(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-04
(54)【発明の名称】第1および第2の液体を選択的に貯蔵および混合するデバイス
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20221222BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20221222BHJP
A45D 24/22 20060101ALI20221222BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20221222BHJP
A45D 19/02 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
B65D83/00 G
B05C5/00 101
A45D24/22 B
A45D24/22 D
A45D34/04 510Z
A45D19/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521989
(86)(22)【出願日】2019-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 US2019056578
(87)【国際公開番号】W WO2021076127
(87)【国際公開日】2021-04-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522144930
【氏名又は名称】クリエイティブ コスメティック コンセプツ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100138760
【氏名又は名称】森 智香子
(72)【発明者】
【氏名】ジブラウスキー、ジョシュア、ビー.
【テーマコード(参考)】
3B040
3E014
4F041
【Fターム(参考)】
3B040AE01
3E014PB03
3E014PB05
3E014PC03
3E014PC08
3E014PD30
3E014PE09
3E014PE14
3E014PE25
3E014PF06
4F041AB01
4F041BA12
4F041BA13
4F041BA32
4F041BA43
(57)【要約】
2種の液体を選択的に貯蔵および混合するデバイス。デバイスは、第1の液体を貯蔵するための第1の内部部分と、第2の液体を貯蔵するための第2の内部部分と、第1および第2の内部部分の中間のバルブとを備える。バルブは少なくとも2つの位置の間で移動し、第1の位置は第1および第2の液体が混合することを防止し、第2の位置は第1の位置は第1および第2の液体が混合することを可能にする。バルブは、第1の側から突出する第1の部材と、第2の側から突出する第2の部材とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の液体および第2の液体を選択的に貯蔵および混合するために構成および配設されたデバイスであって、前記デバイスは、
内容積を画定する壁を備えたハウジングと、
バルブと
を備え、前記バルブが、
バルブの第1の側とバルブの第2の側との間に延在する周状のバルブ外縁を備えたバルブ本体であって、前記バルブ外縁がバルブ外縁周囲を画定する、バルブ本体と、
前記第1の側から突出する第1のバルブ位置決め部材であって、前記第1のバルブ位置決め部材は、外力が前記第1のバルブ位置決め部材に作用していないときに第1のバルブ位置決め部材の第1の位置を有し、前記第1のバルブ位置決め部材の少なくとも一部は、前記第1のバルブ位置決め部材が前記第1のバルブ位置決め部材の第1の位置にあるときに前記バルブ外縁周囲の外側に延在する、第1のバルブ位置決め部材と、
前記第2の側から突出する第2のバルブ位置決め部材であって、前記第2のバルブ位置決め部材は、外力が前記第2のバルブ位置決め部材に作用していないときに第2のバルブ位置決め部材の第1の位置を有し、前記第2のバルブ位置決め部材の少なくとも一部は、前記第2のバルブ位置決め部材が前記第2のバルブ位置決め部材の第1の位置にあるときに前記バルブ外縁周囲の外側に延在する、第2のバルブ位置決め部材と
を備え、
前記バルブは、前記ハウジングの内側の前記内容積内に位置決めされ、前記バルブ外縁が前記バルブ外縁周囲の全体に沿って前記壁に対して着接する閉位置と、前記バルブ外縁の少なくとも一部が前記壁と接触していない開位置とから回転するように構成および配設され、
前記閉位置において、前記バルブは、前記バルブの前記第1の側に隣接する前記内容積内の第1の内部部分と、前記バルブの前記第2の側に隣接する前記内容積内の第2の内部部分とを画定し、
前記閉位置において、前記壁と前記第1のバルブ位置決め部材との間の相互作用によって、前記第1のバルブ位置決め部材が第1のバルブ位置決め部材の第2の位置に移動し、前記第1のバルブ位置決め部材の第2の位置にあるときに、前記第1のバルブ位置決め部材は、前記第1のバルブ位置決め部材の第1の位置に復帰しようとする間に前記壁に第1の力を及ぼし、
前記閉位置において、前記壁と前記第2のバルブ位置決め部材との間の相互作用によって、前記第2のバルブ位置決め部材が第2のバルブ位置決め部材の第2の位置に移動し、前記第2のバルブ位置決め部材の第2の位置にあるときに、前記第2のバルブ位置決め部材は、前記第2のバルブ位置決め部材の第1の位置に復帰しようとする間に前記壁に第2の力を及ぼし、
前記閉位置にある間に、前記バルブの領域における前記ハウジングの外部操作が前記閉位置から前記開位置への前記バルブの回転を引き起こし、前記第1のバルブ位置決め部材が前記第1のバルブ位置決め部材の第1の位置に移動し、前記第2のバルブ位置決め部材が前記第2のバルブ位置決め部材の第1の位置に移動するように、前記バルブが構成および配設される、デバイス。
【請求項2】
前記バルブが前記閉位置にあるときに、前記第1の液体が前記第1の内部部分に配置され、前記第2の液体が前記第2の内部部分に配置されることにより、前記第1および第2の液体の混合を防止する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1および第2の液体が髪染め剤を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1および第2のバルブ位置決め部材がバネを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1および第2のバルブ位置決め部材は、前記バルブが前記開位置に移動された後に前記閉位置に復帰しないように前記バルブを付勢する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記バルブ、前記第1のバルブ位置決め部材および前記第2のバルブ位置決め部材が、ポリプロピレンおよび熱可塑性エラストマの混和物から形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記閉位置にある前記バルブは、前記第1の内部部分内の前記第1の液体が前記第2の内部部分内の前記第2の液体と混合することを防止し、前記開位置にある前記バルブは、前記第1の内部部分内の前記第1の液体が前記第2の内部部分内の前記第2の液体と混合することを可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記閉位置にある前記バルブは、前記バルブ本体の前記バルブ外縁周囲と前記ハウジングの前記内部部分を画定する前記壁との間にシールを形成することで、前記第1および第2の液体の混合を防止する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1の髪染め剤が顕色剤または酸化剤であり、前記第2の髪染め剤が染料である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスが、前記ハウジングに着脱可能に取り付けられたアプリケータをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記バルブが、シリンダの円筒形セグメントを備え、前記円筒形セグメントが、前記シリンダの軸から角度を付けられた2つの平行な平面を境界とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記角度が45度を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記外部操作が、前記ハウジングを圧搾することを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記バルブ本体に隣接して配置されたバルブスタンドをさらに備え、前記バルブスタンドが、前記バルブスタンドに対する前記バルブ本体の回転を可能にするように構成および配設される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
バルブを備えた装置であって、前記バルブが、
バルブの第1の側とバルブの第2の側との間に延在する周状のバルブ外縁を備えたバルブ本体であって、前記バルブ外縁がバルブ外縁周囲を画定する、バルブ本体と、
前記第1の側から突出する第1のバルブ位置決め部材であって、前記第1のバルブ位置決め部材は、外力が前記第1のバルブ位置決め部材に作用していないときに第1のバルブ位置決め部材の第1の位置を有し、前記第1のバルブ位置決め部材の少なくとも一部は、前記第1のバルブ位置決め部材が前記第1のバルブ位置決め部材の第1の位置にあるときに前記バルブ外縁周囲の外側に延在する、第1のバルブ位置決め部材と、
前記第2の側から突出する第2のバルブ位置決め部材であって、前記第2のバルブ位置決め部材は、外力が前記第2のバルブ位置決め部材に作用していないときに第2のバルブ位置決め部材の第1の位置を有し、前記第2のバルブ位置決め部材の少なくとも一部は、前記第2のバルブ位置決め部材が前記第2のバルブ位置決め部材の第1の位置にあるときに前記バルブ外縁周囲の外側に延在する、第2のバルブ位置決め部材と
を備える、装置。
【請求項16】
内容積を画定する壁を備えたハウジングをさらに備え、
前記バルブは、前記ハウジングの内側の前記内容積内に位置決めされ、前記バルブ外縁が前記バルブ外縁周囲の全体に沿って前記壁に対して着接する閉位置と、前記バルブ外縁の少なくとも一部が前記壁と接触していない開位置とから回転するように構成および配設され、
前記閉位置において、前記バルブは、前記バルブの前記第1の側に隣接する前記内容積内の第1の内部部分と、前記バルブの前記第2の側に隣接する前記内容積内の第2の内部部分とを画定し、
前記閉位置において、前記壁と前記第1のバルブ位置決め部材との間の相互作用によって、前記第1のバルブ位置決め部材が第1のバルブ位置決め部材の第2の位置に移動し、前記第1のバルブ位置決め部材の第2の位置にあるときに、前記第1のバルブ位置決め部材は、前記第1のバルブ位置決め部材の第1の位置に復帰しようとする間に前記壁に第1の力を及ぼし、
前記閉位置において、前記壁と前記第2のバルブ位置決め部材との間の相互作用によって、前記第2のバルブ位置決め部材が第2のバルブ位置決め部材の第2の位置に移動し、前記第2のバルブ位置決め部材の第2の位置にあるときに、前記第2のバルブ位置決め部材は、前記第2のバルブ位置決め部材の第1の位置に復帰しようとする間に前記壁に第2の力を及ぼし、
前記閉位置にある間に、前記バルブの領域における前記ハウジングの外部操作が前記閉位置から前記開位置への前記バルブの回転を引き起こし、前記第1のバルブ位置決め部材が前記第1のバルブ位置決め部材の第1の位置に移動し、前記第2のバルブ位置決め部材が前記第2のバルブ位置決め部材の第1の位置に移動するように、前記バルブが構成および配設される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記バルブが前記閉位置にあるときに、第1の液体が前記第1の内部部分に配置され、第2の液体が前記第2の内部部分に配置されることにより、前記第1および第2の液体の混合を防止する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1および第2の液体が髪染め剤を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1および第2のバルブ位置決め部材がバネを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記第1および第2のバルブ位置決め部材は、前記バルブが前記開位置に移動された後に前記閉位置に復帰しないように前記バルブを付勢する、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記バルブ、前記第1のバルブ位置決め部材および前記第2のバルブ位置決め部材が、ポリプロピレンおよび熱可塑性エラストマの混和物から形成される、請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記閉位置にある前記バルブは、前記第1の内部部分内の前記第1の液体が前記第2の内部部分内の前記第2の液体と混合することを防止し、前記開位置にある前記バルブは、前記第1の内部部分内の前記第1の液体が前記第2の内部部分内の前記第2の液体と混合することを可能にする、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記閉位置にある前記バルブは、前記バルブ本体の前記バルブ外縁周囲と前記ハウジングの前記内部部分を画定する前記壁との間にシールを形成することで、前記第1および第2の液体の混合を防止する、請求項16に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の髪染め剤が顕色剤または酸化剤であり、前記第2の髪染め剤が染料である、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記ハウジングに着脱可能に取り付けられたアプリケータをさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項26】
前記バルブが、シリンダの円筒形セグメントを備え、前記円筒形セグメントが、前記シリンダの軸から角度を付けられた2つの平行な平面を境界とする、請求項15に記載の装置。
【請求項27】
前記角度が45度を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記外部操作が、前記ハウジングを圧搾することを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項29】
前記バルブ本体に隣接して配置されたバルブスタンドをさらに備え、前記バルブスタンドに対する前記バルブ本体の回転を可能にするように構成および配設される、請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、一般的に、液体を貯蔵するデバイスに関し、より詳細には、第1および第2の液体を選択的に貯蔵および混合するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
2種の異なる液体をそれらが互いに接触しないように貯蔵し、後に(しばしば使用直前に)2種の液体を一緒に混合することが望ましい多くの応用例がある。このような応用例の1つの実施形態は2液型エポキシ接着剤である。別の例は2液型髪染めである。
【0003】
髪染めは一般的に使用される物質であり、ユーザにとってより流行の、または望ましい容貌を提供すると考えられている。いくつもの異なる種類の髪染めが知られており、その中には一時的髪染め、セミパーマネント髪染め、デミパーマネント髪染め、およびパーマネント髪染めが最も一般的な種類である。一時的髪染めは、リンス、シャンプー、ジェル、スプレー、およびフォームによって得られるが、染料粒子が毛幹の外側に堆積するため、1回のシャンプーから次のシャンプーまでだけ持続する。セミパーマネント髪染めは、顕色剤、過酸化物またはアンモニアをまったく含まないか、非常に低レベルで含み、顔料分子が毛幹に部分的に浸透し得るため、色は通常4~5回のシャンプーまで持続する。デミパーマネント髪染めは、顕色剤およびアンモニア以外のアルカリ剤を含み、色は一般に20~28回のシャンプーまで持続する。パーマネント髪染めは、アルカリ化剤アンモニアおよび顕色剤を含み、その濃度はデミパーマネント髪染めで使用される顕色剤の濃度よりも高い。パーマネント髪染めは洗い流されず、黒い髪をより明るい色合いに染色するための唯一の方法である。
【0004】
デミパーマネント髪染めおよびパーマネント髪染めで使用される顕色剤は、キューティクルを開いて染料がキューティクル層に浸透することを可能にする酸化剤である。一般に、過酸化水素が顕色剤として使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
髪染め剤の市場では一般に、個人が、開封し、組み合わせ、混合してから、活性化した着色剤を自分の髪に塗布するという手順に従う必要がある。1つの間違いが染料を汚し、結果が所望されるものとは異なってしまう。混合は、所望される色を得るためには95%以上の精度で行われなければならず、これは達成するのが困難である。
【0006】
したがって、上記および他の応用例において、2種の液体を一緒に混合するプロセスをユーザにとって簡単にし、また混合結果をより正確にする需要がある。本明細書に開示される実施形態は、これらの需要を満たすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、第1の液体および第2の液体を選択的に貯蔵および混合するために構成および配設されたデバイスが開示される。デバイスは、内容積を画定する壁を備えたハウジングと、バルブとを備える。バルブはバルブ本体を備える。バルブ本体は、バルブの第1の側とバルブの第2の側との間に延在する周状のバルブ外縁を備え、バルブ外縁はバルブ外縁周囲を画定する。
【0008】
バルブは、第1のバルブ位置決め部材と、第2のバルブ位置決め部材とを備える。第1のバルブ位置決め部材は第1の側から突出し、第1のバルブ位置決め部材は、外力が第1のバルブ位置決め部材に作用していないときに第1のバルブ位置決め部材の第1の位置を有する。第1のバルブ位置決め部材の少なくとも一部は、第1のバルブ位置決め部材が第1のバルブ位置決め部材の第1の位置にあるときにバルブ外縁周囲の外側に延在する。第2のバルブ位置決め部材は第2の側から突出し、第2のバルブ位置決め部材は、外力が第2のバルブ位置決め部材に作用していないときに第2のバルブ位置決め部材の第1の位置を有する。第2のバルブ位置決め部材の少なくとも一部は、第2のバルブ位置決め部材が第2のバルブ位置決め部材の第1の位置にあるときにバルブ外縁周囲の外側に延在する。
【0009】
バルブは、ハウジングの内側の内容積内に位置決めされ、バルブ外縁がバルブ外縁周囲の全体に沿って壁に対して着接する閉位置と、バルブ外縁の少なくとも一部が壁と接触していない開位置とから回転するように構成および配設される。バルブが閉位置にあるとき、バルブは、バルブの第1の側に隣接する内容積内の第1の内部部分と、バルブの第2の側に隣接する内容積内の第2の内部部分とを画定する。閉位置において、壁と第1のバルブ位置決め部材との間の相互作用によって、第1のバルブ位置決め部材が第1のバルブ位置決め部材の第2の位置に移動する。第1のバルブ位置決め部材の第2の位置にあるときに、第1のバルブ位置決め部材は、第1のバルブ位置決め部材の第1の位置に復帰しようとする間に壁に第1の力を及ぼす。閉位置において、壁と第2のバルブ位置決め部材との間の相互作用によって、第2のバルブ位置決め部材が第2のバルブ位置決め部材の第2の位置に移動する。第2のバルブ位置決め部材の第2の位置にあるときに、第2のバルブ位置決め部材は、第2のバルブ位置決め部材の第1の位置に復帰しようとする間に壁に第2の力を及ぼす。
【0010】
閉位置にある間に、バルブの一領域におけるハウジングの外部操作が閉位置から開位置へのバルブの回転を引き起こし、第1のバルブ位置決め部材が第1のバルブ位置決め部材の第1の位置に移動し、第2のバルブ位置決め部材が第2のバルブ位置決め部材の第1の位置に移動するように、バルブが構成および配設される。
【0011】
別の実施形態では、バルブを備えた装置が開示され、バルブは、バルブの第1の側とバルブの第2の側との間に延在する周状のバルブ外縁を備えたバルブ本体であって、バルブ外縁がバルブ外縁周囲を画定する、バルブ本体と、第1の側から突出する第1のバルブ位置決め部材であって、第1のバルブ位置決め部材は、外力が第1のバルブ位置決め部材に作用していないときに第1のバルブ位置決め部材の第1の位置を有し、第1のバルブ位置決め部材の少なくとも一部は、第1のバルブ位置決め部材が第1のバルブ位置決め部材の第1の位置にあるときにバルブ外縁周囲の外側に延在する、第1のバルブ位置決め部材と、第2の側から突出する第2のバルブ位置決め部材であって、第2のバルブ位置決め部材は、外力が第2のバルブ位置決め部材に作用していないときに第2のバルブ位置決め部材の第1の位置を有し、第2のバルブ位置決め部材の少なくとも一部は、第2のバルブ位置決め部材が第2のバルブ位置決め部材の第1の位置にあるときにバルブ外縁周囲の外側に延在する、第2のバルブ位置決め部材とを備える。
【0012】
他の実施形態も開示される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、詳細な説明および添付図面から、より十分に理解されるであろう。
【0014】
【
図1】一実施形態に従って形成された、第1および第2の液体を選択的に貯蔵および混合するデバイスの分解組立図である。
【0015】
【
図2】バルブが閉位置にある、
図1に示したデバイスの組立断面図である。
【0016】
【
図3】バルブが開位置にある、
図1に示したデバイスの組立断面図である。
【0017】
【
図4】一実施形態に従って形成された、第1および第2の液体を選択的に貯蔵および混合するデバイスの分解組立図である。
【0018】
【
図5】バルブが閉位置にある、
図4に示したデバイスの組立断面図である。
【0019】
【
図6】バルブが開位置にある、
図4に示したデバイスの組立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の原理の理解を促進する目的のため、以下、図面に示される実施形態を参照し、特定の用語を用いてそれらの実施形態を説明する。それにもかかわらず、本発明の範囲のいかなる限定も意図されていないと理解されたい。本発明が関係する当業者にとって普通に想到されるような、図示したデバイスにおける改変および変更、ならびに例示される本発明の原理のさらなる応用例が考慮され、保護されることが要求される。このような代替的実施形態は、本明細書に記載される実施形態に対する、当業者にとって明らかな何らかの適応を必要とする。
【0021】
図1~
図6は、第1および第2の液体を選択的に貯蔵および混合するデバイスを対象とする本発明の実施形態を示している。図示した実施形態は、本明細書では便宜上、髪染め剤を混合し人の髪に塗布するデバイスおよび方法に関して説明されるが、当業者には認識されるように、本明細書に開示されるデバイスおよび方法は、2種の液体を別個に貯蔵してから、後の時刻にそれらを一緒に混合することが所望されるさまざまな応用例における有用な応用を見出すであろう。さらに、バルブのさまざまな実施形態が開示され、それらは2種の液体を選択的に貯蔵および混合することに加えて多くの応用例を見出すであろう。
【0022】
図1~
図3を参照すると、髪染め剤を貯蔵し、混合し、人の髪に塗布するために有用なデバイス100の一実施形態が示されている。デバイス100は、内容積111を画定するハウジング110と、バルブ140とを備え得る。ハウジングは、壁114と、第1端112と、第2端113と、第1のキャップ118と、第2のキャップ150とを備え得る。バルブ140はバルブ本体141を備えることができ、バルブ本体141は、バルブ外縁周囲を画定する周状のバルブ外縁147と、バルブの第1の側148と、バルブの第2の側149と、第1のバルブ位置決め部材142と、第2のバルブ位置決め部材144とを備えることができる。
【0023】
本明細書で使用される場合、第1端112および第2端113は、デバイス100の上部および下部またはその逆を記述することに限定されるべきではない。いくつかの実施形態では、第1端112は、壁114に着脱可能もしくは永久的に取り付けられた、または壁114と一体的に形成された、アプリケータ116を含み得る。第2端113は、壁114に着脱可能もしくは永久的に取り付けられた、または壁114と一体的に形成された、第2のキャップ150を含み得る。アプリケータ116は、髪染め剤がデバイス100から吐出されることを可能にするためにアプリケータ116を貫通して形成された1つまたは複数の通路119を含み得る。アプリケータ116はブラシ部分117を含み得る。第1のキャップ118は、非使用時にアプリケータ116を覆うために使用され得る。
【0024】
バルブ本体の周状のバルブ外縁147は、バルブの第1の側148とバルブの第2の側149との間に延在することができ、周状のバルブ外縁147はバルブ外縁周囲を画定する。第1のバルブ位置決め部材142はバルブの第1の側148から突出し得る。第1のバルブ位置決め部材142は、外力が第1のバルブ位置決め部材142に作用していないときに第1のバルブ位置決め部材の第1の位置145aを有し得る。第1のバルブ位置決め部材142の少なくとも一部は、第1のバルブ位置決め部材142が第1のバルブ位置決め部材の第1の位置145aにあるときにバルブ外縁147の周囲の外側に延在し得る。
【0025】
第2のバルブ位置決め部材144はバルブの第2の側149から突出し得る。第2のバルブ位置決め部材144は、外力が第2のバルブ位置決め部材144に作用していないときに第2のバルブ位置決め部材の第1の位置145bを有し得る。第2のバルブ位置決め部材144の少なくとも一部は、第2のバルブ位置決め部材144が第2のバルブ位置決め部材の第1の位置145bにあるときにバルブ外縁147の周囲の外側に延在し得る。
【0026】
バルブ140は、ハウジング110の内側の内容積111内に位置決めされることができ、バルブ外縁147がバルブ外縁147の周囲の全体に沿って壁114に対して着接する閉位置146(
図2に示す)から回転するように構成および配設されることができる。バルブ140が開位置145(
図3に示す)にあるとき、バルブ外縁147の少なくとも一部が壁114と接触していない。
【0027】
ハウジング110の内側の閉位置146において、バルブ140は、バルブの第1の側148に隣接する内容積111内の第1の内部部分120と、バルブの第2の側149に隣接する内容積111内の第2の内部部分130とを画定する。閉位置146において、壁114と第1のバルブ位置決め部材142との間の相互作用によって、第1のバルブ位置決め部材142が第1のバルブ位置決め部材の第2の位置146aに移動し得る。第1のバルブ位置決め部材の第2の位置146aにあるときに、第1のバルブ位置決め部材142は、第1のバルブ位置決め部材の第1の位置145aに復帰しようとする間に壁114に第1の力を及ぼし得る。
【0028】
閉位置146において、壁114と第2のバルブ位置決め部材144との間の相互作用によって、第2のバルブ位置決め部材144が第2のバルブ位置決め部材の第2の位置146bに移動し得る。第2のバルブ位置決め部材の第2の位置146bにあるときに、第2のバルブ位置決め部材144は、第2のバルブ位置決め部材の第1の位置145bに復帰しようとする間に壁114に第2の力を及ぼし得る。バルブ140が閉位置146にある間に、バルブ140の一領域におけるハウジング110の外部操作が閉位置146から開位置145へのバルブ140の回転を引き起こすことができ、第1のバルブ位置決め部材142が第1のバルブ位置決め部材の第1の位置145aに移動することができ、第2のバルブ位置決め部材144が第2のバルブ位置決め部材の第1の位置145bに移動することができる。このような外部操作は、2つだけ非限定的な例を挙げれば、ハウジング110に外部圧力を加えること、またはハウジング110を圧搾することなどの、多くの形態をとり得る。
【0029】
バルブ140が閉位置146にある間に、第1および第2のバルブ位置決め部材142、144は、第1および第2の内部部分120、130の中間の内容積111を包囲する壁114に当接し得る。第1および第2の内部部分120、130は、いくつかの実施形態では、実質的に等しい容積を有することができ、他の実施形態では実質的に異なる容積を有することができる。
【0030】
第1および第2のバルブ位置決め部材142、144は、バルブ140が開位置145へと作動した後に閉位置146に復帰することを防止し得る。第1および第2のバルブ位置決め部材142、144は、それらのそれぞれの第1の位置145a、145bに跳ね返り、開位置145においてバルブ本体141のバルブ外縁147の周囲の外側でアーチ状になるように構成および配設され得る。図示した第1および第2のバルブ位置決め部材142、144の代わりに、バルブ140が開位置から閉位置に移動することを防止するための他のメカニズムを使用してもよいことは理解されるであろう。
【0031】
閉位置146にあるバルブ140は、第1の内部部分120内の第1の髪染め剤が第2の内部部分130内の第2の髪染め剤と混合することを防止し得る。開位置145にあるバルブ140は、第1の内部部分120内の第1の髪染め剤が第2の内部部分130内の第2の髪染め剤と混合することを可能にし得る。閉位置146にあるバルブ140は、バルブ本体141のバルブ外縁147と壁114との間にシールを形成することにより、ハウジング110の内部部分120、130を画定し、第1および第2の髪染め剤の混合を防止する。髪染め剤は、顕色剤、酸化剤および/または髪染料もしくは染料であり得る。例えば、第1の髪染め剤は顕色剤または酸化剤であり、第2の髪染め剤は染料であり、またはその逆であり得る。
【0032】
バルブ140は、シリンダの軸から45度の角度を付けられた2つの平行な平面を境界とする円筒形セグメントであり得る。他の実施形態では、平面はシリンダの軸から45度よりも小さい、または45度よりも大きい角度を付けられ得る。ハウジング110の外側の静的状態において、第1のバルブ位置決め部材142および第2のバルブ位置決め部材144の両方は、バルブ140の外縁周囲147から離れてアーチ状になり、第1および第2のバルブ位置決め部材142、144がバルブ140の円筒形セグメントの周囲の外側に延在するようにすることができる。バルブ140およびバルブ位置決め部材142、144は、一実施形態ではポリプロピレン(PP)からなり、これは屈曲し、屈曲状態にある間、材料が
図1に示すようなその成形形状に復帰しようとするため、バネのように作用し得る。
【0033】
デバイス100は、バルブ140がハウジング110の内側の適所に設置されるための小さい基準形状を含み得る。バルブ140がハウジング110の内側に挿入され、外縁147の周囲がハウジング110の内面114に接触しながら閉位置146に位置決めされるとき、バルブ位置決め部材142、144は、
図2に示すように、外縁周囲147の内側に屈曲するように付勢されることができ、バルブ140がハウジング110の内側にあるときに、バルブ140の外縁147とハウジング110の壁114との間にシールを形成することができる(壁114が弁座として作用する)。この位置で、バルブ140の長手軸は、ハウジング110の長手軸と約45度の角度を形成する。理解されるように、バルブ140の長手軸とハウジング110の長手軸との間に形成される角度は、バルブ140の円筒形セグメントを画定する2つの平行な平面と、円筒形セグメントが形成されるシリンダの軸との間に形成される角度に依存する。この位置で、バルブ位置決め部材142、144は、
図1および
図3に示すようにそれらの自然な位置に復帰しようとする。
【0034】
バルブ位置決め部材142、144のバネ力は、ユーザ動作なしにはハウジング110に対するバルブ140の何らかの移動を引き起こすために十分には強くない。このようなユーザ動作は、バルブ140の領域におけるハウジング110の外側の外部操作によって達成されることができ、それによりバルブ140を回転し、圧搾力が加えられる場所でハウジング110の壁114から離れるようにバルブ外縁147を変位させることで、バルブ140のバルブ外縁147とハウジング110の壁114との間に形成されたシールを破る。バルブ140が回転し始めると、バルブ位置決め部材142、144は閉位置146から押し出され、開位置145に収まる。バルブ位置決め部材142、144が閉位置146に屈曲されていると、それらのバネ力は開位置145への移動の方向に向けられ、開位置145はそれらの自然な緩和状態である。バルブ140がいったん開位置145に移動されると閉位置146に戻ることはできないが、その理由は、バルブ位置決め部材142、144がいったんそれらの自然な状態に復帰すると、バルブ140の戻りを防止するからである。
【0035】
ハウジング110、アプリケータ116、第1のキャップ118、および第2のキャップ150などの、デバイス100のほとんどの構成要素は、汎用の熱可塑性物質から構成されることができ、1つだけ非限定的な例を挙げれば、射出成形によって作ることができる。上記の構成要素は、実質的に化学的耐性があり、1つだけ非限定的な例を挙げれば皮膚接触がFDA標準に従う髪染め剤などの、所望される液体を保持するのに適した材料からなることができる。例えば、上記の構成要素は、少数だけ非限定的な例を挙げれば、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリエチレンテレフタレート、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、および85%PP-25%TPE混和物などのPP-TPE混和物からなり得る。上記の構成要素は、貯蔵された液体に対する耐性を備え、人間による使用にとって安全である限り、任意の種類の材料またはプラスチックからなり得る。熱可塑性物質からなるものなどの構成要素のほとんどは、押出成形、ブロー成形、またはストレッチ成形によっても作ることができる。
【0036】
デバイス100は、適用範囲において、本明細書に示される特定の実施形態に限定されるべきではない。デバイス100は、複数のサイズ、形状で作られ、相異なる量の流体を保持することができる。非限定的な例として、デバイス100は円筒形状を有し得る。
【0037】
別の実施形態では、
図4~
図6に示すように、デバイス200はハウジング210およびバルブ240を備え得る。ハウジングは、内容積211を画定する壁214と、第1端212と、第2端213と、第1のキャップ218と、第2のキャップ250と、アプリケータ213とを備え得る。バルブ240はバルブ本体241を備えることができ、バルブ本体241は、バルブの第1の側248と、バルブの第2の側249と、バルブ外縁周囲を画定するバルブ本体周状外縁247と、第1のバルブ位置決め部材242と、第2のバルブ位置決め部材244と、バルブスタンド260とを備えることができる。アプリケータ213は、髪染め剤をデバイス200から吐出するために使用され得る1つまたは複数の通路219を含み得る。アプリケータ213はブラシ部分217を含み得る。第1のキャップ218は、非使用時にアプリケータ213を覆うために使用され得る。
【0038】
周状のバルブ外縁247は、バルブの第1の側248とバルブの第2の側249との間に延在することができ、バルブ外縁247はバルブ外縁周囲を画定する。第1のバルブ位置決め部材242は第1の側248から突出し得る。第1のバルブ位置決め部材242は、外力が第1のバルブ位置決め部材242に作用していないときに第1のバルブ位置決め部材の第1の位置245aを有し得る。第1のバルブ位置決め部材242の少なくとも一部は、第1のバルブ位置決め部材242が第1のバルブ位置決め部材の第1の位置245aにあるときにバルブ外縁247の周囲の外側に延在し得る。
【0039】
第2のバルブ位置決め部材244は第2の側249から突出し得る。第2のバルブ位置決め部材244は、外力が第2のバルブ位置決め部材244に作用していないときに第2のバルブ位置決め部材の第1の位置245bを有し得る。第2のバルブ位置決め部材244の少なくとも一部は、第2のバルブ位置決め部材244が第2のバルブ位置決め部材の第1の位置245bにあるときにバルブ外縁247の周囲の外側に延在し得る。
【0040】
デバイス200は、1つの非限定的な例では髪染め剤などの、2種以上の液体を収容することができ、少なくとも1種はハウジング210内の第1の内部部分220内に、少なくとも別の1種はハウジング210内の第2の内部部分230内に収容し、それらの間にバルブ240がある。バルブ240は、バルブ240の領域におけるハウジング210の外部操作によって作動することができ、これが閉位置246から開位置245へのバルブ240の回転を引き起こし、第1のバルブ位置決め部材242は第1のバルブ位置決め部材の第1の位置245aに移動することができ、第2のバルブ位置決め部材244は第2のバルブ位置決め部材の第1の位置245bに移動することができる。
【0041】
図4~
図6に示すように、バルブ240は、バルブ本体241に隣接して配置されたバルブスタンド260を含むことができ、バルブスタンド260は、バルブスタンド260に対するバルブ本体の回転を可能にするように構成および配設される。バルブスタンド260は、ハウジング210の内側におけるバルブ240の位置づけを支援する。例えば、バルブスタンド260は、バルブスタンド260から延在するタブ252によって、ハウジング210の長手軸から所望される角度に、例えば一実施形態では45度に、バルブ240の長手軸を位置決めすることを支援し得る。バルブスタンド260はまた、バルブスタンド260の長手方向長さのおかげで、ハウジング210の長手軸に沿ったバルブ240の場所を決定することを支援し得る。バルブスタンド260は、閉位置246(
図5)から開位置245(
図6)にバルブ240を移動させることを支援してもしなくてもよい。一実施形態では、バルブスタンド260は、以下のステップでハウジング210内に装着され得る:(1)第1の薬剤がハウジング210に入れられ、第1の内部部分220を占める;(2)第1のバルブ位置決め部材242および第2のバルブ位置決め部材244が第1の位置245にあり、バルブ240が壁214に対して着接した状態で、バルブ240がハウジング210に挿入される;(3)その後、バルブ240を第1の位置245に位置決めして固定するために、バルブスタンド260がハウジング210に挿入され、バルブ240と接続してもよい;(4)第2の薬剤がハウジング210に入れられ、第2の内部部分230を占める;(4)ハウジング210が、アプリケータ213の反対側の端で、第2のキャップ250で封止される。デバイス200の使用法は、デバイス100に関して上記で説明したのと同じである。
【0042】
詳細な説明は本発明の実現可能な実施形態を詳述しているが、実施形態は本発明の特許される範囲および請求項に対する限定と解釈されるべきではなく、さらに、本発明の技術思想に基づくすべての均等な適応および変更は、本明細書の発明の範囲および請求項において保護されたままとされるべきである。
【国際調査報告】