(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(54)【発明の名称】マルチスペクトルボリュメトリックキャプチャ
(51)【国際特許分類】
G01B 11/245 20060101AFI20221221BHJP
G01B 11/25 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G01B11/245 H
G01B11/25 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526780
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 US2020064513
(87)【国際公開番号】W WO2021119427
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596102126
【氏名又は名称】ソニー ピクチャーズ エンターテインメント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】メッツガー スコット
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA53
2F065BB05
2F065DD04
2F065DD06
2F065FF01
2F065FF02
2F065FF05
2F065FF07
2F065FF09
2F065GG04
2F065GG22
2F065GG23
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ26
2F065LL22
2F065PP22
2F065QQ31
(57)【要約】
被写体のビデオキャプチャは、前記被写体のビデオデータをキャプチャするための第1のIRカメラ、第2のIRカメラ及びカラーカメラと、ポストであって、前記第1のIRカメラ、前記第2のIRカメラ、及び前記カラーカメラは、前記ポストに取り付けられ、前記カラーカメラは、前記第1のIRカメラと前記第2のIRカメラとの間に位置決めされる、ポストと、前記被写体を照明するための少なくとも1つのIR光源と、前記第1のIRカメラ及び前記第2のIRカメラからのデータを使用して、前記被写体に対する奥行きソルブデータを生成し、前記カラーカメラからのデータを使用して、前記奥行きソルブデータ上に色を投影することによって、投影カラーデータを生成し、前記奥行きソルブデータと前記投影カラーデータとをマージすることによって、最終キャプチャデータを生成するように構成されるプロセッサと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体のビデオキャプチャのためのシステムであって、
前記被写体のビデオデータをキャプチャするための第1の赤外線(IR)カメラと、
前記被写体の前記ビデオデータをキャプチャするための第2のIRカメラと、
前記被写体の前記ビデオデータをキャプチャするためのカラーカメラと、
ポストであって、前記第1のIRカメラ、前記第2のIRカメラ、及び前記カラーカメラは、前記ポストに取り付けられ、前記カラーカメラは、前記第1のIRカメラと前記第2のIRカメラとの間に位置決めされる、ポストと、
前記被写体を照明するための少なくとも1つのIR光源と、
前記第1のIRカメラと、前記第2のIRカメラと、前記カラーカメラとに接続されるプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記第1のIRカメラ及び前記第2のIRカメラからのデータを使用して、前記被写体に対する奥行きソルブデータ(depth solve data)を生成し、
前記カラーカメラからのデータを使用して、前記奥行きソルブデータ上に色を投影することによって、投影カラーデータを生成し、
前記奥行きソルブデータと前記投影カラーデータとをマージすることによって、最終キャプチャデータを生成する、
ように構成される、プロセッサと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
少なくとも2以上のIRカメラと、
少なくとも1以上のカラーカメラと、
を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記カメラは、3つのカメラをグループにして配置されて、ノードのシステムを形成し、各ノードは、2つの赤外線カメラと、カラーカメラとを有することを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、全ての前記カメラからのデータを使用して、前記最終キャプチャデータを生成することを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポストに取り付けられて、前記被写体上にレーザパターンを投影するためのレーザを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記レーザは、各カメラノード位置から投影するように構成されることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のIRカメラ及び前記第2のIRカメラの各々は、可視光を除去するフィルタを含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記フィルタは、700~715nmの範囲内のハイカットフィルタであることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
IR遮断塗料で構成される背景パネル、
を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記被写体に塗布されるIR顔料、
を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
被写体のビデオキャプチャのための方法であって、
第1のIRカメラ及び第2のIRカメラからのデータを使用して、前記被写体に対する奥行きソルブデータを生成するステップと、
カラーカメラからのデータを使用して、前記奥行きソルブデータ上に色を投影することによって、投影カラーデータを生成するステップと、
前記奥行きソルブデータと前記投影カラーデータとをマージすることによって、最終キャプチャデータを生成するステップと、
を含み、
前記カラーカメラは、前記第1のIRカメラと前記第2のIRカメラとの間に位置決めされる、
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
少なくとも1つのIR光源を使用して、前記被写体を照明するステップ、
を更に含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも2以上のIRカメラと、少なくとも1以上のカラーカメラとを、3つのカメラをグループにして配置して、ノードのシステムを形成し、各ノードは、2つの赤外線カメラと、カラーカメラとを有する、ステップ、
を更に含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
全ての前記カメラからのデータを使用して、前記最終キャプチャデータを生成することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記被写体上にレーザパターンを投影するステップ、
を更に含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記レーザパターンは、各カメラノード位置から投影されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のIRカメラ及び前記第2のIRカメラの各々は、可視光を除去するフィルタを含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記フィルタは、700~715nmの範囲内のハイカットフィルタであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
IR遮断塗料で構成される背景パネルを設けるステップ、
を更に含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
被写体のビデオをキャプチャするためのコンピュータプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは実行可能命令を含み、前記実行可能命令は、コンピュータに、
第1のIRカメラ及び第2のIRカメラからのデータを使用して、前記被写体に対する奥行きソルブデータを生成することと、
カラーカメラからのデータを使用して、前記奥行きソルブデータ上に色を投影することによって、投影カラーデータを生成することと、
前記奥行きソルブデータと前記投影カラーデータとをマージすることによって、最終キャプチャデータを生成することと、
を行わせ、
前記カラーカメラは、前記第1のIRカメラと前記第2のIRカメラとの間に位置決めされる、
ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、被写体のビデオキャプチャに関し、具体的には、マルチスペクトル赤外線カメラとカラーカメラとの組み合わせを使用するビデオキャプチャに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 多くの場合、グリーン又はブルースクリーンを使用して、被写体のモーションをキャプチャして、後で、特殊効果においてカスタム背景とモーションを合成する。しかしながら、グリーンスクリーンキャプチャは、被写体の照明に制約を課し、被写体上へのグリーン背景の「カラーブリーディング」を発生させる可能性もあるので、グリーンスクリーンの使用を避けることは有用であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003] 本開示は、IRパターンと組み合わせて、マルチスペクトル赤外線(IR)カメラとカラーカメラとの組み合わせを使用する被写体のビデオキャプチャを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 1つの実装では、被写体のビデオキャプチャのためのシステムを開示する。前記システムは、前記被写体のビデオデータをキャプチャするための第1のIRカメラと、前記被写体の前記ビデオデータをキャプチャするための第2のIRカメラと、前記被写体の前記ビデオデータをキャプチャするためのカラーカメラと、ポストであって、前記第1のIRカメラ、前記第2のIRカメラ、及び前記カラーカメラは、前記ポストに取り付けられ、前記カラーカメラは、前記第1のIRカメラと前記第2のIRカメラとの間に位置決めされる、ポストと、前記被写体を照明するための少なくとも1つのIR光源と、前記第1のIRカメラと、前記第2のIRカメラと、前記カラーカメラとに接続されるプロセッサであって、前記プロセッサは、前記第1のIRカメラ及び前記第2のIRカメラからのデータを使用して、前記被写体に対する奥行きソルブデータ(depth solve data)を生成し、前記カラーカメラからのデータを使用して、前記奥行きソルブデータ上に色を投影することによって、投影カラーデータを生成し、前記奥行きソルブデータと前記投影カラーデータとをマージすることによって、最終キャプチャデータを生成するように構成されるプロセッサと、を含む。
【0005】
[0005] 別の実装では、被写体のビデオキャプチャのための方法を開示する。前記方法は、第1のIRカメラ及び第2のIRカメラからのデータを使用して、前記被写体に対する奥行きソルブデータを生成するステップと、カラーカメラからのデータを使用して、前記奥行きソルブデータ上に色を投影することによって、投影カラーデータを生成するステップと、前記奥行きソルブデータと前記投影カラーデータとをマージすることによって、最終キャプチャデータを生成するステップと、を含み、前記カラーカメラは、前記第1のIRカメラと前記第2のIRカメラとの間に位置決めされる。
【0006】
[0006] 別の実装では、被写体のビデオをキャプチャするためのコンピュータプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を開示する。前記コンピュータプログラムは実行可能命令を含み、前記実行可能命令は、コンピュータに、第1のIRカメラ及び第2のIRカメラからのデータを使用して、前記被写体に対する奥行きソルブデータを生成することと、カラーカメラからのデータを使用して、前記奥行きソルブデータ上に色を投影することによって、投影カラーデータを生成することと、前記奥行きソルブデータと前記投影カラーデータとをマージすることによって、最終キャプチャデータを生成することと、を行わせ、前記カラーカメラは、前記第1のIRカメラと前記第2のIRカメラとの間に位置決めされる。
【0007】
[0007] 本開示の態様を一例として示す本明細書からは、他の特徴及び利点も明らかになるはずである。
【0008】
[0008] 同じ部分を同じ参照数字によって示す添付図面を検討することにより、本開示の詳細をその構造及び動作の両方に関して部分的に収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の1つの実装による、ビデオキャプチャのためのビデオシステムのブロック図である。
【
図2】本開示の1つの実装による、被写体のビデオキャプチャのための方法のフロー図である。
【
図3A】本開示の実装による、コンピュータシステム及びユーザの図である。
【
図3B】本開示の実装による、ビデオアプリケーションをホストするコンピュータシステムを示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0013] 上記のように、従来のグリーンスクリーンキャプチャは、被写体の照明に制約を課し、被写体上へのグリーン背景の「カラーブリーディング」を発生させる可能性もある。
【0011】
[0014] 本開示の特定の実装は、ビデオデータを処理するためのシステム及び方法を提供する。1つの実装では、ビデオシステムは、IRパターンと組み合わせて、マルチスペクトルIRカメラとカラーカメラとの組み合わせを使用して、被写体及び環境及び背景のビデオデータをキャプチャする。このシステムは、グリーンスクリーンを使用することなくボリュームデータをキャプチャして、奥行きを含む背景から被写体を分離する。これにより、背景の心配なく自由に被写体を照明することが可能になる。
【0012】
[0015] 以下の説明を読んだ後には、様々な実装及び用途における本開示の実施方法が明らかになるであろう。本明細書では本開示の様々な実装について説明するが、これらの実装は、限定ではなく一例として提示するものにすぎないと理解されたい。したがって、様々な実装についての詳細な説明は、本開示の範囲又は外延を限定するものとして解釈すべきではない。
【0013】
[0016] 実装で提供する特徴は、以下の項目、すなわち、(a)モーション結合点からの構造を使用する奥行きの点三角測量、(b)赤外線カメラとカラーカメラとの組み合わせ、(c)特定の順序、すなわちIR、カラー、IRの順にカメラを配置して、2又は3以上のIRカメラの寄与を含む奥行きソルブのために、左右のIRカメラを使用すること、(d)IR LEDフラッドライトを使用して、IR奥行きキャプチャの被写体を照明してマットを作成すること、(e)(可視スペクトル光データをキャプチャする)センターカラーカメラを使用して、IRカメラの奥行きソルブ上に色を投影すること、(f)3台のカメラのグループを最少1つ使用するが、被写体に応じて3台のカメラのグループをN個まで拡張可能であること、及び(g)IR吸収顔料を使用して、センサに戻るIR光を遮断すること、のうちの1又は2以上を含むことができるが、これらに限定されない。
【0014】
[0017] 1つの実装では、ビデオシステムは、ビデオ制作又はスタジオ環境で使用され、画像キャプチャのための1又は2以上のカメラと、1又は2以上のセンサと、カメラデータ及びセンサデータを処理するための1又は2以上のコンピュータとを含む。IRカメラとカラーカメラとの組み合わせを含むモーションのための構造を使用することによって、システムは、グリーンスクリーンを使用することなく、キャプチャされた被写体の照明及び露出のために完全に自由にボリュームデータをキャプチャする。グリーンスクリーンキャプチャは、被写体の照明に制約を課し、被写体上へのグリーン背景の「カラーブリーディング」を発生させる可能性もあるので、グリーンスクリーンの使用を避けることは有用である。
【0015】
[0018]
図1は、本開示の1つの実装による、ビデオキャプチャのためのビデオシステム100のブロック図である。
図1に示す実装では、ビデオシステム100は、第1のIRカメラ110と、第2のIRカメラ114と、カラーカメラ112と、ポスト140と、少なくとも1つのIR光源120、122と、プロセッサ130とを含む。
【0016】
[0019] 1つの実装では、第1のIRカメラ110、第2のIRカメラ114、及びカラーカメラ112は、被写体104のビデオデータをキャプチャするように構成される。奥行きソルブのために、2つのIRカメラを使用する。更に、1つの実装では、第1のIRカメラ110、第2のIRカメラ114、及びカラーカメラ112は全て、ポスト140に取り付けられて、カラーカメラ112は、第1のIRカメラ110と第2のIRカメラ114との間に位置決めされるようにする。別の実装では、カラーカメラ112は、ポスト140に取り付ける必要なく、第1のIRカメラ110と第2のIRカメラ114との間に位置決めされるが、互いに取り付けられる又はテーブル上に位置決めされるなどの他の手段で位置決めされる。更なる実装では、IR光源120、122は、被写体104を照明するように構成される。
【0017】
[0020] 1つの実装では、プロセッサ130は、第1のIRカメラ110、第2のIRカメラ114、及びカラーカメラ112に接続される。プロセッサ130は、(a)第1のIRカメラ110及び第2のIRカメラ114からのデータを使用して、被写体に対する奥行きソルブデータ111、115を生成し、(b)カラーカメラ112からのデータを使用して、奥行きソルブデータ111、115上に色を投影することによって、投影カラーデータ113を生成し、(c)奥行きソルブデータ111、115と投影カラーデータ113とをマージすることによって、最終キャプチャデータ132を生成するように構成される。プロセッサ130は、全てのカメラからのデータを使用して、最終キャプチャデータを生成する。更に、プロセッサ130は、全てのカメラからのデータを使用して、最終キャプチャデータを生成する。
【0018】
[0021] 更なる実装では、ビデオシステム100は、少なくとも1以上のカラーカメラと、少なくとも2以上のIRカメラとを含み、被写体104のビデオデータをキャプチャする。別の実装では、カメラは、3つのカメラをグループにして配置されて、ノードのシステムを形成し、各ノードは、2つのIRカメラと、カラーカメラとを有する。
【0019】
[0022] 更なる実装では、ビデオシステム100は、ポスト140に取り付けられて、被写体104上にレーザパターンを投影するためのレーザ124も含む。1つの実装では、各カメラノード位置から830nmのレーザを投射して、被写体上にレーザパターンを投影することにより、2つのIRカメラのためのコントラスト及び奥行きキャプチャソルブを助ける。
【0020】
[0023] 更なる実装では、IRカメラ110、114の各々は、可視光を除去するフィルタを含む。1つの実装では、フィルタは、700~715nmのハイカットフィルタである。1つの実装では、ビデオシステム100は、また、IRで被写体104を照明するために被写体104の周囲に位置決めされるIRフラッドライト(例えば850nmのLEDフラッドライト)を含む。これにより、被写体104の周囲の輝度マット及び一定のエッジを可能にして、キャプチャされた被写体104から背景102を分離して、奥行き生成を支援することができる。1つの実装では、背景102は、IR遮断塗料で構成されて、奥行き生成のために結合点(2又は3以上の画像内で識別されて基準点として選択される特徴)を保つためにキャプチャされている被写体104の背後に「ブラックホール」を作成する。ビデオシステム100は、モーションからの構造を使用して、各ビュー間の画像結合点に依拠して奥行きを測定する。1つの実装では、被写体104にIR顔料を塗布して、2又は3以上のIRカメラのためのコントラスト及び奥行きキャプチャソルブを助ける。顔料は、IR光が皮膚内に散乱するのを低減又は抑制する。
【0021】
[0024] システム動作の一例では、人物のボリュメトリックキャプチャのために、ビデオシステムを使用する。カメラを設定する前に、オペレータは、最終制作に必要な被写体のカバレッジ、例えば180度を決定する。カメラは、ノードのシステム、例えば3台のカメラを3列含む3つのポストに配置される。ポストは、最大カバレッジのために被写体の周囲に配置される。カメラは全て、シャッタが同期する。次に、ビデオシステムは、カメラを使用して、被写体のための画像及びデータをキャプチャする。システムは、結果として得られるIRデータの奥行きソルブを実行して、ソルブ奥行きデータ(solved depth data)上に対応するカラーカメラデータを投影する。システムは、結果として得られる奥行きと投影カラーデータとをマージして、最終フルキャプチャにする。
【0022】
[0025]
図2は、本開示の1つの実装による、被写体のビデオキャプチャのための方法200のフロー図である。
図2に示す実装では、ブロック210において、第1のIRカメラ及び第2のIRカメラからのデータを使用して、被写体に対する奥行きソルブデータを生成する。更に、ブロック220において、カラーカメラからのデータを使用して、奥行きソルブデータ上に色を投影することによって、投影カラーデータを生成する。次に、ブロック230において、奥行きソルブデータと投影カラーデータとをマージすることによって、最終キャプチャデータを生成し、カラーカメラは、第1のIRカメラと第2のIRカメラとの間に位置決めされる。
【0023】
[0026] 1つの実装では、少なくとも1つのIR光源を使用して、被写体を照明する。更なる実装では、少なくとも1以上のカラーカメラと、少なくとも2以上のIRカメラとを、3つのカメラをグループにして配置して、ノードのシステムを形成し、各ノードは、2つの赤外線カメラと、カラーカメラとを有する。次に、全てのカメラからのデータを使用して、最終キャプチャデータを生成する。更なる実装では、被写体上にレーザパターンを投影する。1つの実装では、レーザパターンは、各カメラノード位置から投影される。1つの実装では、第1のIRカメラ及び第2のIRカメラの各々は、可視光を除去するフィルタを含む。1つの実装では、フィルタは、700~715nmの範囲内のハイカットフィルタである。更なる実装では、IR遮断塗料で構成される背景パネルを設ける。更なる実装では、被写体にIR顔料を塗布する。
【0024】
[0027]
図3Aは、本開示の実装による、コンピュータシステム300及びユーザ302の図である。ユーザ302は、コンピュータシステム300を使用して、
図1のビデオシステム100及び
図2の方法200に関して、被写体のビデオキャプチャのための技術を実装するためのビデオアプリケーション390を実装する。
【0025】
[0028] コンピュータシステム300は、
図3Bのビデオアプリケーション390を記憶して実行する。更に、コンピュータシステム300は、ソフトウェアプログラム304と通信することができる。ソフトウェアプログラム304は、ビデオアプリケーション390のためのソフトウェアコードを含むことができる。ソフトウェアプログラム304は、以下で更に説明するように、CD、DVD又はストレージドライブなどの外部媒体にロードすることができる。
【0026】
[0029] 更に、コンピュータシステム300は、ネットワーク380に接続することができる。ネットワーク380は、様々な異なるアーキテクチャ、例えば、クライアント-サーバアーキテクチャ、ピアツーピアネットワークアーキテクチャ、又は他のタイプのアーキテクチャにおいて接続することができる。例えば、ネットワーク380は、ビデオアプリケーション390内で使用されるエンジン及びデータを協調させるサーバ385と通信することができる。また、ネットワークは、異なるタイプのネットワークとすることができる。例えば、ネットワーク380は、インターネット、ローカルエリアネットワーク又はローカルエリアネットワークの任意の変形、ワイドエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、イントラネット又はエクストラネット、又は無線ネットワークとすることができる。
【0027】
[0030]
図3Bは、本開示の実装による、ビデオアプリケーション390をホストするコンピュータシステム300を示す機能ブロック図である。コントローラ310はプログラマブルプロセッサであり、コンピュータシステム300及びそのコンポーネントの動作を制御する。コントローラ310は、メモリ320又は内蔵コントローラメモリ(図示せず)から(例えばコンピュータプログラムの形で)命令をロードして、これらの命令を実行してシステムを制御する。その実行において、コントローラ310は、ビデオアプリケーション390にソフトウェアシステムを提供して、例えば、被写体のビデオキャプチャを可能にする。代替的に、このサービスは、コントローラ310又はコンピュータシステム300において別個のハードウェアコンポーネントとして実装することができる。
【0028】
[0031] メモリ320は、コンピュータシステム300の他のコンポーネントによって使用するためにデータを一時的に記憶する。1つの実装では、メモリ320はRAMとして実装される。1つの実装では、メモリ320は、また、フラッシュメモリ及び/又はROMなどの長期又は永久メモリを含む。
【0029】
[0032] ストレージ330は、コンピュータシステム300の他のコンポーネントによって使用するために、データを一時的に又は長期間にわたって記憶する。例えば、ストレージ330は、ビデオアプリケーション390によって使用されるデータを記憶する。1つの実装では、ストレージ330は、ハードディスクドライブである。
【0030】
[0033] メディアデバイス340は、リムーバブルメディアを受け入れて、挿入されたメディアに対してデータの読み出し及び/又は書き込みを行う。1つの実装では、例えば、メディアデバイス340は、光ディスクドライブである。
【0031】
[0034] ユーザインターフェイス350は、コンピュータシステム300のユーザからユーザ入力を受け取ってユーザ302に情報を提示するためのコンポーネントを含む。1つの実装では、ユーザインターフェイス350は、キーボード、マウス、オーディオスピーカ、及びディスプレイを含む。コントローラ310は、ユーザ302からの入力を使用して、コンピュータシステム300の動作を調整する。
【0032】
[0035] I/Oインターフェイス360は、1又は2以上のI/Oポートを含み、外部記憶又は補足装置(例えばプリンタ又はPDA)などの対応するI/Oデバイスに接続する。1つの実装では、I/Oインターフェイス360のポートは、USBポート、PCMCIAポート、シリアルポート、及び/又はパラレルポートなどのポートを含む。別の実装では、I/Oインターフェイス360は、外部装置と無線で通信するための無線インターフェイスを含む。
【0033】
[0036] ネットワークインターフェイス370は、イーサネット接続をサポートするRJ-45又は「Wi-Fi」インターフェイス(802.11を含むが、これに限定されるわけではない)などの有線及び/又は無線ネットワーク接続を含む。
【0034】
[0037] コンピュータシステム300は、コンピュータシステムに典型的な追加のハードウェア及びソフトウェア(例えば、電力、冷却、オペレーティングシステム)を含むが、これらのコンポーネントは、簡略化のために
図3Bに具体的に示されていない。他の実装では、コンピュータシステムの異なる構成を使用することができる(例えば、異なるバス又はストレージ構成又はマルチプロセッサ構成)。
【0035】
[0038] 開示した実装についての本明細書の説明は、当業者が本開示を実施又は利用できるように行ったものである。当業者には、これらの実装の多数の修正が容易に明らかになると思われ、また本明細書で定義した原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の実装にも適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に示す実装に限定されることを意図するものではなく、本明細書で開示した原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0036】
[0039] したがって、更なる変形及び実装も可能である。例えば、映画又はテレビジョンのためのビデオ制作に加えて、映画、テレビジョン、ゲームのためのバーチャルプロダクション(例えば仮想現実環境)、他のボリュメトリックキャプチャシステム及び環境、又はグリーンスクリーン動作に取って代わるための他のキャプチャシステムなどの他の用途に、本システム及び方法の実装を適用して適合させることができる。
【0037】
[0040] 上記の各実施例の全ての特徴が、本開示の特定の実装において必ずしも必要というわけではない。更に、本明細書で提示した説明及び図面は、本開示が広く意図する主題を表すものであると理解されたい。更に、本開示の範囲は、当業者にとって明らかになり得る他の実装を完全に含み、したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲以外のものによって限定されるものではないと理解されたい。
【符号の説明】
【0038】
100 ビデオシステム
102 背景
104 被写体
110 第1のIRカメラ
111,115 奥行きソルブデータ
112 カラーカメラ
113 投影カラーデータ
114 第2のIRカメラ
120,122 IR光源
124 レーザ
130 プロセッサ
132 最終キャプチャデータ
140 ポスト
200 被写体のビデオキャプチャのための方法
210 第1のIRカメラ及び第2のIRカメラからのデータを使用して、被写体に対する奥行きソルブデータを生成
220 カラーカメラからのデータを使用して、奥行きソルブデータ上に色を投影することによって、投影カラーデータを生成
230 奥行きソルブデータと投影カラーデータとをマージすることによって、最終キャプチャデータを生成
300 コンピュータシステム
302 ユーザ
304 ソフトウェアプログラム
310 コントローラ
320 メモリ
330 ストレージ
340 メディアデバイス
350 ユーザインターフェイス
360 I/Oインターフェイス
370 ネットワークインターフェイス
380 ネットワーク
385 サーバ
390 ビデオアプリケーション
【国際調査報告】