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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】冷凍可能な断熱クレートライナー
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/18 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
B65D81/18 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524282
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 US2020057102
(87)【国際公開番号】W WO2021081355
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】62/926,259
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/948,901
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/072,994
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/073,004
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511250415
【氏名又は名称】パックイット エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(72)【発明者】
【氏名】キーリング,メリッサ
(72)【発明者】
【氏名】エカルマ,ローランド
(72)【発明者】
【氏名】グロス,ケネス
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067BA01C
3E067BA13B
3E067BB05B
3E067BB12B
3E067BB14B
3E067BB25B
3E067CA07
3E067CA18
3E067EA23
3E067EE01
3E067EE11
3E067FC01
3E067GA01
(57)【要約】
本願は、包括的には、物品を輸送する装置及び方法に関し、より具体的には、生鮮食品等の温度管理される物品の配送に使用されるクレートライナーに関する。本願のクレートライナーは、ライナー内の温度管理される環境を維持するように断熱される。本願のクレートライナーは、不使用時にクレートライナーを保管するのに必要なスペースを最小限にするように畳むことが可能である。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍可能なライナーであって、
開口部を介してアクセス可能な内部キャビティを画定するように協働して組み立てられる複数のパネルを備え、該複数のパネルは、少なくとも底面パネルと、後面パネルに対向する前面パネルと、1対の対向する側面パネルとを含み、
該ライナーは、前記前面パネル及び前記後面パネルを前記内部キャビティ内に折り曲げるとともに、前記底面パネルを前記開口部に向かって折り曲げることによって、畳まれた形態に折り畳まれるように構成され、
前記前面パネル及び前記後面パネルのそれぞれは、1対の角度付き折り目を有し、前記第1の角度付き折り目は、前記対向する側面パネルのうちの第1の側面パネル及び前記底面パネルの近位から鉛直折り目まで延在し、前記第2の角度付き折り目は、前記対向する側面パネルのうちの第2の側面パネル及び前記底面パネルの近位から前記鉛直折り目まで延在し、前記底面パネルは、前記前面パネルと前記後面パネルとの間に延在する水平折り目を有し、該ライナーは、前記前面パネル及び前記後面パネルのそれぞれを、それぞれの前記第1の角度付き折り目、それぞれの前記鉛直折り目、及びそれぞれの前記第2の角度付き折り目に沿って折り曲げるとともに、前記底面パネルを前記水平折り目に沿って折り曲げることによって、前記畳まれた形態に折り畳まれるように構成され、
前記複数のパネルは、前記キャビティの近位の内層と、外層とをそれぞれ備え、前記1対の対向する側面パネルは、その間に補強材と温度管理材料の層との双方を更に備える、冷凍可能なライナー。
【請求項2】
前記温度管理材料は、1つ以上の別個のゲルパックを含む、請求項1に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項3】
前記前面パネル及び前記後面パネルは、前記内層と前記外層との間にある補強材と温度管理材料の層との双方を更に備える、請求項1に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項4】
前記前面パネル、前記後面パネル、及び前記1対の対向する側面パネルは、前記補強材と前記温度管理材料の層との間に断熱層を更に備える、請求項3に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項5】
前記底面パネルは、前記内層と前記外層との間にある補強材と温度管理材料の層との双方を更に備える、請求項1に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項6】
前記底面パネル及び前記1対の対向する側面パネルは、前記補強材と前記温度管理材料の層との間に断熱層を更に備える、請求項5に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項7】
前記冷凍可能なライナーは、前記底面パネルに取り付けられ、該ライナーが前記畳まれた形態にあるとき、前記対向する側壁のうちの一方の近位に折り曲げられるように構成される内部フラップを更に備え、該内部フラップは、前記キャビティの近位の内層と、外層と、前記内層と前記外層との間にある補強材とを備える、請求項1に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項8】
1対の持ち手ストラップのそれぞれが、前記前面パネル及び前記後面パネルのうちのそれぞれ一方に取り付けられる、請求項1に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項9】
第1の蓋が、前記対向する側面パネルのうちの第1の側面パネルに可動に接続され、前記対向する側面パネルのうちの前記第1の側面パネルに近接する開放位置と、前記開口部が部分的に閉塞される閉鎖位置との間で移動するように構成され、第2の蓋が、前記対向する側面パネルのうちの第2の側面パネルに可動に接続され、前記対向する側面パネルのうちの前記第2の側面パネルに近接する開放位置と、前記開口部が部分的に閉塞される閉鎖位置との間で移動するように構成され、前記ライナーは、前記第1の蓋及び前記第2の蓋をそれぞれの開放位置に配置し、前記前面パネル及び前記後面パネルを前記内部キャビティ内に折り曲げるとともに、前記底面パネルを前記開口部に向かって折り曲げることによって、畳まれた形態に折り畳まれるように構成される、請求項1に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項10】
冷凍可能なライナーであって、
開口部を介してアクセス可能な内部キャビティを画定するように協働して組み立てられる複数のパネルを備え、該複数のパネルは、少なくとも底面パネルと、後面パネルに対向する前面パネルと、1対の対向する側面パネルとを含み、
該ライナーは、前記前面パネル及び前記後面パネルを前記内部キャビティ内に折り曲げるとともに、前記対向する側面パネルを前記内部キャビティ内に折り曲げることによって、畳まれた形態に折り畳まれるように構成され、
前記前面パネル及び前記後面パネルのそれぞれは、前記対向する側面パネルのうちの第1の側面パネル及び前記底面パネルの近位から水平折り目まで延在する第1の角度付き折り目と、前記対向する側面パネルのうちの第2の側面パネル及び前記底面パネルの近位から前記水平折り目まで延在する第2の角度付き折り目と、前記対向する側面パネルのうちの前記第1の側面パネル及び前記開口部の近位から前記水平折り目まで延在する第3の角度付き折り目と、前記対向する側面パネルのうちの前記第2の側面パネル及び前記開口部の近位から前記水平折り目まで延在する第4の角度付き折り目とを有し、前記対向する側面パネルのそれぞれは、前記底面パネルに対して平行に延在する水平折り目を有し、該ライナーは、前記前面パネル及び前記後面パネルのそれぞれを、それぞれの前記第1の角度付き折り目、それぞれの前記第2の角度付き折り目、それぞれの前記水平折り目、それぞれの前記第3の角度付き折り目、及びそれぞれの前記第4の角度付き折り目に沿って折り曲げるとともに、前記対向する側面パネルをそれぞれの前記水平折り目に沿って折り曲げることによって、前記畳まれた形態に折り畳まれるように構成され、
前記複数のパネルは、前記キャビティの近位の内層と、外層とをそれぞれ備え、前記底面パネル及び前記対向する側面パネルは、その間に補強材と温度管理材料の層との双方を更に備える、冷凍可能なライナー。
【請求項11】
前記温度管理材料は、1つ以上の別個のゲルパックを含む、請求項10に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項12】
前記前面パネル及び前記後面パネルは、前記内層と前記外層との間にある補強材と温度管理材料の層との双方を更に備える、請求項10に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項13】
前記前面パネル、前記後面パネル、及び前記1対の対向する側面パネルは、前記補強材と前記温度管理材料の層との間に断熱層を更に備える、請求項12に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項14】
前記冷凍可能なライナーは、前記前面パネルに取り付けられ、該ライナーが前記畳まれた形態にあるとき、前記底面パネルの近位に折り曲げられるように構成される第1の内部フラップと、前記後面パネルに取り付けられ、該ライナーが前記畳まれた形態にあるとき、前記底面パネルの近位に折り曲げられるように構成される第2の内部フラップとを更に備え、前記第1の内部フラップ及び前記第2の内部フラップのそれぞれは、前記キャビティの近位の内層と、外層と、前記内層と前記外層との間にある補強材とを備える、請求項10に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項15】
前記冷凍可能なライナーは、前記対向する側面パネルのうちの第1の側面パネルに可動に接続され、前記対向する側面パネルのうちの前記第1の側面パネルに近接する開放位置と、前記開口部が部分的に閉塞される閉鎖位置との間で移動するように構成される第1の蓋と、前記対向する側面パネルのうちの第2の側面パネルに可動に接続され、前記対向する側面パネルのうちの前記第2の側面パネルに近接する開放位置と、前記開口部が部分的に閉塞される閉鎖位置との間で移動するように構成される第2の蓋とを更に備え、前記ライナーは、前記第1の蓋及び前記第2の蓋をそれぞれの開放位置に配置し、前記前面パネル及び前記後面パネルを前記内部キャビティ内に折り曲げるとともに、前記底面パネルを前記開口部に向かって折り曲げることによって、畳まれた形態に折り畳まれるように構成される、請求項10に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項16】
前記冷凍可能なライナーは、前記対向する側壁のうちの一方に可動に接続され、開放位置と、前記開口部が閉塞される閉鎖位置との間で移動するように構成される蓋を更に備える、請求項10に記載の冷凍可能なライナー。
【請求項17】
温度管理される剛性コンテナーを提供する方法であって、
ライナーを折り曲げることであって、前記ライナーは、底面パネルと、後壁に対向する前壁及び1対の対向する側壁を含む周壁とを備え、前記前壁及び前記後壁のそれぞれは、1つ以上の折り目を有し、前記対向する側壁のそれぞれは、1つ以上の別個のゲルパックを備え、前記周壁は前記底面パネルから延在してキャビティを形成し、前記前壁及び前記後壁を前記1つ以上の折り目に沿って前記キャビティ内に折り曲げることによって、前記ライナーを折り畳まれた形状にする、ライナーを折り曲げることと、
前記ゲルパックが所望の温度に達するまで、前記ライナーを温度管理される環境に配置することと、
前記ライナーを前記温度管理される環境から取り出すことと、
前記前壁及び前記後壁の折曲げを戻すことによって、前記ライナーを拡張形態に折り広げることと、
剛性材料からそれぞれ構成される底面パネル及び周壁を備えるクレート内に前記ライナーを配置することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記冷凍可能なライナーは、前記底面パネルに取り付けられる内部フラップを更に備え、前記方法は、前記内部フラップを前記底面パネルの近位に折り曲げるステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記冷凍可能なライナーは、前記底面パネルに取り付けられる第1の内部フラップと、前記底面パネルに取り付けられる第2の内部フラップとを更に備え、前記方法は、前記第1の内部フラップを前記前壁の近位に折り曲げる更なるステップと、前記第2の内部フラップを前記後壁の近位に折り曲げる更なるステップとを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記冷凍可能なライナーは、前記前壁及び前記後壁にそれぞれ取り付けられる少なくとも1対のストラップを更に備え、前記方法は、前記ストラップを前記クレートに取り付ける更なるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2019年10月25日に出願された米国仮特許出願第62/962,259号、2019年12月17日に出願された米国仮特許出願第62/948,901号、2020年9月1日に出願された米国仮特許出願第63/072,994号及び2020年9月1日に出願された米国仮特許出願第63/073,004号の利益及び優先権を主張し、これらの出願の内容は、引用することによってその全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明は、包括的には、物品を輸送する装置及び方法に関し、より詳細には、生鮮食品等の温度管理される物品の配送に使用される剛性及び半剛性コンテナーの冷凍可能な断熱ライナーに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、物品、特に、食品、飲料品、及び保管又は輸送時の長期間にわたって保温又は保冷する必要がある他の物品等の包装、保管、輸送、及び断熱のために、多目的の剛性及び半剛性コンテナー並びにカバーが用いられる。既存の製品は、いくつかの欠点を被る。既存の剛性及び半剛性コンテナーは、使用時にコンテナーを効率的に積み上げられるという利益をもたらすが、これらの既存の製品は、特に配送の文脈において、物品の輸送又は保管中のより長期間の使用に適さない冷媒に依拠するものが多い。例として、剛性の壁を有する比較的大きなピクニック様式のクーラーには、一般的に氷が詰められるが、氷は溶けて、クーラーの内容物を濡らす可能性がある。これにより、このクーラーは、食品等の或る特定のタイプの物品に使用するには不適となる。また、氷は、嵩が大きく、適切な冷却をもたらすためにはクーラー内の相当なスペースを占める。代替的に、いくつかのコンテナーは、コンテナー壁のライニングに冷媒(ゲルパック等)を配置する。しかしながら、そのような既存のコンテナーは、通常、嵩が大きく、冷却の際、及び不使用時に入れ子形態で積み重ねる際に、冷凍庫内の比較的大きなスペースを占める。冷却又は加熱目的のゲル材料を壁に収容する他のコンテナーが知られているが、これらのコンテナーも、嵩が大きく、コンパクトな状態に折り畳むことが困難又は不可能であり、また、加熱することが困難な場合がある。これらのコンテナーの欠点は、コンテナーをより大きなサイズに拡大すると一層増す。例えば、様々なサイズのコンテナー並びに保管及び輸送の効率的な手段が必要とされている配送の文脈において、より大きな積載物を収容するのに十分大きいコンテナーは、特に嵩が大きく、保管及び輸送が困難である。さらに、既存のクレートライナーは、ライナーがクレート内に挿入されていないときに開放形態で立つことを可能にする構造を欠くという難を被るか、又は、より剛性の高い構造を求めて、折り畳み可能でコンパクトな保管という利便性を犠牲にするかのいずれかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物品、特に温度管理される環境に維持されなければならない物品を保管及び輸送する改善された装置が必要とされている。本開示に記載される装置及び関連する方法は、既存の設計の欠点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に開示される実施形態は、空のときにライナーを効率的に保管及び輸送することが可能であるように畳むことができるような、剛性又は半剛性コンテナーの改善されたライナーを提供する。特に、開示される実施形態は、著しいスペースを占めることなく冷凍庫又は他の温度管理される環境に保管することができるライナーを提供し、当該技術分野において既知の剛性又は半剛性コンテナーに対する変更は必要としない。
【0006】
一実施の形態において、畳むことが可能なライナーは、1つ以上の水平折り目を有する底面パネルと、底面パネルから延在する前壁と、前壁に対向して底面パネルから延在する後壁と、前壁と後壁との間で底面パネルから延在する1対の対向する側壁とを備える。前壁及び後壁は、底面パネルに直交する1つ以上の鉛直折り目を有する。底面パネルと、前壁と、後壁と、1対の対向する側壁とは、間にキャビティを画定する。ライナーは、底面パネルと前壁及び後壁とを1つ以上の水平折り目及び複数の鉛直折り目に沿ってキャビティ内に折り曲げることによって、畳まれた形態に折り畳まれるように構成される。底面パネルと、前壁と、後壁と、1対の対向する側壁とは、キャビティの近位の内層と、外層と、その間にある、ライナーのキャビティ及びその中に位置する物品の温度を(例えば、冷却又は加熱によって)維持する材料の層とをそれぞれ備える。
【0007】
一実施の形態は、1つ以上の水平折り目を有する底面パネルと、前壁及び後壁を含む周壁とを備えるライナーを畳む方法を提供する。前壁及び後壁は、1つ以上の鉛直折り目をそれぞれ有する。周壁は、底面パネルから延在し、キャビティを形成する。本方法は、底面パネルを1つ以上の水平折り目に沿ってキャビティ内に折り曲げるステップと、前壁及び後壁を1つ以上の鉛直折り目に沿ってキャビティ内に折り曲げるステップとを含む。
【0008】
更に別の実施の形態において、畳むことが可能なライナーは、底面パネルと、底面パネルから延在する前壁と、前壁に対向して底面パネルから延在する後壁とを備える。前壁及び後壁のそれぞれは、底面パネルに対して平行な1つ以上の水平折り目と、底面パネルの近位から1つ以上の水平折り目の近位まで延在する1つ以上の角度付き折り目と、ライナーの開口部の近位から1つ以上の水平折り目まで延在する1つ以上の角度付き折り目とを有する。畳むことが可能なライナーは、前壁と後壁との間で底面パネルから延在する1対の対向する側壁を備え、1対の対向する側壁のそれぞれは、底面パネルに対して平行な1つ以上の水平折り目を有する。底面パネルと、前壁と、後壁と、1対の対向する側壁とは、間にキャビティを画定する。ライナーは、前壁、後壁、及び側壁のそれぞれを1つ以上の対角折り目及び複数の水平折り目に沿ってキャビティ内に折り曲げることによって、畳まれた形態に折り畳まれるように構成される。底面パネルと、前壁と、後壁と、1対の対向する側壁とは、キャビティの近位の内層と、外層と、その間にある、ライナーのキャビティ及びその中に位置する物品の温度を(例えば、冷却又は加熱によって)維持する材料の層とをそれぞれ備える。
【0009】
一実施の形態は、前壁と、後壁と、1対の対向する側壁とを含む周壁を備えるライナーを畳む方法を提供する。前壁、後壁、及び1対の対向する側壁は、1つ以上の折り目をそれぞれ有する。周壁は、底面パネルから延在し、キャビティを形成する。本方法は、前壁、後壁、及び側壁を1つ以上の折り目に沿ってキャビティ内に折り曲げるステップを含む。
【0010】
或る特定のいくつかの実施形態が図面に示されている。しかしながら、本開示は添付の図面に示されている構成及び手段に限定されないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】クレートライナーの第1の実施形態の斜視図である。
図2図1のライナーの正面図である。
図3図1のライナーの側面図である。
図4】クレート内に完全に挿入された図1のライナーの斜視図である。
図5】内部フラップが部分的に上昇した図1のライナーの上面斜視図である。
図6図1のライナーの壁の内部構造を示す拡大図である。
図7】クレートライナーの第2の実施形態の斜視図である。
図8図7のライナーの正面図である。
図9図7のライナーの側面図である。
図10】クレート内に完全に挿入された図7のライナーの斜視図である。
図11図7のライナーの上面斜視図である。
図12図7のライナーの壁の内部構造を示す拡大図である。
図13】クレートライナーの第3の実施形態の斜視図である。
図14】蓋が部分的に上昇した図13のライナーの斜視図である。
図15A】クレートライナーの第4の実施形態の斜視図である。
図15B図15Aに示されている側壁の断面図である。
図15C図15Aに示されている後壁の上側部分の断面図である。
図15D図15Aに示されている後壁のガセット部分の断面図である。
図15E図15Aに示されている底面パネルの断面図である。
図15F図15Aに示されている側壁の断面図である。
図15G図15Aに示されている前壁のガセット部分の断面図である。
図15H図15Aに示されている前壁の上側部分の断面図である。
図15I図15Aに示されている蓋のポケットなしフラップの断面図である。
図15J図15Aに示されている蓋のポケットありフラップの断面図である。
図16図15Aのライナーの壁及び蓋の内部構造を示す拡大図である。
図17A図15Aのライナーの代替的な一実施形態の斜視図である。
図17B図17Aに示されている側壁の断面図である。
図17C図17Aに示されている後壁の上側部分の断面図である。
図17D図17Aに示されている後壁のガセット部分の断面図である。
図17E図17Aに示されている底面パネルの断面図である。
図17F図17Aに示されている側壁の断面図である。
図17G図17Aに示されている前壁のガセット部分の断面図である。
図17H図17Aに示されている前壁の上側部分の断面図である。
図18図17Aのライナーの壁の内部構造を示す拡大図である。
図19】蓋が閉鎖位置にあるライナーの第5の実施形態の斜視図である。
図20】蓋が上昇した図19のライナーの側面図である。
図21】蓋が上昇した図19のライナーの側面図である。
図22】蓋が閉鎖位置にある図19のライナーの上面図である。
図23】蓋が閉鎖位置にある図19のライナーの背面図である。
図24図19のライナーの重なり合う蓋フラップの断面図である。
図25】内側中間層を示す図19のライナーの側面図である。
図26】内側中間層を示す図19のライナーの底面図である。
図27】断熱層を示す図19のライナーの側面図である。
図28】断熱層を示す図19のライナーの側面図である。
図29】断熱層を示す図19のライナーの背面図である。
図30】ストラップによってライナーをクレートに固定している、クレート内に挿入された図19のライナーの斜視図である。
図31】蓋が部分的な閉鎖位置にあるライナーの第6の実施形態の上面斜視図である。
図32】蓋が部分的な閉鎖位置にある図31のライナーの正面斜視図である。
図33】磁石蓋閉鎖具を備える図31のライナーの上面斜視図である。
図34図33に示されている蓋の磁石蓋閉鎖具を備える部分の断面図である。
図35図33における磁石蓋閉鎖具及び追加のゲルパック層を備える蓋の断面図である。
図36】ライナーがクレート内に部分的に挿入されたライナーの第7の実施形態の斜視図である。
図37図36のライナーの壁の断面図である。
図38図36のライナーの壁の一代替形態の断面図である。
図39】クレートライナーの第8の実施形態の斜視図である。
図40】蓋が閉鎖位置にある図39のライナーの斜視図である。
図41図39のライナーの正面図である。
図42】畳まれた形態の図39のライナーの正面斜視図である。
図43】畳まれた形態の図39のライナーの背面斜視図である。
図44】クレートライナーの第9の実施形態の斜視図である。
図45A】クレートライナーの第10の実施形態の斜視図である。
図45B図39のライナーの前壁の不正開封明示(tamper-evident)ループが位置する部分の内部構造の一部を示す拡大図である。
図45C図39のライナーの前壁の内部構造を示す拡大図である。
図45D図39のライナーの前壁の代替的な内部構造を示す拡大図である。
図46図45Aのライナーの上面図である。
図47図45Aのライナーの正面図である。
図48図45Aのライナーの背面図である。
図49図45Aのライナーの側面図である。
図50】内部フラップが上昇した図45Aのライナーの斜視図である。
図51】蓋の固定部分におけるゲルパックの場所を示す図45Aのライナーの上面図である。
図52】側壁におけるゲルパックの場所を示す図45Aのライナーの側面図である。
図53】底パネルにおけるゲルパックを示す図45Aのライナーの底面図である。
図54】底パネルにおけるゲルパックの一代替形態を示す図45Aのライナーの底面図である。
図55】底パネルにおけるゲルパックの一代替形態を示す図45Aのライナーの底面図である。
図56A】対向する側壁における半剛性パネルの場所を示す図45Aのライナーの正面斜視図である。
図56B】対向する側壁の半剛性パネルが位置する部分の内部構造を示す拡大図である。
図57A】対向する側壁における半剛性パネルの場所を示す図45Aのライナーの正面斜視図である。
図57B】蓋の固定部分の内部構造を示す拡大図である。
図57C】蓋のフラップ部分の内部構造を示す拡大図である。
図57D】底面パネルの内部構造を示す拡大図である。
図58A】前壁及び後壁における半剛性フラップの場所を示す図45Aのライナーの正面斜視図である。
図58B】前壁及び後壁における半剛性フラップの内部構造を示す拡大図である。
図59A】蓋ガセットにおける半剛性パネルの場所を示す図45Aのライナーの斜視図である。
図59B】蓋ガセットの半剛性パネルが位置する部分の内部構造を示す拡大図である。
図60】蓋ガセットにおける半剛性パネルの一代替形態を示す図45Aのライナーの斜視図である。
図61】クレートライナーの第11の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書中に開示された原理を奨励及び理解する目的から、ここで、図面に示された好ましい実施形態の参照を行い、それらの実施形態を説明するのに特定の術語が用いられる。ただし、これによって本発明の範囲の限定が意図されることはないことが理解される。図示の装置のそのような代替及び更なる変更、並びに本明細書中に開示及び図示された原理の更なる用途は、本開示が関連する当該技術における当業者に通常想起されるものと意図される。
【0013】
ゲルパックベースを備える冷凍可能なクレートライナー
図1図6は、第1の実施形態の冷凍可能なクレートライナー100を示している。図示の実施形態において、ライナー100は、概して、底面パネル102と、前壁104と、後壁106と、対向する側壁108、110と、蓋112とを備える矩形構造を有し、底面パネル102と、前壁104と、後壁106と、対向する側壁108、110と、蓋112とは、ライナー100内に入れて輸送又は保管される物品(例えば、限定はしないが、食品、飲料品等の品物)を収納するキャビティをともに画定する。他の実施形態(図示せず)において、ライナー100は、他の形状をとることができる。限定ではなく例として、他の実施形態において、ライナー100は、壁の数がより多い又は少ない場合がある(例えば、形状が円筒形で単一の側壁のみを有するか、又は多面体で追加の壁を有する)。いくつかの実施形態において、壁104、106、108、110の底面パネル102の近位の部分は、ライナー100の開口部の近位の部分よりも幅狭となっており、挿入時にライナー100がクレートに確実かつ効率的に嵌まるようになっている。
【0014】
図5に示されているように、実施形態において、ライナー100は、畳むことが可能であり、空のときにライナー100を容易に輸送又は保管することが可能である。図示のように、鉛直折り目124a、124bが、前壁104及び後壁106に沿って底面パネル102の近位からキャビティの開口部の近位まで延在し、ライナー100が畳まれるときの前壁104及び後壁106の折曲げを容易にする。底面パネル102は、底面パネル102の折曲げを容易にするために、1つ以上の折り目126も有する。ライナー100を畳むには、底面パネル102を折り目126に沿ってライナー100内に折り曲げるとともに、前壁104及び後壁106を折り目124a、124bに沿ってライナー100内に折り曲げて、側壁108、110が互いに向かって移動するようにする。いくつかの実施形態(図示せず)において、ライナー100は、クリップ又は他の取付け手段(面ファスナー等)を用いることによって、畳まれた形態に固定される。
【0015】
図示のように、1対の持ち手114a、114bが、前壁104及び後壁106にそれぞれ取り付けられる。使用時、図4に示されているように、持ち手114a、114bは、任意選択として、(いくつかの場合において、クレートの頂縁部に固定することによって)クレートに固定し、ライナー100の使用時にライナー100を適所に確実に維持し、又は、充填前に開放位置及び直立位置にライナー100を維持することを確実にすることができる。代替的な一実施形態において、持ち手114a、114bは、キャビティの開口部の上に延在し、ライナー100を持ち運ぶ、又はライナー100をクレート内に挿入するのを補助するために用いることができる。
【0016】
代替的な一実施形態において、図1に示されているライナー等のライナー100は、使用において自己充足的であることができ、ライナーは、クレートの使用なしで、物品を保管及び輸送するのに用いることができるようになっている。そのような一実施形態において、1対の持ち手114a、114bは、ライナー100の使用時にライナー100を持ち運ぶために用いることができる。代替的な一実施形態(図示せず)において、単一のストラップを、ストラップがライナー100の開口部の上に延在するように、対向する側壁108、110又は前壁104及び後壁106のいずれかに一時的又は恒久的に取り付けることができ、ライナー100を持ち運ぶのに用いることができる。そのようなストラップは、任意選択として、ストラップの長さを調整することを可能にする留め具等を備えることができる。
【0017】
一実施形態において、ライナー100は、ライナー100内に入れて保管又は輸送される物品の温度を維持するように温度管理される。図6は、側壁108、110及び底面パネル102の断面図を示している(縮尺通りには示されていない)。一実施形態において、同じ4つの層が、前壁104、後壁106、底面パネル102、及び側壁108、110を構成する。外層132は、保護用の比較的強く耐久性のある合成材料又は天然材料、例えば、布、キャンバス、ナイロン、被覆ポリエステル等を含む。一実施形態において、外層132は、ライナー100から放射(熱等)をより良好に反射及び分散させるために、アルミナイジング材料又はコーティングを含む。内層138は、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)又はプラスチック箔材料等の防水材料を含む。外側中間層134は、ポリエチレン(PE)ボード又はPEコート板紙等の剛性又は半剛性材料を含み、ライナー100に対する支持をもたらす。内側中間層136は、ライナー100のキャビティ及びその中に位置する物品の温度を(例えば、冷却又は加熱によって)維持する材料を含む。図6に示されているように、一実施形態において、内側中間層136は、断熱性で非毒性のゲル材料が充填され、ゲル材料を囲んでいる、プラスチックフィルム等の柔軟又はしなやかな材料の外側包装材又は外被を有するゲルパックを含む。ゲル材料は、シリカゲル等の、当業者には既知の任意の材料とすることができる。ゲル材料の充填量は、ゲルパックが実質的に平坦な形状になるようにする。いくつかの実施形態(図示せず)において、追加の層が、綿断熱材、断熱フォーム、剛性若しくは半剛性ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、又は高密度ポリエチレン(HDPE)フォーム等の断熱材を含む。一実施形態において、断熱層は、2センチメートル厚の断熱材の層を含む。本開示から当業者には明白であるように、代替的な実施形態において、壁104、106、108、110の構造は、追加の層を含む(例えば、追加の断熱材の層を含むことによる)か、又は層を省く(例えば、外側中間層134を省いて側部が柔らかいライナーを提供することによる)ように変更することができる。
【0018】
図示のように、隣接する壁パネルの外層132、外側中間層134、内側中間層136、及び内層138は、例えば、側壁108、110と、前壁104、底面パネル102、及び後壁106との交線にあるサイドシーム又は縫い線142によってともに接続される。一実施形態において、前壁104、側壁108、110、及び後壁106は、前壁104及び後壁106における内側中間層136を形成する1つ以上の別個のゲルパックを伴う、連続した単一の長さの多層状壁パネル材料を含む。複数の別個のゲルパックを、内側中間層136に用いてもよい。図示のように、単一のゲルパックが側壁108、110のそれぞれに位置し、各ゲルパックは、実質的に前壁104と後壁106との間に延在する。一実施形態(図示せず)において、1対のゲルパックが前壁104及び後壁106のそれぞれに位置し、1つのゲルパックが、折り目124a、124bと側壁108、110のそれぞれとの間のスペースのそれぞれに位置するようになっている。折り目124a、124bは、外層132、外側中間層134、及び内層138を通って延在する熱溶着部、サイドシーム、又は縫い線によって形成され、側壁108、110におけるゲルパック間の分離が維持される。代替的な実施形態において、ゲルパックの他の構造を用いることができる。例として、複数の別個のゲルパックを、格子状の離隔したゲルパックを用いること等によって、各壁104、106、108、110に配置することができる。代替的に、各層は、ライナー100の周りに連続的に広がることができる(すなわち、内側中間層136は、連続した単一のゲルパックから形成することができる)。
【0019】
一実施形態において、図6に示されているように、底面パネル102は、外層132及び内層138のみを備える。内部フラップ128が、底面パネル102に隣接して存在し、ライナー100が畳まれるときに内部フラップ128を側壁108又は110に対して上方に折り曲げることが可能であるように、側壁108又は110のうちの一方に取り付けられる。図6に示されている図のように、内部フラップ128は、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)又はプラスチック箔材料等の防水材料から形成されるシェルを備え、シェルは、内側中間層136において用いられるようなゲルパックを備える、ライナー100のキャビティの近位の第1の内側層と、ポリエチレン(PE)ボード又はPEコート板紙等の剛性又は半剛性材料を含む第2の内側層とを囲む。一実施形態において、プルタブ130が内部フラップ128に取り付けられ、内部フラップ128を後壁106に対して容易に折り曲げることを可能にする。代替的な実施形態において、内部フラップ128は、前壁104、側壁108、又は側壁110のうちの1つに取り付けられ、内部フラップ128をそれぞれの壁104、108、110に対して折り曲げることを可能にする。代替的な実施形態において、内部フラップ128は、第2の内側層が省かれ、及び/又は、底面パネル102は、ポリエチレン(PE)ボード又はPEコート板紙等の剛性又は半剛性材料を含む追加の層を備える。
【0020】
複数のゲルパックベースを備える冷凍可能なクレートライナー
図7図11は、底面パネル102の一代替形態を更に備える第2の実施形態のライナー100を示している。底面パネル102は、他の壁と実質的に同じ層状構造を有し、内側中間層136において少なくとも1つのゲルパックをそれぞれ備える。図11に示されているように、底面パネル102は、折り目126によって分離された複数の別個のゲルパックを収容し、1つのゲルパックが、底面パネル102において側壁108と折り目126との間の領域に位置し、第2のゲルパックが、底面パネル102において側壁110と折り目126との間の領域に位置する。折り目126は、外層132、外側中間層134、内側中間層136、及び内層138を通って延在する熱溶着部、サイドシーム、又は縫い線によって形成され、側壁108、110におけるゲルパック間の分離が維持される。代替的な実施形態において、ゲルパックの他の構造を用いることができる。例として、複数の別個のゲルパックを、格子状の離隔したゲルパックを用いること等によって、底面パネル102に配置することができる。代替的に、各層は、ライナー100の周りに連続的に広がることができる(すなわち、内側中間層136は、連続した単一のゲルパックから形成することができる)。代替的な一実施形態において、底面パネル102は、内側中間層138が省かれ、ゲルパックを収容しない。他の代替的な実施形態において、底面パネル102は、外側中間層134も省かれ、ライナー100が折り曲げられるときに、底面パネル102を内側に折り曲げやすくする。
【0021】
ガセット付きの前蓋及び後蓋を備える冷凍可能なクレートライナー
図13及び図14に示されているように、蓋構成を備える第3の実施形態のライナー100において、蓋ガセット150a、150bが、前壁104及び後壁106から延在し、前蓋152a及び後蓋152bが、対向する側壁108、110から延在し、図13に示されているように、前蓋152a及び後蓋152bがキャビティの上に折り曲げられると、蓋ガセット150a、150bがライナー100のキャビティ内に畳まれ、前蓋及び後蓋に対する支持をもたらす。代替的に、図14に示されているように、前蓋152a及び後蓋152bがキャビティの上に折り曲げられない場合、蓋ガセット150a、150bは、前蓋152a及び後蓋152bに対する張力をもたらし、それにより、ライナー100に充填されている間、ライナー100のキャビティの開口部を自由にする。蓋ガセット150a、150bは、同じ3つの層、具体的には、内層138、剛性中間層134、及び外層132を備える。剛性中間層は、蓋ガセット150a、150bの境界内のスペースを実質的に占め、蓋ガセット150a、150bを接続するシームは、外層132及び内層138を通って延在する熱溶着部、サイドシーム、又は縫い線によって形成され、各蓋ガセット150a、150bの剛性中間層138間の分離が維持される。代替的な実施形態において、剛性中間層138が省かれるか、剛性中間層138に加えて若しくは剛性中間層138の代わりに断熱層を含むか、又は中間層において少なくとも1つのゲルパックを含む等の、蓋ガセット150a、150bの他の層構成が想定される。図14に示されているように、一実施形態において、前蓋152a及び後蓋152bは、蓋の外部に面ファスナー等のラッチ機構154a、154bをそれぞれ備え、更なる断熱をもたらすとともに、ライナー100の使用時に蓋152a、152bが意図せず持ち上がることを防止するようになっている。
【0022】
蓋112が後壁106に取り付けられ、蓋112を側壁108、110及び前壁104から離れるように折り曲げて、ライナー内のキャビティにアクセスすることを可能にすることができる一実施形態を含む、蓋112の他の構成も想定される。代替的な実施形態において、蓋112は、壁104、106、108、110のうちの異なる1つ以上に可動に取り付けることもでき、壁104、106、108、110のうちの複数に取外し可能に取り付けることもできる。一実施形態において、蓋112から底面パネル102に向かってフラップが延在し、フラップ122は、壁108、110、104の蓋112の近位の部分に重なる。
【0023】
平面ポケットを有する前蓋及び後蓋を備える冷凍可能なクレートライナー
図15図18は、壁104、106、108、110と、底面102と、前蓋1502と、後蓋1504とを備える第4の実施形態のライナー1500を示している。
【0024】
一実施形態において、ライナー1500は、ライナー1500内に入れて保管又は輸送される物品の温度を維持するように温度管理される。図15B図15E図15F図16図17B図17E図17F、及び図18は、前壁104、後壁106、及び底面パネル102の断面図を示している(縮尺通りには示されていない)。一実施形態において、同じ4つの層、すなわち、内層138、内側中間層136、外側中間層134、及び外層132が、前壁104、後壁106、底面パネル102、及び側壁108、110を構成する。内層138(ライナーの内部キャビティの近位)は、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)又はプラスチック箔材料等の防水材料を含む。内側中間層136は、ライナー1500のキャビティ及びその中に位置する物品の温度を(例えば、冷却又は加熱によって)維持する材料を含む。図15B図15E図15F図16図17B図17E図17F、及び図18に示されているように、一実施形態において、内側中間層136は、断熱性で非毒性のゲル材料が充填され、ゲル材料を囲んでいる、プラスチックフィルム等の柔軟又はしなやかな材料の外側包装材又は外被を有するゲルパックを含む。ゲル材料は、シリカゲル等の、当業者には既知の任意の材料とすることができる。ゲル材料の充填量は、ゲルパックが実質的に平坦な形状になるようにする。いくつかの実施形態(図示せず)において、追加の層が、綿断熱材、断熱フォーム、剛性若しくは半剛性ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、又は高密度ポリエチレン(HDPE)フォーム等の断熱材を含む。一実施形態において、断熱層は、2センチメートル厚の断熱材の層を含む。外側中間層134は、ポリエチレン(PE)ボード又はPEコート板紙等の剛性又は半剛性材料を含み、ライナー1500に対する支持をもたらす。外層132は、保護用の比較的強く耐久性のある合成材料又は天然材料、例えば、布、キャンバス、ナイロン、被覆ポリエステル等を含む。一実施形態において、外層132は、ライナー1500から放射(熱等)をより良好に反射及び分散させるために、アルミナイジング材料又はコーティングを含む。本開示から当業者には明白であるように、代替的な実施形態において、壁104、106、108、110の構造は、追加の層を含む(例えば、追加の断熱材の層を含むことによる)か、又は層を省く(例えば、外側中間層134を省いて側部が柔らかいライナーを提供することによる)ように変更することができる。
【0025】
図15A及び図17Aに示されているように、一実施形態において、鉛直折り目124a、124bが、前壁104及び後壁106に沿って底面パネル102の近位からキャビティの開口部の近位まで延在し、ライナー1500が畳まれるときの前壁104及び後壁106の折曲げを容易にする。一実施形態において、これらの鉛直折り目124a、124bの構造は、前壁104及び後壁106の残りの部分の構造とは異なる。具体的には、一実施形態において、鉛直折り目124a、124bは、外層132及び内層138のみを備えるが、側壁108、110の残りの部分は、内層138、内側中間層136、外側中間層134、及び外層132を備える。鉛直折り目124a、125bからは外側中間層及び内側中間層が省かれていることにより、鉛直折り目のしなやかさが増し、前壁104及び後壁106を鉛直折り目の周りにより容易に折り曲げることが可能になる。底面パネル102は、底面パネル102の折曲げを容易にするために、1つ以上の折り目126も有する。一実施形態において、鉛直折り目と同様に、これらの1つ以上の折り目126の構造は、底面パネル102の残りの部分とは異なる。この差異は、1つ以上の折り目126は外層132及び内層138のみを備えるが、底面パネル102の残りの部分は内層138、内側中間層136、外側中間層134、及び外層132を備えるという点にある。ライナー1500を畳むには、底面パネル102を折り目126に沿ってライナー1500内に折り曲げるとともに、前壁104及び後壁106を折り目124a、124bに沿ってライナー1500内に折り曲げて、側壁108、110が互いに向かって移動するようにする。図15A及び図17Aに示されている実施形態において、追加の折り目1514a、1514bが、前壁104及び後壁106に沿って底面壁102の近位から鉛直折り目124a、124bの近位まで延在し、それにより、前壁104及び後壁106が、上側部分1510a、1510bと下側ガセット部分1512a、1512bとに分けられ、前壁104及び後壁106をライナー1500内に折り曲げることを容易にする。図15C図15H図17C、及び図17Hに示されているように、前壁104及び後壁106の上側部分1510a、1510bは、外層132、剛性内層134、及び内層138を備える。代替的な実施形態において、追加の断熱又は温度管理層を含む等の他の構成が想定される。図15D図15G図17D、及び図17Gに示されているように、前壁104及び後壁106の下側ガセット部分1514a、1514bは、外層132及び内層138を備える。代替的な実施形態において、追加の剛性、断熱、又は温度管理層を含む等の他の構成が想定される。いくつかの実施形態(図示せず)において、ライナー1500は、クリップ又は他の取付け手段(面ファスナー等)を用いることによって、畳まれた形態に固定される。
【0026】
図示のように、一実施形態において、隣接する壁パネルの外層132及び内層138は、側壁108、110と、前壁104、底面パネル102、後壁106、前蓋1502、及び後蓋1504との交線においてともに接続される。一実施形態において、これらの接続部は、縫い線142によって形成される。代替的な実施形態において、これらの接続部は、熱溶接を含む他の方法によって形成することができる。一実施形態において、前壁104、側壁108、110、及び後壁106のそれぞれは、各壁における内側中間層136を形成する1つ以上の別個のゲルパックを伴う、連続した単一の長さの多層状壁パネル材料を含む。複数の別個のゲルパックを、内側中間層136に用いてもよい。図示のように、単一のゲルパックは、側壁108、110のそれぞれに位置し、各ゲルパックは、実質的に前壁104と後壁106との間に延在する。一実施形態(図示せず)において、1対のゲルパックが前壁104及び後壁106のそれぞれに位置し、1つのゲルパックが、折り目124a、124bと側壁108、110のそれぞれとの間のスペースのそれぞれに位置するようになっている。折り目124a、124bは、外層132、外側中間層134、内側中間層136、及び内層138を通って延在する熱溶着部、サイドシーム、又は縫い線によって形成され、側壁108、110におけるゲルパック間の分離が維持される。代替的な実施形態において、ゲルパックの他の構造を用いることができる。例として、複数の別個のゲルパックを、格子状の離隔したゲルパックを用いること等によって、各壁104、106、108、110に配置することができる。代替的に、各層は、ライナー1500の周りに連続的に広がることができる(すなわち、内側中間層136は、連続した単一のゲルパックから形成することができる)。
【0027】
一実施形態において、図15Aに示されているように、ライナーは、側壁108、110にそれぞれ可動に取り付けられる前蓋1502及び後蓋1504を更に備える。図15Aに示されている実施形態において、図15I及び図16に示されているように、前蓋1502及び後蓋1504は、2つの外部材料層132の間に位置する剛性内層134をそれぞれ備える。図15Aに示されている実施形態において、図15J及び図16に更に示されているように、前蓋1502は、前蓋1502の底部に取り付けられる2つの材料層による追加のフラップ1508を備え、前蓋1502及び後蓋1504が閉鎖したときに第2の蓋フラップ1502に近接して開口部を有するポケット1506を形成するようになっている。追加の断熱又は剛性層を含む等の、フラップ1508の他の構成も想定される。ポケット1506は、実質的に前蓋1502の幅に延在する。図15A及び図16に示されている実施形態において、後蓋1504は、前蓋1502及び後蓋1504を閉鎖するとき、後蓋1504の少なくとも終端部分をポケット1506内に挿入することができるような長さであり、それにより、向上した温度シールを形成し、前蓋1502及び後蓋1504がライナー1500のキャビティ内に落下しないように張力をもたらす。一実施形態において、後蓋1504は、ポケット1506への挿入を容易にするように、丸みを帯びた角部を有する。代替的に、一実施形態において、後蓋1504は、ポケット1506への挿入を容易にするために、ポケット1506に近い部分が、後蓋1504が取り付けられる後壁106の幅よりも狭い台形の形状を有することができる。
【0028】
前蓋1502及び後蓋1504を壁104、106、108、110のうちの異なる壁(複数の場合もある)に取り付けることができるか、又は壁104、106、108、110のうちの複数に取外し可能に取り付けることができる一実施形態を含む、前蓋1502及び後蓋1504の他の構成も想定される。代替的な一実施形態において、蓋は、図13及び図14に示されているような、前蓋1502及び後蓋1504並びに前壁104及び後壁106に取り付けられるガセット150a、150bを更に備えることができる。
【0029】
図15Aに示されているように、一実施形態において、前蓋1502及び後蓋1504は、蓋の外部に面ファスナー、1つ以上の磁石等のラッチ機構154a、154bをそれぞれ備え、更なる断熱をもたらすとともに、ライナー1500の使用時に前蓋1502及び後蓋1504が意図せず持ち上がることを防止するようになっている。
【0030】
右蓋及び左蓋並びに蓋ストラップを備える冷凍可能なクレートライナー
図19図29は、壁104、106、108、110と、底面102と、右蓋1952a及び左蓋1952bとを備える第5の実施形態のライナー1900を示している。
【0031】
図示のように、ライナー1900の比率及び寸法は、上述した実施形態のものとは異なる。ライナー1900の正確な寸法は、所望の内部容量、また、ライナー1900が別個のコンテナー内で用いられるように意図される実施形態においては、別個のコンテナーの寸法を含む、いくつかの要素に基づいて選択することができる。そのような変形も、本明細書において明示的に想定される。図19図29に示されているように、壁104、106、108、110は、他の実施形態よりも低い又は高い場合があり、加えて、それぞれのクレートのパラメーター(すなわち、矩形の形状であるか又は開口部においてより幅広になっている)に適するように、ライナーの開口部の近位の壁104、106、108、110の長さは、底面102の近位の壁104、106、108、110の長さよりも大きい又は等しい場合がある。
【0032】
一実施形態において、ライナー1900は、ライナー1900内に入れて保管又は輸送される物品の温度を維持するように温度管理される。一実施形態において、同じ4つの層、すなわち、内層138、内側中間層136、外側中間層134、及び外層132が、前壁104、後壁106、底面パネル102、右蓋1952a及び左蓋1952b、並びに側壁108、110を構成する。内層138(ライナーの内部キャビティの近位にある)は、Radiant Shield(商標)、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)、又はプラスチック箔材料等の防水材料を含む。内側中間層136は、ライナー1900のキャビティ及びその中に位置する物品の温度を(例えば、冷却又は加熱によって)維持する材料を含む。図24は、閉鎖位置にあるときの右蓋1952a及び左蓋1952bの重なり合う部分の断面図を示している(縮尺通りには示されていない)。ここでは、一方の蓋フラップ1952bの内側中間層136と外側中間層134とが入れ替わっているが、他方の蓋フラップ1952aでは入れ替わっていない。図25及び図26に示されているように、一実施形態において、内側中間層136は、断熱性で非毒性のゲル材料が充填され、ゲル材料を囲んでいる、プラスチックフィルム等の柔軟又はしなやかな材料の外側包装材又は外被を有するゲルパックを含む。ゲル材料は、シリカゲル等の、当業者には既知の任意の材料とすることができる。ゲル材料の充填量は、ゲルパックが実質的に平坦な形状になるようにする。当業者であれば、ゲルパックを他の温度管理手段に置き換えることができることが理解されよう。図27図29に示されている実施形態等のいくつかの実施形態において、追加の層が、綿断熱材、断熱フォーム、剛性若しくは半剛性ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、又は高密度ポリエチレン(HDPE)フォーム等の断熱材140を含む。一実施形態において、断熱層140は、2センチメートル厚の断熱材の層を含む。外側中間層134は、ポリエチレン(PE)ボード又はPEコート板紙等の剛性又は半剛性材料を含み、ライナー1900に対する支持をもたらす。外層132は、保護用の比較的強く耐久性のある合成材料又は天然材料、例えば、Radiant Shield(商標)、布、キャンバス、ナイロン、被覆ポリエステル等を含む。一実施形態において、外層132は、ライナー1900から放射(熱等)をより良好に反射及び分散させるために、アルミナイジング材料又はコーティングを含む。本開示から当業者には明白であるように、代替的な実施形態において、壁104、106、108、110の構造は、追加の層を含む(例えば、追加の断熱材の層を含むことによる)か、層を省く(例えば、外側中間層134を省いて側部が柔らかいライナーを提供することによる)か、又は層を配置換えする(例えば、内側中間層136と外側中間層134とを入れ替えることによる)ように変更することができる。
【0033】
図19図20図21図24図27、及び図28に示されているように、一実施形態において、ライナー1900は、対向する側壁108、110に取り付けられる右蓋1952a及び左蓋1952bを更に備え、右蓋1952a及び左蓋1952bは、閉鎖位置にあるとき、ライナー1900の開口部のうち、それぞれの対向する側壁108、110の近位にあるとともに、前壁104と後壁106との間に延在する部分をそれぞれ覆う。図示のように、右蓋1952a及び左蓋1952bは、閉鎖時に右蓋1952a及び左蓋1952bが重なって、更なる断熱及び安定性をもたらすように、異なる長さになっている。代替的に、右蓋1952a及び左蓋1952bは、同じ長さとすることができ、その長さは、右蓋1952a及び左蓋1952bが重なって、更なる断熱及び安定性をもたらすのに十分なものである。右蓋1952a及び左蓋1952bは、蓋の外部に1つ以上の磁石、面ファスナー等のラッチ機構をそれぞれ備え、更なる断熱をもたらすとともに、ライナー1900の使用時に右蓋1952a及び左蓋1952bが意図せず持ち上がることを防止するようになっている。ラッチ機構は省いてもよい。いくつかの実施形態において、図19に示されているように、1対のループ1964a、1964b等の機構を含む不正開封防止(tamper-resistant)留め具を用いることができる。ここでは、結束バンド、ボルト、ロック等の固定機構をループに挿入して固定することで、内容物に対する許可のないアクセスを防止するとともに、内容物が不正操作されていないことを使用者に知らせることができる。いくつかの実施形態において、ループ1964a、1964bは、面ファスナー等のラッチ機構1966a、1966bを更に備え、それにより、ループをともに固定し、結束バンド、ボルト、ロック等の固定機構の挿入を容易にすることが可能である。
【0034】
図19図20図21、及び図22に示されているように、ライナー1900は、4つのストラップ1920を更に備えることができる。4つのストラップ1920は、それぞれの対向する側壁108、110にそれぞれ取り付けられ、締結機構1922(例えば、面ファスナー等)を介してそれぞれの蓋1952a、1952bに取外し可能に取り付けられる。図30に示されているように、ライナー1900がクレート内に挿入されると、ストラップ1920は、クレートの開口部を縫うようにして通され(weaved through)、それにより、ライナー1900が開放形態に固定され、ライナー1900が畳まれることを防止するようになっている。代替的な実施形態(図示せず)において、ストラップ1920は、蓋1952a、1952bを取外し可能にし、蓋1952a、1952bの開放時及び閉鎖時の双方においてライナー1900の補強をもたらす。他の実施形態において、ストラップ1920は、それぞれの蓋1952a、1952b及びそれぞれの対向する側壁108、110の双方に取外し可能に取り付けることができるか、又は、ストラップ1920は、それぞれの蓋1952a、1952b及びそれぞれの対向する側壁108、110の双方に取外し不能に取り付けることができるか、又は、ストラップ1920は、それぞれの蓋1952a、1952bに取り付けることができ、それぞれの対向する側壁108、110に取外し可能に取り付けることができる。他の構成も想定される。例えば、ストラップ1920は、それぞれ、それぞれの蓋1952a、1952bに取り付ける又は取外し可能に取り付けるとともに、前壁及び後壁に取り付ける又は取外し可能に取り付けることができる。いくつかの実施形態(図示せず)において、より少数又はより多数の対のストラップ1920が用いられる。
【0035】
右蓋及び左蓋並びに蓋ガセットを備える冷凍可能なクレートライナー
図31図35は、壁104、106、108、110と、底面102と、右蓋1952a及び左蓋1952bとを備える第6の実施形態のライナー1900を示している。図31図35に示されている実施形態は、第5の実施形態と実質的に同じであるが、蓋ストラップが省かれており、代替的な蓋構造を有する。
【0036】
図31図32、及び図33に示されているように、一実施形態において、ライナー1900は、対向する側壁108、110に取り付けられる右蓋1952a及び左蓋1952bを更に備える。右蓋1952a及び左蓋1952bは、閉鎖位置にあるとき、ライナー1900の開口部のうち、それぞれの対向する側壁108、110の近位にあるとともに、前壁104と後壁106との間に延在する部分をそれぞれ覆う。図示のように、右蓋1952a及び左蓋1952bは、一方の蓋1952bが蓋ガセット150a、150bを越えて延在し、右蓋1952a及び左蓋1952bが閉鎖時に重なって、更なる断熱及び安定性をもたらすように、異なる長さになっている。代替的に、右蓋1952a及び左蓋1952bは、同じ長さとすることができ、その長さは、右蓋1952a及び左蓋1952bが重なって、更なる断熱及び安定性をもたらすのに十分なものである。図33に示されているように、右蓋1952a及び左蓋1952bは、蓋の外部に1つ以上の磁石、面ファスナー等のラッチ機構1966a、1966bをそれぞれ備え、更なる断熱をもたらすとともに、ライナー1900の使用時に右蓋1952a及び左蓋1952bが意図せず持ち上がることを防止するようになっている。ラッチ機構は省いてもよい。いくつかの実施形態(図示せず)において、1対のループ等の機構を含む不正開封防止留め具を用いることができる。ここでは、結束バンド、ボルト、ロック等の固定機構をループに挿入して固定することで、内容物に対する許可のないアクセスを防止するとともに、内容物が不正操作されていないことを使用者に知らせることができる。いくつかの実施形態において、ループは、面ファスナー等のラッチ機構を更に備え、それにより、ループをともに固定し、結束バンド、ボルト、ロック等の固定機構の挿入を容易にすることが可能である。
【0037】
一実施形態において、同じ4つの層、すなわち、内層138、内側中間層136、外側中間層134、及び外層132が、右蓋1952a及び左蓋1952bを構成する。内層138(ライナーの内部キャビティの近位にある)は、Radiant Shield(商標)、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)、又はプラスチック箔材料等の防水材料を含む。内側中間層136は、ライナー1900のキャビティ及びその中に位置する物品の温度を(例えば、断熱、冷却、又は加熱によって)維持する材料を含む。図34及び図35は、右蓋1952a及び左蓋1952bのうち、蓋を留める磁石1966a、1966bが位置する部分の断面図を示している。図34及び図35に示されているように、磁石1966a、1966bは、外層132と外側中間層134との間に位置する。図35に示されている実施形態等のいくつかの実施形態において、追加の層1968は、断熱性で非毒性のゲル材料が充填され、ゲル材料を囲んでいる、プラスチックフィルム等の柔軟又はしなやかな材料の外側包装材又は外被を有するゲルパックを含む。ゲル材料は、シリカゲル等の、当業者には既知の任意の材料とすることができる。ゲル材料の充填量は、ゲルパックが実質的に平坦な形状になるようにする。当業者であれば、ゲルパックを他の温度管理手段に置き換えることができることが理解されよう。外側中間層134は、ポリエチレン(PE)ボード又はPEコート板紙等の剛性又は半剛性材料を含み、ライナー1900に対する支持をもたらす。外層132は、保護用の比較的強く耐久性のある合成材料又は天然材料、例えば、Radiant Shield(商標)、布、キャンバス、ナイロン、被覆ポリエステル等を含む。一実施形態において、外層132は、ライナー1900から放射(熱等)をより良好に反射及び分散させるために、アルミナイジング材料又はコーティングを含む。本開示から当業者には明白であるように、代替的な実施形態において、壁104、106、108、110の構造は、追加の層を含む(例えば、追加の断熱材の層を含むことによる)か、層を省く(例えば、外側中間層134を省いて側部が柔らかいライナーを提供することによる)か、又は層を配置換えする(例えば、内側中間層136と外側中間層134とを入れ替えることによる)ように変更することができる。
【0038】
図示のように、ライナー1900は、前壁104及び後壁106から延在するいくつかの蓋ガセット150a、150bを更に備えることができ、図31及び図32に示されているように、右蓋1952a及び左蓋1952bがキャビティの上に折り曲げられると、蓋ガセット150a、150bがライナー100のキャビティ内に畳まれ、右蓋1952a及び左蓋1952bに対する支持をもたらす。代替的に、右蓋1952a及び左蓋1952bがキャビティの上に折り曲げられない場合、蓋ガセット150a、150bは、右蓋1952a及び左蓋1952bに対して張力をもたらし、それにより、ライナー100に充填されている間、ライナー100のキャビティの開口部を自由にする。蓋ガセット150a、150bは、前壁104、後壁106、対向する側壁108、110、並びに右蓋1952a及び左蓋1952bと実質的に同じ4つの層、具体的には、内層138、内側中間層136、外側中間層134、及び外層132を備える。代替的な実施形態において、蓋ガセット150a、150bは、同じ3つの層、具体的には、内層138、剛性中間層134、及び外層132を備える。剛性中間層は、蓋ガセット150a、150bの境界内のスペースを実質的に占める。蓋ガセット150a、150bを接続するシームは、外層132及び内層138を通って延在する熱溶着部、サイドシーム、又は縫い線によって形成され、各蓋ガセット150a、150bの剛性中間層138の間の分離が維持される。代替的な実施形態において、剛性中間層138が省かれるか、又は、剛性中間層138に加えて若しくは剛性中間層138の代わりに断熱層を含む等の、蓋ガセット150a、150bの他の層構成が想定される。
【0039】
右蓋及び左蓋並びに蓋ガセットを備える冷凍可能なクレートライナー
図36図38は、壁104、106、108、110を備える第7の実施形態のライナー3600を示している。なお、この実施形態は、第6の実施形態の底面パネル、右蓋及び左蓋、並びに蓋ガセットが省かれたものである。
【0040】
図36に示されているように、対向する側壁108、110、前壁104、後壁106が、ライナー3600を構成し、ライナー3600は、クレート3602内に部分的に挿入された状態で示されている。実施形態において、ライナー3600は、畳むことが可能であり、空のときにライナー3600を容易に輸送又は保管することが可能である。図示のように、1つ以上の鉛直折り目3624は、前壁104及び後壁106に沿って延在し、ライナー3600が畳まれるときの前壁104及び後壁106の折曲げを容易にする。他の実施形態(図示せず)において、対向する側壁108、110は、ライナー3600が畳まれるときの対向する側壁108、110の折曲げを容易にするために、1つ以上の鉛直折り目を有することができる。ライナー3600は、クレート3602内に存在する物品を乱すことなく、クレート3602から取り外すことができることが有利である。これにより、クレートを空にする必要なく、ライナー3600をクレート3602から迅速に分離することが可能になる(そして、例えば、ライナーを再冷凍する又は異なるクレートとともに用いることが可能になる)ことが有利である。同様に、ライナー3600は、物品を最初に取り出す必要なく、1つ以上の物品を既に収容しているクレート3602内に挿入することができる。ライナー3600は、壁104、106、108、110の頂部及び底部の双方が開放していることから、空気が両端部から壁の内面にアクセスすることができるため、ライナー3600は、冷凍又は加熱をより急速に行うことができる。
【0041】
図示のように、1対の持ち手114a、114bが、対向する壁104、106にそれぞれ取り付けられる。使用時、図36に示されているように、持ち手114a、114bは、任意選択的に、クレート3602の上壁における開口部を通過することができ、持ち手は、クレートの蓋がライナー3600の上で閉鎖されると、クレート3602の外側に延在し、クレート3602の蓋が閉鎖位置に固定されると、クレートを持ち手114a、114bによって持ち運ぶことが可能である。ライナー3600は、クレート3602の蓋を開放し、持ち手114a、114bにより持ち上げることによってクレート3602から取り外すことができる。
【0042】
一実施形態において、同じ4つの層、すなわち、内層138、内側中間層136、外側中間層134、及び外層132が、壁104、106、108、110を構成する。図37は、壁104、106、108、110の断面図を示している。内層138(ライナーの内部キャビティの近位にある)は、Radiant Shield(商標)、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)、又はプラスチック箔材料等の防水材料を含む。図38に示されている実施形態等のいくつかの実施形態において、追加の層3668が、断熱性で非毒性のゲル材料が充填され、ゲル材料を囲んでいる、プラスチックフィルム等の柔軟又はしなやかな材料の外側包装材又は外被を有する1つ以上の別個のゲルパックを含む。ゲル材料は、シリカゲル等の、当業者には既知の任意の材料とすることができる。ゲル材料の充填量は、ゲルパックが実質的に平坦な形状になるようにする。代替的な実施形態において、ゲルパックの他の構造を用いることができる。例として、複数の別個のゲルパックを、格子状の離隔したゲルパックを用いること等によって、各壁104、106、108、110に配置することができる。当業者であれば、ゲルパックを他の温度管理手段に置き換えることができることが理解されよう。内側中間層136は、ライナー3600のキャビティ及びその中に位置する物品の温度を(例えば、断熱、冷却、又は加熱によって)維持する材料を含む。外側中間層134は、ポリエチレン(PE)ボード又はPEコート板紙等の剛性又は半剛性材料を含み、ライナー3600に対する支持をもたらす。外層132は、保護用の比較的強く耐久性のある合成材料又は天然材料、例えば、Radiant Shield(商標)、布、キャンバス、ナイロン、被覆ポリエステル等を含む。一実施形態において、外層132は、ライナー3600から放射(熱等)をより良好に反射及び分散させるために、アルミナイジング材料又はコーティングを含む。本開示から当業者には明白であるように、代替的な実施形態において、壁104、106、108、110の構造は、追加の層を含む(例えば、追加の断熱材の層を含むことによる)か、層を省く(例えば、外側中間層134を省いて側部が柔らかいライナーを提供することによる)か、又は層を配置換えする(例えば、内側中間層136と外側中間層134とを入れ替えることによる)ように変更することができる。
【0043】
ヒンジ式蓋及びタブを備える断熱クレートライナー
図39図43は、第8の実施形態の断熱クレートライナー10100を示している。図示の実施形態において、ライナー10100は、概して、底面パネル10102と、前壁10104と、後壁10106と、対向する側壁10108、10110と、蓋10112とを備える矩形構造を有し、底面パネル10102と、前壁10104と、後壁10106と、対向する側壁10108、10110と、蓋10112とは、ライナー10100内に入れて輸送又は保管される物品(例えば、限定はしないが、食品、飲料品等の品物)を収納するキャビティをともに画定する。他の実施形態(図示せず)において、ライナー10100は、他の形状をとることができる。限定ではなく例として、他の実施形態において、ライナー10100は、壁の数がより多い又は少ない場合がある(例えば、形状が円筒形で単一の側壁のみを有するか、又は多面体で追加の壁を有する)。いくつかの実施形態において、壁10104、10106、10108、10110の底面パネル10102の近位の部分は、ライナー10100の開口部の近位の部分よりも幅狭となっており、挿入時にライナー10100がクレートに確実かつ効率的に嵌まるようになっている。
【0044】
図39図42、及び図43に示されているように、実施形態において、ライナー10100は、畳むことが可能であり、空のときにライナー10100を容易に輸送又は保管することが可能である。図示のように、水平折り目10130a、10130bが、側壁10108、10110に沿って後壁10106の近位から前壁10104の近位まで延在し、ライナー10100が畳まれるときの側壁10108、10110の折曲げを容易にする。また、1つ以上の角度付き折り目が、底面パネルの近位から1つ以上の水平折り目の近位まで延在し、1つ以上の角度付き折り目が、ライナーの開口部の近位から1つ以上の水平折り目まで延在する。図示のように、前壁及び後壁は、底面パネル10102に対して平行な水平折り目10124、10128を有し、対角折り目10122a、10122b、10126a、10126bの対が、前壁10104及び後壁10106に沿って底面パネル10102の近位から水平折り目10124、10128の近位まで延在するとともに、ライナー10100の開口部の近位から水平折り目10124、10128の近位まで延在する。ライナー10100を畳むには、前壁10104及び後壁10106を、対角折り目10122a、10122b、10126a、10126b及び水平折り目10124、10128に沿ってライナー10100内に折り曲げるとともに、側壁10108、10110を、水平折り目10130a、10130bに沿ってライナー10100内に折り曲げて、底面パネル10102がライナーの開口部に向かって移動するようにする。いくつかの実施形態(図示せず)において、ライナー10100は、クリップ又は他の取付け手段(面ファスナー等)を用いることによって、畳まれた形態に固定される。
【0045】
図示のように、1対の持ち手10163a、10163bが、前壁10104及び後壁10106にそれぞれ取り付けられる。代替的な一実施形態において、持ち手10163a、10163bは、キャビティの開口部の上に延在し、ライナー10100を持ち運ぶ、又はライナー10100をクレート内に挿入するのを補助するために用いることができる。代替的な一実施形態において、持ち手10163a、10163bは、対向する側壁10108、10110にそれぞれ取り付けられる。
【0046】
図39図40図42、及び図43に示されているように、ライナー10100は、ともに蓋を形成する固定部分10112及び蓋フラップ10114を更に備える。蓋固定部分10112は、後壁10106及び対向する側壁10108、10110のそれぞれの一部に取り付けられ、ライナー10100の開口部のうち、後壁10106の近位にあるとともに、対向する側壁10108、10110間に延在する部分を覆う。蓋フラップ部分10114は、折り目10120(図40に示されている)において蓋固定部分10112に取り付けられ、蓋フラップ部分10114を上下させることを容易にする。蓋フラップ部分10114は、ライナー10100が畳まれた形態にあるとき、蓋フラップ部分10114を開放することによって内部に依然としてアクセスすることができ、ゲルパックのより効率的な冷却を可能にするように構成される(図示せず)。蓋フラップ部分10114は、閉鎖位置にあるとき、ライナー10100の開口部の一部を覆う。蓋フラップ部分10114は、使用者が持ち上げるまで、重力によって閉鎖位置に保持される。図示のように、実施形態において、蓋ガセット10116a、10116bが、蓋フラップ部分10114及び対向する側壁10108、10110にそれぞれ取り付けられる。図40に示されているように、蓋フラップ部分10114が閉鎖位置にあるとき、蓋ガセット10116a、10116bは、折り目10118a、10118bに沿ってライナー10100内に折り曲げられる。図39図40図42、及び図43に示されているものとは異なる、蓋固定部分10112と蓋フラップ部分10114との他の比率が想定され、蓋固定部分10112及び蓋フラップ部分10114は、ライナー10100の開口部のより大きな部分又はより小さな部分をそれぞれ覆うことができる。他の実施形態において、蓋フラップ部分10114が単独で蓋を形成して、後壁10106に直接接続し、蓋固定部分10112が存在しないようになっている。いくつかの実施形態において、蓋ガセット10116a、10116bは、図39に示されているように蓋フラップ部分10114が開放位置にある場合、蓋ガセット10116a、10116bが蓋フラップ部分10114を開放位置に維持するように十分な剛性を有する。実施形態において、この剛性は、蓋ガセット10116a、10116bを実質的に占める半剛性材料の層10134によってもたらされる。図59A及び図60に示されているように、代替的な実施形態において、蓋ガセット10116a、10116bは、ガセットに剛性を与えるパネル10302a、10302bを備えることができる。図59Aに示されているように、パネル10302a、10302bは、実質的にライナー10100の開口部の近位の蓋ガセット10116a、10116bの幅に沿って延在することができる。図60に示されているような代替的な実施形態において、パネル10302a、10302bは、蓋ガセット10116a、10116bを実質的に占めることができる。図59Bに示されているように、パネル10302a、10302bは、追加の材料層、柔軟な半剛性材料、又は他の好適な代替形態を含むことができる。
【0047】
図39図43に示されているように、蓋は、蓋フラップ部分10114に取り付けられるタブ10150も備えることができ、タブ10150は、蓋フラップ部分10114を閉鎖位置から上昇させるのに用いることができる。タブ10150は、単一の布の層、又は図示のように布のループからなることができる。図示のように、タブ10150は、使用者がタブ10150を把持しやすくなるように、蓋フラップ部分10114の前壁10104の近位の端部を越えて延在することができる。
【0048】
図40図42、及び図43に示されているように、ライナー10100は、任意選択として、縫合又は熱溶接によって取り付けられる透明材料の層を備え、紙片、ラベル、ID等を保持するのに好適なサイズの透明ポケット10170を形成することができる。図示のように、透明ポケット10170は、蓋フラップ部分10114に位置し、そのため、ライナー10100がクレートに挿入されているときに、透明ポケット10170の中身を容易に見られるようになっている。蓋の固定部分10112の上、又は対向する側壁10108、10110、前壁10104、若しくは後壁10106のいずれかの上等の、透明ポケット10170の他の場所も想定される。
【0049】
ヒンジ式蓋、磁石閉鎖具、及びタブを備える断熱クレートライナー
図44は、第9の実施形態の断熱クレートライナー10100を示している。図44に示されている実施形態は、第8の実施形態と実質的に同じであるが、蓋に追加の閉鎖具構造を有する。図44に示されているように、蓋は、第2の固定部分10160を更に備え、第2の固定部分10160は、前壁10104及び対向する側壁10108、10110のそれぞれの一部に取り付けられ、ライナー10100の開口部のうち、前壁10104の近位にあるとともに、対向する側壁10108、10110間に延在する部分を覆う。第2の固定部分10160及び蓋フラップ部分10114は、底部及び頂部にそれぞれ取り付けられる1つ以上の磁石、面ファスナー等の閉鎖機構10162a、10162bをそれぞれ備え、更なる断熱をもたらすとともに、ライナー10100の使用時に蓋フラップ部分10114が意図せず持ち上がることを防止するようになっている。
【0050】
ヒンジ式蓋、磁石閉鎖具、ラッチ機構、及びタブを備える断熱クレートライナー
図45A図60は、第10の実施形態の断熱クレートライナー10100を示している。図45A図60に示されている実施形態は、第9の実施形態と実質的に同じであるが、蓋に追加のラッチ構造を有する。図45A図45B図46図47図50図51図56A図57A図58A図59A、及び図60に示されているように、タブ10150の代わりに又はタブ10150に加えて、不正開封防止留め具を用いることができる。不正開封防止留め具は、1対のループ10164a、10164b等の機構を含む。ここでは、結束バンド、ボルト、ロック等の固定機構をループに挿入して固定することで、内容物に対する許可のないアクセスを防止するとともに、内容物が不正操作されていないことを使用者に知らせることができる。いくつかの実施形態において、ループ10164a、10164bは、面ファスナー等のラッチ機構10166を更に備え、それにより、ループをともに固定し、結束バンド、ボルト、ロック等の固定機構の挿入を容易にすることが可能である。
【0051】
一実施形態において、ライナー10100は、ライナー10100内に入れて保管又は輸送される物品の温度を維持するように断熱される。図45Bは、蓋が閉鎖位置にあり、ループ10164a、10164bがラッチ機構10166を介して固定されている、前壁10104の部分断面図を示している(縮尺通りには示されていない)。一実施形態において、図45C図56B図57B図57Dに示されているように、同じ5つの層が、前壁10104、後壁10106、底面パネル10102、側壁10108、10110、及び蓋固定部分10112を構成する。外層10132は、保護用の比較的強く耐久性のある合成材料又は天然材料、例えば、布、キャンバス、ナイロン、被覆ポリエステル等を含む。一実施形態において、外層10132は、ライナー10100から放射(熱等)をより良好に反射及び分散させるために、Radiant Shield(商標)等のアルミナイジング材料又はコーティングを含む。内層10138は、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)又はプラスチック箔材料等の防水材料を含む。代替的な実施形態において、内側層10138及び外層10132は、上述した耐久性のある材料又は防水材料等の同じ材料を含む。外側中間層10134は、ポリエチレン(PE)ボード又はPEコート板紙等の剛性又は半剛性材料を含み、ライナー10100に対する支持をもたらす。中間層10136は、ライナー10100のキャビティ及びその中に位置する物品の温度を(例えば、断熱、冷却、又は加熱によって)維持する材料、例えば、綿断熱材、断熱フォーム、軟質ポリウレタンフォーム、剛性ポリウレタンフォーム、又は高密度ポリエチレン(HDPE)フォームを含む。一実施形態において、中間層10136は、2センチメートル厚の断熱材の層を含む。内側中間層10137は、断熱性で非毒性のゲル材料が充填され、ゲル材料を囲んでいる、プラスチックフィルム等の柔軟又はしなやかな材料の外側包装材又は外被を有するゲルパックを含む。ゲル材料は、シリカゲル等の、当業者には既知の任意の材料とすることができる。ゲル材料の充填量は、ゲルパック10137が実質的に平坦な形状になるようにする。図57Cに示されているように、蓋フラップ部分10114は、内側中間層10137が省かれているが、蓋フラップ部分10114が1つ以上のゲルパック10137を含むことができる代替的な実施形態(図示せず)が想定される。図45Dに示されているように、前壁10104及び後壁10106は、内側中間層10137を省くことができる。他の実施形態(図示せず)において、前壁10104及び後壁10106は、内側層10138、中間層10136、及び外層10132のみを備えることができる。本開示から当業者には明白であるように、代替的な実施形態において、壁10104、10106、10108、10110、蓋部分10112、10114、及び底面パネル10102の構造は、追加の層を含む(例えば、追加の断熱材の層を含むことによる)か、又は層を省く(例えば、外側中間層10134を省いて側部が柔らかいライナーを提供することによる)ように変更することができる。
【0052】
図示のように、隣接する壁パネルの外層10132及び内層10138は、例えば、側壁10108、10110と、前壁10104、底面パネル10102、及び後壁10106との交線にあるサイドシーム又は縫い線10142によってともに接続される。一実施形態において、前壁10104、側壁10108、10110、及び後壁10106は、各壁における内側中間層10137を形成する1つ以上の別個のゲルパックを伴う、連続した単一の長さの多層状壁パネル材料を含む。複数の別個のゲルパックを、内側中間層10137に用いてもよい。単一のゲルパックが前壁10104及び後壁10106のそれぞれに位置し、各ゲルパックは、実質的に側壁10108、10110間に延在する。図51に示されているように、一実施形態において、単一のゲルパックが蓋固定部分10112に位置し、この場合、ゲルパックは、実質的に側壁10108、10110間に延在するとともに、実質的に折り目10120と後壁10106の近位との間に延在する。一実施形態において(図示せず)、単一のゲルパックが蓋フラップ部分10114に位置し、この場合、ゲルパックは、実質的に側壁10108、10110間に延在するとともに、実質的に折り目10120と前壁10104の近位との間に延在する。
【0053】
図52に示されているように、一実施形態において、1対のゲルパックが側壁10108、10110のそれぞれに位置し、1つのゲルパックが、各側壁10108、10110において、ライナー10100の開口部と折り目10130a、10130bとの間の領域に位置し、第2のゲルパックが、各側壁10108、10110において、底面パネル10102と折り目10130a、10130bとの間の領域に位置するようになっている。図56Bに示されているように、折り目10130a、10130bは、外層10132及び内層10138を通って延在する熱溶着部、サイドシーム、又は縫い線によって形成され、側壁10108、10110におけるゲルパック間の分離が維持される。代替的な実施形態において、ゲルパックの他の構造を用いることができる。例として、複数の別個のゲルパックを、格子状の離隔したゲルパックを用いること等によって、各壁10104、10106、10108、10110に配置することができる。代替的に、各層は、ライナー10100の周りに連続的に広がることができる(すなわち、内側中間層10136は、連続した単一のゲルパックから形成することができる)。代替的に、ゲルパックが前壁10104と後壁10106との間に実質的に延在するように、単一のゲルパックを側壁10108、10110のそれぞれに配置することができ、折り目10130a、10130bがゲルパックの熱溶接によって形成され、ゲルパックが2つのゲルポケットを有するようになっている。1つのゲルポケットが、ライナー10100の開口部と折り目10130a、10130bとの間の領域に位置し、第2のゲルポケットが、底面パネル10102と折り目10130a、10130bとの間の領域に位置する。当業者であれば、ゲルパックを他の温度管理手段に置き換えることができることが理解されよう。
【0054】
一実施形態において、図53に示されているように、単一のゲルパックが底面パネル10102に位置する。代替的な一実施形態において、図54に示されているように、1対のゲルパックが底面パネル10102に位置し、1つのゲルパックが、後壁10106の近位の領域に位置し、第2のゲルパックが、前壁10104の近位の領域に位置する。代替的な一実施形態において、図55に示されているように、第1のゲルパックと第2のゲルパックとの間に第3のゲルパックが位置する。各ゲルパック間の折り目は、外層10132及び内層10138を通って延在する熱溶着部、サイドシーム、又は縫い線によって形成され、底面パネル10102におけるゲルパック間の分離が維持される。代替的な実施形態において、ゲルパックの他の構造を用いることができる。例として、複数の別個のゲルパックを、格子状の離隔したゲルパックを用いること等によって、底面パネル10102に配置することができる。代替的に、各層は、ライナー10100の周りに連続的に広がることができる(すなわち、内側中間層10136は、連続した単一のゲルパックから形成することができる)。代替的に、ゲルパックが底面パネル10102を実質的に占めるように、単一のゲルパックが底面パネル10102に位置し、1つ以上の折り目がゲルパックの熱溶接によって形成され、ゲルパックが2つのゲルポケットを有するようになっている。1つのゲルポケットが、ライナー10100の開口部と1つ以上の折り目との間の領域に位置し、第2のゲルポケットが、底面パネル10102と1つ以上の折り目との間の領域に位置する。当業者であれば、ゲルパックを他の温度管理手段に置き換えることができることが理解されよう。
【0055】
一実施形態において、内部フラップ10182、10186が、前壁10104及び後壁10106に隣接して存在し、前壁10104及び後壁10106の近位で底面パネル10102に取り付けられ、それにより、内部フラップ10182、10186は、ライナー10100が畳まれるとき、それぞれの折り線10184、10188に沿って底面パネル10102に対して下方に折り曲げられる。図58Bに示されているように、内部フラップ10182、10186は、Radiant Shield(商標)、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)、又はプラスチック箔材料等の防水材料から形成されるシェルを備え、シェルは、外側中間層10134において用いられるようなポリエチレン(PE)ボード又はPEコート板紙等の剛性又は半剛性材料を含む内側層10134を囲む。一実施形態において(図示せず)、内部フラップ10182、10186は、断熱層等の追加の層又はゲルパック(複数の場合もある)を含むことができる。一実施形態において、プルタブが内部フラップ10182、10186に取り付けられ、内部フラップ10182、10186を底面パネル10102に対して容易に折り曲げることを可能にする。代替的な実施形態において、内部フラップ10182、10186は、前壁10104、側壁10108、又は側壁10110のうちの1つに取り付けられ、フラップ10182、10186をそれぞれの壁10104、10106、10108、10110に対して折り曲げることを可能にする。
【0056】
ヒンジ式蓋、磁石閉鎖具、及びタブを備える断熱クレートライナー
図61は、第11の実施形態の断熱クレートライナー10100を示している。図61に示されている実施形態は、第10の実施形態と実質的に同じであるが、蓋に代替的な構造を有する。図61に示されているように、蓋構造は、蓋ガセット10116a、10116bが省かれている。図61に示されているように、蓋は、前壁10104に取り付けられ、ライナー10100の開口部のうち前壁10104の近位の部分を覆う第2の固定部分101702と、対向する側壁10108、10110の一部にそれぞれ取り付けられ、ライナー10100の開口部の一部をそれぞれ覆う第3の固定部分及び第4の固定部分10704とを更に備える。第2の固定部分10706及び蓋フラップ部分10114は、底部及び頂部にそれぞれ取り付けられる1つ以上の磁石、面ファスナー等の閉鎖機構10702をそれぞれ備え、更なる断熱をもたらすとともに、ライナー10100の使用時に蓋フラップ部分10114が意図せず持ち上がることを防止するようになっている。
【0057】
上記は単に本発明のいくつかの例及び実施形態の詳細な説明にすぎないこと、また、本発明の主旨又は範囲から逸脱することなく、本明細書中になされた開示に従って、開示された実施形態に対して数多くの変更を行うことができることが理解される。したがって、上記の説明は、本発明の範囲を限定することを意図せず、過度の負担なく本発明を実施するのに十分な開示を当業者に提供することを意図する。本発明の範囲は、当業者には明らかとなり得る他の実施形態を完全に包含し、したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲以外によって制限されないことが更に理解される。
図1
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図3
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図15A-15J】
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図33-34】
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図45A-45D】
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56A-56B】
図57A-57D】
図58A-58B】
図59A-59B】
図60
図61
【国際調査報告】