(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】体内管腔を閉塞するための塞栓デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526759
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 US2020059494
(87)【国際公開番号】W WO2021096781
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595148888
【氏名又は名称】ストライカー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Stryker Corporation
【住所又は居所原語表記】2825 Airview Boulevard Kalamazoo MI 49002 (US)
(71)【出願人】
【識別番号】521535973
【氏名又は名称】ストライカー ヨーロピアン オペレーションズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Stryker European Operations Limited
【住所又は居所原語表記】Anngrove, IDA Business & Technology Park, Carrigtwohill, County Cork, T45HX08 Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】リー,アンドリュー エス.
(72)【発明者】
【氏名】テオ,クリフォード
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ハンクン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジンフン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD53
4C160DD63
4C160MM33
(57)【要約】
体内管腔に配置するための塞栓デバイスは、カテーテルの内部に位置するときに、第1の線形構成を有する第1のセグメントであって、カテーテルの外部にあるときに、キャビティを規定する第1の三次元構造を形成するように構成された第1のセグメントと、第1のセグメントから延びる第2のセグメントであって、カテーテルの内部に位置するときに、第2の線形構成を有し、カテーテルの外部にあるときに、第2の三次元構造を形成するように構成された第2のセグメントとを含み、第1の三次元構造のキャビティが、第2の三次元構造の少なくとも大部分を収容するように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内管腔に配置するための塞栓デバイスであって、
カテーテルの内部に位置するときに、第1の線形構成を有する第1のセグメントであって、カテーテルの外部にあるときに、キャビティを規定する第1の三次元構造を形成するように構成された第1のセグメントと、
前記第1のセグメントから延びる第2のセグメントであって、カテーテルの内部に位置するときに、第2の線形構成を有し、カテーテルの外部にあるときに、第2の三次元構造を形成するように構成された第2のセグメントとを備え、
前記第1の三次元構造のキャビティが、前記第2の三次元構造の少なくとも大部分を収容するように構成されていることを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1の三次元構造が第1のループを含み、前記第2の三次元構造が第2のループを含むことを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1の三次元構造の第1のループの第1の曲率が、前記第2の三次元構造の第2のループの第2の曲率よりも小さいことを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1のセグメントが第1の幅を有し、前記第2のセグメントが、前記第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、かつ/または、
前記第1のセグメントが第1の厚さを有し、前記第2のセグメントが、前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有することを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項5】
請求項1~3の何れか一項に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントが、一体的な構成を形成していることを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の塞栓デバイスにおいて、
第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々が、編組セグメントを含むことを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1の三次元構造が、第1の複数のループを含み、前記第1の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、前記第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、
前記第2の三次元構造が、第2の複数のループを含み、前記第2の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、前記第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少することを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1の三次元構造が、第1の複数のループを含み、前記第1の複数のループの隣接するループ間の角度が、前記第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、
前記第2の三次元構造が、第2の複数のループを含み、前記第2の複数のループの隣接するループ間の角度が、前記第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少することを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1の三次元構造は、第1の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有し、前記第2の三次元構造は、前記第1の角度よりも小さい第2の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有することを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項10】
請求項1~9の何れか一項に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントが、遠位端および近位端を有する細長い部材の一部分であることを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項11】
体内管腔に配置するための塞栓デバイスであって、
近位端および遠位端を有する細長い部材を備え、
前記細長い部材が、第1の三次元構造を形成するように構成された第1のセグメントを備え、前記第1の三次元構造が、キャビティを規定し、
前記細長い部材が、前記第1の三次元構造のキャビティの内部に第2の三次元構造を形成するように構成された第2のセグメントを含むことを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記細長い部材の第1のセグメントにより形成される第1の三次元構造が、第1のループを含み、前記細長い部材の第2のセグメントにより形成される第2の三次元構造が、第2のループを含むことを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1の三次元構造の第1のループの第1の曲率が、前記第2の三次元構造の第2のループの第2の曲率よりも小さいことを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項14】
請求項11~13の何れか一項に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1のセグメントが第1の幅を有し、前記第2のセグメントが、前記第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、かつ/または、
前記第1のセグメントが第1の厚さを有し、前記第2のセグメントが、前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有することを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項15】
請求項11~13の何れか一項に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントが、一体的な構成を形成していることを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項16】
請求項11~15の何れか一項に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントの各々が、編組セグメントを含むことを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項17】
請求項11に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1の三次元構造が、第1の複数のループを含み、前記第1の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、前記第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、
前記第2の三次元構造が、第2の複数のループを含み、前記第2の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、前記第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少することを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項18】
請求項11に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1の三次元構造が、第1の複数のループを含み、前記第1の複数のループの隣接するループ間の角度が、前記第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、
前記第2の三次元構造が、第2の複数のループを含み、前記第2の複数のループの隣接するループ間の角度が、前記第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少することを特徴とする塞栓デバイス。
【請求項19】
請求項11に記載の塞栓デバイスにおいて、
前記第1の三次元構造が、第1の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有し、前記第2の三次元構造が、前記第1の角度より小さい第2の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有することを特徴とする塞栓デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、体内管腔を閉塞するための医療装置および方法に関し、より具体的には、動脈瘤を閉塞するための医療装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動脈瘤は血管の拡張であり、破裂、血栓形成または解離の可能性から健康に対するリスクをもたらす。脳内の動脈瘤の破裂は脳卒中を引き起こし、腹部の動脈瘤の破裂はショック症状を引き起こす。脳動脈瘤は通常、発作または出血の結果として患者に発見され、重大な罹患率または死亡率をもたらすことがある。
【0003】
動脈瘤の治療には様々な材料やデバイスが使用されてきており、それには、白金およびステンレス鋼のマイクロコイル、ポリビニルアルコールのスポンジ(Ivalone)および他の機械的デバイスが含まれる。例えば、血管閉塞デバイスは、人体の血管系内に、通常はカテーテルを介して配置される外科用器具またはインプラントであり、塞栓の形成を通じて血管系のその部分を構成する血管を通る血液の流れを遮断するか、または血管から生じる動脈瘤内にそのような塞栓を形成する。
【0004】
場合によっては、既知のコイル設計が、動脈瘤入口ゾーンから供給血管内へ完全にまたは部分的に移動するリスクが存在する。このリスクは、ワイドネック動脈瘤で特に高くなる。ワイドネック動脈瘤は、ネック(入口ゾーン)が動脈瘤の最大直径の少なくとも50%の直径を有するものである。
【発明の概要】
【0005】
体内管腔に配置するための塞栓デバイスは、カテーテルの内部に位置するときに、第1の線形構成を有する第1のセグメントであって、カテーテルの外部にあるときに、キャビティを規定する第1の三次元構造を形成するように構成された第1のセグメントと、第1のセグメントから延びる第2のセグメントであって、カテーテルの内部に位置するときに、第2の線形構成を有し、カテーテルの外部にあるときに、第2の三次元構造を形成するように構成された第2のセグメントとを含み、第1の三次元構造のキャビティが、第2の三次元構造の少なくとも大部分を収容するように構成されている。
【0006】
任意選択的には、第1の三次元構造が第1のループを含み、第2の三次元構造が第2のループを含む。
【0007】
任意選択的には、第1の三次元構造の第1のループの第1の曲率が、第2の三次元構造の第2のループの第2の曲率よりも小さい。
【0008】
任意選択的には、第1のセグメントが第1の幅を有し、第2のセグメントが、第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、かつ/または、第1のセグメントが第1の厚さを有し、第2のセグメントが、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する。
【0009】
任意選択的には、第1のセグメントおよび第2のセグメントが、一体的な構成を形成している。
【0010】
任意選択的には、第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々が、編組セグメントを含む。
【0011】
任意選択的には、第1の三次元構造が、第1の複数のループを含み、第1の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造が、第2の複数のループを含み、第2の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0012】
任意選択的には、第1の三次元構造が、第1の複数のループを含み、第1の複数のループの隣接するループ間の角度が、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造が、第2の複数のループを含み、第2の複数のループの隣接するループ間の角度が、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0013】
任意選択的には、第1の三次元構造が、動脈瘤のネックを跨ぐ足場を提供するように構成されている。
【0014】
任意選択的には、第1の三次元構造が少なくとも2の隣接するループを有し、それらのループ寸法が、20%を超えて異ならないか、または10%を超えて異ならないか、または5%を超えて異ならない。
【0015】
任意選択的には、第1の三次元構造が、第1の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有し、第2の三次元構造が、第1の角度よりも小さい第2の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有する。
【0016】
任意選択的には、第1のセグメントおよび第2のセグメントが、遠位端および近位端を有する細長い部材の一部分である。
【0017】
体内管腔に配置するための塞栓デバイスは、近位端および遠位端を有する細長い部材を含み、細長い部材が、第1の三次元構造を形成するように構成された第1のセグメントを備え、第1の三次元構造が、キャビティを規定し、細長い部材が、第1の三次元構造のキャビティの内部に第2の三次元構造を形成するように構成された第2のセグメントを含む。
【0018】
任意選択的には、細長い部材の第1のセグメントによって形成される第1の三次元構造が、第1のループを含み、細長い部材の第2のセグメントによって形成される第2の三次元構造が、第2のループを含む。
【0019】
任意選択的には、第1の三次元構造の第1のループの第1の曲率が、第2の三次元構造の第2のループの第2の曲率よりも小さい。
【0020】
任意選択的には、第1のセグメントが第1の幅を有し、第2のセグメントが、第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、かつ/または、第1のセグメントが第1の厚さを有し、第2のセグメントが、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する。
【0021】
任意選択的には、第1のセグメントおよび第2のセグメントが、一体化した構成を形成する。
【0022】
任意選択的には、第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々が、編組セグメントを含む。
【0023】
任意選択的には、第1の三次元構造が、第1の複数のループを含み、第1の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造が、第2の複数のループを含み、第2の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0024】
任意選択的には、第1の三次元構造が、第1の複数のループを含み、第1の複数のループの隣接するループ間の角度が、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造が、第2の複数のループを含み、第2の複数のループの隣接するループ間の角度が、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0025】
任意選択的には、第1の三次元構造が、動脈瘤のネックを跨ぐ足場を提供するように構成されている。
【0026】
任意選択的には、第1の三次元構造が少なくとも2の隣接するループを有し、それらのループ寸法が、20%を超えて、または10%を超えて、または5%を超えて異ならない。
【0027】
任意選択的には、第1の三次元構造が、第1の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有し、第2の三次元構造が、第1の角度よりも小さい第2の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有する。
【0028】
体内管腔を閉塞するための方法は、塞栓デバイスの第1のセグメントを体内管腔内に送達するステップであって、送達された第1のセグメントが体内管腔内に第1の三次元構造を形成し、第1の三次元構造がキャビティを規定する、ステップと、塞栓デバイスの第2のセグメントを体内管腔内に送達するステップであって、第2のセグメントが第1のセグメントから延び、送達された第2のセグメントが第2の三次元構造を形成し、第2の三次元構造の少なくとも大部分が第1の三次元構造のキャビティ内に収容される、ステップとを含む。
【0029】
任意選択的には、第1の三次元構造が第1のループを含み、第2の三次元構造が第2のループを含む。
【0030】
任意選択的には、第1の三次元構造の第1のループの第1の曲率が、第2の三次元構造の第2のループの第2の曲率よりも小さい。
【0031】
任意選択的には、第1のセグメントが第1の幅を有し、第2のセグメントが、第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、かつ/または、第1のセグメントが第1の厚さを有し、第2のセグメントが、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する。
【0032】
任意選択的には、第1のセグメントおよび第2のセグメントが、単一の構成を形成する。
【0033】
任意選択的には、第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々が、編組セグメントを含む。
【0034】
任意選択的には、第1の三次元構造が、第1の複数のループを含み、第1の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造が、第2の複数のループを含み、第2の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0035】
任意選択的には、第1の三次元構造が、第1の複数のループを含み、第1の複数のループの隣接するループ間の角度が、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造が、第2の複数のループを含み、第2の複数のループの隣接するループ間の角度が、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0036】
任意選択的には、第1の三次元構造が、動脈瘤のネックにわたって足場を提供するように構成されている。
【0037】
任意選択的には、第1の三次元構造が少なくとも2のループを有し、それらのループ寸法が、20%を超えて、または10%を超えて、または5%を超えて異ならない。
【0038】
任意選択的には、第1の三次元構造が、第1の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有し、第2の三次元構造が、第1の角度よりも小さい第2の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有する。
【0039】
任意選択的には、第1のセグメントおよび第2のセグメントが、遠位端および近位端を有する細長い部材の一部分である。
【0040】
他のおよび更なる態様および特徴は、以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図面は、実施形態の設計および実用性を示しており、それらにおいて、類似の要素が共通の符号で参照されている。それら図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。上記および他の利点と目的がどのように得られるのかをより良好に理解するために、添付の図面に示されている実施形態のより具体的な説明がなされるであろう。それら図面は、例示的な実施形態を示しているに過ぎず、よって特許請求の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0042】
【
図1】
図1は、塞栓デバイスを送達するためのカテーテルを有する医療装置を示している。
【
図2】
図2Aは、
図1の医療装置を示し、特に、カテーテルから送り出される塞栓デバイスの遠位セグメントを示している。
図2Bは、
図1の医療装置を示し、特に、カテーテルから送り出される塞栓デバイスの近位セグメントを示している。
【
図3】
図3は、
図1の塞栓デバイスを示し、特に、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントと、第1の三次元構造の内部に第2の三次元構造を形成する第2のセグメントとを有する塞栓デバイスを示している。
【
図4】
図4Aは、
図1の塞栓デバイスの第1の三次元構造を示している。
図4Bは、
図1の塞栓デバイスの第2の三次元構造を示している。
【
図6】
図6Aは、
図1の塞栓デバイスの第1および第2のセグメントのループレイアウトの一例を示している。
図6Bは、
図1の塞栓デバイスの第1および第2のセグメントのループレイアウトの別の例を示している。
【
図8】
図8は、塞栓デバイスを動脈瘤中に送達する方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照しながら様々な実施形態を説明する。なお、図面は縮尺通りに描かれておらず、類似の構造または機能の要素は、図面全体を通じて同じ符号で表されていることに留意されたい。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図したものであることにも留意されたい。それらは、本発明の網羅的な説明として、あるいは本発明の範囲に対する限定として意図したものではない。さらに、図示の実施形態は、示したすべての態様または利点を有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、そのように図示されていない場合や、そのように明示的に説明されていない場合でも、他の任意の実施形態において実施することが可能である。
【0044】
図1は、塞栓デバイス100を体内管腔内に送達するためのカテーテル20を有する医療装置10を示している。カテーテル20は、遠位端22と、近位端24と、遠位端22と近位端24との間に延在するカテーテル本体26とを有する。塞栓デバイス100は、カテーテル20のルーメン28内に収容されている。カテーテル20は、カテーテル20のルーメン28から塞栓デバイス100を押し出すために、ルーメン28内に配置されたシャフト30をさらに含む。
【0045】
図1に示すように、塞栓デバイス100は、遠位端104と、近位端106と、遠位端104と近位端106との間に延びる本体108とを有する細長い部材102から作られている。塞栓デバイス100は、カテーテル20の内部に配置されたとき、第1の線形構成を有する第1のセグメント110を有する。第1のセグメント110は、第1のセグメント110がカテーテル20の外部に送達されたときに、第1の三次元構造112を形成するように構成されている(
図2A)。
【0046】
図1にも示されているように、塞栓デバイス100は、第1のセグメント110から延びる第2のセグメント120を有する。第2のセグメント120は、第1のセグメント110に対して近位側にある。第2のセグメント120は、カテーテル20の内部に位置するときに、第2の線形構成を有する。第2のセグメント120は、第2のセグメント120がカテーテル20の外部に送達されたとき、第2の三次元構造122を形成するように構成されている(
図2B)。いくつかの実施形態では、第1のセグメント110およびセグメント120が、第1のセグメント110および第2のセグメント120を有するように形成された単一の構造体の一部分であってよい。他の実施形態では、第1のセグメント110および第2のセグメント120が、例えば、接着剤、溶接、融着、機械的コネクタなどを介して互いに接続される別個の構成要素であってよい。いずれの場合も、第1のセグメント110および第2のセグメント120は、一体的な構成を有するかまたは形成していると見なすことができる。
【0047】
図2Aに示すように、第1の三次元構造112は、第1の三次元構造112を形成する第1のセグメント110がカテーテル20から送り出された後に、キャビティ118を規定する。これにより、第1のセグメント110がカテーテル20から体内管腔内に送り出された後、第1の三次元構造112は、塞栓デバイス100の残りの部分(例えば、第2の三次元構造122を形成する第2のセグメント120の少なくとも大部分)を収容するためにキャビティ118を提供する。
【0048】
図3は、
図1の塞栓デバイス100を示し、特に、第1の三次元構造112を形成する第1のセグメント110と、第1の三次元構造112のキャビティ118の内部に第2の三次元構造122を形成する第2のセグメント120とを有する塞栓デバイス100を示している。上述したように、第1のセグメント110および第2のセグメント120は、細長い部材102の一部分である。
【0049】
図4Aに示すように、第1の三次元構造112は、一連の7つのループ114を含む。ループ114は、図示のような開ループであってもよい。代替的には、ループ114のうちの1または複数が閉ループであってもよい。他の実施形態では、第1の三次元構造112は、7を超えるループ(例えば、8のループ、9のループ、10のループ、11のループ、12のループなど)または7未満のループ(例えば、6のループ、5のループ、4のループなど)を有することができる。図示の実施形態では、第1の三次元構造112のループが、それぞれの変曲点によって接続され、それにより、隣接するループ114が逆の曲率を形成することができる。他の実施形態では、第1の三次元構造112の隣接するループ114が、逆の曲率を形成しなくてもよい。さらに、他の実施形態では、ループの代わりに、第1の三次元構造112が、ループでない形状を有する他の構造要素を有することができる。
【0050】
図4Bに示すように、第2の三次元構造122は、一連の7つのループ124を含む。ループ124は、図示のような開ループであってもよい。代替的には、ループ124のうちの1または複数が閉ループであってもよい。他の実施形態では、第2の三次元構造122が、7を超えるループ(例えば、8のループ、9のループ、10のループ、11のループ、12のループなど)または7未満のループ(例えば、6のループ、5のループ、4のループなど)を有することができる。図示の実施形態では、第2の三次元構造122のループ124が、それぞれの変曲点によって接続されており、これにより隣接するループ124が逆の曲率を形成することができる。他の実施形態では、第2の三次元構造122の隣接するループ124が、逆の曲率を形成しなくてもよい。さらに、他の実施形態では、ループの代わりに、第2の三次元構造122が、ループでない形状を有する他の構造要素を有することができる。
【0051】
いくつかの実施態様では、第1の三次元構造112のループ114のうちの1つの曲率が、第2の三次元構造122のループ124のうちの1つの曲率よりも小さくてもよい。例えば、一実施態様では、第1の三次元構造112のループ114のすべての曲率が、第2の三次元構造122のループ124のすべての曲率よりも小さくてもよい。別の実施態様では、第1の三次元構造112のループ114の少なくともいくつか(例えば、ループ114の過半数)の曲率が、第2の三次元構造122のループ124の少なくともいくつか(例えば、ループ124の過半数)の曲率よりも小さくてもよい。本明細書で使用される場合、「曲率」を1/Rと定義することができ、Rは、曲線に関連する最小の曲率半径である。
【0052】
いくつかの実施態様では、第1の三次元構造112が、20%を超えて異なることない、または10%を超えて異なることない、または5%を超えて異なることのないそれぞれのループ寸法を有する少なくとも2のループ(例えば、少なくとも2の隣接するループ)を有する。例えば、一実施態様では、第1の三次元構造112が、同じループ寸法(例えば、ループ幅または直径)を有するループ114を有することができる。他の実施態様では、第1の三次元構造112が、20%を超えて異なるそれぞれのループ寸法を有するループ114を備えることができる。
【0053】
さらに、いくつかの実施形態では、第2の三次元構造122のループ124が、第1の三次元構造112のループ114のループ寸法よりも小さいそれぞれのループ寸法を有する。この特徴は、第2のセグメント120が第1の三次元構造112よりも小さい第2の三次元構造122を形成するのを補助し、それによって第2の三次元構造122が第1の三次元構造112内に収まることを可能にするため有利である。場合によっては、第2の三次元構造122のループ124のすべてが、第1の三次元構造112のループ114のすべてのループ寸法よりも小さいそれぞれのループ寸法を有する。他の態様では、第2の三次元構造122のループ124の少なくとも半分または過半数が、第1の三次元構造112のループ114の少なくとも半分または過半数のループ寸法よりも小さいそれぞれのループ寸法を有する。
【0054】
いくつかの実施形態では、塞栓デバイス100の第1のセグメント110が、第1の幅を有し、塞栓デバイス100の第2のセグメント120が、第1の幅よりも小さい第2の幅を有することができる。代替的または追加的には、塞栓デバイス100の第1のセグメント110が、第1の厚さを有し、塞栓デバイス100の第2のセグメント120が、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有することができる。一実施態様では、細長い部材102が編組構造であってよく、第1のセグメント110の編組を形成するために使用される繊維のストランドの数と比較して、第2のセグメント120の編組を形成するためにより少ない繊維のストランドを使用することによって、第2のセグメント120のより狭い幅および/または薄い厚さを達成することができる。代替的には、第2のセグメント120を形成するために使用される部材の一部を切断または削り取る(例えば、レーザーカッタ、グラインダなどを使用する)ことによって、第2のセグメント120のより狭い幅(または薄い厚さ)を達成することができる。別の代替案として、第1および第2のセグメント110、120を、異なるそれぞれの断面寸法を有する別個の部材から形成することもも可能である。そのような場合、部材は、例えば、接着剤、溶接、融着、機械的カプラなどを使用して、互いに固定することができる。なお、「幅」および「厚さ」という用語は、場合によっては、矩形または楕円形を有する断面などの断面の長い寸法および短い寸法を指す場合があることに留意されたい。しかしながら、それら用語のいずれかを使用しても、断面が細長い形状を有することを意味するものではない。例えば、断面の幅または厚さは、円形断面、正方形断面、六角形断面、五角形断面などの断面寸法を指す場合もある。
【0055】
また、いくつかの実施形態では、第1の三次元構造112が、第1の角度を形成する少なくとも2の隣接するループ114を有し、第2の三次元構造122が、第1の角度より小さい第2の角度を形成する少なくとも2の隣接するループ124を有する。この特徴は、第2のセグメント120が第1の三次元構造112よりも小さい第2の三次元構造122を形成することを補助し、それにより第2の三次元構造122が第1の三次元構造112内に収まることを可能にするため有利である。いくつかの実施形態では、第1の三次元構造112の2つの隣接するループ114の間の角度が、動脈瘤の寸法および/または動脈瘤の壁の曲率に対応し得る。例えば、第1の三次元構造112の2つの隣接するループ114の間の角度は、第1の三次元構造112が動脈瘤中に送達されたときに2つの隣接するループ114が動脈瘤の内壁に係合するように構成することができる。場合によっては、第1の三次元構造112のすべての隣接するループ114が、動脈瘤の寸法および/または動脈瘤の壁の曲率に対応する対応角度を形成する。他の場合には、第1の三次元構造112のループ114の少なくとも半分または過半数が、動脈瘤の寸法および/または動脈瘤の壁の曲率に対応する対応角度を形成している。上記特徴により、第1の三次元構造112は、動脈瘤の内壁のプロファイルに密接に対応する形状を有することができる。このため、第1の三次元構造112は、動脈瘤の内壁の外縁の周りに適合するフレームを提供する。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の三次元構造112の隣接するループ114のペア間のすべての角度が同じであるか、または特定のパーセンテージ(例えば、20%、10%、5%など)を超えて異なることはない。他の実施形態では、隣接するループ114の2以上のペア間の角度が、20%を超えて異なる場合がある。
【0057】
さらに、いくつかの実施形態では、第2のセグメント120が、第2のセグメント120の遠位端から近位端まで、隣接するループ124間の角度を漸進的に減少するようにしてもよい。これにより、動脈瘤内の内側の空間の前に動脈瘤内の外側の空間が先に満たされるように、第2のセグメント120が「外側から内側に向けて」第2の三次元構造122を形成することができる。他の実施形態では、第2のセグメント120が、第2のセグメント120の遠位端から近位端まで、隣接するループ124間の角度を漸進的に増加するようにしてもよい。これにより、動脈瘤内の外側の空間の前に動脈瘤内の内側の空間が先に満たされるように、第2のセグメント120が「内側から外側に向けて」第2の三次元構造122を形成することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、塞栓デバイス100の第1のセグメント110および第2のセグメント120を形成する細長い部材102が、編組構造であってよい。そのような場合、塞栓デバイス100の第1のセグメント110および第2のセグメント120の各々が、編組セグメントを含む。一実施態様では、第1のセグメント110および/または第2のセグメント120を、編組された24本の繊維のストランドによって形成することができる。代替的には、細長い部材を形成するために、他の数の繊維のストランドを使用することができる。別の実施態様では、第1のセグメント110を、第2のセグメント120と比較してより多くのストランドを使用して形成するようにしてもよく、それによって、第2のセグメント120と比較してより広い幅および/またはより厚い厚さを有する第1のセグメント110を作製することができる。他の実施形態では、ストランドの数を変えても、断面の幅および/または厚さを変えなくてもよい。さらなる実施形態では、第1のセグメント110を、第2のセグメント120と比較してより多くのストランドを使用して形成するようにしてもよく、それにより、第1のセグメント110を、第2のセグメント120と比較してより硬くすることができる。
【0059】
他の実施形態では、塞栓デバイス100の第1のセグメント110および第2のセグメント120を形成する細長い部材102が、コイルであってもよい。そのような場合、細長い部材102は、コイルである一次形状を有し、その後、コイルを曲げて、所望の二次形状を形成することができる。
【0060】
さらなる実施形態では、塞栓デバイス100の第1のセグメント110および第2のセグメント120を形成する細長い部材102が、中実の連続部材であってよい。そのような場合、中実の連続部材は、真っ直ぐである一次形状を有し、その後、中実の連続部材を曲げて、所望の二次形状を形成することができる。
【0061】
本明細書に記載の1または複数の実施形態では、第1および第2のセグメント110、120の合計長さが、15cm~50cm、または25cm~45cm、または30cm~40cmのうちの何れかであってもよい。他の実施形態では、第1および第2のセグメント110、120の合計長さが、15cm未満であっても、あるいは40cmを超えるものであってもよい。
【0062】
また、本明細書に記載の1または複数の実施形態では、第1および第2のセグメント110、120を有する細長い部材102を、任意の適切な材料から作ることができる。非限定的な例として、塞栓デバイス100の細長い部材102を、ニチノール(登録商標)、AuPt、ステンレス鋼、または他の金属もしくは合金から作ることができる。
【0063】
図5Aおよび
図5Bは、
図1の医療装置10のプロトタイプを示している。
図5Aに示すように、カテーテル20は、第1の三次元構造112を形成する第1のセグメント110を送達し、続いて、第1の三次元構造112のキャビティの内部に第2の三次元構造122を形成する第2のセグメント120を送達している。
図5Bは、
図5Aと同じ医療装置10を示しており、第1のセグメント110のループ114および第2のセグメント120のループ124を示すために、第2の三次元構造122が、第1の三次元構造112の外側に配置され、引き伸ばされて開いている。
【0064】
図6Aは、
図1の塞栓デバイス100の第1および第2のセグメント110、120のループレイアウトの一例を示している。図示の例では、それぞれの第1のセグメント110および第2のセグメント120のループ114、124を平面で示しており、ループ間の相対角度を示していない。これにより、ループ114、124の相対的なサイズを視覚化することができる。この例に示すように、第1のセグメント110は7つのループを有し、第2のセグメント120は7つのループを有する。他の実施形態では、ループの数が異なっていてもよい。例えば、他の実施形態では、第1のセグメント110が、第2のセグメント120と比較して、より多くのループまたは少ないループを有することができる。一例では、第2のセグメント120のそれぞれのループ124のサイズが、遠位から近位に向かって減少している。これにより、第2のセグメント120がカテーテル20から押し出される際に、動脈瘤の外縁から動脈瘤の内側コアまたは中心に向かって徐々に第2のセグメント120によって動脈瘤が満たされることができる。他の実施形態では、第2のセグメント120のそれぞれのループ124のサイズが、遠位から近位に向かって増加している。これにより、第2のセグメント120がカテーテル20から押し出される際に、動脈瘤の内側コアまたは中心から外縁に向かって徐々に第2のセグメント120によって動脈瘤が満たされることができる。さらなる実施形態では、第2のセグメント120のそれぞれのループ124のサイズが同じであってもよい。さらに別の実施形態では、第2のセグメント120のループ124のサイズが、上下に繰り返し変化し得るか、またはランダムなパターンを有し得る。
【0065】
上記の例では、第2のセグメント120の最初のループのサイズが、第1のセグメント110内の最後のループのサイズと同じであるか、またはそれよりも小さい。他の例では、第2のセグメント120内の最初のループのサイズが、第1のセグメント110内の最後のループのサイズよりも大きくてもよい。例えば、
図6Bに示すように、第1のセグメント110は、0.85Dから0.55D(Dは基準寸法であり得る)まで減少するそれぞれのループ幅を有するループ114を備えることができ、第2のセグメント120は、0.75Dから0.35Dまで減少するそれぞれのループ幅を有するループ124を備えることができる。この構成は、後のセグメントのよりサイズの大きいループ(例えば、この例では0.75Dの寸法を有するループ)が、(既に送達された)前のセグメントの前のループ(例えば、この例ではループ0.65D、0.55D)を動脈瘤の外縁に押し出すことによって充填を改善し得るため有利である。他の実施形態では、塞栓デバイス100が、追加のセグメントを含むことができる。例えば、第2のセグメント120の近位側に第3のセグメントがあってもよく、この第3のセグメントは、0.55Dの寸法を有する最初のループを備えることができる。このため、細長い部材102のセグメントが送達されると、それらは、前に送達された1または複数の構造を動脈瘤の外縁に向かって半径方向に押圧するそれぞれの充填構造を形成する。
【0066】
塞栓デバイス100を、第1のセグメント110および第2のセグメント120を有するものとして説明してきたが、塞栓デバイス100は、2つのセグメントのみを有することに限定されないことに留意されたい。他の実施形態では、塞栓デバイス100が、2以上のセグメントを有することができる。例えば、他の実施形態では、塞栓デバイス100が、第3のセグメント、第4のセグメント、第5のセグメントなどを有することができる。いくつかの実施形態では、前の各セグメントが、後のセグメントの収容を可能にする充填構造を形成する。これにより、異なる三次元構造を入れ子構成で動脈瘤中に漸進的に送り込んで、動脈瘤の外縁から中心に向かって動脈瘤を充填することが可能になる。いくつかの実施形態では、第1のセグメント110がループの第1のセットを有し、第2のセグメント120がループの第2のセットを有し、第3のセグメントがループの第3のセットを有することができる。ループの第1のセットは、サイズが同じであるか、または遠位から近位に向けてサイズが減少するループ幅を有することができる。同様に、ループの第2のセットは、サイズが同じであるか、または遠位から近位に向けてサイズが減少するループ幅を有することができる。また、ループの第3のセットは、サイズが同じであるか、または遠位から近位に向けてサイズが減少するループ幅を有することができる。さらに、いくつかの実施形態では、後続のセグメントの最初(すなわち、遠位)のループが、前のセグメントの最後(すなわち、近位)のループの幅よりも小さい幅を有することができる。代替的に、他の実施形態では、後続のセグメントの最初(すなわち、遠位)のループが、前のセグメントの最後(すなわち、近位)のループの幅よりも大きい幅を有することができる。
【0067】
本明細書に記載の1または複数の実施形態では、塞栓デバイス100が、任意選択的に、第1のセグメント110の遠位端に遠位ループをさらに含むことができ、遠位ループが、遠位ループの近位側にあるループの直径の75%以下の直径を有している。いくつかの実施形態では、遠位ループが、第1のセグメント110によって形成されるようにしてもよい。本明細書で使用される場合、ループの「直径」は、必ずしもループが円形であることを意味するものではなく、「直径」という用語は、形状が円形である場合もそうでない場合も、ループの幅を指すことができる。例えば、ループの直径は、場合によっては、ループの最大の幅を指すこともある。
【0068】
また、本明細書に記載の1または複数の実施態様では、塞栓デバイス100が、任意選択的に、塞栓デバイス100の遠位端に遠位コイルをさらに含むことができる。一実施態様では、第1のセグメント110が編組から形成される場合、第1のセグメント110を形成するために使用される編組の1または複数のストランドから、遠位コイルを形成すことができる。別の実施態様では、遠位コイルとして別個のコイルを提供し、それを、第1のセグメント110の遠位端に取り付けるようにしてもよい。
【0069】
さらに、本明細書に記載の1または複数の実施態様では、塞栓デバイス100が、任意選択的に、塞栓デバイス100の近位端に近位コイルをさらに含むことができる。一実施態様では、第2のセグメント120が編組から形成される場合、第2のセグメント120を形成するために使用される編組の1または複数のストランドから、近位コイルを形成すことができる。別の実施態様では、近位コイルとして別個のコイルを提供し、それを、第2のセグメント120の近位端に取り付けるようにしてもよい。近位コイルは、第2のセグメント120からシャフト30への剛性の遷移を提供することができるため有利である。
【0070】
また、本明細書に記載の1または複数の実施形態では、塞栓デバイス100の第2のセグメント120が、塞栓デバイス100の第1のセグメント110の剛性(例えば、曲げ剛性および/または軸方向剛性)とは異なる剛性(例えば、曲げ剛性および/または軸方向剛性)を有することができる。いくつかの実施形態では、第2のセグメント120が、第1のセグメント110のカラム強度とは異なるカラム強度を有することができる。例えば、第2のセグメント120のカラム強度は、第1のセグメント110のカラム強度より高くてもよい。これは、塞栓デバイス100が座屈することなくカテーテル20の内部で遠位方向に押し出されることを可能にするため有利である。カラム強度および/または剛性における相対的な差は、第1および第2のセグメント110、120の間で、冶金熱処理条件を使用して、断面寸法を変えることによって、かつ/または編組構造におけるストランドの数を変えることによって達成され得る。
【0071】
また、本明細書に記載の1または複数の実施形態では、第1および第2のセグメント110、120を形成する部材102が編組構造である場合、部材102の長さ方向に沿った剛性を変化させるために、部材102の長さ方向に沿ったストランドの編組角度を変化させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1のセグメント110および第2のセグメント120が、同じ数のストランドを有することができるが、第1のセグメント110のストランドの編組角度(例えば、部材102の長手方向軸に対してストランドがなす角度)は、第2のセグメント120のストランドの編組角度よりも大きくてもよく、それにより第1のセグメント110を第2のセグメント120よりも硬くすることができる。他の実施形態では、第2のセグメント120におけるストランドの編組角度が、第1のセグメント110におけるストランドの編組角度よりも大きくてもよく、それにより第2のセグメント120を第1のセグメント110よりも硬くすることができる。また、いくつかの実施形態では、部材102の長さ方向に沿ったストランドの編組角度が徐々に変化するようにしてもよい。
【0072】
さらに、いくつかの実施形態では、第1の三次元構造112が第1の複数のループ114を備え、第1の複数のループ114のそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第1の三次元構造112を形成する第1のセグメント110の長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造122が第2の複数のループ124を備え、第2の複数のループ124のそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第2の三次元構造122を形成する第2のセグメント120の長さ方向に沿って増加または減少している。
【0073】
さらに、いくつかの実施形態では、第1の三次元構造112が第1の複数のループ114を含み、第1の複数のループ114の隣接するループ間の角度が、第1の三次元構造112を形成する第1のセグメント110の長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造122が第2の複数のループ124を含み、第2の複数のループ124の隣接するループ間の角度が、第2の三次元構造122を形成する第2のセグメント120の長さ方向に沿って増加または減少する。
【0074】
さらに、塞栓デバイス100は、本明細書に記載の例に限定されるものではく、塞栓デバイス100は、他の実施形態において他の構成を有することができることに留意されたい。例えば、他の実施形態では、塞栓デバイス100の第1のセグメント110は、その中にキャビティを規定するためのフレーム構造を形成する限り、他の湾曲した形状を有することができる。また、他の実施形態では、塞栓デバイス100の第2のセグメント120は、第1のセグメント110により形成される第1の三次元構造によって規定される中心キャビティを充填する中心充填効果を提供する限り、他の湾曲した形状を有することができる。
【0075】
塞栓デバイス100を形成するために、様々な技術を使用することができる。いくつかの実施形態では、所望の形状を形成するために、1または複数のマンドレルの周りに細長い部材102を巻き付けることができる。1または複数のマンドレルは、細長い部材102がその周りに巻き付くことができるように構成された複数の支柱を含むことができる。支柱のサイズによって、形成されるループのループサイズが決まる。また、支柱の相対的な方向によって、形成されるループ間の相対的な角度が決まる。細長い部材102が1または複数のマンドレルに巻き付けられた後、細長い部材102は、細長い部材102の形状を設定するために化学的処理および/または熱処理を受けることができる。細長い部材を成形するための他の技術は、塞栓デバイス100を形成するために他の実施形態で使用することができる。
【0076】
図7Aおよび
図7Bは、動脈瘤700を治療するために
図1の医療装置10を使用する方法を示している。医療装置10を使用する場合、先ず、カテーテル20を、切開部を通して患者の血管702内に挿入する。次いで、カテーテル20の遠位端22が動脈瘤に到達するまで、カテーテル20を遠位方向に進める。
【0077】
いくつかの実施形態では、カテーテル20が操縦可能である。例えば、カテーテル20は、カテーテル20の遠位端22を1または複数の方向に操縦するように構成された1または複数の操縦ワイヤを含むことができる。他の実施形態では、カテーテル20が操舵可能でなくてもよい。その代わりに、標的部位にアクセスするために、ガイドワイヤを使用することができる。その後、カテーテル20は、ガイドワイヤ上に配置され、ガイドワイヤを使用して遠位方向に前進させることができる。そのような場合、カテーテル20は、ガイドワイヤを収容するための別個のチャネルを含むことができる。
【0078】
カテーテル20の遠位端22が望ましく配置された後、シャフト30(
図1に示す)を前進させて、塞栓デバイス100の第1のセグメント110がカテーテル20の外に出るまで塞栓デバイス100を遠位方向に押し進める(
図7A)。図示のように、第1のセグメント110は、第1のセグメント110がカテーテル20の外側で拘束されていない場合、第1の三次元構造112を形成する。第1の三次元構造112は、第1の三次元構造112が動脈瘤の壁のすぐ隣に(例えば、動脈瘤の壁に接するか、または動脈瘤の壁から0.5mm以内に)配置されるように、動脈瘤の内壁に対応する形状を有する。
図7Aにおいて破線で概略的に示される第1の三次元構造112は、塞栓デバイス100の第2のセグメント120を収容するためのキャビティ118を規定するフレームを提供する。図示のように、第1の三次元構造112は、動脈瘤700のネック704に跨る足場も提供し、それが、キャビティ118内に送達される第2の三次元構造122を収容するのを補助する。
【0079】
次いで、シャフト30をさらに前進させて、塞栓デバイス100の第2のセグメント120を、第2のセグメント120がカテーテル20から外に出るまで押し進めることができる(
図7B)。図示のように、第2のセグメント120がカテーテル20の外側で拘束されていない場合に、第2のセグメント120は、第2の三次元構造122を形成する。第2の三次元構造122は、第1の三次元構造112により規定されるキャビティ118内の空間の少なくとも一部分を満たすことができる形状を有する。図示のように、第1の三次元構造112により提供される動脈瘤のネック704に跨る足場は、第2の三次元構造122が第1の三次元構造112のキャビティ118から動脈瘤の外に離脱または脱落するのを防止する。
【0080】
いくつかの実施形態では、シャフト30の遠位端が、第2のセグメント120の近位端に当接し、第2のセグメント120の近位端に機械的に取り付けられない。そのような場合、第2のセグメント120は、第2のセグメント120の近位端がカテーテル20から押し出されるとすぐに、医療装置10の残りの部分から切り離された状態となる。他の実施形態では、シャフト30の遠位端を、シャフト30から第2のセグメント120の近位端を切り離すように動作可能な機械的コネクタなどを介して、第2のセグメント120の近位端に機械的に接続することができる。さらなる実施形態では、シャフト30の遠位端を、電流の印加に応答して分解され得るリンクなどの分解可能リンクを介して、第2のセグメント120の近位端に機械的に接続することができる。機械的コネクタおよび分解可能リンクは、当該技術分野において周知であり、よってこれ以上詳細には説明しない。
【0081】
いくつかの実施形態では、複数の塞栓デバイス100が、異なるそれぞれの長さを備えることができる。そのような場合、塞栓デバイス100の1つを選択して動脈瘤を治療する前に、医師は、治療する動脈瘤のサイズを測定することができる。例えば、医師は、動脈瘤の1または複数の画像を用いて測定を行い、動脈瘤のサイズを求めることができる。サイズは、動脈瘤の断面寸法、動脈瘤の断面積、動脈瘤の体積などであってもよい。動脈瘤のサイズを求めた後、動脈瘤のサイズに基づいて塞栓デバイス100の1つを選択することができる。例えば、より大きな動脈瘤を閉塞するために、より長い塞栓デバイス100を選択することができる。
【0082】
上記の例に示すように、塞栓デバイス100は、(1)動脈瘤のネックに跨る足場を提供するフレームを動脈瘤の外縁に形成し、(2)充填物がフレームによって動脈瘤内部に含まれることを保証しながら動脈瘤の中心空間を充填するという2つの目的を同じデバイスで達成できるため、有利である。塞栓デバイス100は、ワイドネックを有する動脈瘤を含む、すべてのタイプの動脈瘤を治療するために使用することができる。また、塞栓デバイス100は、別個の塞栓デバイスを複数回送達する必要がないため、有利である。特に、同じ塞栓デバイス100がフレーム形成と充填の両方の目的を提供するため、複数回の送達(例えば、フレーム形成のための送達、および充填のための別の1または複数のデバイスの他の送達)を提供する必要性を排除することができる。さらに、本明細書に記載の塞栓デバイス100の特徴は、細長い部材102が送達カテーテルの外部に送達される際に細長い部材102の異なる部分が「入れ子」の異なる層を形成するように構成される漸進的な入れ子作用によって、動脈瘤内への長尺部材の送達を可能にするため、有利である。これにより、動脈瘤が塞栓デバイス100によって実質的にかつ/またはしっかりと充填されるものとなる。
【0083】
図8は、体内管腔を閉塞する方法800を示している。この方法800は、塞栓デバイスの第1のセグメントを体内管腔内に送達するステップを含み、送達される第1のセグメントが、体内管腔の内部に第1の三次元構造を形成し、第1の三次元構造がキャビティを規定する(項目802)。本方法800は、塞栓デバイスの第2のセグメントを体内管腔内に送達するステップも含み、第2のセグメントが第1のセグメントから延び、送達される第2のセグメントが第2の三次元構造を形成し、第2の三次元構造の少なくとも大部分が、第1の三次元構造のキャビティに収容される(項目804)。
【0084】
いくつかの実施形態では、本方法800における塞栓デバイスが、本明細書に記載の塞栓デバイス100であってよい。
【0085】
任意選択的には、本方法800では、第1の三次元構造が第1のループを備え、第2の三次元構造が第2のループを備える。
【0086】
任意選択的には、本方法800では、第1の三次元構造の第1のループの第1の曲率が、第2の三次元構造の第2のループの第2の曲率より小さい。
【0087】
任意選択的には、本方法800では、第1のセグメントが第1の幅を有し、第2のセグメントが、第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、かつ/または、第1のセグメントが第1の厚さを有し、第2のセグメントが、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する。
【0088】
任意選択的には、本方法800では、第1のセグメントおよび第2のセグメントが、一体的な構成を形成する。
【0089】
任意選択的には、本方法800では、第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々が、編組セグメントを含む。
【0090】
任意選択的には、本方法800では、第1の三次元構造が第1の複数のループを含み、第1の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造が第2の複数のループを含み、第2の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0091】
任意選択的には、本方法800では、第1の三次元構造が第1の複数のループを含み、第1の複数のループの隣接するループ間の角度が、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造が第2の複数のループを含み、第2の複数のループの隣接するループ間の角度が、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0092】
任意選択的には、本方法800では、第1の三次元構造が、動脈瘤のネックに跨る足場を提供する。
【0093】
任意選択的には、本方法800では、第1の三次元構造が少なくとも2の隣接するループを備え、それぞれのループ寸法が、20%を超えて異なるものではなく、または10%を超えて異なるものではなく、または5%を超えて異なるものではない。
【0094】
任意選択的には、本方法800では、第1の三次元構造が、第1の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有し、第2の三次元構造が、第1の角度よりも小さい第2の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有する。
【0095】
任意選択的には、本方法800では、第1のセグメントおよび第2のセグメントが、遠位端および近位端を有する細長い部材の一部分である。
【0096】
以下の項目は、本明細書に記載の実施形態の例示的な特徴である。各項目は、実施形態自体であっても、実施形態の一部分であってもよい。以下に記載の1または複数の項目は、一実施形態において、他の1または複数の項目と組み合わせることができる。
【0097】
項目1:体内管腔に配置するための塞栓デバイスは、カテーテルの内部に位置するときに第1の線形構成を有する第1のセグメントであって、カテーテルの外部にあるときに、キャビティを規定する第1の三次元構造を形成するように構成された第1のセグメントと、第1のセグメントから延びる第2のセグメントであって、カテーテルの内部に位置するときに第2の線形構成を有し、カテーテルの外部にあるときに、第2の三次元構造を形成するように構成された第2のセグメントとを備え、第1の三次元構造のキャビティが、第2の三次元構造の少なくとも大部分を収容するように構成されている。
【0098】
項目2:第1の三次元構造は、第1のループを含み、第2の三次元構造は、第2のループを含む。
【0099】
項目3:第1の三次元構造の第1のループの第1の曲率は、第2の三次元構造の第2のループの第2の曲率よりも小さい。
【0100】
項目4:第1のセグメントは、第1の幅を有し、第2のセグメントは、第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、かつ/または、第1のセグメントは、第1の厚さを有し、第2のセグメントは、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する。
【0101】
項目5:第1のセグメントおよび第2のセグメントは、一体的な構成を形成する。
【0102】
項目6:第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々は、編組セグメントを含む。
【0103】
項目7:第1の三次元構造は、第1の複数のループを備え、第1の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造は、第2の複数のループを備え、第2の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0104】
項目8:第1の三次元構造は、第1の複数のループを備え、第1の複数のループの隣接するループ間の角度が、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造は、第2の複数のループを備え、第2の複数のループの隣接するループ間の角度が、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0105】
項目9:第1の三次元構造は、第1の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有し、第2の三次元構造は、第1の角度よりも小さい第2の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有する。
【0106】
項目10:第1のセグメントおよび第2のセグメントは、遠位端および近位端を有する細長い部材の一部分である。
【0107】
項目11:体内管腔に配置するための塞栓デバイスは、近位端および遠位端を有する細長い部材を備え、この細長い部材は、第1の三次元構造を形成するように構成された第1のセグメントを含み、第1の三次元構造がキャビティを規定し、細長い部材は、第1の三次元構造のキャビティの内部に第2の三次元構造を形成するように構成された第2のセグメントを含む。
【0108】
項目12:細長い部材の第1のセグメントにより形成される第1の三次元構造は、第1のループを含み、細長い部材の第2のセグメントにより形成される第2の三次元構造は、第2のループを含む。
【0109】
項目13:第1の三次元構造の第1のループの第1の曲率は、第2の三次元構造の第2のループの第2の曲率よりも小さい。
【0110】
項目14:第1のセグメントは、第1の幅を有し、第2のセグメントは、第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、かつ/または、第1のセグメントは、第1の厚さを有し、第2のセグメントは、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する。
【0111】
項目15:第1のセグメントおよび第2のセグメントは、単一構成を形成する。
【0112】
項目16:第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々は、編組セグメントを含む。
【0113】
項目17:第1の三次元構造は、第1の複数のループを備え、第1の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造は、第2の複数のループを備え、第2の複数のループのそれぞれのループのループ幅、ループ曲率、編組幅、編組厚さ、編組角度またはそれらの任意の組合せが、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0114】
項目18:第1の三次元構造は、第1の複数のループを備え、第1の複数のループの隣接するループ間の角度が、第1の三次元構造を形成する第1のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少し、かつ/または、第2の三次元構造は、第2の複数のループを備え、第2の複数のループの隣接するループ間の角度が、第2の三次元構造を形成する第2のセグメントの長さ方向に沿って増加または減少する。
【0115】
項目19:第1の三次元構造は、第1の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有し、第2の三次元構造は、第1の角度よりも小さい第2の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有する。
【0116】
項目20:体内管腔を閉塞するための方法は、塞栓デバイスの第1のセグメントを体内管腔内に送達するステップであって、送達された第1のセグメントが体内管腔内に第1の三次元構造を形成し、第1の三次元構造がキャビティを規定する、ステップと、塞栓デバイスの第2のセグメントを体内管腔内に送達するステップであって、第2のセグメントが第1のセグメントから延び、送達された第2のセグメントが第2の三次元構造を形成し、第2の三次元構造の少なくとも大部分が第1の三次元構造のキャビティ内に収容される、ステップとを含む。
【0117】
項目21:第1の三次元構造は、第1のループを備え、第2の三次元構造は、第2のループを備える。
【0118】
項目22:第1の三次元構造の第1のループの第1の曲率は、第2の三次元構造の第2のループの第2の曲率よりも小さい。
【0119】
項目23:第1のセグメントは、第1の幅を有し、第2のセグメントは、第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、かつ/または、第1のセグメントは、第1の厚さを有し、第2のセグメントは、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する。
【0120】
項目24:第1のセグメントおよび第2のセグメントは、一体的な構成を形成する。
【0121】
項目25:第1のセグメントおよび第2のセグメントの各々は、編組セグメントを含む。
【0122】
項目26:第1の三次元構造は、動脈瘤のネックに跨る足場を提供する。
【0123】
項目27:第1の三次元構造は、少なくとも2の隣接するループを有し、それぞれのループ寸法が、20%を超えて異なるものではなく、または10%を超えて異なるものではなく、または5%を超えて異なるものではない。
【0124】
項目28:第1の三次元構造は、第1の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有し、第2の三次元構造は、第1の角度よりも小さい第2の角度を形成する少なくとも2の隣接するループを有する。
【0125】
項目29:第1のセグメントおよび第2のセグメントは、遠位端および近位端を有する細長い部材の一部分である。
【国際調査報告】