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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-04
(54)【発明の名称】容器および製造の方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/22 20060101AFI20221222BHJP
   B29C 49/06 20060101ALI20221222BHJP
   B29B 11/08 20060101ALI20221222BHJP
   B29C 45/13 20060101ALI20221222BHJP
   B29C 45/16 20060101ALI20221222BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20221222BHJP
   B65D 1/00 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
B29C49/22
B29C49/06
B29B11/08
B29C45/13
B29C45/16
B65D1/02 100
B65D1/00 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522624
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 US2020058800
(87)【国際公開番号】W WO2021091955
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/930,220
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522149142
【氏名又は名称】リング コンテナ テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ケリー,ポール,ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ダイガート,ダグラス,マイルズ
(72)【発明者】
【氏名】フットラル,ダニエル,エム.
【テーマコード(参考)】
3E033
4F201
4F206
4F208
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033AA03
3E033BA18
3E033BA30
3E033BB04
3E033BB08
3E033CA03
3E033CA20
3E033DA03
3E033DA04
3E033DB01
3E033DB03
3E033DD02
3E033FA02
3E033FA03
3E033GA02
4F201AA24
4F201AB01
4F201AG03
4F201AG07
4F201AH55
4F201AR12
4F201BA03
4F201BC01
4F201BD04
4F201BD06
4F201BM05
4F201BM13
4F206AA24
4F206AG03
4F206AG07
4F206AH55
4F206AR12
4F206JA06
4F206JL02
4F206JN12
4F206JQ81
4F206JW41
4F208AA24
4F208AB01
4F208AG03
4F208AG07
4F208AH55
4F208AR12
4F208LA08
4F208LB01
4F208LG03
4F208LG06
4F208LG14
4F208LG15
4F208LG28
4F208LH06
(57)【要約】
容器(10)を製造するための方法は、第1の材料(60)を第1の金型(50)に注入して、プリフォーム(18)の上部分(25)を形成することを含む。第1の材料(60)および第2の材料(62)は、第1の金型(50)に注入されて、プリフォーム(18)の下部分(35)を形成する。プリフォーム(18)は、第2の金型(50)に配設される。プリフォーム(18)は、完成した容器(10)にブロー成形される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料を第1の金型に注入して、プリフォームの上部分を形成することと、
前記第1の材料および第2の材料を前記第1の金型に注入して、前記プリフォームの下部分を形成することと、
前記プリフォームを第2の金型に配設することと、
前記プリフォームを、完成した容器にブロー成形することと、を含む、容器を製造するための方法。
【請求項2】
前記上部分は、1つの材料のみを含み、前記下部分は、複数の材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記上部分は、1つの材料のみを含み、前記下部分は、内側部分、中間部分、および外側部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記上部分、前記内側部分、および前記外側部分は、前記第2の材料を含まない、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の材料は、脱酸素剤を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記下部分は、前記上部分が形成された後に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の材料は、脱酸素剤を含み、前記脱酸素剤は、前記完成した容器の0.01重量%~0.1重量%をなす、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の材料は、脱酸素剤を含み、前記脱酸素剤は、前記完成した容器の0.01重量%~0.05重量%をなす、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の材料は、脱酸素剤を含み、前記脱酸素剤は、前記完成した容器の0.01重量%~0.04重量%をなす、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記完成した容器は、前記容器をトリミングすることなく形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1の材料を第1の金型に注入して、プリフォームの上部分を形成することであって、前記上部分は、1つの材料のみを含む、注入することと、
前記第1の材料および第2の材料を前記第1の金型に注入して、前記プリフォームの下部分を形成することであって、前記下部分は、内側部分、中間部分、および外側部分を含み、前記内側部分および前記外側部分は、前記第1の材料を含み、前記中間部分は、前記第2の材料を含む、注入することと、
前記プリフォームを第2の金型に配設することと、
前記プリフォームを、完成した容器にブロー成形することと、を含み、
前記プリフォームが前記第2の金型に配設されるとき、前記中間部分のどの部分も前記外側部分または前記内側部分を通って延在しない、容器を製造するための方法。
【請求項12】
前記プリフォームは、スプルーなしで形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プリフォームが前記第2の金型に配設されるとき、前記プリフォームは、スプルーを含まない、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記中間部分は、前記内側部分の厚さおよび前記外側部分の厚さよりも薄い厚さを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の材料は、脱酸素剤を含み、前記脱酸素剤は、前記完成した容器の0.01重量%~0.1重量%をなす、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の材料は、脱酸素剤を含み、前記脱酸素剤は、前記完成した容器の0.01重量%~0.05重量%をなす、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の材料は、脱酸素剤を含み、前記脱酸素剤は、前記完成した容器の0.01重量%~0.04重量%をなす、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
第1の材料を第1の金型に注入して、プリフォームの上部分を形成することと、
前記第1の材料および第2の材料を前記第1の金型に注入して、前記プリフォームの下部分を形成することと、
前記プリフォームを第2の金型に配設することと、
前記プリフォームを中間物品にブロー成形することと、
前記中間物品をトリミングして、完成した容器を形成することと、を含む、容器を製造するための方法。
【請求項19】
前記第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の材料は、脱酸素剤を含み、前記脱酸素剤は、前記完成した容器の0.01重量%~0.1重量%をなす、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の材料は、脱酸素剤を含み、前記脱酸素剤は、前記完成した容器の0.01重量%~0.05重量%をなす、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の材料は、脱酸素剤を含み、前記脱酸素剤は、前記完成した容器の0.01重量%~0.04重量%をなす、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ブロー成形容器、より具体的には、例えば、食品および/または包装のための、プラスチック容器、ならびにそれを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックブロー成形容器は、一般的に、食品および/または飲料の包装製品に使用される。多くの食品および飲料製品は、ブロー成形容器で一般消費者に販売されている。これらの容器は、様々なサイズのポリエチレンテレフタレートまたは他の好適なプラスチック樹脂から作製され得る。空のブロー成形容器は、自動充填装置を利用して、充填サイトで食品および/または飲料製品を充填することができる。
【0003】
例えば、そのようなプラスチックブロー成形容器の製造は、最初にプラスチック樹脂をプリフォームに成形することを含むことができ、これは射出成形によって提供され得る。典型的には、プリフォームは、口と、閉じた端部で終わる一般的に管状の本体とを含む。容器に成形される前に、プリフォームは、軟化され、選択された容器の形状に構成された金型キャビティに移される。金型キャビティでは、プリフォームは、ブロー成形またはストレッチブロー成形され、選択された容器に膨張する。
【0004】
このようなプラスチックブロー成形容器は、1段射出成形装置で製造することができる。1段ブロー成形プロセスは、プリフォームの射出成形と容器のブロー成形とを1台の機械に統合する。この機械は、樹脂ペレットを溶融し、溶融樹脂を金型に注入してプリフォームを作製する押出機を有する。プリフォームは、ブローステーションに移されて容器を形成し、容器は、機械から取り出される。場合によっては、プラスチックブロー成形容器は、2段階装置で製造される。2段装置は、射出成形機でプリフォームを作製し、次いで、プリフォームを再加熱して、別のブロー機で、選択された容器にブローする。
【0005】
いくつかの従来のプラスチックブロー成形容器は、容器に格納されるアイテムの貯蔵寿命を改善するための、例えば、脱酸素剤などの添加剤を含む。ただし、従来のプラスチックブロー成形容器の添加剤は、濃縮されていない、および/または非常に低濃度で含まれている。さらに、従来のプラスチックブロー成形容器内の濃縮されていない添加剤は、容器の1.0重量%を超えて占めることが多く、添加剤のコストが高いため、容器のコストが大幅に増加する。さらに、プラスチックブロー成形容器を製造するための従来の方法は、容器の壁厚内の、例えば脱酸素剤などの添加剤によって形成されたバリア層を選択的に配置する能力を欠いている。この開示は、これらの先行技術に対する改善を説明している。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、本開示の原理に従って、容器を製造するための方法が提供される。方法は、第1の材料を第1の金型に注入して、プリフォームの上部分を形成することを含む。第1の材料および第2の材料は、第1の金型に注入されて、プリフォームの下部分を形成する。プリフォームは、第2の金型に配設される。プリフォームは、完成した容器へのブロー成形である。いくつかの実施形態では、上部分は、1つの材料のみを含み、下部分は、複数の材料を含む。いくつかの実施形態では、上部分は、1つの材料のみを含み、下部分は、内側部分、中間部分、および外側部分を含む。いくつかの実施形態では、上部分、内側部分、および外側部分は、第2の材料を含まない。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含む。いくつかの実施形態では、プリフォームの壁厚は、内側部分、外側部分、および中間部分によって画定され、厚さは、外側部分の外面と内側部分の内面との間で等距離の正中線を有し、壁は、外面から正中線まで延在する第1の部分、および内面から正中線まで延在する第2の部分を有し、中間部分は、第2の部分に配置されている。いくつかの実施形態では、プリフォームの壁厚は、内側部分、外側部分、および中間部分によって画定され、厚さは、外側部分の外面と内側部分の内面との間で等距離の正中線を有し、壁は、外面から正中線まで延在する第1の部分、および内面から正中線まで延在する第2の部分を有し、中間部分は、第2の部分のみに配置されている。いくつかの実施形態では、中間部分は、均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、下部分は、上部分が形成された後に形成される。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.1重量%をなす。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.05重量%をなす。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.04重量%をなす。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.03重量%~0.05重量%をなす。いくつかの実施形態では、完成した容器は、プリフォームをトリミングせずに形成される。
【0007】
一実施形態では、本開示の原理に従って、容器を製造するための方法が提供される。方法は、第1の材料を第1の金型に注入して、プリフォームの上部分を形成することを含み、上部分は、1つの材料のみを含む。第1の材料および第2の材料は、第1の金型に注入されて、プリフォームの下部分を形成する。下部分は、内側部分、中間部分、および外側部分を含む。内側部分および外側部分は、第1の材料を含む。中間部分は、第2の材料を含む。プリフォームは、第2の金型に配設される。プリフォームは、完成した容器にブロー成形される。プリフォームが第2の金型に配設されるとき、中間部分はいずれも外側部分または内側部分を通って延在しない。いくつかの実施形態では、プリフォームは、スプルーなしで形成される。いくつかの実施形態では、プリフォームが第2の金型に配設されるとき、プリフォームは、スプルーを含まない。いくつかの実施形態では、中間部分は、内側部分の厚さおよび外側部分の厚さよりも薄い厚さを有する。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.1重量%をなす。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.05重量%をなす。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.04重量%をなす。いくつかの実施形態では、プリフォームの壁厚は、内側部分、外側部分、および中間部分によって画定され、厚さは、外側部分の外面と内側部分の内面との間で等距離の正中線を有し、壁は、外面から正中線まで延在する第1の部分、および内面から正中線まで延在する第2の部分を有し、中間部分は、第2の部分のみに配置されている。いくつかの実施形態では、中間部分は、正中線よりも内面の近くに配置されている。いくつかの実施形態では、下部分は、対向する第1および第2の側壁と、第1の側壁から第2の側壁まで延在する底壁と、を含み、側壁は各々、内側部分、外側部分、および中間部分を含み、底壁は、1つの材料のみを含む。いくつかの実施形態では、完成した容器は、プリフォームをトリミングせずに形成される。
【0008】
一実施形態では、本開示の原理に従って、容器を製造するための方法が提供される。方法は、ポリエチレンテレフタレートを第1の金型に注入して、プリフォームの上部分を形成することを含む。上部分は、1つの材料のみを含む。ポリエチレンテレフタレートと脱酸素剤を第1の金型に注入して、プリフォームの下部分を形成する。下部分は、内側部分、中間部分、および外側部分を含む。内側部分および外側部分は、ポリエチレンテレフタレートを含む。中間部分は、脱酸素剤を含む。中間部分は、均一な厚さを有する。プリフォームは、第2の金型に配設される。プリフォームは、ブロー成形されて、プリフォームをトリミングせずに完成した容器を形成する。いくつかの実施形態では、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.1重量%をなす。いくつかの実施形態では、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.05重量%をなす。いくつかの実施形態では、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.04重量%をなす。プリフォームが第2の金型に配設されるとき、中間部分のどの部分も外側部分または内側部分を通って延在しない。プリフォームの壁厚は、内側部分、外側部分、および中間部分によって画定され、厚さは、外側部分の外面と内側部分の内面との間で等距離の正中線を有する。壁は、外面から正中線まで延在する第1の部分と、内面から正中線まで延在する第2の部分とを有する。中間部分は、中間部分が正中線よりも内面に近い位置に配置されているように、第2の部分にのみ配置されている。
【0009】
一実施形態では、本開示の原理に従って、第1の材料を含む上部分と、内側部分、中間部分、および外側部分を含む下部分と、を含む、完成した容器が提供される。内側部分および外側部分は、第1の材料を含む。中間部分は、第2の材料を含む。容器の壁厚は、内側部分、外側部分、および中間部分によって画定される。厚さは、外側部分の外面と内側部分の内面との間に等距離の正中線を有する。壁は、外面から正中線まで延在する第1の部分と、内面から正中線まで延在する第2の部分とを有する。中間部分は、第2の部分のみに配置されている。
【0010】
一実施形態では、本開示の原理に従って、ポリエチレンテレフタレートからなる上部分と、内側部分、中間部分、および外側部分を含む下部分と、を含む、完成した容器が提供される。内側部分および外側部分は、ポリエチレンテレフタレートを含む。中間部分は、脱酸素剤を含む。容器の壁厚は、内側部分、外側部分、および中間部分によって画定される。厚さは、外側部分の外面と内側部分の内面との間に等距離の正中線を有する。壁は、外面から正中線まで延在する第1の部分と、内面から正中線まで延在する第2の部分とを有する。中間部分は、第2の部分のみに配置されている。
【0011】
一実施形態では、本開示の原理に従って、容器を製造するための方法が提供される。方法は、第1の材料を第1の金型に注入して、プリフォームの上部分を形成することを含む。第1の材料および第2の材料は、第1の金型に注入されて、プリフォームの下部分を形成する。プリフォームは、第2の金型に配設される。プリフォームは、中間物品にブロー成形される。中間物品は、トリミングされて、完成した容器を形成する。いくつかの実施形態では、上部分は、1つの材料のみを含み、下部分は、複数の部分を含む。いくつかの実施形態では、上部分は、1つの材料のみを含み、下部分は、内側部分、中間部分、および外側部分を含む。いくつかの実施形態では、上部分、内側部分、および外側部分は、第2の材料を含まない。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤である。いくつかの実施形態では、プリフォームの壁厚は、内側部分、外側部分、および中間部分によって画定され、厚さは、外側部分の外面と内側部分の内面との間で等距離の正中線を有し、壁は、外面から正中線まで延在する第1の部分、および内面から正中線まで延在する第2の部分を有し、中間部分は、第2の部分に配置されている。いくつかの実施形態では、プリフォームの壁厚は、内側部分、外側部分、および中間部分によって画定され、厚さは、外側部分の外面と内側部分の内面との間で等距離の正中線を有し、壁は、外面から正中線まで延在する第1の部分、および内面から正中線まで延在する第2の部分を有し、中間部分は、第2の部分のみに配置されている。いくつかの実施形態では、中間部分は、均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、下部分は、上部分が形成された後に形成される。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.1重量%をなす。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.05重量%をなす。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.04重量%をなす。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.03重量%~0.05重量%をなす。
【0012】
一実施形態では、本開示の原理に従って、容器を製造するための方法が提供される。方法は、第1の材料を第1の金型に注入して、プリフォームの上部分を形成することを含む。上部分は、1つの材料のみを含む。第1の材料および第2の材料は、第1の金型に注入されて、プリフォームの下部分を形成する。下部分は、内側部分、中間部分、および外側部分を含む。内側部分および外側部分は、第1の材料を含む。中間部分は、第2の材料を含む。プリフォームは、第2の金型に配設される。プリフォームは、中間物品にブロー成形される。中間物品は、トリミングされて、完成した容器を形成する。プリフォームが第2の金型に配設されるとき、中間部分のどの部分も外側部分または内側部分を通って延在しない。いくつかの実施形態では、プリフォームは、スプルーなしで形成される。いくつかの実施形態では、プリフォームが第2の金型に配設されるとき、プリフォームは、スプルーを含まない。いくつかの実施形態では、中間部分は、内側部分の厚さおよび外側部分の厚さよりも薄い厚さを有する。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.1重量%をなす。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.05重量%をなす。いくつかの実施形態では、第1の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、第2の材料は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、完成した容器の0.01重量%~0.04重量%をなす。いくつかの実施形態では、プリフォームの壁厚は、内側部分、外側部分、および中間部分によって画定され、厚さは、外側部分の外面と内側部分の内面との間で等距離の正中線を有し、壁は、外面から正中線まで延在する第1の部分、および内面から正中線まで延在する第2の部分を有し、中間部分は、第2の部分のみに配置されている。いくつかの実施形態では、中間部分は、正中線よりも内面の近くに配置されている。いくつかの実施形態では、下部分は、対向する第1および第2の側壁と、第1の側壁から第2の側壁まで延在する底壁と、を含み、側壁は各々、内側部分、外側部分、および中間部分を含み、底壁は、1つの部分のみを含む。
【0013】
一実施形態では、本開示の原理に従って、容器を製造するための方法が提供される。方法は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の金型に注入して、プリフォームの上部分を形成することを含む。上部分は、1つの材料のみを含む。PETと脱酸素剤を第1の金型に注入して、プリフォームの下部分を形成する。下部分は、内側部分、中間部分、および外側部分を含む。内側部分および外側部分は、PETを含む。中間部分は、脱酸素剤を含む。中間部分は、均一な厚さまたは不均一な厚さを有することができる。プリフォームは、第2の金型に配設される。プリフォームは、中間物品にブロー成形される。中間物品は、トリミングされて、完成した容器を形成する。プリフォームが第2の金型に配設されるとき、中間部分のどの部分も外側部分または内側部分を通って延在しない。プリフォームの壁厚は、内側部分、外側部分、および中間部分によって画定される。厚さは、外側部分の外面と内側部分の内面との間に等距離の正中線を有する。壁は、外面から正中線まで延在する第1の部分と、内面から正中線まで延在する第2の部分とを有する。中間部分は、中間部分が正中線よりも内面に近い位置に配置されているように、第2の部分にのみ配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示は、以下の図面を伴う特定の説明からより容易に明らかになるであろう。
【0015】
図1】本開示の原理による容器システムの一実施形態の構成要素の側面断面図である。
図2】本開示の原理による容器システムの一実施形態の構成要素の側面図である。
図3】本開示の原理による容器システムの一実施形態の構成要素の側面図である。
図4】本開示の原理による容器を製造する方法の概略図である。
図4A】本開示の原理による容器システムの一実施形態の構成要素の側面断面図である。
図4B図4Aに示される構成要素の側面断面図である。
図4C図4Aに示される構成要素の側面断面図である。
図4D図4Aに示される構成要素の側面断面図である。
図5】本開示の原理による容器システムの一実施形態の構成要素の側面断面図である。
図6図5の詳細Aにおける図5に示される構成要素の拡大側面断面図である。
図7】本開示の原理による容器システムの一実施形態の構成要素の側面断面図である。
図8図7に示される構成要素の側面断面図である。
図9】本開示の原理による容器システムの一実施形態の構成要素の側面断面図である。
図10図9の詳細Bにおける図9に示される構成要素の拡大側面断面図である。
図11】本開示の原理による容器システムの一実施形態の構成要素の側面断面図である。
図12】いくつかの容器のb*測定値をバージンPETのb*測定値と比較したグラフである。
図13】いくつかの容器のヘイズ率をバージンPETのヘイズ率と比較するグラフである。
図14】365日にわたる500mLボトルの酸素流入を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ブロー成形容器、より具体的には、プラスチック容器およびそれを作製するための方法の例示的な実施形態が、食品包装製品の観点から考察されている。いくつかの実施形態では、本容器は、ブロー成形およびトリムプロセスに供される射出成形プリフォームを介して製造される。いくつかの実施形態では、本容器は、食品、食品調理油、粘性および/または飲料製品で充填することができる。いくつかの実施形態では、本容器は、低温充填容器として採用することができる。いくつかの実施形態では、本容器は、高温充填容器として採用することができる。いくつかの実施形態では、本容器は、軽量、高強度、およびバリア食品包装製品として採用される。
【0017】
例えば、PETボトルなどのプラスチックボトルのバリア材料は、PETの基本価格よりもはるかに高い価格が付けられている。従来のPETボトルには、通常、PETボトルの3.0重量%~5.0重量%を構成するバリア材料が含まれている。コストを削減するために、本開示のPETボトルは、本明細書で考察されるように、充填されていないボトルの貯蔵寿命またはボトルを充填する製品の貯蔵寿命を損なうことなく、バリア材料をはるかに少なく(例えば、1.0重量%未満)含む。実際、バリア材料が容器の中心線に向かって偏るように容器の壁厚にバリア材料を選択的に配置すること、および/またはバリア材料が容器の0.1重量%未満を含むようにバリア材料を濃縮することによって、容器の中心線に向かって偏っていないバリア材料、および/またはバリア材料が容器の0.1重量%を超えて含むように、濃縮されていないバリア材料を有する容器の、充填されていない貯蔵寿命、または製品貯蔵寿命よりも長い、充填されていない貯蔵寿命または製品貯蔵寿命を有する容器をもたらす。したがって、バリア材料が容器の中心線に向かって偏るようにバリア材料を容器の壁厚に選択的に配置すること、および/またはバリア材料が容器の0.1重量%未満を含むようにバリア材料を濃縮することによって、使用することができるバリア材料が少なくて済むが、同じか、またはそれ以上の充填されていないおよび充填された貯蔵寿命を有するにすぎない。例えば、いくつかの実施形態では、本開示のボトルは、0.01重量%~0.1%のバリア材料を含む。いくつかの実施形態では、本開示のボトルは、0.01重量%~0.05%のバリア材料を含む。いくつかの実施形態では、本開示のボトルは、0.01重量%~0.04%のバリア材料を含む。いくつかの実施形態では、本開示のボトルは、0.03重量%~0.05%のバリア材料を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本開示のボトルは、2つ以上の押出機から2つ以上の材料を注入することができる材料ホットランナーおよび注入プロセスを備えた射出成形機を使用して製造される。本明細書で考察されるように、射出延伸ブロー成形のための0.72から0.85までのIVの範囲のポリエチレンテレフタレートコポリマー樹脂を使用して、プリフォームの上部分セクションおよびプリフォームの下部分セクションの内側部分および外側部分を形成する。これらの樹脂は、完成した容器の全体的なバリア性能に影響を与えないことがわかっている。プリフォームの中間部分またはバリア材料は、コバルト触媒を有するポリエチレンテレフタレートコポリマー樹脂、完成した容器の0.01重量%~0.1%、完成した容器の0.01重量%~0.05%、完成した容器の0.01重量%~0.04%、または完成した容器の0.03重量%から0.05%の酸化可能なコポリエステルアクティブバリア成分を含む。プリフォームは、2段階プラットフォームでブロー成形される。いくつかの実施形態では、完成した容器は、90%のポリエチレンテレフタレートコポリマー商品PET樹脂を含み、完成した容器のバリア部分は、コバルト触媒を有する96%のポリエチレンテレフタレートコポリマー樹脂、および4%の酸化可能なコポリエステルアクティブバリアからなる10重量%をなす。
【0019】
いくつかの実施形態では、本開示のプリフォームは、0.94mm(0.036インチ)~1.27mm(0.050インチ)の濃縮バリア領域を有する。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、プリフォームの内壁から10%~30%中心軸に向かって配置される。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、0.1%~1.0%のバリア添加剤を含み、0.01%~0.1%の総重量パーセントである。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、0.1%~0.5%のバリア添加剤を含み、0.01%~0.05%の総重量パーセントである。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、0.1%~0.4%のバリア添加剤を含み、0.01%~0.04%の総重量パーセントである。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、0.3%~0.5%の添加剤を含み、0.03~0.05%の総重量パーセントである。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、プリフォームのねじ山付きネック仕上げ領域の下にある。すなわち、ねじ山付きネック仕上げ領域は、濃縮バリア領域がねじ山付きネック仕上げ領域内に延びないように、濃縮バリア領域から離間されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、本開示の完成した容器は、0.45mm(0.018インチ)の全体的な壁厚を有する。いくつかの実施形態では、本開示の完成した容器は、0.15mm(0.006インチ)~0.04mm(0.002インチ)の間の厚さを有する濃縮バリア領域を有する。本開示の完成した容器のバリア領域は、本開示の完成した容器のバリア領域の厚さが、バリア領域が濃縮されていない同じ厚さの容器よりも多くのバリア材料を含むように濃縮される。いくつかの実施形態では、本開示の完成した容器のバリア領域は、本開示の完成した容器のバリア領域の厚さが、バリア領域が濃縮されていない容器の同じ厚さよりも大きい密度を有するように濃縮される。本開示の完成した容器のバリア領域の密度の増加は、アクティブバリア材料(例えば、アクティブ脱酸素剤)がパッシブバリア材料(例えば、パッシブ脱酸素剤)としても機能することを可能にすることが想定される。すなわち、濃縮されたバリア材料によって引き起こされるバリア領域の密度の増加のために、酸素は、本開示の完成した容器のバリア領域を通って物理的に移動することができない。これは、バリア材料が濃縮されていない場合は不可能である。すなわち、バリア材料が濃縮されていない場合、酸素は、バリア領域を通って/バリア領域を横切って移動することが許される。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、内壁から10%~30%中心軸に向かって配置される。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、0.5%~5.0%の添加剤を含み、0.1%~1.0%の総重量パーセントである。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、1.0%~4.0%の添加剤を含み、0.05%~0.5%の総重量パーセントである。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、1%~4%の添加剤を含み、0.01%~0.04%の総重量パーセントである。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、3.0%~5.0%の添加剤を含み、0.03%~0.05%の総重量パーセントである。いくつかの実施形態では、濃縮バリア領域は、プリフォームのねじ山付きネック仕上げ領域の下にある。すなわち、濃縮バリア領域は、ねじ山付きネック仕上げ領域内に延びない。
【0021】
いくつかの実施形態では、本開示は、スクラップ材料のコストを最小化し、および/またはスクラップ材料を他の用途、例えば、本明細書に記載されるような、例えば、食品包装に使用され得る他の容器の製造などで再利用することを可能にする方法で食品パッケージを製造する能力を有する食品包装を製造するための方法で採用される容器システムを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、本開示は、バリア材料が、容器を作製するために使用されるプリフォームの第1の部分の離散領域に位置する一方で、バリア材料の個別領域がプリフォームの第2の部分に存在しない容器を製造する方法を含む。バリア材料は、濃縮されていても濃縮されていなくてもよい。本開示の方法は、バリア材料またはバリア層の離散領域が、容器の壁の厚さ内に選択的に配置されることを可能にする。いくつかの実施形態では、離散領域/バリア層は、例えば、PETなどのバリア材料に加えて、他の材料を含み得る。いくつかの実施形態では、プリフォームの第2の部分は、第1の部分からトリミングされるドームまたはモイルスクラップを形成する。いくつかの実施形態では、第1の部分は、完成した容器の大部分を形成し、第2の部分は、完成した容器のごく一部を形成するだけである。いくつかの実施形態では、第2の部分の大部分は、第2の部分の多くがスクラップとして使用され得るように、第1の部分からトリミングされる。いくつかの実施形態では、第2の部分全体は、第2の部分全体がスクラップとして使用され得るように、第1の部分からトリミングされる。いくつかの実施形態では、スクラップは、他の容器を作製するために使用される。すなわち、第2の部分は、添加剤を含まないので、例えば、トリミングされる第2の部分のセクションは、追加の容器を作製する際の使用に好適なままである。実際、添加剤を含まないスクラップ材料を提供することにより、スクラップ材料の完全な利用が可能になり、通常は添加剤およびバリア材料を含むスクラップ材料の再処理に関連付けられた処理問題が回避される。
【0023】
いくつかの実施形態では、本開示は、容器を製造する際に生成されるスクラップ材料が、例えば、パッシブ脱酸素剤、アクティブ脱酸素剤、着色剤、炭酸カルシウム充填剤、および発泡剤などの材料添加剤を含まない容器を製造する方法を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、1つ以上の触媒を含む。これらの添加剤は、PETボトルまたは容器内で特定の機能を果たす。いくつかの実施形態では、容器を製造する際に生成されるスクラップ材料は、完成した容器を形成するために使用される中間物品からトリミングされるドームまたはモイルスクラップである。ブロー容器の一部分が最終ボトル(ドーム、モイルなど)から取り出されるブローおよびトリム用途では、取り出されている部分において、これらの添加剤を有しないことが望ましい。ボトルの取り出された部分においてこれらの添加剤を有しない理由は、例えば、コスト削減および再処理問題など、数多くある。実際、これらの添加剤の多くは高価であり、市場で使用されないボトルのセクションに余分なコストを追加しないことが望ましい。さらに、これらの添加剤は、ドームおよびモイルの粉砕、乾燥、および押し出しプロセスで重大な再利用問題を引き起こす可能性がある。加工業者は、PETのコストを浪費しないように、このスクラップ材料をそれらのプロセスに再導入することができることを望んでいる。いくつかの実施形態では、これらの添加剤は、バージンPETと共にプロセスに再導入されると、透明度問題、黄変、色のパーセンテージの変化、およびアクティブ脱酸素剤の活性化を引き起こす可能性がある。
【0024】
ブローおよびトリムの用途では、プリフォームに添加剤が存在すると、ボトルのトリムポイントで層間剥離問題が発生する可能性がある。いくつかの実施形態では、本開示は、トリムポイントの手前で添加剤材料を停止することによってこれを回避し、これにより、ブローボトルのセクション(主にネック仕上げおよび/または他の部分)に添加剤が存在しないようにすることを可能にする。すなわち、添加剤を含むプリフォームの添加剤部分は、トリムポイントの下で終了し、添加剤を含まない材料は、その部分からトリムポイントを通って、少なくとも場合によっては、トリムポイントを超えて延在する。トリムポイントが不連続な線でない場合、ねじ山部分に重なる金属またはプラスチックカバー(例えば、蓋)は、物理的な酸素ブロックとして機能し、この領域で酸素ブロックの損失はほとんどまたはまったく発生しない。すなわち、蓋がねじ部分を覆うようにねじ部分と重なるカバー/蓋によって、トリムポイントに隣接する添加剤の必要性が低減または排除される。
【0025】
いくつかの実施形態では、本開示は、2段階射出システムを含む。2段階射出システムの1段階では、PETまたはバージンPETがプリフォームに注入される。この段階では、ポストインダストリアル材料またはポストコンシューマ材料を使用することができると想定されている。いくつかの実施形態では、ポストインダストリアル材料は、例えば、PET容器の工業製造プロセスなどの工業製造プロセスからスクラップとして得られる、例えば、PETなどの材料を指す。いくつかの実施形態では、ポストコンシューマ材料は、物質で充填され、その後、消費者が容器から物質を取り出し、容器を形成する材料のみが残される材料を指す。すなわち、ポストコンシューマ材料は、別の用途で再利用するために消費者によってリサイクルされた材料である。2段階射出システムの別の段階では、プリフォームは、複数の領域を含み、複数の領域のうちの少なくとも1つは、添加剤を含む。すなわち、PETまたはバージンPET、および1つ以上の選択された添加剤が、第2の射出段階でプリフォームに注入され、複数の領域が形成される。いくつかの実施形態では、複数の領域が生成される段階は、第1の段階が完了した後に始まる。これにより、完成した容器からトリミングされ、最終的に粉砕され、混合され、乾燥され、バージンPET溶融ストリームに追加されるブローボトルのドームまたはモイルセクションに添加剤が含まれなくなり、添加剤を有するスクラップが再利用されるときに上で考察される問題を防止することができる。いくつかの実施形態では、「バージンPET」という用語は、PETのみからなる材料を指す。すなわち、バージンPETには、例えば、上で考察される添加剤などの添加剤は含まれていない。
【0026】
本開示は、様々な最終用途のために複数のサイズのブローおよびトリムボトルを運用する製造業者にとって有用である可能性があると想定される。例えば、本開示は、例えば、ドレッシング、ソース、およびピーナッツなどの食品用の容器を生成するのに有用であり得、容器の側壁を通る酸素浸透は、貯蔵寿命および/または製品の風味に悪影響を与える。本開示は、例えば、充填ライン隠蔽、およびUV光透過に対する製品保護の両方のために着色顔料を必要とする非乳製品コーヒークリームなどの食品用の容器を生成するのに有用である可能性があると想定される。開示されたプロセスから作製することができる他の容器には、マヨネーズ、サラダドレッシング、ピーナッツ、ならびに他の調味料および/または食品用の容器が含まれる。
【0027】
場合によっては、ブロー容器のドームまたはモイルセクションが、注入されたプリフォームの総重量の15%~40%を構成する。この材料は、経済的配慮のために粉砕し、システムに再処理する必要がある。ブロー容器中のスクラップ材料の割合が高いため、高価な添加剤の浪費を回避し、および/または添加剤を含まないスクラップ材料と比較して、添加剤を含むスクラップ材料の処理に関与する複雑さまたはコストを回避するために、例えば、上で考察される添加剤などの添加剤を含まないスクラップ材料を生成することが望ましい。
【0028】
いくつかの実施形態では、本製造方法は、1段ブロー成形プロセスを採用するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、2段階射出システムを使用してプリフォームを射出成形することを含み、2段階射出システムの1つの段階(例えば、第1の段階)は、材料をプリフォームに注入することを含み、2段階射出システムの別の段階(例えば、第2の段階)は、材料をプリフォームに注入して、複数の領域を形成することを含み、その少なくとも1つは、添加剤を含み、添加剤は、濃縮されているか、または濃縮されていない可能性がある。第1の段階で使用される材料には、添加剤は含まれていない。いくつかの実施形態では、第1の段階で使用される材料は、添加剤を含まないバージンPETであり、第2の段階で使用される材料は、PETおよび添加剤である。これにより、第1の段階で使用された材料をバージンPETとして再粉砕して、上で考察される再粉砕問題を回避することが可能になる。いくつかの実施形態では、第1の材料は、UV抑制剤、離型補助剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含み、添加剤(複数可)は、濃縮または非濃縮であり得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のプリフォームが、選択された重量および選択されたネック仕上げ寸法を含むことを確認するために1つ以上のプリフォームを試験するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、数個取り金型を備えた1つ以上のプリフォームを採用するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、容器を含み得る、1つ以上のプリフォームをブロー成形するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のブロー成形されたプリフォームをトリミングするステップを含む。いくつかの実施形態では、トリミングするステップは、1つ以上のブロー成形されたプリフォームからドームを取り出すくためのスピントリム動作を含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のプリフォームを射出成形し、保管してから、1つ以上のプリフォームをブローして、容器を生成するような2段階ブロー成形プロセスを含む。いくつかの実施形態では、方法は、ドーム(および/または他のポストインダストリアル材料)を再利用して、例えば他の広口容器などの他の容器を生成することを含む。いくつかの実施形態では、ドーム(および/または他のポストインダストリアル材料)の再利用は、ドーム(および/または他のポストインダストリアル材料)の粉砕、混合、乾燥、および追加、ならびに粉砕、混合、および乾燥された材料の溶融ストリームへの追加を含み、ドーム(および/または他のポストインダストリアル材料)は、添加剤を含まない。
【0030】
いくつかの実施形態では、本容器は、脱酸素剤および/または酸素バリア材料を含むように製造され、脱酸素剤および/または酸素バリア材料は、濃縮されているか、または濃縮されていない。すなわち、製造プロセス中に除去されない容器の少なくとも一部分は、脱酸素剤および/または酸素バリア材料が、完成した容器に存在するように、脱酸素剤および/または酸素バリア材料を含む。いくつかの実施形態では、容器は、酸素バリア材料を有する1つ以上の領域を含み、酸素バリア材料は、濃縮されているか、または濃縮されていない。いくつかの実施形態では、酸素バリア材料は、容器の約1.0重量%未満の量で容器内に存在する。いくつかの実施形態では、酸素バリア材料は、容器の約0.01重量%~容器の0.1重量%をなす。いくつかの実施形態では、酸素バリア材料は、容器の約0.01重量%~容器の0.05重量%をなす。いくつかの実施形態では、酸素バリア材料は、容器の約0.01重量%~容器の0.04重量%をなす。いくつかの実施形態では、酸素バリアは、パッシブバリアであり、酸素と反応しない。いくつかの実施形態では、酸素バリアは、脱酸素剤であり、酸素と反応して、酸素を捕捉する。いくつかの実施形態では、酸素バリアは、酸素と反応して、酸素を捕捉する脱酸素剤であり、酸素バリアの濃度に起因して、パッシブ脱酸素剤としても機能し得る。例えば、アクティブ脱酸素剤は、濃縮されると、酸素がバリアを通って移動するのを防ぐ物理的バリアを提供する場合がある。したがって、少なくとも部分的には、酸素バリアを形成する材料(例えば、脱酸素剤)を濃縮することによって引き起こされる酸素バリアの密度の増加に起因する。いくつかの実施形態では、脱酸素剤は、1つ以上のポリマー、金属、相溶化剤、触媒、および/または脂肪酸塩などの1つ以上の酸素バリアを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、本製造方法は、例えば、改善されたトップロード性能、改善された真空抵抗性能および/またはフープ強度、改善されたO性能、改善された水蒸気透過率(MVTR)性能などの選択的な物理的性能機能を備えた改善された材料配向を介してPET強化を提供する。いくつかの実施形態では、増強は、本明細書で考察されるように、選択された結晶化度を有するPETで作製された容器を提供するための製造プロセスへの変更または添加剤の添加を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、方法は、約10%の結晶化度を有する容器を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、方法は、約15%~約20%の結晶化度を有する容器を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、プリフォームを加熱および延伸して、約18%~約30%の結晶化度を有する容器を生成する。いくつかの実施形態では、プリフォームを加熱および延伸して、約20%~約40%の結晶化度を有する容器を生成する。いくつかの実施形態では、プリフォームは、約120,000g/モル~約240,000g/モルの分子量を含む。いくつかの実施形態では、プリフォームは、約250,000g/モル~約450,000g/モルの分子量を含む。いくつかの実施形態では、プリフォームは、PETを含み、約1.8対1~約2.4対1の軸方向延伸比を有する。
【0033】
本開示は、本開示の一部を形成する添付の図面図に関連してなされた実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。本出願は、本明細書に記載および/または図示される具体的なデバイス、方法、条件、またはパラメータに限定されず、本明細書で使用される用語は、例としてのみ特定の実施形態を説明することを目的としており、制限することを意図していないことが理解される。また、いくつかの実施形態では、本明細書、および添付の特許請求の範囲を含めて使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数形を含み、特定の数値への言及は、文脈が明確に別のことを指示しない限り、少なくともその特定の値を含む。範囲は、本明細書では、「約」または「ほぼ」ある特定の値から、および/または「約」または「ほぼ」別の特定の値までとして表現され得る。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表される場合、先行詞「約」を使用することにより、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。また、例えば、水平、垂直、上、上部分、下部分、下、左、および右などのすべての空間参照は、例解のみを目的としており、本開示の範囲内で変更することができることも理解される。例えば、「上部分」および「下部分」の言及は、相対的であり、他方に対する文脈でのみ使用され、必ずしも「上位」と「下位」であるとは限らない。
【0034】
以下の考察は、食品包装製品を生成するための容器システム、容器、関連する構成要素、および射出成形されたプリフォームを備えた容器を製造する方法の説明を含む。代替の実施形態も開示される。添付の図に例解されている本開示の例示的な実施形態を詳細に参照する。図1~14に目を向けると、容器システムの構成要素、容器を製造する方法、およびそれに関連する図が例解されている。
【0035】
図3に示されるように、完成したブロー成形容器10は、本明細書に記載されるように、選択された用途で使用するために構築される。いくつかの実施形態では、完成した容器10は、広口容器である。いくつかの実施形態では、完成した容器10は、狭いネックを含む。いくつかの実施形態では、完成した容器10は、ケチャップボトルである。いくつかの実施形態では、選択された用途には、食品、食品調理油、粘性および/または飲料製品が含まれる。完成した容器10は、任意のサイズおよび形状を含み得、任意のタイプの食品および/または飲料で充填され得ることが想定される。いくつかの実施形態では、完成した容器10は、食品および/または飲料を含まない用途に使用するように構成されている。
【0036】
いくつかの実施形態では、容器10は、外径が連続ねじ山14を有する円筒形状のねじ山付ネック12を含む。ネック12は、容器10の空洞と連通している開口部15を画定する。いくつかの実施形態では、ネック12は、容器10の最大直径D2よりも5%~25%小さい直径D1を有する。いくつかの実施形態では、D1は、直径D2より5%~20%小さい。いくつかの実施形態では、D1は、直径D2より5%~15%小さい。いくつかの実施形態では、D1は、直径D2より5%~10%小さい。
【0037】
いくつかの実施形態では、容器10は、本明細書に記載されるように、2段階方法によって製造される。いくつかの実施形態では、容器10は、本明細書に記載されるように、1段階方法によって製造される。いくつかの実施形態では、容器10は、図2に示されるように、中間物品16の下部分として生成される。いくつかの実施形態では、容器10は、本明細書に記載されるように、プリフォーム18を射出成形し、次いで、プリフォーム18を金型アセンブリの空洞に配置し、トリミングを伴わずに、完成した容器10にブローすることによって形成される。すなわち、完成した容器を形成するためにトリミングされる中間物品はない。むしろ、ネックおよび/またはねじ山部分を含む完成した容器10は、プリフォーム18または完成した容器10のいかなる部分もトリミングする必要なしに、完成した容器10にプリフォーム18をブロー成形することによって形成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、容器10は、図4に示されるように、2段階方法によって製造される。いくつかの実施形態では、最初のステップS1は、製造動作の第1の段階中の射出成形機IJMにおける射出成形プリフォーム18を含む。プリフォーム18は、プリフォームネック26の下にねじ山形成面24を有する。いくつかの実施形態では、プリフォーム18は、金型アセンブリ22を押して、ネック12およびねじ山14を形成する、ネック26の下のプリフォーム18の一部分を含むねじ山形成面24を有する。いくつかの実施形態では、容器10は、ねじ山形成面24の代わりに、またはそれに加えて、スナップフィット部分、らせん状ねじ山、および/またはビーズ状のリムを伴って製造され得る。いくつかの実施形態では、プリフォーム18は、容器10のネック直径よりも小さいネック直径で射出成形することができ、その結果、金型アセンブリ22の上部分の開口部28の直径は実質的に減少する。したがって、複数の金型キャビティを2段階装置のブロー機の金型アセンブリ22に配置して、生成能力を向上させることができる。いくつかの実施形態では、容器10は、約1.6対1~約2.0対1の範囲のフープ延伸比で製造され得る。いくつかの実施形態では、ステップS2は、機械IJMからプリフォーム18を取り出すことを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、射出成形プリフォーム18は、2段階射出システムを使用する射出成形プリフォーム18を含み、2段階射出システムの第1の段階は、例えば、PETまたはバージンPETなどの第1の材料60を射出成形機IJMの金型50に注入して、上部分25が第1の材料60のみから作製される1つの部分のみを含むように、プリフォーム18の上部分25を形成することを含む。第1の材料60は、ポストインダストリアル材料および/またはポストコンシューマ材料であり得ることが想定される。2段階射出システムの第2の段階は、第1の材料60、および例えば、バリア材料または添加剤などの第2の材料62を金型50に注入して、下部分35が第1の材料60で作製された外側部分40、第2の材料62で作製された中間部分42、および第1の材料60で作製された内側部分44を含むようにプリフォーム18の下部分35を形成することを含む。いくつかの実施形態では、上部分25は、下部分35が形成される前に形成される。すなわち、下部分35は、上部分25が形成されるまで形成されない。いくつかの実施形態では、第2の材料62は、1つ以上のパッシブ脱酸素剤、1つ以上のアクティブ脱酸素剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の炭酸カルシウム充填剤、および/または1つ以上の発泡剤を有するPETを含む。いくつかの実施形態では、第2の材料62は、濃縮されている。いくつかの実施形態では、第2の材料62は、MXD6+ブタジエンである。いくつかの実施形態では、第2の材料62は、例えば、ブタジエン、PTMEG-PETコポリマー、およびナイロンなどのアクティブ脱酸素剤を含む。いくつかの実施形態では、第2の材料62は、例えば、ナイロン-MXD7、MXD6およびジ-イミドなどのパッシブ脱酸素剤を含む。いくつかの実施形態では、第2の材料62は、例えば、水素化ホウなどの触媒脱酸素剤を含む。いくつかの実施形態では、第2の材料62は、濃縮されている。
【0040】
上で考察される濃度は、プリフォーム、中間物品、および/または完成した容器の特定の領域におけるアクティブスカベンジャーの濃度を指す。一例として、図11に示されるように、材料40および44は両方とも、総容器重量の90%をなすポリエステルである。材料40および44は両方とも、アクティブ脱酸素剤である添加剤を含んでいない。美観目的または容器性能向上のために追加の添加剤がある場合とない場合がある。材料42は、容器の総重量の10%をなす。この材料のリボン内に、アクティブスカベンジャーが分散されている。材料42内にそれを集中させると、アクティブスカベンジャーは、それらが40、42、および44の全部に分散された場合よりも小さな領域にある。
【0041】
いくつかの実施形態では、金型50は、空洞54を画定する内面52を含む。ブロック56は、図4Aに示されるように、空洞54内に配置される。第1の材料60は、図4Bに示すように、第1の材料60が、金型50の上部分で内面52と外面58との間の空間を充填して、上部分25を形成するように、射出成形機IJMの第1の押出機によって空洞54に注入される。第1の材料60は、第1の材料60が、内面52に沿って蓄積して外側部分40を形成し、外面58に沿って蓄積して内側部分44を形成するように、第1の押出機によって空洞54に注入される。この時点で、プリフォーム18は、図4Cに示されるように、外側部分40と内側部分44との間に液体Lを含む。第2の材料62は、図4Dに示されるように、第2の材料62が、液体Lに置き換わって中間部分42を形成するように、射出成形機IJMの第2の押出機によって空洞54に注入される。いくつかの実施形態では、第1の押出機からの背圧は、第2の材料62を上部分セクション25から離れてプリフォーム18の底に向かって駆動する。いくつかの実施形態では、外側部分40および内側部分44に対する中間部分42の位置は、第2の押出機の実際の注入タイミングを変化させること、第2の押出機が第2の材料62を金型50に注入する速度を変化させること、および/または第1の材料60および/または第2の材料62の温度および/または粘度を変化させることによって、選択することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1の押出機は、プリフォーム18が完全に形成されるまで、第1の材料60を金型50に連続的に注入する。すなわち、第1の押出機は、上部分25が形成された後、第1の材料60を注入することを停止しない。むしろ、第1の押出機は、上部分25が形成された後、第1の材料60を金型に注入し続ける。いくつかの実施形態では、第2の押出機は、第1の押出機が第1の材料60を金型50に注入した後、第2の材料62を金型50に注入し始める。いくつかの実施形態では、第2の押出機は、第1の押出機が第1の材料60を金型50に注入するのと同時に、第2の材料62を金型50に注入する。すなわち、第2の押出機が第2の材料62を金型50に注入して、部分42を形成すると同時に、第1の押出機が第1の材料60を金型50に注入して、部分40、44を形成する。
【0043】
いくつかの実施形態では、上部分25の単一のセクションは、例えば、第1の材料60などの1つの材料からなる。いくつかの実施形態では、部分40、44は各々、上部分25の単一部分を形成する同じ材料と、例えば、本明細書で考察される添加剤の1つ以上などの少なくとも1つの添加剤と、を含む。いくつかの実施形態では、部分40、44は各々、PETまたはバージンPETからなり、部分42は、PETまたはバージンPETと、本明細書で考察される1つ以上の添加剤と、からなる。いくつかの実施形態では、上部分25の単一部分は、例えば、本明細書で考察される添加剤などの添加剤を含まない。いくつかの実施形態では、部分40は、例えば、本明細書で考察される添加剤などの添加剤を含まない。いくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、少なくとも1つの添加剤からなる。すなわち、プリフォーム18の部分42には、少なくとも1つの添加剤のみが含まれている。いくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、少なくとも1つの添加剤と、例えば、PETなどの少なくとも1つの他の材料と、を含む。いくつかの実施形態では、添加剤(複数可)は、濃縮されている。いくつかの実施形態では、添加剤(複数可)は、添加剤から水および/または任意の希釈剤を除去することによって濃縮される。
【0044】
いくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、プリフォーム18の壁厚の1%~20%または少なくとも約20%を含み、プリフォーム18の壁厚は、プリフォーム18の部分40、42、44の合計厚さによって定義されるいくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、プリフォーム18の壁厚の1%~5%をなす。いくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、プリフォーム18の壁厚の5%~10%をなす。いくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、プリフォーム18の壁厚の10%~15%を含む。いくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、プリフォーム18の壁厚の15%~20%を含む。いくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、プリフォーム18の壁厚の20%~25%を含む。いくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、プリフォーム18の壁厚の25%~30%を含む。いくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、プリフォーム18の壁厚の30%~35%を含む。いくつかの実施形態では、プリフォーム18の部分42は、プリフォーム18の壁厚の35%より多く含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、部分42は、図1に示されるように、部分44の内面44aと部分40の外面40aとの間で等距離に配置される。いくつかの実施形態では、部分42は、部分44の内面44aよりも部分40の外面40aの近くに配置される。
【0046】
いくつかの実施形態では、部分42は、図5~8に示されるように、部分40の外面40aよりも部分44の内面44aの近くに配置される。例えば、プリフォーム18の壁厚は、図6に示されるように、外面40aと内面44aとの間で等距離にある正中線MLを含む。プリフォーム18は、外面40aから正中線MLまで延在する第1の部分64と、内面44aから正中線MLまで延在する第2の部分66と、を含む。部分42は、第2の部分66に配置されている。いくつかの実施形態では、部分42のどの部分も第1の部分64に配置されないように、部分42は第2の部分66にのみ配置される。部分42は、第2の部分66のみに配置されたまま、内面44aからより近くまたはより遠くに配置され得ることが想定される。いくつかの実施形態では、部分42は、第2の部分66のみに配置されたまま、正中線MLよりも内面44aの近くに配置されている。いくつかの実施形態では、部分42は、外面40aよりも内面44aに5%~50%近くに配置される。いくつかの実施形態では、部分42は、外面40aよりも内面44aに5%~40%近くに配置される。いくつかの実施形態では、部分42は、外面40aよりも内面44aに5%~35%近くに配置される。いくつかの実施形態では、部分42は、外面40aよりも内面44aに10%~30%近くに配置される。
【0047】
いくつかの実施形態では、部分40は、部分42の内向きバイアスのために、部分44の厚さよりも大きい厚さを有する。いくつかの実施形態では、部分40の厚さは、部分40、42の合計の厚さに等しい。いくつかの実施形態では、部分40の厚さは、部分40、42の合計の厚さよりも大きい。いくつかの実施形態では、部分40の厚さは、部分40、42の合計の厚さよりも薄い。
【0048】
部分42の内向きバイアスならびに/または添加剤および/もしくはバリア材料の濃縮は、容器10が、容器10の貯蔵寿命または容器10内の製品の貯蔵寿命を損なうことなく、中央に配置されたバリア部分を有する容器ならびに/または濃縮された添加剤および/もしくはバリア材料を含まない容器に対して、より少ない添加剤またはバリア材料を使用して製造されることを可能にすることが想定される。すなわち、容器10の貯蔵寿命は、中央に配置されたバリア部分を有する容器および/または濃縮された添加剤もしくはバリア材料を含まない容器の貯蔵寿命と同じかまたはそれより長くなるであろう。上で考察されるように、材料62は、バリア層を形成する。材料62が濃縮されているという点において、濃縮された材料62によって形成されたバリア層は、濃縮されていない材料62によって形成されたバリア層よりも密度が高い。
【0049】
上で考察されるように、材料62によって形成されるバリア層の密度の増加により、例えば、脱酸素剤などの添加剤が、アクティブ脱酸素剤およびパッシブ脱酸素剤として同時に作用することが可能になる。例えば、脱酸素剤は、その化学的特性に基づいて、アクティブ脱酸素剤として機能する。濃縮された材料62によって形成されるバリア層の密度は、酸素がバリア層を通って/バリア層を横切って移動するのを防止する物理的バリアとして機能するのに十分に高い。
【0050】
いくつかの実施形態では、部分42の内向きバイアスは、第1の材料60を第1の押出機を介して金型50に注入し、同時に第2の材料62を第2の押出機を介して金型50に注入することによって達成される。金型50のノズルハウジング内のゲートピンは、第1の押出機からの第1の材料60の不均等な流れを作り出すためにオフセットされている。いくつかの実施形態では、ゲートピンをオフセットすることにより、第1の材料60の多くが、外面58よりも内面52に向けられる。したがって、第1の材料60の多くは、部分40が部分44よりも厚くなるように、外面58よりも内面52に沿って蓄積するであろう。例えば、部分40は部分64の全体を構成することができるが、部分44は部分66の一部のみを構成する。いくつかの実施形態では、ゲートピンをオフセットすることにより、第2の材料62の第2の押出機からの流れが、より低い圧力を有する空洞54の側に移動する。第2の押出機の位置は、必要に応じて、サーボ制御を介して監視および調整される。
【0051】
いくつかの実施形態では、プリフォーム18が金型アセンブリ22の空洞20に導入される場合、プリフォーム18はスプルーを含まない。プリフォーム18は、スプルーを使用せずに形成され得るか、またはプリフォーム18は、スプルーを使用して形成され得、スプルーは、空洞20にプリフォーム18を配設する前に、プリフォーム18から切断または他の方法で除去され得ることが想定される。したがって、部分42は、本明細書に記載されるように、プリフォーム18が空洞20内に配置されるときに、部分40の部分が部分40または部分44を通って延在することがないように、部分40と部分44との間に維持される。この構成では、部分40は、下部分35の全長に沿って下部分35の最外面を画定する。さらに、下部分35は、側壁の間に弓形部分を有し、弓形部分は、側壁の間で連続的に湾曲している。すなわち、本明細書に記載するように、プリフォーム18が空洞20内に配置されるとき、弓形部分は、側壁のうちの一方から側壁のうちの他方へと連続的に湾曲する。いくつかの実施形態では、弓形部分は、本明細書に記載するように、プリフォーム18が空洞20内に配置されるとき、側壁のうちの一方から側壁のうちの他方まで連続的な曲率半径を有する。
【0052】
成形プロセスの間、部分40、42、44は、図10および11に示されるように、部分40、42、44も完成した容器10中に存在するように維持される。上で考察される部分40、42、44の構成は、1つ以上の添加剤が部分40、42、44の各々に分散された場合よりも、部分42内の1つ以上の濃縮された添加剤をより効果的に機能させることが見出された。例えば、部分42内の1つ以上の濃縮された添加剤が、例えば、本明細書で考察される脱酸素剤のうちの1つ以上などの脱酸素剤である場合、濃縮された脱酸素剤は、脱酸素剤が部分40、44にも含まれていた場合よりも効果的に容器10中の酸素のレベルを低下させる。これは、容器10の内部に入ることができる酸素を防止または酸素の量を低減し、したがって、容器10内の食品および/または飲料製品の貯蔵寿命を延ばす。実際、上で考察される部分40、42、44の構成は、部分42が、酸素が容器10を取り巻く環境から容器10の内部15に移動する酸素を防止または酸素の能力を低減するバリアを形成することを可能にする。
【0053】
いくつかの実施形態では、容器10の部分42は、少なくとも1つの濃縮された添加剤からなる。すなわち、容器10の部分42は、少なくとも1つの濃縮された添加剤のみを含む。いくつかの実施形態では、容器10の部分42は、少なくとも1つの濃縮された添加剤と、例えば、PETなどの少なくとも1つの他の材料と、を含む。いくつかの実施形態では、容器10の部分42は、容器10の壁厚の5%未満を含み、容器10の壁厚は、容器10の部分40、部分42、および部分44の合計厚さによって画定される。いくつかの実施形態では、容器10の部分42は、容器10の壁厚の10%未満を含む。いくつかの実施形態では、容器10の部分42は、容器10の壁厚の15%未満を含む。いくつかの実施形態では、容器10の部分42は、容器10の壁厚の20%未満を含む。いくつかの実施形態では、容器10の部分42は、容器10の壁厚の25%未満を含む。いくつかの実施形態では、容器10の部分42は、容器10の壁厚の30%未満を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、上部分25の単一部分は、容器10において、部分40、42、44の合計の厚さと同じ厚さを有する。いくつかの実施形態では、部分40、42、44は各々、容器10において、同じ厚さを有する。いくつかの実施形態では、容器10の部分40、42、44のうちの少なくとも1つは、容器10の部分40、42、44のうちの別の部分の厚さよりも大きい厚さを有する。いくつかの実施形態では、容器10の部分40、42、44のうちの少なくとも1つは、容器10の部分40、42、44のうちの別の部分の厚さよりも小さい厚さを有する。いくつかの実施形態では、部分40、44は各々、容器10において同じ厚さを有し、部分42は、部分40、44の厚さとは異なる、容器10における厚さを有する。いくつかの実施形態では、部分40、44は各々、容器10において同じ厚さを有し、部分42は、容器10における部分40、44の厚さよりも大きい、容器10における厚さを有する。いくつかの実施形態では、部分40、44は各々、容器10において同じ厚さを有し、部分42は、容器10における部分40、44の厚さよりも小さい厚さを有する。
【0055】
いくつかの実施形態では、2段階法は、製造動作の第2の段階における1つ以上のステップを含む。例えば、第2の段階のステップS3では、ドーム形成面30、ねじ山形成面24、および本体形成面32を有するプリフォーム18が提供される。いくつかの実施形態では、第2の段階は、プリフォーム18を約摂氏95度(C)~約摂氏110度の範囲の温度に予熱することを含むステップS4を含む。いくつかの実施形態では、ドーム形成面30は、例えば、PETまたはバージンPETなどの材料のみから形成される。いくつかの実施形態では、ドーム形成面30は、例えば、本明細書で考察される添加剤などの添加剤を含まない。いくつかの実施形態では、ドーム形成面30は、例えば、PETまたはバージンPETなどの材料のみから形成される単一の部分を含む。すなわち、ねじ山形成面24は、例えば、本明細書で考察される添加剤などの添加剤を含まない。いくつかの実施形態では、ねじ山形成面24は、例えば、部分40、42、44などの部分を含み、例えば、PETまたはバージンPETなどの材料と、例えば、本明細書で考察される添加剤のうちの1つ以上などの1つ以上の濃縮された添加剤と、から形成される。いくつかの実施形態では、本体形成面32は、例えば、部分40、42、44などの部分を含み、例えば、PETまたはバージンPETなどの材料と、例えば、本明細書で考察される添加剤のうちの1つ以上などの1つ以上の濃縮された添加剤と、から形成される。いくつかの実施形態では、濃縮された添加剤を含むプリフォーム18の部分(部分40、42、44を含む部分)は、本明細書で考察されるように、トリムポイントTPの下で終了し、トリムポイントより上の部分は、例えば、本明細書で考察される添加剤などの添加剤を含まない単一の部分を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、第2の段階は、予熱されたプリフォーム18を金型アセンブリ22の空洞20内の所定の位置に取り付けることを含むステップS5を含む。金型アセンブリ22は、容器10の選択された構成に対応するように成形された内部金型面を有する。上で考察されるように、内部金型面は、用途に応じて、容器10が任意のサイズおよび/または形状を有するように成形することができる。いくつかの実施形態では、金型アセンブリ22の温度は、華氏約40度(F)~約華氏110度の範囲である。プリフォーム18は、開口部28に隣接する金型アセンブリ22に取り付けられるフランジ34を有する。いくつかの実施形態では、プリフォーム18は、中間物品16のドーム36を形成する面30、中間物品16のネック12を形成する面24、および中間物品16の本体38を形成する面32を有する。いくつかの実施形態では、プリフォーム18は、本明細書で考察されるように、ドーム36を形成する面30を有さず、ブロー成形されて、ドーム36なしの完成した容器10を形成する。すなわち、プリフォーム18は、完成した容器10を生成するためにドーム36のトリミングは必要とされないように、ドーム36を形成しないように構成されている。いくつかの実施形態では、面30は、約0.100インチ(in)~約0.300inの範囲の壁厚を有する。いくつかの実施形態では、面24は、約0.100in~約0.300inの範囲の壁厚を有する。面32は、約0.100in~約0.300inの範囲の壁厚を有する。
【0057】
ステップS6は、図4に示されるように、プリフォーム18に空気を吹き込んで、中間物品16を成形することを含む。いくつかの実施形態では、空気は、圧縮機から吹き込まれ、約35~約40バールの範囲の圧力でプリフォーム18の開放端40に吹き込まれて、図3に示されるように、プリフォーム18の面30、24、32および底面42を、金型アセンブリ22の内部成形面に対して径方向外向きおよび軸方向下向きに延伸または伸長させる。ステップS7は、金型アセンブリ22から中間物品16を取り出すことを含む。いくつかの実施形態では、プリフォーム18は、面24に隣接する約3.3インチの直径および約6.2インチの長さを有する。中間物品16は、約6インチの直径および約10.3インチの長さを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように中間物品16をトリミングした後の完成した容器10は、約7.25インチの最大直径を有する。
【0058】
いくつかの実施形態では、ドーム36は、環状の凹部44に沿ってネック12の上端に取り付けられている。いくつかの実施形態では、第2の段階は、トリミング機TMを用いてネック12に隣接する中間物品16からドーム36を除去および/またはトリミングすることを含むステップS8を含む。図3に示すように、ドーム36は、中間物品16から切断されて、完成した容器10を生成する。したがって、第2の段階は、完成した容器10を提供するステップS9を含む。
【0059】
上で考察されるように、濃縮された添加剤を含むプリフォーム18の部分(部分40、42、44を含む部分)は、トリムポイントの下で終了し、トリムポイントTPより上の部分は、例えば、本明細書で考察される添加剤などの添加剤を含まない単一の部分を含む。ドーム36は、添加剤を含まないプリフォームの上部分25の単一部分から形成されているという点において、ドーム36は、上で考察される添加剤のうちのいずれも含まない。いくつかの実施形態では、ドーム36は、例えば、容器10と同じまたは同様の別の容器などの別の容器の製造など、別の製造プロセスで再利用することができるスクラップ材料(ポストインダストリアル材料)である。
【0060】
ドーム36は、粉砕され、混合され、乾燥され、溶融ストリームに加えられて、第2のプリフォームを生成し得る。いくつかの実施形態では、溶融ストリームは、任意の他の添加剤を含まないバージンPETを含む。いくつかの実施形態では、溶融ストリームは、上で考察される添加剤のうちの1つ以上に加えて、PETを含む。いくつかの実施形態では、溶融ストリームは、いかなる他の添加剤も含まないバージンPETを含み、上で考察される添加剤のうちの1つ以上は、粉砕され、混合され、乾燥されたドーム36が溶融ストリームに加えられた後に、溶融ストリームに加えられる。第2のプリフォームは、上で考察されるステップS3と同様に、金型に配設される。次いで、上で考察されるステップS4と同様に、第2のプリフォームを予熱することができる。いくつかの実施形態では、予熱された第2のプリフォームは、上で考察されるステップS5と同様に、例えば、金型アセンブリ22の空洞20などの金型の空洞内の所定の位置に取り付けられる。いくつかの実施形態では、第2のプリフォームは、上で考察されるステップS6と同様に、中間物品16と同様の第2の中間物品を成形するためにエアブローされる。上で考察されるステップS7と同様に、第2の中間物品が金型アセンブリから取り出される。いくつかの実施形態では、ドーム36と同様の第2の中間物品のドームは、例えば、トリミング機TMなどのトリミング機を用いて、ネック12と同様の第2の中間物品のネックに隣接する第2の中間物品から除去および/またはトリミングされる。第2の中間物品のドームは、第2の中間物品から切断されて、完成した容器10と同様の第2の完成した容器を製造する。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1の容器10および/または第2の完成した容器は、本明細書に記載されるように、食品包装製品に好適な材料から製作することができる。いくつかの実施形態では、そのような材料には、熱可塑性プラスチック、半硬質および硬質材料、エラストマー、布、ならびに/またはそれらの複合材料などの合成ポリマーが含まれる。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1の容器10および/または第2の完成した容器は、本明細書に記載されるように、食品包装製品に好適な材料から製作することができる。いくつかの実施形態では、そのような材料には、生分解性ポリマー、バイオベースポリマー、ポリエステル、HDPE、およびポリプロピレンが含まれる。
【0063】
完成した容器10がトリミングステップなしで生成されるいくつかの実施形態では、ステップS6は、空気をプリフォーム18に吹き込んで、完成した容器10を形成することを含み、ステップS7は、完成した容器10を金型アセンブリ22から取り出すことを含む。そのような実施形態では、ステップS8およびS9は除外される。
【0064】
いくつかの実施形態では、容器10は、PETを含み、上で考察される容器10を作製する方法は、例えば、PETの結晶化度を変化させるように変更することができる。いくつかの実施形態では、方法は、PETがアモルファスであるように結晶化を防止するように構成されている。そのような実施形態は、容器10が透明であることが所望される、および/または容器10が高温または化学的侵食環境に遭遇することが予想されない用途で使用され得る。いくつかの実施形態では、成形プロセス中にプリフォーム18がさらされる温度は、温度が、選択された閾値温度を超えないように制限されて、PETがアモルファスである容器10を生成することができる。いくつかの実施形態では、選択された閾値温度は、PETのガラス転移温度を超えるが、PETの結晶化温度未満である。
【0065】
いくつかの実施形態では、PETが半結晶性または結晶性であることが望ましい場合がある。そのような実施形態は、容器10が少なくともある程度の混濁を有することが許容される用途、および/または追加の強度を提供するためにPETを強化することが所望される用途で使用することができる。容器10が半結晶性または結晶性のPETを含むことは、容器10が高温または化学的侵食環境に遭遇する可能性がある用途に有用である可能性があることが想定される。いくつかの実施形態では、ガラス繊維および/または無機充填剤を添加して、PETを半結晶性または結晶性にする。いくつかの実施形態では、成形プロセス中にプリフォーム18がさらされる温度は、PETが半結晶性または結晶性である容器10を生成するために、PETが急速に冷されない選択された閾値温度を超える必要がある場合がある。いくつかの実施形態では、選択された閾値温度は、PETの結晶化温度を超える。いくつかの実施形態では、選択された閾値温度は、PETの溶融温度未満である。いくつかの実施形態では、プリフォーム18が、選択された温度にさらされる時間の量は、所望の量の結晶化度を達成するために変更され得る。いくつかの実施形態では、プリフォーム18は、成形プロセス中に、選択された温度を超えるようにプリフォーム18を加熱する代わりに、またはそれに加えて、延伸される。いくつかの実施形態では、使用されるPETは、PETを半結晶性または結晶性にするための狭い分子量、線状ポリマー鎖構造、および高分子量を有する。いくつかの実施形態では、核剤は、PETが半結晶性または結晶性である容器10を生成するために添加される。いくつかの実施形態では、核剤には、例えば、タルク、安息香酸ナトリウム、およびアイオノマーが含まれる。いくつかの実施形態では、成形プロセス中に圧力を加えて、PETが半結晶性または結晶性である容器10を生成することができる。いくつかの実施形態では、成形プロセス中にプリフォーム18に水分を加えて、PETが半結晶性または結晶性である容器10を生成することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、方法は、約5%~約40%の結晶化度を有する容器を生成するために、上で考察される方法のうちの1つ以上に適応される。いくつかの実施形態では、方法は、約10%の結晶化度を有する容器を生成するために、上で考察される方法のうちの1つ以上に適応される。いくつかの実施形態では、方法は、約15%~約20%の結晶化度を有する容器を生成するために、上で考察される方法のうちの1つ以上に適応される。いくつかの実施形態では、方法は、約20%~約25%の結晶化度を有する容器を生成するために、上で考察される1つ以上の方法に適合される。いくつかの実施形態では、方法は、約18%~約30%の結晶化度を有する容器を生成するために、上で考察される方法のうちの1つ以上に適応される。いくつかの実施形態では、方法は、約20%~約40%の結晶化度を有する容器を生成するために、上で考察される方法のうちの1つ以上に適応される。いくつかの実施形態では、容器10の結晶化度は、容器10が、上で考察される特性を有する強度硬化されたPETを含む部分を含むように変更され得る。
【0067】
切断されたドーム36が材料60に加工されることが記載されている。他のポストインダストリアル材料(一定量の添加剤および/または脱酸素剤を含む)は、ドームが材料に加工されるのと同じ方法で、材料60として使用するために加工され得ることが想定される。さらに、特定の他のポストインダストリアル材料(例えば、中間物品16の本体38)および/または特定のポストインダストリアル材料(例えば、リサイクル容器)を材料60に加工することができることが想定される。ただし、他のポストインダストリアル材料および/またはポストコンシューマ材料(一定量の添加剤および/または脱酸素剤を含む)がバージンPETに近い特性を有することを確実にするためのステップが必要になる場合がある。実際、PETには多くの有益な特性があるが、比較的高価である。そのため、容器製造業者は、そのようなPETがバージンPETの特性またはバージンPETの特性に近い特性を有する場合にのみ、PETの増加したコストを支払う。PETの特性(例えば、b*測定値および/またはヘイズ率)がバージンPETの特性から大きく外れている場合(PET内の添加剤および/または脱酸素剤の量に起因して)、そのようなPETは、しばしばPET容器での使用には不適であると判定される。
【0068】
プラスチックリサイクル事業者協会(The Association of Plastic Recylers、APR)は、すべての米国プラスチック容器製品が従う、PET容器での再利用に対するポストコンシューマPETの好適性を判定するための基準を提供している。実際、APRは、プラスチックリサイクルの権威として認められている業界団体である。APRは、リサイクルストリーム、およびリクレーマが使用する洗浄システムに包装潜在的影響を確立するためのいくつかの試験プロトコルを有する。それらの試験プロトコルのうちの1つは、クリティカルガイダンス認識(Critical Guidance Recognition、CGR)プロトコルである。CGRは、プロトコル全体のデータ収集のベースラインとして標準のボトルおよび樹脂を使用する。試験容器は、標準容器と同時に同じ物理的および化学的試験を受ける。次いで、2つのサンプルの特定の特性が測定され、試験容器は、標準容器から所定の量だけ逸脱することが可能である。
【0069】
一実施形態では、対照容器および/またはボトル10などの材料は、対照PETボトルをフレークに粉砕し、フレークをペレットに押し出すことを含むAPRプロトコルを使用することによって比較することができる。ボトル10などの容器の別のサンプルは、同じ装置で同じサイズのフレークに粉砕され、ペレットに押し出される。両方のサンプルは、色および粘度について測定される。両方のサンプルは、溶融され、プラークに形成される。両方のプラークサンプルは、色およびヘイズについて試験される。両方のプラークサンプルは、フレークに粉砕され、再びペレットに押し出される。両方のペレットサンプルは、色および粘度について試験される。両方のペレットサンプルは、溶融され、プラークに形成される。両方のプラークサンプルは、色およびヘイズについて試験される。両方のプラークサンプルは、フレークに粉砕され、再びペレットに押し出される。両方のペレットサンプルは、色および粘度について試験される。次いで、2つのペレットサンプルが分割される。標準のPETボトルからのペレットサンプルおよびボトル10などの容器からのペレットサンプルをプラークにし、色およびヘイズを試験する。標準のPETボトルからの他のペレットサンプルおよびボトル10などの容器からの他のペレットサンプルを加熱し、特定の温度で設定された期間にわたってIV(固有粘度)生成を試験する。
【0070】
固相重合(SSP)は、PETの分子量を構築するための一般的な商業慣行である。このデータでは、実験室規模の回転真空ユニットを採用して、ペレットを熱および真空にさらした。関係する実験室で使用された手法は、APR(プラスチックリサイクル事業者協会)PETペレットの固体重合、PET-P-07試験方法であった。
【0071】
上で考察されるように、b*測定値は、PET容器で再利用するためのポストコンシューマ容器の好適性を判定するためにAPRによって使用される1つの測定値である。b*測定値は、3ベクトル色グラフの黄色から青色へのベクトルである。黄色の色調または色は、通常、処理およびその後の加熱サイクル後のPETの劣化の程度を示すために使用される。PETが黄色いほど、劣化していると考えられる。また、PETは、さらされる熱履歴ごとに劣化する。したがって、対照または標準のPETボトルが経験する熱履歴ごとに、黄色のb*測定値が増加する。APRクリティカルガイダンス認識試験は、これを認識し、ボトルが留まらなければならない範囲を確立した。試験に合格するには、容器が対照ボトルから+/-1.5b*単位である必要がある。容器がb*測定値のこの限界の枠外である場合、テストに失敗し、PET容器での再利用には不適である。
【0072】
容器10および他のいくつかの容器の*b測定値は、上で考察されるAPRプロトコルを使用して、バージンPETの*b測定値と比較され、PET容器での再利用に対する容器の好適性を判定した。図12に示されるように、容器10は、SSP試験を通過したサンプルのすべての中でバージンPETに最も近いb*を有する。すなわち、スカベンジャー(例えば、アクティブスカベンジャーA~E)のより多くの割合を含む容器は、例えばアクティブスカベンジャーA~Eなどの、従来の容器よりもはるかに少ないスカベンジャーを含む容器10よりも、バージンPETのb*測定値から大きく外れている。特に、5を超えるb*測定値を有するサンプル(例えば、アクティブスカベンジャーA~E)は、PET容器の作製には不適なものにする、かなりの程度の黄変を示している。したがって、アクティブスカベンジャーA~Eは、材料60としての使用には不適である。容器10は、バージンPETと同様に反応を示し、5未満のb*測定値を有するという点において、容器10は、材料60としての使用に好適であろう。したがって、容器10中の比較的少量の脱酸素剤および/または他の添加剤は、容器10をPET容器での再利用に好適なものにするが、より大量の脱酸素剤および/または他の添加剤を含む他の容器は、PET容器での再利用には好適ではない。この段落で考察される比較では、「バージンPET」範囲の最大値は、3.5b*単位であるため、最大値b*限度(破線)は、5b*単位に設定されていることに留意されたい。最小値は、このグループに関連しないため、表示されない。
【0073】
容器10および図12に関連して考察される他の容器のヘイズ率は、上で考察されるAPRプロトコルを使用して、バージンPETのヘイズ率と比較され、PET容器での再利用のための容器の好適性を判定した。対照ボトル(「バージンPET」)は、許容可能であるように9%未満のヘイズ値を測定する必要がある。次いで、それが確立されたら、対照ボトルと比較されている容器のプラークサンプルは、対照ボトルの測定値の10%である必要がある。したがって、表された対照の最高のヘイズ値は、7.0であり、その10%は0.7であり、これは、各サンプルの最大ヘイズ率を示すために図13に破線で示されている。図13に示すように、容器10のヘイズ率は、7未満であるため、PET容器で再利用可能である。ただし、他のサンプルは、7を超えるヘイズ率を有するため、PET容器での再利用には不適である。この場合も、容器10中の比較的少量の脱酸素剤および/または他の添加剤は、容器10をPET容器での再利用に好適なものにするが、より大量の脱酸素剤および/または他の添加剤を含む他の容器は、PET容器での再利用には好適ではない。
【0074】
O2スカベンジャーの有効性および強度を測定する1つの方法は、容器を脱酸素水で充填し、容器を密閉して、水中のO2を経時的に測定することである。水中のO2レベルは、O2が容器(壁、シール、キャップなど)を透過するにつれて増加し、PPM(100万分の1)単位で測定されるO2レベルの増加は時間の経過と共に増加する。図14のチャートは、この文書で言及されている0.03重量%のアクティブスカベンジャーに対する4つの代替的なアクティブスカベンジャーを示している。容器が試験にある日数は、Χ軸であり、密封された容器の内部で測定された結果のO2レベルは、Y軸である。実線は、0.03重量%容器の性能を示している。
【0075】
本明細書に開示の実施形態に様々な変更を行うことができることが理解されよう。したがって、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に様々な実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲および趣旨の範囲内で他の変更を想定するであろう。
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【国際調査報告】