oは1である。いくつかの態様では、oは2である。いくつかの態様では、qは1である。いくつかの態様では、qは2である。いくつかの態様では、m、p、n、o、およびqのそれぞれは1である。いくつかの態様では、m、p、n、o、およびqのそれぞれは2である。
【0108】
式Iのいくつかの態様では、化合物は、以下:
からなる群より選択されるかまたはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0109】
式Iのいくつかの態様では、化合物は、以下:
からなる群より選択されるかまたはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0110】
式Iaの化合物:
またはその薬学的に許容される塩も本明細書において提供され、式中、
各M1aは独立して、銅64またはガリウム68であり;
C1aは、以下:
からなる群より独立して選択されるキレート部分であり、
かつCP1aは、フィブリン結合ペプチドである。
【0111】
式Iaのいくつかの態様では、各M1aは銅64である。式Iaのいくつかの態様では、各M1aはガリウム68である。
【0112】
式Iaのいくつかの態様では、C1aは、NODAGA:
である。
【0113】
式Iaのいくつかの態様では、CP1aは、SEQ ID NO:1のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して任意のアミノ酸であり;かつy*はL-チロシンまたはD-チロシンである。例えば、CP1aは、SEQ ID NO:1のポリペプチドに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドである。いくつかの態様では、CP1aは、SEQ ID NO:1のポリペプチドである(すなわち、それは100%の配列同一性を有する)。
【0114】
いくつかの態様では、y*はL-チロシンである。いくつかの態様では、y*はD-チロシンである。
【0115】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、およびTyrより選択される。いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸のD-配置より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、D-Ala、D-Cys、D-Asp、D-Glu、D-Phe、D-His、D-Ile、D-Lys、D-Leu、D-Met、D-Asn、D-Pro、D-Gln、D-Arg、D-Ser、D-Thr、D-Val、D-Trp、およびD-Tyrより選択される。いくつかの態様では、X1はGluである。いくつかの態様では、X1はD-Hisである。いくつかの態様では、X2はGlyである。いくつかの態様では、X2はAspである。いくつかの態様では、X2はD-Aspである。いくつかの態様では、X3はHisである。いくつかの態様では、X3はTyrである。いくつかの態様では、X4はGlnである。いくつかの態様では、X4はD-Glnである。いくつかの態様では、X4はLeuである。いくつかの態様では、X4はD-Leuである。
【0116】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在しないアミノ酸より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、Hyp、D-Hyp、Tyr-3-Cl、およびD-Tyr-3-Clより選択される。
【0117】
式Iaのいくつかの態様では、CP1aは、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドである。
【0118】
式Iaのいくつかの態様では、CP1aは、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0119】
式Ibの化合物:
またはその薬学的に許容される塩が本明細書において提供され、式中、
各M1bは独立して、銅64またはガリウム68であり;
C1bは、NODAGA:
であり;かつ
CP1bは、フィブリン結合ペプチドである。
【0120】
式Ibのいくつかの態様では、各M1bは銅64である。式Ibのいくつかの態様では、各M1bはガリウム68である。
【0121】
式Ibのいくつかの態様では、CP1bは、SEQ ID NO:1のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して任意のアミノ酸であり;かつy*はL-チロシンまたはD-チロシンである。例えば、CP1bは、SEQ ID NO:1のポリペプチドに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドである。いくつかの態様では、CP1bは、SEQ ID NO:1のポリペプチドである(すなわち、それは100%の配列同一性を有する)。
【0122】
いくつかの態様では、y*はL-チロシンである。いくつかの態様では、y*はD-チロシンである。
【0123】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、およびTyrより選択される。いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸のD-配置より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、D-Ala、D-Cys、D-Asp、D-Glu、D-Phe、D-His、D-Ile、D-Lys、D-Leu、D-Met、D-Asn、D-Pro、D-Gln、D-Arg、D-Ser、D-Thr、D-Val、D-Trp、およびD-Tyrより選択される。いくつかの態様では、X1はGluである。いくつかの態様では、X1はD-Hisである。いくつかの態様では、X2はGlyである。いくつかの態様では、X2はAspである。いくつかの態様では、X2はD-Aspである。いくつかの態様では、X3はHisである。いくつかの態様では、X3はTyrである。いくつかの態様では、X4はGlnである。いくつかの態様では、X4はD-Glnである。いくつかの態様では、X4はLeuである。いくつかの態様では、X4はD-Leuである。
【0124】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在しないアミノ酸より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、Hyp、D-Hyp、Tyr-3-Cl、およびD-Tyr-3-Clより選択される。
【0125】
式Ibのいくつかの態様では、CP1bは、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドである。
【0126】
式Ibのいくつかの態様では、CP1bは、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0127】
式IIの化合物:
またはその薬学的に許容される塩も本明細書において提供され、式中、
各M2は独立して、銅64またはガリウム68であり;
各C2は独立して、キレート部分であり;
CP2は、フィブリン結合ペプチドであり;
各R2は独立して、有機非キレート部分であり;
rは、0~5より選択される整数であり;
sは、0~5より選択される整数であり;かつ
tは、0~5より選択される整数である。
【0128】
式IIのいくつかの態様では、各M2は銅64である。式IIのいくつかの態様では、各M2はガリウム68である。
【0129】
式IIのいくつかの態様では、各C2は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0130】
式IIのいくつかの態様では、C2は、NODAGA:
である。
【0131】
式IIのいくつかの態様では、各C2は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0132】
式IIのいくつかの態様では、CP2は、SEQ ID NO: 16のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、X5、X6、X7、およびX8のそれぞれは独立して任意のアミノ酸であり;かつy*はL-チロシンまたはD-チロシンである。例えば、CP2は、SEQ ID NO:16のポリペプチドに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドである。いくつかの態様では、CP2は、SEQ ID NO:16のフィブリン結合ペプチドである(すなわち、SEQ ID NO:16に対して100%の配列同一性を有する)。
【0133】
いくつかの態様では、y*はL-チロシンである。いくつかの態様では、y*はD-チロシンである。
【0134】
いくつかの態様では、X5、X6、X7、およびX8のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸より選択される。例えば、X5、X6、X7、およびX8のそれぞれは独立して、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、およびTyrより選択される。いくつかの態様では、X5、X6、X7、およびX8のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸のD-配置より選択される。例えば、X5、X6、X7、およびX8のそれぞれは独立して、D-Ala、D-Cys、D-Asp、D-Glu、D-Phe、D-His、D-Ile、D-Lys、D-Leu、D-Met、D-Asn、D-Pro、D-Gln、D-Arg、D-Ser、D-Thr、D-Val、D-Trp、およびD-Tyrより選択される。いくつかの態様では、X5はGluである。いくつかの態様では、X5はD-Hisである。いくつかの態様では、X6はGlyである。いくつかの態様では、X6はAspである。いくつかの態様では、X6はD-Aspである。いくつかの態様では、X7はHisである。いくつかの態様では、X7はTyrである。いくつかの態様では、X8はGlnである。いくつかの態様では、X8はD-Glnである。いくつかの態様では、X8はLeuである。いくつかの態様では、X8はD-Leuである。
【0135】
いくつかの態様では、X5、X6、X7、およびX8のそれぞれは独立して、天然に存在しないアミノ酸より選択される。例えば、X5、X6、X7、およびX8のそれぞれは独立して、Hyp、D-Hyp、Tyr-3-Cl、およびD-Tyr-3-Clより選択される。
【0136】
式IIのいくつかの態様では、CP2は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドである。
【0137】
式IIのいくつかの態様では、CP2は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0138】
式IIのいくつかの態様では、各R2は独立して、-N[(CH2)aORa]2、-NH(CH2)aORa、-NH(CH2)aOH、-NH(CH2)CH3、-N[(CH2)aCH3]、-NH(CF2)aCF3
、ORa、および
からなる群より選択され;
式中、
各Raは独立して、(C1~C6)アルキルであり;かつ
aは、0~5より選択される整数である。
【0139】
いくつかの態様では、rは1である。いくつかの態様では、rは2である。いくつかの態様では、sは1である。いくつかの態様では、sは2である。いくつかの態様では、tは1である。いくつかの態様では、tは2である。いくつかの態様では、r、s、およびtのそれぞれは1である。いくつかの態様では、r、s、およびtのそれぞれは2である。
【0140】
式IIIの化合物:
またはその薬学的に許容される塩も本明細書において提供され、式中、
各M3は独立して、銅64またはガリウム68であり;
各C3は、キレート部分であり;
CP3は、フィブリン結合ペプチドであり;
各R3は独立して、有機非キレート部分であり;
uは、0~5より選択される整数であり;
vは、0~5より選択される整数であり;かつ
wは、0~5より選択される整数である。
【0141】
式IIIのいくつかの態様では、各M3は銅64である。式IIIのいくつかの態様では、各M3はガリウム68である。
【0142】
式IIIのいくつかの態様では、各C3は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0143】
式IIIのいくつかの態様では、C3は、NODAGA:
である。
【0144】
式IIIのいくつかの態様では、各C3は独立して、以下:
からなる群より選択される。
【0145】
式IIIのいくつかの態様では、CP3は、SEQ ID NO: 17のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、X9、X10、X11、およびX12のそれぞれは独立して任意のアミノ酸であり;かつy*はL-チロシンまたはD-チロシンである。例えば、CP3は、SEQ ID NO:17のポリペプチドに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドである。いくつかの態様では、CP3は、SEQ ID NO:17のフィブリン結合ペプチドである(すなわち、SEQ ID NO:17に対して100%の配列同一性を有する)。
【0146】
いくつかの態様では、y*はL-チロシンである。いくつかの態様では、y*はD-チロシンである。
【0147】
いくつかの態様では、X9、X10、X11、およびX12のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸より選択される。例えば、X9、X10、X11、およびX12のそれぞれは独立して、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、およびTyrより選択される。いくつかの態様では、X9、X10、X11、およびX12のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸のD-配置より選択される。例えば、X9、X10、X11、およびX12のそれぞれは独立して、D-Ala、D-Cys、D-Asp、D-Glu、D-Phe、D-His、D-Ile、D-Lys、D-Leu、D-Met、D-Asn、D-Pro、D-Gln、D-Arg、D-Ser、D-Thr、D-Val、D-Trp、およびD-Tyrより選択される。いくつかの態様では、X9はGluである。いくつかの態様では、X9はD-Hisである。いくつかの態様では、X10はGlyである。いくつかの態様では、X10はAspである。いくつかの態様では、X10はD-Aspである。いくつかの態様では、X11はHisである。いくつかの態様では、X11はTyrである。いくつかの態様では、X12はGlnである。いくつかの態様では、X12はD-Glnである。いくつかの態様では、X12はLeuである。いくつかの態様では、X12はD-Leuである。
【0148】
いくつかの態様では、X9、X10、X11、およびX12のそれぞれは独立して、天然に存在しないアミノ酸より選択される。例えば、X9、X10、X11、およびX12のそれぞれは独立して、Hyp、D-Hyp、Tyr-3-Cl、およびD-Tyr-3-Clより選択される。
【0149】
式IIIのいくつかの態様では、CP3は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するポリペプチドを含むフィブリン結合ペプチドである。
【0150】
式IIIのいくつかの態様では、CP3は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するフィブリン結合ペプチドである。
【0151】
式IIIのいくつかの態様では、各R3は独立して、-N[(CH2)bORb]2、-NH(CH2)bORb、-NH(CH2)bOH、-NH(CH2)CH3、-N[(CH2)bCH3]、-NH(CF2)bCF3
、ORb、および
からなる群より選択され;
式中、
各Rbは独立して、(C1~C6)アルキルであり;かつ
bは、0~5より選択される整数である。
【0152】
いくつかの態様では、uは1である。いくつかの態様では、uは2である。いくつかの態様では、vは1である。いくつかの態様では、vは2である。いくつかの態様では、wは1である。いくつかの態様では、wは2である。いくつかの態様では、u、v、およびwのそれぞれは1である。いくつかの態様では、u、v、およびwのそれぞれは2である。
【0153】
式IVの化合物:
またはその薬学的に許容される塩も本明細書において提供され、式中、
R4は、放射性同位体であり;
C4は、以下:
からなる群より選択されるキレート部分であり;
CP4は、フィブリン結合ペプチドであり;
AAは、フィブリン結合ペプチドのN末端アミノ酸であり;
L4は、リンカーであり;
yは、0および1より選択される整数であり;かつ
zは、0および1より選択される整数である。
【0154】
式IVのいくつかの態様では、R4は治療用放射性同位体および核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体より選択される放射性同位体である。いくつかの態様では、R4はフッ素18、フッ化アルミニウム(Al18F)、スカンジウム43、スカンジウム44、スカンジウム47、マンガン51、マンガン52、銅60、銅61、銅62、銅64、銅67、ガリウム67、ガリウム68、イットリウム86、ジルコニウム89、テクネチウム99m、イットリウム90、インジウム111、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、テルビウム149、テルビウム152、サマリウム153、テルビウム155、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、鉛203、アスタチン211、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される。
【0155】
式IVのいくつかの態様では、R4は治療用放射性同位体である放射性同位体である。いくつかの態様では、治療用放射性同位体はスカンジウム47、銅67、イットリウム90、ヨウ素131、サマリウム153、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、アスタチン211、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される。いくつかの態様では、治療用同位体はイットリウム90、ルテチウム177、およびアクチニウム225からなる群より選択される。いくつかの態様では、治療用同位体はイットリウム90である。いくつかの態様では、治療用放射性同位体はルテチウム177である。いくつかの態様では、治療用放射性同位体はアクチニウム225である。
【0156】
式IVのいくつかの態様では、R4は核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体である。いくつかの態様では、放射性同位体は陽電子放射同位体である。いくつかの態様では、陽電子放射同位体はフッ素18、フッ化アルミニウム(Al18F)、スカンジウム43、スカンジウム44、マンガン51、マンガン52、銅60、銅61、銅62、銅64、ガリウム68、イットリウム86、ジルコニウム89、ヨウ素124、テルビウム149、およびテルビウム152からなる群より選択される。いくつかの態様では、陽電子放射同位体はフッ素18、銅64、およびガリウム68からなる群より選択される。いくつかの態様では、陽電子放射同位体はフッ素18である。いくつかの態様では、陽電子放射同位体は銅64である。いくつかの態様では、陽電子放射同位体はガリウム68である。いくつかの態様では、陽電子放射同位体は銅64である。いくつかの態様では、陽電子放射同位体はガリウム68である。いくつかの態様では、放射性同位体はSPECT造影に好適な放射性同位体である。いくつかの態様では、SPECT造影に好適な放射性同位体はガリウム67、テクネチウム99m、インジウム111、ヨウ素123、ヨウ素125、テルビウム155、および鉛203からなる群より選択される。
【0157】
式IVのいくつかの態様では、C4は、以下:
からなる群より選択される。
【0158】
式IVのいくつかの態様では、C4は、NODAGA:
である。
【0159】
式IVのいくつかの態様では、C4は、以下:
からなる群より選択される。
【0160】
いくつかの態様では、C4は、以下:
からなる群より選択される。
【0161】
式IVのいくつかの態様では、AA-CP4は、SEQ ID NO:1のポリペプチド:
に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドであり、配列中、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して任意のアミノ酸であり;y*はL-チロシンまたはD-チロシンであり;かつAAはN末端アミノ酸を表す。例えば、AA-CP4は、SEQ ID NO:1のポリペプチドに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含むフィブリン結合ペプチドである。いくつかの態様では、AA-CP4は、SEQ ID NO:1のポリペプチドである(すなわち、それは100%の配列同一性を有する)。
【0162】
いくつかの態様では、y*はL-チロシンである。いくつかの態様では、y*はD-チロシンである。
【0163】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、およびTyrより選択される。いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在するアミノ酸のD-配置より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、D-Ala、D-Cys、D-Asp、D-Glu、D-Phe、D-His、D-Ile、D-Lys、D-Leu、D-Met、D-Asn、D-Pro、D-Gln、D-Arg、D-Ser、D-Thr、D-Val、D-Trp、およびD-Tyrより選択される。いくつかの態様では、X1はGluである。いくつかの態様では、X1はD-Hisである。いくつかの態様では、X2はGlyである。いくつかの態様では、X2はAspである。いくつかの態様では、X2はD-Aspである。いくつかの態様では、X3はHisである。いくつかの態様では、X3はTyrである。いくつかの態様では、X4はGlnである。いくつかの態様では、X4はD-Glnである。いくつかの態様では、X4はLeuである。いくつかの態様では、X4はD-Leuである。
【0164】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、天然に存在しないアミノ酸より選択される。例えば、X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは独立して、Hyp、D-Hyp、Tyr-3-Cl、およびD-Tyr-3-Clより選択される。
【0165】
式IVのいくつかの態様では、AA-CP4は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するポリペプチドを含む、AAがN末端アミノ酸を表すフィブリン結合ペプチドである。
【0166】
式IVのいくつかの態様では、AA-CP4は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有する、AAがN末端アミノ酸を表すフィブリン結合ペプチドである。
【0167】
式IVのいくつかの態様では、AA-CP4は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有する、AAがN末端アミノ酸を表すフィブリン結合ペプチドである。
【0168】
式IVのいくつかの態様では、AA-CP4は、以下:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有する、AAがN末端アミノ酸を表すフィブリン結合ペプチドである。
【0169】
式IVのいくつかの態様において、[(L4)z-(AA)]部分は、任意でリンカーにより修飾されていてもよいフィブリン結合ペプチドCP4のN末端アミノ酸を表し、ここで、AAはフィブリン結合ペプチドのN末端アミノ酸であり、L4は任意のリンカーである。リンカーL4は、フィブリン結合ペプチドCP4のN末端などの、アミノ酸のN末端と共有結合を形成することができる官能基を含む任意の化合物であってもよい。
【0170】
いくつかの態様では、L4は、C1~C6アルキル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、C1~C6アルキル-C(O)-、6~10員アリール-C(O)-、および5~10員ヘテロアリール-C(O)-からなる群より選択される。いくつかの態様では、L4は5~6員ヘテロアリールである。いくつかの態様では、L4はピリジニル基である。いくつかの態様では、L4は5~6員ヘテロアリール-C(O)-である。いくつかの態様では、L4は(ピリジニル)-C(O)-である。いくつかの態様では、L4は(ピリジン-3-イル)-C(O)-である。
【0171】
式IVの化合物のいくつかの態様では、[(C4)y-(R4))]部分は、L4基を通じて[(L4)z-(AA)]部分に結合し、ここでキレート部分C4はL4基に結合する。いくつかの態様では、[(C4)y-(R4))]部分は、L4基を通じて[(L4)z-(AA)]部分に結合し、ここで放射性同位体R4はL4基に結合する。いくつかの態様では、[(C4)y-(R4))]部分は、AA基を通じて[(L4)z-(AA)]部分に結合し、ここで放射性同位体R4はAA基に結合する。いくつかの態様では、[(C4)y-(R4))]部分は、AA基を通じて[(L4)z-(AA)]部分に結合し、ここでキレート部分C4はAA基に結合する。
【0172】
式IVのいくつかの態様では、yは0である。いくつかの態様では、yは1である。
【0173】
式IVのいくつかの態様では、zは0である。いくつかの態様では、zは1である。
【0174】
式IVのいくつかの態様では、yは0であり、zは0である。いくつかの態様では、yは0であり、zは1である。いくつかの態様では、1はyであり、zは0である。いくつかの態様では、1はyであり、zは1である。
【0175】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、式IVaの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4は、キレート部分C4によってキレート化されることが可能な放射性同位体である。
【0176】
いくつかの態様では、R4は、フッ化アルミニウム(Al18F)、スカンジウム43、スカンジウム44、スカンジウム47、マンガン51、マンガン52、銅60、銅61、銅62、銅64、銅67、ガリウム67、ガリウム68、イットリウム86、ジルコニウム89、テクネチウム99m、イットリウム90、インジウム111、テルビウム149、テルビウム152、サマリウム153、テルビウム155、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、鉛203、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される。
【0177】
式IVaの化合物のいくつかの態様では、zは0であり、[(C4)-(R4)]部分は、キレート部分C4を介して[AA]部分に結合する。いくつかの態様では、キレート部分C4はAA基とアミド結合を形成する。
【0178】
式IVaの化合物のいくつかの態様では、zは1であり、[(C4)-(R4)]部分は、L4基を通じて[(L4)-(AA)]部分に結合し、ここでキレート部分C4はL4基に結合する。
【0179】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、式IVbの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R4は、リンカーL4、フィブリン結合ペプチドAAのN末端アミノ酸、またはその両方に共有結合することが可能な放射性同位体である。
【0180】
いくつかの態様では、R4は、フッ素18、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、およびアスタチン211からなる群より選択される。
【0181】
式IVbの化合物のいくつかの態様では、zは0であり、[R4]部分は、[AA]部分に直接的に結合する。
【0182】
式IVbの化合物のいくつかの態様では、zは1であり、[R4]部分は、L4基を介して[(L4)-(AA)]部分に結合する。いくつかの態様では、R4部分は、L4基と共有結合を形成する。いくつかの態様では、R4はフッ素18である。
【0183】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、式IVcの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
[R4]部分は、L4基との共有結合を介して[(L4)-(AA)]部分に結合し、
R4は、リンカーL4、フィブリン結合ペプチドAAのN末端アミノ酸、またはその両方に共有結合することが可能な放射性同位体である。
【0184】
いくつかの態様では、R4は、フッ素18、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、およびアスタチン211からなる群より選択される。いくつかの態様では、R4はフッ素18である。
【0185】
いくつかの態様では、式IVの化合物は、式IVdの化合物:
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
[R4]部分は、[AA]部分に直接的に結合し、
R4は、リンカーL4、フィブリン結合ペプチドAAのN末端アミノ酸、またはその両方に共有結合することが可能な放射性同位体である。
【0186】
いくつかの態様では、R4は、フッ素18、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、およびアスタチン211からなる群より選択される。
【0187】
式IVのいくつかの態様では、化合物は、以下:
からなる群より選択されるかまたはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0188】
式IVのいくつかの態様では、化合物は、以下:
からなる群より選択されるかまたはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0189】
式IVのいくつかの態様では、化合物は、以下:
であるかまたはその薬学的に許容される塩である。
【0190】
式IVのいくつかの態様では、化合物は
であるかまたはその薬学的に許容される塩である。
【0191】
式IVのいくつかの態様では、化合物は、以下:
からなる群より選択されるかまたはその薬学的に許容される塩である。
【0192】
式IVのいくつかの態様では、化合物は、以下:
からなる群より選択される。
【0193】
式Vの化合物:
またはその薬学的に許容される塩も本開示において提供され、式中、
C4、L4、AA、CP4、y、およびzは、式IVの化合物のために本開示において記載したとおりである。
【0194】
いくつかの態様では、式Vの化合物は、以下:
からなる群より選択される化合物である。
【0195】
薬学的に許容される誘導体および組成物
いくつかの態様では、本開示の化合物は、薬学的組成物として製剤化することができる。いくつかの態様では、薬学的組成物は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は、式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は、式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0196】
本明細書において用いられるように、化合物は、その薬学的に許容される誘導体を含み得る。「薬学的に許容される」とは、許容できない副作用を伴わずに、化合物または組成物を動物に投与できることを意味する。「薬学的に許容される誘導体」とは、レシピエントへ投与されると、化合物またはその活性な代謝物もしくは残基を(直接的または間接的に)提供することが可能な、本開示の化合物の任意の薬学的に許容される塩、エステル、またはエステルの塩を意味する。
【0197】
他の誘導体とは、化合物が哺乳類に投与されたときに化合物の生物学的利用能を高める(例えば、経口投与された化合物をより容易に血液中に吸収させることによって)か、または生物学的コンパートメント(例えば、脳またはリンパ系)への親化合物の送達を向上することによって、親種と比較して曝露を増加させるものである。
【0198】
本開示の化合物の薬学的に許容される塩は、当技術分野で公知の薬学的に許容される無機および有機酸ならびに塩基に由来する対イオンを含む。例えば、アルカリおよびアルカリ土類金属カチオン;ナトリウム;エタノールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、グルカミン、N,N-ジメチルグルカミン、N-メチルグルカミンなどの第一級、第二級および第三級アミン;ならびにリジン、アルギニンおよびオルニチンなどのアミノ酸である。
【0199】
結合剤、充填剤、許容可能な湿潤剤、打錠用潤滑剤、および崩壊剤などの従来の賦形剤を経口投与用の錠剤およびカプセルに用いることができる。経口投与用の液体製剤は、溶液、エマルジョン、水性または油性懸濁液、およびシロップの形態であってもよい。あるいは、経口製剤は、使用前に水または別の好適な液体ベヒクルで再構成することができる乾燥粉末の形態であってもよい。懸濁または乳化剤、非水性ベヒクル(食用油を含む)、防腐剤、ならびに香料および着色料などのさらなる添加剤を、液体製剤に加えることができる。非経口剤形は、式I、II、III、もしくはIVの化合物またはその薬学的に許容される塩を好適な液体ベヒクルに溶解し、溶液をろ過滅菌した後に、適切なバイアルまたはアンプルに充填し密封することによって調製することができる。これらは剤形を調製するために当技術分野で周知の多くの適切な方法のうちのほんの数例である。
【0200】
式I、II、III、もしくはIVの化合物またはその薬学的に許容される塩は、当業者に周知の技術を用いて薬学的組成物に製剤化することができる。本明細書において記載されているもの以外の好適な薬学的に許容される担体は当技術分野で公知であり;例えば、Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 20th Ed., 2000, Lippincott Williams & Wilkins, (Editors: Gennaro, A. R., et al.)を参照されたい。
【0201】
本明細書において記載される薬学的組成物は、経口および非経口投与の両方を含む、任意の経路で投与することができる。非経口投与は、皮下、静脈内、動脈内、間質内、髄腔内、および腔内投与を非限定的に含む。静脈内投与の場合、薬学的組成物はボーラスとして、時間的に隔てられた2つ以上の用量として、または一定もしくは非線形流量の注入として与えられてもよい。よって、本開示の組成物は、任意の投与経路向けに製剤化することができる。
【0202】
いくつかの態様では、静脈内投与のための薬学的組成物は、無菌等張水性緩衝液中の溶液である。いくつかの態様では、組成物は、注射部位の痛みを和らげるために、可溶化剤、安定剤、および局所麻酔薬(例えば、リドカイン)のうちの1つまたは複数も含み得る。いくつかの態様では、静脈内投与のための組成物は、スクロース(例えば、80ミリモル)を含む。いくつかの態様では、成分は別々に、例えば、キットで供給されるか、または単位剤形で、例えば、凍結乾燥した乾燥粉末または水不含濃縮物として一緒に混合されるか、のいずれかになるであろう。組成物は活性単位における活性剤の量を示すアンプルまたは小袋などの密閉された容器に保存することができる。組成物が注入によって投与される場合、これは無菌で医薬品グレードの「注射用水」、生理食塩水、または他の好適な静脈内輸液を含有する注入ボトルで分配することができる。組成物を注射によって投与する場合、注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルをキットの構成要素として提供できるので、投与前に成分を混合してもよい。
【0203】
式I、II、III、もしくはIVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する本開示の薬学的組成物は、1つまたは複数の他の成分をさらに含有することができる。そのような成分の例は、pH調整剤、安定剤、除染剤、および等張化剤を非限定的に含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は、酢酸、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ゲンチジン酸、アスコルビン酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)、および塩化ナトリウムのうちの1つまたは複数を含有する。いくつかの態様では、薬学的組成物は、注射用水を含有する。
【0204】
いくつかの態様では、式I、II、III、もしくはIVの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物は、ラジカルスカベンジャーを含む。ラジカルスカベンジャーは、放射線分解を防止するために用いることができる。放射線分解は、放射性核種によって誘導される酸素または水分子のイオン化が、スーパーオキシド、過酸化水素、水素ラジカル、オゾンおよびヒドロキシルラジカルなどの他の反応種の形成をもたらすプロセスである。これらの反応種は、DNAおよび他の細胞組織にさらに損傷を与え得る。いくつかの態様では、ラジカルスカベンジャーは、カルノシン酸、緑茶抽出物、アピゲニン、ジオスミン、ロスマリン酸、リポ酸、ベータカロテン、L-アスコルビン酸(ビタミンC)、N-アセチルシステイン(NAC)、δ-トコフェロール、ルチン、アミフォスチン、レスベラトロール、ゲンチジン酸、および没食子酸より選択される抗酸化剤である。いくつかの態様では、ラジカルスカベンジャーは、没食子酸、L-アスコルビン酸、およびN-アセチルシステイン(NAC)より選択される抗酸化剤である。
【0205】
いくつかの態様では、本開示の組成物は、注射可能組成物の形態で患者に投与される。いくつかの態様では、化合物を投与する方法は非経口的であり、これは静脈内、動脈内、髄腔内、間質的または空洞内を意味する。本発明の薬学的組成物は、他の診断用または治療用剤と同様の様式で、ヒトを含む動物に投与することができる。投与されるべき用量および投与の形態は、年齢、体重、性別、患者の状況、および遺伝的要因を含むさまざまな要因に応じて異なり、最終的には様々な用量の実験的決定に続いて医療関係者によって決定された後、本明細書において記載されるように造影が行われるであろう。
【0206】
フィブリンを造影する方法
本開示の化合物および組成物は、フィブリンを造影するために用いることができる。いくつかの態様では、フィブリンは腫瘍に存在する。いくつかの態様では、腫瘍はがん性である。いくつかの態様では、フィブリンは血栓に存在する。いくつかの態様では、フィブリンは神経炎症と関連する。いくつかの態様では、神経炎症は、アルツハイマー病、多発性硬化症、および外傷性脳損傷と関連する。
【0207】
いくつかの態様では、哺乳類においてフィブリンを造影するための方法は、有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を哺乳類に投与する工程;核造影技術を用いて哺乳類のフィブリンの画像を取得する工程、および、磁気共鳴造影を用いて哺乳類の解剖学的画像(MRI)を取得する工程;ならびに哺乳類の解剖学的画像内にフィブリンの画像を見出すために、画像を重ね合わせる工程を含む。
【0208】
いくつかの態様では、哺乳類においてフィブリンを造影するための方法は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む有効量の薬学的組成物を哺乳類に投与する工程;核造影技術を用いて哺乳類のフィブリンの画像を取得する工程、および、磁気共鳴造影を用いて哺乳類の解剖学的画像を取得する工程;ならびに哺乳類の解剖学的画像内にフィブリンを見出すために、画像を重ね合わせる工程を含む。
【0209】
フィブリンを造影するための方法のいくつかの態様では、核造影技術を用いた哺乳類のフィブリンの画像および磁気共鳴造影を用いた哺乳類の画像は同時に取得される。フィブリンを造影するための方法のいくつかの態様では、核造影技術を用いた哺乳類のフィブリンの画像がまず取得され、次いで磁気共鳴造影を用いた哺乳類の画像が取得される。フィブリンを造影するための方法のいくつかの態様では、磁気共鳴造影を用いた哺乳類の画像がまず取得され、次いで核造影技術を用いた哺乳類のフィブリンの画像が取得される。
【0210】
フィブリンを造影するための方法のいくつかの態様では、核造影技術は単一光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)である。
【0211】
フィブリンを造影するための方法のいくつかの態様では、核造影技術は陽電子放射断層撮影法(PET)である。フィブリンを造影するための方法のいくつかの態様では、核造影技術はコンピューター断層撮影法と組み合わせた陽電子放射断層撮影法(PET-CT)である。
【0212】
フィブリンを造影するための方法のいくつかの態様では、哺乳類はヒトである。フィブリンを造影するための方法のいくつかの態様では、哺乳類はラットである。フィブリンを造影するための方法のいくつかの態様では、哺乳類はイヌである。
【0213】
フィブリンを造影するための方法のいくつかの態様では、方法は、有効量の第2の化合物または組成物を哺乳類に投与する工程をさらに含む。いくつかの態様では、第2の化合物または組成物はフィブリンを標的としない。
【0214】
いくつかの態様では、第2の化合物または第2の化合物を含有する組成物は、第2の造影剤である。いくつかの態様では、第2の造影剤はMRI造影剤を含む。いくつかの態様では、第2の造影剤はMRI造影剤である。例えば、ガドテリドール、ガドペンテテート、ガドベネート、ガドキセチン酸、ガドジアミド、ガドベルセタミド、およびガドフォスベセット;または、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオプロミド、イオジキサノール、イソキサグレート、メトリゾエート、およびジアトリゾエートからなる群より選択されるCT造影剤である。
【0215】
いくつかの態様では、第2の化合物または第2の化合物を含有する組成物は、治療用放射性同位体を含む。いくつかの態様では、治療用放射性同位体はスカンジウム47、銅67、イットリウム90、ヨウ素131、サマリウム153、テルビウム161、ホルミウム166、ルテチウム177、レニウム188、アスタチン211、鉛212、ビスマス213、ラジウム223、アクチニウム225、およびトリウム227からなる群より選択される。いくつかの態様では、治療用同位体はイットリウム90、ルテチウム177、およびアクチニウム225からなる群より選択される。いくつかの態様では、治療用同位体はイットリウム90である。いくつかの態様では、治療用同位体はルテチウム177である。いくつかの態様では、治療用同位体はアクチニウム225である。
【0216】
画像の重ね合わせ
画像の重ね合わせは当技術分野において公知の様々な手段によって行うことができる。例えば、U.S. Patent Nos. 7,412,279; 7,110616; 6,898,331; 6,549,798;および5,672,877;Rudd, J.HF. et al., J. Nucl. Med. 2008 49(6): 871-878; Slomka, P.J. et al., J. Nucl. Med. 2009 50: 1621-1630;ならびにJupp, B. and O'Brien, T.J., Epilepsia 2007 49: 82-89を参照されたい。いくつかの態様では、第1および第2の画像データセットを重ね合わせて、哺乳類内のフィブリンの存在を決定することができる。例えば、第1および第2の画像データセットを組み合わせて、フィブリン標的の画像とフィブリンが位置する解剖学的領域の画像とを含む第3のデータセットを生成することができる。第3のデータセットは、存在する場合は、哺乳類内のフィブリンの位置を示すことが可能である。所望される場合は、血管系内の静止標的の位置を示すために第3のデータセットをディスプレイ装置に表示させることができる。第3のデータセットは哺乳類内の静止標的の大きさも示し得る。
【0217】
処置の方法
フィブリンの存在と関連する疾患または状態を処置するための方法も、本開示において提供される。いくつかの態様では、フィブリンの存在と関連する疾患または状態は、心血管疾患である。いくつかの態様では、フィブリンの存在と関連する疾患または状態は、がんである。
【0218】
いくつかの態様では、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を処置するための方法は、有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を哺乳類に投与する工程を含み、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を処置するための方法は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を哺乳類に投与する工程を含み、ここで、化合物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を処置するための方法は、式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を哺乳類に投与する工程を含み、ここで、化合物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を処置するための方法は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を哺乳類に投与する工程を含み、ここで、化合物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を処置するための方法は、式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を哺乳類に投与する工程を含み、ここで、化合物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、フィブリンの存在と関連する疾患または状態は心血管疾患または状態である。いくつかの態様では、フィブリンの存在と関連する疾患または状態は、がんである。いくつかの態様では、フィブリンの存在と関連する疾患または状態は、脳血管疾患(例えば、脳動脈瘤、頸動脈狭窄、脊椎狭窄および脳卒中)である。いくつかの態様では、哺乳類は、ラット、マウス、イヌまたはブタである。いくつかの態様では、哺乳類はヒトである。
【0219】
哺乳類におけるがんを処置する方法も、本開示において提供される。いくつかの態様では、方法は、有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を哺乳類に投与する工程を含み、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、哺乳類においてがんを処置するための方法は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を哺乳類に投与する工程を含み、ここで、化合物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、哺乳類においてがんを処置するための方法は、式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を哺乳類に投与する工程を含み、ここで、化合物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、哺乳類においてがんを処置するための方法は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を哺乳類に投与する工程を含み、ここで、化合物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、哺乳類においてがんを処置するための方法は、式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を哺乳類に投与する工程を含み、ここで、化合物は、治療用放射性同位体を含有する。
【0220】
本開示の化合物を用いて処置可能ながんの例は、肉腫、骨がん、乳がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がんおよび小細胞肺がん)、泌尿生殖器がん、膵臓がん、肝臓がん、皮膚がん、黒色腫(例えば、転移性悪性黒色腫、BRAFおよびHSP90阻害抵抗性黒色腫)、頭頸部がん、皮膚または眼球内悪性黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、腎臓がん(例えば、明細胞がん)、前立腺がん(例えば、ホルモン抵抗性前立腺腺がん)、精巣がん、結腸がん、婦人科がん、子宮がん、卵管がん、尿路上皮がん(例えば、膀胱)、子宮内膜の細胞腫、子宮内膜がん、子宮頸部の細胞腫、膣の細胞腫、外陰部の細胞腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道がん、小腸がん、内分泌系のがん、甲状腺がん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟部組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病を含む慢性または急性白血病、小児期の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓または尿道のがん、腎盂がん、神経系のがん、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮がん、T細胞リンパ腫、アスベストによって誘発されるものを含む環境的に誘発されるがん、および前記がんの組み合わせを非限定的に含む。本開示の化合物は、転移性がんの処置にも有用である。
【0221】
いくつかの態様では、本開示の化合物を用いて処置可能ながんの例は、固形腫瘍(例えば、前立腺がん、結腸がん、食道がん、子宮内膜がん、卵巣がん、子宮がん、腎臓がん、肝臓がん、膵臓がん、胃がん、乳がん、肺がん、頭頸部がん、甲状腺がん、膠芽腫、肉腫、膀胱がん)、血液がん(例えば、リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)などの白血病、DLBCL、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性または難治性NHLおよび反復性濾胞性を含む濾胞性リンパ腫を含む)、ホジキンリンパ腫または多発性骨髄腫)および前記がんの組み合わせを非限定的に含む。
【0222】
いくつかの態様では、本開示の化合物を用いて処置可能ながんは、胆管細胞がん、胆管がん、三種陰性乳がん、横紋筋肉腫、小細胞肺がん、平滑筋肉腫、肝細胞がん、ユーイング肉腫、脳がん、脳腫瘍、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経線維腫、基底細胞がん、軟骨肉腫、類上皮肉腫、眼のがん(eye cancer)、ファロピウス管がん、消化管がん、消化管間質腫瘍、有毛細胞白血病、腸がん、膵島細胞がん、口腔がん、口がん、喉頭がん、咽喉がん、唇がん、中皮腫、頸部がん、鼻腔がん、眼のがん(ocular cancer)、眼内黒色腫、骨盤がん、直腸がん、腎細胞がん、唾液腺がん、副鼻腔がん、脊椎がん、舌がん、管状がん、尿道がん、および尿管がんを非限定的に含む。
【0223】
例示的な血液がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性または難治性NHLおよび反復性濾胞性を含む)、ホジキンリンパ腫、骨髄増殖性疾患(例えば、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症(PV)、および本態性血小板増加症(ET))、骨髄異形成症候群(MDS)、T細胞急性リンパ芽球性リンパ腫(T-ALL)および多発性骨髄腫(MM)などのリンパ腫および白血病を含む。
【0224】
例示的な肉腫は、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、横紋肉腫、線維腫、脂肪腫、血腫(harmatoma)、および奇形腫を含む。
【0225】
例示的な肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC)、気管支原性肺がん、扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺がん、肺胞(細気管支)がん、気管支腺腫、軟骨腫性過誤腫、および中皮腫を含む。
【0226】
例示的な消化管がんは、食道(扁平上皮がん、腺がん、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(がん腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺管がん、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺がん、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺がん、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)のがんおよび結腸直腸がんを含む。
【0227】
例示的な泌尿生殖器がんは、腎臓(腺がん、ウィルムス腫瘍[腎芽腫])、膀胱および尿道(扁平上皮がん、移行上皮がん、腺がん)、前立腺(腺がん、肉腫)、および精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性がん腫、奇形腫、絨毛がん、肉腫、間質細胞がん、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)のがんを含む。
【0228】
例示的な肝臓がんは、肝細胞腫(肝細胞がん)、胆管がん、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、および血管腫を含む。
【0229】
例示的な骨がんは、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、オステオクロノフロマ(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液性線維腫、類骨腫、および巨細胞腫瘍を含む。
【0230】
例示的な神経系がんは、頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫瘍)、膠芽腫、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、および脊髄(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)のがん、ならびに神経芽細胞腫およびレルミット・デュクロ病を含む。
【0231】
例示的な婦人科がんは、子宮(子宮内膜がん)、子宮頸部(子宮頸がん、腫瘍前子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣がん(漿液性嚢胞腺がん、粘液性嚢胞腺がん、未分類がん)、顆粒膜・莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、胚芽細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮がん、上皮内がん、腺がん、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞がん、扁平上皮がん、ブドウ状肉腫(胚性横紋筋肉腫)、およびファロピウス管(細胞腫)のがんを含む。
【0232】
例示的な皮膚がんは、黒色腫、基底細胞がん、メルケル細胞がん、扁平上皮がん、カポジ肉腫、ほくろ異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、およびケロイドを含む。いくつかの態様では、本開示の化合物を用いて処置可能な疾患および適応症は、鎌状赤血球症(例えば、鎌状赤血球貧血)、三種陰性乳がん(TNBC)、骨髄異形成症候群、精巣がん、胆管がん、食道がん、および尿路上皮がんを非限定的に含む。
【0233】
いくつかの態様では、本開示の方法は、高フィブリン濃度を示すがんを、検出するか、処置するか、または検出しかつ処置するために用いられる。
【0234】
本開示の処置方法のいくつかの態様では、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有し、方法は、患者にアミノ酸溶液を投与する工程をさらに含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、放射性核種療法に関連する腎毒性を防止するために用いられる。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、L-リジンおよびL-アルギニンならびにそれらの薬学的に許容される塩および組み合わせを含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、L-リジンおよびその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、L-アルギニンおよび薬学的に許容される塩を含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、約10g/L~約40g/L、例えば、約12g/L~約35g/L、約16g/L~約32g/L、約20g/L~約30g/L、または約22g/L~約28g/LのL-リジンHClとL-アルギニンHClとの混合物を含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、約16g/L~約32g/LのL-リジンHClとL-アルギニンHClとの混合物を含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、約8g/L~約16g/Lの間のL-リジンHClと約8g/L~約16g/Lの間のL-アルギニンHClとを含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、約8g/L、約9g/L、約10g/L、約11g/L、約12g/L、約13g/L、約14g/L、約15g/L、または約16g/LのL-リジンHClを含む。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、約8g/L、約9g/L、約10g/L、約11g/L、約12g/L、約13g/L、約14g/L、約15g/L、または約16g/LのL-アルギニンHClを含む。
【0235】
いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、静脈内に投与される。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与する前、同時、後、またはそれらの組み合わせで投与され、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有する。
【0236】
いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与する前に投与される。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与する約5分~約60分前、例えば、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、または約60分前に投与される。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与する約30分前に投与される。
【0237】
いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与すると同時に投与される。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物と共に注入される。
【0238】
いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与した後に投与される。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与した直後または約5分~約60分後、例えば、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、または約60分後に投与される。いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与した約30分後に投与される。
【0239】
いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与する前、同時、および後に投与され、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有する。
【0240】
いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与する前および同時に投与され、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有する。
【0241】
いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与する前および後に投与され、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有する。
【0242】
いくつかの態様では、アミノ酸溶液は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与すると同時および後に投与され、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有する。
【0243】
本開示の処置方法のいくつかの態様では、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有し、方法は、患者に制吐剤を投与する工程をさらに含む。制吐剤は、放射線療法に関連する吐き気および嘔吐を軽減するために用いることができる。いくつかの態様では、制吐剤は、5-HT3受容体拮抗剤、コルチコステロイド、ニューロキニン-1(NK-1)受容体阻害剤、プロクロルペラジン、メトクロルプラミドおよびカンナビノイドからなる群より選択される。いくつかの態様では、制吐剤は、5-HT3受容体拮抗剤である。いくつかの態様では、制吐剤は、NK-1受容体阻害剤である。
【0244】
いくつかの態様では、制吐剤は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与する前、同時、後、またはそれらの組み合わせで投与され、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、制吐剤は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与する前に投与される。いくつかの態様では、制吐剤は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与すると同時に投与される。いくつかの態様では、制吐剤は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を投与した後に投与される。
【0245】
いくつかの態様では、制吐剤は、本開示において記載されるアミノ酸溶液などのアミノ酸溶液を投与する前、同時、後、またはそれらの組み合わせで投与される。いくつかの態様では、制吐剤は、アミノ酸溶液を投与する前に投与される。いくつかの態様では、制吐剤は、アミノ酸溶液を投与すると同時に投与される。いくつかの態様では、制吐剤は、アミノ酸溶液を投与した後に投与される。哺乳類におけるフィブリンの存在と関連した疾患または状態を検出しかつ処置する方法も本開示において提供される。いくつかの態様では、方法は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を用いる本開示において記載される方法を用いて、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を検出する工程を含み、ここで、化合物または薬学的組成物は、核造影技術を用いた検出が可能な放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、方法は、式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは有効量の式I、式II、式III、もしくは式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物を用いる本開示において記載される方法を用いて、哺乳類におけるフィブリンの存在と関連する疾患または状態を処置する工程をさらに含み、ここで、化合物または薬学的組成物は、治療用放射性同位体を含有する。いくつかの態様では、フィブリンの存在と関連する疾患または状態は、がんである。
【実施例
【0246】
請求項に記載の発明の範囲を限定しない以下の実施例において、発明をさらに説明する。
【0247】
実施例1:化合物の合成および特性決定
工程A - 未修飾ペプチドの合成
0.1mmolの市販のRinkアミド樹脂(約0.38mmol/g)を充填した1~12個のバッチ式反応器を用いて、自動ペプチド合成器「Liberty Blue」(CEM Inc.)でペプチドを合成した。標準的なFmoc化学を用いて、樹脂上にペプチドを伸長させた。DMF中の20%ピペリジンと0.1M HOBtとの溶液でFmocを除去した。各アミノ酸をDMFに溶解して0.2M溶液を得、DMF中のジイソプロピルカルボジイミドの0.5M溶液および1.0Mオキシマ(またはHOBt)を用いて、ペプチドにカップリングした。
【0248】
樹脂上でのペプチドの合成が完了した後、ペプチドをろ過し、続いて樹脂から切断した(TFA/TIS/MSA/2,2-(エチレンジオキシ)エタンジチオール/H2O 95:2.5:2.5:2.5:2.5)。完全に脱保護したペプチドの溶液をジエチルエーテル(40mL)で析出させた。遠心分離後にペプチドの固形物を単離し、次いでpH5のDMSO/40mM NH40Acの1:1混合液中で環化させた。環化をLC-MSでモニタリングした(24時間)。23分間で5%移動相A(水中で0.1%TFA)~60%移動相B(アセトニトリル中の0.1%TFA)のグラジエントを用いた、C-5カラムでの逆相分取HPLCによって、環状ペプチドを精製した。純粋なペプチドのフラクションをプールし、凍結乾燥して、最終的なペプチド部分を得た。
【0249】
工程B - N末端修飾ペプチドの合成
次いで各ペプチドのN末端を、
に修飾した。調製した化合物(例えば、N末端修飾ペプチド)については表1および1aを参照されたく、Fはフッ素であるか(表1)またはフッ素18(表1a)である。特に記載のない限りすべての化合物がC末端アミドを有していた。
【0250】
(表1)
【0251】
(表1a)
【0252】
実施例2:PFPペプチドの合成
実施例1の工程Aの手順に従って未修飾ペプチドを調製した。6-フルオロニコチン酸PFP(0.10mmol)をDMF(0.50mL)中でペプチド(0.02 mmol)のN末端に、40℃で一晩カップリングさせた。反応をLCMSによりモニタリングした。得られた粗化合物を、23分間で5%移動相A(水中で0.1%TFA)~60%移動相B(アセトニトリル中の0.1%TFA)のグラジエントを用いた、C-5カラム(22.5×250mm)での逆相分取HPLCによって精製し、プールしたフラクションを凍結乾燥させて、純粋な化合物を得た。
【0253】
実施例3:蛍光偏光(FP)アッセイを用いた固定化フィブリンおよび可溶性フィブリンフラグメントDD(E)への結合の決定
精製されたフィブリンゲルの部分的プラスミン消化およびそれに続くサイズ排除クロマトグラフィー精製を伴う公開済みの手順を用いてDD(E)を調製し、純度をSDS-PAGEで確認した。テトラメチルローダミン(TRITC)色素でN末端が修飾されたペプチドは、DD(E)に結合する。DD(E)への直接的な蛍光ペプチドの結合は、蛍光偏光(FP)アッセイによって測定した。DD(E)(0~20μM)に結合する蛍光標識ペプチドの異方性(robs)は、化合物の濃度を固定したTris緩衝食塩水(50mM Tris、100mM NaCl、および2mM CaCl2)において測定し、データをシングルサイトモデル(式1)にフィッティングして、DD(E)・(蛍光ペプチド)複合体ごとの解離定数(Kd)を得た。
【0254】
非蛍光化合物による蛍光ペプチドの置換を測定して、阻害定数(Ki)を決定した。阻害剤の存在下では、蛍光化合物の見かけの解離定数(Kd app)は、式2を用いて決定される。阻害定数Kiは式2によりKd appに関連付けられ、ここで、Kdは阻害剤の非存在下で測定された蛍光化合物の真の解離定数である。
【0255】
DD(E)に結合する非標識ペプチドは、化合物置換アッセイによって測定され、ここで、DD(E)およびFl・pepの濃度を固定して形成されたDD(E)/Fl・pep複合体は、非標識化合物の濃度を増加させて滴定した。化合物は、40μLの最終容量で、2%DMSOを含むTBS・Caにおいて、競合ペプチドの濃度を増加させて(0.4~100μM、20μL)、DD(E)(4.0μM、10μL)およびTRITC(0.1μM、10μL)を混合することによって分析した。蛍光偏光フィルター、535nm励起フィルター、および590nm蛍光発光フィルターを備えたTecan Infinite 200 Pro蛍光マイクロプレートリーダーを用いて、昇順濃度の試料(10μL、3ウェル)の蛍光偏光を、384ウェルマイクロプレート(Corningフラットブラックプレート)で測定した。目的の化合物の各希釈物の平均偏光(mP単位)読取値は、式3を用いて異方性(r)に変換した。
【0256】
データは置換曲線(robs対[ペプチド])を規定し、阻害結合定数Kiはデータの最小二乗フィッティングによって決定した(Ki±10%の推定不確実性)。実施例1からの化合物ごとのKi値については表2を参照されたい。
【0257】
(表2)
【0258】
結果
蛍光偏光を用いてシリーズAおよびCのすべての化合物の、可溶性フィブリンフラグメントDD(E)に対する親和性をスクリーニングした。フィブリン親和性を有することが実証された参照化合物であるEP-2104Rと、化合物を比較した(図1および図2)。試験した14の化合物のうち、6つ(化合物7、6、4、2、5、および3)は、DD(E)アッセイで確認したように、フィブリンに対してサブマイクロモルレベルの親和性(Kd<0.6μM)を有していると特定された。
【0259】
実施例4:ラット血清アッセイを用いた代謝安定性の決定
37℃で4時間まで、ラット血漿中での安定性について、実施例3で同定した6つの化合物(化合物2、3、4、5、6、および7)を分析した。化合物をDMSOに溶解してストック溶液(0.6mM)を作製した。血漿(995μL)にペプチドストック溶液(5μL)を添加した。2.5%の最終DMSO濃度にて3μMの試験化合物濃度でインキュベートした。この添加した血漿試料を、37℃で4時間インキュベートした。0、0.5、1、2および4時間後に一定分量(300μL)を取り出し、内部標準として0.1%ギ酸含有カルブタミド(25μg/mL)を含む冷アセトニトリルを600μL加えることによって、反応を停止させた。同時に、対照化合物であるベンフルオレクス、プロプラノロールおよびノルトリプチリン(DMSO中40μM)の混合物を含有する血漿試料(995μL)も、試験化合物の各バッチと並行してインキュベートし、同様に停止させた。さらに、分析物または対照化合物を何ら含まない血漿試料に、内部標準含有アセトニトリルを加えることによって、マトリクスブランクを調製した。タンパク質の析出のために、一定分量を5000×gで5分間遠心分離した。遠心分離後、上清中の目的の化合物の濃度をLCMSによって定量した。ペプチドの存在は、対応する[(M+2)/2]+の検出によって確認した。各検出化合物のピーク面積を測定して各化合物の残存割合(%)を決定し、結果を、純粋な化合物および血漿から直ちに単離した化合物の標準物と比較した(t=0試料)。すべての分析試料は、3回分析した。LCMS測定は、Phenomenex-C18クロマトグラフィーカラム(3μm粒子径、4.6mm×100mm)を用いて、0.1%TFAを含む水およびアセトニトリルからなる勾配溶出システム(5~95%)により、1mL/分の流速で実施した。
【0260】
結果
3つの化合物は、2時間の時点で80%超が保持されており、化合物7および6は4時間後では最も高い安定性を示した(図3)。
【0261】
実施例5:最適化された化合物のための、F-18放射性標識条件および分析方法の開発
【0262】
6-クロロニコチン酸2,3,5,6-テトラフルオロフェニルエステル(Int-1)の合成
6-Cl-Py-PFP(Int-1)エステルは、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1.40g、6.81mmol)の存在下にて、ジオキサン(35mL)中、室温で12時間の6-クロロニコチン酸(1.0g、7.1mmol)、テトラフルオロフェノール(TFP、1.18g、7.1mmol)の反応により得た。ジシクロヘキシル尿素(DCU)をろ去し、溶媒を除去して粗生成物を得、これを熱ヘキサン(1.61g、85%)から結晶化させた。化合物の同一性は1H NMR分析によって確認した。
【0263】
トリフルオロメタンスルホン酸N,N,N-トリメチル-5-((2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)-カルボニル)ピリジン-2-アミニウム(Int-2)の合成
ドライTHF(15mL)中のInt-1(1.0g、3.3mmol)の混合物に、トリメチルアミンガスの定常流を室温で3時間通過させた。得られたN,N,N-トリメチル-5-((2,3,5,6-テトラフルオロ-フェノキシ)カルボニル)ピリジン-2-アミニウムクロリドをろ過し、次いでジエチルエーテル(100mL)および冷ジクロロメタン(50mL)で洗浄した。固形物(0.53g、1.5mmol)をアルゴン雰囲気下でDCM(50mL)に懸濁させた。溶液をろ過し、揮発性成分を減圧下で除去した。残渣をジエチルエーテル(3×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥させてInt-2(0.65g、41.6%)を得た。化合物の同一性は1H NMR分析により確認した。
【0264】
18 F-Py-TFPおよび化合物 18 F-7の放射化学的合成
1mlの1M炭酸カリウム溶液および20mLの水で前処理したChromafix PS-HCO3 -カートリッジに、[18F]フッ化物を含有する[18O]水を通過させて、カートリッジ中に[18F]フッ化物を捕捉した。アセトニトリル:水の1:1溶液中の、0.4mlの炭酸カリウムおよびKRYPTOFIX(登録商標)222(Kry222)を用いて、カートリッジから[18F]フッ化物を溶出させた。蒸発時にアセトニトリルを加えることによって、[18F]フッ化物を窒素気流中にて105℃で共沸蒸発させた(0.5mL×3回)。完全に乾燥させた後、Int-2(0.6mg、12.54μmol)を含有するDMSO溶液(0.3mL)を残渣に加え、90℃で5分間加熱した。反応液を、アセトニトリル:0.1%TFA溶液=1:1共溶媒で希釈し、Alltima C18セミ分取カラム(250mm×10mm、5μm)に注入し、アセトニトリル中の0.1%TFA:水中の0.1%TFA = 64:36で、4mL/分の流速にて溶出した。18F-PFPエステルは13.0~13.5分の間に溶出し、C18 Sep-Pak Plus Cartridgeに収集された。18F-PFPエステルは、0.9mlのアセトニトリルを用いてSep-Pakから放出させた。TEAおよびペプチド(0.5mg、0.36μmol)を含有するDMSO(0.9ml)を反応容器に加えた。混合物を60℃で30分加熱した。0.9mLの水で希釈することによって反応を停止させた。一定分量をすべてGemini-NX C18セミ分取カラム(250mm×10mm、5μm)に注入し、アセトニトリル中の0.1%TFA:水中の0.1%TFA = 33:67で、4mL/分の流速にて溶出させた。化合物18F-7は12.0~12.5分の間に溶出し、C18 Sep-Pak Plus Cartridgeに収集された。生成物は1mLのエタノールを用いて得られた。
【0265】
結果:
F-18放射性標識条件は、最適化された化合物のための分析方法と並行して開発された。図4および図5は、2工程の放射化学的合成、すなわち18F-Py-TFP(図4)および化合物18F-7(図5)の調製の、ラジオHPLCトレース(赤色)を示す。青色のトレースは非放射性純粋化合物のUV検出トレースを表す。放射能検出器はUV検出器の後に配置されているので、UVトレースと放射能トレースとの間には保持時間にオフセットがある。
【0266】
実施例6:フィブリノゲンおよび血漿タンパク質との競合結合による特異性の評価
フィブリンに対する化合物親和性を直接的に測定するプレートベースのアッセイを開発した。フィブリンを固定し、可溶性タンパク質との競合を測定する。ヒト血漿の存在下または非存在下で、化合物のフィブリン結合を分析した。
【0267】
フィブリンプレート調製
ヒトフィブリノゲン(1g)を30mLのTBS緩衝液(50mM Tris、150mM NaCl、5mMクエン酸ナトリウム、pH7.4)に溶解し、Slyde-a-Lyzer(20 000 MWCO、Cassette G2)中にて室温で透析した。緩衝液を2回交換した後、フィブリノゲンを遠心分離(10分、2000×g)して未溶解の物質を除去した。280nmでの吸光度を測定することによってフィブリノゲン濃度を決定した。ストックフィブリノゲン溶液濃度は32.1mg/mLであった。凝固させたフィブリンのウェルと空のウェルとが交互に並んだフィブリンプレートは、96ウェルポリスチレンマイクロタイタープレート(Immulon-II(登録商標))のウェルにおいて、7mM CaCl2を補充したTBS・クエン酸塩中でフィブリノゲン(100μL;2.5mg/mL)をトロンビン(1U/mL)と重合させることによって調製した。カバーされていないプレートを一晩37℃で乾燥させて薄膜を得、これをプレートに吸着させ、テープで密封し、使用するまで-20℃で保管した。個々のフィブリノゲンバッチ中の凝固可能タンパク質は、トロンビン処理の前後の溶液の可溶性フラクションの280nm吸光度を測定することによって決定し、概して≧96%(フィブリン濃度、7.56μM)であった。
【0268】
フィブリン親和性および特異性のためのF-18放射能ベースのアッセイプロトコル
活性が既知(10mL TBS緩衝液中52μCi)の化合物18F-7からの一定分量(100μL)を、TBS緩衝液中の一連の12種の既知濃度(0.01~50μM)の冷化合物7(550μL)に加え、よく混合して12種のストック溶液を調製した。凝固したフィブリンのウェルおよび空のウェルの両方に各希釈液(100μL)を加え、これを2回実施した。TBS緩衝液の代わりにヒト血漿を用いて同じプロトコルを行った。次いで調製したプレートにカバーをし、一定の撹拌下にて室温で2時間インキュベートした。風袋引きした試験管に各ウェルの上清から一定分量(90μL)をピペットで慎重に加えた。上清からのすべての一定分量および各ストック溶液からの一定分量(90μL)を秤量し、Cobra 5002ガンマカウンターを用いてそれぞれの活性を測定した。すべてのデータは減衰補正した。
【0269】
データ解析
空のウェル、対応するフィブリン凝固ウェル、およびストック溶液から得られたデータを用いて、[化合物7]合計および[化合物7]遊離を決定した。
各試料ごとの[化合物7]結合は以下:
[化合物7]結合=[化合物7]合計-[化合物7]遊離
のように算出した。
[化合物7]結合および公知の[フィブリン]合計を用いて、以下:
[化合物7]結合/[フィブリン]合計
を算出した。
活性結合部位(N)および解離定数(Kd)は、以下:
[化合物7]結合/[フィブリン]合計対[化合物7]遊離
をプロットすることによって決定した。
理論上の式:
により、NおよびKd変数は、観測値と理論値との間の絶対誤差を最小限に抑えるためにソルバーによって調整した(図6)。
【0270】
TBS緩衝液中およびヒト血漿の存在下での、ヒトフィブリンへの化合物18F-7の結合
血漿タンパク質の存在下および非存在下で得られた結果の類似性は、化合物18F-7がフィブリノゲンよりもフィブリンに対して高度な結合特異性を有することを示している(図7)。
【0271】
実施例7:68Ga、64CuまたはAl18Fキレート剤を有する化合物
NODAGAキレート剤
( t Bu) 3 NODAGA-NHSエステルの合成: 4-(4,7-ビス(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-1,4,7-トリアザシクロノナン-1-イル)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタン酸((tBu)3NODAGA-COOH、100mg、0.19mmol、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウム、ヘキサフルオロリン酸O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム(HBTU、122mg、0.3mmol、1.2当量)およびN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、37.4mg、0.3mmol、1.2当量)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、室温で24時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した後、得られた残渣をジクロロメタン(10mL)に再溶解し、次いで水(3×4mL)で直ちに洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、蒸発させて、表題生成物を白色の泡として得た(141mg、0.22mmol、85%)。
【0272】
( t Bu) 3 NODAGA-ペプチドの合成: (tBu)3NODAGA-NHS(1.5当量)を、ジメチルホルムアミド(1mL)中の各ペプチド(1当量)の溶液に加えた。ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を用いて各溶液のpHを6.5に調整し、混合物を室温で24時間撹拌した。反応はLCMSによってモニタリングした。反応の完了時に、(tBu)3NODAGA-ペプチドを、45分間で5%移動相A(水中0.1%TFA)~60%移動相B(アセトニトリル中0.1%TFA)のグラジエントを用いた、C-5カラム(Luna、10μ、250×21.2mm)での逆相分取HPLCによって精製した。精製した化合物を凍結乾燥下で乾燥させて、表題生成物を得た。
【0273】
化合物16、化合物17、化合物18、化合物19、化合物20、および化合物21の合成: 反応容器において、約10mgの(tBu)3NODAGA-ペプチドを、TFAとメタンスルホン酸と1-ドデカンチオールとH2Oとの(92:3:3:2)1mL溶液中で脱保護した。各反応混合物を2時間撹拌し、LCMSによって分析した。反応の完了時に、冷ジエチルエーテル(15mL)を加えて固体を析出させた。混合物を遠心分離し、上清を除去した。固体をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、白色の固体として生成物を得た。
化合物16:C77H107ClN16O25S2, MS(ESI)計算値:878.3 [(M+2H)/2]2+;測定値:878.4.
化合物17:C77H107ClN16O25S2, MS(ESI)計算値:878.3 [(M+2H)/2]2+;測定値:878.5.
化合物18:C74H105ClN18O24S2, MS(ESI)計算値:866.2 [(M+2H)/2]2+;測定値:866.1.
化合物19:C74H105ClN18O24S2, MS(ESI)計算値:866.1 [(M+2H)/2]2+;測定値:866.3.
化合物20:C74H105ClN18O24S2, MS(ESI)計算値:866.1 [(M+2H)/2]2+;測定値:866.1.
化合物21:C75H108ClN17O23S2, MS(ESI)計算値:857.9 [(M+2H)/2]2+;測定値:858.7
化合物22:C74H105ClN18O24S2, MS(ESI)計算値:866.3 [(M+2H)/2]2+;測定値:866.1.
【0274】
(表3)NODAGA修飾ペプチド
【0275】
化合物 68 Ga-16、 68 Ga-17、 68 Ga-18、 68 Ga-19、 68 Ga-20、および 68 Ga-21、および 68 Ga-22の放射化学的合成: pH5の68GaCl3(1mCi、0.5mL HCl(0.6M)中)を、3M酢酸ナトリウム(200μL)で希釈してpH4.1にした。68GaCl3溶液(200μL)を、酢酸ナトリウム(10mM、pH4.1)中の各NODAGA-ペプチド(0.1mM 10μL)溶液と組み合わせ、反応混合物を60℃で10分間加熱し、Sep-PakライトC18カートリッジ(Waters)によって精製してあらゆる放射性金属不純物(ゲルマニウム68ブレークスルー)を除去した。化合物68Ga-16、化合物68Ga-17、化合物68Ga-18、化合物68Ga-19、化合物68Ga-20(図8)、化合物68Ga-21および化合物68Ga-22の最終溶液の放射化学的純度は、ラジオHPLC分析によって決定されるように≧95%であった。
【0276】
化合物 64 Cu-20の放射化学的合成: 0.5mL HCl(0.6M)中の64CuCl2(1mCi)を、3M酢酸ナトリウム(200μL)で希釈してpH4.5にした。酢酸ナトリウム(10mM、pH4.5)中のNODAGA-ペプチド22(0.1mM 10μL)の溶液を加え、60℃で10分間加熱した。化合物64Cu-20の放射化学的純度は、ラジオHPLC分析によって決定されるように≧95%であった。
【0277】
DOTAGAキレート剤
( t Bu) 4 DOTAGA-PFPの合成: (tBu)4DOTAGA(200mg、0.29mmol)およびペンタフルオロフェノール(88mg、0.48mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、PS-DCC(286mg、0.48mmol、1.67mmol/g)を混合物に加えた。反応液を室温で撹拌し、HPLCによってモニタリングした。反応の完了時に、樹脂をろ過により除去した。ろ液を蒸発させ、残渣を減圧下で乾燥させた。得られた粗(tBu)4DOTAGA-PFPをさらに精製することなく次の工程で用いた。([M+H]+の理論的MW=868.0、測定値867.7)
【0278】
( t Bu) 4 DOTAGA-ペプチドの合成: (tBu)4DOTAGA-PFP(50mg、0.06mmol)およびペプチド(79.2mg、0.06mmol)をDMF(1mL)に溶解し、DIPEAを加えることによってpHを約6.5に維持した。反応をHPLCによってモニタリングした。反応の完了時に、固体をブラインで析出させ、蒸留水で洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗生成物をさらなる精製をせずに次の工程で用いた。([M+H]+の理論的MW=2056.9、測定値2056.7)
【0279】
化合物23の合成: TFAとトリイソプロピルシランとドデカンチオールとMSAと水との混合物中(92:2:2:2:2、1mL)で、室温にて一晩( t Bu) 4 DOTAGA-ペプチドを撹拌することによってt-ブチルエステルを切断した。反応をHPLCによってモニタリングした。反応混合物を冷ジエチルエーテル中に析出させた。固体をろ過し、冷ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗生成物を水(6mL)に溶解し、30分間で、5%移動相A(水中0.1%TFA)~95%移動相B(アセトニトリル中0.1%TFA)のグラジエントを用いた、C-18カラム(Luna、10μ、250×21.2mm)での逆相分取HPLCによって精製した。純粋な化合物23のフラクションを合わせ、凍結乾燥して白色の粉末を得た。
化合物23:C78H112ClN19O26S2, MS(ESI)計算値:1832.43 [M+H]+, 916.7 [(M+2H)/2]2+;測定値:1831.7 [M+H]+, 916.2 [(M+2H)/2]2+.
【0280】
(表5)DOTAGA修飾ペプチド
【0281】
化合物 68 Ga-23の放射化学的合成: SCXカートリッジ(100mg、粒度40μm(Agilent、カタログ番号12102013))をまず5.5M HCl(1mL)で洗浄し、次いで水(10mL)で洗浄することによって前処理した。Ga-68(3.0mCi)を4mLの0.05M HClで溶出し、前処理済みのSCXカートリッジに充填した。カートリッジを空気でパージし、68GaCl3を0.3mLの3M NaCl溶液(0.1M HClを含有)で溶出した。0.15mLの1.5M NaOAc緩衝液と混合した化合物23(25μL、1.0mM)の溶液に、0.15mLの68GaCl3を加えた。反応混合物を90℃で10分間加熱し、ラジオHPLCで分析した。放射化学的純度は、ラジオHPLC分析によって決定されるように≧99%であった。
【0282】
化合物 90 Y-23の放射化学的合成: 0.5mCiの90YCl3を含有する100μLの溶液を化合物23の溶液(25μL、1.0mM)に加え、0.15mLのpH5酢酸ナトリウム緩衝液と混合する。反応混合物を40℃で60分間加熱し、HPLCフラクションのガンマカウンティングをしつつラジオHPLCによって分析する。
【0283】
化合物 177 Lu-23の放射化学的合成: 0.5mCiの177LuCl3を含有する100μLの溶液を化合物23の溶液(25μL、1.0mM)に加え、0.15mLのpH5酢酸ナトリウム緩衝液と混合する。反応混合物を40℃で60分間加熱し、ラジオHPLCによって分析する。
【0284】
化合物 225 Ac-23の放射化学的合成:
0.1mCiの225Ac(NO3)3と20%L-アスコルビン酸とを含有する100μLの溶液を化合物23(25μL、1.0mM)の溶液に加え、0.15mLのpH6 Tris緩衝液と混合する。反応混合物を60℃で60分間加熱し、HPLCフラクションのガンマカウンティングをしつつラジオHPLCによって分析する。
【0285】
NOTAキレート剤
( t Bu) 2 NOTA-ペプチドの合成: NOTA(tBu)2(50mg、0.12mmol)およびHATU(68.6mg、0.18mmol)をDMF(1mL)に溶解し、混合物を室温で30分間撹拌した。ペプチド(181mg、0.13mmol)をDMF(1mL)に溶解して加え、pHをDIEAで6.5に維持した。反応をLC-MSによってモニタリングした。反応の完了時に、混合物を水(4mL)で希釈し、30分間で5%移動相A(水中0.1%TFA)~95%移動相B(アセトニトリル中0.1%TFA)のグラジエントを用いた、C-18カラム(Luna、10μ、250×21.2mm)での逆相分取HPLCによって精製した。純粋な化合物のフラクションをプールし、凍結乾燥して、最終生成物を得た。([M+H]+の理論的MW=1771.5、測定値1771.7)。
【0286】
化合物24の合成: 反応容器において、約35mgの(tBu)2NOTA-ペプチドをTFAとメタンスルホン酸と1-ドデカンチオールとトリイソプロピルシランとH2Oとの(92:2:2:2) 1mL溶液中で脱保護した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、LCMSによって分析した。反応の完了時に、冷ジエチルエーテル(15mL)を加えて固体を析出させた。混合物を遠心分離し、上清を除去した。固体をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、白色の固体として生成物を得た。粗生成物を水(5mL)で希釈し、30分間で5%移動相A(水中0.1%TFA)~95%移動相B(アセトニトリル中0.1%TFA)のグラジエントを用いた、C-18カラム(Luna、10μ、250×21.2mm)での逆相分取HPLCによって精製した。純粋な化合物24のフラクションをプールし、凍結乾燥して白色の粉末を得た。
化合物24:C71H101ClN18O22S2, MS(ESI)の計算値:1659.3 [M+H]+, 830.1 [(M+2H)/2]2+;測定値:1659.7 [M+H]+, 829.7 [(M+2H)/2]2+.
【0287】
(表4)NOTA修飾ペプチド
【0288】
化合物 68 Ga-24の放射化学的合成: SCXカートリッジ(100mg、粒度40μm(Agilent、カタログ番号12102013))をまず5.5M HCl(1mL)で洗浄し、次いで水(10mL)で洗浄することによって前処理した。Ga-68(3.2mCi)を4mLの0.05M HClで溶出し、前処理済みのSCXカートリッジに充填した。カートリッジを空気でパージし、68GaCl3を0.3mLの3M NaCl溶液(0.1M HClを含有)で溶出した。NaOAc緩衝液(1.5M、0.15mL、pH4.5)中の化合物24(25μL、0.6mM)の溶液に68GaCl3(0.15mL)を加えた。反応混合物を90℃で10分間加熱し、ラジオHPLCで分析した。最終生成物の放射化学的純度は≧98%であった。
【0289】
化合物Al 18 F-24の放射化学的合成: 10mLの0.4M KHCO3に続いて10mLのDI水を通過させることによって、sep-Pak Light Accell Plus QMAカートリッジ(Waters)を前処理した。18F(2.0mCi、200μL)をカートリッジに充填し、DI水(5mL)で洗浄し、KHCO3(400μL)でカラムから溶出し、酢酸でpH4.0に酸性化した。AlCl3ストック溶液(2mM、pH4中、0.1M酢酸ナトリウム緩衝液中)を調製し、300μLを18F溶液と混合した。0.1M NaOAc中の化合物24(2mM、300μL)の溶液を加え、115℃で15分間加熱し、5%移動相A(水中50mM酢酸アンモニウム)~95%移動相B(水中の10%50mM酢酸アンモニウムおよび90%アセトニトリル)のグラジエントを用いた、ラジオHPLC(Ultra AQ、C18、5μm、250×4.6mm)によって分析した。生成物の放射化学的純度は80%であった。HPLCによる精製後、放射化学的純度は>95%であった。
【0290】
実施例8:頸動脈内皮損傷のラットモデルにおけるフィブリン特異的化合物の評価
総頸動脈を剥離し止血鉗子で短時間挫滅することで挫滅部位に壁在血栓の形成が生じる、ラット頸動脈内皮損傷モデルのインビボ研究を実施した。次いで血管壁のフィブリンを本発明者らのPET化合物で造影する。このモデルでは6つの化合物をすべて評価した。
【0291】
成体の雄ウィスターラットをイソフルラン(医療用ガス中1~2%)で麻酔した。温度調節された加熱パッドを用いて体温を37℃に維持した。化合物の注入および採血のために、右大腿静脈および動脈それぞれにカニューレを挿入した。右総頸動脈を止血鉗子で5分間掴むことによって当該血管(頸動脈分岐部の近傍1~2cm)に挫滅損傷を与えることにより、内皮損傷を誘導した。手術の直後にラットをマイクロPET/CTスキャナーに入れた。化合物(200~600μL)を注入し、PET-CT画像を取得し、化合物の注入前および注入の2、5、10、15、30、60、90、120分後に、大腿動脈から血液試料を採取した。終わりに、エクスビボ分析のために組織を収集した。
【0292】
実施例9:ラットにおける化合物の血液クリアランスを決定するための血液分析
プローブ注入前および注入の2、5、10、15、30、60、90、120分後に血液試料を採取した。各血液試料を秤量し、ガンマカウンターを用いてカウントした。各試料の活性は、組織1グラムあたりのパーセント注入量(%ID)として算出した。化合物68Ga-19および68Ga-20は、研究においては他の化合物よりも速い血液クリアランスおよび良好な代謝安定性を示した(図9)。
【0293】
実施例10:各時点で循環する未変化化合物のフラクションの評価のための、機能的化合物アッセイ分析
血漿を分離し(t=10および60分)、ウェルプレートに固定したフィブリンと共に血漿試料をRTで2時間インキュベートした。インキュベート後、フィブリン含有ウェルおよび不含ウェルの両方の上清中のカウントをガンマカウンターで測定し、血漿重量で割って、非結合プローブの濃度[非結合]および総プローブ[合計]をそれぞれ決定した。フィブリンに結合した68Ga含有種の量[結合]は、以下:
[結合]=[合計]-[非結合]
から算出した。陽性対照として、一定分量の用量を血漿に添加し、アッセイにおける可能なフィブリン結合の合計を推定するために用いた(t=0での%結合)。時間tでの血液中の機能的プローブの量は、t=0での結合割合(%)に対する、時間tでのフィブリンへの結合割合(%)の比率を取り、この比率に、血液中の測定された総68Ga%ID/gを掛けることによって決定した。フィブリン含有ウェルプレートの活性を測定し、それをフィブリン不含ウェルプレートの活性と比較することによって、フィブリンに結合した活性の割合を推定した。この結合割合(%)を、純粋な化合物を新鮮血漿に添加した際に測定される結合割合(%)と比較する(図10および図11)。
【0294】
実施例11:代謝物の同定のための血液のラジオHPLC分析
15分および90分の血漿試料の一定分量をHPLCに注入し、30秒ごとにフラクションを収集した。カウントしたフラクションは、代謝物の数および各時点で循環している未変化化合物のフラクションを特定するために、同じカラムに注入された純粋化合物と比較した。予想外に、化合物68Ga-16は注入後に急速に代謝物を形成したが、同様の構造の他の化合物は未変化のままであった(図12)。
【0295】
実施例12:生体内分布
損傷させた頸動脈、反対側の頸動脈、およびすべての臓器を取り出し、秤量し、ガンマカウンターを用いてカウントした。様々な臓器における活性は、組織1グラムあたりのパーセント注入量(%ID)として表した(図13)。
【0296】
実施例13:オートラジオグラフィー
損傷させた側(同側)および反対側の頸動脈を多目的フィルム上に置き、Perkin-Elmer Cyclone Plus Storage Phosphorシステムを用いて造影した。2つの化合物68Ga-19(n=6ラット)および68Ga-20(n=9ラット)による、PET造影を用いた追加のインビボ研究を行った(図14)。これらのうち、化合物68Ga-20は、より迅速な血液クリアランス、より良好な代謝安定性、およびより良好な同側:反対側比を示した。
【0297】
化合物68Ga-20は、高リスクプラークのウサギモデル(プラーク破裂モデル)でも結果が良いことが実証された。平均SUV値、TBRvcおよびTBRmを、インビボPET後のすべてのウサギで比較した。図16は、様々な時点での平均群PET取り込み(SUV)および比を示す。予想されたように、注射後の造影時点がより後になると、より高いプラーク破裂対対照SUV比が見られた。図17は、プラーク破裂および対照動物からの代表的なPET-MR画像を示す。フィブリン血栓は、プラーク破裂群の大動脈に沿った取り込みスポットとして見られたが、対照の大動脈は、非常に均一なプロファイルを示す。
【0298】
実施例14:ヒト頸動脈内膜剥離術検体のエクスビボ研究
Massachusetts General Hospitalで待機的頸動脈内膜剥離術を受けた無症候性患者からの破棄された手術検体を12個取得し、本明細書において記載のエクスビボ研究で用いた。試料を上に記載したように、組織学的検査、オートラジオグラフィー、およびプローブ結合アッセイのために処理した(実施例6および13)。
【0299】
破棄された手術検体は、OCTコンパウンドに埋め込まれ、急速凍結され、さらなる分析まで-80℃で保管された。組織学的検査およびオートラジオグラフィーのために交互に連続凍結切片を処理し;これらの実験には50μmの間隔をあけた3つの組織試料を用いた。残りの組織試料は機能的プローブアッセイ向けに処理した。
【0300】
組織学的検査のために: 30%スクロースを含有する4%パラホルムアルデヒドを用いて検体を固定した。各セグメントの吻側部分を組織学的検査(カーステアズ染色)向けの凍結切片化のために、OCTコンパウンドに埋め込んだ。残りの大動脈セグメントを肉眼所見のために切開した。カーステアズ染色を用いてフィブリン(鮮やかな赤)、コラーゲン(鮮やかな青)、赤血球(黄~オレンジ)、血小板(灰色っぽい青~紺)、および筋肉(赤)を区別した。顕微鏡(Nikon Eclipse 50i、Kodak Scientific Imaging System)を用いて切片を検査し、コンピューターに接続したカメラ(SPOT 7.4 Slider RTKE、Diagnostic Instruments)を用いてデジタル画像を取得した。
【0301】
オートラジオグラフィーのために、厚さが30μmの3つの切片を、68Ga-20または非フィブリン結合対照プローブ68Ga-22と共に、ラボシェーカーで室温にて45分間インキュベートした。PBSで3回洗浄した後にオートラジオグラフィーを実施した。露光時間は2分間であった。
【0302】
機能的プローブアッセイのために、試料を室温で解凍し、秤量し(試料あたり8~15mg)、2つに切断し、111~148kBq(3~4μCi)の68Ga-20または非フィブリン結合対照プローブ68Ga-22を1mLのPBS中に含有するチューブに入れた。混合物を室温で45分間振とうした。遠心分離後、上清(sup-1)を取り出し、さらなる分析のために保持し、組織試料をPBS(1mL)で洗浄し;この手順を各試料ごとに2回繰り返した。さらなる分析のために洗浄液(wash-1およびwash-2)を保持した。組織試料ならびに溶液sol-1、wash-1、およびwash-2中の活性をガンマカウンターで測定した。パーセント取込は以下:
%取込 = [(組織中の活性)/総活性(組織 + sup-1 + wash-1 + wash-2)]×100
のように算出した。
【0303】
結果:
オートラジオグラフィー(図18A~18B、18G~18H、および18M)および機能的プローブアッセイ(図18N)は両方とも、非結合プローブ68Ga-22と比較して68Ga-20の有意に高い取り込みを示した(両方ともにP<0.05)。しかしながら、両方の実験において68Ga-20の取り込みには相当な患者間の変動があった(図18M~18N)。カーステアズ染色結果はオートラジオグラフィーおよびプローブアッセイと一致した。一部の患者検体では、高68Ga-20取り込みおよび相当なフィブリンの存在が検出された(図18A~18F)が、取り込みが少ない検体ではフィブリンが比較的少なかった(図18G~18L)。一方、ほとんどの検体から得られた結果はこれほどはっきりしておらず、組織中のフィブリンの総量はオートラジオグラフィー(P=0.45)または結合アッセイ(P=0.28)と相関していなかった。
【0304】
他の態様
発明をその詳細な説明と併せて記載してきたが、先の説明は添付の請求項の範囲によって規定される発明の範囲を例示することを意図しており限定しないと解釈されたい。他の局面、利点、および変形例は、以下の請求項の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2022-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2022554186000001.app
【国際調査報告】