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特表2022-554378電池フレーム、電池モジュール、電池パック及び電池モジュールの組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】電池フレーム、電池モジュール、電池パック及び電池モジュールの組立方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/211 20210101AFI20221221BHJP
   H01M 50/22 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20221221BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/22
H01M50/503
H01M50/55 301
H01M50/548 301
H01M50/588
H01M50/593
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526275
(86)(22)【出願日】2020-11-07
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 CN2020127371
(87)【国際公開番号】W WO2021098538
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】201911134930.5
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】汪 用▲広▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】李 盛林
(72)【発明者】
【氏名】游 ▲凱▼▲傑▼
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲ユ▼
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA06
5H040AT04
5H040AY10
5H040CC54
5H040DD03
5H040NN03
5H043AA19
5H043CA09
5H043FA04
5H043JA01F
5H043JA03F
5H043JA06F
5H043LA21F
5H043LA23F
(57)【要約】
本願は、電池フレーム(100)、電池モジュール(10)、電池パック及び電池モジュール(10)の組立方法に関する。前記電池フレーム(100)は、少なくとも二つのフレーム(1)を備え、前記少なくとも二つのフレーム(1)は、第1の方向に沿って順次に接続され、前記少なくとも二つのフレーム(1)において、任意の隣接する二つのフレーム(1)の間は、電池フレーム(100)が折り畳み可能であるように、回転可能に接続される。電池フレーム(100)が折り畳み可能であるため、電池フレーム(100)の多様性を効果的に豊かにすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つのフレーム(1)を備える電池フレーム(100)であって、
前記フレーム(1)は、支持板(11)及び側板(12)を備え、前記側板(12)は、前記支持板(11)の周囲に接続され、且つ、第1の方向(L)に沿って対向して配置される第1の側板(121)及び第2の側板(122)を備え、前記第1の方向(L)は、前記支持板(11)が位置する平面に平行であり、前記少なくとも二つのフレーム(1)は、前記第1の方向(L)に沿って順次に接続され、前記少なくとも二つのフレーム(1)において、前記電池フレーム(100)が展開状態及び折り畳み状態を有するように、任意の隣接する二つの前記フレーム(1)の間は回転可能に接続され、前記展開状態にある場合、前記少なくとも二つのフレーム(1)は、前記第1の方向(L)に沿って並列に配置され、前記折り畳み状態にある場合、前記少なくとも二つのフレーム(1)は、第2の方向(H)に沿って積み重ねられ、前記第2の方向(H)は、前記支持板(11)が位置する平面に垂直である、電池フレーム(100)。
【請求項2】
前記電池フレーム(100)は、少なくとも三つの前記フレーム(1)を備え、任意の隣接する三つの前記フレーム(1)において、真中のフレーム(1)は、両側の二つのフレーム(1)に対して反対方向に折り畳まれる、
請求項1に記載の電池フレーム(100)。
【請求項3】
任意の隣接する三つの前記フレーム(1)において、真中に位置するフレーム(1)と前記真中のフレーム(1)の第1側に位置する前記フレーム(1)は、第1の回転構造(13)によって回転可能に接続され、真中に位置するフレーム(1)と前記真中のフレーム(1)の第2側に位置する前記フレーム(1)は、第2の回転構造(14)によって回転可能に接続され、前記第1の回転構造(13)及び前記第2の回転構造(14)は、真中のフレーム(1)が両側の二つのフレーム(1)に対して反対方向に折り畳まれるように、前記第2の方向(H)に沿って前記フレーム(1)の両端に位置する、
請求項2に記載の電池フレーム(100)。
【請求項4】
前記第1の回転構造(13)は、前記第2の方向(H)に沿って前記側板(12)における前記支持板(11)から離れる一端に位置し、前記第2の回転構造(14)は、前記第2の方向(H)に沿って前記側板(12)における前記支持板(11)に近接する一端に位置する、
請求項3に記載の電池フレーム(100)。
【請求項5】
前記第1の回転構造(13)は、第1の回転軸(131)、第1の接続溝(132)及び二つの第1の接続孔(133a)を備え、前記第1の回転軸(131)は、前記第1側のフレーム(1)の第2の側板(122)に配置され、前記第1の接続溝(132)及び前記二つの第1の接続孔(133a)は、いずれも前記真中のフレーム(1)の第1の側板(121)に配置され、前記二つの第1の接続孔(133a)は、前記真中のフレーム(1)の第1の側板(121)における第3の方向(W)に沿う両端に位置し、前記第1の接続溝(132)は、前記第3の方向(W)に沿って前記二つの第1の接続孔(133a)の間に位置し、前記第3の方向(W)は、前記第1の方向(L)及び前記第2の方向(H)に垂直であり、前記第1の回転軸(131)は、前記第1の接続溝(132)及び前記二つの第1の接続孔(133a)に挿入され、及び/又は、
前記第2の回転構造(14)は、第2の回転軸(141)、第2の接続溝(142)及び二つの第2の接続孔(143a)を備え、前記第2の回転軸(141)は、前記真中のフレーム(1)の第2の側板(122)に配置され、前記第2の接続溝(142)及び前記二つの第2の接続孔(143a)は、いずれも前記第2側のフレーム(1)の第1の側板(121)に配置され、前記二つの第2の接続孔(143a)は、前記第2側のフレーム(1)の第1の側板(121)における第3の方向(W)に沿う両端に位置し、前記第2の接続溝(142)は、前記第3の方向(W)に沿って前記二つの第2の接続孔(143a)の間に位置し、前記第3の方向(W)は、前記第1の方向(L)及び前記第2の方向(H)に垂直であり、前記第2の回転軸(141)は、前記第2の接続溝(142)及び前記二つの第2の接続孔(143a)に挿入される、
請求項3に記載の電池フレーム(100)。
【請求項6】
任意の隣接する二つの前記フレーム(1)の間には、係止構造(16)が配置され、前記係止構造(16)は、前記電池フレーム(100)が折り畳み状態にある場合に隣接する二つの前記フレーム(1)を係止するために用いられる、
請求項1に記載の電池フレーム(100)。
【請求項7】
前記係止構造(16)は、係合構造(161)を備え、前記係合構造(161)は、係止溝(161a)及びバックル(161b)を備え、前記係止溝(161a)及び前記バックル(161b)は、それぞれ隣接する二つの前記フレーム(1)に配置され、前記電池フレーム(100)が前記折り畳み状態にある場合、前記バックル(161b)と前記係止溝(161a)が係合される、
請求項6に記載の電池フレーム(100)。
【請求項8】
前記フレーム(1)にはさらに中空部(15)が配置され、前記中空部(15)は、電池モジュール(10)の電気接続シート(300)と嵌合するために用いられる、
請求項1に記載の電池フレーム(100)。
【請求項9】
前記中空部(15)は、第1の中空部(151)及び第2の中空部(152)を備え、前記第1の中空部(151)は、前記側板(12)に位置し、且つ、前記側板(12)の厚さ方向に沿って前記側板(12)を貫通し、前記第2の中空部(152)は、前記支持板(11)に位置し、且つ、前記支持板(11)の厚さ方向に沿って前記支持板(11)を貫通する、
請求項8に記載の電池フレーム(100)。
【請求項10】
任意の隣接する三つの前記フレーム(1)において、真中のフレーム(1)の両側に位置する二つのフレーム(1)は、構造が同じである、
請求項2乃至9のいずれか1項に記載の電池フレーム(100)。
【請求項11】
前記フレーム(1)は、絶縁材で製造され、及び/又は、前記フレーム(1)は、断熱材で製造される、
請求項1に記載の電池フレーム(100)。
【請求項12】
電気接続シート(300)と電池(201)を有する電池ブロック(200)とを備える電池モジュール(10)であって、
前記電池モジュール(10)は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電池フレーム(100)をさらに備え、前記電池フレーム(100)は前記折り畳み状態にあり、前記電池フレーム(100)の各フレーム(1)にはいずれも前記電池ブロック(200)が配置され、前記電気接続シート(300)は、前記電池モジュール(10)における異なる電池(201)のタブ(201a)に電気的に接続され、前記電気接続シート(300)は、互いに接続される第1の折り曲げ部(301)及び第2の折り曲げ部(302)を含み、前記第1の折り曲げ部(301)と前記第2の折り曲げ部(302)との間は、角度を有し、且つ前記第1の折り曲げ部(301)と前記第2の折り曲げ部(302)とは、それぞれ隣接する二つの前記フレーム(1)に位置する、
電池モジュール(10)。
【請求項13】
前記電気接続シート(300)は、前記電池フレーム(100)の中空部(15)に位置する、
請求項12に記載の電池モジュール(10)。
【請求項14】
前記第1の折り曲げ部(301)と前記第2の折り曲げ部(302)との間には凹溝(303)が設けられ、前記凹溝(303)は、前記電池フレーム(100)の第1の回転軸(131)又は第2の回転軸(141)と嵌合する、
請求項12に記載の電池モジュール(10)。
【請求項15】
前記タブ(201a)は、前記電池(201)における第3の方向(W)に沿う一側に位置し、前記第3の方向(W)は、前記第1の方向(L)及び前記第2の方向(H)に垂直であり、又は、前記タブ(201a)は、前記電池(201)における前記第1の方向(L)に沿う両側に位置する、
請求項12に記載の電池モジュール(10)。
【請求項16】
前記電池ブロック(200)は、二つの電池(201)を含み、前記二つの電池(201)は、前記第3の方向(W)に沿って配列され、且つ、前記電池(201)のタブ(201a)は、前記二つの電池(201)の間に位置し、又は、前記電池ブロック(200)は、一つの前記電池(201)を含み、前記電池(201)のタブ(201a)は、前記電池(201)における前記第1の方向(L)に沿う両側に位置する、
請求項15に記載の電池モジュール(10)。
【請求項17】
ボックスを備える電池パックであって、
請求項12乃至16のいずれか1項に記載の電池モジュール(10)をさらに備え、
前記電池モジュール(10)は、前記ボックス内に配置される、
電池パック。
【請求項18】
請求項12乃至15のいずれか1項に記載の電池モジュール(10)の組立方法であって、
電池(201)を有する電池ブロック(200)をそれぞれ展開状態にある電池フレーム(100)の各フレーム(1)内に配置するステップと、
電気接続シート(300)を用いて異なる電池(201)のタブ(201a)を電気的に接続させるステップと、
隣接する二つの前記フレーム(1)を相対的に回転させて、前記電池フレーム(100)を前記展開状態から折り畳み状態に変換させるステップと、
含む、組立方法。
【請求項19】
電気接続シート(300)を用いて異なる電池(201)のタブ(201a)を電気的に接続させる場合、前記電気接続シート(300)を前記電池フレーム(100)の第1の回転軸(131)又は第2の回転軸(141)に配置させ、隣接する二つの前記フレーム(1)を相対的に回転させるとき、前記第1の回転軸(131)又は前記第2の回転軸(141)により、前記電気接続シート(300)の第1の折り曲げ部(301)及び第2の折り曲げ部(302)を相対的に折り曲げる、
請求項18に記載の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年11月19日に提出された「電池フレーム、電池モジュール、電池パック及び電池モジュールの組立方法」という発明の名称の中国特許出願201911134930.5の優先権を主張し、当該出願の全ての内容が本願に援用されている。
【0002】
本願は、電池技術分野に関し、特に、電池フレーム、電池モジュール、電池パック及び電池モジュールの組立方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電池モジュールにおいて、電池フレームは、電池ブロックを収容するために用いられる。関連技術において、電池フレームは一般的に折り畳むことが不可能であり、形態が単一であり、応用が制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願が解決しようとする一つの技術的課題は、電池フレームの多様性を豊かにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本願に係る電池フレームは、少なくとも二つのフレームを備え、フレームは、支持板及び側板を備え、側板は、支持板の周囲に接続され、且つ、第1の方向に沿って対向して配置される第1の側板及び第2の側板を備え、第1の方向は、支持板が位置する平面に平行であり、前記少なくとも二つのフレームは、第1の方向に沿って順次に接続され、前記少なくとも二つのフレームにおいて、電池フレームが展開状態及び折り畳み状態を有するように、任意の隣接する二つのフレームの間は回転可能に接続され、展開状態にある場合、少なくとも二つのフレームは、第1の方向に沿って並列に配置され、折り畳み状態にある場合、少なくとも二つのフレームは、第2の方向に沿って積み重ねられ、第2の方向は、支持板が位置する平面に垂直である。
【0006】
一部の実施例において、電池フレームは、少なくとも三つのフレームを備え、任意の隣接する三つのフレームにおいて、真中のフレームは、両側の二つのフレームに対して反対方向に折り畳まれる。
【0007】
一部の実施例において、任意の隣接する三つのフレームにおいて、真中に位置するフレームと真中のフレームの第1側に位置するフレームは、第1の回転構造によって回転可能に接続され、真中に位置するフレームと真中のフレームの第2側に位置するフレームは、第2の回転構造によって回転可能に接続され、第1の回転構造及び第2の回転構造は、真中のフレームが両側の二つのフレームに対して反対方向に折り畳まれるように、第2の方向に沿ってフレームの両端に位置する。
【0008】
一部の実施例において、第1の回転構造は、第2の方向に沿って側板における支持板から離れる一端に位置し、第2の回転構造は、第3の方向に沿って側板における支持板に近接する一端に位置する。
【0009】
一部の実施例において、第1の回転構造は、第1の回転軸、第1の接続溝及び二つの第1の接続孔を備え、第1の回転軸は、第1側のフレームの第2の側板に配置され、第1の接続溝及び二つの第1の接続孔は、いずれも真中のフレームの第1の側板に配置され、二つの第1の接続孔は、真中のフレームの第1の側板における第3の方向に沿う両端に位置し、第1の接続溝は、第3の方向に沿って二つの第1の接続孔の間に位置し、第3の方向は、第1の方向及び第2の方向に垂直であり、第1の回転軸は、第1の接続溝及び二つの第1の接続孔に挿入され、及び/又は、
第2の回転構造は、第2の回転軸、第2の接続溝及び二つの第2の接続孔を備え、第2の回転軸は、真中のフレームの第2の側板に配置され、第2の接続溝及び二つの第2の接続孔は、いずれも第2側のフレームの第1の側板に配置され、二つの第2の接続孔は、第2側のフレームの第1の側板における第3の方向に沿う両端に位置し、第2の接続溝は、第3の方向に沿って二つの第2の接続孔の間に位置し、第3の方向は、第1の方向及び第2の方向に垂直であり、第2の回転軸は、第2の接続溝及び二つの第2の接続孔に挿入される。
【0010】
一部の実施例において、任意の隣接する二つのフレームの間には、係止構造が配置され、係止構造は、電池フレームが折り畳み状態にある場合に隣接する二つのフレームを係止するために用いられる。
【0011】
一部の実施例において、係止構造は、係合構造を備え、係合構造は、係止溝及びバックルを備え、係止溝及びバックルは、それぞれ隣接する二つのフレームに配置され、且つ、電池フレームが折り畳み状態にある場合、バックルと係止溝が係合される。
【0012】
一部の実施例において、フレームにはさらに中空部が配置され、中空部は、電池モジュールの電気接続シートと嵌合するために用いられる。
【0013】
一部の実施例において、中空部は、第1の中空部及び第2の中空部を備え、第1の中空部は、側板に位置し、且つ、側板の厚さ方向に沿って側板を貫通し、第2の中空部は、支持板に位置し、且つ、支持板の厚さ方向に沿って支持板を貫通する。
【0014】
一部の実施例において、任意の隣接する三つのフレームにおいて、真中のフレームの両側に位置する二つのフレームは、構造が同じである。
【0015】
一部の実施例において、フレームは、絶縁材で製造され、及び/又は、フレームは、断熱材で製造される。
【0016】
本願の別の態様は、さらに、電池モジュールを含み、前記電池モジュールは、電気接続シートと電池を有する電池モジュールとを備え、本願の電池フレームをさらに備え、電池フレームは折り畳み状態にあり、電池フレームの各フレームにはいずれも電池ブロックが配置され、電気接続シートは、電池モジュールにおける異なる電池のタブに電気的に接続され、電気接続シートは、互いに接続される第1の折り曲げ部及び第2の折り曲げ部を含み、第1の折り曲げ部と第2の折り曲げ部との間は角度を有し、且つ第1の折り曲げ部と第2の折り曲げ部とは、それぞれ隣接する二つのフレームに位置する。
【0017】
一部の実施例において、電気接続シートは、電池フレームの中空部に位置する。
【0018】
一部の実施例において、第1の折り曲げ部と第2の折り曲げ部との間には凹溝が設けられ、凹溝は、電池フレームの第1の回転軸又は第2の回転軸と嵌合する。
【0019】
一部の実施例において、タブは、電池における第3の方向に沿う一側に位置し、第3の方向は、第1の方向及び第2の方向に垂直であり、又は、電池のタブは、電池における第1の方向に沿う両側に位置する。
【0020】
一部の実施例において、電池ブロックは、二つの電池を含み、二つの電池は、第3の方向に沿って配列され、且つ、電池のタブは、二つの電池の間に位置し、又は、電池ブロックは、一つの電池を含み、電池のタブは、電池における第1の方向に沿う両側に位置する。
【0021】
本願の他の態様は、さらに、電池パックを提供し、前記電池パックは、ボックスを備え、本願の電池モジュールをさらに備え、電池モジュールは、ボックス内に配置される。
【0022】
本願のさらに別の態様は、さらに、電池モジュールの組立方法を提供し、前記組立方法は、
電池を有する電池ブロックをそれぞれ展開状態にある電池フレームの各フレーム内に配置するステップと、
電気接続シートを用いて異なる電池のタブを電気的に接続させるステップと、
隣接する二つのフレームを相対的に回転させて、電池フレームを展開状態から折り畳み状態に変換させるステップと、含む。
【0023】
一部の実施例において、電気接続シートを用いて異なる電池のタブを電気的に接続させる場合、電気接続シートを電池フレームの第1の回転軸又は第2の回転軸に配置させ、隣接する二つのフレームを相対的に回転させるとき、第1の回転軸又は第2の回転軸により、電気接続シートの第1の折り曲げ部及び第2の折り曲げ部を相対的に折り曲げる。
【0024】
本願は、折り畳み可能な電池フレームを提供し、電池フレームの種類を効果的に増加させ、電池のフレームの多様性を豊かにすることができる。
【0025】
特に、このような折り畳み可能な電池フレームは、折り曲げ可能な電気接続シートと一緒に使用することができるため、電池モジュールの組立過程を効果的に簡略化することができる。
【0026】
以下、参照図面を用いて本願の例示的な実施例を詳細に説明することにより、本願の他の特徴及びその利点を明瞭にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
以下、本願の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介する。当然のことながら、以下に説明する図面は単に本願の一部の実施例であり、当業者であれば、創造的な努力なしに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0028】
図1】本願の一実施例の電池フレームの全体構造概略図を示す。
図2】隣接する二つのフレームのうちの一つのフレームの構造概略図を示す。
図3】隣接する二つのフレームのうちの他の一つのフレームの構造概略図を示す。
図4図1におけるA部分拡大概略図を示す。
図5図1におけるB部分拡大概略図を示す。
図6図1におけるC部分拡大概略図を示す。
図7図1におけるD部分拡大概略図を示す。
図8】本願の一実施例の電池モジュールの分解構造概略図を示す。
図9図8における電気接続シートの溶接状態概略図を示す。
図10図8に示す電池モジュールの折り畳み過程を示す。
図11図8に示す電池モジュールが折り畳まれるがロックされない場合の状態概略図を示す。
図12図11におけるE部分拡大概略図を示す。
図13図8に示す電池モジュールが折り畳まれ且つロックされる場合の状態概略図を示す。
図14】本願の他の一実施例の電池モジュールの構造概略図を示す。
図15図14における電池ブロックとフレームの組み合わせ概略図を示す。
図16図14に示す電池モジュールの折り畳み過程を示す。
【0029】
図面において、図面は実際の比率に応じて描かれていない。
【0030】
符号の説明
10 電池モジュール
100 電池フレーム、200 電池ブロック、300 電気接続シート
1a フレームユニット
1 フレーム
11 支持板、12 側板、121 第1の側板、122 第2の側板、123 第3の側板、124 第4の側板、13 第1の回転構造、131 第1の回転軸、132 第1の接続溝、133 第1の添え板、133a 第1の接続孔、14 第2の回転構造、141 第2の回転軸、142 第2の接続溝、143 第2の添え板、143a 第2の接続孔、15 中空部、151 第1の中空部、152 第2の中空部、16 係止構造、161 係合構造、161a 係止溝、161b バックル
201 電池、201a タブ
301 第1の折り曲げ部、302 第2の折り曲げ部、303 凹溝
L 第1の方向、H 第2の方向、W 第3の方向
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本願の実施例における図面と組み合わせて、本願の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に説明し、当然のことながら、説明された実施例は、本願の全ての実施例ではなく、一部の実施例に過ぎない。以下、少なくとも一つの例示的な実施例に対する説明は、本質的に単なる例示であり、本願及びその応用又は使用に対する任意の制限とするものではない。当業者が、本願の実施例に基づいて、創造的な努力をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0032】
関連分野の当業者に既に知られている技術、方法及び装置を詳細に説明しない可能性があるが、適切な状況で、前記技術、方法及び装置は登録された明細書の一部と見なされるべきである。
【0033】
本願の説明において、理解すべきこととして、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」などのような方向用語で示される方向又は位置関係は一般的に図面に示される方向又は位置関係を基にし、本願の説明と説明の簡略化を容易にするに過ぎず、逆の説明をしない場合、これらの用語は示される装置又は素子が必ず特定の方向を有するか又は特定の方向で構造及び操作される必要があると示す且つ暗示するのではないため、本願の保護範囲に対する制限として理解されてはいけない。また、「内、外」という方向用語は、各部材自体の輪郭に対する内外を指す。
【0034】
本願の説明において、理解すべきこととして、「第1」、「第2」などの用語を用いて部品を限定することは、応じる部品の区別を容易にするに過ぎず、特に断らない限り、上記用語は特に意味がないため、本願の保護範囲を限定するものと理解されてはいけない。
【0035】
なお、以下に説明する本願の異なる実施形態に係る技術的特徴は互いの間に衝突がない限り、互いに結合することができる。
【0036】
図1~16は、本願の電池フレーム100及び電池モジュール10を示す。
【0037】
次に各方向を明確に説明するために、図1における座標系を利用して各方向を定義し、ここで、座標軸Lは、第1の方向を示し、フレーム1の第1の側板121及び第2の側板122の対向配置方向であり、電池フレーム100が展開状態にある場合の各フレーム1の配列方向でもあり、フレーム1の支持板11が位置する平面に平行であり、電池モジュール10における電池ブロック200の配列方向でもあり、同時に電池モジュール10の長さ方向でもある。座標軸Hは、第2の方向を示し、フレーム1の支持板11が位置する平面に垂直であり、換言すれば、それは第1の方向Lに垂直であり、同時に当該第2の方向Hは電池モジュール10の高さ方向でもある。座標軸Wは、第3の方向を示し、座標軸L及び座標軸Hに垂直であり、即ちそれは第1の方向L及び第2の方向Hに垂直であり、換言すれば、それは第1の方向Lに垂直で且つ支持板11が位置する平面に平行であり、当該方向は同時に電池モジュール10の幅方向でもある。
【0038】
上記方向の定義に基づいて、次に図1~16と組み合わせて本願を説明し、以下に用いられる「上」、「下」、「頂」、「底」などの方向又は位置関係を示す用語は、いずれも第2の方向Hに対するものである。
【0039】
図1~16を参照すると、電池モジュール10は、電池ブロック200、電気接続シート300及び電池フレーム100などを備え、電池ブロック200及び電気接続シート300は、いずれも電池フレーム100内に配置される。
【0040】
そのうち、図8~16に示すように、電池ブロック200は、電池モジュール10のコア部材であり、それは、電気エネルギーを生成するための電池201を有する。電池ブロック200における電池201の個数は特に限定されず、それは、一つ、二つ又は複数の電池201を含み得る。例えば、図8に示すように、一部の実施例において、電池ブロック200は、二つの電池201を含んでもよく、これら二つの電池201は、第3の方向Wに沿って配列されてもよい。さらに例えば、図14に示すように、他の一部の実施例において、電池ブロック200は、一つの電池201のみを含んでもよい。
【0041】
電池201は、タブ201aを介して外部と電気的に連通する。タブ201aは、電池201の正極及び負極にそれぞれ対応する正極タブ及び負極タブを含む。タブ201aの配置態様は、多様であってもよい。例えば、図8に示すように、一部の実施例において、タブ201aは、電池201における第3の方向Wに沿う一端に位置してもよく、また、電池ブロック200が二つの第3の方向Wに沿って配列される電池201を有する場合、二つの電池201のタブ201aは逆向きに配置されてもよく、この時に、電池201のタブ201aは、二つの電池201の間に位置し、比較的少ない電気接続シート300を用いて全ての電池201の接続を実現しやすい。さらに例えば、図15に示すように、別の一部の実施例において、タブ201aは、電池201における第1の方向Lに沿う両側に位置してもよい。また、タブ201aは、構造的対称性がより良好になるように、第3の方向Wに沿って電池ブロック200の中間部分に位置してもよい。
【0042】
また、図示の実施例において、電池201は、ソフトパック電池である。ソフトパック電池は、ハードケース電池と区別される電池であり、そのケースは、アルミニウム合金又はステンレス鋼などのハードケースを使用せず、アルミプラスチックフィルムなどのポリマーケースを使用し、重量が軽く、厚さが小さく且つ安全性能が高いなどの利点を有するが、同時に硬度が柔らかく、強度が弱いなどの欠点を有する。
【0043】
電池モジュール10の充放電能力を高めるために、図8~16に示すように、電池モジュール10における電池ブロック200の個数は、一つより多くてもよく、例えば、二つ又は複数(複数とは少なくとも三つを指す)であってもよい。具体的に、図示の実施例において、電池モジュール10は、複数の電池ブロック200を含む。また、空間占用を減少させるために、前記複数の電池ブロック200は、グループに積み重ねられ得る。
【0044】
電池ブロック200内及び異なる電池ブロック200間の電池201は、電気接続シート300を介して電気的に接続される。電気接続シート300は、バスバー(Busbar)又はバスとも呼ばれ、異なる電池201のタブ201aを電気的に接続して、電池モジュール10内の各電池201の直列、並列又は混合接続を実現するのに用いられる。具体的に、図8~15に示す実施例において、同一の電池ブロック200における異なる電池201のタブ201a間に電気接続シート300が設けられているだけでなく、異なる電池ブロック200のタブ201a間にも電気接続シート300が設けられ、即ち、電気接続シート300は、同一の電池ブロック200における異なる電池201のタブ201aを接続させるだけでなく、異なる電池ブロック200間のタブ201aも接続させる。なお、図14~16に示す実施例において、同一の電池ブロック200は、一つの電池201のみを有するため、異なる電池ブロック200のタブ201aの間のみに電気接続シート300が設けられ、即ち、電気接続シート300は、異なる電池ブロック200のタブ201aのみを接続させる。
【0045】
電気接続シート300は、タブ201aと溶接されることにより、異なる電池201への電気的接続を実現することができる。図9の網掛け部分は、電気接続シート300の溶接領域を示す。前述のように、タブ201aは、第3の方向Wに沿って、電池ブロック200の中間部分に位置するため、電気接続シート300の溶接後も電池ブロック200における第3の方向Wに沿う中間部分に位置する。
【0046】
図8~16に示すように、本願において、電気接続シート300は、折り曲げ可能である。具体的に、電気接続シート300は、第1の折り曲げ部301及び第2の折り曲げ部302を含み、当該第1の折り曲げ部301及び第2の折り曲げ部302は、折り曲げ可能に接続される。これを基に、第1の折り曲げ部301及び第2の折り曲げ部302を相対的に折り曲げることにより、電気接続シート300の折り曲げを実現することができ、電池モジュール10における異なる電池ブロック200の間がグループに積み重ねられ、空間占用を減少させ、エネルギー密度を増大させ、使用の柔軟性を向上させ、適用範囲を拡大することができる。電気接続シート300は、電池フレーム100の折り畳みに従って折り曲げられ、電池フレーム100が折り畳み状態にある場合、第1の折り曲げ部301と第2の折り曲げ部302の間は、角度を有し且つそれぞれ隣接する二つのフレーム1内に位置する。
【0047】
また、図8に示すように、第1の折り曲げ部301と第2の折り曲げ部302との間にはさらに凹溝303が設けられ、且つ、当該凹溝303は、U字形溝である。当該凹溝303を設ける利点とは、電気接続シート300が電池フレーム100の作用下で折り曲げられやすいことであり、この点については、電池フレーム100の構造と組み合わせて後でより詳細に説明する。
【0048】
電池フレーム100は、電池モジュール10の全ての電池ブロック200を収容して、各電池ブロック200を保護且つ支持して、強度を増加させるのに用いられる。電池フレーム100は、フレーム1を備え、フレーム1は、支持板11及び側板12を備え、側板12は支持板11の周囲に接続され、これにより、フレーム1は、電池ブロック200を収容するために用いられ且つ頂部が開放されたキャビティを有する。具体的に、図2~3に示すように、フレーム1の形状は、電池ブロック200の形状に適し、直方体状を呈し、ここで、支持板11は底板として用いられ、フレーム1の開放端と対向し、電池ブロック200を支持するために用いられ、側板12は、第1の側板121、第2の側板122、第3の側板123及び第4の側板124を有し、第1の側板121及び第2の側板122は、支持板11における第1の方向Lに沿う両側に接続され、第3の側板123及び第4の側板124は、支持板11における第3の方向Wに沿う両側に接続される。理解すべきこととして、フレーム1の形状は矩形に制限されず、例えば円形又は他の形状であってもよく、具体的に、電池ブロック200の形状に基づいて設けることができる。また、支持板11に接着剤、両面テープ又はバックル構造などのうちの1種類又は複数種類を設けて、フレーム1における電池ブロック200の固定を実現することができる。
【0049】
フレーム1の個数は、電池ブロック200の個数と同じであり、各フレーム1には一つの電池ブロック200が設けられ、これにより各電池ブロック200がそれぞれ一つの個別のフレーム1で支持且つ保護されて、強度をさらに効果的に向上させる。電池モジュール10が少なくとも二つの電池ブロック200を含み得るため、電池フレーム100は相応的に少なくとも二つのフレーム1を含み得る。具体的に、図示の実施例において、電池ブロック200の個数が複数である場合、フレーム1の個数も複数である。
【0050】
電池ブロック200及び電気接続シート300をグループに折り畳みやすいために、本願において、電池フレーム100は、折り畳み可能に設けられる。図1~10に示すように、電池フレーム100の全てのフレーム1は、第1の方向Lに沿って順次に接続され、且つ、任意の隣接する二つのフレーム1の間は回転可能に接続される。このように、隣接するフレーム1の間を回転可能にすることにより、電池フレーム100の折り畳みを実現することができ、これにより電池フレーム100が展開状態から折り畳み状態に変換され、さらに電池ブロック200及び電気接続シート300を率いてグループに折り畳むことができ、電池モジュール10の折り畳みを実現することができる。展開状態にある場合、電池フレーム100の全てのフレーム1は、第1の方向Lに沿って並列に配置され、折り畳み状態にある場合、電池フレーム100の全てのフレーム1は、第2の方向Hに沿って積み重ねられる。
【0051】
ここで、図10に示すように、電池フレーム100が複数のフレーム1を有する場合、複数のフレーム1は、二つずつ回転可能に接続され、且つ、任意の隣接する三つのフレーム1において、真中のフレーム1は両側の二つのフレーム1に対して折り畳み方向が逆である。これにより、電池フレーム100は、S字形に折り畳むことができ、電池モジュール10の折り畳みをよりスムーズに実現することができる。
【0052】
真中のフレーム1を両側の二つのフレーム1に対して反対方向に折り畳むことができるために、図1~7及び図10に示すように、任意の隣接する三つのフレーム1において、第1の方向Lに沿って真中に位置するフレーム1と真中のフレーム1の第1側に位置するフレーム1及び真中のフレーム1の第2側に位置するフレーム1とは、それぞれ第1の回転構造13及び第2の回転構造14を介して回転可能に接続され、且つ、第1の回転構造13及び第2の回転構造14は、第2の方向Hに沿って、フレーム1の両端に位置する。具体的に、図1~7に示すように、真中のフレーム1の第1の側板121と第1側のフレーム1の第2の側板122との間は、第1の回転構造13を介して回転可能に接続され、同時に、真中のフレーム1の第2の側板122と第2側のフレーム1の第1の側板121との間は、第2の回転構造14を介して回転可能に接続され、また、第2の方向Hにおいて、第1の回転構造13は、側板12の上端(即ち、側板12における支持板11から離れる一端)に位置し、第2の回転構造14は、側板12の下端(即ち、側板12における支持板11に近接する一端)に位置する。これにより、図10に示すように、グループに折り畳む必要がある場合、真中のフレーム1は、第1側のフレーム1に対して上方へ折り畳まれ、第2側のフレーム1に対して下方へ折り畳まれるため、図10の矢印に示すようなS字形折り畳み形態を実現する。当然のことながら、変形として、第1の回転構造13をフレーム1の下端に位置させ、第2の回転構造14をフレーム1の上端に位置させ、このような場合、必要なS字形折り畳み形態を実現することができる。
【0053】
ここで、第1の回転構造13及び第2の回転構造14は、複数種類の構造形態を用いることができ、例えば、蝶番(又はヒンジ)であってもよく、或いは、軸孔嵌合構造であってもよい。具体的に、図1~7に示すように、一部の実施例において、第1の回転構造13及び第2の回転構造14は、いずれも軸孔嵌合構造を用いて、構造を簡略化し、加工し易くすることができる。
【0054】
ここで、図2図3図4及び図6に示すように、第1の回転構造13は、回転嵌合する第1の回転部及び第2の回転部を含み、第1の回転部は、第1側のフレーム1の側板12に配置され(具体的に第1側のフレーム1の第2の側板122の上端に配置)、且つ第1の回転軸131を有し、第2の回転部は、真中のフレーム1の側板12に配置され(具体的に真中のフレーム1の第1の側板121の上端に配置)、且つ第1の接続溝132及び二つの第1の接続孔133aを有し、二つの第1の接続孔133aは、真中のフレーム1の側板12(具体的に真中のフレーム1の第1の側板121)における第3の方向Wに沿う両端に位置し、第1の接続溝132は、第3の方向Wに沿って、二つの第1の接続孔133a間に位置し、第1の回転軸131は、第1の接続溝132及び二つの第1の接続孔133a内に挿入される。これにより、第1の回転軸131と第1の接続溝132及び二つの第1の接続孔133aとは、回転可能に嵌合され、第1の回転構造13の作用下で、真中のフレーム1は、第1側のフレーム1に対して回転することができ、両者間の折り畳みを実現することができる。
【0055】
図1~3、図5及び図7に示すように、第2の回転構造14は、第3の回転部及び第4の回転部を有し、第3の回転部は、真中のフレーム1の側板12に配置され(具体的に真中のフレーム1の第2の側板122の下端に配置)、且つ第2の回転軸141を有し、第4の回転部は、第2側のフレーム1の側板12に配置され(具体的に第2側のフレーム1の第1の側板121の下端に配置)、且つ第2の接続溝142及び二つの第2の接続孔143aを有し、二つの第2の接続孔143aは、第2側のフレーム1の側板12(具体的に第2側のフレーム1の第1の側板121)における第3の方向Wに沿う両端に位置し、第2の接続溝142は、第3の方向Wに沿って、二つの第2の接続孔143a間に位置し、第2の回転軸141は、第2の接続溝142及び二つの第2の接続孔143a内に挿入される。これにより、第2の回転軸141と第2の接続溝142及び二つの第2の接続孔143aとは、回転可能に嵌合され、第2の回転構造14の作用下で、真中のフレーム1は、第2側のフレーム1に対して回転することができ、両者間の折り畳みを実現することができる。
【0056】
ここで、図4及び図5に示すように、第1の接続溝132及び/又は第2の接続溝142は、U字形溝であってもよく、第1の回転軸131及び/又は第2の回転軸141を応じる接続溝内に入れて応じる接続溝と回転嵌合させるのに役立つ。同時に、図1~3に示すように、第1の接続溝132及び/又は第2の接続溝142は具体的にフレーム1における第3の方向Wに沿う中間部分に位置してもよく、このような場合、前述のように、電気接続シート300もフレーム1における第3の方向Wに沿う中間部分に位置するため、電気接続シート300と第1の接続溝132又は第2の接続溝142との位置は対応し、電気接続シート300における凹溝303は、第1の接続溝132又は第2の接続溝142と嵌合して、第1の回転軸131又は第2の回転軸141の位置を制限し、特に、凹溝303、第1の接続溝132及び第2の接続溝142がいずれもU字形溝である場合、凹溝303はちょうど第1の接続溝132又は第2の接続溝142と係合することができ、位置を制限する効果がより良好であり、また、電池フレーム100を折り畳む時に、第1の回転軸131又は第2の回転軸141は、凹溝303を介して電気接続シート300へトルクを伝達することができ、電気接続シート300を率いて折り曲げることができる。ここで、図8に示すように、第1の回転軸131に位置する電気接続シート300は、フレーム1の上端に位置する第1の回転軸131とより良好に嵌合するように、凹溝303が電気接続シート300の上面に配置され、第2の回転軸141に位置する電気接続シート300は、フレーム1の下端に位置する第2の回転軸141とより良好に嵌合するように、凹溝303が電気接続シート300の下面に配置されてもよい。
【0057】
第1の接続孔133aの配置を容易にするために、図3及び図6に示すように、真中のフレーム1の側板12(具体的に真中のフレーム1の第1の側板121)における第3の方向Wに沿う両端にはいずれも第1の添え板133が設けられ、第1の接続孔133aは、第1の添え板133に配置される。
【0058】
また、第2の接続孔143aの配置を容易にするために、図7に示すように、第2側のフレーム1の側板12(具体的に第2側のフレーム1の第1の側板121)における第3の方向Wに沿う両端にはいずれも第2の添え板143が設けられ、第2の接続孔143aは、第2の添え板143に配置される。
【0059】
具体的に、図6及び図7に示すように、図示の実施例において、第1の添え板133及び第2の添え板143はいずれも円形添え板であり、且つ、第1の回転軸131が設けられた側板12における第1の添え板133に対応する位置及び第2の回転軸141が設けられた側板12における第2の添え板143に対応する位置には、いずれも円弧状溝部が設けられ、円弧状溝部は、円形添え板から退避し、干渉を防止し、隣接するフレーム1のよりスムーズな相対的回転を容易にする。
【0060】
なお、図1~3に示すように、一部の実施例において、フレーム1にはさらに中空部15が設けられ、中空部15は、電池モジュール10の電気接続シート300と嵌合するために用いられる。図11に示すように、電気接続シート300は、中空部15に位置する。中空部15を配置することにより、電池ブロック200及び電気接続シート300をフレーム1内に組み立てた後、電気接続シート300から退避し、これは、一方では、電気接続シート300の折り曲げに空間を提供することができ、電気接続シート300の折り曲げ過程でのスムーズな実現を容易にし、他方では、電気接続シート300の溶接ツール及び溶接操作のための空間を確保することができ、電気接続シート300の溶接過程の完了を容易にし、電池モジュール10の組立効率を向上させ、さらに一方では、グループに折り畳まれた後に電気接続シート300がフレーム1の外部に露出することができ、電気接続シート300に対して電圧サンプリングなどを容易に行うことができる。PCB板(Printed Circuit Board、プリント基板)又はFPC板(Flexible Printed Circuit Board、フレキシブルプリント基板)を用いて電気接続シート300に対する電圧サンプリングを行ってもよい。
【0061】
具体的に、図3に示すように、中空部15は、互いに連通する第1の中空部151及び第2の中空部152を含んでもよく、第1の中空部151は、側板12に位置し、且つ側板12の厚さ方向に沿って側板12を貫通し、第2の中空部152は、支持板11に位置し、且つ支持板11の厚さ方向に沿って支持板11を貫通する。これにより、中空部15がL字形を呈し、展開状態及び折り畳み状態でいずれも電気接続シート300から充分に退避することができる。理解できるように、側板12の厚さ方向とは、側板12における第1の方向Lに沿うサイズを指し、支持板11の厚さ方向とは、支持板11における第2の方向Hに沿うサイズを指す。
【0062】
より具体的に、中空部15は、第3の方向Wに沿ってフレーム1の中間部分に位置し、これは、電気接続シート300が第3の方向Wに沿ってフレーム1の中間部分に位置する特徴と一致し、中空部15がフレーム1における第3の方向Wに沿う中間部分に位置する電気接続シート300から退避するのに役立つ。同時に、前述のように、第1の接続溝132及び第2の接続溝142もいずれも第3の方向Wに沿ってフレーム1の中間部分に位置し、中空部15と第1の接続溝132及び第2の接続溝142との第3の方向Wにおける位置は対応し、第1の接続溝132での中空部15は、第1の接続溝132の下方に位置するが、第2の接続溝142での中空部15は、第2の接続溝142の上方に位置する。
【0063】
また、図1~3に示すように、フレーム1における第1の方向Lに沿う対向する両側にはいずれも中空部15が設けられ、具体的に、第1の側板121及び第2の側板122にはいずれも第1の中空部151が設けられ、支持板11における第1の方向Lに沿う両端にはいずれも第2の中空部152が対応して設けられ、これは、フレーム1における第1の方向Lに沿う両側に位置する二つの電気接続シート300の何れもから退避するのに役立つ。
【0064】
前述の配置を基に、図8~9又は図14に示すように、電池フレーム100が展開状態にある場合、各電池ブロック200をそれぞれ対応するフレーム1内に入れ、電気接続シート300を所定の位置に配置して、溶接を行い、電気接続シート300を用いて異なる電池201のタブ201aの電気的接続を実現して、電池ブロック200、電気接続シート300及電池フレーム100を一体にし、その後、図10又は図16に示すように、隣接する二つのフレーム1を相対的に回転することにより、電池フレーム100をS字形に折り畳んで、電池フレーム100を展開状態から折り畳み状態に変換させて、電池モジュール10の組立を実現することができる。ここでの配置、溶接及び折り畳みは、いずれも自動化された製造装置により自動的に操作することができ、生産効率が高い。ここで、電池フレーム100の折り畳み過程で、電気接続シート300の第1の折り曲げ部301及び第2の折り曲げ部302が回転軸により相対的に折り曲げられるように、電気接続シート300は具体的に電池フレーム100の回転軸(即ち、第1の回転軸131及び第2の回転軸141)に配置されるため、電気接続シート300が電池フレーム100の折り畳みに伴って自動的に折り曲げることができ、さらに電池モジュール10の組立過程を簡略化する。
【0065】
電池モジュール10を折り畳んだ後に所望の折り畳み状態に保持するために、図13に示すように、本願の電池フレーム100は、その任意の隣接する二つのフレーム1の間に係止構造16を配置することができ、当該係止構造16は折り畳み状態で隣接する二つのフレーム1を係止するために用いられる。具体的に、図11~12に示すように、係止構造16は、係合構造161を含んでもよく、係合構造161の係止溝161a及びバックル161bは、それぞれ隣接する二つのフレーム1に配置され、これにより電池フレーム100が所定の位置に折り畳まれる場合、バックル161bを係止溝161a内に挿入することができ、隣接するフレーム1を互いに係合させて、一緒に係止させ、電池フレーム100が折り畳み状態をより確実に保持するようにして、意図せずに分散することを防止することができる。
【0066】
本願において、図1に示すように、任意の隣接する三つのフレーム1において、真中のフレーム1の両側に位置する二つのフレーム1は、同じ構造を用いて、構造を簡略化することができ、電池フレーム100のモジュール化を実現しやすく、製造コストを低減させ、製造効率を向上させることができる。
【0067】
具体的に、図1~3に示すように、一部の実施例において、電池フレーム100におけるフレーム1は、2種類に分けられ、そのうちの1種類は、図1及び図2に示す通りであり、第1のフレームと呼ばれ、その第1の側板121の下端には第4の回転部(具体的に第2の接続孔143a及び第2の接続溝142)が設けられ、且つその第2の側板122の上端には第1の回転部(具体的に第1の回転軸131)が設けられ、その他の1種類は、図1及び図3に示す通りであり、第2のフレームと呼ばれ、その第1の側板121の上端には第1の回転部と嵌合する第2の回転部(具体的に第1の接続孔133a及び第1の接続溝132)が設けられ、且つその第2の側板122の下端には第4の回転部と嵌合する第3の回転部(具体的に第2の回転軸141)が設けられ、また、一つの第1のフレーム及び一つの第2のフレームは、隣接して配置されて、フレームユニット1aを構成し、電池フレーム100全体は、一つ、二つ又は複数のフレームユニット1aが第1の方向Lに沿って並列に配置されることにより形成され、換言すれば、電池フレーム100は、フレームユニット1aを含み、フレームユニット1aは、第1の方向Lに沿って並列に配置される第1のフレーム及び第2のフレームを含み、第1のフレームの第2の側板122と第2のフレームの第1の側板121とは、第1の回転部と第2の回転部の嵌合(第1の回転構造13)によって、回転可能に接続され、且つフレームユニット1aの個数が二つ以上である場合、隣接するフレームユニット1aの間は、第3の回転部と第4の回転部の嵌合(第2の回転構造14)によって、回転可能に接続され、即ち第1のフレーム及び第2のフレームは交互に配置され且つ互いに回転可能に接続され、これにより電池フレーム100は、S字形の軌跡に沿って折り畳まれる。このような状況で、第1のフレーム及び第2のフレームの2種類のフレーム1の構造のみを製造すればよいため、設計及び製造のコストがより低く、モジュール化程度がより高く、組立もより簡単で便利であり、自動化生産が容易であり、製造効率もより高い。
【0068】
また、図2及び図3に示すように、第1のフレーム及び第2のフレームにはいずれも中空部15が設けられ、且つ中空部15は第1の側板121に位置するだけでなく、第2の側板122にも位置する。同時に、第1のフレームの第3の側板123及び第4の側板124にはいずれも係止溝161aが設けられ、第2のフレームの第3の側板123及び第4の側板124にはいずれもバックル161bが対応して設けられ、且つ第1のフレームの第3の側板123及び第4の側板124における第2の方向Hに沿う両端にはいずれも係止溝161aが設けられ、第2のフレームの第3の側板123及び第4の側板124における第2の方向Hに沿う両端にはいずれもバックル161bが設けられ、これにより、第2のフレーム(又は第1のフレーム)とその両側の隣接する二つの第1のフレーム(又は第2のフレーム)とのバックル接続を容易にし、折り畳み状態でのロックを実現する。そのうち、図12に示すように、バックル161bはL字形を呈する。当然のことながら、バックル161b及び係止溝161aの位置が逆であってもよく、即ち、バックル161bが第1のフレームに配置され、且つ係止溝161aが第2のフレームに配置されてもよい。
【0069】
本願の電池モジュール10は、その折り畳みが完了した後、電池パックのボックス内に配置されてもよい。ボックス内における電池モジュール10の固定を実現するために、電池フレーム100は、ボックスの内壁に接着されてもよく、又は、電池フレーム100には引っ掛け部(例えばフック)などが配置されて、電池フレーム100をボックスの内壁に引っ掛けてもよい。
【0070】
本願において、電池フレーム100は絶縁材で製造されてもよく、これにより電池モジュール10における異なる電池ブロック200間が互いに絶縁され、且つ電池モジュール10とボックスとの間が絶縁され、これは電池パック及び電池モジュール10における絶縁シートの個数を減少させ、構造を簡略化し、コストを低減することに役立つ。
【0071】
また、電池フレーム100は、電池201の熱拡散を低減する作用を果たすように、断熱材で製造されてもよい。
【0072】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱しない範囲内で、それに様々な改良を行うことができかつ等価物でその中の部材を差し替えることができる。特に、構造が衝突しない限り、各実施例に言及された各技術的特徴はいずれも任意の形態で組み合わせることができる。本願は本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に属する全ての技術的解決手段を含む。
【符号の説明】
【0073】
10 電池モジュール
100 電池フレーム
200 電池ブロック300 電気接続シート
1a フレームユニット
1 フレーム
11 支持板
12 側板
121 第1の側板
122 第2の側板
123 第3の側板
124 第4の側板
13 第1の回転構造
131 第1の回転軸
132 第1の接続溝
133 第1の添え板
133a 第1の接続孔
14 第2の回転構造
141 第2の回転軸
142 第2の接続溝
143 第2の添え板
143a 第2の接続孔
15 中空部
151 第1の中空部
152 第2の中空部
16 係止構造
161 係合構造
161a 係止溝
161b バックル
201 電池
201a タブ
301 第1の折り曲げ部
302 第2の折り曲げ部
303 凹溝
L 第1の方向
H 第2の方向
W 第3の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
【国際調査報告】