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特表2022-554368ハイブリッド自動再送要求処理方法及び通信装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ハイブリッド自動再送要求処理方法及び通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20221221BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221221BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20221221BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W72/04 136
H04W84/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526162
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2020127164
(87)【国際公開番号】W WO2021088991
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】201911090520.5
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,ハイボー
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ジュイン
(72)【発明者】
【氏名】ウエイ,ドーンドーン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ジエン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA33
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067HH28
(57)【要約】
本願の実施形態は、サイドリンク通信へのHARQフィードバック機構の導入により例外が起こる可能性を低減するのに支援するために、ハイブリッド自動再送要求処理方法及び通信装置を提供し、通信技術の分野に関する。具体的には、本方法は、第1の端末装置が、ネットワーク装置によって送信される第1のサイドリンクグラント情報、第1のHARQプロセス識別子ID及び第1の表示情報を受信することを含む。第1の表示情報が再送信を示し、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信された場合、第1の端末装置は第1のサイドリンクグラント情報を無視する。この技術的解決策では、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが用いられる場合に、第1の端末装置が、トランスポートブロックの再送信をスケジューリングするためにネットワーク装置によって送信される第1のサイドリンクのグラント情報を受信すると、第1の端末装置は第1のサイドリンクグラント情報を無視するため、第1の端末装置が不必要な送信を行うことを防止でき、第2の端末装置が不必要なHARQフィードバックを行うことを防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド自動再送要求処理方法であって、当該方法は、
第1の端末装置により、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することであって、該第1の制御情報は第1のサイドリンクグラント情報及び第1のハイブリッド自動再送要求HARQ情報を含み、該第1のサイドリンクグラント情報は、サイドリンク通信のために用いられるリソースを示し、該第1のHARQ情報は第1のHARQプロセス識別子ID及び第1の表示情報を含み、該第1のHARQプロセスIDは第1のHARQプロセスを示すために用いられる、ことと、
前記第1の表示情報が再送信を示し、前記第1の端末装置が第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記第1の端末装置により、前記ネットワーク装置に第2の表示情報を送信することであって、該第2の表示情報は、前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる、こと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の端末装置により、前記ネットワーク装置に第2の表示情報を送信することは、
前記第1の端末装置の第1のHARQエンティティにより、前記第2の表示情報を生成するよう物理層を示すことであって、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる、ことと、
前記物理層により、前記第2の表示情報を生成し、前記ネットワーク装置に前記第2の表示情報を送信することと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の端末装置により、前記ネットワーク装置に第2の表示情報を送信することは、
前記第1の端末装置の第2のHARQプロセスにより、前記第2の表示情報を生成するよう物理層に示すことであって、該第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスであり、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる、ことと、
前記物理層により、前記第2の表示情報を生成し、前記ネットワーク装置に前記第2の表示情報を送信することと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の端末装置により、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、前記方法は、
前記第1の端末装置の第1のHARQエンティティにより、前記第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値を取得することであって、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる、ことと、
前記第1のHARQプロセスに関連する前記第1のパラメータのパラメータ値が第1の値の場合、前記第1のHARQエンティティにより、前記第1の端末装置が前記第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定することと、
をさらに含み、
前記第1の値は、前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報が肯定応答ACKであることを示すために用いられ、
前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することは、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記第1のHARQプロセスに関連する前記第1のパラメータのパラメータ値が第2の値の場合、前記第1のHARQエンティティにより、前記第1の端末装置が、前記第2の端末装置への前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックの送信に失敗したと判定すること、
をさらに含み、
前記第2の値は、前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックのための前記HARQフィードバック情報が否定応答NACKであることを示すために用いられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の端末装置により、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、前記方法は、
前記第1の端末装置の第1のHARQエンティティにより、前記第1のHARQプロセスが、前記第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定することであって、前記第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる、ことと、
そうでない場合、前記第1のHARQエンティティにより、前記第1の端末装置が前記第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定することと、
をさらに含み、
前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することは、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の端末装置により、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、前記方法は、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第1のHARQプロセスが前記第1のHARQエンティティによって維持される前記HARQプロセスに関連するかどうかを判定することと、
そうでない場合、前記第1のHARQエンティティにより、前記第2のHARQプロセスを割り当てて、前記第2のHARQプロセスに前記第1のサイドリンクグラント情報を配信することと、
前記第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、前記第2のHARQプロセスにより、前記第1の端末装置が前記第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定することと、
をさらに含み、
前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することは、
前記第2のHARQプロセスにより、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のHARQエンティティにより、前記第1のHARQプロセスが前記第1のHARQエンティティによって維持される前記HARQプロセスに関連するかどうかを判定することの前に、前記方法は、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第1の表示情報が再送信を示すと判定することと、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第2のHARQプロセスを割り当てることの後で且つ前記第2のHARQプロセスにより、前記第1の端末装置が前記第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定することの前に、前記方法は、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第2のHARQプロセスへの再送信を示すことと、
前記第2のHARQプロセスにより、前記第2のHARQプロセスに対応する前記バッファが空かどうかを判定することと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のHARQエンティティにより、前記第2のHARQプロセスを割り当てることの後で且つ前記第2のHARQプロセスにより、前記第1の端末装置が前記第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定することの前に、前記方法は、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第2のHARQプロセスに前記第1のHARQ情報を配信することと、
前記第2のHARQプロセスにより、前記第1のHARQ情報に基づいて、前記第1の表示情報が再送信を示すと判定することと、
前記第2のHARQプロセスにより、前記第2のHARQプロセスに対応する前記バッファが空かどうかを判定することと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
通信装置であって、当該装置は通信モジュール及び処理モジュールを含み、
前記通信モジュールは、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信するように構成され、該第1の制御情報は第1のサイドリンクグラント情報及び第1のハイブリッド自動再送要求HARQ情報を含み、該第1のサイドリンクグラント情報はサイドリンク通信のために用いられるリソースを示し、該第1のHARQ情報は第1のHARQプロセス識別子ID及び第1の表示情報を含み、該第1のHARQプロセスIDは第1のHARQプロセスを示すために用いられ、
前記第1の表示情報が再送信を示し、前記通信モジュールが第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、前記処理モジュールは、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されている、装置。
【請求項12】
前記通信モジュールは、
前記ネットワーク装置に第2の表示情報を送信するようさらに構成され、該第2の表示情報は、前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含み、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられ、
前記第1のHARQエンティティは、物理層で前記第2の表示情報を生成するよう前記通信モジュールに示すように構成され、
前記通信モジュールは、前記ネットワーク装置に前記第2の表示情報を送信する前に、前記物理層で前記第2の表示情報を生成するようさらに構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含み、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられ、該第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは第2のHARQプロセスを含み、
前記第2のHARQプロセスは、物理層で前記第2の表示情報を生成するよう前記通信モジュールに示すように構成され、
前記通信モジュールは、前記ネットワーク装置に前記第2の表示情報を送信する前に、前記物理層で前記第2の表示情報を生成するようさらに構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含み、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられ、
前記第1のHARQエンティティは、
前記通信モジュールがネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ前記処理モジュールが前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、前記第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値を取得し、前記第1のHARQプロセスに関連する前記第1のパラメータのパラメータ値が第1の値の場合に、前記通信モジュールが前記第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定するようさらに構成され、
前記第1の値は、前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報が肯定応答ACKであることを示すために用いられ、
前記処理モジュールが、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されていることは、具体的に、
前記第1のHARQエンティティが、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されていることを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のHARQエンティティは、
前記第1のHARQプロセスに関連する前記第1のパラメータのパラメータ値が第2の値の場合、前記通信モジュールが、前記第2の端末装置への前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックの送信に失敗したと判定するようさらに構成され、
前記第2の値は、前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックのための前記HARQフィードバック情報が否定応答NACKであることを示すために用いられる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記処理モジュールは第1のHARQエンティティを含み、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられ、
前記第1のHARQエンティティは、
前記通信モジュールが前記ネットワーク装置によって送信される前記第1の制御情報を受信することの後で且つ前記処理モジュールが前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、前記第1のHARQプロセスが、前記第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合に、前記通信モジュールが前記第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定するように構成され、
前記処理モジュールが、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されていることは、具体的には、
前記第1のHARQエンティティが、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されていることを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記処理モジュールは第1のHARQエンティティを含み、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられ、
前記第1のHARQエンティティは、
前記通信モジュールが、前記ネットワーク装置によって送信される前記第1の制御情報を受信することの後で且つ前記処理モジュールが前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、前記第1のHARQプロセスは前記第1のHARQエンティティによって維持される前記HARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合、前記第2のHARQプロセスを割り当て、前記第2のHARQプロセスに前記第1のサイドリンクグラント情報を配信するように構成され、
前記第2のHARQプロセスは、
前記第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、前記通信モジュールが前記第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定するようにさらに構成され、
前記処理モジュールが、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されていることは、具体的には、
前記第2のHARQプロセスが前記第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されていることを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記第1のHARQエンティティは、
前記第1のHARQプロセスが前記第1のHARQエンティティによって維持される前記HARQプロセスに関連するかどうかを判定する前に、前記第1の表示情報が再送信を示すと判定することと、
前記第2のHARQプロセスを割り当てることの後に、前記第2のHARQプロセスに再送信を示すことと、
を行うようにさらに構成され、
前記第2のHARQプロセスは、
前記第1のHARQエンティティから前記再送信の表示を受信した後に、前記第2のHARQプロセスに対応する前記バッファが空かどうかを判定するようにさらに構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第1のHARQエンティティは、
前記第2のHARQプロセスを割り当てることの後に、前記第2のHARQプロセスに前記第1のHARQ情報を配信するようにさらに構成され、
前記第2のHARQプロセスは、
前記第1のHARQ情報に基づいて、前記第1の表示情報が再送信を示すと判定し、前記第2のHARQプロセスに対応する前記バッファが空かどうかを判定するようにさらに構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
プロセッサ及びメモリを含む通信装置であって、該プロセッサは該メモリに連結され、該メモリはコンピュータプログラム命令を記憶し、該プロセッサが該コンピュータプログラム命令を実行した場合、当該装置は請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を行うことができる、通信装置。
【請求項22】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、当該コンピュータ読み取り可能記憶媒体はコンピュータプログラム命令を含み、該コンピュータプログラム命令がコンピュータ上で実行された場合、該コンピュータは、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を行うことができる、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項23】
チップであって、当該チップはメモリに連結され、当該チップは、該メモリに記憶されたコンピュータプログラム命令を呼び出し且つ実行して、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を行うように構成されている、チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年11月8日に中国国家知識産権局に出願された、「ハイブリッド自動再送要求処理方法及び通信装置」と題する中国特許出願第201911090520.5号の優先権を主張し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、通信技術の分野に関し、とりわけ、ハイブリッド自動再送要求処理方法及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0003】
通信システムでは、データ伝送の信頼性を改善するために、ハイブリッド自動再送要求(hybrid automatic repeat request、HARQ)機構が導入されている。しかしながら、次世代無線(new radio、NR)通信システムにおける端末間通信のために、トランスポートブロックの送信又は受信が成功した場合に、通信中の装置のうちの一部の装置(例えば、受信端末又は送信端末)が送信に成功したと判断するものの、一部の装置(例えば、ネットワーク装置又は送信端末)がトランスポートブロックの送信に失敗したと判断すると、通信例外が起こる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施形態は、サイドリンク通信においてHARQフィードバック機構を導入することにより例外が起こる可能性を低減するのを助けるためにハイブリッド自動再送要求処理方法及び通信装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、ハイブリッド自動再送要求処理方法が提供され、当該方法は、第1の端末装置は、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信した後に、第1の表示情報が再送信を示し、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、第1のサイドリンクグラント情報を無視することを含む。第1の制御情報は第1のサイドリンクグラント情報及び第1のハイブリッドHARQ情報を含む。第1のサイドリンクグラント情報は、サイドリンク通信のために用いられるリソースを示す。第1のHARQ情報は第1のHARQプロセス識別子ID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0006】
上記の技術的解決策に基づいて、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQ処理に対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合に、第1の端末装置が、第1のHARQ処理に対応するトランスポートブロックの再送信をスケジュールするためのネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信すると、第1の端末装置は第1のサイドリンクグラント情報を無視する。すなわち、第1の端末装置は第2の端末装置に第1のHARQ処理に対応するトランスポートブロックを再送信しないため、第1の端末装置が不必要な送信を行うことを防止でき、第2の端末装置が不必要なHARQフィードバックを提供することを防止できる。
【0007】
可能な設計では、第1の表示情報が再送信を示し、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、第1の端末装置はネットワーク装置に第2の表示情報をさらに送信する。第2の表示情報は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる。
【0008】
前述の技術的解決策は、ネットワーク装置が第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックの再送信をスケジューリングする可能性を低減し、第1のHARQプロセスの利用を高めるのに役立ち得る。
【0009】
第2の態様によれば、下記を含む別のハイブリッド自動再送要求処理方法が提供される。
【0010】
第1の端末装置は、第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信する。第1の表示情報が再送信を示し、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信した場合、第1の端末装置は第1のトランスポートブロックをデコードしない。第1のサイドリンク情報は第1のサイドリンク制御情報及び第1のトランスポートブロックを含む。第1のサイドリンク制御情報は第1のHARQ情報を含む。第1のHARQ情報は第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0011】
上記の解決策に基づいて、第1の端末装置が第1のHARQプロセスからの第1のトランスポートブロックを正常に受信した場合に、第1の端末装置が第2の端末装置によって再送信された第1のトランスポートブロックを受信した場合、第1の端末装置は再送信された第1のトランスポートブロックをデコードしないため、第1の端末装置の例外を回避するのを助け、第1の端末装置の通信性能を向上させる。
【0012】
第3の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得る。通信装置はプロセッサ及びメモリを含む。メモリはコンピュータプログラム命令を記憶する。コンピュータプログラム命令がプロセッサによって実行された場合、通信装置は、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信した後に、第1の表示情報が再送信を示し、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信された場合に、第1のサイドリンクグラント情報を無視するステップを行うことができる。第1の制御情報は第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を含む。第1のサイドリンクグラント情報は、サイドリンク通信のために用いられるリソースを示す。第1のHARQ情報は第1のHARQプロセス識別子ID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0013】
第4の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、ネットワーク装置、ネットワーク装置内のチップ又はシステムオンチップであり得る。通信装置はプロセッサ及びメモリを含む。メモリはコンピュータプログラム命令を記憶する。コンピュータプログラム命令がプロセッサによって実行された場合、通信装置は、第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信するステップを行うことができる。第1の表示情報が再送信を示し、第1のトランスポートブロックが第1のHARQプロセスから正常に受信されている場合、通信装置は第1のトランスポートブロックをデコードしない。第1のサイドリンク情報は第1のサイドリンク制御情報及び第1のトランスポートブロックを含む。第1のサイドリンク制御情報は第1のHARQ情報を含む。第1のHARQ情報は第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0014】
第5の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、処理モジュール及び通信モジュールを含む。通信モジュールは、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信するように構成されている。第1の制御情報は第1のサイドリンクグラント情報及び第1のハイブリッド自動再送要求HARQ情報を含む。第1のサイドリンクグラント情報はサイドリンク通信のために用いられるリソースを示す。第1のHARQ情報は第1のHARQプロセス識別子ID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは第1のHARQプロセスを示すために用いられる。第1の表示情報が再送信を示し、通信モジュールが第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、処理モジュールは、第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されている。
【0015】
第6の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は処理モジュール及び通信モジュールを含む。通信モジュールは、第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信するように構成されている。第1のサイドリンク情報は、第1のサイドリンク制御情報及び第1のトランスポートブロックを含む。処理モジュールは、第1の表示情報が再送信を示し、通信モジュールが第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信した場合、第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップするように構成されている。
【0016】
第1のサイドリンク制御情報は第1のHARQ情報を含む。第1のHARQ情報は第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0017】
第7の態様によれば、コンピュータ読み取り可能記憶媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は命令を記憶する。命令がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは上記の態様のいずれかの任意の設計における方法を行うことができる。
【0018】
第8の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、上記の態様のいずれかの任意の設計における方法を行うことができる。
【0019】
第9の態様によれば、チップが提供される。チップはプロセッサを含み、プロセッサが命令を実行した場合、プロセッサは、上記の態様のいずれかの任意の設計における方法を行うように構成されている。命令は、チップ内のメモリからのものであり得るか又はチップ外のメモリからのモノであり得る。例えば、チップは入出力回路をさらに含む。
【0020】
第3の態様~第9の態様における任意の設計によってもたらされる技術的効果については、上記の対応する方法によってもたらされる技術的効果を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、アップリンクデータ再送信フィードバック方法の概略フローチャートである。
図2図2は、ダウンリンクデータ再送信フィードバック方法の概略フローチャートである。
図3図3は、サイドリンク通信再送信フィードバック方法の概略フローチャートである。
図4図4は、別のサイドリンク通信再送信フィードバック方法の概略フローチャートである。
図5図5は、別のサイドリンク通信再送信フィードバック方法の概略フローチャートである。
図6A図6Aは、サイドリンク通信方法の概略フローチャートである。
図6B図6Bは、サイドリンク通信方法の概略フローチャートである。
図7図7は、別のサイドリンク通信方法の概略フローチャートである。
図8図8は、本願の実施形態が適用可能な通信システムの概略アーキテクチャ図である。
図9図9は、本願の一実施形態に係る端末装置のソフトウェアアーキテクチャの概略図である。
図10図10は、本願の一実施形態に係るハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図11図11は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図12図12は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図13図13は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図14図14は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図15図15は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図16図16は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図17図17は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図18図18は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図19図19は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図20図20は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図21図21は、本願の一実施形態に係る別のハイブリッド自動再送要求処理方法の概略フローチャートである。
図22図22は、本願の一実施形態に係る端末装置の概略構造図である。
図23図23は、本願の一実施形態に係る別の端末装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本出願の実施形態では、「少なくとも1つ」とは、1つ以上を意味し、「複数の」とは2つ以上を意味する。「以下のうちの少なくとも1つ」又はこれに類似する表現は、「以下のうちの任意の組み合わせ」を示し、「以下のうちの1つ以上の組み合わせ」を含む。例えば、a、b又はcのうちの少なくとも1つは、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びcを示し、ここで、a、b及びcのそれぞれは要素であり得るか又は1つ以上の要素のセットであり得る。「/」という記号は概して関連するオブジェクト間の「又は」の関係を表す。「及び/又は」という用語は、関連するオブジェクトを説明するための関連関係を記述し、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在する場合、A及びBの両方が存在する場合、Bのみが存在するという3つの場合を表す。A及びBは単数又は複数形であり得る。
【0023】
本願の実施形態では、「一例」、「一部の実施形態」、「別の実施形態」等は、一例、説明又は記述を表すために用いられる。本願において「一例」として記載されている実施形態又は設計は、他の実施形態又は設計よりも好ましいものとして又は利点を有するものとして説明されるべきではない。正確には、「一例」という用語は、特定の方法で概念を提示するために用いられる。
【0024】
本願の実施形態では、「(又は)」、「対応する(corresponding、relevant)」及び「対応する(corresponding)」は場合によっては同義的に用いられ得る。なお、差異が強調されない場合には、これらの用語で表される意味は一貫している。
【0025】
なお、本願の実施形態では、「第1」、「第2」等の用語は説明を目的として用いられているにすぎず、相対的な重要性又は順序を示すか又は含意するものとして理解すべきでない。本願の実施形態では、通信及び送信は場合によっては同義的に用いられ得る。なお、差異が強調されない場合には、これらの用語によって表される意味は一貫している。例えば、送信は送信すること及び/又は受信することを含み、名詞又は動詞であり得る。
【0026】
本願の実施形態では、「と等しく」は、「よりも大きく」と共に用いられることがあり、これは、「よりも大きく」が用いられる場合に用いられる技術的解決策に適用可能である。又は「と等しく」は、「よりも小さく」と共に用いられることがあり、これは、「よりも小さい」が用いられる場合に用いられる技術的解決策に適用可能である。なお、「と等しく」が「よりも大きい」と共に用いられる場合、「と等しく」は「よりも小さく」と共に用いられないか又は「と等しく」が「よりも小さく」と共に用いられる場合、「と等しく」は「よりも大きい」と共に用いられない。
【0027】
当業者による理解を容易にするために、本願の実施形態における用語を以下で説明する。
【0028】
1.端末装置:本願の実施形態では、端末装置は、無線トランシーバ機能を有する装置であり、端末、ユーザ装置(user equipment、UE)、移動局(mobile station、MS)、移動端末(mobile terminal、MT)等と呼ばれ得る。例えば、本願の実施形態における端末装置の具体的な形態は、携帯電話(mobile phone)、タブレットコンピュータ(pad)、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、オールインワンマシン、車載端末、仮想現実(virtual reality、VR)端末装置、拡張現実(augmented reality、AR)端末装置、輸送手段(自転車、自動車、航空機又は船舶等)、産業用制御装置(industrial control)における無線端末、自動運転(self-driving)の無線端末(自動運転車両等)、遠隔手術(remote surgery)における無線端末、スマートグリッド(smart grid)における無線端末、輸送安全(transport safety)における無線端末、スマートシティ(smart city)における無線端末、スマートホーム(smart home)における無線端末、携帯電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)電話、無線ローカルループ(wireless local loop、WLL)局、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、ウェアラブルデバイス、将来の移動通信ネットワークにおける端末装置又は将来発展する公衆陸上移動ネットワーク(public land mobile network、PLMN)における端末装置であり得る。なお、端末装置は、少なくとも1つの無線通信技術、例えば、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)、NR又は将来の通信技術をサポートし得る。
【0029】
2.ネットワーク装置:本願の実施形態では、ネットワーク装置は、端末装置のために無線アクセス機能を提供する装置であり、アクセスネットワーク装置、無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)装置等とも呼ばれる。ネットワーク装置は、少なくとも1つの無線通信技術、例えば、LTE、NR又は将来の通信技術をサポートし得る。例えば、ネットワーク装置は、限定されないが、第5世代移動通信システム(5th-generation、5G)における次世代のNodeB(generational NodeB、gNB)、エボルブドNodeB (evolved nodeB、eNB)、無線ネットワークコントローラ(無線ネットワークコントローラ、RNC)、ノードB(node B、NB)、基地局コントローラ(基地局コントローラ、BSC)、ベーストランシーバ局(base transceiver station、BTS)、ホーム基地局(例えば、ホームエボルブドノードB又はホームノードB、HNB)、ベースバンドユニット(ベースバンドユニット、BBU)、送信受信ポイント(transmission reception point、TRP)、送信ポイント(transmission point、TP)、モバイルスイッチングセンタ、スモールセル及びピコセルを含む。あるいは、ネットワーク装置は、無線コントローラ、集中基地局(centralized unit、CU)及び/又はクラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio network、CRAN)シナリオにおける分散基地局(distributed unit、DU)であり得るか又はネットワーク装置は中継局、アクセスポイント、車両搭載装置、端末装置、ウェアラブルデバイス、将来の移動通信ネットワークにおけるネットワーク装置、将来発展する公衆陸上移動ネットワーク(public land mobile network、PLMN)におけるネットワーク装置等であり得る。
【0030】
3.端末装置とネットワーク装置との間の通信:本願の実施形態では、端末装置とネットワーク装置は、通信インターフェイスを介して互いに通信する。例えば、端末装置とネットワーク装置との間の通信インターフェイスは、ユニバーサルUE-ネットワークインターフェイス(universal UE to network interface、Uuインターフェイス)であり得る。したがって、端末装置とネットワーク装置との間の通信は、Uuインターフェイス通信とも呼ばれ得る。具体的には、Uuインターフェイス通信はアップリンク通信及びダウンリンク通信を含む。
【0031】
具体的には、アップリンク通信とは、端末装置がネットワーク装置に情報を送信するプロセスをいう。端末装置によりネットワーク装置に送信される情報はアップリンク信号、アップリンク情報等と呼ばれる。アップリンク情報は、通常、アップリンク制御情報(uplink control information、UCI)及びアップリンクデータ(uplink data)を含むことが理解されよう。アップリンク制御情報は、端末装置によってフィードバックされる関連情報、例えば、チャネル状態情報(チャネル状態情報、CSI)又はHARQフィードバック情報(例えば、肯定応答(acknowledgement、ACK)又は否定応答(negative acknowledgement、NACK)を運ぶために用いられる。具体的には、アップリンク制御情報は物理的アップリンク制御チャネル(physical uplink control channel、PUCCH)上で運ばれ、アップリンクデータは物理的アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel、PUSCH)上で運ばれる。
【0032】
具体的には、ダウンリンク通信とは、端末装置がネットワーク装置によって送信される情報を受信するプロセスをいう。端末装置によってネットワーク装置から受信された情報は、ダウンリンク信号又はダウンリンク情報と呼ばれ得る。ダウンリンク情報は、通常、ダウンリンク制御情報(downlink control information、DCI)及びダウンリンクデータ(downlink data)を含むことが理解されよう。ダウンリンク制御情報は、端末装置のための通信(Uuインターフェイス通信、サイドリンク通信等)をスケジューリングするために用いられる関連情報、例えば、データチャネルリソース割当てや変調及びコーディング方式等の情報である。具体的には、ダウンリンク制御情報は物理的ダウンリンク制御チャネル(physical downlink control channel、PDCCH)上で運ばれ、ダウンリンクデータは物理的ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel、PDSCH)上で運ばれる。
【0033】
4.サイドリンク通信:本願の実施形態では、サイドリンク通信はサイドリンク通信とも呼ばれ得、サイドリンク情報の送受信を含む端末装置間の通信である。サイドリンク情報はサイドリンク信号とも呼ばれ、サイドリンク制御情報(sidelink control information、SCI)及びサイドリンクデータ(sidelink data)を含む。SCIは通常、物理サイドリンク制御チャネル(physical sidelink control channel、PSCCH)上で運ばれる。サイドリンクデータは、通常、物理サイドリンク共有チャネル(physical sidelink shared channel、PSSCH)上で運ばれる。加えて、サイドリンク情報は、サイドリンクフィードバック情報と呼ばれ得るサイドリンクフィードバック制御情報(サイドリンクフィードバック制御情報、SFCI)をさらに含む。例えば、SFCIは、チャネル状態情報(channel state information、CSI)及びハイブリッド自動再送要求(hybrid automatic repeat request、HARQ)フィードバック情報等の情報のうちの1つ以上を含み得る。HARQフィードバック情報は、ACK、NACK等を含み得る。具体的には、HARQフィードバック情報は物理的サイドリンクフィードバックチャネル(physical sidelink feedback channel、PSFCH)上で運ばれ得る。PSFCHは、サイドリンクフィードバックチャネルとも呼ばれ得る。
【0034】
例えば、本願の実施形態では、サイドリンク通信のために端末装置によって用いられるインターフェイスは、PC5インターフェイスと呼ばれ得る。サイドリンク通信のために用いられるリソースはサイドリンクリソースとも呼ばれ、具体的には時間ドメインリソース及び周波数ドメインリソースを含む。
【0035】
異なる通信シナリオの場合、サイドリンク通信は、V2X(vehicle-to-X)通信、D2D(device to device)通信等を含む。加えて、サイドリンクリソースをスケジューリングする異なる方法に対して、サイドリンク通信は、ネットワーク装置スケジューリングモード及び端末装置自律選択モードを含む。ネットワーク装置スケジューリングモードはモード1(mode 1)、ネットワーク装置支援スケジューリングモード等とも呼ばれ得る。ネットワーク装置スケジューリングモードでは、サイドリンクリソースがネットワーク装置によって端末装置に割り当てられ、ネットワーク装置によって割り当てられたサイドリンクリソースはサイドリンクグラント(sidelink grant、SLグラント)情報を用いることにより端末装置に示され得る。例えば、ネットワーク装置は、サイドリンクグラント情報をダウンリンク制御情報(downlink control information、DCI)に追加し、ダウンリンク制御情報を端末装置に送信し得る。端末装置自律選択モードはモード2(mode 2)と呼ばれ得る。端末装置自律選択モードでは、端末装置はリソースプール(resource pool、RP)からサイドリンク通信に用いられるサイドリンクリソースを自律的に決定する。リソースプールは端末装置のために予め構成されている。例えば、リソースプールは、システムメッセージ又は専用のシグナリングを用いることにより、端末装置のためにネットワーク装置によって予め構成され得るか又はプロトコルを用いることにより予め合意され得る。本願の実施形態では、端末装置のためにリソースプールの予め構成する方法は限定されない。加えて、本願の実施形態におけるリソースプールは、サイドリンク通信に用いられるリソースのグループであることに留意されたい。
【0036】
5.トランスポートブロック:本願の実施形態では、トランスポートブロック(transport block、TB)は、端末装置間又は端末装置とネットワーク装置との間の1つの通信プロセスで受信又は送信されるデータである。なお、本願の実施形態におけるトランスポートブロックは、媒体アクセス制御プロトコルデータユニット(media access control protocol data unit、MAC PDU)として理解され得る。
【0037】
6.HARQエンティティ:本願の実施形態では、1つのHARQエンティティは、HARQフィードバック再送信メカニズムを実施するために、K個のHARQプロセス(HARQ process)を維持又は管理する。Kは1以上の正の整数である。Kの値は、プロトコルを用いることにより予め合意され得るか又は端末装置のためにネットワーク装置によって構成され得る。例えば、Kの値は16であり得る。
【0038】
例えば、1つの端末装置は、サイドリンク通信のためにM個のHARQエンティティと、Uuインターフェイス通信のためにN個のHARQエンティティとを含み得る。一般に、1つの通信キャリアは1つのHARQエンティティに対応する。サイドリンク通信を一例として用いる。例えば、サイドリンク通信のために1つのキャリアが用いられる場合、1つの端末装置はサイドリンク通信のために1つのHARQエンティティを含む。別の例として、サイドリンク通信のためにQ個のキャリアが用いられる場合、1つの端末装置は、サイドリンク通信のためにQ個のHARQエンティティを含む。
【0039】
なお、サイドリンク通信及びUuインターフェイス通信の両方について、1つのTBの通信のために1つのHARQプロセスが用いられる。例えば、HARQプロセス1は、TB1の通信のために用いられ、HARQプロセス1は、TB1の送信が終了した後でのみ、他のTBの通信のために用いることができる。TB1の送信が終了する前では、別のTBの送信はHARQプロセス1を占有することができない。つまり、HARQプロセス1がTB1の送信のために占有された後、HARQプロセス1は、TBの送信が終了する前に、別のTBの送信のために用いることができない。加えて、本願の実施形態では、HARQプロセスは、HARQプロセス識別子(identifier、ID)を用いることにより示され、同じHARQエンティティによって維持される異なるHARQプロセスのHARQプロセスIDは異なる。
【0040】
通信におけるデータ伝送の信頼性を改善するために、HARQフィードバック再送信機構が導入される。例えば、アップリンク通信では、図1にアップリンクデータ再送信フィードバックプロセスが示されて、以下のステップを含む。
【0041】
ステップ1:ネットワーク装置は、PDCCHでのアップリンクデータの新規送信のために端末装置をスケジューリングする。
【0042】
ステップ2:端末装置は、ステップ1でのスケジューリングに基づいてネットワーク装置にアップリンクデータを送信する。
【0043】
ステップ3:アップリンクデータを受信した後で、ネットワーク装置はアップリンクデータをデコードする。デコーディングに失敗した場合、ネットワーク装置は、PDCCH上のアップリンクデータの再送信のために端末装置をスケジューリングする。
【0044】
ステップ4:端末装置は、ステップ3でのスケジューリングに基づいて、ネットワーク装置にアップリンクデータを再送信する。
【0045】
別の例として、ダウンリンク通信において、図2にダウンリンクデータ再送信フィードバックプロセスを示し、以下のステップを含む。
【0046】
ステップ1:ネットワーク装置が端末装置にダウンリンクデータを新たに送信する。
【0047】
ステップ2:端末装置はネットワーク装置によって新たに送信されたダウンリンクデータを受信し、ダウンリンクデータをデコードする。デコーディングに失敗した場合、端末装置はネットワーク装置にNACKを返す。
【0048】
ステップ3:NACKを受信した後、ネットワーク装置は端末装置にダウンリンクデータを再送信する。
【0049】
ステップ4:ネットワーク装置によって再送信されたダウンリンクデータを端末装置が受信した後で、端末装置が再送信されたダウンリンクデータを正常にデコードした場合、端末装置はネットワーク装置にACKを返す。
【0050】
加えて、サイドリンク通信の場合、送信端末が受信端末にサイドリンクデータを送信する。例えば、送信端末は端末装置1であり、受信端末は端末装置2である。図3にサイドリンクデータ再送信フィードバックプロセスが示され、具体的に以下のステップを含む。
【0051】
端末装置1は、新たな送信及び再送信を含み、端末装置2にサイドリンクデータを送信する。
【0052】
端末装置2は、サイドリンクデータを受信した後でサイドリンクデータをデコードする。端末装置2が、端末装置1からのサイドリンクデータを正常にデコードした後に、端末装置1から再送されたサイドリンクデータを受信した場合、端末装置2はこのサイドリンクデータをデコードしない。なお、端末装置2は、端末装置1からのサイドリンクデータのデコードに成功したかどうかにかかわらず、ACK/NACKフィードバックを提供しない。
【0053】
一般に、図3に示すサイドリンクデータ再送信フィードバックプロセスがLTEに適用される。
【0054】
一部の他の実施形態では、サイドリンク通信の場合、ACK/NACKフィードバックが代替的に提供され得る。
【0055】
例えば、送信端末が端末装置1であり、受信端末が端末装置2である。ネットワーク装置スケジューリングモードにおいて、図4にサイドリンクデータ再送信フィードバック方法を示し、以下のステップを含む。
【0056】
ステップ1:ネットワーク装置は、PDCCH上でのサイドリンクデータの新たな送信のために端末装置1をスケジューリングし、サイドリンク情報の受信側は端末装置2である。
【0057】
ステップ2:端末装置1は、ステップ401でのスケジューリングに基づいて、端末装置2にサイドリンクデータを新たに送信する。
【0058】
ステップ3:端末装置1によって新たに送信されたサイドリンクデータを受信した後、端末装置2はサイドリンクデータをデコードする。デコーディングに失敗した場合、端末装置2は端末装置1にNACKをフィードバックする。
【0059】
ステップ4:端末装置2によってフィードバックされたNACKを受信した後で、端末装置1はネットワーク装置にNACKをフィードバックする。
【0060】
ステップ5:NACKを受信した後、ネットワーク装置は、PDCCH上でのサイドリンクデータの再送信のために、端末装置1をスケジューリングする。
【0061】
ステップ6:端末装置1は、ステップ5でのスケジューリングに基づいて、端末装置2にサイドリンクデータを再送信する。
【0062】
別の例として、送信端末が端末装置1であり、受信端末が端末装置2である。端末装置自律選択モードでは、図5にサイドリンクデータ再送信フィードバック方法が示され、以下のステップを含む。
【0063】
ステップ1:端末装置1は、サイドリンクデータを新たに送信するために用いられるサイドリンクリソース1を選択し、選択したサイドリンクリソース1を用いることによりサイドリンクデータを端末装置1に新たに送信する。
【0064】
ステップ2:端末装置1からサイドリンクデータを受信した後で、端末装置2はサイドリンクデータをデコードする。デコーディングに失敗した場合、端末装置2は、端末装置1にNACKをフィードバックする。
【0065】
ステップ3:NACKを受信した後で、端末装置は、サイドリンクデータを再送信するために用いられるサイドリンクリソース2を選択し、サイドリンクデータを再送信するために用いられる選択したサイドリンクリソース2を用いることにより、端末装置1にサイドリンクデータを再送信する。
【0066】
一般に、ネットワーク装置スケジューリングモードでは、サイドリンクデータ送信のための送信端末のスケジューリングの間に、ネットワーク装置は、サイドリンクデータ送信のために現在スケジューリングされているサイドリンクリソースに対応するHARQプロセスIDをDCIに追加し得る。しかしながら、送信端末は、現在スケジューリングされているサイドリンクリソースでサイドリンクデータを送信するために用いられるHARQプロセスを割り当てることがあり、ネットワーク装置によってDCIに追加されるHARQプロセスIDを用いることにより特定されるHARQプロセスを必要としない。
【0067】
このように、送信端末が、ネットワーク装置スケジューリングモード及び端末装置自律選択モードの両方でサイドリンクデータを送信する場合、HARQプロセスIDを用いることにより特定され、DCIにおいてネットワーク装置により送信端末に示されるHARQプロセスは、端末自律選択モードにおいてサイドリンクデータ送信のために割り当てられていることがある。したがって、ネットワーク装置スケジューリングモードでは、送信端末は、サイドリンクデータを送信するために用いられるHARQプロセスも割り当てる。これは競合を回避するのに役立つ。
【0068】
加えて、端末装置自律選択モードでは、送信端末のみがサイドリンクデータを送信するために用いられるHARQ処理を割り当てることができる。したがって、ネットワーク装置スケジューリングモードでは、送信端末は、サイドリンクデータを送信するために用いられるHARQプロセスも割り当てる。これは一貫性に役立つ。
【0069】
さらに、受信端末にサイドリンクデータを送信する場合、送信端末は受信端末にSCIも送信することを理解すべきである。SCIは、現在のサイドリンク通信で用いられるHARQプロセスIDを運ぶ。しかしながら、送信端末からサイドリンクデータを受信した後で、受信端末はサイドリンクデータを処理するためにHARQプロセスを割り当てることがあり、SCIで運ばれるHARQプロセスIDを用いることにより特定されるHARQプロセスを用いない。
【0070】
このように、送信端末が複数の受信端末と同時にサイドリンク通信を行う場合、異なる送信端末によって送信される異なるSCIで運ばれるHARQプロセスIDは同じであってもよく、受信端末は異なる送信端末からのサイドリンクデータを処理するために異なるHARQプロセスを用いる必要がある。したがって、受信端末は受信したデータを処理するために、受信端末によって割り当てられたHARQプロセスを用いるため、HARQプロセスの競合を回避することができる。
【0071】
前記のように、HARQプロセスの利用を改善するために、受信端末及び送信端末がサイドリンクデータの送受信を行うために別々にHARQプロセスを割り当てる上記の場合では、一部の実施形態では、送信端末が、受信端末からフィードバックされるACKであって、HARQプロセスIDを用いることにより特定されるHARQプロセスに特有であり、SCIを用いることにより受信端末に示されるACKを受信した場合、送信端末は、HARQプロセスに対応するバッファ(HARQバッファ)をクリアし、HARQプロセスを「利用可能」、「アイドル」等とマークする。つまり、HARQプロセスは新たなサイドリンクデータの送信のために続けて割り当てられ得る。
【0072】
一部の実施形態では、受信端末が、受信端末によって割り当てられたHARQプロセスを用いることによりサイドリンクデータのデコードに成功した場合、受信端末は、HARQプロセスに対応するバッファ(HARQソフトバッファ)をクリアし、HARQプロセスを「利用可能」又は「アイドル」とマークする。すなわち、HARQプロセスは、その後、新たに受信したサイドリンクデータのデコーディングのために割り当てられ得る。
【0073】
サイドリンク通信では、HARQフィードバック再送信メカニズムが導入された後、送信端末又は受信端末はHARQプロセスを割り当て、サイドリンクデータが正常に送信又は受信された後で、対応するバッファがさらにクリアされ、「使用可能」又は「アイドル」としてマークされる。したがって、ネットワーク装置スケジューリングモードでは、ネットワーク装置がサイドリンクデータの送信に失敗したと判定するが、送信端末がサイドリンクデータの受信に成功したと判定した場合に、ネットワーク装置がサイドリンクデータのためにスケジューリングを再度行った場合、送信端末で例外が起こり得る。
【0074】
例えば、端末装置1が端末装置2にTB1を送信する。なお、TB1はサイドリンクである。ネットワーク装置スケジューリングモードでは、図6A及び図6Bにサイドリンク通信プロセスを示し、具体的には以下のステップを含む。
【0075】
ステップ601:ネットワーク装置は、TB1の新たな送信をスケジューリングするために端末装置1にDCI1を送信する。DCI1は、SLグラント1、HARQプロセスID1及びニューデータインジケータ(new data indicator、NDI)1を含む。ここで、NDI1=0であり、SLグラント1はサイドリンクリソース1を示し、HARQプロセスID1はHARQプロセス1を示すために用いられる。
【0076】
ステップ602:DCI1を受信した後で、端末装置1は、HARQプロセスID1およびNDI1に基づいて、NDI1が新たな送信を示すと判定し、HARQプロセスAを割り当てる。
【0077】
ステップ603:端末装置1は、HARQプロセスAを用いることにより、サイドリンクリソース1上で端末装置2にSCI1及びTB1を新たに送信する。SCI1は、HARQプロセスID A及びNDI1を含む。HARQプロセスID Aは、HARQプロセスAを示す。
【0078】
なお、端末装置1の場合、HARQプロセスAはHARQプロセス1に関連する。
【0079】
加えて、端末装置1が、HARQプロセスAを用いることにより、サイドリンクリソース1上で端末装置2にSCI1及びTB1を新たに送信するとは、端末装置1が、HARQプロセスAを用いることにより、サイドリンクリソース1上で端末装置2にSCI1及びTB1を新たに送信すること又は端末装置1が、HARQプロセスAを用いることにより、サイドリンクリソース1上で端末装置2にSCI1及びTB1を新たに送信することと理解され得る。
【0080】
ステップ604:端末装置2がSCI1及びTB1を受信した後で、端末装置2が、HARQプロセスID A及びNDI1に基づいて、NDI1が新たな送信を示すと判定した場合、端末装置2はHARQプロセスYを割り当て、HARQプロセスYを用いることによりTB1をデコードする。端末装置2の場合、HARQプロセスAをHARQプロセスBに関連する。
【0081】
ステップ605:端末装置2はTB1を正常にデコードし、TB1のために端末装置1にACKを送信する。また、端末装置2がTB1のデコードに成功した場合、端末装置2はHARQプロセスYをさらにリリースする。これは、HARQプロセスYの利用を高めるのに役立つ。例えば、端末装置2は、HARQプロセスに対応するバッファをクリアするためにHARQプロセスYを「利用可能」、「アイドル」又は「非占有」とマークして、HARQプロセスYとHARQプロセスAとの関連関係を解除することにより、HARQプロセスYを解放する。
【0082】
ステップ606:端末装置1は、TB1について端末装置2によって送信されたACKを受信し、TB1が正常に送信されたと判定した場合、端末装置1はHARQプロセスAを解放し、TB1のためのHARQフィードバック情報をネットワーク装置に送信する。
【0083】
例えば、端末装置1は、HARQプロセスAに対応するバッファをクリアするためにHARQプロセスAを「利用可能」、「アイドル」又は「非占有」とマークして、HARQプロセスAとHARQプロセス1との関連関係を解除することにより、HARQプロセスAを解放する。
【0084】
ステップ607:ネットワーク装置は、TB0の新たな送信をスケジューリングするために、端末装置1にDCI0を送信する。DCI0は、SLグラント0、HARQプロセスID0及びNDI1を含む。HARQプロセスID0はHARQプロセス0を示すために用いられ、SLグラント0はサイドリンクリソース0を示す。
【0085】
ステップ608:端末装置1はDCI0を受信し、HARQプロセスID0及びNDI0に基づいて、NDI0が新たな送信を示すと判定し、HARQプロセスAを割り当てる。端末装置1の場合、HARQプロセス0がHARQプロセスAに関連する。
【0086】
ステップ609:端末装置1は、HARQプロセスAを用いることにより、サイドリンクリソース0上で端末装置2にSCI0及びTB0を新たに送信する。SCI0は、HARQプロセスID A及びNDI1を含む。
【0087】
ステップ610:端末装置2がSCI0及びTB0を受信した後で、端末装置2が、HARQプロセスID A及びNDI1に基づいて、NDI1が新たな送信を示すと判定した場合、端末装置2はHARQプロセスXを割り当て、HARQプロセスXを用いることによりTB0をデコードする。端末装置2の場合、HARQプロセスAはHARQプロセスXに関連する。
【0088】
ステップ611:端末装置2がTB0のデコードに失敗した場合、端末装置2は、TB0のために端末装置1にNACKを送信する。
【0089】
なお、デコーディングに失敗した場合、端末装置2は、通常、TB0の再送信を促進するために、HARQプロセスAとHARQプロセスXとの間の関連関係の維持を続ける。
【0090】
ステップ612:端末装置1がTB0のために送信されたNACKを受信した場合、端末装置1はTB0の送信に失敗したと判定し、TB0のためにネットワーク装置にNACKを送信する。
【0091】
なお、TB0のためのHARQフィードバック情報がNACKである場合、端末装置1は、通常、TB0の再送信を促進するために、HARQプロセスAとHARQプロセス0との間の関連関係の維持を続ける。
【0092】
ステップ613:ネットワーク装置がTB0の新たな送信のためにHARQプロセスAを割り当てた後で、ネットワーク装置がTB1のためのHARQフィードバック情報をまだ受信しないか又はTB1のためのHARQフィードバック情報のデコードに失敗し、TB1の送信が失敗した判定した場合、ネットワーク装置は、端末装置1にDCI2を送信することにより、TB1の再送信をスケジュールする。DCI2は、SLグラント2、HARQプロセスID1及びNDI1を含む。SLグラント2はサイドリンクリソース2を示す。
【0093】
しかしながら、端末装置1について、TB1は正常に送信され、TB1のために割り当てられたHARQプロセスAはTB0の送信のために占有されている。したがって、端末装置1は、ネットワーク装置によってスケジューリングされたTB1の再送信のためにDCI2を受信した後に例外が起こる可能性がある。
【0094】
加えて、例えば、端末装置1は端末装置2にTB1を送信する。なお、TB1はサイドリンクデータである。ネットワーク装置スケジューリングモード又は端末装置自律選択モードでは、図7に端末装置1と端末装置2との間の通信プロセスを示し、具体的には以下のステップを含む。
【0095】
ステップ701:端末装置1は、HARQプロセス1を用いることにより、端末装置2にSCI1及びTB1を送信する。SCI1は、HARQプロセスID1及びNDI1を含む。HARQプロセスID1はHARQプロセス1を示すために用いられ、NDI1=0である。
【0096】
ステップ702:端末装置2がSCI1及びTB1を受信した後で、端末装置2が、HARQプロセスID1及びNDI1に基づいて、NDI1が新たな送信を示すと判定した場合、端末装置2はHARQプロセスBを割り当て、HARQプロセスBを用いることによりTB1をデコードする。端末装置2の場合、HARQプロセス1はHARQプロセスBに関連する。
【0097】
ステップ703:端末装置2はTB1を正常にデコードし、HARQプロセスBを解放し、TB1のために端末装置にACKを送信する。
【0098】
具体的には、端末装置2がHARQプロセスBを解放する実施については、図6A及び図6Bに示すサイドリンク通信方法の関連説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0099】
ステップ704:端末装置1は、HARQプロセス0を用いることにより、端末装置2にSCI0及びTB0を送信する。SCI0は、HARQプロセスID0及びNDI1を含む。HARQプロセスID0は、HARQプロセス0を示すために用いられ、NDI1=0である。
【0100】
ステップ705:端末装置2がSCI0及びTB0を受信した後で、端末装置2が、HARQプロセスID0及びNDI1に基づいて、NDI1は新たな送信を示すと判定した場合、端末装置2はHARQプロセスBを割り当て、HARQプロセスBを用いてTB0をデコードする。端末装置2の場合、HARQプロセスBはHARQプロセス0に関連する。
【0101】
ステップ706:端末装置2はTB0のデコードに失敗し、TB0のために端末装置1にNACKを送信する。
【0102】
なお、デコーディングが失敗した場合、端末装置2は、TB0の再送信を促進するために、HARQプロセス0とHARQプロセスBとの間の関連関係の維持を続ける。
【0103】
ステップ707:端末装置1が、TB0の新たな送信のためにHARQプロセスBを割り当てた後で、端末装置1がTB1のためにHARQフィードバック情報をまだ受信しないか又はTB1のためのHARQフィードバック情報のデコードに失敗し、TB1の送信が失敗したと判定した場合、端末装置1は、端末装置1にDCI2を送信することにより、TB1の再送信をスケジューリングする。DCI2は、SLグラント2、HARQプロセスID1及びNDI1を含む。SLグラント2はサイドリンクリソース2を示す。
【0104】
しかしながら、端末装置2について、TB1が正常にデコードされ、TB1のために割り当てられたHARQプロセスBはTB0の送信のために占有されている。したがって、端末装置2が、端末装置1によってスケジューリングされたTB1の再送信のためにDCI2を受信した後に、例外が起こる可能性がある。
【0105】
したがって、ネットワーク装置のスケジューリングモードでは、ネットワーク装置がTB(TBが第1のTBである例を以下で用いる)の送信に失敗したと判定するが、送信端末が第1のTBが正常に送信されたと送信端末が判定した場合、送信端末がネットワーク装置によって送信され、第1のTBの再送信をスケジューリングするために用いられる制御情報を受信した後に、例外が起こる可能性がある。この観点から、本願の実施形態は、送信端末がネットワーク装置によって送信され、第1のTBの再送信をスケジューリングするために用いられる制御情報を受信した後に例外が起こる可能性を低減するのを支援することにより通信性能を改善するために、ハイブリッド自動再送要求処理方法を提供する。
【0106】
加えて、ネットワーク装置スケジューリングモード及び端末装置自律選択モードにおいて、送信端末がTB(TBが第1のTBである例を以下で用いる)が送信に失敗したと判定するが、受信端末が第1のTBは正常にデコードされたと判定する場合、受信装置が送信端末によって再送信された第1のRBを受信した後に例外が起こる可能性がある。この観点から、本願の実施形態は、送信端末がネットワーク装置によって送信され、第1のTBの再送信をスケジューリングするために用いられる制御情報を受信した後に例外が起こる可能性を低減するのを支援することにより通信性能を改善するために、ハイブリッド自動再送要求処理方法を提供する。
【0107】
対応する本明細書の添付図面を参照して、本願の実施形態を以下で説明する。
【0108】
本願の実施形態は、LTEシステム、NRシステム又は将来の通信システム(例えば、6G通信システム)に適用され得る。例えば、図8は、本願の実施形態が適用可能な通信システムのネットワークアーキテクチャの概略図である。通信システムは端末装置及びネットワーク装置を含む。具体的には、端末装置とネットワーク装置との間でUuインターフェイス通信が行われ、端末装置間でサイドリンク通信が行われ得る。
【0109】
本願の実施形態では、ネットワーク装置及び端末装置は地上で配備されてもよく、屋内又は屋外装置、ハンドヘルド装置又は車載装置を含み、水上で配備されてもいいし又は空中の航空機、風船及び人工衛星で配備されてもよい。ネットワーク装置及び端末装置の配備シナリオは、本願の実施形態では限定されない。
【0110】
本願の実施形態では、ネットワーク装置と端末装置との間の通信及び端末装置間の通信は、ライセンス帯域(licensed spectrum)を用いることにより行われ得るか又はアンライセンス帯域(unlicensed spectrum)を用いることにより行われ得るか又はライセンス帯域及びアンライセンス帯域の両方を用いることによって行われ得ることを理解されたい。これに限定されるものではない。ネットワーク装置と端末装置との間の通信及び端末装置間の通信は、6ギガヘルツ未満の帯域を用いることによって行われ得るか又は6GHz以上の帯域を用いることにより行われ得るか又は6GHz未満の帯域及び6GHz以上の帯域の両方を用いることにより行われ得る。すなわち、本願は低周波数シナリオ(例えば、サブ6G)及び高周波数シナリオ(6G以上)の両方に適用可能である。ネットワーク装置と端末装置との間の通信及び端末装置間の通信のために用いられるスペクトルリソースは、本願の実施形態では限定されない。
【0111】
図8に示す通信システムのネットワークアーキテクチャは一例に過ぎず、本願の実施形態における限定をなすものではないことは理解すべきである。通信システムにおけるネットワーク装置の数及び端末装置の数は本願の実施形態では限定されない。例えば、本願の実施形態における通信システムが複数のネットワーク装置を含む場合、ネットワーク装置間でマルチポイント協調通信が行われ得る。例えば、通信システムは複数のマクロ基地局及び複数のマイクロ基地局を含み、マルチポイント協調通信はマクロ基地局間、マイクロ基地局間及びマクロ基地局とマイクロ基地局との間で行われ得る。
【0112】
例えば、図9は、本願の一実施形態に係る端末装置のソフトウェアアーキテクチャの概略図である。図9に示すように、端末装置は、物理層及びMACエンティティを含む。MACエンティティは第1のHARQエンティティを含み、第1のHARQエンティティは少なくとも1つのHARQプロセスを維持する。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。一部の他の実施形態では、MACエンティティは第2のHARQエンティティをさらに含み、第2のHARQエンティティはUuインターフェイス通信のために用いられる。なお、端末装置については、MACエンティティは、サイドリンク通信のために用いられる少なくとも1つのHARQエンティティを含み得る。一般に、MACエンティティに含まれ、サイドリンク通信のために用いられるHARQエンティティの数は、サイドリンク通信のために用いられるキャリアの数に関係する。例えば、サイドリンク通信に用いられるキャリアの数はNであり、MACエンティティは、サイドリンク通信のために用いられるN個のHARQエンティティを含む。
【0113】
第1のTBが正常に送信されたことを判定した場合に、ネットワーク装置によって送信され、第1のTBの再送信をスケジューリングするために用いられる制御情報を送信端末が受信した後に例外が起こるのを回避するために、本願の実施形態は、ハイブリッド自動再送要求処理方法を提供する。例えば、図10に示すように、本方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0114】
ステップ101:ネットワーク装置は第1の端末装置に第1の制御情報を送信する。第1の制御情報は第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を含む。第1のサイドリンクグラント情報は第1のサイドリンクリソースを示し、第1のHARQ情報は第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0115】
ステップ1002:第1の端末装置は第1の制御情報を受信し、第1の表示情報が再送信を示し、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、第1のサイドリンクグラント情報を無視する。
【0116】
第1の端末装置が第1のサイドリンクグラント情報を無視することは、第1の端末装置が第2の端末に第1のHARQプロセスに関連するトランスポートブロックを送信するために、第1のサイドリンクグラント情報によって示される第1のサイドリンクリソースを用いないことと理解され得る。
【0117】
例えば、第1の表示情報はNDIとも呼ばれ、新たな送信を示すためにさらに用いられ得る。第1のHARQプロセスの場合、第1のHARQ情報におけるNDIがフリップされない場合、NDIは再送を示す。すなわち、第1のサイドリンクグラント情報によって示される第1のサイドリンクリソースは、トランスポートブロックの再送信に用いられる。第1のHARQ情報におけるNDIがフリップされている場合、NDIは新たな送信を示す。すなわち、第1のサイドリンクグラント情報によって示される第1のサイドリンクリソースは、トランスポートブロックの新たな送信のために用いられる。例えば、第1のHARQプロセスの場合、第1のHARQ情報におけるNDIが0であり、第1のHARQプロセスのために第1の端末装置でバッファリングされているNDIも0である場合、第1のHARQ情報内のNDIはフリップされず、第1のHARQ情報におけるNDIは再送信を示す。別の例では、第1のHARQプロセスの場合、第1のHARQ情報におけるNDIが1であり、第1のHARQプロセスのために第1の端末装置でバッファされているNDIが0の場合、NDIがフリップされ、第1のHARQ情報におけるNDIは新たな送信を示す。なお、第1のHARQプロセスのために第1の端末装置においてバッファされたNDIは、ネットワーク装置が、ステップ101の前に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを送信するように第1の端末装置をスケジュールするときにバッファリングされる。また、第1のHARQ情報を受信した後に、第1の端末装置は、第1のHARQプロセスのためにバッファされたNDIを第1のHARQ情報におけるNDIに更新し得る。加えて、一部の他の実施形態では、第1の端末装置が第1のHARQプロセスのためのNDIをバッファしない場合、第1のHARQ情報におけるNDIは新たな送信を示し、第1のHARQ情報におけるNDIは第1の端末装置においてバッファされる。
【0118】
本願の本実施形態では、第1の端末装置が第2端末装置に第1のHARQ処理に対応するトランスポートブロックを送信することに成功した場合、第1端末装置がネットワーク装置から送信される第1の制御情報を受信して第1のHARQ処理に対応するトランスポートブロックの再送信をスケジューリングされた場合、第1の端末装置は第1のサイドライングラント情報を無視する。すなわち、第1の端末装置は第2の端末装置に第1のHARQ処理に対応するトランスポートブロックを再送信しないため、第1の端末装置は不要な送信を行うことを防止することができ、第2の端末装置は不要なHARQフィードバックを行うのを防止することができる。
【0119】
例えば、第1の制御情報を受信した後に、第1の端末装置は、第1の表示情報が再送信を示すかどうかを最初に判定し、第1の表示情報が再送信を示す場合、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかそうか判定する。第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、第1の端末装置は第1のサイドライングラント情報を無視する。
【0120】
第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定する方法を以下で対応して説明する。
【0121】
方法1:第1の端末装置は、第1のHARQ処理に関連する第1のパラメータのパラメータ値に基づいて、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQ処理に対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定する。
【0122】
第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第1の値の場合、第1の端末装置は、第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定する。第1の値は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報がACKであることを示すために用いられる。
【0123】
別の例では、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第2の値の場合、第1の端末装置は第2の端末装置への第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックの送信に失敗したと判定する。第2の値は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報がNACKであることを示すために用いられる。この場合、第1の端末装置は第2の端末装置に、第1のサイドリンクグラント情報によって示される第1のサイドリンクリソース上で第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを再送信する。
【0124】
なお、第1の値と第2の値とは異なる。例えば、第1の値と第2の値とは異なるシンボルであり得るか又は異なるシーケンスであり得るか又は異なる値であり得る。これは限定されていない。例えば、第1の値は0であり得るか、第2の値は1であり得る。具体的には、第1の値及び第2の値は、プロトコルを用いることによって予め合意されていてもよい。
【0125】
具体的には、第1の端末装置は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報を記録するために、第1のHARQプロセスのための第1のパラメータを維持し得る。第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報がNACKの場合、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値は第2の値である。第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報がACKの場合、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値は第1の値である。
【0126】
例えば、第1のHARQプロセスのために維持される第1のパラメータは、ネットワーク装置が第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを最初にスケジューリングするときに、第1のHARQプロセスのために第1の端末装置によって割り当てられ得るか又は予め構成され得る。例えば、第1の端末装置は、ネットワーク装置が第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを最初にスケジューリングするときに、第1のHARQプロセスのための第1のパラメータを割り当てる。第1のパラメータのパラメータ値はデフォルト値又はヌルであり得る。別の例として、第1のHARQプロセスのために装置によって予め構成される第1のパラメータのパラメータ値はデフォルト値又はヌルであり得る。例えば、デフォルト値は第1の値であり得るか又は第2の値であり得るか又は第3の値であり得る。これは限定されない。第3の値は第1の値及び第2の値と異なる。
【0127】
方法2:第1の端末装置は、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定するために、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかをどうか判定する。
【0128】
第1のHARQエンティティは、第1の端末装置に存在し、サイドリンク通信のために用いられるHARQエンティティである。第1の端末装置において、サイドリンク通信に用いられる複数のHARQエンティティが存在する場合、第1のHARQエンティティは、第1の端末装置においてサイドリンク通信のために用いられる複数のHARQエンティティのうちの1つであり得る。例えば、第1のHARQエンティティは、第1のサイドリンクグラント情報によって示される第1のサイドリンクのリソースが位置するキャリアに対応するHARQエンティティである。
【0129】
一部の実施形態では、第1の端末装置は、第1のHARQプロセスに関連するHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つの占有されたHARQプロセスに存在するかどうかを判定する。なお、第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つの占有されたHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つのHARQプロセスのうちの利用不能なHARQプロセスであるか又は第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つのHARQプロセスのうちのHARQプロセスであって、サイドリンク通信のために割り当てられているHARQプロセスとして理解され得る。したがって、判定範囲が狭まり、端末装置の処理速度が改善される。
【0130】
例えば、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連しない場合、第1の端末装置は、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定する。例えば、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連する場合、第1の端末装置は、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信しなかったと判定する。
【0131】
第1のHARQプロセスに関連し、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは、第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを送信するために、第1の端末装置によって割り当てられたHARQプロセスであることが理解されよう。
【0132】
方法3:第1の端末装置は、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されているHARQプロセスに関連するかどうか判定する。第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連しない場合、第1の端末装置は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックの再送信に用いられる第2のHARQプロセスを割り当てる。そして、第1の端末装置は、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空かどうかを判定する。第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、第1の端末装置は、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定する。
【0133】
例えば、第1の端末装置は、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスと関連するかどうかを判定するために第1のHARQエンティティを用いる。第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連しない場合、第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックの再送信のために用いられる第2のHARQプロセスを割り当て、第2のHARQプロセスに第1のサイドリンクグラント情報を配信する。次に、第2のHARQプロセスは、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空かどうかを判定する。第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、第2のHARQプロセスは、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定し、第1のサイドリンクグラント情報を無視する。
【0134】
第2のHARQプロセスは、第1の端末装置にあり、サイドリンク通信のために用いられる少なくとも1つのHARQプロセスのうちの利用可能なHARQプロセス、アイドルHARQプロセス又は非占有HARQプロセスであることが理解されよう。
【0135】
なお、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定する上記の3つの方法は説明のための例に過ぎず、本願の実施形態における限定をなすものではない。
【0136】
また、一部の実施形態では、第1の表示情報が再送信を示し、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、第1の端末装置はネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。第2の表示情報は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる。したがって、第2の表示情報を受信した後、ネットワーク装置は、リソースの無駄を回避するのを助けるために、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックの再送信をスケジューリングしない。
【0137】
図9に示す端末装置のソフトウェア構造を一例として用いることにより図10における本願の実施形態を詳細に説明する。
【0138】
例えば、図11は、本願の一実施形態に係るハイブリッド自動再送要求処理方法を示す。本方法は、具体的には以下のステップを含む。
【0139】
ステップ1101:第1の端末装置の物理層は、ネットワーク装置から第1の制御情報を受信する。第1の制御情報は、第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を含む。第1のサイドリンクグラント情報は第1のサイドリンクのリソースを示し、第1のHARQ情報は、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0140】
ステップ1102:物理層は、MACエンティティに第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を送信する。
【0141】
ステップ1103: MACエンティティは、第1のHARQエンティティに第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を配信する。第1のHARQエンティティは、第1の端末装置にあり、サイドリンク通信のために用いられるHARQエンティティである。
【0142】
ステップ1104:第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報に基づいて、第1の表示情報が再送信を示すかどうか判定し、YESあればステップ1105を行い、そうでなければステップ1107を行う。
【0143】
ステップ1105:第1のHARQエンティティは、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定し、YESであればステップ1106を行い、そうでない場合はステップ1107を行う。
【0144】
例えば、第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値に基づいて、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうか判定する。具体的な実施については、方法1の関連説明を参照されたい。詳細についてはここでは再度説明しない。別の例として、第1のHARQエンティティは、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定するために、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定する。具体的な実施については、方法2の関連説明を参照されたい。詳細についてはここでは再度説明しない。
【0145】
ステップ1106:第1のHARQエンティティは、第1のサイドリンクグラント情報を無視する。
【0146】
ステップ1107:第1のHARQエンティティは、第1のサイドリンクグラント情報によって示される第1のサイドリンクリソース上で第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを送信するよう物理レイヤに示す。
【0147】
一部の実施形態では、第1のHARQエンティティが、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したとステップ1105で判定した場合、この方法はステップ1108をさらに含む。
【0148】
ステップ1108:第1のHARQエンティティは、第2の表示情報を生成するよう物理層に示し、第2の表示情報を生成した後に、物理層はネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。第2の表示情報は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる。
【0149】
なお、ステップ1106及びステップ1108は、特定の順番の対象ではない。第1のHARQエンティティは、ステップ1108の前にステップ1106を行ってもいいし、ステップ1106の前にステップ1108を行ってもいいし、ステップ1106及びステップ1108を同時に行ってもよい。
【0150】
なお、図11に示すハイブリッド自動再送要求処理方法では、第1のHARQエンティティは、第1の表示情報が再送信を示すかどうかを判定し、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQ処理に対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定し、第1のサイドリンクグラント情報を無視し、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。
【0151】
一部の他の実施形態では、第1の端末装置において、第1のHARQエンティティは、第1の表示情報が再送信を示すかどうかを判定し、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定し、第1のサイドリンクグラント情報を無視し得るが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。この場合、本願の一実施形態は、ハイブリッド自動再送要求処理方法をさらに提供する。例えば、この方法を図12に示す。図11とは異なり、第1のHARQエンティティが、第1の端末装置は第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定した場合、本方法はステップ1208をさらに含む。
【0152】
ステップ1208:第1のHARQエンティティは第2のHARQプロセスを割り当てる。第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つのHARQプロセスのうちの利用可能なHARQプロセス、アイドル状態のHARQプロセス又は非占有HARQプロセスである。次に、第1のHARQエンティティは、物理層に第2の表示情報を生成するように通知するよう第2のHARQプロセスに示す。第2のHARQプロセスは、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。物理層は第2の表示情報を生成し、第2の表示情報をネットワーク装置に送信する。第2の表示情報は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる。
【0153】
なお、ステップ1206及びステップ1208は、特定の順番の対象ではない。第1のHARQエンティティは、ステップ1208の前にステップ1206を行ってもいいし、ステップ1206の前にステップ1208を行ってもいいし、ステップ1206及びステップ1208を同時に行ってもよい。
【0154】
一部の他の実施形態では、第1の端末装置において、第1のHARQエンティティは、第1の表示情報が再送信を示すかどうかを判定し得るが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定し、第1のサイドリンクグラント情報を無視し、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。この場合、本願の一実施形態は、ハイブリッド自動再送要求処理方法をさらに提供する。例えば、図13に示すように、本方法は具体的に以下のステップを含む。
【0155】
ステップ1301:第1の端末装置の物理層は、ネットワーク装置から第1の制御情報を受信する。第1の制御情報は、第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を含む。第1のサイドリンクグラント情報は第1のサイドリンクリソースを示し、第1のHARQ情報は、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0156】
ステップ1302:物理層は、MACエンティティに第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を送信する。
【0157】
ステップ1303:MACエンティティは、第1のHARQエンティティに第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を配信する。第1のHARQエンティティは、第1の端末装置にあり、サイドリンク通信のために用いられるHARQエンティティである。なお、第1端末装置にサイドリンク通信のために用いられるHARQエンティティが複数ある場合、第1のHARQエンティティは、第1のサイドリンクグラント情報によって示される第1のサイドリンクリソースが位置するキャリアに対応するHARQエンティティであり得る。
【0158】
ステップ1304:第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報に基づいて、第1の表示情報が再送信を示すかどうかを判定し、Yesであればステップ1305を行い、そうでない場合はステップ1309を行う。
【0159】
ステップ1305:第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合はステップ1306を行い、Yesであればステップ1309を行う。
【0160】
ステップ1306:第1のHARQエンティティは第2のHARQプロセスを割り当てる。第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つのHARQプロセスのうちの利用可能なHARQプロセス、アイドル状態のHARQプロセス又は非占有HARQプロセスである。
【0161】
ステップ1307:第1のHARQエンティティは、第2のHARQプロセスに第1のサイドリンクグラント情報を配信する。また、第1のHARQエンティティは、第2のHARQプロセスに再送信を示す。
【0162】
ステップ1308:第2のHARQプロセスが、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空であると判定した場合、第2のHARQプロセスは第1のサイドリンクグラント情報を無視する。
【0163】
また、第1のHARQエンティティが第2のHARQプロセスに再送信を示し、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、第2のHARQプロセスは、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。物理層は第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。第2の表示情報は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる。
【0164】
ステップ1309:第1のHARQエンティティは、第1のサイドリンクグラント情報によって示される第1のサイドリンクリソース上で第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを送信するよう物理レイヤに示す。
【0165】
一部の他の実施形態では、第1の端末装置において、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは、第1の表示情報が再送信を示すかどうかを判定し、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定し、第1のサイドリンクグラント情報を無視し、第2の表示情報を生成するよう物理層に示し得る。この場合、本願の一実施形態は、ハイブリッド自動再送要求処理方法をさらに提供する。例えば、本方法は図14に示される。図13に示すハイブリッド自動再送要求処理方法とは異なり、MACエンティティが第1のHARQエンティティに第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を配信した後に、以下のステップが行われる。
【0166】
ステップ1404:第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合はステップ1405を行い、Yesの場合はステップ1409を行う。
【0167】
ステップ1405:第1のHARQエンティティは第2のHARQプロセスを割り当てる。第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つのHARQプロセスのうちの利用可能なHARQプロセス、アイドル状態のHARQプロセス又は非占有HARQプロセスである。
【0168】
ステップ1406:第1のHARQエンティティは、第2のHARQプロセスに第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を配信する。
【0169】
ステップ1407:第2のHARQプロセスは、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報に基づいて、第1の表示情報が再送信を示すかどうか判定し、Yesの場合はステップ1408を行い、そうでない場合はステップ1409を行う。
【0170】
ステップ1408:第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、第2のHARQプロセスは第1のサイドリンクグラント情報を無視する。
【0171】
また、第2のHARQプロセスは、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空であると判定し、第2の表示情報を生成するよう物理層にさらに示す。物理層は第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。第2の表示情報は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる。
【0172】
ステップ1409:第1のHARQエンティティは、第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つのHARQプロセスのうちの、第1のHARQプロセスに関連するHARQプロセスに第1のHARQ情報及び第1のサイドリンクグラント情報を配信し、HARQプロセスは、第1のサイドリンクグラント情報によって示される第1のサイドリンクリソース上で第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを送信するよう物理層に示す。
【0173】
なお、第2のHARQプロセスが、第1の表示情報が再送信を示さないと判定した場合、ステップ1409において第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つのHARQプロセスのうちの、第1のHARQプロセスに関連するHARQプロセスは、ステップ1405で第1のHARQエンティティによって割り当てられる第2のHARQプロセスである。
【0174】
本願の一実施形態に係るハイブリッド自動再送要求処理方法を、サイドリンク通信を参照しながら説明する。例えば、図15に示すように、本方法は具体的に以下のステップを含む。
【0175】
ステップ1501:ネットワーク装置は第1の端末装置に制御情報1を送信する。制御情報1は、サイドリンクグラント情報1及びHARQ情報1を含む。サイドリンクグラント情報1はサイドリンクリソース1を示し、HARQ情報1は、HARQプロセスID1及びNDI1を含む。HARQプロセスID1はHARQプロセス1を示すために用いられ、NDI1=0である。
【0176】
ステップ1502:第1の端末装置は制御情報1を受信し、HARQプロセスID1及びNDI1に基づいて、NDI1が新たな送信を示すと判定する。
【0177】
ステップ1503:第1の端末装置は、サイドリンクリソース1上で第2の端末装置にHARQプロセス1に対応するトランスポートブロックを送信する。
【0178】
ステップ1504:HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックを受信した後で、第2の端末装置は、HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックをデコードする。
【0179】
ステップ1505:HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックが正常にデコードされた場合、第2の端末装置は第1の端末装置に、HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報を送信する。HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報はACKである。
【0180】
ステップ1506:第1の端末装置は、HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックのためのACKであるHARQフィードバック情報を受信し、HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックが正常に送信されたと判定し、ネットワーク装置に、HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報を送信する。
【0181】
ステップ1507:ネットワーク装置は、HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報を受信し、HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報がNACKであると判定する。
【0182】
ステップ1508:ネットワーク装置は、第1の端末装置に制御情報2を送信する。制御情報2はサイドリンクグラント情報2及びHARQ情報2を含む。サイドリンクグラント情報2はサイドリンクリソース2を示し、HARQ情報2はHARQプロセスID1及びNDI2を含む。HARQプロセスID1はHARQプロセス1を示すために用いられ、NDI2=0である。
【0183】
ステップ1509:第1の端末装置が制御情報2を受信し、HARQプロセスID1及びNDI2に基づいて、NDI2が再送信を示すが、HARQプロセス1に対応するトランスポートブロックが正常に送信されたと判定した場合、第1の端末装置はサイドリンクグラント情報2を無視する。
【0184】
なお、上記は、第1の端末装置が、新たな送信において、第2の端末装置に第1のHARQ処理に対応するトランスポートブロックを正常に送信した例を用いて説明した。本願のこの実施形態は、新たな送信が失敗するが再送信が成功するシナリオにも適用可能である。これは限定されない。
【0185】
受信端末が、第1のTBが正常にデコードされたと判定した場合に、送信端末によって再送信された第1のTBを受信した後で例外が起こるのを回避するために、本願の実施形態は、ハイブリッド自動再送要求処理方法を提供する。例えば、図16に示すように、本方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0186】
ステップ1601:第2の端末装置は、第1のHARQプロセスを用いることにより、第1の端末装置に第1のサイドリンク情報を送信する。第1のサイドリンク情報は第1のサイドリンク制御情報及び第1のトランスポートブロックを含む。第1のサイドリンク制御情報は第1のHARQ情報を含む。第1のHARQ情報は、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0187】
例えば、第1の表示情報の関連説明については、図10の第1の表示情報の関連説明を参照されたい。詳細についてはここでは再度説明しない。
【0188】
本願のこの実施形態では、第1のサイドリンク制御情報は第1のサイドリンクグラント情報をさらに含み得る。第1のサイドリンクグラント情報は、サイドリンク通信のために用いられるサイドリンクリソースを示す。
【0189】
ステップ1602:第1の端末装置は、第2の端末装置によって送信される第1のサイドリンク情報を受信し、第1の表示情報が再送信を示し、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信した場合、第1のトランスポートブロックをデコードしない。
【0190】
本願のこの実施形態では、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信した場合に、第1の端末装置が第2の端末装置によって再送信された第1のトランスブロックを受信すると、第1の端末装置は再送信された第1のトランスポートブロックをデコードしないため、第1の端末装置の例外を回避するのに役立ち、第1の端末装置の通信性能を改善する。
【0191】
例えば、第1のサイドリンク情報を受信した後で、第1の端末装置は、第1の表示情報が再送信を示すかどうかを先ず判定し、第1の表示情報が再送信を示す場合、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定する。第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信した場合、第1の端末装置は、再送信された第1のトランスポートブロックをデコードしない。
【0192】
以下では、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定する方法を対応して説明する。
【0193】
方法A:第1の端末装置は、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値に基づいて、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定する。
【0194】
具体的な実施については、方法1における、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定することの関連説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0195】
方法B:第1の端末装置は、第1の端末装置が、第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定するために、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうか判定する。
【0196】
具体的な実施については、方法2における、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したかどうかを判定することの関連説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0197】
方法C:第1の端末装置は、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定する。第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連しない場合、第1の端末装置は第2のHARQプロセスを割り当てる。次に、第1の端末装置は、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空かどうかを判定する。第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、第1の端末装置は、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信したと判定する。
【0198】
第2のHARQプロセスは、第1の端末装置にあり、サイドリンク通信のために用いられる少なくとも1つのHARQプロセスのうちの、利用可能なHARQプロセス、アイドルHARQプロセス又は非占有HARQプロセスであることが理解されよう。
【0199】
例えば、第1の端末装置は、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定するために第1のHARQエンティティを用いる。第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連しない場合、第1のHARQエンティティは第2のHARQプロセスを割り当て、第2のHARQプロセスに第1のトランスポートブロックを配信する。次に、第2のHARQプロセスは、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空であるかどうか判定する。第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、第2のHARQプロセスは、第1の端末装置が第1のトランスポートブロックを正常に受信したと判定し、第1のトランスポートブロックをデコードしない。
【0200】
なお、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定する前述の3つの方法は説明のための例にすぎず、本願の実施形態における限定をなすものではない。
【0201】
また、一部の実施形態では、第1の表示情報が再送信を示し、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信した場合、第1の端末装置は、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。第2の表示情報は、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたことを示すために用いられる。したがって、第2の表示情報を受信した後で、ネットワーク装置は再送信された第1のトランスポートブロックをデコードしないため、リソースの無駄を回避するのに役立つ。
【0202】
図9に示す端末装置のソフトウェア構造を一例として用いて図16における本願の実施形態を詳細に説明する。
【0203】
例えば、図17は、本願の一実施形態に係るハイブリッド自動再送要求処理方法を示す。本方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0204】
ステップ1701:第1の端末装置の物理層は、第2の端末装置から第1のHARQプロセスの第1のサイドリンク情報を受信する。第1のサイドリンク情報は、第1のサイドリンク制御情報及び第1のトランスポートブロックを含む。第1のサイドリンク制御情報は第1のHARQ情報を含み、第1のHARQ情報は第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0205】
ステップ1702:物理層は、MACエンティティに第1のHARQ情報及び第1のトランスポートブロックを送信する。
【0206】
ステップ1703:MACエンティティは、第1のHARQエンティティに第1のHARQ情報及び第1のトランスポートブロックを配信する。第1のHARQエンティティは、第1の端末装置にあり、サイドリンク通信のために用いられるHARQエンティティである。
【0207】
また、第1のサイドリンク制御情報は第1のサイドリンクグラント情報をさらに含み得る。第1のサイドリンクのグラント情報は、第1のサイドリンクのリソースを示すために用いられる。この場合、物理レイヤはMACエンティティに第1のサイドリンクグラント情報をさらに送信し、MACエンティティは第1のHARQエンティティに第1のサイドリンクのグラント情報を配信する。
【0208】
ステップ1704:第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報に基づいて、第1の表示情報が再送信を示すかどうか判定し、Yesの場合にはステップ1705を行い、そうでない場合はステップ1707を行う。
【0209】
ステップ1705:第1のHARQエンティティは、第1の端末装置が第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定し、Yesの場合にはステップ1706を行い、そうでない場合にはステップ1707を行う。
【0210】
例えば、第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値に基づいて、第1の端末装置が第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定する。具体的な実施については、方法Aの関連説明を参照されたい。詳細についてはここでは再度説明しない。別の例として、第1のHARQエンティティは、第1の端末装置が第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定するために、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうか判定する。具体的な実施については、方法Bの関連説明を参照されたい。詳細についてはここでは再度説明しない。
【0211】
ステップ1706:第1のHARQエンティティは第1のトランスポートブロックをデコードしない。
【0212】
ステップ1707:第1のHARQエンティティは、第1のトランスポートブロックをデコードする。
【0213】
一部の実施形態では、第1のHARQエンティティが、ステップ1705で第1のターミナル装置は第1のトランスポートブロックを正常に受信したと判定した場合、本方法はステップ1708をさらに含む。
【0214】
ステップ1708:第1のHARQエンティティは、第2の表示情報を生成するよう物理層に示し、第2の表示情報を生成した後で、物理層はネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。第2の表示情報は、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたことを示すために用いられる。
【0215】
なお、ステップ1706及びステップ1708は、特定の順番の対象ではない。第1のHARQエンティティは、ステップ1708の前にステップ1706を行ってもいいし、ステップ1706の前にステップ1708を行ってもいいし、ステップ1706及びステップ1708を同時に行ってもよい。
【0216】
なお、図17に示すハイブリッド自動再送要求処理方法において、第1のHARQエンティティは、第1の指示情報が再送信を示すかどうかを判定し、第1の端末装置が第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定し、第1のトランスポートブロックをデコードせず、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。
【0217】
一部の他の実施形態では、第1の端末装置において、第1のHARQエンティティは、第1の表示情報が再送信を示すかどうかを判定し、第1の端末装置が第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定し、第1のトランスポートブロックをデコードしないが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。この場合、本願の一実施形態は、ハイブリッド自動再送要求処理方法をさらに提供する。例えば、本方法を図18に示す。図17とは異なり、第1のHARQエンティティが、第1の端末装置は第1のトランスポートブロックを正常に受信したと判定した場合、本方法はステップ1808をさらに含む。
【0218】
ステップ1808:第1のHARQエンティティは第2のHARQプロセスを割り当てる。第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持されている少なくとも1つのHARQプロセスのうちの利用可能なHARQプロセス、アイドル状態のHARQプロセス又は非占有HARQプロセスである。次に、第1のHARQエンティティは、第2の表示情報を生成するよう物理層に通知するよう第2のHARQプロセスに示す。第2のHARQプロセスは、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。物理層は第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。第2の表示情報は、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたことを示すために用いられる。
【0219】
なお、ステップ1806及びステップ1808は、特定の順番の対象ではない。第1のHARQエンティティは、ステップ1808の前にステップ1806を行ってもいいし、ステップ1806の前にステップ1808を行ってもいいし、ステップ1806及びステップ1808を同時に行ってもよい。
【0220】
一部の他の実施形態では、第1の端末装置において、第1のHARQエンティティは第1の表示情報が再送信を示すかどうかを判定し得るが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは、第1の端末装置が第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定し、第1のトランスポートブロックをデコードせず、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。この場合、本願の一実施形態は、ハイブリッド自動再送要求処理方法をさらに提供する。例えば、図19に示すように、本方法は具体的に以下のステップを含む。
【0221】
ステップ1901:第1の端末装置の物理層は、第2の端末装置から第1のHARQプロセスの第1のサイドリンク情報を受信する。第1のサイドリンク情報は、第1のサイドリンク制御情報及び第1のトランスポートブロックを含む。第1のサイドリンクグラント情報は第1のサイドリンクのリソースを示し、第1のHARQ情報は、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0222】
ステップ1902:物理層は、MACエンティティに第1のHARQ情報及び第1のトランスポートブロックを送信する。
【0223】
ステップ1903:MACエンティティは、第1のHARQエンティティに第1のHARQ情報及び第1のトランスポートブロックを配信する。第1のHARQエンティティは、第1の端末装置にあり、サイドリンク通信のために用いられるHARQエンティティである。
【0224】
また、第1のサイドリンク制御情報は、第1のサイドリンクグラント情報をさらに含み得る。第1のサイドリンクグラント情報は、第1のサイドリンクのリソースを示すために用いられる。この場合、物理レイヤは、MACエンティティに第1のサイドリンクグラント情報をさらに送信し、MACエンティティは第1のHARQエンティティに第1のサイドリンクグラント情報を配信する。
【0225】
ステップ1904:第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報に基づいて、第1の表示情報が再送信を示すかどうか判定し、Yesの場合にはステップ1905を行い、そうでない場合にはステップ1909を行う。
【0226】
ステップ1905:第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合はステップ1906を行い、Yesの場合にはステップ1909を行う。
【0227】
ステップ1906:第1のHARQエンティティは第2のHARQプロセスを割り当てる。第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つのHARQプロセスのうちの利用可能なHARQプロセス、アイドル状態のHARQプロセス又は非占有HARQプロセスである。
【0228】
ステップ1907:第1のHARQエンティティは、第2のHARQプロセスに第1のトランスポートブロックを配信する。また、第1のHARQエンティティは、第2のHARQプロセスへの再送信をさらに示す。
【0229】
ステップ1908:第2のHARQプロセスが、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空であると判定した場合、第2のHARQプロセスは、第1のトランスポートブロックをデコードしない。
【0230】
また、第2のHARQプロセスが、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空であると判定した場合、第2のHARQプロセスは、さらに、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。物理層は第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。第2の表示情報は、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたことを示すために用いられる。
【0231】
ステップ1909:第1のHARQエンティティは、第1のトランスポートブロックをデコードするよう第1のHARQプロセスに関連するHARQプロセスに示す。
【0232】
一部の他の実施形態では、第1の端末装置において、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは、第1の表示情報が再送信を示すかどうかを判定し、第1の端末装置が第1のトランスポートブロックを正常に受信したかどうかを判定し、第1のトランスポートブロックをデコードせず、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。この場合、本願の一実施形態は、ハイブリッド自動再送要求処理方法をさらに提供する。例えば、本方法を図20に示す。図19に示すハイブリッド自動再送要求処理方法とは異なり、MACエンティティが第1のHARQエンティティに第1のHARQ情報及び第1のトランスポートブロックを配信した後に、以下のステップが行われる。
【0233】
ステップ2004:第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合はステップ2005を行い、Yesの場合はステップ2009を行う。
【0234】
ステップ2005:第1のHARQエンティティは、第2のHARQプロセスを割り当てる。第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持されている少なくとも1つのHARQプロセスのうちの利用可能なHARQプロセス、アイドル状態のHARQプロセス又は非占有HARQプロセスである。
【0235】
ステップ2006:第1のHARQエンティティは、第2のHARQプロセスに第1のHARQ情報及び第1のトランスポートブロックを配信する。
【0236】
ステップ2007:第2のHARQプロセスは、第1のHARQ情報に基づいて、第1の表示情報が再送信を示すかどうかを判定し、Yesの場合はステップ2008を行い、そうでない場合はステップ2009を行う。
【0237】
ステップ2008:第2のHARQプロセスが、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空であると判定した場合、第2のHARQプロセスは第1のトランスポートブロックをデコードしない。
【0238】
また、第2のHARQプロセスは、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空であると判定し、第2の表示情報を生成するよう物理層にさらに示す。物理層は第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。第2の表示情報は、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたことを示すために用いられる。
【0239】
ステップ2009:第1のHARQエンティティは、第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つのHARQプロセスのうちの、第1のHARQプロセスに関連するHARQプロセスに、第1のHARQ情報及び第1のトランスポートブロックを配信し、次に、HARQプロセスは第1のトランスポートブロックをデコードする。
【0240】
なお、第2のHARQプロセスが第1の表示情報は再送信を示さないと判定した場合、ステップ2009において第1のHARQエンティティによって維持される少なくとも1つのHARQプロセスのうちの、第1のHARQプロセスに関連するHARQプロセスは、ステップ2005において第1のHARQエンティティによって割り当てられる第2のHARQプロセスである。
【0241】
本願の一実施形態に係るハイブリッド自動再送要求処理方法を、サイドリンク通信を参照して説明する。例えば、図21に示すように、本方法は具体的に以下のステップを含む。
【0242】
ステップ2101:第2の端末装置は、HARQプロセス1を用いることにより第1の端末装置にサイドリンク情報1を送信する。サイドリンク情報1は、サイドリンク制御情報1及びトランスポートブロック1を含む。サイドリンク制御情報1はHARQ情報1を含み、HARQ情報1は、HARQプロセスID1及びNDI1を含む。HARQプロセスID1は、HARQプロセス1を示すために用いられ、NDI1=0である。
【0243】
ステップ2102:第1の端末装置はサイドリンク情報1を受信し、HARQプロセスID1及びNDI1に基づいて、NDI1が新たな送信を示し、トランスポートブロック1をデコードする。
【0244】
ステップ2103:トランスポートブロック1を正常にデコードした後に、第1の端末装置は第2の端末装置にトランスポートブロック1のためのHARQフィードバック情報を送信する。トランスポートブロック1のためのHARQフィードバック情報はACKである。
【0245】
ステップ2104:第2の端末装置は、トランスポートブロック1のためのHARQフィードバック情報を受信するが、トランスポートブロックの送信に失敗したと判定する。
【0246】
ステップ2105:第2の端末装置は、HARQプロセス1を用いることにより第1の端末装置にサイドリンク情報2を送信する。サイドリンク情報2は、サイドリンク制御情報2及びトランスポートブロック1を含む。サイドリンク制御情報2はHARQ情報1を含み、HARQ情報1はHARQプロセスID1及びNDI2を含む。HARQプロセスID1はHARQプロセス1を示すために用いられ、NDI2=0である。
【0247】
ステップ2106:第1の端末装置がサイドリンク情報2を受信し、HARQプロセスID1及びNDI2に基づいて、NDI2が再送信を示すと判定した場合、第1の端末装置は再送信されたトランスポートブロック1をデコードしない。また、第1の端末装置は、NDI2が再送信を示すと判定し、第2の端末装置にトランスポートブロック1のためのHARQフィードバック情報をさらにフィードバックする。第2の端末装置にフィードバックされるトランスポートブロック1のためのHARQフィードバック情報はACKである。
【0248】
また、本方法はステップ2107をさらに含み、第1の端末装置は、第2の端末装置にTB1のためのHARQフィードバック情報を送信する。TB1のためのHARQフィードバック情報はACKである。
【0249】
なお、上記は、第1の端末装置が、新たな送信に成功した場合に、第2の端末装置によって再送信されるトランスポートブロック1を受信する例を用いることにより説明した。本願のこの実施形態は、新たな送信に失敗するものの、再送信が成功するシナリオにも適用可能である。これは限定されない。
【0250】
前述の実施形態は別々に用いられ得るか又は互いに組み合わせて用いられ得る。これは限定されない。
【0251】
上記は、ネットワーク要素間のやりとりの観点から、本願の実施形態で提供される解決策を主に説明してきた。上記の機能を実施するためには、端末及びネットワーク装置等の各ネットワーク要素は、各機能を実施するための対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含むことが理解されよう。当業者であれば、本明細書に開示の実施形態で説明した例のユニット及びアルゴリズムステップと組み合わせて、本願はハードウェア又はハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせによって実施され得ることを容易に気付く。機能がハードウェア又はコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって行われるかどうかは、技術的解決策の特定の用途及び設計上の制約に依存する。当業者であれば、特定の用途ごとに、説明した機能を実施するために異なる方法を用いり得るが、実施は本願の範囲を超えるものであると考えるべきではない。
【0252】
本願の実施形態では、端末及びネットワーク装置の機能モジュールは、上記の方法の例に基づく分割を通じて得られ得る。例えば、各機能モジュールは、各対応する機能に基づく分割を通じて得られて得るか又は2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合され得る。上記の統合モジュールはハードウェアの形態で実施され得るか又はソフトウェア機能モジュールの形態で実施され得る。なお、本願の実施形態では、モジュールへの分割は一例であり、論理的な機能分割にすぎない。実際の実施では、別の分割方法が用いられ得る。各対応する機能に基づく分割を通じて各機能モジュールが得られた例を説明のために以下で用いる。
【0253】
図22は、本願の一実施形態に係る通信装置の概略構造図である。図22に示すように、通信装置は、処理モジュール2201及び通信モジュール2202を含む。
【0254】
任意で、通信装置は、以下の解決策のうちの少なくとも1つを行い得る。
【0255】
解決策1:通信モジュール2202は、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信するように構成されている。第1の制御情報は第1のサイドリンクグラント情報及び第1のHARQ情報を含む。第1のサイドリンクグラント情報はサイドリンク通信のために用いられるリソースを示す。第1のHARQ情報は第1のHARQプロセス識別子ID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは第1のHARQプロセスを示すために用いられる。第1の表示情報が再送信を示し、通信モジュール2202が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、処理モジュール2201は、第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されている。
【0256】
可能な設計では、通信モジュール2202は、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信するようさらに構成されている。第2の表示情報は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる。
【0257】
また、可能な設計では、処理モジュール2201は第1のHARQエンティティをさらに含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、物理層で第2の表示情報を生成するよう通信モジュール2202に示すように構成されている。通信モジュール2202は、物理層で第2の表示情報を生成するように構成されている。
【0258】
可能な設計では、処理モジュール2201は第1のHARQエンティティをさらに含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは第2のHARQプロセスを含む。
【0259】
第2のHARQプロセスは、物理層で第2の表示情報を生成するよう通信モジュール2202に示すように構成されている。
【0260】
可能な設計では、処理モジュール2201は第1のHARQエンティティをさらに含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、
通信モジュール2202が第1の制御情報を受信した後に、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値を取得し、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第1の値の場合に、通信モジュール2202が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定し、第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されている。第1の値は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報がACKであることを示すために用いられる。
【0261】
可能な設計では、処理モジュール2201は第1のHARQエンティティを含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、
通信モジュール2202がネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信っした後で、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合に、通信モジュール2202が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定し、第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されている。
【0262】
可能な設計では、処理モジュール2201は第1のHARQエンティティを含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。
【0263】
第1のHARQエンティティは、
通信モジュール2202が第1の制御情報を受信した後で、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合、第2のHARQプロセスを割り当て、第2のHARQプロセスに第1のサイドリンクグラント情報を配信するように構成されている。
【0264】
第2のHARQプロセスは、
第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、通信モジュール2202が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定するようにさらに構成されている。
【0265】
解決策2:
通信モジュール2202は、第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信するように構成されている。第1のサイドリンク情報は第1のサイドリンク制御情報及び第1のトランスポートブロックを含む。
【0266】
第1のサイドリンク制御情報は第1のHARQ情報を含む。第1のHARQ情報は第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0267】
処理モジュール2201は、第1の表示情報が再送信を示し、通信モジュール2202が第1のHARQプロセスから第1の搬送ブロックを正常に受信した場合に、第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップするように構成されている。
【0268】
可能な設計では、通信モジュール2202は、第2の端末装置に第2の表示情報を送信するようにさらに構成されている。第2の表示情報は、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたことを示すために用いられる。
【0269】
また、可能な設計では、処理モジュール2201は第1のHARQエンティティをさらに含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、物理層で第2の表示情報を生成するよう通信モジュールに示すように構成されている。通信モジュールは物理層で第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。
【0270】
可能な設計では、処理モジュール2201は、第1のHARQエンティティをさらに含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは第2のHARQプロセスを含む。第2のHARQプロセスは、物理層で第2の表示情報を生成するよう通信モジュール2202に示すように構成されている。通信モジュール2202は物理層で第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。
【0271】
可能な設計では、処理モジュール2201は第1のHARQエンティティをさらに含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、
通信モジュール2202が第1のHARQプロセスから第1のサイドリンク情報を受信した後に、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値を取得し、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第1の値である場合、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたと判定し、第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップするように構成され、第1の値は、第1の端末装置が、第1のHARQプロセスから受信した第1のトランスポートブロックの正常にデコードしたことを示すために用いられる。
【0272】
可能な設計では、第1のHARQエンティティは、
第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第2の値の場合、第1のトランスポートブロックの受信に失敗したと判定するようにさらに構成され。第2の値は、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから受信した第1のトランスポートブロックのデコードに失敗したことを示すために用いられる。
【0273】
可能な設計では、処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、
通信モジュール2202が第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信した後に、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合は、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたと判定し、第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップするように構成されている。
【0274】
可能な設計では、処理モジュール2201は第1のHARQエンティティをさらに含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、
通信モジュール2202が第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信した後に、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、
第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連しない場合、第2のHARQプロセスを割り当て、第2のHARQプロセスに第1のトランスポートブロックを配信するように構成されている。
【0275】
第2のHARQプロセスは、
第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたと判定し、第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップするように構成されている。
【0276】
本願の一実施形態はコンピュータ読み取り可能記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ読み取り可能記憶媒体はコンピュータ命令を記憶する。コンピュータ読み取り記憶媒体が通信装置上で実行された場合、通信装置は、図5図9又は図11に示す方法を行うことができる。コンピュータ命令はコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶され得るか又はコンピュータ読み取り可能記憶媒体から別のコンピュータ読み取り可能記憶媒体に送信され得る。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンタに有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ又はデジタル加入者線(digital subscriber line、DSL))又は無線(例えば、赤外線、無線又はマイクロ波)で送信され得る。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体又は1つ以上の使用可能な媒体を統合するサーバ又はデータセンタ等のデータ記憶装置であり得る。使用可能な媒体は磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク又は磁気テープ)、光媒体、半導体媒体(例えば、固体ドライブ(solid state drive、SSD))等であり得る。
【0277】
本出願の一実施形態は、コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品が通信装置上で実行された場合、通信装置は、図10図21に示す方法を行うことができる。
【0278】
本願の一実施形態は通信システムをさらに提供する。通信システムは送信端末及び受信端末を含む。受信端末は、図16に示す方法において第2の端末装置によって行われるステップ又は図17図21に示す方法において第1の端末装置によって行われるステップを行い得る。一部の他の実施形態では、通信システムはネットワーク装置をさらに含む。この場合、送信端末は、図10図15で第1の端末装置によって行われるステップを行い得る及び/又は受信端末は、図16に示す方法において第2の端末装置によって行われるステップ又は図17図21に示す方法において第1の端末装置によって行われるステップを行い得る。
【0279】
図23は、本出願の一実施形態に係る通信装置の概略構造図である。図23に示す通信装置はチップであり得るか又は端末装置であり得る。チップは汎用プロセッサであり得るか又は専用プロセッサであり得る。通信装置はプロセッサ2301を含む。プロセッサ2301は、図10図21に示す方法を行う上で通信装置をサポートするように構成されている。
【0280】
1つの例では、通信装置はトランシーバ2302をさらに含む。トランシーバ2302は、プロセッサ2301の制御の下で、図10図21に示す方法を行う上で通信装置をサポートするように構成されている。
【0281】
1つの例では、図23に示す通信装置はメモリ2303をさらに含み得る。
【0282】
なお、図23に示す通信装置は以下の回路又はコンポーネント、すなわち、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device、PLD)、コントローラ、状態マシン、ゲートロジック、離散ハードウェアコンポーネント、任意の他の適切な回路又は本願で説明した様々な機能を行うことが可能な回路の任意の組み合わせを用いることにより実施され得る。
【0283】
本願の実施形態で提供される端末、ネットワーク装置、コンピュータ記憶媒体、コンピュータプログラム製品及びチップの全ては、上記で提供された方法を実行するように構成されている。したがって、端末、ネットワーク装置、コンピュータ記憶媒体、コンピュータプログラム製品及びチップによって得ることができる有益な効果については、上記で提供された方法に対応する有益な効果を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0284】
前述の説明を参照して、本願はさらに以下の実施形態を提供する。
【0285】
実施形態1:ハイブリッド自動再送要求処理方法が提供される。本方法は以下を含む。
【0286】
第1の端末装置はネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信する。第1の制御情報は第1のサイドリンクグラント情報及び第1のハイブリッド自動再送要求HARQ情報を含む。第1のサイドリンクグラント情報は、サイドリンク通信のために用いられるリソースを示す。第1のHARQ情報は第1のHARQプロセス識別子ID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0287】
第1の表示情報が再送信を示し、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、第1の端末装置は第1のサイドリンクグラント情報を無視する。
【0288】
実施形態2:実施形態1の方法によれば、前記方法は、第1の端末装置がネットワーク装置に第2の表示情報を送信することを含む。第2の表示情報は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる。
【0289】
実施形態3:実施形態2の方法によれば、第1の端末装置がネットワーク装置に第2の表示情報を送信することは、以下を含む。
【0290】
第1の端末装置の第1のHARQエンティティは、第2の表示情報を生成するよう物理層を示す。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。物理層は第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。
【0291】
実施形態4:実施形態2の方法によれば、第1の端末装置がネットワーク装置に第2の表示情報を送信することは、以下を含む。
【0292】
第1の端末装置の第2のHARQプロセスは、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスである。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。物理層は第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。
【0293】
実施形態5:実施形態1の方法によれば、第1の端末装置がネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ第1の端末装置が第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値を取得する。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。
【0294】
第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第1の値の場合、第1のHARQエンティティは、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定する。
【0295】
第1の値は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報が肯定応答ACKであることを示すために用いられる。
【0296】
第1の端末装置が第1のサイドリンクグラント情報を無視することは以下を含む。
【0297】
第1のHARQエンティティが第1のサイドリンクグラント情報を無視する。
【0298】
実施形態6:実施形態5の方法によれば、本方法はさらに以下を含む。
【0299】
第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第2の値の場合、第1のHARQエンティティは、第1の端末装置が、第2の端末装置への第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックの送信に失敗したと判定する。
【0300】
第2の値は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報が否定応答NACKであることを示すために用いられる。
【0301】
実施形態7:実施形態1の方法によれば、第1の端末装置がネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ第1の端末装置が第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定する。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。
【0302】
そうでない場合、第1のHARQエンティティは、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定する。
【0303】
第1の端末装置が第1のサイドリンクグラント情報を無視することは以下を含む。
【0304】
第1のHARQエンティティが第1のサイドリンクグラント情報を無視する。
【0305】
実施形態8:実施形態4の方法によれば、第1の端末装置がネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ第1の端末装置が第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、本方法は以下を含む。
【0306】
第1のHARQエンティティが、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定する。
【0307】
そうでない場合、第1のHARQエンティティは第2のHARQプロセスを割り当てて、第2のHARQプロセスに第1のサイドリンクグラント情報を配信する。
【0308】
第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、第2のHARQプロセスは、第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定する。
【0309】
第1の端末装置が第1のサイドリンクグラント情報を無視することは以下を含む。
【0310】
第2のHARQプロセスが第1のサイドリンクグラント情報を無視する。
【0311】
実施形態9:実施例8の方法によれば、第1のHARQエンティティが第1のHARQプロセスは第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定する前に、第1のHARQエンティティは、第1の表示情報が再送信を示すと判定する。
【0312】
第1のHARQエンティティが第2のHARQプロセスを割り当てることの後で且つ第2のHARQプロセスが第1の端末装置は第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定することの前に、第1のHARQエンティティは第2のHARQプロセスへの再送信を示す。第2のHARQプロセスは、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空かどうかを判定する。
【0313】
実施形態10:実施形態8の方法によれば、第1のHARQエンティティが第2のHARQプロセスを割り当てることの後で且つ第2のHARQプロセスが第1の端末装置は第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定することの前に、第1のHARQエンティティは、第2のHARQプロセスに第1のHARQ情報を配信する。
【0314】
第2のHARQプロセスは、第1のHARQ情報に基づいて、第1の表示情報は再送信を示すと判定する。
【0315】
実施形態11:通信モジュール及び処理モジュールを含む通信装置が提供される。
【0316】
通信モジュールは、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信するように構成されている、第1の制御情報は第1のサイドリンクグラント情報及び第1のハイブリッド自動再送要求HARQ情報を含む。第1のサイドリンクグラント情報はサイドリンク通信のために用いられるリソースを示す。第1のHARQ情報は第1のHARQプロセス識別子ID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0317】
第1の表示情報が再送信を示し、通信モジュールが第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信した場合、処理モジュールは、第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されている。
【0318】
実施形態12:実施形態11の装置によれば、通信モジュールは、
ネットワーク装置に第2の表示情報を送信するようさらに構成され、該第2の表示情報は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる。
【0319】
実施形態13:実施形態12の装置によれば、処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含み、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。
【0320】
第1のHARQエンティティは、物理層で第2の表示情報を生成するよう通信モジュールに示すように構成されている。
【0321】
ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する前に、通信モジュールは、物理層で第2の表示情報を生成するようさらに構成されている。
【0322】
実施形態14:実施形態12の装置によれば、処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは第2のHARQプロセスを含む。
【0323】
第2のHARQプロセスは、物理層で第2の表示情報を生成するよう通信モジュールに示すように構成されている。
【0324】
通信モジュールは、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する前に、物理層で第2の表示情報を生成するようさらに構成されている。
【0325】
実施形態15:実施形態11の装置によれば、処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含み、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。
【0326】
第1のHARQエンティティは、
通信モジュールがネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ処理モジュールが第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値を取得し、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第1の値の場合に、通信モジュールが第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定するようさらに構成されている。
【0327】
第1の値は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報が肯定応答ACKであることを示すために用いられる。
【0328】
処理モジュールが、第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されていることは、具体的に以下を含む。
【0329】
第1のHARQエンティティは、第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されている。
【0330】
実施形態16:実施形態15の装置によれば、第1のHARQエンティティは、
第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第2の値の場合、通信モジュールが、第2の端末装置への第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックの送信に失敗したと判定するようさらに構成されている。
【0331】
第2の値は、第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックのためのHARQフィードバック情報が否定応答NACKであることを示すために用いられる。
【0332】
実施形態17:実施形態11の装置によれば、処理モジュールは第1のHARQエンティティを含み、第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。
【0333】
第1のHARQエンティティは、
通信モジュールがネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ処理モジュールが第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合に、通信モジュールが第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定するように構成されている。
【0334】
処理モジュールが、第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されていることは、具体的には以下を含む。
【0335】
第1のHARQエンティティは、第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されている。
【0336】
実施形態18:実施形態14の装置によれば、処理モジュールは第1のHARQエンティティを含み、第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。
【0337】
第1のHARQエンティティは、
通信モジュールが、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ処理モジュールが第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、第1のHARQプロセスは第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合、第2のHARQプロセスを割り当て、第2のHARQプロセスに第1のサイドリンクグラント情報を配信するように構成されている。
【0338】
第2のHARQプロセスは、
第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、通信モジュールが第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定するようにさらに構成されている。
【0339】
処理モジュールが、第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されていることは、具体的には以下を含む。
【0340】
第2のHARQプロセスが第1のサイドリンクグラント情報を無視するように構成されている。
【0341】
実施形態19:実施形態18の装置によれば、第1のHARQエンティティは、
第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定する前に、第1の表示情報が再送信を示すと判定することと、
第2のHARQプロセスを割り当てることの後に、第2のHARQプロセスに再送信を示すことと、
を行うようにさらに構成されている。
【0342】
第2のHARQプロセスは、
第1のHARQエンティティから再送信の表示を受信した後に、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空かどうかを判定するようにさらに構成されている。
【0343】
実施形態20:実施形態18の装置によれば、第1のHARQエンティティは、
第2のHARQプロセスを割り当てることの後に、第2のHARQプロセスに第1のHARQ情報を配信するようにさらに構成されている。
【0344】
第2のHARQプロセスは、
第1のHARQ情報に基づいて、第1の表示情報が再送信を示すと判定し、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空かどうかを判定するようにさらに構成されている。
【0345】
実施形態21:プロセッサ及びメモリを含む通信装置が提供される。プロセッサはメモリに連結され、メモリはコンピュータプログラム命令を記憶し、該プロセッサが該コンピュータプログラム命令を実行した場合、当該装置は実施形態1乃至10のいずれか1つの方法を行うことができる。
【0346】
実施形態22:コンピュータ読み取り可能記憶媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能記憶媒体はコンピュータプログラム命令を含み、該コンピュータプログラム命令がコンピュータ上で実行された場合、該コンピュータは、実施形態1乃至10のいずれか1つの方法を行うことができる。
【0347】
実施形態23:チップが提供される。チップはメモリに連結され、当該チップは、該メモリに記憶されたコンピュータプログラム命令を呼び出し且つ実行して、実施形態1乃至10のいずれか1つの方法を行うように構成されている。
【0348】
実施形態24:コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、実施形態1乃至10のいずれか1つの方法を行うことができる。
【0349】
実施形態25:ハイブリッド自動再送要求処理方法が提供され、以下を含む。
【0350】
第1の端末装置は、第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信する。第1のサイドリンク情報は、第1のサイドリンク制御情報及び第1のトランスポートブロックを含む。第1のサイドリンク制御情報は第1のHARQ情報を含む。第1のHARQ情報は、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含む。第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0351】
第1の表示情報が再送信を示し、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信した場合、第1の端末装置は第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップする。
【0352】
実施形態26:実施形態25の方法によれば、本方法はさらに以下を含む。
【0353】
第1の端末装置は、第2の端末装置に第2の表示情報を送信する。第2の表示情報は、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたことを示すために用いられる。
【0354】
実施形態27:実施形態26の方法によれば、第1の端末装置が第2の端末装置に第2の指示情報を送信することは以下を含む。
【0355】
第1の端末装置の第1のHARQエンティティが、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。物理層は第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。
【0356】
実施形態28:実施形態26の方法によれば、第1の端末装置が第2の端末装置に第2の指示情報を送信することは以下を含む。
【0357】
第1の端末装置の第2のHARQプロセスが、第2の表示情報を生成するよう物理層に示す。第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスであり、第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。物理層は第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。
【0358】
実施形態29:実施形態25の方法によれば、第1の端末装置が第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信した後で且つ第1の端末装置が第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップする前に、第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値を取得する。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。
【0359】
第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第1の値の場合、第1のHARQエンティティは第1のトランスポートブロックが正常に受信されたと判定する。
【0360】
第1の値は、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから受信した第1のトランスポートブロックを正常にデコードすることを示すために用いられる。
【0361】
第1の端末装置が第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップすることは以下を含む。
【0362】
第1のHARQエンティティが第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップする。
【0363】
実施形態30:実施形態29の方法によれば、本方法はさらに以下を含む。
【0364】
第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第2の値の場合、第1のHARQエンティティは、第1のトランスポートブロックの受信が失敗したと判定する。第2の値は、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから受信した第1のトランスポートブロックのデコーディングに失敗したことを示すために用いられる。
【0365】
実施形態31:実施形態25の方法によれば、第1の端末装置が第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信した後で且つ第1の端末装置が第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップする前に、第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定する。第1のHARQエンティティは、サイドリンク通信のために用いられる。そうでない場合、第1のHARQエンティティは、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたと判定する。
【0366】
第1の端末装置が第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップすることは、以下を含む。
【0367】
第1のHARQエンティティが第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップする。
【0368】
実施形態32:実施形態28の方法によれば、第1の端末装置が第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信した後で且つ第1の端末装置が第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップする前に、第1のHARQエンティティは、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定する。
【0369】
第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連しない場合、第1のHARQエンティティは第2のHARQプロセスを割り当て、第2のHARQプロセスに第1のトランスポートブロックを配信する。
【0370】
第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、第2のHARQプロセスは、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたと判定する。
【0371】
第1の端末装置が第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップすることは、以下を含む。
【0372】
第2のHARQプロセスが第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップする。
【0373】
実施形態33:実施形態32の方法によれば、第1のHARQエンティティが、第1のHARQプロセスは第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定する前に、第1のHARQエンティティは第1の表示情報が再送信を示すと判定する。第1のHARQエンティティが第2のHARQプロセスを割り当てた後で且つ第2のHARQプロセスが第1のトランスポートブロックは正常に受信されたと判定する前に、第1のHARQエンティティは、第2のHARQプロセスへの再送信を示す。第2のHARQプロセスは、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空かどうかを判定する。
【0374】
実施形態34:実施形態32の方法によれば、第1のHARQエンティティが第2のHARQプロセスを割り当てた後で且つ第2のHARQプロセスが第1のトランスポートブロックは正常に受信されたと判定することの前に、第1のHARQエンティティは第2のHARQプロセスに第1のHARQ情報を配信する。第2のHARQプロセスは、第1のHARQ情報に基づいて、第1の表示情報は再送信を示すと判定する。第2のHARQプロセスは、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空かどうかを判定する。
【0375】
実施形態35:処理モジュール及び通信モジュールを含む通信装置が提供される。
【0376】
通信モジュールは、第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信するように構成されている。第1のサイドリンク情報は、第1のサイドリンク制御情報及び第1のトランスポートブロックを含む。
【0377】
第1のサイドリンク制御情報は第1のHARQ情報を含み、第1のHARQ情報は、第1のHARQプロセスID及び第1の表示情報を含み、第1のHARQプロセスIDは、第1のHARQプロセスを示すために用いられる。
【0378】
第1の表示情報が再送信を示し、通信モジュールが第1のHARQプロセスから第1のトランスポートブロックを正常に受信した場合、処理モジュールは第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップするように構成されている。
【0379】
実施形態36:実施形態35の装置によれば、通信モジュールは、第2の端末装置に第2の表示情報を送信するようにさらに構成されている。第2の表示情報は、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたことを示すために用いられる。
【0380】
実施形態37:実施形態36の装置によれば、処理モジュールは第1のHARQエンティティを含み、第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、物理層で第2の表示情報を生成するよう通信モジュールに示すように構成されている。通信モジュールは物理層で第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。
【0381】
実施形態38:実施形態37の装置によれば、処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含む。第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスは、第2のHARQプロセスを含む。第2のHARQプロセスは、物理層で第2の表示情報を生成するよう通信モジュールに示すように構成されている。通信モジュールは、物理層で第2の表示情報を生成し、ネットワーク装置に第2の表示情報を送信する。
【0382】
実施形態39:実施形態35の装置によれば、処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含み、第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、
通信モジュールが第1のHARQプロセスから第1のサイドリンク情報を受信した後に、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値を取得し、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第1の値の場合、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたことと判定し、第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップするようにさらに構成され、第1の値は、第1の端末装置が、第1のHARQプロセスから受信した第1のトランスポートブロックを正常にデコードしたことを示すために用いられる。
【0383】
実施形態40:実施形態39の装置によれば、第1のHARQエンティティは、
第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値が第2の値の場合、第1のトランスポートブロックの受信が失敗したと判定するようにさらに構成され、第2の値は、第1の端末装置が第1のHARQプロセスから受信した第1のトランスポートブロックのデコーディングに失敗したことを示すために用いられる。
【0384】
実施形態41:実施形態35の装置によれば、処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含み、第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、
通信モジュールが第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信した後に、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、そうでない場合は、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたと判定し、第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップする。
【0385】
実施形態42:実施形態38の装置によれば、処理モジュールは第1のHARQエンティティをさらに含み、第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる。第1のHARQエンティティは、
通信モジュールが第2の端末装置の第1のHARQプロセスによって送信される第1のサイドリンク情報を受信した後に、第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定し、
第1のHARQプロセスが、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連する場合、第2のHARQプロセスを割り当て、第1のトランスポートブロックを第2のHARQプロセスに配信するように構成されている。
【0386】
第2のHARQプロセスは、
第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、第1のトランスポートブロックが正常に受信されたと判定し、第1のトランスポートブロックのデコーディングをスキップするように構成されている。
【0387】
実施形態43:実施形態42の装置によれば、第1のHARQエンティティは、
第1のHARQプロセスが第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連するかどうかを判定する前に、第1の表示情報が再送信を示すと判定し、第2のHARQプロセスを割り当て、第2のHARQプロセスに第1のトランスポートブロックを配信し、第2のHARQプロセスに再送信を示すようにさらに構成されている。
【0388】
第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティから再送信表示を受信した後に、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空かどうかを判定するようにさらに構成されている。
【0389】
実施形態44:実施形態42の装置によれば、第1のHARQエンティティは、
第2のHARQプロセスを割り当てた後に、第2のHARQプロセスに第1のHARQ情報及び第1のトランスポートブロックを配信するようにさらに構成されている。
【0390】
第2のHARQプロセスは、第1のHARQ情報に基づいて、第1の表示情報が再送信を示すと判定し、第2のHARQプロセスに対応するバッファが空かどうかを判定するように構成されている。
【0391】
実施形態45:プロセッサ及びメモリを含む通信装置が提供される。プロセッサはメモリに連結され、メモリはコンピュータプログラム命令を記憶し、プロセッサがコンピュータプログラム命令を実行した場合、装置は、実施形態25乃至34のいずれか1つの方法を行うことができる。
【0392】
実施形態46:コンピュータ読み取り可能記憶媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能記憶媒体はコンピュータプログラム命令を含み、コンピュータプログラム命令がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、実施形態25乃至34のいずれか1つの方法を行うことができる。
【0393】
実施形態47:チップが提供される。チップはメモリに連結され、チップはメモリに記憶されたコンピュータプログラム命令を呼び出し、実行して、実施形態25乃至34のいずれか1つの方法を行うように構成されている。
【0394】
実施形態48:コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、実施形態25乃至34のいずれか1つの方法を行うことができる。
【0395】
実施形態を参照して本願を説明してきたが、当業者であれば、添付の図面、開示された内容及び添付の特許請求の範囲を参照することにより、開示された実施形態の別の変形を理解し、実施し得る。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」は、別の構成要素又は別のステップを除外せず、「1」又は「1つ」は複数の意味を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかの機能を実施し得る。一部の手段は互いに異なる従属請求項に記録されているが、これは、より良い効果を生み出すためにこれらの手段を組み合せることができないことを意味するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2022-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド自動再送要求処理方法であって、当該方法は、
第1の端末装置により、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することであって、該第1の制御情報は第1のサイドリンクグラント情報及び第1のハイブリッド自動再送要求HARQ情報を含み、該第1のサイドリンクグラント情報は、サイドリンク通信のために用いられるリソースを示し、該第1のHARQ情報は第1のHARQプロセス識別子ID及び第1の表示情報を含、ことと、
前記第1の表示情報が再送信を示し、前記第1のHARQプロセスIDが前記第1の端末装置の第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスに関連しない場合、前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することと、
を含み、
前記第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる、方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記第1の端末装置により、前記ネットワーク装置に第2の表示情報を送信することであって、該第2の表示情報は、前記第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックが正常に送信されたことを示すために用いられる、こと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の端末装置により、前記ネットワーク装置に第2の表示情報を送信することは、
前記第1の端末装置の第1のHARQエンティティにより、前記第2の表示情報を生成するよう物理層を示すことであって、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる、ことと、
前記物理層により、前記第2の表示情報を生成し、前記ネットワーク装置に前記第2の表示情報を送信することと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の端末装置により、前記ネットワーク装置に第2の表示情報を送信することは、
前記第1の端末装置の第2のHARQプロセスにより、前記第2の表示情報を生成するよう物理層に示すことであって、該第2のHARQプロセスは、第1のHARQエンティティによって維持されるHARQプロセスであり、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる、ことと、
前記物理層により、前記第2の表示情報を生成し、前記ネットワーク装置に前記第2の表示情報を送信することと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の端末装置により、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、前記方法は、
前記第1の端末装置の第1のHARQエンティティにより、第1のHARQプロセスに関連する第1のパラメータのパラメータ値を取得することであって、該第1のHARQエンティティはサイドリンク通信のために用いられる、ことと、
前記第1のHARQプロセスに関連する前記第1のパラメータのパラメータ値が第1の値の場合、前記第1のHARQエンティティにより、前記第1の端末装置が第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応するトランスポートブロックを正常に送信したと判定することと、
をさらに含み、
前記第1の値は、前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックのための前記HARQフィードバック情報が肯定応答ACKであることを示すために用いられ、
前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することは、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記第1のHARQプロセスに関連する前記第1のパラメータのパラメータ値が第2の値の場合、前記第1のHARQエンティティにより、前記第1の端末装置が、前記第2の端末装置への前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックの送信に失敗したと判定すること、
をさらに含み、
前記第2の値は、前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックのための前記HARQフィードバック情報が否定応答NACKであることを示すために用いられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の端末装置により、ネットワーク装置によって送信される第1の制御情報を受信することの後で且つ前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することの前に、前記方法は、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第1のHARQプロセスが前記第1のHARQエンティティによって維持される前記HARQプロセスに関連するかどうかを判定することと、
そうでない場合、前記第1のHARQエンティティにより、前記第2のHARQプロセスを割り当てて、前記第2のHARQプロセスに前記第1のサイドリンクグラント情報を配信することと、
前記第2のHARQプロセスに対応するバッファが空の場合、前記第2のHARQプロセスにより、前記第1の端末装置が第2の端末装置に第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定することと、
をさらに含み、
前記第1の端末装置により、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することは、
前記第2のHARQプロセスにより、前記第1のサイドリンクグラント情報を無視することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のHARQエンティティにより、前記第1のHARQプロセスが前記第1のHARQエンティティによって維持される前記HARQプロセスに関連するかどうかを判定することの前に、前記方法は、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第1の表示情報が再送信を示すと判定することと、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第2のHARQプロセスを割り当てることの後で且つ前記第2のHARQプロセスにより、前記第1の端末装置が前記第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定することの前に、前記方法は、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第2のHARQプロセスへの再送信を示すことと、
前記第2のHARQプロセスにより、前記第2のHARQプロセスに対応する前記バッファが空かどうかを判定することと、
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のHARQエンティティにより、前記第2のHARQプロセスを割り当てることの後で且つ前記第2のHARQプロセスにより、前記第1の端末装置が前記第2の端末装置に前記第1のHARQプロセスに対応する前記トランスポートブロックを正常に送信したと判定することの前に、前記方法は、
前記第1のHARQエンティティにより、前記第2のHARQプロセスに前記第1のHARQ情報を配信することと、
前記第2のHARQプロセスにより、前記第1のHARQ情報に基づいて、前記第1の表示情報が再送信を示すと判定することと、
前記第2のHARQプロセスにより、前記第2のHARQプロセスに対応する前記バッファが空かどうかを判定することと、
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
プロセッサ及びメモリを含む通信装置であって、該プロセッサは該メモリに連結され、該メモリはコンピュータプログラム命令を記憶し、該プロセッサが該コンピュータプログラム命令を実行した場合、当該装置は請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法を行うことができる、通信装置。
【請求項11】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、当該コンピュータ読み取り可能記憶媒体はコンピュータプログラム命令を含み、該コンピュータプログラム命令がコンピュータ上で実行された場合、該コンピュータは、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法を行うことができる、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項12】
チップであって、当該チップはメモリに連結され、当該チップは、該メモリに記憶されたコンピュータプログラム命令を呼び出し且つ実行して、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法を行うように構成されている、チップ。
【国際調査報告】