(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】動体視覚、前庭及び体性感覚能力を測定するシステム、装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20221221BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A61B5/11 230
A61B5/107 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526100
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2022-06-30
(86)【国際出願番号】 AU2020051205
(87)【国際公開番号】W WO2021087564
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】508188868
【氏名又は名称】ユニバーシティ・オブ・キャンベラ
【氏名又は名称原語表記】University of Canberra
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ウォディントン,ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】マクグラス,ブラーデン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA11
4C038VB02
4C038VB14
4C038VC01
4C038VC05
(57)【要約】
【課題】動体視覚、前庭及び体性感覚能力を測定するシステム、装置及び方法を提供する。
【解決手段】結合前庭及び体性感覚機能評価を行う装置であって、携帯ベースユニットであって、回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、使用中、可動プラットフォームに両足で立つユーザと、可動プラットフォームが水平面に対して少なくとも1つの方向に回転することができる範囲を調整する調整可能停止機構と、制御信号に基づいて複数の離散測定可能量のうち1つによって可動プラットフォームを回転させる範囲を選択的に調整するために調整可能停止機構を制御する制御器とを含む携帯ベースユニットと、ユーザによって着用されている視覚遮断ヘッドセットであって、前庭機能検査に応じて前庭機能反応を記録するデバイスを含む視覚遮断ヘッドセットとを含む装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの足首運動範囲区別を評価する装置であって、
携帯ベースユニットであって、
固定プラットフォームと、
前記固定プラットフォームに隣接して配置され、回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、
使用中、他方の足の長軸を前記可動プラットフォームの前記回転軸に合わせるように、第1の足を前記固定プラットフォームに置き、前記他方の足を前記可動プラットフォームに置いた状態で、均等体重負荷姿勢で前記携帯ベースユニットに立つ前記ユーザと、
前記可動プラットフォームが水平面に対して少なくとも1つの方向に回転することができる範囲を調整する調整可能停止機構と
を含む携帯ベースユニットと、
制御信号に基づいて複数の離散事前定義量のうち1つによって前記可動プラットフォームを回転させる前記範囲を選択的に調整するために前記調整可能停止機構を制御する制御器と、
前記ユーザによって着用されている視覚遮断ヘッドセットであって、前記視覚遮断ヘッドセットは、前記調整可能停止機構によって行われる調整の後にユーザ反応を検出する検出デバイスを含み、前記ユーザ反応は、前記ユーザの足首運動区別を評価するために利用されている視覚遮断ヘッドセットと
を含む、装置。
【請求項2】
前記検出デバイスは、前記ユーザによって引き起こされる事前定義視覚反応を判定する1つ又は複数のセンサーを含み、前記事前定義視覚反応は、前記調整可能停止機構によって引き起こされる回転の前記範囲の前記ユーザの認識を表す、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ヘッドセットは、前記調整可能停止機構によって行われる前記調整に応じて前記ユーザに指示を与える表示器で更に構成されている、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記全視覚遮断ヘッドセットは、前記調整可能停止機構によって行われる調整の後に、又は前記ヘッドセットを介して指示される検査に応じて、前記ユーザの前庭機能反応を記録する前庭機能反応記録デバイスを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記前庭機能反応記録デバイスは、重力水平面に対する前記着用者の頭の位置を記録する傾斜計及び/又は加速度計を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記携帯ベースユニットは、前記可動プラットフォームの傾斜角を測定する傾斜計を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
結合前庭及び体性感覚機能評価を行う装置であって、
携帯ベースユニットであって、
固定プラットフォームと、
回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、
使用中、他方の足の長軸を前記可動プラットフォームに対する前記回転軸に合わせるように、第1の足を前記固定プラットフォームに置き、前記他方の足を前記可動プラットフォームに置いた状態で、均等体重負荷姿勢で前記携帯ベースユニットに立つユーザと、
水平面に対して前記可動プラットフォームに対する回転角を調整する調整可能停止機構と、
複数の離散測定可能量のうち1つによって前記可動プラットフォームを回転させる前記範囲を選択的に調整するために前記調整可能停止機構を制御する制御器と
を含む携帯ベースユニットと、
前記ユーザによって着用されている視覚遮断ヘッドセットであって、前庭機能検査に関連付けられている前記ユーザの前庭機能反応を記録するデバイスを含む視覚遮断ヘッドセットと
を含む装置。
【請求項8】
前記前庭機能反応記録デバイスは、傾斜計及び/又は加速度計を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記前庭機能検査は、前記ヘッドセット又は可動プラットフォームを介して刺激を前記ユーザに与えることを含み、前記傾斜計及び/又は加速度計の出力は、真の垂直面からの前記ユーザの頭のずれを判定するために利用されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記全遮断ヘッドセットは、前記前庭機能検査に関連付けられている指示及び/又はフィードバックを表示する表示器を含む、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記前庭機能検査は、前記調整可能停止機構によって行われる調整に関連付けられている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
結合前庭及び体性感覚機能評価を行う装置であって、
携帯ベースユニットであって、
回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、
使用中、前記可動プラットフォームに両足で立つユーザと、
前記可動プラットフォームが水平面に対して少なくとも1つの方向に回転することができる範囲を調整する調整可能停止機構と、
制御信号に基づいて複数の離散測定可能量のうち1つによって前記可動プラットフォームを回転させる前記範囲を選択的に調整するために前記調整可能停止機構を制御する制御器と
を含む携帯ベースユニットと、
前記ユーザによって着用されている視覚遮断ヘッドセットであって、前庭機能検査を容易にするデバイスを含む視覚遮断ヘッドセットと
を含む装置。
【請求項13】
前記前庭機能検査を容易にする前記デバイスは、傾斜計及び/又は加速度計を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記全遮断ヘッドセットは、前記前庭機能検査に関連付けられている指示及び/又はフィードバックを表示する表示器を含む、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記前庭機能検査は、前記調整可能停止機構によって行われる調整に関連付けられている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記前庭機能検査に関連付けられているユーザ入力及び/又は反応を受信するハンドヘルドデバイスを更に含む、請求項7~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
ユーザの足首運動範囲区別を評価する装置であって、
固定プラットフォームと、
前記固定プラットフォームに隣接して配置され、回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、
使用中、他方の足の長軸を前記可動プラットフォームに対する前記回転軸に合わせるように、第1の足を前記固定プラットフォームに置き、前記他方の足を前記可動プラットフォームに置いた状態で、均等体重負荷姿勢で携帯ベースユニットに立つ前記ユーザと、
前記可動プラットフォームが水平面に対して単一方向に回転することができる範囲を調整する調整可能停止機構と、
体性感覚評価を行う制御信号に基づいて複数の離散測定可能量のうち1つによって前記可動プラットフォームを回転させる前記範囲を選択的に調整するために前記調整可能停止機構を制御する制御器と
を含む携帯ベースユニット
を含む装置。
【請求項18】
前庭評価を行う装置であって、
回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームであって、使用中、ユーザが前記可動プラットフォームに両足で立つ可動プラットフォームと、
前記可動プラットフォームに結合されている傾斜計であって、前記可動プラットフォームに対する回転角を表すデータを記録することができる傾斜計と、
前記傾斜計によって出力されているデータを受信し、評価期間中に事前定義回転角を超えることなく、前記ユーザが前記可動プラットフォームの上でバランスを保つことができる時間を記録する制御器であって、前記制御器によって受信及び記録されている前記データは、前庭反応スコアを生成するために利用されている制御器と、
前記ユーザによって着用されている視覚遮断ヘッドセットと
を含む携帯ベースユニット
を含む装置。
【請求項19】
前記ヘッドセットは、視覚反応スコアの生成で用いるために前記評価期間中に前記ユーザにデータを表示する表示デバイスを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記前庭評価の1つの段階で、前記ユーザは、前記可動プラットフォームの前記回転軸の真上に位置決めされて、両足を肩幅に離して立つ、請求項18又は19に記載の装置。
【請求項21】
前記前庭評価の別の段階で、前記ユーザは、前記可動プラットフォームに対する前記回転軸にまたがって、両足を肩幅に離して前記可動プラットフォームに立つ、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記視覚遮断ヘッドセットを利用して前記前庭機能評価に関連するユーザ入力及び/又は反応を受信するハンドヘルドデバイスを更に含み、前記ユーザ入力及び/又は反応は、前記前庭反応スコアを生成する際に更に利用されている、請求項18~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
ユーザの足首運動範囲区別を評価する装置であって、
固定プラットフォームと、
前記固定プラットフォームに隣接して配置され、回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、
使用中、他方の足の長軸を前記可動プラットフォームに対する前記回転軸に合わせるように、第1の足を前記固定プラットフォームに置き、前記他方の足を前記可動プラットフォームに置いた状態で、均等体重負荷姿勢で携帯ベースユニットに立つ前記ユーザと、
前記可動プラットフォームが水平面に対して回転することができる範囲を調整する調整可能停止機構と、
前記可動プラットフォームを回転させる前記範囲を選択的に調整するために前記調整可能停止機構を制御する制御器と、
前記ユーザによって着用されている視覚遮断デバイスと
を含むベースユニット
を含む装置。
【請求項24】
前記調整可能停止機構によって行われる調整の後にユーザ反応を記録するデバイスを更に含み、前記ユーザ反応は、前記可動プラットフォームに行われる回転調整の後に前記ユーザによって検出される前記調整の指示を含み、前記ユーザ反応は、前記ユーザの足首運動区別を評価するために利用されている、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
ユーザ反応を記録する前記デバイスは、前記ユーザによって動作されるハンドヘルドデバイスを含む、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
ユーザ反応を記録する前記デバイスは、前記視覚遮断デバイスに組み込まれており、前記ユーザによって行われる眼球運動に基づいて前記ユーザ反応を検出するように構成されている、請求項24に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は一般的に、動体視覚、前庭及び体性感覚能力を測定するシステム、装置及び方法に関する。より詳細には、装置によって行われる評価を使用して、ユーザの運動能力及び今後の軟部組織損傷の可能性を予測することができる(但し、これに決して限定されない)。更に、本発明の実施形態を、前庭及び体性感覚能力を高めるリハビリテーション器具として使用することができる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
体性感覚系は、接触、圧力、疼痛、温度、位置、運動、及び振動の意識的知覚に関係している感覚神経系の一部である。固有感覚及び触覚を含む体性感覚能力は、全人間の運動活動の基礎となり、人間の運動能力の重要な要素であることができる。
【0003】
体性感覚能力は、損傷及びリハビリテーションの影響を受け(損傷の後に悪化し、リハビリテーションによって変化する)、高齢者の転倒リスクを示し(より低い体性感覚スコアを転倒リスクの増加に関連付ける)、運動能力の才能を示すことができる(運動選手のより高いスコアをより高い能力ランキングに関連付ける)ことが分かっている。
【0004】
足首運動範囲区別評価(AMEDA)システムは、体性感覚能力を評価するために、1995年に本発明者の1人(Gordon Waddington)によって開発された。AMEDAシステムは、視覚入力無しで足首に受けられる運動の範囲の小さい差を検出する個人の能力の評価によって人間の体性感覚能力を評価することができる。AMEDA方法は、体性感覚評価の既存の方法よりも高い生態学的妥当性、比較的高い検査妥当性及びデータ妥当性を有することが分かっている。
【0005】
元のAMEDAは、他の既存の評価システムよりも利益を与える反面、ユーザの視覚及び前庭寄与を区別することができない。更に、外受容非効率を測定することができない。本発明者は、このような要因の組み込みが体性感覚能力評価を大幅に高めることが分かっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
第1の態様によれば、ユーザの足首運動範囲区別を評価する装置であって、携帯ベースユニットであって、固定プラットフォームと、固定プラットフォームに隣接して配置され、回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、使用中、他方の足の長軸を可動プラットフォームの回転軸に合わせるように、第1の足を固定プラットフォームに置き、他方の足を可動プラットフォームに置いた状態で、均等体重負荷姿勢で携帯ベースユニットに立つユーザと、可動プラットフォームが水平面に対して少なくとも1つの方向に回転することができる範囲を調整する調整可能停止機構とを含む携帯ベースユニットと、制御信号に基づいて複数の離散事前定義量のうち1つによって可動プラットフォームを回転させる範囲を選択的に調整するために調整可能停止機構を制御する制御器と、ユーザによって着用されている視覚遮断ヘッドセットであって、視覚遮断ヘッドセットは、調整可能停止機構によって行われる調整の後にユーザ反応を検出する検出デバイスを含み、ユーザ反応は、ユーザの足首運動区別を評価するために利用されている視覚遮断ヘッドセットとを含む装置を提供する。
【0007】
実施形態において、検出デバイスは、ユーザによって引き起こされる事前定義視覚反応を判定する1つ又は複数のセンサーを含み、事前定義視覚反応は、調整可能停止機構によって引き起こされる回転の範囲のユーザの認識を表す。
【0008】
実施形態において、ヘッドセットは、調整可能停止機構によって行われる調整に応じてユーザに指示を与える表示器で更に構成されている。
【0009】
実施形態において、全視覚遮断ヘッドセットは、調整可能停止機構によって行われる調整の後に、又はヘッドセットを介して指示される検査に応じて、ユーザの前庭機能反応を記録する前庭機能反応記録デバイスを更に含む。
【0010】
実施形態において、前庭機能反応記録デバイスは、重力水平面に対する着用者の頭の位置を記録する傾斜計及び/又は加速度計を含む。
【0011】
実施形態において、携帯ベースユニットは、可動プラットフォームの傾斜角を測定する傾斜計を更に含む。
【0012】
第2の態様によれば、結合前庭及び体性感覚機能評価を行う装置であって、携帯ベースユニットであって、固定プラットフォームと、回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、使用中、他方の足の長軸を可動プラットフォームに対する回転軸に合わせるように、第1の足を固定プラットフォームに置き、他方の足を可動プラットフォームに置いた状態で、均等体重負荷姿勢で携帯ベースユニットに立つユーザと、水平面に対して可動プラットフォームに対する回転角を調整する調整可能停止機構と、複数の離散測定可能量のうち1つによって可動プラットフォームを回転させる範囲を選択的に調整するために調整可能停止機構を制御する制御器とを含む携帯ベースユニットと、ユーザによって着用されている視覚遮断ヘッドセットであって、前庭機能検査に関連付けられているユーザの前庭機能反応を記録するデバイスを含む視覚遮断ヘッドセットとを含む装置を提供する。
【0013】
実施形態において、前庭機能反応記録デバイスは、傾斜計及び/又は加速度計を含む。
【0014】
実施形態において、前庭機能検査は、ヘッドセット又は可動プラットフォームを介して刺激をユーザに与えることを含み、傾斜計及び/又は加速度計の出力は、真の垂直面からのユーザの頭のずれを判定するために利用されている。
【0015】
実施形態において、全遮断ヘッドセットは、前庭機能検査に関連付けられている指示及び/又はフィードバックを表示する表示器を含む。
【0016】
実施形態において、前庭機能検査は、調整可能停止機構によって行われる調整に関連付けられている。
【0017】
更なる態様によれば、結合前庭及び体性感覚機能評価を行う装置であって、携帯ベースユニットであって、回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、使用中、可動プラットフォームに両足で立つユーザと、可動プラットフォームが水平面に対して少なくとも1つの方向に回転することができる範囲を調整する調整可能停止機構と、制御信号に基づいて複数の離散測定可能量のうち1つによって可動プラットフォームを回転させる範囲を選択的に調整するために調整可能停止機構を制御する制御器とを含む携帯ベースユニットと、ユーザによって着用されている視覚遮断ヘッドセットであって、前庭機能検査を容易にするデバイスを含む視覚遮断ヘッドセットとを含む装置を提供する。
【0018】
実施形態において、デバイスは、傾斜計及び/又は加速度計を含む。
【0019】
実施形態において、全遮断ヘッドセットは、前庭機能検査に関連付けられている指示及び/又はフィードバックを表示する表示器を含む。
【0020】
実施形態において、前庭機能検査は、調整可能停止機構によって行われる調整に関連付けられている。
【0021】
更に別の態様によれば、ユーザの足首運動範囲区別を評価する装置であって、固定プラットフォームと、固定プラットフォームに隣接して配置され、回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、使用中、他方の足の長軸を可動プラットフォームに対する回転軸に合わせるように、第1の足を固定プラットフォームに置き、他方の足を可動プラットフォームに置いた状態で、均等体重負荷姿勢で携帯ベースユニットに立つユーザと、可動プラットフォームが水平面に対して単一方向に回転することができる範囲を調整する調整可能停止機構と、体性感覚評価を行う制御信号に基づいて複数の離散測定可能量のうち1つによって可動プラットフォームを回転させる範囲を選択的に調整するために調整可能停止機構を制御する制御器とを含む携帯ベースユニットを含む装置を提供する。
【0022】
一実施形態において、装置は、前庭機能検査に関連付けられているユーザ入力及び/又は反応を受信するハンドヘルドデバイスを更に含む。
【0023】
更なる態様によれば、前庭評価を行う装置であって、回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームであって、使用中、ユーザが可動プラットフォームに両足で立つ可動プラットフォームと、可動プラットフォームに結合されている傾斜計であって、可動プラットフォームに対する回転角を表すデータを記録することができる傾斜計と、傾斜計によって出力されているデータを受信し、評価期間中に事前定義回転角を超えることなく、ユーザが可動プラットフォームの上でバランスを保つことができる時間を記録する制御器であって、制御器によって受信及び記録されているデータは、前庭反応スコアを生成するために利用されている制御器と、ユーザによって着用されている視覚遮断ヘッドセットとを含む携帯ベースユニットを含む装置を提供する。
【0024】
実施形態において、ヘッドセットは、視覚反応スコアの生成で用いるために評価期間中にユーザにデータを表示する表示デバイスを含む。
【0025】
実施形態において、前庭評価の1つの段階で、ユーザは、可動プラットフォームの回転軸の真上に位置決めされて、両足を肩幅に離して立つ。前庭評価の別の段階で、ユーザは、可動プラットフォームに対する回転軸にまたがって、両足を肩幅に離して可動プラットフォームに立つ。
【0026】
実施形態において、装置は、視覚遮断ヘッドセットを利用して前庭機能評価に関連するユーザ入力及び/又は反応を受信するハンドヘルドデバイスを更に含み、ユーザ入力及び/又は反応は、前庭反応スコアを生成する際に更に利用されている。
【0027】
更なる態様によれば、ユーザの足首運動範囲区別を評価する装置であって、固定プラットフォームと、固定プラットフォームに隣接して配置され、回転軸の周りに少なくとも部分的に回転可能である可動プラットフォームと、使用中、他方の足の長軸を可動プラットフォームに対する回転軸に合わせるように、第1の足を固定プラットフォームに置き、他方の足を可動プラットフォームに置いた状態で、均等体重負荷姿勢で携帯ベースユニットに立つユーザと、可動プラットフォームが水平面に対して回転することができる範囲を調整する調整可能停止機構と、可動プラットフォームを回転させる範囲を選択的に調整するために調整可能停止機構を制御する制御器と、ユーザによって着用されている視覚遮断デバイスとを含むベースユニットを含む装置を提供する。
【0028】
実施形態において、装置は、調整可能停止機構によって行われる調整の後にユーザ反応を記録するデバイスを更に含み、ユーザ反応は、可動プラットフォームに行われる回転調整の後にユーザによって検出される調整の指示を含み、ユーザ反応は、ユーザの足首運動区別を評価するために利用されている。ユーザ反応を記録するデバイスは、ユーザによって動作されるハンドヘルドデバイスを含んでもよい。代わりに、デバイスは、ユーザによって着用されている視覚遮断デバイスに組み込まれてもよく、ユーザによって行われる眼球運動に基づいてユーザ反応を検出するように構成されていてもよい。
【0029】
本発明の実施形態について、添付図面を参照して、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態を実施するベースユニット、ヘッドセット、及び遠隔制御ユニットを含むシステムの略図である。
【
図2】
図1に示す携帯ベースユニットの分解図である。
【
図4】
図1のヘッドセットによって実施されるユーザインターフェースの例である。
【
図5】
図4の装置を用いて視覚及び前庭評価を行う様々な姿勢を例示する図である。
【
図6】
図4の装置を用いて視覚及び前庭評価を行う様々な姿勢を例示する図である。
【
図7】実施形態による、合成性能スコアを判定するために視覚、前庭及び体性感覚データを結合することができる方法を例示する略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
発明の例示的な実施形態の詳細な説明
図1について説明する。
図1は、本発明の実施形態による装置10を実施するシステム1の略図を示す。後の段落で詳細に説明されるように、装置10は、様々な視覚、前庭及び体性感覚パラメータを評価することができる。有利なことに、装置10によって行われる評価を使用して、ユーザの運動能力及び損傷の可能性の指標を与えるために後で評定可能な人間の運動能力への体性感覚寄与を測定することができる。
【0032】
例示の実施形態によれば、装置10は、体性感覚評価を実行するベースユニット12を含む。ヘッドセット14は、(後の段落でより詳細に説明されるように)体性感覚評価に関連付けられたユーザ反応を登録し、更に体性感覚評価に関連する前庭機能評価を実行するユーザによって着用可能である。ベースユニット12及びヘッドセット14からセンサー出力データを受信し、更に制御信号を生成する(例えば、ベースユニット12内の可動プラットフォーム停止位置、ヘッドセット14の表示器などを制御する)ために、遠隔制御ユニット16を設ける。更に、遠隔制御ユニット16は、ユーザが様々な評価に対する反応(即ち、更に又は代わりに、聴覚反応、又はヘッドセット14を介して登録される反応)を登録することができるハンドヘルド遠隔機器15と通信可能であってもよい。ハンドヘルド遠隔機器15は、ユーザ反応を登録する任意の適切な入力手段を含んでもよい。例示の実施形態によれば、遠隔機器は、事前定義反応に割り当てられた押下ボタンを含む。例示の実施形態によれば、任意の適切な有線又は無線接続/通信プロトコルを用いて、センサーデータ、ユーザ反応及び制御信号を伝達することができるものとするが、センサーデータ、ユーザ反応及び制御信号は、Bluetooth接続を介して無線で伝達される。
【0033】
より詳細には、
図2の分解図について更に説明する。ベースユニット12は、細長い外ハウジング18を含む。例示の実施形態によれば、好ましくは、ベースユニット12を、容易に持ち運びできるようにサイズ調整して形成する。固定プラットフォーム部20を、ハウジング18の第1及び第2の端部21、23に隣接して設置する。把持を容易にするために、滑り止めパッド20aを、各端部21、23におけるプラットフォーム部20の上面に規定された対応して形成された凹部に設ける。可動プラットフォーム22(「揺動板組立体」とも呼ばれる)は、ユニット12の中央に隣接して設置され、プラットフォーム部20の上面と面一に位置するゴム引き組織上面を有する。
【0034】
例示の実施形態によれば、可動プラットフォーム22は、アルミニウム構造の長方形を有するけれども、適切な特性を有する任意の材料で構成されてもよい。図示のように、可動プラットフォーム22の縦軸を、外ハウジング18の縦軸に合わせる。可動プラットフォーム22は、可動プラットフォーム22と同じ長方形を有する外ハウジング18の凹上部24内に嵌まるように構成されている。凹部の上面は、凹部の中点から離れて下方に(即ち、凹部の各端部の方へ)傾斜し、従って、可動プラットフォーム22の対応する部分の下に空隙25を生成する。凹部24内に搭載されたジンバル26を、可動プラットフォーム22の下で中央に配置し、可動プラットフォーム22は、何れかの空隙25に枢動する(即ち、何れかの方向にプラットフォームの横軸の周りに回転する)ことができる。
【0035】
傾斜計27及び加速度計28を、可動プラットフォーム22に装着する、又は可動プラットフォーム22内に配置する。傾斜計27及び加速度計28からの読み取り値を、電気的に結合されたBluetoothモジュール29を介して遠隔制御ユニット16に無線で伝達する。加速度計の出力を使用して、位置毎に速度の変化を判定することができる一方、傾斜計の出力を使用して、板の相対位置を判定することができるものとする。
【0036】
可動プラットフォーム22が何れかの空隙25に回転することができる範囲を調整するために、調整可能停止機構を、ベースユニット12のサブフレーム13に設置する。従って、何れかの方向における特定の回転角を、評価に必要なプラットフォームに対して容易に設定することができる。この場合、停止機構は、サブフレーム13に搭載され、開口部31を介して対応する空隙25の内外に各々が回転可能である1対のカム30を含む。各カム30を、カムの回転を引き起こすサーボモーター組立体32に結合する。カム30は、様々な離散停止点を可動プラットフォーム22に対して設定することができるように回転可能であり、従って、(後の段落でより詳細に説明されるように)可動プラットフォームを水平面から回転させる場合、一連の事前定義足首運動範囲を与える。遠隔制御ユニット16から無線制御信号を受信するために、サーボモーター組立体32を、Bluetoothモジュール29に電気的に接続する。この関連で、何れかのカム30の回転を選択的に調整する制御信号を発行し、可動プラットフォーム22に対する所望の停止位置を達成するために、遠隔制御ユニット16を制御することができる。後の段落で説明されるように、所望の停止位置を、遠隔制御ユニット16を介して手動で入力する、又は制御シーケンスに基づいて自動的に選択することができる。
【0037】
図1に戻る。ユーザによって着用されるヘッドセット14は、視覚的表示器14a、及び可動プラットフォーム22の回転調整の後にユーザ反応を検出する検出デバイス14bを含む視覚遮断ヘッドセットの形をとる。一実施形態によれば、検出デバイスは、ユーザによって引き起こされる事前定義視覚反応(即ち、可動板位置のユーザの認識を表す)を判定する1つ又は複数のセンサーを有する視線追跡器14bを含む。例えば、ユーザは、水平面に対する事前定義可動板角度(例えば、1度、2度、3度など)を登録する表示画面上の特定の点にユーザの注視を向けてもよい。別の例として、ユーザは、表示画面14aの特定の点の方を見て、前の調整に対する多少の調整角度を指示してもよい。特定の実施形態において、生成されるべき動的運動シーケンスを可能にし、従って、体性感覚検査機能を最適化するために、ユーザによって供給される正しい応答の数に応じて一連の停止位置を反復的に生成するコンピュータプログラムで、遠隔制御ユニット16をプログラムしてもよい。更に別の代替の実施形態において、ユーザが、検出されている調整/角度を簡単に言語化することができ、その後、(評価人によって手動で、又はヘッドセット又は他の適切な装置によって実施される音声認識ソフトウェア及びハードウェアによって自動的に)言語出力を記録する場合、ヘッドセット14は、外部刺激を遮断する役割を主に果たしてもよい。更に別の代替案として、ユーザは、ハンドヘルド遠隔機器15を介してユーザの反応を登録してもよい。更に、重力水平面に対するユーザの頭の位置を記録する傾斜計及び/又は加速度計で、ヘッドセット14を構成してもよい。
【0038】
図3について更に説明する。基本的な体性感覚評価は、各足の長軸を可動プラットフォーム22の横軸に合わせるように、一方の足を固定プラットフォーム20の1つに置き、他方の足を可動プラットフォーム22の正中線に置いた状態で、均等体重負荷姿勢で携帯ベースユニット12に立つユーザを含む。何れかの方向に可動プラットフォーム22に対する最大回転角を設定するように、カム30を制御することができる。実行される特定の評価に応じて、可動プラットフォーム22が単一方向にだけ回転することができるように、カム30を制御することができるものとする。次に、体性感覚スコアを生成するために、ユーザ記録出力(ヘッドセット14又はハンドヘルド遠隔機器15を介して聴覚的に記録)を、実際の板角度に対して評定する。体性感覚スコアは、例えば、ユーザ記録出力が実際の値にどのくらい近いかを表す百分率スコアであってもよい。代わりに、反応曲線下で領域を生成する信号検出解析を用いて計算される各対の隣接運動範囲の間の参加者の区別から、体性感覚スコアを判定してもよい。所望の実装形態に応じて、様々な体性感覚能力スコアを得て適用することができるものとする。
【0039】
ヘッドセット表示フィールドの中央に表示された固定目標線にできるだけ接近して合わせられて、ヘッドセット表示器14aのフィールド内のカーソルをユーザに維持させることによって、直立姿勢への視覚機能の寄与を更に評価することができる。目標線を参照符号50で示し、カーソルを参照符号52で示す
図4に、表示フィールドの例を示す。ヘッドセット表示フィールド内のカーソル52の相対位置を、携帯ベースユニット12の可動プラットフォーム22に装着された傾斜計27の位置に同時にリンクするように、ヘッドセット14をプログラムする。ヘッドセット背景表示及び目標線50を、ベースユニット12の表面の水平面に参照する。
【0040】
結合前庭、体性感覚評価の形態を、2つの段階で実行する。第1の段階において、前後評価の場合、ユーザは、可動プラットフォーム22の回転軸の真上に位置決めされて両足を肩幅に離して、可動プラットフォーム22に立つ(即ち、各足の長軸を、可動プラットフォームの回転軸に対して直角(この場合、横軸)に合わせる)。これを、
図5に最も良く示す。この位置において、ユーザの体は、縦揺れ運動を受けている。一旦適切に位置決めされると、事前定義限界内で、ある事前定義時間(例えば、20秒)、できるだけ水平に近くその位置を維持するために、プラットフォーム22の上でバランスをとるように、ユーザに要求する。遠隔制御ユニット16は、第1の評価に対する安定性計量値を記録する。この例において、安定性計量値は、(傾斜計27から出力されるデータに基づいて判定される)水平面の2.5度以内に可動プラットフォーム22をユーザが維持することができた時間である。加速度計から出力されるデータを、記録及び評定してもよい。
【0041】
第2の評価段階において、ユーザは、及びユーザの両足を可動プラットフォーム22の回転軸に合わせるように回転軸にまたがって、両足を肩幅に離して可動プラットフォーム22に立つように指示される(
図6参照)。この位置において、ユーザの体は、横揺れ運動を受けている。次に、遠隔制御ユニット16は、第1の段階の場合と同じ安定性計量値(即ち、水平面の2.5度以内に可動プラットフォームをユーザが維持することができる時間)を記録する。再度、第2の段階の場合、加速度データを記録してもよい。次に、遠隔制御ユニット16は、(傾斜計及び加速度計から出力されるデータを用いて)2つの段階に対して平均安定性測定値を判定し、標準データセットに対してフィードバックスコアを与える。フィードバックスコアがあまり意味のない出力になることがあり得るが、フィードバックスコアは、段階評価計量値のうち1つだけに基づくことができるものとする。
【0042】
特定の実施形態において、前庭機能の形態を測定するように、ヘッドセット14を構成してもよい。この関連で、センサーデバイス14bは、各ユーザに対して較正されるヘッドセット内に赤外線(IR)視線追跡カメラを含む。較正ソフトウェアは、例えば、4つの重要な方向(右、上、左及び下)に緑点を見るユーザを含んでもよい。一例として、視線評定(後述の例)を行うことによって、前庭機能の1つの形態を評価してもよい。この評価において、ユーザの頭を動かないようにして、真っ直ぐ前方を見るように、ユーザに頼む。評価は、ヘッドセット表示器14aに表示された暗い背景から始まる。評価中に、移動目標を、ヘッドセット表示器14aに表示し、目標の位置の変化に応じた被検者の瞳孔の運動を、IRカメラ14bによって記録し、後の評定のために遠隔制御ユニット16に伝達する。
【0043】
特定の実施形態において、前庭機能の追加形態を測定するように、ヘッドセット14を構成してもよい。この関連で、センサーデバイスは、ユーザの頭の位置を測定するヘッドセット14に結合された傾斜計及び/又は加速度計を含む。ヘッドセット表示器を介して視覚的である、又はプラットフォームを介して体性感覚的であることができる刺激をユーザに与え、直立位置にユーザの頭を維持するように、ユーザに頼む。真の垂直面からの頭の位置のずれを、測定し、後の評定のために遠隔制御ユニット16に伝達する。
【0044】
追加及び/又は代替の前庭機能評価において、ヘッドセット14を介して与えられる検査に関連付けられるユーザ入力を記録するために、ハンドヘルド遠隔機器15を利用してもよい。例えば、ヘッドセット表示器に示す線が地平線に合うようにこの線を方向付けるために遠隔機器15を使用するように、ユーザに頼んでもよい。結合前庭、体性感覚評価の場合、ヘッドセット表示器に示す線を可動プラットフォーム22の位置と等しくなるように方向付けるためにハンドヘルド遠隔機器15を使用するように、ユーザに頼んでもよい。
【0045】
図7に概略的に例示されているようなデータ削減処理を用いて、単一合成性能スコア(CPS)を生成するために、上述の評価のうち1つ又は複数の評価を用いた視覚、前庭及び体性感覚評価データ出力を結合してもよい。
【0046】
この生データを結合して単一スコアで提示すると、情報過多の可能性を回避する容易に解釈可能な尺度を与えることができる。遠隔制御ユニット又は幾つかの他の適切なコンピュータ処理構成によってスコアを計算することができるものとする。
【0047】
より詳細には、ステップS1で、視覚、前庭及び体性感覚データを、収集し、データ削減処理に入力する。データは、圧縮される(ステップS2)。一例として、主成分分析(PCA)を使用して、生入力データを削減してもよい。当業者が分かるように、PCAは、生データをより低い次元空間にマップすることによってデータにおけるパターンを識別するために使用される技法である。得られた削減データを、ステップS4でCPSを計算するサポートベクトルマシン(SVM)機械学習分類器に入力として与える。
【0048】
ヘッドセット14を使用してユーザ反応を記録すると、幾つかの顕著な利点がある。まず、ヘッドセット14は、ユーザの視覚を遮断し、これによって、評価に悪影響を与えることがある外部刺激を防止する。更に、ヘッドセット14は、ユーザが、体性感覚評価中に真っ直ぐに立つことを可能にし、ユーザが携帯ベースユニット12を見るのを阻止し、再度、評価に悪影響を与えることがある。更に、ヘッドセット14は、ユーザ反応を記録する効率的及び迅速なインターフェースを提供する。
【0049】
上述のような遠隔制御ユニット16は、携帯ベースユニット12及びヘッドセット14と通信する適切なソフトウェア及びハードウェアを有する任意の適切な計算構成の形をとることができるものとする。例えば、遠隔制御ユニットは、コンピュータタブレット、ラップトップコンピュータなどの形をとってもよい。別の形において、遠隔制御ユニット16を、携帯ベースユニット12、ハンドヘルド遠隔機器15又はヘッドセット14の何れか1つに直接結合又は組み込んでもよい。更に、本発明の範囲から逸脱することなく、ユニットの片側だけの固定プラットフォームでユニット12を構成することができるものとする。
【0050】
可動プラットフォーム22に対する回転軸を典型的に、ベースユニット12の長軸又は短軸に合わせるものとする。しかし、これは、必要ではなく、方位軸は、ベースユニット12に対してある角度をなすことができるものとする。
【0051】
ここに記載の装置及び方法は、ここに記載の特定の実施形態に限定されず、むしろ、様々な装置の方法及び/又は構成要素/モジュールの動作を、ここに記載の他の動作及び/又は構成要素/モジュールから独立して別々に利用してもよい。更に、記載の動作及び/又は構成要素/モジュールは、他のシステム、方法、及び/又は装置と組み合わせて規定又は使用されてもよく、ここに記載のようなシステム、方法、及び記憶媒体だけを用いた実施に限定されない。
【0052】
本開示の実施形態を、1つ又は複数のコンピュータ又は他のデバイスによって実行されるコンピュータ実行可能命令(例えば、プログラム構成要素又はモジュール)の一般的な文脈で記載してもよい。本開示の態様を、任意の数及び組織の構成要素又はモジュールで実施してもよい。例えば、本開示の態様は、図面に例示及びここに記載の特定のコンピュータ実行可能命令又は特定の構成要素又はモジュールに限定されない。本開示の代替の実施形態は、ここに例示及び記載のものと異なる多少の機能を有するコンピュータ実行可能命令又は構成要素を含んでもよい。
【0053】
例えば、ここに記載のようなコンピュータ又は制御器は、少なくとも1つのプロセッサ又は処理ユニット及びシステムメモリを含む。コンピュータ又は制御器は典型的に、コンピュータ可読媒体の少なくとも幾つかの形態を有する。一例として、限定されることなく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法又は技術で実施される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能媒体を含む。通信媒体は典型的に、変調データ信号(例えば、搬送波又は他の移送機構)で、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを具体化し、任意の情報送達媒体を含む。当業者は、情報を信号に符号化するような方法で設定又は変更される特性のうち1つ又は複数の特性を有する変調データ信号に精通している。コンピュータ可読媒体の範囲内で、上述の何れかの組み合わせも含む。
【0054】
更に、本発明は、本実施形態を参照して説明されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、改変、変更及び改良を行うことができ、均等物を本発明の要素及び本発明のステップと置換することができることを、当業者は分かる。更に、本発明の中心の範囲から逸脱することなく多くの修正を行って、本発明を特定の状況に適合させることができる。明示的に上述されていないけれども、このような改変、変更、修正及び改良は、本発明の範囲及び精神の範囲内にあるように意図され暗示されている。従って、上述の実施形態は、任意の事項に限定すると解釈されるべきではない。
【0055】
下記の特許請求の範囲、及び本発明の上述の明細書において、さもなければ言葉を表すために、又は必要な暗示を文脈が必要とする場合を除いて、用語「含む(comprise)」、又は「含む(comprises)」又は「含む(comprising)」などの変型例は、包含的な意味で、即ち、規定の特徴の存在を指定するために使用され、本発明の様々な実施形態における更なる特徴の存在又は追加を除外するものではない。
【国際調査報告】