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特表2022-554214固形物用攪拌機ロータおよび攪拌機システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】固形物用攪拌機ロータおよび攪拌機システム
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/072 20220101AFI20221221BHJP
   B01F 27/2322 20220101ALI20221221BHJP
   B01F 27/721 20220101ALI20221221BHJP
   B01F 27/72 20220101ALI20221221BHJP
   B01F 35/95 20220101ALI20221221BHJP
   B01F 23/60 20220101ALI20221221BHJP
   B01F 101/25 20220101ALN20221221BHJP
【FI】
B01F27/072
B01F27/2322
B01F27/721
B01F27/72
B01F35/95
B01F23/60
B01F101:25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524241
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 US2020057118
(87)【国際公開番号】W WO2021081364
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】62/926,133
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517153594
【氏名又は名称】エコジェンサス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ECOGENSUS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】オストヴィク、ビョルヌルフ
(72)【発明者】
【氏名】コステン、マイケル
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4G035AB48
4G037CA05
4G037EA03
4G078AA02
4G078BA01
4G078CA01
4G078DA08
4G078DC08
(57)【要約】
攪拌機ロータ(100)は、シャフト(102)と、複数のレール(104,106)と、ロッド(108)とを含む。シャフト(102)は縦軸を画定する。複数のレール(104,106)はシャフト(102)から半径方向に延びてシャフト(102)に連結されている。複数のレール(104,106)はシャフト(102)の長さに沿って互いに離れている。各レール(104,106)はシャフト(102)の縦軸に対して非ゼロの角度を画定する表面を含む。ロッド(108)は、複数のレール(104,106)のうちの第1のものに連結されている第1端部を含む。ロッド(108)は複数のレール(104,106)のうちの第2のものに連結されている第2端部を含む。シャフト(102)の縦軸に対して垂直な平面へのロッド(108)の第1端部および第2端部の投影が、シャフト(102)の一部分の周りに劣弧を画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
攪拌機ロータであって、
縦軸を画定するシャフトと、
前記シャフトから半径方向に延びて前記シャフトに連結されている複数のレールであって、前記複数のレールは前記シャフトの長さに沿って互いに離れており、各レールは前記シャフトの前記縦軸に対して非ゼロの角度を画定する表面を備える、複数のレールと、
前記複数のレールのうちの第1のものに連結されている第1端部および前記複数のレールのうちの第2のものに連結されている第2端部を備えるロッドであって、前記シャフトの前記縦軸に対して垂直な平面への前記ロッドの前記第1端部および前記第2端部の投影が前記シャフトの一部分の周りに劣弧を画定する、ロッドと、
を備える攪拌機ロータ。
【請求項2】
各レールの前記表面は、前記シャフトの前記縦軸に対して垂直である、請求項1のロータ。
【請求項3】
各レールは、前記シャフトの前記縦軸に対して垂直な中心軸を画定する、請求項1のロータ。
【請求項4】
前記複数のレールのうちの前記第1のものの前記中心軸は、前記複数のレールのうちの前記第2のものの前記中心軸に対して垂直である、請求項3のロータ。
【請求項5】
前記ロッドは中空である、請求項1のロータ。
【請求項6】
前記シャフトの前記縦軸に対して垂直な平面上の前記ロッドの断面は、弧形である、請求項1のロータ。
【請求項7】
前記複数のレールのうちの第3のものに連結されている第1端部と、前記複数のレールのうちの前記第2のものに連結されている第2端部とを備える追加ロッドをさらに備える、請求項1のロータ。
【請求項8】
前記ロッドの前記第2端部および前記追加ロッドの前記第2端部は、前記シャフトの前記縦軸に対して垂直な平面上の前記シャフトの外周の対向する側で、前記複数のレールのうちの前記第2のものに連結されている、請求項7のロータ。
【請求項9】
前記ロッドの前記第1端部および前記追加ロッドの前記第1端部は、前記シャフトの前記縦軸に対して垂直な平面上の前記シャフトの外周の対向する側で、それぞれ前記複数のレールのうちの前記第1のものおよび前記複数のレールのうちの前記第3のものに連結されている、請求項7のロータ。
【請求項10】
前記シャフト、前記複数のレール、前記ロッド、またはその任意の組み合わせは、加熱媒体がそこを通って流れることを可能にするように構成される、請求項1のロータ。
【請求項11】
前記ロッドの少なくとも一部分内に配置されている中空の内側ロッドをさらに備えており、前記内側ロッドと前記ロッドとの間の第1空隙が第1環状部を画定する、請求項10のロータ。
【請求項12】
前記シャフト内に配置されている第2内側ロッドをさらに備え、前記第2内側ロッドは前記複数のレール間に前記シャフトの一部分にわたり延びており、前記第2内側ロッドと前記シャフトとの間の第2空隙は第2環状部を画定する、請求項11のロータ。
【請求項13】
前記ロッドは湾曲したロッドである、請求項1のロータ。
【請求項14】
請求項1の第1ロータおよび請求項1の第2ロータを備える攪拌機ロータシステムを備えるプロセス容器であって、前記第1ロータの前記複数のレールおよび前記ロッドと前記第2ロータの前記複数のレールおよび前記ロッドは、前記プロセス容器の空胴内に配列されて、各ロータが前記ロータの前記縦軸によって画定される前記シャフトを中心に回転するように構成される、プロセス容器。
【請求項15】
前記第1ロータおよび前記第2ロータは、前記プロセス容器の第1端部から前記プロセス容器の第2端部まで、前記空胴内で固形成分を混合しながら進める、請求項14のプロセス容器。
【請求項16】
前記第1ロータおよび前記第2ロータは、前記空胴の中心からずれている、請求項14のプロセス容器。
【請求項17】
固形成分を混合する方法であって、前記方法は、
固形成分をプロセス容器に入れることと、
前記プロセス容器内で前記固形成分を混合するために、少なくとも1つのロータを回転することとを含んでおり、前記少なくとも1つのロータは、
縦軸を画定するシャフトと、
前記シャフトから半径方向に延びて前記シャフトに連結されている複数のレールであって、前記複数のレールは前記シャフトの長さに沿って互いに離れており、各レールは前記シャフトの前記縦軸に対して非ゼロの角度を画定する表面を備えている、複数のレールと、
前記複数のレールのうちの第1のものに連結されている第1端部と、前記複数のレールのうちの第2のものに連結されている第2端部とを備えるロッドであって、前記シャフトの前記縦軸に対して垂直な平面への前記ロッドの前記第1端部および前記第2端部の投影が、前記シャフトの一部分の周りに劣弧を画定する、ロッドと、
を備える、方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのロータは、
前記ロッド内に配置されている内側ロッドであって、前記内側ロッドと前記ロッドとの間の第1空隙が第1環状部を画定する、内側ロッドと、
前記シャフト内に配置されている第2内側ロッドであって、前記第2内側ロッドは前記複数のレール間で前記シャフトの一部分にわたり延びており、前記第2内側ロッドと前記シャフトとの間の第2空隙が第2環状部を画定する、第2内側ロッドと、をさらに備えており、
前記方法は、前記少なくとも1つのロータを回転する間、加熱媒体を前記少なくとも1つのロータを通して流すことをさらに含む、請求項17の方法。
【請求項19】
前記加熱媒体を前記少なくとも1つのロータを通して流すことは、
前記加熱媒体を前記シャフトの中に流すことと、
前記加熱媒体の第1部分を前記シャフトから前記複数のレールのうちの前記第1のものの中まで流すことと、
前記加熱媒体の前記第1部分を前記複数のレールのうちの前記第1のものから前記第1環状部の中まで流すことと、
前記加熱媒体の前記第1部分を前記第1環状部から前記複数のレールのうちの前記第2のものの中まで流すことと、
前記加熱媒体の前記第1部分を前記複数のレールのうちの前記第2のものから前記シャフトの中まで流すことと、
前記加熱媒体の第2部分を前記第2環状部を通して流すことと、
前記加熱媒体を前記シャフトから流し出すことと、
を含む、請求項18の方法。
【請求項20】
ロータであって、
縦軸を画定する第1シャフトと、
前記第1シャフトと整列されているとともに、前記第1シャフトから空間的に離れている第2シャフトと、
前記第1シャフトの端部から半径方向に延びて前記第1シャフトの端部に連結されている第1レールであって、前記第1レールは前記縦軸に対して非ゼロの角度を画定する表面を備える、第1レールと、
前記第2シャフトの端部から半径方向に延びて前記第2シャフトの端部に連結されている第2レールであって、前記第2レールは前記縦軸に対して非ゼロの角度を画定する表面を備える、第2レールと、
前記第1レールと前記第2レールとの間に配置されている第3レールであって、前記第3レールは、前記第1シャフトと前記第2シャフトとの間の空間にあり、前記縦軸と交差している、第3レールと、
前記第1レールに連結されている第1端部と、前記第3レールに連結されている第2端部とを備える第1ロッドであって、前記縦軸に対して垂直な平面への前記第1ロッドの前記第1端部および前記第2端部の投影が第1劣弧を画定する、第1ロッドと、
前記第2レールに連結されている第1端部と、前記第3レールに連結されている第2端部とを備える第2ロッドであって、前記縦軸に対して垂直な平面への前記第2ロッドの前記第1端部および前記第2端部の投影が第2劣弧を画定する、第2ロッドと、
を備える、ロータ。
【請求項21】
前記第3レールは、前記第1ロッドおよび前記第2ロッドに略整列している平面に沿って延びている、請求項20のロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器内で固形成分を混合するための攪拌機ロータおよび攪拌機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
異なるサイズ、形状および密度を有し、異なる材料から作られている多様な固形成分について、所望の混合を実現することは難しい場合がある。大量の固形成分を混合し、成分の重量分布が不均一であるときはより一層困難な場合がある。ある場合には、容器内で固形成分を混合するために設計された大きな表面積を有する平らな扇形のコンポーネントなどの混合ブレードは、異種混合物または摩削性の、またはその他物理的に難しい固形混合物と接触すると、損傷したり、または動きが悪くなったりすることがある。
【発明の概要】
【0003】
本明細書は、固形物用の攪拌機ロータおよび攪拌機システムを記述する。特に、本明細書は、所望の同種性、密度または水分含有量を有する、固形燃料組成物などの組成物を生産するためのプロセス容器のための攪拌機ロータおよび攪拌機システムを記述する。攪拌機ロータおよび攪拌機システムは、供給原材料(例えば、固形廃棄物および他の廃棄物)から所望の組成物(例えば、固形燃料組成物)の生産を容易にすることができる。
【0004】
第1の一般的な態様において、ロータは縦軸を画定するシャフトと、シャフトから半径方向に延びてシャフトに連結されている複数のレールと、複数のレールのうちの第1のものに連結されている第1端部および複数のレールのうちの第2のものに連結されている第2端部を有するロッドとを含む。複数のレールは、シャフトの長さに沿って互いに離れており、各レールはシャフトの縦軸に対して非ゼロの角度を画定する表面を有する。シャフトの縦軸に対して垂直な平面へのロッドの第1端部および第2端部の投影(projection)が、シャフトの一部分の周りに劣弧を画定する。
【0005】
第1の一般的な態様の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を含む。
各レールの表面は、シャフトの縦軸に対して略垂直である。各レールはシャフトの縦軸に対して垂直な中心軸を画定する。複数のレールのうちの第1のものの中心軸は、複数のレールのうちの第2のものの中心軸に対して略垂直である。劣弧は約90°の弧である。ロッドは中空にすることができる。シャフトの縦軸に対して垂直な平面上のロッドの断面は、典型的には多角形である。ある場合には、シャフトの縦軸に対して垂直な平面上のロッドの断面は長方形である。場合によっては、シャフトの縦軸に対して垂直な平面上のロッドの断面は四角形である。シャフトの縦軸に対して垂直な平面上のロッドの断面は、典型的には弧形である。
【0006】
ロッドの表面にフィン(または複数のフィン)が連結され得る。フィン(または複数のフィン)は、典型的にはロッドの表面から半径方向に延びている。場合によっては、フィン(または複数のフィン)はロッドの外面または内面に連結されている。ある場合には、複数のフィンのうちの第1のものはロッドの外面に連結されていて、複数のフィンのうちの第2のものはロッドの内面に連結されている。
【0007】
第1端部を有する追加ロッドが複数のレールのうちの第3のものに連結されて、第2端部が複数のレールのうちの第4のものに連結され得る。第1端部を有する追加ロッドは複数のレールのうちの第3のものに連結されて、第2端部が複数のレールのうちの第2のものに連結され得る。ロッドの第2端部および追加ロッドの第2端部は、シャフトの縦軸に対して垂直な平面上のシャフトの外周の対向する側で、複数のレールのうちの第2のものに連結されている。ロッドの第1端部および追加ロッドの第1端部は、シャフトの縦軸に対して垂直な平面上のシャフトの外周の対向する側で、それぞれ複数のレールのうちの第1のものおよび複数のレールのうちの第3のものに連結されている。
【0008】
シャフト、複数のレール、ロッド、およびこれらの任意の組合せは、少なくとも部分的に中空にして、加熱媒体(例えば、高温の油)がこのようなコンポーネントを通って流れることができるようにし得る。ロータは、中空で、ロッドの少なくとも一部分の中に配置されている内側ロッドを含むことができる。内側ロッドとロッドとの間の第1空隙は、第1環状部を画定し得る。加熱媒体は第1環状部を通って流れることができる。ロータはシャフト内に配置されている第2内側ロッドを含むことができる。第2内側ロッドは複数のレール間にシャフトの一部分にわたり延びている。第2内側ロッドとシャフトとの間の第2空隙は、第2環状部を画定し得る。加熱媒体は第2環状部を通って流れることができる。
【0009】
第2の一般的な態様において、ロータシステムは、第1の一般的な態様の第1ロータと、第1の一般的な態様の第2ロータとを含む。
第2の一般的な態様の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。
【0010】
第1ロータのシャフトおよび第2ロータのシャフトは、互いに一定の空間関係にある。第1ロータおよび第2ロータは、典型的には反対方向に回転するように構成されている。第1ロータの複数のレールのうちの第2のものおよび第2ロータの複数のレールのうちの第2のものは、第1ロータのシャフトの縦軸および第2ロータのシャフトの縦軸に対して垂直な平面に整列することができる。
【0011】
第3の一般的な態様において、プロセス容器は、第2の一般的な態様のロータシステムを含む。第1ロータの複数のレールおよびロッドと第2ロータの複数のレールおよびロッドとは、プロセス容器の空胴に配列されていて、各ロータがロータの縦軸によって画定されるシャフトに対して回転するように構成されている。
【0012】
第3の一般的な態様の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。
第1ロータのシャフトおよび第2ロータのシャフトは、典型的にはプロセス容器の壁を貫通している。第1ロータのロッドおよび第2ロータのロッドは、空胴を画定するプロセス容器の表面に対して規定の間隔が得られるようなサイズにされて、配列されることができる。ある場合には、第1ロータおよび第2ロータは、プロセス容器の第1端部からプロセス容器の第2端部まで、空胴内で固形成分を混合しながら進めるように構成される。場合によっては、ロータは空胴の中心からずれている。
【0013】
第4の一般的な態様は、プロセス容器内に固形成分を加えることと、プロセス容器内で固形成分を混合するために、少なくとも1つのロータを回転することとを含む。少なくとも1つのロータは、シャフト、複数のレールおよびロッドを含む。シャフトは縦軸を画定する。複数のレールはシャフトから半径方向に延びてシャフトに連結されている。複数のレールはシャフトの長さに沿って互いに離れている。各レールはシャフトの縦軸に対して非ゼロの角度を画定する表面を含む。ロッドは複数のレールのうちの第1のものに連結されている第1端部を含む。ロッドは複数のレールのうちの第2のものに連結されている第2端部を含む。シャフトの縦軸に対して垂直な平面へのロッドの第1端部および第2端部の投影が、シャフトの一部分の周りに劣弧を画定する。
【0014】
第4の一般的な態様の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。
少なくとも1つのロータは、内側ロッドおよび第2の内側ロッドを含むことができる。内側ロッドは、典型的にはロッド内に配置されている。内側ロッドとロッドとの間の第1空隙が第1環状部を画定し得る。第2の内側ロッドはシャフト内に配置されている。第2の内側ロッドは複数のレール間でシャフトの一部分にわたり延びている。第2の内側ロッドとシャフトとの間の第2空隙が第2環状部を画定し得る。少なくとも1つのロータが回転する間、加熱媒体(例えば、高温の油)が少なくとも1つのロータを通って流され得る。
【0015】
加熱媒体を少なくとも1つのロータに通して流すことは、加熱媒体をシャフトの中に流すことを含むことができる。加熱媒体を少なくとも1つのロータに通して流すことは、加熱媒体の第1部分をシャフトから複数のレールのうちの第1のものの中まで流すことを含むことができる。加熱媒体を少なくとも1つのロータに通して流すことは、加熱媒体の第1部分を複数のレールのうちの第1のものから第1環状部の中まで流すことを含むことができる。加熱媒体を少なくとも1つのロータに通して流すことは、加熱媒体の第1部分を第1環状部から複数のレールのうちの第2のものの中まで流すことを含むことができる。加熱媒体を少なくとも1つのロータに通して流すことは、加熱媒体の第1部分を複数のレールのうちの第2のものからシャフトの中まで流すことを含むことができる。加熱媒体を少なくとも1つのロータに通して流すことは、加熱媒体の第2部分を第2環状部に通して流すことを含むことができる。加熱媒体を少なくとも1つのロータに通して流すことは、加熱媒体をシャフトから流し出すことを含むことができる。
【0016】
第5の一般的な態様において、ロータは、第1シャフト、第2シャフト、第1レール、第2レール、第3レール、第1ロッドおよび第2ロッドを含む。第1シャフトは縦軸を画定する。第2シャフトは第1シャフトと整列されているとともに、第1シャフトから空間的に離れている。第1レールは第1シャフトの端部から半径方向に延びて第1シャフトの端部に連結されている。第1レールは縦軸に対して非ゼロの角度を画定する表面を含む。第2レールは第2シャフトの端部から半径方向に延びて第2シャフトの端部に連結されている。第2レールは縦軸に対して非ゼロの角度を画定する表面を含む。第3レールは第1レールと第2レールとの間に配置されている。第3レールは第1シャフトと第2シャフトとの間の空間にある。第3レールは縦軸と交差している。第1ロッドは第1レールに連結されている第1端部を含む。第1ロッドは第3レールに連結されている第2端部を含む。縦軸に対して垂直な平面への第1ロッドの第1端部および第2端部の投影が第1劣弧を画定する。第2ロッドは第2レールに連結されている第1端部を含む。第2ロッドは第3レールに連結されている第2端部を含む。縦軸に対して垂直な平面への第2ロッドの第1端部および第2端部の投影が第2劣弧を画定する。
【0017】
第5の一般的な態様の一実施態様において、第3レールは第1ロッドおよび第2ロッドに略整列している平面に沿って延びている。
本明細書に記述される主題は、次の利点の1つ以上を実現するために、特定の実施形態で実施することができる。例えば、様々な実施形態において、攪拌機ロータおよび攪拌機システムは、予測不可能な重量分布を有する大量の非均一な固形成分を含め、大量の固形成分を混合するための所望の強度および耐久性を示す。攪拌機ロータおよび攪拌機システムは、固形物の完全な混合および固形混合物がプロセス容器を通って所望の方向へ移動することを容易にすることができる。攪拌機ロータは、固形混合物のプロセス容器への均一な移動を容易にするとともに、プロセス容器への所望の方向での固形成分の流れを最大化するために、攪拌機ロータの表面とプロセス容器の内壁との間の距離を最小限にするようなサイズおよび形状にすることができ、攪拌機システムはそのように実施することができる。
【0018】
本開示の主題の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および説明に記載されている。主題の他の特徴、態様および利点は、説明、図面および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A図1Aは、攪拌機ロータの実施例の斜視図である。
図1B図1Bは、図1Aの攪拌機ロータの側面図である。
図1C図1Cは、図1Aの攪拌機ロータの端面図である。
図1D図1Dは、図1Aの攪拌機ロータの端面図である。
図2A図2Aは、図1Aの攪拌機ロータの側面図である。
図2B図2Bは、図1Aの攪拌機ロータの側面図である。
図2C図2Cは、図1Aの攪拌機ロータの側面図である。
図2D図2Dは、図1Aの攪拌機ロータの一部分の断面図である。
図2E図2Eは、図1Aの攪拌機ロータの一部分の断面図である。
図3A図3Aは、図1A図1Dの攪拌機ロータを含む攪拌機システムの分解図である。
図3B図3Bは、組み立てられた攪拌機システムの図である。
図3C図3Cは、プロセス容器の分解図を示す。
図3D図3Dは、プロセス容器の端部を示す。
図4図4は、図1A図1Dの攪拌機ロータを有するプロセス容器の一部切断図である。
図5A図5Aは、図1Aの攪拌機ロータの一部分の断面図である。
図5B図5Bは、図5Aの端部部分(B)の拡大像である。
図5C図5Cは、図5Aの端部部分(C)の拡大像である。
図5D図5Dは、側斜視図で示される図1Aの攪拌機ロータの一部分の断面図である。
図6図6は、攪拌機ロータの実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書は、自治体の廃棄物流からの固形廃棄物を含む供給原材料など、固形成分の量を混合するための攪拌機ロータおよび攪拌機システムを記述する。特に、攪拌機ロータおよび攪拌機システムは、プロセス容器内で多様な固形廃棄物を混合するために使用することができる。攪拌機ロータおよび攪拌機システムは、予測不可能な重量分布を有する大量の非均一な固形成分を含め、大量の固形成分を混合するための所望の強度および耐久性を示す。攪拌機ロータおよび攪拌機システムは、固形分の完全な混合および固形混合物がプロセス容器を通って所望の方向へ移動することを容易にすることができる。攪拌機ロータは、固形混合物のプロセス容器への均一な移動を容易にするとともに、プロセス容器への所望の方向での固形成分の流れを最大化するために、攪拌機ロータの表面とプロセス容器の内壁との間の距離が最小限になるようなサイズおよび形状にすることができ、攪拌機システムはそのように実施することができる。
【0021】
図1A図1Dは、攪拌機ロータの実施例を描いている。図1Aに示されるように、攪拌機ロータ100は、中央シャフト102と、シャフトに連結されてシャフトから半径方向に延びているレール104,104’および106と、レールに連結されているロッド108,108’とを含む。いくつかの実施形態において、攪拌機ロータはシャフト、2本のレール、および2本のレールに連結されている1つのロッドを含む。他の実施形態では、攪拌機ロータは、シャフト、3本より多くのレール、および3つより多くのロッドを含み、各ロッドが複数のレールのうちの少なくとも2本に連結されている。攪拌機ロータ100の寸法は任意の特定の用途に合わせることができる。一実施例において、中央シャフト102の長さは2から4メートルの範囲である。中央シャフト102、レール104,104’および106、ならびにロッド108,108’に適した材料は、炭素鋼およびステンレス鋼などの金属を含む。
【0022】
中央シャフト102は、シャフトの長さ方向の中心を通る縦軸lを画定する。図1Aに図示されるように、中央シャフト102は円筒形である。他の実施形態では、シャフトは多角形の断面形状または他の弧形断面形状を有することができる。ある場合には、中央シャフト102は中実である。しかし、ある場合には、中央シャフト102の少なくとも一部分は中空である。コンポーネントが、流体(例えば、気体または液体)が進入または退出することのできる空胴を有する場合、それは中空と考えられる。ある場合には、空胴はコンポーネントの外面に単一の開口を有する。ある場合には、空胴はコンポーネントの外面に複数の開口を有する。ある場合には、中央シャフト102の全長が中空である。一実施例において、中央シャフト102は管状である。
【0023】
レール104,104’および106の各々が、シャフトの縦軸に交差する中心軸cを画定する。図1Aに図示されるように、各レール104,104’および106はシャフトの縦軸に対して垂直な中心軸を画定する。他の実施形態では、各レール104,104’および106は、シャフトの縦軸と斜角を成す中心軸を画定する。図1Aに図示されるように、レール104,104’および106は、シャフトの縦軸に平行な平面に長方形の断面を有する。他の実施形態において、レール104,104’および106は、シャフトの縦軸に平行な平面に弧形または他の多角形の断面を有する。レール104,104’および106は、中実であってもよく、または少なくとも部分的に中空であってもよい。レール104,104’および106はシャフトの長さに沿って互いに離れている。各レールは、シャフトから延びてシャフトの縦軸に対して非ゼロの角度を画定する表面110を含む。図1Aに図示されるように、表面110はシャフトの縦軸に対して垂直である。他の実施形態では、表面110はシャフトの縦軸と斜角を成す。
【0024】
ロッド108,108’の各々は、レール104,104’にそれぞれ連結されている第1端部と、レール106に連結されている第2端部とを有する。シャフトの縦軸に対して垂直な各ロッド108,108’(例えば、ロッドがレールに連結している場所)の断面は、典型的には多角形(例えば、長方形、六角形、八角形)である。多角形の角は丸くし得る。ロッド108,108’は、中実であってもよく、または少なくとも部分的に中空であってもよい。図1C図1Dおよび図5Cに図示されるように、各ロッド108,108’の断面は四角形である。ロッド108,108’は、中実または少なくとも部分的に中空にすることができる。ロッド108,108’は物理的な摩滅および熱損傷を低減するように選択される組成物で被覆され得る。ある場合には、ロッド108,108’は、固形成分のロッドへの付着を低減するように選択される材料で被覆される。適切な被覆材料の例は、少なくとも300℃または350℃までの耐熱性のある鋼、ステンレス鋼、および炭素鋼を含む材料の場合、防錆シリコン系コーティング(例えば、修飾シリコン共重合体)を含む。いくつかの実施形態において、ロッド108,108’は直線形のロッドである。いくつかの実施形態において、ロッド108,108’は湾曲したロッドである。いくつかの実施形態において、ロッド108は直線形のロッドで、ロッド108’は湾曲したロッドである。いくつかの実施形態において、ロッド108は湾曲したロッドで、ロッド108’は直線形のロッドである。
【0025】
いくつかの実施形態において、フィン112はロッド108,108’に連結されている。いくつかの実施形態において、フィン112はロッド108,108’の外面に装着されている。いくつかの実施形態において、フィン112はロッド108,108’によって画定される溝の中に挿入されている。フィン112はロッド108,108’の外面から半径方向に、かつロッド108,108’の長さの少なくとも一部分に沿って延びている。いくつかの実施形態において、フィン112はロッド108,108’から少なくとも2センチメートル張り出している。いくつかの実施形態において、フィン112は細長いフィンである。図1Aに図示されるように、フィン112は縦軸lに向かって半径方向内側に延びている。いくつかの実施形態において、フィン112は縦軸lに対してロッドから接線方向に離れて延びている。一実施例において、フィン112は、ロッドから接線方向に、ロッド108,108’の壁190,190’沿いに攪拌機ロータ100の回転と同じまたは反対の方向に延びている。
【0026】
いくつかの実施形態において、縦フィン113がロッド108,108’に連結されている。いくつかの実施形態において、縦フィン113はロッド108,108’の外面に装着されている。縦フィン113はロッド108,108’の外面から半径方向に、ロッド108,108’の縦方向の長さの少なくとも一部分に沿って延びている。いくつかの実施形態において、縦フィン113はロッド108,108’から少なくとも2センチメートル張り出している。いくつかの実施形態において、縦フィン113は細長いフィンである。図1Aに図示されるように、縦フィン113は縦軸lから半径方向外側に離れて延びている。攪拌機ロータ100がプロセス容器内で回転するときの動作中、縦フィン113は固形材料がプロセス容器の内面に残るのを防止することができるので、固形材料はプロセス容器内で乱流混合され続ける。
【0027】
図1Bは、攪拌機ロータ100の側面図である。図1Bに示されるように、複数のレール104は互いから反対方向に、かつレール106に対して垂直に延びている。ロッド108はレール104と106との間に延びており、ロッド108’はレール104’と106との間に延びている。いくつかの実施形態において、ロッド108,108’は1より多くの平面で湾曲しているので、ロッドの第1端部から第2端部まで平坦な表面が延びていない。
【0028】
図1Cおよび図1Dは、それぞれ駆動側114および押出機側116からの攪拌機ロータ100の端面図である。シャフトの縦軸に対して垂直な平面へのロッド108,108’の投影は、シャフトの一部分についてレール104,104’の中心軸cとレール106の中心軸cとの間に劣弧を画定する。図1Cおよび図1Dに図示されるように、劣弧は約90°である。いくつかの実施形態において、劣弧は約30°から約140°の範囲である。いくつかの実施形態において、劣弧は約60°から約120°の範囲である。いくつかの実施形態において、劣弧は約70°から約110°の範囲である。いくつかの実施形態において、劣弧は約80°から約100°の範囲である。いくつかの実施形態において、劣弧は約85°から約95°の範囲である。図1Cおよび図1Dに図示されるように、ロッド108,108’は四角形の断面を有し、四角形の角が丸くされており、レール104,104’および106は長方形の断面を有し、長方形の角が丸くされている。ロッド108の第1端部はレール104に連結されていて、ロッド108の第2端部はレール106に連結されている。ロッド108’の第1端部はレール104’に連結されていて、ロッド108’の第2端部はレール106に連結されている。このように、いくつかの実施形態において、レール108,108’は1より多くの平面で、シャフトの縦軸に向かって凹むように湾曲して、縦軸の周りにらせん形の一部を形成する。ロッド108,108’の第1端部は、シャフトの縦軸に対して垂直な平面上のシャフト102の外周の対向する端部で、それぞれレール104,104’に連結されている。ロッド108,108’の第2端部は、シャフトの縦軸に対して垂直な平面上のシャフト102の外周(すなわち、円周)の対向する側に、レール106の反対端部に連結されている。
【0029】
図2A図2Cは、攪拌機ロータ100の側面図である。図2Aでは、レール104,104’の中心軸は図面の平面上にあり、レール106の中心軸はレール104,104’の中心軸に対して垂直である。図2Bでは、攪拌機ロータ100は図2Aに対してシャフトの縦軸を中心に90°回転しているので、レール106の中心軸は図面の平面上にあり、レール104,104’の中心軸はレール106の中心軸に対して垂直である。図2Cでは、攪拌機ロータ100は図2Aに対してシャフトの縦軸を中心に180°回転しているので、レール104,104’の中心軸は図面の平面上にあり、レール106の中心軸はレール104,104’の中心軸に対して垂直である。
【0030】
図2Dおよび図2Eは、攪拌機ロータ100の部分の断面図である。図2Dは、図2Aのページの平面上の中央シャフト102、レール104およびロッド108の一部分の断面図である。図2Dに図示されるように、ロッド108は開いた、四角形の断面で、レール104に連結(例えば、溶接)されている。図2Eは、攪拌機ロータの縦軸(図示せず)を中心に押出機側116で270°右回りに回転した、図2Aの攪拌機ロータ100の中央シャフト102、レール106およびロッド108,108’の一部分の断面図である。
【0031】
図3Aは、図1A図1Dの攪拌機ロータ100を複数有する攪拌機システムを含むプロセス容器300の分解図である。図3Aに図示されるように、複数の攪拌機ロータ100は、第1ロータの少なくともレールおよびロッドがプロセス容器300の空胴内に配列されるように位置付けられている。第1ロータのシャフトおよび第2ロータのシャフトは、プロセス容器300の空胴内で一定の空間関係にある。図3Bは、複数の攪拌機ロータ100がプロセス容器に位置付けられた状態のプロセス容器300を図示する。複数の攪拌機ロータ100は、典型的にはプロセス容器300の空胴内で反対方向(例えば、右回りと左回り)に回転するように構成されており、複数の攪拌機ロータ100のレール106は第1ロータのシャフトの縦軸および第2ロータのシャフトの縦軸に対して垂直な平面上に整列されている。他の実施形態では、複数の攪拌機ロータ100はプロセス容器300の空胴内で同じ方向(例えば、両方右回りまたは両方左回り)に回転するように構成されており、複数の攪拌機ロータ100のレール106は第1ロータのシャフトの縦軸および第2ロータのシャフトの縦軸に対して垂直な平面上に整列されている。図3Cは、攪拌機ロータ100の少なくとも一部分がプロセス容器の中に位置付けられている状態のプロセス容器300を図示する。図3Dは、プロセス容器300の端部302を図示しており、攪拌機ロータ100のシャフトがプロセス容器の壁を貫通している。
【0032】
図4は、プロセス容器300の一部切断図であり、攪拌機ロータシステム400が複数の攪拌機ロータ100を含む。図4に図示されるように、攪拌機ロータ100のロッド108,108’は、空胴を画定するプロセス容器の表面に関して規定の間隔が得られるようなサイズにされて、そのように配列される。いくつかの実施例では、間隔は、2cm未満、1cm未満、または0.5cm未満である。ロッド108,108’の断面形状は、ロッドが空胴内で回転するときに、ロッドと空胴を画定するプロセス容器の表面との間に最小限の隙間を維持するように選択される。攪拌機ロータは、プロセス容器の第1端部(駆動側)からプロセス容器の第2端部(押出側)まで、空胴内で固形成分を混合しながら進めるように構成される。攪拌機ロータの縦軸は空胴の中心からずれている。
【0033】
図5Aは、攪拌機ロータ100の一部分の断面図である。図5Aに図示されるように、攪拌機ロータ100の中央シャフト102は中空であるので、加熱媒体(例えば、高温の油)が中央シャフト102を通って流れることができる。いくつかの実施形態において、中央シャフト102は、加熱媒体が、例えば、攪拌機ロータ100の他のコンポーネントを通って、レール104,104’および106に流れるためのポート150を画定する。いくつかの実施形態において、レール104,104’は、加熱媒体をロッド108,108’を通って流すためのポート151,151’を画定する。そのため、いくつかの実施形態において、加熱媒体(例えば、高温の油)は第1端部から第2の反対端部まで攪拌機ロータ全体を通って(すなわち、中央シャフト102、レール104,104’および106、ならびにロッド108,108’を通って)流れる。
【0034】
いくつかの実施形態において、中央シャフト102は、中央シャフト102の内穴内に配置されている内側ロッド103を含む。ある場合には、内側ロッド103は中実である。ある場合には、図5Bに示すように、内側ロッド103は少なくとも部分的に中空である。内側ロッド103と中央シャフト102との間の空隙が、加熱媒体(例えば、高温の油)が流れる環状部を画定する。内側ロッド103と中央シャフト102との間の環状部を通って流れる加熱媒体(例えば、高温の油)は、2つのコンポーネント間の中間媒体として作用し、熱伝達係数を高めることができ、結果として、攪拌機ロータ100内の熱伝達を改善することができる。加熱媒体(例えば、高温の油)を流すための環状部を設けるこの構成は、環状部を通って流れる加熱媒体の速度を(より小さな断面流れ面積を提供することによって)高めることができ、さらに、攪拌機ロータ100から混合される固形成分まで改善された熱伝達のために増大した表面積を提供することもできる。
【0035】
図5Bは、図5Aの攪拌機ロータの選択部分(B)の拡大図である。示されるように、中央シャフト102は、中央シャフト102の内穴内に配置されている第1内側シャフト115を含む。第1内側シャフト115は中空であるため、加熱媒体(例えば、高温の油)は第1内側シャフト115を通って流れることができる。いくつかの実施形態において、第1内側シャフト115はポートを画定するので、加熱媒体は第1内側シャフト115の中空内に流れることができる。例えば、第1内側シャフト115の中空は加熱媒体(例えば、高温の油)を充填することができる。加熱媒体(例えば、高温の油)は攪拌機ロータ100に入って第1内側シャフト115の穴117に流れることができる。加熱媒体(例えば、高温の油)は第1内側シャフト115内から、内側ロッド103と中央シャフト102との間の環状部161まで流れることができる(環状部161の断面図も図5Dに示されている)。加熱媒体(例えば、高温の油)は、第1内側シャフト115内からポート150を通ってレール104’まで流れることもできる。いくつかの実施形態において、環状部162を画定する第1内側シャフト115と中央シャフト105との間に空隙がある。いくつかの実施形態において、第1内側シャフト115と中央シャフト105との間の環状部162は、静的流体(例えば、空気または油)が充填されている。このような実施形態では、静的流体は断熱材を提供して、第1内側シャフト115内を流れる加熱媒体から半径方向外側に中央シャフト105までの熱伝達を低下させることができる。静的流体が充填された環状部を設けるこの構成は、高温(例えば、加熱媒体の温度)に弱いおそれのある近くのコンポーネントを保護することができる。
【0036】
図5Cは、図5Aの攪拌機ロータの選択部分(C)の拡大図である。加熱媒体(例えば、高温の油)は、内側ロッド103と中央シャフト102との間の環状部161からオリフィス152に流れることができる。加熱媒体(例えば、高温の油)は、レール104からポート153にも流れることができる。攪拌機ロータは、(i)内側ロッド103と中央シャフト102との間の環状部内に流れる加熱媒体(例えば、高温の油)と(ii)レール104,104’および106ならびにロッド108,108’を通って流れる加熱媒体との比率を制御するようなサイズおよび形状にされているオリフィス152を含むことができる。加熱媒体(例えば、高温の油)は、さらに、中央シャフト102の内穴内に配置されている第2内側シャフト115’まで流れることができる。第1内側シャフト115と同様に、第2内側シャフト115’は中空であるので、加熱媒体(例えば、高温の油)は第2内側シャフト115’を通って流れることができる。例えば、第2内側シャフト115’の中空は加熱媒体(例えば、高温の油)を充填することができる。加熱媒体(例えば、高温の油)は、第2内側シャフト115’の穴117’から、攪拌機ロータ100を流れ出ることができる。いくつかの実施形態において、第2内側シャフト115’と中央シャフト105との間には、環状部162’を画定する空隙がある。いくつかの実施形態において、第2内側シャフト115’と中央シャフト105との間の環状部162’は静的流体(例えば、空気または油)が充填されている。このような実施形態では、静的流体は断熱材を提供して、第2内側シャフト115’内に流れる加熱媒体から半径方向外側に中央シャフト105までの熱伝達を低下させることができる。
【0037】
図5Dは、攪拌機ロータ100の一部分の断面図である。示されるように、ロッド108は中空であるので、加熱媒体はロッド108の中空空胴を通って流れることができる。ロッド108は、ロッド108の内穴内に配置されている内側ロッド109を含む。内側ロッド109とロッド108との間の空隙が、加熱媒体が流れる環状部160を画定する。内側ロッド109とロッド108との間の環状部160は、内側ロッド103と中央シャフト102との間に形成される薄膜と同様に、熱伝達係数を高めることができ、結果として容器処理中の熱伝達を改善することができる。いくつかの実施形態において、加熱媒体(例えば、高温の油)も内側ロッド109内に流れることができる。例えば、内側ロッド109は加熱媒体(例えば、高温の油)を充填することができる。ロッド108内に配置されている内側ロッド109は、ロッド108’についても実施することができる。例えば、ロッド108’はロッド108’内に配置されている内側ロッド(図示せず)も含むことができる。
【0038】
図6は、攪拌機ロータの実施例を図示する。ある場合には、図6の攪拌機ロータ600は、中央シャフト102の一部分がないことを除き、図1Aから図1Dに示される攪拌機ロータ100と同様である。示されるように、いくつかの実施形態において、中央シャフト102はレール104,104’間には延びていない。
【0039】
本明細書に記述される攪拌機ロータおよび攪拌機システムは、燃料組成物の固形廃棄物の混合に限定されない。例えば、攪拌機ロータおよび攪拌機システムは、供給原材料(例えば、材料の混合物)から他のタイプの組成物を生産するために使用され得る。いくつかの実施形態において、プロセス容器は、供給原材料(例えば、異なる材料の混合物)から所望の組成物(例えば、均一に混合された、または混和された固形組成物)を生産するために使用される。
【0040】
本開示で使用されるとき、「約」または「およそ」という用語は、値または範囲のある程度のばらつき、例えば、記載される値または記載される範囲の限度の10%以内、5%以内、または1%以内を許容することができる。
【0041】
範囲形式で表現される値は、範囲の限度として明示的に挙げられる数値だけを含むのでなく、各数値および部分範囲が明示的に挙げられているようにその範囲内に包含される個々の数値または部分範囲のすべても含むように柔軟に解釈されるべきである。例えば、「0.1%から約5%」または「0.1%から5%」の範囲は、約0.1%から約5%、ならびに示される範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%および4%)および部分範囲(例えば、0.1%から0.5%、1.1%から2.2%、3.3%から4.4%)を含むように解釈されるべきである。「XからY」という表現は、別の指示がない限り、「約Xから約Y」と同じ意味を有する。同様に、「X,YまたはZ」という表現は、別の指示がない限り、「約X、約Yまたは約Z」と同じ意味を有する。
【0042】
本開示は、多くの特有の実施形態の明細を含むが、これらは主題の範囲または請求され得る範囲に対する制限と解釈するのではなく、むしろ特定の実施形態に特有であり得る特徴の記述として解釈されるべきである。別々の実施形態の状況において本開示で記述される一定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の状況において記述される様々な特徴は、多数の実施形態で別々に、または任意の適切な部分組合せで実施することもできる。また、上述される特徴は一定の組合せで作用すると記述され、最初にそのように請求されるとしても、請求される組合せからの1つ以上の特徴は、ある場合には、その組合せから取り除くことができ、請求される組合せは部分組合せまたは部分組合せの変型に向けられ得る。
【0043】
主題の特定の実施形態を記述してきた。他の実施形態、記述される実施形態の変型および入れ替えは、当業者には明らかなように、以下の特許請求の範囲内にある。図面または請求項では特定の順序で動作が表現されているが、これは所望の結果を得るには、そのような動作が示される特定の順序もしくは連続する順序で行われること、または説明される動作のすべてが行われることが要求されると理解するべきではない(いくつかの動作は任意と考えてもよい)。
【0044】
したがって、上述される例示的な実施形態は、本開示を限定または制限するわけではない。本開示の精神および範囲を逸脱することなく、他の変更、代替および変型も可能である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
【国際調査報告】