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▶ フェブレ トランスポール トゥールの特許一覧

特表2022-554218消費量削減コマンドの実行を確認するための方法
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  • 特表-消費量削減コマンドの実行を確認するための方法 図1
  • 特表-消費量削減コマンドの実行を確認するための方法 図2
  • 特表-消費量削減コマンドの実行を確認するための方法 図3
  • 特表-消費量削減コマンドの実行を確認するための方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】消費量削減コマンドの実行を確認するための方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20190101AFI20221221BHJP
   B61L 25/02 20060101ALI20221221BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
B60L3/00 N
B61L25/02
B60L1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524250
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(85)【翻訳文提出日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 FR2020051897
(87)【国際公開番号】W WO2021079061
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】1911940
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512011200
【氏名又は名称】フェブレ トランスポール トゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ オーバン
【テーマコード(参考)】
5H125
5H161
【Fターム(参考)】
5H125AA05
5H125CC04
5H125EE51
5H125EE70
5H161AA01
5H161BB20
5H161DD21
5H161EE20
5H161FF07
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1両の乗客輸送車両の電力消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための方法に関する。この方法は、
-消費量削減コマンド信号を各車両の調整システムに送信するステップ(S1)と、コマンド信号は基準信号によって変調され、
-基準信号に応じて、一連の車両の空調手段によって消費される電力の信号を取得するステップ(S2)と、
-消費量削減コマンドの実行を、一連の車両の空調手段によって消費される電力の前記信号の特性に従って、確認するステップ(S3)とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1両の乗客輸送車両(100a、100b、100c、100d、100e、100f)の電力(315)の消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための方法であって、各車両(100a、100b、100c、 100d、100e、100f)は、温度調整システム及び温度センサーを備え、前記調整システムは、空調手段(105a、105b、105c、105d、105e、105f)に関連付けられ、前記車両(100a、100b、100c、100d、100e、100f)のキャビンの前記温度を前記温度センサーによって前記キャビン内で測定される温度に応じて設定温度に維持するように構成され、前記方法は、
-消費量削減コマンド信号(315)を各車両(100a、100b、100c、100d、100e、100f)の前記調整システムに送信するステップ(S1)と、前記コマンド信号(315)は基準信号(305)によって変調され、
-前記基準信号(305)に応じて前記一連の車両(100a、100b、100c、100d、100e、100f)の前記空調手段(105a、105b、105c、105d、105e、105f)によって消費される前記電力の信号を取得するステップ(S2)と、
-前記消費量削減コマンド(315)の前記実行を前記一連の車両(100a、100b、100c、100d、100e、100f)の前記空調手段(105a、105b、105c、105d、105e、105f)によって消費される電力の前記信号の特性に従って確認するステップ(S3)とを含む、方法。
【請求項2】
前記基準信号(305)に応じて前記空調手段(105a、105b、105c、105d、105e、105f)によって消費される前記電力の前記信号を前記取得するステップ(S2)は、
-前記コマンド信号に応じて前記一連の車両(100a、100b、100c、100d、100e、100f)によって消費される総電力の信号(350)を決定するステップと、
-前記一連の車両によって消費される総電力の前記信号(350)を復調するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送信するステップ(S1)は、時間tにおける前記コマンド信号(315)の値が、前記温度センサーによって同一の時間tで測定された前記温度に加えられるステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記変調されたコマンド信号(315)は、前記消費される電力の前記変動を制御するための信号(310)と前記基準信号(305)の前記合計である、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記取得するステップ(S2)は、
-前記一連の車両(100a、100b、100c、100d、100e、100f)によって消費される総電力の前記信号(350)に前記基準信号(305)を乗算することにより、中間信号(360)を取得するステップと、
-前記中間信号(360)をフィルタリングするステップ(365)とを含む、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記コマンド信号(315)の前記受信は、前記フィルタリングされた中間信号(370)が所定の閾値よりも大きい振幅を有する場合、確認される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記フィルタリング(365)はローパス・フィルターによって実行される、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記決定するステップは、
-前記コマンド信号(305)に応じて、車両のサブセット(320、325、330)の消費される電力の前記信号(335、340、345)を決定するステップと、
-前記サブセット(320、325、330)の前記電力信号(335、340、345)の前記合計により、前記一連の車両によって消費される総電力の前記信号(650)を推定するステップとを含む、請求項2から7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基準信号(305)は正弦波信号である、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記基準信号(305)は、2504秒のオーダーの周期を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基準信号(305)は、0℃と1℃の間、好ましくは0.2℃と0.5℃の間で構成される振幅、また、好ましくは0.2℃に等しい振幅を有する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11の一項に記載の前記方法を実施するように構成された、電力消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための手段を含む、電力消費量を管理するための装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両等の一連の乗客輸送車両の消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための方法に関する。
【0002】
本発明は、特に、電力ネットワークによって供給される、例えば、列車、地下鉄、路面電車、トロリーバスなどの鉄道輸送用の車両の一団に適用される。
【背景技術】
【0003】
理想的には、エネルギー生産センターによって生産される電力量は、すべての電力消費者によって消費される電力量と等しくなければならない。この目的を達成するために、電力消費量の予測が、例えば、毎日、特に運輸部門や鉄鋼製造などの主要な電力消費者に対して行われる。予測によると、予測消費量からの消費量の偏差の管理と同様に、エネルギー生産センターによる電力量の生産は、電力ネットワークを管理する会社によって計画される。
【0004】
電力供給と電力需要のバランスを維持することを任務とする電力ネットワークを管理する会社が、消費量が電力生産量よりも多い1つ又は複数のピーク期間を特定する場合、又は電力消費量が電力生産量よりわずかに多く、追加の生産ユニットの不必要な起動に繋がる状況を特定する場合、会社は負荷管理戦略を確立する。この戦略は、電力の生産量と消費量のバランスを取り戻すために、例えば30分のタイムステップで一時的に電力消費量を削減することで構成される。このように、管理会社によって出された指令を転写する負荷管理コマンドに応じて、電力の大口消費者である産業事業者は、例えば、その電気設備の一部を停止するなどして、それらの電力消費量を削減するよう求められる。
【0005】
現在、乗客輸送、特に鉄道輸送は、フランスで最大の電力消費者の1つである。
【0006】
鉄道車両などの乗客輸送車両では、空調システムは、車両推進システムに次ぐ電力消費量が最も多い機器である。空調によって消費される電力は、特定の時期に季節や天候の変化によって変動するため、車両の全一団の電力消費量を予測することが難しいことがある。したがって、車両の一団が予測よりも多くの電力量を消費する場合、特に消費量のピークがある期間などの重要な期間に過剰消費が行われる場合、一団を運用する会社は電力ネットワークを管理する会社によって不利益がもたらされる。
【0007】
文書FR3011912に記載されているようなシステムが存在し、鉄道車両の一団の空調システムの消費量を遠隔でリアルタイムに削減することができる。それにもかかわらず、負荷管理戦略に統合できるようにするために産業オペレーターに課せられる要件の1つは、管理会社によって出された指令を転写する負荷管理コマンドの実行の証拠を提供できることである。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、管理会社によって出される負荷管理指令に応じて、消費量削減のためのコマンドの実行を確認することを可能にする技術的解決策を提供することを対象とする。
【0009】
これに関連して、本発明は、第1の態様によれば、少なくとも1両の乗客輸送車両の電力消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための方法に関する。各車両は、温度調整システム及び温度センサーを備える。調整システムは、空調手段に関連付けられ、温度センサーによりキャビン内で測定される温度に従って、前記車両のキャビンの温度を設定温度に維持するように構成される。この方法は、
-コマンド信号を各車両の調整システムに送信するステップと、コマンド信号は基準信号によって変調され、
-基準信号に応じて一連の車両の空調手段によって消費される電力の信号を取得するステップと、
-消費量削減コマンドの実行を一連の車両の空調手段によって消費される電力の前記信号の特性に従って確認するステップとを含む。
【0010】
このように、この方法では、基準信号で変調されたコマンド信号を使用することにより、空調手段によって消費される電力を削減するためにコマンドの実行を確認することが可能になる。より具体的には、鉄道車両全体の空調手段によって消費される電力の信号において、基準信号と同様の形態を有する成分を分離することが可能である場合、これは、消費される電力が実際に基準信号によって変調されたコマンド信号に応じて行われたことの確認を構成する。したがって、コマンド信号が電力の変動を制御するための信号、即ち、負荷管理信号を含む場合、この方法では、負荷管理のためのコマンドの受信及び実行を確認し、証拠を管理会社へ提供することが可能になる。
【0011】
基準信号に応じて空調手段によって消費される電力の信号を取得するステップは、
-コマンド信号に応じて、一連の車両によって消費される総電力の信号を決定するステップと、
-一連の車両によって消費される総電力の信号を復調するステップとを含み得る。
【0012】
基準信号に応じて電力の一連の車両によって消費される電力の信号を復調することにより、基準信号(送信されるコマンド信号に含まれる)と同じ所定の特性を有する電力の成分を識別することが可能になる。復調は、例えば、以前に取得された車両の一団の電力消費量の合計に基準信号を乗算することからなり得る。
【0013】
送信ステップは、時間tのコマンド信号の値が、温度センサーによって同一時間tで測定された温度に追加されるステップを含み得る。
【0014】
既知の方法で、空調システムは、キャビンを加熱するか冷却するかにかかわらず、キャビンの温度を設定温度に維持するように構成された調整手段を備えることに留意されたい。一般的に、温度センサーはキャビンの温度を測定する。次いで、この測定された温度を設定温度と比較して、比較の結果に応じて、空調システムのアクチュエータをアクティブ又は非アクティブにし、場合によっては、キャビンを加熱又は冷却して、設定温度に到達することが可能になる。ここで、温度センサーは、時間tにおいて、温度センサーによって測定された温度が、時間tでコマンド信号の温度値によって増加又は減少されるようにバイアスされる。もちろん、信号値は正又は負の場合があり、温度を増減することができる。したがって、これにより、例えば、空調手段が加熱するように構成されている場合に温度センサーによって測定される温度を上げることによって、又は空調手段が、冷却するように構成されている場合に温度センサーによって測定される温度を下げることによって、空調手段により電力消費量を削減することが可能になる。したがって、コマンド信号の値はそれに応じて選択される。コマンド信号の変調に役立つ基準信号は、負荷管理信号と組み合わせて使用しない場合に、温度センサーにバイアスをかけるためのこのシステムへの影響が制限されるように選択される。したがって、信号の振幅は、信号の影響が乗客の快適さに影響を与えないように選択される。
【0015】
変調されたコマンド信号は、消費される電力の変動を制御するための信号と基準信号との合計であり得る。
【0016】
電力の変動を制御するための信号、それは負荷管理信号とも呼ばれるが、管理会社から送信された負荷管理指令を転写する信号である。空調手段に送信される前に、電力の変動を制御するための信号は、空調手段に送信され得るコマンド信号を取得するために、合計することにより、基準信号によって変調される。特にこの変調により、基準信号の特性のおかげで、消費される総電力内で同じ特性を有する成分を識別できるようになる。
【0017】
取得ステップは、
-一連の車両によって消費される総電力の信号に基準信号を乗算することによって中間信号を取得するステップと、
-中間信号をフィルタリングするステップとを含み得る。
【0018】
基準信号を乗算することによって消費される総電力を復調することに加えて、振幅が基準信号に応じて空調手段によって消費される電力に等しい連続信号と高周波成分の信号の合計が取得される。取得された信号を基準信号に応じて消費される電力の信号に制限するために、フィルタリング操作が実行されて、高周波成分の信号が除去される。フィルタリングは、例えば、ローパス・フィルターによって実行され得る。
【0019】
フィルタリングされた中間信号が所定の閾値よりも大きい振幅を有する場合、コマンド信号の受信は確認され得る。所定の閾値は、システム・ノイズの検出による誤確認を回避するように、0より大きく選択される。さらに、所定の閾値は、コマンド信号の振幅と同様に、コマンドを受信する一団内の車両の数を考慮して、空調手段によって消費される予想電力と一致するように選択される。
【0020】
ローパス・フィルターからの出力として、基準信号に応じて消費される電力の信号のみが取得される。したがって、この信号の振幅は、基準信号に応じて空調手段によって消費される電力である。ローパス・フィルターからの出力として取得された信号がゼロであるか、又は所定の閾値(信号がノイズと見なされる又は見なされない開始の限界を象徴する)よりも小さい振幅を有する場合、これは基準信号の電力に対応する消費される総電力の信号の成分がないことを意味する。換言すれば、これは、消費量を削減するためのコマンドが、空調手段によって受信及び/又は実行されていないことを意味する。
【0021】
決定ステップは、
-コマンド信号に応じて、車両のサブセットで消費される電力の信号を決定するステップと、
-サブセットの電力信号の合計により、一連の車両によって消費される総電力の信号を推定するステップとを含み得る。
【0022】
実際のところ、鉄道輸送車両の一団がサブセットによって編成されている特定のケースでは、サブセットで消費される電力が計算される。これにより、代替の実施形態では、サブセットごとの消費量を削減するためのコマンドの実行の確認を取得することが可能になる。
【0023】
基準信号は、正弦波信号又は特性化され得る時間的特性を備えたある特定の信号であってもよい。言い換えれば、基準信号は、特性化され得る時間の経過とともに変化する形を有する。この正弦波信号は、信号が、例えば、昼/夜の交代など、システムの使用から生じる周期及び交代と混同されないように選択された周期を有してもよい。好ましくは、周期は2504秒であってもよい。有利なことに、基準信号の周期は、電力消費量に特徴的な違いがある、昼/夜の交代の高調波と混同されないように選択される。信号は、0℃と1℃の間、好ましくは0.2℃と0.5℃の間で構成される振幅で、また、好ましくは0.2℃に等しい振幅で選択される。振幅は、輸送車両のキャビン又は仕切り客室の温度をあまり変化させないように、乗客の快適さに影響を与えないように(即ち、乗客が知覚できないように)充分に低く選択される。それでも、振幅は、システムから見えるように、また基準信号をシステム・ノイズと混同しないように、充分に高くなければならない。
【0024】
第2の態様によれば、本発明は、前述の方法を実施するように構成される、電力消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための手段を備える、電力消費量を管理するための装置を対象とする。
【0025】
本発明のさらに他の特殊性及び利点は、下記の説明に現れる。
【0026】
例示的な実施形態によれば、本発明が充分に理解され、その利点は、添付の図面を参照して決して限定されない例示的な例として与えられる下記の詳細な説明を読むことでより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施形態による、乗客輸送のための少なくとも1両の車両の電力消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための方法の使用の状況を図式的に示す図である。
図2】一実施形態による、電力消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための方法のステップを示す図である。
図3】コマンド信号の送信から、電力消費量を削減するためのコマンド信号の実行を確認するまでのステップのループを示す図である。
図4】本発明による方法を実施することができる管理システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
前述の図に示される同一の部品は、同一の数値の参照によって識別される。
【0029】
本発明は、電力ネットワークによって供給される乗客輸送車両の分野、特に、それらの車両が都市鉄道輸送用の車両、例えば、地下鉄及び路面電車などの長距離又は短距離の移動専用であるかどうかにかかわらず、鉄道輸送車両の分野での用途を見出す。
【0030】
本発明は、特に、一団又は一連の乗客輸送車両に適用され、各車両は少なくとも1式の空調システムを備える。
【0031】
一般的に、鉄道型乗客輸送車両には、いくつかの空調システムが装備されている。以下、空調システムとは、鉄道車両の1室又は複数のキャビンを冷却又は加熱できるシステムを意味する。乗客輸送車両の各キャビンの空気状態は、空調システムによって調整される。例えば、鉄道車両では、各ワゴンに独自の空気状態を調整する空調システムがある。他の例では、同じ空調システムがいくつかの車両の空気状態を調整することができる。
【0032】
簡潔にするために、この文書では、車両の一団の各乗客輸送車両は単一の空調システムを備えていると見なされる。それにもかかわらず、上記に示すように、車両はいくつかの空調システムを備えることができる。例えば、車両はキャビンと同じ数の空調システムを備えることができるだろう。
【0033】
したがって、以下では、車両の空調システムは、少なくとも1室の車両キャビンと関連する空調システムを指す。さらに、車両の温度は、車両の少なくとも1室のキャビンの温度を指す。
【0034】
図1は、一団又は一連の乗客輸送車両20の電力の消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための方法を使用する状況を示す。
【0035】
図示される実施形態では、確認方法は、地上に置かれる電力消費量を管理するための管理装置10で実施される。他の実施形態では、電力消費量管理装置10は、車両の一団の1両又は複数の乗客輸送車両に搭載され得る。
【0036】
電力消費量管理装置10は、図2を参照して以下に説明する、少なくとも1両の乗客輸送車両の電力消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための方法の実施に必要な手段を備える1台又は複数のサーバーを備える。
【0037】
電力消費量管理装置10は、乗客輸送車両の一団20と同様に、通信手段を介して電力ネットワーク40を管理する会社30のサーバーと通信することができる。
【0038】
特定の状況では、例えば、一連の電力消費者50の電力消費量が所与の瞬間の予測よりも大きい場合、電力ネットワーク40を管理する会社30は、負荷制限又は負荷管理のための指示(又は指令)を電力消費者50へ出す。
【0039】
特に、管理会社30は、各電力消費者50に、所定の値を有するように電力消費量を削減するように指示する。
【0040】
管理会社30からその要求を受信する電力消費量管理装置10は、可能であれば、要求された負荷管理指令を実施するために、電力消費量を削減するための方法を実施するように構成される。
【0041】
乗客輸送車両の一団の場合、電力ネットワーク40の管理会社30は、車両の一団20を利用する会社に一団の消費量を所定の消費量値に削減するように指示する。
【0042】
一実施形態では、ローカル制御装置は、乗客輸送車両に搭載される。これらのローカル制御装置は、それぞれ空調システム(図示せず)に関連付けられる。各ローカル制御装置は、関連付けられた空調システムの電力消費量を測定し、その電力消費量を管理装置10に送信するように構成される。
【0043】
一実施形態では、一団を運用する会社によって確立される負荷管理戦略に従って、消費量の削減がただ1両の車両、一部の車両、又は一連の車両だけに関係することは可能である。したがって、車両20を運用する会社は、管理会社30によって出される負荷管理指令に応じて、どの車両を負荷管理戦略に統合するかを選択することができる。
【0044】
これらのローカル制御装置は、電力消費量を測定するための従来の手段を備えるが、ここで説明する必要はない。
【0045】
例えば、電力消費量は、空調システムのアクチュエータ(又は接触器)の起動サイクルを監視することによって測定される。より具体的には、加熱抵抗器、ファン又はコンプレッサーなどのアクチュエータによって消費される電力が知られているので、電力消費量は、アクチュエータの起動サイクルを監視することによって知られる。一例として、30%の起動サイクルで公称電力10kWの加熱抵抗器は、移動平均として3kWを消費する。
【0046】
この実施形態では、管理装置10及びローカル制御装置は、一連の乗客輸送車両20のための電力消費量管理システムを形成する。そのような電力消費量管理システムは、1台又は複数のサーバーからコマンド信号を受信し、そのコマンドに応じて、空調手段によって消費される電力を増加又は削減することができる。
【0047】
図2は、少なくとも1両の乗客輸送車両の電力消費量を削減するためのコマンドの実行を確認するための方法を示す。
【0048】
この方法は、管理装置10によって実施される。管理装置10の実施形態は、図4を参照して説明される。
【0049】
管理装置10は、電力ネットワーク40を管理する管理会社30から負荷管理指示又は要求を受信すると、これらの負荷管理指令を考慮したコマンド信号が鉄道車両の一団に出される。
【0050】
先に説明したように、負荷管理は、鉄道車両の一団のそれぞれに搭載されている空調システムによって消費される電力を削減することを対象にする。各空調システムは、空調手段、温度調整システム、及び温度センサーを備える。調整システムは、空調手段のそれぞれに関連付けられており、また、温度センサーによってキャビン内で測定される温度に従って、車両の1つのキャビンの温度を設定温度に維持するように構成される。
【0051】
空調手段によって消費される電力を削減するために、車両の一団の電力消費量を管理するためのシステムの管理装置10は、乗客輸送車両の少なくとも1両に対して、電力の消費量を削減するためのコマンドを出すことができる。
【0052】
空調手段の消費量を削減する原理は、冬に客室の温度を下げるか、夏にその温度を上げるように測定される温度を変更するために、キャビンに搭載されているセンサーにバイアスをかけることである。これにより、設定温度に到達するために必要とされる消費される電力は削減され、それ故、空調手段の消費量を削減することが可能になる。
【0053】
空調手段の消費量を削減することは、消費量が削減された車両に搭載されるセンサーにバイアスをかける信号の送信に基づいている。したがって、この信号は時間による温度の変化である。各時間tで、信号の値は負荷管理指令に従って電力消費量が削減されるようにキャビンのそれぞれで測定された温度に追加される。
【0054】
ここで、バイアス信号は、消費量を削減するためのコマンド信号と呼ばれ、負荷管理指令に起因する消費される電力の変動を制御する信号と、基準信号と呼ばれるものとから取得される。
【0055】
図2に示されるような方法の送信するステップS1は、消費量を削減するためのコマンド信号を各車両の調整システムに送信することを対象にし、コマンド信号は基準信号によって変調される。
【0056】
消費量を削減するためのコマンド信号315を取得することは、図3に示される。変調されたコマンド信号は、基準信号305によって消費される電力の変動を制御するための信号310を変調することによって取得される。
【0057】
第1の局面では、負荷管理指令は信号に転写され、信号は送信され、その後、車両の一団の電力消費量管理システムで使用され得る。したがって、管理会社30によって出される負荷管理要求に基づいて、消費される電力の変動を制御するための信号310が取得される。これは、時間による温度変動であり、そのときの値は、負荷管理戦略に統合された車両のセンサーにバイアスをかけるために使用される。したがって、負荷管理戦略に統合された車両のそれぞれでは、時間tでのコマンド信号の値が、温度センサーによって同一の時間tで測定された温度に追加される。
【0058】
以上のように、消費される電力の変動を制御するための信号310の温度は、30分のオーダーの短時間で変動することができる。この例には示されていないが、特に空調手段105a、105b、105c、105d、105e及び105fが冷却するように構成されている場合、温度は負になることがある。
【0059】
消費される電力の変動を制御するためのこの信号310は、次に、基準信号305で変調される。ここでの変調とは、消費される電力の変動をその最初の非周期的なタイムスロット形式からその送信用に構成される形式へ制御するための信号310、次いで、車両の一団によって消費される総電力におけるその署名の識別のための信号310の変換を意味する。ここで、変換は、基準信号305での消費される電力の変動を制御するための信号310の合計である。
【0060】
基準信号305は、特に、コマンド信号に署名、即ち、特定の記号又は形式を導入するために使用される信号であり、一連の車両によって消費される電力の信号で再び見つけることができる。
【0061】
基準信号305は、ここでは、例として、その特性、周期、及び振幅が以下のように選択される正弦波信号である。
-振幅:振幅は充分に小さくする必要がある。これは、基準信号305が消費される電力の変動を制御するための信号に付加されるため、温度である基準信号の振幅は乗客の快適さに影響がないよう可能な限り小さいことが必要であるからである。また、基準信号がシステムの解像度と互換性があるように、即ち、車両の一団の電力消費量を管理するためのシステムによって測定可能で識別可能であるように充分に高くなければならない。基準信号305は、0℃と1℃の間、好ましくは0.2℃と0.5℃の間で構成される振幅で、好ましくは0.2℃に等しい振幅で選択される。
-周期:周期は、空調手段105a、105b、105c、105d、105e、及び105fの反応時間よりも長くなるように寸法設定される必要がある。さらに、この周期に関連する周波数は、事前にシステムに存在してはならない。例えば、昼/夜の交代は、消費される電力スペクトルでとてもよく目に見える周波数であるため、それ故、選択される周期はそれとは異なる必要がある。さらに、周波数は、サーバーで車両によって消費される電力の復調が高すぎない積分時間に対して充分に高くなければならない。2500秒のオーダーの周期により、上記の基準を満たすことが可能になる。特に、テストでは2504秒の値が選択される。
【0062】
次いで、消費量削減コマンド信号315が取得される。これは、例えば、無線送信手段によって負荷管理戦略に統合された車両に送信される。図3に示すように、消費量削減コマンド信号は一団のすべての車両に送信される。
【0063】
図2の取得するステップS2は、基準信号305に応じて、一連の車両の空調手段105a、105b、105c、105d、105e及び105fによって消費される電力の信号を取得することを対象とする。
【0064】
このために、第1の局面では、コマンド信号に応じて一連の車両によって消費される総電力の信号が決定される。
【0065】
車両の一団は、サブセット320、325、及び330に編成することができ、コマンド信号315に応じて、車両のサブセット320、325、及び330で消費される電力の信号335、340、及び345が決定される。一連の車両によって消費される総電力の信号350は、サブセット320、325、及び330のすべての消費された電力335、340、及び345を合計することによって取得される。
【0066】
コマンド信号315に応じて一連の車両によって消費される総電力の信号350が取得されるとすぐに、信号350は復調される。
【0067】
一連の車両によって消費される総電力の信号350の復調は、信号に基準信号305を乗算することによって実行される。次いで、中間信号360が取得される。
【0068】
この方法の図2の確認するステップS3は、一連の車両の空調手段によって消費される電力の前記信号の特性に従って、消費量削減コマンドの実行を確認することを対象とする。
【0069】
このために、中間信号360がフィルタリングされ、フィルターから出力された結果を閾値と比較して、コマンド信号が受信されたかどうかを確認する。
【0070】
実際のところ、車両100a、100b、100c、100d、100e、及び100fの空調手段105a、105b、105c、105d、105e、及び105fによって受信されるコマンド信号は、下記の様式の基準信号305で復調される。
数式1 ref_signal=2sin(α)
【0071】
次いで、コマンド信号に応じて、空調手段105a、105b、105c、105d、105e及び105fによって消費される電力は、下記の様式になる。
数式2 poweraircon=Asin(α)
【0072】
したがって、一連の車両100a、100b、100c、100d、100e及び100fによって消費される総電力350は、パワー・エアコン(poweraircon)の数式に等しい成分を含む。
【0073】
一連の車両100a、100b、100c、100d、100e及び100fによって消費される総電力350は、一連の車両100a、100b、100c、100d、100e及び100fの空調手段、パワー・エアコン(poweraircon)によって消費される電力と、車両100a、100b、100c、100d、100e、及び100f(例えば、牽引、搭載及びその他の機器など)の他のシステムによって消費される電力、パワー他のもの(powerothers)の合計として表され得る。
【0074】
次いで、基準信号305が乗算される、一連の車両100a、100b、100c、100d、100e及び100fによって消費された総電力は、次の様式である中間信号360に等しい。
【0075】
数式3 powertotal×refsignal
=poweraircon×refsignal+powerothers×refsignal
=2Asin2α+powerothers×refsignal
=A+Acos2α+powerothers×refsignal
2sinα-=(1-cos(2α))/2で、
【0076】
次いで、中間信号360は、フィルターからの出力時に高周波成分が除去されるようにフィルタリングされる。これは、例えば、ハイパス・フィルターを使用してフィルタリング365してもよい。空調手段によって受信されるコマンドが実際に基準信号305によって変調される場合、componentshigh frequencies=Acos2α+powerothers×refsignalとして表される高周波成分は、連続信号がAに等しい出力として取得されるように信号から削除される。これは、基準信号305に応じて空調手段105a、105b、105c、105d、105e及び105fによって消費される電力370である。
【0077】
空調手段によって受信されるコマンド信号が、変調によってローパス・フィルターから出力された基準信号を含まない場合、信号はゼロ又はシステム・ノイズに等しい。実際のところ、基準信号によって変調されるコマンド信号に応じて空調手段によって消費される電力を表すAsinαに等しい成分は見出されていない。この成分がないと、フィルターから出力される連続成分を取得することはできない。
【0078】
確認は、所定の閾値での基準信号305に応じて、空調手段105a、105b、105c、105d、105e及び105fによって消費される電力370の比較の結果に依存する。
【0079】
したがって、システムから出力されるノイズ・レベルを表す閾値を選択することができる。また、コマンド信号に応じて消費される電力の平均値を上流で計算することにより、その値(又は隣接する値)を閾値として使用することもできる。これにより、信頼できる確認レベルを有することが可能になる。
【0080】
したがって、基準信号305に応じて、空調手段105a、105b、105c、105d、105e及び105fによって消費される電力370に等しい連続信号を、所定の閾値よりも大きく取得することにより、コマンド信号315、即ち、基準信号305によって変調された電力310の変動を制御する信号は、消費される電力の信号の様式が予想通りである、即ち、poweraircon=Asinαの様式の成分を含むという条件で、実際に空調手段によって受信及び実行されることを確認することができる。
【0081】
可能な限り正確な確認を確実に行うためには、充分に長い積分期間が必要である。
【0082】
ここに示した例では、周期が2504秒の基準信号305を使用し、それぞれが4台のワゴンを備える1000両の列車の一団によって消費される電力の信号を表す例では、1日の積分期間により10%の精度を有することが可能になり、一方、10日の積分期間により1%の精度を有することが可能になる。
【0083】
このため、電力310の変動を制御するための信号がゼロである、即ち、管理会社30によって負荷管理指令が出されていないにもかかわらず、基準信号305が空調手段に継続的に送信される。
【0084】
すでに言及したように、基準信号305は、例では0.2℃に等しいあまり大きくない振幅を有し、その結果、センサーのバイアスとして使用されるが、この変動は乗客の快適さに影響を及ぼさない。
【0085】
この例では、車両100a、100b、100c、100d、100e及び100のサブセット320、325、330は、それらの地理的位置及びそれらの地理的位置の気候条件に従って構成され得る。確かに、天候が穏やかであるか否か応じて、したがって空調手段が作動しているか否か応じて、消費量の削減はより高く又はより低くなることがある。実際のところ、天候に特徴がない場合、空調手段はほとんど使用されないか、まったく使用されないため、負荷管理指令に応じた消費量の削減は制限される。負荷管理の可能性は低いと言える。それは、負荷管理指令の実行前に、空調手段の接触器(又はアクチュエータ)の作動時間を根拠として使用して、消費された電力に従って評価することができる。
【0086】
したがって、負荷管理の可能性に応じて、サブセットを作成することができ、その負荷管理の可能性を考慮して、電力の変動の制御信号310を各サブグループに対して決定することができる。
【0087】
図4は、本発明による消費量削減コマンドの適切な実行を確認するための方法を実施することができる電力消費量の管理装置10の例の概略図である。
【0088】
電力消費量を管理するための管理装置10は、例えば、本発明による車両の一団20の消費量削減のためのコマンドの適切な実行を確認するための方法を実施するために必要な手段を組み込んだ1台又は複数のサーバーである。
【0089】
管理装置10は、
-図面でCPU(“中央処理装置”)と示され、1つ又は複数のプロセッサを含むことができる処理装置11と、
-例えば、ROM(“読み取り専用メモリ”)、EEPROM(“電気的消去可能読み取り専用メモリ”)、又はフラッシュ・メモリなどの不揮発性メモリ12と、
-揮発性メモリ13又はRAM(“ランダム・アクセス・メモリ”)と、
-ユーザは、グラフィカル・インターフェースを介してシステムと対話することができる、例えば、スクリーン、キーボード、マウス、又はタッチ・スクリーン又はリモート・コントロールなどの別のポインティング・デバイスで、図面でI / Oと示される入力/出力インターフェース14と、
-ネットワークを介して、電力ネットワーク40を管理する会社30のサーバー及び乗客輸送車両の一団20と通信するように構成され、図面でCOMと示される通信インターフェース又は通信手段15とに接続される通信バス100を備える。
【0090】
一実施形態によれば、管理装置10の通信手段15は、電力ネットワーク40を管理する会社30及び乗客輸送車両からデータを受信するための手段を備える。このデータは、例えば、一連の車両によって消費される電力を表す消費情報、電力ネットワーク40を管理する会社30からの負荷管理の要求若しくは指令、又は車両の少なくとも1室のキャビンの温度に関する情報であり得る。
【0091】
さらに、管理装置10の通信手段15は、電力消費量を削減するためのコマンドを少なくとも1両の乗客輸送車両又はすべての車両の一団に送信するための送信手段を備える。
【0092】
揮発性メモリ13は、本発明による確認方法の実施のための命令を含むコンピュータ・プログラムの実行中に作成及び変更された変数及びパラメータの記録のために構成されたレジスタを備える。不揮発性メモリ12に格納されるプログラムの命令コードは、それらが処理ユニットCPU110によって実行されるために、RAMメモリ13にロードされる。
【0093】
不揮発性メモリ12は、例えば、EEPROMタイプの再書き込み可能メモリ、又は本発明の意味による媒体を構成することができる、即ち、確認方法の実施のための命令を含むコンピュータ・プログラムを含むことができるフラッシュ・メモリである。
【0094】
電力消費量管理装置10は、受信するすべての消費情報に基づいて、コマンド信号(言い換えれば、所与の時間における全体消費)に応じて一連の車両によって消費される総電力を決定するように構成される決定手段と、一連の車両20の中から選択される一部の車両に対してそれぞれ一連のコマンドを生成するように構成される生成手段とをさらに備え、これは負荷管理指令に応答するか、又は応答しない。
【0095】
一実施形態によれば、生成手段は、コマンドが提供される車両のグループに従ってコマンドを生成するように構成される。例えば、車両の地理的位置に応じて、特に気候条件が穏やかで、空調手段の消費量が少ない場合、又は、非常に寒い若しくは非常に暑い、また空調手段の消費量が多い場合、コマンドは異なるかもしれないし、消費量削減の可能性はこれら2つの状況では異なる。また、負荷管理指令が管理会社30から出されていない場合は、生成手段は基準信号に等しいコマンドを生成し続けるように構成され得る。
【0096】
管理装置10は、管理会社から受信した負荷管理指令に従って、消費される電力の変動を制御するための信号(負荷管理信号)を生成するための手段をさらに備える。管理会社は、負荷管理指令を、例えば、削減率の形式で送信するか、又は車両の一団が達成する目標消費量電力の形式で送信する。したがって、生成手段は、管理会社の負荷管理指令を、電力消費量管理システムによって使用され得る信号に転写するように構成される。
【0097】
また、管理装置10は、信号用の変調手段16及び復調手段17を備える。先に説明したように、これらの変調手段16は、基準信号を使用して消費される電力の変動を制御するための信号の変調を実行することができる。これらの変調手段16は、例えば、消費される電力の変動を制御するための信号と基準信号を合計するように構成される加算器であってもよい。復調手段17は、一連の車両の一団によって消費される電力の信号の復調を実行することができる。これらの復調手段17は、例えば、一連の車両の総電力消費量の信号に基準信号を乗算する乗数であってもよい。
【0098】
さらに、管理装置10は、高周波成分を中間信号から除去するように中間信号をフィルタリングできるフィルタリング手段18を備える。これは、例えば、ローパス・フィルターであり、そのカットオフ周波数は、中間信号の高周波成分を減衰させるように調整される。
【0099】
したがって、上記の手段のおかげで、管理装置10は、電力消費量を管理するための方法を実施することができる。この方法を実施することにより、全車両の一団の空調システムは、車両の使用状態や使用状況を考慮して、電力ネットワークを管理する会社から来る負荷管理要求に応じて、一団の全体電力消費量をリアルタイムに削減するように制御される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】