(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】エレクトロポレーション(electroporation)装置および方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/42 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
C12M1/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526748
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-07
(86)【国際出願番号】 US2020059984
(87)【国際公開番号】W WO2021096936
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508087044
【氏名又は名称】プレシゲン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141195
【氏名又は名称】西澤 恵美子
(72)【発明者】
【氏名】バットマン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】リード,トーマス,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シュユアン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュース,トラビス
(72)【発明者】
【氏名】セローン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ジェントリー,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ホック,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】インスリー,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー,クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,マッケンジー
(72)【発明者】
【氏名】シュミッド,スコット
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,チャド ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ヴィンセント
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA24
4B029BB01
4B029CC01
4B029GA06
(57)【要約】
エレクトロポレーションは、細胞膜の透過性を増加させるために、電場が細胞に印加される技法である。これは、化学物質、薬物、ならびに/または巨大分子、たとえば、タンパク質および核酸などが細胞の中へ導入されることを可能にする。実施形態は、エレクトロポレーション装置に関する。エレクトロポレーション装置は、エレクトロポレーションプロセスの間に複数の細胞を貯蔵するように構成されている複数のチャンバーと、エレクトロポレーションプロセスの間に複数のチャンバーの中に複数の電場を発生させるように構成されている複数の電極であって、複数の電場のそれぞれの電場は、複数のチャンバーの1つのチャンバーに対応している、複数の電極と、エレクトロポレーションプロセスの後の細胞収集プロセスの間に、複数の細胞を輸送するように構成されているフローチャネルと、複数のチャンバーをフローチャネルに接続する複数のバルブとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロポレーションプロセスの間に複数の細胞を貯蔵するように構成されている複数のチャンバーと、
前記エレクトロポレーションプロセスの間に前記複数のチャンバーの中に複数の電場を発生させるように構成されている複数の電極であって、前記複数の電場のそれぞれの電場は、前記複数のチャンバーの1つのチャンバーに対応している、複数の電極と、
前記エレクトロポレーションプロセスの後の細胞収集プロセスの間に、前記複数の細胞を輸送するように構成されているフローチャネルと、
前記複数のチャンバーを前記フローチャネルに接続する複数のバルブと
を含む、エレクトロポレーション装置。
【請求項2】
入口ポートと、
出口ポートと、
前記入口ポートおよび前記出口ポートを前記フローチャネルに接続する複数のフランキングフローチャネルと、
をさらに含む、請求項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項3】
収集プロセスの間に、前記フローチャネルから前記複数のチャンバーのうちの少なくとも1つの中へ液体培地をポンプ送りするためのポンプをさらに含み、
前記液体培地は、前記入口ポートにおいて取得される、請求項2に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項4】
前記複数のチャンバーにつながる複数の開口部を含む表面と、
前記複数の開口部の下方にあり、前記複数のチャンバーの間で空気フローを接続する、空気フローチャネルと
をさらに含む、請求項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項5】
前記空気フローチャネルを前記エレクトロポレーション装置の外部に接続するベントまたはエアフィルターをさらに含む、請求項4に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項6】
前記複数の開口部をカバーするように構成されているシールをさらに含む、請求項4に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項7】
前記複数のチャンバーのそれぞれは、前記複数のバルブに向けて狭くなる形状を含む、請求項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項8】
前記複数のチャンバーは、所与のチャンバーを含み、
前記複数の電極は、前記所与のチャンバーの両側に1対の電極を含む、請求項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項9】
前記1対の電極のそれぞれの電極は、
前記所与のチャンバーの内側の内部部分と、
前記所与のチャンバーの外部の外部部分であって、それぞれの対の電極は、電気回路に接続するように構成されている、外部部分と
を含む、請求項8に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項10】
前記所与のチャンバーの内側の前記内部部分は、楕円形の面を有しており、金コーティングを含む、請求項9に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項11】
前記複数のチャンバーのそれぞれは、少なくとも約250uLの体積を貯蔵するように構成されている、請求項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項12】
前記複数のチャンバーのそれぞれは、少なくとも約500uLの体積を貯蔵するように構成されている、請求項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項13】
前記ポンプは、1つまたは複数のバルブをさらに含み、前記1つまたは複数のバルブは、流体の一方向のフローのみを許容する、請求項3に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項14】
前記複数のバルブの中のそれぞれのバルブは、前記複数のチャンバーの中の1つのチャンバーに対応している、請求項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項15】
前記チャンバーバルブに対応するそれぞれのバルブは、ピンチバルブまたはピンチ型バルブである、請求項14に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項16】
前記複数のチャンバーは、組み合わせて、エレクトロポレーションのための液体懸濁物の中に、少なくとも2mL、少なくとも2.4mL、少なくとも3.2mL、少なくとも4mL、少なくとも4.8mL、少なくとも5.6mL、または少なくとも6.4mLの細胞を貯蔵するように構成されている、請求項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項17】
前記エレクトロポレーションプロセスに関与する前記複数の細胞は、少なくとも1×10
8の細胞、少なくとも2×10
8の細胞、少なくとも3×10
8の細胞、少なくとも4×10
8の細胞、少なくとも5×10
8の細胞、少なくとも6×10
8の細胞、少なくとも7×10
8の細胞、少なくとも8×10
8の細胞、少なくとも9×10
8の細胞、少なくとも1×10
9の細胞、少なくとも2×10
9の細胞、少なくとも3×10
9の細胞、少なくとも4×10
9の細胞、少なくとも5×10
9の細胞、少なくとも6×10
9の細胞、少なくとも7×10
9の細胞、少なくとも8×10
9の細胞、少なくとも9×10
9の細胞、少なくとも1×10
10の細胞、少なくとも2×10
10の細胞、少なくとも3×10
10の細胞、少なくとも4×10
10の細胞、少なくとも5×10
10の細胞、少なくとも6×10
10の細胞、少なくとも7×10
10の細胞、少なくとも8×10
10の細胞、少なくとも9×10
10の細胞、少なくとも1×10
11の細胞、少なくとも2×10
11の細胞、少なくとも3×10
11の細胞、少なくとも4×10
11の細胞、少なくとも5×10
11の細胞、少なくとも6×10
11の細胞、少なくとも7×10
11の細胞、少なくとも8×10
11の細胞、少なくとも9×10
11の細胞、少なくとも1×10
12の細胞、少なくとも2×10
12の細胞、少なくとも3×10
12の細胞、少なくとも4×10
12の細胞、少なくとも5×10
12の細胞、少なくとも6×10
12の細胞、少なくとも7×10
12の細胞、少なくとも8×10
12の細胞、および、少なくとも9×10
12の細胞からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【請求項18】
方法であって、前記方法は、
複数の電極を使用して複数のチャンバーの中に複数の電場を発生させることによってエレクトロポレーションプロセスを実行するステップであって、
前記複数のチャンバーは、前記エレクトロポレーションプロセスの間に複数の細胞を貯蔵するように構成されている、ステップと、
前記複数のチャンバーに接続されている複数のバルブを開けることによって、および、
前記複数のバルブに接続されているフローチャネルを使用して、前記複数の細胞を出口ポートに輸送することによって、
細胞収集プロセスを実行するステップとを含み、
前記複数のチャンバー、前記複数の電極、前記複数のバルブ、前記出口ポート、および前記フローチャネルは、エレクトロポレーション装置の中に位置付けされている、方法。
【請求項19】
前記複数のバルブは、一度に1つ開けられる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記細胞収集プロセスを実行するステップは、少なくとも1つのポンプによって、前記フローチャネルから前記複数のチャンバーのうちの少なくとも1つの中へ液体培地をポンプ送りするステップをさらに含み、
前記液体培地は、入口ポートにおいて取得され、
前記入口ポートおよび前記出口ポートは、前記エレクトロポレーション装置の中の複数のフランキングフローチャネルによって、前記フローチャネルに接続されている、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記細胞収集プロセスを実行するステップは、前記複数のチャンバーを前記フローチャネルの中へドレン排出するステップであって、前記複数のチャンバーの中の圧力は、前記複数のチャンバーの間に走る空気フローチャネルに接続されているベントまたはエアフィルターを介して維持される、ステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記複数のチャンバーにつながる前記エレクトロポレーション装置の複数の開口部の中へ前記複数の細胞をデポジットするステップと、
前記複数の開口部にシールを適用するステップと、
前記エレクトロポレーション装置をドッキングステーションの中へ挿入することによって、前記複数の電極を少なくとも1つの回路に接続するステップと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記複数のチャンバーは、所与のチャンバーを含み、
前記複数の電極は、前記所与のチャンバーの両側に1対の電極を含み、
前記1対の電極のそれぞれの電極は、
前記所与のチャンバーの内側の内部部分と、
前記所与のチャンバーの外部の外部部分と
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記複数のバルブのそれぞれは、スプリング運動、レバー運動、およびピストン運動からなる群から選択される少なくとも1つを使用して動作する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
エレクトロポレーション装置を直立した位置に固定するように構成されている受容部と、
前記受容部の中に固定されているときに、前記エレクトロポレーション装置の上の対応する複数の電極と整合するように配置されている複数の電気接点と、
前記受容部の中に固定されているときに、前記エレクトロポレーション装置の上の対応する複数のチャンバーバルブと係合するように配置されている複数のバルブアクチュエーターと
を含む、エレクトロポレーションドッキングステーション。
【請求項26】
前記受容部の中に固定されているときに、前記エレクトロポレーション装置のポンプと係合するように配置されているポンプアクチュエーターをさらに含む、請求項25に記載のエレクトロポレーションドッキングステーション。
【請求項27】
回路をさらに含み、前記回路は、
前記複数の電気接点を介して、エレクトロポレーションプロセスの間に前記複数の電極を使用して電場を発生させることと、
前記複数のバルブアクチュエーターを介して、細胞収集プロセスの間に前記複数のチャンバーバルブのうちの1つまたは複数を開けることと、
前記ポンプアクチュエーターを介して、前記細胞収集プロセスの間に前記ポンプを動作させることとを行うように構成されている、請求項26に記載のエレクトロポレーションドッキングステーション。
【請求項28】
液体培地を含むコンテナであって、前記コンテナは、前記受容部の中に固定されているときに、前記エレクトロポレーション装置の入口ポートに接続するように構成されている、コンテナと、
前記受容部の中に固定されているときに、前記エレクトロポレーション装置の出口ポートに接続するように構成されている収集バッグと
をさらに含む、請求項25に記載のエレクトロポレーションドッキングステーション。
【請求項29】
前記受容部は、開口部を含み、前記電気接点は、前記受容部の長さに沿って線形に整合されている、請求項25に記載のエレクトロポレーションドッキングステーション。
【請求項30】
前記複数の電気接点は、前記受容部の対向する側部に位置付けされている、請求項25に記載のエレクトロポレーションドッキングステーション。
【請求項31】
前記複数のチャンバーバルブは、スプリング型バルブであり、前記複数のバルブアクチュエーターは、前記複数のチャンバーバルブに力を印加することによって、前記複数のチャンバーバルブを開けるように構成されている、請求項25に記載のエレクトロポレーションドッキングステーション。
【請求項32】
前記複数のバルブアクチュエーターは、前記複数のチャンバーバルブを同時に開けるように構成されている、請求項31に記載のエレクトロポレーションドッキングステーション。
【請求項33】
前記複数のバルブアクチュエーターは、前記複数のチャンバーバルブを一度に1つ開けるように構成されている、請求項31に記載のエレクトロポレーションドッキングステーション。
【請求項34】
エレクトロポレーションドッキングステーション(EDS)の受容部の中に、エレクトロポレーション装置を直立した位置に固定するステップと、
エレクトロポレーションプロセスの間に、前記EDSの複数の電気接点を使用して電場を発生させるステップであって、前記複数の電気接点は、前記受容部の中に固定されているときに、前記エレクトロポレーション装置の対応する複数の電極と整合されている、ステップと、
細胞収集プロセスの間に、前記受容部に固定されているときに前記エレクトロポレーション装置の対応する複数のチャンバーバルブと係合されている前記EDSの複数のバルブアクチュエーターのうちの1つまたは複数を動作させるステップと
を含む、方法。
【請求項35】
前記細胞収集プロセスの間に、前記受容部の中に固定されているときに前記エレクトロポレーション装置のポンプと係合されている前記EDSのポンプアクチュエーターを動作させることによって、前記複数のチャンバーバルブの中へ液体培地をポンプ送りするステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2019年11月11日に出願された米国仮出願第62/933,717号明細書の優先権を主張する。また、本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2019年11月25日に出願された米国仮出願第62/940,032号明細書の優先権を主張する。米国仮特許出願第62/933,717号明細書および米国仮特許出願第62/940,032号明細書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
エレクトロポレーションは、細胞膜の透過性を増加させるために、電場が細胞に印加される技法である。これは、薬物、化学物質、ならびに/または巨大分子、たとえば、タンパク質および核酸など(たとえば、さまざまな形態のDNAおよびRNAなど)が細胞の中へ導入されることを可能にする。エレクトロポレーションは、エレクトロトランスファーとも称され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一般的に、1つの態様では、実施形態は、エレクトロポレーション装置に関する。エレクトロポレーション装置は、エレクトロポレーションプロセスの間に複数の細胞を貯蔵するように構成されている複数のチャンバーと、エレクトロポレーションプロセスの間に複数のチャンバーの中に複数の電場を発生させるように構成されている複数の電極であって、複数の電場のそれぞれの電場は、複数のチャンバーの1つのチャンバーに対応している、複数の電極と、エレクトロポレーションプロセスの後の細胞収集プロセスの間に、複数の細胞を輸送するように構成されているフローチャネルと、複数のチャンバーをフローチャネルに接続する複数のバルブとを含む。
【0004】
一般的に、1つの態様では、実施形態は、方法に関する。方法は、複数の電極を使用して複数のチャンバーの中に複数の電場を発生させることによってエレクトロポレーションプロセスを実行するステップを含み、複数のチャンバーは、エレクトロポレーションプロセスの間に複数の細胞を貯蔵するように構成されている。方法は、複数のチャンバーに接続されている複数のバルブを開けることによって、および、複数のバルブに接続されているフローチャネルを使用して、複数の細胞を出口ポートに輸送することによって、細胞収集プロセスを実行するステップをさらに含み、複数のチャンバー、複数の電極、複数のバルブ、出口ポート、およびフローチャネルは、エレクトロポレーション装置の中に位置付けされている。
【0005】
実施形態の他の態様は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から明らかになることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】1つまたは複数の実施形態によるエレクトロポレーション装置の斜視図である。
【
図2】1つまたは複数の実施形態によるエレクトロポレーション装置の断面を示す図である。
【
図3】1つまたは複数の実施形態によるチャンバーを上から見た図である。
【
図4】1つまたは複数の実施形態によるフローチャートを示す図である。
【
図5】1つまたは複数の実施形態によるシールの斜視図である。
【
図6】1つまたは複数の実施形態によるシールキャップ(チャンバーキャップとも称される)の断面を示す図である。
【
図7】1つまたは複数の実施形態による単一のエレクトロポレーションチャンバーの側面図である。
【
図8】1つまたは複数の実施形態による単一のエレクトロポレーションチャンバーの別の側面図である。
【
図9】1つまたは複数の実施形態によるエレクトロポレーション装置の中の複数のエレクトロポレーションチャンバーを示す図である。
【
図10】1つまたは複数の実施形態による例示的なドッキングステーションを示す図である。
【
図11】1つまたは複数の実施形態によるシールの断面図である。
【
図12】1つまたは複数の実施形態によるバルブ(すなわち、チャンバーバルブ)のダイアグラムを示す図である。
【
図13】1つまたは複数の実施形態によるチャンバーバルブのレバー部分の正面図である。
【
図14】1つまたは複数の実施形態によるエレクトロポレーションデバイスの底面図である。
【
図15】1つまたは複数の実施形態による例示的な入口ポンプおよび例示的な出口ポンプの断面図である。
【
図16】1つまたは複数の実施形態によるエレクトロポレーション装置の分解図である。
【
図17】1つまたは複数の実施形態によるエレクトロポレーション装置の組立図である。
【
図18】1つまたは複数の実施形態による単一のエレクトロポレーション手順の例を示す図である。
【
図19】1つまたは複数の実施形態によるエレクトロポレーションドッキングステーションを動作させるためのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の実施形態の詳細な説明では、開示されている技術のより徹底的な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載されている。しかし、開示されている技術は、これらの特定の詳細なしに実践され得、または、形態および/もしくは機能における均等の代替物によって実践され得るということが当業者に明らかになることとなる。
【0008】
本出願の全体を通して、序数(たとえば、第1の、第2の、第3のなど)が、要素(すなわち、本出願の中の任意の名詞)に対する形容詞として使用されている可能性がある。序数の使用は、たとえば、「前」、「後」、「単一の」などの用語、および、他のそのような専門用語の使用などによって、明示的に開示されていない限り、要素の特定の順序付けを暗示または生成させるためのものではなく、任意の要素を単一の要素であることのみに限定するものでもない。むしろ、序数の使用は、要素間を区別するためのものである。例として、第1の要素は、第2の要素とは異なっており、第1の要素は、要素の順序付けにおいて、第2の要素に後続する(または、先行する)ことが可能である。
【0009】
1つまたは複数の実施形態は、エレクトロポレーション装置を使用する/動作させるエレクトロポレーション装置および方法に関するものである。エレクトロポレーション装置は、大規模なエレクトロポレーションプロセスの実行を可能にする。
【0010】
図1は、1つまたは複数の実施形態によるエレクトロポレーション装置(100)を示している。エレクトロポレーション装置(100)は、カートリッジ(または、カセット)と称され得る。エレクトロポレーション装置は、滅菌になっていることが可能である。エレクトロポレーション装置(100)は、生物学的なおよび/または医療的な用途に適切なプラスチック(たとえば、ポリカーボネート)、ガラス、または他の材料から作製されたハウジングを含むことが可能である。
図1に示されているように、エレクトロポレーション装置(100)は、複数の開口部(105)、入口ポート(110)、出口ポート(115)、複数の電極(120)、および複数のポンプコネクター(125)を含む、複数のコンポーネントを有している。さらに議論されているように、および、
図2によって示されているように、エレクトロポレーション装置(100)は、ポンプ(たとえば、ダイヤフラムポンプ;それぞれのポンプは、2つの逆止バルブ(たとえば、液体の一方向の(単一方向の)フローのみを可能にする入口逆止バルブおよび出口逆止バルブ)を備える)を追加的に含み、エレクトロポレーション装置(100)の全体を通る流体移動を実現することが可能である。それぞれのコンポーネントは、下記に議論されている。
【0011】
1つまたは複数の実施形態において、複数の開口部(105)は、チャンバーにつながっている(下記にさらに議論されている)。細胞(任意の同伴する懸濁物材料を伴う)が、複数の開口部(105)を介してチャンバーのうちの1つまたは複数の中へデポジット(deposit)され得る。エレクトロポレーションの間に細胞の中へ導入されることとなる、化学物質、薬物、および/または巨大分子、たとえば、タンパク質および核酸(たとえば、さまざまな形態のDNAおよびRNAなど)などが、また、複数の開口部(105)を介してチャンバーの中へデポジットされ得る。
図1は、8つの開口部(ひいては、8つのチャンバー)を示しているが、他の実施形態において、異なる数の開口部(ひいては、異なる数のチャンバー)が存在していることも可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、カートリッジは、細胞エレクトロポレーション容量(または、バッチエレクトロポレーション容量)を増加させるために必要とされ得るのに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25・・・などの数のチャンバーを継続的な増分で有することが可能である。1つまたは複数の実施形態において、複数のチャンバーは、同じ開口部を共有することが可能である。
【0012】
1つまたは複数の実施形態において、複数の電極(120)のそれぞれが、チャンバーのうちの1つと関連付けられる。そのうえ、複数の電極(120)のそれぞれは、内部部分および外部部分を有している。内部部分は、チャンバーの内側にあり、チャンバーの中に貯蔵されている内容物(たとえば、細胞)と接触している。外部部分は、チャンバーの外部にあり、エレクトロポレーション装置(100)の表面の上に露出されており、および/または、エレクトロポレーション装置(100)の表面から突出している。内部部分および/または外部部分は、楕円形の(たとえば、円形の)面を含むことが可能である。他の形状も同様に可能である(たとえば、長方形)。電極(120)のそれぞれは、1つの金属または合金から構成されたベースと、同じまたは異なる金属または合金から構成されたコーティングとを含むことが可能である。たとえば、複数の電極(120)のそれぞれは、アルミニウムから構成されたベースと、金コーティングとを含むことが可能である。また、他の金属(たとえば、銅、銀など)が、アルミニウムおよび/もしくは金の代わりにまたはそれに加えて使用され得る。金属および/または合金は、化学的に不活性であるということに基づいて選択され得、したがって、チャンバーの内容物(たとえば、細胞)と化学的に反応する可能性が低く、または、チャンバーの中へ浸出する可能性が低い。
【0013】
1つまたは複数の実施形態において、電極は、エレクトロポレーション装置(100)の両側表面の上に位置付けされている。換言すれば、複数の電極(120)は、反対側表面の上に複製され得る。結果として、それぞれのチャンバーは、その対向する側壁部の上の1対の電極(それぞれの表面から1つの電極)に関連付けられ得る。エレクトロポレーションプロセスは、1対の電極を横切って電圧を印加することによって実行され得、1対の電極に関連付けられるチャンバーの中の電場を結果として生じさせる。
【0014】
1つまたは複数の実施形態において、入口ポート(110)および出口ポート(115)は、エレクトロポレーション装置(100)の対向する端部に位置付けされている。入口ポート(110)および出口ポート(115)は、エレクトロポレーション装置(100)の同じ表面または異なる表面(たとえば、上部表面または底部表面など)の上に位置付けされ得る。入口ポート(110)は、細胞収集プロセスの間に液体培地のための入力として作用する。入口ポート(110)において取得される液体培地は、たとえば、エレクトロポレーションプロセスの後にチャンバーをリンスするために使用され得る。1つまたは複数の実施形態において、入口ポート(110)は、オス型ルアーロックフィッティング(図示せず)を介して、液体培地を貯蔵するバッグ(または、他のコンテナ)に接続するように構成されている。出口ポート(115)は、細胞収集プロセスの間に収集ポイントとして作用する。(液体培地の中の)エレクトロポレートされた細胞および細胞のない液体培地(チャンバーをリンスするためのもの)がフローチャネルを通して輸送された後に、出口ポート(115)は、チャンバーから細胞を取得する。1つまたは複数の実施形態において、出口ポート(115)は、オス型ルアーロックフィッティング(図示せず)を介して、収集された細胞および収集された液体培地を貯蔵するバッグ(または、他のコンテナ)に接続するように構成されている。
【0015】
1つまたは複数の実施形態において、流体力学デバイス(たとえば、ポンプ)が、細胞収集プロセスの間に使用するためのポンプコネクター(
図1(125))に接続され、エレクトロポレーション装置(100)の中の流体の移動(たとえば、収集のためのエレクトロポレーションプロセスの後の細胞の移動など)を推進することが可能である。流体力学デバイスおよび細胞収集プロセスは、下記に議論されている。
【0016】
図2は、1つまたは複数の実施形態によるエレクトロポレーション装置(100)の線形の断面ダイアグラムを示している。
図2に示されているように、エレクトロポレーション装置(100)は、複数のチャンバー(205)、複数のバルブ(210)、フローチャネル(215)、複数のフランキングフローチャネル(flanking flow channel)(たとえば、フランキングフローチャネルA(220A)、フランキングフローチャネルB(220B))、複数のポンプ(たとえば、ポンプA(225A)、ポンプB(225B))、および、ベント(235)を備えた空気フローチャネル(230)を含む。ポンプA 225AおよびポンプB 225Bは、入口ポンプおよび出口ポンプとそれぞれ称され得る。これらのコンポーネントのそれぞれは、下記に議論されている。
【0017】
1つまたは複数の実施形態において、チャンバー(205)は、エレクトロポレーションプロセスの間に細胞の中へ導入されることとなる、化学物質、薬物、および/または巨大分子、たとえば、タンパク質および核酸などとともに、細胞を貯蔵するように構成されている。チャンバー(205)は、エレクトロポレーション装置(100)のハウジングから形成され得、したがって、プラスチック(たとえば、ポリカーボネート)から形成され得る。1つまたは複数の実施形態において、それぞれのチャンバー(205)の下側部分は、
図7に関して下記に議論されているように、涙滴形状をとっている。換言すれば、チャンバーの下側部分における壁部は、チャンバーの底部に向けて内向きに傾斜している(すなわち、チャンバーは、より狭くなっている)。これは、チャンバー(205)をドレン排出させることを支援することが可能である(下記に議論されている)。チャンバー(205)は、チャンバーごとに任意の望ましい体積を貯蔵するように設計され得る(たとえば、少なくとも250マイクロリットル(uL)、300uL、350uL、400uL、450uL、500uL、600uL、640uL、700uL、750uL、800uL、900uL、1ミリリットル(mL)、2mLなどを含む)。異なるチャンバー(205)は、異なるサイズのものであることが可能であり、異なるチャンバー(205)は、異なる体積を貯蔵することが可能である。1つまたは複数の実施形態において、チャンバーは、エレクトロポレーションのために300uLから640uLの範囲を貯蔵するように設計されている(液体懸濁物の中の細胞の体積)。1つまたは複数の実施形態において、チャンバーは、エレクトロポレーションのための液体懸濁物の中に600uL最大体積の細胞を貯蔵するように設計されている。1つまたは複数の実施形態において、チャンバーは、エレクトロポレーションのための液体懸濁物の中に640uL最大体積の細胞を貯蔵するように設計されている。
【0018】
上記に議論されているように、エレクトロポレーション装置は、8つのチャンバー(120)を有することが可能である。これらの8つのチャンバーは、組み合わせて、エレクトロポレーションのための液体懸濁物の中に、少なくとも2mL(たとえば、250uL×8チャンバー)、少なくとも2.4mL(たとえば、300uL×8チャンバー)、少なくとも3.2mL(たとえば、400uL×8チャンバー)、少なくとも4mL(たとえば、500uL×8チャンバー)、少なくとも4.8mL(たとえば、600uL×8チャンバー)、少なくとも5.6mL(たとえば、700uL×8チャンバー)、または少なくとも6.4mL(たとえば、800uL×8チャンバー)の細胞を貯蔵するように構成され得る。
【0019】
1つまたは複数の実施形態において、バルブ(210)は、チャンバー(205)をフローチャネル(215)に接続している。(たとえば、
図2を参照。)それぞれのチャンバーに対して1つのバルブが存在していることが可能である。代替的に、複数のチャンバーは、単一のバルブを共有することが可能である。バルブ(210)のそれぞれは、傘型バルブ、ピンチ型バルブ、ピストン型バルブ、ゲート型バルブ、スプリング型バルブ、レバー型バルブなどに対応することが可能である。バルブ(210)は、上記タイプの「既製品」の(すなわち、市販の)バルブであることが可能である。好ましくは、バルブの選択は、漏れの可能性を低減させ、目詰まりの可能性を低減させ、細胞収集プロセス(下記に議論されている)の間に収集される細胞の数を増加させることが可能である。バルブ(210)のためのデフォルトの位置は閉じられている。複数のバルブ(210)が同時に開けられ得る。代替的に、バルブ(210)は、一度に1つずつなど、順番に開けられ得る。
【0020】
特定の実施形態において、それぞれのチャンバーバルブは、ピンチバルブであり、最大で少なくとも35ポンド毎平方インチ(PSI)までリークフリーになっており、少なくとも(-)10(マイナス10)PSIの負圧までリークダウンする。
【0021】
図12は、バルブの開位置および閉位置の両方に関して、1つまたは複数の実施形態によるバルブ(1200)のダイアグラムを示している。バルブ(1200)は、
図2を参照して上記に議論されているバルブ(210)のいずれかに対応することが可能である。バルブ(1200)は、レバー部分(1201)およびスプリング(1210)を含むことが可能である。レバー部分(1201)は、スプリングコネクター(1206)を含むことが可能であり、ここで、スプリング(1210)がレバー部分(1201)に取り付けられている。また、レバー部分(1201)は、ヒンジ(1203)、ドーム(1205)、およびフォース部分(1207)を含むことが可能である。
【0022】
バルブ(1200)は、チャンバー(205)のうちの1つに関連付けられている。1つまたは複数の実施形態において、バルブ(1200)が閉じられているときに、ドーム(1205)は、チャンバーの底部における出口部とフローチャネル(215)との間のゴム層を変位させて圧縮する。これは、チャンバーの底部における出口部を効果的に閉栓し、チャンバーの内容物がフローチャネル(215)の中へドレン排出することを防止し、および/または、フローチャネル(215)の中の液体がチャンバーの中へ上昇することを防止する。1つまたは複数の実施形態において、ゴム層は、フローチャネル(215)の可撓性の部分である。スプリング(1210)は、外力を受けていないときに、バルブ(1200)を閉位置に維持する。
【0023】
1つまたは複数の実施形態において、バルブ(1200)を開けるために、力が、レバー部分(1201)のフォース部分(1207)に印加される。たとえば、力は、ドッキングステーション(下記に議論されている)のバルブアクチュエーターによって印加され得る。力に応答して、レバー部分(1201)は、ヒンジ(1203)の周りに回転する。また、レバー部分(1201)のこの移動は、ドーム(1205)が移動することを引き起こし、チャンバーの底部における出口部を開栓する。したがって、チャンバーの底部における出口部が開栓されているときに、チャンバーの内容物は、フローチャネル(215)の中へドレン排出することが可能であり、および/または、フローチャネル(215)の中の液体は、チャンバーの中へ上昇することが可能である(たとえば、ポンピング力を受けているときに)。力がフォース部分(1207)から除去されているときに、スプリング(1210)は、バルブ(1200)が閉位置に戻ることを引き起こす。換言すれば、スプリング(1210)は、レバー部分(1201)がヒンジ(1203)の周りに回転することを引き起こし、それは、ドーム(1205)がゴム層を変位させて圧縮することを引き起こし、出口部を効果的に閉栓する。
【0024】
図13は、1つまたは複数の実施形態によるレバー部分(1201)の正面図を示している。
図13に示されているように、レバー部分(1201)は、ヒンジ(1203)、ドーム(1205)、およびスプリングコネクター(1206)を含む。
【0025】
図14は、1つまたは複数の実施形態によるエレクトロポレーションデバイス(100)の底面図を示している。この底面図では、フローチャネル(215)およびチャンバー(205)のチャンバー出口部(たとえば、チャンバー出口部(1405))の両方を見ることができる。バルブ(1200)が閉じられているときに、ドーム(1205)は、チャンバー出口部(1405)が閉栓されることを引き起こす。上記に議論されているように、これは、チャンバーの内容物がフローチャネル(215)の中へドレン排出することを防止し、および/または、フローチャネル(215)の中の液体がチャンバーの中へ上昇することを防止する。バルブ(1200)が開いているときに、ドーム(1205)は、もはやチャンバー出口部(1405)を閉栓しておらず、チャンバーの内容物は、フローチャネル(215)の中へドレン排出することが可能である。同様に、液体を移動させることができるポンピング力または他の力(たとえば、重力(重力流)、空気圧力の増加など)を受ける場合には、フローチャネル(215)の中の液体が、チャンバーの中へ上昇することが可能である。
【0026】
図15は、1つまたは複数の実施形態による例示的な入口ポンプ(225A)および例示的な出口ポンプ(225B)の断面図を示している。この図における例示的なポンプ(225A、225B)は、フランキングフローチャネル(220A、220B)とインラインで一体化されている。ポンプ(225A、225B)は、本明細書で示されているように、(一方向の(単一方向の)流体フローの調整のための)「ダックビル」逆止バルブ(1506)と並置されている流体キャビティーに隣接して可撓性の(たとえば、シリコン)ダイヤフラム(1508)をそれぞれ有している。ポンプ(225A、225B)のそれぞれは、(ドッキングステーションアクチュエーターを介して)ダイヤフラム(1508)「ドーム」を繰り返して平坦にすることによって動作され、流体を変位させる。特定の実施形態において、ポンプ(225A、225B)のそれぞれは、300RPM(回転毎分)において、おおよそ15のmL/分通常動作フローを有しており、ポンプアクチュエーターの600RPMにおいて、おおよそ30mL/分の「高速フロー」動作を有している。特定の実施形態において、ポンプフローは、50uL増分での調節が可能である。特定の実施形態において、ポンプ(225A、225B)のそれぞれは、バルブとして作用することもでき、最大で少なくとも35ポンド毎平方インチ(PSI)までリークフリーになっており、また、少なくとも(-)10(マイナス10)PSIの負圧までリークフリーになっている。
【0027】
また、
図15は、入口ポート(110)および出口ポート(115)の両方の中へ挿入されているオス型ルアーロックフィッティング(1504)を示している。オス型ルアーロックフィッティング(1504)は、ルアーキャップ(1502)によってカバーされている。
【0028】
図2に戻って参照すると、1つまたは複数の実施形態において、フランキングフローチャネル(220A、220B)は、フローチャネル(215)を入口ポート(110)および出口ポート(115)に接続している。チャネル(220A、220B、215)のそれぞれは、チューブであることが可能であり、チューブは、ハウジングの中に形成されており、または、そうでなければ、プラスチック(たとえば、ポリカーボネート)、ガラス、金属などから構成されている。細胞収集プロセスの間に、チャンバー(210)の中の内容物(たとえば、細胞の液体懸濁物)が、バルブ(210)を開けることによって、フローチャネル(215)の中へドレン排出され得る。液体培地(入口ポート(110)において取得される)は、フランキングフローチャネルA(220A)を介してフローチャネル(215)へトラベルし、ドレン排出された内容物(たとえば、細胞の液体懸濁物)をフローチャネル(215)からフランキングフローチャネルB(220B)を介して出口ポート(115)へ押すことが可能である。そのうえ、液体培地は、開いたバルブによってチャンバーに進入することが可能であり(すなわち、液体培地は、フローチャネル(215)からチャンバーに進入する)、フランキングフローチャネルB(220B)を介して出口ポート(115)に進行する前にチャンバーをリンスすることによって、追加的な細胞を収集する(すなわち、より多くの細胞をチャンバーから除去する)。したがって、フローチャネル(215)、および、フランキングフローチャネル(たとえば、220B)の少なくとも1つは、細胞収集プロセスの間に、エレクトロポレートされた細胞を輸送するように構成されている。
【0029】
1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数のポンプ(ポンプA(225A)、ポンプB(225B))は、液体培地を移動させるために、したがって、チャンバー(205)をリンスし、出口ポート(115)に向けて細胞を押し出すために利用される。上記に議論されているように、ポンプA 225AおよびポンプB 225Bは、入口ポンプおよび出口ポンプとそれぞれ称され得る。所与のチャンバーをリンスし、ドレン排出された内容物(すなわち、細胞の液体懸濁物)を出口ポート(115)に向けて押し出すために必要とされるポンプストロークの数および体積は、たとえば、入口ポート(110)からの所与のチャンバーの距離に依存する。
【0030】
1つまたは複数の実施形態において、空気フローチャネル(230)は、シールキャップ(500)の下方の複数のチャンバー(205)の間で空気フローを接続している。空気フローチャネル(230)は、ベントまたはフィルター(235)(たとえば、微生物エアフィルター、たとえば、市販の0.2ミクロンフィルターなど)を介して、エレクトロポレーションデバイスの外部に接続されている(たとえば、大気圧力を維持する)。細胞がチャンバー(205)の中へデポジットされた後に、しかし、エレクトロポレーションプロセスが実行される前に、開口部(105)は、たとえば、シリコン(または、他の生物学的に適合した材料)から作製されたシール(
図5および
図6に関してさらに議論されている)によって閉栓される(キャップされる)。これは、閉じたシステムを効果的に生成させる。外部へのベント(235)またはフィルターおよび空気フローチャネル(230)は、(たとえば、チャンバーの中に大気圧力よりも小さい)部分的な真空が形成される可能性を低減させるかまたは排除し、したがって、細胞収集プロセスの間に、チャンバーの無菌完全性を維持しながら、チャンバーが(フローチャネル(215)の中へ)ドレン排出することを支援する。1つまたは複数の実施形態において、加圧空気が、ベント(235)の中へ、ひいては、空気フローチャネル(230)の中へ押し込まれ、細胞収集プロセスの間に、チャンバーのドレン排出を促進させることが可能である(ここで、そのような加圧空気は、シールキャップを持ち上げるかまたは開けるのに十分な大きさのものではない)。
【0031】
上記に議論されているように、チャンバー(205)に関連付けられている電極(120)が存在している。上記にも議論されているように、それぞれの電極の内部部分は、楕円形の(たとえば、円形の)面を有することが可能である。電極(120)の楕円形の面は、
図2に示されている。1つまたは複数の実施形態において、楕円形の面は、19.5mmまたはおおよそ19.5mmの直径を有する円形である。他の直径および電極形状も実施可能である。1つまたは複数の実施形態において、楕円形の(または、丸形の)形状は、電極の面を横切る導電性を増加させる。
【0032】
図3は、1つまたは複数の実施形態による単一のチャンバー(305)の代表的な上から見た図を示している。チャンバー(305)は、
図2を参照して上記に議論されているチャンバー(205)のいずれかに対応することが可能である。チャンバー(305)は、対向する縁部(330A、330B)を有している。
図3に示されているように、チャンバー(305)は、1対の電極(電極A(320A)、電極B(320B))に関連付けられている。2つの電極(320A、320B)は、
図1および
図2を参照して上記に議論されている電極(120)に対応することが可能である。1対の電極(320A、320B)は、チャンバー(305)の両側に位置付けされている。1つまたは複数の実施形態において、電極(320A、320B)の内側表面は、チャンバー(305)の対向する側壁部(340A、340B)を形成している。1つまたは複数の他の実施形態において、電極(320A、320B)のそれぞれの内側表面は、チャンバー(305)の既存の側壁部に隣接している。上記に議論されているように、エレクトロポレーションプロセスの間に、電圧が、電極(320A、320B)を横切って印加され、チャンバー(305)の中に電場を発生させる。1対の電極の中のそれぞれの電極は、電極間のアーク放電を低減させるかまたは排除するのに十分な距離だけ、互いに間隔を離して配置され得るが、電場が電極間に維持されることを可能にするのに十分に近くに配置され得る。たとえば、側壁部340Aにおける電極320Aの面は、おおよそ4ミリメートル(mm)だけ、側壁部340Bにおける電極320Bの面から間隔を離して配置され得る。他の分離距離(たとえば、おおよそ1mm、3mm、5mm、7mm、10mmなど)も可能である。
【0033】
図7は、電極が据え付けられていない状態の、1つまたは複数の実施形態による単一のチャンバー(305)の側面図を示している。
図7の実施形態では、チャンバー(305)は、逆さまの涙滴形状の断面を有している(すなわち、チャンバーは、底部においてより狭くなっている(または、底部に向けて狭くなっている))。この涙滴形状は、エレクトロポレートされた細胞をチャンバー(305)から下方のフローチャネル(215)の中へドレン排出することを補助する。
図7の実施形態は、逆さまの涙滴形状の断面を示しているが、当業者は、他のチャンバー形状も使用され得る(丸みを帯びた形状、長方形、三角形、ダイヤモンド形状、チューブ状などを含む)ということを認識することとなる。
【0034】
1つまたは複数の実施形態において、リム(702)が、チャンバー(305)の縁部を取り囲んでいる。リム(702)は、1対の電極(320A、320B)のうちの一方を支持している。同様のリムが、1対の電極(320A、320B)のうちの他方を支持するために、チャンバー(305)の両側に存在している。
図8は、電極(320A)が据え付けられた状態の
図7の側面図を示している。
【0035】
図7に戻ると、チャンバー(305)の縁部表面(330A、330B)(それは、底部表面を含むことが可能である)は、エレクトロポレーション装置(100)のハウジングによって形成され得る。チャンバー(305)の側壁部(
図3の340A、340B)は、電極(320A、320B)がリム(702)の中へ挿入されると形成され得る。
【0036】
図9は、1つまたは複数の実施形態による、互いに隣に配設されている複数のチャンバー(305)を示している。1つまたは複数の実施形態において、電極(320)は、距離902だけ分離されており、隣接する電極(320)の間の相互作用を排除する。
【0037】
図2に関係して上記に議論されているように、1つまたは複数の実施形態において、チャンバー(205)の上部における開口部(105)は、シールによって閉栓されており、必要な材料(たとえば、細胞の液体懸濁物およびエレクトロポレーション材料(たとえば、核酸))がチャンバー(205)に追加されると、自己完結型の生物学的に安全な装置を生成させることが可能である。
図5は、シール複数の開口部(105)をシールするために使用され得る例示的なシール500を図示している。
図5は、複数のシールキャップ(502A~502H)を含み、それぞれのシールキャップ(502)は、開口部(105)のうちの1つに対応している。
図5は、ブリッジ部分(504A~504G)を介して一緒に接続されている複数のシールキャップ(502)を図示しているが、この詳細な説明の利益を得る当業者は、個々のシールキャップ(502)が、開口部(105)のそれぞれに別個に印加され得るということ、または、より小さいグループのシールキャップ(502)が、開口部(105)のサブセットをシールするために一緒に接続され得るということを認識することとなる。
【0038】
それぞれのシールキャップ(502)は、上部部分(506)および底部リップ(508)を含む。
図6は、1つまたは複数の実施形態によるシールキャップ(502)の断面を示している。シールキャップ(502)の上部部分(506)は、対応するチャンバー(205)の上部をシールするように構成されている。底部リップ(508)は、対応するチャンバー(205)の対応する開口部(105)の中へ延在するように構成されており、開口部(105)とシールキャップ(502)との間のぴったりとした嵌合を確保するようになっている。1つまたは複数の実施形態において、底部リップ(508)は開口部(105)の中へ部分的に延在しているが、十分なスペースが、底部リップ(508)と対応するチャンバー(205)との間に残されており、チャンバー(205)と空気フローチャネル(230)との間の空気フローを可能にするようになっている。同様に、シール(500)が複数のチャンバー(205)を横切って据え付けられているときに、十分なスペースが、ブリッジ部分(504)の下に残されており、空気フローチャネル(230)を通る空気の通過を可能にする。空気フローチャネル(230)がエアフィルターまたはベント(235)を通してベントされるので、シール(500)は、システムの中の空気圧力が維持されることを依然として可能にする、生物学的に閉じられた独立したシステムを生成させる。
【0039】
図11は、1つまたは複数の実施形態による、対応するチャンバー(205)の開口部(105)の中へ挿入されるシール(500)の断面図を示している。
図11から見ることができるように、シール(500)のシールキャップは、開口部(105)におけるテーパー付きのチャンバー壁部の中へ入り込んでそれと干渉し、シールを生成させる。両頭矢印は、内部電極面間の間隔を示している。ベント(または、微生物エアフィルター)は、チャンバーキャップ(500)の左側に円によって示されている。
【0040】
図16は、エレクトロポレーション装置(100)の分解図を示しており、エレクトロポレーション装置(100)は、(上記に議論されているように)カートリッジとも称され得る。
図16では、複数の電極(120)、入口ポート(110)、出力ポート(115)、オス型ルアーロックフィッティング(1504)、ルアーキャップ(1502)、およびシール(500)が、エレクトロポレーション装置(100)の組み立ての前に示されている。また、
図16は、入口ポンプ(225A)および出口ポンプ(225B)のコンポーネントをそれぞれ格納するように構成されているポンプハウジングA(1605A)およびポンプハウジングB(1605)を示している。
【0041】
図17は、エレクトロポレーション装置(100)の組立図を示しており、エレクトロポレーション装置(100)は、(上記に議論されているように)カートリッジとも称され得る。
図17は、複数の電極120、ポンプハウジングA(1605A)、ポンプハウジングB(1605B)、スプリング(1210)およびレバー(1201)をそれぞれ備えた複数のチャンバーバルブ(210)、シール(500)、オス型ルアーロックフィッティング(1504)、およびルアーキャップ(1502)を示している。
【0042】
図4は、本発明の1つまたは複数の実施形態によるフローチャートを示している。
図4のフローチャートは、上記に説明されているエレクトロポレーション装置(100)を使用する/動作させるためのプロセスを示している。1つまたは複数の実施形態において、
図4に示されているステップのうちの1つまたは複数は、省略され、繰り返され、および/または、
図4に示されている順序とは異なる順序で実施され得る。したがって、本発明の範囲は、
図4に示されているステップの特定の配置に限定されると考えられるべきではない。
【0043】
ステップ407において、細胞、ならびに、細胞の中へ導入されることとなる化学物質、薬物、および/または巨大分子、たとえば、タンパク質および核酸などが、エレクトロポレーション装置(100)のチャンバー(205)の中へロードされる。このローディングは、たとえば、開口部(105)を介して行われてもよい。次いで、開口部(105)は、シール(たとえば、シール(500)および/またはシールキャップ(502)など)を使用して閉栓され得る。エレクトロポレーション装置(100)は複数のチャンバーを有しているが、いくつかのチャンバーは利用されない可能性がある(すなわち、細胞の液体懸濁物は、いくつかのチャンバーの中へデポジットされない可能性がある)。
【0044】
ステップ409において、エレクトロポレーション装置(100)は、ドッキングステーションの中へロードされる。
図10は、1つまたは複数の実施形態による例示的なドッキングステーション(1000)を図示している。ドッキングステーション(1000)は、受容部(1002)、バルブアクチュエーター(1004)、電気接点(1006)、およびポンプアクチュエーター(1008)を含む。受容部(1002)は、エレクトロポレーション装置(100)を受け入れるように、および、エレクトロポレーション装置(100)を安全で直立した位置に維持するように、サイズ決めおよび形状決めされている。バルブアクチュエーター(1004)は、エレクトロポレーション装置(100)の上のバルブ(210)と係合するように構成されている。たとえば、エレクトロポレーション装置(100)の上のバルブ(210)がスプリング型バルブである場合には、バルブアクチュエーター(1004)は、バルブ(210)が開くことを引き起こすためにバルブ(210)に力を印加する(たとえば、バルブ(210)を押圧する)コンポーネントを含むこととなる。1つまたは複数の実施形態において、それぞれのバルブアクチュエーター(1004)は、バルブ(210)に対して1対1の対応関係を有しており、それぞれのバルブ(210)が、対応するバルブアクチュエーター(1004)によって個別に制御され得るようになっている。
【0045】
ドッキングステーション(1000)の電気接点(1006)は、エレクトロポレーションデバイス(100)の電極(120)と係合する。
図10に示されているように、電気接点(1006)は、受容部(1002)の長さに沿って線形に整合され得る。そのうえ、電気接点(1006)は、受容部(1002)の対向する側部に位置付けされている。見やすくする目的のために、一方の側部(1002)のみが
図10に示されている。電気接点(1006)は、たとえば、高電圧接点であることが可能である。ドッキングステーション(1000)のポンプアクチュエーター(1008)は、ポンプ(ポンプA(225A)、ポンプB(225B))などのような、エレクトロポレーション装置(100)の流体コンポーネントと係合する。バルブアクチュエーター(1004)、電気接点(1006)、およびポンプアクチュエーター(1008)のそれぞれは、ドッキングステーションに操作可能にリンク接続されている1つまたは複数の制御ボードまたはデバイス(図示せず)によって制御され得る。
【0046】
図4に戻ると、ステップ409において、エレクトロポレーション装置(100)をドッキングステーションの中へロードする結果として、電極(120)のそれぞれの外部部分は、ドッキングステーションの1つまたは複数の電気回路(たとえば、ドッキングステーション(1000)の電気接点(1006)など)と接触している。したがって、電極(120)は、エレクトロポレーション装置(100)をドッキングステーションの中へロードした後に、1つまたは複数の電気回路の要素になる。さらに、エレクトロポレーション装置(100)をドッキングステーションの中へロードする結果として、1つまたは複数のポンプ(225A、225B)およびバルブ(210)またはバルブレバー部分(1201)はドッキングステーションのアクチュエーターと動作可能に接触していることが可能である。液体培地を備えたバッグ(または、他のコンテナ)が、入口ポート(110)に取り付けられ得、収集バッグ(または、他のコンテナ)が、エレクトロポレーション装置(100)の出口ポート(115)に取り付けられ得る。
【0047】
ステップ412において、チャンバー(205)のうちの1つまたは複数の中の電場が、電極(120)を使用して発生させられ得る。たとえば、ドッキングステーションは、ソフトウェアによって(たとえば、リンク接続されたコンピューターデバイスを介して)制御される回路を使用して(たとえば、電気接点1006などを介して)、1つまたは複数の電圧パルスを電極(120)に印加し、電場を発生させることが可能である。電場は、同時にすべてのチャンバー(205)の中に発生させられ得る。代替的に、電場は、それぞれのチャンバー(205)に関して一度に1つ発生させられるか、または、一度にチャンバー(205)のサブセットに関して発生させられ得る。これらの印加された電場は、細胞膜の透過性を増加させ、したがって、化学物質、薬物、および/または巨大分子(たとえば、タンパク質および核酸など)が細胞の中へ導入されることを可能にする。
【0048】
ステップ414において、エレクトロポレーション装置(100)のバルブ(210)が開けられる。たとえば、ドッキングステーション(1000)のバルブアクチュエーター(1004)は、ドッキングされたエレクトロポレーション装置(100)のバルブ(210)を開けることが可能である。ドッキングステーションは、同時にすべてのバルブ(210)を開けることが可能である。代替的に、ドッキングステーションは、バルブ(210)を一度に1つ開けることが可能であり、または、ドッキングステーションは、一度にバルブ(210)のサブセットを開けることが可能である。バルブのタイプに応じて、アクチュエーターが、バルブ(210)を開くために、ピストン、レバー、スプリングなどを操作する必要がある可能性がある。換言すれば、バルブ(210)は、スプリング運動、レバー運動、ピストン運動などを使用して動作することが可能である。バルブ(210)のうちの1つを開けることは、バルブに接続されているチャンバーの中の内容物がフローチャネル(215)の中へドレン排出することを引き起こす。そのようなドレン排出は、1つまたは複数のポンプの作動によって発生させられる液圧力、(チャンバー(205)に対するバルブ(210)の配向に応じて)重力、チャンバー(205)とフローチャネル(215)との間の圧力差、空気圧力の増加、毛細管効果などのうちの1つまたは複数の結果である可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、開口部(105)の下方にあり、チャンバー(205)間を走る、ベントされた空気フローチャネル(230)は、部分的な真空の生成を防止することによって、ドレン排出プロセスを支援することが可能である。1つの実施形態では、圧力をかけられた空気が、空気フローチャネル(230)をエレクトロポレーション装置(100)の外部に接続するエアフィルターまたはベント(235)の中へ押し込まれ、ドレン排出プロセスを促進させることが可能である。
【0049】
ステップ416において、液体培地が、入口ポート(110)からエレクトロポレーション装置(100)のチャンバー(205)の中へポンプ送りされ、エレクトロポレートされた細胞が、出口ポート(115)において収集される。たとえば、ドッキングステーション(1000)のポンプアクチュエーター(1008)は、1つまたは複数のポンプ(225A、225B)を動作させ、入口ポート(110)に取り付けられているバッグ(または、他のコンテナ)から、エレクトロポレーション装置(100)の中へ、液体培地をポンプ送りすることが可能である。ポンプ(225A、225B)を動作させることは、液体培地がさまざまなチャネル(220A、215、220B)を通ってトラベルすることを引き起こし、また、フローチャネル(215)の中のドレン排出された細胞の液体懸濁物を、出口ポート(115)に向けて、出口ポート(115)に取り付けられている収集バッグ(または、他のコンテナ)の中へ輸送することを引き起こす。また、ポンプ(225A、225B)を動作させることは、液体培地がフローチャネル(215)から(開いたバルブを介して)チャンバー(205)に進入することを強制し、液体培地が、出口ポート(115)に向けてフローチャネル(215)を通して細胞を輸送する前に、依然としてチャンバー(205)の中にある任意の残留/残存している細胞のチャンバー(205)をリンスするようになっている。チャンバー(205)は、同時にリンスされ得る。代替的に、チャンバー(205)は、一度に1つリンスされ得、または、チャンバー(205)のサブセットは、一緒にリンスされ得る。そのうえ、それぞれのチャンバーは、それがドレン排出された直後にリンスされ得る。
【0050】
1つまたは複数の実施形態において、ステップ412は、エレクトロポレーションプロセスに対応しており、一方では、ステップ414およびステップ416は、エレクトロポレーションプロセスの後に実行される細胞収集プロセスに対応している。
【0051】
図19は、1つまたは複数の実施形態によるフローチャートを示している。
図19のフローチャートは、
図10を参照して上記に説明されているドッキングステーション(1000)を使用する/動作させるためのプロセスを示している。1つまたは複数の実施形態において、
図19に示されているステップのうちの1つまたは複数は、省略され、繰り返され、および/または、
図19に示されている順序とは異なる順序で実施され得る。したがって、本発明の範囲は、
図19に示されているステップの特定の配置に限定されると考えられるべきではない。
図19に示されているプロセスは、
図4に示されているプロセス(上記に議論されている)に関係している。
【0052】
ステップ1907において、エレクトロポレーション装置(100)(それは、1つの実施形態では、液体懸濁物の中に細胞をプリロードされている)が、ドッキングステーション(1000)の受容部(1002)の中に固定される。受容部(1002)は、エレクトロポレーション装置(100)を挿入するための、および、エレクトロポレーション装置(100)を直立した位置に固定するための開口部を含む。エレクトロポレーション装置(100)を受容部の中へ固定した後に、ドッキングステーション(1000)の電気接点(1006)は、エレクトロポレーション装置(100)の電極(120)と接触させられる。上記に議論されているように、電気接点(1006)は、受容部(1002)の対向する側部に位置付けされている。
【0053】
同様に、エレクトロポレーション装置(100)を固定した後に、ドッキングステーション(1000)のバルブアクチュエーター(1004)は、エレクトロポレーション装置(100)のバルブ(210)と係合することが可能であり、ドッキングステーション(1000)のポンプアクチュエーター(1008)は、エレクトロポレーション装置(100)のポンプ(225A、225B)と係合することが可能である。
【0054】
エレクトロポレーション装置(100)の1つまたは複数のチャンバー(205)は、エレクトロポレーション装置(100)が受容部(1002)の中に固定される前に、細胞、ならびに、細胞の中へ導入されることとなる化学物質、薬物、および/または巨大分子(たとえば、タンパク質および核酸など)を(液体懸濁物のデポジットを介して)投入され得る。そのうえ、シール(500)は、エレクトロポレーション装置(100)が受容部(1002)の中へ固定される前に、エレクトロポレーション装置(100)の開口部(105)の上の適切な場所にあることが可能である。エレクトロポレーション装置(100)が受容部(1002)の中に固定される前または後に、液体培地を備えたバッグ(または、他のコンテナ)が、(オス型ルアーロックフィッティング1504を介して)入口ポート(110)に取り付けられ得、収集バッグ(または、他のコンテナ)が、(オス型ルアーロックフィッティング1504を介して)エレクトロポレーション装置(100)の出口ポート(115)に取り付けられ得る。
【0055】
ステップ1909において、エレクトロポレーションドッキングステーション(1000)は、電気接点(1006)を使用して、エレクトロポレーション装置(100)のチャンバー(205)の中の1対の電極(120)の間に電場を発生させる。電気接点(1006)は、ドッキングステーション(1000)の回路の中の要素である。電場は、パルス発生器を使用して1つまたは複数の信号によって電気接点(1006)を駆動することによって発生させられ得る。電場は、同時にすべてのチャンバー(205)の中に発生させられ得る。代替的に、電場は、それぞれのチャンバー(205)に関して一度に1つ発生させられるか、または、一度にチャンバー(205)のサブセットに関して発生させられ得る。これらの印加された電場は、細胞膜の透過性を増加させ、したがって、化学物質、薬物、および/または巨大分子(たとえば、タンパク質および核酸など)が細胞の中へ導入されることを可能にする。
【0056】
ステップ1912において、ドッキングステーション(1000)のバルブアクチュエーター(1004)は、ドッキングされたエレクトロポレーション装置(100)のバルブ(210)を開けるように動作される。ドッキングステーション(1000)は、同時にすべてのバルブ(210)を開けることが可能である。代替的に、ドッキングステーション(1000)は、バルブ(210)を一度に1つ開けることが可能であり、または、ドッキングステーション(1000)は、一度にバルブ(210)のサブセットを開けることが可能である。バルブのタイプに応じて、アクチュエーターが、バルブ(210)を開くために、ピストン、レバー、スプリングなどを操作する必要がある可能性がある。バルブ(210)のうちの1つを開けることは、バルブに接続されているチャンバーの中の内容物がエレクトロポレーション装置(100)のフローチャネル(215)の中へドレン排出することを引き起こす。
【0057】
ステップ1914において、ドッキングステーション(1000)のポンプアクチュエーター(1008)は、ポンプ(225A、225B)を活性化させるように動作される。これは、それぞれのポンプ(225A、225B)のダイヤフラム(1508)を繰り返して平坦にすることを含むことが可能である。結果として、液体培地が、入口ポート(110)に取り付けられているバッグ(または、他のコンテナ)から、エレクトロポレーション装置(100)の中へポンプ送りされる。具体的には、ポンプアクチュエーター(1008)を動作させることは、ポンプ(225A、225B)がさまざまなチャネル(220A、215、220B)を通して液体培地をポンプ送りすることを引き起こし、また、また、フローチャネル(215)の中のドレン排出された細胞の液体懸濁物を、出口ポート(115)に向けて、出口ポート(115)に取り付けられている収集バッグ(または、他のコンテナ)の中へ輸送することを引き起こす。また、ポンプ(225A、225B)を動作させることは、液体培地がフローチャネル(215)から(開いたバルブを介して)チャンバー(205)に進入することを強制し、液体培地が、出口ポート(115)に向けてフローチャネル(215)を通して細胞を輸送する前に、依然としてチャンバー(205)の中にある任意の残留/残存している細胞のチャンバー(205)をリンスするようになっている。チャンバー(205)は、同時にリンスされ得る。代替的に、チャンバー(205)は、一度に1つリンスされ得、または、チャンバー(205)のサブセットは、一緒にリンスされ得る。そのうえ、それぞれのチャンバーは、それがドレン排出された直後にリンスされ得る。
【0058】
1つまたは複数の実施形態において、ステップ1909は、エレクトロポレーションプロセスに対応しており、一方では、ステップ1912およびステップ1914は、エレクトロポレーションプロセスの後に実行される細胞収集プロセスに対応している。
【0059】
1つまたは複数の実施形態において、エレクトロポレーション装置(100)は滅菌されている。1つまたは複数の実施形態において、エレクトロポレーション装置(100)は、50キログレイ(kGy)以上の線量のガンマ線への露出によって滅菌される。1つまたは複数の実施形態において、エレクトロポレーション装置(100)は、50~70キログレイ(kGy)の線量のガンマ線への露出によって滅菌される。1つまたは複数の実施形態において、エレクトロポレーション装置(100)は、滅菌手順に続いて完全に機能的である。1つまたは複数の実施形態において、エレクトロポレーション装置(100)は、50~70キログレイ(kGy)の線量のガンマ線への露出に続いて完全に機能的である。
【0060】
1つまたは複数の実施形態において、エレクトロポレーション装置(100)は使い捨て用である。1つまたは複数の他の実施形態において、エレクトロポレーション装置(100)は再使用され得る。換言すれば、
図4および/または
図19に示されているプロセスが、単一のエレクトロポレーション装置に関して、複数回繰り返され得る。
【0061】
従来のエレクトロポレーションシステムは、多数の細胞をエレクトロポレートするために、複数のキュベットの使用を必要とする。そのうえ、そのようなプロセス(すなわち、複数のキュベットの中へ細胞をピペッティングする)において無菌条件を提供するために、生物学的安全キャビネット(BSC)が使用され得るとしても、非常に多数のキュベットをハンドリングするという性質は、微生物汚染(すなわち、無菌条件の喪失)を導入する可能性を必然的に高くする。追加的に、そのような非常に多数のハンドリングの性質は、ハンドリング/処理時間も増加させるだけでなく、条件および/またはプロセス一貫性のおける不可避の変動を導入する。
【0062】
以前のシステムに対する重要な改善として、エレクトロポレーション装置(100)およびドッキングステーション(1000)は、単一のエレクトロポレーション手順において(すなわち、単一のエレクトロポレーション「ラン」において)多数の細胞をエレクトロポレートするために有用である。
【0063】
1つまたは複数の実施形態において、エレクトロポレーション装置(100)およびドッキングステーション(1000)は、単一のエレクトロポレーション手順において(すなわち、単一の「ラン」において)、たとえば、それに限定されないが、少なくとも1×108の細胞、少なくとも2×108の細胞、少なくとも3×108の細胞、少なくとも4×108の細胞、少なくとも5×108の細胞、少なくとも6×108の細胞、少なくとも7×108の細胞、少なくとも8×108の細胞、少なくとも9×108の細胞、少なくとも1×109の細胞、少なくとも2×109の細胞、少なくとも3×109の細胞、少なくとも4×109の細胞、少なくとも5×109の細胞、少なくとも6×109の細胞、少なくとも7×109の細胞、少なくとも8×109の細胞、少なくとも9×109の細胞、少なくとも1×1010の細胞、少なくとも2×1010の細胞、少なくとも3×1010の細胞、少なくとも4×1010の細胞、少なくとも5×1010の細胞、少なくとも6×1010の細胞、少なくとも7×1010の細胞、少なくとも8×1010の細胞、少なくとも9×1010の細胞、少なくとも1×1011の細胞、少なくとも2×1011の細胞、少なくとも3×1011の細胞、少なくとも4×1011の細胞、少なくとも5×1011の細胞、少なくとも6×1011の細胞、少なくとも7×1011の細胞、少なくとも8×1011の細胞、少なくとも9×1011の細胞、少なくとも1×1012の細胞、少なくとも2×1012の細胞、少なくとも3×1012の細胞、少なくとも4×1012の細胞、少なくとも5×1012の細胞、少なくとも6×1012の細胞、少なくとも7×1012の細胞、少なくとも8×1012の細胞、および、少なくとも9×1012の細胞をエレクトロポレートするために有用である。
【0064】
1つまたは複数の実施形態において、エレクトロポレーション装置(100)およびドッキングステーション(1000)は、任意のタイプの真核細胞または原核細胞(たとえば、限定ではないが、非付着細胞、たとえば、免疫細胞、NK細胞、T細胞など)をエレクトロポレートするために有用である。
【0065】
図18は、単一のエレクトロポレーション手順(エレクトロポレーション「ラン」)において使用されるエレクトロポレーション装置コンポーネントの「閉じた」(すなわち、無菌のまたは滅菌の)構成の例を示している。ランは、以下のステップのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。無菌条件下において(たとえば、生物学的安全/バイオセイフティーキャビネットの中で)、コンテナ(たとえば、入力培地バッグ(1805)など)が、(たとえば、滅菌の入口チュービング(1815)などを介して)入口ポートに接続され、別のコンテナ(たとえば、出力細胞培養バッグ(1810)などの、エレクトロポレーションに続く細胞収集のためのもの)が、(たとえば、滅菌の出口チュービング(1820)などを介して)出口ポートに接続される。次に、エレクトロポレーション装置またはカートリッジ(100)(今では、閉じたシステム)が、ドッキングステーションまたは「ネスト」(1000)の中へ設置され、エレクトロポレーションプロセスの残りの部分が、(電気信号の送達のための)エレクトロポレーションパルス発生器とともに、「ネスト」に操作可能にリンク接続されたコンピューター(たとえば、ラップトップコンピューターまたはタブレットコンピューター)によって制御され得る。1つまたは複数の電場が、チャンバーの電極対の間に発生させられる。エレクトロポレートされた細胞が、(たとえば、エレクトロポレーション装置またはカートリッジ(100)を通した細胞培養培地のポンピングを介して)出口ポート(115)を通して収集コンテナ(たとえば、出力細胞培養バッグ(1810)など)の中へ収集される。収集コンテナは、所定の体積の培養培地によって事前に充填され得る。エレクトロポレーションの完了の後に、出力細胞培養バッグ(1810)は、(たとえば、出力細胞培養バッグ(1810)と出口ポート(115)との間の接続を密封/閉鎖するために、チュービングヒートシーラーの使用を介して)エレクトロポレーション装置/カートリッジから無菌的に除去され、インキュベーターの中に設置され得る。
【0066】
開示されている実施形態のうちの1つまたは複数を使用するエレクトロポレーションプロセス全体は、複数の個々のキュベットの使用を必要とするシステムに必要とされるものよりも実質的に少ない時間で実施される。したがって、本明細書で説明されているエレクトロポレーション装置またはカートリッジ(100)の例は、閉じた様式でエレクトロポレーションを自動的に実施する際に使用することができ、それによって、他の利用可能なシステムよりも高い収率のトランスフェクトされた細胞(たとえば、トランスフェクトされた免疫細胞/T細胞)を効果的におよび一貫して送達することができる。そうであるので、本明細書で説明されているエレクトロポレーション装置(100)は、閉じたシステムにおいて、および、高度に自動化された様式で多数の細胞をエレクトロポレートする能力を提供する(それによって、無菌のおよび/またはcGMPの製造環境において、多数のトランスフェクトされた細胞を迅速におよび効率的に作り出す能力を提供する)。
【0067】
エレクトロポレーションプロセスにおいて使用されるコンテナまたはバッグ(1805、1810)は、たとえば、それに限定されないが、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)材料から構成された細胞培養バッグであることが可能であり、改善された培養および増殖のために水に対して不透過性のままでありながら、酸素および二酸化炭素に対する高い透過性を提供する。
【0068】
エレクトロポレーション装置またはカートリッジ(100)のコンポーネントは、金コーティングされた電極を含むことが可能である。金は、その生体適合性および好ましい電気特性に起因して選択され得る。エレクトロポレーション装置またはカートリッジ(100)は、制御されたクリーンルーム環境において組み立てられ得る。エレクトロポレーション装置またはカートリッジ(100)は、分配および/または使用の前に、ガンマ線照射によって洗浄および滅菌され得る。
【0069】
上記に説明されているように、本明細書で説明されているエレクトロポレーションカートリッジは、コンピューター(たとえば、ラップトップコンピューターまたはタブレットを含む)、電気パルス発生器、および、ドッキングステーションまたは「ネスト」(1000)も含む、システムの中で使用され得、エレクトロポレーションカートリッジプロセス(たとえば、エレクトロポレーションチャンバーの中の細胞への電場の印加、カートリッジ(すなわち、フローチャネルおよびチャンバー)を通した培地および細胞のポンピング、カートリッジバルブ(210)を開閉すること)を固定する(たとえば、保持する)ことおよび自動的に操作することを可能にする。このタイプのシステムでは、コンピューター(または、ラップトップコンピューター/タブレット)は、ユーザーインターフェースとして作用し、また、電気パルス発生器を制御するために操作可能に接続されている。発生器は、カートリッジ電極との接触を介して、ネストの中の接続を通してエレクトロポレーションパルスを供給する。そうであるので、ドッキングステーションまたは「ネスト」(1000)は、カートリッジを保持し、カートリッジとの機械的なおよび電気的な接点の両方を提供する。
【0070】
例示的なカートリッジは、8つのチャンバーと、細胞懸濁物材料(たとえば、細胞、培地、核酸、タンパク質、小分子)によって充填した後にチャンバーをカバーおよびシールするためのキャップとを含むことが可能である。カートリッジは、2つのフィッティング(たとえば、ルアータイプフィッティングなど)(1502、1504)を有しており、入力培地バッグ(1805)および出力細胞培養バッグ(1810)がバイオセイフティーキャビネットの中で無菌的に取り付けられることを可能にすることができる。入力培地バッグ(1805)は、適当な量の回復培地によって充填され、(エレクトロポレーションの前に)バイオセイフティーキャビネットの中のユーザーによって、カートリッジの上の入力フィッティングに取り付けられる。出力細胞培養バッグ(1810)は、所定の体積の回復培地によって充填され、(同様にエレクトロポレーションの前に)バイオセイフティーキャビネットの中のユーザーによって、カートリッジの上の出力に取り付けられ得る。
【0071】
それぞれのチャンバー(205)は、通常は閉じられており、エレクトロポレーションの前にサンプルがマニホールドチャネルの中へドレン排出することを防止することが可能である。これらのバルブ(210)は、ドッキングステーションまたは「ネスト」(1000)によって作動させられるときに開けられ得る。入口ポート(110)および出口ポート(115)およびフィッティング(1504)の直ぐ下方に、ダイヤフラムポンプ(225A、225B)がある。ドッキングステーションまたは「ネスト」(1000)の中のモーターは、ポンプスタックの中へ(すなわち、ポンプスタック内に)組み込まれている逆止バルブを通して流体をポンプ送りすることが可能である。そのようなシステム構成は、培養流体が、チャンバー、マニホールドを通って、出力細胞培養バッグ(1810)へ、単一の方向のみに流れることを保証する。また、ダイヤフラムポンプ(225A、225B)は、閉じられているときにバルブとして作用することが可能である。
【0072】
エレクトロポレーションに関して、ユーザーは、カートリッジのチャンバー(205)の中へ細胞/核酸混合物を無菌的に移送し、バイオセイフティーキャビネットの中にある間にカートリッジをキャップすることが可能である。カートリッジの中のバルブ(210)は、ネストの中のアクチュエーターによって開けられるまで、閉じられたままになっていることが可能である。それぞれのチャンバー(205)は、エレクトロポレートされ、次いで、(バルブ(210)を開けることによって)ドレン排出され、サンプルが出力細胞培養バッグ(1810)に到達するまで、ダイヤフラムポンプ(225A、225B)を作動させることが可能である。このプロセスは、すべてのチャンバー(205)がエレクトロポレートされ、ドレン排出され、出力細胞培養バッグ(1810)へポンプ送りされるまで繰り返され得る。エレクトロポレーションの後で、入力培地バッグ(1805)からの回復細胞培養培地は、カートリッジを通してポンプ送りされ、チャンバー(205)およびカートリッジフローチャネル(215、220A、220B)をフラッシュすることが可能である。フラッシュサイクルが完了されると、出力細胞培養バッグ(1810)が、滅菌の出口チュービング(1820)をヒートシールすることによって、カートリッジから無菌的に除去され、細胞培養インキュベーターの中に設置され得る。
【0073】
要するに、本明細書で説明されているエレクトロポレーション装置(100)は、細胞(たとえば、免疫細胞/T細胞)の大規模なエレクトロポレーションのための、および、遺伝子組み換えの細胞産物の生産のための重要な改善を表す。エレクトロポレーションカートリッジは、最小の手動操作によって(すなわち、ほとんどが自動化された様式で)、閉じたシステムにおいて、および、短期間に、大量の細胞をエレクトロポレートする能力を提供し、それによって、微生物汚染の確率を劇的に低減させ、細胞産物の一貫性を強化する。
【0074】
本明細書に記載されている実施形態および例は、さまざまな実施形態およびそれらの特定の用途を最良に説明するために、ならびに、それによって、当業者が実施形態を作製および使用することを可能にするために提示されたものである。しかし、当業者は、先述の説明および例が図示および例示の目的のみのために提示されているということを認識することとなる。記載されているような説明は、包含的であることを意図しておらず、または、開示されている精密な形態に限定されることを意図していない。
【0075】
多くの実施形態が説明されてきたが、本開示の利益を得る当業者は、本範囲を逸脱しない他の実施形態が考案され得るということを理解することとなる。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定されるべきである。
【符号の説明】
【0076】
100 エレクトロポレーション装置
105 開口部
110 入口ポート
115 出口ポート
120 電極
125 ポンプコネクター
205 チャンバー
210 バルブ
215 フローチャネル
220A フランキングフローチャネルA
220B フランキングフローチャネルB
225A ポンプA
225B ポンプB
230 空気フローチャネル
235 ベント
305 チャンバー
320A 電極A
320B 電極B
330A 縁部表面
330B 縁部表面
340A 側壁部
340B 側壁部
500 シール
502 シールキャップ
502A~502H シールキャップ
504A~504G ブリッジ部分
506 上部部分
508 底部リップ
702 リム
902 距離
1000 ドッキングステーション
1002 受容部
1004 バルブアクチュエーター
1006 電気接点
1008 ポンプアクチュエーター
1200 バルブ
1201 バルブレバー部分
1203 ヒンジ
1205 ドーム
1206 スプリングコネクター
1207 フォース部分
1210 スプリング
1405 チャンバー出口部
1502 ルアーキャップ
1504 オス型ルアーロックフィッティング
1506 ダックビル逆止バルブ
1508 ダイヤフラム
1605A ポンプハウジングA
1605B ポンプハウジングB
1805 入力培地バッグ
1810 出力細胞培養バッグ
1815 滅菌の入口チュービング
1820 滅菌の出口チュービング
【国際調査報告】