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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】アミノ酸を含む水性酸化組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20221221BHJP
   A61K 8/22 20060101ALI20221221BHJP
   A61Q 5/08 20060101ALI20221221BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20221221BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20221221BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/22
A61Q5/08
A61Q5/10
A61Q5/02
A61Q5/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525532
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 EP2020080538
(87)【国際公開番号】W WO2021084084
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】19206512.6
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハイルマン,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,ペーター
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA162
4C083AB012
4C083AB082
4C083AB222
4C083AB312
4C083AB332
4C083AB352
4C083AB372
4C083AB411
4C083AB412
4C083AB432
4C083AC011
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC241
4C083AC252
4C083AC291
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC311
4C083AC351
4C083AC432
4C083AC472
4C083AC531
4C083AC532
4C083AC552
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC642
4C083AC772
4C083AC782
4C083AC812
4C083AD151
4C083AD162
4C083AD282
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB06
4C083BB07
4C083BB43
4C083CC34
4C083CC35
4C083CC36
4C083CC38
4C083DD17
4C083EE25
4C083EE26
4C083EE27
(57)【要約】
本発明は、化学的施術(chemical service)の際に毛髪損傷を低減する、アミノ酸を含む水性酸化組成物に関する。毛髪損傷低減の効果は、脱色粉末組成物、酸化染色組成物、及びパーマネントウェーブ組成物にポリカルボン酸を添加すると更に改善されることが見出された。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)過酸化水素
b)120g/mol以下のモル質量を有する1種以上のアミノ酸、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物
を含む、1~6の範囲のpHを有する水性酸化組成物B。
【請求項2】
b)の1種以上の化合物が、アラニン及び/若しくはグリシン、並びに/又はこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
b)の化合物の総濃度が、組成物の総重量に対して計算して、0.01重量%~0.7重量%の範囲、好ましくは0.03重量%~0.5重量%の範囲、より好ましくは0.05重量%~0.3重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1及び/又は2に記載の組成物。
【請求項4】
a)の化合物の総濃度が、組成物の総重量に対して計算して、1重量%~20重量%、好ましくは2重量%~15重量%、より好ましくは3重量%~12重量%の範囲であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
組成物のpHが、1.5~5の範囲、好ましくは2~4.5の範囲、より好ましくは2.5~4の範囲である、先行する請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
好ましくはC12~C22脂肪アルコール、C3~C22アルコールとC12~C22脂肪酸とのエステル、C8~C22脂肪酸、植物油、及び/又はシリコーン、及び/又は炭化水素ベース生成物、並びに/又はこれらの混合物から選択される、1種以上のf)の親油性化合物を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
f)の1種以上の化合物の総濃度が、水性酸化組成物Bの総重量に対して計算して、1重量%~20重量%の範囲、好ましくは2重量%~15重量%の範囲、より好ましくは3重量%~12重量%の範囲であることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
g)の化合物として、好ましくは、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/若しくは両性/双性イオン性界面活性剤、並びに/又はこれらの混合物から選択される、より好ましくはアニオン性界面活性剤から選択される、1種以上の界面活性剤を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
1種以上の増粘ポリマーを含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
- 下記:
c)1種以上の過酸塩及び/又はペルオキシ塩、
d)1種以上のアルカリ化剤、
e)1種以上のポリカルボン酸及び/又はこれらの塩
を含む第1の脱色粉末組成物Aと、
- 請求項1から9に記載の第2の水性酸化組成物Bと、
を含む2剤型脱色組成物。
【請求項11】
e)の化合物としての1種以上のポリカルボン酸が、2つ以上のカルボキシル基を有し、好ましくは、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、マレイン酸、グルタル酸、エチレンジアミン四酢酸、ピロメリト酸、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
e)の化合物としての1種以上のポリカルボン酸が、2つのカルボキシル基を有し、好ましくは、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、マレイン酸、グルタル酸、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項10及び/又は11に記載の組成物。
【請求項13】
第1の脱色粉末組成物A中のe)の化合物の総濃度が、第1の脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、0.01重量%~5重量%、好ましくは0.05重量%~2.5重量%、より好ましくは0.1重量%~1重量%の範囲であることを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
第1の脱色粉末組成物Aが、c)の化合物として1種以上の過酸塩及び/又はペルオキシ塩を、第1の脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、10重量%~80重量%、好ましくは15重量%~70重量%、より好ましくは20重量%~60重量%、更に好ましくは25重量%~60重量%の範囲の総濃度で含むことを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
第1の脱色粉末組成物Aが、d)の化合物として1種以上のアルカリ化剤を、第1の脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、0.25重量%~30重量%、好ましくは0.5重量%~25重量%、より好ましくは1重量%~20重量%の範囲の総濃度で含むことを特徴とする、請求項10から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラー、並びに1種以上のアルカリ化剤を含む染色組成物C、
- 請求項1から9に記載の第2の水性酸化組成物B、
を含む2剤型酸化染色組成物。
【請求項17】
請求項1から9に記載の水性酸化組成物Bと、
- 請求項10から15に記載の脱色粉末組成物A、
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラー、及び1種以上のアルカリ化剤を含む酸化染色組成物C、
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の還元剤及び1種以上のアルカリ化剤を含む水性パーマネントウェーブ組成物D
から選択されるもう1つの組成物と
を含む、キット・オブ・パーツ。
【請求項18】
組成物C及び/又はDが、請求項10から15に記載の1種以上のe)の化合物、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を脱色及び/又は酸化染色する方法であって、
i)請求項10から15に記載の脱色粉末組成物A及び請求項10から15又は1から9に記載の第2の水性酸化組成物Bを準備するステップと、
ii)任意選択で、請求項16から18のいずれか一項に記載の酸化染色組成物Cを準備するステップと、
iii)ステップi)の2つの組成物を、任意選択で第3の酸化染色組成物Cと共に混合して、7~12の範囲のpHを有するすぐに使用できる組成物を生成するステップと、
iv)すぐに使用できる混合物をケラチン繊維に塗布し、1分間~60分間にわたって放置するステップと、
v)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
を含む方法。
【請求項20】
ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を酸化染色する方法であって、
vi)請求項16から18のいずれか一項に記載の酸化染色組成物C及び請求項1から10に記載の第2の水性酸化組成物Bを準備するステップと、
vii)ステップvi)の2つの組成物を混合して、7~12の範囲のpHを有するすぐに使用できる組成物を生成するステップと、
viii)すぐに使用できる混合物をケラチン繊維に塗布し、1分間~60分間にわたって放置するステップと、
ix)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
を含む方法。
【請求項21】
ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪をパーマネントシェイプする方法であって、
x)任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
xi)ケラチン繊維を機械的張力下に置くステップと、
xii)ケラチン繊維に請求項17及び/又は18に記載の水性パーマネントウェーブ組成物Dを塗布し、組成物を1分間~60分間の範囲にわたって放置するステップと、
xiii)任意選択で組成物をすすぎ流すステップと、
xiv)請求項1から10に記載の水性酸化組成物Bを準備し、それをケラチン繊維に塗布し、1分間~30分間の範囲にわたって放置するステップと、
xv)ケラチン繊維から機械的張力を解放するステップと、
xvi)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと
を含み、
ただし、ステップxi)及びxii)、並びにステップxv)及びxvi)は、任意の順序で行ってよいことを条件とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ酸を含む水性酸化組成物に関する。この組成物は、第2の組成物として有用である。さらに、2剤型脱色及び酸化染色組成物並びに方法が開示され、ここで第1の組成物はポリカルボン酸を更に含む。本発明の組成物を含むキット・オブ・パーツも開示される。
【背景技術】
【0002】
過酸化水素含有水性組成物は、当技術分野においてよく知られている。これらの組成物は、多くの工業及び技工プロセスにおいて必須の構成成分である。例えば、固体基材の脱色又は染色には、酸化組成物の存在が必要である。特に、製紙、羊毛、及び化粧品産業は、これらの組成物の性能に依存している。
【0003】
しかし、酸化組成物を生物学的材料に塗布すると化学損傷を生じるので、材料にもたらされる損傷の量を低減する傾向が高まっている。
【0004】
一連の特許出願(特許文献1、特許文献2、特許文献3)は、毛髪構造の改善のために、毛髪化学処理に、例えば、酸化毛髪染色、パーマネントシェイプ(permanently shaping)、及び脱色にビスマレエートベース結合剤の組合せ使用の利益を主張する方法を開示している。この公報は、本発明の核心には言及していない。
【0005】
さらに、脱色粉末中のポリカルボン酸及びアミノ酸についての出願が、特許文献4によって公知である。
いずれにしても、文献は、本発明の核心には言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0034119号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0037270号明細書
【特許文献3】国際公開第2015/017768号
【特許文献4】国際公開第2018/085478号
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の第1の目的は、
a)過酸化水素と、
b)120g/mol以下のモル質量を有する1種以上のアミノ酸、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物と、
を含む、1~6の範囲のpHを有する水性酸化組成物Bである。
【0008】
本発明の第2の目的は、
- 下記:
c)1種以上の過酸塩及び/又はペルオキシ塩、
d)1種以上のアルカリ化剤、
e)1種以上のポリカルボン酸及び/又はこれらの塩
を含む第1の脱色粉末組成物Aと、
- 上記に定義された第2の水性酸化組成物Bと、
を含む2剤型脱色組成物である。
【0009】
本発明の第3の目的は、
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラー、並びに1種以上のアルカリ化剤を含む染色組成物Cと、
- 上記に定義された第2の水性酸化組成物Bと、
を含む2剤型酸化染色組成物である。
【0010】
本発明の第4の目的は、上記に定義された水性酸化組成物Bと、
- 上記に定義された脱色粉末組成物A、
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラー、及び1種以上のアルカリ化剤を含む酸化染色組成物C、
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の還元剤及び1種以上のアルカリ化剤を含む水性パーマネントウェーブ組成物D
から選択されるもう1つの組成物と
を含む、キット・オブ・パーツである。
【0011】
本発明の第5の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を脱色及び/又は酸化染色する方法であって、
i)上記に定義された脱色粉末組成物A及び上記に定義された第2の水性酸化組成物Bを準備するステップと、
ii)任意選択で、上記に定義された酸化染色組成物Cを準備するステップと、
iii)ステップi)の2つの組成物を、任意選択で第3の酸化染色組成物Cと共に混合して、7~12の範囲のpHを有するすぐに使用できる組成物を生成するステップと、
iv)すぐに使用できる混合物をケラチン繊維に塗布し、1分間~60分間にわたって放置するステップと、
v)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
を含む方法である。
【0012】
本発明の第6の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を酸化染色する方法であって、
vi)上記に定義された酸化染色組成物C及び上記に定義された第2の水性酸化組成物Bを準備するステップと、
vii)ステップvi)の2つの組成物を混合して、7~12の範囲のpHを有するすぐに使用できる組成物を生成するステップと、
viii)すぐに使用できる混合物をケラチン繊維に塗布し、1分間~60分間にわたって放置するステップと、
ix)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
を含む方法である。
【0013】
本発明の第7の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪をパーマネントシェイプする方法であって、
x)任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
xi)ケラチン繊維を機械的張力下に置くステップと、
xii)ケラチン繊維に上記に定義された水性パーマネントウェーブ組成物Dを塗布し、組成物を1分間~60分間の範囲にわたって放置するステップと、
xiii)任意選択で組成物をすすぎ流すステップと、
xiv)上記に定義された水性酸化組成物Bを準備し、それをケラチン繊維に塗布し、1分間~30分間の範囲にわたって放置するステップと、
xv)ケラチン繊維から機械的張力を解放するステップと、
xvi)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと
を含み、
ただし、ステップxi)及びxii)、並びにステップxv)及びxvi)は、任意の順序で行ってよいことを条件とする
方法である。
【発明の詳細な説明】
【0014】
本発明の発明者たちは、アミノ酸を水性酸化組成物に添加すると、ケラチン繊維の損傷を少なくすることを予期することなく見出した。したがって、ケラチン繊維における化粧品特性、例えば、手触り、感触、艶、及び色の均等性、並びに脱色力が改善された。効果は、ポリカルボン酸を第2の組成物に、例えば、脱色粉末、酸化染色組成物、及びパーマ組成物に添加することによって改善されることが更に見出された。
【0015】
〔水性酸化組成物〕
本発明は、
a)過酸化水素と、
b)120g/mol以下のモル質量を有する1種以上のアミノ酸、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物と、
を含む、1~6の範囲のpHを有する水性酸化組成物Bを対象とする。
【0016】
a)の化合物の総濃度は、第1の組成物と混合した後の脱色/染色/パーマ性能の観点から、水性酸化組成物Bの総重量に対して計算して、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは3重量%以上である。
a)の化合物の総濃度は、第1の組成物と混合した後の脱色/染色/パーマ性能、及び化粧品の安全性の観点から、水性酸化組成物Bの総重量に対して計算して、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、更に好ましくは12重量%以下である。
上述の効果を得るため、a)の化合物の総濃度は、水性酸化組成物Bの総重量に対して計算して、好ましくは1重量%~20重量%の範囲、より好ましくは2重量%~15重量%の範囲、更に好ましくは3重量%~12重量%の範囲である。
【0017】
b)の化合物としての1種以上のアミノ酸は、化粧品の安全性の観点から、アラニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、プロリン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物から選択されることが好ましい。
【0018】
b)の1種以上の化合物は、毛髪浸透の観点から、好ましくは120g/mol以下のモル質量を有し、好ましくは化合物は、アラニン及び/若しくはグリシン、並びに/又はこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物から選択される。
【0019】
b)の化合物の総濃度は、毛髪損傷の観点から、組成物Bの総重量に対して計算して、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.03重量%以上、更に好ましくは0.05重量%以上である。
b)の化合物の総濃度は、毛髪損傷及び経済的理由の観点から、組成物Bの総重量に対して計算して、好ましくは0.7重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下である。
上述の効果を得るため、b)の化合物の総濃度は、組成物Bの総重量に対して計算して、好ましくは0.01重量%~0.7重量%の範囲、より好ましくは0.03重量%~0.5重量%の範囲、更に好ましくは0.05重量%~0.3重量%の範囲である。
【0020】
水性酸化組成物は、1~6の範囲のpHを有する。
組成物のpHは、貯蔵安定性及び化粧品の安全性の観点から、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは2.5以上である。
組成物のpHは、貯蔵安定性の観点から、好ましくは5以下、より好ましくは4.5以下、更に好ましくは4以下である。
上述の効果を得るため、組成物のpHは、好ましくは1.5~5の範囲、より好ましくは2~4.5の範囲、更に好ましくは2.5~4の範囲である。
【0021】
〔水性酸化組成物の形態〕
本発明の水性酸化組成物Bは、化粧品の安全性、並びに使い勝手の良さ(user friendliness)の観点から、好ましくは、エマルション、増粘ゲル、又はこれらの組合せである。
【0022】
〔f)の化合物としての親油性化合物〕
本発明の組成物がエマルション及び/又は増粘エマルションとして配合される場合、組成物は、f)の化合物として1種以上の親油性化合物を含むことが好ましい。
【0023】
好ましくは、f)の化合物は、化粧品の相溶性の観点から、C12~C22脂肪アルコール、C3~C22アルコールとC12~C22脂肪酸とのエステル、C8~C22脂肪酸、植物油、及び/若しくはシリコーン、及び/若しくは炭化水素ベース生成物、並びに/又はこれらの混合物から選択される。
【0024】
適切なC12~C22脂肪アルコールは、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びセテアリルアルコールである。
適切なC3~C22アルコールとC12~C22脂肪酸とのエステルは、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、及びミリスチン酸ミリスチルである。
適切なC8~C22脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、及びパルミチン酸である。
適切な植物油は、オリーブ油、アーモンド油、ヒマワリ油、及びアルガン油である。
適切なシリコーンは、非アミノ化及びアミノ化シリコーンである。後者は、アモジメチコンとして一般に知られている。
【0025】
f)の化合物の総濃度は、安定した組成物を形成する観点、及び使用者の安全性の観点から組成物Bの総重量に対して計算して、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは3重量%以上である。
f)の化合物の総濃度は、、安定した組成物を形成する観点から、組成物Bの総重量に対して計算して、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、更に好ましくは12重量%以下である。
上述の効果を得るため、f)の化合物の総濃度は、組成物Bの総重量に対して計算して、好ましくは1重量%~20重量%の範囲、より好ましくは2重量%~15重量%の範囲、更に好ましくは3重量%~12重量%の範囲である。
【0026】
〔g)の化合物としての界面活性剤〕
本発明の組成物Bは、組成物を安定化する観点、並びに湿潤性及び混合性を改善する観点から、g)の化合物として、好ましくは非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/若しくは両性/双性イオン性界面活性剤、並びに/又はこれらの混合物から選択される、より好ましくはアニオン性界面活性剤から選択される、1種以上の界面活性剤を更に含んでもよい。
【0027】
好ましくは、アニオン性界面活性剤は、エトキシル化若しくは非エトキシル化アルキルエーテルサルフェート界面活性剤、アルキルサルフェート、エトキシル化及び/若しくは非エトキシル化アルキルカルボキシレート、エトキシル化若しくは非エトキシル化アミノ酸界面活性剤、並びに/又はこれらの混合物及び/又はこれらの塩から選択されうる。
適切な例は、C10~C22のアルキル鎖長、及び1~50のエトキシル化度を有する、アルキルサルフェート、若しくは好ましくはエトキシル化アルキルエーテルサルフェート界面活性剤、又はこれらの混合物、及び/又はこれらの塩である。
【0028】
適切な非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシル化トリグリセリド、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪酸エステル、及び/又はこれらの混合物から選択されうる。
【0029】
適切なカチオン性界面活性剤は、C12~C22の範囲の炭素鎖長を有する第四級アンモニウム界面活性剤、又は第三級アミン基を有し、かつC12~C22の範囲の炭素鎖長を有する少なくとも1個のアルキル鎖を有する界面活性剤、例えば、アルキルアミドアルキルアミン界面活性剤及び/又はこれらの塩である。適切な例は、セトリモニウムクロリド及びベヘントリモニウムクロリドである。
【0030】
適切な両性/双性イオン性界面活性剤は、ベタイン型である。適切な化合物は、アルキルベタイン及び/又はアルキルアミドベタインから選択されうる。アルキルベタインから選択される好ましい化合物は、ラウリルベタインである。アルキルアミドベタインから選択される好ましい化合物は、コカミドプロピルベタインである。本開示は、化合物の塩にも関する。
【0031】
界面活性剤の適切な濃度範囲は、ケラチン繊維の湿潤性、物理的安定性、及び他の組成物との混合性を向上させる観点から、組成物Bの総重量に対して計算して0.1重量%~10重量%の範囲である。
【0032】
〔増粘ポリマー〕
化粧品の安全性の観点から、本発明の組成物Bは、1種以上の増粘ポリマーを含むことが更に好ましい。
本発明の組成物Bは、非イオン性増粘ポリマー及び/若しくはアニオン性増粘ポリマー、並びに/又はこれらの混合物から選択される1種以上の1つの増粘ポリマーを含む。
好ましくは、増粘ポリマーは、25℃の水中に1重量%のポリマー濃度で測定し、組成物の総重量に対して計算し、Brookfield粘度計によって、例えば、25℃で適切なスピンドルを10rpmで1分間用いて決定して、少なくとも1,000mPa・sの粘度を有するpH1~6の水溶液及び/又は水性分散液に生じたポリマーから選択される。
【0033】
適切な非イオン性増粘ポリマーは、セルロースベースポリマーである。セルロースベースポリマーの適切な例は、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル-メチルセルロース、及びアルキル化ヒドロキシルセルロース、例えば、(C2~C8)-アルキルセルロース又はセチルヒドロキシエチルセルロースである。
【0034】
適切なアニオン性増粘ポリマーは、天然ベースアニオン性ポリマー及び/又は合成アニオン性ポリマーから選択される。
適切な、天然のアニオン性ポリマーは、キサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、及びデンプンベースポリマー、例えば、植物デンプン及び/又はこれらの合成加工誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェートから選択されうる。等しく適しているものは、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アラビアガム、及びグアーガムである。
適切な合成アニオン性ポリマーは、会合性増粘ポリマー、例えば、アクリレート/ステアレス-30メタクリレートコポリマーである。
【0035】
本発明の組成物に好ましい増粘ポリマーは、生分解性及び低い環境への影響の観点から、天然のアニオン性ポリマー、より好ましくはキサンタンガム及び/又はデヒドロキアンタンガムである。
【0036】
好ましくは、本発明の増粘ポリマーの総濃度は、組成物に十分な粘度を提供する観点から、組成物Bの総重量に対して計算して、0.1重量%以上、より好ましくは0.25重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上である。
好ましくは、本発明の増粘ポリマーの総濃度は、組成物に十分な粘度を提供する観点、及び商品原価(cost of goods)の観点から、組成物Bの総重量に対して計算して、15重量%以下、より好ましくは12重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。
上述の効果を得るため、本発明の組成物B中の増粘ポリマーの総濃度は、組成物Bの総重量に対して計算して、0.1重量%~15重量%の範囲、好ましくは0.25重量%~12重量%の範囲、より好ましくは0.5重量%~10重量%の範囲である。
【0037】
本発明の組成物は、大気条件下において25℃でコーンプレート粘度計により決定して、1,000Pa・s~25,000mP・s、好ましくは2,000mPa・s~20,000mPa・sの範囲、より好ましくは2,500mPa・s~17,500mPa・sの範囲の粘度を有する。適切な粘度計は、スピンドル#4を有するBrookfield粘度計である。
【0038】
〔2剤型脱色組成物〕
本発明は、
- 下記:
c)1種以上の過酸塩及び/又はペルオキシ塩、
d)1種以上のアルカリ化剤、
e)1種以上のポリカルボン酸及び/又はこれらの塩
を含む第1の脱色粉末組成物Aと、
- 上記に定義された第2の水性酸化組成物Bと、
を含む2剤型脱色組成物も対象とする。
【0039】
脱色粉末組成物Aは、1種以上の過酸塩及び/又はペルオキシ塩を含む。
適切な過酸塩及び/又はペルオキシ塩は、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アルカリ土類過酸化物、例えば、過酸化マグネシウム、過酸化マレイミド、若しくは過酸化尿素、又はフタルイミドペルオキシヘキサン酸である。脱色力の観点から好ましい過酸塩は、過硫酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウムである。
【0040】
脱色粉末組成物中の過酸塩及び/又はペルオキシ塩の総濃度は、脱色力及び化粧品の安全性の観点から、脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、好ましくは10重量%~80重量%の範囲、より好ましくは15重量%~70重量%の範囲、更に好ましくは20重量%~60重量%の範囲、更に好ましくは25重量%~60重量%の範囲である。
【0041】
脱色粉末組成物Aは、d)の化合物として1種以上のアルカリ化剤を含む。
組成物Aが脱色粉末組成物である場合、十分なアルカリ度を提供する観点から、1種以上のアルカリ化剤を、脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、好ましくは0.25重量%~30重量%、より好ましくは、0.5重量%~25重量%、更に好ましくは1重量%~20重量%の範囲の総濃度で含む。
【0042】
適切なアルカリ化剤は、メタケイ酸塩、特にメタケイ酸ナトリウムである。脱色粉末組成物A中のメタケイ酸塩の濃度は、アルカリ度の観点から、脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、好ましくは1重量%~20重量%、より好ましくは5重量%~15重量%の範囲である。
【0043】
他の適切なアルカリ化剤は、炭酸及び重炭酸アルカリ塩、例えば、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩である。緩衝能力の観点から、好ましい塩は重炭酸塩であり、とりわけ好ましいものは重炭酸アンモニウムである。脱色粉末組成物A中の炭酸塩の適切な濃度は、緩衝能力及び低い毛髪損傷の観点から、脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、0.25重量%~10重量%の範囲、好ましくは0.5重量%~7.5重量%の範囲、より好ましくは0.75重量%~5重量%の範囲、更に好ましくは1重量%~4重量%の範囲である。
【0044】
脱色粉末組成物Aは、e)の化合物として1種以上のポリカルボン酸及び/又はこれらの塩を含む。
e)の化合物としての好ましいポリカルボン酸及び/又はこれらの塩は、毛髪損傷の低減の観点から、2つ以上のカルボキシル基を有し、より好ましくは、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、マレイン酸、グルタル酸、エチレンジアミン四酢酸(ethylene diaminotetraacetic acid)、ピロメリト酸(pyromelletic acid)、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物から選択される。
e)の化合物としての1種以上のポリカルボン酸は、毛髪損傷の低減、商業的入手性、及び化粧品の安全性の観点から、2つのカルボキシル基を有すること、より好ましくは、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、マレイン酸、グルタル酸、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物から選択されることが、更に好ましい。
e)の最も好ましい化合物は、毛髪損傷の低減の観点から、リンゴ酸及び/又はその塩である。
【0045】
脱色粉末組成物A中のe)の化合物の総濃度は、毛髪損傷の低減の観点から、脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、更に好ましくは0.1重量%以上の範囲である。
脱色粉末組成物A中のe)の化合物の総濃度は、毛髪損傷の低減の観点から、脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2.5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下の範囲である。
上述の効果を得るため、第1の脱色粉末組成物A中のe)の化合物の総濃度は、脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、好ましくは0.01重量%~5重量%、より好ましくは0.05重量%~2.5重量%、更に好ましくは0.1重量%~1重量%の範囲である。
【0046】
〔2剤型酸化染色組成物〕
本発明は、
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラー、並びに1種以上のアルカリ化剤を含む染色組成物Cと、
- 上記に定義された第2の水性酸化組成物Bと、
を含む2剤型酸化染色組成物も対象とする。
【0047】
組成物Cは、上記に定義された1種以上のe)の化合物、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物を含むことが、毛髪損傷の低減の観点から好ましい。組成物Aにおいて開示されたものと同じ濃度及び条件が当てはまる。
【0048】
酸化染色組成物Cは、7~12の範囲のpHを有し、1種以上の酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラー、及び1種以上のアルカリ化剤を含む。
酸化染色組成物CのpHは、染色性能の観点から、好ましくは7.5以上、より好ましくは8.0以上、更に好ましくは8.5以上である。
染色組成物CのpHは、化粧品の安全性及び染色性能の観点から、好ましくは11以下、より好ましくは10.5以下、更に好ましくは10.0以下である。
上述の効果を得るため、酸化染色組成物CのpHは、好ましくは7.5~11、より好ましくは8.0~10.5、更に好ましくは8.5~10.0の範囲である。
【0049】
酸化染色組成物Cは、1種以上の酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラーを含む。
【0050】
適切な酸化染料前駆体は、例えば、p-フェニレンジアミン及び/又はその誘導体、p-アミノフェノール及び/又はその誘導体、並びに複素環式化合物、例えば、ジアミノピラゾール及び置換ピリミジン、及び/又はこれらの誘導体である。
【0051】
例示的な酸化染料前駆体は、p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、2,5-ジアミノ-トルエン、2-n-プロピル若しくは2-エチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジ-メチル-p-フェニレン-ジアミン、2-(2,5-ジアミノフェニル)エタノール、1-アミノ-4-ビス-(2'-ヒドロキシ-エチル)アミノ-ベンゼン、2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-5-アミノトルエン、4,4'-ジアミノジフェニルアミン、4-アミノジフェニルアミン、2-アミノ-5-N,N-ジエチルアミノトルエン、4-アミノ-N-エチル-N-イソプロピルアニリン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、1-β-ヒドロキシエチル-2,5-ジアミノ-4-クロロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチル-2,5-ジアミノ-4-メチルベンゼン、2-メトキシ-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、1-アミノ-4-β-メトキシエチルアミノベンゼン、1-ジメチル-アミノ-4-アミノベンゼン、1-ヒドロキシ-2,5-ジアミノ-4-メチルベンゼン、1-ヒドロキシメチル-2,5-ジアミノベンゼン、1,3-ジメチル-2,5-ジアミノベンゼン、1,4-ジアミノイソプロピルベンゼン及び/若しくは1-アミノ-4-β-ヒドロキシプロピルアミノベンゼン、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール、3,4-ジアミノ-5-ヒドロキシピラゾール、3,5-ジアミノピラゾール、3,5-ジアミノピラゾール-1-カルボキサミド、3-アミノ-5-ヒドロキシピラゾール、1-フェニル-2-メチルピラゾール、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール-1-メタノール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノフェノール及びこの誘導体、例えば、4-アミノ-3-メチルフェノール、2-クロロ-4-アミノフェノール、2,6-ジクロロ-4-アミノフェノール、2,4-ジアミノ-フェノール、2,6-ジブロモ-4-アミノフェノール、テトラアミノピリミジン、トリアミノヒドロキシピリミジン、ジアミノモノ-及び-ジヒドロキシピリミジン、アミノトリアジン、5-アミノサリチル酸及び/又は1,2,4-トリアミノベンゼン、2,5-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2-ジメチル-5-アミノピリジン、2-ジメチルアミノエチル-3-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-4,6-ジメチルピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2(β-ヒドロキシエチルアミノ)-6-メトキシピリジン、2,6-ジメチルアミノ-5-アミノピリジン、2-ジ(ヒドロキシエチル)アミノ-5-アミノピリジン、2-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノピリジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、並びに/又はこれらの水溶性塩、並びに/又はこれらの混合物である。
【0052】
適切な酸化染料カプラーは、レゾルシノール及び/又はその誘導体、m-アミノフェノール及び/又はその誘導体、m-フェニレンジアミン及び/又はその誘導体、ピリジン及び/又はその誘導体、並びにナフトール及び/又はその誘導体である。
【0053】
酸化染料カプラーの例は、5-アミノ-2-メチルフェノール、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、2-メチル-5-アミノ-6-クロルフェノール、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、2-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノトルエン、2-アミノ-5-メチルフェノール、レゾルシノール、2-メチル-レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-アミノ-4-クロロフェノール、5-アミノ-4-メトキシ-2-メチルフェノール、2-アミノフェノール、3-アミノ-フェノール、1-メチル-2-ヒドロキシ-4-アミノベンゼン、3-N,N-ジメチルアミノフェノール、2,6-ジヒドロキシ-3,5-ジメトキシピリジン、5-アミノ-3-メチルフェノール、6-アミノ-3-メチルフェノール、1,3-ジアミノ-ベンゼン、1-アミノ-3-(2'-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1-アミノ-3-[ビス(2'-ヒドロキシ-エチル)アミノ]ベンゼン、α-ナフトール、4,6-ジクロロレゾルシノール、1,3-ジアミノ-トルエン、4-ヒドロキシ-1,2-メチレンジオキシベンゼン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1-ヒドロキシ-2-メチルナフタレン、4-ヒドロキシ-1,2-メチルジオキシベンゼン、2,4-ジアミノ-3-クロロフェノール、5-アミノ-2-メトキシフェノール及び/若しくは1-メトキシ-2-アミノ-4-(2'-ヒドロキシエチルアミノ)-ベンゼン、又はこれらの水溶性塩、並びにこれらの混合物である。
【0054】
酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラーの適切な総濃度は、酸化染色組成物Cの総重量に対して計算して、0.001重量%~5重量%、好ましくは0.01重量%~4重量%、より好ましくは0.05重量%~3重量%、更に好ましくは0.1重量%~2重量%の範囲である。
【0055】
酸化染色組成物Cは、1種以上のアルカリ化剤を含む。好ましくは、1種以上のアルカリ化剤は、化粧品の安全性及び染色性能の観点から、アンモニア、一般構造:
【0056】
【化1】
【0057】
〔式中、R1、R2、及びR3は、同じであるか、又はHと異なり、好ましくはC1~C4アルキル、C3~C4不飽和アルキル、C3~C4分岐鎖アルキル、C1~C4ヒドロキシルアルキル、C3~C4不飽和ヒドロキシルアルキル、C3~C4分岐鎖ヒドロキシルアルキルから選択され、ただしR1、R2、又はR3のうちの少なくとも1つはHと異なることを条件とする。〕のアルキルアミン、又はアルカノールアミンから選択される。
【0058】
アルカリ化剤は、染色強度の観点から、アンモニア及び/若しくはその塩、モノエタノールアミン及び/若しくはその塩、及び/又は2-アミノメチルプロパノール、並びに/又はこれらの混合物から選択される。
【0059】
混合する前の酸化染色組成物A中のアルカリ化剤の濃度は、十分なアルカリ度及び染色強度の観点から、混合する前の酸化染色組成物Cの総重量に対して計算して、好ましくは0.25重量%~15重量%、より好ましくは0.5重量%~12.5重量%、更に好ましくは0.75重量%~10重量%、更により好ましくは1重量%~7.5重量%の範囲である。
【0060】
酸化染色組成物は、増粘ゲル、エマルション、又は増粘エマルションの形態でありうる。
【0061】
エマルションを形成するため、酸化染色組成物Cは、水性酸化組成物において詳細に開示されているように、f)の1種以上の親油性化合物を含んでもよい。
【0062】
増粘ゲル及び/又は増粘エマルションを形成するため、酸化染色組成物Cは、水性酸化組成物において開示されているように、増粘ポリマーを更に含んでもよい。
【0063】
さらに、湿潤性及び配合安定性の観点から、酸化染色組成物Cは、水性酸化組成物において開示されているように、g)の化合物として1種以上の界面活性剤を更に含んでもよい。
【0064】
〔すぐに使用できる混合物、及び脱色/酸化染色の方法〕
本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を脱色及び/又は酸化染色する方法であって、
i)上記に定義された脱色粉末組成物A及び上記に定義された第2の水性酸化組成物Bを準備するステップと、
ii)任意選択で、上記に定義された酸化染色組成物Cを準備するステップと、
iii)ステップi)の2つの組成物を、任意選択で第3の酸化染色組成物Cと共に混合して、7~12の範囲のpHを有するすぐに使用できる組成物を生成するステップと、
iv)すぐに使用できる混合物をケラチン繊維に塗布し、1分間~60分間にわたって放置するステップと、
v)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
を含む方法も対象とする。
【0065】
脱色粉末組成物Aを水性酸化組成物Bと混合して、すぐに使用できる組成物を形成する。適切な混合重量比は、5:1~1:5(脱色粉末組成物A:水性酸化組成物B)である。慣用的には、適切な混合比は、重量に基づいて1:1、1:2、及び1:3(脱色粉末組成物A:水性酸化組成物B)である。
【0066】
酸化染色組成物Cを水性酸化組成物B及び脱色粉末組成物Aと混合して、すぐに使用できる組成物を形成してもよい。適切な混合重量比は、5:1:0.1~1:5:3(酸化染色組成物C:水性酸化組成物B:脱色粉末組成物A)である。慣用的には、適切な混合比は、重量に基づいて1:1:2、1:2:2、及び1:3:1(酸化染色組成物C:水性酸化組成物B:脱色粉末組成物A)である。
【0067】
適切には、すぐに使用できる組成物のpHは7~12の範囲である。すぐに使用できる組成物のpHは、染色の加速の観点から、好ましくは7.5~11、より好ましくは8.0~10.5の範囲である。
【0068】
次いで、ステップii)に定義されているように、すぐに使用できる組成物をケラチン繊維に塗布し、1分間~60分間にわたって放置する。ステップii)のために好ましい時間の範囲は、ケラチン繊維を十分に染色する観点から、5分間~45分間、より好ましくは10分間~35分間である。
【0069】
ステップii)中、及びすぐに使用できる組成物を塗布した後、酸化染色を加速させる観点から熱を適用してもよい。適切な温度範囲は、酸化染色速度及び化粧品の安全性の観点から、30℃~50℃である。
【0070】
その後、すぐに使用できる組成物をケラチン繊維からすすぎ流し、任意選択でこれらをシャンプーにより洗い、任意選択でヘアドライヤーにより乾かす(blow-dried)。
【0071】
〔すぐに使用できる混合物、及び酸化染色の方法〕
本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を酸化染色する方法であって、
vi)上記に定義された酸化染色組成物C及び上記に定義された第2の水性酸化組成物Bを準備するステップと、
vii)ステップvi)の2つの組成物を混合して、7~12の範囲のpHを有するすぐに使用できる組成物を生成するステップと、
viii)すぐに使用できる混合物をケラチン繊維に塗布し、1分間~60分間にわたって放置するステップと、
ix)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
を含む方法も対象とする。
【0072】
酸化染色組成物Cを水性酸化組成物Bと混合して、すぐに使用できる組成物を形成する。適切な混合重量比は、5:1~1:5(酸化染色組成物C:水性酸化組成物B)である。慣用的には、適切な混合比は、重量に基づいて1:1、1:2、及び1:3(酸化染色組成物C:水性酸化組成物B)である。
【0073】
適切には、すぐに使用できる組成物のpHは7~12の範囲である。すぐに使用できる組成物のpHは、染色の加速の観点から、好ましくは7.5~11、より好ましくは8.0~10.5の範囲である。
【0074】
次いで、ステップviii)に定義されているように、すぐに使用できる組成物をケラチン繊維に塗布し、1分間~60分間にわたって放置する。ステップviii)に好ましい時間範囲は、ケラチン繊維を十分に染色する観点から、5分間~45分間であり、より好ましくは、範囲は10分間~35分間である。
【0075】
ステップviii)中、すぐに使用できる組成物を塗布した後、酸化染色を加速させる観点から熱を適用してもよい。適切な温度範囲は、酸化染色速度及び化粧品の安全性の観点から、30℃~50℃である。
【0076】
その後、すぐに使用できる組成物をケラチン繊維からすすぎ流し、任意選択でこれらをシャンプーにより洗い、任意選択でヘアドライヤーにより乾かす。
【0077】
〔パーマネントウェーブの方法〕
本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪をパーマネントシェイプする方法であって、
x)任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
xi)ケラチン繊維を機械的張力下に置くステップと、
xii)ケラチン繊維に下記に定義されている水性パーマネントウェーブ組成物Dを塗布し、組成物を1分間~60分間の範囲にわたって放置するステップと、
xiii)任意選択で組成物をすすぎ流すステップと、
xiv)上記に定義された水性酸化組成物を準備し、それをケラチン繊維に塗布し、1分間~30分間の範囲にわたって放置するステップと、
xv)ケラチン繊維から機械的張力を解放するステップと、
xvi)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップとを含み、
ただし、ステップxi)及びxii)、並びにステップxv)及びxvi)は、任意の順序で行ってよいことを条件とする方法も対象とする。ステップxi)及びxii)、並びにステップxv)及びxvi)を除いて、上記に列挙された他のステップは列挙された順序通りに実行されることが好ましい。
【0078】
組成物Dは、上記に定義された1種以上のe)の化合物、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物を含むことが、毛髪損傷の低減の観点から好ましい。組成物Aにおいて開示されたものと同じ濃度及び条件が当てはまる。
【0079】
用語「パーマネントシェイプする」は、パーマネントカーリング(permanent curling)及びパーマネントストレートニング(permanent straightening)を指すことが理解されるべきである。
【0080】
したがって、ステップxi)に定義された機械的張力は、例えば、ケラチン繊維をカーラーに設置すること、又は繊維を櫛又はブラシによりストレートにすることによって提供される。
【0081】
ステップxii)に定義された組成物は、1種以上の還元剤を含む。原則として、任意の無機若しくは有機還元剤、及び/又はこれらの混合物が本発明の目的に適している。
【0082】
適切な無機還元剤は、亜硫酸塩、及び/又は亜硫酸水素塩、例えば、ナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩である。適切な有機還元剤は、チオグリコール酸及び/又はその塩、システアミン及び/又はその塩、チオグリセリン及び/又はその塩、チオグリコール酸及び/又はその塩のグリセリンエステル、チオ乳酸及び/又はその塩、システイン又はその誘導体及び/若しくは塩、並びに/あるいはこれらの混合物である。好ましいものは、化粧品の安全性の観点から、チオグリコール酸及び/又はその塩、チオ乳酸及び/又はその塩、システイン又はその誘導体及び/若しくはその塩、及び亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、並びにこれらの混合物である。化粧品の安全性の観点から、最も好ましい還元剤は、チオグリコール酸及び/若しくはその塩、及び亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、並びに/又はこれらの混合物である。
【0083】
ステップxvii)の組成物中の還元剤の濃度は、ステップxvii)の組成物の総重量に対して計算して、好ましくは0.5重量%~20重量%、より好ましくは1重量%~15重量%、更に好ましくは2重量%~12重量%の範囲、更により好ましくは3重量%~10重量%の範囲である。
【0084】
組成物のpHは、酸性であってもアルカリ性であってもよく、3~12、好ましくは4~11の範囲であり、還元力の観点から、最も好ましくはアルカリ性であり、7.5~10.5の範囲である。pHは、既知の有機及び/又は無機酸、並びにアルカリ化剤により調整されうる(染色及び脱色についての前記記載を参照されたい)。
【0085】
ステップxii)の組成物は、周囲温度で1~60分間にわたって、好ましくは2分間~45分間にわたって、より好ましくは5分間~30分間にわたって、更に好ましくは5分間~20分間にわたって毛髪に放置される。任意選択で熱を適用してもよい。
【0086】
次いで、ステップxiv)において、本発明の水性酸化組成物を毛髪に適用し、1分間~30分間にわたって放置する。組成物は、毛髪の損傷及び酸化性能の観点から、任意選択で熱を適用しながら、及び/又は加熱装置を使用しながら、ケラチン繊維上に好ましくは2分間~25分間、より好ましくは3分間~20分間、更に好ましくは5分間~15分間放置する。
【0087】
〔キット・オブ・パーツ〕
本発明は、上記に定義された水性酸化組成物と、
- 上記に定義された脱色粉末組成物A、
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラー、及び1種以上のアルカリ化剤を含む、上記に定義された酸化染色組成物C、
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の還元剤及び1種以上のアルカリ化剤を含む、上記に定義された水性パーマネントウェーブ組成物D
から選択される1種以上の組成物と
を含む、キット・オブ・パーツも対象とする。
【0088】
上述の組成物は別々に包装されることが、顧客利便性(customer friendliness)という観点から好ましい。
【0089】
組成物C及び/又はDは、毛髪損傷の低減の観点から、上記に定義された1種以上のe)の化合物、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物を含むことが好ましい。
【0090】
以下の実施例は本発明を説明するものであり、本発明を制限するものではない。
【実施例
【0091】
実施例1
以下の水性酸化組成物は、b)の化合物としてアラニンを過酸化水素の水性組成物に一定撹拌下で溶解することによって調製した。
【0092】
【表1】
【0093】
e)の化合物としてリンゴ酸を含む、以下の脱色粉末組成物Aを調製した。
重量%
ヒドロキシエチルセルロース 3
EDTA四ナトリウム 2
リンゴ酸 0.5
炭酸ナトリウム 1
過硫酸アンモニウム 11
過硫酸カリウム 36
メタケイ酸ナトリウム 10
鉱油 8
珪藻土 100にする量
【0094】
上記の水性酸化組成物を、脱色粉末組成物Aと、1:2(脱色粉末組成物A:水性酸化組成物)の重量比で混合して、およそ10.0のpHを有するすぐに使用できる組成物を得た。
2gの組成物をヒトの毛流(hair streaks)に(1束当り2g、長さ21cm)適用し、40℃で30分間放置した。次いで、毛流をぬるま湯ですすぎ流し、シャンプーで洗い、ヘアドライヤーにより乾かした。
次いで、毛流を5人の個々の熟練者たちが触り、手触りの観点から、どの毛流が好ましいかを熟練者たちに質問した。すべての熟練者たちは、本発明の組成物で脱色された毛流を好んだ。
【0095】
実施例2
以下の水性酸化組成物は、b)の化合物としてアミノ酸を過酸化水素の水性組成物に一定撹拌下で溶解することによって調製した。
【0096】
【表2】
【0097】
次いで、上記の組成物を実施例1の脱色粉末と混合し、ヒトの毛流を下記に記載されているように処理した。
次いで、毛流を5人の個々の熟練者たちが触り、手触りの観点から、どの毛流が好ましいかを熟練者たちに質問し、1~3のランク付けを割り当てるように求めた。より高い数字が最適な結果を表した。熟練者たちには処理群について情報を与えていなかった。
【0098】
【表3】
【0099】
結果として、熟練者たちは本発明の組成物で処理した毛流を好んだ。
【0100】
実施例3
重量%
グリシン 0.05
セテアリルアルコール 4.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.8
リン酸 pH1.5にする十分量
EDTA四ナトリウム 0.05
過酸化水素 6.0
水 100.0まで
b)の化合物としてのグリシンの濃度を、0.05%、0.1%若しくは0.5%、又はその間の任意の値に調整して、同じ技術効果を達成することもできる。
過酸化水素の濃度を、9重量%、12重量%、15重量%若しくは20重量%、又はその間の任意の値に調整することができる。
【0101】
実施例4
重量%
アラニン 0.01
セテアリルアルコール 4.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.8
リン酸 pH2.5にする十分量
EDTA四ナトリウム 0.05
過酸化水素 6.0
水 100.0まで
b)の化合物としてのアラニンの濃度を、0.05%、0.1%若しくは0.5%、又はその間の任意の値に調整して、同じ技術効果を達成することもできる。
過酸化水素の濃度を、9重量%、12重量%、15重量%若しくは20重量%、又はその間の任意の値に調整することができる。
【0102】
実施例5
重量%
グリシン 0.1
アラニン 0.1
プロリン 0.1
セテアリルアルコール 4.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.8
リン酸 pH3.0にする十分量
EDTA四ナトリウム 0.05
過酸化水素 6.0
水 100.0まで
過酸化水素の濃度を、9重量%、12重量%、15重量%若しくは20重量%、又はその間の任意の値に調整することができる。
【0103】
実施例6
以下の酸化染色組成物を調製した。
重量%
セテアリルアルコール 12
セテアリル硫酸ナトリウム 2
コカミドMEA 5
オレイン酸 2
リンゴ酸 1
EDTA四ナトリウム 1
亜硫酸ナトリウム 1
水酸化アンモニウム 5
塩化アンモニウム 1
トルエン-2,5-ジアミンサルフェート 0.75
レゾルシノール 0.10
4-クロロレゾルシノール 0.25
m-アミノフェノール 0.05
4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン 0.05
香料 0.5
水 100まで
上記の組成物は9.5のpHを有していた。
【0104】
次いで酸化染色組成物を、貯蔵した実施例1の本発明の組成物1及び比較組成物1と1:1の重量比で混合して、すぐに使用できる組成物を生じた。すぐに使用できる組成物は、およそ9.5のpHを有していた。
すぐに使用できる組成物をヒトの毛髪に塗布し、室温で30分間放置した。その後、組成物を水ですすぎ流し、毛髪をシャンプーで洗い、ヘアドライヤーで乾かした。
毛髪は、本発明の組成物1では強い赤褐色に着色され、滑らかな美容的感触、及びより良好な艶を有していたが、比較組成物1で処理された毛髪では、感触は乏しいものであり、艶は少なかった。
【0105】
実施例7
以下のパーマネントシェイプ組成物を調製した。
重量%
チオグリコール酸アンモニウム(60%) 21.3
炭酸水素アンモニウム 5.0
1,3-ブチレングリコール 3.0
リンゴ酸 1.0
アモジメチコン 0.2
PEG-40硬化ヒマシ油 0.7
香料 0.4
アンモニア(25%活性) pH8.0まで
水 100.0まで
【0106】
ヒト毛髪をシャンプーで洗い、毛髪をカーラーで機械的張力下に置いた。次いで、上記の組成物を毛髪に塗布し、40℃で15分間放置した。次いで、組成物を水ですすぎ流した。
次いで、実施例1の本発明の組成物1及び比較組成物1を毛髪に塗布し、室温で15分間放置した。次いで毛髪を張力から解放し、カーラーを取り外した。次いで、毛髪をすすぎ流しシャンプーで洗い、ヘアドライヤーで乾かした。
毛髪は、本発明の組成物1では強力にカールされ、良好な美容的感触を有していたが、比較組成物1により処理した毛流では、毛髪感触が不十分でありカール強度が少なかった。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)過酸化水素
b)120g/mol以下のモル質量を有する1種以上のアミノ酸、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物
を含む、1~6の範囲のpHを有する水性酸化組成物B。
【請求項2】
b)の1種以上の化合物が、アラニン及び/若しくはグリシン、並びに/又はこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
b)の化合物の総濃度が、組成物の総重量に対して計算して、0.01重量%~0.7重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
a)の化合物の総濃度が、組成物の総重量に対して計算して、1重量%~20重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
組成物のpHが、1.5~5の範囲である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
12~C22脂肪アルコール、C3~C22アルコールとC12~C22脂肪酸とのエステル、C8~C22脂肪酸、植物油、及び/又はシリコーン、及び/又は炭化水素ベース生成物、並びに/又はこれらの混合物から選択される、1種以上のf)の親油性化合物を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
f)の1種以上の化合物の総濃度が、水性酸化組成物Bの総重量に対して計算して、1重量%~20重量%の範囲であることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
g)の化合物として、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/若しくは両性/双性イオン性界面活性剤、並びに/又はこれらの混合物から選択される、1種以上の界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
1種以上の増粘ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
- 下記:
c)1種以上の過酸塩及び/又はペルオキシ塩、
d)1種以上のアルカリ化剤、
e)1種以上のポリカルボン酸及び/又はこれらの塩
を含む第1の脱色粉末組成物Aと、
- 請求項1から9のいずれか一項に記載の第2の水性酸化組成物Bと、
を含む2剤型脱色組成物。
【請求項11】
e)の化合物としての1種以上のポリカルボン酸が、2つ以上のカルボキシル基を有することを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
e)の化合物としての1種以上のポリカルボン酸が、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、マレイン酸、グルタル酸、エチレンジアミン四酢酸、ピロメリト酸、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
第1の脱色粉末組成物A中のe)の化合物の総濃度が、第1の脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、0.01重量%~5重量%であることを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
第1の脱色粉末組成物Aが、c)の化合物として1種以上の過酸塩及び/又はペルオキシ塩を、第1の脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、10重量%~80重量%の範囲の総濃度で含むことを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
第1の脱色粉末組成物Aが、d)の化合物として1種以上のアルカリ化剤を、第1の脱色粉末組成物Aの総重量に対して計算して、0.25重量%~30重量%の範囲の総濃度で含むことを特徴とする、請求項10から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラー、並びに1種以上のアルカリ化剤を含む染色組成物C、
- 請求項1から9のいずれか一項に記載の第2の水性酸化組成物B、
を含む2剤型酸化染色組成物。
【請求項17】
請求項1から9のいずれか一項に記載の水性酸化組成物Bと、
- 請求項10から15のいずれか一項に記載の脱色粉末組成物A、
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラー、及び1種以上のアルカリ化剤を含む酸化染色組成物C、
- 7~12の範囲のpHを有し、1種以上の還元剤及び1種以上のアルカリ化剤を含む水性パーマネントウェーブ組成物D
から選択されるもう1つの組成物と
を含む、キット・オブ・パーツ。
【請求項18】
組成物C及び/又はDが、請求項10から15のいずれか一項に記載の1種以上のe)の化合物、及び/若しくはこれらの塩、並びに/又はこれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
ケラチン繊維を脱色及び/又は酸化染色する方法であって、
i)請求項10から15のいずれか一項に記載の脱色粉末組成物A及び請求項10から15又は1から9のいずれか一項に記載の第2の水性酸化組成物Bを準備するステップと、
ii)任意選択で、請求項16から18のいずれか一項に記載の酸化染色組成物Cを準備するステップと、
iii)ステップi)の2つの組成物を、任意選択で第3の酸化染色組成物Cと共に混合して、7~12の範囲のpHを有するすぐに使用できる組成物を生成するステップと、
iv)すぐに使用できる混合物をケラチン繊維に塗布し、1分間~60分間にわたって放置するステップと、
v)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
を含む方法。
【請求項20】
ケラチン繊維を酸化染色する方法であって、
vi)請求項16から18のいずれか一項に記載の酸化染色組成物C及び請求項1から9のいずれか一項に記載の第2の水性酸化組成物Bを準備するステップと、
vii)ステップvi)の2つの組成物を混合して、7~12の範囲のpHを有するすぐに使用できる組成物を生成するステップと、
viii)すぐに使用できる混合物をケラチン繊維に塗布し、1分間~60分間にわたって放置するステップと、
ix)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
を含む方法。
【請求項21】
ケラチン繊維をパーマネントシェイプする方法であって、
x)任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと、
xi)ケラチン繊維を機械的張力下に置くステップと、
xii)ケラチン繊維に請求項17又は18に記載の水性パーマネントウェーブ組成物Dを塗布し、組成物を1分間~60分間の範囲にわたって放置するステップと、
xiii)任意選択で組成物をすすぎ流すステップと、
xiv)請求項1から10のいずれか一項に記載の水性酸化組成物Bを準備し、それをケラチン繊維に塗布し、1分間~30分間の範囲にわたって放置するステップと、
xv)ケラチン繊維から機械的張力を解放するステップと、
xvi)ケラチン繊維をすすぎ流し、任意選択でケラチン繊維をシャンプーで洗うステップと
を含み、
ただし、ステップxi)及びxii)、並びにステップxv)及びxvi)は、任意の順序で行ってよいことを条件とする、方法。
【国際調査報告】