(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】3Dプリンタで粒子状の構造材料の層を作製するアセンブリ及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/205 20170101AFI20221221BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20221221BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20221221BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20221221BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20221221BHJP
B22F 12/60 20210101ALI20221221BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20221221BHJP
B22F 10/37 20210101ALI20221221BHJP
B28B 1/30 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
B29C64/205
B33Y30/00
B33Y10/00
B29C64/153
B29C64/165
B22F12/60
B22F10/28
B22F10/37
B28B1/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524204
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 DE2020000254
(87)【国際公開番号】W WO2021078316
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】102019007480.7
(32)【優先日】2019-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520052363
【氏名又は名称】レンペ・メスナー・シントー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】ゲール・イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ミュンツァー・ヤーノシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーデマイヤー・フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヴィントゲンス・ルドルフ
【テーマコード(参考)】
4F213
4G052
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL74
4G052DA02
4G052DB12
4G052DC06
4K018CA44
4K018EA51
(57)【要約】
本発明は、3Dプリンタで粒子状の構造材料の層を作製するアセンブリ及び方法に関し、その課題は、アセンブリ及び方法によって、一定の品質での材料塗布の量の増加及び粒子状の構造材料の塗布、均し及び圧縮時の、構造域に作用する力の低減を達成することにある。この課題は、アセンブリの方では、構造域(5)上を移動可能なアセンブリ(1)に、構造域(5)に粒子状の構造材料(10)を塗布する手段(2)を有する第1の構造群(4a)と、塗布された粒子状の構造材料(10)を均す手段(3)を有する、第1の構造群(4a)に対して空間的に離間してアセンブリ(1)に配置された第2の構造群(4b)とが配置されていることによって解決される。その課題は、方法の方では、第1の方法ステップで、構造域(5)上に提供された、構造域(5)上を移動可能なコータアセンブリ(1)によって、粒子状の構造材料(10)を構造域(5)に塗布し、時間的に第1の方法ステップに続く、第1の方法ステップから独立した第2の方法ステップで、塗布された粒子状の構造材料(10)の均しを行い、その際、第1の方法ステップ及び第2の方法ステップを、構造域(5)上のコータアセンブリ(1)の1つの移動プロセスで実行することによって解決される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dプリンタで粒子状の構造材料(10)の層(11)を作製するアセンブリ(1)であって、3Dプリンタに、粒子状の構造材料(10)を塗布する少なくとも1つの手段(2)と、粒子状の構造材料(10)を均す手段(3)とが配置されている、アセンブリ(1)において、
構造域(5)上を移動可能なアセンブリ(1)に、構造域(5)に粒子状の構造材料(10)を塗布する手段(2)を有する第1の構造群(4a)と、塗布された粒子状の構造材料(10)を均す手段(3)を有する、第1の構造群(4a)に対して技術的に別のものであるとともに空間的に離間してアセンブリ(1)に配置された第2の構造群(4b)とが配置されていることを特徴とする、アセンブリ(1)。
【請求項2】
アセンブリ(1)には、塗布された粒子状の構造材料(10)を均す手段(3b)を有する少なくとも1つの別の構造群(4d)が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ(1)。
【請求項3】
アセンブリ(1)には、構造域(5)に粒子状の構造材料(10)を塗布する手段(2b)を有する少なくとも1つの別の構造群(4c)と、塗布された粒子状の構造材料(10)を均す手段(3b)を有する別の構造群(4d)とが配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ(1)。
【請求項4】
構造域(5)に粒子状の構造材料(10)を塗布する手段(2)は、ロールであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項5】
粒子状の構造材料(10)を均す手段(3)は、ブレードであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項6】
手段(2)は、手段(3)から所定の距離(6a)をおいてアセンブリ(1)に配置されていることを特徴とする。請求項1から5のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項7】
アセンブリ(1)に、塗布された粒子状の構造材料(10)を圧縮する手段(15)を有する別の構造群(4)が配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項8】
層(11)を作製するために、粒子状の構造材料(10)を塗布し、均し、圧縮する、3Dプリンタで粒子状の構造材料(10)の層(11)を作製する方法において、
第1の方法ステップで、構造域(5)上に提供された、構造域(5)上を移動可能なコータアセンブリ(1)によって、粒子状の構造材料(10)を構造域(5)に塗布し、時間的に第1の方法ステップに続く、第1の方法ステップから独立した第2の方法ステップで、塗布された粒子状の構造材料(10)の均しを行い、その際、第1の方法ステップ及び第2の方法ステップを、構造域(5)上のコータアセンブリ(1)の1つの移動プロセスで実行することを特徴とする、方法。
【請求項9】
構造域(5)上のコータアセンブリ(1)の移動プロセスで層(11)を作製する第1の方法ステップで、第1の粒子状の構造材料(10a)及び/又は第2の粒子状の構造材料(10b)を構造域(5)に塗布することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
構造域(5)上のコータアセンブリ(1)の移動プロセスで層(11)を作製する第1の方法ステップで、少なくとも、第1の部分層(13)及び第2の部分層(14)を塗布することを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
第2の方法ステップで、塗布された粒子状の構造材料(10)の均しを、構造域(5)上のコータアセンブリ(1)の移動プロセスで、少なくとも第1の均しステップ(7)と第2の均しステップ(8)とによって行うことを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
第1の方法ステップ又は第2の方法ステップに時間的に続く、第1の方法ステップ又は第2の方法ステップから独立した第3の方法ステップで、塗布された又は塗布されて均された粒子状の構造材料(10)の圧縮を行うことを特徴とする、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリンタで粒子状の構造材料の層を作製するアセンブリに関し、アセンブリには、少なくとも、粒子状の構造材料を塗布する手段及び粒子状の構造材料を均す手段が配置されている。
【0002】
本発明は、3Dプリンタで粒子状の構造材料の層を作製する方法にも関し、方法では、層を作製するために、粒子状の構造材料が塗布され、均され、圧縮される。
【背景技術】
【0003】
個々の又は大量生産の部品、工作物又は型を製造するために、いわゆる3Dプリント又はいわゆる3Dプリント法を用いることが知られている。この種のプリント法では、三次元の部品又は工作物が層状に構築されて製造される。
【0004】
構築は、コンピュータ制御されて、所定の寸法及び形状に従って、1つ又は複数の種類の液体又は固体の材料から行われる。プリントされるべき部品又は工作物の基準値は、例えばいわゆるコンピュータ支援設計システム(CAD、英語computer-aided design)によって提供できる。
【0005】
3D構造又は3D部品をプリントするとき、物理的又は化学的な硬化プロセス又は溶融プロセスが、成形材料とも称される粒子状の構造材料内で行われる。この種の3Dプリント法用の材料として、構造材料又は成形材料例えばプラスチック、合成樹脂、セラミックス及び金属等が使用される。
【0006】
3D印刷プロセスを実行するときに様々な製造方法プロセスが知られている。
【0007】
しかも、これらの方法ステップのいくつかは、以下の例示的な方法ステップを含む。
・いわゆる構造域への粒子状材料又は粒子状の構築材料とも称される粒子状の構造材料の部分面又は全面的な塗布。これにより非硬化性の粒子材料からなる層が形成される。
・例示的には、例えば接合剤等の処理剤の選択的な圧縮、プリント又は塗布、又はレーザの使用による、所定の部分領域における非硬化性の粒子状の構造材料からなる塗布された層の選択的な硬化。
・部品又は工作物を層状に構築するための、別の層平面での先行の方法ステップの繰返し。そのために、新たな層が部分面又は全面的に塗布される前に、構造域上に層状に構築される又はプリントされる部品又は工作物が、構造域と共に、それぞれ1つの層平面又は層厚だけ降下する、又は3Dプリント装置が、それぞれ1つの層平面又は層厚だけ、構造域に対して上昇する。
・完成した部品又は工作物を取り囲む、固くない非硬化性の粒子状の構造材料の後続の除去。
【0008】
従来技術において、3D構造を製造する又は3D構造を作製するために構造域に粒子状の構造材料を塗布する様々な方法が知られている。
【0009】
独国特許第10117875号明細書において、流動体を塗布する方法及び装置並びにその使用が知られている。
【0010】
流動体を塗布する方法は、特に、被覆されるべき領域に塗布される粒子材料に関し、方法において、ブレードの前進方向に見てブレードの前方で、流動体は、被覆されるべき領域に塗布され、その後、ブレードが、塗布された流動体上を移動される。
【0011】
課題は、被覆されるべき領域上の流動体の材料の可能な限り平らな分配を達成できる、装置、方法及び装置の使用にある。
【0012】
ブレードがある種の回動運動の振動を行うことが、解決のために想定されている。ブレードの振動性の回動運動によって、被覆されるべき領域に塗布される流動体が流動化される。これにより、凝集する傾向の強い粒子材料を可能な限り平らで滑らかに塗布できるだけでなく、振動による流動体の圧縮に影響を与えることも更に可能である。
【0013】
好適な一実施形態では、被覆されるべき領域への流動体の塗布が過剰に行われ、そこで、ある種の回動運動で振動するブレードの連続的な運動によって、流動体の余剰分は、ブレードの前進移動方向に見て、ブレードの前方で、ブレードの前進移動によって、流動体又は粒子材料から形成されるロールにおいて均一化される。これにより、場合によっては生じる、個々の粒子状凝固物の間の空隙が充填され、より大きな凝固物の粒子材料が、ロール運動によって破壊され得る。
【0014】
独国特許出願公開第102016211952号明細書において、被覆ユニット、被覆法、三次元の物体の付加製造のための装置及び方法が知られている。
【0015】
解決すべき課題は、代替的な若しくは改善された被覆ユニット又は製造装置、又は構築材料の層状の塗布及び選択的な固化よる三次元の物体に対する代替的な若しくは改善された被覆法又は製造法を提供することにあり、そこでは、特に被覆方向を簡単に変更できる。
【0016】
この課題を解決するために、被覆ユニットは、第1の方向に互いに離間し、第1の方向に対して横向きに、好ましくは垂直の第2の方向に延在する少なくとも2つの被覆ロールを有するとともに、第1の方向に2つの被覆ロールの間に配置された、第2の方向に延在する圧縮要素及び/又は均し要素を有することが想定されている。
【0017】
被覆ユニットは、被覆ユニットの移動に応じて、第1の移動方向に又はその逆方向に、構築材料が、その都度の移動方向に見て先行する被覆ロールによって引き出され、均一な層が形成され、そして先行する被覆ロールにより引き出された層が、圧縮要素及び/又は均し要素によって圧縮される及び/又は均されるように調整されている。そのような被覆ユニットによって、例えば材料層の塗布及び圧縮及び/又は均しが互いに別々にそれぞれ独自の要素によってもたらされ得るが、しかもその際、被覆ユニットは、互いに逆の被覆方向に用いられ得る。
【0018】
好ましくは、圧縮要素及び/又は均し要素は、第1の方向に、主に2つの被覆ロールの間の中央に配置されている。
【0019】
独国特許出願公開第102006023484号明細書は、粉末状の構造材料から三次元の物体を層状に製造する装置及び方法を開示している。特に、この発明は、選択的レーザ焼結法及びレーザ焼結装置に関する。
【0020】
課題は、三次元の物体を製造する方法及び装置、特にレーザ焼結法及びレーザ焼結装置を提供することにあり、方法又は装置によって補充率を低減でき、方法又は装置によってその方法の労力を低減できる。
【0021】
そのために、コータが、被覆方向に見て上昇する塗布面を有するブレードを具備し、この場合、塗布面は、ブレードの、支持体に向いた下面に設けられていて、コータの移動方向に見て、0.2°より大きな角度で、かつ5°より小さな角度で、好ましくは0.5°から約3°の間の角度で、更に好ましくは約0.7°から約2.8°の間の角度で上昇する。このブレードを用いて、材料塗布後に、均し及び圧縮が同時に達成される。
【0022】
公知の従来技術において、粒子状の構造材料の塗布、構造材料の掻落し又は均し、及び圧縮が、装置又はアセンブリによって行われることが想定されている。このことは、少なくとも、粒子状の構造材料を塗布する手段、及び構造材料を掻き落とす又は均す及び圧縮する手段に関し、手段は、多くの場合ブレード等の要素として構成され、要素は、空間的に又は構造的にまとめて装置又はアセンブリを形成する。従来技術によれば、さらに、この種の装置又はアセンブリのための構造スペースが小さく保持されることが想定されている。
【0023】
粒子状の構造材料のプロセスステップである塗布、均し及び圧縮を一緒に起動するいわゆる振動ブレードを備えた従来技術によるアセンブリの欠点は、材料塗布の品質の向上に振動ブレードの比較的高い振動周波数を要することにある。比較的高い振動周波数では、より多くの粒子状の構造材料を処理でき、より多く処理される粒子状の構造材料の圧縮が達成できる。
【0024】
しかし、振動ブレードの振動周波数の増加に物理的な限界が設定されている。この制限は、プロセスステップである塗布、均し及び圧縮に等しく適用される。
【0025】
振動ブレードの比較的高い振動周波数と高い送り速度とによって、より多くの粒子状の構造材料が振動ブレードの下を通って摺動又は滑動し、その下に位置する既に作製されたプリント像又は既に部分的に作製された3D構造が損なわれる。
【0026】
さらに、振動ブレードの手前にいわゆる山を形成する、塗布された粒子状の構造材料の余剰分によって生じる材料余剰分は、塗布、均し及び圧縮の間の直接的な依存関係によって、振動ブレードの副次的効果の1つに影響を及ぼすことなく最小限に保つことはできない。
【0027】
同様に、振動ブレードを、その課題の1つだけに個別に使用することは不可能である。
【0028】
この従来技術に基づいて、3Dプリンタで粒子状の構造材料の層を作製するアセンブリの改善及び方法の改善の要求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】独国特許第10117875号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102016211952号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102006023484号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
したがって、本発明の課題は、3Dプリンタで粒子状の構造材料の層を作製するアセンブリ及び方法を提供することにあり、これにより、一定の品質での材料塗布の量の増加及び粒子状の構造材料の塗布、均し及び圧縮時の、構造域に作用する力の低減が達成される。
【課題を解決するための手段】
【0031】
課題は、独立請求項の請求項1に記載の特徴を有するアセンブリによって解消される。発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0032】
課題は、独立請求項の請求項8に記載の特徴を有する方法によっても解決される。発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0033】
本発明は、以下略してコータ又はコータアセンブリとも称される3Dプリンタで粒子状の構造材料の層を作製するアセンブリにおいて、粒子状の構造材料を塗布する手段の、構造材料を掻き落とす又は均す及び圧縮する手段からの空間的な分離が行われることを想定している。さらに、粒子状の構造材料を塗布する手段の、構造材料を掻き落とす手段からの又は均す及び圧縮する手段からの技術的又は機能的な分離も行われる。
【0034】
したがって、構造域上を移動可能なコータアセンブリにおいて、粒子状の構造材料を塗布する少なくとも1つの手段と、塗布された粒子状の構造材料を掻き落とす又は均す少なくとも1つの手段との両方を配置することが想定されている。コータアセンブリが構造域上を移動すると、同様にコータアセンブリに配置された手段もコータアセンブリと共に移動する。これらの手段が互いに特定の距離を置いてコータアセンブリに配置されているとき、手段同士の特定の距離が構造域上をコータアセンブリが移動するときに保持される。この形態では、手段は、コータアセンブリの一製造ステップで、互いに特定の距離を置いて固くコータアセンブリに結合できる。
【0035】
手段の空間的な分離によって、手段の相互の影響が排除される。技術的な分離によって、各手段は、別個に、別の手段から独立して閉ループ制御又は開ループ制御できるようになる。
【0036】
粒子状の構造材料とは、一般的に、物質又は混合物の個々の粒子の集合体と解され、この場合、各粒子は、三次元の拡がりを有する。これらの粒子は、主に丸い、卵形又は細長い粒子と把握できるので、この種の粒子の、大抵は0.1mmから0.4mmまでの範囲にある平均的な直径を示すことが可能である。この種の粒子状の構造材料は、流動体の特性を有する。
【0037】
粒子状の構造材料は、例えばローラを介して、代替的には丸み付けられたエッジを介して構造域に塗布されることが想定されている。この構造域上に粒子状の構造材料が載置し、これに続いて、ローラ又はエッジから空間的に分離して配置された、少なくとも1つのブレードを有する手段によって均される。
【0038】
一形態では、ブレードによって、粒子状の構造材料の均し及び圧縮が行われることが想定されている。
【0039】
代替的な一形態では、粒子状の構造材料の圧縮が、独自の、ブレードから独立した、ローラ又は丸み付けられたエッジから独立した、圧縮する別の手段によって行われる、ということが想定されている。
【0040】
粒子状の構造材料を均すとき、均一に充填された構造域を確保すべき、塗布された粒子状の構造材料の余剰分によって、いわゆる「山」又は材料余剰分が生じる。
【0041】
この山の高さは、この場合、例えばローラを介して塗布された材料の量に依存していて、したがって、例えばローラの回転数を介して調整可能である。
【0042】
この場合、有利には、材料余剰分又は山は、可能な限り小さく保持される。というのも、このようにして、その下に位置する既に作製されたプリント像又は既に部分的に作製された3D構造に作用する力が、構造材料を均す際に小さくなるからである。
【0043】
ローラの出口領域全体にわたって構造材料の塗布がより均一に行われるほど、より小さくブレードの手前の山が移動できる。
【0044】
さらに、コータアセンブリに、構造域に粒子状の構造材料を塗布する手段を有する第1の構造群が配置され、空間的に及び技術的に第1の構造群に対して離間して配置されている第2の構造群に、塗布された粒子状の構造材料を均す手段が配置されることが想定されている。したがって、コータアセンブリに、第1の構造群と第2の構造群との両方が配置されていて、この場合、構造群は、コータアセンブリへの連結によって、コータアセンブリと共に、構造域上を移動する。このようにして、様々な手段の空間的に分離した配置と、コータアセンブリ内の様々な手段の間の距離を変化させる可能性との両方が提供される。
【0045】
この場合、コータアセンブリにおける様々な手段の間の距離が構造的に設定される、ということが想定され得る。代替的に、3Dプリンタの動作中に距離を変化させる手段が設けられてよく、これにより、例えば様々な粒子状の構造材料又は達成されるべき印刷品質への距離の適合を達成できる。
【0046】
コータアセンブリ内の手段の技術的な及びこれにより空間的な分離の特別な利点は、粒子状の構造材料の塗布、粒子状の構造材料の均し及び粒子状の構造材料の圧縮の作業ステップが、これらの作業ステップが構造域上でコータアセンブリの移動プロセスで実施されるにもかかわらず、相互に影響を及ぼさないことにある。この種の影響付けは、従来技術では、振動ブレードを用いる方法のときと同様に行われる。というのも、振動ブレードが同時に塗布、均し及び圧縮を行うからである。それぞれの作業ステップである塗布、圧縮及び均しのプロセスパラメータは、本発明によれば、相互に調整でき、相互に独立して制御できる。さらに、プロセスパラメータは、制御ループ内で統合もできる。
【0047】
コータアセンブリに、粒子状の構造材料を塗布する1つの手段と、塗布された粒子状の構造材料を均す複数の手段とが配置される、ということが想定されている。例えば複数のブレード等の複数の部分構造群への均しプロセスの分配によって、現時点で作製されるべき層の下に位置する事前に作製された3D構造に作用する力を低減できる。これは、作製された3D構造の品質に有利に作用する。
【0048】
コータアセンブリに、粒子状の構造材料を塗布する第1の手段と、塗布された粒子状の構造材料を均す第1の手段と、粒子状の構造材料を塗布する第2の手段と、塗布された粒子状の構造材料を均す第2の手段とが配置される、ということが想定されている。
【0049】
記載された順序でこの種の手段を複数配置することによって、様々な粒子状の構造材料を、構造域上のコータアセンブリの1つの移動プロセスで、構造域に塗布可能である。さらに、異なる2つの部分層からなる層の塗布が可能にあり、この場合、部分層は、同一の粒子状の構造材料又は様々な粒子状の構造材料からなり得る。
【0050】
さらに、構造域に粒子状の構造材料を塗布する手段は、相応の付属の貯蔵容器を有するローラ及び構造材料を配量する手段である、ということが想定されている。
【0051】
粒子状の構造材料を均す手段がブレード又はスキージである、ということも同様に想定されている。
【0052】
コータアセンブリ内で、粒子状の構造材料を塗布する手段を、塗布された粒子状の構造材料を均す手段から空間的に分離して配置することによって、付属の方法ステップである塗布及び均しが、構造域上をコータアセンブリが移動するときに時間的に前後して行われる。したがって、粒子状の構造材料の塗布の後で、粒子状の構造材料が均される前に、粒子状の構造材料が静止しているある程度の時間が経過する。この静止時間は、層を作製するときの品質に有利に作用し、作製された3Dプリントの品質にも有利に作用する。
【0053】
さらに、層を作製するとき、少なくとも第1の部分層及び第2の部分層が、構造域上のコータアセンブリの1つの移動プロセスで塗布され、部分層が合わさると、部分層は、層の厚さを有する。層の2つの部分層のみに制限することは、想定されていない。
【0054】
既述の特徴に加えて、塗布されて均された粒子状の材料の圧縮が想定されている。この方法ステップは、粒子状の構造材料を均す手段によって一緒に実現できる、又は圧縮する別個の手段によって実施できる。
【0055】
本発明に係る粒子状の構造材料の塗布の後で、特定の部分領域において固化していない粒子状の構造材料からなる塗布された層の選択的固化が行われる方法ステップが続く。この方法ステップは、本発明にとって重要ではなく、したがって、ここでは詳細な説明はしない。
【0056】
プリントによる固化又は接合剤等の処理剤の塗布又はレーザの使用等の従来技術において知られた方法が実施可能である。
【0057】
本発明の前述の特徴及び利点は、付属の図面と共に、本発明の、ここでは好適でありこれに制限されない例示的な形態の以下の詳細な説明を念入りに検討した上で、より良好に理解され、評価される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】第1の実施形態で本発明に係るアセンブリの例示的な斜視図を示す。
【
図2】粒子状の構造材料を塗布する2つの手段と、空間的に分離した、粒子状の構造材料を均す2つの手段とを有する、本発明に係るアセンブリの例示的な斜視図を示す。
【
図3】粒子状の構造材料を塗布する1つの手段と、空間的に分離した、粒子状の構造材料を均す複数の手段とを有する、本発明に係るアセンブリの例示的な斜視図を示す。
【
図5】粒子状の構造材料を均す複数の手段の作用方式の原理図を示す。
【
図6】構造域上で粒子状の構造材料を塗布する手段と、粒子状の構造材料を均す手段とをそれぞれ1つ有する、空間的に分離した本発明に係る2つのアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、第1の実施形態で、
図1には示されていない粒子状の構造材料10を塗布する手段2と、空間的に分離した、均す手段3とを有する、本発明に係るアセンブリ1の、アセンブリ1を斜め下からの観察方向に見た、例示的な斜視図を示す。手段2は、例えばロールとして、手段3は、例えばブレード又はスキージとして構成されてよい。アセンブリ1は、さらに、塗布されて均された構造材料10を圧縮する手段15を有する。手段15は、例えばブレードとして構成されてもよい。塗布されて均された構造材料10を圧縮する手段15の図示は、後続の図面では省略される。
【0060】
アセンブリ1又はコータアセンブリ1は、粒子状の構造材料10を塗布する手段2と、粒子状の構造材料10を均す手段3とを有し、この場合、手段2は、構造群4aに配置されていて、手段3は、構造群4aから空間的に離間して配置された構造群4bに配置されている。塗布されて均された構造材料10を圧縮する手段15は、構造群4a及び4bから空間的に離間して配置された構造群4cに配置されている。
【0061】
構造群4a、4b及び4cは、保持要素、駆動部、センサ、アクチュエータ及びその他の構成要素を有する。構成要素は、対応する構造群4a、4b及び4cの規定通りの機能に必要である。したがって、構造群4aには、例えば粒子状の構造材料10に対する貯蔵容器も、またロール又はローラも設けられていて、ロール又はローラを介して、粒子状の構造材料10が、構造域5に塗布される。構造域5は、
図1及び後続の図面において、それぞれ単に概略的に破線によって囲まれた面によって示されている。構造群の他の構成要素は、任意に交換可能であり、本発明にとって重要でないので、ここではそれ以上の言及はしない。
【0062】
図1において手段2と手段3との間の距離6aと、手段3と手段15との間の距離6bとは、それぞれ互いに独立して調整可能である。
【0063】
矢印16は、アセンブリ1が粒子状の構造材料10を塗布するときに構造域5上を移動する方向を具合的に示している。
【0064】
図2は、アセンブリ1を斜め下からの観察方向に見た、別の実施形態の、3Dプリンタで粒子状の構造材料10の層11を作製する、空間的に分離された、本発明に係るアセンブリ1の、例示的な斜視図を示す。
【0065】
アセンブリ1又はコータアセンブリ1は、
図2には示されていない粒子状の構造材料10を塗布する第1の手段2aと、粒子状の構造材料10を均す第1の手段3aとを有する。第1の手段2aは、構造群4aに配置されている。第1の手段3aは、構造群4aから空間的に離間して配置された構造群4bに配置されている。手段2aと手段3aとは、構造域5の表面に対して同一の距離に配置されていて、コータアセンブリ1によって、仮想平面内で構造域5上を移動可能であることが想定されている。
【0066】
構造群4aは、粒子状の構造材料10を塗布する少なくとも1つの手段2aを有する。
【0067】
構造群4bは、先に塗布された粒子状の構造材料10を均す少なくとも1つの手段3aを有する。
【0068】
コータアセンブリ1は、構造域5上に配置されていて、構造域5上で、コータアセンブリ1は、2つの矢印16で示された方向に移動できる。そのために必要なコータアセンブリ1を移動及びガイドする手段は、
図2には示されていない。
図2の例によれば、コータアセンブリ1は、左右へ移動できるが、しかし、図示の形態では、左方への移動方向にのみ粒子状の構造材料10の層11の作製が想定されている。というのも、移動方向に見て手段2aが手段3aの前方に配置されていなければならないからである。
図2の例への限定は、意図されていない。
【0069】
コータ部分アセンブリ1b内で構造群4cと4dとの配置を入れ替えた形態では、コータアセンブリ1は、双方向で粒子状の構造材料10のそれぞれ1つの層11を作製するために使用可能である。
【0070】
したがって、層11を作製するために、左方への移動方向には、コータ部分アセンブリ1aが用いられ、右方への移動方向には、コータ部分アセンブリ1bが用いられる。
【0071】
図2の形態でも、手段2aと3aとを、互いに調整可能な距離6aを置いてコータアセンブリ1に配置できる。この距離6aは、1つの手段の中心軸線から隣り合う手段の中心軸線を見て、10mmから150mmの範囲にあり、特に40mmから100mmの範囲にある。この距離6aは、技術的な形態(塗布機器、均し方式、圧縮方式)に起因し、可能な限り小さく構成されていて、これにより、付加的な移動距離ができるだけ小さく保持される。手段3と
図1にのみ示された手段15との間の距離6bについては、距離6aについてと同様の寸法範囲が適用され得る。
【0072】
特別な形態では、3Dプリンタの運転中に、手段2aと手段3aとの間の距離6aを調整できることが想定されている。このようにして、例えば、様々なプリント速度及びプリント品質への適合を達成でき、例えば粒子状の構造材料10の流動体特性又は粒子状の構造材料10のプリントが行われた空間の静止時間等の特別な物理的プロセスパラメータに対処できる。
【0073】
さらに、
図2には、例示的に、同様にロールとして構成された手段2bを有する構造群4c及び同様にブレードとして構成された手段3bを有する構造群4dも配置されることが想定されている。
【0074】
この形態では、手段2bと手段3bとの距離6aも調整可能である。さらに、
図2に示されていない、第1のコータ部分アセンブリ1aと第2のコータ部分アセンブリ1bとの距離も自由選択可能に調整できる。したがって、コータ部分アセンブリ1aと1bとの間の距離が、手段3aと2bと間の距離を決定する。
【0075】
第1のコータ部分アセンブリ1aと第2のコータ部分アセンブリ1bとからなるこの種のコータアセンブリ1は、2つの部分層からなる粒子状の構造材料10の層11の作製を可能にする。粒子状の構造材料10は、
図2には示されていない。第2のコータ部分アセンブリ1bとの関連において、第1のコータ部分アセンブリ1aだけに本発明が制限されることはない。例えば3つのコータ部分アセンブリ1a、1b、1cがコータアセンブリ1に配置されると、3つの部分層からなる、粒子状の構造材料10の層11の作製を行える。
【0076】
図3には、下側から、粒子状の構造材料10を塗布する1つの手段2aと、空間的に手段2aに対して分離して配置された、粒子状の構造材料10を均す複数の手段3a、3b及び3cと共に、本発明に係るアセンブリ1又はコータアセンブリ1の例示的な斜視図が示されている。
【0077】
図4には、より良好に理解するために、
図3におけるアセンブリの別の描画が示されている。したがって、以下の説明は、両方の
図3及び
図4に関係する。
【0078】
この場合、手段2aは、第1の構造群4aに配置されている。手段3aは、構造群4bに配置されていて、手段3bは、構造群4dに配置されていて、手段3cは、構造群4eに配置されている。既に
図2について説明したように、各構造群4a、4b、4d及び4eは、保持要素、駆動部、センサ、アクチュエータ等の構成要素を有し、これらは、ここではそれ以上詳細には述べられない。
【0079】
第1の構造群4aにおける手段2aは、例えばロールとして構成されていて、コータアセンブリ1が一様に構造域5上を左矢印16によって示された方向に左方へ動いている間、ロールを介して、粒子状の構造材料10が、構造域5上に均一に塗布される。構造材料10を塗布する、ロールを有する手段2aは、従来技術において知られている。
【0080】
構造域5上をこのように移動するとき、コータアセンブリ1と共に構造群4a、4b、4d、4eが、一様にかつ一緒に同一方向に、仮想平面内で構造域5上を移動し、その際、手段2a、3a、3b、3c同士の距離と、構造域5の表面に対する手段2a、3a、3b、3cの距離とは、構造域5上のコータアセンブリ1の移動中に変化しない。
【0081】
コータアセンブリ1が左方へ移動するとき、
図3及び
図4の例ではブレードとして構成された、構造群4bに配置された手段3aによって、構造域5に塗布された粒子状の構造材料10の第1の均しステップ7が実行される。コータアセンブリ1の同一の移動プロセスであるが時間的にこれに続いて、構造群4dに配置されたブレード3bによって、第2の均しステップ8が実行され、構造群4eに配置されたブレード3cによって、第3の均しステップ9が実行される。
【0082】
構造域5上のコータアセンブリ1の移動プロセスで、粒子状の構造材料10の、3つの均しステップ7、8、9に分けられた均しの描画が、
図5に原理図で示されている。
【0083】
構造域5上に、粒子状の構造材料10が示されていて、粒子状の構造材料10は、図示されていない、粒子状の構造材料10を塗布する手段2によって塗布されている。粒子状の構造材料10を均す3つの手段3a、3b、3cは、同時にかつ一様に、矢印16で示された移動方向に構造域5上を移動する。
【0084】
この場合、手段3aによって、第1の均しステップ7が実行され、手段3bによって、第2の均しステップ8が実行され、手段3cによって、第3の均しステップ7が実行され、これらの手段3a、3b、3cは、これらが合わさると、塗布されて均された粒子状の構造材料10を、つまり本発明によって塗布された
図5にはそれ以上詳しく示されていない層11を提供する。
【0085】
この場合、手段3a、3b、3cが、構造域5上で鉛直線に対して所定の角度12に向けて配置されることが想定されている。このような角度12は、手段3a、3b、3cが構造材料10を均すだけでなく、構造材料10の圧縮も行わせる。この角度12は、-80°から+80°の範囲、特に-20°から+20°の範囲にあってよい。
【0086】
3つの手段3a、3b、3cの全ての角度が同一の大きさに設定されることも想定されている。択一的に、各手段3a、3b、3cごとに別の角度を設定することが可能である。
【0087】
この場合、ブレード又はスキージのエッジの形状によって、粒子状の構造材料の圧縮、流れ特性及び位置決めに影響が与えられるように設定されている。
【0088】
図6には、粒子状の構造材料10を塗布する手段と均す手段とをそれぞれ1つずつ有する、本発明による、空間的に分離した2つのコータ部分アセンブリ1a、1bが、構造域5を介して斜め下から見た方向で示されている。
【0089】
コータ部分アセンブリ1aは、第1の構造群4aを有し、構造群4aには、粒子状の構造材料10を塗布する少なくとも1つの手段2aが配置されている。コータ部分アセンブリ1aは、第2の構造群4bをも有し、第2の構造群4bには、塗布された粒子状の構造材料10を均す少なくとも1つの手段3aが配置されている。
図6の例では、手段2aは、ロールであり、手段3aは、ブレードである。
【0090】
第1のコータ部分アセンブリ1aの直ぐ隣で、コータアセンブリ1は、別のコータ部分アセンブリ1bを有する。コータ部分アセンブリ1bは、構造群4cを有し、構造群4cには、粒子状の構造材料10を塗布する少なくとも1つの手段2bが配置されている。コータ部分アセンブリ1bは、別の構造群4dをも有し、別の構造群4dには、塗布された粒子状の構造材料10を均す少なくとも1つの手段3bが配置されている。
図6の例では、手段2bは、ロールであり、手段3bは、ブレードである。
【0091】
コータアセンブリ1は、構造域5上を、矢印16で示された方向に移動可能である。コータアセンブリ1は、さらに、従来技術において知られているように、構造域5に対して所定の距離を置いて移動可能である。このようにして、構造域5に対する距離を増減できる。
【0092】
一般的なように、コータアセンブリ1は、層11を連続的に構築するとき、連続的に構造域5から上方へ移動し、その際、この移動は、相応に制御できる。そこで、コータアセンブリ1は、作製された層11の全高の値だけ構造域5から離反可能である。同様に、コータアセンブリ1は、作製された層11の全高の部分値だけ、構造域5から離反可能である。
【0093】
図6に示された構造域5に、既に3つの層11a、11b、11cが作製されている。
図6で左方へ向けられた移動中のコータアセンブリ1が示されている。この移動に際して、第1の部分層13が、第1のコータ部分アセンブリ1aによって作製される。この第1の部分層13の作製は、ロールの手段2aによって、粒子状の構造材料10が事前に作製された層11c上に塗布され、ブレードの手段3aによって均されるように行われる。
【0094】
コータアセンブリ1の同一の移動プロセスで、第2のコータ部分アセンブリ1bによって、第2の部分層14が作製される。第2の部分層14の作製は、手段2bによって、粒子状の構造材料10が、事前に作製された部分層13上に塗布され、手段3bによって均されるように行われる。
【0095】
図6に示されたコータアセンブリ1によって、
図6において例えば右から左への、構造域5上のコータアセンブリ1の移動プロセスで、コータ部分アセンブリ1a又はコータ部分アセンブリ1bによって、粒子状の構造材料10の完全な層11の作製が可能である。
【0096】
第1の選択例では、粒子状の構造材料10の完全な層11の作製は、構造域5上のコータアセンブリ1の移動プロセスで、第1のコータ部分アセンブリ1aによって、第1の部分層13が作製され、第2のコータ部分アセンブリ1bによって、第2の部分層14が作製されるように行われる。その際、完全な層11は、同一の又は異なる割合で、第1の部分層13及び第2の部分層14から構成される。
【0097】
別の選択例では、粒子状の構造材料10の完全な層11の作製は、構造域5上のコータアセンブリ1の移動プロセスで、時間的に先ず層11の全体の厚さが、第1のコータ部分アセンブリ1aによって作製され、その際、第1の粒子状の構造材料10aが使用され、これに続いて第2のコータ部分アセンブリ1bによって、層11の完全な厚さが作製され、その際、第2の粒子状の構造材料10bが使用されるように行える。このプロセスは、
図6において、既に作製された層11aで示されている。このプロセスは、粒子状の構造材料10a及び10bを交換して任意の回数繰り返せる。コータアセンブリ1が例えば3つのコータ部分アセンブリ1a、1b、1cを有する場合、層11の作製を、異なる3つの粒子状の構造材料10a、10b、10cを用いて実施可能である。
【0098】
ゆえに、本発明に係るコータアセンブリ1は、様々な粒子状の構造材料10による層11の作製のみならず、構造域5上のコータアセンブリ1の移動プロセスで複数の部分層13、14による層11の作製を可能にし、その際、2つのだけの部分層への限定は想定されていない。
【0099】
層11を作製するときの、コータアセンブリ1によって生じる可能性の一部が、
図6において、層11a、1b、11cに示されている。
【0100】
本発明の図示の実施形態のそれぞれにおいて、構造域5に粒子状の構造材料10を塗布する手段2と塗布された粒子状の構造材料10を均す手段3とに加えて、粒子状の構造材料10を圧縮する別の手段15が配置されていることが想定され得る。
【符号の説明】
【0101】
1、1a、1b、、、1n 3Dプリンタ/コータアセンブリ/コータ部分アセンブリにおいて粒子状の構造材料の層を作製するアセンブリ
2、2a、2b、、、2n 粒子状の構造材料を塗布する手段/ロール
3、3a、3b、、、3n 粒子状の構造材料を均す手段/ブレード
4、4a、4b、、、4n 構造群
5 構造域
6a、6b 距離
7 第1の均しステップ
8 第2の均しステップ
9 第3の均しステップ
10、10a、10b、、、10n 粒子状の構造材料
11、11a、11b、、、11n 粒子状の構造材料からなる層
12 角度
13 第1の部分層
14 第2の部分層
15 粒子状の構造材料を圧縮する手段
16 矢印
【国際調査報告】