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  • 特表-シャツの背面 図1a
  • 特表-シャツの背面 図1b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】シャツの背面
(51)【国際特許分類】
   A41B 1/08 20060101AFI20221221BHJP
   A41B 1/00 20060101ALI20221221BHJP
   A41D 31/00 20190101ALI20221221BHJP
【FI】
A41B1/08 Z
A41B1/00 Z
A41D31/00 502C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524280
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(85)【翻訳文提出日】2022-05-12
(86)【国際出願番号】 EP2020079983
(87)【国際公開番号】W WO2021083816
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】01363/19
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521074106
【氏名又は名称】エックス-テクノロジー スイス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ランベルツ,ボド
(57)【要約】
本発明は、縫い目(13)によって肩の領域で及び胴に沿って互いに縫い合わされた前部カバー面(I)及び後部カバー面(II)を有するシャツに関し、シャツカラー(15)及び2つの袖(16)は、前部カバー面と後部カバー面(II)との間で縫い付けられ、前部カバー面は、ほんのわずかなパターンの使用にも関わらず、異なる着用者の衣類のサイズに適応可能である、及び/または異なる着用者が着用できる、織布の少なくとも1つの布地部分を有する。これは、後部カバー面(II)が、シャツカラー(15)と袖(16)の袖切り抜きの高さ(H)の少なくとも4分の1との間で肩/腕部分に伸縮性のニットから形成されるという事実によって達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫い目(13)によって肩の領域で及び胴に沿って互いに縫い合わされた前部カバー面(I)及び後部カバー面(II)を有するシャツ(1)であって、シャツカラー(15)及び2つの袖(16)が、前記前部カバー面(I)と前記後部カバー面(II)との間で縫い付けられ、前記前部カバー面(I)が、織布から作られた少なくとも1つの布地部分を有し、
前記後部カバー面(II)が、前記シャツカラー(15)と前記袖(16)の袖切り抜きの高さ(H)の少なくとも4分の1との間で肩/腕部分に伸縮性のあるニットから形成され、前記伸縮性のあるニットがニット部分(2)を形成することを特徴とする
シャツ(1)。
【請求項2】
前記ニット部分(2)の高さが、前記袖(16)の前記袖切り抜きの前記高さ(H)の半分以上である、請求項1に記載のシャツ(1)。
【請求項3】
前記ニット部分(2)が、前記ニットパターン及び/または編み糸の材料を選ぶことによって選択され、その結果前記ニット部分(2)が、少なくとも一方向で10%と最大40%との間で伸縮自在となるようにデザインされる、先行請求項のいずれか1項に記載のシャツ(1)。
【請求項4】
前記ニット部分(2)が、少なくとも1本の編み糸の縫い目のないニットとしてデザインされる、先行請求項のいずれか1項に記載のシャツ(1)。
【請求項5】
前記ニット部分(2)が、基本布地(21)から突出する布地リブ(20)を有する前記基本布地(21)から作られるリブ付き構造を有し、前記ニット部分(2)のニットパターンとは異なるニットパターンを有するニット気候条件順応領域が、前記シャツの着用者の脊柱に平行に前記ニット部分(2)に編み込まれる、先行請求項のいずれか1項に記載のシャツ(1)。
【請求項6】
前記布地リブ(20)が前記ニット部分(2)の内側に配置され、前記後続の着用者の皮膚に向かって突出する、請求項5に記載のシャツ(1)。
【請求項7】
前記ニット部分(2)の前記布地リブ(20)が、前記袖(16)の前記袖切り抜き間に延び、前記ニット部分(2)の前記ニットパターンに垂直に前記ニット部分(2)を通って延びるニット気候条件順応領域によって中断される、請求項5に記載のシャツ(1)。
【請求項8】
前記ニット部分(2)が、前記シャツカラー(15)またはカラー縫い目で、及び前記袖(16)で縫い付けられ、前記ニット部分(2)の前記ニットパターンに垂直に前記ニット部分(2)を通るニット気候条件順応領域を有し、前記ニット部分(2)の残りとは異なるニットパターンを有する、先行請求項のいずれか1項に記載のシャツ(1)。
【請求項9】
前記ニット部分(2)が前記後部カバー面(II)全体を形成する、先行請求項のいずれか1項に記載のシャツ(1)。
【請求項10】
スーツ及びネクタイとともに着用されるビジネスシャツの形のシャツ(1)の前記後部カバー面(II)の少なくとも一部として、縫い目のないニットの形のワンピースニット部分(2)の使用であって、前記ニット部分(2)が、選択されたニットパターン及び前記編み糸の前記材料によって選択され、その結果前記ニット部分(2)が10%を超えて伸縮自在となるようにデザインされ、前記ニット部分(2)が、少なくとも肩/腕部分に、前記シャツカラー(15)と前記袖(16)の袖切り抜きの前記高さ(H)の少なくとも4分の1との間で、前記後部カバー面(II)に形成される、ワンピースニット部分の使用。
【請求項11】
前記ニット部分(2)の前記高さが、前記後部カバー面(II)全体に対応し、前記ニット部分(2)のニットパターンとは異なるニットパターンを有するニット気候条件順応領域が、着用されるとき、前記シャツの着用者の脊柱に平行に前記ニット部分(2)に編み込まれる、請求項10に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫い目によって肩の領域で及び胴に沿って互いに縫い合わされた前部カバー面及び後部カバー面を有するシャツを説明しており、シャツカラー及び2つの袖は、前部カバー面と後部カバー面との間で縫い付けられ、前部カバー面は、織布の少なくとも1つの布地部分を有する。本発明はまた、シャツの後部カバー面の一部として、縫い目のないニットの形のワンピースニット部分の使用も説明する。
【背景技術】
【0002】
シャツは、カラー、前面つまり前部カバー面、背面つまり後部カバー面、及び2つの袖などの複数の個々の布地部分を含む。袖口は、袖に配置され得、1つ以上のポケットは前面に配置され得る。係るシャツは、スーツとともに着用され、通常は、あつらえられる、または種々の異なるサイズで利用可能である。また、ビジネススーツとしても知られ、これらの周知のシャツは、織布面から縫い付けられ、よく知られたシャツの形状を生じさせる。布地面が基礎とする生地は伸縮性があると見なされないので、使用される布地面は、通常可撓ではない。多くの場合、胴の領域、つまり前面及び背面での切れ目は問題である。着用者の大多数にとってシャツカラーサイズが正しい場合も、異なるシャツ着用者の胴は、特に体の横断面において著しく異なるので、前面及び背面の必要な切れ目は大きく異なる。以前は、前面及び背面のパターンは、フィットしたシャツにするために、一定の袖の長さについて異なるサイズでなければならなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先行技術から既知の上述の不利な点は、本明細書に提示されるシャツによって排除される。
【0004】
本発明の目的は、シャツが可能な限り多くの衣類サイズに適合し、前面及び背面に異なるサイズのほんのわずかなパターンしか必要としないように、特別なタイプのシャツ、燕尾服のシャツ及びタキシードのシャツを含む、スーツ及びネクタイとともに着用されるビジネスシャツの形をとるシャツを作成することである。したがって、利用可能にしなければならないシャツサイズはより少なくなるが、それにも関わらず各利用者が適切なシャツを見つけることができるので、係るシャツの製造は大幅に簡略化することができ、流通はより複雑でなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に提示される特徴を有するシャツによって達成される。
【0006】
シャツまたは背面の特徴の組み合わせまたは小さな調整の変形形態は、気候条件順応効果を提供することによってこれらのシャツの着心地の良さをさらに高める。それらは、以下に詳細に説明され、従属請求項に取り入れられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の主題は、添付図面に関連して以下に詳細に説明される。本発明の必要な特徴、詳細、及び利点は、以下の説明から明らかとなり、本発明の好ましい実施形態及びいくつかの追加の特徴または任意選択の特徴が詳細に言及される。
図1a】男性のアウターウェアシャツの前部の斜視図を示す図である。
図1b図1aに係る男性のアウターウェアシャツの背部の斜視図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に例示的に説明されるのは、ビジネス用の男性のアウターウェアシャツ1によって例示されるシャツ1であり、シャツは、肩縫い目12及び胴に沿った側面縫い目13に沿って誘導されて繋げられた前部カバー面I及び後部カバー面IIを有する。
【0009】
すべてのカバー面I、IIは、通常、異なる既知の材料の織布から作られ、互いに縫い合わされる。シャツ1はここで、それによりシャツIを閉じることのできる接続プラケット14を有し、プラケットは特に前部カバー面Iまたは後部カバー面IIでボタンプラケット14の形をとる。シャツカラー15は、異なる構成の開口部を形成し、カバー面I、IIに縫い付けられる。カバー面I、IIはそれぞれ、着用されるとき、着用者の皮膚に直接的に面する内面10、及び外面11を有する。袖16は、袖縫い目160によってカバー面I、IIに取り付けられ、追加の袖口17は袖16に配置される。
【0010】
この場合、肩縫い目12を含む肩領域は、シャツカラー15から袖16または袖縫い目160に延びる。肩縫い目12は、前部カバー面及び後部カバー面I、IIを繋ぐ。シャツ1が着用されるとき、肩領域は、着用者の首から僧帽筋の部分に沿って肩の筋肉または肩関節に延びる。シャツカラー15の下で、下方に、後の着用者の臀部に向かって、ニット部分2が後部カバー面IIの部分として延びる。ニット部分2は、シャツカラー15の下から広がり、着用者の首と肩関節との間の肩の領域に及び、図1bに示されるように、着用者の皮膚の上にある。ニット部分2は、織布とは対照的に伸縮性のあるニットの形をとる。
【0011】
シャツカラー15と袖16との間に延びるニット部分2は、縫い付けによって取り付けられる。既存の縫い目、つまり肩縫い目12、側面縫い目13、袖の縫い目160、及びシャツカラー15への縫い目を使用することが可能である。
【0012】
ニット部分2は、好ましくは肩部分/袖部分で、シャツカラー15の間で、及び縫い目まで縫い付けられた袖の高さで、後部カバー面IIの部分として延び、伸縮性のあるニットによって形成される。ニット部分2の高さは、図1bで、袖16の袖切り抜きの高さHの少なくとも1/4の高さであり、ニット部分2の高さは、袖切り抜きの高さHの約半分である。袖切り抜きの高さHは、袖切り抜きの最も遠い点間の最大距離である。
【0013】
皮膚炎を回避し、所望される効果を最も有利に達成するために、ニット部分2は、少なくとも1本の編み糸の縫い目のないニットとしてデザインされる。特に好ましくは、リブ付き構造が、そこから突出する布地リブ20を有する、図1bで濃い陰影が付けられた基本布地21からデザインされ得る。布地リブ20は、ニット部分2の内側に配置され、このようにして着用者の皮膚に向く場合もあれば、反対方向に配置される場合もある。布地リブ20は、適切な編物方法によって形成され、布地リブ20の突出する端部は、可視で基本布地21から離間している。基本布地21及び複数の布地リブ20を含む、リブ付き構造を備えたニット部分2を作成するためのニットタイプ及びニットパターンは、当業者に既知である。
【0014】
リブ付き構造及び該複数の布地リブ20を有する、「縫い目のない」ニットとして知られている係るニットは、ニットパターンに応じて、少なくとも10%から40%の、伸長方向で、高いストレッチ性を有する。特に、ストレッチ性は、50%と約100%との間で選択されてもよい。したがって、参照されているものは、少なくとも1方向で10%以上のストレッチ性を有する伸縮性のあるニットである。伸縮性のあるニットは、少なくとも単層となるようにデザインされる。着心地の良さの向上は、ニット部分2のおかげで達成され、シャツ1は、シャツの着用者の体の輪郭に少なくとも部分的に適合できる。
【0015】
ニット部分2は、定められた範囲で伸縮自在である。ニット部分2は、ストレッチ性及び後部カバー面IIへの統合のために皮膚にぴったりと適合することができる。ニット部分2は、好ましくは、シャツカラー15またはカラー縫い目に、及び袖16に、袖縫い目160に取り付けられ、特に縫い付けられる。しかしながら、ニット部分2はまた、後部カバー面IIの面全体を形成してもよい。
【0016】
ニット部分2は、1つ以上の層で編み込まれ、好ましくは、異なる合成繊維及び/または天然繊維の編み糸を含む。ニット部分2はまた、後部カバー面II全体を置き換え、ニット後部カバー面IIを生じさせ得る。
【0017】
着心地の良さをさらに高めるために、上述のように、伸縮性のあるニットとしてデザインされたニット部分2は、着用されるとき、着用者の背骨に平行に編まれるニット気候条件順応領域をさらに有する場合がある。ニット部分2に沿って中心を通るニット部分2の気候条件順応領域は、図1bに示されていない。ただし、気候機構順応領域は、対向する袖16の間でニット部分2の全幅にわたって通るのではなく、むしろ最大で10センチメートル、着用者の背骨の範囲に重なる。気候条件順応領域でのニットパターンは、色または意図によってだけではなく、ニット部分2の残りのニットパターンと異なる。ニットパターンは、気候条件順応効果、つまり着用されるとき、着用者の背骨の領域での換気及び/または吸湿の改善または断熱の改善を有するように選択される。好ましくは、気候条件順応領域のニットパターンは、ニット部分の残りのニットパターンに比べて粗い、つまり編まれたステッチ間により大きい空の空間を有する。これらのより大きい空間は、水分及び/または空気をより容易に逃すことを可能にする。しかしながら、気候条件順応領域でのより詰まったニットパターンを提供することも可能であり、それによって水分はよりよく結合され、体から逃される。気候条件順応領域のこれらの気候条件順応特性は、ニットパターン2とは異なるニットパターンにより達成され、一方、同じ糸を使用することができる。気候条件順応領域は、いずれの場合も袖縫い目160から離間され、脊柱にほぼ平行にニット部分2に沿ってシャツカラー15から離れて延びる。ニット部分2は、むしろ滑らかな編まれたメッシュパタンを有し、依然として十分に伸縮性があるが、気候条件順応領域は、これとは異なるニットパターンを有する。気候条件順応領域は、気候条件順応効果を達成するために、このようにしてニット部分2の残りよりも着用者の皮膚表面からより遠く離れ得る。
【符号の説明】
【0018】
1 シャツ
I 前部カバー面
II 後部カバー面
10 カバー面の内面
11 カバー面の外面
12 肩縫い目
13 側面縫い目
14 接続プラケット/ボタンプラケット
15 シャツカラー
16 袖
160 袖縫い目
17 袖口
2 ニット部分
20 布地リブ
21 基本布地
図1a
図1b
【国際調査報告】