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特表2022-554342ジイミン金属錯体、その調製方法、およびその利用
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  • 特表-ジイミン金属錯体、その調製方法、およびその利用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ジイミン金属錯体、その調製方法、およびその利用
(51)【国際特許分類】
   C07C 251/12 20060101AFI20221221BHJP
   C07C 251/24 20060101ALI20221221BHJP
   C07C 251/20 20060101ALI20221221BHJP
   C07C 249/02 20060101ALI20221221BHJP
   C07F 15/04 20060101ALI20221221BHJP
   C08F 4/70 20060101ALI20221221BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20221221BHJP
【FI】
C07C251/12 CSP
C07C251/24
C07C251/20
C07C249/02
C07F15/04
C08F4/70
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525763
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 CN2020125399
(87)【国際公開番号】W WO2021083350
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】201911048975.0
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911049039.1
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911049898.0
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911049899.5
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】510016575
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司北京化工研究院
【氏名又は名称原語表記】BEIJING RESEARCH INSTITUTE OF CHEMICAL INDUSTRY,CHINA PETROLEUM & CHEMICAL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】NO.14,BEISANHUAN EAST ROAD,CHAOYANG DISTRICT,BEIJING 100013,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】高榕
(72)【発明者】
【氏名】頼菁菁
(72)【発明者】
【氏名】郭子芳
(72)【発明者】
【氏名】苟清強
(72)【発明者】
【氏名】周俊領
(72)【発明者】
【氏名】劉東兵
(72)【発明者】
【氏名】張暁帆
(72)【発明者】
【氏名】林潔
(72)【発明者】
【氏名】李▲シン▼陽
(72)【発明者】
【氏名】張軍輝
(72)【発明者】
【氏名】顧元寧
(72)【発明者】
【氏名】李岩
(72)【発明者】
【氏名】安京燕
(72)【発明者】
【氏名】傅捷
(72)【発明者】
【氏名】万艶紅
【テーマコード(参考)】
4H006
4H039
4H050
4J128
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB40
4H006BB12
4H006BB14
4H039CA99
4H039CL19
4H050AA01
4H050AA02
4H050AA03
4H050AB40
4H050BB12
4H050BB14
4H050WB13
4H050WB14
4H050WB17
4J128AA01
4J128AB00
4J128AC48
4J128BA00A
4J128BA01B
4J128BB00A
4J128BB01B
4J128BC25B
4J128EA01
4J128EB02
4J128EB09
4J128EC01
4J128EC02
4J128FA02
4J128GA01
4J128GA06
4J128GB01
(57)【要約】
本発明は、式Iで表されるジイミン金属錯体、その調製方法、およびその利用に関する。当該錯体は、オレフィン重合用の触媒の主触媒として用いられ、高温での触媒エチレン重合を達成し、高分子量分枝ポリエチレンを調製することができる。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表されるジイミン金属錯体:
【化1】

式中、RおよびRはそれぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C30ヒドロカルビルであり;RおよびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択され、隣り合うR基およびR基は、任意に連結して環または環系を形成し;それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルであり;それぞれのYは独立して、VIA族の非金属原子であり;それぞれのMは独立して、VIII族の金属であり;それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビルオキシからなる群から選択される。
【請求項2】
以下の特徴のうち少なくとも1つを有する、請求項1に記載のジイミン金属錯体:
-RおよびRは独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択され、好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aで表される基であり:
【化2】

式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは、任意に連結して環または環系を形成し;
好ましくは、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択され;
-それぞれのMは独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択され;
-それぞれのYは独立して、OおよびSからなる群から選択され;
-それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択され;
-それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルであり;
-RおよびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され;
好ましくは、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択され;
より好ましくは、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択され;
-前記置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【請求項3】
式IIIで表される、請求項1~2のいずれか1項に記載のジイミン金属錯体:
【化3】

式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルからなる群から選択され;
およびRはそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択され;
それぞれのMはニッケルであり;
それぞれのYはOであり;
それぞれのXは独立して、フッ素、塩素、および臭素からなる群から選択され;
それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルであり;
好ましくは、前記置換基Qは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【請求項4】
式Iaで表される、請求項1に記載のジイミン金属錯体:
【化4】

式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択され、R~Rは、任意に、連結して環または環系を形成し;
、R、R11、Y、M、およびXは、請求項1に定義されているとおりである。
【請求項5】
以下の特徴のうち少なくとも1つを有する、請求項4に記載のジイミン金属錯体:
-RおよびRは独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択され、好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aで表される基であり:
【化5】

式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C20シクロアルキル(本明細書における定義によれば、アルキルはシクロアルキルを包含するので、ここではシクロアルキルは冗長に思われる)、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは、任意に連結して環または環系を形成し;
好ましくは、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択され;
-それぞれのMは独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択され;
-それぞれのYは独立して、OおよびSからなる群から選択され;
-それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択され;
-それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルであり、
-前記置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【請求項6】
式IIaで表される、請求項4または5に記載のジイミン金属錯体:
【化6】

式中、R~R10はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、
、R、M、X、Y、およびR11は、請求項4に定義されているとおりである。
【請求項7】
式Iaの前記R~Rおよび式IIaの前記R~R10はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択され;
好ましくは、式Iaの前記R~Rおよび式IIaの前記R~R10はそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される、請求項4~6のいずれか1項に記載のジイミン金属錯体。
【請求項8】
式IIIaで表される、請求項4~7のいずれか1項に記載のジイミン金属錯体:
【化7】

式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択され;R~R10はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、およびC1~C6アルコキシからなる群から選択され;それぞれのMはニッケルであり;それぞれのYはOであり;それぞれのXは独立してハロゲンであり;それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルであり;
好ましくは、前記ジイミン金属錯体は、
1)R=R=イソプロピル、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
2)R=R=エチル、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
3)R=R=メチル、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
4)R~R=メチル、R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
5)R=R=メチル、R=Br、R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
6)R=R=Br、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
7)R=R=Cl、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
8)R=R=F、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
9)R=R=イソプロピル、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
10)R=R=エチル、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
11)R=R=メチル、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
12)R~R=メチル、R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
13)R=R=メチル、R=Br、R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
14)R=R=Br、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
15)R=R=Cl、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
16)R=R=F、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
17)R=R=イソプロピル、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
18)R=R=エチル、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
19)R=R=メチル、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
20)R~R=メチル、R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
21)R=R=メチル、R=Br、R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
22)R=R=Br、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
23)R=R=Cl、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
24)R=R=F、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
25)R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
26)R=R=エチル、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
27)R=R=メチル、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
28)R~R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
29)R=R=メチル、R=Br、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
30)R=R=Br、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
31)R=R=Cl、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;および
32)R=R=F、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体
からなる群から選択される。
【請求項9】
式Ibで表される、請求項1に記載のジイミン金属錯体:
【化8】

式中、RおよびRはそれぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C30ヒドロカルビルであり;R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択され、R~Rは、任意に連結して環または環系を形成し;それぞれのR12は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルであり;それぞれのYは独立して、VIA族の非金属原子であり;それぞれのMは独立して、VIII族の金属であり;それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビルオキシからなる群から選択される。
【請求項10】
以下の特徴のうち少なくとも1つ有する、請求項9に記載のジイミン金属錯体:
-RおよびRは独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択され、好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aで表される基である:
【化9】

式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C20シクロアルキル(本明細書における定義によれば、アルキルはシクロアルキルを包含するので、ここではシクロアルキルは冗長に思われる)、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは、任意に連結して環または環系を形成し;
好ましくは、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択され;
-それぞれのMは独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択され;
-それぞれのYは独立して、OおよびSからなる群から選択され;
-それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択され;
-それぞれのR12は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルであり;
-前記置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【請求項11】
式IIIbで表される、請求項9または10に記載のジイミン金属錯体:
【化10】

式中、R~R11はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、
M、X、Y、およびR12は、請求項9に定義されているとおりである。
【請求項12】
~R11はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択され;
好ましくは、R~R11はそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される、請求項9~11のいずれか1項に記載のジイミン金属錯体。
【請求項13】
1)R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
2)R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
3)R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
4)R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
5)R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
6)R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
7)R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
8)R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
9)R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
10)R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
11)R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
12)R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
13)R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
14)R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
15)R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
16)R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
17)R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
18)R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
19)R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
20)R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
21)R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
22)R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
23)R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
24)R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
25)R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
26)R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
27)R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
28)R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
29)R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
30)R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
31)R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
32)R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体
からなる群から選択される、請求項9~12のいずれか1項に記載のジイミン金属錯体。
【請求項14】
式Icで表される、請求項1に記載のジイミン金属錯体:
【化11】

式中、R21~R24はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、R21~R24は、任意に連結して環または環系を形成し;
、R、R11、Y、M、およびXは、請求項1に定義されているとおりである。
【請求項15】
以下の特徴のうち少なくとも1つを有する、請求項14に記載のジイミン金属錯体:
-RおよびRは独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択され、好ましくは、Rおよび/またはRは式Aで表される基であり:
【化12】

式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C20シクロアルキル(本明細書における定義によれば、アルキルはシクロアルキルを包含するので、ここではシクロアルキルは冗長に思われる)、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは、任意に連結して環または環系を形成し;
好ましくは、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択され;
-それぞれのMは独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択され;
-それぞれのYは独立して、OおよびSからなる群から選択され;
-それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択され;
-それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルであり;
-前記置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【請求項16】
式IIIcで表される構造を有する、請求項14または15に記載のジイミン金属錯体:
【化13】

式中、R~R10、R21~R24はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~R10は、任意に連結して環または環系を形成し、R21~R24は、任意に連結して環または環系を形成し;
11、Y、M、およびXは、請求項14に定義されているとおりである。
【請求項17】
~R10、R21~R24はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択され;
好ましくは、R~R10、R21~R24はそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される、請求項14~16のいずれか1項に記載のジイミン金属錯体。
【請求項18】
1)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
2)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
3)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
4)R~R=メチル、R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
5)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
6)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
7)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
8)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
9)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
10)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
11)R~R=メチル、R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
12)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
13)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
14)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
15)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
16)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
17)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
18)R~R=メチル、R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
19)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
20)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
21)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
22)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
23)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
24)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
25)R~R=メチル、R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
26)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
27)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
28)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
【化14】

29)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
30)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
31)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
32)R~R=メチル、R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
33)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
34)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
35)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
36)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
37)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
38)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
39)R~R=メチル、R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
40)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
41)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
42)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
43)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
44)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
45)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
46)R~R=メチル、R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
47)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
48)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
49)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
50)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
51)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
52)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
53)R~R=メチル、R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
54)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
55)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
56)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体
からなる群から選択される、請求項14~17のいずれか1項に記載のジイミン金属錯体。
【請求項19】
式IVで表されるジイミン化合物をMXおよびR11YHと反応させて、式Iで表されるジイミン金属錯体を生成する工程1)を含む、請求項1に記載のジイミン金属錯体の調製方法であって、
【化15】

式IV中の前記R、前記R、前記R、および前記Rは、式Iについて請求項1で定義されているとおりの意味を有し;
前記MX中のMおよびXは、式Iについて請求項1で定義されているとおりの意味を有し、nは、Mの原子価状態を満たすXの数であり;
前記R11YH中のYおよびR11は、式Iについて請求項1で定義されているとおりの意味を有する、ジイミン金属錯体の調製方法。
【請求項20】
工程1)における反応は、有機溶媒、好ましくは、ハロゲン化アルカンであり、より好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒中で行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
オレフィン重合における、請求項1~18のいずれか1項に記載のジイミン金属錯体の、使用。
【請求項22】
請求項1~18のいずれか1項に記載のジイミン金属錯体、助触媒、および/または連鎖移動剤を含むオレフィン重合用の触媒であって、
好ましくは、前記助触媒は、有機アルミニウム化合物および有機ホウ素化合物からなる群から選択され;好ましくは、前記有機アルミニウム化合物は、アルキルアルミノキサン、アルキルアルミニウム、およびアルキルアルミニウムハライドから選択される1つ以上であり;好ましくは、前記有機ホウ素化合物が芳香族ヒドロカルビルホウ素およびホウ酸塩から選択される1つ以上である、オレフィン重合用の触媒。
【請求項23】
請求項1~18のいずれか1項に記載のジイミン金属錯体または請求項22に記載の触媒の存在下でオレフィン重合反応を行う工程を含み、好ましくは、重合反応の温度は-78℃~200℃、好ましくは、-20℃~150℃の範囲であり、重合圧力は、0.01~10.0MPa、好ましくは、0.01~2.0MPaの範囲である、オレフィン重合の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、ジイミン金属錯体、その調製方法、およびその利用に関する。
【0002】
〔背景技術〕
ポリオレフィン樹脂は、他の樹脂材料に比べて、環境適合性に優れているため、産業および生活用品に広く使用されている。ポリエチレン樹脂は、重要なポリオレフィン樹脂である。市販のポリエチレン触媒には、チーグラー-ナッタ型触媒(例えば、ドイツ特許第889229号(1953);イタリア特許第545332号(1956)およびイタリア特許第536899号(1955);Chem. Rev., 2000, 100, 1169およびその中の関連する参考文献を参照のこと)、フィリップス型触媒(例えば、ベルギー特許第530617号(1955);Chem. Rev. 1996, 96, 3327を参照のこと)、およびメタロセン型触媒(例えば、W. Kaminsky, Metalorganic Catalysts for Synthesis and Polymerization, Berlin: Springer, 1999を参照のこと)、ならびに近年急速に開発された後期遷移金属錯体型高効率エチレンオリゴマー化および重合触媒が含まれる。例えば、1995年、Brookhartらは、高活性でエチレンを重合することができるα-ジイミンNi(II)錯体のクラスを報告した。
【0003】
α-ジイミンニッケル触媒は、それらの高活性および得られるポリマーの分子量および分枝度における大きな調節性のために、多くの注目を集めている。Du Pontを含む会社は、複数の特許出願を提出している(WO96/23010、WO98/03521、WO98/40374、WO99/05189、WO99/62968、WO00/06620、US6,103,658、US6,660,677)。このようなα-ジイミンニッケル触媒は、メチルアルミノキサンまたはアルキルアルミニウムの作用下、常温または低温で、高活性でエチレンオリゴマー化または重合を触媒することができる。しかしながら、反応温度を50℃超に上昇させる場合、このようなα-ジイミドニッケル触媒の活性は一般的に急速に低下し、調製したポリエチレンの分子量は重合温度が上昇するにつれて急速に低下する。
【0004】
既存のエチレン気相重合方法は、通常、85℃以上の重合温度を必要とし、エチレン溶液重合方法は、通常、130~250℃の重合温度を必要とする。したがって、既存の気相および溶液エチレン重合装置の要件を満たすために、80℃以上などの比較的高温での使用に適した後期遷移金属触媒を開発する必要がある。
【0005】
〔発明の概要〕
従来技術の欠点を克服するために、本発明者らは鋭意研究を行った。結果として、ジイミン-金属錯体のクラスが良好な熱安定性を有することが見出された。特に、ジイミン-金属錯体はより高い温度で依然としてより高いエチレン重合活性を維持することができ、得られるポリマーはより狭い分子量分布を有する。
【0006】
本発明の目的は、式Iで示されるジイミン金属錯体を提供することである:
【0007】
【化1】
【0008】
式中、RおよびRはそれぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C30ヒドロカルビルであり;RおよびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択され、隣り合うR基およびR基は、任意に連結して環または環系を形成し;それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルであり;それぞれのYは独立して、VIA族の非金属原子であり;それぞれのMは独立して、VIII族の金属であり;それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビルオキシからなる群から選択される。
【0009】
本発明の別の目的は、ジイミン金属錯体の調製方法を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、オレフィン重合におけるジイミン-金属錯体の使用を提供することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、ジイミン-金属錯体またはそれを含む触媒の存在下でオレフィン重合反応を行うことを含む、オレフィン重合の方法を提供することである。
【0012】
〔好ましい実施形態の詳細な説明〕
第1の態様では、本発明は、式Iで表されるジイミン金属錯体を提供する:
【0013】
【化2】
【0014】
式中、RおよびRはそれぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C30ヒドロカルビルであり;RおよびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択され、隣り合うR基およびR基は、任意に連結して環または環系を形成し;それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルであり;それぞれのYは独立して、VIA族の非金属原子であり;それぞれのMは独立して、VIII族の金属であり;それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビルオキシからなる群から選択される。
【0015】
いくつかの実施形態では、RおよびRは独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択される。好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aで表される基である:
【0016】
【化3】
【0017】
式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは、任意に連結して環または環系を形成する。
【0018】
好ましくは、式Aにおいて、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。
【0019】
いくつかの実施形態では、それぞれのMは独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される。
【0020】
いくつかの実施形態では、それぞれのYは独立して、OおよびSからなる群から選択される。
【0021】
いくつかの実施形態では、それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【0022】
いくつかの実施形態では、それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである。
【0023】
いくつかの実施形態では、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択される。好ましくは、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。より好ましくは、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される。
【0024】
いくつかの実施形態では、置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシおよびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。好ましくは、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、および3,3-ジメチルブチルからなる群から選択される。好ましくは、C1~C6アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、n-ペントキシ、イソ-ペントキシ、n-ヘキソキシ、イソ-ヘキソキシ、および3,3-ジメチルブトキシからなる群から選択される。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
【0026】
いくつかの実施形態では、本発明に係るジイミン金属錯体は、式IIIで示されるとおりである:
【0027】
【化4】
【0028】
式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルからなる群から選択され;
およびRはそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択され;
それぞれのMはニッケルであり;
それぞれのYはOであり;
それぞれのXは独立して、フッ素、塩素、および臭素からなる群から選択され;
それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルであり;
好ましくは、置換基Qは独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【0029】
サブ態様(subaspect)では、本発明に係るジイミン金属錯体は、式Iaで示されるとおりである:
【0030】
【化5】
【0031】
式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択され、R~Rは任意に連結して環または環系を形成し;R、R、R11、Y、M、およびXは、式Iについて上記に定義されたとおりである。
【0032】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、RおよびRは独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択される。好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aで表される基である:
【0033】
【化6】
【0034】
式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは、任意に連結して環または環系を形成する。好ましくは、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。
【0035】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのMは独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される。
【0036】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのYは独立して、OおよびSからなる群から選択される。
【0037】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【0038】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである。
【0039】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。好ましくは、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、および3,3-ジメチルブチルからなる群から選択される。好ましくは、C1~C6アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、n-ペントキシ、イソ-ペントキシ、n-ヘキソキシ、イソ-ヘキソキシ、および3,3-ジメチルブトキシからなる群から選択される。
【0040】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、ジイミン金属錯体が式IIaで示されるとおりである:
【0041】
【化7】
【0042】
式中、R~R10はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、
、R、M、X、Y、およびR11は式Iaについて上記で定義したとおりである。
【0043】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、式IaのR~Rおよび式IIaのR~R10はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。好ましくは、式IaのR~Rおよび式IIaのR~R10はそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される。
【0044】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、ジイミン金属錯体が式IIIaで示されるとおりである:
【0045】
【化8】
【0046】
式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択され;R~R10は独立して、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、およびC1~C6アルコキシからなる群から選択され;それぞれのMはニッケルであり;それぞれのYはOであり;それぞれのXは独立してハロゲンであり;それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである。
【0047】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、本発明に係るジイミン金属錯体は、
1)R=R=イソプロピル、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
2)R=R=エチル、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
3)R=R=メチル、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
4)R~R=メチル、R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
5)R=R=メチル、R=Br、R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
6)R=R=Br、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
7)R=R=Cl、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
8)R=R=F、R=R=R=R~R10=H、R11=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
9)R=R=イソプロピル、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
10)R=R=エチル、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
11)R=R=メチル、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
12)R~R=メチル、R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
13)R=R=メチル、R=Br、R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
14)R=R=Br、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
15)R=R=Cl、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
16)R=R=F、R=R=R=R~R10=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
17)R=R=イソプロピル、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
18)R=R=エチル、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
19)R=R=メチル、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
20)R~R=メチル、R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
21)R=R=メチル、R=Br、R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
22)R=R=Br、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
23)R=R=Cl、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
24)R=R=F、R=R=R=R~R10=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
25)R=R=イソプロピル、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
26)R=R=エチル、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
27)R=R=メチル、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
28)R~R=メチル、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
29)R=R=メチル、R=Br、R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
30)R=R=Br、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;
31)R=R=Cl、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体;および
32)R=R=F、R=R=R=R=R=R=R10=H、R=R=メチル、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIaで表される錯体
からなる群から選択される。
【0048】
サブ態様では、本発明に係るジイミン金属錯体は、式Ibで表される:
【0049】
【化9】
【0050】
式中、RおよびRはそれぞれ独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C30ヒドロカルビルであり;R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルからなる群から選択され、R~Rは、任意に連結して環または環系を形成し;それぞれのR12は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルであり;それぞれのYは独立して、VIA族の非金属原子であり;それぞれのMは独立して、VIII族の金属であり;それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10ヒドロカルビルオキシからなる群から選択される。
【0051】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、RおよびRは独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキルおよび置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択される。好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aによって表される基である:
【0052】
【化10】
【0053】
式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは、任意に連結して環または環系を形成する。好ましくは、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。
【0054】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのMは独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される。
【0055】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのYは独立して、OおよびSからなる群から選択される。
【0056】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【0057】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのR12は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである。
【0058】
本サブ態様のいくつかの実施形態において、置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。好ましくは、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、および3,3-ジメチルブチルからなる群から選択される。好ましくは、C1~C6アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、n-ペントキシ、イソ-ペントキシ、n-ヘキソキシ、イソ-ヘキソキシ、および3,3-ジメチルブトキシからなる群から選択される。
【0059】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、ジイミン金属錯体は、式IIIbで表される:
【0060】
【化11】
【0061】
式中、R~R11はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、M、X、Y、およびR12は、式Ibについて上記で定義したとおりである。
【0062】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、R~R11はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。好ましくは、R~R11はそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される。
【0063】
このサブ態様のいくつかの実施形態では、本発明に係るジイミン金属錯体は、
1)R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
2)R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
3)R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
4)R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
5)R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
6)R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
7)R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
8)R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=R11=R12=メチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
9)R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
10)R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
11)R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
12)R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
13)R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
14)R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
15)R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
16)R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
17)R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
18)R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
19)R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
20)R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
21)R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
22)R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
23)R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
24)R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=R11=メチル、R12=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
25)R=R=メチル、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
26)R=R=エチル、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
27)R=R=イソプロピル、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
28)R~R=メチル、R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
29)R=R=メチル、R=Br、R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
30)R=R=F、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
31)R=R=Cl、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体;
32)R=R=Br、R=R~R=R10=H、R=R=メチル、R11=ブロモメチル、R12=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIbで表されるジイミン金属錯体
からなる群から選択される。
【0064】
別のサブ態様では、本発明に係るジイミン金属錯体は、式Icで表される:
【0065】
【化12】
【0066】
式中、R21~R24はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C20ヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、R21~R24は、任意に連結して環または環系を形成し;R、R、R11、Y、M、およびXは式Iについて上記で定義されているとおりである。
【0067】
本サブ態様のいくつかの実施形態ではRおよびRは独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキルおよび置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールからなる群から選択される。好ましくは、Rおよび/またはRは、式Aで表される基であり:
【0068】
【化13】
【0069】
式中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~Rは、任意に連結して環または環系を形成する。好ましくは、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。
【0070】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのMは独立して、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される。
【0071】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのYは独立して、OおよびSからなる群から選択される。
【0072】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのXは独立して、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキル、および置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルコキシからなる群から選択される。
【0073】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、それぞれのR11は独立して、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、好ましくは、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、より好ましくは置換基Qを有するまたは有さないC1~C6アルキルである。
【0074】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、置換基Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、およびハロゲン化C1~C10アルコキシからなる群から、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、およびハロゲン化C1~C6アルコキシからなる群から選択される。好ましくは、C1~C6アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、および3,3-ジメチルブチルからなる群から選択される。好ましくは、C1~C6アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、n-ペントキシ、イソ-ペントキシ、n-ヘキソキシ、イソ-ヘキソキシ、および3,3-ジメチルブトキシからなる群から選択される。
【0075】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、本発明に係るジイミン金属錯体は、式IIIcで表される構造を有し:
【0076】
【化14】
【0077】
式中、R~R10、R21~R24はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシからなる群から選択され、R~R10は任意に連結して環または環系を形成し、R21~R24は、任意に連結して環または環系を形成し;R11、Y、M、およびXは式Icについて上記で定義されているとおりである。
【0078】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、R~R10、R21~R24はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。好ましくは、R~R10、R21~R24はそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される。
【0079】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、本発明のジイミン金属錯体は、式IIcで表される構造を有し:
【0080】
【化15】
【0081】
式中、R31~R34は、式IcにおけるR21~R24と同じ意味を有し、好ましくは、R33およびR34は水素であり、R11、Y、M、およびXは、式Icについて上記で定義されているとおりである。
【0082】
いくつかの実施形態では、R31~R34はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C20アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C20アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C20アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C20アルカリルオキシ、およびハロゲンからなる群から選択される。好ましくは、R31~R34はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルキル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケニル、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキニル、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルキル、置換基Qを有するまたは有さないC1~C10アルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルケノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC2~C10アルキノキシ、置換基Qを有するまたは有さないC3~C10シクロアルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリール、置換基Qを有するまたは有さないC6~C15アリールオキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルキル、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アラルコキシ、置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリル、および置換基Qを有するまたは有さないC7~C15アルカリルオキシからなる群から選択される。より好ましくは、R31~R34はそれぞれ独立して、水素、C1~C10アルキル、ハロゲン化C1~C10アルキル、C1~C10アルコキシ、ハロゲン化C1~C10アルコキシ、およびハロゲンからなる群から、より好ましくは、水素、C1~C6アルキル、ハロゲン化C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン化C1~C6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から選択される。
【0083】
本サブ態様のいくつかの実施形態では、本発明のジイミン金属錯体は
1)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
2)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
3)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
4)R~R=メチル、R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
5)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
6)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
7)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
8)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
9)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
10)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
11)R~R=メチル、R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
12)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
13)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
14)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R21=R22=R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
15)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
16)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
17)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
18)R~R=メチル、R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
19)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
20)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
21)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
22)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
23)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
24)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
25)R~R=メチル、R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
26)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
27)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
28)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R22=H、R21=tert-ブチル、R23=R24=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIcで表される錯体;
【0084】
【化16】
【0085】
29)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
30)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
31)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
32)R~R=メチル、R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
33)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
34)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
35)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
36)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
37)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
38)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
39)R~R=メチル、R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
40)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
41)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
42)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=R31=R32=H、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
43)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
44)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
45)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R1=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
46)R~R=メチル、R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
47)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
48)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
49)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
50)R=R=R=R=イソプロピル、R=R=R~R10=H、R31=R32=R11=エチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
51)R=R=R=R=エチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
52)R=R=R=R=メチル、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
53)R~R=メチル、R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
54)R=R=R=R=Br、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
55)R=R=R=R=Cl、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体;
56)R=R=R=R=F、R=R=R~R10=H、R31=R32=エチル、R11=イソブチル、M=Ni、Y=O、X=Brである、式(IIIc’)で表される錯体
からなる群から選択される。
【0086】
第2の態様において、本発明は式IVで表されるジイミン化合物をMXおよびR11YHと反応させて、式Iで表されるジイミン金属錯体を形成する工程1)を含む、上記のジイミン金属錯体の調製方法を提供し、
【0087】
【化17】
【0088】
式IV中のR、R、R、およびRは、式Iと同じ定義を有し;
MX中のMおよびXは、式Iと同じ定義を有し、nは、1、2、3などのMの原子価状態を満たすXの数であり;
11YH中のYおよびR11は、式Iと同じ定義を有する。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態によれば、工程1)における反応は有機溶媒中で行われ、有機溶媒は、好ましくは、ハロゲン化アルカンであり、より好ましくは、有機溶媒は、ジクロロメタン、トリクロロメタン、および1,2-ジクロロエタンから選択される1つ以上である。本発明のいくつかの実施形態によれば、工程1)における反応は、15~40℃で行われる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態では、MXは、ニッケルブロマイドおよびニッケルクロライドなどのニッケルハライド、1,2-ジメトキシエタンニッケルブロマイドおよび1,2-ジメトキシエタンニッケルクロライドなどの1,2-ジメトキシエタンニッケルハライドを含む。
【0091】
第3の態様において、本発明は、オレフィン重合における上記のジイミン金属錯体の使用を提供する。好ましくは、オレフィンは、エチレンおよび極性基を含むα-オレフィンを含む。
【0092】
第4の態様において、本発明はオレフィン重合用の触媒を提供し、当該触媒は、上記ジイミン金属錯体を含む。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記触媒は、有機アルミニウム化合物および/または有機ホウ素化合物からなる群から選択される助触媒をさらに含み;前記有機アルミニウム化合物は独立して、一般式AlR 3-n(アルキルアルミニウムまたはアルキルアルミニウムハライド)のアルキルアルミノキサンまたは有機アルミニウム化合物からなる群から選択され、式中、RはH、C~C20ヒドロカルビル、またはC~C20ヒドロカルビルオキシ、好ましくは、C~C20アルキル、C~C20アルコキシ、C~C20アラルキル、またはC~C20アリールであり;Xはハロゲン、好ましくは、塩素または臭素であり;0<n≦3である。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態によれば、有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミノキサン(MAO)、および修飾メチルアルミノキサン(MMAO)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、有機アルミニウム化合物はメチルアルミノキサン(MAO)である。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態によれば、有機ホウ素化合物は、芳香族ヒドロカルビルホウ素化合物およびホウ酸塩からなる群から選択される。芳香族ヒドロカルビルホウ素化合物は、好ましくは、置換または非置換フェニルホウ素であり、より好ましくは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素である。ホウ酸塩は、好ましくは、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩および/またはトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩である。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態によれば、助触媒が有機アルミニウム化合物である場合、主触媒中のMに対する助触媒中のアルミニウムのモル比は(10~10):1、例えば、10:1、20:1、50:1、100:1、200:1、300:1、500:1、700:1、800:1、1,000:1、2,000:1、3,000:1、5,000:1、10,000:1、100,000:1、1,000,000:1、10,000,000:1、およびこれらの間の任意の値、好ましくは、(10~100000):1、より好ましくは、(100~10,000):1であり;助触媒が有機ホウ素化合物である場合、主触媒中のMに対する助触媒中のホウ素のモル比は(0.1~1000):1、例えば、0.1:1、0.2:1、0.5:1、1:1、2:1、3:1、5:1、8:1、10:1、20:1、50:1、100:1、200:1、300:1、500:1、700:1、800:1、1,000:1、およびこれらの間の任意の値、好ましくは、(0.1~500):1である。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態によれば、触媒は、アルキルアルミニウム、アルキルマグネシウム、アルキルホウ素、およびアルキル亜鉛から選択される1つ以上である連鎖移動剤をさらに含み、主触媒中のMに対する連鎖移動剤のモル比は、(0.1~5,000):1である。
【0098】
本発明により提供される触媒は、オレフィンの単独重合または共重合、特にエチレンの単独重合、またはエチレンと、他のα-オレフィンもしくはヒドロキシルおよびカルボキシル基などの極性官能基を有するオレフィンとの共重合に使用することができる。α-オレフィンは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、4-メチルペンテン-1などから選択される少なくとも1つである。極性官能基を有するオレフィンは、1つ以上のヒドロキシル基および/または1つ以上のカルボキシル基を含むビニルモノマーであってもよい。ビニルモノマーの同じ分子は、複数の異なる極性基を含むことができる。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態によれば、本発明の触媒を使用することによって重合されるオレフィンは、C2~C16オレフィンである。好ましくは、オレフィンは、エチレンまたは3~16個の炭素原子を有するα-オレフィンである。
【0100】
第5の態様において、本発明は、重合反応の温度は-78℃~200℃、好ましくは-20℃~150℃の範囲、重合圧力は0.01~10.0MPa、好ましくは、0.01~2.0MPaの範囲で、上記のジイミン金属錯体または上記の触媒の存在下で、単独重合または共重合などのオレフィン重合反応を行うことを含む、オレフィン重合方法を提供する。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態によれば、オレフィンは、C2~C16オレフィンを含む。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態によれば、オレフィンは、C2~C16α-オレフィンを含む。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態によれば、オレフィンは、エチレンを含む。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態によれば、オレフィンは、エチレンおよび極性基を含むα-オレフィンを含む。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態によれば、重合温度は、-78℃~200℃、好ましくは-20℃~150℃の範囲である。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態によれば、重合圧力は、0.01~10.0MPa、好ましくは0.01~2.0MPaの範囲である。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態によれば、重合は、溶媒中でオレフィンモノマーを使用することによって行われ、重合のための溶媒は、アルカン、芳香族炭化水素、およびハロゲン化炭化水素から選択される1つ以上である。
【0108】
本発明のいくつかの具体的な実施形態によれば、重合のための溶媒は、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、およびジクロロエタンから選択される1つ以上、好ましくは、ヘキサン、トルエン、およびヘプタンの1つ以上である。
【0109】
本発明において、用語「アルキル」は、直鎖アルキル、分枝鎖アルキル、またはシクロアルキルを指し、例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-デシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、4-エチルシクロヘキシル、4-n-プロピルシクロヘキシル、および4-n-ブチルシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
本発明において、アリールの例としては、フェニル、4-メチルフェニル、4-エチルフェニル、ジメチルフェニル、ビニルフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
本発明において、用語「アルケニル」は、直鎖アルケニル、分枝鎖アルケニル、またはシクロアルケニルを指し、例としては、ビニル、アリル、ブテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
本発明において、アラルキルの例としては、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニル-n-プロピル、フェニルイソプロピル、フェニル-n-ブチル、およびフェニル-tert-ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
本発明において、アルカリルの例としては、トリル、エチルフェニル、n-プロピルフェニル、イソプロピルフェニル、n-ブチルフェニル、およびtert-ブチルフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
従来技術と比較して、本発明は以下の利点を有する:
1.本発明の錯体の合成方法は、単純かつ実施が容易であり、それによって、三核錯体を配位子から直接的に調製することができる。
【0115】
2.本発明の触媒は、有機アルミニウムまたは有機ホウ素助触媒の作用を受けて、高活性でエチレンの重合を触媒することができ、とりわけ、より高い重合温度で高い重合活性を維持することができる。(以前の文献または特許において報告されているジイミンニッケル触媒の活性は50度を超えると大幅に減衰し、分子量は大幅に減少する)。
【0116】
3.本発明の触媒は、α-オレフィンまたは極性モノマーとの良好な共重合性能を有する。
【0117】
〔実施例〕
本発明は実施例に関連して以下に詳細に記載されるが、本実施例は本発明を例示的に説明するためにのみ使用され、本発明の保護範囲に対するいかなる限定も構成しないことを理解されたい。本発明の発明思想の範囲に含まれる全ての合理的な変更および組み合わせは、本発明の範囲に含まれる。
【0118】
本発明に用いた分析特性評価装置および試験方法は、次のとおりである:
1.核磁気共鳴装置:Bruker DMX 300(300MHz)、内部標準としてテトラメチルケイ素(TMS)を用いた。
【0119】
2.ポリマーの分子量および分子量分布PDI(PDI=Mw/Mn):PL-GPC220クロマトグラフ、溶媒としてトリクロロベンゼンを用い、150℃で測定(標準試料:PS;流速:1.0mL/min;カラム:3×PLgel 10um M1×ED-B 300×7.5nm)。
【0120】
3.活性測定方法:ポリマー重量(g)/ニッケル(mol)×2。
【0121】
4.錯体の構造解析:単結晶試験解析、Rigaku RAXIS Rapid IP回折計を用いた。
【0122】
5.ポリマーのコモノマー含有量の分析:ポリマー試料を120℃で1,2,4-トリクロロベンゼンに溶解した状態で、10mm PASEX 13プローブを使用して、400MHz Bruker Avance 400核磁気共鳴分光計で記録したH NMRおよび13C NMRスペクトルを通して測定した。
【0123】
〔実施例1-錯体Niの調製〕
【0124】
【化18】
【0125】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.175g(0.6mmol)の配位子Lのジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下し、得られた混合物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Niを黄色の粉末状固体として得た。収率:70.2%。元素分析(C4458BrNiについて計算):C、39.72;H、4.39;N、4.21;実験値(%):C、39.38;H、4.60;N、3.96。
【0126】
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.3mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0127】
〔実施例2〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.3mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0128】
〔実施例3〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.3mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0129】
〔実施例4〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に3.3mg(2.5μmol)の錯体Ni、6mLの10-ウンデセン-1-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表1に示す。
【0130】
〔実施例5〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に3.3mg(2.5μmol)の錯体Ni、5.52gの10-ウンデセン酸、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表1に示す。
【0131】
〔実施例6-錯体Niの調製〕
【0132】
【化19】
【0133】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.243g(0.6mmol)の配位子Lのジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下し、得られた混合物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Niを黄色の粉末状固体として得た。収率:74.0%。元素分析(C6090BrNiについて計算):C、46.35;H、5.83;N、3.60;実験値(%):C、46.48;H、6.12;N、3.50。
【0134】
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.9mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0135】
〔実施例7〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.9mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0136】
〔実施例8〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.9mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0137】
〔実施例9〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に3.9mg(2.5μmol)の錯体Ni、6mLの10-ウンデセン-1-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表1に示す。
【0138】
〔実施例10〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に3.9mg(2.5μmol)の錯体Ni、5.52gの10-ウンデセン酸、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表1に示す。
【0139】
〔実施例11-錯体Niの調製〕
【0140】
【化20】
【0141】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrの2-メチル-1-プロパノール溶液(10mL)を、0.243g(0.6mmol)の配位子Lのジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下し、得られた混合物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Niを黄色の粉末状固体として得た。収率:74.5%。元素分析(C6498BrNiについて計算):C、47.71;H、6.13;N、3.48;実験値(%):C、47.48;H、6.42;N、3.29。
【0142】
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.0mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0143】
〔実施例12-錯体Niの調製〕
【0144】
【化21】
【0145】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.272g(0.6mmol)の配位子Lのジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Niを茶褐色の粉末状固体として得た。収率:74.1%。元素分析(C6462BrNiについて計算):C、46.57;H、3.79;N、3.39;実験値(%):C、46.72;H、3.97;N、3.48。
【0146】
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.1mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0147】
〔比較例1〕
10Atmエチレン:130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、7.7mg(15μmol)の触媒化合物Aを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0148】
【化22】
【0149】
〔比較例2〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、7.7mg(15μmol)の触媒化合物Aを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0150】
〔比較例3〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、7.7mg(15μmol)の触媒化合物Aを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0151】
【表1】
【0152】
表1から、比較例の錯体と比較して、本発明の金属錯体を主触媒として用いた場合、高温重合状態下での重合活性がより高く、得られた重合体の分子量分布は、比較例で得られた重合体の分子量分布よりも著しく低いことが分かる。
【0153】
〔実施例13-錯体Niの調製〕
【0154】
【化23】
【0155】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.233g(0.6mmol)の配位子Lのジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Niを茶褐色の粉末状固体として得た。収率:78.2%。元素分析(C6058BrNiについて計算):C、47.33;H、3.84;N、3.68;実験値(%):C、47.38;H、4.00;N、3.46。
【0156】
エチレン重合:
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.8mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0157】
〔実施例14〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.8mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0158】
〔実施例15〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.8mg(5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表1に示す。
【0159】
〔実施例16〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に3.8mg(2.5μmol)の錯体Ni、6mLの10-ウンデセン-1-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および6.5mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表1に示す。
【0160】
〔実施例17〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に3.8mg(2.5μmol)の錯体Ni、5.52gの10-ウンデセン酸、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および6.5mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表1に示す。
【0161】
〔実施例18-錯体Niの調製〕
【0162】
【化24】
【0163】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.300g(0.6mmol)の配位子Lのジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Niを茶褐色の粉末状固体として得た。収率:74.0%。元素分析(C7690BrNiについて計算):C、52.25;H、5.19;N、3.21;実験値(%):C、52.48;H、5.52;N、3.10。
【0164】
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.4mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表2に示す。
【0165】
〔実施例19〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.4mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表2に示す。
【0166】
〔実施例20〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.4mg(5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果を以下の表2に示す。
【0167】
〔実施例21〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に4.4mg(2.5μmol)の錯体Ni、6mLの10-ウンデセン-1-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および6.5mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表2に示す。
【0168】
〔実施例22〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に4.4mg(2.5μmol)の錯体Ni、5.52gの10-ウンデセン酸、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および6.5mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表2に示す。
【0169】
〔実施例23-錯体Niの調製〕
【0170】
【化25】
【0171】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrの2-メチル-1-プロパノール溶液(10mL)を、0.300g(0.6mmol)の配位子Lのジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Niを茶褐色の粉末状固体として得た。収率:74.0%。元素分析(C8098BrNiについて計算):C、53.29;H、5.48;N、3.11;実験値(%):C、53.28;H、5.82;N、3.29。
【0172】
エチレン重合:
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.5mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表2に示す。
【0173】
〔実施例24-錯体Niの調製〕
【0174】
【化26】
【0175】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.389g(0.6mmol)の配位子Lのジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌した後、無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Niを茶褐色の粉末状固体として得た。収率:74.1%。元素分析(C5234Br14Niについて計算):C、30.59;H、1.68;N、2.74;実験値(%):C、30.72;H、1.97;N、2.48。
【0176】
エチレン重合:130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、5.1mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表2に示す。
【0177】
〔実施例25-錯体Niの調製〕
【0178】
【化27】
【0179】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.249g(0.6mmol)の配位子Lのジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌した後、無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Niを茶褐色の粉末状固体として得た。収率:78.6%。元素分析(C6466BrNiについて計算):C、48.69;H、4.21;N、3.55;実験値(%):C、48.54;H、4.47;N、3.21。
【0180】
エチレン重合:130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.9mg(2.5μmol)の錯体Niを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表2に示す。
【0181】
〔実施例26-錯体Ni10の調製〕
【0182】
【化28】
【0183】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.317g(0.6mmol)の配位子Lのジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌した後、無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni10を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:75.2%。元素分析(C8098BrNiについて計算):C、53.29;H、5.48;N、3.11;実験値(%):C、53.62;H、5.87;N、3.00。
【0184】
エチレン重合:130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.5mg(2.5μmol)の錯体Ni10を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表2に示す。
【0185】
〔比較例4〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.6mg(7.5μmol)の触媒化合物Bを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表2に示す。
【0186】
【化29】
【0187】
〔比較例5〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.6mg(7.5μmol)の触媒化合物Bを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表2に示す。
【0188】
〔比較例6〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで6.5mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.6mg(7.5μmol)の触媒化合物Bを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、80℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表2に示す。
【0189】
【表2】
【0190】
表2から、比較例の錯体と比較して、本発明の金属錯体を主触媒として用いた場合、高温重合状態下での重合活性がはるかに高く、得られた重合体の分子量分布は、比較例で得られた重合体の分子量分布よりも著しく低いことが分かる。
【0191】
以下の実施例27~40に含まれる錯体の構造式は次の通りである:
【0192】
【化30】
【0193】
〔実施例27-錯体Ni11(R、Rはエチルであり;R、R~R、R10は水素であり;R、R、およびR11はメチルであり;R12はエチルであり;Mはニッケルであり、YはOであり、XはBrである、構造式IIIbで表される錯体)の調製:〕
窒素雰囲気下で、2,6-ジエチルアニリン(2.0mL、12mmol)を20mLのトルエンに溶解し、12mLのトリメチルアルミニウム(1.0M、12mmol)を室温で滴下した。反応物を2時間還流し、次いで系を室温まで冷却した。カンファーキノン(0.831g、5mmol)を加え、系を6時間還流した。反応生成物を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出し、乾燥させ、次いでカラムクロマトグラフィーを行い、黄色の配位子L10を得た。収率:69.2%。H-NMR(CDCl):δ6.94-6.92(m、6H、CAr-CH)、2.56-2.51(m、4H、CAr-CH)、2.36-2.31(m、4H、CAr-CH)、1.82-1.78(m、4H、CH)、1.54(m、1H)、1.24-1.18(m、12H)、1.09(s、3H、CH)、0.94(m、6H、CH)。
【0194】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.258g(0.6mmol)の配位子L10のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni11を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:78.2%。元素分析(C6490BrNiについて計算):C、47.96;H、5.66;N、3.50;実験値(%):C、47.48;H、6.00;N、3.26。
【0195】
エチレン重合:
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.0mg(2.5μmol)の錯体Ni11を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0196】
〔実施例28〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.0mg(2.5μmol)の錯体Ni11を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0197】
〔実施例3〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.0mg(2.5μmol)の錯体Ni11を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0198】
〔実施例29〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に4.0mg(2.5μmol)の錯体Ni11、6mLの10-ウンデセン-1-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表3に示す。
【0199】
〔実施例30〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に4.0mg(2.5μmol)の錯体Ni11、5.52gの10-ウンデセン酸、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表3に示す。
【0200】
〔実施例31-錯体Ni12(R、Rはイソプロピルであり;R、R~R、R10は水素であり;R、R、およびR11はメチルであり;R12はエチルであり;Mはニッケルであり、YはOであり、XはBrである、構造式IIIbで表される錯体)の調製:〕
窒素雰囲気下で、2,6-ジイソプロピルアニリン(2.4mL、12mmol)を20mLのトルエンに溶解し、12mLのトリメチルアルミニウム(1.0M、12mmol)を室温で滴下した。反応物を2時間還流し、次いで系を室温まで冷却した。カンファーキノン(0.831g、5mmol)を加え、系を6時間還流した。反応生成物を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出し、乾燥させ、次いでカラムクロマトグラフィーを行い、黄色の配位子L11を得た。収率:41.3%。H NMR(300MHz、CDCl)、δ(ppm):7.06-6.81(m、6H、Ar-H)、2.88(m、4H、CH(CH)、2.36(m、1H)、1.86(m、4H、CH)、1.24(d、24H、CH(CH)、0.96(s、6H、CH(カンフィル(camphyl)で))、0.77(s、3H、CH)。
【0201】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.291g(0.6mmol)の配位子L11のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni12を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:74.0%。元素分析(C72106BrNiについて計算):C、50.42;H、6.23;N、3.27;実験値(%):C、50.28;H、6.42;N、3.18。
【0202】
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.3mg(2.5μmol)の錯体Ni12を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0203】
〔実施例32〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.3mg(2.5μmol)の錯体Ni12を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0204】
〔実施例33〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.3mg(2.5μmol)の錯体Ni12を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果を以下の表3に示す。
【0205】
〔実施例34〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に4.3mg(2.5μmol)の錯体Ni12、6mLの10-ウンデセン-1-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表3に示す。
【0206】
〔実施例35〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に4.3mg(2.5μmol)の錯体Ni12、5.52gの10-ウンデセン酸、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性およびポリマー性能パラメーターを以下の表3に示す。
【0207】
〔実施例36-錯体Ni13(R、Rはイソプロピルであり;R、R~R、R10は水素であり;R、R、およびR11はメチルであり;R12はイソブチルであり;Mはニッケルであり、YはOであり、XはBrである、構造式IIIbで表される錯体)の調製:〕
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrの2-メチル-1-プロパノール溶液(10mL)を、0.291g(0.6mmol)の配位子L11のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌した後、無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni13を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:74.0%。元素分析(C76114BrNiについて計算):C、51.54;H、6.49;N、3.16;実験値(%):C、51.28;H、6.82;N、3.19。
【0208】
エチレン重合:130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.4mg(2.5μmol)の錯体Ni13を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0209】
〔実施例37-錯体Ni14(R、Rはフッ素であり;R、R~R、R10は水素であり;R、R、およびR11はメチルであり;R12はエチルであり;Mはニッケルであり、YはOであり、XはBrである、構造式IIIbで表される錯体)の調製:〕
窒素雰囲気下で、2,6-ジフルオロ-アニリン(1.3mL、12mmol)を20mLのトルエンに溶解し、12mLのトリメチルアルミニウム(1.0M、12mmol)を室温で滴下した。反応物を2時間還流し、次いで系を室温まで冷却した。カンファーキノン(0.831g、5mmol)を加え、系を6時間還流した。反応生成物を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出し、乾燥させ、次いでカラムクロマトグラフィーを行い、黄色の配位子L12を得た。収率:50.3%。HNMR(CDCl):δ[1.2:1の異性体比を有する]:主異性体:6.83-6.74(m、6H、CAr-CH)、1.93-1.90(m、4H、CH)、1.55(m、1Hl)、1.26(s、3H、CH)、1.06(s、6H、CH)、副異性体:6.91-6.84(m、6H、CAr-CH)、1.96-1.94(m、4H、CH)、1.55(m、1H、)、1.26(s、3H、CH)、1.02(s、6H、CH)。
【0210】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.233g(0.6mmol)の配位子L12のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni14を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:74.3%。元素分析(C4850BrNiについて計算):C、37.87;H、3.31;N、3.68;実験値(%):C、37.78;H、3.62;N、3.28。
【0211】
エチレン重合:
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.8mg(2.5μmol)の錯体Ni14を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0212】
〔実施例38-錯体Ni15(R~Rはメチルであり、R~RおよびR10は水素であり、R、R、およびR11はメチルであり、R12はエチルであり、Mはニッケルであり、YはOであり、XはBrである、構造式IIIbで表される錯体)の調製:〕
窒素雰囲気下で、2,4,6-トリメチル-アニリン(1.7mL、12mmol)を20mLのトルエンに溶解し、12mLのトリメチルアルミニウム(1.0M、12mmol)を室温で滴下した。反応物を2時間還流し、次いで系を室温まで冷却した。カンファーキノン(0.831g、5mmol)を加え、系を6時間還流した。反応生成物を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出し、乾燥させ、次いでカラムクロマトグラフィーを行い、黄色の配位子L13を得た。収率:62.5%。HNMR(300MHz、CDCl)、δ(ppm)[1.2:1の異性体比を有する]:主異性体:6.72(s、4H、Ar-H)、2.26-2.13(m、12H、CAr-CH)、1.87(s、6H、CAr-CH)、1.79(m、4H、CH)、1.42(m、1H)、1.26(s、3H、CH)、1.07(s、6H、CH);副異性体:6.67(s、4H、Ar-H)、2.09-2.01(m、12H、CAr-CH)、1.85(s、6H、CAr-CH)、1.79(m、4H、CH)、1.40(m、1H)、1.26(s、3H、CH)、0.94(s、6H、CH)。
【0213】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.240g(0.6mmol)の配位子L13のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni15を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:78.6%。元素分析(C6082BrNiについて計算):C、46.59;H、5.34;N、3.62;実験値(%):C、46.24;H、5.67;N、3.21。
【0214】
エチレン重合:130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、3.9mg(2.5μmol)の錯体Ni15を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0215】
〔実施例39-錯体Ni16(RおよびRはメチルであり、Rは臭素であり、R~RおよびR10は水素であり、R、R、およびR11はメチルであり、R12はエチルであり、Mはニッケルであり、YはOであり、XはBrである、構造式IIIbで表される錯体)の調製:〕
窒素雰囲気下で、2,6-ジメチル-4-ブロモ-アニリン(2.45g、12mmol)を20mLのトルエンに溶解し、12mLのトリメチルアルミニウム(1.0M、12mmol)を室温で滴下した。反応物を2時間還流し、次いで系を室温まで冷却した。カンファーキノン(0.831g、5mmol)を加え、系を6時間還流した。反応生成物を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出し、乾燥させ、次いでカラムクロマトグラフィーを行い、黄色の配位子L14を得た。収率:60.7%。HNMR(300MHz、CDCl)、δ(ppm)[1.1:1の異性体比を有する]:主異性体:7.05(s、4H、Ar-H)、2.18(m、12H、CAr-CH)、1.85(m、4H、CH)、1.37(m、1H)、1.26(s、3H、CH)、1.06(s、6H、CH);副異性体:7.02(s、4H、Ar-H)、2.04(m、12H、CAr-CH)、1.85(m、4H、CH)、1.37(m、1H)、1.26(s、3H、CH)、0.96(s、6H、CH)。
【0216】
0.278g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.318g(0.6mmol)の配位子L14のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni16を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:74.1%。元素分析(C5670Br10Niについて計算):C、37.24;H、3.91;N、3.10;実験値(%):C、37.38;H、4.30;N、3.03。
【0217】
エチレン重合:130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.5mg(2.5μmol)の錯体Ni16を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0218】
〔実施例40-錯体Ni17(RおよびRはイソプロピルであり、R、R~R、およびR10は水素であり、RおよびRはメチルであり、R11はCHBrであり;R12はエチルである、構造式IIIbで表される錯体)の調製:〕
窒素雰囲気下で、2,6-ジイソプロピル-アニリン(2.30mL、12mmol)を20mLのトルエンに溶解し、12mLのトリメチルアルミニウム(1.0M、12mmol)を室温で滴下した。反応物を2時間還流し、次いで系を室温まで冷却した。ジオン
【0219】
【化31】
【0220】
(1.225g、5mmol)を加え、系を6時間還流した。反応生成物を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出し、乾燥させ、次いでカラムクロマトグラフィーを行い、黄色の配位子L15を得た。収率:62.7%。H NMR(300MHz、CDCl)、δ(ppm):7.05-6.83(m、6H、Ar-H)、3.30(m、2H、CH)、2.80(m、4H、CH(CH)、1.55(m、1H)、1.83(m、4H、CH)、1.26(d、24H、CH(CH)、0.99(s、6H、CH)。
【0221】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.338g(0.6mmol)の配位子L15のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni17を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:80.2%。元素分析(C72104BrNiについて計算):C、46.17;H、5.60;N、2.99;実験値(%):C、46.24;H、5.80;N、3.13。
【0222】
エチレン重合:130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.7mg(2.5μmol)の錯体Ni17を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0223】
〔比較例7〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.8mg(7.5μmol)の触媒化合物Cを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0224】
【化32】
【0225】
〔比較例8〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.8mg(7.5μmol)の触媒化合物Cを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表3に示す。
【0226】
〔比較例9〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.8mg(7.5μmol)の触媒化合物Cを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果を以下の表3に示す。
【0227】
〔比較例10〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.7mg(7.5μmol)の触媒化合物Dを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、90℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。重合化活性は0.02×10g・mol-1(Ni)・h-1であり、その結果を以下の表3に示す。
【0228】
【化33】
【0229】
【表3】
【0230】
表3から、主触媒として使用した場合、本発明の金属錯体は、比較例7および8の錯体に比べて、高温重合状態下ではるかに高い重合活性を有し、得られたポリマーは、比較例で得られたポリマーよりも、分子量が著しく大きく、分子量分布が狭いことが分かる。
【0231】
〔実施例41〕
1)配位子L16(R、R、R、およびRはイソプロピルであり、R、R、R~R10、R21、およびR22は水素である、構造式Bで表される配位子)は、文献Organometallics, 2013, 32, 2291-2299に従って調製した。
【0232】
【化34】
【0233】
2)錯体Ni18(R、R、R、およびRはイソプロピルであり、R、R、R~R10、R21、およびR22は水素、R11はエチルであり、Mはニッケルであり、YはOであり、およびXがBrである、構造式IIIcによって表される錯体)の調製:
【0234】
【化35】
【0235】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.332g(0.6mmol)の配位子L16のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni18を赤色の粉末状固体として得た。収率:78.2%。元素分析(C8498BrNiについて計算):C、54.50;H、5.34;N、3.03;実験値(%):C、54.38;H、5.72;N、3.16。
【0236】
3)エチレン重合:
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.6mg(2.5μmol)の錯体Ni18を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表4に示す。
【0237】
〔実施例42〕
エチレン重合は、エチレン重合の温度を100℃としたこと以外は、実施例41に記載のエチレン重合の手順に従って行った。結果を以下の表4に示す。
【0238】
〔実施例43〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.6mg(2.5μmol)の錯体Ni18を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果を以下の表4に示す。
【0239】
〔実施例44〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に4.6mg(2.5μmol)の錯体Ni18、6mLの10-ウンデセン-1-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果を以下の表4に示す。
【0240】
〔実施例44A〕
エチレンと10-ウンデセン-1-オールとの共重合は、重合温度を100℃としたこと以外は、実施例44に記載の重合の手順に従って行った。結果を以下の表4に示す。
【0241】
〔実施例45〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に4.6mg(2.5μmol)の錯体Ni18、5.52gの10-ウンデセン酸、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果を以下の表4に示す。
【0242】
〔実施例45A〕
エチレンと10-ウンデセン酸との共重合は、重合温度を100℃としたこと以外は、実施例45に記載の重合の手順に従って行った。結果を以下の表4に示す。
【0243】
〔実施例46〕
1)配位子L17(R、R、R、およびRはエチルであり、R、R、R~R10、およびR22は水素であり、R21はtert-ブチルである、構造式Bで表される配位子)は、特許CN106397264に従うことによって調製した。
【0244】
2)錯体Ni19(R、R、R、およびRはエチルであり、R、R、R~R10、およびR22は水素であり、R21はtert-ブチルであり、R11はエチルであり、Mはニッケルであり、YはOであり、XはBrである、構造式IIIcで表される錯体)の調製:
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.365g(0.6mmol)の配位子L17のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni19を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:82.0%。元素分析(C92114BrNiについて計算):C、56.28;H、5.85;N、2.85;実験値(%):C、56.43;H、6.12;N、3.08。
【0245】
3)エチレン重合:
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.9mg(2.5μmol)の錯体Ni19を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表4に示す。
【0246】
〔実施例47〕
エチレン重合は、エチレン重合の温度を100℃としたこと以外は、実施例46に記載のエチレン重合の手順に従って行った。結果を以下の表4に示す。
【0247】
〔実施例48〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.9mg(2.5μmol)の錯体Ni19を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果を以下の表4に示す。
【0248】
〔実施例49〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に4.9mg(2.5μmol)の錯体Ni19、6mLの10-ウンデセン-1-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果を以下の表4に示す。
【0249】
〔実施例49A〕
エチレンと10-ウンデセン-1-オールとの共重合は、重合温度を100℃としたこと以外は、実施例49に記載の重合の手順に従って行った。結果を以下の表4に示す。
【0250】
〔実施例50〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、同時に4.9mg(2.5μmol)の錯体Ni19、5.52gの10-ウンデセン酸、30mLのAlEt(1.0mol/Lヘキサン溶液)、および5.0mLのMAO(1.53mol/Lトルエン溶液)を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間撹拌した。最後に反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果を以下の表4に示す。
【0251】
〔実施例50A〕
エチレンと10-ウンデセン酸との共重合は、重合温度を100℃としたこと以外は、実施例50に記載の重合の手順に従って行った。結果を以下の表4に示す。
【0252】
〔実施例51〕
1)配位子L18の調製:
化合物A:
【0253】
【化36】
【0254】
(1.77g、5.1mmol)および2,6-ジメチル-4-ブロモ-アニリン(2.3g、11.3mmol)を、触媒としてp-トルエンスルホン酸(0.02g)の存在下、100mLのトルエン中で1日間還流した。溶剤を濾過により除去し、残渣をジクロロメタンに溶解し、溶出液として石油エーテル/酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより分離し、黄色の固体を得た。収率:78%。H NMR(CDCl、δ、ppm):1.84(s、12H)、1.19ppm(s、18H)、4.70(s、2H)、7.04(8H)、7.12(s、2H)。
【0255】
2)錯体Ni20(R、R、R、およびRはメチルであり、RおよびRは臭素であり、R~R10およびR22は水素であり、R21はtert-ブチルであり、R11はエチルであり、Mはニッケルであり、YはOであり、XはBrである、構造式IIIcで表される錯体)の調製:
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.426g(0.6mmol)の配位子L18のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni20を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:82.0%。元素分析(C8494Br10Niについて計算):C、46.56;H、4.37;N、2.59;実験値(%):C、46.43;H、4.72;N、2.98。
【0256】
3)エチレン重合:
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、5.4mg(2.5μmol)の錯体Ni20を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表4に示す。
【0257】
〔実施例52〕
1)錯体Ni21(R、R、R、およびRはエチルであり、R、R、R~R10、およびR22は水素であり、R21はtert-ブチルであり、R11はイソブチルであり、Mはニッケルであり、YはOであり、XはBrである、構造式IIIcで表される錯体)の調製:
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrの2-メチル-1-プロパノール溶液(10mL)を、0.365g(0.6mmol)の配位子L17のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni21を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:83.0%。元素分析(C96122BrNiについて計算):C、57.09;H、6.09;N、2.77;実験値(%):C、57.24;H、6.32;N、3.04。
【0258】
3)エチレン重合:
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、5.0mg(2.5μmol)の錯体Ni21を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表4に示す。
【0259】
〔実施例53〕
【0260】
【化37】
【0261】
1)配位子L19は、特許出願CN201510462932.2に開示されている方法に従って、化合物Bを原料として用いて調製した。
【0262】
2)錯体Ni22(R=R=R=R=Et、R=R=R~R10=R31=R32はHであり、R11はEtであり、M=Ni、Y=O、X=Brである、式IIIc’で表される錯体)の調製:
【0263】
【化38】
【0264】
0.277g(0.9mmol)の(DME)NiBrのエタノール溶液(10mL)を、0.358g(0.6mmol)の配位子L19のジクロロメタン溶液(10mL)にゆっくりと滴下した。溶液の色調はすぐに濃赤色に変化し、多量の沈殿物が形成された。反応物を室温で6時間撹拌し、次いで無水ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。ろ過を行ってろ過ケーキを得て、ろ過ケーキを無水ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて、Ni22を茶褐色の粉末状固体として得た。収率:84.3%。元素分析(C9290BrNiについて計算):C、56.98;H、4.68;N、2.89;実験値(%):C、56.78;H、4.62;N、3.18。
【0265】
3)エチレン重合:
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.8mg(2.5μmol)の錯体Ni22を加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表4に示す。
【0266】
〔実施例54〕
エチレン重合は、エチレン重合の温度を100℃としたこと以外は、実施例53に記載のエチレン重合の手順に従って行った。結果を以下の表4に示す。
【0267】
〔比較例11〕
比較触媒Eは、文献Organometallics, 2013, 32, 2291-2299に従って調製した。
【0268】
エチレン重合:130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、5.8mg(7.5μmol)の比較触媒Aを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、60℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表4に示す。
【0269】
【化39】
【0270】
〔比較例12〕
エチレン重合は、エチレン重合の温度を100℃としたこと以外は、比較例11に記載のエチレン重合の手順に従って行った。結果を以下の表4に示す。
【0271】
〔比較例13〕
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンおよび10mLの1-ヘキセンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、5.8mg(7.5μmol)の比較触媒Eを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、100℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。結果を以下の表4に示す。
【0272】
〔比較例4〕
比較触媒Fは、文献J. Am. Chem. Soc, 1995, 117, 6414-6415に従って調製した。
【0273】
130℃で6時間連続的に乾燥させた後、機械的攪拌を備えた1Lのステンレス鋼重合オートクレーブを、高温である間に排気し、次いでN気体で3回満たした。重合オートクレーブに500mLのヘキサンを入れ、次いで5.0mLのメチルアルミノキサン(MAO)(1.53mol/Lトルエン溶液)を加え、4.7mg(7.5μmol)の比較触媒Fを加えた。反応物を、エチレン圧を10atmに維持しながら、90℃で30分間激しく撹拌した。反応混合物を10重量%塩酸で酸性化したエタノール溶液で中和し、ポリエチレンを得た。結果を以下の表4に示す。
【0274】
【化40】
【0275】
【表4】
【0276】
表4から、主触媒として使用した場合、本発明の金属錯体は比較触媒EおよびFに比べて、高温重合状態下での高い重合活性を有し、得られたポリマーは比較例で得られたポリマーよりも、分子量が大きく、分子量分布が狭いことが分かる。
【0277】
上記は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明を限定することを意図しない。本発明の精神および原則の範囲内でなされるすべての修正、同等の置き換え、変更などは、本発明の保全に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0278】
図1
図1
【国際調査報告】