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特表2022-554341エアロゾル発生物品またはシステムで使用するためのエアロゾル発生要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品またはシステムで使用するためのエアロゾル発生要素
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/167 20200101AFI20221221BHJP
   A24B 15/38 20060101ALI20221221BHJP
   A24B 15/40 20060101ALI20221221BHJP
   A24B 3/14 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A24B15/167
A24B15/38
A24B15/40
A24B3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525740
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2020080456
(87)【国際公開番号】W WO2021089413
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】19206993.8
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ラヴァナン ローラン
(72)【発明者】
【氏名】リー ピン
(72)【発明者】
【氏名】オンマイユ ジゼル
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB01
4B043BB22
4B043BC03
4B043BC05
4B043BC18
4B043BC20
4B043BC22
(57)【要約】
エアロゾル発生物品またはシステムで使用するためのエアロゾル発生要素が提供されている。エアロゾル発生要素は、固体連続マトリクス構造と、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤とを含む。エアロゾル発生製剤は、固体連続マトリクス構造内に捕捉され、エアロゾル発生要素の加熱時に固体連続マトリクス構造から放出可能である。固体連続マトリクス構造は、一つ以上のマトリクス形成ポリマーを含むポリマーマトリクスであり、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、少なくとも一つのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物、および少なくとも30重量パーセントの多価アルコールを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品またはシステムで使用するためのエアロゾル発生要素であって、前記エアロゾル発生要素が、
固体連続マトリクス構造と、
前記固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤であって、前記エアロゾル発生製剤が、前記固体連続マトリクス構造内に捕捉され、前記エアロゾル発生要素の加熱時に前記固体連続マトリクス構造から放出可能である、エアロゾル発生製剤と、を含み、
前記固体連続マトリクス構造が、一つ以上のマトリクス形成ポリマーを含むポリマーマトリクスであり、前記固体連続マトリクス構造内に分散された前記エアロゾル発生製剤が、少なくとも一つのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物、および多価アルコールを含み、前記固体連続マトリクス構造内に分散された前記エアロゾル発生製剤中の前記多価アルコール含有量が、前記エアロゾル発生要素の総重量に基づいて少なくとも30重量パーセントを占め、
前記エアロゾル発生要素が、少なくとも約0.5ミリメートルの等価直径と、約2パーセント~約30パーセントの楕円率とを有する、エアロゾル発生要素。
【請求項2】
前記一つ以上のマトリクス形成ポリマーが、アルギネートおよびペクチンのうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項3】
前記多価アルコールが、グリセリン、プロピレングリコール、またはグリセリンとプロピレングリコールの組み合わせである、請求項1または2に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項4】
前記固体連続マトリクス構造内に分散された前記エアロゾル発生製剤中の前記多価アルコール含有量が、前記エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも60重量パーセントを占める、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項5】
前記固体連続マトリクス構造内に分散された前記エアロゾル発生製剤が、前記エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも80重量パーセントを占める、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項6】
前記固体連続マトリクス構造内に分散された前記エアロゾル発生製剤中の前記少なくとも一つのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物の含有量が、前記エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも0.5重量パーセントを占める、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項7】
前記少なくとも一つのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物が、ニコチン、アナタビン、カンナビジオール(CBD)、およびテトラヒドロカンナビノール(THC)から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項8】
前記連続固体マトリクス構造内に分散された前記エアロゾル発生製剤が酸をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項9】
前記酸が乳酸またはレブリン酸である、請求項8に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項10】
前記固体連続マトリクス構造内に分散された前記エアロゾル発生製剤中の前記酸含有量が、前記エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約0.5重量パーセントを占める、請求項8または9に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項11】
約20重量パーセント未満の水をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項12】
約6ミリメートル以下の等価直径を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生要素。
【請求項13】
約0.083cm-1~約24cm-1の露出表面積対体積比を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品またはシステムでの特定の用途を見出す、エアロゾル発生要素に関する。本発明は、さらに、そのようなエアロゾル発生要素を含む、エアロゾル発生物品またはシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当業界で既知である。典型的に、こうした物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体または材料は、熱源に接触して、または熱源の中に、またはその周囲に、またはその下流に位置していてもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して吸われた空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
数多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置を開示している。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式エアロゾル発生装置が挙げられる。
【0004】
加熱式エアロゾル発生物品用の基体は、これまでしばしば、たばこ材料の無作為な向きにされた断片、ストランド、または細片を使用して生成されてきた。代替として、たばこ材料のシートの集合体から形成された、加熱式エアロゾル発生物品用のロッドは、一例として、国際公開第2012/164009号に開示されている。
【0005】
国際公開第2011/101164号は、均質化したたばこ材料のストランドから形成された、加熱式エアロゾル発生物品用の代替的なロッドを開示し、これは均質化したたばこ材料シートを形成するために、粒子状たばこおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む混合物のキャスティング、ローリング、カレンダー加工、または押出成形によって形成されてもよい。代替的な実施形態では、国際公開第2011/101164号のロッドは、粒子状たばこおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む混合物を押出成形して、均質化したたばこ材料の連続的な長さを形成することによって得られた均質化したたばこ材料のストランドから形成されてもよい。
【0006】
加熱式エアロゾル発生物品用の基体は典型的に、エアロゾル形成体、すなわち使用時にエアロゾルの形成を容易にする、および好ましくはエアロゾル発生物品の使用温度で熱分解に対して実質的に耐性がある化合物または化合物の混合物をさらに含む。好適なエアロゾル形成体の例には、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0007】
ニコチンを含む基体の代替的な形態も開示されている。一例として、しばしばeリキッドと呼ばれる液体ニコチン組成物が提案されてきた。これらの液体組成物は、例えば、エアロゾル発生装置のコイル状の電気抵抗性のあるフィラメントによって加熱され得る。
【0008】
このタイプの基体は、望ましくない漏れを防止するために、液体組成物を保持する容器の製造に特有の注意を必要とする場合がある。
【0009】
エアロゾル発生基体として使用するためのカプセル化されたニコチン製剤を提供することが以前に提案されてきた。しかしながら、ニコチン製剤のカプセル化は、困難であることが分かっている。この理由の一つは、ニコチン製剤中のグリセリンおよびプロピレングリコールなどの親水性エアロゾル形成剤が好ましく、これは、また親水性である、一般的に使用される多くのカプセル化材料を使用することを困難にする。既存のカプセル化技術では、提供されるニコチン製剤のペイロードが不十分な安定した生成物を生成するために、このような高レベルの親水性カプセル化材料が必要であることが一般的に見出されている。
【0010】
疎水性カプセル化材料が利用可能である一方で、そのような材料は、しばしば比較的高温で処理する必要があり、これは、製造中のニコチン製剤が分解する危険性がある。使用中、ニコチン製剤からエアロゾルを発生させるために必要とされる温度は、疎水性カプセル化材料の分解を引き起こすのに十分に高い場合がある。これは、結果として得られたエアロゾルへの望ましくない化合物の放出をもたらし得、エアロゾルの知覚プロファイルに悪影響を及ぼし得る。
【0011】
加熱に伴いニコチン含有エアロゾルを発生するように適合されたニコチンを含む、ゲル組成物を提供することがまた提案されている。一例として、国際公開第2018/019543号は、熱可逆性ゲル組成物、すなわち、溶融温度へと加熱したときに流体となり、またゲル化温度にて再度ゲルへと固まるゲルを開示している。国際公開第2018/019543号は、カートリッジのハウジング内のこうしたゲルの提供を開示する。カートリッジは、ゲルが消費されたときに、処分されて取り替えられてもよい。ゲル組成物が使用中に満足のいく量のエアロゾルを発生するためには、ゲル組成物が、かなりの量のエアロゾル形成体(グリセロールなど)を含むことが望ましい。しかしながら、グリセロールの可塑化の性質に起因して、使用中に良好なエアロゾル送達を提供することができるゲル組成物であって、同時に幾何学的に安定した、すなわち、ゲル組成物が固化し、かつフィルム形態へと定着するにつれて有意な体積損失を受けないゲル組成物を提供することは、困難である場合がある。
【0012】
したがって、例えば、ニコチン含有製剤をカプセル化するエアロゾル発生要素などの代替的な、新規のカプセル化されたエアロゾル発生製剤を提供することが望ましく、これは、エアロゾル発生製剤の安定性の向上および最小限の漏出を有する、改善されたカプセル化された基体を提供する。
【0013】
エアロゾル発生要素のうちの一つ以上を含むエアロゾル発生物品の製造および包装を容易にするためなど、取り扱いが容易なこのようなエアロゾル発生要素を提供することがまた望ましい。また、特に約摂氏150度~約摂氏350度の範囲の温度に加熱されたときに、効率的なエアロゾル送達を提供するために、最小限のカプセル化構造を有する、このようなカプセル化されたエアロゾル発生製剤を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0014】
本開示は、エアロゾル発生物品またはシステムで使用するためのエアロゾル発生要素に関する。エアロゾル発生要素は、固体連続マトリクス構造と、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤とを含み得る。エアロゾル発生製剤は、固体連続マトリクス構造内に捕捉され、エアロゾル発生要素の加熱時に固体連続マトリクス構造から放出可能であり得る。固体連続マトリクス構造は、一つ以上のマトリクス形成ポリマーを含む、ポリマーマトリクスであり得る。固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、少なくとも一つのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物を含み得る。固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、多価アルコールを含み得る。多価アルコールは、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて少なくとも30重量パーセントを占めてもよい。
【0015】
さらに、本開示は、上述のような一つ以上のエアロゾル発生要素を含むエアロゾル発生物品に関する。さらに、本開示は、上述のような一つ以上のエアロゾル発生要素またはエアロゾル発生物品を含む、エアロゾル発生システム、ならびに発熱体およびエアロゾル発生要素が、発熱体によって加熱チャンバー内で加熱されるようにエアロゾル発生要素または物品を受容するように構成された加熱チャンバーを含む、電気的に作動するエアロゾル発生装置、に関する。
【0016】
本発明によれば、エアロゾル発生物品またはシステムで使用するためのエアロゾル発生要素が提供されており、エアロゾル発生要素は、固体連続マトリクス構造と、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤を含み、エアロゾル発生製剤は、固体連続マトリクス構造内に捕捉され、エアロゾル発生要素の加熱時に固体連続マトリクス構造から放出可能である、固体連続マトリクス構造は、一つ以上のマトリクス形成ポリマーを含むポリマーマトリクスであり、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、少なくとも一つのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物、および多価アルコールを含み、多価アルコールはエアロゾル発生要素の総重量に基づき少なくとも約30重量パーセントを占める。
【0017】
「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾル発生基体が加熱されて、エアロゾルを生成して消費者に送達する物品を記述するために、本発明に関して本明細書で使用される。本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱に伴い揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生する能力を有する基体を意味する。
【0018】
「エアロゾル発生要素」という用語は、エアロゾルを発生させるために加熱されると、揮発性化合物を放出することが可能な個別の自立型エアロゾル発生基体要素を説明するために、本発明に関して本明細書で使用される。
【0019】
本明細書に記載のエアロゾル発生要素のエアロゾル発生製剤から発生されるエアロゾルは、気体中での固体粒子または液滴(または固体粒子と液滴の組み合わせ)の分散である。エアロゾルは、可視でも不可視でもよく、室温で通常は液体または固体の物質の蒸気、ならびに固体粒子、または液滴、または固体粒子と液滴の組み合わせを含んでもよい。
【0020】
本発明によるエアロゾル発生要素は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体としての使用を見出し得る。
【0021】
従来の紙巻たばこは、ユーザーが紙巻たばこの一方の端に点火源を適用し、もう一方の端を通して空気を吸うときに点火される。炎と紙巻たばこを通して吸われた空気中の酸素によって提供された局在化した熱は、紙巻たばこの端部を点火させて、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を発生する。これに反して、加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは、例えば、たばこ由来の基体、またはエアロゾル形成体および風味剤を含有する基体などの風味発生基体を加熱することによって発生する。公知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば電気加熱式エアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱伝達によってエアロゾルが発生するエアロゾル発生物品とが含まれる。
【0022】
例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、一つ以上の個別のエアロゾル発生基体要素へと熱を供給するように適合されている内部ヒーターを有する電気加熱式のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにおいて特定の用途があり得る。本発明に関して本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、本発明による一つ以上のエアロゾル発生要素と相互作用してエアロゾルを生成するヒーター要素を備える装置を説明するために使用される。使用中、揮発性化合物は、熱伝達によってエアロゾル発生要素から放出され、そしてエアロゾル発生物品を通して吸われる空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成し、このエアロゾルは消費者によって吸い込まれる。
【0023】
加熱式エアロゾル発生物品用の基体は典型的に、「エアロゾル形成体」、すなわち使用時にエアロゾルの形成を容易にし、かつ好ましくはエアロゾル発生物品の使用温度で熱分解に対して実質的に耐性がある化合物または化合物の混合物を含む。好適なエアロゾル形成体の例には、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が含まれる。本発明のエアロゾル発生物品中の多価アルコールはまた、上記に提示した意味の範囲内のエアロゾル形成体である。
【0024】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生製剤」という用語は、複数のエアロゾル発生製剤成分を含む製剤であり、エアロゾル発生要素の加熱により、エアロゾルを生成するために揮発性となる製剤を指す。
【0025】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「マトリクス形成ポリマー」という用語は、マトリクス形成ポリマーが多価カチオンの架橋溶液と接触したときに架橋の結果として三次元ポリマーマトリクスを生成することができるポリマーの形態のカプセル化材料を指す。結果として得られるポリマーマトリクスは、その架橋構造内にエアロゾル発生製剤を捕捉および保持することができる。架橋ポリマーマトリクスの性質は、以下でより詳細に論じられる。
【0026】
簡潔に上述のように、既存のエアロゾル発生要素とは対照的に、本発明によるエアロゾル発生要素は、固体連続マトリクス構造と、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤とを含む。より詳細には、エアロゾル発生製剤は、固体連続マトリクス構造内に捕捉され、エアロゾル発生要素を所定の温度に加熱すると、固体連続マトリクス構造から放出され得る。
【0027】
理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明によるエアロゾル発生要素において、三次元ポリマーマトリクス構造は架橋によって形成され、エアロゾル発生製剤はポリマーマトリクス構造内に保持されることが理解される。これは、特に、既存のコア/シェル構造とは対照的であり、ここで、コアの内容物は、シェルを破壊したときに放出される。
【0028】
本発明によるエアロゾル発生要素において、固体連続マトリクス構造は、一つ以上のマトリクス形成ポリマーを含む、ポリマーマトリクスである。さらに、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、少なくとも一つのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物、および少なくとも30重量パーセントの多価アルコールを含む。
【0029】
有利なことに、本発明は、以前に利用可能な基体と比較して、(固体連続マトリクス構造の一つ以上のマトリクス形成ポリマーに対応する)カプセル化材料の含有量が有意に低い、カプセル化された形態のエアロゾル発生製剤の提供を可能にする。このように、アルカロイドまたはカンナビノイドおよび多価アルコールなどのエアロゾル発生製剤成分のレベルは、エアロゾル発生要素内で有利に最大化され得る。さらに、必要なカプセル化材料の割合の減少は、エアロゾル発生要素に供給されるより少ない熱が、カプセル化材料の温度を増加させるために使用されるため、加熱時のエアロゾルのより効率的な発生を可能にする。
【0030】
本発明によるエアロゾル発生物品のポリマー由来の固体連続マトリクスは、使用中にエアロゾル発生要素の加熱時に安定である、エアロゾル発生製剤を保持および固定するための不活性カプセル化構造を提供する。発明者らは、摂氏150度~摂氏350度の温度に加熱すると、本発明によるエアロゾル発生要素が、著しい重量損失を受ける際にエアロゾルを放出することを発見した。しかしながら、この重量損失は、同様に有意な体積損失を伴うものではない。理論に拘束されることを意図するものではないが、加熱すると、固体連続マトリクス構造内に元々分散および捕捉されたエアロゾル発生製剤の構成要素は、実質的に蒸発および放出される。一方で、固体連続マトリクスの構成要素は実質的に影響を受けず、固体連続マトリクスは、本質的にその3D構造を保持しながら部分的にのみ収縮する。このように、ポリマー由来のマトリクス内のエアロゾル発生製剤のカプセル化は、有利には、加熱時に発生されるエアロゾルの知覚プロファイルに対する悪影響を最小限にし、または全くもたらさない。
【0031】
本発明のエアロゾル発生要素は、エアロゾルの制御された送達を有利に提供することが見出された。さらに、エアロゾル送達プロファイルは、エアロゾル発生要素のサイズ、形状、構造、および製剤化などのエアロゾル発生要素のパラメータを調節することによって容易に調節され得る。
【0032】
本発明は、有利には、十分に安定かつ堅牢であり、既存の方法および技術を使用してエアロゾル発生物品に容易に処理および導入され得る、個別の自立型の固体物体の形態のエアロゾル発生要素を提供する。
【0033】
さらに、本発明によるエアロゾル発生要素は、以下の記述から明らかになるように、既存の装置で実行することができる費用効果の高い方法によって調製され得る。さらに、本発明によるエアロゾル発生要素は、エアロゾル発生物品の製造のために既存の製造ラインに容易に組み込まれ得る方法によって調製され得る。
【0034】
本発明によるエアロゾル発生要素は、マトリクス前駆体溶液およびエアロゾル発生製剤の成分から調製され得る。一例として、本発明に従ってエアロゾル発生要素を製造する方法において、水中のマトリクス形成ポリマーを含むマトリクス前駆体溶液が提供され得る。マトリクスポリマー溶液は、少なくとも約35重量パーセントの水、より好ましくは、少なくとも約40重量パーセントの水を含むことが好ましい。このレベルの水は、マトリクス形成ポリマーが十分に溶解されて、その結果、均質な溶液が提供されることを確実にする。
【0035】
マトリクス形成ポリマーは、単一ポリマーまたは二つ以上のポリマーの組み合わせであってもよく、ここで、一つ以上のポリマーは、多価カチオンの架橋溶液中のイオントロピックゲル化機構を介して架橋マトリクスを形成することができる。マトリクス形成ポリマーの架橋は、ポリマー分子を架橋するための塩橋を形成する、多価カチオンとポリマーを架橋溶液中で反応させることによって達成される。好適なマトリクス形成ポリマーは、当業者に公知であり、限定されないが、アルギネート、ペクチン、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリレート(HPMA)、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAMM)、酢酸ビニル(VAc)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、ポリエチレングリコールアクリレート/メタクリレート(PEGA/PEGMA)、およびポリエチレングリコールジアクリレート/ジメタクリレート、(PEGDA/PEGDMA)を含む。
【0036】
マトリクス形成ポリマーは、アルギネートまたはペクチン、またはそれらの組み合わせなどの一つ以上の多糖類を含むことが好ましい。マトリクス形成ポリマーはアルギネートであることが特に好ましい。多糖類は、架橋結合によって水を不溶性かつ熱安定性にすることができ、また無味であるため、本発明での使用に特に好適である。したがって、エアロゾル発生要素から発生されるエアロゾルの知覚特性に有害な影響はない。本発明による方法での使用に好適な代替的なマトリクス形成ポリマーとしては、キトサン、フィブリン、コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン酸、デキストラン、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
好ましい実施形態では、マトリクス形成ポリマーは、単一の多糖類である。マトリクス形成ポリマーは、アルギネートであることがさらにより好ましい。言い換えれば、こうした特に好ましい実施形態では、固体連続マトリクス構造は、アルギネートポリマーマトリクスである。
【0038】
第一の工程では、複数のエアロゾル発生製剤成分を、マトリクス前駆体溶液に添加して、エアロゾル発生溶液を形成してもよく、ここで、エアロゾル発生製剤成分は、少なくとも一つのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物および多価アルコールを含む。本発明に従ってエアロゾル発生要素を調製する方法を説明する際に本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生溶液」という用語は、適切な溶媒中のエアロゾル発生製剤成分およびマトリクス前駆体の溶液を示す。
【0039】
エアロゾル発生要素での使用に好適な多価アルコールには、限定されるものではないが、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンが含まれる。本発明により生成されるエアロゾル発生要素では、多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、およびこれらの組み合わせから成る群から選択されることが好ましい。特に好ましい実施形態では、多価アルコールはグリセリンである。アルカロイドは、ニコチン、アナタビン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
【0040】
エアロゾル発生溶液の粘度を制御することが望ましい場合がある。これは、エアロゾル発生製剤成分が添加される際のマトリクスポリマー溶液の粘度の制御を含み得る。例えば、方法の後続の工程でエアロゾル発生溶液の個別の部分を生成するために使用される技術に応じて、特定の範囲内の粘度を有するエアロゾル発生溶液を提供することが好ましい場合がある。異なる技法は、異なる粘度溶液によって促進される可能性が高いため、使用される技法に応じて、適切な粘度を決定するべきである。一例として、エアロゾル発生溶液の個別の部分が重力滴下プロセスで生成される場合、溶液の粘度は、好ましくは、約5000mPa.s.(ミリパスカル秒)未満に保持される。これにより、エアロゾル発生溶液の液滴が重力下で形成され、また、架橋が溶液を硬化し、エアロゾル発生要素の最終形状を固定する前に、架橋溶液においてビーズが安定した形状に到達することが可能になる。
【0041】
特定の事例では、エアロゾル発生溶液の粘度を制御するために、エアロゾル発生製剤成分が添加されている間に、マトリクスポリマー溶液のpHを制御することが好ましい場合がある。これは、一部のマトリクスポリマー溶液では、pHが粘度に影響を与える可能性があるためである。例えば、マトリクス形成ポリマーがアルギネートを含む本発明の実施形態では、pH4を上回るように溶液のpHを保持することが好ましい。これは、例えば水素結合に起因して、pH4未満のpHレベルで生じる可能性のあるアルギネートのゲル化を回避することを意図している。低pHでのこのようなゲル化は、エアロゾル発生溶液の粘度の望ましくない増加を引き起こし、これは、エアロゾル発生要素を形成するために、重力滴下などの特定の技術を使用することを困難にする。
【0042】
代替的に、または追加的に、エアロゾル発生溶液の粘度は、溶液の濃度を調節することによって制御され得る。例えば、エアロゾル発生溶液中の水の割合は、粘度を調整するために調整され得る。エアロゾル発生溶液は、適切な粘度を維持するために、少なくとも約35重量パーセントの水を含むことが好ましい。エアロゾル発生溶液は、約35重量パーセント~約65重量パーセントの水を含むことが特に好ましい。粘度の測定に適した試験方法は、ASTM D2983-19 「Standard Test Method for Low Temperature Viscoity of Automatic Transmission Fluids, Hydraulic Fluids, and Lubricants using a Rotational Viscometer」に記載されている。
【0043】
第二の工程では、エアロゾル発生溶液の個別の部分が形成され得る。第三の工程では、エアロゾル発生溶液の形成された個別の部分を多価カチオンの架橋溶液に添加して、マトリクス形成ポリマーを架橋し、それによって、連続ポリマーマトリクス構造を有するエアロゾル発生要素、および連続ポリマーマトリクス内に分散されたエアロゾル発生成分を含むエアロゾル発生製剤を形成することができる。好ましい多価カチオンには、カルシウム、鉄、アルミニウム、マンガン、銅、亜鉛またはランタンが含まれる。特に好ましい塩は、塩化カルシウムである。
【0044】
エアロゾル発生溶液が酸を含む本発明の特定の好ましい実施形態では、架橋溶液に提供されるカルシウム塩は、有利には、同じ酸の塩であり得る。例えば、エアロゾル発生溶液が乳酸を含む実施形態では、架橋溶液は、有利なことに、乳酸カルシウムを含み得る。
【0045】
エアロゾル発生溶液がニコチンを含む場合、エアロゾル発生溶液中の酸がニコチンとともにニコチン塩を形成する。したがって、エアロゾル発生溶液中の酸に対応するカルシウム塩の使用は、エアロゾル発生溶液中の塩と同じ塩を架橋溶液に提供する。これは、次いで、有利なことに、架橋工程中の、エアロゾル発生溶液から架橋溶液へのニコチン塩の拡散を制限する。したがって、より高い濃度のニコチン塩を、エアロゾル発生要素内に保持することができる。さらに、エアロゾル発生要素の生成中のニコチンおよび酸のいかなる潜在的廃棄物も低減することができる。
【0046】
架橋溶液は、エアロゾル発生製剤成分として選択される多価アルコールと同一の多価アルコールをさらに含むことが好ましい。架橋溶液中に多価アルコールを含めることにより、架橋工程中に、エアロゾル発生溶液から架橋溶液への多価アルコールの拡散が制限されることが見出された。これにより、有利には、従来可能であったものよりも高濃度の多価アルコールをエアロゾル発生要素内に保持することが可能になる。
【0047】
第四の工程では、エアロゾル発生要素を架橋溶液から除去し、乾燥させてもよい。
【0048】
手短に上述されている通り、本発明によるエアロゾル発生要素において、固体連続マトリクス構造は、一つ以上のマトリクス形成ポリマーを含む、ポリマーマトリクスである。好適なマトリクス形成ポリマーは、当業者に既知であろう。
【0049】
一つ以上のマトリクス形成ポリマーは、一つ以上の多糖類を含むことが好ましい。一つ以上のマトリクス形成ポリマーは、アルギネートおよびペクチンのうちの少なくとも一つを含むことがより好ましい。
【0050】
多糖類は、架橋結合によって水を不溶性かつ熱安定性にすることができ、また無味であるため、本発明での使用に特に好適である。したがって、エアロゾル発生要素から発生されるエアロゾルの知覚特性に有害な影響はない。
【0051】
好ましい実施形態では、マトリクス形成ポリマーは、単一の多糖類である。マトリクス形成ポリマーは、アルギネートであることがさらにより好ましい。言い換えれば、こうした特に好ましい実施形態では、固体連続マトリクス構造は、アルギネートポリマーマトリクスである。
【0052】
アルギネートは不溶性の固体エアロゾル発生要素の迅速な形成を促進する能力を有するため、唯一のマトリクス形成ポリマーとしてアルギネートを使用することが好ましい。より詳細には、発明者らは、特に以下に記載される量で、唯一のマトリクス形成ポリマーとしてのアルギネートの使用が、安定かつ自己支持性があり、ポリマーマトリクス内に高濃度の多価アルコールを保持することができるエアロゾル発生要素を有利に提供していることを見出した。さらに、他の製剤と比較して、特に以下に記載される量で、唯一のマトリクス形成ポリマーとしてのアルギネートの使用が、より大きなエアロゾル発生要素を、例えば、より大きな直径を有する球状または準球状ビーズの形態で形成することを可能にすることを見出した。
【0053】
本発明によるエアロゾル発生要素において、固体連続マトリクス構造は、アルギネートポリマーマトリクスであり、エアロゾル発生要素は、少なくとも約1重量パーセントのアルギネートを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約1.5重量パーセントのアルギネートを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約2重量パーセントのアルギネートを含むことがさらにより好ましい。
【0054】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、少なくとも約3重量パーセントのアルギネートを含む。
【0055】
本発明によるエアロゾル発生要素において、固体連続マトリクス構造は、アルギネートポリマーマトリクスであり、エアロゾル発生要素は、約10重量パーセント以下のアルギネートを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約8重量パーセント以下のアルギネートを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約6重量パーセント以下のアルギネートを含むことがさらにより好ましい。
【0056】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント以下のアルギネートを含む。
【0057】
一部の実施形態では、固体連続マトリクス構造は、アルギネートポリマーマトリクスであり、エアロゾル発生要素は、約1重量パーセント~約10重量パーセントのアルギネートを含む。エアロゾル発生要素は、好ましくは、約1.5重量パーセント~約10重量パーセントのアルギネート、より好ましくは、約2重量パーセント~約10重量パーセントのアルギネート、さらにより好ましくは、約3重量パーセント~約10重量パーセントのアルギネートを含む。
【0058】
他の実施形態では、固体連続マトリクス構造は、アルギネートポリマーマトリクスであり、エアロゾル発生要素は、約1重量パーセント~約8重量パーセントのアルギネートを含む。エアロゾル発生要素は、好ましくは、約1.5重量パーセント~約8重量パーセントのアルギネート、より好ましくは、約2重量パーセント~約18重量パーセントのアルギネート、さらにより好ましくは、約3重量パーセント~約8重量パーセントのアルギネートを含む。
【0059】
さらなる実施形態では、固体連続マトリクス構造は、アルギネートポリマーマトリクスであり、エアロゾル発生要素は、約1重量パーセント~約6重量パーセントのアルギネートを含む。エアロゾル発生要素は、好ましくは、約1.5重量パーセント~約6重量パーセントのアルギネート、より好ましくは、約2重量パーセント~約6重量パーセントのアルギネート、さらにより好ましくは、約3重量パーセント~約6重量パーセントのアルギネートを含む。
【0060】
本発明によるエアロゾル発生要素での使用に好適な代替的なマトリクス形成ポリマーとしては、キトサン、フィブリン、コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン酸、デキストラン、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
本発明によるエアロゾル発生要素での使用に好適なさらなる代替的マトリクス形成ポリマーは、以下のモノマーおよびポリマー、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリレート(HPMA)、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAMM)、酢酸ビニル(VAc)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、ポリエチレングリコールアクリレート/メタクリレート(PEGA/PEGMA)、およびポリエチレングリコールジアクリレート/ジメタクリレート、(PEGDA/PEGDMA)のうちの一つ以上から構築され得る。
【0062】
上記で定義されるように、本発明によるエアロゾル発生要素は、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤の構成要素として多価アルコールを含む。より詳細には、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて少なくとも30重量パーセントを占める。
【0063】
多価アルコールは、エアロゾル発生要素のエアロゾル形成体として作用する。エアロゾル発生要素での使用に好適な多価アルコールには、限定されるものではないが、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンが含まれる。本発明によるエアロゾル発生要素では、多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、およびこれらの組み合わせから成る群から選択されることが好ましい。特に好ましい実施形態では、多価アルコールはグリセリンである。
【0064】
エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて少なくとも約35重量パーセントを占めることがより好ましい。このように、本発明によるエアロゾル発生要素は、少なくとも約35重量パーセントの多価アルコールを含む。
【0065】
エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて少なくとも40重量パーセントを占めることが、さらにより好ましい。このように、本発明によるエアロゾル発生要素は、少なくとも約40重量パーセントの多価アルコールを含む。
【0066】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて少なくとも約45重量パーセントを占める。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて少なくとも約50重量パーセントを占めることがより好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて少なくとも約55重量パーセントを占めることがさらにより好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約65重量パーセント、または少なくとも約70重量パーセントを占めることが最も好ましい。
【0067】
典型的には、本発明によるエアロゾル発生要素において、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて約95重量パーセント以下を占める。
【0068】
本発明によるエアロゾル発生要素において、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて約90重量パーセント以下を占めることが好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて約85重量パーセント以下を占めることがより好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて約80重量パーセント以下を占めることがさらにより好ましい。
【0069】
一部の実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約30重量パーセント~約95重量パーセントを占める。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約35重量パーセント~約95重量パーセントを占めることが好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約40重量パーセント~約95重量パーセントを占めることがより好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約45重量パーセント~約95重量パーセントを占めることがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約50重量パーセント~約95重量パーセント、より好ましくは、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約55重量パーセント~約95重量パーセント、さらにより好ましくは、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約60重量パーセント~約95重量パーセントを占める。最も好ましい実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約65重量パーセント~約95重量パーセント、あるいはさらに約70重量パーセント~約95重量パーセントを占める。
【0070】
これらの実施形態では、エアロゾル発生要素は、約30重量パーセント~約95重量パーセントの多価アルコール、好ましくは約35重量パーセント~約95重量パーセントの多価アルコールを含み得る。エアロゾル発生要素は、約40重量パーセント~約95重量パーセントの多価アルコールを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約45重量パーセント~約95重量パーセントの多価アルコールを含むことが、さらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約50重量パーセント~約95重量パーセントの多価アルコール、好ましくは、約55重量パーセント~約95重量パーセントの多価アルコール、より好ましくは、約60重量パーセント~約95重量パーセントの多価アルコール、さらにより好ましくは、約65重量パーセント~約95重量パーセントの多価アルコール、最も好ましくは、約70重量パーセント~約95重量パーセントの多価アルコールを含む。
【0071】
他の実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約30重量パーセント~約90重量パーセントを占める。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約35重量パーセント~約90重量パーセントを占めることが好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約40重量パーセント~約90重量パーセントを占めることがより好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約45重量パーセント~約90重量パーセントを占めることがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約50重量パーセント~約90重量パーセント、より好ましくは、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約55重量パーセント~約90重量パーセント、さらにより好ましくは、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約60重量パーセント~約90重量パーセントを占める。最も好ましい実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約65重量パーセント~約90重量パーセント、またはさらには約70重量パーセント~約90重量パーセントを占める。
【0072】
これらの実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素は、約30重量パーセント~約90重量パーセントの多価アルコールを含み得る。エアロゾル発生要素は、約35重量パーセント~約90重量パーセントの多価アルコールを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約40重量パーセント~約90重量パーセントの多価アルコールを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約45重量パーセント~約90重量パーセントの多価アルコールを含むことがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約50重量パーセント~約90重量パーセントの多価アルコール、好ましくは、約55重量パーセント~約90重量パーセントの多価アルコール、より好ましくは、約60重量パーセント~約90重量パーセントの多価アルコール、さらにより好ましくは、約65重量パーセント~約90重量パーセントの多価アルコール、最も好ましくは、約70重量パーセント~約90重量パーセントの多価アルコールを含む。
【0073】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約30重量パーセント~約85重量パーセントを占める。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約35重量パーセント~約85重量パーセントを占めることが好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約40重量パーセント~約85重量パーセントを占めることがより好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約45重量パーセント~約85重量パーセントを占めることがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約50重量パーセント~約85重量パーセント、より好ましくは、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約55重量パーセント~約85重量パーセント、さらにより好ましくは、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約60重量パーセント~約85重量パーセントを占める。最も好ましい実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約65重量パーセント~約85重量パーセント、またはさらには約70重量パーセント~約85重量パーセントを占める。
【0074】
これらの実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素は、約30重量パーセント~約85重量パーセントの多価アルコールを含み得る。エアロゾル発生要素は、約35重量パーセント~約85重量パーセントの多価アルコールを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約40重量パーセント~約85重量パーセントの多価アルコールを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約45重量パーセント~約85重量パーセントの多価アルコールを含むことがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約50重量パーセント~約85重量パーセントの多価アルコール、好ましくは、約55重量パーセント~約85重量パーセントの多価アルコール、より好ましくは、約60重量パーセント~約85重量パーセントの多価アルコール、さらにより好ましくは、約65重量パーセント~約85重量パーセントの多価アルコール、最も好ましくは、約70重量パーセント~約85重量パーセントの多価アルコールを含む。
【0075】
なおもさらなる実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約30重量パーセント~約80重量パーセントを占める。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約35重量パーセント~約80重量パーセントを占めることが好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約40重量パーセント~約80重量パーセントを占めることがより好ましい。エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約45重量パーセント~約80重量パーセントを占めることがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約50重量パーセント~約80重量パーセント、より好ましくは、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約55重量パーセント~約80重量パーセント、さらにより好ましくは、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約60重量パーセント~約80重量パーセントを占める。最も好ましい実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約65重量パーセント~約80重量パーセント、またはさらには約70重量パーセント~約80重量パーセントを占める。
【0076】
こうした実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素は、約30重量パーセント~約80重量パーセントの多価アルコールを含み得る。エアロゾル発生要素は、約35重量パーセント~約80重量パーセントの多価アルコールを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約40重量パーセント~約80重量パーセントの多価アルコールを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約45重量パーセント~約80重量パーセントの多価アルコールを含むことがさらにより好ましい。
【0077】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生製剤中の多価アルコール含有量は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約50重量パーセント~約80重量パーセント、好ましくは、約55重量パーセント~約80重量パーセント、より好ましくは、約60重量パーセント~約80重量パーセント、さらにより好ましくは、約65重量パーセント~約80重量パーセント、最も好ましくは、約70重量パーセント~約80重量パーセントを占める。
【0078】
固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約70重量パーセント、さらにまたはエアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約75重量パーセント、またはエアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約80重量パーセントを占めることが好ましい。
【0079】
固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約82重量パーセントを占めることがより好ましい。固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約84重量パーセントを占めることがさらにより好ましい。
【0080】
特に好ましい実施形態では、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約86重量パーセントを占める。固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約88重量パーセントを占めることがより好ましい。固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約90重量パーセントを占めることがさらにより好ましい。
【0081】
固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約92重量パーセント、またはエアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約93重量パーセント、またはエアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約94重量パーセント、またはエアロゾル発生要素の総重量の少なくとも約95重量パーセントを占めることが最も好ましい。
【0082】
エアロゾル発生要素において、エアロゾル発生製剤が、上述の範囲内のエアロゾル発生要素の全体重量の割合を占める場合、有利なことに、カプセル化材料の温度を上昇させるために消費される使用中のエアロゾル発生要素に供給される熱の一部を最小化することが可能である。このように、エアロゾル発生要素に供給される熱のより効率的な使用が可能であり、その結果、その熱の大部分が、固体連続マトリクス構造からエアロゾル形成成分を放出し、エアロゾルを発生させるために効果的に用いられる。
【0083】
上記で簡潔に述べた通り、本発明によるエアロゾル発生要素では、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、少なくとも一つのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物を含む。一部の実施形態では、固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、アルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含む。
【0084】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「アルカロイド化合物」という用語は、一つ以上の塩基性窒素原子を含有する天然の有機化合物の類のいずれか一つを説明するために使用される。一般的に、アルカロイドは、アミン型構造に少なくとも一つの窒素原子を含有する。アルカロイド化合物の分子内のこの窒素原子または別の窒素原子は、酸塩基反応における塩基として活性であることができる。大半のアルカロイド化合物は、例えば複素環などの環状系の一部として、その窒素原子のうちの一つ以上を有する。自然界において、アルカロイド化合物は主に植物に見られ、ある特定の科の顕花植物において特に一般的である。しかしながら、一部のアルカロイド化合物は、動物種および菌類に見られる。本発明の文脈では、「アルカロイド化合物」という用語は、天然由来のアルカロイド化合物および合成的に製造されたアルカロイド化合物の両方を記述するために使用される。本発明によるエアロゾル発生要素で使用するための好適なアルカロイド化合物としては、ニコチンおよびアナタビンが含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
本発明に関して本明細書で使用される場合、「カンナビノイド化合物」という用語は、カンナビス植物、すなわち、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)、およびカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)の一部に見られる天然の化合物の類のいずれか一つを説明するために使用される。カンナビノイド化合物は雌の頭状花で特に濃縮される。カンナビス植物における天然のカンナビノイド化合物は、テトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD)を含む。本発明の文脈において、「カンナビノイド化合物」という用語は、天然由来のカンナビノイド化合物および合成的に製造されたカンナビノイド化合物の両方を記述するために使用される。
【0086】
本発明によるエアロゾル発生要素での使用のために好適なカンナビノイド化合物としては、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビバリン(CBV)、カンナビジバリン(CBDV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロル(CBL)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビシトラン(CBT)が含まれる。
【0087】
一般的に、エアロゾル発生要素は、最大約10重量パーセントのアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方を含み得る。本発明のエアロゾル発生要素の、エアロゾル発生物品中の基体としての適用を考慮すると、要素中のアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方の含有量は、消費者へのエアロゾル形態でのアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方の送達を最適化する観点から増大および調整され得るため、これは有利である。植物材料の使用に基づく既存のエアロゾル発生基体と比較して、これは、有利なことに、基体(要素(複数可))の体積当たり、または基体(要素(複数可))の重量当たりの、アルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方のより高い含有量を可能にする場合があり、これは製造の観点から望ましい場合がある。
【0088】
固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤中の少なくとも一つのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物の含有量は、エアロゾル発生要素の総重量の少なくとも0.5重量パーセントを占めることが好ましい。したがって、エアロゾル発生要素は、少なくとも約0.5重量パーセントのアルカロイド化合物、または少なくとも0.5重量パーセントのカンナビノイド化合物、または少なくとも約0.5重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物との組み合わせを含むことが好ましい。
【0089】
エアロゾル発生要素は、少なくとも約1重量パーセントのアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約2重量パーセントのアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方を含むことがなおより好ましい。
【0090】
エアロゾル発生要素は、約8重量パーセント未満のアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約6重量パーセント未満のアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント未満のアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方を含むことがなおより好ましい。エアロゾル発生要素は、約4重量パーセント未満のアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方を含むことが最も好ましい。
【0091】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方、より好ましくは、約1重量パーセント~約10重量パーセントのアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方、なおより好ましくは、約2重量パーセント~約10重量パーセントのアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはその両方を含む。
【0092】
他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約8重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方、より好ましくは、約1重量パーセント~約8重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約8重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方を含む。
【0093】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約6重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方、より好ましくは、約1重量パーセント~約6重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約6重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方を含む。
【0094】
なおもさらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方、より好ましくは、約1重量パーセント~約5重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約5重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方を含む。
【0095】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約4重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方、より好ましくは、約1重量パーセント~約4重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約4重量パーセントのアルカロイド化合物もしくはカンナビノイド化合物、またはその両方を含む。
【0096】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、カンナビノイド、およびニコチンまたはアナタビンを含むアルカロイド化合物のうちの一つ以上を含む。一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、ニコチンを含む。
【0097】
本発明に関連して本明細書で使用される「ニコチン」という用語は、ニコチン、ニコチン塩基、またはニコチン塩を記述するために使用される。エアロゾル発生要素がニコチン塩基またはニコチン塩を含む実施形態では、本明細書において列挙されるニコチンの量は、それぞれ遊離塩基ニコチンの量またはプロトン化されたニコチンの量である。
【0098】
エアロゾル発生要素は、天然ニコチンまたは合成ニコチンを含み得る。
【0099】
エアロゾル発生要素は、一つ以上の一塩基ニコチン塩を含み得る。
【0100】
本発明に関して本明細書で使用される場合、「一塩基ニコチン塩」という用語は、一塩基酸のニコチン塩を説明するために使用される。
【0101】
一般に、エアロゾル発生要素は、最大約10重量パーセントのニコチンを含み得る。本発明のエアロゾル発生要素の、エアロゾル発生物品中の基体としての適用を考慮すると、要素中のニコチンの含有量は、消費者へのエアロゾル形態でのニコチンの送達を最適化するために増加および調整され得るため、これは有利である。たばこ植物の使用に基づく既存のエアロゾル発生基体と比較して、これは有利なことに、基体(要素)の体積当たり、または基体(要素)の重量当たりのニコチンのより高い含有量を可能にし、これは製造の観点から望ましい場合がある。
【0102】
エアロゾル発生要素は、少なくとも約0.5重量パーセントのニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約1重量パーセントのニコチンを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約2重量パーセントのニコチンを含むことがなおより好ましい。
【0103】
エアロゾル発生要素は、約8重量パーセント以下のニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約6重量パーセント以下のニコチンを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント以下のニコチンを含むことがなおより好ましい。エアロゾル発生要素は、約4重量パーセント以下のニコチンを含むことが最も好ましい。
【0104】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのニコチン、より好ましくは、約1重量パーセント~約10重量パーセントのニコチン、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約10重量パーセントのニコチンを含む。
【0105】
他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約8重量パーセントのニコチン、より好ましくは、約1重量パーセント~約8重量パーセントのニコチン、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約8重量パーセントのニコチンを含む。
【0106】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約6重量パーセントのニコチン、より好ましくは、約1重量パーセント~約6重量パーセントのニコチン、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約6重量パーセントのニコチンを含む。
【0107】
なおもさらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのニコチン、より好ましくは、約1重量パーセント~約5重量パーセントのニコチン、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約5重量パーセントのニコチンを含む。
【0108】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約4重量パーセントのニコチン、より好ましくは、約1重量パーセント~約4重量パーセントのニコチン、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約4重量パーセントのニコチンを含む。
【0109】
エアロゾル発生要素は、少なくとも約0.5ミリグラムのニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約1ミリグラムのニコチンを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約1.5ミリグラムのニコチンを含むことがなおより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、少なくとも約2ミリグラムのニコチン、最も好ましくは、少なくとも約2.5ミリグラムのニコチンを含む。
【0110】
エアロゾル発生要素は、最大約6ミリグラムのニコチンを含み得る。エアロゾル発生要素は、約5ミリグラム以下のニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約4.5ミリグラム以下のニコチンを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約4ミリグラム以下のニコチンを含むことがなおより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約3.5ミリグラム以下のニコチン、および最も好ましくは、約3ミリグラム以下のニコチンを含む。一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素の固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、カンナビノイド化合物を含む。カンナビノイド化合物は、CBDおよびTHCから選択されることが好ましい。カンナビノイド化合物は、CBDであることがより好ましい。
【0111】
エアロゾル発生要素は、最大約10重量パーセントのCBDを含み得る。エアロゾル発生要素は、少なくとも約0.5重量パーセントのCBDを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約1重量パーセントのCBDを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約2重量パーセントのCBDを含むことがなおより好ましい。
【0112】
エアロゾル発生要素は、約6重量パーセント以下のCBDを含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント以下のCBDを含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約4重量パーセント以下のCBDを含むことがなおより好ましい。
【0113】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのCBD、より好ましくは、約1重量パーセント~約10重量パーセントのCBD、なおより好ましくは、約2重量パーセント~約10重量パーセントのCBDを含む。
【0114】
他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約8重量パーセントのCBD、より好ましくは、約1重量パーセント~約8重量パーセントのCBD、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約8重量パーセントのCBDを含む。
【0115】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約6重量パーセントのCBD、より好ましくは、約1重量パーセント~約6重量パーセントのCBD、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約6重量パーセントのCBDを含む。
【0116】
なおもさらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのCBD、より好ましくは、約1重量パーセント~約5重量パーセントのCBD、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約5重量パーセントのCBDを含む。
【0117】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約4重量パーセントのCBD、より好ましくは、約1重量パーセント~約4重量パーセントのCBD、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約4重量パーセントのニコチンを含む。
【0118】
本発明によるエアロゾル発生要素は、実質的にたばこを含まないエアロゾル発生要素であり得る。
【0119】
本発明に関連して本明細書で使用される「実質的にたばこを含まないエアロゾル発生要素」という用語は、1重量パーセント未満のたばこ含有量を有するエアロゾル発生要素を説明する。例えば、エアロゾル発生要素は、約0.75重量パーセント未満、約0.5重量パーセント未満、または約0.25重量パーセント未満のたばこ含有量を有し得る。
【0120】
エアロゾル発生要素は、たばこを含まないエアロゾル発生要素であってもよい。
【0121】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「たばこを含まないエアロゾル発生要素」という用語は、0重量パーセントのたばこ含有量を有するエアロゾル発生要素を説明する。
【0122】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、たばこ材料または非たばこ植物材料または植物抽出物を含む。一例として、エアロゾル発生要素は、たばこラミナ粒子などのたばこ粒子、ならびにクローブおよびユーカリなどの他の植物性の粒子を含み得る。
【0123】
一部の実施形態では、連続固体マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、酸をさらに含む。連続固体マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、一つ以上の有機酸を含むことがより好ましい。連続固体マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、一つ以上のカルボン酸を含むことがさらにより好ましい。
【0124】
本発明によるエアロゾル発生要素のエアロゾル発生製剤における使用に好適なカルボン酸には、以下が含まれるが、これらに限定されない。2-エチル酪酸、酢酸、アジピン酸、安息香酸、酪酸、桂皮酸、シクロヘプタン-カルボン酸、フマル酸、グリコール酸、ヘキサン酸、乳酸、レブリン酸、リンゴ酸、ミリスチン酸、オクタン酸、シュウ酸、プロパン酸、ピルビン酸、コハク酸、およびウンデカン酸。
【0125】
特に好ましい実施形態では、酸は、乳酸またはレブリン酸または安息香酸またはフマル酸または酢酸である。酸は、乳酸であることが最も好ましい。
【0126】
酸の含有は、連続固体マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤がニコチンを含む、エアロゾル発生要素の実施形態で特に好ましく、それは、酸の存在がニコチンおよび他の植物抽出物などを有する、エアロゾル発生製剤中に溶解した種を安定化する場合があることを観察したためである。理論に拘束されることを意図するものではないが、酸はニコチン分子と相互作用し、その結果、プロトン化ニコチンが安定化され得ることが理解される。プロトン化ニコチンは不揮発性であるため、エアロゾル発生要素を加熱することによって得られるエアロゾルの蒸気相ではなく、液体相または粒子相でより容易に見られる。そのため、エアロゾル発生要素の製造中のニコチンの損失を最小化することができ、有利なことに、消費者へのより高い、より良好に制御されたニコチン送達を確実にすることができる。
【0127】
エアロゾル発生要素は、最大約10重量パーセントの酸を含み得る。
【0128】
エアロゾル発生要素は、少なくとも約0.5重量パーセントの酸を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約1重量パーセントの酸を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約2重量パーセントの酸を含むことがなおより好ましい。
【0129】
エアロゾル発生要素は、約8重量パーセント以下の酸を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約6重量パーセント以下の酸を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント以下の酸を含むことがなおより好ましい。エアロゾル発生要素は、約4重量パーセント以下の酸を含むことが最も好ましい。
【0130】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントの酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約10重量パーセントの酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約10重量パーセントの酸を含む。
【0131】
他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約8重量パーセントの酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約8重量パーセントの酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約8重量パーセントの酸を含む。
【0132】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約6重量パーセントの酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約6重量パーセントの酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約6重量パーセントの酸を含む。
【0133】
なおもさらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約5重量パーセントの酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約5重量パーセントの酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約5重量パーセントの酸を含む。
【0134】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約4重量パーセントの酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約4重量パーセントの酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約4重量パーセントの酸を含む。
【0135】
エアロゾル発生溶液がニコチンを含む場合、酸とニコチンのモル比は、約0.5:1~約2:1であることが好ましく、約0.75:1~約1.5:1であることがより好ましく、約1:1であることが最も好ましい。
【0136】
多価カルボン酸などの多価酸が使用される場合、約0.5:1~約2:1、より好ましくは、約0.75:1~約1.5:1、最も好ましくは、約1:1の酸基とニコチンのモル比を提供することが好ましい場合がある。したがって、多価酸の使用により、依然として同じレベルのニコチンのプロトン化を提供しながら、より少ない重量の酸を使用することが可能となる。
【0137】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、少なくとも約0.5重量パーセントのレブリン酸を含む。エアロゾル発生要素は、少なくとも約1重量パーセントのレブリン酸を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約2重量パーセントのレブリン酸を含むことがさらにより好ましい。
【0138】
エアロゾル発生要素は、約8重量パーセント以下のレブリン酸を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約6重量パーセント以下のレブリン酸を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント以下のレブリン酸を含むことがさらにより好ましい。エアロゾル発生要素は、約4重量パーセント以下のレブリン酸を含むことが最も好ましい。
【0139】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのレブリン酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約10重量パーセントのレブリン酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約10重量パーセントのレブリン酸を含む。
【0140】
他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約8重量パーセントのレブリン酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約8重量パーセントのレブリン酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約8重量パーセントのレブリン酸を含む。
【0141】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約6重量パーセントのレブリン酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約6重量パーセントのレブリン酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約6重量パーセントのレブリン酸を含む。
【0142】
なおもさらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのレブリン酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約5重量パーセントのレブリン酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約5重量パーセントのレブリン酸を含む。
【0143】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約4重量パーセントのレブリン酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約4重量パーセントのレブリン酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約4重量パーセントのレブリン酸を含む。
【0144】
他の好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、少なくとも約0.5重量パーセントの乳酸を含む。エアロゾル発生要素は、少なくとも約1重量パーセントの乳酸を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約2重量パーセントの乳酸を含むことがさらにより好ましい。
【0145】
エアロゾル発生要素は、約8重量パーセント以下の乳酸を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約6重量パーセント以下の乳酸を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント以下の乳酸を含むことがさらにより好ましい。エアロゾル発生要素は、約4重量パーセント以下の乳酸を含むことが最も好ましい。
【0146】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントの乳酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約10重量パーセントの乳酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約10重量パーセントの乳酸を含む。
【0147】
他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約8重量パーセントの乳酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約8重量パーセントの乳酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約8重量パーセントの乳酸を含む。
【0148】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約6重量パーセントの乳酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約6重量パーセントの乳酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約6重量パーセントの乳酸を含む。
【0149】
なおもさらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約5重量パーセントの乳酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約5重量パーセントの乳酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約5重量パーセントの乳酸を含む。
【0150】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5重量パーセント~約4重量パーセントの乳酸、より好ましくは、約1重量パーセント~約4重量パーセントの乳酸、さらにより好ましくは、約2重量パーセント~約4重量パーセントの乳酸を含む。
【0151】
本発明によるエアロゾル発生要素は、約25重量パーセント以下の水を含むことが好ましい。
【0152】
エアロゾル発生要素は、約20重量パーセント以下の水を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約15パーセント以下の水を含むことがなおより好ましい。
【0153】
本発明によるエアロゾル発生要素は、少なくとも約2.5重量パーセントの水を含むことが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、少なくとも約5重量パーセントの水を含むことがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、少なくとも約7.5重量パーセントの水を含むことがなおより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、好ましくは少なくとも約10重量パーセントの水を含むことが最も好ましい。
【0154】
一般的に、いくらかの水の存在は、エアロゾル発生要素に望ましい安定性を与えることに寄与することが観察されている。同時に、実質的に粘着性ではないエアロゾル発生要素を得ることができ得るため、25重量パーセント以下の残留含水量が望ましい。さらに、エアロゾル発生要素を低い含水量で加熱する場合、多価アルコール、およびニコチンなどのアルカロイドまたはカンナビノイド化合物により濃縮されたエアロゾルを消費者に提供することができる。
【0155】
一部の実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素は、約2.5重量パーセント~約25重量パーセントの水を含む。本発明によるエアロゾル発生要素は、約5重量パーセント~約25重量パーセントの水を含むことが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、約7.5重量パーセント~約25重量パーセントの水を含むことがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、約10重量パーセント~約25重量パーセントの水を含むことが最も好ましい。
【0156】
他の実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素は、約2.5重量パーセント~約20重量パーセントの水を含む。本発明によるエアロゾル発生要素は、約5重量パーセント~約20重量パーセントの水を含むことが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、約7.5重量パーセント~約20重量パーセントの水を含むことがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、約10重量パーセント~約20重量パーセントの水を含むことが最も好ましい。
【0157】
さらなる実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素は、約2.5重量パーセント~約15重量パーセントの水を含む。本発明によるエアロゾル発生要素は、約5重量パーセント~約15重量パーセントの水を含むことが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、約7.5重量パーセント~約15重量パーセントの水を含むことがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、約10重量パーセント~約15重量パーセントの水を含むことが最も好ましい。
【0158】
なおもさらなる実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素は、約2.5重量パーセント~約10重量パーセントの水を含む。本発明によるエアロゾル発生要素は、約5重量パーセント~約10重量パーセントの水を含むことが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、約7.5重量パーセント~約10重量パーセントの水を含むことがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、約10重量パーセント~約10重量パーセントの水を含むことが最も好ましい。
【0159】
本発明によるエアロゾル発生要素は、約0.7以下の水分活性を有することが好ましい。
【0160】
「水分活性」という用語は、エアロゾル発生要素を用いた平衡における部分水蒸気圧と、同じ温度の純水を用いた平衡における水蒸気飽和圧との比を示すために、本発明を参照して本明細書で使用される。このように、水分活性は、完全無水物質に相当する0と、塩を含まない純水に相当する1との間の無次元量である。本発明によるエアロゾル発生要素の水分活性を測定する方法は、ISO 18787の2017年刊行物(Foodstuffs-Determination of water activity-dew point measurement)に記載されている。
【0161】
本発明によるエアロゾル発生要素は、任意に風味剤をさらに含み得る。風味剤は、液体形態、または固体形態であり得る。任意で、風味剤は、マイクロカプセル化形態で提供されてもよく、ここで、風味剤は、加熱時に放出される。
【0162】
エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、好ましくは、少なくとも約0.05重量パーセントの風味剤、より好ましくは、少なくとも約0.1重量パーセントの風味剤を含む。エアロゾル発生要素は、好ましくは、エアロゾル発生要素の総重量量に基づいて、約1重量パーセント以下の風味剤、より好ましくは、約0.5重量パーセント以下の風味剤を含む。
【0163】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約0.05重量パーセント~約1重量パーセントの風味剤、好ましくは、約0.05重量パーセント~約0.5重量パーセントの風味剤を含む。他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生要素の総重量に基づいて、約0.1重量パーセント~約1重量パーセントの風味剤、好ましくは、約0.1重量パーセント~約0.5重量パーセントの風味剤を含む。
【0164】
本発明によるエアロゾル発生要素で使用するための好適な風味剤としては、たばこ、メンソール、ペパーミントまたはスピアミントなどのミント、ココア、リコリス、フルーツ(柑橘類など)、ガンマオクタラクトン、バニリン、スパイス(シナモンなど)、サリチル酸メチル、リナロール、オイゲノール、ユーカリプトール、ベルガモットオイル、オイゲノールオイル、ゼラニウムオイル、レモンオイル、ジンジャーオイル、およびたばこ風味が含まれるが、これらに限定されない。
【0165】
本発明によるエアロゾル発生要素は、任意に複数のサセプタ粒子をさらに含み得る。サセプタ粒子は、電磁エネルギーを変換し、それを熱に変換する能力を有する導電性粒子である。交番電磁場内に位置するときにサセプタ粒子内で渦電流が誘導され、且つ、ヒステリシス損失が生じ、サセプタの加熱の原因となる。サセプタ粒子はエアロゾル発生要素のエアロゾル発生製剤と熱的に接触または熱的に近接して位置しているため、エアロゾル発生製剤は、エアロゾルが形成されるようにサセプタ粒子によって加熱される。
【0166】
したがって、エアロゾル発生溶液にサセプタ粒子を含めることは、誘導加熱可能であるエアロゾル発生要素を提供する。誘導ヒーターを備える装置でエアロゾル発生要素が使用されると、誘導加熱装置の一つまたはいくつかの誘導コイルによって発生される電磁場の変化がサセプタ粒子を加熱し、これが次いで、主に熱の伝導によって、エアロゾル発生要素の周囲のエアロゾル発生製剤に熱を伝達する。
【0167】
サセプタ粒子は、エアロゾル発生製剤からエアロゾルを発生させるのに十分な温度へと誘導加熱することができる任意の材料から形成され得る。好ましいサセプタ粒子は、金属または炭素を含む。好ましいサセプタ粒子は強磁性材料、例えば強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼、またはステンレス鋼を含んでよく、またはその強磁性材料から成ってもよい。適切なサセプタ粒子は、アルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタ粒子は、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。適切なサセプタ粒子は、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア、例えば、セラミックコアの表面上に形成された金属トラックを含み得る。サセプタ粒子は、保護外部層、例えば、サセプタ粒子をカプセル化する保護セラミック層または保護ガラス層を有し得る。サセプタ粒子は、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成された保護被覆を含み得る。
【0168】
サセプタ粒子は、最大約60マイクロメートルの平均粒子サイズを有し得る。例えば、サセプタ粒子は、約50マイクロメートル以下、または約40マイクロメートル以下、または約35マイクロメートル以下の平均粒子サイズを有し得る。
【0169】
典型的には、本発明による方法で使用するエアロゾル発生溶液において、サセプタ粒子は、少なくとも約1マイクロメートル、または少なくとも約2マイクロメートル、または少なくとも約5マイクロメートル、または少なくとも約10マイクロメートルの平均粒子サイズを有する。
【0170】
例えば、エアロゾル発生溶液中のサセプタ粒子は、約1マイクロメートル~約60マイクロメートル、または約2ミリメートル~約50マイクロメートル、または約5マイクロメートル~約40マイクロメートル、または約10マイクロメートル~約35マイクロメートルの平均粒子サイズを有し得る。
【0171】
任意で、本発明によるエアロゾル発生要素の固体連続マトリクス構造内に分散されたエアロゾル発生製剤は、固体充填剤をさらに含み得る。固体充填剤の含有は、有利には、エアロゾル発生要素の物理的特性を改善し得る。理論に拘束されることを意図するものではないが、エアロゾル発生要素の製造中、固体充填剤の含有は、エアロゾル発生溶液の個別の部分を形成する工程中のエアロゾル発生溶液の特性の制御を容易にし得ることが理解される。好適な固体充填剤は、当業者には既知である。
【0172】
例えば、本発明によるエアロゾル発生要素は、植物材料を撃砕、粉砕、または細分することよって得られる植物材料の粒子を、任意にさらに含み得る。一例として、エアロゾル発生要素は、茶粒子、コーヒー粒子、麻粒子、クローブ粒子、ユーカリ粒子、トウシミキ粒子、ジンジャー粒子をさらに含み得る。追加的に、または代替的に、本発明によるエアロゾル発生要素は、たばこの葉身およびたばこの葉柄の一つ以上を撃砕、粉砕、または細分することによって得られる粒子を、任意にさらに含み得る。本発明の発明者らは、そのような植物粒子をエアロゾル発生要素に組み込むことによって、有利なことに、新規な感覚体験を提供するエアロゾルを生成することができることを見出した。こうしたエアロゾルは、独特の風味を提供し、増大したレベルのコク味を提供し得る。
【0173】
エアロゾル発生要素が植物粒子を含む実施形態では、エアロゾル発生溶液中の植物粒子の量は、エアロゾル発生要素内に所望のレベルの植物粒子、および発生したエアロゾル内に所望のレベルの風味を提供するために調整される。エアロゾル発生要素は、最大約40重量パーセントの植物粒子を含んでもよい。エアロゾル発生要素は、約35重量パーセント以下の植物粒子を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約30重量パーセント以下の植物粒子を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約25重量パーセント以下の植物粒子を含むことがなおより好ましい。
【0174】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、少なくとも約1重量パーセントの植物粒子を含む。エアロゾル発生要素は、少なくとも約2重量パーセントの植物粒子を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約5重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約10重量パーセントの植物粒子を含むことがさらにより好ましい。
【0175】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約1重量パーセント~約40重量パーセントの植物粒子を含む。エアロゾル発生要素は、約2重量パーセント~約40重量パーセントの植物粒子を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント~約40重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約10重量パーセント~約40重量パーセントの植物粒子を含むことがさらにより好ましい。
【0176】
他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約1重量パーセント~約35重量パーセントの植物粒子を含む。エアロゾル発生要素は、約2重量パーセント~約35重量パーセントの植物粒子を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント~約35重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約10重量パーセント~約35重量パーセントの植物粒子を含むことがさらにより好ましい。
【0177】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約1重量パーセント~約30重量パーセントの植物粒子を含む。エアロゾル発生要素は、約2重量パーセント~約30重量パーセントの植物粒子を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント~約30重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約10重量パーセント~約30重量パーセントの植物粒子を含むことがさらにより好ましい。
【0178】
なおもさらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約1重量パーセント~約25重量パーセントの植物粒子を含む。エアロゾル発生要素は、約2重量パーセント~約25重量パーセントの植物粒子を含むことが好ましい。エアロゾル発生要素は、約5重量パーセント~約25重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約10重量パーセント~約25重量パーセントの植物粒子を含むことがさらにより好ましい。
【0179】
この範囲内の量の植物粒子を提供することにより、エアロゾル発生要素を形成するためのエアロゾル発生溶液の処理が悪影響を受けるほどにエアロゾル発生溶液の一貫性に影響を及ぼすことなく、十分な風味を植物粒子から達成することができることが確実になる。
【0180】
エアロゾル発生要素が植物粒子を含む実施形態では、植物粒子は、最大約60マイクロメートルの平均粒子サイズを有し得る。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約50マイクロメートル以下の平均粒子サイズを有することが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約40マイクロメートル以下の平均粒子サイズを有することがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約30マイクロメートル以下の平均粒子サイズを有することがさらにより好ましい。
【0181】
典型的には、本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、少なくとも約1マイクロメートルの平均粒子サイズを有する。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、少なくとも約2マイクロメートルの平均粒子サイズを有することが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、少なくとも約5マイクロメートルの平均粒子サイズを有することがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、少なくとも約10マイクロメートルの平均粒子サイズを有することがさらにより好ましい。
【0182】
一部の好ましい実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約1ミリメートル~約60マイクロメートルの平均粒子サイズを有する。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約2ミリメートル~約60マイクロメートルの平均粒子サイズを有することが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約5ミリメートル~約60マイクロメートルの平均粒子サイズを有することがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約10ミリメートル~約60マイクロメートルの平均粒子サイズを有することがさらにより好ましい。
【0183】
他の実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約1ミリメートル~約50マイクロメートルの平均粒子サイズを有する。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約2ミリメートル~約50マイクロメートルの平均粒子サイズを有することが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約5ミリメートル~約50マイクロメートルの平均粒子サイズを有することがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約10ミリメートル~約50マイクロメートルの平均粒子サイズを有することがさらにより好ましい。
【0184】
さらなる実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約1ミリメートル~約40マイクロメートルの平均粒子サイズを有する。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約2ミリメートル~約40マイクロメートルの平均粒子サイズを有することが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約5ミリメートル~約40マイクロメートルの平均粒子サイズを有することがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約10ミリメートル~約40マイクロメートルの平均粒子サイズを有することがさらにより好ましい。
【0185】
なおもさらなる実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約1ミリメートル~約30マイクロメートルの平均粒子サイズを有する。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約2ミリメートル~約30マイクロメートルの平均粒子サイズを有することが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約5ミリメートル~約30マイクロメートルの平均粒子サイズを有することがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素において、植物粒子は、約10ミリメートル~約30マイクロメートルの平均粒子サイズを有することがさらにより好ましい。本発明によるnエアロゾル発生要素は、少なくとも約0.5ミリメートルの等価直径を有してよい。
【0186】
「エアロゾル発生要素の等価直径」という用語は、エアロゾル発生要素と同じ体積を有する球形の直径を意味するために本明細書で使用される。一般的に、エアロゾル発生要素は、卵形状または楕円形状などの球形または準球形形状が好ましいが、任意の形状を有し得る。球形形状および円形横断断面を有するエアロゾル発生要素について、等価直径は、エアロゾル発生要素の断面の直径である。
【0187】
エアロゾル発生要素は、少なくとも約1ミリメートルの等価直径を有することが好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約2ミリメートルの等価直径を有することがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも約3ミリメートルの等価直径を有することがなおより好ましい。
【0188】
本発明によるエアロゾル発生要素は、約8ミリメートル以下の等価直径を有することが好ましい。エアロゾル発生要素は、約6ミリメートル以下の等価直径を有することがより好ましい。エアロゾル発生要素は、約5ミリメートル以下の等価直径を有することがなおより好ましい。
【0189】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5ミリメートル~約8ミリメートル、好ましくは、約1ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは、約2ミリメートル~約8ミリメートル、さらにより好ましくは、約3ミリメートル~8ミリメートルの等価直径を有する。
【0190】
他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5ミリメートル~約6ミリメートル、好ましくは、約1ミリメートル~約6ミリメートル、より好ましくは、約2ミリメートル~約6ミリメートル、さらにより好ましくは、約3ミリメートル~6ミリメートルの等価直径を有する。
【0191】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約0.5ミリメートル~約5ミリメートル、好ましくは、約1ミリメートル~約5ミリメートル、より好ましくは、約2ミリメートル~約5ミリメートル、さらにより好ましくは、約3ミリメートル~5ミリメートルの等価直径を有する。
【0192】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生要素は、約4ミリメートルまたは約4.5ミリメートルの等価直径を有する。
【0193】
本発明によるエアロゾル発生要素は、最大約35パーセントの楕円率を有し得る。
【0194】
本発明に関連して本明細書で使用される「楕円率」という用語は、完全な円からの偏差の程度を示す。楕円率は百分率表現され、数学的定義は下記の通りである。
【数1】
【0195】
エアロゾル発生要素などの物体の楕円率を決定するために、物体は、エアロゾル発生要素の断面に対して実質的に直角を成す方向に沿って見ることができる。一例として、エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生要素の画像がステージの下方に位置する適切な撮像装置によって記録されるように、透明なステージ上に位置付けられてもよい。寸法「a」は、エアロゾル発生要素の画像の最大外径とされ、寸法「b」は、エアロゾル発生要素の画像の最小外径とされる。プロセスは、同じ組成物を有し、同じプロセスによって同じ動作条件下で調製される、合計十個のエアロゾル発生要素に対して繰り返される。十個の楕円率測定値の数平均が、そのエアロゾル発生要素の楕円率として記録される。
【0196】
本発明によるエアロゾル発生要素は、約30パーセント以下の楕円率を有することが好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、約25パーセント以下の楕円率を有することがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生要素は、約20パーセント以下の楕円率を有することがなおより好ましい。
【0197】
本発明によるエアロゾル発生要素は、典型的には、少なくとも約1パーセントの楕円率を有する。エアロゾル発生要素は、少なくとも2パーセントの楕円率を有することが好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも3パーセントの楕円率を有することがより好ましい。エアロゾル発生要素は、少なくとも4パーセントの楕円率を有することがなおより好ましい。
【0198】
一部の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約1パーセント~約30パーセント、より好ましくは、約2パーセント~約30パーセント、より好ましくは、約3パーセント~約30パーセント、さらにより好ましくは、約4パーセント~約30パーセントの楕円率を有する。
【0199】
他の実施形態では、エアロゾル発生要素は、約1パーセント~約25パーセント、より好ましくは、約2パーセント~約25パーセント、より好ましくは、約3パーセント~約25パーセント、さらにより好ましくは、約4パーセント~約25パーセントの楕円率を有する。
【0200】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生要素は、約1パーセント~約20パーセント、より好ましくは、約2パーセント~約30パーセント、より好ましくは、約3パーセント~約20パーセント、さらにより好ましくは、約4パーセント~約20パーセントの楕円率を有する。
【0201】
本発明によるエアロゾル発生物品は、最大25cm-1の露出表面積対体積比を有し得る。
【0202】
本発明を参照して本明細書で使用される場合、「露出表面積対体積比」という表現は、露出されて熱および質量交換に利用可能である、エアロゾル発生要素の外表面積全体と、エアロゾル発生要素の全体体積との比を示す。
【0203】
本発明によるエアロゾル発生要素は、楕円率が低く、球状物体に同化され得るため、本発明によるエアロゾル発生要素の体積は、以下の式によって表され得る。
【数2】
【0204】
本発明によるエアロゾル発生要素の露出表面積は、以下の式によって推定され得る。
【数3】
【0205】
寸法Reqは、エアロゾル発生要素の等価半径を示す。
【0206】
エアロゾル発生物品は、少なくとも約0.083cm-1の露出表面積対体積比を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、少なくとも約0.166cm-1の露出表面積対体積比を有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、少なくとも約0.249cm-1の露出表面積対体積比を有することがなおより好ましい。
【0207】
エアロゾル発生物品は、約24cm-1以下の露出表面積対体積比を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、約20cm-1以下の露出表面積対体積比を有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、約16cm-1以下の露出表面積対体積比を有することがなおより好ましい。
【0208】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約0.083cm-1~約24cm-1、より好ましくは、約0.166cm-1~約24cm-1、さらにより好ましくは、約0.249cm-1~約24cm-1の露出表面積体積比を有する。
【0209】
他の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約0.083cm-1~約20cm-1、より好ましくは、約0.166cm-1~約20cm-1、さらにより好ましくは、約0.249cm-1~約20cm-1の露出表面積体積比を有する。
【0210】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品は、約0.083cm-1~約16cm-1、より好ましくは、約0.166cm-1~約16cm-1、さらにより好ましくは、約0.249cm-1~約16cm-1の露出表面積体積比を有する。
【0211】
一部の実施形態では、本発明によるエアロゾル発生要素は、被覆され得る。実際には、外側被覆層は、任意に、上述のようなエアロゾル発生要素上に提供され得る。これは、乾燥工程の前または乾燥工程の後に行われ得る、被覆工程によって達成され得る。任意の乾燥工程は、被覆工程の後に組み込まれ得る。
【0212】
エアロゾル発生要素上の被覆層の提供は、多くの異なる理由のために望ましい場合がある。例えば、被覆層は、有利なことに、エアロゾル発生要素への酸素または水蒸気の透過を制限し得、これは、エアロゾル発生要素の貯蔵寿命を延ばすのに役立ち得る。代替的に、または追加的に、被覆層は、エアロゾル発生要素の構造的完全性を保護するか、またはエアロゾル発生要素の改善された滑らかさを提供するのに役立ち得る。特定の実施形態では、比較的壊れやすい被覆層が、使用前に消費者によって破壊されるように適合されるエアロゾル発生要素に塗布されてもよい。したがって、このタイプの被覆層は、エアロゾル発生要素が活性化されたという触覚および可聴表示を消費者に提供することができる。代替的に、または追加的に、エアロゾル発生要素上の被覆層の提供は、例えば、風味またはニコチンの含有量などのエアロゾル発生要素の特性の視覚的表示を提供するために、エアロゾル発生要素の色を調整するために使用されてもよい。
【0213】
適切なタイプの被覆材料は、当業者に公知である。例えば、HPMCまたはシェラックなどの水溶性フィルム形成体の被覆層を、エアロゾル発生要素に塗布してもよい。こうしたフィルム形成体は、エアロゾル発生要素の表面に強く接着し得る。さらなる実施例では、アルギネートナトリウムの被覆層が塗布されてもよく、これは、エアロゾル発生要素の表面上の任意の残留カルシウムイオンと架橋されて、アルギネートカルシウムの薄膜を形成する。
【0214】
被覆層は、様々な被覆技術を使用して、エアロゾル発生要素の外表面に塗布されてもよい。好適な器具および技術は、当業者に既知であろう。
【0215】
上述のようなエアロゾル発生要素は、基体が燃焼されて煙を生成する物品とは対照的に、基体が加熱されて吸入可能なエアロゾルを放出するタイプのエアロゾル発生物品用のエアロゾル発生基体としての使用を見出すことができる。
【0216】
本発明によるエアロゾル発生要素は、製造が容易であり、かつ所定のものであるため、したがって、個別の量のエアロゾル発生製剤が、カプセル化形態で提供されてもよく、特に、多価アルコール、およびアルカロイドまたはカンナビノイド化合物の含有量に関して、エアロゾル発生製剤の組成物は、微細に調整および制御され得るため、本発明によるエアロゾル発生要素は、汎用性があり、数多くの配設で基体として使用され得る。
【0217】
一例として、本発明による複数のエアロゾル発生要素は、管状要素によって画定される空洞内に提供されてもよく、その結果、エアロゾル発生要素の外表面は、空洞によって画定される長軸方向の気流チャネルの内側に露出される。加熱に伴い、エアロゾルがエアロゾル発生要素から発生され得、したがって、エアロゾルは、気流チャネルの中に放出され、管状要素を通して消費者の口の中へと吸われ得る。
【0218】
したがって、上述のようなエアロゾル発生要素は、上述のような一つ以上のエアロゾル発生要素またはエアロゾル発生物品、および電気的に作動するエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システムでの使用を見出し得る。適切なエアロゾル発生装置は、発熱体と、一つ以上のエアロゾル発生要素が発熱体によって加熱チャンバー内で加熱されるように、一つ以上のエアロゾル発生要素または物品を受容するように構成された加熱チャンバーとを備える。
【0219】
加熱に伴い、本発明によるエアロゾル発生要素は、特に、多価アルコールおよびアルカロイドまたはカンナビノイド化合物を含む、エアロゾル発生製剤構成成分を含有するエアロゾルを放出する。本発明によるエアロゾル発生要素が、約摂氏150度~約摂氏350度の範囲の温度に加熱される場合、エアロゾル発生要素は、有意な体積収縮を受けることなく重量を失うことが見出されている。さらに、本発明によるエアロゾル発生要素が、約摂氏150度~約摂氏350度の範囲の温度に加熱され、さらなる重量損失が検出されなくなるまで熱が供給される場合、エアロゾル発生要素の残留重量は、典型的には、固体連続マトリクス構造の構成要素の重量の120パーセント未満、好ましくは、固体連続マトリクス構造の構成要素の重量の115パーセント未満、より好ましくは、固体連続マトリクス構造の構成要素の重量の115パーセント未満、さらにより好ましくは、固体連続マトリクス構造の構成要素の重量の105パーセント未満であることが見出されている。
【0220】
本発明によるエアロゾル発生要素が、約摂氏150度~約摂氏350度の範囲の温度に加熱され、さらなる重量損失が検出されなくなるまで熱が供給される場合、エアロゾル発生要素の残留重量は、固体連続マトリクス構造の構成要素の総重量に実質的に対応することが最も好ましい。
【0221】
本発明の一実施形態を、一例としてのみではあるが、ここでさらに説明する。
【実施例
【0222】
以下の構成成分の混合物からエアロゾル発生溶液を形成する。
【表1】
【0223】
最初の工程では、アルギネートを水に添加して、マトリクスポリマー溶液を形成する。次いで、ニコチンを添加し、その後グリセリン、そして最後に、レブリン酸を添加する。
【0224】
結果として得られたエアロゾル発生溶液を、5ミリメートルのノズルを通して押出成形して複数の液滴を形成し、次いで、室温で、30センチメートルの高さから、以下の組成物を有する架橋溶液に落下させる:
【表2】
【0225】
除去する前に液滴を25分間架橋溶液中に放置し、トレー乾燥機内で摂氏25度で12時間乾燥させる。結果として得られる乾燥されたエアロゾル発生要素は、約4.6mmの直径を有する固体の球状ビーズの形態である。各ビーズは、およそ65mgの重量、0.4の水分活性、および以下の組成物を有する:
【表3】
【国際調査報告】