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特表2022-5543462-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドとの併用療法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドとの併用療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/454 20060101AFI20221221BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 31/573 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 31/59 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 31/593 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A61K31/454
A61K45/00
A61P35/00
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61P9/00
A61P35/02
A61K45/06
A61K31/573
A61K38/16
A61K39/395 U
A61K33/06
A61K31/59
A61K31/593
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525895
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 US2020058789
(87)【国際公開番号】W WO2021091946
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/931,040
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508027464
【氏名又は名称】セルジーン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CELGENE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】バックホルツ,トニア ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ジンホン
(72)【発明者】
【氏名】ピアス,ダニエル ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】プーダーナッド,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,ツン-ウェン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA19
4C084AA23
4C084BA44
4C084CA53
4C084DA59
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA06
4C084ZA431
4C084ZA432
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC412
4C084ZC75
4C085AA14
4C085BB17
4C085DD62
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC22
4C086DA10
4C086DA14
4C086DA15
4C086GA07
4C086HA04
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA06
4C086ZA43
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
本明細書は、がん患者において、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体の投与と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体と、グルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬とを含む組み合わせを投与することを含む、方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がん患者において、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体(化合物1)と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法。
【請求項2】
がん患者において、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体(化合物1)と関連するインターロイキン-1β誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法。
【請求項3】
グルココルチコイド受容体アゴニストが、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
グルココルチコイド受容体アゴニストが、デキサメタゾンである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
インターロイキン-1受容体アンタゴニストが、アナキンラである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
インターロイキン-1β遮断薬が、カナキヌマブである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
インターロイキン-1β誘導が、約10%またはそれ以上抑制される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
インターロイキン-1β誘導が、約10%~90%抑制される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
がんが、白血病である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
白血病が、急性骨髄性白血病である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
急性骨髄性白血病が、不応性または再発性急性骨髄性白血病である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
化合物1の治療有効量が、約0.1mg~約10mgである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
化合物1の治療有効量が、1日あたり約0.3mg、0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、3mg、3.6mg、4.5mg、5.4mgまたは8.1mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
化合物1が、28日処置サイクルの1~5日目に投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
処置サイクルが、23日の休薬期間を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
化合物1が、42日処置サイクルの1~5日目に投与される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
化合物1が、28日処置サイクルの1~3日目に投与される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
化合物1が、28日処置サイクルの1~5日目および15~19日目に投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
処置サイクルが、少なくとも1回反復される、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
処置サイクルが、2~4回反復される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
カルシウム、カルシトリオールまたはビタミンD補給のうち1つまたはそれ以上を投与する工程を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
化合物1の前にカルシウム、カルシトリオールまたはビタミンD補給のうち1つまたはそれ以上を投与する工程を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
サイクルの1日目の化合物1の少なくとも3日前に、カルシウム、カルシトリオールまたはビタミンD補給のうち1つまたはそれ以上を投与する工程を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
患者が、正常カルシウムホメオスタシスを破壊する、またはカルシウム補給を予防する障害を有さない、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
別の追加の活性剤または支持ケア療法の治療有効量を投与する工程をさらに含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
他の追加の活性剤が、造血増殖因子、サイトカイン、抗がん剤、抗生剤、cox-2阻害剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、副腎皮質ステロイドまたはそれらの薬理学的に活性な突然変異体もしくは誘導体およびがん抗原に特異的に結合する治療抗体から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
がん患者において、化合物と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法において使用するための化合物であって、該化合物は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体(化合物1)であり、該方法は、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、化合物。
【請求項28】
がん患者において、化合物と関連するインターロイキン-1β誘導を抑制する方法において使用するための化合物であって、該化合物は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体(化合物1)であり、該方法は、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、化合物。
【請求項29】
グルココルチコイド受容体アゴニストが、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである、請求項27または28に記載の使用のための化合物。
【請求項30】
グルココルチコイド受容体アゴニストが、デキサメタゾンである、請求項27または28に記載の使用のための化合物。
【請求項31】
インターロイキン-1受容体アンタゴニストが、アナキンラである、請求項27または28に記載の使用のための化合物。
【請求項32】
インターロイキン-1β遮断薬が、カナキヌマブである、請求項27または28に記載の使用のための化合物。
【請求項33】
インターロイキン-1β誘導が、約10%またはそれ以上抑制される、請求項28に記載の使用のための化合物。
【請求項34】
インターロイキン-1β誘導が、約10%~90%抑制される、請求項28に記載の使用のための化合物。
【請求項35】
がんが、白血病である、請求項27~34のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項36】
白血病が、急性骨髄性白血病である、請求項35に記載の使用のための化合物。
【請求項37】
急性骨髄性白血病が、不応性または再発性急性骨髄性白血病である、請求項36に記載の使用のための化合物。
【請求項38】
化合物1の治療有効量が、約0.1mg~約10mgである、請求項27~37のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項39】
化合物1の治療有効量が、1日あたり約0.3mg、0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、3mg、3.6mg、4.5mg、5.4mgまたは8.1mgである、請求項27~38のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項40】
化合物1が、28日処置サイクルの1~5日目に投与される、請求項27~39のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項41】
処置サイクルが、23日の休薬期間を含む、請求項40に記載の使用のための化合物。
【請求項42】
化合物1が、42日処置サイクルの1~5日目に投与される、請求項27~41のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項43】
化合物1が、28日処置サイクルの1~3日目に投与される、請求項27~41のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項44】
化合物1が、28日処置サイクルの1~5日目および15~19日目に投与される、請求項27~43のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項45】
処置サイクルが、少なくとも1回反復される、請求項40~44のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項46】
処置サイクルが、2~4回反復される、請求項45に記載の使用のための化合物。
【請求項47】
方法が、カルシウム、カルシトリオールまたはビタミンD補給のうち1つまたはそれ以上を投与する工程を含む、請求項27~46のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項48】
方法が、化合物1の前にカルシウム、カルシトリオールまたはビタミンD補給のうち1つまたはそれ以上を投与することを含む、請求項27~47のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項49】
方法が、サイクルの1日目の化合物1の少なくとも3日前に、カルシウム、カルシトリオールまたはビタミンD補給のうち1つまたはそれ以上を投与することを含む、請求項27~48のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項50】
患者が、正常カルシウムホメオスタシスを破壊する、またはカルシウム補給を予防する障害を有さない、請求項46~48のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項51】
別の追加の活性剤または支持ケア療法の治療有効量を投与することをさらに含む、請求項27~50のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項52】
他の追加の活性剤が、造血増殖因子、サイトカイン、抗がん剤、抗生剤、cox-2阻害剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、副腎皮質ステロイドまたはそれらの薬理学的に活性な突然変異体もしくは誘導体およびがん抗原に特異的に結合する治療抗体から選択される、請求項51に記載の使用のための化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年11月5日に出願された米国特許仮出願第62/931,040号の利益を主張し、その開示内容は、その全体で参照により本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
本明細書は、がん患者において2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体の投与と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、治療有効量の2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法を提供する。本明細書はまた、このような方法において使用するための、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する。
【背景技術】
【0002】
2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は、抗がん活性を有することが示されている。化合物、その使用方法およびそれを含む医薬組成物は、米国特許第9,499,514号;同9,808,451号;同9,968,596号;同10,189,808号;同10,449,187号;同10,052,315号;および同10,245,258号;ならびに米国特許出願公開番号US2018/0221361 A1;US2019/0106405 A1;US2019/0175573 A1;およびUS2019/003018 A1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9,499,514号
【特許文献2】米国特許第9,808,451号
【特許文献3】米国特許第9,968,596号
【特許文献4】米国特許第10,189,808号
【特許文献5】米国特許第10,449,187号
【特許文献6】米国特許第10,052,315号
【特許文献7】米国特許第10,245,258号
【特許文献8】US2018/0221361 A1
【特許文献5】US2019/0106405 A1
【特許文献5】US2019/0175573 A1
【特許文献5】US2019/003018 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
がんの処置において2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体を効率的に使用する方法が引き続き必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体(まとめて、化合物1)の投与と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、デキサメタゾンである。一実施形態では、IL-1受容体アンタゴニストは、アナキンラである。一実施形態では、IL-1β遮断薬は、カナキヌマブである。一実施形態では、がんは、血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病である。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある特定の実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。
【0006】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1が関連するインターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、IL-1β受容体アンタゴニストまたはIL-1β遮断薬を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、デキサメタゾンである。一実施形態では、IL-1受容体アンタゴニストは、アナキンラである。一実施形態では、IL-1β遮断薬は、カナキヌマブである。一実施形態では、がんは、血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病である。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある特定の実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。
【0007】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、患者に、治療有効量の昇圧剤を投与することをさらに含む。一実施形態では、方法は、患者に、単回の低用量の昇圧剤を投与することをさらに含む。一実施形態では、方法は、患者に、1回または複数回の高用量の昇圧剤を投与することをさらに含む。昇圧剤の非限定的な例として、エピネフリン、イソプロテレノール、フェニレフリン、ノルエピネフリン、ドブタミン、エフェドリン、ドロキシドパ、ドーパミンおよび当技術分野で公知の他のものが挙げられる。
【0008】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、患者に、JAK阻害剤、FLT3阻害剤、mTOR阻害剤、スプライセオソーム阻害剤、BET阻害剤、SMG1阻害剤、ERK阻害剤、LSD1阻害剤、BH3ミメティクス、トポイソメラーゼ阻害剤およびRTK阻害剤から選択される追加の薬剤を投与することをさらに含む。
【0009】
本明細書における方法において使用される化合物1およびそれを含む医薬組成物は、米国特許第9,499,514号;同9,808,451号;同9,968,596号;同10,189,808号;同10,449,187号;同10,052,315号;および同10,245,258号;ならびに米国特許公開番号US2018/0221361 A1;US2019/0106405 A1;US2019/0175573 A1;およびUS2019/003018 A1に記載されており、それら各々の開示内容は、その全体で参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
ある特定の実施形態では、本明細書は、低血圧症の処置、予防、緩和および/または管理の使用に適した、化合物1と、グルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬とを含む、医薬組成物、単回単位剤形およびキットを提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、化合物1が関連するインターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法における使用に適した、化合物1およびグルココルチコイドを含む、医薬組成物、単回単位剤形およびキットを提供する。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、デキサメタゾンである。ある特定の実施形態では、このような組成物は、化合物1およびデキサメタゾンを含み、所望により1種または複数の追加の治療剤を組み合わせてもよい。他の実施形態では、IL-1受容体アンタゴニストは、アナキンラである。ある特定の実施形態では、このような組成物は、化合物1およびアナキンラを含み、所望により1種または複数の追加の治療剤と組み合わせてもよい。一実施形態では、IL-1β遮断薬は、カナキヌマブである。ある特定の実施形態では、このような組成物は、化合物1およびカナキヌマブを含み、所望により1種または複数の追加の治療剤と組み合わせてもよい。
【0011】
本明細書はまた、がん患者において低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法において使用するための、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体(化合物1)であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法を提供する。
【0012】
本明細書はまた、がん患者においてインターロイキン-1β誘導を抑制する方法において使用するための、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体(化合物1)であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む。
【0013】
本明細書において記載される主題のこれらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照すると明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1-1】図1A~1Cは、インビトロでのAML細胞系およびエクスビボでの一次AML骨髄単核細胞における、化合物1によるIL-1調節を示す。図1Aは、ML-2細胞における標的タンパク質に対する化合物1またはリポ多糖(LPS)処置の効果を示す:6、24および48時間の化合物1または1.0μg/mLのLPSでの処置後のML-2細胞におけるGSPT1、IL-1βおよび切断されたカスパーゼ3が示されている。図1Bは、電気化学発光アッセイによって測定された、化合物1処置されたML-2細胞培養上清におけるIL-1β、IL-1β、IL-1RAおよびIL-18の濃度(pg/mL)を示す。図1Cは、電気化学発光アッセイによって測定された、24および48時間の化合物1での処置後の、9人のAML対象および2人の正常ドナーから得た骨髄単核細胞における、分泌されたIL-1βを示す。灰色は、FAB状態によってM0/M1/M2として分類された対象を示す。黒丸は、M4/M5として分類された対象を示す。中白丸は、正常ドナーを示す。
図1-2】同上。
図1-3】同上。
【0015】
図2-1】図2A~2Dは、ML-2細胞系におけるIL-1β濃度に対するカスパーゼ1またはカスパーゼ8活性の遺伝的および薬理学的抑制の効果を示す。図2Aは、1000nMの化合物1と、1、10、100μMのパン-カスパーゼ(Z-VAD-FMK)、カスパーゼ8(Z-VAD-FMK)またはカスパーゼ1阻害剤(Z-VAD-IETDまたはZ-YVAD)との組み合わせで処置されたML-2細胞における、電気化学発光アッセイによって測定されたIL-1β濃度を示す。図2Bは、(処置後48時間での)ビヒクルまたは1μMの化合物1での処置の際のML-2細胞におけるカスパーゼ1またはカスパーゼ8のCRISPR/Cas9ノックアウトにおける、免疫ブロットアッセイにおけるGSPT1、pro-IL-1β、カスパーゼ1、切断されたカスパーゼ8および切断されたカスパーゼ3の濃度を提供する。図2Cは、処置後72時間での電気化学発光アッセイによって測定された、ML-2細胞培養上清におけるカスパーゼ1またはカスパーゼ8のCRISPR/Cas9ノックアウトにおけるIL-1β濃度を提供する。図2Dは、化合物1と同様であるが異なる機構を有する1μMの試験化合物で処置されたML-2細胞における72時間での分泌されたIL-1β濃度を示す。カスパーゼ8活性化濃度は、カスパーゼ8/FLICE活性比色定量アッセイによって定量化され、DMSO処置群に対して正規化された値として示された。分泌されたIL-1β濃度とカスパーゼ8活性化濃度の程度の間の関係を、ドットプロットによって可視化した。
図2-2】同上。
図2-3】同上。
【0016】
図3-1】図3A~3Dは、MV4-11およびML-2細胞系におけるIL-1β濃度に対するカスパーゼ阻害剤およびアポトーシス誘導剤の効果を示す。図3Aは、1000nMの化合物1と、10μMのパン-カスパーゼ(Z-VAD-FMK)、カスパーゼ8(Z-VAD-FMK)またはカスパーゼ1阻害剤(Z-VAD-IETDまたはZ-YVAD)との組み合わせで処置されたMV411細胞における、電気化学発光アッセイによって測定されたIL-1β濃度を示す。図3Bは、電気化学発光アッセイによって72時間で決定された分泌されたIL-1β濃度を提供し;化合物1と同様であるが異なる機構を有する1μMの化合物のパネルで処置されたMV4-11細胞において、カスパーゼ8活性化濃度は、カスパーゼ8/FLICE活性比色定量アッセイによって定量化され、DMSO処置群に対して正規化された値として示された。図3Cは、1βMの機構的化合物のパネルで処置されたML-2細胞におけるカスパーゼ8活性化濃度の経時的推移を示す。図3Dは、1μMの機構的化合物のパネルで処置されたMV4-11細胞におけるカスパーゼ8活性化濃度の経時的推移を示す。
図3-2】同上。
【0017】
図4-1】図4A~4Cは、ML-2細胞系におけるIL-1β誘導およびアポトーシスに対する化合物の効果を示す。図4Aは、全長pro-IL-1βおよびGSPT1濃度に関する免疫ブロット分析のための化合物処置後24、48および72時間で回収された細胞に対する試験化合物の効果を示す。図4Bは、電気化学発光アッセイによって測定された、化合物処置後24、48および72時間での細胞培養上清におけるIL-1β濃度を示す。図4Cは、カスパーゼ3/7活性化濃度対IL-1β誘導の相関プロットを提供する。
図4-2】同上。
図4-3】同上。
【0018】
図5-1】図5Aは、電気化学発光アッセイによって測定されたMV4-11細胞系におけるIL-1β誘導に対する試験化合物の効果を示す。図5Bは、電気化学発光アッセイによって測定されたMOLM13細胞系におけるIL-1β誘導に対する試験化合物の効果を示す。
図5-2】同上。
【0019】
図6-1】図6A~6Bは、ML-2細胞系におけるアポトーシスおよび生存力に対する試験化合物の効果を示す。図6Aは、IncuCyte Zoomイメージングシステムを使用して化合物処置後4時間毎に68時間にわたってカスパーゼ3/7活性化の程度によって測定された、アポトーシスの速度および深度を示す。図6Bは、CellTitre-Gloアッセイによって化合物処置の3日後に測定された細胞生存力を提供する。
図6-2】同上。
【0020】
図7-1】図7は、電気化学発光アッセイによって測定された、ML-2、MV4-11およびMOLM13細胞系におけるVEGFおよびTNFa濃度に対する試験化合物の効果を示す。
図7-2】同上。
図7-3】同上。
【0021】
図8-1】図8A~8Dは、内因性GSPT1を発現する、またはGSPT1 G575Nの分解不可能形態を過剰発現する同質遺伝子的MOLM13細胞対における化合物1によるIL-1β誘導に対するGSPT1分解の効果を示す。図8Aは、免疫ブロット分析のために回収された細胞におけるpro-IL-1β、GSPT1、HAタグ、切断されたカスパーゼ3およびGAPDHの濃度を示す。図8Bは、CellTitre-Glo生存力アッセイによって処置の3日後に測定された化合物1に対する単一薬剤用量応答を示す。エラーバーは、2連のアッセイプレートから得た標準偏差である。図8Cは、電気化学発光アッセイによって測定された細胞内IL-1β濃度を示す。図8Dは、電気化学発光アッセイによって測定された分泌された(D)IL-1β濃度を示す。
図8-2】同上。
図8-3】同上。
【0022】
図9-1】図9A~9Cは、野生型GCN2またはGCN2のCRISPR/cas9ノックダウンを発現する同質遺伝子的MOLM13細胞対における化合物1によるIL-1β誘導に対するGCN2経路の効果を示す。図9Aは、免疫ブロット分析のために回収された細胞における種々のバイオマーカーを示す。図9Bは、電気化学発光アッセイによって測定された細胞溶解物におけるIL-1β濃度を示す。図9Cは、電気化学発光アッセイによって測定された上清におけるIL-1β濃度を示す。
図9-2】同上。
【0023】
図10-1】図10A~10Cは、化合物1媒介性のIL-1β誘導、アポトーシスおよび生存力喪失に対するデキサメタゾンの効果を示す。図10Aは、細胞培養上清において電気化学発光アッセイによって測定された、48時間のデキサメタゾン(0、100、1000nM)と組み合わせた化合物1(0、100、1000nM)の滴定での処置の際の、ML-2、MV4-11、MOLM13およびKG1細胞におけるIL-1β濃度を示す。図10Bは、IncuCyteアッセイによって測定された、0、12、111、1000nMのデキサメタゾンと組み合わせた333nMの化合物1で処置したML-2細胞における6時間毎の72時間の期間にわたる切断されたカスパーゼ3/7濃度を示す。三角、黒丸、灰色四角および白丸はそれぞれ、0、12、111、1000nMのデキサメタゾンを表す。図10Cは、72時間、デキサメタゾン(0~1μM)の滴定と組み合わせて0~1μMの化合物1で処置したML-2細胞の、CellTiter-Gloアッセイによって測定された細胞生存力を示す。エラーバーは、2連のアッセイプレートから得た標準偏差である。
図10-2】同上。
図10-3】同上。
【0024】
図11図11は、化合物1によるIL-1β誘導機構の概略描写を提供する。
【0025】
図12-1】図12は、ML-2細胞系において、化合物1によって誘導されるIL-1bが、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、コルチゾール、コルチゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾンおよびデキサメタゾンによって抑制され得ることを示す。
図12-2】同上。
【0026】
図13-1】図13は、MOLM13細胞系において、化合物1によって誘導されるIL-1bが、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、コルチゾール、コルチゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾンおよびデキサメタゾンによって抑制され得ることを示す。
図13-2】同上。
【発明を実施するための形態】
【0027】
定義
全般的に、本明細書において使用される命名法ならびに本明細書において記載される有機化学、医薬品化学および薬理学における実験室手順は、当技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。特に断りのない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、一般に、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。一般に、一実施形態の技術的教示は、本明細書で提供される他の実施形態において開示されるものと組み合わせることができる。
【0028】
特許請求の範囲および/または明細書において、「含んでいる(comprising)」という用語と共に使用される場合の、「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語の使用は、「1つの」を意味する場合があるが、「1つまたはそれ以上の」、「少なくとも1つの」および「1つまたは1つより多い」の意味とも一致する。
【0029】
本明細書で使用される場合、「含んでいる(comprising)」および「含んでいる(including)」という用語は、同義的に使用できる。「含んでいる(comprising)」および「含んでいる(including)」という用語は、言及されるような記載された特徴または構成成分の存在を特定するように解釈されるべきであるが、1つまたはそれ以上の特徴もしくは構成成分またはその群の存在または追加を排除しない。さらに、「含んでいる(comprising)」および「含んでいる(including)」という用語は、「からなる」という用語によって包含される例を含むものとする。結果として、「からなる」という用語は、本発明のより具体的な実施形態を提供するために、「含んでいる(comprising)」および「含んでいる(including)」という用語の代わりに使用できる。
【0030】
「からなる」という用語は、主題が、それを構成する記載された特徴または構成成分のうち少なくとも90%、95%、97%、98%または99%を有することを意味する。別の実施形態では、「からなる」という用語は、任意の後続の列挙の範囲から、達成されるべき技術的効果にとって本質的ではないものを除く任意の他の特徴または構成成分を排除する。
【0031】
本明細書で使用される場合、「または」という用語は、任意の1つまたは任意の組合せを意味する包括的な「または」として解釈されるべきである。したがって、「A、BまたはC」は、以下のうちいずれかを意味する:「A;B;C;AおよびB;AおよびC;BおよびC;A、BおよびC」。この定義の例外は、要素、機能、工程または行為の組合せが、何らかの形で本質的に相互に排他的である場合にのみ生じる。例えば、「処置、予防または管理すること」または同様の列挙されるものは、「処置すること;予防すること;管理すること;処置および予防すること;処置および管理すること;予防および管理すること;処置、予防および管理すること」を意味する。
【0032】
「化合物1」という用語は、構造:
【化1】
を有する「2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド」およびその立体異性体または立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体または多形体を指す。ある特定の実施形態では、化合物1とは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドおよびその互変異性体を指す。ある特定の実施形態では、化合物1とは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの多型、例えば、形態A、B、C、DまたはEまたはそれらの混合物を指す。ある特定の実施形態では、化合物1とは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの多形体形態Cを指す。ある特定の実施形態では、化合物1とは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの非晶質形態を指す。一実施形態では、立体異性体は、エナンチオマーである。
【0033】
本明細書で使用される場合、任意の保護基、アミノ酸および他の化合物の略語は、別に示されない限り、その一般的な使用法、認識されている略語または生化学的命名法に関するIUPAC-IUB委員会(Biochem. 1972, 11:942-944を参照されたい)と一致する。
【0034】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「非経口」という用語は、皮下、静脈内の、筋肉内の、関節内(intra-artricular)、滑液嚢内、胸骨内、くも膜下腔内、肝内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。
【0035】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「単位用量」という表現は、処置すべき対象に適切な(例えば、単回投与のための)製剤の物理的に別個の単位を指し;各単位は、適宜、所定量で提供することができる薬学的に許容される担体と一緒に、所望の治療効果をもたらすように選択された活性剤の所定量を含有する(所望のまたは最適な効果を達成するには複数回用量が必要である場合もあるということは理解される)。単位用量は、例えば、1つまたはそれ以上の治療剤の所定量を含有する液体(例えば、許容される担体)の一定容量、固形物形態の1つまたはそれ以上の治療剤の所定量、1つまたはそれ以上の治療剤の所定量を含有する徐放性製剤または薬物送達デバイスなどであり得る。単位用量は、治療剤(複数可)に加えて様々な構成成分を含有する場合があるということが認められよう。例えば、許容される担体(例えば、薬学的に許容される担体)、希釈剤、安定剤、緩衝剤、保存料などが、以下に記載されるように含まれ得る。しかし、本開示の製剤の1日の総使用量は、妥当な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されるということは理解されよう。任意の特定の対象または生物の具体的な有効用量レベルは、処置されている障害および障害の重症度;使用される特定の活性化合物の活性;使用される特定の組成物;対象の年齢、体重、全身の健康、性別および食事;使用される特定の活性化合物の投与の回数および排出の速度;処置の期間;使用される特定の化合物(複数可)と組み合わせて、または同時発生的に使用される薬物および/または追加の療法ならびに医学の技術分野において周知の同様の因子を含む様々な因子に応じて変わり得る。
【0036】
本明細書で使用される場合、「固形物形態」という用語は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体の結晶形態もしくは非晶質形態またはそれらの混合物を指す。
【0037】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「薬学的に許容される塩(複数可)」という用語は、本明細書で使用される場合、限定されるものではないが、化合物1の酸性または塩基性部分の塩を含む。塩基性部分は、種々の無機および有機酸と多種多様な塩を形成可能である。このような塩基性化合物の薬学的に許容される酸付加塩を調製するために使用できる酸として、非毒性酸付加塩、例えば、薬理学的に許容されるアニオンを含有する塩を形成するものがある。適した有機酸として、限定されるものではないが、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、桂皮酸、オレイン酸、タンニン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルコン酸、グルカロン酸、サッカリン酸、イソニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはパモン酸(例えば、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸)が挙げられる。適した無機酸として、限定されるものではないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸または硝酸が挙げられる。アミン部分を含む化合物は、上記の酸に加えて種々のアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成できる。本質的に酸性である化学的部分は、種々の薬理学的に許容されるカチオンと塩基塩を形成可能である。このような塩の例として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特に、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、亜鉛、カリウムまたは鉄塩がある。
【0038】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「溶媒和物」という用語は、非共有結合分子間力によって結合された溶媒の化学量論または非化学量論をさらに含む、本明細書で提供される化合物またはその塩を意味する。溶媒和化合物が水である場合、溶媒和化合物は水和物である。
【0039】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「プロドラッグ」という用語は、生体状態下(インビトロまたはインビボ)で加水分解、酸化、またはそれ以外の反応を起こして化合物を提供することができる化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例として、限定されるものではないが、生加水分解性部分、例えば、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性カーボネート、生加水分解性ウレイドおよび生加水分解性ホスフェートアナログを含む、本明細書において記載される化合物(例えば、化合物1)の誘導体が挙げられる。
【0040】
「薬学的に許容される賦形剤」とは、例えば、活性剤の安定性を改変することまたは投与の際の対象による吸収を改変することによって、対象への活性剤の投与を補助する物質を指す。薬学的に許容される賦形剤は、通常、患者に対して重大な有害な毒物学的影響を有さない。薬学的に許容される賦形剤の例として、例えば、水、NaCl(塩溶液を含む)、規定濃度の生理食塩水溶液、1/2規定濃度の生理食塩水、スクロース、グルコース、増量剤、緩衝剤、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング、甘味料、香味、アルコール、油、ゼラチン、炭水化物、例えば、アミロースまたはデンプン、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース(hydroxymethycellulose)、ポリビニルピロリジンおよび色などが挙げられる。当業者ならば、当技術分野で公知の他の医薬賦形剤は、本発明において有用であり、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients, Rowe R.C., Shesky P.J., and Quinn M.E., 6th Ed., The Pharmaceutical Press, RPS Publishing (2009)において列挙されるものを含むということは認識するであろう。「増量剤」および「緩衝剤」という用語は、当技術分野内の率直な、通常の意味に従って使用される。
【0041】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「約」という用語は、組成物または投与形の成分の用量、量または重量パーセントと共に使用される場合、指定の用量、量または重量パーセントから得られたものと同等の薬理学的効果を提供する、当業者によって認識される用量、量または重量パーセントが包含されることを意味する。具体的には、「約」という用語は、指定の用量、量または重量パーセントの30%、25%、20%、15%、10%または5%以内の用量、量または重量パーセントが包含されることを企図する。
【0042】
本明細書で使用される場合、「投与する」または「投与」とは、身体の外側に存在するので、対象中に物質を物理的に送達することという行為を指す。投与は、限定されるものではないが、局所、粘膜、注射、皮内、静脈内、筋肉内送達または本明細書において記載される、もしくは当技術分野で公知の物理的送達の他の方法(例えば、対象への持続放出デバイス、例えば、ミニ浸透圧ポンプの移植;リポソーム製剤;頬側;舌下;口蓋;歯肉;鼻腔;膣;直腸;細動脈内;腹腔内;脳室内;頭蓋内;または経皮)を含む、治療剤を送達するための、当技術分野で公知の全ての形態を含む。
【0043】
「抗がん剤」とは、代謝拮抗薬(例えば、5-フルオロ-ウラシル、メトトレキサート、フルダラビン)、微小管阻害剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチンなどのビンカアルカロイド;パクリタキセル、ドセタキセルなどのタキサン)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、カルムスチン、ビスクロロエチルニトロソウレアおよびヒドロキシ尿素などのニトロソウレア)、白金剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM-216またはサトラプラチン、CI-973)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン)、抗腫瘍抗生物質(例えば、マイトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド、カンプトテシン)、抗脈管形成剤(例えば、SUTENT(登録商標)、スニチニブリンゴ酸塩およびベバシズマブ)または任意の他の細胞傷害性薬剤(エストラムスチンホスフェート、プレドニムスチン)、ホルモンまたはホルモンアゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニストまたは部分アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、チェックポイント阻害剤および放射線処置を指す。
【0044】
「同時投与する」とは、本明細書において記載される化合物、組成物または薬剤が、例えば、抗がん剤を含む、1種または複数の追加の化合物、組成物または薬剤の投与と同時に、直前に、または直後に投与されることを意味する。同時投与は、個々のまたは組み合わせた(1種より多い化合物または薬剤)化合物、組成物または薬剤の同時または逐次投与を含むことを意味する。同時投与は、2種の化合物、組成物または薬剤を同時に、ほぼ同時に(例えば、互いに約1、5、10、15、20または30分以内)または任意の順序で逐次投与する工程を含む。したがって、同時投与は、追加の活性剤の0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20または24時間以内に一方の活性剤(例えば、本明細書において記載される化合物)を投与する工程を含む場合もある。同時投与はまた、同時製剤化、例えば、両活性剤を含む単一投与形を調製することによって達成できる。活性剤は、別個に製剤化できる。このような例では、活性剤は、混合され、投与形単位の最終形態中に一緒に含まれる。あるいは、本明細書において記載される同時投与は、少なくとも2種の別個の活性剤(例えば、本明細書において記載される化合物1および追加の活性剤)の2種の別個の単位投与形を投与する工程を含み得る。
【0045】
本明細書で使用される場合、「毎日(daily)」という用語は、化合物1などの治療化合物が、一定期間の間、1日1回または1回より多く投与されることを意味することを意図する。「連続的」という用語は、化合物1などの治療化合物が、少なくとも10日~52週間の中断されない期間の間、毎日投与されることを意味することを意図する。本明細書で使用される場合、「断続的な」または「断続的に」という用語は、規則的または不規則的な間隔のいずれかで停止および開始することを意味することを意図する。例えば、化合物1の断続的投与は、1週間あたり1日~6日間の投与、周期での投与(例えば、28日周期の1~10連続日間の毎日の投与、次いで、28日周期の残りの間の投与のない休薬期間または2~8連続週間の間の毎日投与、次いで、最大1週間の投与のない休薬期間)または隔日での投与である。本明細書で使用される場合、「サイクリング」という用語は、化合物1などの治療化合物が、毎日または連続的であるが、休薬期間を伴って投与されることを意味することを意図する。
【0046】
「サイクリング療法」とは、本明細書に記載の投与期間および本明細書に記載の休薬期間を含むレジメンまたは療法を指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、「投与期間」という用語は、対象が、本明細書に記載の化合物または組成物を連続的にまたは積極的に投与される期間を指す。
【0048】
本明細書で使用される場合、「休薬期間」という用語は、しばしば、投与期間後の、対象が、本明細書に記載の化合物または組成物を投与されない(例えば、処置の中断)期間を指す。ある特定の実施形態では、「休薬期間」とは、単一薬剤が対象に投与されない、または特定の化合物を使用する処置が中断される期間を指す。このような実施形態では、追加の治療剤(例えば、これまでの投与期間において投与された化合物または組成物とは異なる薬剤)が対象に投与される場合もある。
【0049】
「有効量」とは、そのために投与される効果を達成する(例えば、疾患を処置する、または疾患もしくは状態の1つもしくは複数の症状を低減する)のに十分な量である。したがって、対象への本明細書に記載の化合物の一定「量」の投与とは、所望の治療結果を達成するのに「有効な用量」の投与を指す。したがって、本明細書における目的のための本明細書において記載される化合物の「治療有効量」は、当技術分野で公知のような検討事項によって決定される。本明細書における化合物の「治療有効量」という用語は、投与された場合に、本明細書に記載の疾患の症状のうち1つまたは複数を処置するのに十分である化合物の量を指す。本明細書に記載の化合物の投与は、例えば、疾患状態、個体の年齢、性別および体重などの因子に従って決定できる。治療有効量はまた、化合物1の任意の毒性または有害な効果を治療上有益な効果が上回ることを指す。
【0050】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「処置する」、「処置している」および「処置」という用語は、疾患もしくは障害または疾患もしくは障害と関連する1つもしくは複数の症状の根絶または緩和を指す。ある特定の実施形態では、これらの用語は、このような疾患または障害の患者への1回または複数回の予防的または治療的薬剤の投与の結果、疾患または障害の広がりまたは悪化を最小化することを指す。いくつかの実施形態では、これらの用語は、特定の疾患の症状の開始後の、他の追加の活性剤を伴うか、伴わない、本明細書で提供される化合物の投与を指す。
【0051】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「予防する」、「予防している」および「予防」という用語は、疾患もしくは障害の、またはその1つもしくは複数の症状の開始、再発または蔓延の予防を指す。ある特定の実施形態では、これらの用語は、特に、本明細書で提供される疾患または障害のリスクにある患者への、症状の開始の前の、他の追加の活性化合物を伴うか、伴わない、本明細書で提供される化合物の投与を用いる処置を指す。これらの用語は、特定の疾患の症状の阻害または低減を包含する。ある特定の実施形態では、疾患の家族歴の患者は、特に、予防的レジメンの候補である。さらに、再発性の症状の病歴の患者も、予防の潜在的な候補である。この関連で、「予防」という用語は、「予防的(prophylactic)処置」という用語と同義的に使用され得る。
【0052】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「管理する」、「管理している」および「管理」という用語は、疾患もしくは障害またはその症状のうち1つもしくは複数の進行、広がりまたは悪化を予防または減速することを指す。多くの場合、患者が、予防的および/または治療的薬剤から得る有益な効果は、疾患または障害の治癒をもたらさない。この関連で、「管理している」という用語は、特定の疾患を患っている患者を疾患の再発を予防または最小化しようと処置すること、または緩解したままである時間を延長することを包含する。
【0053】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、特定の化合物(単数または複数)の投与による特定の障害の症状を「緩和する」、「緩和している」および「緩和」という用語は、他の追加の活性化合物を伴うか、伴わない、化合物(単数または複数)の投与に起因し得るか、またはそれと関連し得る、永続的であるか、一時的であるか、持続的であるか、一過性であるかに関わらない任意の減少を指す。
【0054】
本明細書で使用される場合、「導入療法」とは、疾患のために与えられた第1の処置またはがんなどの疾患において完全緩解を誘導する目的で与えられた第1の処置を指す。導入療法は、それ自体によって使用される場合には、最良に利用可能な処置として認められたものである。例えば、AMLの導入療法は、7日間のシタラビンを用いる処置および3日間のダウノルビシンまたはイダルビシンなどのアントラサイクリンを用いる処置を含む。残存白血病が検出される場合には、患者は、再導入と呼ばれる別の化学療法過程を用いて処置される。患者が、導入療法後に完全緩解にある場合には、緩解を延長するため、または患者を潜在的に治癒するために、追加の地固めおよび/または維持療法が与えられる。
【0055】
本明細書で使用される場合、「地固め療法」とは、緩解が最初に達成された後に疾患のために与えられる処置を指す。例えば、がんのための地固め療法は、最初の療法後にがんが消失した後に与えられる処置である。地固め療法は、放射線療法、幹細胞移植またはがん薬物療法を用いる処置を含み得る。地固め療法はまた、強化療法および緩解後療法とも呼ばれる。
【0056】
本明細書で使用される場合、「維持療法」とは、緩解または最良応答が達成された後に、再発を予防または遅延するために疾患のために与えられる処置を指す。維持療法は、化学療法、ホルモン療法または標的化療法を含み得る。
【0057】
「対象」、「患者」、「それを必要とする対象」および「それを必要とする患者」という用語は、本明細書において同義的に使用され、本明細書において記載される組成物の投与によって処置できる本明細書において記載される疾患のうち1つまたは複数を患っている生存している生物を指す。生物の限定されない例として、ヒト、他の哺乳動物、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、雌ウシ、シカおよび他の非哺乳類動物が挙げられる。実施形態では、対象はヒトである。ヒト対象は、約1歳~約100歳の年齢の間であり得る。実施形態では、本明細書における対象は、処置されている疾患によって特徴付けられ得る(例えば、「AML対象」、「がん対象」または「白血病対象」)。
【0058】
本明細書で使用される場合、「腫瘍」という用語は、悪性であろうと良性であろうと全ての新生細胞の成長および増殖ならびに全ての前がん性およびがん性細胞および組織を指す。「新生物の」とは、本明細書で使用される場合、悪性であろうと良性であろうと、異常な組織成長をもたらす調節不全または未制御の細胞成長の任意の形態を指す。したがって、「新生細胞」は、調節不全または未制御の細胞成長を有する悪性および良性細胞を含む。
【0059】
本明細書で使用される場合、「血液悪性腫瘍」または「血液がん」とは、身体の血液形成性および免疫系骨髄およびリンパ組織のがんを指す。このような悪性腫瘍として、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病(ホジキンリンパ腫とも呼ばれる)および骨髄腫が挙げられる。一実施形態では、骨髄腫は、多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、白血病は、例えば、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、成人T細胞白血病、慢性リンパ性白血病 (CLL)、へアリー細胞白血病、脊髄形成異常症、骨髄増殖性疾患または骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄異形成症候群(MDS)、ヒトリンパ球向性ウイルス1型(HTLV 1)白血病、肥満細胞症またはB細胞急性リンパ性白血病である。いくつかの実施形態では、リンパ腫は、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、B細胞免疫芽球性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、ヒトリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)白血病/リンパ腫、成人T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、AIDS関連リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫、形質転換リンパ腫、縦隔原発(胸腺)B細胞性大細胞型リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、リヒター形質転換、節性辺縁帯リンパ腫またはALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、例えば、DLBCL、濾胞性リンパ腫または辺縁帯リンパ腫を含む低悪性度リンパ腫である。一実施形態では、血液悪性腫瘍はAMLである。別の実施形態では、血液悪性腫瘍はMDSである。
【0060】
「白血病」という用語は、血液形成性組織の悪性新生物を指す。白血病として、限定されるものではないが、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病および急性骨髄芽球性白血病が挙げられる。白血病は、少なくとも1つの抗がん療法に対して再発性、不応性または抵抗性であり得る。
【0061】
一実施形態では、対象は、例えば、AMLの以下のサブタイプを含む急性骨髄性または骨髄性白血病(AML)を有する。「急性骨髄性または骨髄性白血病」という用語は、骨髄における主に未分化のまたは最小に分化した骨髄性細胞の増殖および蓄積を特徴とする血液状態を指し、FAB(仏国、米国、英国)またはWHO分類システムのいずれかによって分類されたサブタイプを含む。本明細書において記載されるように、AMLは、FAB分類に基づく以下のサブタイプを含む:M0(AML最小分化型);M1(最小成熟を有するAML);M2(成熟を有するAML);M3(急性前骨髄球性白血病);M4(急性骨髄単球性白血病);M4(eos好酸球増加症を伴う急性骨髄単球性白血病);M5(急性単球性白血病);M6(急性赤血球白血病);およびM7(急性巨核芽球性白血病)。本明細書において記載されるように、AMLは、WHO分類に基づく以下のサブタイプを含む:反復性遺伝子異常を有するAML(8番および21番染色体の間に転座を有するAML);16番染色体中に転座または逆位を有するAML;9番および11番染色体の間に転座を有するAML;15番および17番染色体の間に転座を有するAPL(M3);6番および9番染色体の間に転座を有するAML;3番染色体中に転座または逆位を有するAML);1番および22番染色体の間に転座を有するAML(巨核芽球性);脊髄形成異常症関連変化を有するAML;以前の化学療法または放射線照射と関連するAML(アルキル化剤関連AML;トポイソメラーゼII阻害剤関連AML);他に分類されないAML(上記のカテゴリーに入らないAML、すなわち、AML最小分化型(M0);最小成熟を有するAML(M1);成熟を有するAML(M2);急性骨髄単球性白血病(M4);急性単球性白血病(M5);急性赤血球白血病(M6);急性巨核芽球性白血病(M7);急性好塩基球性白血病;線維症を伴う急性汎骨髄症);骨髄性肉腫(顆粒球性肉腫、緑色腫または髄外骨髄芽球腫としても知られる);ならびに未分化型および二重表現型急性白血病(混合表現型急性白血病としても知られる)(https://www.cancer.org/cancer/acute-myelo id-leukemia/detection-diagnosis-staging/how-classified.htmlを参照されたい、2017年5月25日に最終アクセスした)。
【0062】
一実施形態では、対象は、例えば、MDSの以下のサブタイプを含む骨髄異形成症候群(MDS)を有する。「骨髄異形成症候群」という用語は、血液の細胞構成成分(赤血球、白血球(リンパ球以外)および血小板(またはその前駆細胞、巨核球))のうち1つまたはそれ以上の産生における異常を特徴とする血液状態を指す。骨髄(BM)における無効な血球新生およびMDSにおける末梢血血球減少は、可変の頻度および重症度の貧血、好中球減少症および/または血小板減少症として臨床的に現れる。貧血は、最も頻繁な検査所見であり、赤血球(RBC)輸血依存へ進行することが多い。血球減少と関連する他のあまり一般的ではない主臨床特徴として、感染および/または出血のリスクの増大および急性骨髄性白血病(AML)に進行する傾向がある(Catenacci, et al. Blood Rev 2005;19:301-319)。
【0063】
MDSは、以下の障害を含む:不応性貧血(RA);環状鉄芽球を伴うRA(RARS);芽細胞の発現を伴うRA(RAEB);多系列の異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、単系列の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD);分類不可能な骨髄異形成症候群(MDS-U)、孤立したdel(5q)染色体異常と関連する骨髄異形成症候群、療法関連骨髄性新生物および慢性骨髄単球性白血病(CMML)。MDSはまた、本明細書で使用される場合、極めて低いリスク、低いリスク、中間のリスク、高いリスクおよび極めて高いリスクのMDSを含む。いくつかの実施形態では、MDSは、原発性または新規のMDSである。他の実施形態では、MDSは、続発性である。
【0064】
本明細書で使用される場合、「前骨髄球性白血病」または「急性前骨髄球性白血病」とは、骨髄系の細胞における成熟血液細胞の欠乏および前骨髄球と呼ばれる未成熟細胞の発現がある骨髄の悪性腫瘍を指す。普通、15番および17番染色体の領域の交換によって示される。
【0065】
本明細書で使用される場合、「急性リンパ性白血病」としても知られる「急性リンパ性白血病(ALL)」は、初期の非顆粒性白血球またはリンパ球の異常な成長および発達によって引き起こされる悪性疾患を指す。
【0066】
本明細書で使用される場合、「T細胞白血病」とは、Tリンパ球またはT細胞と呼ばれるリンパ系のある特定の細胞が悪性である疾患を指す。T細胞は、通常、ウイルスに感染した細胞、外来細胞およびがん細胞を攻撃し、免疫応答を調節する物質を産生できる白血球である。
【0067】
「再発性」とは、療法後に白血病が緩解していた患者の骨髄中に白血病細胞が戻り、正常血液細胞が減少する状況を指す。
【0068】
「不応性または抵抗性」という用語は、患者が、強化処置後でさえ、その骨髄中に残存白血病細胞を有する場合を指す。
【0069】
本明細書で使用される場合、「低血圧症」という用語は、異常に低い血圧を指す。当業者には理解されるであろうが、「低血圧」として特徴付けられる血圧は、個体毎に異なり得る。しかし、低血圧症は一般に、90mmHg未満の収縮期圧および/または50mmHg未満の拡張期血圧として定義されている。ある特定の実施形態では、低血圧症は、表Iに記載されるように類別される(Lee et al. Blood 2014;124(2): 188-195:
【表1】

【0070】
「薬物抵抗性」という用語は、疾患が、ある特定の薬物(単数または複数)の処置に対して応答しない状態を指す。薬物抵抗性は、疾患が、ある特定の薬物(単数または複数)に対して応答性であったことがなかったことを意味する内因性である場合があり、またはそれが獲得される場合もあり、これは、疾患が、疾患がこれまで応答してきたある特定の薬物(単数または複数)に対して応答することを中止することを意味する。ある特定の実施形態では、薬物抵抗性は、内因性である。ある特定の実施形態では、薬物抵抗性は、獲得される。
【0071】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、化合物の「治療有効量」とは、疾患もしくは障害の処置もしくは管理において治療利益を提供するのに、または疾患もしくは障害と関連する1つもしくは複数の症状を遅延もしくは最小化するのに十分な量である。化合物の治療有効量とは、疾患または障害の処置または管理において治療利益を提供する、単独の、または他の療法と組み合わせた治療剤の量を意味する。「治療有効量」という用語は、療法全体を改善する、疾患もしくは障害の症状もしくは原因を低減もしくは回避する、または別の治療剤の治療有効性を増強する量を包含できる。
【0072】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、化合物の「予防的有効量」とは、疾患もしくは障害を予防するのに、またはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防的有効量とは、疾患の予防において予防的利益を提供する、単独の、または他の薬剤と組み合わせた治療剤の量を意味する。「予防的有効量」という用語は、予防全体を改善する、または別の予防薬の予防的有効性を増強する量を包含できる。
【0073】
以下では、本明細書において示される特定の実施形態の全てのあり得る組合せを含む実施形態が本明細書で提供される。
【0074】
化合物1
本明細書で提供される方法および製剤における使用に適した化合物は、構造:
【化2】
を有する化合物1:2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、アイソトポログ、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体がある。ある特定の実施形態では、化合物1とは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを指す。
【0075】
化合物1は、本明細書で提供される実施例に記載される、または参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,499,514号に記載されるような方法に従って調製できる。化合物は、本明細書の教示に基づいて、当業者に明らかな他の方法に従っても合成され得る。
【0076】
ある特定の実施形態では、化合物1は固形物である。ある特定の実施形態では、化合物1は、水和物である。ある特定の実施形態では、化合物1は、溶媒和されている。ある特定の実施形態では、化合物1は、無水である。
【0077】
ある特定の実施形態では、化合物1は、非晶質である。ある特定の実施形態では、化合物1は、結晶性である。ある特定の実施形態では、化合物1は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2017年1月6日に出願された米国特許公開第2017-0197934号に記載される結晶形態にある。例示的固形物形態は、頁数86~101に記載されている。
【0078】
化合物1の固形物形態は、2017年1月6日に出願された米国特許公開第2017-0197934号の開示内容に記載された方法に従って調製できる。頁数86~101を参照されたい。固形物形態は、当業者には明らかな他の方法に従っても調製され得る。
【0079】
一実施形態では、化合物1は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの多形体形態A、形態B、形態C、形態D、形態Eまたは非晶質形態である。2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの多形性は、本明細書に簡単に記載される。
【0080】
グルココルチコイド受容体アゴニスト
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、例えば、それぞれのグルココルチコイドの添付文書において報告されるような当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。グルココルチコイド受容体アゴニスト投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、デキサメタゾンである。
【0081】
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、例えば、デキサメタゾンナトリウムホスフェートの添付文書において報告されるような当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。例えば、デキサメタゾンナトリウムホスフェート-デキサメタゾンナトリウムホスフェート注射、溶液、Fresenius Kabi USA、LLCおよびデカドロン(登録商標)(デキサメタゾン錠、USP)、Merck & Co., Inc.の添付文書を参照されたい。デキサメタゾン投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。
【0082】
ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、静脈内、筋肉内、関節内、病巣内または軟部組織注射として1日あたり約0.5mg~約20mgの量で投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、静脈内、筋肉内、関節内、病巣内または軟部組織注射として1日あたり約0.5mg~約15mgの量で投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、静脈内、筋肉内、関節内、病巣内または軟部組織注射として1日あたり約0.5mg~約10mgの量で投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、静脈内、筋肉内、関節内、病巣内または軟部組織注射として1日あたり約0.5mg~約9mgの量で投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、静脈内注射として1日あたり約10mgの量で投与される。
【0083】
ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、12時間毎に約10mgの用量で静脈内に投与される。
【0084】
ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、1日あたり約0.75~20mgの用量で経口的に投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、1日あたり約0.75~15mgの用量で経口的に投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、1日あたり約0.75~10mgの用量で経口的に投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、1日あたり約0.75~9mgの用量で経口的に投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、1日あたり約10mgの用量で経口的に投与される。
【0085】
ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、1日あたり約0.75~20mgの用量で経口錠剤として投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、1日あたり約0.75~15mgの用量で経口錠剤として投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、1日あたり約0.75~10mgの用量で経口錠剤として投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、1日あたり約0.75~9mgの用量で経口錠剤として投与される。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、1日あたり約10mgの用量で経口錠剤として投与される。
【0086】
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、プレドニゾロンは、例えば、プレドニゾロンの添付文書において報告される当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。プレドニゾロン投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。ある特定の実施形態では、プレドニゾロンは、錠剤または経口溶液として経口投与される。ある特定の実施形態では、プレドニゾロンは、1日あたり約10~60mgの量で経口錠剤として投与される。ある特定の実施形態では、プレドニゾロンは、1日あたり約5~60mgの量で経口錠剤として投与される。
【0087】
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、プレドニゾンは、例えば、プレドニゾンの添付文書において報告される当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。プレドニゾン投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。ある特定の実施形態では、プレドニゾンは、錠剤または経口溶液として経口投与される。ある特定の実施形態では、プレドニゾンは、1日あたり約5~60mgの量で錠剤または経口溶液として投与される。
【0088】
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、メチルプレドニゾロンは、例えば、メチルプレドニゾロンの添付文書において報告される当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。メチルプレドニゾロン投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。ある特定の実施形態では、メチルプレドニゾロンは、静脈内注射によって、静脈内注入によって、筋肉内注射によって、または経口的に投与される。ある特定の実施形態では、メチルプレドニゾロンは、約5~50mgまたは10~40mgの量で投与される。ある特定の実施形態では、メチルプレドニゾロンは、1日あたり約5~50mgまたは1日あたり10~40mgの量で投与される。
【0089】
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、ヒドロコルチゾンは、例えば、ヒドロコルチゾンの添付文書において報告される当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。例えば、ソル-コーテフ(登録商標)の添付文書を参照されたい。ヒドロコルチゾン投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。ある特定の実施形態では、ヒドロコルチゾンは、静脈内注射によって、静脈内注入によって、筋肉内注射によって、または経口的に投与される。ある特定の実施形態では、ヒドロコルチゾンは、約100~500mgの量で投与される。ある特定の実施形態では、用量は、2、4または6時間間隔で反復され得る。ある特定の実施形態では、ヒドロコルチゾンは、約800mgから1週間、それに続いて、隔日で320mgの量で1カ月間投与される。
【0090】
ある特定の実施形態では、小児患者におけるヒドロコルチゾンの初回用量は、3または4回の分割用量で0.56~8mg/kg/日(20~240mg/mbsa/日)である。
【0091】
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、トリアムシノロンは、例えば、トリアムシノロンの添付文書において報告される当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。例えば、ケナログ(登録商標)-40注射の添付文書を参照されたい。トリアムシノロン投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。ある特定の実施形態では、トリアムシノロンは、静脈内注射によって、または筋肉内注射によって投与される。ある特定の実施形態では、トリアムシノロンは、約2.5~100mgの量で投与される。ある特定の実施形態では、トリアムシノロンは、1日あたり約20mg以下の量で投与される。ある特定の実施形態では、トリアムシノロンは、1日あたり約40mg~80mgの量で投与される。ある特定の実施形態では、トリアムシノロンは、1日あたり約40mg~100mgの量で投与される。ある特定の実施形態では、トリアムシノロンは、1日あたり約60mgの量で投与される。
【0092】
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、ベタメタゾンは、当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。例えば、CELESTONE(登録商標)SOLUSPAN(登録商標)の添付文書を参照されたい。ベタメタゾン投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。
【0093】
ある特定の実施形態では、ベタメタゾンは、1日あたり約0.25mg~約9.0mgの量で非経口的に投与される。ある特定の実施形態では、ベタメタゾンは、1日あたり約0.25mg~約9.0mgの量で筋肉内注射として投与される。
【0094】
ある特定の実施形態では、ベタメタゾンは、30mgの1日用量で1週間、次いで、1日おきに12mgで1カ月間投与される。
【0095】
ある特定の実施形態では、ベタメタゾンは、小児患者において、3または4回の分割用量で投与される0.02~0.3mg/kg/日の初回用量で(0.6~9mg/mbsa/日)投与される。
【0096】
IL-1受容体アンタゴニスト
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、IL-1β受容体アンタゴニストは、例えば、アナキンラの添付文書において報告される当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。IL-1β受容体アンタゴニスト投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。一実施形態では、IL-1β受容体アンタゴニストは、アナキンラ、例えば、KINERET(登録商標)(Amgen)である。
【0097】
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、アナキンラは、例えば、アナキンラの添付文書において報告される当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。例えば、皮下使用用のKINERET(登録商標)(アナキンラ)注射(Amgen)の添付文書を参照されたい。アナキンラ投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。
【0098】
ある特定の実施形態では、アナキンラは、皮下注射として1日あたり約100mgの量で投与される。いくつかの実施形態では、アナキンラは、皮下注射として約100mgの量で毎日投与される。他の実施形態では、アナキンラは、皮下注射として約100mgの量で1日おきに投与される。
【0099】
IL-1β遮断薬
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、IL-1β遮断薬は、例えば、カナキヌマブの添付文書において報告される当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。IL-1β遮断薬投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。一実施形態では、IL-1β遮断薬は、カナキヌマブ、例えば、ILARIS(登録商標)(Novartis)である。
【0100】
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、カナキヌマブは、例えば、カナキヌマブの添付文書において報告されるような当技術分野で公知の投与量および投薬スケジュールに従って投与される。例えば、注射用、皮下使用用のILARIS(登録商標)(カナキヌマブ)(Novartis)の添付文書を参照されたい。カナキヌマブ投与の頻度および/または用量は、患者の評価に基づいて改変できる。ある特定の実施形態では、カナキヌマブは、皮下注射として4週間毎に約150mg~約300mgの量で投与される。いくつかの実施形態では、カナキヌマブは、皮下注射として8週間毎に約150mg~約300mgの量で投与される。
【0101】
方法
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン(methylpredisolone)、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、IL-1受容体アンタゴニストは、アナキンラである。一実施形態では、IL-1β遮断薬は、カナキヌマブである。
【0102】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与する工程を含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与する工程を含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、がんは、血液がんである。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、がんは、血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病である。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある特定の実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。
【0103】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与する工程を含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、がんは、血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病である。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある特定の実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。
【0104】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。
【0105】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連する低血圧症を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、患者に、単回の低用量の昇圧剤を投与する工程を含む。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、患者に、1回または複数回の高用量の昇圧剤を投与する工程を含む。昇圧剤の非限定的な例として、エピネフリン、イソプロテレノール、フェニレフリン、ノルエピネフリン、ドブタミン、エフェドリン、ドロキシドパ、ドーパミンおよび当技術分野で公知の他のものが挙げられる。例示的な高用量の昇圧剤は、表Iに提供されている:
【表2】
【0106】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、グレード2の低血圧症である低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和することを含む。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、グレード3以上の低血圧症である低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和することを含む。
【0107】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード2の低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード2の低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード2の低血圧症を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード2の低血圧症を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード2の低血圧症を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード2の低血圧症を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、方法は、デキサメタゾンを投与する工程をさらに含む。
【0108】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード3以上の低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード3以上の低血圧症を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード3以上の低血圧症を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード3以上の低血圧症を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード3以上の低血圧症を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1と関連するグレード3以上の低血圧症を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1、治療有効量のアナキンラおよび治療有効量の昇圧剤を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、患者に、単回の低用量の昇圧剤を投与する工程を含む。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、患者に、1回または複数回の高用量の昇圧剤を投与する工程を含む。一実施形態では、昇圧剤は、エピネフリン、イソプロテレノール、フェニレフリン、ノルエピネフリン、ドブタミン、エフェドリン、ドロキシドパ、ドーパミンおよび当技術分野で公知の他のものから選択される。
【0109】
一実施形態では、がんは、血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病である。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある特定の実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。
【0110】
化合物1は、タンパク質翻訳終結因子であるG1からSへの相転移1(GSPT1)のユビキチン化および分解を促進し、統合ストレス応答(ISR)の活性化、ナンセンス媒介性崩壊の阻害およびアポトーシスの誘導をもたらすと知られている。何らかの理論に捉われることは望まないが、化合物1によるGSPT-1分解は、general control non-derepressible 2(GCN2)経路活性化を誘導し、これが、pro-インターロイキン-1β(pro-IL-1β)上方制御およびカスパーゼ8活性化につながる。活性化されたカスパーゼ8は、カスパーゼ1とは独立にpro-IL-1βをプロセシングし、インターロイキン-1β(IL-1β)放出および低血圧を含むその後の炎症応答をもたらす。
【0111】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のインターロイキン-1受容体アンタゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイド受容体アゴニストは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、IL-1受容体アンタゴニストは、アナキンラである。一実施形態では、IL-1β遮断薬は、カナキヌマブである。
【0112】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。別の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法を提供する。別の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法を提供する。別の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。別の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1媒介性インターロイキン-1β(IL-1β)誘導を抑制する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1媒介性IL-1β誘導を約10%またはそれ以上抑制する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1媒介性IL-1β誘導を約10%~約90%またはそれ以上抑制する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1媒介性IL-1β誘導を約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%抑制する。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1によってがん細胞死滅の速度も深度も変更せずに、化合物1媒介性IL-1β誘導を抑制する。一実施形態では、がんは、血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病である。一実施形態では、白血病は、AMLである。ある特定の実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。
【0113】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニストを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のグルココルチコイド受容体アゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、グルココルチコイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。一実施形態では、グルココルチコイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾンである。
【0114】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1受容体アンタゴニストを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1受容体アンタゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1受容体アンタゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1受容体アンタゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1受容体アンタゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1受容体アンタゴニストを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、IL-1受容体アンタゴニストは、アナキンラである。
【0115】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1β遮断薬を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物Iを提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のIL-1β遮断薬を投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、IL-1β遮断薬は、カナキヌマブである。
【0116】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のデキサメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。他の実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、がんは、血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病である。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある特定の実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。
【0117】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物Iを提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、がんは、血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病である。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある特定の実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。
【0118】
一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置、予防、管理および/または緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を予防する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与する工程を含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を管理する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、本明細書は、がん患者において化合物1によって関連している炎症応答を緩和する方法であって、該患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量のカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。一実施形態では、がんは、血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病である。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある特定の実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。
【0119】
本明細書はまた、化合物1によって関連している本明細書で提供される任意の疾患を処置する方法において使用するための化合物1を提供し、ここで、該方法は、患者に、治療有効量の化合物1および治療有効量の本明細書に記載の任意のグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む。
【0120】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、JAK阻害剤、FLT3阻害剤、mTOR阻害剤、スプライセオソーム阻害剤、BET阻害剤、SMG1阻害剤、ERK阻害剤、LSD1阻害剤、BH3ミメティクス、トポイソメラーゼ阻害剤およびRTK阻害剤から選択される追加の薬剤を投与することをさらに含む。
【0121】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法におけるがん患者は、以前にがんを処置されたが、がん療法に対して非応答性である患者ならびに以前に処置されていなかった患者である。また、患者の年齢に関わらず患者を処置する方法も包含するが、一部の疾患または障害はある特定の年齢群に多く見られる。さらに、問題のがんを処置しようとして外科手術を受けた患者、ならびに受けていない患者を処置する方法を包含する。がんの患者は、異質の臨床症状および様々な臨床転帰を示すため、患者に与えられる処置は、彼らの診断に応じて異なり得る。腕のいい臨床医は、がんを有する個々の患者を処置するために有効に使用され得る、特定の二次薬剤、外科手術型、および非薬物ベースの標準治療の型を、過度の実験をせずに、容易に決定することができるであろう。
【0122】
ある特定の実施形態では、がんは、固形腫瘍または血液がんである。ある特定の実施形態では、がんは、インターロイキン-3(IL-3)に依存しない。ある特定の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。ある特定の実施形態では、固形腫瘍は、転移性である。ある特定の実施形態では、固形腫瘍は、薬物抵抗性である。
【0123】
ある特定の実施形態では、がんとは、皮膚組織、臓器、血液および、血管の疾患を指す。ある特定の実施形態では、がんは、固形腫瘍であり、限定されるものではないが、膀胱、骨、血液、脳、乳房、子宮頸部、胸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、リンパ節、肺、口腔、頸部、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、胃、精巣、咽頭、および子宮のがんを含む。特定のがんとしては、限定されるものではないが、進行性悪性腫瘍、アミロイドーシス、神経芽細胞腫、髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、多形性神経膠芽腫、神経膠芽腫、脳幹神経膠腫、予後不良悪性脳腫瘍、悪性神経膠腫、続発性悪性神経膠腫、未分化星状細胞腫、退形成乏突起神経膠腫、神経内分泌腫瘍、直腸腺癌、ステージ3およびステージ4切除不能結腸直腸癌を含む結腸直腸がん、転移性肝細胞癌、カポジ肉腫、核型急性骨髄芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、悪性胸水中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭状漿液性癌、婦人科肉腫、軟部組織肉腫、強皮症、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、平滑筋肉腫、進行性骨化性繊維形成異常症、ホルモン不応性前立腺がん、切除ハイリスク軟部組織肉腫、切除不能肝細胞癌、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、無痛無症候性骨髄腫、ファロピウス管がん、アンドロゲン非依存性前立腺がん、アンドロゲン依存性ステージIV非転移性前立腺がん、ホルモン非感受性前立腺がん、化学療法非感受性前立腺がん、甲状腺乳頭癌、濾胞状甲状腺癌および髄様甲状腺癌を含む癌腫、および平滑筋腫が挙げられる。
【0124】
ある特定の実施形態では、がんは、固形腫瘍であり、限定されるものではないが、皮膚、中枢神経系、軟部組織、唾液腺、卵巣、腎臓、肺、骨、胃、子宮内膜、膵臓、泌尿器、甲状腺、上部気道消化管、乳房、大腸、食道、前立腺、肝臓、自律神経節および悪性胸腔中皮腫のがんを含む。
【0125】
ある特定の実施形態では、固形腫瘍は、肝細胞癌、前立腺がん、卵巣がんまたは神経膠芽腫である。
【0126】
ある特定の実施形態では、固形腫瘍は、乳がん、腎臓がん、膵臓がん、胃腸がん、肺がん、神経内分泌腫瘍(NET)または腎細胞癌(RCC)である。
【0127】
ある特定の実施形態では、がんは、血液がんである。ある特定の実施形態では、血液がんは、転移性である。ある特定の実施形態では、血液がんは、少なくとも1つの抗がん療法に対して薬物抵抗性である。ある特定の実施形態では、血液がんは、少なくとも1つの抗がん療法に対して再発性または不応性である。
【0128】
一実施形態では、血液がんは、多発性骨髄腫(MM)である。一実施形態では、血液がんは、再発性/不応性(R/R)MMである。一実施形態では、R/R MMの患者は、腎機能を損なっている。
【0129】
一実施形態では、血液がんは、急性骨髄性白血病(AML)である。一実施形態では、血液がんは、急性リンパ性白血病(ALL)である。一実施形態では、血液がんは、成人T細胞白血病である。一実施形態では、血液がんは、慢性リンパ性白血病(CLL)である。一実施形態では、血液がんは、へアリー細胞白血病である。一実施形態では、血液がんは、脊髄形成異常症である。一実施形態では、血液がんは、骨髄増殖性障害または骨髄増殖性新生物(MPN)である。一実施形態では、血液がんは、慢性骨髄性白血病(CML)である。一実施形態では、血液がんは、骨髄異形成症候群(MDS)である。一実施形態では、血液がんは、ヒトリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)白血病である。一実施形態では、血液がんは、肥満細胞症である。一実施形態では、血液がんは、B細胞急性リンパ性白血病である。一実施形態では、血液がんは、CLLである。
【0130】
一実施形態では、血液がんは、対象におけるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、B細胞免疫芽球性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、ヒトリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)白血病/リンパ腫、成人T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、AIDS関連リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫、形質転換リンパ腫、縦隔原発(胸腺)B細胞性大細胞型リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、リヒター形質転換、節性辺縁帯リンパ腫およびALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫から選択される。一実施形態では、血液がんは、HLである。一実施形態では、血液がんは、NHLである。一実施形態では、血液がんは、低悪性度リンパ腫であり、例えば、DLBCL、濾胞性リンパ腫および辺縁帯リンパ腫を含む。
【0131】
一実施形態では、血液がんは、白血病である。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。一実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。一実施形態では、AMLは、新規に診断されたAMLである。別の実施形態では、AMLは、FAB分類M0/1を有する。別の実施形態では、AMLは、FAB分類M2を有する。別の実施形態では、AMLは、FAB分類M3を有する。別の実施形態では、AMLは、FAB分類M4を有する。別の実施形態では、AMLは、FAB分類M5を有する。一実施形態では、AMLは、少なくとも1つの反復性遺伝子異常を有するAML(例えば、8番および21番染色体の間に転座を有するAML;16番染色体中に転座または逆位を有するAML;9番および11番染色体の間に転座を有するAML;15番および17番染色体の間に転座を有するAPL(M3);6番および9番染色体の間に転座を有するAML;3番染色体中に転座または逆位を有するAML);1番および22番染色体の間に転座を有するAML(巨核芽球性);脊髄形成異常症関連変化を有するAML;以前の化学療法または放射線照射と関連するAML(例えば、アルキル化剤関連AML;またはトポイソメラーゼII阻害剤関連AML);他に分類されないAML(例えば、上記のカテゴリーに入らないAML、すなわち、AML最小分化型(M0);最小成熟を有するAML(M1);成熟を有するAML(M2);急性骨髄単球性白血病(M4);急性単球性白血病(M5);急性赤血球白血病(M6);急性巨核芽球性白血病(M7);急性好塩基球性白血病;または線維症を伴う急性汎骨髄症);骨髄性肉腫(顆粒球性肉腫、緑色腫または髄外骨髄芽球腫としても知られる);または未分化型および二重表現型急性白血病(混合表現型急性白血病としても知られる)である。一実施形態では、AMLは、IDH2の変異型アレルによって特徴付けられる。この実施形態の一態様では、IDH2の変異型アレルは、R140X突然変異を有する。この実施形態の別の態様では、R140X突然変異は、R140Q突然変異である。この実施形態の別の態様では、R140X突然変異は、R140W突然変異である。この実施形態の別の態様では、R140X突然変異は、R140L突然変異である。この実施形態の別の態様では、IDH2の変異型アレルは、R172X突然変異を有する。この実施形態の別の態様では、R172X突然変異は、R172K突然変異である。この実施形態の別の態様では、R172X突然変異は、R172G突然変異である。
【0132】
一実施形態では、AMLは、同種異系HSCT後の再発性AMLである。一実施形態では、AMLは、第2のまたは後に再発したAMLである。一実施形態では、AMLは、最初の導入または再導入処置に対して不応性である。ある特定の実施形態では、AMLは、少なくとも1つの導入/再導入または地固め療法に対して不応性である。一実施形態では、AMLは、低メチル化剤(HMA)に対して不応性または低メチル化剤(HMA)後に再発性である。本明細書で使用される場合、HMAの失敗は、最小6サイクル後の一次進行もしくは臨床利益の欠如または毒性のためにHMAを耐容できないこととして定義される。一実施形態では、AMLは、最初の処置の1年以内に再発する(好ましいリスク状態のAMLを除く)。
【0133】
いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびデキサメタゾンを、追加の活性剤と組み合わせて、急性骨髄性白血病を処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。
【0134】
一実施形態では、血液がんは、急性リンパ性白血病(ALL)である。いくつかの実施形態では、ALLは、骨髄(B細胞)、胸腺(T細胞)およびリンパ節の芽細胞に由来する白血病を含む。ALLは、L1-成熟したように見えるリンパ芽球(T細胞またはプレ-B細胞)、L2-未成熟および多形性(多様な形状の)リンパ芽球(T細胞またはプレ-B細胞)およびL3-リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)のような、仏国-米国-英国(FAB)形態学的分類スキームに従って分類できる。一実施形態では、ALLは、骨髄(B細胞)の芽細胞に由来する。一実施形態では、ALLは、胸腺(T細胞)に由来する。一実施形態では、ALLは、リンパ節に由来する。一実施形態では、ALLは、成熟したように見えるリンパ芽球(T細胞またはプレ-B細胞)を特徴とするL1型である。一実施形態では、ALLは、未成熟および多形性(多様な形状の)リンパ芽球(T細胞またはプレ-B細胞)を特徴とするL2型である。一実施形態では、ALLは、リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)を特徴とするL3型である。ある特定の実施形態では、ALLは、T細胞白血病である。一実施形態では、T細胞白血病は、末梢T細胞白血病である。別の実施形態では、T細胞白血病は、T細胞リンパ性白血病である。別の実施形態では、T細胞白血病は、皮膚T細胞白血病である。別の実施形態では、T細胞白血病は、成人T細胞白血病である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびデキサメタゾンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびデキサメタゾンを、追加の活性剤と組み合わせて、ALLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。他の実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを、追加の活性剤と組み合わせて、ALLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。他の実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン,コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを、追加の活性剤と組み合わせて、ALLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。
【0135】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびアナキンラを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびアナキンラを、追加の活性剤と組み合わせて、ALLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。
【0136】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびカナキヌマブを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびカナキヌマブを、追加の活性剤と組み合わせて、ALLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。
【0137】
一実施形態では、血液がんは、対象における慢性骨髄性白血病(CML)である。方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびデキサメタゾンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびデキサメタゾンを、追加の活性剤と組み合わせて、CMLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを、追加の活性剤と組み合わせて、CMLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを、追加の活性剤と組み合わせて、CMLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびアナキンラを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびアナキンラを、追加の活性剤と組み合わせて、CMLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびカナキヌマブを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびカナキヌマブを、追加の活性剤と組み合わせて、CMLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。
【0138】
一実施形態では、血液がんは、対象における慢性リンパ性白血病(CLL)である。方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびデキサメタゾンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびデキサメタゾンを、追加の活性剤と組み合わせて、CLLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを、追加の活性剤と組み合わせて、CLLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを、追加の活性剤と組み合わせて、CLLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびアナキンラを投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびアナキンラを、追加の活性剤と組み合わせて、CLLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびカナキヌマブを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象に、化合物1およびカナキヌマブを、追加の活性剤と組み合わせて、CLLを処置、予防および/または管理するのに有効な量で投与することを含む。
【0139】
一実施形態では、血液がんは、骨髄異形成症候群(MDS)である。一実施形態では、MDSは、再発性、抵抗性または不応性MDSである。一実施形態では、MDSは、不応性貧血(RA);環状鉄芽球を伴うRA(RARS);芽細胞の発現を伴うRA(RAEB);多系列の異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、単系列の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD);分類不可能な骨髄異形成症候群(MDS-U)、孤立したdel(5q)染色体異常と関連する骨髄異形成症候群、療法関連骨髄性新生物または慢性骨髄単球性白血病(CMML)である。いくつかの実施形態では、MDSは、極めて低いリスク、低いリスク、中間のリスク、高いリスクおよび極めて高いリスクのMDSである。一実施形態では、MDSは、極めて低いリスクである。別の実施形態では、MDSは、低いリスクである。別の実施形態では、MDSは、中間のリスクである。別の実施形態では、MDSは、高いリスクである。別の実施形態では、MDSは、極めて高いリスクのMDSである。一実施形態では、MDSは、再発性または不応性高リスクMDSである。一実施形態では、MDSは、改訂国際予後スコアリングシステム(IPSS-R)でスコア>3.5ポイントを有する(例えば、IPSS-R中間リスク(10%を超える骨髄芽細胞または不良もしくは極めて不良のIPSS-R細胞遺伝学的リスクと組み合わせた)、IPSS-R高およびIPSS-R極高リスク)。一実施形態では、MDSは、他の確立された療法(例えば、移植または低メチル化剤)に適していない。いくつかの実施形態では、MDSは、原発性または新規のMDSである。他の実施形態では、MDSは、続発性MDSである。一実施形態では、MDSは、最初の導入または再導入処置に対して不応性である。ある特定の実施形態では、MDSは、少なくとも1つの導入/再導入または地固め療法に対して不応性である。ある特定の実施形態では、対象においてMDSを処置、予防および/または管理する方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびデキサメタゾンを投与することを含む。ある特定の実施形態では、対象においてMDSを処置、予防および/または管理する方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む。ある特定の実施形態では、対象においてMDSを処置、予防および/または管理する方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン,ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを処置、予防および/または管理する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを処置、予防および/または管理する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含むにおいて使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを処置する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを処置する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含むにおいて使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを予防する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを予防する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを管理する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与する工程を含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを管理する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロンまたはベタメタゾンを投与する工程を含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、対象においてMDSを処置、予防および/または管理する方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびアナキンラを投与することを含む。ある特定の実施形態では、対象においてMDSを処置、予防および/または管理する方法において使用するための化合物1は、対象に、治療有効量の化合物1およびアナキンラを投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを処置する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを予防する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを管理する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびアナキンラを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、対象においてMDSを処置、予防および/または管理する方法は、対象に、治療有効量の化合物1およびカナキヌマブを投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを処置、予防および/または管理する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびカナキヌマブを投与する工程を含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを処置する方法であって、該対象に、化合物1およびカナキヌマブの治療有効量を投与する工程を含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを予防する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書は、対象においてMDSを管理する方法であって、該対象に、治療有効量の化合物1およびカナキヌマブを投与することを含む、方法において使用するための化合物1を提供する。
【0140】
一実施形態では、血液がんは、骨髄増殖性新生物である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、真性赤血球増加症、原発性または本態性血小板血症、骨髄線維症、慢性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、慢性好酸球性白血病または好酸球増加症候群である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、真性赤血球増加症、原発性または本態性血小板血症、原発性または特発性骨髄線維症、続発性骨髄線維症(myeolofibrosis)、真性赤血球増加症後骨髄線維症、本態性血小板血症後骨髄線維症、慢性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、慢性好酸球性白血病または好酸球増加症候群である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、真性赤血球増加症である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、原発性または本態性血小板血症である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、骨髄線維症である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、原発性または特発性骨髄線維症である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、続発性骨髄線維症である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、真性赤血球増加症後骨髄線維症である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、本態性血小板血症後骨髄線維症である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、慢性骨髄性白血病である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、慢性好中球性白血病である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、若年性骨髄単球性白血病である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、慢性好酸球性白血病である。一実施形態では、骨髄増殖性新生物は、好酸球増加症候群である。ある特定の実施形態では、骨髄増殖性新生物は、インターロイキン-3(IL-3)に依存しない。いくつかの実施形態では、骨髄増殖性新生物は、JAK突然変異、例えば、V617突然変異、例えば、V617Fによって特徴付けられる。
【0141】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1の静脈内投与を含む。一実施形態では、化合物1の製剤は、本明細書で提供される方法において静脈内投与用の水溶液を形成するために水に溶解される。
【0142】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、腎機能障害のある患者に、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書は、限定されるものではないが、疾患、加齢または他の患者因子による腎機能障害のある患者に、適切な用量調整をもたらす方法を提供する。
【0143】
ある特定の実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.005~約20mg、1日あたり約0.05~20mg、1日あたり約0.01~約10mg、1日あたり約0.01~約7mg、1日あたり約0.01~約5mg、1日あたり約0.01~約3mg、1日あたり約0.05~約10mg、1日あたり約0.05~約7mg、1日あたり約0.05~約5mg、1日あたり約0.05~約3mg、1日あたり約0.1~約15mg、1日あたり約0.1~約10mg、1日あたり約0.1~約7mg、1日あたり約0.1~約5mg、1日あたり約0.1~約3mg、1日あたり約0.5~約10mg、1日あたり約0.5~約5mg、1日あたり約0.5~約3mg、1日あたり約0.5~約2mg、1日あたり約0.3~約10mg、1日あたり約0.3~約8.5mg、1日あたり約0.3~約8.1mg、1日あたり約0.6~約10mgまたは1日あたり約0.6~約5mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.005~約20mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.05~20mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.01~約10mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.01~約7mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.01~約5mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.01~約3mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.05~約10mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.05~約7mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.05~約5mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.05~約3mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.1~約15mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.1~約10mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.1~約7mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.1~約5mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.1~約3mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.5~約10mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.5~約5mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.5~約3mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.5~約2mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.3~約10mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.3~約8.5mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.3~約8.1mgである。一実施形態では、化合物1の治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.6~約10mgまたは1日あたり約0.6~約5mgである。
【0144】
ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.1、約0.2、約0.5、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9または約10mgである。いくつかのかかる実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.5、約0.6、約0.75、約1、約2、約3、約4、約5、約6または約7mgである。いくつかのかかる実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.6、約1.2、約1.8、約2.4、約3、約3.6mgまたは約4.5mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.1mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.2mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約0.5mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約1mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約2mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約3mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約4mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約4.5mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約5mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約6mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約7mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約8mgである。ある特定の実施形態では、1日あたり治療有効量または予防有効量は、1日あたり約9mgである。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、1日あたり約10mgである。
【0145】
一実施形態では、本明細書に記載の病態のための、化合物1の推奨される1日用量範囲は、1日あたり約0.01mg~約10mgの範囲内であり、好ましくは単一の1日1回用量、または1日のうちに分割用量で与えられる。いくつかの実施形態では、投与量は、1日あたり約0.1mg~約10mgの範囲である。他の実施形態では、投与量は、1日あたり約0.5~約5mgの範囲である。1日あたりの特定の用量としては、1日あたり0.1、0.2、0.5、0.6、1、1.2、1.5、1.8、2、2.4、2.5、3、3.5、3.6、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5または10mgが挙げられる。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり0.1mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり0.2mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり0.5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり0.6mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり1mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり1.2mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり1.5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり1.8mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり2mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり2.4mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり2.5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり3mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり3.5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり3.6mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり4mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり4.5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり5.5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり6mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり6.5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり7mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり7.5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり8mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり8.5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり9mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり9.5mgである。一実施形態では、1日あたりの用量は、1日あたり10mgである。
【0146】
特定の実施形態では、推奨される開始投与量は、1日あたり0.1、0.5、0.6、0.7、1、1.2、1.5、1.8、2、2.4、2.5、3、3.5、3.6、4、4.5、5、5.5、6、6.5または7mgであり得る。別の実施形態では、推奨される開始投与量は、1日あたり0.1、0.5、0.6、1、1.2、1.8、2、2.4、3、3.6、4、4.5または5mgであり得る。用量は、7、8、9、または10mg/日に上げられ得る。
【0147】
ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.001~約20mg/kg/日、約0.01~約15mg/kg/日、約0.01~約10mg/kg/日、約0.01~約9mg/kg/日、0.01~約8mg/kg/日、約0.01~約7mg/kg/日、約0.01~約6mg/kg/日、約0.01~約5mg/kg/日、約0.01~約4mg/kg/日、約0.01~約3mg/kg/日、約0.01~約2mg/kg/日、約0.01~約1mg/kg/日、または約0.01~約0.05mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.001~約20mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約15mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約10mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約9mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、0.01~約8mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約7mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約6mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約5mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約4mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約3mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約2mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約1mg/kg/日である。ある特定の実施形態では、治療有効量または予防有効量は、約0.01~約0.05mg/kg/日である。
【0148】
投与される用量は、mg/kg/日以外の単位でも表され得る。例えば、非経口投与の用量は、mg/m/日として表され得る。当業者は、所与の対象の身長もしくは体重、または両方に対して、用量をmg/kg/日からmg/m/日へと変換する方法を容易に理解するであろう(www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htm参照)。例えば、65kgのヒトの1mg/kg/日の用量は、38mg/m/日とほぼ等しい。
【0149】
ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、約0.001~約500μM、約0.002~約200μM、約0.005~約100μM、約0.01~約50μM、約1~約50μM、約0.02~約25μM、約0.05~約20μM、約0.1~約20μM、約0.5~約20μM、または約1~約20μMの範囲の、定常状態での化合物の血漿濃度を提供するのに十分である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、約0.001~約500μM、約0.002~約200μM、約0.005~約100μM、約0.01~約50μM、約1~約50μM、約0.02~約25μM、約0.05~約20μM、約0.1~約20μM、約0.5~約20μM、または約1~約20μMの範囲の、定常状態での化合物の血漿濃度を提供するのに十分である。
【0150】
他の実施形態では、投与される化合物1の量は、約5~約100nM、約5~約50nM、約10~約100nM、約10~約50nMまたは約50nM~約100nMの範囲の、定常状態での化合物の血漿濃度を提供するのに十分である。他の実施形態では、投与される化合物1の量は、約5~約100nMの範囲の、定常状態での化合物の血漿濃度を提供するのに十分である。他の実施形態では、投与される化合物1の量は、約5~約50nMの範囲の、定常状態での化合物の血漿濃度を提供するのに十分である。他の実施形態では、投与される化合物1の量は、約10~約100nMの範囲の、定常状態での化合物の血漿濃度を提供するのに十分である。他の実施形態では、投与される化合物1の量は、約10~約50nMの範囲の、定常状態での化合物の血漿濃度を提供するのに十分である。他の実施形態では、投与される化合物1の量は、約50~約100nMの範囲の、定常状態での化合物の血漿濃度を提供するのに十分である。
【0151】
本明細書で使用される場合、「定常状態での血漿濃度」という用語は、本明細書で提供される製剤の投与期間後に到達する濃度である。定常状態に到達すると、固形物形態の血漿濃度の経時曲線に微小ピークおよびトラフ値がある。
【0152】
ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約0.001~約500μM、約0.002~約200μM、約0.005~約100μM、約0.01~約50μM、約1~約50μM、約0.02~約25μM、約0.05~約20μM、約0.1~約20μM、約0.5~約20μM、または約1~約20μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約0.001~約500μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約0.002~約200μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約0.005~約100μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約0.01~約50μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約1~約50μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約0.02~約25μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約0.05~約20μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約0.1~約20μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約0.5~約20μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約1~約20μMの範囲である。
【0153】
ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最低血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約0.001~約500μM、約0.002~約200μM、約0.005~約100μM、約0.01~約50μM、約1~約50μM、約0.01~約25μM、約0.01~約20μM、約0.02~約20μM、約0.02~約20μM、または約0.01~約20μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最低血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約0.001~約500μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最低血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約0.002~約200μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最低血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約0.005~約100μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最低血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約0.01~約50μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最低血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約1~約50μM、約0.01~約25μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最低血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約0.01~約20μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最低血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約0.02~約20μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最低血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約0.02~約20μMの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の最低血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約0.01~約20μMの範囲である。
【0154】
ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の曲線下面積(AUC)を提供するのに十分であり、約100~約100,000nghr/mL、約1,000~約50,000nghr/mL、約5,000~約25,000nghr/mL、または約5,000~約10,000nghr/mLの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の曲線下面積(AUC)を提供するのに十分であり、約100~約100,000nghr/mLの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の曲線下面積(AUC)を提供するのに十分であり、約1,000~約50,000nghr/mLの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の曲線下面積(AUC)を提供するのに十分であり、約5,000~約25,000nghr/mLの範囲である。ある特定の実施形態では、投与される化合物1の量は、化合物の曲線下面積(AUC)を提供するのに十分であり、約5,000~約10,000nghr/mLの範囲である。
【0155】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法の1つによって処置される患者は、化合物1の投与前に、抗がん治療によって処置されていない。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法の1つによって処置される患者は、化合物1の投与前に、抗がん治療によって処置されている。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法の1つによって処置される患者は、抗がん治療に対して薬物難治性を発症している。
【0156】
本明細書で提供される方法は、患者の年齢に関わらず患者を処置する工程を包含するが、一部の疾患または障害は、ある特定の年齢群に多く見られる。
【0157】
化合物1は、1日1回(QD)または、1日2回(BID)、1日3回(TID)、および1日4回(QID)など、1日量を複数回に分けて投与され得る。さらに、投与は、連続的(すなわち連日毎日または毎日)、断続的、例えば周期的(すなわち数日、数週間、または数カ月の休薬を含む)であり得る。本明細書で使用される場合、「毎日」という用語は、治療化合物が、例えば、一定期間の間、1日1回または1回より多く投与されることを意味することを意図する。「連続的」という用語は、治療化合物が、少なくとも10日から52週間の中断されない期間の間、毎日投与されることを意味することを意図する。本明細書で使用される場合、「断続的な」または「断続的に」という用語は、規則的または不規則的な間隔のいずれかで停止および開始することを意味することを意図する。例えば、化合物1の断続的投与は、1週間あたり1日~6日間の投与、周期での投与(例えば、28日周期の1から10連続日間の毎日の投与、次いで、28日周期の残りの間の投与のない休薬期間または2~8連続週間の間の毎日の投与、次いで、最大1週間の投与のない休薬期間)または隔日の投与である。化合物1による周期的治療は、本明細書の他の箇所で議論する。
【0158】
いくつかの実施形態では、投与の頻度は、約1日用量から約毎月用量の範囲である。ある特定の実施形態では、投与は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、2日に1回、週2回、毎週1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回である。一実施形態では、化合物1は、1日1回投与される。別の実施形態では、化合物1は、1日2回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物1は、1日3回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物1は、1日4回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物1は、2日に1回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物1は、週2回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物1は、毎週1回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物1は、2週間に1回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物1は、3週間に1回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物1は、4週間に1回投与される。
【0159】
ある特定の実施形態では、化合物1は、1日から6カ月、1週間から3カ月、1週間から4週間、1週間から3週間、または1週間から2週間、1日あたり1回投与される。ある特定の実施形態では、化合物1は、1週間、2週間、3週間、または4週間、1日あたり1回投与される。一実施形態では、化合物1は、1日間、1日あたり1回投与される。一実施形態では、化合物1は、2日間、1日あたり1回投与される。一実施形態では、化合物1は、3日間、1日あたり1回投与される。一実施形態では、化合物1は、4日間、1日あたり1回投与される。一実施形態では、化合物1は、5日間、1日あたり1回投与される。一実施形態では、化合物1は、6日間、1日あたり1回投与される。一実施形態では、化合物1は、1週間、1日あたり1回投与される。一実施形態では、化合物1は、10日間、1日あたり1回投与される。別の実施形態では、化合物1は、2週間、1日あたり1回投与される。さらに別の実施形態では、化合物1は、3週間、1日あたり1回投与される。さらに別の実施形態では、化合物1は、4週間、1日あたり1回投与される。
【0160】
併用療法
一実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、IL-1β受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)は、JAK阻害剤、FLT3阻害剤、mTOR阻害剤、スプライセオソーム阻害剤、BET阻害剤、SMG1阻害剤、ERK阻害剤、LSD1阻害剤、BH3ミメティクス、トポイソメラーゼ阻害剤およびRTK阻害剤から選択される1つまたはそれ以上の追加の薬剤と組み合わせて、また適宜、放射線療法、輸血または手術を組み合わせて、がんに罹患している患者に投与される。一実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、IL-1β受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)は、JAK阻害剤、FLT3阻害剤、mTOR阻害剤、スプライセオソーム阻害剤、BET阻害剤、SMG1阻害剤、ERK阻害剤、LSD1阻害剤、BH3ミメティクス、トポイソメラーゼ阻害剤およびRTK阻害剤から選択される1つまたはそれ以上の追加の薬剤と組み合わせて、また適宜、放射線療法、輸血または手術を組み合わせて、がんの患者に投与される。追加の活性剤の例は、本明細書において開示されている。
【0161】
一実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、IL-1β受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)は、JAK阻害剤、FLT3阻害剤、mTOR阻害剤、スプライセオソーム阻害剤、BET阻害剤、SMG1阻害剤、ERK阻害剤、LSD1阻害剤、BH3ミメティクス、トポイソメラーゼ阻害剤およびRTK阻害剤から選択される1つまたはそれ以上の追加の薬剤と組み合わせて、また適宜、放射線療法、輸血または手術を組み合わせて、がんの患者に投与される。追加の活性剤の例は、本明細書において開示されている。一実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、IL-1β受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)は、JAK阻害剤、FLT3阻害剤、mTOR阻害剤、スプライセオソーム阻害剤、BET阻害剤、SMG1阻害剤、ERK阻害剤、LSD1阻害剤、BH3ミメティクス、トポイソメラーゼ阻害剤およびRTK阻害剤から選択される1つまたはそれ以上の追加の薬剤と組み合わせて、また適宜、放射線療法、輸血または手術を組み合わせて、がんの患者に投与される。追加の活性剤の例は、本明細書において開示されている。
【0162】
本明細書で使用される場合、用語「と組み合わせて(in combination)」は、1つより多くの治療(例えば1つまたはそれ以上の予防および/または治療剤)の使用を含む。しかしながら、「と組み合わせて(in combination)」という用語の使用は、疾患または障害の患者に治療(例えば予防剤および/または治療剤)が投与される順序を限定しない。例えば、「と組み合わせて(in combination)」は、混合物としての投与、別々の製剤を使用する同時投与、および任意の順序での連続投与を含み得る。「連続的(consecutive)」は、活性剤の投与の間に特定の時間が経過したことを意味する。例えば、「連続的(consecutive)」は、別々の活性剤の投与の間に10分より長く経過してもよい。期間は、次いで、10分より長い、30分より長い、1時間より長い、3時間より長い、6時間より長い、または12時間より長くてもよい。例えば、第1の治療(例えば、本明細書で提供される化合物1などの予防剤または治療剤)は、対象への追加の療法(例えば予防剤または治療剤)の投与前(例えば5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)、対象への追加の療法(例えば予防剤または治療剤)の投与と同時に、または対象への追加の療法(例えば予防剤または治療剤)の投与後(例えば5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)に投与され得る。3剤併用も、本明細書で検討される。
【0163】
一実施形態では、化合物1、グルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、IL-1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)および1つまたはそれ以上の追加の活性剤の患者への投与は、投与の同じまたは異なる経路によって同時にまたは順に行われ得る。一実施形態では、化合物1、グルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、IL-1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)および1つまたはそれ以上の追加の活性剤の患者への投与は、投与の同じまたは異なる経路によって同時にまたは順に行われ得る。特定の活性剤のために用いられる投与の特定の経路の適性は、活性剤自体(例えば血流に入る前に分解されずに経口投与され得るかどうか)および処置されるがんによるであろう。
【0164】
一実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)の患者への投与は、投与の同じまたは異なる経路によって同時にまたは順に行われ得る。一実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)の患者への投与は、投与の同じまたは異なる経路によって同時にまたは順に行われ得る。特定の活性剤のために用いられる投与の特定の経路の適性は、活性剤自体(例えば血流に入る前に分解されずに経口投与され得るかどうか)および処置されるがんによるであろう。
【0165】
化合物1の投与の経路は、グルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)および追加の療法の投与の経路によらない。化合物1の投与の経路は、グルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)および追加の療法の投与の経路によらない。したがって、一実施形態では、化合物1は、静脈内に投与され、グルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉注射、直腸、バッカル経由、鼻腔内、リポソーム経由、吸入を介して、膣内、眼内、カテーテルまたはステントによる局所送達を介して、皮下、脂肪組織内(intraadiposally)、関節内、くも膜下腔内、または徐放性剤形で投与される場合があり、追加の療法は、経口、非経口、腹腔内に、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉注射、直腸、バッカル経由、鼻腔内、リポソーム経由、吸入を介して、膣内、眼内、カテーテルまたはステントによる局所送達を介して、皮下、脂肪組織内、関節内、くも膜下腔内、または徐放性剤形で投与される場合がある。一実施形態では、化合物1、グルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)および追加の療法は、同一の投与様式によって、IVによって投与される。別の実施形態では、化合物1は、ある投与様式によって、例えば、IVによって投与され、グルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、コルチゾール、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)は、別の投与様式、例えば、経口的に投与され、追加の薬剤(抗がん剤)は、別の投与様式によって、例えば、経口的に投与される。別の実施形態では、化合物1は、ある投与様式によって、例えば、IVによって投与され、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)またはインターロイキン-1β遮断薬(例えば、カナキヌマブ)は、別の投与様式によって、例えば、皮下に投与され、追加の薬剤(抗がん剤)は、別の投与様式によって、例えば、経口的に投与される。
【0166】
一実施形態では、追加の活性剤は、静脈内または皮下に、および約1~約1000mg、約5~約500mg、約10~約350mg、または約50~約200mgの量で1日1回または2回投与される。追加の活性剤の特定の量は、使用される特定の薬剤、処置および/または管理される疾患の型、疾患の重症度およびステージ、化合物1の量および患者に同時に投与される任意の適宜追加の活性剤によるであろう。
【0167】
1つまたはそれ以上の追加の活性成分または活性剤は、本明細書で提供される方法および組成物中で化合物1およびグルココルチコイドと共に使用され得る。追加の活性剤は、高分子(例えばタンパク質)または低分子(例えば合成無機、有機金属、または有機分子)であり得る。
【0168】
高分子活性剤の例としては、限定されるものではないが、造血成長因子、サイトカイン、ならびにモノクローナルおよびポリクローナル抗体、特に、がん抗原に対する治療抗体が挙げられる。典型的な高分子活性剤は、生体分子、例えば天然に存在するかまたは合成もしくは組換えタンパク質である。本明細書で提供される方法および組成物で特に有用であるタンパク質は、インビトロまたはインビボで、造血前駆細胞および免疫賦活細胞(immunologically active poietic cell)の生存および/または増殖を刺激するタンパク質を含む。他の有用なタンパク質は、インビトロまたはインビボで、細胞において、コミットされた赤血球前駆体の分裂および分化を刺激する。特定のタンパク質としては、限定されるものではないが、インターロイキン、例えばIL-2(組換えIL-II(「rIL2」)およびカナリア痘IL-2を含む)、IL-10、IL-12、およびIL-18;インターフェロン、例えばインターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンベータ-Ia、およびインターフェロンガンマ-Ib;GM-CFおよびGM-CSF;およびEPOが挙げられる。
【0169】
ある特定の実施形態では、GM-CSF、G-CSF、SCFまたはEPOは、約1~約750mg/m/日、約25~約500mg/m/日、約50~約250mg/m/日、または約50~約200mg/m/日の範囲の量で4または6週サイクルで約5日間皮下に投与される。ある特定の実施形態では、GM-CSFは、約60~約500mcg/mの量で2時間静脈内に投与されるか、または約5~約12mcg/m/日で皮下に投与されてもよい。ある特定の実施形態では、G-CSFは、最初に約1mcg/kg/日の量で皮下に投与されてもよく、総顆粒球数の上昇によって調整され得る。G-CSFの維持用量は、約300(小さい患者)または480mcgの量で皮下に投与され得る。ある特定の実施形態では、EPOは、1週間あたり3回、10,000ユニットの量で皮下に投与されてもよい。
【0170】
方法および組成物で使用され得る特定のタンパク質としては、限定されるものではないが、商標名Neupogen(登録商標)(Amgen,Thousand Oaks,CA)として米国で販売されているフィルグラスチム;商標名Leukine(登録商標)(Immunex,Seattle,WA)として米国で販売されているサルグラモスチム;および商標名Epogen(登録商標)(Amgen,Thousand Oaks,CA)として米国で販売されている組換えEPOが挙げられる。
【0171】
組換え形態および突然変異形態のGM-CSFは、その全てが参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5391485号;同第5393870号;および同第5229496号に記載されるように調製され得る。組換え形態および突然変異形態のG-CSFは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第4810643号;同第4999291号;同第5528823号;および同第5580755号に記載されるように調製され得る。
【0172】
また、未変性、天然に存在する、および組換えタンパク質が、化合物1と組み合わせた使用のために提供される。インビボで、それらが基づくタンパク質の薬理学的活性の少なくとも一部を示す、天然に存在するタンパク質の突然変異体および誘導体(例えば修飾形態)がさらに包含される。突然変異体の例としては、限定されるものではないが、天然に存在する形態のタンパク質の相当する残基が異なる1つまたはそれ以上のアミノ酸残基を有するタンパク質が挙げられる。また、用語「突然変異体」には、それらの天然に存在する形態で通常存在する炭水化物部分を欠如するタンパク質(例えば非グリコシル化形態)が包含される。誘導体の例としては、限定されるものではないが、ペグ化誘導体および融合タンパク質、例えばIgG1またはIgG3をタンパク質または目的のタンパク質の活性部分に融合することによって形成されるタンパク質などが挙げられる。例えば、Penichet, M.L. and Morrison, S.L., J. Immunol. Methods 248:91-101 (2001)を参照されたい。
【0173】
化合物1と組み合わせて使用され得る抗体は、モノクローナルおよびポリクローナル抗体を含む。抗体の例としては、限定されるものではないが、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(商標))、ペルツズマブ(Omnitarg(商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex(登録商標))、およびG250が挙げられる。ある特定の実施形態では、化合物1は、抗TNF-α抗体、および/または抗EGFR抗体、例えばErbitux(登録商標)またはパニツムマブと組み合わされ得るか、または組み合わせて使用され得る。
【0174】
高分子活性剤は、抗がんワクチンの形態で投与され得る。例えば、IL-2、G-CSF、およびGM-CSFなどのサイトカインを分泌するかまたは分泌を引き起こすワクチンが、提供される方法および医薬組成物で使用され得る。例えば、Emens, L.A., et al., Curr. Opinion Mol. Ther. 3(1):77-84 (2001)を参照されたい。
【0175】
低分子である追加の活性剤は、本明細書で提供される化合物1の投与と関連する有害効果を緩和するためにも使用され得る。しかしながら、一部の高分子のように、多くは、化合物1と(例えば前、後、または同時に)投与される場合、相乗効果を提供することができると考えられる。低分子の追加の活性剤の例としては、限定されるものではないが、抗がん剤、抗生物質、免疫抑制剤、およびステロイドが挙げられる。
【0176】
ある特定の実施形態では、追加の薬剤は、HSP阻害剤、プロテアソーム阻害剤、FLT3阻害剤またはmTOR阻害剤である。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORキナーゼ阻害剤である。
【0177】
本明細書に記載される方法で使用される抗がん剤の例としては、限定されるものではないが、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ジメシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;セレコキシブ(COX-2阻害剤);クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;クロファラビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;Ara-C;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキセート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;フォスキドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシウレア;塩酸イダルビシン;イフォスファミド;イルモフォシン;イプロプラチン;イリノテカン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;ロイプロリドアセテート;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;マイトカルシン;マイトクロミン;マイトギリン;マイトマルシン;マイトマイシン;マイトスパー;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オマセタキシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルフォスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;ソラフェニブ;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;タキソテール;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;および塩酸ゾルビシンが挙げられる。
【0178】
本明細書の方法内に含まれる他の抗がん薬物としては、限定されるものではないが、20-エピ-1,25-ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背方化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン抗前立腺癌剤;抗エストロゲン剤;抗新生物剤;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィディコリン;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシスレギュレーター;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン類;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン類(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタアントラキノン類;シクロプラタム;シペマイシン;Ara-Cオクフォスフェート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキシフォスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール,9-;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルビシン(fluorodaunorunicin);フォルフェニメックス;フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモフォシン;イロマスタット;イマチニブ(例えばGleevec(登録商標));イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様増殖因子-1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール,4-;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;三酢酸ラメラリン-N;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖状ポリアミンアナログ;親油性二糖類ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;細胞溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;Erbitux、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗がん剤;ミカペルオキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;オブリメルセン(Genasense(登録商標));O-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカインインデューサー;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセルアナログ;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナオキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ポリ硫酸ペントサンナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルフォスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインA系免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤,微細藻類;プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン類;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;エチドロン酸レニウムRe186;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣物;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナルトランスダクション阻害剤;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;過活性血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣物;チマルファシン;チモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン類;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソール;ベラミン;ベルジン類;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマーが挙げられる。
【0179】
ある特定の実施形態では、追加の薬剤は、1つまたはそれ以上のチェックポイント阻害剤から選択される。一実施形態では、1つのチェックポイント阻害剤が、本明細書で提供される方法において化合物1と組み合わせて使用される。別の実施形態では、2つのチェックポイント阻害剤が、本明細書で提供される方法において化合物1と組み合わせて使用される。さらに別の実施形態では、3つまたはそれ以上のチェックポイント阻害剤が、本明細書で提供される方法において化合物1と組み合わせて使用される。
【0180】
本明細書で使用される場合、「免疫チェックポイント阻害剤」または「チェックポイント阻害剤」という用語は、1つまたはそれ以上のチェックポイントタンパク質を完全にまたは部分的に低減、阻害、干渉またはモジュレートする分子を指す。特定の理論に限定されるものではないが、チェックポイントタンパク質は、T細胞の活性化または機能を制御する。多数のチェックポイントタンパク質が公知であり、例えばCTLA-4およびそのリガンドであるCD80およびCD86;ならびにPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2がある(Pardoll, Nature Reviews Cancer, 2012, 12, 252-264)。これらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激相互作用または抑制相互作用に関与すると思われる。免疫チェックポイントタンパク質は、自己寛容ならびに生理学的免疫応答の持続時間および幅を制御および維持すると思われる。免疫チェックポイント阻害剤は、抗体を含むか、または抗体由来である。
【0181】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。一実施形態では、CTLA-4阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。抗CTLA-4抗体の例としては、限定されるものではないが、全てがその全体を本明細書に組み込まれる米国特許第5811097号;同第5811097号;同第5855887号;同第6051227号;同第6207157号;同第6682736号;同第6984720号;および同第7605238号に記載されるものが挙げられる。一実施形態では、抗CTLA-4抗体は、トレメリムマブ(チシリムマブまたはCP-675,206としても公知)である。別の実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(MDX-010またはMDX-101としても公知)である。イピリムマブは、CTLA-4に結合する、完全ヒトモノクローナルIgG抗体である。イピリムマブは、商品名Yervoy(登録商標)として市販されている。
【0182】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1/PD-L1阻害剤である。PD-1/PD-L1阻害剤の例としては、限定されるものではないが、全てがその全体を本明細書に組み込まれる米国特許第7488802号;同第7943743号;同第8008449号;同第8168757号;同第8217149号、ならびにPCT特許出願公開第WO2003042402号、同第WO2008156712号、同第WO2010089411号、同第WO2010036959号、同第WO2011066342号、同第WO2011159877号、同第WO2011082400号、および同第WO2011161699号に記載されるものが挙げられる。
【0183】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。一実施形態では、PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体である。一実施形態では、抗PD-1抗体は、BGB-A317、ニボルマブ(ONO-4538、BMS-936558、またはMDX1106としても公知)またはペムブロリズマブ(MK-3475、SCH900475、またはラモブロリズマブとしても公知)である。一実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。ニボルマブは、ヒトIgG4抗PD-1モノクローナル抗体であり、商品名Opdivo(登録商標)として市販されている。別の実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。ペムブロリズマブは、ヒト化モノクローナルIgG4抗体であり、商品名Keytruda(登録商標)として市販されている。さらに別の実施形態では、抗PD-1抗体は、ヒト化抗体CT-011である。CT-011の単独での投与は、再発時の急性骨髄性白血病(AML)の処置において応答を示さなかった。さらに別の実施形態では、抗PD-1抗体は、融合タンパク質AMP-224である。別の実施形態では、PD-1抗体は、BGB-A317である。BGB-A317は、Fc-ガンマ受容体Iに結合する能力が特に操作され、高親和性および優れた標的特異性でPD-1へのユニークな結合シグネチャーを有するモノクローナル抗体である。
【0184】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。一実施形態では、PD-L1阻害剤は、抗PD-L1抗体である。一実施形態では、抗PD-L1抗体は、MEDI4736(デュルバルマブ)である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、BMS-936559(MDX-1105-01としても公知)である。さらに別の実施形態では、PD-L1阻害剤は、アテゾリズマブ(MPDL3280A、およびTecentriq(登録商標)としても公知)である。
【0185】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L2阻害剤である。一実施形態では、PD-L2阻害剤は、抗PD-L2抗体である。一実施形態では、抗PD-L2抗体は、rHIgM12B7Aである。
【0186】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)阻害剤である。一実施形態では、LAG-3阻害剤は、可溶性Ig融合タンパク質IMP321である(Brignone et al., J. Immunol., 2007, 179, 4202-4211)。別の実施形態では、LAG-3阻害剤は、BMS-986016である。
【0187】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、B7阻害剤である。一実施形態では、B7阻害剤は、B7-H3阻害剤またはB7-H4阻害剤である。一実施形態では、B7-H3阻害剤は、抗B7-H3抗体MGA271である(Loo et al., Clin. Cancer Res., 2012, 3834)。
【0188】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、TIM3(T細胞免疫グロブリンドメインおよびムチンドメイン3)阻害剤である(Fourcade et al., J. Exp. Med., 2010, 207, 2175-86; Sakuishi et al., J. Exp. Med., 2010, 207, 2187-94)。
【0189】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、OX40(CD134)アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗OX40抗体である。一実施形態では、抗OX40抗体は、抗OX-40である。別の実施形態では、抗OX40抗体は、MEDI6469である。
【0190】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、GITRアゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗GITR抗体である。一実施形態では、抗GITR抗体は、TRX518である。
【0191】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CD137アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CD137抗体である。一実施形態では、抗CD137抗体は、ウレルマブである。別の実施形態では、抗CD137抗体は、PF-05082566である。
【0192】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CD40アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CD40抗体である。一実施形態では、抗CD40抗体は、CF870,893である。
【0193】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、組換えヒトインターロイキン15(rhIL-15)である。
【0194】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、IDO阻害剤である。一実施形態では、IDO阻害剤は、INCB024360である。別の実施形態では、IDO阻害剤は、インドキシモドである。
【0195】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される併用療法は、本明細書に記載のチェックポイント阻害剤の2つまたはそれ以上を含む(同一種類または異なる種類のチェックポイント阻害剤を含む)。さらに、本明細書に記載の併用療法は、本明細書に記載の疾患および当技術分野において認識されている疾患の処置に適切であれば、本明細書に記載される追加の活性剤と組み合わせて使用され得る。
【0196】
ある特定の実施形態では、化合物1は、それらの表面に1つまたはそれ以上のキメラ抗原受容体(CAR)を発現する1つまたはそれ以上の免疫細胞(例えば修飾免疫細胞)と組み合わせて使用され得る。一般に、CARは、第1のタンパク質(例えば抗原結合タンパク質)からの細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む。ある特定の実施形態では、細胞外ドメインが、標的タンパク質、例えば腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)に結合すると、シグナルは、免疫細胞を活性化する細胞内シグナル伝達ドメインを介して生成され、例えば標的タンパク質を発現する細胞を標的化し、死滅させる。
【0197】
細胞外ドメイン:CARの細胞外ドメインは、目的の抗原に結合する。ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインは、前記抗原に結合する受容体、または受容体の部分を含む。ある特定の実施形態では、細胞外ドメインは、抗体またはその抗原結合性部分を含むか、またはそれである。特定の実施形態では、細胞外ドメインは、一本鎖Fv(scFv)ドメインを含むか、またはそれである。一本鎖Fvドメインは、例えば、前記VLおよびVHが前記抗原に結合する抗体由来である場合、可動性リンカーによってVHに結合されたVLを含み得る。
【0198】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるポリペプチドの細胞外ドメインによって認識される抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)である。様々な特定の実施形態では、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、限定されるものではないが、Her2、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、がん抗原-125(CA-125)、CA19-9、カルレチニン、MUC-1、B細胞成熟抗原(BCMA)、上皮膜タンパク質(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼ、黒色腫-24関連抗原(MAGE)、CD19、CD22、CD27、CD30、CD34、CD45、CD70、CD99、CD117、EGFRvIII(上皮増殖因子バリアントIII)、メソテリン、PAP(前立腺酸性ホスファターゼ)、プロステイン、TARP(T細胞受容体ガンマ代替リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、STEAPI(プロステート1の6回膜貫通型上皮性抗原)、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、タンパク質メラン-A(Tリンパ球によって認識されるメラノーマ抗原;MART-I)、myo-D1、筋特異的アクチン(MSA)、神経フィラメント、神経特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス(synaptophysis)、チログロブリン、甲状腺転写因子-1、ピルビン酸キナーゼアイソエンザイムタイプM2(腫瘍M2-PK)の二量体形態、異常なrasタンパク質、または異常なp53タンパク質である。ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、インテグリンαvβ(CD61)、ガラクチン、またはRal-Bである。
【0199】
ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、がん/精巣(CT)抗原、例えばBAGE、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-ES0-1、NY-SAR-35、OY-TES-1、SPANXBI、SPA17、SSX、SYCPI、またはTPTEである。
【0200】
ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、炭水化物またはガングリオシド、例えば、fuc-GMI、GM2(腫瘍胎児抗原-免疫原性-1;OFA-I-1);GD2(OFA-I-2)、GM3、GD3などである。
【0201】
ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、アルファ-アクチニン-4、Bage-1、BCR-ABL、Bcr-Ab1融合タンパク質、ベータ-カテニン、CA125、CA15-3(CA27.29\BCAA)、CA195、CA242、CA-50、CAM43、Casp-8、cdc27、cdk4、cdkn2a、CEA、coa-1、dek-can融合タンパク質、EBNA、EF2、エプスタインバーウイルス抗原、ETV6-AML1融合タンパク質、HLA-A2、HLA-All、hsp70-2、KIAA0205、Mart2、Mum-1、2および3、neo-PAP、ミオシンクラスI、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PTPRK、K-ras、N-ras、トリオースリン酸イソメラーゼ、Gage3,4,5,6,7、GnTV、Herv-K-mel、Lage-1、NA-88、NY-Eso-1/Lage-2、SP17、SSX-2、TRP2-Int2、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2、MAGE-l、MAGE-3、RAGE、GAGE-l、GAGE-2、p15(58)、RAGE、SCP-1、Hom/Mel-40、PRAME、p53、HRas、HER-2/neu、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72-4、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、13-カテニン、Mum-1、p16、TAGE、PSMA、CT7、テロメラーゼ、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68\KP1、C0-029、FGF-5、G250、Ga733 (EpCAM)、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB\70K、NY-C0-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TAG72、TLP、またはTPSである。
【0202】
様々な特定の実施形態では、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、S. Anguille et al, Leukemia (2012), 26, 2186-2196に記載されるように、AML関連腫瘍抗原である。
【0203】
他の腫瘍関連抗原および腫瘍特異的抗原は、当技術分野で公知である。
【0204】
TSAおよびTAAに結合し、キメラ抗原受容体を構築するのに有用である受容体、抗体、およびscFvは、当技術分野で公知であり、それらをコードするヌクレオチド配列も同様である。
【0205】
ある特定の実施形態では、キメラ抗原受容体の細胞外ドメインによって認識される抗原は、一般にTSAであるともTAAであるとも考えられないが、それにも関わらず腫瘍細胞または腫瘍によって引き起こされる損傷と関連する抗原である。ある特定の実施形態では、例えば、抗原は、例えば増殖因子、サイトカイン、またはインターロイキン、例えば血管新生または脈管形成と関連する増殖因子、サイトカイン、またはインターロイキンである。そのような増殖因子、サイトカイン、またはインターロイキンとしては、例えば、血管内皮増殖因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、またはインターロイキン-8(IL-8)が挙げられ得る。腫瘍はまた、腫瘍に対して局所的な低酸素環境を作り出すことができる。そのため、他の特定の実施形態では、抗原は、低酸素関連因子、例えば、HIF-1α、HIF-1β、HIF-2α、HIF-2β、HIF-3α、またはHIF-3βである。腫瘍はまた、正常組織に対し局在化した損傷を引き起こし、損傷関連分子パターン分子(DAMP;アラーミンとしても公知)として公知の分子の放出を引き起こすことができる。他のある特定の実施形態では、したがって、抗原はDAMP、例えば熱ショックタンパク質、クロマチン結合性タンパク質高移動度グループボックス1(chromatin-associated protein high mobility group box 1)(HMGB1)、S100A8(MRP8、カルグラニュリンA)、S100A9(MRP14、カルグラニュリンB)、血清アミロイドA(SAA)であるか、またはデオキシリボ核酸、アデノシン三リン酸、尿酸、またはヘパリン硫酸であり得る。
【0206】
膜貫通ドメイン:ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインは、リンカー、スペーサー、またはヒンジポリペプチド配列、例えばCD28由来の配列またはCTLA4由来の配列によって、ポリペプチドの膜貫通ドメインに結合される。膜貫通ドメインは、任意の膜貫通タンパク質の膜貫通ドメインから得られるかまたは由来し得、そのような膜貫通ドメインの全てまたは部分を含み得る。特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、例えばCD8、CD16、サイトカイン受容体、およびインターロイキン受容体、または増殖因子受容体等から得られるか、または由来し得る。
【0207】
細胞内シグナル伝達ドメイン:ある特定の実施形態では、CARの細胞内ドメインは、T細胞の表面で発現され、前記T細胞の活性化および/または増殖を誘発する。タンパク質の細胞内ドメインまたはモチーフであるかまたはそれを含む。そのようなドメインまたはモチーフは、CARの細胞外部分への抗原の結合に応答して、Tリンパ球の活性化に必要である一次抗原結合シグナルを伝達することができる。典型的には、このドメインまたはモチーフは、ITAM(免疫受容体活性化チロシンモチーフ)を含むか、またはそれである。CARに好適なITAM含有ポリペプチドとしては、例えば、ゼータCD3鎖(CD3ζ)またはそのITAM含有部分が挙げられる。特定の実施形態では、細胞内ドメインは、CD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインである。他の特定の実施形態では、細胞内ドメインは、リンパ球受容体鎖、TCR/CD3複合体タンパク質、Fe受容体サブユニット、またはIL-2受容体サブユニットに由来する。ある特定の実施形態では、CARは、1つまたはそれ以上の共刺激ドメインまたはモチーフを、例えば、ポリペプチドの細胞内ドメインの一部としてさらに含む。1つまたはそれ以上の共刺激ドメインまたはモチーフは、共刺激性CD27ポリペプチド配列、共刺激性CD28ポリペプチド配列、共刺激性OX40(CD134)ポリペプチド配列、共刺激性4-1BB(CD137)ポリペプチド配列、または共刺激性誘導性T細胞共刺激性(ICOS)ポリペプチド配列、または他の共刺激性ドメインもしくはモチーフの1つまたはそれ以上、またはこれらの任意の組合せであるか、またはそれを含むことができる。
【0208】
CARは、T細胞生存モチーフも含み得る。T細胞生存モチーフは、抗原による刺激後にTリンパ球の生存を促進する任意のポリペプチド配列またはモチーフであり得る。ある特定の実施形態では、T細胞生存モチーフは、CD3、CD28、IL-7受容体(IL-7R)の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-12受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-15受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-21受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、または形質転換成長因子β(TGFβ)受容体の細胞内シグナル伝達ドメインであるか、またはそれに由来する。
【0209】
CARを発現する修飾免疫細胞は、例えば、Tリンパ球(T細胞、例えばCD4+T細胞またはCD8+T細胞)、細胞障害性リンパ球(CTL)またはナチュラルキラー(NK)細胞であり得る。本明細書で提供される組成物および方法で使用されるTリンパ球は、ナイーブTリンパ球またはMHC拘束Tリンパ球であってもよい。ある特定の実施形態では、Tリンパ球は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。ある特定の実施形態では、Tリンパ球は、腫瘍生検から単離されたか、または腫瘍生検から単離されたTリンパ球から拡大されたものである。ある特定の他の実施形態では、T細胞は、末梢血、臍帯血、もしくはリンパ液から単離されたか、または末梢血、臍帯血、もしくはリンパ液から単離されたTリンパ球から拡大されるものである。CARを発現する修飾免疫細胞を生成するために使用される免疫細胞は、当技術分野で許容された通常の方法(例えば血液採取後のアフェレーシスおよび適宜、抗体媒介性細胞単離または選別)を使用して単離され得る。
【0210】
修飾免疫細胞は、好ましくは、修飾免疫細胞が投与される個体にとって自己のものである。ある特定の他の実施形態では、修飾免疫細胞は、修飾免疫細胞が投与される個体にとって同種異系のものである。同種異系Tリンパ球またはNK細胞を使用して修飾Tリンパ球を調製する場合、個体における移植片対宿主病(GVHD)の可能性を低減するであろうTリンパ球またはNK細胞を選択することが好ましい。例えば、ある特定の実施形態では、ウイルス特異的Tリンパ球が、修飾Tリンパ球の調製のために選択され;そのようなリンパ球は、任意のレシピエント抗原に結合し、その結果、抗原によって活性化されるようになる本来の能力が大きく低下していると考えられるであろう。ある特定の実施形態では、レシピエントの媒介による同種異系Tリンパ球の拒絶は、宿主への、1つまたはそれ以上の免疫抑制剤、例えばシクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、シクロホスファミドなどの共投与によって低減することができる。
【0211】
Tリンパ球、例えば非修飾Tリンパ球、またはCD3およびCD28を発現するか、またはCD3ζシグナル伝達ドメインおよびCD28共刺激ドメインを含むポリペプチドを含むTリンパ球は、CD3およびCD28に対する抗体、例えばビーズに付着した抗体を使用して拡大することができる;例えば、米国特許第5948893号;同第6534055号;同第6352694号;同第6692964号;同第6887466号;および同第6905681号を参照されたい。
【0212】
修飾免疫細胞、例えば修飾Tリンパ球は、必要とされる場合、実質的に全ての修飾免疫細胞の死滅を可能にする「自殺遺伝子」または「安全スイッチ」を含んでもよい。例えば、修飾Tリンパ球は、ある特定の実施形態では、ガンシクロビルと接触したときに修飾Tリンパ球の死を引き起こす、HSVチミジンキナーゼ遺伝子(HSV-TK)を含み得る。別の実施形態では、修飾Tリンパ球は、誘導性カスパーゼ、例えば誘導性カスパーゼ9(iカスパーゼ9)、例えば、カスパーゼ9と特定の低分子医薬を使用した二量体化を可能にするヒトFK506結合タンパク質との融合タンパク質を含む。Straathof et al., Blood 105(11):4247-4254 (2005)を参照されたい。
【0213】
方法において有用な特定の追加の活性剤としては、限定されるものではないが、リツキシマブ、オブリメルセン(Genesense(登録商標))、レミケード、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチナム、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、GLIADEL(登録商標)、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキサート、Arisa(登録商標)、タキソール、タキソテール、フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゼローダ、インターフェロンアルファ、ペグ化インターフェロンアルファ(例えば、PEG INTRON-A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノルビシン、Ara-C、ドキセタキソール、パシリタキセル(pacilitaxel)、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロネート(palmitronate)、ビアキシン、ブスルファン、プレドニゾン、ビスホスホネート、三酸化ヒ素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、エストラムスチンリン酸ナトリウム(Emcyt(登録商標))、スリンダク、およびエトポシドが挙げられる。
【0214】
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、化合物1と組み合わせた追加の活性剤の使用は、当技術分野の医師によって適切であると判断された場合、化合物1の投与中または直後に変更または遅らせてもよい。ある特定の実施形態では、化合物1を単独で、または他の治療と組み合わせて投与される対象は、適切である場合、制吐薬、骨髄増殖因子、および血小板の輸血を含む、支持療法を受けてもよい。いくつかの実施形態では、化合物1を投与される対象は、当技術分野の医師の判断に従って追加の活性剤として増殖因子を投与されてもよい。いくつかの実施形態では、エリスロポエチンまたはダルベポエチン(Aranesp)と組み合わせた、化合物1の投与が提供される。
【0215】
一態様では、本明細書で提供される方法は、局所進行したまたは転移性の移行上皮性膀胱がんの患者において、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、ゲムシタビン、シスプラチン、5-フルオロウラシル、マイトマイシン、メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、カルボプラチン、チオテパ、パクリタキセル、ドセタキセル、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、キイトルーダ(登録商標)(ペムブロリズマブ)および/またはニボルマブと組み合わせて投与する工程を含む。
【0216】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、以下のように:テモゾロミドを再発性または進行性の脳腫瘍、または再発性神経芽腫の小児患者に対して;セレコキシブ、エトポシド、およびシクロホスファミドを再発性または進行性のCNSがんのために;テモダールを再発性または進行性の髄膜腫、悪性髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、再発性脳腫瘍、または新たに診断された多形性膠芽腫の患者に対して;イリノテカンを再発性膠芽腫の患者に対して;カルボプラチンを脳幹神経膠腫の小児患者に対して;プロカルバジンを進行性悪性神経膠腫の小児患者に対して;シクロホスファミドを予後不良悪性脳腫瘍、新たに診断されたまたは再発性の多形性膠芽腫の患者に対して;GLIADEL(登録商標)を高悪性度の再発性悪性神経膠腫のために;テモゾロミドおよびタモキシフェンを未分化星状細胞腫のために;またはトポテカンを神経膠腫、膠芽腫、未分化星状細胞腫、または退形成乏突起神経膠腫のために、追加の活性成分と組み合わせて投与する工程を含む。
【0217】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、メトトレキサート、シクロホスファミド、カペシタビン、5-フルオロウラシル、タキサン、テムシロリムス、ABRAXANE(登録商標)(注射可能懸濁液用のパクリタキセルタンパク質結合粒子)(アルブミン結合)、ラパチニブ、ハーセプチン、パミドロン酸二ナトリウム、エリブリン メシレート、エベロリムス、ゲムシタビン、パルボシクリブ、イクサベピロン、カドサイラ、ペルツズマブ、チオテパ(theotepa)、アナストロゾール、ドセタキセル、ドキソルビシン塩酸塩、エピルビシン塩酸塩、トレミフェン、フルベストラント、ゴセレリン酢酸塩、リボシクリブ、メゲストロール酢酸塩、ビンブラスチン、アロマターゼ阻害剤、例えばレトロゾール、エキセメスタン、選択的エストロゲンモジュレーター、エストロゲン受容体アンタゴニスト、アントラサイクリン、エムタンシン、および/またはペキシダルチニブと組み合わせて、転移性乳がんの患者に投与することを含む。
【0218】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、エベロリムス、アベルマブ、スニチニブ、ネクサバール、ロイコボリン、オキサリプラチン、テモゾロミド、カペシタビン、ベバシズマブ、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、フルオロウラシル(アドルシル、5-フルオロウラシル)、ストレプトゾシン(ザノサー)、ダカルバジン、サンドスタチン、ランレオチド、および/またはパシレオチドのうち少なくとも1つと組み合わせて、神経内分泌腫瘍の患者に投与することを含む。
【0219】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、メトトレキサート、ゲムシタビン、シスプラチン、セツキシマブ、5-フルオロウラシル、ブレオマイシン、ドセタキセル、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、ペムブロリズマブおよび/またはニボルマブと組み合わせて、再発性または転移性頭頸部がんの患者に投与することを含む。
【0220】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、ゲムシタビン、ABRAXANE(登録商標)、5-フルオロウラシル、アフィニトール、イリノテカン、マイトマイシンC、スニチニブ、スニチニブリンゴ酸塩、および/またはタルセバと組み合わせて、膵臓がんの患者に投与することを含む。
【0221】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アンタゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、ARISA(登録商標)、アバスタチン、オキサリプラチン、5-フルオロウラシル、イリノテカン、カペシタビン、セツキシマブ、ラムシルマブ、パニツムマブ、ベバシズマブ、ロイコボリンカルシウム、ロンサーフ、レゴラフェニブ、ziv-アフリベルセプト、タキソール、および/またはタキソテールと組み合わせて、結腸または直腸がんの患者に投与することを含む。
【0222】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、カペシタビンおよび/またはベムラフェニブと組み合わせて、不応性結腸直腸がんの患者または一次治療が失敗したか、もしくは結腸もしくは直腸腺癌の結果が悪い患者に投与することを含む。
【0223】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、フルオロウラシル、ロイコボリン、および/またはイリノテカンと組み合わせて、ステージ3およびステージ4を含む、結腸直腸がんの患者または転移性結腸直腸がんを以前に処置されている患者に投与することを含む。
【0224】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、カペシタビン、ゼローダ、および/またはイリノテカンと組み合わせて、不応性結腸直腸がんの患者または切除不能か、もしくは転移性の結腸直腸癌の患者に投与することを含む。
【0225】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、インターフェロンアルファまたはカペシタビンと組み合わせて、切除不能か、もしくは転移性の肝細胞癌の患者に;またはシスプラチンおよびチオテパと、またはソラフェニブトシル酸塩と組み合わせて、原発性または転移性肝臓がんの患者に投与することを含む。
【0226】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、ドキソルビシン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ペグ化インターフェロンアルファおよび/または組換えインターフェロンアルファ-2bと組み合わせて、カポジ肉腫の患者に投与することを含む。
【0227】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、エナシデニブ、三酸化ヒ素、フルダラビン、カルボプラチン、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、ドキソルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン塩酸塩、チオグアニン、ビンクリスチン、ミドスタウリンおよび/またはトポテカンの少なくとも1つと組み合わせて、不応性または再発性または高リスクの急性骨髄性白血病を含む、急性骨髄性白血病の患者に投与することを含む。
【0228】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、エナシデニブ、リポソームダウノルビシン、トポテカンおよび/またはシタラビンの少なくとも1つと組み合わせて、好ましくない核型の急性骨髄芽球性白血病の患者に投与する工程を含む。
【0229】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、IDH2阻害剤と組み合わせて、白血病の患者に投与する工程を含み、白血病は、IDH2の変異型アレルの存在によって特徴付けられる。例示的なIDH2阻害剤は、米国特許第9732062号;同第9724350号;同第9738625号;および同第9579324号;ならびに米国特許出願公開第2016-0159771号および同第2016-0158230A1号に開示される。一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびデキサメタゾンを、エナシデニブと組み合わせて、白血病の患者に投与することを含み、白血病は、IDH2の変異型アレルの存在によって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、化合物1とIDH2阻害剤の組合せは、急性骨髄性白血病の患者において、分化した細胞(CD34-/CD38)および赤芽球を増加させ、急性骨髄性白血病は、IDH2 R140Qの存在によって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、化合物1とIDH2阻害剤の組合せは、急性骨髄性白血病の患者において、前駆細胞(CD34+/CD38+)およびHSCを低減し、急性骨髄性白血病は、IDH2 R140Qの存在によって特徴付けられる。
【0230】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、エナシデニブと組み合わせて、急性骨髄性白血病の患者に投与することを含み、急性骨髄性白血病は、IDH2の変異型アレルの存在によって特徴付けられる。一実施形態では、IDH2の変異型アレルは、IDH2 R140QまたはR172Kである。
【0231】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、エナシデニブと組み合わせて、白血病の患者に投与することを含み、白血病は、IDH2の変異型アレルの存在によって特徴付けられる。一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびデキサメタゾンを、エナシデニブと組み合わせて、急性骨髄性白血病の患者に投与することを含み、急性骨髄性白血病は、IDH2の変異型アレルの存在によって特徴付けられる。一実施形態では、IDH2の変異型アレルは、IDH2 R140QまたはR172Kである。
【0232】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、メトトレキサート、メクロレタミン塩酸塩、アファチニブジマレイン酸塩、ペメトレキセド、ベバシズマブ、カルボプラチン、シスプラチン、セリチニブ、クリゾチニブ、ラムシルマブ、ペムブロリズマブ、ドセタキセル、ビノレルビン 酒石酸塩、ゲムシタビン、ABRAXANE(登録商標)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イリノテカン、エベロリムス、アレクチニブ、ブリガチニブ、ニボルマブ、オシメルチニブ、アテゾリズマブ、ネシツムマブと組み合わせて、非小細胞肺がんの患者に投与することを含む。
【0233】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、カルボプラチンおよびイリノテカンと組み合わせて、非小細胞肺がんの患者に投与することを含む。
【0234】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、ドキセタキソール(ドキセタキソール)と組み合わせて、以前にカルボ/エトポシドおよび放射線療法によって処置された非小細胞肺がんの患者に投与することを含む。
【0235】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、カルボプラチンおよび/もしくはタキソテールと組み合わせて、またはカルボプラチン、パシリタキセル(pacilitaxel)および/または胸部放射線療法と組み合わせて、非小細胞肺がんの患者に投与することを含む。
【0236】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、タキソテールと組み合わせて、ステージIIIBまたはIVの非小細胞肺がんの患者に投与することを含む。
【0237】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、オブリメルセン(oblimersen)(GENASENSE(登録商標))、メトトレキサート、メクロレタミン塩酸塩、エトポシド、トポテカンおよび/またはドキソルビシンと組み合わせて、小細胞肺がんの患者に投与することを含む。
【0238】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、ベネトクラクス、ABT-737(Abbott Laboratories)および/またはオバトクラックス(GX15-070)と組み合わせて、リンパ腫および他の血液がんの患者に投与することを含む。
【0239】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、追加の活性成分、例えば、ビンブラスチンまたはフルダラビンアドセトリス、アンボクロリン、ベセナム(becenum)、ブレオマイシン、ブレンツキシマブベドチン、カルムスチン(carmustinem) クロラムブシル、シクロホスファミド、ダカルバジン、ドキソルビシン、ロムスチン、マチュレーン(matulane)、メクロレタミン塩酸塩、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩、ビンクリスチン、メトトレキサート、ネララビン(nelarabin)、ベリノスタット、ベンダムスチンHCl、トシツモマブおよびヨウ素131トシツモマブ、デニロイキンジフチトクス、プララトレキサート、プレリキサホル(prelixafor)、オビヌツズマブ、イブリツモマブ、チウキセタン(tiuxefan)、イブルチニブ(ibritinib)、イデラリシブ(idelasib)、INTRON(登録商標)A、ロミデプシン、レナリドミド、リツキシマブ、および/またはボリノスタットと組み合わせて、限定されるものではないが、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫または再発性もしくは不応性の低悪性度濾胞性リンパ腫を含む、様々な型のリンパ腫の患者に投与することを含む。
【0240】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、タキソテール、ダブラフェニブ、イムリジック、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、トラメチニブ、ベムラフェニブ、タリモジーンラハーパレプベック、IL-2、IFN、GM-CSF、および/またはダカルバジン、アルデスロイキン、コビメチニブ、INTRON A(登録商標)、ペグインターフェロンアルファ-2b、および/またはトラメチニブと組み合わせて、様々な型またはステージの黒色腫の患者に投与することを含む。
【0241】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、ビノレルビンまたはペメトレキセド二ナトリウムと組み合わせて、肋膜移植または悪性胸水中皮腫症候群を伴う悪性中皮腫、またはステージIIIBの非小細胞肺がんの患者に投与することを含む。
【0242】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、ゾレドロン酸、パルミトロネート、GM-CSF、ビアキシン、ビンブラスチン、メルファラン、ブスルファン、シクロホスファミド、IFN、プレドニゾン、ビスホスホネート、セレコキシブ、三酸化ヒ素、PEGイントロン-A、ビンクリスチン、ベセナム(becenum)、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、ドキソルビシン、パノビノスタット、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、モゾビル、カルムスチン、ダラツムマブ、エロツズマブ、イキサゾミブクエン酸エステル、プレリキサホルまたはこれらの組合せと組み合わせて、様々な型またはステージの多発性骨髄腫の患者に投与することを含む。
【0243】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞と組み合わせて、様々な型またはステージの多発性骨髄腫の患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、組合せ中のCART細胞は、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的化し、より特定の実施形態では、CAR T細胞は、bb2121またはbb21217である。いくつかの実施形態では、CAR T細胞は、JCARH125である。
【0244】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、ドキソルビシン(DOXIL(登録商標))および/またはビンクリスチンと組み合わせて、再発性または不応性多発性骨髄腫の患者に投与することを含む。
【0245】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、タキソール、カルボプラチン、ドキソルビシン、ゲムシタビン、シスプラチン、ゼローダ、パクリタキセル、アバスチン、シクロホスファミド、トポテカン、オラパリブ、チオテパ、メルファラン、ニラパリブトシル酸塩一水和物、ルブラカ(rubraca)またはこれらの組合せと組み合わせて、様々な型またはステージの卵巣がん、例えば腹膜癌、漿液性乳頭状癌、不応性卵巣がんまたは再発性卵巣がんの患者に投与することを含む。
【0246】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、ゼローダ、5FU/LV、ゲムシタビン、イリノテカン+ゲムシタビン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、GM-CSF、セレコキシブ、タキソテール、ガンシクロビル、パクリタキセル、アドリアマイシン、ドセタキセル、エストラムスチン、Emcyt、デンデロン、ザイティガ、ビカルタミド、カバジタキセル、デガレリクス、エンザルタミド、ゾラデックス、リュープロリド酢酸塩、ミトキサントロン塩酸塩、プレドニゾン、シプロイセル-T、二塩化ラジウム223またはこれらの組合せと組み合わせて、様々な種またはステージの前立腺がんの患者に投与することを含む。
【0247】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、カペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL-2、GM-CSF、CELEBREX(登録商標)、フルタミド、ゴセレリン酢酸塩、ニルタミドまたはこれらの組合せと組み合わせて、様々な型またはステージの腎細胞がんの患者に投与することを含む。
【0248】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、IFN、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、メシル酸イマチニブ、パゾパニブ、塩酸塩、トラベクテジン、エリブリンメシル酸塩、オララツマブ、COX-2阻害剤、例えばセレコキシブ、および/またはスリンダクと組み合わせて、様々な型またはステージの婦人科がん、子宮がんまたは軟部肉腫の患者に投与することを含む。
【0249】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、セレコキシブ、エトポシド、シクロホスファミド、ドセタキセル、アペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL-2、GM-CSFまたはこれらの組合せと組み合わせて、様々な型またはステージの固形腫瘍の患者に投与することを含む。
【0250】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、セレブレックス、エトポシド、シクロホスファミド、ドセタキセル、アペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL-2、GM-CSFまたはこれらの組合せと組み合わせて、強皮症または皮膚血管炎の患者に投与することを含む。
【0251】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、アザシチジン、シタラビン、ダウノルビシン、デシタビン、イダルビシン、レナリドミド、エナシデニブまたはこれらの組合せと組み合わせて、MDSの患者に投与することを含む。
【0252】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、JAK阻害剤、FLT3阻害剤、mTOR阻害剤、スプライセオソーム阻害剤、BET阻害剤、SMG1阻害剤、ERK阻害剤、LSD1阻害剤、BH3ミメティクス、トポイソメラーゼ阻害剤およびRTK阻害剤から選択される1つまたはそれ以上の追加の薬剤と組み合わせて、血液がんの患者に投与することを含む。
【0253】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、JAK阻害剤、FLT3阻害剤、mTOR阻害剤、スプライセオソーム阻害剤、BET阻害剤、SMG1阻害剤、ERK阻害剤、LSD1阻害剤、BH3ミメティクス、トポイソメラーゼ阻害剤およびRTK阻害剤から選択される1つまたはそれ以上の追加の薬剤と組み合わせて、白血病の患者に投与することを含む。
【0254】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、JAK阻害剤、FLT3阻害剤、mTOR阻害剤、スプライセオソーム阻害剤、BET阻害剤、SMG1阻害剤、ERK阻害剤、LSD1阻害剤、BH3ミメティクス、トポイソメラーゼ阻害剤およびRTK阻害剤から選択される1つまたはそれ以上の追加の薬剤と組み合わせて、AMLの患者に投与することを含む。
【0255】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、mTOR阻害剤と組み合わせて、白血病の患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、mTOR阻害剤は、エベロリムス、MLN-0128およびAZD8055から選択される。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORキナーゼ阻害剤である。ある特定の実施形態では、mTORキナーゼ阻害剤は、7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-223)および1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-115)から選択される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-223)と組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-115)と組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、エベロリムスと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、MLN-0128と組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、AZD8055と組み合わせて、白血病の患者に投与される。
【0256】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、mTOR阻害剤と組み合わせて、AMLの患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、mTOR阻害剤は、エベロリムス、MLN-0128およびAZD8055から選択される。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORキナーゼ阻害剤である。ある特定の実施形態では、mTORキナーゼ阻害剤は、7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-223)および1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-115)から選択される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、エベロリムスと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、エベロリムスは、化合物1およびデキサメタゾンの投与の前に、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、MLN-0128と組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、AZD8055と組み合わせて、AMLの患者に投与される。
【0257】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、JAK阻害剤と組み合わせて、MPNの患者に投与することを含む。一態様では、JAK阻害剤は、JAK1阻害剤、JAK2阻害剤およびJAK3阻害剤から選択される。ある特定の実施形態では、JAK阻害剤は、トファシチニブ、モメロチニブ、フィルゴチニブ、デセルノチニブ、バルシチニブ(barcitinib)、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、NS-018およびパクリチニブから選択される。ある特定の実施形態では、JAK阻害剤は、トファシチニブ、モメロチニブ、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、NS-018およびパクリチニブから選択される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、トファシチニブと組み合わせて、MPNの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、モメロチニブと組み合わせて、MPNの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、フィルゴチニブと組み合わせて、MPNの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、デセルノチニブと組み合わせて、MPNの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、バルシチニブと組み合わせて、MPNの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、ルキソリチニブと組み合わせて、MPNの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、フェドラチニブと組み合わせて、MPNの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、NS-018と組み合わせて、MPNの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、パクリチニブと組み合わせて、MPNの患者に投与される。ある特定の実施形態では、MPNは、IL-3に依存しない。ある特定の実施形態では、MPNは、JAK2突然変異、例えば、JAK2V617F突然変異によって特徴付けられる。
【0258】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、JAK阻害剤と組み合わせて、骨髄線維症の患者に投与することを含む。一態様では、JAK阻害剤は、JAK1阻害剤、JAK2阻害剤およびJAK3阻害剤から選択される。ある特定の実施形態では、JAK阻害剤は、トファシチニブ、モメロチニブ、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、NS-018およびパクリチニブから選択される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、骨トファシチニブと組み合わせて、髄線維症の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、モメロチニブと組み合わせて、骨髄線維症の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、ルキソリチニブと組み合わせて、骨髄線維症の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、フェドラチニブと組み合わせて、骨髄線維症の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、NS-018と組み合わせて、骨髄線維症の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、パクリチニブと組み合わせて、骨髄線維症の患者に投与される。ある特定の実施形態では、骨髄線維症は、JAK2突然変異、例えば、JAK2V617F突然変異によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症である。他の実施形態では、骨髄線維症は、続発性骨髄線維症である。一部のこのような実施形態では、続発性骨髄線維症は、真性赤血球増加症後骨髄線維症である。他の実施形態では、続発性骨髄線維症は、本態性血小板血症後骨髄線維症である。
【0259】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、JAK阻害剤と組み合わせて、白血病の患者に投与することを含む。一態様では、JAK阻害剤は、JAK1阻害剤、JAK2阻害剤およびJAK3阻害剤から選択される。ある特定の実施形態では、JAK阻害剤は、トファシチニブ、モメロチニブ、フィルゴチニブ、デセルノチニブ、バルシチニブ、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、NS-018およびパクリチニブから選択される。ある特定の実施形態では、JAK阻害剤は、モメロチニブ、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、NS-018およびパクリチニブから選択される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、トファシチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、モメロチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、フィルゴチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、デセルノチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、バルシチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、ルキソリチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、フェドラチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、NS-018と組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、パクリチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、MPNは、JAK2突然変異、例えば、JAK2V617F突然変異によって特徴付けられる。
【0260】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、JAK阻害剤と組み合わせて、AMLの患者に投与することを含む。一態様では、JAK阻害剤は、JAK1阻害剤、JAK2阻害剤およびJAK3阻害剤から選択される。ある特定の実施形態では、JAK阻害剤は、トファシチニブ、モメロチニブ、フィルゴチニブ、デセルノチニブ、バルシチニブ、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、NS-018およびパクリチニブから選択される。ある特定の実施形態では、JAK阻害剤は、モメロチニブ、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、NS-018およびパクリチニブから選択される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、トファシチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、モメロチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、フィルゴチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、デセルノチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、バルシチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、ルキソリチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、フェドラチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、NS-018と組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、パクリチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、MPNは、JAK2突然変異、例えば、JAK2V617F突然変異によって特徴付けられる。
【0261】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、FLT3キナーゼ阻害剤と組み合わせて、白血病の患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、FLT3キナーゼ阻害剤は、キザルチニブ、スニチニブ、スニチニブリンゴ酸塩、ミドスタウリン、ペキシダルチニブ、レスタウルチニブ、タンデュチニブおよびクレノラニブから選択される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、キザルチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、スニチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、ミドスタウリンと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、ペキシダルチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、レスタウルチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、タンデュチニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、クレノラニブと組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、患者は、FLT3-ITD突然変異を保持する。
【0262】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、FLT3キナーゼ阻害剤と組み合わせて、AMLの患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、FLT3キナーゼ阻害剤は、キザルチニブ、スニチニブ、スニチニブリンゴ酸塩、ミドスタウリン、ペキシダルチニブ、レスタウルチニブ、タンデュチニブ、キザルチニブおよびクレノラニブから選択される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、キザルチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、スニチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、ミドスタウリンと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、ペキシダルチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、レスタウルチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、タンデュチニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、クレノラニブと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、患者は、FLT3-ITD突然変異を保持する。
【0263】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、スプライセオソーム阻害剤と組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、スプライセオソーム阻害剤と組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、スプライセオソーム阻害剤は、プラジエノリドB、6-デオキシプラジエノリドDまたはH3B-8800である。
【0264】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、SMG1キナーゼ阻害剤と組み合わせて、白血病の患者に投与することを含む。一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、SMG1キナーゼ阻害剤と組み合わせて、AMLの患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、SMG1阻害剤は、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、クロロ-N,N-ジエチル-5-((4-(2-(4-(3-メチルウレイド)フェニル)ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ベンゼンスルホンアミド(化合物Ii)またはA. Gopalsamy et al, Bioorg. Med Chem Lett. 2012, 22:6636-66412において開示される化合物(例えば、クロロ-N,N-ジエチル-5-((4-(2-(4-(3-メチルウレイド)フェニル)ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ベンゼンスルホンアミドである。
【0265】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、BCL2阻害剤と組み合わせて、白血病の患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、BCL2阻害剤と組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、BCL2阻害剤、例えば、ベネトクラクスまたはナビトクラクスと組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、BCL2阻害剤は、ベネトクラクスである。
【0266】
一実施形態では、AMLは、BCL2阻害剤を用いる処置に対して抵抗性である。一実施形態では、ベネトクラクス処置に対して抵抗性を獲得したAML。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1、グルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬と、BCL2阻害剤との組み合わせを、ベネトクラクス処置に対して抵抗性を獲得したAMLの患者に投与することを含む。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1、グルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬と、ベネトクラクスとの組み合わせを、ベネトクラクス処置に対して抵抗性を獲得したAMLの患者に投与することを含む。
【0267】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、トポイソメラーゼ阻害剤と組み合わせて、白血病の患者に投与することを含む。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、トポイソメラーゼ阻害剤、例えば、イリノテカン、トポテカン、カンプトテシン、ラメラリンD、エトポシド、テニポシド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、エリプチシン、アウリントリカルボン酸またはHU-331と組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、トポイソメラーゼ阻害剤は、トポテカンである。
【0268】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、BET阻害剤と組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、BET阻害剤と組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、BET阻害剤は、GSK525762A、OTX015、BMS-986158、TEN-010、CPI-0610、INCB54329、BAY1238097、FT-1101、C90010、ABBV-075、BI 894999、GS-5829、GSK1210151A(I-BET-151)、CPI-203、RVX 208、XD46、MS436、PFI-1、RVX2135、ZEN3365、XD14、ARV-771、MZ-1、PLX5117、4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(メタンスルホニル)フェニル]-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン(化合物A)、EP11313およびEP11336から選択される。
【0269】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、LSD1阻害剤と組み合わせて、白血病の患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、LSD1阻害剤と組み合わせて、AMLの患者に投与される。ある特定の実施形態では、LSD1阻害剤は、ORY-1001、ORY-2001、INCB-59872、INCB 054329、IMG-7289、TAK 418、GSK-2879552および4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルまたはその塩(例えば、ベシル酸塩、化合物B)から選択される。
【0270】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、トリプトリド、レタスピマイシン、アルベスピマイシン、7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-223)、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-115)、ラパマイシン、MLN-0128、エベロリムス、AZD8055、プラジエノリドB、トポテカン、チオグアニン、ミトキサントロン、エトポシド、デシタビン、ダウノルビシン、クロファラビン、クラドリビン、6-メルカプトプリン、クロロ-N,N-ジエチル-5-((4-(2-(4-(3-メチルウレイド)フェニル)ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ベンゼンスルホンアミド(化合物Ii)、フェドラチニブ、スニチニブ、ペキシダルチニブ、ミドスタウリン、レスタウルチニブ、モメロチニブ、キザルチニブおよびクレノラニブと組み合わせて、白血病の患者に投与することを含む。
【0271】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、トリプトリド、レタスピマイシン、アルベスピマイシン、7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-223)、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-115)、ラパマイシン、MLN-0128、エベロリムス、AZD8055、プラジエノリドB、トポテカン、チオグアニン、ミトキサントロン、エトポシド、デシタビン、ダウノルビシン、クロファラビン、クラドリビン、6-メルカプトプリン、クロロ-N,N-ジエチル-5-((4-(2-(4-(3-メチルウレイド)フェニル)ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ベンゼンスルホンアミド(化合物Ii)、フェドラチニブ、スニチニブ、ペキシダルチニブ、ミドスタウリン、レスタウルチニブ、モメロチニブ、キザルチニブおよびクレノラニブと組み合わせて、AMLの患者に投与することを含む。
【0272】
一態様では、本明細書で提供される方法は、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を、mTOR阻害剤と組み合わせて、がんの患者に投与することを含み、がんは、乳がん、腎臓がん、膵臓がん、胃腸がん、肺がん、神経内分泌腫瘍(NET)および腎細胞癌(RCC)から選択される。ある特定の実施形態では、mTOR阻害剤は、エベロリムス、MLN-0128およびAZD8055から選択される。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORキナーゼ阻害剤である。ある特定の実施形態では、mTORキナーゼ阻害剤は、7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-223)および1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-115)から選択される。一実施形態では、mTORキナーゼ阻害剤は、7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((トランス)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-223)である。一実施形態では、mTORキナーゼ阻害剤は、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(CC-115)である。一実施形態では、mTOR阻害剤は、エベロリムスである。一実施形態では、mTOR阻害剤は、テムシロリムスである。一実施形態では、mTOR阻害剤は、MLN-0128である。一実施形態では、mTOR阻害剤は、AZD8055である。
【0273】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、エベロリムスと組み合わせて、乳がん患者に投与される。
【0274】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、エベロリムスと組み合わせて、腎臓がん患者に投与される。
【0275】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、エベロリムスと組み合わせて、膵臓がん患者に投与される。
【0276】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、エベロリムスと組み合わせて、胃腸がん患者に投与される。
【0277】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、エベロリムスと組み合わせて、肺がん患者に投与される。
【0278】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、エベロリムスと組み合わせて、神経内分泌腫瘍患者に投与される。
【0279】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、エベロリムスと組み合わせて、腎細胞癌患者に投与される。
【0280】
一実施形態では、化合物1は、患者への抗がん薬物の投与と関連する有害効果の発生の前、その間、またはその後に、約0.1~約20mg、約1~約15mg、約1~約10mg、または約1~約15mgの範囲の量で、毎日投与される。ある特定の実施形態では、化合物1は、限定されるものではないが、好中球減少もしくは血小板減少などの、抗がん薬物と関連する有害効果を避けるため、ヘパリン、アスピリン、クマジン、またはG-CSFなどの特定の薬剤と組み合わせて投与される。
【0281】
一実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、望ましくない血管新生と関連するか、またはそれを特徴とする疾患および障害の患者に、限定されないが抗がん薬物、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗生剤、およびステロイドを含む追加の活性成分と組み合わせて投与される。
【0282】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1と共の、カルシウム、カルシトリオールまたはビタミンD補給の1つまたはそれ以上の投与をさらに含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1による処置の前に、カルシウム、カルシトリオール、およびビタミンD補給の投与を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、各サイクルにおいて、第1用量の化合物1の投与の前に、カルシウム、カルシトリオール、およびビタミンD補給の投与を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1による処置の少なくとも3日前に、カルシウム、カルシトリオール、およびビタミンD補給の投与を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、各サイクルにおいて、第1用量の化合物1の投与の前に、カルシウム、カルシトリオール、およびビタミンD補給の投与を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、各サイクルにおいて、第1用量の化合物1の投与の少なくとも3日前に、カルシウム、カルシトリオール、およびビタミンD補給の投与を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、各サイクルにおいて、第1用量の化合物1の投与の前に、カルシウム、カルシトリオール、およびビタミンD補給の投与を含み、各サイクルにおいて、最終用量の化合物1の投与後まで続く。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、各サイクルにおいて、第1用量の化合物1の投与の少なくとも3日前に、カルシウム、カルシトリオール、およびビタミンD補給の投与を含み、各サイクルにおいて、最終用量の化合物1の投与の少なくとも3日後まで続く(例えば、化合物1が1~5日目に投与される場合、少なくとも8日目まで)。一実施形態では、本明細書で提供される方法は、各サイクルの1日目の投与の少なくとも3日前にカルシウム、カルシトリオール、およびビタミンD補給の投与を含み、各サイクルにおいて、最終用量の化合物1の3日以上後まで続く(例えば、化合物1が1~5日目に投与される場合、8日目以上、化合物1が1~3日目および8~10日目に投与される場合、13日目以上)。
【0283】
ある特定の実施形態では、カルシウム補給は、分割用量で与えられる1日あたり少なくとも1200mgのカルシウム元素を送達するために投与される。ある特定の実施形態では、カルシウム補給は、経口的(PO)に、1日3回投与される500mgの用量で炭酸カルシウムとして投与される。
【0284】
ある特定の実施形態では、カルシトリオール補給は、1日1回、0.25μgのカルシトリオールを送達する(PO)ために投与される。
【0285】
ある特定の実施形態では、ビタミンD補給は、1日1回、約500IUから約50,000IUのビタミンDを送達するために投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンD補給は、1日1回、約1000IUのビタミンDを送達するために投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンD補給は、毎週、約50,000IUのビタミンDを送達するために投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンD補給は、1日1回、約1000IUのビタミンD2またはD3を送達するために投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンD補給は、1日1回、約500IUのビタミンDを送達するために投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンD補給は、毎週、約50,000IUのビタミンDを送達するために投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンD補給は、毎週、約20,000IUのビタミンDを送達するために投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンD補給は、1日1回、約1000IUのビタミンD2またはD3を送達するために投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンD補給は、毎週、約50,000IUのビタミンD2またはD3を送達するために投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンD補給は、毎週、約20,000IUのビタミンD2またはD3を送達するために投与される。
【0286】
ある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、ドキセタキソールと組み合わせて、以前にカルボ/VP16および放射線療法によって処置された非小細胞肺がんの患者に投与される。
【0287】
移植療法との使用
化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、移植片対宿主病(GVHD)のリスクを低減するために使用され得る。本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、移植治療と併せて投与される。
【0288】
当業者は、がんの処置が、疾患のステージおよびメカニズムに基づくことが多いことを知っている。例えば、がんのある特定のステージで避けられない白血病性形質転換が発生した場合、末梢血幹細胞、造血幹細胞調製物または骨髄の移植が必要となり得る。本明細書で提供される化合物1と移植治療の併用は、ユニークで、予測できない相乗効果を提供する。特に、化合物1は、がんの患者において、移植治療と同時に与えられる場合、相加および相乗効果を提供し得る、免疫調節活性を示す。
【0289】
化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、移植の侵襲的方法およびGVHDのリスクと関連する合併症を低減する移植治療と組み合わせて作用し得る。がんを処置、予防、および/または管理する方法であって、臍帯血、胎盤血、末梢血幹細胞、造血幹細胞調製物、または骨髄の移植の前、その間、またはその後に、患者(例えば、ヒト)に、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を投与する工程を含む方法が本明細書に包含される。本明細書で提供される方法での使用に好適な幹細胞の一部の例は、米国特許第7498171号に開示され、その開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0290】
一実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、移植の前、その間、またはその後に、急性骨髄性白血病の患者に投与される。
【0291】
一実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、自己末梢血前駆細胞の移植の前、その間、またはその後に、多発性骨髄腫の患者に投与される。
【0292】
一実施形態では、化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬は、自己末梢血前駆細胞の移植の前、その間、またはその後に、NHL(例えばDLBCL)の患者に投与される。
【0293】
サイクリング療法
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される化合物1は、処置されるがんによらず、患者に周期的に投与される。サイクリング療法は、一定期間の活性剤の投与と、その後の一定期間の休薬、およびこの一連の投与を繰り返すことを含む。サイクリング療法は、1つまたはそれ以上の療法に対する難治性の発生を低減し、療法のうちの1つの副作用を回避または低減し、および/または処置の有効性を改善することができる。
【0294】
ある特定の実施形態では、化合物1は、約1週間または2週間の休薬期間を含む、4~6週間サイクルで、単回または分割用量で毎日投与される。ある特定の実施形態では、化合物1は、28日サイクルの、1~10日間連続して、単回または分割用量で毎日投与され、次いで28日周期の残りを投与しない休薬期間とする。サイクリング方法は、投与サイクルの頻度、数、および長さの増加をさらに可能にする。したがって、ある特定の実施形態では、単独で投与される場合に典型的であるよりも長いサイクルでの、化合物1の投与が本明細書に包含される。ある特定の実施形態では、化合物1は、追加の活性成分も投与されていない患者において、典型的には用量制限毒性を生じる、より多くのサイクル数で投与される。
【0295】
一実施形態では、化合物1は、毎日および3から4週間連続して投与され、約0.1~約20mg/dの用量の化合物1を投与し、続いて1または2週間休止する。
【0296】
別の実施形態では、化合物1は、静脈内に投与され、追加の活性成分は、4~6週間のサイクルの間に、追加の活性成分の30~60分前の、化合物1の投与と共に経口で投与される。ある特定の実施形態では、化合物1と追加の活性成分の組合せは、サイクルごとに約90分にわたって静脈内注入によって投与される。ある特定の実施形態では、1サイクルは、3~4週間毎日、約0.1~約150mg/日の化合物1、および約50~約200mg/m/日の追加の活性成分の投与、次いで1または2週間の休薬を含む。ある特定の実施形態では、組合せ処置が患者に投与されるサイクル数は、約1~約24サイクル、約2~約16サイクル、または約4~約3サイクルの範囲である。
【0297】
一実施形態では、本明細書で提供されるサイクリング療法は、3日間までの投与期間、続いて休薬期間を含む処置サイクルで、化合物1を投与する工程を含む。一実施形態では、処置サイクルは、3日間の投与期間、続いて休薬期間を含む。一実施形態では、本明細書で提供されるサイクリング療法は、5日間までの投与期間、続いて休薬期間を含む処置サイクルで化合物1を投与する工程を含む。一実施形態では、処置サイクルは、5日間の投与期間、続いて休薬期間を含む。一実施形態では、処置サイクルは、7日間までの投与期間、続いて休薬期間を含む。一実施形態では、処置サイクルは、7日間の投与期間、続いて休薬期間を含む。一実施形態では、処置サイクルは、10日間までの投与期間、続いて休薬期間を含む。一実施形態では、休薬期間は約10日間から約40日間までである。一実施形態では、処置サイクルは、10日間までの投与期間、続いて約10日間から約40日間までの休薬期間を含む。一実施形態では、処置サイクルは、10日間までの投与期間、続いて約23日間から約37日間までの休薬期間を含む。一実施形態では、休薬期間は約23日間から約37日間までである。一実施形態では、休薬期間は23日間である。一実施形態では、処置サイクルは、10日間までの投与期間、続いて23日間の休薬期間を含む。一実施形態では、休薬期間は37日間である。一実施形態では、処置サイクルは、10日間までの投与期間、続いて37日間の休薬期間を含む。
【0298】
一実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~3日目に化合物1の投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~5日目に化合物1の投与を含む。別の実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~7日目に化合物1の投与を含む。別の実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~10日目に化合物1の投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、42日サイクルの1~5日目に投与を含む。別の実施形態では、処置サイクルは、42日サイクルの1~10日目に投与を含む。別の実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~5および15~19日目に投与を含む。別の実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~3および8~10日目に投与を含む。
【0299】
一実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~21日目に、化合物1の投与を含む。別の実施形態では、処置サイクルは、7日サイクルの1~5日目に、投与を含む。別の実施形態では、処置サイクルは、7日サイクルの1~7日目に投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、21日サイクルの1~5日目に化合物1の投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、21日サイクルの1~7日目に化合物1の投与を含む。一実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~7日目に化合物1の投与を含む。
【0300】
本明細書に記載される任意の処置サイクルは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のサイクルを繰り返され得る。ある特定の例では、本明細書に記載される処置サイクルは、1~約24サイクル、約2~約16サイクル、または約2~約4サイクルを含む。ある特定の例では、本明細書に記載される処置サイクルは、1~約4サイクルを含む。ある特定の実施形態では、サイクル1~4は、全て28日サイクルである。ある特定の実施形態では、サイクル1は42日サイクルであり、サイクル2~4は28日サイクルである。いくつかの実施形態では、化合物1は、28日間の1~13サイクル投与される(例えば約1年)。ある特定の例では、サイクリング療法は、サイクル数に限定されず、療法は、疾患進行まで続けられる。サイクルは、ある特定の例では、多様な本明細書に記載される投与期間および/または休薬期間を含むことができる。
【0301】
一実施形態では、処置サイクルは、1日あたり1回投与される、約0.3mg/日、0.6mg/日、1.2mg/日、1.8mg/日、2.4mg/日、3mg/日、3.6mg/日、4.5mg/日、5.4mg/日、7.2mg/日、8.1mg/日、9.0mg/日、10.0mg/日、10.8mg/日、または12.2mg/日の投与量で化合物1を投与する工程を含む。一実施形態では、処置サイクルは、1日あたり1回投与される、約0.3mg/日、0.6mg/日、1.2mg/日、1.8mg/日、2.4mg/日、3mg/日、3.6mg/日、4.5mg/日、5.4mg/日、7.2mg/日、8.1mg/日、9.0mg/日、10.0mg/日、10.8mg/日、12.2mg/日、または20mg/日の投与量で化合物1を投与する工程を含む。一実施形態では、処置サイクルは、1日あたり1回投与される、約0.6mg/日、1.2mg/日、1.8mg/日、2.4mg/日、3mg/日、または3.6mg/日の投与量で化合物1を投与する工程を含む。一部のそのような実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~3日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、3mg/日、または3.6mgの投与量で化合物1を投与する工程を含む。他の実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~5日目および15~19日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、3mg/日、または3.6mgの投与量で化合物1を投与する工程を含む。他の実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~5日目および15~19日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、3mg/日、3.6mg、4.5mg/日、5.4mg/日、7.2mg/日、8.1mg/日、9.0mg/日、または10.0mg/日の投与量で化合物1を投与する工程を含む。
【0302】
一部のこのような実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~5日目に約2.4mgの投与量で化合物1を投与する工程を含む。一部のこのような実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~5日目に約3.6mgの投与量で化合物1を投与する工程を含む。
【0303】
化合物1は、処置サイクル中の全ての投与期間、同じ量で投与され得る。あるいは、一実施形態では、化合物は、投与期間中、異なる用量で投与される。
【0304】
いくつかの実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~3日目に第1の投与量で、および8~10日目に第2の投与量で化合物1を投与する工程を含み、第1のおよび第2の投与量は、同じまたは異なる。一部のこのような実施形態では、処置サイクルは、28日サイクルの1~3日目に約2.4mgの投与量で、および8~10日目に約3.6mgの投与量で化合物1を投与する工程を含む。
【0305】
一実施形態では、化合物1は、サイクル中に対象に投与され、サイクルは、28日サイクルで少なくとも5日間投与する工程を含む。一実施形態では、本明細書で提供される化合物1は、サイクル中の対象に投与され、サイクルは、28日サイクルの1~5日目に投与する工程を含む。一実施形態では、化合物1は、28日サイクルの1~5日目に、約0.1mg~約20mgの用量で送達するために投与される。一実施形態では、化合物1は、28日サイクルの1~5日目に、約0.5mg~約5mgの用量で送達するために投与される。一実施形態では、化合物1は、28日サイクルの1~5日目に、約0.5mg~約10mgの用量で送達するために投与される。一実施形態では、化合物1は、サイクル中に対象に投与され、サイクルは、28日サイクルの1~5日目および15~19日目に投与する工程を含む。一実施形態では、化合物1は、28日サイクルの1~5日目および15~19日目に、約0.1mg~約20mgの用量で送達するために投与される。一実施形態では、化合物1は、28日サイクルの1~5日目および15~19日目に、約0.5mg~約5mgの用量で送達するために投与される。一実施形態では、化合物1は、28日サイクルの1~5日目および15~19日目に、約0.5mg~約10mgの用量で送達するために投与される。
【0306】
患者集団
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、対象は、動物、好ましくは、哺乳動物、より好ましくは、非ヒト霊長類である。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。対象は、男性の対象であってもよく、女性の対象であってもよい。
【0307】
本明細書で提供される方法の特に有用な対象として、ヒトがん患者、例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病および慢性骨髄性白血病を含む白血病を有すると診断されているものが挙げられる。ある特定の実施形態では、対象は、急性前骨髄球性白血病を有すると診断されていない。
【0308】
いくつかの実施形態では、対象は、正常よりも高い芽細胞集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも10%の芽細胞集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、10から15%の間の芽細胞集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも15%の芽細胞集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、15から20%の間の芽細胞集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも20%の芽細胞集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、約10~15%、約15~20%または約20~25%の芽細胞集団を有する。他の実施形態では、対象は、10%未満の芽細胞集団を有する。本明細書において記載される方法の文脈で、10%未満の芽細胞集団を有する有用な対象は、当技術分野の熟練した医師の判断に従って何らかの理由のために、本明細書で提供される化合物を単独で、または追加の活性剤と組み合わせて用いる処置を必要とする対象を含む。
【0309】
いくつかの実施形態では、対象は、白血病についての対象の東部共同腫瘍学グループ(ECOG)パフォーマンスステータススコアに基づいて処置される。ECOGパフォーマンスステータスは、0~5のスケールでスコア化でき、0は、無症候性を示し;1は、症候性であるが、完全に歩行可能であることを示し;2は、症候性であり、日中<50%がベッドにあることを示し;3は、症候性であり、>50%がベッドにあるが、寝たきりではないことを示し;4は、寝たきりであることを示し;5は、死亡を示す。いくつかの実施形態では、対象は、0または1のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、0のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、1のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。他の実施形態では、対象は、2のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。
【0310】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、白血病について以前に処置されていない対象の処置を包含する。いくつかの実施形態では、対象は、同種異系骨髄移植を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、幹細胞移植を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、ヒドロキシ尿素処置を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、白血病のための任意の治験製品を用いて処置されていない。いくつかの実施形態では、対象は、グルココルチコイドの全身投与を用いて処置されていない。
【0311】
他の実施形態では、方法は、白血病について以前に処置された、または現在処置されている対象を処置する工程を包含する。例えば、対象は、白血病のための標準処置レジメンを用いて以前に処置されている、または現在処置されている場合がある。対象は、当技術分野の医師に公知の任意の標準白血病処置レジメンを用いて処置されている場合がある。ある特定の実施形態では、対象は、少なくとも1つの導入/再導入または地固めAMLレジメンを用いて以前に処置されている。いくつかの実施形態では、対象は、地固めレジメンの一部として自家骨髄移植または幹細胞移植を受けている。いくつかの実施形態では、骨髄または幹細胞移植は、本明細書で提供される方法による処置の少なくとも3カ月前に行われた。いくつかの実施形態では、対象は、ヒドロキシ尿素処置を受けている。いくつかの実施形態では、ヒドロキシ尿素処置は、本明細書で提供される方法による処置の前24時間以内に行われた。いくつかの実施形態では、対象は、シタラビン(Ara-C)を用いる事前の導入または地固め療法を受けていた。いくつかの実施形態では、対象は、グルココルチコステロイドの全身投与を用いる処置を受けていた。いくつかの実施形態では、グルココルチコステロイド処置は、本明細書において記載される方法による処置の前24時間以内に行われた。他の実施形態では、方法は、がんについて以前に処置されているが、標準治療に対して非応答性である対象を処置する工程を包含する。
【0312】
いくつかの実施形態では、対象は、世界保健機関(WHO)によって定義されているように、再発性または不応性AMLサブタイプを有すると診断されている。再発性または不応性疾患は、新規AMLまたは続発性AML、例えば、療法関連AML(t-AML)であり得る。
【0313】
いくつかの実施形態では、対象は、IDH2の変異型アレルの存在によって特徴付けられる白血病を有すると診断されている。一実施形態では、IDH2の変異型アレルは、IDH2 R140QまたはR172Kである。
【0314】
いくつかの実施形態では、対象は、IDH2の変異型アレルの存在によって特徴付けられるAMLを有すると診断されている。一実施形態では、IDH2の変異型アレルは、IDH2 R140QまたはR172Kである。
【0315】
したがって、本明細書で提供される化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を用いる処置は、他の処置方法に応答しない患者に代替法を提供するであろう。いくつかの実施形態では、このような他の処置方法は、GLEEVEC(登録商標)(メシル酸イマチニブ)を用いる処置を包含する。いくつかの実施形態では、本明細書は、フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の処置方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書は、フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の処置方法において使用するための化合物Iを提供する。いくつかの実施形態では、本明細書は、GLEEVEC(登録商標)(メシル酸イマチニブ)抵抗性フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の処置方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書は、GLEEVEC(登録商標)(メシル酸イマチニブ)抵抗性フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の処置方法において使用するための化合物Iを提供する。
【0316】
いくつかの実施形態では、対象は、薬物抵抗性白血病、例えば、CMLを有すると診断されている。したがって、本明細書で提供される化合物1およびグルココルチコイド受容体アゴニスト、インターロイキン-1受容体アンタゴニストまたはインターロイキン-1β遮断薬を用いる処置は、他の処置方法に対して応答しない患者に代替法を提供するであろう。いくつかの実施形態では、このような他の処置方法は、GLEEVEC(登録商標)(メシル酸イマチニブ)を用いる処置を包含する。いくつかの実施形態では、本明細書は、Ph+CMLの処置方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書は、GLEEVEC(登録商標)(メシル酸イマチニブ)抵抗性Ph+CMLの処置方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書は、Ph+CMLの処置方法において使用するための化合物Iを提供する。いくつかの実施形態では、本明細書は、GLEEVEC(登録商標)(メシル酸イマチニブ)抵抗性Ph+CMLの処置方法において使用するための化合物Iを提供する。
【0317】
また、対象の年齢に関わらず対象を処置する方法が包含されるが、一部の疾患または障害はある特定の年齢群に多く見られる。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも18歳である。いくつかの実施形態では、対象は、18、25、35、40、45、50、55、60、65または70歳よりも上である。他の実施形態では、対象は65歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は18歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は、18、15、12、10、9、8または7歳未満である。
【0318】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも50歳の対象において使用できるが、より若い対象も同様に方法から恩恵を受けることができる。他の実施形態では、対象は、少なくとも55歳、少なくとも60歳、少なくとも65歳、少なくとも70歳である。別の実施形態では、対象は、有害な細胞遺伝を伴うがんに罹患している。「有害な細胞遺伝」は、任意の非二倍体核型または3つ以上の染色体異常として定義されている。別の実施形態では、対象は、少なくとも60歳であり、有害な細胞遺伝を伴うがんに罹患している。別の実施形態では、対象は、60~65歳であり、有害な細胞遺伝を伴うがんに罹患している。別の実施形態では、対象は、65~70歳であり、有害な細胞遺伝を伴うがんに罹患している。
【0319】
ある特定の実施形態では、処置される対象は、本明細書で提供される方法による処置の3カ月以内に心筋梗塞の病歴を有さない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書で提供される方法による処置の3カ月以内に脳血管障害または一過性の虚血性発作の病歴を有さない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書で提供される方法による処置の28日以内に深静脈血栓症または肺塞栓症を含む塞栓症(thromboembelic event)を患っていない。他の実施形態では、対象は、制御されない播種性血管内凝固を起こさなかった、またはそれを起こしていない。
【0320】
がんを有する対象は、不均一な臨床症状および様々な臨床転帰を有するので、患者に与えられる処置は、彼/彼女の予後に応じて変わり得る。熟練した臨床医は、過度の実験を行わずに、がんを有する個々の対象を処置するために効果的に使用できる、特定の二次薬剤、手術の種類および非薬物ベースの標準療法の種類を容易に決定できる。
【0321】
本明細書で提供される化合物の、上記の化合物の1つまたはそれ以上および適宜、1つまたはそれ以上のさらなる薬理学的に活性な物質との全ての適した組合せが本明細書において企図されるということは認められよう。
【0322】
化合物1の製剤
本明細書で提供される方法において使用するための化合物1を含む例示的製剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第10,052,315号および米国特許出願公開US-2019-003018-A1に記載されている。
【0323】
一実施形態では、化合物1の製剤は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの固形物形態を含む。一実施形態では、化合物1の製剤は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの非晶質形態を含む。
【0324】
ある特定の実施形態では、製剤は、共溶媒または加工助剤としてジメチルスルホキシドによって調製される。ある特定の実施形態では、製剤は、共溶媒または加工助剤としてギ酸によって調製される。ある特定の実施形態では、製剤は、いずれの共溶媒または加工助剤もなしで調製される。
【0325】
ある特定の実施形態では、製剤は、共溶媒または加工助剤としてジメチルスルホキシドを含む。ある特定の実施形態では、製剤は、共溶媒または加工助剤としてギ酸を含む。ある特定の実施形態では、製剤は、いずれの共溶媒または加工助剤も含まない。
【0326】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、凍結乾燥製剤である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、薬学的に許容される溶媒中で得られる復元製剤であり、薬学的に許容される溶液を産生する。
【0327】
製剤Ia
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.2%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、および約92~98%の量のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPBCD)を含む。
【0328】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.2%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、および約92~98%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む。
【0329】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.2%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、約92~98%の量のHPBCD、および約1%以下のジメチルスルホキシドを含む。
【0330】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.2%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、約92~98%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、および約1%以下のジメチルスルホキシドを含む。
【0331】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08~0.15%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、および約94~96%の量のHPBCDを含む。
【0332】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08~0.15%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、および約94~96%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む。
【0333】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08~0.15%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、約94~96%の量のHPBCD、および約1%以下のジメチルスルホキシドを含む。
【0334】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08~0.15%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、約94~96%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、および約1%以下のジメチルスルホキシドを含む。
【0335】
一態様では、本明細書で提供される製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08%~約0.15%の量の化合物1を含む。ある特定の実施形態では、化合物1の量は、製剤の総重量に対し、約0.09%~約0.15%、約0.1%~約0.13%、または約0.11%~約0.12%である。ある特定の実施形態では、化合物1の量は、製剤の総重量に対し、約0.05%、0.07%、0.09%、0.11%、0.12%、0.13%、または0.15%である。一実施形態では、製剤中の化合物1の量は、製剤の総重量に対し、約0.12%である。
【0336】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約0.5mg~約2mgの量の化合物1を含む製剤を提供する。さらに別の態様では、20ccバイアル中に、約0.5mg~約1.5mg、約0.75mg~約1.25mg、または約0.8mg~約1.1mgの量の化合物1を含む製剤が本明細書で提供される。一態様では、化合物1は、20ccバイアル中に、約0.7、0.75、0.76、0.8、0.9、1.0、1.05または1.2mgの量で存在する。一態様では、化合物1は、20ccバイアル中に、約1.05mgの量で存在する。
【0337】
一態様では、本明細書で提供される製剤は、クエン酸バッファーを含む。一態様では、本明細書で提供される製剤中のクエン酸バッファーの量は、製剤の総重量に対し、約3%~約6%である。一態様では、本明細書で提供される製剤中のクエン酸バッファーの量は、製剤の総重量に対し、約3%、3.5%、4%、4.2%、4.5%または5%である。一態様では、本明細書で提供される製剤中のクエン酸バッファーの量は、製剤の総重量に対し、約4.2%である。一態様では、本明細書で提供される製剤中のクエン酸バッファーの量は、20ccバイアル中に、約37mgである。
【0338】
一実施形態では、クエン酸バッファーは、無水クエン酸および無水クエン酸ナトリウムを含む。ある特定の実施形態では、無水クエン酸の量は、製剤の総重量に対し、約1.5%~約3%、約1.75%~約2.75%、または約2%~約2.5%である。ある特定の実施形態では、製剤中の無水クエン酸の量は、製剤の総重量に対し、約1.5%、1.75%、2%、2.1%、または2.5%である。一実施形態では、製剤中の無水クエン酸の量は、製剤の総重量に対し、約2%、2.1%、2.22%または2.3%である。一実施形態では、製剤中の無水クエン酸の量は、製剤の総重量に対し、約2.10%である。
【0339】
さらに別の態様では、20ccバイアル中に、約16mg~約20mgの量の無水クエン酸を含む製剤が本明細書で提供される。一実施形態では、無水クエン酸の量は、20ccバイアル中に、約16、17、18、18.2、18.4、18.6、18.8、19または20mgである。一実施形態では、無水クエン酸の量は、20ccバイアル中に、約18.6mgである。
【0340】
ある特定の実施形態では、無水クエン酸ナトリウムの量は、製剤の総重量に対し、約1.5%~約3%、約1.75%~約2.75%、または約2%~約2.5%である。ある特定の実施形態では、製剤中の無水クエン酸ナトリウムの量は、製剤の総重量に対し、約1.5%、1.75%、2%、2.1%、または2.5%である。一実施形態では、製剤中の無水クエン酸ナトリウムの量は、製剤の総重量に対し、約2%、2.05%、2.08%または2.1%である。一実施形態では、製剤中の無水クエン酸ナトリウムの量は、製剤の総重量に対し、約2.08%である。
【0341】
さらに別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約16mg~約20mgの量の無水クエン酸ナトリウムを含む製剤を提供する。一実施形態では、無水クエン酸ナトリウムの量は、20ccバイアル中に、約16、17、18、18.2、18.4、18.6、18.8、19または20mgである。一実施形態では、無水クエン酸ナトリウムの量は、20ccバイアル中に、約18.4mgである。
【0342】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤中のHPBCDの量は、製剤の総重量に対し、約94~約97%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のHPBCDの量は、製剤の総重量に対し、約94.5%、95%、95.5%、または96%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のHPBCDの量は、製剤の総重量に対し、約95%である。
【0343】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤中のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンの量は、製剤の総重量に対し、約94~約97%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンの量は、製剤の総重量に対し、約94.5%、95%、95.5%、または96%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンの量は、製剤の総重量に対し、約95%である。
【0344】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約800~900mgの量のHPBCDを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約810~880mg、820~860mg、または830~850mgの量のHPBCDを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約840mgの量のHPBCDを含む製剤を提供する。
【0345】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約800~900mgの量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約810~880mg、820~860mg、または830~850mgの量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約840mgの量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む製剤を提供する。
【0346】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約840mgの量のKleptose(登録商標)HPBを含む製剤を提供する。
【0347】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約1.5%以下の量のジメチルスルホキシドを含む。一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、最大0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%または1%の量のジメチルスルホキシドを含む。一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%または1%以下のジメチルスルホキシドを含む。一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、最大約0.1~約1.5%の量のジメチルスルホキシドを含む。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のジメチルスルホキシドの量は、製剤の総重量に対し、約0.1~約1.3%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のジメチルスルホキシドの量は、製剤の総重量に対し、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%または1%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤は、ジメチルスルホキシドを一切含有しない。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のジメチルスルホキシドの量は、製剤の総重量に対し、約0.4%~0.8%である。
【0348】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約4~7mgの量の、ジメチルスルホキシドを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約4.5~6.5mg、または5~6mgの量のジメチルスルホキシドを含む製剤を提供する。
【0349】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、凍結乾燥され、復元時の凍結乾燥製剤は約4~5のpHを有する。ある特定の実施形態では、復元時の製剤は、約4.2~4.4のpHを有する。一実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9または5のpHを有する。
【0350】
ある特定の実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約250~290mOsm/kgのオスモル濃度を有する。ある特定の実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約260~280mOsm/kgのオスモル濃度を有する。
【0351】
ある特定の実施形態では、本明細書は、本明細書で提供される製剤を含む容器を提供する。一態様では、容器は、ガラスバイアルである。一態様では、容器は、20ccガラスバイアルである。
【0352】
一態様では、1.05mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1および薬学的に許容される担体または本明細書に記載される充填剤を含む賦形剤を含む、20ccバイアル中の製剤が本明細書で提供される。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約7mg以下のジメチルスルホキシドをさらに含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約6mg以下のジメチルスルホキシドを含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約5mg以下のジメチルスルホキシドを含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約4mg以下のジメチルスルホキシドを含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約3mg~約7mg、約4mg~約6mg、約4mg~約5mg、または約5mg~約6mgのジメチルスルホキシドを含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約4、4.5、5、5.3、5.5、5.7、6または6.5mgのジメチルスルホキシドを含む。
【0353】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.2%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、および約92~98%の量のHPBCDから本質的になる。
【0354】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.2%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、および約92~98%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンから本質的になる。
【0355】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.2%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、約92~98%の量のHPBCD、および約1%以下のジメチルスルホキシドから本質的になる。
【0356】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.2%の量の化合物1、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、約92~98%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、および約1%以下のジメチルスルホキシドから本質的になる。
【0357】
一態様では、製剤は、1.05mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、薬学的に許容される担体または本明細書に記載されるバッファーおよび充填剤を含む賦形剤、ならびに残留溶媒として約5mg~約6mgのジメチルスルホキシドを含む、20ccバイアル中にある。バッファーおよび充填剤は、本明細書に記載の量で存在し得る。
【0358】
一態様では、製剤は、1.05mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、18.6mgの無水クエン酸、18.4mgの無水クエン酸ナトリウム、840mgのHPBCD、および本明細書に記載される残留溶媒としての約5mg~約6mgのジメチルスルホキシドを含む、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に3.8mLの滅菌水によって復元される。
【0359】
一態様では、製剤は、1.05mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、18.6mgの無水クエン酸、18.4mgの無水クエン酸ナトリウム、840mgのHPBCD、および本明細書に記載される残留溶媒としての約5mg~約6mgのジメチルスルホキシドから本質的になる、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に3.8mLの滅菌水によって復元される。
【0360】
一態様では、製剤は、1.05mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、18.6mgの無水クエン酸、18.4mgの無水クエン酸ナトリウム、840mgのHPBCD、および本明細書に記載される残留溶媒としての約5mg~約6mgのジメチルスルホキシドからなる、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に3.8mLの滅菌水によって復元される。
【0361】
一実施形態では、固形物の総重量に対し、約0.05~0.2%の量の化合物1、固形物の総重量に対し、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、固形物の総重量に対し、約92~98%の量のHPBCD、および希釈剤を含む水性製剤が本明細書で提供される。
【0362】
一実施形態では、本明細書は、固形物の総重量に対し、約0.05~0.2%の量の化合物1、固形物の総重量に対し、約3%~6%の量のクエン酸バッファー、固形物の総重量に対し、約92~98%の量のHPBCD、および希釈剤から本質的になる水性製剤を提供する。
【0363】
一態様では、本明細書は、1.05mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、18.6mgの無水クエン酸、18.4mgの無水クエン酸ナトリウム、840mgのHPBCD、および残留溶媒として約5mg~約6mgのジメチルスルホキシドおよび約3.8mLの希釈剤を含む水性製剤を提供する。
【0364】
一態様では、本明細書は、1.05mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、18.6mgの無水クエン酸、18.4mgの無水クエン酸ナトリウム、840mgのHPBCD、および残留溶媒として約5mg~約6mgのジメチルスルホキシドおよび約3.8mLの希釈剤から本質的になる水性製剤を提供する。
【0365】
一態様では、本明細書は、1.05mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、18.6mgの無水クエン酸、18.4mgの無水クエン酸ナトリウム、840mgのHPBCD、および残留溶媒として約5mg~約6mgのジメチルスルホキシドおよび約3.8mLの希釈剤からなる水性製剤を提供する。
【0366】
ある特定の実施形態では、製剤は、表Aに記載されるような組成物を有する。
【0367】
製剤Ib
一実施形態では、製剤は、約0.01~0.15%の量の化合物1、約99.1~99.99%の量のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリンを含む。一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.01~0.15%の量の化合物1、約99.1%~99.99%の量のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、および約0.5%以下のギ酸を含む。
【0368】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、および約99.1~99.9%の量のHPBCDを含む。
【0369】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、約99.1~99.9%の量のHPBCD、および約0.5%以下のギ酸を含む。
【0370】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、および約99.75~99.9%の量のHPBCDを含む。
【0371】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、約99.75~99.9%の量のHPBCD、および約0.5%以下のギ酸を含む。
【0372】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、約99.75~99.9%の量のHPBCD、および約0.2%以下のギ酸を含む。
【0373】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08~0.15%の量の化合物1、および約99.8~99.9%の量のHPBCDを含む。
【0374】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08~0.15%の量の化合物1、約99.8~99.9%の量のHPBCD、および約0.5%以下のギ酸を含む。
【0375】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08~0.15%の量の化合物1、約99.8~99.9%の量のHPBCD、および約0.12%以下のギ酸を含む。
【0376】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.12%の量の化合物1、および約99.88%の量のHPBCDを含む。
【0377】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、および約99.1~99.9%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む。
【0378】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、約99.1~99.9%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、および約0.5%以下のギ酸を含む。
【0379】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、および約99.75~99.9%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む。
【0380】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08~0.15%の量の化合物1、および約99.8~99.9%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む。
【0381】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08~0.15%の量の化合物1、約99.8~99.9%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、および約0.5%以下のギ酸を含む。
【0382】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.12%の量の化合物1、および約99.88%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む。
【0383】
一態様では、本明細書で提供される製剤は、製剤の総重量に対し、約0.08%~約0.15%の量の化合物1を含む。ある特定の実施形態では、化合物1の量は、製剤の総重量に対し、約0.09%~約0.15%、約0.1%~約0.13%、または約0.11%~約0.12%である。ある特定の実施形態では、化合物1の量は、製剤の総重量に対し、約0.05%、0.07%、0.09%、0.11%、0.12%、0.13%、または0.15%である。一実施形態では、製剤中の化合物1の量は、製剤の総重量に対し、約0.12%である。
【0384】
別の態様では、製剤は、20ccバイアル中に、約0.5mg~約2mgの量の化合物1を含む。さらに別の態様では、20ccバイアル中に、約0.5mg~約1.5mg、約0.75mg~約1.25mg、または約0.8mg~約1.1mgの量の化合物1を含む製剤である。一態様では、化合物1は、20ccバイアル中に、約0.7、0.75、0.76、0.8、0.9、1.0、1.05または1.2mgの量で存在する。一態様では、化合物1は、20ccバイアル中に、約1mgの量で存在する。
【0385】
一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のHPBCDの量は、製剤の総重量に対し、約97~約99.9%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のHPBCDの量は、製剤の総重量に対し、約98~約99.9%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のHPBCDの量は、製剤の総重量に対し、約99.1%、99.3%、99.5%、99.7%、または99.9%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のHPBCDの量は、製剤の総重量に対し、約99.5%である。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約750~850mgの量のHPBCDを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約790~840mg、780~830mgまたは790~810mgの量のHPBCDを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約800mgの量のHPBCDを含む製剤を提供する。
【0386】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約800mgの量のKleptose(登録商標)HPBを含む製剤を提供する。
【0387】
一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンの量は、製剤の総重量に対し、約97~約99.9%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンの量は、製剤の総重量に対し、約98~約99.9%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンの量は、製剤の総重量に対し、約99.1%、99.3%、99.5%、99.7%または99.9%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンの量は、製剤の総重量に対し、約99.5%である。
【0388】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約750~850mgの量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約790~840mg、780~830mgまたは790~810mgの量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約800mgの量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む製剤を提供する。
【0389】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約800mgの量のKleptose(登録商標)HPBを含む製剤を提供する。
【0390】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.5%以下のギ酸を含む。一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、最大約0.05%、0.07%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%または0.5%の量のギ酸を含む。一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05%、0.07%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%または0.5%以下のギ酸を含む。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のギ酸の量は、製剤の総重量に対し、約0.05~約0.5%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のギ酸の量は、製剤の総重量に対し、約0.05~約0.1%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のギ酸の量は、製剤の総重量に対し、約0.05%、0.07%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%または0.5%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤は、ギ酸を一切含有しない。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のギ酸の量は、製剤の総重量に対し、約0.05%~0.09%である。
【0391】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約1mg以下の量のギ酸を含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、最大約0.2、0.5、0.7、0.9mgまたは1mgの量のギ酸を含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約0.3~0.9mg、または0.4~0.8mgの量のギ酸を含む製剤を提供する。
【0392】
別の態様では、製剤は、20ccバイアル中に、約1mgの量の化合物1および約800mgの量のHPBCDを含む。
【0393】
別の態様では、製剤は、20ccバイアル中に、約1mgの量の化合物1、約800mgの量のHPBCD、および約0.9mgの量のギ酸を含む。
【0394】
ある特定の実施形態では、製剤は、表Aに記載されるような組成を有する。
【表3】

【0395】
製剤Ic
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.01~0.08%の量の化合物1、および約99.40~99.99%の量のHPBCDを含む。
【0396】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.01~0.08%の量の化合物1、約99.40~99.99%の量のHPBCD、および約0.5%以下のギ酸を含む。
【0397】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.03~0.06%の量の化合物1、および約99.60~99.99%の量のHPBCDを含む。
【0398】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.01~約0.08%の化合物1、約99.40~約99.99%のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、および約0.1~約0.3%のギ酸を含む。
【0399】
一態様では、本明細書で提供される製剤は、製剤の総重量に対し、約0.02~約0.06%の量の化合物1を含む。ある特定の実施形態では、化合物1の量は、製剤の総重量に対し、約0.03%~約0.06%、または約0.04%~約0.06%である。ある特定の実施形態では、化合物1の量は、製剤の総重量に対し、約0.03%、0.04%、0.05%、または0.06%である。一実施形態では、製剤中の化合物1の量は、製剤の総重量に対し、約0.05%である。
【0400】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約0.75mg~約1.5mgの量の化合物1を含む製剤を提供する。さらに別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約0.75mg~約1.25mgの量の化合物1を含む製剤を提供する。一態様では、化合物1は、20ccバイアル中に、約0.75、0.8、0.9、1.0、1.05、または1.2mgの量で存在する。一態様では、化合物1は、20ccバイアル中に、約1mgの量で存在する。
【0401】
一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のHPBCDの量は、製剤の総重量に対し、約99.40~約99.99%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のHPBCDの量は、製剤の総重量に対し、約99.5、99.6、99.7、99.8、99.9、99.95、または99.99%である。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約1800~1900mgの量のHPBCDを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約1850~1900mgの量のHPBCDを含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約1875mgの量のHPBCDを含む製剤を提供する。
【0402】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.5%以下のギ酸を含む。一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、最大約0.05%、0.07%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%または0.5%の量のギ酸を含む。一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05%、0.07%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%または0.5%以下のギ酸を含む。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のギ酸の量は、製剤の総重量に対し、約0.05~約0.3%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のギ酸の量は、製剤の総重量に対し、約0.05~約0.25%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のギ酸の量は、製剤の総重量に対し、約0.05%、0.07%、0.09%、0.1%、0.2%、または0.3%である。一実施形態では、本明細書で提供される製剤は、ギ酸を一切含有しない。一実施形態では、本明細書で提供される製剤中のギ酸の量は、製剤の総重量に対し、約0.11%~0.3%である。
【0403】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約4mg以下の量のギ酸を含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、最大約1、1.8、2、2.1、2.5、3、3.5、3.8、3.9、4、4.5、4.9mgまたは5mgの量のギ酸を含む製剤を提供する。別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約1~1.8mg、2.1~3.8mg、または3.9~4.9mgの量のギ酸を含む製剤を提供する。
【0404】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約1mgの量の化合物1、および約1875mgの量のHPBCDを含む製剤を提供する。
【0405】
別の態様では、本明細書は、20ccバイアル中に、約1mgの量の化合物1、約1875mgの量のHPBCD、および約2.1~3.8mgの量のギ酸を含む製剤を提供する。
【0406】
ある特定の実施形態では、製剤は、以下の表Bに記載されるような組成を有する:
【表4】

【0407】
共溶媒を含まない製剤
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.15~0.5%の量の化合物1、約15%~約35%の量のクエン酸バッファー、および約92%~約98%の量のHPBCDを含む。一実施形態では、クエン酸バッファーは、無水クエン酸および無水クエン酸ナトリウムを含む。
【0408】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.25~0.30%の量の化合物1、約30%~32%の量のクエン酸バッファー、および約67%~69%の量のHPBCDを含む。
【0409】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.30~0.33%の量の化合物1、約17%~18%の量のクエン酸バッファー、および約80~85%の量のHPBCDを含む。
【0410】
化合物1の例示的な製剤
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、および約99.75~99.95%の量のHPBCDから本質的になる。
【0411】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、および約99.75~99.99%の量のHPBCDから本質的になる。
【0412】
一実施形態では、製剤は、製剤の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、および約99.75~99.95%の量のスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンから本質的になる。
【0413】
一態様では、製剤は、本明細書に記載される、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、800mgのHPBCD、および約0.6mgのギ酸を含む、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に4.5mLの滅菌水によって復元される。
【0414】
一態様では、本明細書において記載されるように、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、800mgのHPBCD、および約0.6mgのギ酸から本質的になる製剤は、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に4.5mLの滅菌水によって復元される。
【0415】
一態様では、製剤は、本明細書に記載される、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、800mgのHPBCD、および約0.6mgのギ酸からなる、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に4.5mLの滅菌水によって復元される。
【0416】
一態様では、本明細書において記載されるように、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、800mgのスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、および約0.6mgのギ酸を含む製剤は、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に4.5mLの滅菌水によって復元される。
【0417】
一態様では、製剤は、本明細書に記載される、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、800mgのスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、および約0.6mgのギ酸から本質的になる、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に4.5mLの滅菌水によって復元される。
【0418】
一態様では、製剤は、本明細書に記載される、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、800mgのスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、および約0.6mgのギ酸からなる、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に4.5mLの滅菌水によって復元される。
【0419】
一態様では、本明細書に記載される、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物D、1875mgのHPBCD、および約2.1~3.8mgのギ酸を含む、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に12.5mLの生理食塩水によって復元される。
【0420】
一態様では、製剤は、本明細書に記載される、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、1875mgのHPBCD、および約2.1~3.8mgのギ酸から本質的になる、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に12.5mLの生理食塩水によって復元される。
【0421】
一態様では、製剤は、本明細書に記載される、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、1875mgのHPBCD、および約2.1~3.8mgのギ酸からなる、20ccバイアル中にある。一実施形態では、20ccバイアル中の製剤は、注射用に12.5mLの生理食塩水によって復元される。
【0422】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、固形物の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、および固形物の総重量に対し、約99.1~99.9%の量のHPBCD、および希釈剤を含む水性製剤を投与することを含む。
【0423】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、固形物の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、固形物の総重量に対し、約99.75~99.95%の量のHPBCD、および希釈剤を含む水性製剤を投与することを含む。
【0424】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、固形物の総重量に対し、約0.05~0.25%の量の化合物1、固形物の総重量に対し、約99.75~99.95%の量のHPBCD、および希釈剤から本質的になる水性製剤を投与することを含む。
【0425】
一態様では、本明細書で提供される方法は、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、800mgのHPBCD、約0.6mgのギ酸および約4.5mLの希釈剤を含む水性製剤を投与することを含む。
【0426】
一態様では、本明細書で提供される方法は、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、800mgのHPBCD、約0.6mgのギ酸および約4.5mLの希釈剤からなる水性製剤を投与することを含む。
【0427】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、固形物の総重量に対し、約0.01~0.08%の量の化合物1、および固形物の総重量に対し、約99.50~99.99%の量のHPBCD、および希釈剤を含む水性製剤を投与することを含む。
【0428】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、固形物の総重量に対し、約0.01~0.08%の量の化合物1、および固形物の総重量に対し、約99.50~99.99%の量のHPBCD、および希釈剤を含む水性製剤を投与することを含む。
【0429】
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、固形物の総重量に対し、約0.01~0.08%の量の化合物1、および固形物の総重量に対し、約99.50~99.99%の量のHPBCD、および希釈剤からなる水性製剤を投与することを含む。
【0430】
一態様では、本明細書で提供される方法は、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、800mgのHPBCD、約0.6mgのギ酸および約4.5mLの希釈剤を含む水性製剤を投与することを含む。
【0431】
一態様では、本明細書で提供される方法は、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、800mgのHPBCD、約0.6mgのギ酸および約4.5mLの希釈剤からなる水性製剤を投与することを含む。
【0432】
ある特定の実施形態では、製剤は、表Aに記載されるような組成物を有する。ある特定の実施形態では、製剤は、表Bに記載されるような組成物を有する。
【0433】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、凍結乾燥製剤を投与する工程を含み、凍結乾燥製剤は復元の際に、約2.5~4のpHを有する。ある特定の実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約2.5~3.5のpHを有する。ある特定の実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約3.0~3.6のpHを有する。一実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約2.5、3、3.2、3.4、3.6、3.8または4のpHを有する。一実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約2.5、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8または4のpHを有する。
【0434】
ある特定の実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約260~290mOsm/kgのオスモル濃度を有する。ある特定の実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約280mOsm/kgのオスモル濃度を有する。ある特定の実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約260~370mOsm/kgのオスモル濃度を有する。ある特定の実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約360mOsm/kgのオスモル濃度を有する。ある特定の実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約350~450mOsm/kgのオスモル濃度を有する。ある特定の実施形態では、復元時の凍結乾燥製剤は、約416mOsmのオスモル濃度を有する。
【0435】
ある特定の実施形態では、凍結乾燥製剤は、半生理食塩水(注射用の0.45%の塩化ナトリウム滅菌溶液)によって復元され、復元時に約280~320mOsm/kgのオスモル濃度を有する。ある特定の実施形態では、凍結乾燥製剤は、半生理食塩水(注射用の0.45%の塩化ナトリウム滅菌溶液)によって復元され、復元時に3.0~3.2のpHおよび約280~320mOsm/kgのオスモル濃度を有する。ある特定の実施形態では、凍結乾燥製剤は、4.5mLの半生理食塩水(注射用の0.45%の塩化ナトリウム滅菌溶液)によって復元され、復元時に3.0~3.2のpHおよび約280~320mOsm/kgのオスモル濃度を有する。一実施形態では、必要とされる用量の復元溶液は、30分間の静脈内投与用に50mLの容量まで注入バッグ内で生理食塩水(注射用の0.9%の塩化ナトリウム滅菌溶液)によって希釈される。
【0436】
ある特定の実施形態では、凍結乾燥製剤は、生理食塩水によって復元され、復元時に約440mOsm/kgのオスモル濃度を有する。一実施形態では、必要とされる用量の復元溶液は、50mLの容量まで生理食塩水によって希釈され、約310~380mOsm/kgのオスモル濃度を有する投与溶液を得る。一実施形態では、必要とされる用量の復元溶液は、50mLの容量まで生理食塩水によって希釈され、約310~355mOsm/kgのオスモル濃度を有する投与溶液を得る。一実施形態では、必要とされる用量の復元溶液は、50mLの容量まで生理食塩水によって希釈され、約317~371mOsm/kgのオスモル濃度を有する投与溶液を得る。一実施形態では、必要とされる用量の復元溶液は、50mLの容量まで生理食塩水によって希釈され、約317mOsm/kgのオスモル濃度を有する投与溶液を得る。一実施形態では、必要とされる用量の復元溶液は、50mLの容量まで生理食塩水によって希釈され、約371mOsm/kgのオスモル濃度を有する投与溶液を得る。一実施形態では、投与溶液のオスモル濃度は、352mOsm/kg以下である。一実施形態では、4.8mgの化合物1の用量を有する投与溶液のオスモル濃度は、352mOsm/kgである。
【0437】
ある特定の実施形態では、製剤は、ガラスバイアル、例えば、20ccガラスバイアル中で提供される。
【0438】
一態様では、本明細書で提供される方法は、本明細書に記載される、1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1および充填剤を含む、20ccバイアル中の製剤を投与する工程を含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約5mg以下のギ酸をさらに含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約4mg以下のギ酸をさらに含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約3mg以下のギ酸をさらに含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約2mg以下のギ酸をさらに含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約1.5mg以下のギ酸をさらに含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約1mg以下のギ酸をさらに含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約0.8mg以下のギ酸をさらに含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約0.4mg~約1.5mg、約0.5mg~約1mg、または約0.5mg~約0.9mgのギ酸を含む。一実施形態では、製剤は、残留溶媒として、約0.4mg、約0.6mg、約0.8mg、約1mgまたは約1.5mgのギ酸を含む。一実施形態では、製剤は、約1.0mg/mgの化合物1~約1.8mg/mgの化合物1、約2.1mg/mgの化合物1~約3.8mg/mgの化合物1、または約3.9mg/mgの化合物1~約4.9mg/mgの化合物1の量で、残存溶媒としてギ酸を含む。
【0439】
化合物1の製剤は、限定されるものではないが、本明細書に記載の方法を含む、化合物1を送達するための標準的な治療方法を使用して、それを必要とする患者に投与され得る。一実施形態では、製剤は、薬学的に許容される溶媒中で復元され、薬学的に許容される溶液を産生し、溶液が患者に(例えば静脈注射によって)投与される。
【0440】
一態様では、製剤は、凍結乾燥され、凍結乾燥製剤は、投与の前に適切な濃度への、好適な希釈剤による復元に好適である。一実施形態では、凍結乾燥製剤は、室温で安定である。一実施形態では、凍結乾燥製剤は、最大約24カ月間、室温で安定である。一実施形態では、凍結乾燥製剤は、最大約24カ月間、最大約18カ月間、最大約12カ月間、最大約6カ月間、最大約3カ月間または最大約1カ月間室温で安定である。一実施形態では、凍結乾燥製剤は、最大約12カ月間、最大約6カ月間または最大約3カ月間、40℃/75%RHの加速条件下での保存時に安定である。
【0441】
凍結乾燥製剤は、任意の薬学的に許容される希釈剤を使用して、患者への非経口投与のために復元され得る。そのような希釈剤としては、限定されるものではないが、注射用滅菌水(SWFI)、水中デキストロース5%(D5W)、または共溶媒系が挙げられる。任意の量の希釈剤は、注射用の好適な溶液が調製されるように、凍結乾燥製剤を復元するために使用され得る。したがって、希釈剤の量は、凍結乾燥製剤を溶解するのに十分でなければならない。一実施形態では、1~5mLまたは1~4mLの希釈剤が使用され、凍結乾燥製剤を復元し、最終濃度約0.05~0.3mg/mLまたは約0.15~0.25mg/mLの化合物1を産生する。ある特定の実施形態では、復元溶液中の化合物1の最終濃度は、約0.25mg/mLである。ある特定の実施形態では、復元溶液中の化合物1の最終濃度は、約0.20mg/mLである。ある特定の実施形態では、復元希釈剤の容量は、3mlと5mlの間で変動し、最終濃度0.15~0.3mg/mLを産生する。ある特定の実施形態では、必要とされる用量により、複数のバイアルが復元のために使用され得る。
【0442】
凍結乾燥製剤の復元溶液は、最大約24時間、約12時間または約8時間以内に保存および使用され得る。一実施形態では、復元水性溶液は、復元時に、約1~24、2~20、2~15、2~10時間、室温で安定である。一実施形態では、復元水溶液は、復元時に、最大約20、15、12、10、8、6、4または2時間室温で安定である。いくつかの実施形態では、溶液は、調製の8時間以内に使用される。いくつかの実施形態では、溶液は、調製の5時間以内に使用される。いくつかの実施形態では、溶液は、調製の1時間以内に使用される。
【0443】
活性の評価
望ましい活性を有するものを同定するために化合物を試験するために、標準生理学的、薬理学的および生化学的手順が利用可能である。
【0444】
このようなアッセイには、例えば、実施例の節に記載されるアッセイを含む細胞ベースのアッセイが含まれる。
【0445】
本明細書で提供される実施形態は、以下の実施例を参照することによってより完全に理解され得る。これらの実施例は、本明細書で提供される医薬組成物および投与形の例示であることを意図するが、決して限定するものではない。
【実施例
【0446】
以下の実施例は、例示として示され、限定ではない。説明および実施例において以下の略語が使用される。
【表5】

【0447】
本明細書における実施例において「化合物1、形態C」または「形態C」または「API」とは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの多形体形態Cを指す。本明細書における実施例において「化合物1、形態A」または「形態A」とは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの多形体形態Aを指す。2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの物理的および化学的特性は、表1にまとめられている。
【表6】
【0448】
化合物および処置手順
【0449】
CELL TITER-GLO(登録商標)(CTG;Promega)およびIncucyteアッセイのために、細胞を1mLあたり10万個、Corning black 384ウェルプレートのウェルあたり50μLで播種し、一晩静置した。翌日、試験化合物を、Tecan D300eデジタルディスペンサーを製造業者の使用説明書に従って使用して分注した。
【0450】
AML細胞系でのサイトカインアッセイのために、細胞を1mLあたり100万個、6ウェルプレートのウェルあたり3mLで播種し、一晩静置した。翌日、3μLの、目的の化合物の1000×作業ストックを用いて細胞を処置した。
【0451】
一次AMLおよび健常骨髄細胞でのサイトカインアッセイのために、細胞を、超低付着96ウェルプレートのウェルあたり150μLの培地中、20万個で2連で播種した。化合物1および/またはLPSを用いる処置後24および48時間で細胞培養培地を収集した。フローサイトメトリー分析のために、細胞をペレット化し、1.6%のPFA中で固定し、凍結した。
【0452】
試験物質には、以下:化合物1、タプシガルギン(Sigma、カタログ番号T9033-5MG)、ボルテゾミブ(Selleckchem カタログ番号S1013)、シクロヘキサミド(Abcam、カタログ番号ab120093)、シタラビン(Sigma、カタログ番号C1768)、ダウノルビシンHCl(Selleckchem カタログ番号S3035)、ギルテリチニブ(Selleckchem カタログ番号S7754)、フェドラチニブ(MedChem Express、カタログ番号HY-10409)、ホモハリントニン(Abcam、カタログ番号ab142580)、ベネトクラクス(Selleckchem カタログ番号S8048)、デキサメタゾン(Selleckchem カタログ番号S1322)、Z-VAD-FMK(Selleckchem カタログ番号S7023)、Z-IETD-FMK(Selleckchem カタログ番号S7023)、Y-YAD-FMK(Abcam カタログ番号ab141388)、VRT-043198(Medkoo Bioscience、カタログ番号205941)が含まれる。
【0453】
細胞培養および材料
【0454】
ヒトAML細胞系、HL-60(CCL-240)、KG-1(CCL-246)、ML-2(ACC-15)、MOLM-13(ACC-554)、MV-4-11(CRL-9591)、NOMO-1(ACC-542)、TF-1(CRL-2003)、THP-1(TIB-202)およびU937(CRL-1593)は、American Type Culture Collection(ATCC;バージニア州、マナサス)またはDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen(DSMZ、ドイツ)細胞バンクから入手した。急性骨髄性白血病細胞系は、20%ウシ胎児血清(FBS)(Corningカタログ番号35-010-CV)を含有するRPMI-1640(ATCCカタログ番号30-2001)中で維持し、5%二酸化炭素で加湿したインキュベーター中で維持した。
【0455】
正常PBMCは、AllCells(カタログ番号PB006F)から購入した。一次AML BMMCは、Conversant(SKU ID:BBM1000-E1110036458110215SH)またはFidelis Research (AML55、AML57、AML73、AML74、AML76、AML79、AML80、AML81、AML84、AML95)から購入した。健常ドナー由来の骨髄は、StemCell Technologies(カタログ番号70001.2)から購入した。
【0456】
正常PBMCは、20%ウシ胎児血清(Corningカタログ番号35-010-CV)を含有するRPMI-1640(ATCCカタログ番号30-2001)で培養した。一次AMLおよび骨髄は、50ng/mLの幹細胞因子(Peprotechカタログ番号300-07)、50ng/mLの組換えヒトFLT3-リガンド(Peprotechカタログ番号300-19)、20ng/mLの組換えヒト-インターロイキン-3(Peprotechカタログ番号200-03)、20ng/μLの組換えヒト-インターロイキン-6(Peprotechカタログ番号200-06)、1μMのStemRegenin(StemCell Technologies カタログ番号72342)、ペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogenカタログ番号15140122)を補給した完全培地サイトカイン1X:StemSpam(商標)血清不含拡大増殖培地(StemCell Technologies カタログ番号09650)で培養した。
【0457】
細胞増殖およびアポトーシスアッセイ
【0458】
AML細胞系および一次AMLは、384ウェルプレート中でDMSOまたは試験化合物を用いて2連または3連で3日間処置した。細胞生存力は、製造業者の使用説明書に従ってCELL TITER-GLO(登録商標)(CTG;Promega)アッセイキットによって決定した。アポトーシスは、カスパーゼ3/7緑色試薬(Essen Biosciencesカタログ番号4440)を使用してモニタリングした。カスパーゼ-3/7活性化濃度は、IncuCyte(商標)ZOOMベーシックアナライザーを使用して定量化した。
【0459】
免疫ブロット分析
【0460】
細胞を氷冷1×PBSで2回洗浄し、その後、1×Haltプロテアーゼ阻害剤カクテル(ThermoFisherカタログ番号78429)を補給した細胞抽出バッファー(ThermoFisherカタログ番号FNN0011)中に回収した。14,000gで10分間の遠心分離後に全細胞抽出物を収集し、4-12% Bis-Tris Novex Precastゲル(ThermoFisherカタログ番号WG1403A)で分離し、Turboblot Turboトランスファーシステム(Bio-Rad)を使用してニトロセルロースメンブレン上に移し、示された一次抗体を用いてプローブした。IRDye-680または-800がコンジュゲートしている二次抗体を用い、LI-CORスキャナーを使用して、結合している抗体を検出した。
【0461】
免疫ブロットのために使用された抗体:AL647とコンジュゲートしているマウス抗ヒトGSPT-1 mAb(クローン番号GSPT1-164-17G9-G6、Celgene、カリフォルニア州、サンディエゴ)、IL-1β(R&D Systems、カタログ番号AF-201-NA)、切断されたカスパーゼ3(Cell Signaling、カタログ番号9664S)、アルファ-チュブリン(Cell Signaling、カタログ番号3873S)、切断されたカスパーゼ-8(Cell Signaling、カタログ番号9748S)、カスパーゼ-1(Cell Signaling、カタログ番号3866S)、HAタグ(Cell Signaling、カタログ番号3724)、ホスホル-eIF2a(Cell Signaling、カタログ番号9721)、総eIF2a(Cell Signaling、カタログ番号9722)、ATF4(Cell Signaling、カタログ番号11815S)、CHOP(Abcam、カタログ番号11419)、GAPDH(Cell Signaling、カタログ番号5174)、ウサギ抗マウス800抗体(LI-COR Biosciences)、ウサギ抗マウス680抗体(LI-COR Biosciences)、マウス抗ウサギ680抗体(LI-COR Biosciences)、マウス抗ウサギ800抗体(LI-COR Biosciences)
【0462】
フローサイトメトリー分析
【0463】
フローサイトメトリーのための試料処理を、96ウェルプレート中で実施した。ウェルあたり100万個の細胞を、300μLの氷冷染色バッファー(BD、カタログ番号554723)を用いて洗浄し、150μLのFcブロッキングバッファー(Miltenyi、カタログ番号130-059-901)を用いて室温で10分間ブロッキングした。ブロッキング後、細胞をperm/washバッファー(BD、カタログ番号554723)を用いて1回洗浄し、100μLの、perm/washバッファーで希釈した一次抗体を用いて、暗所、氷上で20分間染色した。染色後、細胞を300μLの染色バッファーで洗浄し、次いで、300μLの染色バッファーで再懸濁し、その後、BD Fortessa機器を使用して分析した。
【0464】
フローサイトメトリーのために使用された抗体:マウス抗ヒトGSPT-1 mAb(クローン番号GSPT1-164-17G9-G6、Celgene、カリフォルニア州、サンディエゴ)、CD14-BUV737(BD Biosciences、カタログ番号564445)、CD3(BD Biosciences、カタログ番号564000)、CD34(BD Biosciences、カタログ番号348791)、CD45(BD Biosciences、カタログ番号340953)、切断されたカスパーゼ-8(Cell Signaling、カタログ番号12602S)、切断されたカスパーゼ-3(BD Biosciences、カタログ番号564094)、ヒトIL-1β(R&D Systems、カタログ番号IC201S)、ヒトIL-1β(R&D Systems、カタログ番号IC8406A)
【0465】
電気化学発光アッセイ
【0466】
IL-1α(Meso Scale Disgnostics、カタログ番号K151RBD)、IL-1β(Meso Scale Disgnostics、カタログ番号K151QPD)、IL-1RA(Meso Scale Disgnostics、カタログ番号K151WTD)、IL-18(Meso Scale Disgnostics、カタログ番号K151VJK)、TNFa(Meso Scale Disgnostics、カタログ番号K151QWD)、VEGF Meso Scale Disgnostics、カタログ番号K151RHD)濃度を、製造業者の使用説明書に従って(メソスケール診断アッセイキットによって測定した。測定は、MESO(商標)SECTOR S 600プレートリーダー(Meso Scale Disgnostics)で行った。
【0467】
データ分析
【0468】
細胞増殖(CTG)およびカスパーゼ3/7活性化(IncuCyte)は、GraphPad Prismを使用して分析した。電気化学発光データは、MSD Discovery Workbenchプラットフォームを使用して分析した。
【0469】
実施例1:化合物1によるインターロイキン-1β誘導
化合物1の滴定を用いて48時間の処置された、8つのAML細胞系および正常PBMCにおける細胞内pro-IL-1βおよび放出されたIL-1βの濃度を評価した。(図1A~1C、表2を参照されたい)。上清IL-1βb濃度は、8つのうち6つのAML細胞系および正常PBMCにおいて、化合物1処置で、DMSOと比較して5倍を上回って誘導された(図1A、1Bおよび1C、表2)。このような誘導は、GSPT1分解およびカスパーゼ3活性化後に起こり(図1A)、これは、細胞死と関連する現象を示唆する。ML-2細胞では、例えば、GSPT1の有意な低減が、24時間で化合物1の2回の高用量で起こり(図1A)、切断されたカスパーゼ3の同時誘導を伴った(図1A)。しかし、細胞内プロ-および分泌されたIL-1β誘導は、処置後48時間まで観察されなかった(図1Aおよび1B)。IL-1β誘導が観察された全ての細胞系において、アポトーシスとIL-1βの間の時間的関係が観察された。
【0470】
IL-1βは、単球性細胞において自然免疫応答の一部として誘導され得る(Gaidt et al. Immunity. 2016, 44(4):833-46、Carta et al. J Biol Chem. 2011, 286(31):27069-80、Netea et al. Blood. 2009, 113(10):2324-35)。インビトロで(表2)、化合物1によるIL-1β誘導を示すほとんどの細胞系(ML-2、MV4-11、NOMO-1、MOLM13)は、1つの例外(KG-1)以外は、系統が単球性(FAB4/5状態)である。細胞系研究を拡大するために、5つの単球性(FAB M4/M5)および4つの非単球性(FAB M0/M1/M2)AMLを含む、9人の一次AML患者から得た骨髄単核細胞(BMMC)で化合物1への応答におけるIL-1β濃度を試験した(図1C)。2人の健常ドナーから得たBMMCを参照として含めた。正常およびAML BMMCを、化合物1の用量範囲を用いて処置し、細胞培養上清中のIL-1βを処置後24時間および48時間で測定した。M4/M5分類から得た5つのうち2つの試料が、処置後24時間および48時間の両方で化合物1に応答したIL-1βの著しい誘導を示した。対照的に、4つのM0/M1/M2試料のいずれにおいても、化合物1はIL-1βを誘導できなかった。
【0471】
IL-1βの成熟は、古典的なカスパーゼ-1インフラマソーム経路またはカスパーゼ-8依存性非標準インフラマソームシグナル伝達を介して媒介され得る(Antonopoulos et al. J Biol Chem. 2015、290(33):20167-84;Chauhan et al. Cell Rep. 2018, 25(9):2354-2368;およびSchneider et al. Cell Rep. 2017, 21(13):3846-3859)。化合物1によって古典的カスパーゼ-1媒介性インフラマソーム経路が活性化されたか否かを理解するために、インフラマソームマーカーであるIL-18濃度を、既知インフラマソーム刺激物質リポ多糖(LPS)を陽性対照として使用して、化合物1への応答において試験した(図1B、表1)。化合物1は、試験されたほとんどの細胞系において、IL-18濃度を有意に増大することなく、アポトーシス後のIL-1α、IL-1βおよびIL-1RAを誘導した。対照的に、LPSは、初期の時点(6時間)で顕著なIL-18誘導を、続いて、後の時点でIL-1β、IL-1αおよびIL-1RAを与えた(図1B)。これらの結果は、化合物1によるIL-1β誘導は、LPSのものとは別個の機構によるものであるということを示唆する。
【表7】
【0472】
実施例2:化合物1誘導性IL-1βに対するカスパーゼ阻害の効果
IL-1β放出が、カスパーゼ1および/またはカスパーゼ8によって媒介されたか否かを評価することによって、ML-2およびMV4-11細胞系における化合物1誘導性IL-1βに対するカスパーゼ阻害の効果を研究した。図2Aは、1000nMの化合物1と、1、10、100μMのパン-カスパーゼ(Z-VAD-FMK)、カスパーゼ8(Z-VAD-FMK)またはカスパーゼ1阻害剤(Z-VAD-IETDまたはZ-YVAD)の組合せを用いて処置されたML-2細胞における、電気化学発光アッセイによって測定されたIL-1β濃度を示す。図3Aは、1000nMの化合物1と、10μMのパン-カスパーゼ(Z-VAD-FMK)、カスパーゼ8(Z-VAD-FMK)またはカスパーゼ1阻害剤(Z-VAD-IETDまたはZ-YVAD)との組み合わせを用いて処置されたMV411細胞における、電気化学発光アッセイによって測定されたIL-1β濃度を示す。パン-カスパーゼおよびカスパーゼ-8阻害剤、Z-VAD-FMKおよびZ-VAD-IETDはそれぞれ、化合物1による分泌されたIL-1β誘導を有意に遮断し、これは、IL-1β誘導がカスパーゼ8依存性であることを示唆する。対照的に、Z-YVADまたはVRT043198によるカスパーゼ1阻害は、パン-またはカスパーゼ8阻害剤とほぼ同じ程度までIL-1β誘導を抑制せず、これは、カスパーゼ1ではなくカスパーゼ8が、化合物1誘導性IL-1β放出の主寄与体であることを示唆した。
【0473】
カスパーゼ8が、化合物1誘導性IL-1β上方制御および/または放出にとって必要であるか否かをさらに確認するために、ノックアウト研究を実施した。ML-2細胞においてCRISPR/Cas9によってカスパーゼ1またはカスパーゼ8をノックアウトし、細胞内および分泌されたIL-1β濃度に対する化合物1の効果を調べた。親のカスパーゼ1およびカスパーゼ8ノックアウト細胞を、1μMの化合物1を用いて、または用いずに処置した。IL-1β濃度を、細胞溶解物および培養上清において化合物処置後48および72時間で分析した。pro-IL-1βの上方制御および分泌されたIL-1βの増大は、化合物1を用いて処置された親およびカスパーゼ1ノックアウト細胞において明らかであった(図2Bおよび2Cを参照されたい)。対照的に、カスパーゼ8ノックアウト細胞では、化合物1によるpro-IL上方制御は、未変化のままであったが(図2B)、化合物1によるIL-1放出の誘導は損なわれた(図2C)。これらのデータは、化合物1による、pro-IL-1βではないIL-1β放出の上方制御が、カスパーゼ8活性化の下流であり(図7Aおよび7B)、カスパーゼ1に依存しないことを示す。
【0474】
次に、カスパーゼ8活性化単独で、IL-1β誘導を媒介するのに十分であるか否かを確かめるために試験を実施した。化合物1と同様であるが同一ではない作用機序を有する化合物のパネルを使用して、ML-2(図2D)およびMV4-11(図3B)細胞系において、カスパーゼ8活性化を化合物1よりも高度に誘発するホモハリントニン、ダウノルビシンおよびフェドラチニブなどの薬剤は、化合物1ほど効率的に分泌されたIL-1βを誘導できないということが観察され、これは、カスパーゼ8活性化それ自体は、IL-1β放出を誘導するのに十分ではないことを示唆した。カスパーゼ8活性が適切な時間枠で捕捉されることを確実にするために、カスパーゼ8/FLICE活性比色定量アッセイを使用して24、48および72時間でカスパーゼ8活性化濃度を測定した(図3Cおよび3D)。試験された全ての時点にわたって、化合物1は最も効率的なカスパーゼ8活性化化合物ではなかったが、試験された全ての他の化合物と比較して著しくより多く分泌されたIL-1βをもたらした。まとめると、これらの結果は、化合物1媒介性IL-1β誘導にとって、カスパーゼ8活性化は必要であるが、十分ではないということを示唆する。
【0475】
実施例3:IL-1β誘導に対する化合物1の効果
化合物1によるIL-1β誘導の根底にある機構をさらに探究するために、化合物1とは異なるが関連する機構を有する化合物を、3つのAML細胞系、ML-2、MV4-11およびMOLM-13において試験した(図4および図5)。化合物1は、セレブロン媒介性タンパク質分解によってGSPT1を分解し、これは、全体的な翻訳阻害、ISRの活性化およびその後のアポトーシスにつながる。化合物1は、細胞内pro-IL-1βおよび分泌されたIL-1β両方の誘導をもたらした。対照的に、小胞体ストレス応答インデューサー(タプシガルギンおよびボルテゾミブ)、翻訳阻害剤(シクロヘキシミドおよびHHT)、キナーゼ阻害剤(FLT3に対するギルテリチニブ、JAK2に対するフェドラチニブ)およびアポトーシスインデューサー(BCL-2に対するベネトクラクス)は、同様の程度のカスパーゼ3/7活性化および生存力喪失をもたらした用量で、濃度の細胞内pro-IL-1β(図4A)も、分泌されたIL-1β(図4B)も誘導できず(図4C図6)、これは、IL-1β誘導および放出は、アポトーシス関連ではあるが、迅速な細胞死の一般的な現象ではなく、GSPT1喪失と関連しているということを示唆した。異なる標的タンパク質、CK1αを有するセレブロンモジュレート剤も、細胞内pro-IL-1βまたは分泌されたIL-1βを誘導する能力を示すことができず、これは、IL-1β誘導は、一般的なセレブロンモジュレート剤媒介性効果ではないことを示唆した。ERストレスは、カスパーゼ8活性化およびIL-1β産生につながる可能性があるという文献による報告と一致して(Shenderov et al. J Immunol. 2014 Mar 1; 192(5): 2029-2033)、タプシガルギンおよびボルテゾミブによって低濃度のIL-1βが誘導された。2つの他のAML細胞系、MV4-11およびMOLM-13において同様に結果が観察された(それぞれ、図5Aおよび5B)。GSPT1分解がパン-サイトカイン誘導につながるか、またはIL-1βに対して特異的であるかを評価するために、2つの他の既知低血圧誘導性サイトカインであるTNFaおよびVEGFの濃度で化合物効果を比較した(図7)。IL-1βとは対照的に、化合物1は、他の機構的薬剤と比較してより多くのVEGFまたはTNFaを誘導することはなかった。まとめると、これらのデータは、IL-1β誘導に対するGSPT1分解の独特の効果を支持する。
【0476】
実施例4:IL-1β誘導に対するGSPT1分解の効果
IL-1β誘導が、GSPT1分解のオンターゲット効果であるか否かをさらに確認するために、内因性野生型GSPT1を発現する、またはGSPT1 G575Nの分解不可能形態を過剰発現する同質遺伝子的MOLM13細胞対において、化合物1処置に応答した細胞内pro-IL-1βおよび分泌されたIL-1βb濃度を比較した。GSPT1 G575Nは、化合物1媒介性GSPT1分解、カスパーゼ3活性化および生存力喪失に対して完全な抵抗性をもたらした(図8Aおよび8B)。重要なことに、pro-IL-1(図8A)、細胞内および上清IL-1β誘導(図8Cおよび8D)は、GSPT1 G575Nの過剰発現によって完全に遮断され、pro-IL-1β上方制御および成熟IL-1β誘導の両方が、GSPT1分解の下流のオンターゲット効果であることを証明した。
【0477】
実施例5:IL-1β誘導に対するGCN2経路活性化の効果
ISRは、特にGCN2経路を介して、GSPT1媒介性細胞死に寄与する重要な経路の1つである。GCN2ノックダウンは、化合物1によるATF4およびCHOP誘導を遮断し、カスパーゼ3およびカスパーゼ8活性化を抑制した。GCN2は、IL-1β産生と関連付けられている。GCN2活性化は、腸細胞において古典的カスパーゼ1媒介性インフラマソーム活性化を阻害し、CD11c+抗原提示細胞または腸上皮細胞におけるGCN2ノックダウンは、インフラマソーム活性化およびIL-1β産生の増強につながる(Ravindran et al. Nature. 2016, 531(7595):523-527)。化合物1媒介性IL-1β誘導が、GCN2経路の下流であるか否かを理解するために、内因性野生型GCN2を発現する、またはその遺伝子が欠失した同質遺伝子的MV4-11 Cas9細胞対を使用した。GCN2ノックダウンは、化合物1によるホルホル-eIF2a、ATF4、CHOPおよび切断されたカスパーゼ8の誘導を抑制した(図9A)。特に、化合物1媒介性pro-IL-1β上方制御は、GCN2の不在下で消失した(図9A)。同様に、化合物1による細胞内および上清IL-1β誘導(それぞれ、図9Bおよび9C)は、親細胞と比較してGCN2ノックアウト細胞において著しく抑制された。これらの証拠は、pro-IL-1β上方制御および分泌されたIL-1βの誘導は両方とも、GCN2経路活性化の下流効果であり、腸細胞において報告されたGCN2媒介性古典的インフラマソーム経路阻害(Ravindran et al. Nature. 2016、531(7595):523-527)とは別個であることを示した。
【0478】
実施例6:化合物1媒介性IL-1β誘導に対するデキサメタゾンの効果
AML細胞系において化合物1によって誘導されるIL-1β濃度に対するデキサメタゾンの効果を試験した。図10Aは、4つのAML細胞系、ML-2、MV4-11、MOLM13およびKG1において、100および1000nMのデキサメタゾンは、化合物1によって誘導される分泌されたIL-1β濃度を著しく低減したということを示す。
【0479】
次に、AML細胞における化合物1の有効性プロファイルに対するデキサメタゾンの同時処置の効果を試験した。これは、細胞死のレベルの増大がサイトカイン放出症候群につながり得るのに対し、アポトーシスの速度または深度の低減が、不十分な腫瘍死滅につながり、芽細胞リバウンドのリスクをもたらし得るので重要である。デキサメタゾン組合せは、化合物1単一薬剤処置と比較してカスパーゼ3/7活性化の速度も深度も変更しないことが観察された(図10B)。これと一致して、CellTitre-Gloアッセイによって測定された総細胞生存力は、デキサメタゾンは化合物1のEC50を変更しなかったことを示した(図10C)。これらの結果は、デキサメタゾン用量はAML細胞での化合物1死滅動態学に干渉しないということを示唆し、これは、低血圧症の予防におけるデキサメタゾンの臨床適用を支持する。
【0480】
図11は、化合物1によるIL-1β誘導機構の概略描写を提供する。図11に示されるように、化合物1処置の際のGSPT1分解は、GCN2経路をオンにし、pro-IL-1を上方制御し、カスパーゼ8を活性化する。活性化されたカスパーゼ8は、pro-IL-1を成熟IL-1βにプロセシングし、これはその後、細胞から放出され、炎症応答および潜在的に低血圧症を引き起こす。
【0481】
実施例7:化合物1媒介性IL-1β誘導に対する第2の薬剤の効果
2つのAML細胞系、ML-2およびMOLM13における、化合物1によって誘導されるIL-1β濃度に対するプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、コルチゾール、コルチゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾンおよびデキサメタゾンの効果を試験した。図12および13は、化合物1誘導性IL-1bは、それぞれ、ML-2およびMOLM13細胞系において、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、コルチゾール、コルチゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾンおよびデキサメタゾンによって抑制され得るということを示す。
【0482】
上記の実施形態は、単に例示であると意図され、当業者は、日常的にすぎない実験を使用して、特定の化合物、材料および手順の多数の均等物を認識する、または確認できるであろう。全てのこのような均等物は、本発明の範囲内であると企図され、添付の特許請求の範囲によって包含される。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図9-1】
図9-2】
図10-1】
図10-2】
図10-3】
図11
図12-1】
図12-2】
図13-1】
図13-2】
【国際調査報告】