(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】小分子プロスタグラジン輸送阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 241/20 20060101AFI20221221BHJP
C07D 277/42 20060101ALI20221221BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20221221BHJP
C07D 263/48 20060101ALI20221221BHJP
C07D 271/113 20060101ALI20221221BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221221BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221221BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20221221BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20221221BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20221221BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20221221BHJP
A61P 27/06 20060101ALI20221221BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20221221BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20221221BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20221221BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20221221BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20221221BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20221221BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20221221BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20221221BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221221BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20221221BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20221221BHJP
A61P 15/06 20060101ALI20221221BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20221221BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20221221BHJP
A61P 7/02 20060101ALI20221221BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20221221BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20221221BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20221221BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20221221BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20221221BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20221221BHJP
A61P 9/14 20060101ALI20221221BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20221221BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20221221BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20221221BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20221221BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20221221BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20221221BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20221221BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20221221BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20221221BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20221221BHJP
A61P 27/14 20060101ALI20221221BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20221221BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20221221BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20221221BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20221221BHJP
A61P 33/02 20060101ALI20221221BHJP
A61K 33/243 20190101ALI20221221BHJP
A61K 31/426 20060101ALI20221221BHJP
A61K 31/4965 20060101ALI20221221BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20221221BHJP
A61K 31/421 20060101ALI20221221BHJP
A61K 31/4245 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
C07D241/20
C07D277/42 CSP
C07D401/12
C07D263/48
C07D271/113
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61P29/00
A61P25/04
A61P1/16
A61P3/04
A61P19/02
A61P27/06
A61P17/02
A61P9/12
A61P15/00
A61P1/04
A61P11/00
A61P11/06
A61P37/06
A61P37/08
A61P35/00
A61P25/28
A61P7/00
A61P15/06
A61P13/12
A61P7/04
A61P7/02
A61P7/06
A61P1/02
A61P19/06
A61P17/04
A61P19/10
A61P9/10 101
A61P9/14
A61P9/10
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/06
A61P37/02
A61P25/24
A61P25/02
A61P25/00
A61P17/00
A61P21/00
A61P21/04
A61P27/14
A61P27/02
A61P3/10
A61P35/04
A61P31/04
A61P33/02
A61K33/243
A61K31/426
A61K31/4965
A61K31/497
A61K31/421
A61K31/4245
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525986
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 US2020058533
(87)【国際公開番号】W WO2021091823
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520426357
【氏名又は名称】アルベルト・アインシュタイン・カレッジ・オブ・メディシン
【氏名又は名称原語表記】ALBERT EINSTEIN COLLEGE OF MEDICINE
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュースター、ビクター エル
(72)【発明者】
【氏名】グリーンリー、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ガバティオテス、エブリピイス
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC34
4C063DD12
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC50
4C086BC69
4C086BC71
4C086BC82
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA16
4C086HA12
4C086HA24
4C086HA26
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA05
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA07
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA20
4C086ZA22
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA44
4C086ZA45
4C086ZA51
4C086ZA53
4C086ZA54
4C086ZA55
4C086ZA59
4C086ZA67
4C086ZA68
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB07
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB26
4C086ZB35
4C086ZB38
4C086ZC31
4C086ZC35
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、式1の化合物、およびその薬学的に許容される塩を提供する。式1の変数、例えば、X
1~X
5、A
1、A
2、およびR
1~R
4を、本明細書に記載する。かかる化合物は、プロスタグランジン輸送(PGT)阻害剤として有用である。本開示は、式1の化合物またはその塩を含む薬学的組成物、ならびに式1の化合物またはその塩を使用して、少なくとも部分的にプロスタグランジンレベルまたはシクロオキシゲナーゼ活性によって媒介された疾患および障害を治療する方法をさらに含む。このような疾患および障害には、痛みのある状態および炎症性の状態が含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の化合物:
【化1】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
R
1およびR
2は、水素、C
1~C
6アルキル、(C
1~C
4アルコキシ)(C
1~C
4アルキル)、(C
3~C
7シクロアルキル)C
0~C
2アルキル、-CO
2C
1~C
6アルキル、および-CO
2C
0~C
2アルキル(C
3~C
7シクロアルキル)から独立して選択されるか、あるいは
R
1およびR
2は一緒に、3~6員の炭素環式環、またはNH、N-C
1~C
6アルキル、NCO-C
1~C
6アルキル、NCO
2-C
1~C
6アルキル、NSO
2-C
1~C
6アルキル、O、S、およびSO
2から選択される1個のヘテロ原子もしくは置換ヘテロ原子を含有する4~6員のヘテロシクロアルキル環であってもよく、
R
3およびR
4は、水素、フルオロ、およびメチルから独立して選択されるか、あるいはR
3およびR
4は、一緒になって、C
3~C
5飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環式環、またはハロゲンもしくはC
1~C
2アルキルで任意選択的に2,2二置換または3,3二置換されるオキセタニル環を形成することができ、
A
1は、N、O、およびSから独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、任意選択的にハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、(C
3~C
7-シクロアルキル)C
0~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、およびC
1~C
2ハロアルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で置換された、5~6員のヘテロアリーレン基であり、
A
2は、-CO
2H、-Si(CH
3)
2-CO
2H、-CO
2NHSO
2-R
5、-SO
2NH-CO-R
5であり、式中、R
5は、C
1~C
6アルキル、C
3~C
7-シクロアルキル、もしくは1個の酸素原子を含有する4~6員のヘテロシクロアルキル基であるか、または
A
2は、N、O、およびSから独立して選択される最大4個のヘテロ原子を含有し、1つもしくは2つのオキソ基で任意選択的に置換された、5員のヘテロアリール基であり、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5は、NおよびCから選択される芳香族環原子であり、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5のうち最大3個がN環原子であり、各C環原子は、R
6で任意選択的に置換され、各R
6は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、-CONH
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2ハロアルコキシ、モノ-もしくはジ-(C
1~C
6アルキルアミノ)C
0~C
2アルキル、(C
3~C
7シクロアルキル)C
0~C
2アルキル、(C
3~C
7シクロアルキル)C
0~C
2アルコキシ、(C
1~C
6アルキルSO
2)C
0~C
2アルキル、C
1~C
6アルキルNHCO-および(C
1~C
6アルキル)
2NCO-から独立して選択され、
Qは、存在しないか、または-CH
2-、-CH
2CH
2-、もしくは-OCH
2-である、化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R
1およびR
2は、水素、C
1~C
6アルキル、および-CO
2-C
1~C
6アルキルから独立して選択され、
R
3およびR
4は、水素、フルオロ、およびメチルから独立して選択され、
A
1は、N、O、およびSから独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、任意選択的にハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、(C
3~C
7-シクロアルキル)C
0~C
2アルキル、C
1~C
2ハロアルキル、およびC
1~C
2ハロアルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で置換された、5~6員のヘテロアリーレン基であり、
A
2は、-CO
2H、-Si(CH
3)
2-CO
2H、-CO
2NHSO
2-R
5、-SO
2NH-CO-R
5であり、式中、R
5は、C
1~C
6アルキル、C
3~C
7-シクロアルキル、オキセタニル基、もしくはテトラヒドロフラニル基であるか、あるいは
A
2は、テトラゾリル、チアジアゾリル、またはオキサチアジアゾリル基であり、これらの各々は、1つまたは2つのオキソ基で任意選択的に置換され、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5は、NおよびCから選択される芳香族環原子であり、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5のうち最大3個がN環原子であり、各C環原子は、R
6で任意選択的に置換され、各R
6は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、-CONH
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
2ハロアルキル、C
1~C
2ハロアルコキシ、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7-シクロアルキル-O-、(C
1~C
6アルキルSO
2)C
0~C
2アルキル、C
1~C
6アルキルNHCO-および(C
1~C
6アルキル)
2NCO-から独立して選択され、
Qは、存在しないか、または-CH
2、-CH
2CH
2-、-OCH
2、-CH
2C(CH
2CH
2)CH
2-、もしくは-CH
2C(CH
2OCH
2)CH
2-である、請求項1に記載の化合物もしくは塩、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
A
2は、-CO
2H、-Si(CH
3)
2-CO
2H、-CO
2NHSO
2-R
5、-SO
2NH-CO-R
5であり、式中、R
5は、C
1~C
6アルキル、C
3~C
7-シクロアルキル、オキセタン-3-イル、またはテトラヒドロフラン-3-イルである、請求項1または2に記載の化合物または塩。
【請求項4】
A
2は、5-オキソ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、5-オキソ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル、または2,2-ジオキソ-1,2,3,5-オキサチアジアゾール-4-イルである、請求項1または2に記載の化合物または塩。
【請求項5】
A
2は、-CO
2H、-Si(CH
3)
2-CO
2H、-CO
2NHSO
2-R
5、-SO
2NH-CO-R
5であり、式中、R
5は、C
1~C
6アルキル、C
3~C
7-シクロアルキル、もしくは1個の酸素原子を含有する4~6員ヘテロシクロアルキル基であるか、あるいは
A
2は、N、O、およびSから独立して選択される最大4個のヘテロ原子を含有し、1つまたは2つのオキソ基で任意選択的に置換された、5員のヘテロアリール基である、請求項1または2に記載の化合物または塩。
【請求項6】
R
1は、-CO
2-C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6アルキルであり、R
2は、C
1~C
6アルキルであり、
R
3およびR
4は、水素またはメチルであり、
A
1は、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、ピリミジル、ピリジル、またはピラジニルヘテロアリーレン、基であり、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2アルコキシ、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換され、
A
2は、-CO
2H、-Si(CH
3)
2-CO
2H、-CO
2NHSO
2-R
5、または-SO
2NH-CO-R
5であり、式中、R
5は、C
1~C
6アルキルであり、
X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5は、NおよびCから選択される芳香族環原子であり、X
1、X
2、X
3、X
4、およびX
5のうちの0個または1個は、N環原子であり、各C環原子が、R
6で任意選択的に置換され、各R
6は、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、シアノ、-CONH
2、C
1~C
2アルキル、C
1~C
2アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C
1~C
2アルキルSO
2-、C
1~C
2アルキルNHCO-、および(C
1~C
2アルキル)
2NCO-から独立して選択され、
Qは、-CH
2-である、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項7】
式1A、1B、1C、1D、または1Eを有し、
【化2】
Rが存在しないか、またはハロゲン、シアノ、およびC
1~C
2アルキル、もしくはC
1~C
2アルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基である、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項8】
X
1~X
5を含有する環が、フェニルまたはピリジルであり、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、シアノ、CH
3SO
2-C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、トリフルオルメチル(trifluormethyl)、およびトリフルオロメトキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意選択的に置換される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項9】
X
1~X
5を含有する環が、フェニルまたは2-ピリジルであり、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、メチル、メトキシ、およびCH
3SO
2-から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意選択的に置換される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項10】
R
1は、エチル、-CO
2-エチル、または-CO
2-t-ブチルであり、R
2は、エチルである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項11】
Qは、-CH
2-であり、R
3およびR
4は両方とも水素である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項12】
A
2は-CO
2Hである、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩
4-エトキシカルボニル-4-[2-(2-ヒドロキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸、
メチル 4-エチル-4-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサノエート、
4-エトキシカルボニル-4-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸、
4-エトキシカルボニル-4-[2-(4-メチルスルホニルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸、
4-[5-ブロモ-2-(4-メチルスルホニルアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
4-エトキシカルボニル-4-[6-(4-メチルアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸、
4-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
4-エチル-4-[2-(2-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸、
4-[2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸、
4-エチル-4-[2-(3-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸、
4-エチル-4-[2-(2-ヒドロキシアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]ヘキサン酸、
4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
(4R)-4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
(4S)-4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
4-エトキシカルボニル-4-[2-(4-メチルアニリノ)ピリミジン-4-イル]ヘキサン酸、
4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
(4R)-4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
(4S)-4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
4-tert-ブトキシカルボニル-4-[6-(4-メチルアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸、
4-エトキシカルボニル-4-[6-(2-メトキシアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸、
4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸、
4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)-3-エチル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸、
4-[6-(2,5-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
4-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸、
メチル 4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエート、
4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸、
4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸、
4-[5-シアノ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
4-[6-[(3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)アミノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸、
4-[5-クロロ-2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸、
4-[6-(2-クロロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸、
4-エチル-4-[6-(2,4,5-トリフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸、
4-エチル-4-(2-フェニルチアゾール-4-イル)ヘキサン酸、
4-エチル-4-(2-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)チアゾール-4-イル)ヘキサン酸、
4-エチル-4-(2-(p-トリルアミノ)オキサゾール-4-イル)ヘキサン酸、
4-エチル-4-(5-(p-トリルアミノ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ヘキサン酸、
4-(2-((2,4-ジフルオロフェニル)アミノ)-5-メチルチアゾール-4-イル)-4-(エトキシカルボニル)ヘキサン酸、
4-(イソブトキシカルボニル)-4-(6-(p-トリルアミノ)ピラジン-2-イル)ヘキサン酸、
4-(シクロプロピルメチル)-5-エトキシ-5-オキソ-4-(6-(p-トリルアミノ)ピラジン-2-イル)ペンタン酸、
4-(エトキシカルボニル)-4-(6-((3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)アミノ)ピラジン-2-イル)ヘキサン酸、
4-(6-((2,4-ジフルオロフェニル)アミノ)ピラジン-2-イル)-4-(メトキシメチル)ヘキサン酸、
4-(6-((2,4-ジフルオロフェニル)アミノ)ピラジン-2-イル)-4-((1-メチルシクロプロポキシ)カルボニル)ヘキサン酸、または
4-(5-クロロ-2-((2,4-ジクロロフェニル)アミノ)チアゾール-4-イル)-4-(エトキシカルボニル)ヘキサン酸
。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物。
【請求項15】
対象においてシクロオキシゲナーゼ-2によって少なくとも部分的に媒介された疾患または障害を治療する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1~13のいずれか一項に記載の塩の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項16】
前記シクロオキシゲナーゼ-2によって少なくとも部分的に媒介された疾患または障害が、関節炎、発熱、一般的な風邪、高血圧、緑内障、遅い創傷治癒、遅い出産の開始、月経困難症、月経けいれん、炎症性腸疾患、クローン病、肺気腫、急性呼吸窮迫症候群、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、臓器移植毒性、悪液質、アレルギー反応、アレルギー性接触過敏症、がん、組織潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、憩室炎、再発性胃腸病変、胃腸出血、凝固、貧血、滑膜炎、痛風、強直性脊椎炎、再狭窄、歯周病、表皮水疱症、骨粗鬆症、人工関節インプラントの緩み、アテローム性動脈硬化症、大動脈瘤、結節性動脈周囲炎、うっ血性心不全、心筋梗塞、卒中、脳虚血、頭部外傷、脊髄損傷、神経痛、神経変性疾患、自己免疫性疾患、ハンチントン病、パーキンソン病、片頭痛、抑うつ、末梢神経障害、疼痛、歯肉炎、脳アミロイドアンギオパチー、向知性もしくは認識増進、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、眼血管新生、角膜損傷、黄斑変性、結膜炎、異常な創傷治癒、筋肉もしくは関節の捻挫もしくは挫傷、腱炎、皮膚障害、重症筋無力症、多発性筋炎、筋炎、滑液包炎、火傷、糖尿病、腫瘍浸潤、腫瘍成長、腫瘍転移、角膜瘢痕、強膜炎、免疫不全疾患、敗血症、早期分娩、低プロトロンビン血症、血友病、甲状腺炎、サルコイドーシス、ベーチェット症候群、過敏症、腎臓疾患、リケッチア感染症、原虫疾患、生殖器系障害、または敗血症性ショックである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
対象において肥満、肺動脈高血圧症、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1~13のいずれか一項に記載の塩の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項18】
肺動脈高血圧症のリスクがある対象において肺動脈高血圧症の発症を予防または遅延させる方法であって、前記対象に、有効量の請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物または塩を投与することを含む、方法。
【請求項19】
対象において疼痛または炎症を治療する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1~13のいずれか一項に記載の塩の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項20】
患者においてシスプラチン腎毒性を治療または予防する方法であって、シスプラチン投与の前、シスプラチン投与と同時に、またはシスプラチン投与の後に、前記患者に、治療有効量の請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物または塩を投与することを含む、方法。
【請求項21】
対象においてSARS-CoV-2感染に関連するARDSまたは過炎症を治療する方法であって、前記対象に、有効量の請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物または塩を投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/931,513号、および2020年8月24日に出願された米国仮特許出願第63/069,404号に対する優先権を主張し、その両方が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
プロスタグランジン(PG)は、生理学および臨床現場で重要な役割を果たす。プロスタグランジン(PG)は、シクロオキシゲナーゼ(COX1およびCOX2)ならびに対応するシンターゼによってアラキドン酸から合成される。プロスタグランジンの生物学的効果としては、炎症、発熱および疼痛を引き起こす、分娩の誘発、腎血行動態の調節、ならびに水および溶質の再吸収の調節、動脈血管拡張、細胞増殖および血管新生の刺激、ならびに感覚ニューロンの感作を媒介すること、が含まれる。細胞レベルでは、PGは、cAMPの上方制御による分裂促進因子活性化タンパク質(MAP)キナーゼおよびタンパク質キナーゼA経路を含む、いくつかの主要なシグナル伝達経路に関与している。
【0003】
PG効果の大きさは、それらの産生だけでなく、それらの代謝にも依存する。プロスタグランジン輸送体(PGT)は、細胞外コンパートメントからPGを除去し、それによって細胞膜上の受容体との相互作用を終了させる。PGTは、PGを、細胞質の15-OHPGデヒドロゲナーゼに送達し、酸化および不活性化を引き起こす。PGTは、PGが合成される組織および臓器において高度に発現され、また、PGTが広範かつ複雑なPGシグナル伝達系を調節するため、PGTの阻害剤は、シグナル伝達を操作するために重要である。PGTの阻害は、血管拡張およびナトリウム利尿によって血圧を低下させ、血小板凝集を阻害する。
【0004】
PGTの阻害は、SARS-CoV-2(COVID19)ウイルス感染中に生じ得る調節不全の過炎症を抑制するのにも有用である。重篤なSARS-CoV-2症例では、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に特徴的な重篤な肺損傷の急速な発症により致命的な死を引き起こす可能性がある。ARDSは、SARS-CoV-2感染の合併症であるが、組織損傷を引き起こすウイルス複製または感染ではなく、ウイルス感染に応答する調節不全の過炎症の結果である。この病的状態は、Nod様受容体ファミリーの活性化、ピリンドメイン含有3(NLRP3)インフラマソーム経路、および炎症誘発性サイトカインIL-6およびIL-1βを含むその産物の放出を引き起こす、先天性免疫応答の強力で迅速な刺激を特徴とする。
【0005】
プロスタグランジンE2(PGE2)の全身レベルは、PGTを阻害することによって上昇する。NLRP3インフラマソーム活性化は、ヒト初代単球由来マクロファージにおいて、PGE2によって阻害される。リポ多糖によって刺激された末梢血単球からの構成的インターロイキン1-ベータ(IL-1β)分泌は、高用量のPGE2によって実質的に減少する。これらのデータは、PGE2が、SARS-CoV-2ウイルス感染に応答する調節不全の過炎症を抑制するための自己分泌およびパラクリン調節因子として機能し得ることを示す。
【0006】
さらに、内因性プロスタサイクリンは、PGT阻害によって増加することが示されている。現在、まれであり、かつ致命的な障害である肺動脈高血圧症は、プロスタサイクリンシグナル伝達経路のアゴニストを投与することによって管理されている。PAHの進行した症例は、留置カテーテルおよび外部ポンプを介してプロスタサイクリン類似体を継続的に静脈内送達することによって管理される。PGT阻害を通じてプロスタサイクリンを増加させることは、PAHに対する侵襲性が低く、より効果的な治療として有望である。
【0007】
既知のPGT阻害剤としては、ブロムクレゾールグリーンおよびブロモスルホフタレインなどの有機アニオン輸送体(OAT)の阻害剤、ならびにインドメタシンおよびイブプロフェンなどのいくつかのCOX2阻害剤が挙げられる。これらの阻害剤は、オフターゲット効果をもたらすPGTには特異的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
標的特異的であり、かつ有効なPGT阻害剤は、プロスタグランジンレベルおよびCOX1およびCOX2活性に関連するいくつかの状態を治療するため、プロスタグランジンE2(PGE2)の全身レベルを増加させるため、内因性プロスタサイクリンを増加させるため、ならびにマイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼおよびタンパク質キナーゼA経路を含む主要なシグナル伝達経路に利用可能なPGのレベルを増加させるために所望される。本開示は、本明細書で論じるように、これらの機能が可能であり、他の利点を有するPCT阻害剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の実施形態において、本開示は、式1の化合物、およびその薬学的に許容される塩を含む。
【化1】
【0010】
式1内で、変数R1~R5、A1、A2、およびX1~X5は、以下の定義を有する。
【0011】
R1およびR2は、水素、C1~C6アルキル、(C1~C4アルコキシ)(C1~C4アルキル)、(C3~C7シクロアルキル)C0~C2アルキル、-CO2C1~C6アルキル、および-CO2C0~C2アルキル(C3~C7シクロアルキル)から独立して選択されるか、あるいはR1およびR2は一緒に、3~6員の炭素環式環、またはNH、N-C1~C6アルキル、NCO-C1~C6アルキル、NCO2-C1~C6アルキル、NSO2-C1~C6アルキル、O、S、およびSO2から選択される1個のヘテロ原子もしくは置換ヘテロ原子を含有する4~6員のヘテロシクロアルキル環であってもよい。
【0012】
R3およびR4は、水素、フルオロ、およびメチルから独立して選択されるか、あるいはR3およびR4は、一緒になって、C3~C5飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環式環、またはハロゲンもしくはC1~C2アルキルで任意選択的に2,2二置換または3,3二置換されるオキセタニル環を形成することができる。
【0013】
A1は、N、O、およびSから独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、任意選択的にハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、(C3~C7-シクロアルキル)C0~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル、およびC1~C2ハロアルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で置換された、5~6員のヘテロアリーレン基である。
【0014】
A2は、-CO2H、-Si(CH3)2-CO2H、-CO2NHSO2-R5、-SO2NH-CO-R5であり、式中、R5は、C1~C6アルキル、C3~C7-シクロアルキル、もしくは1個の酸素原子を含有する4~6員ヘテロシクロアルキル基であるか、あるいは
【0015】
A2は、N、O、およびSから独立して選択される最大4個のヘテロ原子を含有し、1つまたは2つのオキソ基で任意選択的に置換された、5員のヘテロアリール基である。
【0016】
X1、X2、X3、X4、およびX5は、NおよびCから選択される芳香族環原子であり、X1、X2、X3、X4、およびX5のうち最大3個がN環原子であり、各C環原子は、R6で任意選択的に置換され、各R6は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、-CONH2、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C2ハロアルキル、C1~C2ハロアルコキシ、モノ-またはジ-(C1~C6アルキルアミノ)C0~C2アルキル、(C3~C7シクロアルキル)C0~C2アルキル、(C3~C7シクロアルキル)C0~C2アルコキシ、(C1~C6アルキルSO2)C0~C2アルキル、C1~C6アルキルNHCO-および(C1~C6アルキル)2NCO-から独立して選択される。
【0017】
Qは、存在しないか、または-CH2、-CH2CH2-、-OCH2、-CH2C(CH2CH2)CH2-、もしくは-CH2C(CH2OCH2)CH2-である。
【0018】
本開示はまた、薬学的に許容される担体と共に、式1の化合物、またはその塩を含む、薬学的組成物を提供する。
【0019】
本開示は、少なくとも部分的にプロスタグランジンレベルまたはシクロオキシゲナーゼ活性(COX1またはCOX2)によって媒介された疾患および障害を治療する方法をさらに含む。
【発明を実施するための形態】
【0020】
用語
本開示がより容易に理解されるために、特定の用語および語句は、以下および本明細書全体で定義される。
【0021】
「a」および「an」という冠詞は、本明細書において、その冠詞の文法的目的のうちの1つまたは1つより多く(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または1つより多い要素を意味する。
【0022】
本明細書および特許請求の範囲において、本明細書で使用される「および/または」という語句は、このように共に結合された要素、すなわち、いくつかの場合において結合的に存在し、他の場合において分離的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されたい。「および/または」で列挙される複数の要素は、同じ態様、すなわち、このように共に結合された要素の「1つ以上」で解釈されるべきである。他の要素は、「および/または」の項によって具体的に識別される要素以外に、具体的に識別されるそれらの要素に関連するか、または関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」との言及は、「含む(comprising)」などの包括的な言語と併せて使用される場合、一実施形態において、Aのみ(任意選択的に、B以外の要素を含む)、別の実施形態において、Bのみ(任意選択的に、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態において、AおよびBの両方(任意選択的に、他の要素を含む)などを指すことができる。
【0023】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つ以上の要素のリストに関して「少なくとも1つ」という語句は、その要素のリスト内の要素のうちの任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、必ずしもその要素のリスト内に具体的に列挙される各々およびすべての要素のうちの少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しない。この定義はまた、「少なくとも1つ」という語句が指す要素のリスト内で具体的に識別される要素以外の要素が、具体的に識別されるそれらの要素に関連するか、または関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または、等価的に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または等価的に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態において、少なくとも1つの(任意選択的に1つより多い)Aを含み、Bが存在しない(および任意選択的に、B以外の要素を含む)、別の実施形態において、少なくとも1つの(任意選択的に1つより多い)Bを含み、Aが存在しない(および任意選択的に、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態において、少なくとも1つの(任意選択的に1つより多い)Aおよび少なくとも1つの(任意選択的に1つより多い)B(任意選択的に、他の要素を含む)などを指すことができる。
【0024】
また、明確に矛盾する内容が示されない限り、1つより多いステップまたは作業を含む本明細書で特許請求される任意の方法において、方法のステップまたは作業の順序は、必ずしも、方法のステップまたは作業が列挙される順序に限定されないことを理解されたい。
【0025】
特許請求の範囲において、ならびに上述の明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「保有する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「~から構成される(composed of)」などのすべての移行句は、包括的であること、すなわち、~を含むが、これらに限定されないことを意味すると理解されるべきである。「~からなる」および「~から本質的になる」という移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures,Section 2111.03に記載されているように、それぞれ閉じた移行句または半分閉じた移行句でなければならない。「含む(comprising)」などの包括的な語句は、閉じた語句を含み、包含する。含む(comprising)は、必要に応じて、「~からなる」の「~から本質的になる」というさらに限定的なフレーズに修正され得る。
【0026】
各々の表現(例えば、アルキル、m、nなど)の定義は、任意の構造内で1回より多く発生する場合には、その同じ構造内の他の場所でのその定義から独立することが意図されている。
【0027】
「置換」または「~で置換された」は、そのような置換が、置換原子および置換基の許容される価数に従うこと、かつ、その置換によって、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離、または他の反応などによる自発的な形質転換を行わない化合物が得られること、という暗黙の条件を含むことが理解されるであろう。
【0028】
「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容される置換基を含むことも企図される。広範な態様において、許容される置換基は、有機化合物の非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基を含む。例示的な置換基としては、例えば、本明細書で以下に記載されるものが挙げられる。許容される置換基は、適切な有機化合物について、1つ以上であってもよく、同じであっても異なっていてもよい。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の価数を満たす本明細書に記載の有機化合物の水素置換基および/または任意の許容される置換基を有し得る。本開示は、有機化合物の許容される置換基によっていかなる方法でも制限されることを意図するものではない。「H-」は、置換基とはみなされない。
【0029】
「置換された」または「任意選択的に置換された」位置に存在し得る好適な基としては、限定されないが、例えば、ハロゲン、シアノ、-OH、オキソ、-NH2、ニトロ、アジド、アルカノイル(C2~C6アルカノイル基など)、C(O)NH2、アルキル基(1~約8個の炭素原子、もしくは1~約6個の炭素原子を有するシクロアルキルおよび(シクロアルキル)アルキル基を含む)、1つ以上の不飽和結合を有し、2~約8、もしくは2~約6個の炭素原子を有する基を含む、アルケニルおよびアルキニル基、1つ以上の酸素結合を有し、1~約8、もしくは1~約6個の炭素原子を有するアルコキシ基、フェノキシなどのアリールオキシ、1つ以上のチオエーテル結合を有し、1~約8の炭素原子、もしくは1~約6個の炭素原子を有するものを含む、アルキルチオ基、1つ以上のスルフィニル結合を有し、1~約8の炭素原子、もしくは1~約6個の炭素原子を有するものを含む、アルキルスルフィニル基、1つ以上のスルホニル結合を有し、1~約8の炭素原子、もしくは1~約6個の炭素原子を有するものを含む、アルキルスルホニル基、1つ以上のN原子を有し、1~約8個、もしくは1~約6個の炭素原子を有する基を含む、アミノアルキル基、1~約6個の炭素原子のアルキル基を有する基を含む、モノ-もしくはジアルキルアミノ基、1~約6個の炭素原子のアルキル基を有する、モノ-もしくはジアルキルカルボキサミド基(すなわち、アルキルNHC(O)-、(アルキル1)(アルキル2)NC(O)-、アルキルC(O)NH-、もしくはアルキル1C(O)N(アルキル2)-)、6個以上の炭素および1個以上の環を有するアリールなどのカルボシクリル(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチルなど、各々の環が置換芳香族もしくは非置換芳香族のいずれかである)、または環当たり3~約8員を有する1~3個の別個の環もしくは縮合環を有し、1個以上のN、OもしくはS原子を有する飽和、不飽和、もしくは芳香族ヘテロ環、例えば、クマリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、フラニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、トリアジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、およびピロリジニルが挙げられる。そのようなヘテロ環は、例えば、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびアミノでさらに置換されてもよい。特定の実施形態において、「任意選択的に置換された」は、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、アミノ、シアノ、-CHO、-CO2H、-C(O)NH2、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C1~C6-アルコキシ、C2~C6-アルカノイル、C1~C6-アルキルエステル、(モノ-およびジ-C1~C6-アルキルアミノ)C0~C2-アルキル、(モノ-およびジ-C1~C6-アルキルアミノ)(CO)C0~C2-アルキル、C1~C2-ハロアルキル、C1~C2ハロアルコキシ、ならびに5~6員であり、1~3個のN、OまたはS原子のヘテロ環状置換基、すなわち、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、フラニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、トリアジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、およびピロリジニルから独立して選択される1つ以上の置換基を含み、ヘテロ環の各々が、アミノ、C1~C6-アルキル、C1~C6-アルコキシ、またはCONH2によって置換され得る。特定の実施形態において、「任意選択的に置換された」は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、オキソ、-CONH2、アミノ、ono-またはジ-C1~C4アルキルカルボキサミド、およびC1~C6ヒドロカルビル(C1~C6ヒドロカルビル、炭素原子が単結合、二重結合または三重結合によって連結され、任意の炭素原子が、O、NH、またはN(C1~C4アルキル)によって置き換わっていてもよく、ヒドロカルビル基が、ヒドロキシ、ハロゲン、およびアミノから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている炭化水素鎖)を含む。置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、2個の水素原子が置き換わっている。オキソ基が、アリール基またはヘテロアリール基を置換する場合、基の芳香族性が失われる。オキソ基が、ヘテロアリール基を置換する場合、得られるヘテロ環式基は、互変異性体形態を有する場合がある。例えば、2位または4位でオキソによって置換されたピリジル基は、時に、ヒドロキシピリジンとして記載することができる。
【0030】
環内を命名する規則は、文脈によりそうではないと明らかに指示されない限り、本開示における置換基に使用される。例えば、「(シクロアルキル)アルキル」は、アルキルリンカーを有するシクロアルキル基を示し、結合点は、アルキル基の末端炭素にある。
【0031】
ダッシュ「-」はまた、置換基における結合点を示すために使用される。
【0032】
「飽和」という用語は、本明細書で使用される場合、任意の炭素-炭素二重結合または炭素-炭素三重結合を有しない化合物および/または基に関する。
【0033】
「不飽和」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合または炭素-炭素三重結合を有する化合物および/または基に関する。
【0034】
式1の化合物は、任意の位置に同位体置換を有する、その式の化合物を含む。同位体には、同じ原子番号であるが異なる質量数を有する原子が含まれる。一般的な例として、水素の同位体としては、トリチウムおよび重水素が挙げられ、炭素の同位体としては、11C、13C、および14Cが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
「芳香族」という用語は、4n+2個の電子を含有する環状共役分子部分によって特徴付けられる平面または多環式構造を指し、nは、整数の絶対値である。縮合または結合した環を含む芳香族分子は、二環式芳香族環とも呼ばれる。例えば、炭化水素環構造中にヘテロ原子を含有する二環式芳香族環は、二環式ヘテロアリール環と呼ばれる。
【0036】
本開示の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,67th Ed.,1986-87の内側のカバーに従って識別される。
【0037】
「アルキル」という用語は、示されている数の炭素原子を含有する分岐または非分岐の脂肪族ラジカルを意味する。アルキルの代表的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、2-メチルシクロペンチル、および1-シクロヘキシルエチルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキルを別の基、例えば、(C3~C7シクロアルキル)C0~C2アルキルと組み合わせて使用する場合、シクロアルキルおよびアルキルは、本開示に記載の定義を有し、結合点は、アルキル基上にある。C0アルキルは、この例では、シクロアルキル基とそれが置換する基との間の共有結合である。
【0038】
「環状」という用語は、本明細書で使用される場合、1つの環、または2つ以上の環(例えば、スピロ、縮合、架橋)を有する化合物および/または基に関する。
【0039】
「シクロアルキル」は、示される数の炭素環原子を有する飽和炭素環式環であり、例えば、C3~C7シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプタニル基である。
【0040】
本明細書で使用される「カルボシクリル」という用語は、完全に飽和しているか、または1つ以上の不飽和結合を有する3~12個の炭素原子を含有する単環式または多環式(例えば、二環式、三環式など)炭化水素を意味し、疑問を避けるために、その不飽和の程度は、芳香族環系(例えば、フェニル)をもたらさない。カルボシクリル基の例としては、1-シクロプロピル、1-シクロブチル、2-シクロペンチル、1-シクロペンテニル、3-シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、および2-シクロペンテニルメチルが挙げられる。
【0041】
「炭素環式酸アイソステア(carbocyclic acid isostere)」は、同じ位置にあるカルボン酸置換基と同様の形状、電子特性、および生物学的特性を有する置換基である。
【0042】
カルボン酸アイソステアの非限定的なリストとしては、-Si(CH3)2-CO2H、-CO2NHSO2-R、-SO2NH-CO-R、ヒドロキサム酸(例えば、-CONHOH、-N(OH)COR)、ヒドロキサム酸エステル(例えば、-CONHOR’、-ONHCOR’)、-PO(OH)2、-PO(OH)H、-SO2OH、-SO2H、-SO2NH2、-NHSO2R’、アシルスルホンアミド(例えば、-CONHSO2R’、-CONHSO2NR2)、スルホニルウレア(例えば、-NHCONHSO2R’)、アシルウレア(例えば、-NHCONHCOR’)、テトラゾール、チアゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、オキサジアゾール-5(4H)-オン、オキサチアジアゾール-2-オキシド、オキサジアゾール-5(4H)-チオン、イソオキサゾール、テトラミン酸、シクロペンタン-1,3-ジオン、シクルペンタン-1,2-ジオン(cyclpentane-1,2-diones)、スクアリン酸(例えば、3-ヒドロキシ-シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン、3-ヒドロキシ-4-アミノ-シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン)、置換フェノール(例えば、-S-フェノール、フルオロフェノール、ジ-フルオロフェノール、-SO-フェニル、-SO2フェニル)が挙げられる。ここで、Rは、水素、アルキル(シクロアルキルおよび(シクロアルキル)アルキルを含む)、ならびにヘテロシクロアルキルであり、R’は、アルキル(シクロアルキルおよび(シクロアルキル)アルキルを含む)である。「ヘテロ環式基」N、O、およびSから選択される環ヘテロ原子上に少なくとも含有する環式基。ヘテロ環式基は、完全に飽和(すなわち、ヘテロシクロアルキル基)、部分的に不飽和(例えば、ヘテロシクロアルケニル基)、または芳香族(例えば、ヘテロアリール基)であり得る。ヘテロ環式基は、4~7個の環員を有する1個の環と、N、O、およびSから独立して選択される1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を含有し得る。2個以下のヘテロ原子がOまたはSであり、OおよびS原子が隣接していないことが好ましい。
【0043】
「ヘテロアリール」は、示した数の環原子を有し、N、O、およびSから選択される1~4個、もしくはいくつかの実施形態において1~2個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子が炭素である、安定した単環式芳香族環であるか、または少なくとも1個の5~7員芳香族環を含有し、N、O、およびSから選択される1~4個、もしくはいくつかの実施形態において1~2個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子が炭素である、安定した二環系である。単環式ヘテロアリール基は、典型的には、5~7個の環原子を有する。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、2個以下のO原子および1個のS原子を有する、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリール基である。「ヘテロアリーレン」基は、その環位置のうちの2つから水素を除去し、2価のリンカーとして機能することを可能にするヘテロアリール基である。好適なヘテロアリール基の非限定的な例としては、フラニル、チオフェネイル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェネイル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリニル、ベンゾチアゾリニル、およびキナゾリニルが挙げられる。ヘテロアリール基は、本明細書に引用される1、2、3、4、または5個の置換基で任意選択的に置換され、任意選択的な置換基は、ヘテロアリール基上の任意の開いた位置に存在し得る。ヘテロアリール基は、本明細書に引用される1、2、3、4、または5個の独立して選択される置換基で置換されてもよく、置換基は、ヘテロアリール基上の任意の開いた位置に存在し得る。
【0044】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、通常、N、O、およびSから独立して選択される1個または2個の環原子を有する4~7個の環原子を有する飽和環基を意味する。ヘテロシクロアルキル基の例としては、アゼピン、アゼチジニル、モルホリニル、ピラニル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、キニクルジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロフラニルが挙げられる。
【0045】
「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、フェニル基、ナフチル基またはアントラセニル基を意味する。本開示のアリール基は、1、2、3、4、または5個の置換基で任意選択的に置換され得る。
【0046】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、-Cl、-Br、-I、または-Fを意味する。
【0047】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書に定義されるアルキル基であって、少なくとも1つの水素が、本明細書に定義されるハロゲンに置き換えられたアルキル基を意味する。ハロアルキルの代表的な例としては、クロロメチル、2-フルオロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、および2-クロロ-3-フルオロペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
「ハロアルコキシ」は、酸素原子を介して連結されるハロアルキル基である。
【0049】
本明細書で使用される「ヒドロキシル」という用語は、-OH基を意味する。
【0050】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に付着された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。アルコキシの代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、およびヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
本明細書で使用される「シアノ」という用語は、-C≡N基を意味する。
【0052】
「モノ-またはジ-アルキルアミノ」は、窒素原子を介して置換する基に結合し、窒素原子は、示された炭素原子の数を有する本明細書で定義される1つまたは2つのアルキル基で置換される。ジアルキルアミノのアルキル基は、同じであっても異なっていてもよい。
【0053】
略語のMe、Et、Ph、Tf、Nf、Ts、およびMsは、それぞれ、メチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p-トルエンスルホニル、およびメタンスルホニルを表す。当業者の有機化学者によって利用される略語のより包括的なリストは、Journal of Organic Chemistryの各巻の最初の号に現れ、このリストは典型的には、Standard List of Abbreviationsと題される表に提示される。
【0054】
本明細書で使用される場合、「投与すること」という用語は、対象に薬学的薬剤または組成物を提供することを意味し、医療専門家による投与および自己投与を含むが、これらに限定されない。
本開示全体を通して使用される場合、「薬学的使用のための化合物の薬学的有効量」という用語は、投与されるときに意図される薬学的効果または治療的効果または診断的効果を示す化合物の量を意味する。
【0055】
「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容され、かつ親化合物の所望の薬理活性を有する化合物の塩を指す。かかる塩としては、以下のものが挙げられ得る。(i)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成される酸付加塩、または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸などの有機酸で形成される塩、あるいは(ii)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンによって置き換えられる場合に形成される塩、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミンなどの有機塩基と配位する塩。
【0056】
「治療有効量」または「有効量」とは、疾患、または疾患もしくは障害の臨床症状のうちの少なくとも1つを治療または診断またはモニタリングするために対象に投与した場合、疾患、障害、または症状のそのような治療に影響を及ぼすのに十分な化合物の量を指す。「治療有効量」は、化合物、疾患、障害、および/または疾患もしくは障害の症状、疾患、障害、および/または疾患もしくは障害の症状の重症度、治療される対象の対象の年齢、および/または治療される対象の体重に応じて変化し得る。任意の所与の事例における適切な量は、当業者には容易に明らかになり得るか、または日常的な実験によって決定することができる。
【0057】
任意の疾患または障害を「治療すること」または「治療」は、疾患、障害、または疾患もしくは障害の臨床症状のうちの少なくとも1つを停止させるか、または改善すること、疾患、障害、または疾患もしくは障害の臨床症状のうちの少なくとも1つを獲得するリスクを低減すること、疾患もしくは障害の臨床症状のうちの少なくとも1つを軽減すること(重症度を低くすること)、疾患、障害、または疾患もしくは障害の臨床症状のうちの少なくとも1つの発症を低減すること、あるいは疾患もしくは障害、または疾患もしくは障害の臨床症状のうちの少なくとも1つを発症するリスクを低減することを指す。「治療すること」または「治療」はまた、物理的に(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、物理パラメータの安定化)、またはその両方のいずれかで疾患もしくは障害を阻害すること、または対象にとって識別できない可能性のある少なくとも1つの物理パラメータを阻害することを指す。さらに、「治療すること」または「治療」は、対象が疾患または障害の症状をまだ経験していないか、または呈していないにもかかわらず、その疾患または障害に曝露され得るか、あるいはその疾患または障害が起こりやすい可能性があるか、または既に罹患していた可能性がある対象において、その疾患もしくは障害、または少なくともそれらの症状の発症または再発をモニタリングすること、遅らせること、または予防することを指す。予防することとは、疾患または障害を発症する可能性を統計的に有意に減少させることを意味する。
【0058】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、治療または療法のために選択されたヒトまたは非ヒト動物を意味する。
【0059】
本明細書で使用される場合、「~を有することが疑われる対象」という語句は、疾患または状態の1つ以上の臨床指標を示す対象を意味する。
【0060】
化学物質の説明
特定の実施形態において、本開示は、式1の化合物に関する。特定の実施形態において、これらの化合物は、プロスタグランジン輸送体を阻害する。特定の実施形態において、本化合物は、低nMでの阻害および優れた選択性を示す。特定の実施形態において、本開示は、疼痛、炎症または肥満を治療することを必要とする患者(ヒトまたは非ヒト動物)に有効量の式1の化合物を投与することを含む、疼痛、炎症または肥満を治療する方法に関する。
【0061】
「概要」のセクションで説明される式1の化合物およびその塩に加えて、本開示はまた、変数(例えば、X
1~X
5、A
1、A
2、およびR
1~R
4)が以下の定義を有する、式1の化合物および塩も含む。安定した化合物が得られる限り、変数の任意の組み合わせが許容される。
【化2】
【0062】
(1)本開示は、以下の式1の化合物および塩を含む。
【0063】
R1およびR2は、水素、C1~C6アルキル、および-CO2-C1~C6アルキルから独立して選択される。
【0064】
R3およびR4は、水素、フルオロ、およびメチルから独立して選択される。
【0065】
A1は、N、O、およびSから独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、任意選択的にハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、(C3~C7-シクロアルキル)C0~C2アルキル、C1~C2ハロアルキル、およびC1~C2ハロアルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で置換された、5~6員のヘテロアリーレン基である。
【0066】
A2は、-CO2H、-Si(CH3)2-CO2H、-CO2NHSO2-R5、-SO2NH-CO-R5であり、式中、R5は、C1~C6アルキル、C3~C7-シクロアルキル、オキセタニル基、もしくはテトラヒドロフラニル基であるか、あるいはA2は、テトラゾリル、チアジアゾリル、またはオキサチアジアゾリル基であり、これらの各々は、1つまたは2つのオキソ基で任意選択的に置換される。特定の実施形態において、A2は、「用語」のセクションに列挙されるカルボン酸アイソステアから選択される基などのカルボン酸アイソステアである。
【0067】
X1、X2、X3、X4、およびX5は、NおよびCから選択される芳香族環原子であり、X1、X2、X3、X4、およびX5のうち最大3個がN環原子であり、各C環原子は、R6で任意選択的に置換され、各R6は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、-CONH2、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C2ハロアルキル、C1~C2ハロアルコキシ、C3~C7-シクロアルキル、C3~C7-シクロアルキル-O-、(C1~C6アルキルSO2)C0~C2アルキル、C1~C6アルキルNHCO-および(C1~C6アルキル)2NCO-から独立して選択される。
【0068】
Qは、存在しないか、または-CH2、-CH2CH2-、もしくは-OCH2である。
【0069】
(2)本開示はまた、以下の式1の化合物および塩を含む。
【0070】
R1は、-CO2-C1~C6アルキルまたはC1~C6アルキルであり、R2は、C1~C6アルキルであり、
A1は、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、ピリミジニル、ピリジル、またはピラジニルヘテロアリーレン基であり、その各々は、3およびR4から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換され、水素またはメチルである。
【0071】
A2は、-CO2H、-Si(CH3)2-CO2H、-CO2NHSO2-R5、または-SO2NH-CO-R5であり、式中、R5は、C1~C6アルキルである。
【0072】
X1、X2、X3、X4、およびX5は、NおよびCから選択される芳香族環原子であり、X1、X2、X3、X4、およびX5のうちの0個または1個は、N環原子であり、各C環原子が、R6で任意選択的に置換され、各R6は、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、シアノ、-CONH2、C1~C2アルキル、C1~C2アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1~C2アルキルSO2-、C1~C2アルキルNHCO-、および(C1~C2アルキル)2NCO-から独立して選択される。
【0073】
Qは、-CH2-である。
【0074】
本開示は、A2が以下の定義のいずれかを有する、式1の化合物および塩を含む。
【0075】
(1)A2は、-CO2H、-Si(CH3)2-CO2H、-CO2NHSO2-R5、-SO2NH-CO-R5であり、式中、R5は、C1~C6アルキル、C3~C7-シクロアルキル、オキセタン-3-イル、またはテトラヒドロフラン-3-イルである。
【0076】
(2)A2は、5-オキソ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、5-オキソ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル、または2,2-ジオキソ-1,2,3,5-オキサチアジアゾール-4-イルである。
【0077】
(3)A2は、-CO2H、-Si(CH3)2-CO2H、-CO2NHSO2-R5、-SO2NH-CO-R5であり、式中、R5は、C1~C6アルキル、C3~C7-シクロアルキル、もしくは1個の酸素原子を含有する4~6員ヘテロシクロアルキル基であるか、またはA2は、N、O、およびSから独立して選択される最大4個のヘテロ原子を含有し、1つもしくは2つのオキソ基で任意選択的に置換された、5員のヘテロアリール基である。
【0078】
本開示は、式1A、1B、1C、1D、または1Eといった下位の式の式1の化合物および塩を含む。
【化3】
【0079】
式1A、1B、1C、1D、または1Eでは、Rは、存在しないか、またはハロゲン、シアノ、およびC1~C2アルキル、もしくはC1~C2アルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基である。
【0080】
特定の実施形態において、本開示は、X1~X5が以下の定義を有する、式1の化合物および塩を含む。
【0081】
(1)X1~X5を含有する環は、フェニルまたはピリジルであり、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、シアノ、CH3SO2-C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意選択的に置換される。
【0082】
(2)X1~X5を含有する環は、フェニルまたは2-ピリジルであり、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、メチル、メトキシ、およびCH3SO2-から独立して選択される1、2、または3個の置換基で任意選択的に置換される。
【0083】
本開示は、変数R1~R4およびA2が以下の定義を有する、式1の化合物および塩を含む。
【0084】
(1)R1は、エチル、-CO2-エチル、または-CO2-t-ブチルであり、R2は、エチルである。
【0085】
(2)Qは、-CH2-であり、R3およびR4は両方とも水素である。
【0086】
(3)A2は、-CO2Hである。
【0087】
本開示は、基
【化4】
であり、R
2が、C
1~C
3アルキル、(C
1~C
3アルコキシ)(C
1~C
3アルキル)、(シクロプロピル)C
0~C
2アルキル、-CO
2C
1~C
6アルキル、または-CO
2C
0~C
2アルキル(C
3~C7シクロプロピル)である、式1の化合物および塩を含む。
【0088】
薬学的組成物
本開示は、1つ以上の化合物が混合物であるか、または1つ以上の化合物と別様に組み合わされ、一般的に使用される賦形剤(または「薬学的に許容される担体」)の存在下または非存在下であってもよい薬学的組成物を含み、賦形剤としては、例えば、限定されないが、i)デンプン、マンニトール、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、セルロースなどの希釈剤および担体、ii)デンプンペースト、ゼラチン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、iii)ステアリン酸、タルカム、シリカ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの滑沢剤、iv)吸収剤、着色剤、甘味剤など、v)発泡剤混合物などの崩壊剤(例えば、炭酸カルシウムおよび重炭酸ナトリウム)、vi)賦形剤(例えば、シクロデキストリンなど)、vii)表面活性剤(例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート)、吸着性担体(例えば、カオリンおよびベントナイト)、乳化剤などが挙げられる。担体の例としては、組成物中での使用に好適な、任意の液体、液晶、固体または半固体、例えば、水または生理食塩水、ゲル、クリーム、軟膏剤、溶媒、希釈剤、流体軟膏ベース、軟膏、ペースト、インプラント、リポソーム、ミセル、巨大ミセルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
特に上述した成分は単なる例であり、本開示の組成物を含む製剤のいくつかの実施形態は、他の好適な構成要素および薬剤を含むことが理解されるべきである。本発明は、本発明の化合物を含有するパッケージ、容器、または任意の他の種類の容器をさらに含む。
【0090】
さらに、本開示は、従来の混合、造粒、またはコーティング方法を使用して調製された組成物を含み、活性成分の0.01~90%を含有し得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の化合物は、薬学的使用または診断的使用のためのものである。かかる方法は、例えば、化合物(複数可)の溶解性が増強される生体強化薬学的組成物を調製するために使用することができる。いくつかの実施形態において、得られる組成物は、薬学的使用または診断的使用のための化合物の薬学的有効量を含有する。得られた組成物(製剤)は、単位剤形で提示されてもよく、薬学分野で既知の方法によって調製されてもよい。すべての方法論は、活性成分(複数可)を、1つ以上の成分を構成する担体と会合させる作業を含む。したがって、組成物(製剤)は、活性成分(複数可)を液体担体または微細に分割された固体担体、および/またはその両方とブレンドし、次いで、必要に応じて、製品を所望の製剤に成形することによって調製される。
【0091】
いくつかの実施形態において、組成物は、他の構成要素と組み合わせることができる。例としては、コーティング、デポ剤、経時放出のためのマトリックス、および浸透ポンプ構成要素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
本開示の典型的な組成物は、約90~約80重量%、約80~約70重量%、約70~約60重量%、約60~約50重量%、約50~約40重量%、約40~約30重量%、約30~約20重量%、約20~約10重量%、約10~約4重量%、約4.0~約2.0重量%、約2.0~約1.0重量%、さらには約1.0~約0.01重量%の式1の化合物を含有する。本開示の化合物または組成物の有効量は、対象のキログラム(kg)当たり約0.1~100ミリグラム(mg)の範囲であり得る。特定の実施形態において、本開示の化合物または組成物は、約0.0001mg/kg~0.1mg/kg(例えば、診断用のモニタリング)、または約0.1mg/kg~2mg/kg、または約2mg/kg~5mg/kgで、他の実施形態において、約5mg/kg~10mg/kg、約10mg/kg~20mg/kg、約20mg/kg~30mg/kg、約30mg/kg~40mg/kg、約40mg/kg~50mg/kg、約50mg/kg~75mg/kg、または約75mg/kg~100mg/kgで投与される。
【0093】
治療方法
投与方法の例としては、経口投与(例えば、摂取、口腔または舌下投与)、肛門または直腸投与、局所塗布、エアロゾル塗布、吸入、腹腔内投与、静脈内投与、経皮投与、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、子宮内投与、膣内投与、体腔への投与、外科的投与、臓器の管腔または実質への投与、および非経口投与が挙げられるが、これらに限定されない。組成物は、任意の手段によって任意の形態で投与することができる。投与形態の例としては、注射剤、溶液、クリーム、ゲル、インプラント、軟膏、乳剤、懸濁剤、ミクロスフェア、粉末、粒子、微粒子、ナノ粒子、リポソーム、ペースト、パッチ、カプセル、坐剤、錠剤、経皮送達デバイス、スプレー、坐剤、エアロゾル、または当業者にとってよく知られている他の手段が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
いくつかの実施形態において、本開示の1つ以上の化合物、または組成物は、所望の生理学的結果または薬理学的結果をもたらす任意の用量範囲の物質をもたらすように、ヒトまたは動物に投与される。投薬量は、投与される1つ以上の物質、所望の治療的エンドポイント、所望の診断的エンドポイント、作用部位におけるまたは体液中の所望の有効濃度、および投与の種類に依存する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物および組成物は、対象に投与されてもよい。特定の実施形態において、対象は、哺乳動物である。対象がヒト患者である実施形態は、本開示の範囲内である。対象が、コンパニオン動物、例えば、ネコ、イヌ、または家畜動物、例えば、ヒツジ、ウシ、またはブタである実施形態は、本開示の範囲内である。
【0095】
本開示は、対象においてプロスタグランジン輸送体(PGT)活性を阻害する方法であって、PGT活性を阻害するのに有効な量で、本明細書に開示される化合物のうちのいずれかを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0096】
本開示はまた、対象においてシクロオキシゲナーゼ2(COX2)活性を阻害する方法であって、COX2活性を阻害するのに有効な量で、本明細書に開示される化合物のうちのいずれかを対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0097】
本開示は、プロスタグランジン活性および/またはCOX2活性に関連する対象において疾患または障害を治療する方法であって、プロスタグランジン輸送体(PGT)活性および/またはCOX2活性を阻害するのに有効な量で、本明細書に開示される化合物のうちのいずれかを対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。疾患または障害は、例えば、関節炎、発熱、一般的な風邪、高血圧、緑内障、創傷、出産の開始、月経困難症、月経けいれん、炎症性腸疾患、クローン病、肺気腫、急性呼吸窮迫症候群、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、臓器移植毒性、悪液質、アレルギー反応、アレルギー性接触過敏症、がん、組織潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、憩室炎、再発性胃腸病変、胃腸出血、凝固、貧血、滑膜炎、痛風、強直性脊椎炎、炎症、再狭窄、歯周病、表皮水疱症、骨粗鬆症、人工関節インプラントの緩み、アテローム性動脈硬化症、大動脈瘤、結節性動脈周囲炎、うっ血性心不全、心筋梗塞、卒中、脳虚血、頭部外傷、脊髄損傷、神経痛、神経変性疾患、自己免疫性疾患、ハンチントン病、パーキンソン病、片頭痛、抑うつ、末梢神経障害、疼痛、歯肉炎、脳アミロイドアンギオパチー、向知性もしくは認識増進、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、眼血管新生、角膜損傷、黄斑変性、結膜炎、異常な創傷治癒、筋肉もしくは関節の捻挫もしくは挫傷、腱炎、皮膚障害、重症筋無力症、多発性筋炎、筋炎、滑液包炎、火傷、糖尿病、腫瘍浸潤、腫瘍成長、腫瘍転移、角膜瘢痕、強膜炎、免疫不全疾患、敗血症、早期分娩、低プロトロンビン血症、血友病、甲状腺炎、サルコイドーシス、ベーチェット症候群、過敏症、腎臓疾患、リケッチア感染症、原虫疾患、生殖器系障害、または敗血症性ショックであってもよい。本開示の化合物で治療することができる疾患および障害としては、特に、肥満、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肺動脈高血圧症、急性腎損傷、臓器移植の温虚血、動脈高血圧症、炎症性腸疾患、骨髄生着、レイノー病、および動脈硬化性動脈不全が挙げられる。さらに、式1の化合物は、急性疼痛、関節リウマチ、および変形性関節症を治療するために使用することができる。好ましくは、疾患または障害は、炎症、疼痛、創傷、または高血圧もしくはアテローム性動脈硬化などの心血管疾患である。
【0098】
シスプラチンは、広く使用され、効果的な化学療法剤である。残念ながら、シスプラチンは、腎毒性を引き起こす可能性がある。シスプラチン腎毒性は、腎上皮細胞の炎症、腎細胞死、および場合によっては急性腎不全によって特徴付けられる。シスプラチン投与の前、シスプラチン投与と同時に、またはシスプラチン投与の後に、式1の化合物を投与することによって、シスプラチン腎毒性を予防、緩和、または治療することができる。式1の化合物は、(シスプラチンに加えて)投与される唯一の治療薬剤であり得るか、またはマンニトールと組み合わせて投与され得る。式1の化合物はまた、アシクロビル、アミノグリコシド抗生物質(例えば、ゲンタマイシン)、アムホテリシンB、アタザナビル、ベータ-ラクタム抗生物質、シクロスポリン、イホスファミド、インジナビル、インドメタシン、およびテノフォビルを含むがこれらに限定されない、他の薬物によって引き起こされる腎毒性を予防、緩和、または治療するために使用することができる。
【0099】
本開示は、対象において肺高血圧症を治療する方法を提供する。PAHは、がんの5年生存率よりも現在の5年生存率が低い、まれで破壊的な疾患である。患者の約15~30%は、基礎となる遺伝的原因を有する。PAHは、通常、小児および中年で現れるが、高齢の患者でももっと多く診断される。
【0100】
PAHの初期症状には、労作性呼吸困難および疲労が含まれる。疾患が進行するにつれて、失神、胸痛、動悸、および末梢性浮腫が発症する。進行性疾患は、重度の呼吸困難、疲労、疼痛、不安、抑うつ、および「実存的危機」と呼ばれるものを特徴とする。
【0101】
PAHにおける肺血管系は、血管収縮、細胞増殖、小肺動脈の増殖性血管障害、線維症、および微小血栓症を起こす。これらの変化は、肺血管抵抗を増加させ、肺循環の圧力を増加させ、心拍出量の減少と進行性静脈うっ血を伴う心臓の右心室の肥大を引き起こす。拡張RVが心室間相互依存を介して左心室充満に影響を及ぼすため、心拍出量も減少する。
【0102】
PAHは、この障害と診断された患者の88%において、死の原因または主要な寄与因子である。PAH患者の現在の5年生存率は65%である。最も一般的な特定の死因は、進行性右心不全、突然死、またはPAHがより悪い転帰を起こしやすい併発疾病(ほとんどの場合、呼吸不全)である。心停止を経験するPAH患者は、ショック適応波形を有することはほとんどなく、生存することはまれである。
【0103】
PAHは、プロスタサイクリンシグナル伝達経路のアゴニストを投与することによって管理される。PAHの進行した症例は、留置カテーテルおよび外部ポンプを介してプロスタサイクリン類似体を継続的に静脈内送達することによって管理される。
【0104】
内因性プロスタサイクリンは、プロスタグランジン輸送体PGT(Slco2a1)が遺伝的または薬理学的に阻害されると増加する。PAHの確立されたラットモデルにおける本願発明者らの予備データは、薬理学的PGT阻害が、強力な合成プロスタサイクリン類似体である静脈内イロプロストと同じ程度にPAH誘発性右心室圧および肥大を低減することを示している。
【0105】
PAHの2つの確立されたげっ歯類モデルを使用して、PAHを治療するためのPGT阻害剤の有効性を確認する。SugenのSU5416などのVEGFアンタゴニストによる慢性低酸素およびVEGF受容体遮断は、ラットおよびマウスにおいて顕著な肺高血圧を引き起こすことが知られている。別のラットPAHモデルは、Sprague-Dawleyラットに投与されるモノクロタリンを含む。げっ歯類におけるモノクロタリンの皮下注射は、急性肺動脈損傷を誘発し、内皮損傷およびII型肺細胞損傷ならびにインサイチュでの血栓形成を伴う。肺浮腫がその後に起こる。これらのモデルのいずれかにおけるげっ歯類におけるPAH症状の減少は、ヒトにおける有効性の予測因子であると考えられる。
【0106】
本開示は、有効量の本開示のPGT阻害剤を投与することによってPAHを治療する方法を含む。有効量は、本開示のPGT阻害剤の量であり、PAHの任意の症状をなくすか、または大幅に減少させるのに十分な量である。本開示のPGT阻害剤の有効量は、患者の内因性プロスタサイクリンレベルを増加させるのに有効な量でもある。本開示のPGT阻害剤の有効量は、PAHのマーカーのレベルを変化させるのに有効な量、例えば、肺の病的状態のマーカーを減少させるのに有効な量、マクロファージを、SERCA2bの誘導である「M2」型に方向転換するのに有効な量、またはエノセリンB受容体遺伝子発現を調節するのに有効な量であってもよい。
【0107】
本開示は、PAHに罹患しやすい患者、例えば、PAHに関連する遺伝子変異を有する患者においてPAHを予防するか、または遅らせる方法を含む。この文脈で予防することとは、PAH症状を発症する可能性を著しく低下させるか、またはPAH症状を発症しやすい患者においてPAH症状の発症を著しく遅らせることを意味する。
【0108】
治療方法は、本開示のPGT阻害剤を唯一の活性剤として投与することと、本開示のPCT阻害剤が第1の活性剤であり、1つ以上の追加の活性剤と組み合わせて投与される治療方法と、を含む。PAH治療の文脈において、好適な追加の活性剤としては、合成プロスタサイクリン、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、抗凝固剤(肺塞栓症を予防するため)、利尿剤、および一酸化窒素上昇剤が挙げられる。好適な追加の活性剤としては、アンブリセンタン、アムロジピン、ボセンタン、ブメチニド、ジリチアゼム、ジゴキシン、エポプロステノール、フロセミド、イロプロスト、マシテンタン、ニフェジピン、リオシグアト、セレキシパグ、シルデナフィル、スピロノラクトン、タダラフィル、トレプロスチニル、およびワルファリンなどの、PAHを治療するための現時点で使用される薬剤が挙げられる。
【0109】
本開示の治療方法は、SARS-CoV-2(COVID19)感染症を含む、呼吸器ウイルス感染症に関連する過炎症を治療することを含む。重篤なSARS-CoV-2症例では、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に特徴的な重篤な肺損傷の急速な発症により致命的な死を引き起こす可能性がある。ARDSは、SARS-CoV-2感染の合併症であるが、組織損傷を引き起こすウイルス複製または感染ではなく、ウイルス感染に応答する調節不全の過炎症の結果である。この病的状態は、Nod様受容体ファミリーの活性化、ピリンドメイン含有3(NLRP3)インフラマソーム経路、ならびに炎症誘発性サイトカインIL-6およびIL-1βを含むその産物の放出を引き起こす、先天性免疫応答の強力で迅速な刺激を特徴とする。NLRP3は、阻害され、リポ多糖によって刺激された末梢血単球からの構成的インターロイキン1-ベータ(IL-1β)分泌は、高用量のPGE2によって実質的に減少する。PGT阻害は、全身PGE2を増加させる。本開示のPGT阻害剤を使用して、SARS-CoV-2ウイルス感染に応答する調節不全の過炎症を抑制することができる。
【0110】
本開示は、対象においてSARS-CoV-2感染に関連するARDSまたは過炎症を治療する方法であって、有効量の本開示のPGT阻害剤を対象に投与することを含む、方法を含む。有効量は、かかる治療を必要とする対象においてSARS-CoV-2ウイルス感染に関連するARDSまたは過炎症のいずれかの症状を低減するのに有効な量であり、対象における過炎症のマーカーを低減するのに十分な量を含む。本開示はまた、対象においてSARS-CoV-2ウイルス感染に関連するARDSまたは過炎症を予防する方法を含む。SARS-CoV-2ウイルス感染に関連するARDSまたは過炎症の文脈において、予防することは、SARS-CoV-2ウイルス感染に関連するARDSまたは過炎症を発症するリスクがある対象において、これらの状態を発症する可能性を著しく低減させるか、またはこれらの状態からの転帰不良の可能性を著しく低下させることを意味する。例えば、本開示のPGT阻害剤は、無症候性もしくは新たに診断されたSARS-CoV-2患者、または医療従事者に予防的に与えられ得る。
【0111】
本開示は、SARS-CoV-2ウイルス感染に関連する過炎症を治療する方法であって、本開示のPGT阻害剤が、対象に投与される唯一の活性剤であり、本開示のPCT阻害剤が第1の活性剤であり、1つ以上の追加の活性剤と組み合わせて投与される、方法を含む。SARS-CoV-2ウイルス感染に関連する過炎症を治療する文脈において、適切な追加の活性剤としては、回復期患者血漿、アドレナリン、アンジオテンシン受容体遮断薬、シクロスポリン、デキサメタゾン、エピネフリン、メプラズマブ、メチルプレドニゾロン、ナファモスタットおよびカムスタットメシル酸塩、プレドニゾロン、プレドニゾン、トシリズマブ、ウイルスプロテアーゼ阻害剤、ならびにウイルスポリメラーゼ阻害剤が挙げられる。
【実施例】
【0112】
【0113】
一般的な方法
すべての空気感受性反応または水分感受性反応は、乾燥機で乾燥させたガラス器具を用い、窒素正圧下で実施した。別段の指示がない限り、ジクロロメタン、N、N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、メタノール、およびトリエチルアミンなどの無水溶媒または試薬は、市販されている試薬グレードの材料であった。1Hスペクトルは、Bruker 400MHz分光計で記録された。化学シフトは、DMSO-d6溶液についての内部標準として、非重水素化溶媒(2.50ppmでのDMSO-h6)を用いて、ppmで報告される。生物学的アッセイで試験した類似体はすべて、LCMS分析に基づいて、95%を超える純度を有する。
【0114】
LCMS勾配は、3.40分で15%から90%のB、3.40~3.85分で90%から100%のB、0.01分で100%から15%のB、次いで15%で0.64分間保持され、流速は0.80ml/分であった。移動相Aは、10mMの炭酸水素アンモニウムであり、移動相Bは、HPLCグレードのアセトニトリルであった。クロマトグラフィーに使用したカラムは、2.1×50mm Xbridge Shield RPC18カラム(5um粒子)であった。検出方法は、ダイオードアレイ(DAD)および蒸発光散乱(ELSD)検出、ならびに陽性エレクトロスプレーイオン化である。MS範囲は、100~1000であった。
【0115】
実施例1.4-エトキシカルボニル-4-[2-(2-ヒドロキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.1(RS))の合成
【化5】
【0116】
ステップ1.O5-ベンジル O1-エチル 2-アセチル-2-エチル-ペンタンジオエートの調製
エチル 2-エチル-3-オキソブタノエート(5グラム(g)、31.61ミリモル(mmol)、5.08ミリリットル(mL)、1当量(eq))のDME(20mL)溶液に、LiOH・H2O(2.65g、63.21mmol、2eq)を添加した。0.5時間(h)後、プロパ-2-エン酸ベンジル(10.25g、63.21mmol、2当量)を添加し、混合物を25℃で11.5時間撹拌した。これを水(200mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(100mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=50/1、5/1)によって精製して、表題化合物(3.4g、10.61mmol、収率33.58%)を無色油状物として得た。
【0117】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 7.45~7.30(m,5H),5.11(s,2H),4.25~4.15(m,2H),2.32~2.15(m,4H),2.15~2.12(m,3H),1.97~1.82(m,2H),1.30~1.25(m,3H),0.80(t,J=7.5Hz,3H)。
【0118】
ステップ2.O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-ブロモアセチル)-2-エチル-ペンタンジオエートの調製
O5-ベンジル O1-エチル 2-アセチル-2-エチル-ペンタンジオエート(0.7g、2.18mmol、1eq)のCH3CN(10mL)溶液に、1-ブロモ-1,4-ジオキサン-1-イウムブロミド(541.67ミリグラム(mg)、2.18mmol、1eq)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。これを水(10mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮して、表題化合物(0.9g、粗生成物)を黄色油状物として得て、直接使用した。
【0119】
LCMS:(M+H+):1.291分で401.1(H2O中、10~90% ACN、2.0分)。
【0120】
ジオキサン-Br2の調製
Br2(9.35g、58.48mmol、3.01mL、1eq)をジオキサン(5.15g、58.48mmol、5.00mL、1eq)に25℃で添加し、混合物を25℃で10分間撹拌した。黄色固体が形成され、次いで石油エーテル(PE)(10mL)を混合物に添加し、濾過した。濾過ケーキを集め、表題化合物(9g粗生成物)を黄色固体として得て、冷蔵庫に保存した。
【0121】
ステップ3.O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(2-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ペンタンジオエートの調製
O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-ブロモアセチル)-2-エチル-ペンタンジオエート(0.45g、1.13mmol、1eq)、(2-メトキシフェニル)チオウレア(184.86mg、1.01mmol、0.9eq)のジオキサン(5mL)溶液に、TEA(171.07mg、1.69mmol、235.31マイクロリットル(uL)、1.5eq)を添加した。混合物を80℃で2時間撹拌した。これを濾過し、濾液を高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1000メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.23g、収率26.22%、純度62%)を黄色油状物として得た。
【0122】
LCMS:(M+H+):1.548分で483.1(H2O中、5~95% ACN、4.5分)。
【0123】
ステップ4.4-エトキシカルボニル-4-[2-(2-ヒドロキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.1)の調製
O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(2-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ペンタンジオエート(0.2g、414.43マイクロモル(umol)、1eq)のDCM(10mL)溶液に、BBr3(311.47mg、1.24mmol、119.80uL、3eq)を0℃で添加した。次いで、混合物を0℃で1時間撹拌した。これを水(10mL)でクエンチした。水相を、DCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣を、分取(prep)-HPLC(HCl)によって精製して、表題化合物(15.8mg、純度97.04%、HCl塩として)を白色固体として得た。
【0124】
LCMS:(M+H+):2.829分で379.1(H2O中、1~100% ACN、4.5分)。
【0125】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm7.36(dd,J=1.5,7.9Hz,1H),7.26(dt,J=1.5,7.8Hz,1H),7.03~6.92(m,3H),4.25(q,J=7.2Hz,2H),2.36~2.16(m,4H),2.13~2.00(m,2H),1.29(t,J=7.2Hz,3H),0.88(t,J=7.5Hz,3H)。
【0126】
実施例2.メチル 4-エチル-4-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサノエート(Cmp.2)の合成
【化6】
ステップ1.エチル 4-ブロモ-2,2-ジエチル-3-オキソ-ブタノエートの合成
エチル 2,2-ジエチル-3-オキソブタノエート(1g、5.37mmol、1eq)のDCM(10mL)溶液に、Br
2(772.24mg、4.83mmol、249.11uL、0.9eq)を0℃で滴下して加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。pHを、飽和NaHCO
3溶液で9に調整した。水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮して、表題化合物(1.4g、粗生成物)を黄色油状物として得て、これをさらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
【0127】
ステップ2.エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ブタノエートの調製
エチル 4-ブロモ-2,2-ジエチル-3-オキソ-ブタノエート(1.4g、5.28mmol、1eq)、p-トリルチオウレア(877.79mg、5.28mmol、1eq)のEtOH(10mL)溶液に、TEA(801.45mg、7.92mmol、1.10mL、1.5eq)を添加した。混合物を80℃で1時間撹拌した。これを高減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(カラム高さ250mm、直径100mm、100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=20/1、5/1)によって精製して、表題化合物(1.2g、1.80mmol、収率34.18%、純度50%)を黄色油状物として得た。
【0128】
LCMS:(M+H+):1.290分で333.2(H2O中、10~90% ACN、2.0分)。
【0129】
ステップ3.2-エチル-2-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ブタン-1-オールの調製
エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ブタノエート(0.4g、1.20mmol、1eq)のTHF(10mL)溶液に、LiAlH4(105.03mg、2.77mmol、2.3eq)を0℃で添加し、次いで混合物を0℃で1時間撹拌した。HCl(1規定(N))でクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮して、表題化合物(0.4g、粗生成物)を黄色油状物として得て、これをさらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
【0130】
ステップ4.2-エチル-2-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ブタナールの調製
(COCl)2(349.63mg、2.75mmol、241.12uL、2eq)のDCM(10mL)溶液に、DMSO(215.23mg、2.75mmol、215.23uL、2eq)を-78℃で添加した。反応物を15分間撹拌した後、DCM(1mL)中の2-エチル-2-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ブタン-1-オール(0.4g、1.38mmol、1eq)を添加し、得られた混合物を30分間撹拌した。次いで、TEA(696.85mg、6.89mmol、958.52uL、5eq)を滴下して加えた。混合物を0℃まで加温し、この温度で1時間撹拌した。これを飽和(sat.)NH4Cl溶液(30mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1000メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=20/1、5/1)によって精製して、表題化合物(0.3g、粗生成物)を黄色油状物として得た。
【0131】
ステップ5.メチル (E)-4-エチル-4-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサ-2-エノエートの調製
メチル 2-ジエトキシホスホリルアセテート(437.22mg、2.08mmol、2eq)のTHF(10mL)溶液に、NaH(83.21mg、2.08mmol、純度60%、2eq)を0℃で添加した。0.5時間後、2-エチル-2-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ブタナール(0.3g、1.04mmol、1eq)を添加し、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。これを飽和NH4Cl溶液(10mL)でクエンチした。水相を、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=20/1、5/1)によって精製して、0.19gの粗生成物を得た。粗生成物をprep-HPLC(FA条件)によって精製して、表題化合物(30mg、68.37umol、収率6.57%、純度89%、FA塩)を無色油状物として得た。
【0132】
ステップ6.メチル 4-エチル-4-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサノエートの調製
メチル (E)-4-エチル-4-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサ-2-エノエート(20mg、51.22umol、1eq、FA塩)のMeOH(5mL)溶液に、Pd/C(50mg、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、25℃で16時間撹拌した。これを濾過し、濾液を高減圧下で濃縮して、表題化合物(30mg、粗生成物)を無色油状物として得て、これを次のステップで直接使用した。
【0133】
LCMS:(M+H+):1.491分で347.0(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0134】
ステップ7.4-エチル-4-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.2)の調製
MeOH(2mL)中のメチル 4-エチル-4-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサノエート(30mg、86.58umol、1当量)およびNaOH(2モル濃度(M)、432.92uL、10eq)の混合物を、25℃で2時間撹拌した。LCMSは、50%の反応物質が残存していたことを示している。次いで、混合物を、60℃で1時間撹拌した。これを高減圧下で濃縮した。残渣を、HCl(1N)を用いてpHを3に調整した。水相を、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣を、prep-HPLC(FA)によって精製して、表題化合物(Cmp.2)(6.9mg、17.11umol、収率19.76%、純度93.84%、FA塩)を白色固体として得た。
【0135】
LCMS:(M+H+):2.260分で333.1(H2O中、10~80% ACN、4.5分)。
【0136】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 7.43(d,J=8.6Hz,2H),7.09(d,J=8.4Hz,2H),6.29(s,1H),2.28(s,3H),2.11~1.90(m,4H),1.79~1.60(m,4H),0.74(t,J=7.5Hz,6H)。
【0137】
実施例3.4-エトキシカルボニル-4-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.3(RS))の合成
【化7】
ステップ1.O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-ブロモアセチル)-2-エチル-ペンタンジオエート(350mg、876.59umol、1eq)のジオキサン(4.5mL)溶液に、p-トリルチオウレア(131.15mg、788.93umol、0.9eq)およびTEA(266.11mg、2.63mmol、366.03uL、3eq)を添加した。混合物を、80℃で3時間撹拌した。これを室温まで冷却した。合わせた混合物を濾過し、濾液を高減圧下で濃縮した。残渣をMPLC(SiO
2、PE/EtOAc=10/1~4:1)によって精製して、表題化合物(380mg、651.53umol、収率37.16%、純度80%)を褐色油状物として得た。
【0138】
ステップ2.4-エトキシカルボニル-4-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(cmp.3)
O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルアニリノ)チアゾール-4-イル]ペンタンジオエート(330mg、707.26umol、1eq)のDCM(4mL)溶液に、BBr3(531.55mg、2.12mmol、204.44uL、3eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、PE(50mL)で洗浄して、ケーキを集めた。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(60mg、純度98.07%、HCl塩)を黄色固体として得た。
【0139】
LCMS:(M+H+):2.862分で377.1(H2O中、10~100% ACN、4.5分)。
【0140】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 7.40(d,J=8.4Hz,2H),7.12(d,J=8.2Hz,2H),6.60(s,1H),4.23~4.13(m,2H),2.42~2.22(m,5H),2.20~2.11(m,2H),2.11~1.97(m,2H),1.24(t,J=7.2Hz,3H),0.83(t,J=7.4Hz,3H)。
【0141】
実施例4.4-エトキシカルボニル-4-[2-(4-メチルスルホニルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.4a)および4-[5-ブロモ-2-(4-メチルスルホニルアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.4b)の合成
【化8】
ステップ1.N-[(4-メチルスルファニルフェニル)カルバモチオイル]ベンズアミドの合成
ベンゾイルイソチオシアネート(2.58g、15.80mmol、2.13mL、1.1eq)のアセトン(20mL)溶液に、4-メチルスルファニルアニリン(2g、14.37mmol、1.75mL、1eq)を添加した。混合物を、70℃で2時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(100mL)に注いだ。灰色固体が形成され、濾過して、表題化合物(2.8g、粗生成物)を灰色固体として得て、これを次のステップで直接使用した。
【0142】
1H NMR:(400 MHz,DMSO-d6) δ ppm 12.55 (s,1H),11.55 (s,1H),7.98 (d,J = 7.3 Hz,2H),7.71 - 7.62 (m,3H),7.59 - 7.51 (m,2H),7.31 (d,J = 8.6 Hz,2H),2.50 (br s,3H).
【0143】
ステップ2.(4-メチルスルファニルフェニル)チオウレ((4-methylsulfanylphenyl)thioure)の合成
N-[(4-メチルスルファニルフェニル)カルバモチオイル]ベンズアミド(1g、3.31mmol、1eq)のMeOH(10mL)溶液に、NaOH(1M、9.92mL、3eq)を添加した。混合物を、80℃で1時間撹拌した。これを室温まで冷却し、(aq.)HCl水溶液(1モル濃度(M))を用い、pHを2に調整した。灰色固体が形成された。それを濾過して、表題化合物(800mg、粗生成物)を灰色固体として得た。
【0144】
ステップ3.O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルスルファニルアニリノ)チアゾール-4-イル]ペンタンジオエートの合成
(4-メチルスルファニルフェニル)チオウレア(450mg、2.27mmol、1eq)のジオキサン(3mL)溶液に、O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-ブロモアセチル)-2-エチル-ペンタンジオエート(906.03mg、2.27mmol、1eq)およびTEA(688.86mg、6.81mmol、947.54uL、3eq)を添加した。混合物を、80℃で3時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(30mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(3×30mL)、塩水で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、高減圧下で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=5/1~2:1)によって精製して、表題化合物(350mg、540.45umol、収率23.82%、純度77%)を黄色油状物として得た。
【0145】
LCMS:(M+H+):1.137分で499.2(H2O中、5~95% ACN、2分)。
【0146】
ステップ4.O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルスルホニルアニリノ)チアゾール-4-イル]ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルスルファニルアニリノ)チアゾール-4-イル]ペンタンジオエート(300mg、601.62umol、1eq)のDCM(10mL)溶液に、m-CPBA(324.44mg、1.50mmol、純度80%、2.5eq)を0℃で添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。これをsat.NaHCO3溶液(10mL)に注いだ。水相を、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(10mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=10/1~3:1)によって精製して、表題化合物(100mg、146.99umol、収率24.43%、純度78%)を褐色固体として得た。
【0147】
LCMS:(M+H+):2.617分で531.1(H2O中、5~95% ACN、4.5分)。
【0148】
ステップ5.4-エトキシカルボニル-4-[2-(4-メチルスルホニルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.4a)の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルスルホニルアニリノ)チアゾール-4-イル]ペンタンジオエート(20mg、37.69umol、1eq)のDCM(1mL)溶液に、BBr3(28.33mg、113.07umol、10.89uL、3eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、PE(20mL)で洗浄した。残渣を、prep-HPLC(中性条件)によって精製して、表題化合物(2mg、4.31umol、収率11.43%、純度94.86%)を白色固体として得た。
【0149】
LCMS:(M-H+):2.466分で441.1(H2O中、10~60% ACN、7分)。
【0150】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 7.93~7.78(m,4H),6.81~6.77(m,1H),4.26~4.12(m,2H),3.13~3.08(m,3H),2.52~2.27(m,2H),2.19~2.01(m,4H),1.30~1.18(m,3H),0.92~0.79(m,3H)。
【0151】
ステップ6.4-[5-ブロモ-2-(4-メチルスルホニルアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.4b)の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルスルホニルアニリノ)チアゾール-4-イル]ペンタンジオエート(60mg、113.07μmol、1eq)のDCM(6mL)溶液に、BBr3(84.98mg、339.20μmol、32.68μL、3eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、PE(20mL)で洗浄して、粗化合物4-エトキシカルボニル-4-[2-(4-メチルスルホニルアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸を得た。放置すると、残渣は、粗生成物として表題化合物に変換される。これをprep-HPLC(中性条件)によって精製して、表題生成物(10.2mg、19.52umol、収率17.26%、純度99.41%)を白色固体として得た。
【0152】
LCMS:(M+H+):3.094分で520.9(H2O中、10~60CD% ACN、7分)。
【0153】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 7.92~7.80(m,4H),4.29~4.17(m,2H),3.11(s,3H),2.53~2.39(m,2H),2.37~2.09(m,4H),1.29(t,J=7.2Hz,3H),0.88(t,J=7.5Hz,3H)。
【0154】
実施例5.4-エトキシカルボニル-4-[6-(4-メチルアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸(Cmp.5(RS))の合成
【化9】
ステップ1.エチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)ブタノエートの合成
LiHMDS(1M、14.77mL、2.2eq)のTHF(15mL)溶液に、2,6-ジクロロピラジン(1g、6.71mmol、1eq)およびブタン酸エチル(857.67mg、7.38mmol、985.82uL、1.1eq)を、N
2下0℃で添加した。混合物を2時間撹拌し、氷浴を20℃まで加温した。混合物を、飽和NH
4Cl(50mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(3×50mL)、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、高減圧下で濃縮した。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=20/1~5/1)によって精製して、表題化合物(1.1g、4.67mmol、収率69.51%、純度97%)を褐色油状物として得た。
【0155】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.60~8.52(m,2H),4.19~4.08(m,2H),3.82(t,J=7.6Hz,1H),2.15(五重線,J=7.3,14.2Hz,1H),2.03~1.86(m,1H),1.19(t,J=7.2Hz,3H),0.91(t,J=7.4Hz,3H)。
【0156】
ステップ2.O5-ベンジル O1-エチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
エチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)ブタノエート(900mg、3.94mmol、1eq)のTHF(25mL)溶液に、NaH(236.12mg、5.90mmol、純度60%、1.5eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次に、ベンジル 3-ブロモプロパノエート(1.15g、4.72mmol、1.2eq)を添加した。混合物を、20℃で1時間撹拌した。混合物を水(30mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(3×30mL)、塩水で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、高減圧下で濃縮した。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=20/1~4/1)によって精製して、表題化合物(1g、純度70%)を黄色油状物として得た。
【0157】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.55(d,J=19.6Hz,2H),7.37~7.24(m,5H),5.04(s,2H),4.21~4.13(m,2H),2.50~2.35(m,2H),2.28~2.21(m,2H),2.18~2.07(m,2H),1.22~1.16(m,3H),0.80(t,J=7.5Hz,3H)。
【0158】
ステップ3.O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[6-(4-メチルアニリノ)ピラジン-2-イル]ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)-2-エチル-ペンタンジオエート(600mg、1.54mmol、1eq)のジオキサン(12mL)溶液に、4-メチルアニリン(205.61mg、1.92mmol、211.32uL、1.25eq)、K2CO3(636.49mg、4.61mmol、3eq)、Pd(OAc)2(34.46mg、153.51umol、0.1eq)および(5-ジフェニルホスファニル-9,9-ジメチル-キサンテン-4-イル)-ジフェニル-ホスファン(222.06mg、383.77umol、0.25eq)を添加した。混合物を、N2雰囲気下、90℃で2時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(30mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(3×30mL)、塩水で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、高減圧下で濃縮した。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=20/1~4/1)によって精製し、表題化合物(600mg、1.13mmol、収率73.67%、純度87%)を黄色油状物として得た。
【0159】
LCMS:(M+H+):3.148分で462.4(H2O中、10~80% ACN、4.5分)。
【0160】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 8.05(s,1H),7.93(s,1H),7.37~7.28(m,6H),7.14(d,J=8.2Hz,2H),6.58~6.46(m,1H),6.52(s,1H),5.07(s,2H),4.24~4.12(m,2H),2.54~2.35(m,2H),2.31~2.21(m,2H),2.18~2.05(m,2H),1.20(t,J=7.1Hz,3H),0.84(t,J=7.5Hz,3H)。
【0161】
ステップ4.4-エトキシカルボニル-4-[6-(4-メチルアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸(Cmp.5)の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[6-(4-メチルアニリノ)ピラジン-2-イル]ペンタンジオエート(200mg、433.32umol、1eq)のDCM(4mL)溶液に、BBr3(325.67mg、1.30mmol、125.26uL、3eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、PE(50mL)で洗浄して、ケーキを集めた。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(21mg、51.12umol、収率11.80%、純度99.30%、HCl塩)を黄色固体として得た。
【0162】
LCMS:(M+H+):1.804分で372.2(H2O中、5~100% ACN、3分)。
【0163】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.13~7.81(m,2H),7.53(d,J=8.3Hz,2H),7.12(d,J=8.3Hz,2H),4.18(q,J=7.0Hz,2H),2.51~2.32(m,2H),2.30(s,3H),2.26~2.08(m,4H),1.24~1.11(m,3H),0.85(t,J=7.5Hz,3H)。
【0164】
実施例6.4-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.6(RS))の合成
【化10】
ステップ1.N-[(2,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル]ベンズアミドの合成
2,4-ジフルオロアニリン(2g、15.49mmol、1eq)のアセトン(20mL)溶液に、ベンゾイルイソチオシアネート(2.78g、17.04mmol、2.30mL、1.1eq)を添加した。混合物を、70℃で2時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(100mL)に注いだ。黄色固体が形成された。これを濾過し、表題化合物(4.1g、粗生成物)を黄色固体として得て、さらに精製せずに直接使用した。
【0165】
ステップ2.(2,4-ジフルオロフェニル)チオウレアの合成
MeOH(30mL)中のN-[(2,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル]ベンズアミド(2g、6.84mmol、1eq)の混合物に、NaOH(1M、20.53mL、3eq)を添加した。混合物を80℃で1時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(30mL)に注ぎ、aq.HCl(1M)でpHを7に調整し、EtOAcで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層を、塩水で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、高減圧下で濃縮して、表題化合物(1.1g、粗生成物)を白色固体として得て、これを次のステップで直接使用した。
【0166】
ステップ3.O5-ベンジル O1-エチル 2-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-ブロモアセチル)-2-エチル-ペンタンジオエート(300mg、751.36umol、1eq)のジオキサン(3mL)溶液に、(2,4-ジフルオロフェニル)チオウレア(141.40mg、751.36umol、1eq)およびTEA(228.09mg、2.25mmol、313.74uL、3eq)を添加した。混合物を、80℃で3時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(30mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(3×30mL)、塩水で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、高減圧下で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=5:1~2:1)によって精製し、表題化合物(200mg、粗生成物)を黄色固体として得た。
【0167】
LCMS:(M+H+):1.603分で489.0(H2O中、5~95% ACN、2分)。
【0168】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d4)δ ppm 8.15~8.04(m,1H),7.41~7.28(m,5H),6.93~6.81(m,2H),6.57(s,1H),5.08(s,2H),4.26~4.14(m,2H),2.52~2.28(m,2H),2.28~2.17(m,2H),2.14~1.83(m,2H),1.29~1.20(m,3H),0.91~0.72(m,3H)。
【0169】
ステップ4.4-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.6)の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(150mg、307.03umol、1eq)のDCM(3mL)溶液に、BBr3(230.76mg、921.10umol、88.75uL、3eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。合わせた混合物を濃縮し、残渣をPE(50mL)で洗浄して、BnBrを除去した。粗生成物を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(20.3mg、純度98.67%、HCl塩)を黄色固体として得た。
【0170】
LCMS:(M+H+):1.868分で399.1(H2O中、5~100% ACN、3分)。
【0171】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.08(dt,J=6.0,9.2Hz,1H),7.11(ddd,J=2.9,8.5,11.3Hz,1H),7.04~6.96(m,1H),6.80(s,1H),4.20(q,J=7.1Hz,2H),2.41~2.28(m,2H),2.28~2.14(m,2H),2.13~1.97(m,2H),1.28~1.21(m,3H),0.85(t,J=7.4Hz,3H)。
【0172】
実施例7.4-エチル-4-[2-(2-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.7(RS))の合成
【化11】
ステップ1.4-(2-エチルブタ-1-エニル)モルホリンの合成
トルエン(40mL)中の2-エチルブタナール(20g、199.68mmol、1eq)、モルホリン(17.40g、199.68mmol、17.57mL、1eq)の混合物に、Dean-Stark水分離器を通して、110℃で3.5時間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒を除去した。濃縮した混合物を蒸留して、標記化合物(20g、112.25mmol、収率56.21%、純度95%)を無色油状物として得て、次のステップで直接使用した。
【0173】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 5.27(s,1H),3.74~3.68(m,4H),2.60~2.50(m,4H),2.18(q,J=7.5Hz,2H),1.95(q,J=7.5Hz,2H),0.97(t,J=7.6Hz,6H)。
【0174】
ステップ2.2,2-ジエチル-3-オキソ-ブタナールの合成
4-(2-エチルブタ-1-エニル)モルホリン(20g、118.16mmol、1eq)のMTBE(30mL)溶液に、塩化アセチル(18.55g、236.32mmol、16.86mL、2eq)を添加した。混合物を60℃で4時間撹拌し、次いで、これを室温まで冷却し、固体を濾過により濾過し、MTBE(50mL)で洗浄した。固体を水(200mL)に溶解し、不均一混合物を1時間撹拌した。MTBE(100mL×2)で抽出した後、合わせた有機層を、飽和aq.NaHCO3(50mL)および塩水(50mL)で洗浄した。有機層を、無水Na2SO4上で乾燥させ、高減圧下で濃縮した。残渣を蒸留して、表題化合物(3.9g、24.68mmol、収率20.89%、純度90%)を黄色油状物として得た。
【0175】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 9.86~9.69(m,1H),2.21~2.15(m,3H),2.07~1.75(m,4H),0.83(t,J=7.6Hz,6H)。
【0176】
ステップ3.メチル (E)-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘキサ-2-エノエートの合成
メチル 2-ジエトキシホスホリルアセテート(1.77g、8.44mmol、1.2eq)のTHF(10mL)溶液に、NaH(421.96mg、10.55mmol、純度60%、1.5eq)を0℃で添加した。添加後、混合物をこの温度で0.5時間撹拌し、次いで2,2-ジエチル-3-オキソ-ブタナール(1g、7.03mmol、1eq)を0℃で滴下して加えた。得られた混合物を15℃で1時間撹拌した。これを添加水(50mL)によりクエンチし、次いでEtOAcで抽出した(20mL×3)。合わせた有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、PE/EtOAc=0/1~10:1)によって精製して、表題化合物(0.87g、4.17mmol、収率59.28%、純度95%)を無色油状物として得た。
【0177】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 7.01(d,J=16.3Hz,1H),5.86(d,J=16.3Hz,1H),3.78~3.67(m,3H),2.11~2.03(m,3H),1.82~1.66(m,4H),0.75(t,J=7.5Hz,6H)。
【0178】
ステップ4.メチル 4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘキサノエートの調製
メチル (E)-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘキサ-2-エノエート(0.87g、4.39mmol、1eq)のMeOH(10mL)溶液に、Pd/C(10%、0.1g)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、15℃で3時間撹拌した。これを濾過し、濃縮して、表題化合物(0.83g、粗生成物)を無色油状物として得て、これを次のステップで直接使用した。
【0179】
ステップ5.メチル 6-ブロモ-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘキサノエートの調製
メチル 4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘキサノエート(0.1g、499.32umol、1eq)のACN(1mL)溶液に、1-ブロモ-1,4-ジオキサン-1-イウム(83.89mg、499.32umol、1eq)を添加した。混合物を、50℃で1時間撹拌した。これを室温まで冷却し、飽和NaHCO3溶液(50mL)の添加によってクエンチし、DCMで抽出した(20mL×3)。合わせた有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.15g、粗生成物)を黄色油状物として得て、次のステップで直接使用した。
【0180】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 4.20~4.10(m,1H),3.69(d,J=2.0Hz,3H),2.24~2.08(m,3H),2.00~1.83(m,2H),1.72~1.50(m,4H),0.79(td,J=7.5,14.4Hz,6H)。
【0181】
ステップ6.メチル 4-エチル-4-[2-(2-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサノエートの合成
ジオキサン(2mL)中のメチル 6-ブロモ-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘキサノエート(0.13g、465.67umol、1eq)、(2-メトキシフェニル)チオウレア(84.86mg、465.67umol、1eq)、TEA(94.24mg、931.33umol、129.63uL、2eq)の混合物を、80℃で1時間撹拌した。混合物を濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=5:1~2:1)によって精製し、表題化合物(60mg、155.59umol、収率33.41%、純度94%)を無色油状物として得た。
【0182】
LCMS:(M+H+):1.007分で363.2(H2O中、5~95% ACN、2分)。
【0183】
ステップ7.4-エチル-4-[2-(2-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.7)の合成
メチル 4-エチル-4-[2-(2-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサノエート(40mg、110.35umol、1eq)のMeOH(1mL)溶液に、NaOH(2M、275.87uL、5eq)を添加した。混合物を、60℃で1時間撹拌した。これを室温まで冷却した。混合物のpHを、HCl(1M)で3に調整した。水相を、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(10mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(8.4mg、21.82umol、収率19.78%、純度100%、HCl)を黄色固体として得た。
【0184】
LCMS:(M+H+):2.898分で349.1(H2O中、1~100% ACN、4.5分)。
【0185】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 7.52(brd,J=7.7Hz,1H),7.41~7.31(m,1H),7.19(d,J=8.3Hz,1H),7.08(dt,J=1.2,7.7Hz,1H),6.64(s,1H),3.92(s,3H),2.24~2.10(m,2H),2.03~1.91(m,2H),1.72(q,J=7.5Hz,4H),0.81(t,J=7.5Hz,6H)。
【0186】
実施例8.4-[2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.8)の合成
【化12】
ステップ1.メチル 4-[2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
(2-クロロフェニル)チオウレア(100.29mg、537.31umol、1eq)のジオキサン(2mL)溶液に、メチル 6-ブロモ-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘキサノエート(150mg、537.31umol、1eq)およびTEA(163.11mg、1.61mmol、224.36uL、3eq)を添加した。混合物を80℃で3時間撹拌した。合わせた混合物を濾過し、濾液を高減圧下で濃縮した。残渣をMPLC(SiO
2、PE/EtOAc=10/1~4:1)によって精製して、表題化合物(110mg、純度93%)を黄色油状物として得た。
【0187】
LCMS:(M+H+):2.980分で367.3(H2O中、10~80% ACN、4.5分)。
【0188】
ステップ2.4-[2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.8)の合成
メチル 4-[2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(90mg、245.30umol、1eq)のMeOH(3mL)溶液に、NaOH(2M、613.24uL、5eq)を添加した。混合物を、60℃で0.5時間撹拌した。混合物のpHを、aq.HCl(1M)で2に調整した。混合物を水(10mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(3×10mL)、塩水で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、高減圧下で濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(18.6mg、47.48umol、収率19.36%、純度99.39%、HCl塩)を黄色固体として得た。
【0189】
LCMS:(M+H+):3.101分で353.1(H2O中、10~100% ACN、4.5分)。
【0190】
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 9.62~9.36(m,1H),8.37~8.23(m,1H),7.48~7.40(m,1H),7.31~7.22(m,1H),7.03~6.93(m,1H),6.57~6.41(m,1H),1.98~1.78(m,4H),1.65~1.50(m,4H),0.75~0.57(m,6H)。
【0191】
実施例9.4-エチル-4-[2-(3-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.9)の合成
【化13】
ステップ1.N-[(3-メトキシフェニル)カルバモチオイル]ベンズアミドの合成
3-メトキシアニリン(1.66g、13.48mmol、1.51mL、1.1eq)のアセトン(20mL)溶液に、ベンゾイルイソチオシアネート(2g、12.26mmol、1.65mL、1eq)を添加した。混合物を、70℃で2時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(100mL)に注いだ。得られた固体を濾過して、表題化合物(3.5g、粗生成物)を黄色固体として得た。
【0192】
ステップ2.(3-メトキシフェニル)チオウレアの合成
N-[(3-メトキシフェニル)カルバモチオイル]ベンズアミド(1.5g、5.24mmol、1eq)のMeOH(20mL)溶液に、NaOH(1M、15.72mL、3eq)を添加した。混合物を、80℃で1時間撹拌した。これを室温まで冷却した。混合物のpHを、aq.HCl(1M)で2に調整し、得られた固体を濾過して、表題化合物を黄色固体として得た。
【0193】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 9.70~9.63(m,1H),7.25~7.18(m,1H),7.12~7.08(m,1H),6.93~6.88(m,1H),6.73~6.64(m,1H),3.78~3.66(m,3H)。
【0194】
ステップ3.メチル 4-エチル-4-[2-(3-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサノエートの合成
(3-メトキシフェニル)チオウレア(97.92mg、537.31umol、1eq)のジオキサン(2mL)溶液に、メチル 6-ブロモ-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘキサノエート(150mg、537.31umol、1eq)およびTEA(163.11mg、1.61mmol、224.36uL、3eq)を添加した。混合物を80℃で2時間撹拌した。合わせた混合物を濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=5:1~2:1)によって精製して、表題化合物(70mg、純度97%)を黄色油状物として得た。
【0195】
LCMS:(M-H+):1.039分で363.2(H2O中、5~95% ACN、2分)。
【0196】
ステップ4.4-エチル-4-[2-(3-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.9)の合成
メチル 4-エチル-4-[2-(3-メトキシアニリノ)チアゾール-4-イル]ヘキサノエート(50mg、137.94umol、1eq)のMeOH(2mL)溶液に、NaOH(2M、344.84uL、5eq)を添加した。混合物を、60℃で1時間撹拌した。混合物のpHを、aq.HCl(1M)で2に調整した。混合物を水(10mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(3×10mL)、塩水で洗浄し(3×10mL)、無水Na2SO4上で乾燥させ、高減圧下で濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(9.6mg、純度99.13%、HCl塩)を白色固体として得た。
【0197】
LCMS:3.018分で349.2(H2O中、1~100% ACN、4.5分)。
【0198】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 7.42(t,J=8.2Hz,1H),7.07(brd,J=2.2Hz,1H),7.05~7.01(m,1H),6.98~6.92(m,1H),6.65(d,J=2.1Hz,1H),3.84(s,3H),2.23~2.13(m,2H),2.05~1.93(m,2H),1.74(q,J=7.4Hz,4H),0.82(t,J=7.5Hz,6H)。
【0199】
実施例10.4-エチル-4-[2-(2-ヒドロキシアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.10)の合成
【化14】
ステップ1.4-(2-エチルブタ-1-エニル)モルホリンの合成
トルエン(40mL)中の2-エチルブタナール(10g、99.84mmol、1eq)、モルホリン(8.70g、99.84mmol、8.79mL、1eq)の混合物を、Dean-Stark水分離器を通して、110℃で3.5時間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒を除去した。所望の生成物(10g、56.13mmol、収率56.21%、純度95%)を無色油状物として蒸留により得た。次のステップで直接使用した。
【0200】
ステップ2.2,2-ジエチル-3-オキソ-ペンタナールの合成
4-(2-エチルブタ-1-エニル)モルホリン(2g、11.82mmol、1eq)のMTBE(5mL)溶液に、塩化プロピオニル(2.19g、23.63mmol、2.19mL、2eq)を添加した。混合物を、60℃で4時間撹拌した。褐色固体が沈殿し、混合物は、ペースト状になった。室温まで冷却した後、固体を濾過し、MTBE(50mL)で洗浄した。固体を水(200.0mL)に溶解し、不均一混合物を1時間撹拌した。MTBE(100mL×2)で抽出した後、合わせた有機層を、飽和aq.NaHCO3(50mL)および塩水(50mL)で洗浄した。有機層を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~10/1)によって精製して、表題化合物(0.46g、2.80mmol、収率23.67%、純度95%)を黄色油状物として得た。
【0201】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 9.82~9.64(m,1H),2.55~2.39(m,2H),2.02~1.80(m,4H),1.10~1.01(m,3H),0.80(t,J=7.6Hz,6H)。
【0202】
ステップ3.メチル (E)-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘプタ-2-エノエートの合成
メチル 2-ジエトキシホスホリルアセテート(742.60mg、3.53mmol、1.2eq)のTHF(10mL)溶液に、NaH(176.67mg、4.42mmol、純度60%、1.5eq)を0℃で何回かに分けて添加した。添加後、混合物をこの温度で0.5時間撹拌し、次いで2,2-ジエチル-3-オキソ-ペンタナール(0.46g、2.94mmol、1eq)を0℃で滴下して加えた。得られた混合物を15℃で1時間撹拌した。反応混合物を添加水(50mL)によってクエンチし、次いでEtOAcで抽出した(20mL×3)。合わせた有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=0/1~10:1)によって精製して、表題化合物(0.32、1.36mmol、収率46.07%、純度90%)を無色油状物として得た。
【0203】
ステップ4.メチル 4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘプタノエートの合成
メチル (E)-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘプタ-2-エノエート(0.32g、1.51mmol、1eq)のMeOH(20mL)溶液に、Pd/C(0.05g、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、15℃で3時間撹拌した。濾過し、これを濾過し、濃縮して、表題化合物(0.18g、粗生成物)を無色油状物として得た。
【0204】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 3.66(s,3H),2.44(q,J=7.1Hz,2H),2.17~2.01(m,2H),1.95~1.78(m,2H),1.58(q,J=7.5Hz,4H),1.02(t,J=7.2Hz,3H),0.73(t,J=7.5Hz,6H)。
【0205】
ステップ5.メチル 6-ブロモ-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘプタノエートの合成
メチル 4,4-ジエチル-5-オキソヘプタノエート(0.16g、746.62umol、1eq)のACN(2mL)溶液に、1-ブロモ-1,4-ジオキサン-1-イウムブロミド(185.10mg、746.62umol、1eq)を添加した。混合物を、50℃で15分間撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液50mLの添加によってクエンチし、DCMで抽出した(20mL×3)。合わせた有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得て、表題化合物(0.18g、粗生成物)を褐色油状物として得て、これをさらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
【0206】
ステップ6.メチル 4-エチル-4-[2-(2-ヒドロキシアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]ヘキサノエートの合成
EtOH(3mL)中のメチル 6-ブロモ-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘプタノエート(0.1g、341.07umol、1eq)および(2-ヒドロキシフェニル)チオウレア(68.85mg、409.28umol、1.2eq)の混合物を80℃で16時間撹拌した。これを高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、2/1)によって精製して、表題化合物(40mg)を黄色油状物として得た。
【0207】
ステップ7.4-エチル-4-[2-(2-ヒドロキシアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.10)の合成
MeOH(2mL)中のメチル 4-エチル-4-[2-(2-ヒドロキシアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]ヘキサノエート(0.04g、110.35umol、1eq)およびNaOH(2M、275.87uL、5eq)の混合物を60℃で1.5時間撹拌した。これを水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(30mL×2)。合わせた有機相を廃棄した。水相のpHを、aq.HCl(2N)で5に調整し、酢酸エチルで抽出した(20mL×3)。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(7.5mg、18.90umol、収率17.13%、純度97%、HCl)を黄色固体として得た。
【0208】
LCMS:(M+H+):2.215分で349.2(H2O中、10~100% ACN、4.5分)。
【0209】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 7.37(dd,J=1.4,7.9Hz,1H),7.28~7.15(m,1H),7.05~6.92(m,2H),2.42(s,3H),2.32~2.19(m,2H),2.12~2.01(m,2H),1.82(q,J=7.4Hz,4H),0.88(t,J=7.4Hz,6H)。
【0210】
実施例11.4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.11(RS))の合成
【化15】
ステップ1.O5-ベンジル O1-エチル 2-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)-2-エチル-ペンタンジオエート(300mg、767.54μmol、1eq)のジオキサン(3mL)溶液に、2,4-ジフルオロアニリン(123.87mg、959.42umol、1.25eq)、Xantphos(111.03mg、191.88umol、0.25eq)、K
2CO
3(318.24mg、2.30mmol、3eq)およびPd(OAc)
2(17.23mg、76.75umol、0.1eq)を添加した。混合物を、N
2下、90℃で12時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(15mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(3×15mL)、塩水で洗浄し(3×15mL)、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=10/1~2/1)によって精製し、表題化合物(280mg、306.92umol、収率39.99%、純度53%)を褐色油状物として得た。
【0211】
LCMS:(M+H+):1.273分で484.2(H2O中、5~95% ACN、2分)。
【0212】
ステップ2.4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.11)の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(330mg、682.51umol、1eq)のMeOH(5mL)溶液に、Pd/C(0.1g、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、20℃で0.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(46mg、純度97.27%、HCl塩)を黄色固体として得た。
【0213】
LCMS:(M+H+):2.991分で394.1(H2O中、1~100% ACN、4.5分)。
【0214】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.13~8.03(m,2H),7.91(s,1H),7.01(ddd,J=2.9,8.5,11.3Hz,1H),6.95~6.83(m,1H),4.20~4.07(m,2H),2.45~2.24(m,2H),2.19~2.03(m,4H),1.14(t,J=7.1Hz,3H),0.82(t,J=7.4Hz,3H)。
【0215】
実施例12.(4R)-4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.12a)および(4S)-4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.12b)の合成
【化16】
ステップ1.O5-ベンジル O1-エチル (2R)-2-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートおよびO5-ベンジル O1-エチル (2S)-2-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)-2-エチル-ペンタンジオエート(400mg、1.02mmol、1eq)のジオキサン(3mL)溶液に、2,4-ジフルオロアニリン(165.16mg、1.28mmol、1.25eq)、Xantphos(148.04mg、255.85umol、0.25eq)、K
2CO
3(424.31mg、3.07mmol、3eq)およびPd(OAc)
2(22.98mg、102.34umol、0.1eq)を添加した。混合物を、N
2下、90℃で12時間撹拌した。これを水(15mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(15×3mL)、塩水で洗浄し(15×3mL)、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=10/1~2/1)によって精製し、ラセミ生成物(360mg、純度90%)を得た。これをSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK IC(250mm×30mm、10uM)、移動相[0.1%NH
3H
2O IPA]、B%:40%-40%、5分)によって分離し、黄色固体として表題化合物ピーク1(P1):(170mg、315.74umol、収率30.85%、純度89.8%、99.22%ee、Rt=3.485分)、黄色固体としてピーク2(P2):(150mg、282.31umol、収率27.59%、純度91%、99.22%ee、Rt=4.102分)を得た。
【0216】
P1:HPLC:(H2O中、10~80% ACN、4.5分)、SFC:Rt=3.485分。
【0217】
P2:HPLC:(H2O中、10~80% ACN、4.5分)、SFC:Rt=4.102分。
【0218】
ステップ2.(4R)-4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.12a)の合成
O5-ベンジル O1-エチル (2R)-2-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(170.00mg、351.60umol、1eq)のMeOH(5mL)溶液に、Pd/C(0.1g、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、20℃で0.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(44.7mg、100.76umol、収率28.66%、純度96.89%、HCl塩、98.32%ee、Rt=2.682分)を黄色固体として得た。
【0219】
LCMS:(M+H+):2.738分で394.1(H2O中、0~100% ACN、4.5分)。
【0220】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.12(s,1H),8.07~7.94(m,2H),7.10~7.00(m,1H),6.95(brt,J=8.6Hz,1H),4.14(q,J=6.8Hz,2H),2.46~2.26(m,2H),2.19~2.06(m,4H),1.16(t,J=7.2Hz,3H),0.83(t,J=7.4Hz,3H)。
SFC:Rt=2.682分。
【0221】
ステップ3.(4S)-4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.12b)の合成
O5-ベンジル O1-エチル (2S)-2-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(150.00mg、310.23umol、1eq)のMeOH(5mL)溶液に、Pd/C(0.1g、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、20℃で0.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(43.5mg、100.08umol、収率32.26%、純度98.89%、HCl塩、97.54%ee、Rt=2.579分)を黄色固体として得た。
【0222】
LCMS:(M+H+):2.735分で394.2(H2O中、0~100% ACN、4.5分)。
【0223】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.13(s,1H),8.07~7.92(m,2H),7.07(ddd,J=2.8,8.6,11.1Hz,1H),7.00~6.93(m,1H),4.15(q,J=7.1Hz,2H),2.46~2.27(m,2H),2.23~2.06(m,4H),1.17(t,J=7.2Hz,3H),0.83(t,J=7.4Hz,3H)。
SFC:Rt=2.579分。
【0224】
実施例13.4-エトキシカルボニル-4-[2-(4-メチルアニリノ)ピリミジン-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.13)の合成
【化17】
ステップ1.ジエチル 2-(2-クロロピリミジン-4-イル)プロパンジオエートの合成
ジエチル プロパンジオエート(4.84g、30.21mmol、4.56mL、1.5eq)のTHF(50mL)溶液に、NaH(2.42g、60.41mmol、純度60%、3eq)を0℃で添加し、混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次いで、THF(10mL)中の2,4-ジクロロピリミジン(3g、20.14mmol、1eq)を上述の混合物に添加し、得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。これをSat.NH
4Cl溶液(30mL)でクエンチし、水相を、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(30mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(4.5g、15.68mmol、収率77.85%、純度95%)を黄色油状物として得た。
【0225】
ステップ2.エチル 2-(2-クロロピリミジン-4-イル)アセテートの合成
DMSO(5mL)中のジエチル 2-(2-クロロピリミジン-4-イル)プロパンジオエート(1g、3.67mmol、1eq)、H2O(6.61mg、366.72umol、6.61uL、0.1eq)およびLiCl(621.88mg、14.67mmol、300.42uL、4eq)の混合物を100℃で5時間撹拌した。これを水(20mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.46g、1.97mmol、収率53.77%、純度86%)を黄色油状物として得た。
【0226】
LCMS:(M+H+):0.881分で201.2(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0227】
ステップ3.エチル 2-(2-クロロピリミジン-4-イル)ブタノエートの合成
DMF(5mL)中のエチル 2-(2-クロロピリミジン-4-イル)アセテート(0.36g、1.44mmol、1eq)の混合物を、NaH(63.16mg、1.58mmol、純度60%、1.1eq)を0℃で添加した。添加後、混合物を0℃で10分間撹拌し、次いでヨウ化エチル(235.09mg、1.51mmol、120.56uL、1.05eq)を上述の混合物に添加し、得られた混合物を15℃で1時間撹拌した。これを水(30mL)でクエンチし、水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.3g)を黄色油状物として得た。
【0228】
ステップ4.O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-クロロピリミジン-4-イル)-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
エチル 2-(2-クロロピリミジン-4-イル)ブタノエート(0.28g、1.22mmol、1eq)のTHF(8mL)溶液に、NaH(63.67mg、1.59mmol、純度60%、1.3eq)を0℃で添加した。反応物を0℃で0.5時間撹拌した後、ベンジル 3-ブロモプロパノエート(327.42mg、1.35mmol、1.1eq)を上述の混合物に添加し、15℃でさらに1時間撹拌した。これをSat.NH4Cl溶液(20mL)でクエンチし、水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(25mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.35g、796.96umol、収率65.09%、純度89%)を黄色油状物として得た。
【0229】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.62(d,J=5.3Hz,1H),7.48(d,J=5.3Hz,1H),7.41~7.21(m,4H),5.06(s,2H),4.25~4.10(m,2H),2.54~2.32(m,2H),2.30~2.20(m,2H),2.10(q,J=7.5Hz,2H),1.24~1.12(m,3H),0.80(t,J=7.5Hz,3H)。
【0230】
ステップ5.O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルアニリノ)ピリミジン-4-イル]ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-クロロピリミジン-4-イル)-2-エチル-ペンタンジオエート(0.31g、793.12umol、1eq)および4-メチルアニリン(127.48mg、1.19mmol、131.02uL、1.5eq)のジオキサン(10mL)溶液に、K2CO3(219.23mg、1.59mmol、2eq)、Pd(OAc)2(17.81mg、79.31umol、0.1eq)およびXantphos(91.78mg、158.62umol、0.2eq)を添加した。混合物を、N2雰囲気下、95℃で12時間撹拌した。これを水(30mL)に注いだ。混合物を分離し、水相を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(50mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.23g、純度97%)を黄色油状物として得た。
【0231】
LCMS:(M+H+):1.346分で462.4(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0232】
ステップ6.4-エトキシカルボニル-4-[2-(4-メチルアニリノ)ピリミジン-4-イル]ヘキサン酸(Cmp.13)の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[2-(4-メチルアニリノ)ピリミジン-4-イル]ペンタンジオエート(0.2g、433.32umol、1eq)およびTEA(131.54mg、1.30mmol、180.94uL、3eq)のMeOH(5mL)溶液に、Pd/C(0.02g、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、15℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl)によって精製して、表題化合物(78.1mg、純度98.94%、HCl塩として)を黄色固体として得た。
【0233】
LCMS:(M+H+):2.794分で372.1(H2O中、10~100% ACN、4.5分)。
【0234】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.30(d,J=5.6Hz,1H),7.47(d,J=8.3Hz,2H),7.15(d,J=8.3Hz,2H),6.86(d,J=5.6Hz,1H),4.24~4.10(m,2H),2.44~2.34(m,2H),2.36~2.28(m,3H),2.20(ddd,J=4.0,6.2,9.9Hz,2H),2.11(q,J=7.5Hz,2H),1.19(t,J=7.1Hz,3H),0.85(t,J=7.5Hz,3H)。
【0235】
実施例14.4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.14a(RS))および4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.14b(RS))の合成
【化18】
ステップ1.N-[(2,4-ジクロロフェニル)カルバモチオイル]ベンズアミドの合成
ベンゾイルイソチオシアネート(1.11g、6.79mmol、915.71uL、1.1eq)のアセトン(20mL)溶液に、2,4-ジクロロアニリン(1.00g、6.17mmol、1eq)を添加した。混合物を、70℃で2時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(100mL)に注いだ。黄色固体が形成された。これを濾過して、表題化合物(3g、粗生成物)を黄色固体として得て、次のステップで直接使用した。
【0236】
ステップ2.(2,4-ジクロロフェニル)チオウレアの合成
N-[(2,4-ジクロロフェニル)カルバモチオイル]ベンズアミド(3g、9.22mmol、1eq)のMeOH(30mL)溶液に、NaOH(1M、27.67mL、3eq)を添加した。混合物を80℃で1時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(30mL)に注ぎ、HCl(1M)でpHを2に調整し、EtOAcで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層を、塩水(3×30mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮して、表題化合物(1.6g、粗生成物)を黄色固体として得て、次のステップで直接使用した。
【0237】
ステップ3.O5-ベンジル O1-エチル 2-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-ブロモアセチル)-2-エチル-ペンタンジオエート(500mg、1.25mmol、1eq)のジオキサン(5mL)溶液に、(2,4-ジクロロフェニル)チオウレア(276.89mg、1.25mmol、1eq)およびTEA(380.15mg、3.76mmol、522.90uL、3eq)を添加した。混合物を80℃で3時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=20/1~4/1)によって精製して、表題化合物(250mg、345.19umol、収率27.57%、純度72%)を黄色油状物として得た。
【0238】
LCMS:(M+H+):3.011分で521.2(H2O中、5~95% ACN、4.5分)。
【0239】
ステップ4.4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.14a、(RS))の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(200mg、383.54umol、1eq)のDCM(5mL)溶液に、BBr3(288.26mg、1.15mmol、110.87uL、3eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。これを濃縮し、PE(100mL)で洗浄した。残渣をACN(20mL)に溶解し、NH3・H2O(25%)でpHを9に調整した。残渣を、prep-HPLC(中性条件)によって精製して、表題化合物(24.8mg、純度98.75%)を黄色固体として得た。
【0240】
LCMS:(M+H+):3.209分で431.0(H2O中、10~100% ACN、4.5分)。
【0241】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.42(d,J=8.9Hz,1H),7.44(d,J=2.4Hz,1H),7.27(dd,J=2.4,8.9Hz,1H),6.76(s,1H),4.18(q,J=7.1Hz,2H),2.43~2.28(m,2H),2.14~2.02(m,4H),1.24(t,J=7.1Hz,3H),0.83(t,J=7.4Hz,3H)。
【0242】
ステップ5.4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.14b、(RS))の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(110mg、210.95umol、1eq)のDCM(5mL)溶液に、BBr3(158.54mg、632.84umol、60.98uL、3eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をPE(100mL)で洗浄して、生成物4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸を得た。prep-HPLCの精製のための試料の調製中に、残留HBrの存在のために、これを4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸に変換した。これをprep-HPLC(中性条件)によって精製して、表題化合物(24.6mg、46.77umol、収率22.17%、純度97%)を黄色固体として得た。
【0243】
LCMS:(M+H+):2.453分で510.8(H2O中、CD15~100% ACN、4.5分)。
【0244】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.43(d,J=8.8Hz,1H),7.43(d,J=2.4Hz,1H),7.29(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),4.28~4.12(m,2H),2.46~2.35(m,2H),2.30~2.01(m,4H),1.30~1.23(m,3H),0.84(t,J=7.5Hz,3H)。
【0245】
実施例15.(4R)-4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.15a)および(4S)-4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.15b)の合成
【化19】
ステップ1.O5-ベンジル O1-エチル (2R)-2-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートおよびO5-ベンジル O1-エチル (2S)-2-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-ブロモアセチル)-2-エチル-ペンタンジオエート(1g、2.50mmol、1eq)のジオキサン(10mL)溶液に、(2,4-ジクロロフェニル)チオウレア(553.77mg、2.50mmol、1eq)およびTEA(760.30mg、7.51mmol、1.05mL、3eq)を添加した。混合物を、80℃で3時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、次いで濾過し、濃縮した。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=20/1~4/1)によって精製し、ラセミ生成物(700mg、純粋ではない)を得た。これを逆相MPLCにより再精製し、ラセミ体(390mg、純度97%)を得た。これをSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm×30mm、10um)、移動相[0.1%NH
3H
2O IPA]、B%:30%-30%、6分)によって分離し、化合物P1:(110mg、197.66umol、収率7.89%、純度93.7%、99.44%ee、Rt=2.870分)を黄色油状物として、P2(100mg、173.88umol、収率6.94%、純度90.67%、95.28%ee、Rt=2.970分)を黄色油状物として得た。
【0246】
P1:HPLC:(H2O中、10~80% ACN、6分)、SFC:Rt=2.870分。
【0247】
P2:HPLC:(H2O中、10~80% ACN、6分)、SFC:Rt=2.970分。
【0248】
ステップ2.(4R)-4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸および(Cmp.15a)の合成
O5-ベンジル O1-エチル (2R)-2-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(110.00mg、210.95umol、1eq)のDCM(2mL)溶液に、BBr3(158.54mg、632.84umol、60.98uL、3eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、PE(100mL)で洗浄した。残渣をACN(20mL)に溶解した。混合物のpHを、NH3・H2O(25%)で9に調整し、prep-HPLC(中性条件)によって精製して、表題化合物(17.8mg、40.90umol、収率19.39%、純度99.10%、99.58%ee、Rt=2.752分)を黄色固体として得た。
【0249】
LCMS:(M-H+):5.659分で430.9(H2O中、0~100% ACN、10分)。
【0250】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.40(d,J=8.8Hz,1H),7.41(d,J=2.4Hz,1H),7.24(dd,J=2.4,9.0Hz,1H),6.73(s,1H),4.15(q,J=7.1Hz,2H),2.44~2.21(m,2H),2.14~1.95(m,4H),1.21(t,J=7.1Hz,3H),0.80(t,J=7.5Hz,3H)。
【0251】
SFC:Rt=2.752分。
【0252】
ステップ3.(4S)-4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.15b)の合成
O5-ベンジル O1-エチル (2S)-2-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(100.00mg、191.77umol、1eq)のDCM(5mL)溶液に、BBr3(144.13mg、575.31umol、55.43uL、3eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、PE(100mL)で洗浄した。残渣をACN(20mL)に溶解した。混合物のpHを、NH3・H2O(25%)で9に調整し、prep-HPLC(中性条件)によって精製して、表題化合物(25.1mg、57.39umol、収率29.93%、純度98.63%、93.12%ee、Rt=2.894分)を黄色固体として得た。
【0253】
LCMS:(M-H+):5.654分で430.9(H2O中、0~100% ACN、10分)。
【0254】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.40(d,J=9.0Hz,1H),7.41(d,J=2.4Hz,1H),7.24(dd,J=2.4,9.0Hz,1H),6.73(s,1H),4.15(q,J=7.1Hz,2H),2.39~2.27(m,2H),2.13~1.96(m,4H),1.21(t,J=7.2Hz,3H),0.79(t,J=7.4Hz,3H)。
SFC:Rt=2.894分。
【0255】
実施例16.4-tert-ブトキシカルボニル-4-[6-(4-メチルアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸(Cmp.16)の合成
【化20】
4-tert-ブトキシカルボニル-4-[6-(4-メチルアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸(Cmp.16)の合成
O5-ベンジル O1-tert-ブチル 2-エチル-2-[6-(4-メチルアニリノ)ピラジン-2-イル]ペンタンジオエート(0.1g、204.25umol、1eq)のMeOH(5mL)溶液に、Pd/C(0.1g、10%純度)をN
2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H
2で数回パージした。混合物を、H
2(15psi)下、15℃で0.5時間撹拌した。これを濾過し、濾液を高減圧下で濃縮した。残渣を、prep-HPLC(中性条件)によって精製して、表題化合物(44.8mg、111.56umol、収率54.62%、純度99.48%)を黄色固体として得た。
【0256】
LCMS:(M+H+):2.120分で400.1(H2O中、15~100% ACN、4.5分)。1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 7.95(s,1H),7.80(s,1H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),7.09(d,J=8.3Hz,2H),2.46~2.31(m,2H),2.29(s,3H),2.19~2.05(m,4H),1.38(s,9H),0.85(t,J=7.4Hz,3H)。
【0257】
実施例17.4-エトキシカルボニル-4-[6-(2-メトキシアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸(Cmp.17(RS))の合成
【化21】
ステップ1.O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[6-(2-メトキシアニリノ)ピラジン-2-イル]ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)-2-エチル-ペンタンジオエート(170mg、434.94umol、1eq)のジオキサン(3mL)溶液に、2-メトキシアニリン(66.95mg、543.67umol、61.43uL、1.25eq)、Xantphos(62.92mg、108.73umol、0.25eq)、K
2CO
3(180.34mg、1.30mmol、3eq)およびPd(OAc)
2(9.76mg、43.49umol、0.1eq)を添加した。混合物を、N
2下、90℃で12時間撹拌した。これを室温まで冷却し、水(15mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(15mL×3)、塩水で洗浄し(15mL×3)、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=10/1~2/1)によって精製し、表題化合物(200mg、276.41umol、収率63.55%、純度66%)を褐色油状物として得た。
【0258】
LCMS:(M+H+):1.552分で478.2(H2O中、10~90% ACN、2分)。
【0259】
ステップ2.4-エトキシカルボニル-4-[6-(2-メトキシアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸(Cmp.17、(RS))の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-[6-(2-メトキシアニリノ)ピラジン-2-イル]ペンタンジオエート(170mg、355.98umol、1eq)のMeOH(10mL)溶液に、Pd/C(0.2g、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、20℃で0.5時間撹拌した(15psi)。これを濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(27.1mg、純度99.09%、HCl塩として)を黄色固体として得た。
【0260】
LCMS:(M+H+):2.696分で388.2(H2O中、0~100% ACN、4.5分)。
【0261】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.30~8.23(m,1H),8.14(s,1H),7.86(s,1H),7.03~6.99(m,2H),6.94~6.88(m,1H),4.21~4.11(m,2H),3.92(s,3H),2.50~2.28(m,2H),2.20~2.06(m,4H),1.17(t,J=7.2Hz,3H),0.85(t,J=7.5Hz,3H)。
【0262】
実施例18.4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.18)の合成
【化22】
ステップ1.メチル 2-エチルブタノエートの合成
2-エチルブタン酸(25g、215.22mmol、27.11mL、1eq)およびSOCl
2(43.53g、365.88mmol、26.54mL、1.7eq)の混合物を、90℃で2時間撹拌した。次いで、これを室温まで冷却し、高減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を0℃まで冷却し、MeOH(20.69g、645.67mmol、26.13mL、3eq)を慎重に添加した。次いで、得られた混合物を90℃で2時間撹拌した。これを30℃未満の高減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を蒸留して、表題化合物(20g、153.63mmol、収率71.38%)を無色油状物として得た。
【0263】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 3.75~3.60(m,3H),2.22(tt,J=5.5,8.6Hz,1H),1.73~1.39(m,4H),0.89(t,J=7.4Hz,6H)。
【0264】
ステップ2.メチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)-2-エチル-ブタノエートの合成
N-シクロヘキシルシクロヘキサンアミン(3.34g、18.44mmol、3.67mL、1.2eq)のトルエン(40mL)溶液に、0℃でn-BuLi(2.5M、7.37mL、1.2eq)を滴下して加えた。トルエン(5mL)中のメチル 2-エチルブタノエート(2g、15.36mmol、1eq)を添加する前に、混合物を0℃で10分間撹拌し、0.5時間後、混合物を、2,6-ジクロロピラジン(2.29g、15.36mmol、1eq)およびPd2(dba)3(140.68mg、153.63umol、0.01当量)のトルエン(10mL)溶液に添加した。最後に、トリtert-ブチルホスファン(621.63mg、307.26umol、721.15uL、純度10%、0.02eq)を上述の混合物に添加し、5℃で1時間撹拌した。これを水(100mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=100/1、3/1)によって精製して、表題化合物(2.4g、6.82mmol、収率44.41%、純度69%)を黄色油状物として得た。
【0265】
LCMS:(M+H+):1.170分で243.3(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0266】
ステップ3.メチル 2-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタノエートの合成
メチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)-2-エチル-ブタノエート(2.4g、9.89mmol、1eq)および2,4-ジフルオロアニリン(1.92g、14.83mmol、1.5eq)のジオキサン(30mL)溶液に、Pd(OAc)2(222.01mg、988.87umol、0.1eq)、Xantphos(1.14g、1.98mmol、0.2eq)およびK2CO3(2.73g、19.78mmol、2eq)を添加した。混合物を100℃で12時間撹拌した。これを水(10mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(50mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(3g、8.95mmol、収率90.47%)を褐色固体として得た。
【0267】
ステップ4.メチル 2-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタノエートの合成
メチル 2-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタノエート(1g、2.98mmol、1eq)のDMF(10mL)溶液に、NaH(155.05mg、3.88mmol、純度60%、1.3eq)を0℃で添加した。0.5時間後、1-(クロロメチル)-4-メトキシ-ベンゼン(560.41mg、3.58mmol、487.31uL、1.2eq)を上述のものに添加し、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。残渣を水(50mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(50mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(1g、2.20mmol、収率73.62%)を褐色固体として得た。
【0268】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 7.86(s,1H),7.50(s,1H),7.36~7.22(m,1H),7.18~7.07(m,3H),7.07~6.96(m,1H),6.80(d,J=8.6Hz,2H),5.02(s,2H),3.74(s,3H),3.64(s,3H),2.16~2.06(m,4H),0.75(t,J=7.4Hz,6H)。
【0269】
ステップ5.2-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタン-1-オールの合成
メチル 2-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノメチル 2-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタノエート(0.9g、1.98mmol、1eq)のTHF溶液(30mL)に、LiAlH4(149.99mg、3.95mmol、2eq)を0℃で添加し、次いで、混合物を0℃で1時間撹拌した。これをHCl水溶液(50mL、1N)でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧下で濃縮して、表題化合物(1g、粗生成物)を黄色油状物として得て、次のステップで直接使用した。
【0270】
ステップ6.2-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタナールの合成
(COCl)2(593.83mg、4.68mmol、409.53uL、2eq)のDCM(15mL)溶液に、反応物を15分間撹拌した後、DMSO(365.55mg、4.68mmol、365.55uL、2eq)を-78℃で添加した。DCM(3mL)中の2-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタン-1-オール(1g、2.34mmol、1eq)を上述の溶液に添加し、30分間撹拌した。次いで、TEA(1.18g、11.70mmol、1.63mL、5eq)を滴下して加えた。混合物を0℃まで加温し、この温度で1時間撹拌した。これをSat.NH4Cl溶液(50mL)でクエンチし、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.7g、1.41mmol、収率60.49%、純度86%)を黄色油状物として得た。
【0271】
LCMS:(M+H+):1.597分で426.1(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0272】
ステップ7.メチル (E)-4-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエートの合成
2-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタナール(0.3g、705.10umol、1eq)のTHF溶液(10mL)に、NaH(56.41mg、1.41mmol、純度60%、2eq)を0℃で添加した。0.5時間後、メチル 2-ジエトキシホスホリルアセテート(296.38mg、1.41mmol、2eq)を上述のものに添加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。これを水(20mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(50mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、2/1)によって精製して、表題化合物(0.28g、523.33umol、収率74.22%、純度90%)を黄色油状物として得た。
【0273】
ステップ8.メチル 4-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
メチル (E)-4-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエート(0.2g、415.34umol、1eq)のMeOH(10mL)溶液に、Pd(OH)2/C(500.00mg、純度20%)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、15℃で1時間撹拌した。これを濾過し、濾液を高減圧下で濃縮して、表題化合物(0.2g、粗生成物)を黄色油状物として得て、これを次のステップで直接使用した。
【0274】
LCMS:(M+H+):1.440分で484.2(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0275】
ステップ9.メチル 4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
TFA(5mL)中のメチル 4-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(0.2g、413.61umol、1eq)の混合物を80℃で1時間撹拌した。
【0276】
これを高減圧下で濃縮して残渣を得て、pHを、Sat.NaHCO3溶液で9に調整し、水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、2/1)によって精製して、表題化合物(0.13g)を黄色油状物として得た。
ステップ10.4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.18)の合成
【0277】
メチル 4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(0.1g、275.18umol、1eq)のMeOH(1mL)/THF(5mL)/H2O(1mL)溶液に、LiOH・H2O(57.74mg、1.38mmol、5eq)を添加し、反応物を15℃で1時間撹拌した。反応混合物のpHをHCl水溶液(1N)で5に調整し、混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl)によって精製して、表題化合物(63.2mg、純度95.1%、HCl塩として)を黄色油状物として得た。
【0278】
LCMS:(M+H+):2.820分で350.2(H2O中、10~100% ACN、4.5分)。
【0279】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.09~8.00(m,2H),7.93(s,1H),7.05(ddd,J=2.8,8.6,11.2Hz,1H),6.99~6.89(m,1H),2.07(s,4H),1.87~1.68(m,4H),0.74(t,J=7.4Hz,6H)。
【0280】
実施例19.4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)-3-エチル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.19)の合成
【化23】
ステップ1.2-[3-ブロモ-6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタン-1-オールの合成
2-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタン-1-オール(1.7g、3.98mmol、1eq)のACN(20mL)溶液に、NBS(743.19mg、4.18mmol、1.05eq)を添加した。混合物を、25℃で2時間撹拌した。反応完了後、混合物を水(50mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(30mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.85g、1.51mmol、収率37.99%、純度90%)を黄色油状物として得た。
【0281】
ステップ2.2-[3-ブロモ-6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタナールの合成
2-[3-ブロモ-6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタン-1-オール(0.85g、1.68mmol、1eq)のDCM(20mL)溶液に、Dess-Martinペルヨージネート(854.34mg、2.01mmol、623.61uL、1.2eq)を添加した。混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応完了後、これをSat.NaHCO3(20mL)でクエンチし、DCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.6g、1.19mmol、収率70.87%)を黄色油状物として得た。
【0282】
ステップ3.メチル (E)-4-[3-ブロモ-6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエートの合成
メチル 2-ジエトキシホスホリルアセテート(412.82mg、1.96mmol、2eq)のDMF(10mL)溶液に、LiCl(41.64mg、982.14umol、20.11uL、1eq)およびDBU(299.04mg、1.96mmol、296.08uL、2eq)を添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、2-[3-ブロモ-6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタナールおよびメチル (E)-4-[3-ブロモ-6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエート(0.55g、982.14umol、1eq)の混合物を上述の溶液に添加し、得られた混合物を25℃で15.5時間撹拌した。反応完了後、これを水(30mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.6g、粗生成物)を黄色油状物として得た。
【0283】
ステップ4.メチル (E)-4-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]-3-ビニル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエートの合成の合成
メチル (E)-4-[3-ブロモ-6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエート(0.6g、1.07mmol、1eq)、カリウムトリフルオロビニル(ビニル)ボラヌイド(717.04mg、5.35mmol、5eq)のTHF(10mL)/H2O(2mL)溶液に、K3PO4(454.52mg、2.14mmol、2eq)およびジtert-ブチル(シクロペンチル)ホスファン;ジクロロパラジウム;鉄(34.89mg、53.53umol、0.05eq)を添加した。混合物を、N2下、80℃で12時間撹拌した。反応完了後、これを室温まで冷却し、水(30mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(40mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.3g、粗生成物)を黄色油状物として得た。
【0284】
LCMS:(M+H+):1.516分で508.2(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0285】
ステップ5.メチル (E)-4-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]-3-エチル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエートの合成
メチル (E)-4-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]-3-ビニル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエート(0.3g、591.05umol、1eq)のMeOH(10mL)溶液に、Pd/C(0.3g、純度10%)およびTFA(134.78mg、1.18mmol、87.52uL、2eq)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、25℃で16時間撹拌した。反応完了後、これを濾過し、濾液を高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(0.14g、274.73umol、収率46.48%)を無色油状物として得た。
【0286】
LCMS:(M+H+):1.327分で510.3(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0287】
ステップ6.メチル 4-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]-3-エチル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
メチル (E)-4-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]-3-エチル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエート(0.14g、274.73umol、1eq)のMeOH(4mL)溶液に、Pd(OH)2/C(0.2g、284.83umol、純度20%)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、25℃で1時間撹拌した。反応完了後、これを濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物(0.1g、粗生成物)を黄色油状物として得た。
【0288】
LCMS:(M+H+):1.409分で512.3(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0289】
ステップ7.メチル 4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)-3-エチル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
メチル 4-[6-[2,4-ジフルオロ-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]アニリノ]-3-エチル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(0.1g、195.46umol、1eq)のTFA溶液(2mL)を75℃で2時間撹拌した。反応完了後、これを高減圧中で濃縮し、残渣のpHを、Sat.NaHCO3で9に調整した。水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(60mg、153.27umol、収率78.42%)を黄色油状物として得た。
【0290】
ステップ8.4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)-3-エチル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.19)の合成
メチル 4-[6-(2,4-ジフルオロアニリノ)-3-エチル-ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(0.04g、102.18umol、1eq)のTHF(3mL)/MeOH(1mL)/H2O(1mL)溶液に、LiOH・H2O(21.44mg、510.92umol、5eq)を添加した。混合物を、25℃で2時間撹拌した。反応完了後、pHを、HCl水溶液(1N)で3に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(32.2mg、純度100%、HCl塩として)を黄色固体として得た。
【0291】
LCMS:(M+H+):2.532分で378.2(H2O中、5~95% ACN、6.0分)。
【0292】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.12~8.05(m,1H),8.01(s,1H),7.06~6.89(m,2H),2.96(q,J=7.5Hz,2H),2.24~2.15(m,2H),2.11~2.04(m,2H),1.98~1.79(m,4H),1.28(t,J=7.4Hz,3H),0.70(t,J=7.4Hz,6H)。
【0293】
実施例20.4-[6-(2,5-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.20、(RS))の合成
【化24】
ステップ1.O5-ベンジル O1-エチル 2-[6-(2,5-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)-2-エチル-ペンタンジオエート(200mg、511.69umol、1eq)のジオキサン(2mL)溶液に、2,5-ジフルオロアニリン(82.58mg、639.62umol、64.51uL、1.25eq)、Xantphos(74.02mg、127.92umol、0.25eq)、K
2CO
3(212.16mg、1.54mmol、3eq)およびPd(OAc)
2(11.49mg、51.17umol、0.1eq)を添加した。混合物を、N
2下、95℃で12時間撹拌した。反応完了後、これを水(15mL)に注ぎ、EtOAcで抽出し(15×3mL)、塩水で洗浄し(15×3mL)、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=10/1~2/1)によって精製し、表題化合物(160mg、277.97umol、収率54.32%、純度84%)を褐色油状物として得た。
【0294】
LCMS:(M+H+):1.264分で484.3(H2O中、5~95% ACN、2分)。
【0295】
ステップ2.4-[6-(2,5-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.20)の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-[6-(2,5-ジフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(160mg、330.92umol、1eq)のMeOH(5mL)溶液に、Pd/C(0.1g、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、20℃で1時間撹拌した。反応完了後、これを濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(27.4mg、63.55umol、収率19.21%、純度99.70%、HCl塩として)を黄色固体として得た。
【0296】
LCMS:(M+H+):2.782分で394.1(H2O中、0~100% ACN、4.5分)。
【0297】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.29~8.16(m,2H),8.02(s,1H),7.14(ddd,J=5.1,9.1,11.0Hz,1H),6.79~6.64(m,1H),4.20(q,J=7.1Hz,2H),2.52~2.41(m,1H),2.41~2.30(m,1H),2.21~2.11(m,4H),1.19(t,J=7.1Hz,3H),0.86(t,J=7.5Hz,3H)。
【0298】
実施例21.4-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.21)の合成
【化25】
ステップ1.メチル 4-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
メチル 6-ブロモ-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘプタノエート(400mg、1.36mmol、1eq)のMeOH(4mL)溶液に、(2,4-ジフルオロフェニル)チオウレア(308.10mg、1.64mmol、1.2eq)を添加した。混合物を、80℃で24時間撹拌した。反応完了後、これを室温まで冷却し、濃縮した。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製して、表題化合物(0.18g、376.50umol、収率27.60%、純度80%)を黄色油状物として得た。
【0299】
LCMS:(M+H+):2.385分で383.2(H2O中、5~95% ACN、4.5分)。
【0300】
ステップ2.4-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.21)の合成
メチル 4-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(0.18g、470.63umol、1eq)のEtOH(1mL)、THF(4mL)およびH2O(1mL)中の溶液に、LiOH・H2O(59.25mg、1.41mmol、3eq)を添加した。混合物を、25℃で3時間撹拌した。反応完了後、これを水(10mL)に注ぎ、pHを、aq.HCl(1N)で3に調整し、EtOAcで抽出した(10mL×3)。合わせた有機層を、塩水(10mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、prep-HPLC(中性条件)によって精製して、表題化合物(7.5mg、19.39umol、収率4.12%、純度95.27%)を白色固体として得た。
【0301】
LCMS:(M+H+):2.486分で369.1(H2O中、5~95% ACN、6分)。
【0302】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.41(dt,J=6.0,9.4Hz,1H),6.95(ddd,J=2.9,8.7,11.6Hz,1H),6.91~6.83(m,1H),2.36(s,3H),2.24~2.01(m,4H),1.90~1.69(m,4H),0.80(t,J=7.4Hz,6H)。
【0303】
実施例22.メチル 4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエートおよび4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.22a)、ならびに4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.22b)の合成
【化26】
ステップ1.メチル 4-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
メチル 6-ブロモ-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘキサノエート(670mg、2.40mmol、1eq)のMeOH(8mL)溶液に、(2,4-ジフルオロフェニル)チオウレア(496.84mg、2.64mmol、1.1eq)を添加した。混合物を、70℃で1時間撹拌した。反応完了後、これを濃縮した。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=10/1~1/1)によって精製して、表題化合物(400mg、純度70%)を黄色固体として得た。
【0304】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 8.21~8.06(m,1H),6.96~6.81(m,2H),6.25(s,1H),3.64(s,3H),2.16~2.09(m,2H),2.04~1.98(m,2H),1.69(qd,J=7.0,12.1Hz,4H),0.74(t,J=7.5Hz,6H)。
【0305】
ステップ2.メチル 4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(Cmp.22a)の合成
メチル 4-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(0.31g、841.38umol、1eq)のCHCl3(3mL)溶液に、Br2(161.35mg、1.01mmol、52.05uL、1.2eq)を0℃で添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応完了後、これをsat.NaHCO3(30mL)に注ぎ、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(30mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製し、表題化合物(90mg、100.60umol、収率11.96%、純度50%)を褐色油状物として得て、次のステップで直接使用した。30mgの粗生成物を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(2mg、3.98umol、収率5.93%、純度96.24%、HCl)を黄色固体として得た。
【0306】
LCMS:(M+H+):3.214分で449.1(H2O中、5~95% ACN、6分)。
【0307】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.36(dt,J=6.1,9.3Hz,1H),6.99(ddd,J=2.8,8.6,11.4Hz,1H),6.94~6.87(m,1H),3.63(s,3H),2.19(q,J=5.6Hz,4H),2.01~1.80(m,4H),0.87~0.71(m,6H)。
【0308】
ステップ3.4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.22b)の合成
メチル 4-[5-ブロモ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(70mg、156.48umol、1eq)のTHF(2mL)、MeOH(0.4mL)およびH2O(0.4mL)中の溶液に、LiOH・H2O(19.70mg、469.45umol、3eq)を添加した。混合物を、25℃で3時間撹拌した。反応完了後、pHを、HCl水溶液(1N)で6に調整し、濃縮した。混合物を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(7.5mg、純度100%、HCL塩)を白色固体として得た。
【0309】
LCMS:(M+H+):2.881分で432.9(H2O中、5~95% ACN、6分)。
【0310】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.38(dt,J=6.0,9.3Hz,1H),6.99(ddd,J=2.8,8.6,11.5Hz,1H),6.93~6.87(m,1H),2.18(s,4H),2.01~1.82(m,4H),0.87~0.77(m,6H)。
【0311】
実施例23.4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.23(RS))の合成
【化27】
ステップ1.エチル 2-エチル-3-オキソ-ペンタノエートの合成
エチル 3-オキソペンタノエート(5g、34.68mmol、1eq)のTHF(50mL)溶液に、NaH(1.53g、38.15mmol、純度60%、1.1eq)を0℃で添加し、反応物を0.5時間撹拌し、次いでヨウ化エチル(5.95g、38.15mmol、3.05mL、1.1eq)を添加し、得られた混合物を80℃まで加熱し、この温度で12時間撹拌した。これを15℃まで冷却し、水(50mL)に注ぎ、水相を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(30mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=0/1、50/1)によって精製して、表題化合物(4g、20.90mmol、収率60.27%、純度90%)を無色油状物として得た。
【0312】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 4.24~4.11(m,2H),3.36(t,J=7.4Hz,1H),2.68~2.44(m,2H),1.95~1.83(m,2H),1.27(t,J=7.1Hz,3H),1.08(t,J=7.3Hz,3H),0.93(t,J=7.4Hz,3H)。
【0313】
ステップ2.O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-プロパノイル-ペンタンジオエートの合成
DME(10mL)中のエチル 2-エチル-3-オキソ-ペンタノエート(1.2g、6.97mmol、1eq)、ベンジルプロパ-2-エノエート(1.70g、10.45mmol、1.5eq)およびLiOH・H2O(584.79mg、13.94mmol、2eq)の混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)に注ぎ、水相を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(10mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=0/1、10/1)によって精製して、表題化合物(1g、2.69mmol、収率38.63%、純度90%)を黄色油状物として得た。
【0314】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 7.43~7.30(m,5H),5.11(s,2H),4.25~4.14(m,2H),2.50~2.35(m,2H),2.29~2.14(m,4H),1.95~1.84(m,2H),1.29~1.20(m,3H),1.06(t,J=7.2Hz,3H),0.78(t,J=7.6Hz,3H)。
【0315】
ステップ3.O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-ブロモプロパノイル)-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-エチル-2-プロパノイル-ペンタンジオエート(0.4g、1.20mmol、1eq)のCHCl3(5mL)溶液に、Br2(210.27mg、1.32mmol、67.83uL、1.1eq)を滴下して加え、混合物を20℃で2時間撹拌した。これを、sat.NaHCO3(20mL)でクエンチし、水相を、EtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮して、表題化合物(0.5g、粗生成物)を黄色油状物として得て、これを次のステップで直接使用する。
【0316】
ステップ4.O5-ベンジル O1-エチル 2-(2-アミノ-5-メチル-チアゾール-4-イル)-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
EtOH(5mL)中のO5-ベンジル O1-エチル 2-(2-ブロモプロパノイル)-2-エチル-ペンタンジオエート(0.45g、1.09mmol、1eq)およびチオウレア(82.88mg、1.09mmol、1eq)の混合物を80℃で12時間撹拌した。これを高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、0/1、5%MeOHを含有していた)によって精製して、表題化合物(0.37g、540.08umol、収率49.60%、純度57%)を黄色油状物として得た。
【0317】
LCMS:(M+H+):1.102分で391.1(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0318】
ステップ5.O5-ベンジル O1-エチル 2-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
2,4-ジクロロ-1-ヨード-ベンゼン(314.48mg、1.15mmol、1.5eq)およびO5-ベンジル O1-エチル 2-(2-アミノ-5-メチルチアゾール-4-イル)-2-エチル-ペンタンジオエート(0.3g、768.25umol、1eq)のトルエン(10mL)/H2O(1mL)溶液に、K2CO3(318.53mg、2.30mmol、3eq)、Pd2(dba)3(70.35mg、76.83umol、0.1eq)およびXantphos(88.91mg、153.65umol、0.2eq)を添加した。混合物をN2で数回パージし、100℃で24時間撹拌した。残渣を水(15mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(15mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=0/1、5/1)によって精製して、表題化合物(0.18g、215.13umol、収率28.00%、純度64%)を黄色油状物として得た。
【0319】
LCMS:(M+H+):1.363分で535.1(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0320】
ステップ6.4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.23)の合成
O5-ベンジル O1-エチル 2-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(0.15g、280.12umol、1eq)のDCM(10mL)溶液に、BBr3(350.88mg、1.40mmol、134.96uL、5eq)を0℃で滴下して加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。これを高減圧中で濃縮した。残渣を、PE:EtOAcの混合物(5:1、10mL)で洗浄し、黄色固体が形成され、これを濾過し、ケーキを集めた。次いで、ケーキを、ACN(3mL)に溶解させ、NH3・H2O(30%)でpHを9に調整した。これをprep-HPLC(中性条件)によって精製して、表題化合物(47.5mg、純度100%)を無色油状物として得た。
【0321】
LCMS:(M+H+):2.852分で444.9(H2O中、5~95% ACN、6.0分)。
【0322】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.41(d,J=8.9Hz,1H),7.39(d,J=2.4Hz,1H),7.24(dd,J=2.4,8.9Hz,1H),4.25~4.15(m,2H),2.38~2.31(m,2H),2.24~2.19(m,2H),2.18(s,3H),2.11(quin,J=7.1Hz,2H),1.26(t,J=7.1Hz,3H),0.85(t,J=7.4Hz,3H)。
【0323】
実施例24.4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.24)の合成
【化28】
ステップ1.メチル 4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
メチル 6-ブロモ-4,4-ジエチル-5-オキソ-ヘプタノエート(400mg、1.36mmol、1eq)のMeOH(4mL)溶液に、(2,4-ジクロロフェニル)チオウレア(331.81mg、1.50mmol、1.1eq)を添加した。混合物を、80℃で24時間撹拌した。反応完了後、これを濃縮した。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製して、表題化合物(150mg、234.73umol、収率17.21%、純度65%)を黄色油状物として得た。
【0324】
LCMS:(M+H+):2.609分で415.1(H2O中、5~95% ACN、4.5分)。
【0325】
ステップ2.4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.24)の合成
メチル 4-[2-(2,4-ジクロロアニリノ)-5-メチル-チアゾール-4-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(150mg、361.12umol、1eq)のTHF(4mL)、EtOH(1mL)およびH2O(1mL)中の溶液に、LiOH・H2O(45.46mg、1.08mmol、3eq)を添加した。混合物を、25℃で3時間撹拌した。反応完了後、これを水(30mL)に注ぎ、pHを、aq.HCl(1M)で3に調整し、EtOAcで抽出した(30mL×3)。合わせた有機層を、塩水(30mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製して、表題化合物(11.6mg、28.66umol、収率7.94%、純度99.17%)を黄色油状物として得た。
【0326】
LCMS:(M+H+):2.865分で401.1/403.1(H2O中、5~95% ACN、6分)。
【0327】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.40(d,J=9.0Hz,1H),7.39(d,J=2.4Hz,1H),7.23(dd,J=2.5,8.9Hz,1H),2.38(s,3H),2.22~1.97(m,4H),1.81(tdd,J=7.1,14.3,18.0Hz,4H),0.80(t,J=7.4Hz,6H)。
【0328】
実施例25.4-[5-シアノ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.25(RS))の合成
【化29】
ステップ1.O1-エチル O5-メチル 2-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
(2,4-ジフルオロフェニル)チオウレア(1.60g、8.51mmol、1.1eq)およびO1-エチル O5-メチル 2-(2-ブロモアセチル)-2-エチルペンタンジオエート(2.5g、7.74mmol、1eq)のジオキサン(30mL)溶液に、TEA(2.35g、23.21mmol、3.23mL、3eq)を添加した。混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1、3/1)によって精製して、表題化合物(2g、純度80%)を黄色油状物として得た。
【0329】
ステップ2.O1-エチル O5-メチル 2-[5-ブロモ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
O1-エチル O5-メチル 2-[2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(1.9g、4.61mmol、1eq)のCHCl3(2mL)溶液に、NBS(901.89mg、5.07mmol、1.1eq)を添加し、混合物を25℃で1時間撹拌した。残渣を水(20mL)に注いだ。水相を、DCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=20/1、5/1)によって精製して、表題化合物(1g、1.42mmol、収率30.93%、純度70%)を黄色油状物として得た。
【0330】
ステップ3.O1-エチル O5-メチル 2-[5-シアノ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
O1-エチル O5-メチル 2-[5-ブロモ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(0.3g、610.57umol、1eq、反応剤1)のDMF(5mL)溶液に、CuCN(109.37mg、1.22mmol、266.75uL、2eq)を添加し、混合物を120℃で1時間撹拌した。LCMSは、反応剤1が残存しており、微量の所望の化合物が検出されたことを示した。次いで、混合物を2時間かけて140℃まで加熱した。反応の完了後、残渣を25℃まで冷却し、EDTA二ナトリウム溶液(30mL、5%)に注ぎ、5分間撹拌した。水相を、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1、0/1)によって精製して、表題化合物(30mg、純度85%)を黄色油状物として得た。
【0331】
LCMS:(M+H+):1.206分で438.1(H2O中、5~95% ACN、2.0分)。
【0332】
ステップ4.4-[5-シアノ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.25)の合成
O1-エチル O5-メチル 2-[5-シアノ-2-(2,4-ジフルオロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(30mg、68.58umol、1eq)のTHF(1mL)/MeOH(0.5mL)/H2O(0.5mL)中の溶液に、LiOH・H2O(14.39mg、342.89umol、5eq)を添加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。これを水(10mL)に注いだ。水相を、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を廃棄した。水相のpHを、HCl水溶液(1N)で5に調整し、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣を、prep-HPLC(FA条件)によって精製して、表題化合物(9mg、19.17umol、収率27.96%、純度100%、FA塩として)を黄色固体として得た。
【0333】
LCMS:(M+H+):2.527分で424.0(H2O中、5~95% ACN、6.0分)。
【0334】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.22(dt,J=5.9,9.2Hz,1H),7.07(ddd,J=2.8,8.5,11.3Hz,1H),7.01~6.94(m,1H),4.28~4.17(m,2H),2.44~2.38(m,2H),2.30~2.08(m,4H),1.27(t,J=7.1Hz,3H),0.88(t,J=7.4Hz,3H)。
【0335】
実施例26.4-[6-[(3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)アミノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.26)の合成
【化30】
ステップ1.メチル 4-[6-[(3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)アミノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
メチル 4-(6-アミノピラジン-2-イル)-4-エチル-ヘキサノエート(100mg、397.89umol、1eq)のジオキサン(2mL)溶液に、2-ブロモ-3,5-ジフルオロ-ピリジン(92.62mg、477.47umol、1.2eq)、Xantphos(34.53mg、59.68umol、0.15eq)、Pd
2(dba)
3(36.44mg、39.79umol、0.1eq)、およびCs
2CO
3(259.28mg、795.79umol、2eq)を添加した。混合物を、N
2下、110℃で12時間撹拌した。反応完了後、これを水(30mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した(30mL×3)。合わせた有機層を、塩水(30mL×3)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製して、表題化合物(100mg、200.34umol、収率50.35%、純度73%)を黄色油状物として得た。
【0336】
LCMS:(M+H+):2.849分で365.1(H2O中、10~80% ACN、4.5分)。
【0337】
ステップ2.4-[6-[(3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)アミノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.26)の合成
メチル 4-[6-[(3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)アミノ]ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(60mg、164.66umol、1eq)のTHF(1.2mL)、MeOH(0.3mL)およびH2O(0.3mL)中の溶液に、LiOH・H2O(13.82mg、329.32umol、2eq)を添加した。混合物を、25℃で1時間撹拌した。反応完了後、これを水(30mL)に注ぎ、pHを、HCl水溶液(1M)で2に調整し、EtOAcで抽出した(10mL×3)。合わせた有機層を、塩水(10mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(20.2mg、純度100%、HCl)を黄色固体として得た。
【0338】
LCMS:(M+H+):2.370分で351.1(H2O中、5~95% ACN、6分)。
【0339】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 9.22(s,1H),8.27(s,1H),8.19(d,J=2.4Hz,1H),7.78~7.66(m,1H),2.14(s,4H),1.92~1.81(m,4H),0.77(t,J=7.4Hz,6H)。
【0340】
実施例27.4-[5-クロロ-2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.27(RS))の合成
【化31】
ステップ1.O1-エチル O5-メチル 2-[2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
O1-エチル O5-メチル 2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-エチル-ペンタンジオエート(0.35g、1.17mmol、1eq)および1-クロロ-2-ヨード-ベンゼン(361.20mg、1.51mmol、1.3eq)のトルエン(5mL)/H
2O(0.5mL)溶液に、Pd
2(dba)
3(53.35mg、58.26umol、0.05eq)、Xantphos(67.42mg、116.52umol、0.1eq)およびK
2CO
3(322.08mg、2.33mmol、2eq)を添加した。混合物を、110℃で16時間撹拌した。得られた混合物を水(30mL)に注ぎ、次いで、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(50mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=0/1、10/1)によって精製して、表題化合物(0.35g、681.41umol、収率58.48%、純度80%)を黄色油状物として得た。
【0341】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-)δ ppm 8.18(d,J=8.3Hz,1H),7.51(s,1H),7.38(d,J=8.0Hz,1H),6.95(t,J=7.7Hz,1H),6.64(s,1H),4.21(q,J=7.1Hz,2H),3.65(s,3H),2.47~2.33(m,2H),2.25~2.14(m,2H),2.14~2.07(m,1H),2.05~1.99(m,1H),1.31~1.25(m,3H),0.82(t,J=7.4Hz,3H)。
【0342】
ステップ2.O1-エチル O5-メチル 2-[5-クロロ-2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエートの合成
ACN(8mL)中のO1-エチル O5-メチル 2-[2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(0.15g、365.04umol、1eq)およびNCS(53.62mg、401.54umol、1.1eq)の混合物を60℃で12時間撹拌した。これを高減圧中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=0/1、5/1)によって精製して、表題化合物(0.15g、336.81umol、収率92.27%)を黄色油状物として得た。
【0343】
ステップ3.4-[5-クロロ-2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-4-エトキシカルボニル-ヘキサン酸(Cmp.27)の合成
O1-エチル O5-メチル 2-[5-クロロ-2-(2-クロロアニリノ)チアゾール-4-イル]-2-エチル-ペンタンジオエート(0.15g、336.81umol、1eq)のTHF(5mL)/MeOH(1mL)/H2O(1mL)中の溶液に、LiOH・H2O(70.67mg、1.68mmol、5eq)を添加した。混合物を、25℃で1時間撹拌した。反応混合物のpHを、HCl水溶液(1N)で5に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、高減圧中で濃縮した。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(101.1mg、純度100%、HCl塩として)を白色固体として得た。
【0344】
LCMS:(M+H+):2.751分で431.1/433.0(H2O中、5~95% ACN、6.0分)。
【0345】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.30(dd,J=1.3,8.3Hz,1H),7.39(dd,J=1.4,8.0Hz,1H),7.30~7.21(m,1H),6.99(dt,J=1.4,7.7Hz,1H),4.20(ttd,J=3.5,7.1,10.6Hz,2H),2.43~2.32(m,2H),2.29~2.15(m,3H),2.12~1.99(m,1H),1.26(t,J=7.1Hz,3H),0.86(t,J=7.5Hz,3H)。
【0346】
実施例28.4-[6-(2-クロロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.28)の合成
【化32】
ステップ1.メチル 2-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタノエートの合成
メチル 2-(6-クロロピラジン-2-イル)-2-エチル-ブタノエート(16g、65.92mmol、1eq)のジオキサン(160mL)溶液に、NH
2Boc(11.58g、98.89mmol、1.5eq)、Xantphos(7.63g、13.18mmol、0.2eq)、Cs
2CO
3(42.96g、131.85mmol、2eq)およびPd(OAc)
2(1.48g、6.59mmol、0.1eq)を添加した。混合物を、N
2下、100℃で12時間撹拌した。反応完了後、これを室温まで冷却し、水(300mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した(100mL×3)。合わせた有機層を、塩水(100mL×3)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得た。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製し、表題化合物(14.3g、40.24mmol、収率61.04%、純度91%)を黄色固体として得た。
【0347】
ステップ2.tert-ブチル N-[6-[1-エチル-1-(ヒドロキシメチル)プロピル]ピラジン-2-イル]カルバメートの合成
メチル 2-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピラジン-2-イル]-2-エチル-ブタノエート(14.3g、44.22mmol、1eq)のTHF(140mL)溶液に、LAH(2.01g、53.06mmol、1.2eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で4時間、N2下で撹拌した。反応完了後、これをSat.NH4Cl溶液(100mL)、およびHCl水溶液(20mL、1M)の添加によってクエンチし、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(100mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得た。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製し、表題化合物(7.9g、25.14mmol、収率56.85%、純度94%)を白色固体として得た。
【0348】
ステップ3.tert-ブチル N-[6-(1-エチル-1-ホルミル-プロピル)ピラジン-2-イル]カルバメートの合成
(COCl)2(6.79g、53.49mmol、4.68mL、2eq)のDCM(60mL)溶液に、DMSO(4.18g、53.49mmol、4.18mL、2eq)を-78℃で添加した。混合物を-78℃で0.5時間撹拌した。次いで、DCM(20mL)中のtert-ブチル N-[6-[1-エチル-1-(ヒドロキシメチル)プロピル]ピラジン-2-イル]カルバメート(7.9g、26.75mmol、1eq)を添加した。混合物を、-78℃で1時間撹拌した。次に、TEA(13.53g、133.73mmol、18.61mL、5eq)を-78℃で添加し、混合物を30分かけて25℃まで加温した。TLCは、反応の完了を示した。溶液を、飽和NaHCO3(100mL)に注ぎ、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(100mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得た。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製し、表題化合物(5.5g、14.81mmol、収率55.38%、純度79%)を白色固体として得た。
【0349】
ステップ4.メチル (E)-4-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエートの合成
メチル 2-ジエトキシホスホリルアセテート(4.73g、22.50mmol、1.2eq)のTHF(60mL)溶液に、NaH(1.12g、28.12mmol、純度60%、1.5eq)を0℃で添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次いで、tert-ブチル N-[6-(1-エチル-1-ホルミル-プロピル)ピラジン-2-イル]カルバメート(5.5g、18.75mmol、1eq)を0℃で添加した。これを25℃で1時間撹拌した。反応完了後、これを水(50mL)に注ぎ、EtOAc(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(40mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得た。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製し、表題化合物(5.5g、13.99mmol、収率74.64%、純度88.9%)を黄色油状物として得た。
【0350】
LCMS:(M+H+):2.237分で350.3(H2O中、5~95% ACN、4.5分)。
【0351】
ステップ5.メチル 4-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
メチル (E)-4-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサ-2-エノエート(2.5g、7.15mmol、1eq)のMeOH(20mL)溶液に、Pd/C(2g、純度10%)およびTFA(1.22g、10.73mmol、794.60uL、1.5eq)をN2下で添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下、25℃で7時間撹拌した。反応完了後、これを濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物(6g、粗生成物)を黄色油状物として得て、これを次のステップで直接使用した。
【0352】
ステップ6.メチル 4-(6-アミノピラジン-2-イル)-4-エチル-ヘキサノエートの合成
メチル 4-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(6g、17.07mmol、1eq)のEtOAc(10mL)溶液に、HCl/EtOAc(4M、40mL)を添加した。混合物を、25℃で1時間撹拌した。反応完了後、これを濃縮した。残渣を、逆相HPLC(0.1%TFA条件)で精製した。溶液のpHを、飽和NaHCO3で9に調整し、EtOAcで抽出した(150mL×3)。合わせた有機層を、塩水(150mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、高減圧下で濃縮して、表題化合物(2.6g、8.79mmol、収率51.51%、純度85%)を黄色固体として得た。
【0353】
1H NMR:(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 7.88(s,1H),7.78(s,1H),3.63(s,3H),2.08~2.00(m,4H),1.73(tdd,J=7.1,14.5,17.6Hz,4H),0.70(t,J=7.5Hz,6H)。
【0354】
ステップ7.メチル 4-[6-(2-クロロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエートの合成
メチル 4-(6-アミノピラジン-2-イル)-4-エチル-ヘキサノエート(0.15g、596.84umol、1eq)のジオキサン(2mL)溶液に、1-クロロ-2-ヨード-ベンゼン(170.78mg、716.21umol、1.2eq)、Xantphos(51.80mg、89.53umol、0.15eq)、Pd2(dba)3(54.65mg、59.68umol、0.1eq)およびCs2CO3(388.92mg、1.19mmol、2eq)を添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、N2で数回パージした。混合物を、N2下、100℃で12時間撹拌した。反応完了後、これを室温まで冷却し、水(20mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した(20mL×3)。合わせた有機層を、塩水(20mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得た。残渣を、MPLC(SiO2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製して、表題化合物(150mg)を褐色油状物として得た。
【0355】
LCMS:(M+H+):2.199分で362.2(H2O中、5~95% ACN、4.5分)。
【0356】
ステップ8.4-[6-(2-クロロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサン酸(Cmp.28)の合成
メチル 4-[6-(2-クロロアニリノ)ピラジン-2-イル]-4-エチル-ヘキサノエート(150mg、414.52umol、1eq)のTHF(2mL)、MeOH(0.5mL)およびH2O(0.5mL)中の溶液に、LiOH・H2O(52.18mg、1.24mmol、3eq)を添加した。混合物を、25℃で2時間撹拌した。反応完了後、これを水(10mL)に注ぎ、pHを、HCl水溶液(1M)で3に調整し、EtOAcで抽出した(10mL×3)。合わせた有機層を、塩水(10mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得た。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(48.3mg、125.68umol、収率30.32%、純度100%、HCl塩)を黄色固体として得た。
【0357】
LCMS:(M+H+):2.529分で348.1(H2O中、5~95% ACN、6分)。
【0358】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.15~8.04(m,2H),7.95(s,1H),7.46(d,J=7.9Hz,1H),7.31(t,J=7.8Hz,1H),7.10(t,J=7.7Hz,1H),2.07(s,4H),1.86~1.67(m,4H),0.74(t,J=7.4Hz,6H)。
【0359】
実施例29.4-エチル-4-[6-(2,4,5-トリフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸(Cmp.29)の合成
【化33】
ステップ1.メチル 4-エチル-4-[6-(2,4,5-トリフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサノエートの合成
メチル 4-(6-アミノピラジン-2-イル)-4-エチル-ヘキサノエート(0.15g、596.84umol、1eq)のジオキサン(2mL)溶液に、1,2,4-トリフルオロ-5-ヨード-ベンゼン(184.77mg、716.21umol、1.2eq)、Xantphos(51.80mg、89.53umol、0.15eq)、Pd
2(dba)
3(54.65mg、59.68umol、0.1eq)およびCs
2CO
3(388.92mg、1.19mmol、2eq)を添加した。懸濁液を高減圧下で脱気し、N
2で数回パージした。混合物を、N
2下、100℃で12時間撹拌した。反応完了後、これを水(10mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した(10mL×3)。合わせた有機層を、塩水(10mL×3)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得た。残渣を、MPLC(SiO
2、PE:EtOAc=5/1~1/1)によって精製し、表題化合物(150mg、369.70umol、収率61.94%、純度94%)を褐色油状物として得た。
【0360】
LCMS:(M+H+):2.130分で538.2(H2O中、5~95% ACN、4.5分)。
【0361】
ステップ2.4-エチル-4-[6-(2,4,5-トリフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサン酸(Cmp.29)の合成
メチル 4-エチル-4-[6-(2,4,5-トリフルオロアニリノ)ピラジン-2-イル]ヘキサノエート(120mg、314.64umol、1eq)のMeOH(0.5mL)、THF(2mL)およびH2O(0.5mL)中の溶液に、LiOH・H2O(39.61mg、943.91umol、3eq)を添加した。混合物を、25℃で2時間撹拌した。反応完了後、これを水(30mL)に注ぎ、pHを、HCl水溶液(1M)で3に調整し、EtOAcで抽出した(30mL×3)。合わせた有機層を、塩水(30mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮して残渣を得た。残渣を、prep-HPLC(HCl条件)によって精製して、表題化合物(36mg、純度97.4%、HCl塩)を黄色固体として得た。
【0362】
LCMS:(M+H+):3.540分で368.2(H2O中、5~95% ACN、6分)。
【0363】
1H NMR:(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.36(td,J=8.0,13.0Hz,1H),8.13(s,1H),7.99(s,1H),7.24(dt,J=7.3,10.6Hz,1H),2.17~2.01(m,4H),1.90~1.76(m,4H),0.76(t,J=7.4Hz,6H)。
【0364】
実施例30.本開示の追加の化合物
本開示の追加の化合物は、有機化学合成の当業者には容易に明らかである出発物質および反応条件の変化形を使用して、実施例1~29に示される方法によって調製される。
【表2】
【0365】
【0366】
実施例31.化合物のPGT阻害特性
ラットPGTで安定してトランスフェクトしたMDCK細胞を、96ウェルディープウェルプレート上で15~20%のコンフルエンス状態で播種する。細胞を播種した日を1日目とする。PGE2取り込み実験を4日目に実施する。すべてのPGE2取り込み実験は、室温で実施される。4日目に、細胞を、Waymouth緩衝液(135mMのNaCl、13mMのH-Hepes、13mMのNa-Hepes、2.5mMのCaCl2、1.2mMのMgCl2、0.8mMのMgSO4、5mMのKCl、および28mMのD-グルコース)で2回洗浄する。次いで、[3H]PGE2(Perkin Elmerから入手可能)を含有するWaymouth緩衝液200μLを各ウェルに添加する。設計された時間において、[3H]PGE2の取り込みは、取り込み緩衝液の吸引によって停止され、その後、500μLの冷却されたWaymouth緩衝液で即座に2回洗浄される。次いで、細胞を、0.25%のSDSおよび0.05NのNaOHを含有する100μL溶解緩衝液で溶解する。各ウェルに1.5mLのシンチレーション溶液を添加し、細胞内[3H]PGE2をBeta Counterによってカウントする。
【0367】
化合物の予備試験のために、化合物を含有する20μLのWaymouth緩衝液を各ウェルに添加し、[3H]PGE2を含有する180μLのWaymouth緩衝液を直ちに添加する。各ウェルにおいて、取り込み培地の総体積は、200μLである。試験化合物は、まず、EtOHなどの有機溶媒に溶解され、次いで、Waymouth緩衝液中に希釈される。化合物による[3H]PGE2取り込みの阻害パーセントは、[(取り込みビヒクル-取り込み阻害剤)÷(取り込みビヒクル)]×100として計算される。
【0368】
各化合物のIC50を決定するために、様々な濃度の化合物を含有するWaymouth緩衝液を各ウェルに添加し、[3H]PGE2を含有する180μLのWaymouth緩衝液を直ちに添加する。IC50は、以下の式を当てはめることにより計算した。
y=m1-m1*(m0/(m2+m0))。
【0369】
特定の例示された化合物についての結果を表2に示す。*は100μM未満、**は20μM未満、***は10μM未満、および****は1μM未満のIC50を示す。
【表4】
【国際調査報告】