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特表2022-554294アミノイミン金属錯体並びにその調製方法および適用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】アミノイミン金属錯体並びにその調製方法および適用
(51)【国際特許分類】
   C07C 251/20 20060101AFI20221221BHJP
   C08F 4/70 20060101ALI20221221BHJP
   C07F 15/04 20060101ALN20221221BHJP
【FI】
C07C251/20
C08F4/70
C07F15/04 CSP
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525360
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2020125279
(87)【国際公開番号】W WO2021083330
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】201911049911.2
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911049822.8
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】510016575
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司北京化工研究院
【氏名又は名称原語表記】BEIJING RESEARCH INSTITUTE OF CHEMICAL INDUSTRY,CHINA PETROLEUM & CHEMICAL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】NO.14,BEISANHUAN EAST ROAD,CHAOYANG DISTRICT,BEIJING 100013,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】高榕
(72)【発明者】
【氏名】頼菁菁
(72)【発明者】
【氏名】郭子芳
(72)【発明者】
【氏名】苟清強
(72)【発明者】
【氏名】周俊領
(72)【発明者】
【氏名】張暁帆
(72)【発明者】
【氏名】劉東兵
(72)【発明者】
【氏名】林潔
(72)【発明者】
【氏名】李▲シン▼陽
(72)【発明者】
【氏名】張軍輝
(72)【発明者】
【氏名】顧元寧
(72)【発明者】
【氏名】李岩
(72)【発明者】
【氏名】安京燕
(72)【発明者】
【氏名】趙慧
【テーマコード(参考)】
4H006
4H050
4J128
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB40
4H006AB82
4H006AC50
4H050AA01
4H050AA02
4H050AA03
4H050AB40
4J128AA01
4J128AB00
4J128AC48
4J128BA00A
4J128BA01B
4J128BB00A
4J128BB01B
4J128BC25B
4J128EA01
4J128EB02
4J128EB09
4J128EC01
4J128EC02
4J128FA02
4J128GA01
4J128GA06
4J128GB01
(57)【要約】
本発明は、式Iで表されるアミノイミン金属錯体ならびにその調製方法および適用に関する。該錯体は、オレフィン重合用触媒の主触媒として使用され、比較的高温でエチレンの重合を触媒することができ、高分子量の分岐鎖ポリエチレンを調製することができる。
【化1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iによって表されるアミノイミン金属錯体:
【化1】

ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C30ヒドロカルビルである;各Rは、独立して、置換基Qを有するまたは有さない水素およびC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択される;R~Rは、それぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さない水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択され、R~R基は、環または環系を形成するように任意で結合される;各R12は、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルである;各Yは、独立して、VIA族非金属原子である;各Mは、独立して、VIII族金属であり;各Xは、独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビルオキシからなる群から選択される。
【請求項2】
以下の特徴のうち少なくとも1つを有する、請求項1に記載のアミノイミン金属錯体:
-RおよびRは、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキルおよび置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択され、好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aによって表される基である:
【化2】

ここで、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキルオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは環または環系を形成するように任意に結合される;
好ましくは、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される;
-各Mは、独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される;
-各Yは、独立して、OおよびSからなる群から選択される;
-各Xは、独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択される;
-各R12は、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである;
-各Rは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルからなる群から選択される;好ましくは、各Rは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C10アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルからなる群から選択される;より好ましくは、各Rは、メチル、エチル、プロピル、またはブチル等の置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである;
-前記置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される;
好ましくは、前記C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-へキシル、イソヘキシル、および3,3-ジメチルブチルから選択される;
好ましくは、前記C1~C6アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、n-ペントキシ、イソペントキシ、n-ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、および3,3-ジメチルブトキシから選択される。
【請求項3】
式IIIによって表される請求項1または2に記載のアミノイミン金属錯体:
【化3】

ここで、R~R11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキルオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択される;
、R12、Y、MおよびXは請求項1において定義されている。
【請求項4】
請求項3に記載のアミノイミン金属錯体、ここで、R~R11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される;好ましくは、R~R11は、それぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のアミノイミン金属錯体であって:
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=i-Pr、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R=イソプロピル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=イソプロピル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=イソプロピル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=イソプロピル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=CH、R11=ブロモメチル、R=イソプロピル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=CH、R11=CHBr、R=イソプロピル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=CH、R11=CHBr、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=CH、R11=CHBr、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=メチル、R=エチル、R11=CHBr、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=CHBr、R=イソブチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=CHBr、R=イソブチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=CHBr、R=イソブチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;からなる群から選択される、アミノイミン金属錯体。
【請求項6】
式IVによって表される構造を有する、請求項1に記載のアミノイミン金属錯体:
【化4】

ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C30ヒドロカルビルである;R21~R24は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルおよび置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルオキシから選択され、R21~R24は、環または環系、好ましくは置換または非置換のベンゼン環、を形成するように任意に結合される;各Rは、独立して、水素および置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択される;各R11は、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルである;各Yは、独立して、VIA族非金属原子であり;各Mは、独立して、VIII族金属であり;各Xは、独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビルオキシからなる群から選択される。
【請求項7】
以下の特徴のうち少なくとも1つを有する、請求項6に記載のアミノイミン金属錯体:
-RおよびRは、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキルおよび置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択され、好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aによって表される基である:
【化5】

ここで、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキルオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは環または環系を形成するように任意に結合される;
好ましくは、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される;
より好ましくは、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C6アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C6アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C6アルケニルオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C6アルキニルオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C10アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C10アラルキル基、置換基Qを有するまたは有さないC7~C10アルカリル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C10アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C10アラルキルオキシ、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C10アルカリルオキシからなる群から選択される;
-各Mは、独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される;
-各Yは、独立して、OおよびSからなる群から選択される;
-各Xは、独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択される;
-各R11は、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキルであり、好ましくは置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキルであり、さらに好ましくは置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである;
-各Rは、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルからなる群から選択される;好ましくは、各Rは、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C10アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルからなる群から選択される;より好ましくは、各Rは、メチル、エチル、プロピル、またはブチル等の、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである;
-前記置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される;好ましくは、前記C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-へキシル、イソヘキシル、および3,3-ジメチルブチルから選択される;好ましくは、前記C1~C6アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、n-ペントキシ、イソペントキシ、n-ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、および3,3-ジメチルブトキシから選択される;
-R21~R24は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキルオキシ、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R21~R24は、環または環系を形成するように任意に結合される;
好ましくは、R21~R24は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される;
より好ましくは、R21~R24は、それぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される。
【請求項8】
式IVaで表される構造を有する、請求項6または7に記載のアミノイミン金属錯体:
【化6】

ここで、R31~R34は、式IVにおけるR21~R24と同じ意味を有し、好ましくはR33およびR34は水素であり、R、R、R、R11、Y、MおよびXは、請求項6において式IVで定義されたものである。
【請求項9】
以下の式VまたはV´によって表される、請求項6から8のいずれか1項に記載のアミノイミン金属錯体:
【化7】

【化8】

ここで、個々の記号は以上で定義された通りであり、
好ましくは、前記アミノイミン金属錯体は:
1)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
2)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
3)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
4)式Vによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
5)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
6)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
7)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
8)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
9)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
10)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
11)式Vによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
12)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
13)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
14)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
15)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
16)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
17)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
18)式Vによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
19)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
20)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
21)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
22)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
23)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
24)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
25)式Vによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
26)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
27)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
28)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
29)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
30)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
31)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
32)式Vによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
33)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
34)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
35)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
36)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
37)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
38)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
39)式V´によって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
40)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
41)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
42)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
43)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
44)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
45)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
46)式V´によって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
47)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
48)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
49)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
50)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=H R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
51)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
52)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
53)式V´によって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
54)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
55)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
56)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
57)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
58)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
59)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
60)式V´によって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
61)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
62)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
63)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;からなる群から選択される。
【請求項10】
式VIで表されるアミノイミン化合物をMXおよびR12YHと反応させて、前記式Iで表されるアミノイミン金属錯体を生成する工程1)を含む、請求項1に記載のアミノイミン金属錯体の調製方法、
【化9】

ここで、式VIにおけるR、R、RおよびR~Rは、請求項1における式Iで定義された意味を有する;
前記MXにおけるMおよびXは、請求項1における式Iで定義された意味を有し、nはMの原子価状態を満たすXの個数である;
さらに、前記R12YHにおけるYおよびR12は、請求項1における式Iで定義された意味を有する;
好ましくは、前記式VIで表されるアミノイミン化合物は、以下の式VIaによって示される:
【化10】

ここで、R~R11およびRは、請求項3において式IIIで定義された意味と同じ意味を有する。
【請求項11】
前記式VIによって表されるアミノイミン化合物の調製が、式VIIによって表されるジケトン化合物をA(Rおよびアミン化合物と反応させて、前記式VIによって表されるアミノイミン化合物を生成する工程2)を含み、前記アミン化合物がRNHおよびRNHである、請求項10に記載の方法;
【化11】

ここで、R、R、R、R~Rは、請求項1における式Iで定義された意味と同じ意味を有し、Aはアルミニウム、亜鉛、リチウムおよびマグネシウムのうちの1つ以上であり、好ましくは、前記アミン化合物に対する前記A(Rのモル比は2.0以上であり、好ましくは2.0以上6.0以下であり、より好ましくは3.0以上6.0以下である;
好ましくは、前記式VIIによって表されるジケトン化合物は、下記式VIIaによって表される:
【化12】

ここで、R~R11は式IIIにおける定義と同一の定義を有する。
【請求項12】
工程1)における前記反応を有機溶媒中で行い、前記有機溶媒は、好ましくはハロゲン化アルカンであり、より好ましくは、前記有機溶媒はジクロロメタン、トリクロロメタンおよび1,2-ジクロロエタンのうちの1種以上であり、工程2)における前記反応を非プロトン性溶媒中で行い、前記非プロトン性溶媒は、好ましくはトルエン、ベンゼンおよびキシレンのうちの1種以上である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記式VIによって表されるアミノイミン化合物の調製が、式VIIIによって表されるジイミン化合物を、A(Rまたはグリニャール試薬と接触および反応させ、前記式VIで表されるアミノイミン化合物を生成することを含む、請求項10に記載の方法、
【化13】

ここで、R、RおよびR~Rは、式Iにおける定義と同一の定義を有する;
A(Rにおいて、Aは、アルミニウム、亜鉛、リチウムおよびマグネシウムのうちの1種以上であり、Rは、式Iにおける定義と同一の定義を有し、aは、Aの原子価状態を満たすRの数である;
前記グリニャール試薬は、RMgXの一般式を有し、ここでRは、式Iにおける定義と同一の定義を有し、Xはハロゲン、好ましくは臭素および/または塩素である;
好ましくは、前記式VIIIによって表されるジイミン化合物は、下記式VIIIaによって表される:
【化14】

ここで、R~R11は、式IIIにおける定義と同一の定義を有する。
【請求項14】
オレフィン重合における、請求項1から9のいずれか1項に記載のアミノイミン金属錯体の使用。
【請求項15】
請求項1から9のいずれか1項に記載のアミノイミン金属錯体、共触媒および/または連鎖移動剤を含む、オレフィン重合用触媒;
好ましくは、前記共触媒は、有機アルミニウム化合物および有機ホウ素化合物から選択される;前記有機アルミニウム化合物は、アルキルアルミノキサン、アルミニウムアルキルおよびアルキルアルミニウムハロゲン化物から選択される;前記有機ホウ素化合物は、芳香族ヒドロカルビルホウ素およびホウ酸塩から選択される。
【請求項16】
請求項1から9のいずれか1項に記載のアミノイミン金属錯体または請求項15に記載の触媒の存在下でオレフィン重合反応を行うことを含み、好ましくは、前記重合反応の温度は-78℃~200℃、好ましくは-20℃~150℃であり、重合圧力は0.01~10.0MPa、好ましくは0.01~2.0MPaである、オレフィン重合の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、アミノイミン金属錯体、並びにその調製方法およびその適用に関する。
【0002】
〔背景技術〕
ポリオレフィン樹脂は、他の樹脂材料に比べて環境適合性に優れているため、産業および生活用品に広く使用されている。ポリエチレン樹脂は重要なポリオレフィン樹脂である。市販のポリエチレン触媒には、Ziegler-Natta型触媒(例えば、独国特許889229(1953);IT特許545332(1956)およびIT特許536899(1955);Chem.Rev.2000、100、1169およびその中の関連文献を参照のこと)、Phillips型触媒(例えば、Belg特許530617(1955);Chem.Rev.1996、96、3327を参照のこと)、およびメタロセン型触媒(例えば、W.Kaminsky、Metalorganic Catalysts for Synthesis and Polymerization、Berlin:Springer、1999を参照のこと)、ならびに近年急速に開発された後期遷移金属錯体型高効率エチレンオリゴマー化および重合触媒が含まれる。例えば、1995年、Brookhartらは、高活性でエチレンを重合することができるα-ジイミンNi(II)錯体の種類を報告した。
【0003】
α-ジイミンニッケル触媒はそれらの高い活性、および得られるポリマーの分子量並びに分岐度における大きな調節性のために、多くの注目を集めている。Du Pontを含む会社は、複数の特許出願を提出している(WO 96/23010、WO 98/03521、WO 98/40374、WO 99/05189、WO 99/62968、WO 00/06620、US 6,103,658、US 6,660,677)。このようなα-ジイミンニッケル触媒は、常温または低温で、メチルアルミノキサンまたはアルミニウムアルキルの作用下において、高活性でエチレンのオリゴマー化または重合を触媒することができる。しかしながら、反応温度を50℃以上に増加させると、このようなα-ジイミドニッケル触媒の活性は一般に急激に低下する。また、調製されるポリエチレンの分子量は重合温度が増加するにつれて急激に低下する。
【0004】
Bazanらは、α-イミンアミドニッケル触媒がエチレンのリビング重合を触媒することができることを報告し(Macromolecules、2003、36、9731-9735)、これに基づいて、α-ケト-β-ジイミンニッケル触媒を合成した(Chem.Commun.2009、6177-6179)。この触媒を用いて-10℃でエチレンとプロピレンとのリビング重合を触媒し、分子量分布が1.1未満のオレフィン生成物を得た。Longらは、大きな立体障害α-ジイミドニッケル触媒が、60℃で、1.11の分子量分布を有するエチレンのリビング重合を触媒することができることを報告した(ACS Catalysis 2014、4、2501-2504)。Sun Yat-Sen大学のWu Qingの研究グループによって開発された2-アミノメチルピリジンニッケル触媒もまた、エチレンのリビング重合を実現することができる(Chem.Commun,2010,46,4321-4323)。
【0005】
遅相遷移金属触媒を用いてエチレンをリビング重合する一般的な方法の内、一つは、重合温度を低下させて低温(<5℃)での連鎖移動の発生を抑制し、リビング重合を達成することであり、もう一つは、より高温でのリビング重合を達成するために、リガンドの立体障害を増大させる手段によって連鎖移動を抑制することである。しかしながら、過度な低温は、従来の工業反応装置には適していない。また、リガンドの立体障害が大きすぎると、触媒の設計および合成がより困難になる。従って、合成が比較的簡単であり、かつ高温に耐性のあるリビング重合触媒を開発することは非常に重要である。
【0006】
〔発明の開示〕
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服し、良好な熱安定性を有するアミノイミン金属錯体を提供して、より高温でのエチレンの触媒重合を実現し、高分子量の分岐鎖ポリエチレンを調製することである。
【0007】
第1の態様において、本発明は、化学式Iによって表されるアミノイミン金属錯体を提供する:
【0008】
【化1】
【0009】
ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C30ヒドロカルビルである;各Rは、独立して、置換基Qを有するまたは有さない水素およびC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択される;R~Rは、それぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さない水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択され、R~R基は、環または環系を形成するように任意で結合される;各R12は、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルである;各Yは、独立して、VIA族非金属原子である;各Mは、独立して、VIII族金属であり;各Xは、独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビルオキシからなる群から選択される。
【0010】
いくつかの実施形態では、式Iにおいて、RおよびRは、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキルおよび置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択される。好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aによって表される基である:
【0011】
【化2】
【0012】
ここで、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキルオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは環または環系を形成するように任意に結合される。
【0013】
好ましくは、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。
【0014】
いくつかの実施形態において、各Mは、独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される。
【0015】
いくつかの実施形態において、各Yは、独立して、OおよびSからなる群から選択される。
【0016】
いくつかの実施形態において、各Xは、独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【0017】
いくつかの実施形態では、式Iにおいて、各R12は、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである。
【0018】
いくつかの実施形態では、式Iにおいて、各Rは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルからなる群から選択される。好ましくは、各Rは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C10アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルからなる群から選択される。より好ましくは、各Rは、メチル、エチル、プロピル、またはブチル等の、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【0020】
前記C1~C6アルキルの例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-へキシル、イソヘキシル、および3,3-ジメチルブチルが含まれる。
【0021】
前記C1~C6アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、n-ペントキシ、イソペントキシ、n-ヘキソキシ、イソヘキソキシ、および3,3-ジメチルブトキシが含まれる。
【0022】
本明細書で使用される「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
【0023】
いくつかの実施形態において、本発明に係るアミノイミン金属錯体は、式IIIによって表される。
【0024】
【化3】
【0025】
ここで、R~R11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキルオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択される;R、R12、Y、MおよびXは上述の式Iにおいて定義されている。
【0026】
いくつかの実施形態において、R~R11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される;好ましくは、R~R11は、それぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される。
【0027】
いくつかの実施形態において、本発明に係る前記アミノイミン金属錯体は、
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=i-Pr、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R=イソプロピル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=イソプロピル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=イソプロピル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=R11=CH、R=イソプロピル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=CH、R11=ブロモメチル、R=イソプロピル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=CH、R11=CHBr、R=イソプロピル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=CH、R11=CHBr、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=CH、R11=CHBr、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=メチル、R=エチル、R11=CHBr、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=CHBr、R=イソブチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=CHBr、R=イソブチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=CHBr、R=イソブチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;からなる群から選択される。
【0028】
サブ態様において、本発明に係るアミノイミン金属錯体は、式IVによって示される構造を有する。
【0029】
【化4】
【0030】
ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C30ヒドロカルビルである;R21~R24は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルおよび置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルオキシから選択され、R21~R24は、好ましくは置換または非置換のベンゼン環である環または環系を形成するように任意に結合される;各Rは、独立して、水素および置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択される;各R11は、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルである;各Yは、独立して、VIA族非金属原子であり;各Mは、独立して、VIII族金属であり;各Xは、独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビルオキシからなる群から選択される。
【0031】
本明細書で使用される「置換された」という用語は、例えば、置換基Qによる置換を指す。
【0032】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、RおよびRは、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキルおよび置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択される。好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aによって表される基である。
【0033】
【化5】
【0034】
ここで、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキルオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは環または環系を形成するように任意に結合される。好ましくは、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。より好ましくは、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C6アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C6アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C6アルケニルオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C6アルキニルオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C10アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C10アラルキル基、置換基Qを有するまたは有さないC7~C10アルカリル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C10アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C10アラルキルオキシ、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C10アルカリルオキシからなる群から選択される。
【0035】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、各Mは、独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される。
【0036】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、各Yは、独立して、OおよびSからなる群から選択される。
【0037】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、各Xは、独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【0038】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、各R11は、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキルであり、好ましくは置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキルであり、さらに好ましくは置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである。
【0039】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、各Rは、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルからなる群から選択され。好ましくは、各Rは、独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C10アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルからなる群から選択される。より好ましくは、各Rは、独立して、メチル、エチル、プロピル、またはブチル等の、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである。
【0040】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、前記置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。好ましくは、前記C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-へキシル、イソヘキシル、および3,3-ジメチルブチルから選択される。好ましくは、前記C1~C6アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、n-ペントキシ、イソペントキシ、n-ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、および3,3-ジメチルブトキシから選択される。
【0041】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、R21~R24は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキルオキシ、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R21~R24は、環または環系を形成するように任意に結合される。好ましくは、R21~R24は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。より好ましくは、R21~R24は、それぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される。
【0042】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、本発明に係るアミノイミン金属錯体は、式IVaで表される構造を有する:
【0043】
【化6】
【0044】
ここで、R31~R34は、式IVにおけるR21~R24と同じ意味を有し、好ましくはR33およびR34は水素であり、R、R、R、R11、Y、MおよびXは、上述の式IVで定義されたものである。
【0045】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、本発明に係るアミノイミン金属錯体は、以下の式Vまたは式V´で表される構造を有する:
【0046】
【化7】
【0047】
【化8】
【0048】
ここで、個々の記号は以上で定義された通りである。
【0049】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、本発明に係るアミノイミン金属錯体は、
1)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
2)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
3)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
4)式Vによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
5)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
6)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
7)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
8)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
9)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
10)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
11)式Vによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
12)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
13)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
14)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
15)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
16)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
17)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
18)式Vによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
19)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
20)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
21)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
22)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
23)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
24)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
25)式Vによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
26)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
27)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
28)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
29)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
30)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
31)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
32)式Vによって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
33)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
34)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
35)式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
36)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
37)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
38)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
39)式V´によって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
40)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
41)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
42)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
43)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
44)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
45)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
46)式V´によって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
47)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
48)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
49)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R31=R32=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
50)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=H R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
512)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
52)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
53)式V´によって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
54)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
55)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
56)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
57)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、R=CH、M=Ni、Y=O、X=Br;
58)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
59)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
60)式V´によって表される錯体、ここで、R~R=メチル、R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
61)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
62)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
63)式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=F、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;からなる群から選択される。
【0050】
第2の態様において、本発明は、式VIで表されるアミノイミン化合物をMXおよびR12YHと反応させて、前記式Iで表されるアミノイミン金属錯体を生成する工程1)を含む、アミノイミン金属錯体の調製方法を提供する。
【0051】
【化9】
【0052】
ここで、式VIにおけるR、R、RおよびR~Rは、式Iにおける定義と同一の定義を有する;
前記MXにおけるMおよびXは、式Iにおける定義と同一の定義を有し、nはMの原子価状態を満たすXの個数である;
さらに、前記R12YHにおけるYおよびR12は、式Iにおける定義と同一の定義を有する。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式VIで表されるアミノイミン化合物は、以下の式VIaによって表される:
【0054】
【化10】
【0055】
ここで、R~R11およびRは、式IIIにおける定義と同じ意味を有する。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式VIによって表されるアミノイミン化合物の調製が、式VIIによって表されるジケトン化合物をA(Rおよびアミン化合物と反応させて、前記式VIによって表されるアミノイミン化合物を生成する工程2)を含み、前記アミン化合物がRNHおよびRNHである;
【0057】
【化11】
【0058】
ここで、R、R、R、R~Rは、式Iにおける定義と同一の定義を有し、Aはアルミニウム、亜鉛、リチウムおよびマグネシウムのうちの1つ以上である。好ましくは、前記アミン化合物に対する前記A(Rのモル比は2.0以上であり、好ましくは2.0以上6.0以下であり、より好ましくは3.0以上6.0以下である;
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式VIIによって表されるジケトン化合物は、下記式VIIaによって表される:
【0059】
【化12】
【0060】
ここで、R~R11は式IIIにおける定義と同一の定義を有する。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態によれば、工程1)における前記反応を有機溶媒中で行い、前記有機溶媒は、好ましくはハロゲン化アルカンであり、より好ましくは、前記有機溶媒はジクロロメタン、トリクロロメタンおよび1,2-ジクロロエタンのうちの1種以上である。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態によれば、工程2)における前記反応を非プロトン性溶媒中で行い、前記非プロトン性溶媒は、好ましくはトルエン、ベンゼンおよびキシレンのうちの1種以上である。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式VIによって表されるアミノイミン化合物の調製が、式VIIIによって表されるジイミン化合物を、A(R)aまたはグリニャール試薬と接触および反応させ、前記式VIで表されるアミノイミン化合物を生成することを含む、
【0064】
【化13】
【0065】
ここで、R、RおよびR~Rは、式Iにおける定義と同一の定義を有する;
A(Rにおいて、Aは、アルミニウム、亜鉛、リチウムおよびマグネシウムのうちの1種以上であり、Rは、式Iにおける定義と同一の定義を有し、aは、Aの原子価状態を満たすRの数である;
前記グリニャール試薬は、RMgXの一般式を有し、ここでRは、式Iにおける定義と同一の定義を有し、Xはハロゲン、好ましくは臭素および/または塩素である。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式VIIIによって表されるジイミン化合物は、下記式VIIIaによって表される:
【0067】
【化14】
【0068】
ここで、R~R11は、式IIIにおける定義と同一の定義を有する。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記調製方法は、式(a)によって表されるアミン化合物と溶媒中のA(Rとの第1還流反応、次いで式VIIaによって表されるジケトン化合物との第2還流反応を含み、式VIaによって表される化合物を形成する。
【0070】
【化15】
【0071】
本発明の好ましい実施形態によれば、アミン化合物の例は、2,6-ジメチルアニリン、2,6-ジエチルアニリン、2,6-ジイソプロピルアニリン、2,4,6-トリメチルアニリン、2,4,6-トリエチルアニリン、2,4,6-トリイソプロピルアニリン、2,6-ジフルオロアニリン、2,6-ジブロモアニリン、2,6-ジクロロアニリン、および2,6-ジメチル-4-ブロモアニリンを含み得る。
【0072】
本発明の好ましい実施形態によれば、アミン化合物およびA(Rは、溶媒としてのトルエン中で還流される。
【0073】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1還流反応の状態は、10~120℃の反応温度、および2~12時間の反応時間を含む。
【0074】
本発明の好ましい実施形態によれば、第2還流反応のための時間は、2~12時間、好ましくは4~12時間である。
【0075】
上述の方法によるアミノイミンリガンドの調製では、第1還流反応後に生成物を後処理する必要がなく、ジケトンを直接添加して第2還流反応を行うことができるため、操作が簡単である。
【0076】
本発明の好ましい実施形態によれば、A(Rは、アルキルアルミニウム、アルキル亜鉛およびアルキルリチウムを包含し、好ましくはC1~C6アルキルアルミニウム、C1~C6アルキル亜鉛およびC1~C6アルキルリチウムから選択され、より好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、ジエチル亜鉛およびブチルリチウムなどのトリ-C1~C6アルキルアルミニウム、ジ-C1~C6アルキル亜鉛およびC1~C6アルキルリチウムから選択される1つ以上である。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態では、MXnが臭化ニッケルおよび塩化ニッケルなどのニッケルハロゲン化物を含み、MXnの誘導体は、1,2-ジメチルオキシエタンニッケルブロミドおよび1,2-塩化ジメトキシエタンニッケル等の1,2-ジメトキシエタンニッケルハロゲン化物を含む。
【0078】
第3の態様において、本発明はまた、オレフィン重合における上述のアミノイミン金属錯体の使用を提供する。好ましくは、前記オレフィンは、エチレンと、極性基を有するα-オレフィンとを含む。
【0079】
第4の態様において、本発明はまた、上述したアミノイミン金属錯体、共触媒および/または連鎖移動剤を含む、オレフィン重合用触媒を提供する。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記触媒は、有機アルミニウム化合物および/または有機ホウ素化合物からなる群から選択される共触媒をさらに含む;当該有機アルミニウム化合物は、アルキルアルミノキサンまたは一般式AlR 3-nの有機アルミニウム化合物(アルキルアルミニウムまたはアルキルアルミニウムハロゲン化物)からなる群から選択される。AlR 3-nにおいて、RはH、C~C20ヒドロカルビルまたはC~C20ヒドロカルビルオキシであり、好ましくは、C~C20アルキル、C~C20アルコキシ、C~C20アラルキル、またはC~C20アリールである;Xはハロゲンであり、好ましくは塩素または臭素であり、
【数1】

である。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、メチルアルミノキサン(MAO)、および変性メチルアルミノキサン(MMAO)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、有機アルミニウム化合物はメチルアルミノキサン(MAO)である。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記有機ホウ素化合物は、芳香族ヒドロカルビルホウ素化合物およびホウ酸塩からなる群から選択される。前記芳香族ヒドロカルビルホウ素化合物は、好ましくは置換または非置換フェニルホウ素であり、より好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素である。前記ホウ酸塩は、好ましくはN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩および/またはトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩である。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態によれば、共触媒が有機アルミニウム化合物である場合、主触媒中のMに対する共触媒中のアルミニウムのモル比は、(10~10):1であり、例えば、10:1、20:1、50:1、100:1、200:1、300:1、500:1、700:1、800:1、1000:1、2000:1、3000:1、5000:1、10000:1、100000:1、1000000:1、10000000:1、およびそれらの間の任意の数値、好ましくは(10~100000):1であり、より好ましくは(100~10000):1である;共触媒が有機ホウ素化合物である場合、主触媒中のMに対する共触媒中のホウ素のモル比は、(0.1~1000):1であり、例えば、0.1:1、0.2:1、0.5:1、1:1、2:1、3:1、5:1、8:1、10:1、20:1、50:1、100:1、200:1、300:1、500:1、700:1、800:1、1000:1、およびそれらの間の任意の数値、好ましくは(0.1~500):1である。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態によれば、本発明の触媒を用いて重合されるオレフィンは、C2~C16オレフィンである。好ましくは、当該オレフィンは、エチレンまたは3~16個の炭素原子を有するα-オレフィンである。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態によれば、触媒は連鎖移動剤をさらに含み、当該連鎖移動剤はアルキルアルミニウム、アルキルマグネシウム、アルキルホウ素およびアルキル亜鉛から選択される1つ以上であり、主触媒中のMに対する連鎖移動剤のモル比は、(0.1~5000):1である。
【0086】
第5の態様において、本発明は、上述のアミノイミン金属錯体または上述の触媒の存在下で、単独重合または共重合といったオレフィン重合反応を行うことを含むオレフィン重合の方法も提供する。好ましくは前記重合反応の温度は-78℃~200℃、好ましくは-20℃~150℃に及び、重合圧力は0.01~10.0MPa、好ましくは0.01~2.0MPaに及ぶ。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記オレフィンは、C2~C16オレフィンを含む。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記オレフィンは、C2~C16α-オレフィンを含む。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記オレフィンはエチレンを含む。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記重合温度は-78℃~200℃に及び、好ましくは-20℃~150℃に及ぶ。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記重合圧力は、0.01~10.0MPaに及び、好ましくは0.01~2.0MPaに及ぶ。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記重合は溶媒中でオレフィンモノマーを使用することによって行われ、重合のための溶媒はアルカン、芳香族炭化水素およびハロゲン化炭化水素から選択される1つ以上である。
【0093】
本発明のいくつかの具体的な実施形態によれば、重合のための溶媒は、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルムおよびジクロロエタンから選択される1つ以上であり、好ましくは、ヘキサン、トルエンおよびヘプタンの1つ以上である。
【0094】
本開示において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R、X、M、A、Yなどの、異なる一般式または構造式において使用される記号は、特に明記されていない限り、それぞれの一般式または構造式において同一の定義を有する。
【0095】
本発明において、「アルキル」という用語は、直鎖アルキル、分岐鎖アルキルまたはシクロアルキルを指す。
【0096】
例えば、C~C20アルキル基は、C~C20直鎖アルキル基、C~C20分岐鎖アルキル基、またはC~C20シクロアルキル基を指す。例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、およびn-デシルが挙げられるが、これらに限定されない。C~C20シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、4-エチルシクロヘキシル、4-n-プロピルシクロヘキシルおよび4-n-ブチルシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
~C20アリール基の例としては、フェニル、4-メチルフェニル、4-エチルフェニル、ジメチルフェニル、ビニルフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
本発明において、「アルケニル」という用語は、直鎖アルケニル、分岐鎖アルケニルまたはシクロアルケニルを指す。例えば、C~C20アルケニル基は、C~C20直鎖アルケニル基、C~C20分岐鎖アルケニル基、またはC~C20シクロアルケニル基を指す。例としては、ビニル、アリル、ブテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
~C20アラルキル基の例としては、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニル-n-プロピル、フェニル-イソプロピル、フェニル-n-ブチル、およびフェニル-t-ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
~C20アルカリル基の例としては、トリル、エチルフェニル、n-プロピルフェニル、イソプロピルフェニル、n-ブチルフェニル、およびtert-ブチルフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
従来技術と比較して、本発明は以下の利点を有する:
1.本発明に係る錯体の合成法は実施が簡単かつ容易であり、それによって、三核錯体がリガンドから直接的に調製され得る。
2.本発明に係る触媒は、有機アルミニウムまたは有機ホウ素共触媒の作用を受けて、高活性でエチレンの重合を触媒することができ、とりわけ、より高い重合温度(90度を超える)において高い重合活性を維持することができる(以前の文献または特許において報告されているジイミンニッケル触媒の活性は50度を超えると大幅に減衰し、分子量は大幅に減少する)。
3.本発明に係る触媒は、α-オレフィンまたは極性モノマーとのより良い共重合性能を有している。
【0102】
〔実施例〕
以下、実施例と組み合わせて、本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0103】
本発明に用いた分析特性評価装置及び試験方法は、次のとおりである:
核磁気共鳴装置:内部標準としてテトラメチルケイ素(TMS)を用いた、Bruker DMX 300(300MHz)。
【0104】
ポリマーの分子量および分子量分布PDI(PDI=Mw/Mn):トリクロロベンゼンを溶媒とし、150℃で、PL-GPC220クロマトグラフにより測定した(標準:PS;流量:1.0mL/分;カラム:3×PLgel 10um M1×ED-B 300×7.5nm)。
【0105】
活性測定法:重量法、活性はポリマー重量(g)/ニッケル(mol)×2として表される。
【0106】
以下の化合物、リガンドおよび錯体は、以下の実施例に関与する:
【0107】
【化16】
【0108】
ジイミン化合物A1:式VIIIaによって表されるα-ジイミン化合物、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH
ジイミン化合物A2:式VIIIaによって表されるα-ジイミン化合物、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH
リガンドL1:式VIaによって表されるアミノイミン化合物、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH
リガンドL2:式VIaによって表されるアミノイミン化合物、ここで、R=R=i-Pr、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル;
リガンドL3:式VIaによって表されるアミノイミン化合物、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH
錯体Ni1:式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
錯体Ni2:式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=エチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
錯体Ni3:式IIIによって表される錯体、ここで、R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=R11=CH、R=CH、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
【0109】
【化17】
【0110】
ジイミン化合物A3:式VIII´によって表されるα-ジイミン化合物、ここで、R=R=R=R=CH、R=R=R=R=R=R10=R21=R22=H;
ジイミン化合物A4:式VIII´によって表されるα-ジイミン化合物、ここで、R=R=R=R=i-Pr、R=R=R=R=R=R10=R21=R22=H;
ジイミン化合物A5:式VIII´によって表されるα-ジイミン化合物、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=R21=R22=H;
【0111】
【化18】
【0112】
リガンドL4:式IXによって表されるアミノイミン化合物、ここで、R=R=R=R=CH、R=R=R=R=R=R10=R21=R22=H、R=CH
リガンドL5:式IXによって表されるアミノイミン化合物、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=R21=R22=H、R=CH
リガンドL6:式IXによって表されるアミノイミン化合物、ここで、R=R=R=R=CH、R=R=R=R=R=R10=R21=R22=H、R=エチル;
リガンドL7:式IX´によって表されるアミノイミン化合物、ここで、R=R=R=R=メチル、R=R=R=R=R=R10=R31=R32=H、R=CH
【0113】
【化19】
【0114】
錯体Ni4:式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=CH、R=R=R=R=R=R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
錯体Ni5:式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=R21=R22=H、R=CH、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
錯体Ni6:式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R10=R21=R22=H、R=CH、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
錯体Ni7:式Vによって表される錯体、ここで、R=R=R=R=CH、R=R=R=R=R=R10=R21=R22=H、R=エチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
錯体Ni8:式V´によって表される錯体、ここで、R=R=R=R=CH、R=R=R=R=R=R10=R31=R32=H、R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Br;
【0115】
(実施例1)
1)リガンドL1の調製:
反応フラスコに、3.88g(8mmol)のα-ジイミン化合物A1、30mlのトルエン、および1Mトリメチルアルミニウム(16ml、16mmol)を連続的に入れ、内容物を還流下で8時間反応させた。反応を水酸化ナトリウム/氷水で停止させ、酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶離剤として石油エーテル/酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーにより生成物を分離し、リガンドL1を無色結晶として84.2%の収率で得た。HNMR δ(ppm)7.19~7.06(m、6H、Ar-H)、3.42(s、1H、NH)、2.98(m、2H、CH(CH)、2.88(m、2H、CH(CH)、2.32(m、1H、CH)、1.81(m、4H、CH)、1.50(s、3H、CH)、1.21(m、24H、CH)、0.92(s、3H、CH)、0.75(s、3H、CH)、0.72(s、3H、CH)。
【0116】
2)錯体Ni1の調製:
(DME)NiBr(277mg、0.9mmol)のエタノール溶液(10mL)を、リガンドL1(300mg、0.6mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)に滴下し、得られた混合物を室温で6時間撹拌し、沈殿物を生成させた。濾過後、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて赤色の粉末状固体を得た。収率:78%。元素分析(C74114BrNiについて計算した):C、50.87;H、6.58;N、3.21;実験値(%):C、50.57;H、6.73;N、3.04。
【0117】
3)10atmエチレン重合:
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、さらに4.4mg(2.5μmol)の錯体Ni1を添加した。反応物を30℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応物を30℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表1に示されている。
【0118】
(実施例2)
重合温度が60℃であったことを除いて、実施例1に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表1に示されている。
【0119】
(実施例3)
重合温度が60℃であり、重合時間が10分であったことを除いて、実施例1に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表1に示されている。
【0120】
(実施例4)
重合温度が60℃であり、重合時間が20分であったことを除いて、実施例1に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表1に示されている。
【0121】
(実施例5)
重合温度が60℃であり、重合時間が60分であったことを除いて、実施例1に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表1に示されている。
【0122】
(実施例6)
重合温度が90℃であったことを除いて、実施例1に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表1に示されている。
【0123】
(実施例7)
10atmエチレン重合:機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで0.8mlの塩化ジエチルアルミニウム(トルエン中2.0mol/l溶液)を添加し、さらに4.4mg(2.5μmol)の錯体Ni1を添加した。反応物を60℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表1に示されている。
【0124】
(実施例8)
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、同時に錯体Ni1を4.4mg(2.5μmol)、10-ウンデセン-1-オールを6mL、トリエチルアルミニウム(ヘキサン中1.0mol/L溶液)を30mL、MAO(トルエン中1.53mol/L溶液)を5.0mL添加した。反応物を30℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で最終的に中和し、ポリマーを得た。結果は下記の表1に示されている。
【0125】
(実施例9)
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、同時に錯体Ni1を4.4mg(2.5μmol)、10-ウンデセン酸を5.52g、トリエチルアルミニウム(ヘキサン中1.0mol/L溶液)を30mL、MAO(トルエン中1.53mol/L溶液)を5.0mL添加した。反応物を30℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で最終的に中和し、ポリマーを得た。結果は下記の表1に示されている。
【0126】
(実施例10)
1)リガンドL2の調製:
反応フラスコに、3.88g(8mmol)のα-ジイミン化合物A1、30mlのジエチルエーテル、および2Mジエチル亜鉛(4ml、8mmol)を連続的に投入し、内容物を室温で3時間撹拌した。反応を氷水で停止させ、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶離剤として石油エーテル/酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーにより生成物を分離し、リガンドL2を無色結晶として52.1%の収率で得た。HNMR δ(ppm)7.17~7.06(m、6H、Ar-H)、4.44(s、1H、NH)、2.98(m、2H、CH(CH)、2.87(m、2H、CH(CH)、2.33(m、1H、CH)、1.86(m、2H、CH)、1.81(m、4H、CH)、1.21(m、24H、CH)、1.08(t、3H、CH)、0.93(s、3H、CH)、0.75(s、3H、CH)、0.72(s、3H、CH)。
【0127】
2)錯体Ni2の調製:
(DME)NiBr(277mg、0.9mmol)のエタノール溶液(10mL)を、リガンドL2(309mg、0.6mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)に滴下し、得られた混合物を室温で6時間撹拌し、沈殿物を生成させた。濾過後、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて赤色の粉末状固体を得た。収率:72%。元素分析(C76118BrNiについて計算した):C、51.42;H、6.70;N、3.16;実験値(%):C、51.29;H、6.98;N、3.04。
【0128】
3)10atmエチレン重合:
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、さらに4.4mg(2.5μmol)の錯体Ni2を添加した。反応物を30℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表1に示されている。
【0129】
(実施例11)
重合温度が60℃であったことを除いて、実施例10に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表1に示されている。
【0130】
(実施例12)
1)リガンドL3の調製:
1.5mLの2,6-ジメチルアニリン(12mmol)を、還流下で3時間、トルエン中の57mLの1Mトリメチルアルミニウムと反応させた。次に、カンファーキノン(1.05g、5mmol)を加え、反応混合物を8時間還流した。冷却後、反応を水酸化ナトリウム/氷水で停止させ、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶離剤として石油エーテル/酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーによって生成物を分離し、70.2%の収率で無色結晶としてリガンドL3を得た。HNMR δ(ppm)7.00~6.89(m、6H、Ar-H)、3.57(s、1H、NH)、2.18(s、6H、CAr-CH)、2.05(s、6H、CH)、1.74(s、4H、CH)、1.44(s、3H、CH)、1.35(m、1H、CH)、1.21(s、3H、CH)、1.01(s、3H、CH)、0.87(s、3H、CH)。
【0131】
2)錯体Ni3の調製:
(DME)NiBr(277mg、0.9mmol)のエタノール溶液(10mL)を、リガンドL3(233mg、0.6mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)に滴下し、得られた混合物を室温で6時間撹拌し、沈殿物を生成させた。濾過後、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて赤色の粉末状固体を得た。収率:70%。元素分析(C5882BrNiについて計算した):C、45.75;H、5.43;N、3.68;実験値(%):C、45.56;H、5.83;N、3.46。
【0132】
3)10atmエチレン重合:
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、さらに3.8mg(2.5μmol)の錯体Ni3を添加した。反応物を60℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表1に示されている。
【0133】
(実施例13)
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、さらに3.8mg(2.5μmol)の錯体Ni3および10mlの1-ヘキセンを添加した。反応物を60℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果は下記の表1に示されている。
【0134】
(比較例1)
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、5.5mg(7.5μmol)の比較触媒Aを添加した。反応物を60℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果は下記の表1に示されている。
【0135】
【化20】
【0136】
(比較例2)
比較触媒Aに代えて4.8mg(7.5μmol)の比較触媒Bを使用したことを除いて、比較例1に記載の手順に従ってエチレン重合を行った。結果は下記の表1に示されている。
【0137】
【化21】
【0138】
【表1】
【0139】
表1から、本発明の錯体は、高温で高い活性でエチレンの重合を触媒することができ、本発明の触媒のエチレン重合活性は8.62×10g・mol-1(Ni)・h-1以下であることが分かる。また、本発明の錯体は、エチレンと、高級α-オレフィンとの共重合を、高い活性で触媒することができ、得られたコポリマーは分子量分布が狭い。主触媒として使用した場合、本発明の錯体は、比較例1~2で使用した錯体と比較して、高温重合状態ではるかに高い重合活性を有し、得られたポリマーはより狭い分子量を有していた。
【0140】
(実施例14)
1)リガンドL4の調製:
反応フラスコに、3.52g(8mmol)のα-ジイミン化合物A3、30mlのトルエン、および1Mトリメチルアルミニウム(16ml、16mmol)を連続的に投入し、反応混合物を8時間還流した。反応を水酸化ナトリウム/氷水で停止させ、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶離剤として石油エーテル/酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーにより生成物を分離し、リガンドL4を無色結晶として85.2%の収率で得た。HNMR δ(ppm)7.23~6.88(m、14H)、4.84(s、1H)、4.73(s、1H)、3.85(s、1H、NH)、2.02(s、3H、CH)、1.87(s、6H、CH)、1.75(s、6H、CH)。
【0141】
2)錯体Ni4の調製:
(DME)NiBr(277mg、0.9mmol)のエタノール溶液10mLを、リガンドL4(300mg、0.6mmol)のジクロロメタン溶液10mLに滴下し、得られた混合物を室温で6時間撹拌し、沈殿物を生成させた。濾過後、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、赤色の粉末状固体としてNi4を得た。収率:74%。元素分析(C7074BrNiについて計算した):C、50.68;H、4.50;N、3.38;実験値(%):C、50.53;H、4.73;N、3.21。
【0142】
3)エチレン重合:
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、さらに4.1mg(2.5μmol)の錯体Ni4を添加した。反応物を60℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表2に示されている。
【0143】
(実施例15)
重合温度が100℃であったことを除いて、実施例14に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0144】
(実施例16)
メチルアルミノキサンに代えて0.75mLの一塩化ジエチルアルミニウム(トルエン中2.0mol/L溶液)を用いたことを除いて、実施例14に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0145】
(実施例17)
1)リガンドL5の調製:
反応フラスコに、4.42g(8mmol)のα-ジイミン化合物A4、30mlのトルエン、および1Mのトリメチルアルミニウム(16mL、16mmol)を連続的に投入し、反応混合物を8時間還流した。反応を水酸化ナトリウム/氷水で停止し、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶離剤として石油エーテル/酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーによって生成物を分離し、無色結晶としてリガンドL5を76.2%の収率で得た。HNMR δ(ppm)7.21~6.95(m、14H)、4.96(s、1H)、4.87(s、1H)、3.85(s、1H、NH)、2.51(m、4H、CH(CH)、2.02(s、3H、CH)、1.18(d、3H、CH)、1.11(d、3H、CH)、1.05(d、6H、CH)、0.98(d、6H、CH)、0.60(d、6H、CH)。
【0146】
2)錯体Ni5の調製:
(DME)NiBr(277mg、0.9mmol)のエタノール溶液10mLを、リガンドL5(341mg、0.6mmol)のジクロロメタン溶液10mLに滴下し、得られた混合物を室温で6時間撹拌し、沈殿物を生成させた。濾過後、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、赤色の粉末状固体としてNi5を得た。収率:76%。元素分析(C86106BrNiについて計算した):C、54.85;H、5.67;N、2.97;実験値(%):C、54.61;H、5.73;N、3.14。
【0147】
3)エチレン重合:
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、さらに4.7mg(2.5μmol)の錯体Ni5を添加した。反応物を60℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表2に示されている。
【0148】
(実施例18)
重合時間が10分であったことを除いて、実施例17に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0149】
(実施例19)
重合時間が20分であったことを除いて、実施例17に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0150】
(実施例20)
重合時間が60分であったことを除いて、実施例17に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0151】
(実施例21)
重合温度が100℃であったことを除いて、実施例17に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0152】
(実施例22)
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、4.7mg(2.5μmol)の錯体Ni5を添加した。次に、釜を排気させ、次いでエチレンで3回充満させた。次いで、反応物を100℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表2に示されている。
【0153】
(実施例23)
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。重合システムに500mLのヘキサンを投入すると同時に、6mLの10-ウンデセン-1-オール、30mLのトリエチルアルミニウム(ヘキサン中1.0mol/L溶液)、5.0mlのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l液)、および4.7mg(2.5μmol)の錯体Ni5を加えた。反応物を30℃で30分間撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、5体積%塩酸で酸性化したエタノール溶液で最終的に中和し、ポリマーを得た。結果は下記の表2に示されている。
【0154】
(実施例24)
重合温度が60℃であったことを除いて、実施例23に記載のエチレン共重合の手順に従って、エチレン共重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0155】
(実施例25)
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。重合システムに500mLのヘキサンを投入し、同時に5.52gの10-ウンデセン酸、30mLのトリエチルアルミニウム(ヘキサン中1.0mol/L溶液)、5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)、および4.7mg(2.5μmol)の錯体Nil5を添加した。反応物を30℃で30分間撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を5体積%塩酸で酸性化したエタノール溶液で最終的に中和し、ポリマーを得た。結果は下記の表2に示されている。
【0156】
(実施例26)
重合温度が60℃であったことを除いて、実施例25に記載のエチレン共重合の手順に従って、エチレン共重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0157】
(実施例27)
錯体Ni6の調製:
277mg(0.9mmol)の(DME)NiBrの2-メチル-1-プロパノール溶液(10mL)を、341mg(0.6mmol)のリガンドL5のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応液を室温で6時間撹拌した後、無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。濾過を行って濾過ケーキを得、濾過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、真空中で乾燥させて、赤褐色の粉末状固体としてNi6を得た。収率:84.0%。元素分析(C90114BrNiについて計算した):C、55.74;H、5.92;N、2.89;実験値(%):C、56.08;H、6.12;N、3.08。
【0158】
3)エチレン重合:
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、4.8mg(2.5μmol)の錯体Ni6を添加した。反応物を100℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表2に示されている。
【0159】
(実施例28)
1)リガンドL6の調製:
反応フラスコに、3.52g(8mmol)のα-ジイミン化合物A3、30mlのジエチルエーテル、および2Mのジエチル亜鉛(4mL、8mmol)を連続的に充填し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応を氷水で停止し、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶離液として石油エーテル/酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより生成物を分離し、無色結晶としてのリガンドL3を50.1%の収率で得た。HNMR δ(ppm)7.22~6.86(m、14H)、4.82(s、1H)、4.73(s、1H)、3.85(s、1H、NH)、2.04(m、2H、CHCH)、1.89(s、6H、CH)、1.74(s、6H、CH)、0.89(t、3H、CH)。
【0160】
錯体Ni7の調製:
(DME)NiBr(277mg、0.9mmol)のエタノール溶液10mLを、リガンドL6(282mg、0.6mmol)のジクロロメタン溶液10mLに滴下し、得られた混合物を室温で6時間撹拌し、沈殿物を生成させた。濾過後、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、赤色の粉末状固体としてNi7を得た。収率:73%。元素分析(C7278BrNiについて計算した):C、51.26;H、4.66;N、3.32;実験値(%):C、51.39;H、4.93;N、3.24。
【0161】
3)エチレン重合:
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、4.2mg(2.5μmol)の錯体Ni7を添加した。反応物を60℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表2に示されている。
【0162】
(実施例29)
重合温度が100℃であったことを除いて、実施例28に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0163】
(実施例30)
【0164】
【化22】
【0165】
1)リガンドL7の調製:
反応フラスコに4.32g(8mmol)のα-ジイミン化合物A5、30mlのトルエン、1Mトリメチルアルミニウム(16mL、16mmol)を連続的に投入し、反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応を氷水で停止し、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶離剤として石油エーテル/酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーにより生成物を分離し、リガンドL7を無色結晶として72.1%の収率で得た。HNMR δ(ppm)7.68~7.54(m、8H)、7.37(m、4H)、7.11~7.04(m、6H)、5.16(s、1H)、5.08(s、1H)、4.05(s、1H、NH)、1.94(s、3H、CH)、1.89(s、6H、CH)、1.73(s、6H、CH)。
【0166】
2)錯体Ni8の調製:
(DME)NiBr(277mg、0.9mmol)のエタノール溶液10mLを、リガンドL7(334mg、0.6mmol)のジクロロメタン溶液10mLに滴下し、得られた混合物を室温で6時間撹拌し、沈殿物を生成させた。濾過後、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて赤色の粉末状固体を得た。収率:72%。元素分析(C8682BrNiについて計算した):C、55.56;H、4.45;N、3.01;実験値(%):C、55.74;H、4.73;N、3.14。
【0167】
3)エチレン重合:
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、4.6mg(2.5μmol)の錯体Ni8を添加した。反応物を60℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表2に示されている。
【0168】
(実施例31)
重合温度が100℃であったことを除いて、実施例30に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0169】
(実施例32)
機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、10mLの1-ヘキセンを添加し、さらに4.6mg(2.5μmol)の錯体Ni8を添加した。反応物を100℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を、10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果は下記の表2に示されている。
【0170】
(比較例3)
比較触媒Cを、特許出願CN102250152Aに従って調製した。
【0171】
エチレン重合:機械的攪拌を備えた1Lのステンレススチール重合釜を、130℃で6時間連続的に乾燥させた後、それが熱い間に排気させ、次いでN気体で3回満たした。500mLのヘキサンを重合釜に投入し、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(トルエン中1.53mol/l溶液)を添加し、5.5mg(7.5μmol)の比較触媒Cを添加した。反応物を100℃で30分間激しく撹拌し、エチレン圧を10atmに維持した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果は下記の表2に示されている。
【0172】
【化23】
【0173】
(比較例4)
比較触媒Dを、特許出願CN102250152Aに従って調製した。
エチレン重合:比較触媒Cに代えて、4.8mg(7.5μmol)の比較触媒Dを用いたことを除いて、比較例3に記載のエチレン重合の手順に従って、エチレン重合を行った。結果は下記の表2に示されている。
【0174】
【化24】
【0175】
【表2】
【0176】
表2から、主触媒として用いた場合、本発明のアミノイミン金属錯体は、比較例3および4で用いた触媒に比べて、高温重合状態での重合活性が高く、得られたポリマーは比較例で得られたポリマーに比べて、分子量が大きく、分子量分布が狭いことがわかる。
【0177】
上記の実施例は、本発明を例示するためだけに使用され、本発明に対するいかなる限定も構成しないことに留意されたい。本発明は典型的な実施例に関連して説明されてきたが、ここで使用される単語は限定的な単語というよりは、記述的および説明的な単語であることを理解されたい。本発明は、規定された本発明のクレームの範囲内で修正されてもよく、本発明は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく修正されてもよい。ここで記載された本発明は、具体的な方法、材料および実施形態に関するが、本発明がここで開示された具体的な実施例に限定されることを意味するものではない。反対に、本発明は、同じ機能を有する他の全ての方法および応用に拡張され得る。

【国際調査報告】