(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】複数の材料を含む光再指向構造を伴うメタ表面およびその加工方法
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20221221BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20221221BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/20
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525297
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 US2020058953
(87)【国際公開番号】W WO2021092068
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】メッリ, マウロ
(72)【発明者】
【氏名】コラサニネジャド, モハマドレザ
(72)【発明者】
【氏名】ぺロス, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】サン ティレール, ピエール
(72)【発明者】
【氏名】リン, ディアンミン
【テーマコード(参考)】
2H148
2H199
【Fターム(参考)】
2H148AA12
2H148AA23
2H199CA02
2H199CA05
2H199CA23
2H199CA24
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA68
2H199CA73
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA94
2H199CA95
2H199CA96
(57)【要約】
ディスプレイデバイスは、内部結合および/または外部結合光学要素としてメタ表面を伴う導波管を含む。メタ表面は、導波管の表面上に形成されてもよく、複数またはアレイのサブ波長スケール(例えば、ナノメートルスケール)の突出部を含んでもよい。個々の突出部は、異なる屈折率を有し、メタ表面の光再指向性質の向上された操作を可能にし得る、異なる材料の水平および/または垂直層を含んでもよい。材料のいくつかの構成および組み合わせは、有利なこととして、広帯域メタ表面を可能にし得る。本明細書に説明される製造方法が、所望される構成またはプロファイルにおいて、異なる材料の垂直および/または水平層を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学システムであって、
導波管と、
前記導波管の表面上の光学要素であって、前記光学要素は、ある波長を有する光を再指向するように構成され、前記光学要素は、
前記導波管上に配置される複数の離間された突出部であって、各突出部は、
第1の材料を備える第1の垂直層と、
前記第1の材料と異なる第2の材料を備える第2の垂直層と
を備える、複数の離間された突出部
を備える、光学要素と
を備える、光学システム。
【請求項2】
前記光学要素は、メタ表面である、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記第1の材料および前記第2の材料は、異なる屈折率を有する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項4】
前記第1の垂直層は、U形状の断面プロファイルを画定し、前記第2の材料は、前記U形状の内部容積を充填する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
各突出部はさらに、前記第1の垂直層と前記第2の垂直層との間に配置される中間垂直層を備え、前記中間垂直層は、前記第1の材料および前記第2の材料と異なる第3の材料を備える、請求項1に記載の光学システム。
【請求項6】
前記中間垂直層および前記第2の垂直層は両方とも、U形状の断面プロファイルを有する、請求項5に記載の光学システム。
【請求項7】
前記複数の突出部は、ナノビームおよび柱のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の光学システム。
【請求項8】
前記複数の突出部の突出部は、前記光の波長未満のサブ波長間隔によって相互から分離される、請求項1に記載の光学システム。
【請求項9】
前記波長は、青色光、緑色光、または赤色光に対応する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項10】
光を再指向するための光学要素を製造する方法であって、前記方法は、
複数の離間されたプレースホルダを導波管上に提供することと、
第1の材料を備える第1のブランケット層を前記プレースホルダおよび前記導波管上に共形的に堆積させることと、
前記第1のブランケット層の水平に配向された部分を優先的に除去し、前記プレースホルダの少なくとも一部を暴露することと、
前記プレースホルダを前記第1のブランケット層に対して選択的にエッチングし、前記第1の材料を備える複数の垂直に配向された突出部を形成することであって、前記複数の垂直に配向された突出部は、光を再指向するように構成される、ことと
を含む、方法。
【請求項11】
前記垂直に配向された突出部は、メタ表面を形成し、前記垂直に配向された突出部は、前記光の波長未満の間隔を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記垂直に配向された突出部は、ナノビームおよび柱のうちの少なくとも1つを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記波長は、青色光、緑色光、または赤色光に対応する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記プレースホルダを提供することは、レジストの層を前記導波管上に堆積させることと、前記レジストをパターン化し、前記プレースホルダを画定することとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記レジストをパターン化することは、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、およびナノインプリントリソグラフィのうちの少なくとも1つを実施することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の層を共形的に堆積させることは、前記第1の層を原子層堆積によって堆積させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
第2のブランケット層を前記第1のブランケット層上に共形的に堆積させることをさらに含み、前記第2のブランケット層は、前記第1の材料と異なる第2の材料を備え、前記第2のブランケット層は、水平に配向された部分を優先的に除去することに先立って、共形的に堆積される、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
水平に配向された部分を優先的に除去することは、前記第2の層および前記第1の層の水平に配向された部分を除去する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のブランケット層は、前記プレースホルダの側壁に沿って延在し、開放容積をその間に画定し、水平に配向された部分を優先的に除去することの前に、前記開放容積を充填材料で充填することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記プレースホルダを選択的にエッチングすることは、前記充填材料を保定することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記充填材料は、前記第1の材料と異なる屈折率を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
水平に配向された部分を優先的に除去することは、化学機械的研磨を実施することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項23】
前記プレースホルダを選択的にエッチングすることに先立って、前記第1のブランケット層の残りの部分をアニール処理することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項24】
前記プレースホルダを選択的にエッチングすることは、ウェットエッチングおよびプラズマエッチングのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項25】
光学システムであって、
導波管と、
前記導波管の表面上の光学要素であって、前記光学要素は、ある波長を有する光を再指向するように構成され、前記光学要素は、
前記導波管上に配置される複数の突出部であって、各突出部は、
前記導波管上の下側水平層であって、前記下側水平層は、第1の材料を備える、下側水平層と、
前記下側水平層上の上側水平層であって、前記上側水平層は、前記第1の材料と異なる第2の材料を備える、上側水平層と
を備える、複数の突出部
を備える、光学要素と
を備える、光学システム。
【請求項26】
前記光学要素は、メタ表面を備える、請求項25に記載の光学システム。
【請求項27】
第1の材料および前記第2の材料は、異なる屈折率を有する、請求項25に記載の光学システム。
【請求項28】
各突出部はさらに、前記上側層と前記下側層との間に配置される中間水平層を備え、前記中間層は、前記第1の材料および前記第2の材料と異なる第3の材料を備える、請求項25に記載の光学システム。
【請求項29】
前記複数の突出部は、ナノビームおよび柱のうちの少なくとも1つを備える、請求項25に記載の光学システム。
【請求項30】
前記複数の突出部は、前記光の波長未満のサブ波長間隔によって相互から分離される、請求項25に記載の光学システム。
【請求項31】
前記波長は、青色光、緑色光、または赤色光に対応する、請求項25に記載の光学システム。
【請求項32】
前記第1の材料および前記第2の材料のうちの少なくとも1つは、硫黄化合物を備える、請求項25に記載の光学システム。
【請求項33】
前記硫黄化合物は、硫化モリブデンである、請求項32に記載の光学システム。
【請求項34】
光学要素を製造する方法であって、前記方法は、
メタ表面を形成することであって、前記メタ表面を形成することは、
下側ブランケット層を導波管上に堆積させることであって、前記下側ブランケット層は、第1の材料を備える、ことと、
上側ブランケット層を前記下側ブランケット層上に堆積させることであって、前記上側ブランケット層は、前記第1の材料と異なる第2の材料を備える、ことと、
エッチングマスクを前記上側ブランケット層にわたって形成することであって、前記エッチングマスクは、前記上側ブランケット層のマスクされない部分を暴露する、ことと、
前記上側ブランケット層および前記下側ブランケット層のマスクされない部分を除去し、前記下側層および上側層の残りの部分を構成する複数の突出部を形成することであって、前記突出部は、光を再指向するように構成される、ことと
を含む、こと
を含む、方法。
【請求項35】
前記垂直に配向された突出部は、メタ表面を形成し、前記垂直に配向された突出部は、前記光の波長未満のサブ波長間隔を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記垂直に配向された突出部は、ナノビームおよび柱のうちの少なくとも1つを備える、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記波長は、青色光、緑色光、または赤色光に対応する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記複数の突出部を前記下側層および前記上側層のうちの少なくとも1つの中への組み込みのための化学種を備える雰囲気に暴露することによって、各突出部の前記下側層および前記上側層のうちの少なくとも1つを異なる材料に変換することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記下側層または前記上側層を変換することは、硫化およびセレン化のうちの少なくとも1つを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記下側層および前記上側層は、物理的蒸着、化学蒸着、および原子層堆積のうちの少なくとも1つによって堆積される、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記下側層および前記上側層のうちの少なくとも1つは、5ナノメートルまたはそれ未満の厚さを有する、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記エッチングマスクを形成する前に、第3の層を前記上側層上に堆積させることをさらに含み、前記第3の層は、前記第1の材料および前記第2の材料と異なる第3の材料を備え、前記エッチングマスクを形成することは、前記エッチングマスクを前記第3の層にわたって形成することを含む、請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる、2019年11月8日に出願され、「METASURFACES WITH LIGHT-REDIRECTING STRUCTURES INCLUDING MULTIPLE MATERIALS AND METHODS FOR FABRICATING」と題された、米国仮出願第62/933246号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、拡張および仮想現実ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透明性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオは、実世界内のオブジェクトによってブロックされて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される、AR画像コンテンツを含んでもよい。
【0004】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写されている。AR技術のユーザには、背景における人々、木々、建物を特徴とする実世界公園状設定20と、コンクリートプラットフォーム30とが見える。ユーザはまた、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚する。これらの要素50、40は、実世界には存在しないという点で、「仮想」である。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素の中で仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生成は、困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの側面は、光学システムを含む。光学システムは、導波管と、導波管の表面上の光学要素とを備える。光学要素は、ある波長を有する光を再指向するように構成され、導波管上に配置される、複数の離間された突出部を備える。各突出部は、第1の材料を備える、第1の垂直層と、第1の材料と異なる第2の材料を備える、第2の垂直層とを備える。
【0006】
光学要素は、メタ表面であってもよい。第1の材料および第2の材料は、異なる屈折率を有してもよい。第1の垂直層は、U形状の断面プロファイルを画定し、第2の材料は、U形状の内部容積を充填してもよい。各突出部はさらに、第1の垂直層と第2の垂直層との間に配置される、中間垂直層を備えてもよく、中間垂直層は、第1の材料および第2の材料と異なる、第3の材料を備える。中間垂直層および第2の垂直層は両方とも、U形状の断面プロファイルを有してもよい。複数の突出部は、ナノビームおよび柱のうちの少なくとも1つを備えてもよい。複数の突出部の突出部は、サブ波長間隔によって、相互から分離されてもよい。本明細書で使用されるように、サブ波長寸法は、光、好ましくは、可視光(例えば、本明細書に開示されるように、メタ表面が、受光し、ディスプレイシステム内で再指向するように構成される、可視光)の波長未満である。波長は、青色光、緑色光、または赤色光に対応してもよい。
【0007】
いくつかの側面は、光を再指向するための光学要素を製造する方法を含む。本方法は、複数の離間されたプレースホルダを導波管上に提供することと、第1の材料を備える第1のブランケット層をプレースホルダおよび導波管上に共形的に堆積させることと、第1のブランケット層の水平に配向された部分を優先的に除去し、プレースホルダの少なくとも一部を暴露することと、第1のブランケット層に対してプレースホルダを選択的にエッチングし、第1の材料を備える、複数の垂直に配向された突出部を形成することとを含む。複数の垂直に配向された突出部は、光を再指向するように構成される。
【0008】
垂直に配向された突出部は、メタ表面を形成してもよく、垂直に配向された突出部は、光の波長未満の間隔を有する。垂直に配向された突出部は、ナノビームおよび柱のうちの少なくとも1つを備えてもよい。波長は、青色光、緑色光、または赤色光に対応してもよい。プレースホルダを提供することは、レジストの層を導波管上に堆積させることと、レジストをパターン化し、プレースホルダを画定することとを含んでもよい。レジストをパターン化することは、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、およびナノインプリントリソグラフィのうちの少なくとも1つを実施することを含んでもよい。第1の層を共形的に堆積させることは、第1の層を原子層堆積によって堆積させることを含んでもよい。本方法はさらに、第2のブランケット層を第1のブランケット層上に共形的に堆積させることを含んでもよく、第2のブランケット層は、第1の材料と異なる第2の材料を備え、第2のブランケット層は、水平に配向された部分を優先的に除去することに先立って、共形的に堆積される。水平に配向された部分を優先的に除去することは、第2の層および第1の層の水平に配向された部分を除去してもよい。第1のブランケット層は、プレースホルダの側壁に沿って延在し、開放容積をその間に画定してもよく、水平に配向された部分を優先的に除去することの前に、開放容積を充填材料で充填することをさらに含む。プレースホルダを選択的にエッチングすることは、充填材料を保定することを含んでもよい。充填材料は、第1の材料と異なる屈折率を有してもよい。水平に配向された部分を優先的に除去することは、化学機械的研磨を実施することを含んでもよい。本方法はさらに、プレースホルダを選択的にエッチングすることに先立って、第1のブランケット層の残りの部分をアニール処理することを含んでもよい。プレースホルダを選択的にエッチングすることは、ウェットエッチングおよびプラズマエッチングのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0009】
いくつかの側面は、光学システムを含む。光学システムは、導波管および導波管の表面上の光学要素を備える。光学要素は、ある波長を有する光を再指向するように構成され、導波管上に配置される、複数の突出部を備える。各突出部は、導波管上の下側水平層であって、第1の材料を備える、下側水平層と、下側水平層上の上側層であって、第1の材料と異なる第2の材料を備える、上側水平層とを備える。
【0010】
光学要素は、メタ表面を備えてもよい。第1の材料および第2の材料は、異なる屈折率を有してもよい。各突出部はさらに、上側層と下側層との間に配置される、中間水平層を備えてもよく、中間層は、第1の材料および第2の材料と異なる、第3の材料を備える。複数の突出部は、ナノビームおよび柱のうちの少なくとも1つを備えてもよい。複数の突出部は、光の波長未満のサブ波長間隔によって相互から分離されてもよい。波長は、青色光、緑色光、または赤色光に対応してもよい。第1の材料および第2の材料のうちの少なくとも1つは、硫黄化合物を備えてもよい。硫黄化合物は、硫化モリブデンであってもよい。
【0011】
いくつかの側面は、光学要素を製造する方法を含む。本方法は、メタ表面を形成することを含み、メタ表面を形成することは、下側ブランケット層を導波管上に堆積させることであって、下側ブランケット層は、第1の材料を備える、ことと、上側ブランケット層を下側ブランケット層上に堆積させることであって、上側ブランケット層は、第1の材料と異なる第2の材料を備える、ことと、エッチングマスクを上側ブランケット層にわたって形成することであって、エッチングマスクは、上側ブランケット層のマスクされない部分を暴露する、ことと、上側ブランケット層および下側ブランケット層のマスクされない部分を除去し、下側および上側層の残りの部分を構成する、複数の突出部を形成することであって、突出部は、光を再指向するように構成される、こととを含む。
【0012】
垂直に配向された突出部は、メタ表面を形成してもよく、垂直に配向された突出部は、光の波長未満のサブ波長間隔を有する。垂直に配向された突出部は、ナノビームおよび柱のうちの少なくとも1つを備えてもよい。波長は、青色光、緑色光、または赤色光に対応してもよい。本方法はさらに、複数の突出部を下側層および上側層のうちの少なくとも1つの中への組み込みのための化学種を備える雰囲気に暴露することによって、各突出部の下側層および上側層のうちの少なくとも1つを異なる材料に変換することを含んでもよい。下側層または上側層を変換することは、硫化およびセレン化のうちの少なくとも1つを含んでもよい。下側層および上側層は、物理的蒸着、化学蒸着、および原子層堆積のうちの少なくとも1つによって堆積されてもよい。下側層および上側層のうちの少なくとも1つは、5ナノメートルまたはそれ未満の厚さを有してもよい。本方法はさらに、エッチングマスクを形成する前に、第3の層を上側層上に堆積させることを含んでもく、第3の層は、第1の材料および第2の材料と異なる、第3の材料を備え、エッチングマスクを形成することは、エッチングマスクを第3の層にわたって形成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0014】
【
図2】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0015】
【
図3】
図3A-3Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0016】
【
図4A】
図4Aは、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現を図示する。
【0017】
【
図4B】
図4Bは、一対のユーザの眼の異なる遠近調節状態および輻輳・開散運動状態の実施例を図示する。
【0018】
【
図4C】
図4Cは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の実施例を図示する。
【0019】
【
図4D】
図4Dは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の別の実施例を図示する。
【0020】
【
図5】
図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0021】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0022】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0023】
【
図8】
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0024】
【
図9A】
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0025】
【0026】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0027】
【
図9D】
図9Dは、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0028】
【
図10】
図10Aおよび10Bは、それぞれ、複数のナノビームを含む、メタ表面の断面側および上下図の実施例を図示する。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【
図13】
図13は、材料の垂直に延在する層を伴う突出部を含む、メタ表面の例示的断面側面図を図示する。
【0034】
【
図14】
図14は、材料の水平に延在する層を伴う突出部を含む、メタ表面の例示的断面側面図を図示する。
【0035】
【
図15-1】
図15A-15Gは、垂直に配向された層を伴う
図13のメタ表面を加工する方法の実施例を図示する、断面側面図である。
【
図15-2】
図15A-15Gは、垂直に配向された層を伴う
図13のメタ表面を加工する方法の実施例を図示する、断面側面図である。
【0036】
【
図16-1】
図16A-16Fは、水平に配向された層を伴う
図14のメタ表面を加工する方法の実施例を図示する、断面側面図である。
【
図16-2】
図16A-16Fは、水平に配向された層を伴う
図14のメタ表面を加工する方法の実施例を図示する、断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
詳細な説明
ARおよび/またはVRシステムは、仮想コンテンツをユーザまたは視認者に表示し得る。例えば、本コンテンツは、例えば、画像情報をユーザの眼に投影する、アイウェアの一部としての頭部搭載型ディスプレイ上に表示されてもよい。加えて、本システムが、ARシステムである場合、ディスプレイはまた、周囲環境からの光をユーザの眼に透過させ、その周囲環境ビューを可能にしてもよい。本明細書で使用されるように、「頭部搭載型」または「頭部搭載可能」ディスプレイは、視認者またはユーザの頭部上に搭載され得る、ディスプレイであることを理解されたい。
【0038】
いくつかのディスプレイシステムでは、導波管のスタック等の1つまたはそれを上回る導波管が、仮想画像を複数の仮想深度面(本明細書では、単に、「深度面」とも称される)に形成し、ユーザから離れた異なる距離にあるように知覚されるように構成されてもよい。いくつかの実装では、画像情報を含有する光は、導波管の中に内部結合され、導波管を通して伝搬し、次いで、外部結合され得る(例えば、視認者の眼に向かって)。導波管のスタックの異なる導波管は、ユーザの眼から異なる距離におけるオブジェクトからユーザの眼に伝搬する光の波面発散をシミュレートする、光学構造(例えば、外部結合光学要素)を有してもよい。いくつかの実装では、屈折力を提供するための導波管光学構造の代替として、またはそれに加え、ディスプレイシステムはまた、屈折力または所望の量の波面発散を提供する、または加えて提供する、1つまたはそれを上回るレンズを含んでもよい。画像情報を伴う光は、画像源によって提供されてもよく、各導波管の内部結合光学要素によって、個々の導波管の中に内部結合されてもよい。内部結合および外部結合光学要素は、メタ表面を含む、回折光学要素であってもよい。
【0039】
内部結合および外部結合光学要素は、好ましくは、例えば、良好な画質および/または高電力効率性を提供するための種々の性能基準を満たすことを理解されたい。例えば、異なる導波管は、異なる色または波長の光を出力するように構成され得る。結果として、いくつかの実装では、内部結合および/または外部結合光学要素は、所望の波長に関して、高選択性および高効率性を伴って、光を再指向する(それぞれ、光を内部結合または外部結合する)一方、他の波長に関して、低効率性において光を再指向し得る。別の実施例として、内部結合および/または外部結合光学要素は、特定の角度において、それらの光学要素から離れるように光を再指向し、および/または再指向のために、特定の角度において、入射光を受光することが望ましくあり得る。好ましくは、特定の所望の波長の、および/または特定の所望の方向における、またはそこからの光の再指向は、高効率性を伴って達成される。メタ表面のこれらおよび種々の他の性能パラメータは、メタ表面を画定する構造を適切に設計することによって、調節され得る。
【0040】
有利なこととして、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、内部結合および/または外部結合光学要素等の光学要素を提供し、これは、いくつかの実装では、光学要素を形成する材料に関連する性質を修正する際に大自由度を可能にすることによって、光学要素の性能特性を調整する際にも大自由度を可能にする。メタ表面は、典型的には、単一材料から形成される。本明細書に説明されるシステムおよび方法のうちのいくつかは、メタ表面の個々の構成構造を提供し、これは、高度に精密な場所および割合における複数の材料を含む。例えば、メタ表面を形成する突出部は、異なる材料、例えば、異なる屈折率を有する材料の水平層および/または垂直層(例えば、同心垂直層)を有してもよい。有利なこととして、メタ表面の個々の突出部内への複数の材料の含有は、メタ表面設計においてよりカスタマイズ性を提供し、例えば、メタ表面の散乱応答(例えば、振幅、位相偏移等)の改良された制御を可能にし得る。メタ表面は、種々の構造を形成し、可視波長の光を含む、入射電磁放射の制御された再指向または散乱を提供してもよいことを理解されたい。いくつかの実装では、多層化メタ表面突出部は、広帯域無彩色メタレンズ、広帯域ビーム偏光器、広帯域無彩色波長板、広帯域偏光器、および/またはその中に類似散乱応答が入射波長の所望の(例えば、広)範囲を横断して所望される、任意の他のメタ表面を形成する。
【0041】
ここで、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を指す、図面を参照する。別様に示されない限り、図面は、概略であって、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない。
例示的ディスプレイシステム
【0042】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。ユーザの眼は、離間されており、空間内の実オブジェクトを見ているとき、各眼は、オブジェクトの若干異なるビューを有し、オブジェクトの画像を各眼の網膜上の異なる場所に形成し得ることを理解されたい。これは、両眼視差と称され得、ヒト視覚系によって、深度の知覚を提供するために利用され得る。従来のディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが所望の深度における実オブジェクトであるように各眼によって見えるであろう仮想オブジェクトのビューに対応する、眼210、220毎に1つの同一仮想オブジェクトの若干異なるビューを伴う2つの明確に異なる画像190、200を提示することによって、両眼視差をシミュレートする。これらの画像は、ユーザの視覚系が深度の知覚を導出するために解釈する、両眼キューを提供する。
【0043】
図2を継続して参照すると、画像190、200は、z-軸上で距離230だけ眼210、220から離間される。z-軸は、その眼が視認者の直前の光学無限遠におけるオブジェクトを固視している状態の視認者の光学軸と平行である。画像190、200は、平坦であって、眼210、220から固定距離にある。それぞれ、眼210、220に提示される画像内の仮想オブジェクトの若干異なるビューに基づいて、眼は、必然的に、オブジェクトの画像が眼のそれぞれの網膜上の対応する点に来て、単一両眼視を維持するように回転し得る。本回転は、眼210、220のそれぞれの視線を仮想オブジェクトが存在するように知覚される空間内の点上に収束させ得る。その結果、3次元画像の提供は、従来、ユーザの眼210、220の輻輳・開散運動を操作し得、ヒト視覚系が深度の知覚を提供するように解釈する、両眼キューを提供することを伴う。
【0044】
しかしながら、深度の現実的かつ快適な知覚の生成は、困難である。眼からの異なる距離におけるオブジェクトからの光は、異なる発散量を伴う波面を有することを理解されたい。
図3A-3Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図3A-3Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。逆に言えば、距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率は、オブジェクトと眼210との間の距離が減少するにつれて増加する。単眼210のみが、例証を明確にするために、
図3A-3Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得る。
【0045】
図3A-3Cを継続して参照すると、視認者の眼が固視しているオブジェクトからの光は、異なる波面発散度を有し得る。異なる波面発散量に起因して、光は、眼の水晶体によって異なるように集束され得、これは、ひいては、水晶体に、異なる形状をとり、集束された画像を眼の網膜上に形成することを要求し得る。集束された画像が、網膜上に形成されない場合、結果として生じる網膜ぼけは、集束された画像が網膜上に形成されるまで、眼の水晶体の形状に変化を生じさせる、遠近調節のためのキューとして作用する。例えば、遠近調節のためのキューは、眼の水晶体を囲繞する毛様筋の弛緩または収縮をトリガし、それによって、レンズを保持する提靱帯に印加される力を変調し、したがって、固視されているオブジェクトの網膜ぼけが排除または最小限にされるまで、眼の水晶体の形状を変化させ、それによって、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成し得る。眼の水晶体が形状を変化させるプロセスは、遠近調節と称され得、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成するために要求される眼の水晶体の形状は、遠近調節状態と称され得る。
【0046】
ここで
図4Aを参照すると、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現が、図示される。オブジェクトを固視するための眼の移動は、眼にオブジェクトからの光を受光させ、光は、画像を眼の網膜のそれぞれ上に形成する。網膜上に形成される画像内の網膜ぼけの存在は、遠近調節のためのキューを提供し得、網膜上の画像の相対的場所は、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。遠近調節するためのキューは、遠近調節を生じさせ、眼の水晶体がオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成する特定の遠近調節状態をとる結果をもたらす。一方、輻輳・開散運動のためのキューは、各眼の各網膜上に形成される画像が単一両眼視を維持する対応する網膜点にあるように、輻輳・開散運動移動(眼の回転)を生じさせる。これらの位置では、眼は、特定の輻輳・開散運動状態をとっていると言え得る。
図4Aを継続して参照すると、遠近調節は、眼が特定の遠近調節状態を達成するプロセスであると理解され得、輻輳・開散運動は、眼が特定の輻輳・開散運動状態を達成するプロセスであると理解され得る。
図4Aに示されるように、眼の遠近調節および輻輳・開散運動状態は、ユーザが別のオブジェクトを固視する場合、変化し得る。例えば、遠近調節された状態は、ユーザがz-軸上の異なる深度における新しいオブジェクトを固視する場合、変化し得る。
【0047】
理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動および遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」であると知覚し得ると考えられる。上記に記載されるように、2つの眼の相互に対する輻輳・開散運動移動(例えば、瞳孔が相互に向かって、またはそこから移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体の遠近調節と密接に関連付けられる。正常条件下では、眼の水晶体の形状を変化させ、1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに焦点を変化させることは、自動的に、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、同一距離まで輻輳・開散運動における整合する変化を生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動における変化は、正常条件下、水晶体形状における整合する変化をトリガするであろう。
【0048】
ここで
図4Bを参照すると、眼の異なる遠近調節および輻輳・開散運動状態の実施例が、図示される。対の眼222aは、光学無限遠におけるオブジェクトを固視する一方、対の眼222bは、光学無限遠未満におけるオブジェクト221を固視する。着目すべきこととして、各対の眼の輻輳・開散運動状態は、異なり、対の眼222aは、まっすぐ指向される一方、対の眼222は、オブジェクト221上に収束する。各対の眼222aおよび222bを形成する眼の遠近調節状態もまた、水晶体210a、220aの異なる形状によって表されるように異なる。
【0049】
望ましくないことに、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くのユーザは、これらのディスプレイにおける遠近調節と輻輳・開散運動状態との間の不整合に起因して、そのような従来のシステムを不快であると見出す、または奥行感を全く知覚しない場合がある。上記に記載されるように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、若干異なる画像を各眼に提供することによって、場面を表示する。そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供し、眼の輻輳・開散運動状態に変化を生じさせるが、それらの眼の遠近調節状態に対応する変化を伴わないため、多くの視認者にとって不快である。むしろ、画像は、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態において視認するように、ディスプレイによって眼から固定距離に示される。そのような配列は、遠近調節状態における整合する変化を伴わずに輻輳・開散運動状態に変化を生じさせることによって、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に逆らう。本不整合は、視認者不快感を生じさせると考えられる。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供する、ディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0050】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。いくつかの実装では、異なる提示は、輻輳・開散運動のためのキューおよび遠近調節するための整合するキューの両方を提供し、それによって、生理学的に正しい遠近調節-輻輳・開散運動整合を提供してもよい。
【0051】
図4Bを継続して参照すると、眼210、220からの空間内の異なる距離に対応する、2つの深度面240が、図示される。所与の深度面240に関して、輻輳・開散運動キューが、眼210、220毎に適切に異なる視点の画像を表示することによって提供されてもよい。加えて、所与の深度面240に関して、各眼210、220に提供される画像を形成する光は、その深度面240の距離におけるある点によって生成されたライトフィールドに対応する波面発散を有してもよい。
【0052】
図示される実装では、点221を含有する、深度面240のz-軸に沿った距離は、1mである。本明細書で使用されるように、z-軸に沿った距離または深度は、ユーザの眼の射出瞳に位置するゼロ点を用いて測定されてもよい。したがって、1mの深度に位置する深度面240は、眼が光学無限遠に向かって指向された状態にある、それらの眼の光学軸上のユーザの眼の射出瞳から1m離れた距離に対応する。近似値として、z-軸に沿った深度または距離は、ユーザの眼の正面のディスプレイ(例えば、導波管の表面)から測定され、デバイスとユーザの眼の射出瞳との間の距離に関する値が加えられてもよい。その値は、瞳距離と呼ばれ、ユーザの眼の射出瞳と眼の正面のユーザによって装着されるディスプレイとの間の距離に対応し得る。実際は、瞳距離に関する値は、概して、全ての視認者に関して使用される、正規化された値であってもよい。例えば、瞳距離は、20mmであると仮定され得、1mの深度における深度面は、ディスプレイの正面の980mmの距離にあり得る。
【0053】
ここで
図4Cおよび4Dを参照すると、整合遠近調節-輻輳・開散運動距離および不整合遠近調節-輻輳・開散運動距離の実施例が、それぞれ、図示される。
図4Cに図示されるように、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトの画像を各眼210、220に提供してもよい。画像は、眼210、220に、眼が深度面240上の点15上に収束する、輻輳・開散運動状態をとらせ得る。加えて、画像は、その深度面240における実オブジェクトに対応する波面曲率を有する光によって形成され得る。その結果、眼210、220は、画像がそれらの眼の網膜上に合焦する、遠近調節状態をとる。したがって、ユーザは、仮想オブジェクトを深度面240上の点15にあるように知覚し得る。
【0054】
眼210、220の遠近調節および輻輳・開散運動状態はそれぞれ、z-軸上の特定の距離と関連付けられることを理解されたい。例えば、眼210、220からの特定の距離におけるオブジェクトは、それらの眼に、オブジェクトの距離に基づいて、特定の遠近調節状態をとらせる。特定の遠近調節状態と関連付けられる距離は、遠近調節距離Adと称され得る。同様に、特定の輻輳・開散運動状態における眼と関連付けられる特定の輻輳・開散運動距離Vdまたは相互に対する位置が、存在する。遠近調節距離および輻輳・開散運動距離が整合する場合、遠近調節と輻輳・開散運動との間の関係は、生理学に正しいと言える。これは、視認者に最も快適なシナリオであると見なされる。
【0055】
しかしながら、立体視ディスプレイでは、遠近調節距離および輻輳・開散運動距離は、常時、整合しない場合がある。例えば、
図4Dに図示されるように、眼210、220に表示される画像は、深度面240に対応する波面発散を伴って表示され得、眼210、220は、その深度面上の点15a、15bが合焦する、特定の遠近調節状態をとり得る。しかしながら、眼210、220に表示される画像は、眼210、220を深度面240上に位置しない点15上に収束させる、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。その結果、遠近調節距離は、いくつかの実装では、眼210、220の射出瞳から深度面240の距離に対応する一方、輻輳・開散運動距離は、眼210、220の射出瞳から点15までのより大きい距離に対応する。遠近調節距離は、輻輳・開散運動距離と異なる。その結果、遠近調節-輻輳・開散運動不整合が存在する。そのような不整合は、望ましくないと見なされ、不快感をユーザに生じさせ得る。不整合は、距離(例えば、V
d-A
d)に対応し、ジオプタを使用して特性評価され得ることを理解されたい。
【0056】
いくつかの実装では、同一参照点が遠近調節距離および輻輳・開散運動距離のために利用される限り、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を決定するために、眼210、220の射出瞳以外の参照点が、距離を決定するために利用されてもよいことを理解されたい。例えば、距離は、角膜から深度面まで、網膜から深度面、接眼レンズ(例えば、ディスプレイデバイスの導波管)から深度面まで等で測定され得る。
【0057】
理論によって限定されるわけではないが、ユーザは、依然として、不整合自体が有意な不快感を生じさせずに、生理学的に正しい最大0.25ジオプタ、最大0.33ジオプタ、および最大約0.5ジオプタの遠近調節-輻輳・開散運動不整合を知覚し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム250、
図6)は、約0.5ジオプタまたはそれ未満の遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有する画像を視認者に提示する。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.33ジオプタまたはそれ未満である。さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.1ジオプタまたはそれ未満を含む、0.25ジオプタまたはそれ未満である。
【0058】
図5は、波面発散を修正することによって、3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。ディスプレイシステムは、画像情報でエンコードされた光770を受光し、その光をユーザの眼210に出力するように構成される、導波管270を含む。導波管270は、所望の深度面240上のある点によって生成されたライトフィールドの波面発散に対応する定義された波面発散量を伴って光650を出力してもよい。いくつかの実装では、同一量の波面発散が、その深度面上に提示される全てのオブジェクトのために提供される。加えて、ユーザの他方の眼は、類似導波管からの画像情報を提供され得るように図示されるであろう。
【0059】
いくつかの実装では、単一導波管が、単一または限定数の深度面に対応する設定された波面発散量を伴う光を出力するように構成されてもよく、および/または導波管は、限定された範囲の波長の光を出力するように構成されてもよい。その結果、いくつかの実装では、複数またはスタックの導波管が、異なる深度面のための異なる波面発散量を提供し、および/または異なる範囲の波長の光を出力するために利用されてもよい。本明細書で使用されるように、深度面は、平面であってもよい、または湾曲表面の輪郭に追従してもよいことを理解されるであろう。
【0060】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。ディスプレイシステム250は、いくつかの実装では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。加えて、導波管アセンブリ260はまた、接眼レンズとも称され得る。
【0061】
いくつかの実装では、ディスプレイシステム250は、輻輳・開散運動するための実質的に連続キューおよび遠近調節するための複数の離散キューを提供するように構成されてもよい。輻輳・開散運動のためのキューは、異なる画像をユーザの眼のそれぞれに表示することによって提供されてもよく、遠近調節のためのキューは、選択可能離散量の波面発散を伴う画像を形成する光を出力することによって提供されてもよい。換言すると、ディスプレイシステム250は、可変レベルの波面発散を伴う光を出力するように構成されてもよい。いくつかの実装では、波面発散の各離散レベルは、特定の深度面に対応し、導波管270、280、290、300、310のうちの特定の1つによって提供されてもよい。
【0062】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実装では、特徴320、330、340、350は、1つまたはそれを上回るレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて、画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度面と関連付けられてもよく、その深度面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力するために、各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実装では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実装では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されるコリメートされたビームの全体場を出力してもよく、これは、特定の導波管と関連付けられる深度面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される。いくつかの実装では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0063】
いくつかの実装では、画像投入デバイス360、370、380、390、400はそれぞれ、それぞれ対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のために画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、画像情報を1つまたはそれを上回る光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0064】
いくつかの実装では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光プロジェクタシステム520によって提供され、これは、光モジュール530を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器によって指向および修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させ、光を画像情報でエンコードするように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、液晶ディスプレイ(LCD)を含み、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、図式的に図示され、いくつかの実装では、これらの画像投入デバイスは、光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられるものの中に出力するように構成される、共通投影システム内のなる光経路および場所を表し得ることを理解されたい。いくつかの実装では、導波管アセンブリ260の導波管は、導波管の中に投入された光をユーザの眼に中継しながら、理想的レンズとして機能し得る。本概念では、オブジェクトは、空間光変調器540であってもよく、画像は、深度面上の画像であってもよい。
【0065】
いくつかの実装では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つまたはそれを上回る導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つまたはそれを上回る走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実装では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられる1つの中に投入するように構成される。1つまたはそれを上回る光ファイバは、光を光モジュール530から1つまたはそれを上回る導波管270、280、290、300、310に透過するように構成されてもよいことを理解されたい。1つまたはそれを上回る介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つまたはそれを上回る導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つまたはそれを上回る導波管270、280、290、300、310の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0066】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光変調器540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つまたはそれを上回るものの動作を制御する。いくつかの実装では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよびプロビジョニングを調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実装では、コントローラは、単一一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実装では、処理モジュール140または150(
図9D)の一部であってもよい。
【0067】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要上部表面および底部表面およびそれらの主要上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、各個別の導波管内で伝搬する光を導波管から再指向し、画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内を伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明の容易性および図面の明確性のために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実装では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置されてもよく、および/または導波管270、280、290、300、310の体積内に直接配置されてもよい。いくつかの実装では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、材料のモノリシック片であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、材料のその部品の表面上および/またはその内部に形成されてもよい。
【0068】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるものとして解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1のレンズ350および第2のレンズ340の両方を通して通過させる。第1のレンズ350および第2のレンズ340の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるものとして解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0069】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0070】
いくつかの実装では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つまたはそれを上回るものは、同一の関連付けられる深度面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、深度面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0071】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられる特定の深度面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられる深度面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられる深度面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実装では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、立体または表面特徴であってもよく、これは、具体的角度において光を出力するように構成されてもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実装では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、空隙を形成するためのクラッディング層および/または構造)であってもよい。
【0072】
いくつかの実装では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、「回折光学要素」、すなわち、回折パターン(また、本明細書では、「DOE」とも称される)を形成する、回折特徴である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交点で眼210に向かって偏向される一方、残りがTIRを介して導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射するいくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一パターンの出射放出となる。
【0073】
いくつかの実装では、1つまたはそれを上回るDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに合致しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0074】
いくつかの実装では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実装では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実装では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(
図9D)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る、処理モジュール140および/または150と電気通信してもよい。いくつかの実装では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0075】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管270と関連付けられる深度面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼210に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜上に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0076】
いくつかの実装では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つまたはそれを上回る原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度面において形成されてもよい。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられる3つまたはそれを上回る原色画像を有してもよい。異なる深度面は、文字G、R、およびBに続くジオプタに関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実装では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0077】
いくつかの実装では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度面は、それと関連付けられる複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度面毎に提供される。各深度面と関連付けられる導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0078】
図8を継続して参照すると、いくつかの実装では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられる他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つまたはそれを上回るものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0079】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、その所与の色として視認者によって知覚される、光の波長の範囲内の1つまたはそれを上回る波長の光を包含するものと理解されると理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内である1つまたはそれを上回る波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内である1つまたはそれを上回る波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内である1つまたはそれを上回る波長の光を含んでもよい。
【0080】
いくつかの実装では、光源530(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つまたはそれを上回る波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0081】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実装では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つまたはそれを上回る異なる波長または1つまたはそれを上回る異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(
図6)に対応し得、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つまたはそれを上回るものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0082】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられる内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実装では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つまたはそれを上回るものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つまたはそれを上回る内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、その個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実装では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の本体内に配置されてもよい。いくつかの実装では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過しながら、1つまたはそれを上回る光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実装では、その個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0083】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実装では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、光を受光するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受光するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受光しないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0084】
各導波管はまた、関連付けられる光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられる導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられる導波管670、680、690の上部および底部両方の主要表面上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられる導波管670、680、690内の上部および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0085】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実装では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率を0.05またはそれを上回って、または0.10またはそれを上回って下回る。有利なこととして、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部および底部主要表面間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実装では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0086】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実装では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つまたはそれを上回る導波管間で異なってもよい、および/または層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0087】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つまたはそれを上回る画像投入デバイス360、370、380、390、400(
図6)によって導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0088】
いくつかの実装では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実装では、内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられる内部結合光学要素に透過させながら、1つまたはそれを上回る特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0089】
例えば、内部結合光学要素700は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線780および790を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を選択的に偏向させるように構成されてもよい。透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0090】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0091】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。上記に記載されるように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0092】
いくつかの実装では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実装では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散し、いくつかの実装では、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実装では、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成されてもよい。例えば、
図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実装では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(
図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよく、EPEは、OPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させてもよいことを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに再指向するように構成されてもよい。OPEへの衝突に応じて、再び、残りの光の別の部分は、EPEに再指向され、その部分の残りの部分は、導波管等を辿ってさらに伝搬し続ける。同様に、EPEへの衝打に応じて、衝突光の一部は、導波管からユーザに向かって指向され、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突する光の別の部分は、導波管から指向される等となる。その結果、内部結合された光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって再指向される度に、「複製」され、それによって、
図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実装では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成されてもよい。
【0093】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実装では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受光する異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏光され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に衝突し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680からの外部結合した光も受光する。
【0094】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられる光分散要素730、740、750および関連付けられる外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実装では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0095】
図9Dは、本明細書に開示される種々の導波管および関連システムが統合され得る、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。いくつかの実装では、ディスプレイシステム60は、
図6のシステム250であって、
図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、
図6の導波管アセンブリ260は、ディスプレイ70の一部であってもよい。
【0096】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ70は、いくつかの実装では、接眼レンズと見なされ得る。いくつかの実装では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実装では、示されない別のスピーカも、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステム60はまた、1つまたはそれを上回るマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実装では、マイクロホンは、ユーザが入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集してもよい。いくつかの実装では、ディスプレイシステム60はさらに、ユーザの周囲の世界のオブジェクト、刺激、人々、動物、場所、または他の側面を検出するように構成される、1つまたはそれを上回る外向きに指向される環境センサ112を含んでもよい。例えば、環境センサ112は、1つまたはそれを上回るカメラを含んでもよく、これは、例えば、ユーザ90の通常の視野の少なくとも一部に類似する画像を捕捉するように、外向きに向いて位置してもよい。いくつかの実装では、ディスプレイシステムはまた、周辺センサ120aを含んでもよく、これは、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等)上に取り付けられてもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実装では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを入手するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0097】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホン内に埋設される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成、ベルト結合式構成において)等、種々の構成で搭載されてもよい。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用されてもよい。随意に、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140は、1つまたはそれを上回る処理ユニットユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る))から捕捉されたデータ、および/またはb)可能性として処理または読出後ににディスプレイ70への通過のための遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して取得および/または処理されたデータを含む。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンクを介して等、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実装では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つまたはそれを上回るものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であってもよい。
【0098】
図9Dを継続して参照すると、いくつかの実装では、遠隔処理モジュール150は、例えば、1つまたはそれを上回る中央処理ユニット(GPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含む、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つまたはそれを上回るプロセッサを備えてもよい。いくつかの実装では、遠隔データリポジトリ160は、デジタルデータ記憶設備を備えてもよく、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実装では、遠隔データリポジトリ160は、1つまたはそれを上回る遠隔サーバを含んでもよく、これは、情報、例えば、拡張現実コンテンツをローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に生成するための情報を提供する。いくつかの実装では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的使用を可能にする。随意に、CPU、GPU等を含む、外部システム(例えば、1つまたはそれを上回るプロセッサ、1つまたはそれを上回るコンピュータのシステム)が、処理(例えば、画像情報を生成する、データを処理する)の少なくとも一部を実施し、例えば、無線または有線接続を介して、情報をモジュール140、150、160に提供し、情報をそこから受信してもよい。
例示的メタ表面
【0099】
図10Aおよび10Bは、それぞれ、いくつかの実施形態による、メタ表面の2002の断面側面図および上下図の実施例を図示する。基板2000は、複数のメタ表面ユニットセル2010を備えるメタ表面2002が配置される、表面2000aを有する。ユニットセル2010はそれぞれ、表面2000aから上向きに延在する材料を備える、1つまたはそれを上回る突出部を含む。図示されるように、いくつかの実装では、ユニットセル2010は、2つの突出部2020a、2020bを含む。いくつかの実装では、突出部2020a、2020bは、自立柱の形態をとってもよい。いくつかの他の実装では、突出部2020a、2020bは、側方に伸長される、ナノビームの形態をとってもよい。ユニットセル2010が、2つまたはそれを上回る突出部を含む場合、突出部2020a、2020bは、図示されるように、サイズが異なり得る(例えば、一方は、他方より広くあり得る)。突出部2020a、2020bは、光学的に透過性の材料から形成されてもよい。
【0100】
図10Aを継続して参照すると、突出部2020a、2020bは、隆起(またはナノビーム)であってもよく、これは、ページの内外に側方に伸長され、近傍の突出部との間に堀を画定する。いくつかの実装では、突出部2020a、2020bは、線形であってもよい。いくつかの実装では、突出部2020a、2020bは、その長さに沿って持続的であって、これは、高回折効率を提供するための利点を有し得る。いくつかの他の実装では、突出部2020a、2020bは、その長さに沿って断続的であってもよく、例えば、突出部2020a、2020bはそれぞれ、線に沿って延在してもよく、それらの線に沿って突出部2020a、2020b内に間隙を伴う。
【0101】
ユニットセル2010は、表面2000aを横断して規則的間隔で反復してもよく、突出部2020a、2020bもまた相互に平行であるように、相互に平行であってもよい。ユニットセル2010は、幅Pを有してもよく、これは、直接近隣ユニットセル2010の同じ点間の距離である。いくつかの実装では、Pは、10nm~500nmまたは300nm~500nmを含む、10nm~1μmの範囲内であってもよい。Pは、ユニットセル2010のピッチと見なされ得、それらのユニットセルによって形成される格子を横断して実質的に一定であってもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、Pは、表面2000aを横断して変動してもよい。
【0102】
好ましくは、突出部2020a、2020bを形成する材料の屈折率は、基板2000の屈折率と異なる(例えば、より高い)。いくつかの実装では、突出部2020a、2020bまたは他の構造(例えば、柱または他の形状)は、異なる屈折率を有する、複数の材料を含んでもよく、そのうちのいくつかは、個々に、基板2000の屈折率より高いまたはそれより低くてもよい。いくつかの実装では、基板2000は、導波管であってもよく、導波管270、280、290、300、310(
図6)および/または導波管670、680、および690(
図9A)に対応してもよい。そのような用途では、基板は、好ましくは、比較的に高屈折率、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、またはより高い屈折率を有し、これは、光をその基板2000から出力することによって画像を形成するディスプレイの視野を増加させる利点を提供することができる。基板2000を形成するための材料の実施例は、ガラス(例えば、ドープされたガラス)、ニオブ酸リチウム、プラスチック、ポリマー、サファイヤ、または他の光学的に透過性の材料を含む。いくつかの実装では、突出部2020a、2020bを形成する材料の屈折率(または突出部2020a、2020bまたは他のナノ構造が複数の材料を含む場合の有効屈折率)は、2.0またはより高い、2.5またはより高い、3.0またはより高い、3.3またはより高い、または3.5またはより高くてもよい。突出部2020a、2020bを形成するための材料の実施例は、シリコン含有材料(例えば、非晶質またはポリシリコン、および窒化ケイ素)、酸化物、およびリン化ガリウムを含む。酸化物の実施例は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、および酸化亜鉛を含む。いくつかの実装では、突出部2020a、2020bを形成する材料または材料の組み合わせは、同一であって、これは、メタ表面2002の加工を簡略化する利点を有する。
【0103】
図10Aおよび10Bを継続して参照すると、突出部2020bのうちの1つは、図示される突出部2020aの他方の幅NW
1より大きい幅NW
2を有する。いくつかの実装では、幅NW
1およびNW
2はそれぞれ、10nm~300nmを含む、10nm~1μmの範囲内であって、NW
1は、上記に記載されるように、NW
2を上回る。図示されるように、突出部2020a、2020bは、10nm~300nm幅を含む、10nm~1μm幅の範囲内の間隙によって分離されてもよい。また、図示されるように、突出部2020a、2020bは、高さh
nwを有し、これは、いくつかの実装では、10nm~450nmを含む、10nm~1μmの範囲内であってもよい。好ましくは、突出部2020a、2020bの高さは、実質的に等しい。
【0104】
図10Aおよび10Bを継続して参照すると、これらの図に図示されるメタ表面2002は、透過モードで機能し得る。光線2021a、2021bは、突出部2020a、2020bによって形成されるメタ表面2002を通して伝搬することに応じて、再指向される。図示されるように、光線2021aは、表面2000aの法線に対して角度αでメタ表面2002に入射する。好ましくは、角度αは、光線2021aが、メタ表面2002によって再指向され、基板2000内の全内部反射を促進する角度でその基板2000内を伝搬するように、メタ表面2002のための角度帯域幅内にある。図示されるように、光線2021bは、表面2000aの法線に対して角度θ
TIRを作成するように再指向される。好ましくは、角度θ
TIRは、基板2000内の全内部反射を促進する角度の範囲内である。本明細書に開示されるように、いくつかの実装では、メタ表面2002は、内部結合光学要素として(例えば、内部結合光学要素700、710、720(
図9A)のうちの1つまたはそれを上回るものとして)利用され、光が全内部反射を介して基板2000を通して伝搬するように、入射光を内部結合してもよい。
【0105】
メタ表面2002はまた、基板2000内からそこに衝突する光を偏向させるであろう。本機能性を利用して、いくつかの実装では、本明細書に開示されるメタ表面は、内部結合光学要素を表面2000a上の異なる場所に形成する代わりに、またはそれに加え、外部結合光学要素570、580、590、600、610(
図6)または800、810、820(
図9B)のうちの1つまたはそれを上回るもの等の外部結合光学要素を形成するように適用されてもよい。異なる導波管が、異なる関連付けられる原色を有する場合、各導波管と関連付けられる外部結合光学要素および/または内部結合光学要素は、導波管が伝搬するように構成される光の波長または色に特有の幾何学的サイズおよび/または周期性を有してもよいことを理解されたい。したがって、異なる導波管は、異なる幾何学的サイズおよび/または周期性を伴うメタ表面を有してもよい。実施例として、赤色、緑色、または青色光を内部結合または外部結合するためのメタ表面は、それぞれ、例えば、638nm、520nm、および455nmの波長で光を再指向または回折するように構成される、幾何学的サイズおよび/または周期性(ピッチ)を有してもよい。いくつかの実装では、突出部2020a、2020bおよびユニットセル2010の幾何学的サイズおよび周期性は、波長がより長くなるにつれて増加し、および/または突出部2020a、2020bの一方または両方の高さまたは厚さもまた、波長がより長くなるにつれて増加する。
【0106】
いくつかの実装では、メタ表面2002が、外部結合光学要素として利用される場合、メタ表面2002は、メタ表面に屈折力を回折される光上に付与させる、幾何学的サイズおよび/またはピッチを有してもよい。例えば、メタ表面は、光をメタ表面から発散または収束方向に出射させるように構成されてもよい。メタ表面の異なる部分は、異なるピッチを有してもよく、これは、例えば、光線が発散または収束するように、異なる光線を異なる方向に偏向させる。
【0107】
いくつかの他の実装では、メタ表面2002は、光がコリメートされた光の光線としてメタ表面2002から離れるように伝搬するように、光を再指向してもよい。例えば、コリメートされた光が類似角度においてメタ表面2002上に衝突する場合、メタ表面2002は、メタ表面2002の全体を横断して、一貫した幾何学的サイズおよび一貫したピッチを有し、類似角度で光を再指向し得る。
【0108】
上記に述べられたように、2つの突出部2020a、2020bが、議論を容易にするために、図示されるが、メタ表面2002は、ユニットセル2010あたり1つまたは2つを上回る突出部を伴う、ユニットセル2010を含んでもよい。加えて、突出部は、種々の形状を有してもよい。いくつかの実装では、突出部は、柱および/または丸みを帯びていてもよい。
【0109】
図11A-12Bを参照すると、付加的メタ表面設計考慮点が、より詳細に議論されるであろう。
図11Aは、基板2000(
図10A-10B)に類似し得る、基板1100上に形成される、略円筒形突出部または柱1120を伴う、例示的メタ表面1102のユニットセル1110を図示する。メタ表面1102は、x-およびy-軸に沿って等しく離間される、ユニットセル1110の規則的アレイを含んでもよく、および/またはx-軸に沿って、第1の間隔と、y-軸に沿って、異なる間隔とを有する、ユニットセル1110のアレイを含んでもよい。本実施例におけるメタ表面の各柱1120は、単一材料を備える。
【0110】
図12Aは、同様に、基板2000(
図10A-10B)に類似し得る、基板1200上に形成される、略円筒形構造または柱1220を含む、例示的メタ表面1202のユニットセル1210を図示する。しかしながら、メタ表面1202の柱1220は、第1の材料を備える、外側層1222と、異なる屈折率を有する、第2の材料を備える、内側層1224とを含む。
【0111】
図11Bおよび12Bは、それぞれ、メタ表面1102および1202の例示的構成の光学性質を図示する、位相マップである。
図11Bにおける位相マップは、600nmの高さおよび200nmのユニットセルピッチUを伴う、二酸化チタンを備える、円筒形柱1120を有する、メタ表面に対応する。
図12Bにおける位相マップは、600nmの高さおよび390nmのユニットセルピッチUを伴う、二酸化チタンの外側層1222と、空気の内側層1224とを備える、円筒形柱1220を有する、メタ表面に対応する。
図11Bに示されるように、単一材料を備える、柱1120のアレイは、メタ表面に対する修正が、それぞれ、例えば、メタ表面の結果として生じる波長依存位相偏移を変化させ得る、柱1120の材料、直径、間隔、および高さの変更に限定され得るため、比較的にわずかな程度の設計自由度を有する。
【0112】
図12Bに示されるように、メタ表面1202に対応する、位相マップは、少なくとも部分的に、外側層1222と、外側層1222の材料と異なる材料の内側層1224との含有に起因して、メタ表面1102に対応する、位相マップと、実質的に異なるプロファイルを有する。したがって、複数の材料をナノ構造(例えば、柱、ナノビーム等)内に含む、メタ表面を生産する能力は、メタ表面設計にさらにより多くの自由度を導入する。例えば、これらの付加的自由度は、層の数、各層を構成する材料、および各個々の層の厚さを含み得る。さらに、層は、堆積プロセスによって形成されてもよく、これは、その厚さおよび場所の精密な制御を可能にする。故に、本明細書に説明されるような多層構造を伴う、メタ表面は、有利なこととして、メタ表面性能のより細かい調整を可能にする。
【0113】
図13および14は、多層メタ表面1302、1402の例示的構成の断面図を図示する。
図13は、複数の垂直に配向された部分1322、1324、1326、1328によって形成される、突出部1320を伴う、メタ表面1302を図示する。いくつかの実装では、垂直に配向される層1322、1324、1326、1328は、断面側面図に見られるように、同心U形状プロファイルを有してもよく、中心部分1328は、層1322、1324、1326のそれぞれがU形状のプロファイルを形成するように、対向側壁に沿って、かつ中心部分3028の底部表面を横断して延在する、1つまたはそれを上回る層1322、1324、1326を含んでもよい。いくつかの実装では、突出部1320は、均一サイズを有してもよく、各ユニットセル1310は、単一突出部1320を含んでもよい。上記およびいくつかの他の実装に議論されるように、各ユニットセル1310は、異なる物理的寸法(例えば、幅)を有する、異なる突出部をユニットセル内に伴う、複数の突出部1320を含んでもよい。例えば、ユニットセル1310の1つの突出部1320は、ユニットセルの別の突出部より大きくてもよい(例えば、ユニットセルの2つの突出部1320は、突出部2020a、2020b(
図10A-10B)に対応し得る)。本明細書に説明される突出部は、1つ、2つ、3つ、またはそれを上回るラミネートされた層から形成されてもよい。
【0114】
図14は、それぞれ、複数の水平に配向された層1422、1424、1426を含む、突出部1420から形成される、ユニットセル1410を伴う、メタ表面1402を図示する。本明細書に議論されるように、各ユニットセルは、1つまたはそれを上回る突出部1420を含んでもよい。いくつかの実装では、各ユニットセル1310は、複数の突出部1420を含む。図示されるように、ユニットセル1410は、異なる幅を有する、2つの突出部1420を含んでもよい。突出部1420はそれぞれ、複数の水平に配向された層1422、1424、1426から形成されてもよく、これは、そのような層のスタックを画定してもよい。
【0115】
図13および14の両方を参照すると、突出部1320、1420は、例えば、ナノビーム、上方から視認されると、矩形、円形、または楕円形プロファイルを有する、柱であってもよい、または他の形状を有してもよい。隣接する突出部1320または1420間の間隔は、可視光(例えば、青色光、緑色光、赤色光等)のために、比較的に小さく、例えば、サブ波長間隔(例えば、ナノメートルスケール間隔)であってもよい。いくつかの実装では、ユニットセルのピッチは、10nm~500nmまたは300nm~500nmを含む、10nm~1μmの範囲内であってもよい。さらに、いくつかの実装では、いくつかの層の厚さは、約5nmまたはそれ未満等、比較的に薄くてもよい。水平または垂直層のいずれかは、例えば、単一突出部または複数の突出部を備える、ユニットセル、均一に定寸または異なるように定寸される突出部を備える、ユニットセル、均一に離間または異なるように離間される突出部を備える、ユニットセル等のユニットセル構成に実装されてもよいことを理解されたい。
【0116】
再び、
図13および14を参照すると、突出部1320、1420は、シリコン含有材料(例えば、非晶質またはポリシリコン、および窒化ケイ素)、酸化物、リン化ガリウム、または空気(例えば、突出部1320の内側中心部分1328のように)のうちの1つまたはそれを上回るもの等の複数の異なる材料を含んでもよい。酸化物の実施例は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、および酸化亜鉛を含む。いくつかの実装では、各突出部1320、1420の全ての層は、異なる屈折率を有する、異なる材料を備えてもよい。いくつかの他の実装では、1つまたはそれを上回る材料は、繰り返されてもよい、または同一屈折率を有してもよい。例えば、メタ表面1302および1402では、層1322および1326、1322および1328、1324および1328、または層1422および1426は、同一材料を備えてもよい、または同一屈折率を有してもよい。しかしながら、隣接する層は、好ましくは、異なる屈折率を有する。
【0117】
メタ表面1302および1402製造する例示的を方法が、ここで説明されるであろう。
【0118】
図15A-15Gは、材料の垂直に配向された層を有する、突出部1520(
図15G)を含む、メタ表面1502を製造する例示的プロセスを図示する。いくつかの実装では、メタ表面1502は、
図13のメタ表面1302と類似する、または同じであり得る、突出部1520は、突出部1320と類似する、または同じであり得る。
【0119】
図15Aを参照すると、基板1500が、最終的突出部の形成を支援するために提供されてもよい。基板1500は、例えば、ガラス、ポリマー(例えば、プラスチック)、または同等物等の光学的に透過性の材料から作製されてもよく、基板2000(
図10A-10B)、1300(
図13)、または1400(
図14)と類似する、または同じであり得る。いくつかの実装では、基板1500は、導波管であってもよい。
【0120】
図15Aを継続して参照すると、分離Wおよび高さHを有する、複数のプレースホルダ1530が、形成される。いくつかの実装では、Wは、最終的突出部1520(
図15G)の幅に対応し、Hは、突出部1520の所望の高さより高い。プレースホルダ1530は、突出部のコンポーネントに対して選択的にエッチング可能である、レジスト材料(例えば、ポリマーレジスト)または任意の他の好適な材料等の種々の材料を備えてもよい。プレースホルダは、線形構造(例えば、ナノビームをその間に形成するため)であってもよい、または正方形、円形、楕円形、または他のプロファイルを伴う、開口部を有する、層であってもよい(例えば、柱をその間に形成するため)。いくつかの実装では、プレースホルダ1530は、レジストの層を基板1500上に堆積させ、続いて、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ、または同等物等によって、レジストをパターン化し、プレースホルダ1530を形成することによって形成されてもよい。
【0121】
ここで
図15Bを参照すると、第1のブランケット層1522が、共形堆積プロセスによって、基板1500およびプレースホルダ1530にわたって堆積される。好ましくは、第1のブランケット層1522は、略均一厚さT
1を伴って堆積される。厚さT
1は、サブ波長厚、例えば、ナノメートルスケール厚であってもよい。第1のブランケット層1522は、完成されたメタ表面1502(
図15G)の突出部1520の外側層を形成するであろう、材料から成ってもよい。
【0122】
ここで
図15Cを参照すると、第2のブランケット層1524が、第1のブランケット層1522にわたって堆積されてもよい(例えば、第1のブランケット層1522上に、かつそれと接触して)。第2のブランケット層1524は、第1のブランケット層1522を構成する材料と異なる材料であってもよく、異なる屈折率を有してもよい。第2のブランケット層1524もまた、第2のブランケット層1524が、略均一厚さT
2を有するように、共形堆積プロセスによって、堆積されてもよい。厚さT
2も同様に、サブ波長厚、例えば、ナノメートルスケール厚であってもよい。
【0123】
ここで
図15Dを参照すると、第3のブランケット層1526が、略均一厚T
3において、第2のブランケット層1524にわたって共形的に堆積されてもよい。第3のブランケット層1526は、好ましくは、第2のブランケット層1524を構成する材料と異なる屈折率を伴う、異なる材料を備える。例えば、第3のブランケット層は、第1のブランケット層1522と同一材料を備える、または同一屈折率を有してもよい、または第1のブランケット層1522および第2のブランケット層1524の両方と異なる屈折率を有する、材料を備えてもよい。厚さT
3も同様に、サブ波長厚、例えば、ナノメートルスケール厚であってもよい。第3のブランケット層1526は、開放容積1527を画定し得ることを理解されたい。
【0124】
ここで
図15Eを参照すると、開放容積1527(
図15D)は、充填物1528を提供されてもよい。いくつかの実装では、充填物1528は、事実上、第4の層が容積1527の実質的に全体を占有するまで、第3のブランケット層1526にわたって堆積される、第4の層であり得る。いくつかの実装では、充填1528は、原子層堆積によって堆積されてもよい。いくつかの他の実装では、充填1528は、好ましくは、比較的に高速堆積、例えば、化学蒸着(CVD)または物理的蒸着(PVD)によって堆積される。充填物が、堆積された後、全ての堆積される層(例えば、1522、1524、1526、1528)の総厚T
tは、好ましくは、プレースホルダ1530間の幅Wの半分未満(例えば、T
t≦W/2)である。いくつかの実施形態では、充填物1528は、空気であって、材料は、事実上、開口部1527の中に堆積されない。
【0125】
ここで
図15Fを参照すると、プレースホルダ1530の上方に配置される、層1522、1524、1526、1528の水平に配向された部分は、例えば、化学機械的研磨(CMP)、エッチング(例えば、液体および/またはプラズマエッチング)、ミリング、または任意の他の好適な減法製造プロセス等のプロセスによって、除去されてもよい。いくつかの実装では、プレースホルダ1530の一部は同様に、減法製造プロセスによって除去されてもよい。好ましくは、十分な材料が、各プレースホルダの幅全体が、暴露され、層1522、1524、1526、1528のいずれかによって垂直に被覆されないように、除去される。いくつかの実装では、残りの構造は、アニール処理および/または修正され、例えば、その機械的完全性を増加させてもよい。
【0126】
減法製造が、プレースホルダ1530を暴露させた後、プレースホルダ1530は、除去され、
図15Gに描写されるメタ表面1502を提供してもよい。本明細書に議論されるように、プレースホルダ1530は、好ましくは、層1522、1524、1526、1528の材料に対して選択的にエッチング可能な材料を備える。プレースホルダ1530は、ウェットエッチング、プラズマエッチング、または類似方法によって除去可能な材料を備えてもよい。例えば、プレースホルダ1530は、層1522、1524、1526、および1528の材料を溶解しない、溶媒中に可溶性である、レジスト材料を備えてもよい。故に、溶媒が、
図15Fの暴露されたプレースホルダを除去し、
図15Gのメタ表面1502を形成するために使用されてもよい。いくつかの実装では、1つまたはそれを上回る層(例えば、第1の層1522または最内層1528)が、硫化または他のイオン交換方法等のプロセスによって、修正されてもよい(例えば、異なる材料に変換されることができる)。いくつかの実装では、突出部1520は、メタ表面2002の突出部2020a、2020b(
図10A-10B)の代用であってもよいことを理解されたい。
【0127】
再び、
図15Bおよび15Eを参照すると、いくつかの実装では、製造方法は、付加的介在層、例えば、
図15C-15Dの付加的層を形成せずに、
図15Bの構造を形成後、容積1527(
図15E)を直接充填することに進んでもよいことを理解されたい。いくつかの他の実装では、付加的ブランケット層1524、1526(それぞれ、
図15Cおよび15D)のうちの1つまたはそれを上回るものが、容積1527を充填することに進む前に、形成されてもよい。さらに他の実装では、さらなるブランケット層が、付加的ブランケット層1524、1526を形成後、
図15Eに進む前に、堆積されてもよい。
【0128】
再び、
図15B-15Eを参照すると、突出部1520の種々の層(例えば、層1522、1524、1526)を形成するための共形堆積プロセスの実施例は、原子層堆積(ALD)である。好ましくは、層は、略均一厚を伴って堆積され、これは、プレースホルダ1530の側壁および上部表面に沿って、およびプレースホルダ1530間の基板表面に沿って、略均一である。厚さは、サブ波長厚、例えば、ナノメートルスケール厚であってもよい。いくつかの実装では、厚さは、5nm~200nmの範囲内、100nm未満、5nm~100nm、5nm~50nm、5nm~10nm、10nm~20nm、20nm~50nm、50nm~100nm、または5nm未満を含む、200nm未満であってもよい。いくつかの実施形態では、構成層1520のそれぞれの厚さは、実質的に等しい。いくつかの他の実施形態では、層のうちの少なくともいくつかの厚さは、異なってもよい。
【0129】
図16A-16Fは、水平に層化された突出部1620(
図16F)を含む、メタ表面1602または1602’を製造する例示的プロセスを図示する。いくつかの実装では、メタ表面1602は、
図14のメタ表面1402と類似する、または同じであり得る。
【0130】
図15Aを参照すると、基板1500が、最終的突出部1620(
図16F)の形成を支援するように提供されてもよい。基板1600は、例えば、ガラス、ポリマー(例えば、プラスチック)、または同等物等の光学的に透過性の材料を含んでもよく、基板2000(
図10A-10B)、1300(
図13)、または1400(
図14)と類似する、または同じであり得る。いくつかの実装では、基板1500は、導波管であってもよい。
【0131】
ここで
図16Bを参照すると、複数のブランケット層1622、1624、1626が、順次、基板1600にわたって堆積される。層は、平坦基板表面上に形成され得るため、共形性に関する要件は、
図15A-15Gのプロセスに対して緩和され得、層1622、1624、1626は、共形または非共形堆積方法によって堆積されてもよい。例えば、層1622、1624、1626は、物理的蒸着、化学蒸着、原子層堆積、または同等物等の方法によって堆積されてもよい。いくつかの実装では、薄い層(例えば、5nmまたはそれ未満の厚さを伴う層)を堆積させるために、および/または厚さの精密な制御が所望される場合、層1622、1624、1626は、ALDによって堆積されてもよい。好ましくは、層1622、1624、1626は、その中に複数の突出部1620(
図16F)が形成されるであろう、面積をブランケット被覆する。
【0132】
3つの層1622、1624、1626が、描写されるが、
図16A-16Fのプロセスは、3つの層より多いまたはより少ない堆積を含んでもよいことを理解されたい。層1622、1624、1626はそれぞれ、同一厚さであってもよい、または異なる厚さを有してもよい。好ましくは、各個々のブランケット層1622、1624、1626は、その完全範囲を横断して、実質的に同一厚さを有する。各層の厚さは、サブ波長厚、例えば、ナノメートルスケール厚であってもよい。いくつかの実装では、1つまたはそれを上回るブランケット層1622、1624、1626はそれぞれ、5nm~200nmの範囲内、5nm~100nm、5nm~50nm、5nm~10nm、10nm~20nm、20nm~50nm、または50nm~100nmを含む、100nm未満の厚さを含む、200nm未満の厚さを有してもよい。いくつかの実装では、1つまたはそれを上回るブランケット層1622、1624、1626はそれぞれ、約5nmまたはそれ未満の厚さを有してもよい。ブランケット層1622、1624、1626のそれぞれの厚さは、組み合わせられた全てのブランケット層の総厚が、仕上げられたメタ表面1602または1602’(それぞれ、
図16Eおよび16F)の突出部1620の所望の高さに等しくなるように選択される。各ブランケット層1622、1624、1626は、好ましくは、層1622、1624、1626の直接隣接するもと異なる屈折率を有する、材料を備える。加えて、層1622は、好ましくは、基板1600と異なる屈折率を有する。いくつかの実装では、層1622および1626(または3つを上回る層が含まれる場合、他の非連続層)は、同一材料を備えてもよい、または同一屈折率を有してもよい。
【0133】
全ての所望の層1622、1624、1626が、基板1600にわたって堆積された後、堆積された層は、パターン化されてもよい。ここで
図16Cを参照すると、エッチングマスクが、上部層1626にわたって形成され、突出部1620(
図16E)を画定してもよい。エッチングマスクは、複数のマスク特徴1630を含んでもよく、これは、選択的に画定可能な材料の1つまたはそれを上回る層を堆積させ、次いで、その材料をパターン化し、マスク特徴1630を画定することによって形成されてもよいことを理解されたい。マスク特徴1630は、ブランケット層1622、1624、1626をエッチングするための減法製造プロセスに抵抗性である、任意の好適な材料を備えてもよい。例えば、マスク特徴1630は、レジスト、硬質マスク、または他の好適なエッチングマスク材料を含んでもよい。いくつかの実装では、レジスト材料の層は、層1626上に堆積され、次いで、例えば、フォトリソグラフィ、インプリント等によって、パターン化されてもよい。その結果、いくつかの実装では、マスク特徴1630は、レジスト特徴である。
【0134】
いくつかの他の実装では、エッチングマスク材料の層は、層1626上に堆積され、レジスト層が、続いて、エッチングマスク材料にわたって堆積される。レジスト層は、エッチングマスク材料の層に対して下方に続いて転写されるパターンにおいてパターン化され、マスク特徴1630をエッチングマスク材料の層内に画定する。
【0135】
上下図に見られるように、マスク特徴1630は、突出部1620の所望の形状に対応する、形状を有することを理解されたい。例えば、メタ表面1602または1602’の突出部1620が、ナノビームであろう場合、マスク1630は、所望のナノビームと同一幅および長さを基板1600と平行な平面に有する、線形セクションを含んでもよい。突出部1620が、柱である場合、マスク1630は、所望のナノビームと同一2次元形状を有する。
【0136】
マスク特徴1630を形成後、減法製造方法が、
図16Dに示されるように、マスク1630によって被覆されないブランケット層1622、1624、1626の部分を除去するために適用されてもよい。
図16Dの構成を生産するために使用される減法製造方法は、指向性または非指向性エッチングプロセス、例えば、ウェットエッチング、プラズマエッチング、または同等物を含んでもよい。ブランケット層1622、1624、1626をエッチング後、マスク特徴1630は、除去され(例えば、溶媒を適用し、それらの特徴を溶解することによって、またはアッシングによって)、
図16Eに示されるように、水平に配向された層1622、1624、1626を備える、突出部1620を含む、メタ表面1602を形成してもよい。
【0137】
いくつかの実装では、
図16Eのメタ表面1602は、所望の構成であってもよい。いくつかの他の実装では、層1622、1624、1626のうちの1つまたはそれを上回るものは、修正されてもよい(例えば、異なる材料に変換されることができる)。修正は、例えば、硫化またはセレン化または他のイオン交換プロセス等のプロセスを含んでもよい。例えば、突出部1620は、適切な層の中に組み込まれるであろう、化学物質の濃度を備える、雰囲気に暴露されてもよい。いくつかの実装では、イオン交換プロセスが、突出部1620が、典型的堆積方法によって堆積させることが困難である(したがって、層1622、1624、および1626のうちの1つとして形成することが望ましくない)、材料の層を含むべき場合、望ましくあり得るが、より容易に堆積される、材料からのイオン交換によって形成されてもよい。
図16Fの例示的メタ表面1602’では、中央層1624は、イオン交換によって、修正された中央層1624’に変換されてもよい。しかしながら、他の層(例えば、層1622および/または1626)も同様に、所望に応じて、修正されてもよい。例えば、層1622、1624、1626のうちの1つは、モリブデン化合物(例えば、酸化モリブデンまたは同等物)として堆積され、硫黄雰囲気に暴露され、モリブデン化合物を硫化モリブデンに変換してもよい。いくつかの実装では、突出部1520は、メタ表面2002の突出部2020a、2020b(
図10A-10B)の代用であってもよいことを理解されたい。
【0138】
本発明の種々の例示的実施形態が、本明細書に説明される。非限定的な意味で、これらの実施例が参照される。それらは、本発明のより広くて適用可能な側面を例証するように提供される。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、同等物が置換されてもよい。
【0139】
例えば、有利なこととして、複数の深度面を横断して画像を提供する、ARディスプレイとともに利用されるが、本明細書に開示される拡張現実コンテンツはまた、単一深度面上に画像を提供するシステムによって表示されてもよい。加えて、有利なこととして、メタ表面に適用されるが、本明細書に開示される多層構造および関連する製造方法は、可視光の波長より大きい、突出部から形成される回折格子を含む、他の光学構造を形成するために適用されてもよい。
【0140】
加えて、特定の状況、材料、物質組成、プロセス、プロセス行為、またはステップを本発明の目的、精神、または範囲に適合させるように、多くの修正が行われてもよい。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書で説明および例証される個々の変形例はそれぞれ、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され、またはそれらと組み合わせられ得る、離散コンポーネントおよび特徴を有する。全てのそのような修正は、本開示と関連付けられる請求項の範囲内にあることを目的としている。
【0141】
本発明は、本デバイスを使用して実施され得る方法を含む。本方法は、そのような好適なデバイスを提供する行為を含んでもよい。そのような提供は、ユーザによって行われてもよい。換言すると、「提供する」行為は、本方法において必要デバイスを提供するために、取得する、アクセスする、接近する、位置付ける、設定する、起動する、電源投入する、または別様に作用するようにユーザに要求するにすぎない。本明細書に記載される方法は、論理的に可能である記載された事象の任意の順序で、および事象の記載された順序で実行されてもよい。
【0142】
本発明の例示的側面は、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記に記載されている。本発明の他の詳細に関して、これらは、前述の参照特許および刊行物と併せて理解され、概して、当技術分野において公知である、または理解される。同じことは、一般的または論理的に採用されるような付加的行為の観点から本発明の方法ベースの側面に関しても当てはまり得る。
【0143】
加えて、本発明は、随意に、種々の特徴を組み込む、いくつかの実施例を参照して説明されているが、本発明は、発明の各変形例に関して検討されるように説明または図示されるものに限定されるものではない。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、(本明細書に記載されるか、またはいくらか簡潔にするために含まれないかどうかにかかわらず)均等物が代用されてもよい。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値および任意の他の述べられた値または述べられた範囲内の介在値が、本発明内に包含されるものと理解されたい。
【0144】
また、本明細書に説明される発明の変形例の任意の随意な特徴が、独立して、または本明細書に説明される特徴のうちの任意の1つまたはそれを上回るものと組み合わせて、記載および請求され得ることが検討される。単数形の項目の言及は、複数の同一項目が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書で、およびそれに関連付けられる請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、「said」、および「the」は、特に別様に記述されない限り、複数の指示対象を含む。換言すると、冠詞の使用は、上記の説明および本発明と関連付けられる請求項における本主題の項目のうちの「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、そのような請求項は、任意の随意な要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、本文言は、請求項の要素の列挙と関連する「単に」、「のみ」、および同等物等の排他的専門用語の使用、または「消極的」限定の使用のための先行詞としての役割を果たすことが意図される。
【0145】
そのような排他的専門用語を使用しなければ、本発明と関連付けられる請求項における用語「~を備える」は、所与の数の要素がそのような請求項で列挙されるかどうかにかかわらず、任意の付加的要素の包含を可能にするものとする、または特徴の追加は、そのような請求項に記載される要素の性質を変換すると見なされ得る。本明細書で具体的に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求項の正当性を維持しながら、可能な限り広い一般的に理解されている意味を与えられるべきである。
【国際調査報告】