IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 24エム・テクノロジーズ・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-500064セパレータシールを有する電気化学セル及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-04
(54)【発明の名称】セパレータシールを有する電気化学セル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/463 20210101AFI20221222BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20221222BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20221222BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20221222BHJP
   H01M 50/414 20210101ALI20221222BHJP
   H01M 50/431 20210101ALI20221222BHJP
   H01M 50/411 20210101ALI20221222BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20221222BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20221222BHJP
   H01M 50/59 20210101ALI20221222BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20221222BHJP
【FI】
H01M50/463 B
H01M50/46
H01M10/0585
H01M50/417
H01M50/414
H01M50/431
H01M50/411
H01M50/105
H01M4/62 Z
H01M50/59
H01M50/586
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523909
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 US2020058564
(87)【国際公開番号】W WO2021087465
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】62/929,408
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/046,758
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511242269
【氏名又は名称】24エム・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】24M Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジュンジェン
(72)【発明者】
【氏名】太田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】タイラー,マット
(72)【発明者】
【氏名】コスタ,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】オークス,ランドン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H021
5H029
5H043
5H050
【Fターム(参考)】
5H011DD13
5H021AA02
5H021AA06
5H021BB11
5H021BB12
5H021BB15
5H021BB17
5H021CC05
5H021CC07
5H021EE01
5H021EE02
5H021EE03
5H021EE04
5H021EE08
5H021EE21
5H021EE32
5H021HH03
5H021HH06
5H021HH10
5H029AJ12
5H029BJ04
5H029BJ12
5H029DJ04
5H029DJ12
5H029HJ04
5H029HJ12
5H043AA04
5H043BA20
5H043CA08
5H043CA12
5H043GA22
5H043GA27
5H043GA28
5H043HA22E
5H043JA15E
5H043KA23E
5H043KA24E
5H043KA28E
5H043KA29E
5H043KA35E
5H043LA02E
5H043LA21E
5H050AA15
5H050DA13
5H050DA19
5H050EA11
5H050EA12
5H050EA15
5H050FA02
5H050FA12
5H050HA12
(57)【要約】
本明細書に記載の実施形態は、セパレータシールを有するセパレータを有する電気化学セルに関する。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、アノード集電体上に配置されたアノード、カソード集電体上に配置されたカソード、アノードとカソードとの間に配置されたセパレータ、及びセパレータに結合されたセパレータシールを含む。セパレータシールは、それを通る電気活性種の動きに対して不浸透性である。いくつかの実施形態では、セパレータシールは、テープ及び/又は接着剤を含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータシールは、セパレータの一部の細孔中へと浸透する材料を含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータシールは、セパレータに熱的に接合され得る。いくつかの実施形態では、電気化学セルはパウチを含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータはパウチに結合され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシールはパウチに結合され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学セルであって、
アノード集電体上に配置されたアノードと、
カソード集電体上に配置されたカソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置されたセパレータであって、前記セパレータは、前記アノードと接触している第1の表面と、前記第1の表面の反対側の、前記カソードと接触している第2の表面とを有し、前記セパレータは、前記アノードと前記カソードとの間で電気活性種の移動を可能にするように構成されている、セパレータと、
前記セパレータに結合されたセパレータシールであって、電気活性種の移動を遮断するように構成されている、セパレータシールと、を備える電気化学セル。
【請求項2】
前記セパレータの前記第1の表面の一部が前記アノードに接触しないように、前記セパレータは、前記アノードの長さよりも大きい長さを有し、前記セパレータは、前記アノードの幅よりも大きい幅を有する、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
前記セパレータの前記第2の表面の一部が前記カソードに接触しないように、前記セパレータは、前記カソードの長さよりも大きい長さを有し、前記セパレータは、前記カソードの幅よりも大きい幅を有する、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項4】
前記カソードは、前記アノードの長さよりも小さい長さを有し、前記カソードは、前記アノードの幅よりも小さい幅を有する、請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項5】
前記アノードの前記長さは、前記セパレータの長さと同じ又は実質的に同様であり、前記アノードの前記幅は、前記セパレータの幅と同じ又は実質的に同様であり、それにより、前記セパレータは部分的に覆われた部分を有し、前記セパレータの前記部分的に覆われた部分は、前記セパレータの前記第1の表面上で前記アノードに接触し、前記セパレータの前記部分的に覆われた部分は、前記セパレータの前記第2の表面上で前記カソードに接触していない、請求項4に記載の電気化学セル。
【請求項6】
前記セパレータの前記第1の表面及び/又は前記セパレータの前記第2の表面において、前記セパレータシールが前記セパレータの前記部分的に覆われた部分の全てを覆うように、前記セパレータシールは、前記セパレータの外周の周囲に配置されている、請求項4又は5に記載の電気化学セル。
【請求項7】
前記セパレータシールはテープを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項8】
前記セパレータシールは接着剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項9】
前記セパレータシールは静電コーティングを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項10】
前記セパレータは細孔を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項11】
前記セパレータシールは、前記セパレータの一部の前記細孔中に配置された材料を含む、請求項10に記載の電気化学セル。
【請求項12】
前記セパレータシールは、前記セパレータの一部をコーティングするコーティング材料を含む、請求項10に記載の電気化学セル。
【請求項13】
前記コーティング材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、熱硬化性ポリマー、硬質炭素、熱硬化性樹脂、ポリイミド、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項12に記載の電気化学セル。
【請求項14】
前記セパレータシールは、前記セパレータの一部の前記細孔中に配置された高粘度油を含み、前記高粘度油は、前記セパレータの前記一部を通る電気活性材料の流れを制限する、請求項10~13のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項15】
前記セパレータシールは、前記セパレータに熱接合されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項16】
パウチを更に備え、前記セパレータの前記第1の表面は第1のシール部分を含み、前記セパレータの前記第1のシール部分は、前記パウチに結合され、
前記セパレータの前記第2の表面は第2のシール部分を含み、前記セパレータの前記第2のシール部分は、前記パウチに結合されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項17】
前記セパレータシールは、前記パウチに結合されている、請求項16に記載の電気化学セル。
【請求項18】
前記アノード及び/又は前記カソードは、固体電解質を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項19】
アノード集電体上に配置されたアノードと、
カソード集電体上に配置されたカソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置されたセパレータであって、前記セパレータは、前記セパレータを通る電気活性種の移動を可能にするように構成された浸透性部分と、前記セパレータを通る電気活性種の移動を防止するように構成された不浸透性部分とを含む、セパレータと、を含む、電気化学セル。
【請求項20】
前記アノードに隣接する前記セパレータの表面の一部が前記アノードに接触しないように、前記セパレータは、前記アノードの長さよりも大きい長さを有し、前記セパレータは、前記アノードの幅よりも大きい幅を有する、請求項19に記載の電気化学セル。
【請求項21】
前記カソードに隣接する前記セパレータの表面の一部が前記カソードに接触しないように、前記セパレータは、前記カソードの長さよりも大きい長さを有し、前記セパレータは、前記カソードの幅よりも大きい幅を有する、請求項19に記載の電気化学セル。
【請求項22】
前記カソードは、前記アノードの長さよりも小さい長さを有し、前記カソードは、前記アノードの幅よりも小さい幅を有する、請求項19に記載の電気化学セル。
【請求項23】
前記アノードの前記長さは、前記セパレータの長さと同じ又は実質的に同様であり、前記アノードの前記幅は、前記セパレータの幅と同じ又は実質的に同様であり、それにより、前記セパレータは部分的に覆われた部分を有し、前記セパレータの前記部分的に覆われた部分は、前記セパレータの第1の表面上で前記アノードに接触し、前記セパレータの前記部分的に覆われた部分は、前記セパレータの第2の表面上で前記カソードに接触していない、請求項22に記載の電気化学セル。
【請求項24】
前記セパレータの前記第1の表面及び/又は前記セパレータの前記第2の表面において、前記不浸透性部分が前記セパレータの前記部分的に覆われた部分の全てを覆うように、前記不浸透性部分は、前記セパレータの外周の周囲に配置されている、請求項22又は23に記載の電気化学セル。
【請求項25】
前記不浸透性部分はUV硬化されている、請求項19~24のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項26】
前記浸透性部分の一部がパウチに結合されている、請求項25に記載の電気化学セル。
【請求項27】
前記セパレータは第1の層及び第2の層を含み、前記第1の層は不浸透性セクションを含む、請求項19~26のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項28】
前記第2の層の実質的に全てが浸透性である、請求項27に記載の電気化学セル。
【請求項29】
前記第2の層は、前記第1の層の溶融温度よりも高い溶融温度を有する、請求項27又は28に記載の電気化学セル。
【請求項30】
前記第1の層はポリエチレンを含む、請求項27~29のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項31】
前記第2の層はポリプロピレンを含む、請求項27~30のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項32】
前記第1の層の外側エッジが前記第2の層に選択的に溶融されて前記不浸透性セクションが形成されている、請求項27~31のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項33】
前記アノード及び/又は前記カソードは、固体電解質を含む、請求項19~32のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項34】
前記セパレータは細孔を含む、請求項37~33のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項35】
前記セパレータの前記不浸透性部分は、前記細孔中に配置された材料を含んで、前記不浸透性部分を通る電気活性種の移動を防止している、請求項34に記載の電気化学セル。
【請求項36】
前記材料は高粘度油を含む、請求項35に記載の電気化学セル。
【請求項37】
第1の電極と、
第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置されているセパレータであって、前記セパレータは、前記第1の電極と接触している第1の表面と、前記第1の表面の反対側の、前記第2の電極と接触している第2の表面とを有し、前記セパレータは、前記第1の電極と前記第2の電極との間で電気活性種の移動を可能にするように構成されている、セパレータと、
前記セパレータに結合されたセパレータシールであって、電気活性種の移動を遮断するように構成されている、セパレータシールと、
パウチであって、
前記第1の電極、前記第2の電極、前記セパレータ、及び前記セパレータシールは前記パウチ内に配置されている、パウチと、を備える、電気化学セル。
【請求項38】
前記セパレータの前記第1の表面の一部が前記第1の電極に接触しないように、前記セパレータは、前記第1の電極の長さよりも大きい長さを有し、前記セパレータは、前記第1の電極の幅よりも大きい幅を有する、請求項37に記載の電気化学セル。
【請求項39】
前記セパレータの前記第2の表面の一部が前記第2の電極に接触しないように、前記セパレータは、前記第2の電極の長さよりも大きい長さを有し、前記セパレータは、前記第2の電極の幅よりも大きい幅を有する、請求項37に記載の電気化学セル。
【請求項40】
前記第2の電極は、前記第1の電極の長さよりも小さい長さを有し、前記第2の電極は、前記第2の電極の幅よりも小さい幅を有する、請求項37に記載の電気化学セル。
【請求項41】
前記第1の電極の前記長さは、前記セパレータの長さと同じ又は実質的に同様であり、前記第1の電極の幅は、前記セパレータの幅と同じ又は実質的に同様であり、それにより、前記セパレータは部分的に覆われた部分を有し、前記セパレータの前記部分的に覆われた部分は、前記セパレータの前記第1の表面上で前記第1の電極に接触し、前記セパレータの前記部分的に覆われた部分は、前記セパレータの前記第2の表面上で前記第2の電極に接触していない、請求項40に記載の電気化学セル。
【請求項42】
前記セパレータの前記第1の表面及び/又は前記セパレータの前記第2の表面において、前記セパレータシールが前記セパレータの前記部分的に覆われた部分の全てを覆うように、前記セパレータシールは、前記セパレータの外周の周囲に配置されている、請求項40又は41に記載の電気化学セル。
【請求項43】
前記セパレータシールは、前記セパレータの一部の細孔中に配置された材料を含む、請求項37~42のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項44】
前記セパレータシールはテープを含む、請求項37~43のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項45】
前記セパレータシールは接着剤を含む、請求項37~44のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項46】
前記第1の電極及び/又は前記第2の電極は、固体電解質を含む、請求項37~45のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2019年11月1日に出願された「DUAL ELECTROLYTE ELECTROCHEMICAL CELLS, SYSTEMS, AND METHODS OF MANUFACTURING THE SAME」と題する米国仮特許出願第62/929,408号、及び2020年7月1日に出願された「ELECTROCHEMICAL CELLS WITH SEPARATOR SEALS, AND METHODS OF MANUFACTURING THE SAME」と題する米国仮特許出願第63/046,758号の優先権及び利益を主張し、これらそれぞれの開示の全体が参考により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 本明細書に記載の実施形態は、セパレータシールを有するセパレータを有する電気化学セルに関する。電気化学セルは、多くの場合、カソードの寸法とは異なる寸法を有するアノードを使用して設計される。アノード及びカソードは、厚さだけでなく、長さ及び幅も異なり得る。一般に、電気化学セルの設計では、セル効率と電気活性種の使用を最大化するために、アノード及びカソードの長さ及び幅の寸法をできるだけ近づける必要がある。しかしながら、カソードが横方向にシフトすると、カソードのエッジがアノードのエッジを超えて延びる可能性があり、アノードのエッジの周囲でカソード材料のめっきが生じる可能性がある。カソードよりも僅かに大きい長さ及び幅の寸法を有するようにアノードを設計することにより、アノードの外側エッジの周囲にカソード材料がめっきされることを防止できる。しかしながら、アノードの長さ及び幅の寸法をカソードの長さ及び幅の寸法よりも僅かに大きく設計することにより、カソードのエッジの周囲にアノード材料がめっきされることになり得る。放電中、陽イオンがアノードからセパレータを通ってカソードに移動する。アノードがカソードよりも長く幅が広い場合、カソードのエッジを超えて延びているアノードの部分から、一部の陽イオンが移動する可能性がある。換言すれば、陽イオンが、カソードとは同一直線上にないアノードの部分から移動する可能性がある。これにより、セパレータのカソード側にアノード材料が蓄積する可能性がある。カソード側に十分なアノード材料が蓄積すると、カソードがアノード材料に直接接触し、部分的又は完全な短絡が生じ得る。
【0003】
[0003] 電気化学セルで生じ得る別のめっきの問題は、コーティング品質に関連する。電気化学セルでは、電極材料を集電体上にコーティングすることができ、コーティング品質は、多くの場合、電極の中央付近よりもエッジ付近の方が劣っている。場合によっては、電極のエッジにおいて材料のローディングが僅かに低い可能性があり、対電極からの材料が電極のエッジの近くにめっきされる余地が生じる。これにより、部分的又は完全な短絡が生じ得る。電極エッジの近くでアノード又はカソード材料の流れを部分的に遮断することが、このような短絡事象を防止することを手助けする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[0004] 本明細書に記載の実施形態は、セパレータシールを有するセパレータを有する電気化学セルに関する。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、アノード集電体上に配置されたアノード、カソード集電体上に配置されたカソード、アノードとカソードとの間に配置されたセパレータ、及びセパレータに結合されたセパレータシールを含む。セパレータシールは、それを通る電気活性種の動きに対して不浸透性である。いくつかの実施形態では、セパレータシールは、テープ及び/又は接着剤を含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータシールは、セパレータの一部の細孔中へと浸透する材料を含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータシールは、セパレータに熱的に接合され得る。いくつかの実施形態では、電気化学セルはパウチを含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータはパウチに結合され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシールはパウチに結合され得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面の簡単な説明
図1】[0005]アノード材料の堆積による短絡を被っている電気化学セルを示す。
図2】[0006]一実施形態による、セパレータシールを有するセパレータを有する電気化学セルの概略図である。
図3A】[0007]一実施形態による、セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図3B】[0007]一実施形態による、セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図4A】[0008]一実施形態による、セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図4B】[0008]一実施形態による、セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図5A】[0009]一実施形態による、セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図5B】[0009]一実施形態による、セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図6A】[0010]一実施形態による、セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図6B】[0010]一実施形態による、セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図7A】[0011]一実施形態による、巻回型セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図7B】[0011]一実施形態による、巻回型セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図7C】[0011]一実施形態による、巻回型セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図8A】[0012]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図8B】[0012]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図8C】[0012]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図9A】[0013]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図9B】[0013]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図9C】[0013]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図10A】[0014]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図10B】[0014]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図10C】[0014]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図10D】[0014]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図10E】[0014]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図10F】[0014]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図10G】[0014]一実施形態による、分解された電気化学セルの写真を示す。
図11A】[0015]一実施形態による、セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
図11B】[0015]一実施形態による、セパレータシールを有する電気化学セルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
[0016] 本明細書に記載の実施形態は、セパレータシールを有するセパレータを有する電気化学セル、及びその製造方法に関する。電気化学セルにおける短絡事象は、多くの場合、カソードの近くでのアノード材料の堆積により、又はカソードの近くでのカソード材料の堆積により引き起こされる可能性がある。いったんカソードの近くに十分なアノード材料が蓄積すると、又はその逆の場合、アノード材料とカソード材料との間の物理的接触が短絡事象につながる可能性がある。この挙動の一例が図1に示されている。図1は、アノード集電体120上に配置されたアノード110、カソード集電体140上に配置されたカソード130、及びアノード110とカソード130との間に配置されたセパレータ150、を有する電気化学セル100を示す。アノード集電体120及びカソード集電体140は両方ともパウチ材料160上に配置されている。図示するように、アノード110は、第1のセクション112及び第2のセクション114を有する。第1のセクション112は、カソード130と同一直線上にあるが、第2のセクション114は、カソード130とは同一直線上にない。換言すれば、イオンはラインAを介して第1のセクション112からカソード130に移動する。イオンはラインBを介して第2のセクション114から移動するが、第2のセクション114はカソード130とは同一直線上にないので、アノード材料堆積物116が、カソード130の近くでカソード集電体140の表面上又はパウチ材料160の表面上のいずれかに形成される。アノード材料堆積物116が、カソード130に物理的に接触するほど十分に大きい場合、部分的な又は完全な短絡事象が生じる可能性がある。加えて、アノード材料堆積物116は、アノード110から分離した材料を表し、その結果、その材料は電気化学セル100のサイクリングにおいて、もはや使用することができない。これは、電気化学セル100のサイクリング性能に悪影響を及ぼし得る。
【0007】
[0017] セパレータシールの使用、又はセパレータの一部を通るイオンの流れを防止できるデバイスの使用により、短絡事象のリスクを大幅に低減させることができる。短絡事象のリスクを低減させることは、経済上の利点、並びに安全上の利点であり得る。カソードの近くに堆積したアノード材料(又はアノードの近くに堆積したカソード材料)を除去するには、多くの場合、パウチを開いてアノード材料及びカソード材料にアクセスし、電気化学セルの無傷の部分を損傷させることなく、堆積した材料を注意深く除去する必要がある。これは労働集約的なプロセスであり、電気化学セルにとってダウンタイムを生じさせる。その電気化学セルが、複数の電気化学セルを有するバッテリーパックに含まれている場合、バッテリーパック内の各電気化学セルがダウンタイムを被ることになる。場合によっては、カソードの近くのアノード材料(又はアノードの近くのカソード材料)の堆積物が大きすぎて除去できない場合、電気化学セルは廃棄又はリサイクルされる可能性がある。短絡事象を防止することも安全上の利点であり得る。短絡事象は、多くの場合、電気化学セルにおいて急激な温度上昇を引き起こし、場合によっては熱暴走、火災、又は爆発につながる可能性がある。
【0008】
[0018] セパレータシールをセパレータ内に組み込むことにより、イオンの流れがアノードとカソードとの間だけで生じて、電気活性材料が望ましくない場所に蓄積しないように、セパレータを通るイオンの流れを導くことができる。いくつかの実施形態では、セパレータシールは、セパレータの一部であり得る。換言すれば、セパレータ及びセパレータシールは、イオンの流れに対して浸透性である第1の部分と、イオンの流れに対して不浸透性である第2の部分とを有する、単一の材料片であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシールは、2つの別個の材料片であって、セパレータシールがセパレータに結合されている場合がある。いくつかの実施形態では、セパレータは、イオンに対して実質的に不浸透性のセクションを含む第1の層と、イオンに対して実質的に不浸透性のセクションを含まない第2の層とを有する、複数の層を有し得る。
【0009】
[0019] いくつかの実施形態では、セパレータは、多孔質膜セパレータ(例えば、多孔質ポリオレフィン膜)であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータは、カソードとアノードとの間のイオン性電荷キャリアの移動を可能にし得る。いくつかの実施形態では、セパレータは電解質により湿潤される場合があり、アノードとカソードとの間で電解質を連通させることができる。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、選択的に浸透性である膜を含み得る。セルの充電及び放電中のイオン移動を促進させながら、アノードをカソードから化学的及び/又は流体的に分離することができる選択的浸透性膜を有するセパレータを含む電気化学セルの例は、2019年1月8日に出願された「Electrochemical Cells Including Selectively Permeable Membranes, Systems and Methods of Manufacturing the Same」と題する米国特許第10,734,672号(「’672特許」)に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
[0020] いくつかの実施形態では、本明細書に記載の電極は、半固体材料を含み得る。半固体組成物及び/又は電極を調製するために使用できるシステム及び方法の例は、2013年3月15日に出願された「Electrochemical Slurry Compositions and Methods for Preparing the Same」と題する米国特許第9,484,569号(以下「’569特許」)、2013年4月29日に出願された「Semi-Solid Electrodes Having High Rate Capability」と題する米国特許第8,993,159号(「’159特許」)、及び2015年11月4日に出願された「Electrochemical Cells Having Semi-Solid Electrodes and Methods of Manufacturing the Same」と題する米国特許公報第2016/0133916号(「’916公報」)、に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
[0021] いくつかの実施形態では、本明細書に記載の電極及び/又は電気化学セルは、固体電解質を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアノードは、固体電解質を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のカソードは、固体電解質を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の電気化学セルは、アノード及びカソードの両方に固体電解質を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の電気化学セルは、固体電解質を有するユニットセル構造を含み得る。いくつかの実施形態では、固体電解質材料は、粉末をバインダと混合し、次いで処理して(例えば、押し出し、鋳造、湿式鋳造、吹き付けなど)、固体電解質材料のシートを形成したものであり得る。いくつかの実施形態では、固体電解質材料は、ガーネット構造、ペロブスカイト構造、リン酸塩ベースのリチウム超イオン伝導体(LISICON)構造、ガラス構造であって例えば、La0.51Li0.34TiO2.94、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO、Li1.4Al0.4Ti1.6(PO、LiLaZr12、Li6.66LaZr1.6Ta0.412,9(LLZO)、50LiSiO・50LiBO、Li2.9PO3.30.46(リチウムリンオキシナイトライド、LiPON)、Li3.6Si0.60.4、LiBN、LiBO-LiSO、LiBO-LiSO-LiCO(LIBSCO、擬三元系)を含む酸化物ベースの固体電解質材料;及び/又は、チオ-LISICON構造、ガラス構造、及びガラスセラミック構造であって例えば、Li1.07Al0.69Ti1.46(PO、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO、Li10GeP12(LGPS)、30LiS・26B・44LiI、63LiS・36SiS・1LiPO、57LiS・38SiS・5LiSiO、70LiS・30P、50LiS・50GeS、Li11、Li.25P0.95、及びLi9.54Si1.741.4411.7Cl0.3を含む硫化物含有固体電解質材料;及び/又は、クロソ型複合水素化物であって例えば、LiBH-LiI、LiBH-LiNH、LiBH-P、Li(CB10)-LiI様のLi(CBX+1)-LiI;及び/又は、リチウム電解質塩ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド(TFSI)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(BETI)、ビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムホウ酸オキサラトリン酸(LiBOP)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アミド-ホウ化水素、LiBF、LiPF LIF、又はこれらの組み合わせ、のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の電極は、約40重量%~約90重量%の固体電解質材料を含み得る。固体電解質を含む電気化学セル及び電極の例が、’672特許に記載されている。
【0012】
[0022] 製造において、バッテリーセルは、電極の層を交互に積層することにより(典型的には、高速機能の角柱状セルの場合)、又は電極の長いストリップを巻いて「ジェリーロール」構成にすることにより(典型的には、円筒形セルの場合)構築できる。電極スタック又はロールは、ガスケットで密封されたハードケース(大部分の市販の円筒形セル)、レーザ溶接されたハードケース、又は継ぎ目をヒートシールしたホイルパウチ(一般に、リチウムイオンポリマーセルと称される)内に挿入され得る。
【0013】
[0023] 本明細書で使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「前記(the)」は、別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、用語「部材」は、単一の部材又は部材の組み合わせを意味することを意図し、「材料」は、1つ以上の材料又はそれらの組み合わせを意味することを意図している。
【0014】
[0024] 用語「実質的に」は、「円筒形」、「線形」、及び/又は他の幾何学的関係に関連して使用される場合、そのように定義された構造が、名目上、円筒形、線形などであることを伝えることを意図している。一例として、「実質的に線形」であると説明される支持部材の部分は、その部分の線形性が望ましいが、「実質的に線形」である部分において、いくらかの非線形性が生じ得ることを伝えることを意図している。そのような非線形性は、製造公差、又はその他の実際上の考慮事項(例えば、支持部材に加えられる圧力又は力など)から生じ得る。したがって、用語「実質的に」により修飾される幾何学的構造は、述べられた幾何学的構造のプラスマイナス5%の許容範囲内のそのような幾何学的特性を含む。例えば、「実質的に線形」である部分は、線形であることのプラスマイナス5%以内にある軸又は中心線を定義する部分である。
【0015】
[0025] 本明細書で使用される場合、用語「セット」及び「複数」は、複数の特徴、又は複数の部分を有する単一の特徴、を指す可能性がある。例えば、電極のセットを参照する場合、電極のセットは、複数の部分を有する1つの電極と見なすことができる、又は電極のセットは、複数の、別個の電極と見なすことができる。加えて、例えば、複数の電気化学セルを指す場合、複数の電気化学セルは、複数の、別個の電気化学セル、又は複数の部分を有する1つの電気化学セル、と見なすことができる。したがって、部分のセット又は複数の部分は、互いに連続又は不連続のいずれかである複数の部分を含み得る。複数の粒子又は複数の材料はまた、別々に製造された後に一緒に結合された(例えば、混合、接着剤、又は任意の好適な方法を介して)複数の物品から製造され得る。
【0016】
[0026] 本明細書で使用される場合、用語「半固体」は、例えば、粒子懸濁液、スラリー、コロイド懸濁液、エマルジョン、ゲル、又はミセルなどの、液相と固相の混合物である材料を指す。
【0017】
[0027] 本明細書で使用される場合、用語「従来のセパレータ」は、電荷を運ぶイオンが通過することを可能にしながら、アノードとカソードとの間の電気的絶縁を提供するイオン浸透性の膜、フィルム、又は層を意味する。従来のセパレータは、アノードとカソードの化学的及び/又は流体的分離を提供しない。
【0018】
[0028] 図2は、一実施形態による電気化学セル200の概略図である。電気化学セル200は、アノード集電体220上に配置されたアノード210、カソード集電体240上に配置されたカソード230、及びアノード210とカソード230との間に配置されたセパレータ250を含む。図示するように、セパレータ250は、セパレータシール255を含む。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250のいくつかの部分を通る電気活性種の流れを遮断し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、アノード210又はカソード230の近くでの電気活性材料のめっき又は蓄積を防止又は実質的に防止し得る。電気活性材料の蓄積を防止することにより、アノード210及びカソード230(すなわち、電極)における電気活性材料の保持を改善でき、したがって、電気化学セル200の容量保持を改善できる。電気活性材料の蓄積を防止することはまた、電気化学セル200において短絡事象が生じることを防止し得る。
【0019】
[0029] いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、ポリマー材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、ポリエチレン、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、又は任意の他の好適な材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250と同じ又は実質的に同じ材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250とは異なる材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、接着材料であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セメント、粘漿剤、接着剤、及び/又はペーストを含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、カプトンテープ、無機絶縁セラミック、アルミナ、シリカ、ベーマイト、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、有機材料であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、オイルであり得る。いくつかの実施形態において、セパレータ250は、細孔を含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、熱硬化性ポリマー又は熱硬化性樹脂であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の細孔中へと浸透し、細孔を通る電気活性材料の流れを遮断する材料であり得る。
【0020】
[0030] いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の一部をコーティングするコーティング材料を含み得る。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、セパレータ250の一部における細孔を通る電気活性種の流れを遮断し得る。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、熱硬化性ポリマー、硬質炭素、熱硬化性樹脂、ポリイミド、又は任意の他の好適なコーティング材料、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、静電コーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の片面に結合されたテープであり得る。いくつかの実施形態では、セパレータ250の一部を溶融及び硬化させて、セパレータ250の一部における細孔を閉じ、セパレータシール255を形成できる。いくつかの実施形態では、セパレータ250の一部をUV硬化させて、セパレータシール255が形成され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の片面上に配置され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の両側に配置され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の両側に結合されたテープであり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250に熱接合され得る。いくつかの実施形態では、セパレータ250は、接着材料で部分的にコーティングされ得る。いくつかの実施形態では、接着材料でコーティングされたセパレータ250の一部を加熱及び硬化させて、セパレータシール255を形成することができる。いくつかの実施形態では、セパレータ250を、セラミックコーティングで部分的にコーティングすることができ、セラミックコーティングのバインダ材料を溶融及び硬化させて、セパレータシール255を形成することができる。いくつかの実施形態では、セパレータ250の一部を機械的にプレスして、細孔を閉じ、セパレータシール255を形成できる。
【0021】
[0031] いくつかの実施形態では、セパレータ250をアノード210及び/又はカソード230に結合させて、電気化学セル200の構築又は輸送中のアノード210及び/又はカソード230の横方向への移動又は位置ずれを防止できる。いくつかの実施形態では、セパレータ250は、アノード210及び/又はカソード230に接着剤で結合され得る。いくつかの実施形態では、セパレータ250とアノード210との間の接着結合は、セパレータシール255又はセパレータシール255の一部であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータ250とアノード210との間の接着結合は、セパレータシール255とは別個であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータ250とカソード230との間の接着結合は、セパレータシール255又はセパレータシール255の一部であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータ250とカソード230との間の接着結合は、セパレータシール255とは別個であり得る。
【0022】
[0032] いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250に結合され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、アノード210と物理的に接触し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、カソード230と物理的に接触し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、アノード210及びカソード230の両方と物理的に接触し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、パウチ(図示せず)に結合され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、パウチに結合された第1の側と、電極に結合された第2の側とを有し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255の両側が、パウチに結合され得る。
【0023】
[0033] いくつかの実施形態では、セパレータ250及びセパレータシール255は、2つの別個の材料片であり得る。例えば、セパレータシール255は、セパレータ250の一部に熱接合されたポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、セパレータ250及びセパレータシール255は、同じ材料片の2つの部分であり得る。例えば、セパレータ250は、多孔質セクション及び非多孔質セクションを有することができ、非多孔質セクションは、セパレータシール255として機能する。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の外辺の周囲に配置され得る。いくつかの実施形態では、セパレータ250は複数の層を含むことができ、第1の層はセパレータシール255を含み、第2の層はセパレータ250に更なる構造的強化を提供する。
【0024】
[0034] いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の表面積の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%を覆い得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の表面積の約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、又は約10%以下を覆い得る。セパレータシール255により覆われるセパレータ250の、上記で参照したパーセンテージの組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約5%且つ約95%以下、又は少なくとも約10%且つ約40%以下)、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の表面積の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、又は約95%を覆い得る。
【0025】
[0035] いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の第1の側の第1のパーセンテージと、セパレータ250の第2の側の第2のパーセンテージとを覆うことができ、第2の側は第1の側の反対側である。いくつかの実施形態では、第1のパーセンテージは、第2のパーセンテージと同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、第1のパーセンテージは、第2のパーセンテージとは異なり得る。いくつかの実施形態では、第1の側はアノード210に隣接することができる一方で、第2の側はカソード230に隣接することができる。
【0026】
[0036] いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の第1の側の表面積の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%を覆い得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の第1の側の表面積の約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、又は約10%以下を覆い得る。セパレータシール255により覆われるセパレータ250の第1の側の、上記で参照したパーセンテージの組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約5%且つ約95%以下、又は少なくとも約10%且つ約40%以下)、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の第1の側の表面積の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、又は約95%を覆い得る。
【0027】
[0037] いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の第2の側の表面積の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%を覆い得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の第2の側の表面積の約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、又は約10%以下を覆い得る。セパレータシール255により覆われるセパレータ250の第2の側の、上記で参照したパーセンテージの組み合わせも可能であり(例えば、少なくとも約5%且つ約95%以下、又は少なくとも約10%且つ約40%以下)、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、セパレータシール255は、セパレータ250の第2の側の表面積の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、又は約95%を覆い得る。
【0028】
[0038] 図3A及び図3Bは、一実施形態による電気化学セル300を示す。電気化学セル300は、アノード集電体320上に配置されたアノード310、カソード集電体340上に配置されたカソード330、及びアノード310とカソード330との間に配置されたセパレータ350を含む。図示するように、セパレータ350は、セパレータ350の外側エッジの周囲に向いたセパレータシール355を含む。いくつかの実施形態では、アノード集電体320及び/又はカソード集電体340は、プラスチックフィルム又はパウチ材料(図示せず)に結合され得る。アノード310は、アノード長さL及びアノード幅Wを有する。カソード330は、カソード長さL及びカソード幅Wを有する。いくつかの実施形態では、Lは、Lよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、LはL未満であり得る。いくつかの実施形態では、Wは、Wよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、Wは、W未満であり得る。いくつかの実施形態では、Lは、Lと同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、Wは、Wと同じ又は実質的に同様であり得る。
【0029】
[0039] セパレータシール355は、特徴長さLSS及び特徴幅WSSを有する。図示するように、LSSは、LSSがL及びLと同じ方向に向けられるように、互いに向かい合うセパレータシール355の2つの部分の幅寸法を表す。図示するように、WSSは、WSSがW及びWと同じ方向を向くように互いに向かい合う、セパレータシール355の2つの部分の幅寸法を表す。いくつかの実施形態では、LSSは、LとLとの差よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、WSSは、WとWとの差よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、LSSは、WSSと同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、LSSはWSSとは異なり得る。
【0030】
[0040] アノード310とカソード330の寸法が一致しない場合、電極の周囲の周りにおいて電気活性材料のめっきが生じ得る。図示するように、LはLより大きく、WはWより大きい。そのようなセル設計では、電気活性材料がアノード310からカソード330に流れるにつれて、カソード330及びカソード集電体340の外周の周囲において、電気活性種の堆積物又はプレートがプラスチックフィルム又はパウチ材料の表面上に形成され得る。セパレータシール355は、セパレータ350を通るイオンの流路を制限するように構成されている。セパレータ350を通る流路を制限することにより、イオンがカソード330内には入るが、カソード330の外周の周囲には堆積されないように、イオンの流路を導くことができる。これにより、電気化学セル300の動作中に、このめっき効果により失われる電気活性材料が少なくなるので、電気化学セル300のサイクル性能及び容量保持が改善され得る。セパレータシール355は、LがLより小さく、WがWより小さい場合にも同様に適用され得る。セパレータシール355は、LがLと同じ又は実質的に同様である場合にも同様に適用され得る。セパレータシール355は、WがWと同じ又は実質的に同様である場合にも、同様に適用され得る。
【0031】
[0041] セパレータシール355をセパレータ350に適用して、アノード310及び/又はカソード330(すなわち、電極)の各エッジを通る流れを遮断することにより、エッジ近くでの電極の材料品質の低下の問題に対処することができる。電極のコーティング品質が電極のエッジでより劣っている場合、電極のエッジの近くでイオンの流れを遮断することが、めっきの問題を防止することを手助けする。電極のエッジの近くでのイオンの動きをこのように防止することは、電気化学セル300を加熱してガスを排出する場合(例えば、電気化学セル300の「ホットボクシング」)、イオンがホットボクシング中により速く流れ得るので、特に妥当であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355の適用が、電極のエッジの近くでの内部短絡事象を防止し得る。
【0032】
[0042] いくつかの実施形態では、アノード310及び/又はカソード330への半固体電極材料の組み込みもまた、エッジの近くでのめっき又は内部短絡事象を防止することに役立ち得る。これは、製造及び動作の全体を通して、半固体電極の長さ及び幅に沿った比較的均一な圧力分布に起因する可能性がある。均一に分散された圧力は、アノード集電体320及び/又はカソード集電体340上への均一に分散された電極材料(すなわち、均一な厚さ及び材料濃度)の製造に役立ち得る。
【0033】
[0043] 図示するように、セパレータシール355は、セパレータ350の外側エッジの周囲に配置されている。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350の外面に接着されたテープ又は接着材料であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、アノード310に隣接するセパレータ350の側面に適用され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、カソード330に隣接する、セパレータ350の側面に適用され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350のアノード側及びカソード側の両方に適用され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350の一部の細孔中へと浸透することにより、それら細孔を通る材料の流れを遮断する材料であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355はポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350及びセパレータシール355が一緒に熱接合されるように、セパレータ350と共に溶融され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355はゲルであり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350の一部分内の細孔を満たし、セパレータ350の一部分を通る電気活性材料の流れを制限するように構成された高粘度油であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350とパウチ材料又はプラスチックフィルムとの間の結合を含み得る。換言すれば、セパレータシール355の一方の側は、アノード310と接触することができる一方で、セパレータシール355の反対側は、パウチ材料又はプラスチックフィルムに結合することができる。逆に、セパレータシール355の一方の側は、カソード330と接触することができる一方で、セパレータシール355の反対側は、パウチ材料又はプラスチックフィルムに結合することができる。
【0034】
[0044] いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350、又はセパレータシール355を含まないセパレータ350の部分、と同じ又は実質的に同様の溶融温度を有し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350、又はセパレータシール355を含まないセパレータ350の部分、よりも高い溶融温度を有し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350の溶融温度又はセパレータシール355を含まないセパレータ350の部分の溶融温度よりも、少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、少なくとも約15℃、少なくとも約20℃、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、少なくとも約65℃、少なくとも約70℃、少なくとも約75℃、少なくとも約80℃、少なくとも約85℃、少なくとも約90℃、又は少なくとも約95℃だけ高い溶融温度を有し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350の溶融温度又はセパレータシール355を含まないセパレータ350の部分の溶融温度よりも、約100℃以下、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約65℃以下、約60℃以下、以下約55℃、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、約35℃以下、約30℃以下、約25以下℃、約20℃以下、約15℃以下、又は約10℃以下だけ高い溶融温度を有し得る。セパレータシール355の溶融温度と、セパレータ350又はセパレータシール355を含まないセパレータ350の部分との間の、上記で参照した差の組み合わせ(例えば、少なくとも約5℃且つ約100℃以下、又は少なくとも約40℃且つ約60℃以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350の溶融温度又はセパレータシール355を含まないセパレータ350の部分の溶融温度よりも、約5℃、10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、又は約100℃だけ高い溶融温度を有し得る。
【0035】
[0045] いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350の溶融温度又はセパレータシール355を含まないセパレータ350の部分の溶融温度よりも、少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、少なくとも約15℃、少なくとも約20℃、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、少なくとも約65℃、少なくとも約70℃、少なくとも約75℃、少なくとも約80℃、少なくとも約85℃、少なくとも約90℃、又は少なくとも約95℃だけ低い溶融温度を有し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350の溶融温度又はセパレータシール355を含まないセパレータ350の部分の溶融温度よりも、約100℃以下、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約65℃以下、約60℃以下、以下約55℃、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、約35℃以下、約30℃以下、約25以下℃、約20℃以下、約15℃以下、又は約10℃以下だけ低い溶融温度を有し得る。セパレータシール355の溶融温度と、セパレータ350又はセパレータシール355を含まないセパレータ350の部分との間の、上記で参照した差の組み合わせ(例えば、少なくとも約5℃且つ約100℃以下、又は少なくとも約40℃且つ約60℃以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータ350の溶融温度又はセパレータシール355を含まないセパレータ350の部分の溶融温度よりも、約5℃、10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、又は約100℃だけ低い溶融温度を有し得る。
【0036】
[0046] いくつかの実施形態では、アノード310の長さとカソード330の長さの差(|L-L|)は、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cmであり得る。いくつかの実施形態では、(|L-L|)は、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であり得る。(|L-L|)に関して、上記で参照した値の組み合わせ(例えば、少なくとも約1μm且つ約10cm以下、又は少なくとも約10mm且つ約1cm以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、(|L-L|)は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約5mm、約1cm、約5cm、又は約10cmであり得る。
【0037】
[0047] いくつかの実施形態では、アノード310の幅とカソード330の幅の差(|W-W|)は、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cmであり得る。いくつかの実施形態では、(|W-W|)は、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であり得る。(|W-W|)に関して、上記で参照した値の組み合わせ(例えば、少なくとも約1μm且つ約10cm以下、又は少なくとも約10mm且つ約1cm以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、(|W-W|)は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約5mm、約1cm、約5cm、又は約10cmであり得る。
【0038】
[0048] いくつかの実施形態では、LSSは、(|L-L|)よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、(LSS-|L-L|)は、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cmであり得る。いくつかの実施形態では、(LSS-|L-L|)は、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であり得る。(LSS-|L-L|)に関して、上記で参照した値の組み合わせ(例えば、少なくとも約1μm且つ約10cm以下、又は少なくとも約10mm且つ約1cm以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、(LSS-|L-L|)は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約5mm、約1cm、約5cm、又は約10cmであり得る。
【0039】
[0049] いくつかの実施形態では、WSSは、(|W-W|)よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、(WSS-|W-W|)は、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cmであり得る。いくつかの実施形態では、(WSS-|W-W|)は、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であり得る。(WSS-|W-W|)に関して、上記で参照した値の組み合わせ(例えば、少なくとも約1μm且つ約10cm以下、又は少なくとも約10mm且つ約1cm以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、(WSS-|W-W|)は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約5mm、約1cm、約5cm、又は約10cmであり得る。
【0040】
[0050] いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、積層構成に組み込まれた電気化学セル(すなわち、電気化学セル積層体)で使用され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、脱ガスポート(図示せず)を含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータシール355を介してアノード310から電気化学セル300の外部にガスを排出するように構成された、アノード310に流体的に結合された脱ガスポートを有し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール355は、セパレータシールを介してカソード330から電気化学セル300の外部にガスを排出するように構成された、カソード330に流体的に結合された脱ガスポートを有し得る。いくつかの実施形態では、セパレータシールは、アノード310に流体的に結合された脱ガスポート及びカソード330に流体的に結合された脱ガスポートの両方を含み得る。
【0041】
[0051] 図4A及び図4Bは、一実施形態による電気化学セル400を示す。電気化学セル400は、アノード集電体420上に配置されたアノード410、カソード集電体440上に配置されたカソード430、及びアノード410とカソード430との間に配置されたセパレータ450を含む。図示するように、セパレータ450は、セパレータシール455を含む。いくつかの実施形態では、アノード集電体420及び/又はカソード集電体440は、プラスチックフィルム又はパウチ材料(図示せず)に結合され得る。アノード410は、アノード長さL及びアノード幅Wを有する。カソード430は、カソード長さL及びカソード幅Wを有する。いくつかの実施形態では、Lは、Lよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、LはL未満であり得る。いくつかの実施形態では、Wは、Wよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、Wは、W未満であり得る。いくつかの実施形態では、Lは、Lと同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、Wは、Wと同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール455は、1つ又は複数の脱ガスポートを含めて、図3を参照して上記で説明したようなセパレータシール355と同じ又は実質的に同様の物理的特性を有し得る。
【0042】
[0052] セパレータシール455は、特徴長さLSS及び特徴幅WSSを有する。図示するように、LSSは、LSSがL及びLと同じ方向を向くように互いに向かい合う、セパレータシール455の2つの部分の幅寸法を表す。図示するように、WSSは、WSSがW及びWと同じ方向を向くように互いに向かい合う、セパレータシール455の2つの部分の幅寸法を表す。いくつかの実施形態では、LSSは、LとLとの差よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、WSSは、WとWとの差よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、LSSは、WSSと同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、LSSはWSSとは異なり得る。
【0043】
[0053] 図示するように、セパレータ450は、アノード410及びカソード430の両方の長さ及び幅の寸法を超えて延びている。換言すれば、セパレータシール455は、セパレータ450のエッジまでは延びていない。いくつかの実施形態では、セパレータ450は、プラスチックフィルム又はパウチ材料(図示せず)に結合され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール455の両側が、パウチ材料又はプラスチックフィルムに結合された部分を含み得る。換言すれば、セパレータシール455は、電気活性材料の流れを制限すること、及びセパレータ450と、電気化学セル400のアノード側及び/又はカソード側のパウチ材料又はプラスチックフィルムとの間にシールを提供することの、両方が可能である。いくつかの実施形態では、セパレータシール455は、セパレータ450のエッジまで延びることができる。
【0044】
[0054] いくつかの実施形態では、アノード410の長さとカソード430の長さの差(|L-L|)は、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cmであり得る。いくつかの実施形態では、(|L-L|)は、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であり得る。(|L-L|)に関して、上記で参照した値の組み合わせ(例えば、少なくとも約1μm且つ約10cm以下、又は少なくとも約10mm且つ約1cm以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、(|L-L|)は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約5mm、約1cm、約5cm、又は約10cmであり得る。
【0045】
[0055] いくつかの実施形態では、アノード410の幅とカソード430の幅の差(|W-W|)は、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cmであり得る。いくつかの実施形態では、(|W-W|)は、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であり得る。(|W-W|)に関して、上記で参照した値の組み合わせ(例えば、少なくとも約1μm且つ約10cm以下、又は少なくとも約10mm且つ約1cm以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、(|W-W|)は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約5mm、約1cm、約5cm、又は約10cmであり得る。
【0046】
[0056] いくつかの実施形態では、LSSは、(|L-L|)よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、(LSS-|L-L|)は、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cmであり得る。いくつかの実施形態では、(LSS-|L-L|)は、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であり得る。(LSS-|L-L|)に関して、上記で参照した値の組み合わせ(例えば、少なくとも約1μm且つ約10cm以下、又は少なくとも約10mm且つ約1cm以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、(LSS-|L-L|)は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約5mm、約1cm、約5cm、又は約10cmであり得る。
【0047】
[0057] いくつかの実施形態では、WSSは、(|W-W|)よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、(WSS-|W-W|)は、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cmであり得る。いくつかの実施形態では、(WSS-|W-W|)は、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であり得る。(WSS-|W-W|)に関して、上記で参照した値の組み合わせ(例えば、少なくとも約1μm且つ約10cm以下、又は少なくとも約10mm且つ約1cm以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、(WSS-|W-W|)は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約5mm、約1cm、約5cm、又は約10cmであり得る。
【0048】
[0058] 図5A及び図5Bは、一実施形態による電気化学セル500を示す。電気化学セル500は、アノード集電体520上に配置されたアノード510、カソード集電体540上に配置されたカソード530、及びアノード510とカソード530との間に配置されたセパレータ550を含む。図示するように、セパレータ550は、第1の層552及び第2の層554を含む。図示するように、第1の層552は、点線として描かれる境界線Cを有するセパレータシール555を含み、境界線Cは、セパレータシール555と第1の層552の残りの領域との間の境界を示す。いくつかの実施形態では、アノード集電体520及び/又はカソード集電体540は、プラスチックフィルム又はパウチ材料(図示せず)に結合され得る。アノード510は、アノード長さL及びアノード幅Wを有する。カソード530は、カソード長さL及びカソード幅Wを有する。いくつかの実施形態では、Lは、Lよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、LはL未満であり得る。いくつかの実施形態では、Wは、Wよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、Wは、W未満であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール555は、1つ又は複数の脱ガスポートを含めて、図3を参照して上記で説明したようなセパレータシール355と同じ又は実質的に同様の物理的特性を有し得る。
【0049】
[0059] セパレータシール555は、特徴長さLSS及び特徴幅WSSを有する。図示するように、LSSは、LSSがL及びLと同じ方向を向くように互いに向かい合う、セパレータシール555の2つの部分の幅寸法を表す。図示するように、WSSは、WSSがW及びWと同じ方向を向くように互いに向かい合う、セパレータシール555の2つの部分の幅寸法を表す。いくつかの実施形態では、LSSは、LとLとの差よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、WSSは、WとWとの差よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、LSSは、WSSと同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、LSSはWSSとは異なり得る。
【0050】
[0060] いくつかの実施形態では、アノード510、アノード集電体520、カソード530、及びカソード集電体540は、図2を参照して上述したようなアノード210、アノード集電体220、カソード230、及びカソード集電体240と同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、アノード510、アノード集電体520、カソード530、及びカソード集電体540の特定の態様は、本明細書では更に詳細には記載されていない。いくつかの実施形態では、L、L、W、W、L、及びWSSは、図3を参照して上述したようなL、L、W、W、L、LSS、及びWSSと同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、L、L、W、W、L、LSS、及びWSSの特定の態様は、本明細書では更に詳細には説明されていない。
【0051】
[0061] 図示するように、セパレータ550は、二層セパレータである。いくつかの実施形態では、第1の層552は、接着剤、テープ、ヒートシール、又は任意の他の好適な結合手段若しくはそれらの組み合わせを介して、第2の層554に結合され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール555を形成するための熱の適用が、セパレータシール555を構成する第1の層552の領域に熱損傷を引き起こす。いくつかの実施形態では、セパレータシール555を構成する第1の層552の領域は、剥離する可能性がある。いくつかの実施形態では、クラックが、境界線Cに沿って、又は第1の層552又はセパレータシール555上の他の場所で発生し得る。第1の層552にクラック又は他の損傷が発生すると、電気活性材料(例えば、アノード510、カソード530)が第1の層552を通って漏れる可能性がある。セパレータ550の第2の層554を含めることにより、セパレータ550を更に強化することができ、その結果、第1の層552に発生するクラック又は損傷が、短絡事象(すなわち、アノード510とカソード530との間の接触から)又は電気活性材料の漏れを引き起こすことがない。
【0052】
[0062] いくつかの実施形態では、第2の層554は、第1の層552とは異なる材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の層554は、第1の層552を構成する材料よりも高い溶融温度を有する材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の層554は、第1の層552よりも大きな耐熱性(すなわち、熱損傷に対するより大きな耐性)を有し得る。いくつかの実施形態では、第1の層552は、ポリエチレンから構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の層554は、ポリプロピレンから構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の層552及び/又は第2の層554は、ポリエチレン、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、熱硬化性ポリマー、硬質炭素、熱硬化性樹脂、ポリイミド、セラミックをコーティングしたセパレータ、無機セパレータ、セルロース、ガラス繊維、又は任意の他の好適な材料、又はそれらの組み合わせから構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の層552の第1の側を、セラミックでコーティングすることができ、第1の層552の第2の側を、第2の層554に密封することができ、第2の側は第1の側の反対側にある。いくつかの実施形態では、追加の材料層(図示せず)が、第1の層552上にコーティングされ得る。いくつかの実施形態では、追加の材料層は、第2の層554の反対側にあり得る。いくつかの実施形態では、追加の層は、固有微多孔性ポリマー(PIM)を含み得る。いくつかの実施形態では、追加の層はポリプロピレンを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の層552の一部を溶融させてセパレータシール555を形成することが非現実的となるように、第1の層552は高い融点を有し得る(例えば、第1の層552がポリイミド、ガラス繊維などで構成される場合)。いくつかの実施形態では、第1の層552の一部を機械的にプレスして、第1の層552上の細孔を閉じ、セパレータシール555を構築することができる。
【0053】
[0063] いくつかの実施形態では、第2の層554は、第1の層552よりも高い溶融温度を有し得る。いくつかの実施形態では、第2の層554の溶融温度は、第1の層552の溶融温度よりも、少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、少なくとも約15℃、少なくとも約20℃、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、少なくとも約65℃、少なくとも約70℃、少なくとも約75℃、少なくとも約80℃、少なくとも約85℃、少なくとも約90℃、又は少なくとも約95℃だけ大きい場合がある。いくつかの実施形態では、第2の層554の溶融温度は、第1の層552の溶融温度よりも、約100℃以下、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約65℃以下、約60℃以下、以下約55℃、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、約35℃以下、約30℃以下、約25以下℃、約20℃以下、約15℃以下、又は約10℃以下だけ大きい場合がある。第2の層554の溶融温度と第1の層552の溶融温度との間の、上記で参照した差の組み合わせ(例えば、少なくとも約5℃且つ約100℃以下、又は少なくとも約40℃且つ約60℃以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、第2の層554の溶融温度は、第1の層552の溶融温度よりも、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、又は約100℃だけ大きい場合がある。
【0054】
[0064] いくつかの実施形態では、第1の層552の部分が第2の層554に選択的に溶融されて、セパレータシール555が形成され得る。換言すれば、第1の層552の選択的に溶融された部分は、第2の層554に接合し得る。例えば、第1の層552がポリエチレンから構成され、第2の層554がポリプロピレンから構成される場合、ポリエチレン層の一部分が溶融されてポリプロピレン層に接合され得る。いくつかの実施形態では、第1の層552の外側エッジが第2の層554に溶融されて、セパレータシール555が形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の層552の一部分及び第2の層554の一部分が選択的に溶融されて、セパレータシール555が形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の層552の一部分及び第2の層554の一部分が選択的に溶融され一緒に接合されて、セパレータシール555が形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の層552の外側エッジ及び第2の層554の外側エッジが一緒に溶融されて、セパレータシール555が形成され得る。
【0055】
[0065] 図示するように、セパレータシール555を含むセパレータ550の部分(すなわち、第1の層552)は、アノード510に隣接する、電気化学セル500の側にある。いくつかの実施形態では、第1の層552は、カソード530に隣接し得る。図示するように、セパレータ550を強化するセパレータ550の部分(すなわち、第2の層554)は、カソード530に隣接する、電気化学セル500の側にある。いくつかの実施形態では、第2の層554は、アノード510に隣接する、電気化学セル500の側にあり得る。
【0056】
[0066] 図示するように、セパレータ550は、アノード510と同様の長さ及び幅の寸法を有する。換言すれば、セパレータ550の外側エッジ及びセパレータシール555の外側エッジは、アノード510の外側エッジとほぼ同一平面上にあるように示されている。いくつかの実施形態では、セパレータ550は、図4を参照して上記で説明したようなセパレータ450と同様に、アノード510及びカソード530の両方の長さ及び幅の寸法を超えて延び得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール555は、セパレータ550のエッジまでは延びていない。いくつかの実施形態では、セパレータ550は、プラスチックフィルム又はパウチ材料(図示せず)に結合され得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール555の両側が、パウチ材料又はプラスチックフィルムに結合された部分を含み得る。換言すれば、セパレータシール555は、電気活性材料の流れを制限すること、及びセパレータ550と、電気化学セル500のアノード側及び/又はカソード側のパウチ材料又はプラスチックフィルムとの間にシールを提供することの、両方が可能である。いくつかの実施形態では、セパレータシール555は、セパレータ550のエッジまで延びることができる一方で、セパレータ550は、アノード510のエッジを超えて延びている。
【0057】
[0067] 図6A及び図6Bは、一実施形態による電気化学セル600を示す。電気化学セル600は、アノード集電体620上に配置されたアノード610、カソード集電体640上に配置されたカソード630、及びアノード610とカソード630との間に配置されたセパレータ650を含む。図示するように、セパレータ650は、第1の層652、第2の層654、及び第3の層656を含む。図示するように、第1の層652は、点線として描かれる境界線Cを有するセパレータシール655を含み、境界線Cは、セパレータシール655と第1の層652の残りの領域との間の境界を示す。図示するように、第3の層656は、点線として描かれる境界線Dを有するセパレータシール657を含み、境界線Dは、セパレータシール657と第3の層657の残りの領域との間の境界を示す。いくつかの実施形態では、アノード集電体620及び/又はカソード集電体640は、プラスチックフィルム又はパウチ材料(図示せず)に結合され得る。アノード610は、アノード長さL及びアノード幅Wを有する。カソード630は、カソード長さL及びカソード幅Wを有する。いくつかの実施形態では、Lは、Lよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、LはL未満であり得る。いくつかの実施形態では、Wは、Wよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、Wは、W未満であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール655及び/又はセパレータシール657は、1つ又は複数の脱ガスポートを含めて、図3を参照して上記で説明したようなセパレータシール355と同じ又は実質的に同様の物理的特性を有し得る。
【0058】
[0068] セパレータシール655は、特徴長さLSS1及び特徴幅WSS1を有する。図示するように、LSS1は、LSS1がL及びLと同じ方向を向くように互いに向かい合う、セパレータシール655の2つの部分の幅寸法を表す。図示するように、WSS1は、WSS1がW及びWと同じ方向を向くように互いに向かい合う、セパレータシール655の2つの部分の前記幅寸法を表す。いくつかの実施形態では、LSS1は、LとLとの差よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、WSS1は、WとWとの差よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、LSS1は、WSS1と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、LSS1は、WSS1とは異なり得る。
【0059】
[0069] セパレータシール657は、特徴長さLSS2及び特徴幅WSS2を有する。図示するように、LSS2は、LSS2がL及びLと同じ方向を向くように互いに向かい合う、セパレータシール657の2つの部分の幅寸法を表す。図示するように、WSS2は、WSS2がW及びWと同じ方向を向くように互いに向かい合う、セパレータシール657の2つの部分の幅寸法を表す。いくつかの実施形態では、LSS2は、LとLとの差よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、WSS2は、WとWとの差よりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、LSS2は、WSS2と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、LSS1は、WSS2とは異なり得る。
【0060】
[0070] いくつかの実施形態では、セパレータシール655は、セパレータシール657と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態において、セパレータシール655は、セパレータシール657とは異なり得る。いくつかの実施形態では、LSS1は、LSS2と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、LSS1は、LSS2とは異なり得る。いくつかの実施形態では、WSS1は、WSS2と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、WSS1は、WSS2とは異なり得る。
【0061】
[0071] いくつかの実施形態では、アノード610、アノード集電体620、カソード630、及びカソード集電体640は、図2を参照して上述したようなアノード210、アノード集電体220、カソード230、及びカソード集電体240と同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、アノード610、アノード集電体620、カソード630、及びカソード集電体640の特定の態様は、本明細書では更に詳細には記載されていない。いくつかの実施形態では、L、L、W、W、及びLは、図3を参照して上述したようなL、L、W、W、及びLと同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、LSS1及びWSS1は、図3を参照して上述したようなLSS及びWSSと同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、LSS2及びWSS2は、図3を参照して上述したようなLSS及びWSSと同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、L、L、W、W、L、LSS1、LSS2、WSS1、及びWSS2の特定の態様は、本明細書では更に詳細には説明されていない。
【0062】
[0072] 図示するように、セパレータ650は3層セパレータである。いくつかの実施形態では、接着剤、テープ、ヒートシール、又は任意の他の好適な結合手段又はそれらの組み合わせを介して、第1の層652は、第2のセパレータ654に接合されることができ、及び/又は第3の層656は、第2のセパレータ654に接合されることができる。図5を参照して上述したようなセパレータシール555と同様に、セパレータシール655又はセパレータシール657を形成するための熱の適用が、セパレータシール655又はセパレータシール657を構成する第1の層652又は第3の層656の領域に熱損傷を引き起こす可能性がある。第2の層654を含めることにより、セパレータ650が更に強化されて、電気活性材料の漏れ又は短絡が防止され得る。いくつかの実施形態では、第1の層652は、図5を参照して上述したような第1の層552と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、第3の層656は、図5を参照して上述したような第1の層552と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、第2の層654は、図5を参照して上述したような第2の層554と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール655は、図5を参照して上述したようなセパレータシール555と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール657は、図5を参照して上述したようなセパレータシール555と同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、第1の層652、第2の層654、第3の層656、セパレータシール655、及びセパレータシール657の特定の態様は、本明細書では更に詳細には説明されていない。
【0063】
[0073] いくつかの実施形態では、第1の層652は、第3の層656と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、第1の層652は、第3の層656とは異なり得る。例えば、第1の層652は、第3の層656と比較して、厚さ及び/又は組成が異なり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール655は、セパレータシール657と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態において、セパレータシール655は、セパレータシール657とは異なり得る。いくつかの実施形態では、セパレータシール655は、第1の機構を介して実装することができ、セパレータシール657は、第2の機構を介して実装することができる。例えば、セパレータシール655は、ヒートシールを介して実装することができる一方で、セパレータシール657は、接着剤を介して実装することができる。いくつかの実施形態では、WSS1は、WSS2と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、WSS1は、WSS2とは異なり得る。いくつかの実施形態では、LSS1は、LSS2と同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、LSS1は、WSS2とは異なり得る。
【0064】
[0074] 図示するように、セパレータ650は3つの層を含む。いくつかの実施形態では、セパレータ650は、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は少なくとも約20層を含むことができ、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、セパレータ650は、セパレータシール部分を有する層(例えば、第1の層652、第3の層656)と、セパレータシール部分を有しない層(例えば、第2の層654)とが交互になったアセンブリを含み得る。いくつかの実施形態では、セパレータ650は、セパレータシール部分が順番に一緒に結合された複数の層、及び/又はセパレータシール部分が順番に一緒に結合されていない複数の層を含み得る。
【0065】
[0075] 図7A図7Cは、一実施形態による、巻回型電気化学セル700を示す。図7Aは、分解された状態の巻回型電気化学セル700の構成要素を示す。図7Bは、円筒状セル700Bに形成された巻回型電気化学セル700を示す。図7Cは、角柱状セル700Cに形成された巻回型電気化学セル700を示す。巻回型電気化学セル700は、アノード集電体720上に配置されたアノード710、カソード集電体740上に配置されたカソード730、及びアノード710とカソード730との間に配置されたセパレータ750を含む。図示するように、セパレータ750は、セパレータシール755を含む。いくつかの実施形態では、アノード集電体720及び/又はカソード集電体740は、プラスチックフィルム又はパウチ材料(図示せず)に結合され得る。アノード710は、アノード幅Wを有する。カソード730は、カソード幅Wを有する。いくつかの実施形態では、Wは、Wよりも大きい場合がある。いくつかの実施形態では、Wは、W未満であり得る。セパレータシール755は、幅WSSを有する。いくつかの実施形態では、アノード710、アノード集電体720、カソード730、カソード集電体740、セパレータ750、セパレータシール755、W、W、及びWSSは、図3A及び図3Bを参照して上述したようなアノード310、アノード集電体320、カソード330、カソード集電体340、セパレータ350、セパレータシール355、W、W、及びWSSと同じ又は実質的に同様の特性を有し得る。したがって、アノード710、アノード集電体720、カソード730、カソード集電体740、セパレータ750、及びセパレータシール755の特定の態様は、本明細書では更に詳細には説明されていない。
【0066】
[0076] いくつかの実施形態では、セパレータシール755は、セパレータシール755が、セパレータ750の4つのエッジではなくセパレータ750の2つのエッジにのみ存在するように製造され得る。いくつかの実施形態では、セパレータ750は、1つの長い材料片として連続的に製造され得る。いくつかの実施形態では、セパレータ750は、セパレータシール755を含めて製造され得る。いくつかの実施形態では、セパレータ750が製造された後に、セパレータシール755をセパレータ750に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、アノード710及び/又はカソード730は、セパレータ750に結合され得る。いくつかの実施形態では、アノード710及び/又はカソード730は、接着剤を介してセパレータ750に結合され得る。いくつかの実施形態では、アノード710及び/又はカソード730をセパレータ750に結合させることは、巻回型電気化学セル700を巻いて、円筒状セル700B又は角柱状セル700Cを形成している間の位置ずれを回避することに役立つ。
【0067】
[0077] 図8A~8Cは、一実施形態による、分解された電気化学セル800の図を示す。これらの図では、アノード810、アノード集電体820、カソード830、カソード集電体840、及び浸透性領域853とセパレータシール855とを有するセパレータ850が見える。セパレータシール855は、セパレータ850の外側の周囲に配置されたフレーム部材である。セパレータ850のエッジの周囲の細孔が、セパレータ850の一部を選択的に溶融させる熱の適用により密封され、電気化学セル800の動作中のリチウムイオンの輸送が防止される。アノード810は、グラファイトアノードである一方で、カソード830は、NMCカソードである。最初のサイクリングの後、アノード810上に内側領域813及びフレーム領域815が見え、最初のサイクリング中に、イオンの流れが遮断された場所を示している。内側領域813は、外観が金色であるリチウム化グラファイトを含み、一方、フレーム領域815における非リチウム化グラファイトは黒色に見える。内部領域833及びフレーム領域835はまた、カソード830上でも見え、フレーム領域835は、最初のサイクリング中に、イオンの流れが遮断された場所を示す。
【0068】
[0078] 図9A~9Cは、一実施形態による、分解された電気化学セル900の図を示す。これらの図では、アノード910、アノード集電体920、カソード930、カソード集電体940、及び浸透性領域953とセパレータシール955とを有するセパレータ950が見える。アノード920は、リチウム金属アノードである。セパレータシール955は、セパレータ950の外側の周囲に配置されたフレーミング部材である。セパレータ950のエッジの周囲の細孔が、セパレータ950の一部を選択的に溶融させる熱の適用により密封され、電気化学セル900の動作中のリチウムイオンの輸送が防止される。最初のサイクリングの後、アノード910上に内側領域913及びフレーム領域915が見え、最初のサイクリング中に、イオンの流れが遮断された場所を示している。内側領域913は暗い外観を有する。これは、内側領域913がカソード930からNMCによりめっきされており、固体電解質界面(SEI)の形成により電極表面が暗く見えるからである。フレーム領域915は依然としてリチウムの色に見える。これは、カソード930からのNMCがフレーム領域に接触することが実質的に妨げられたからである。同様に、セパレータ950の浸透性領域953は、NMCとの接触に起因して、より暗い外観を有する。内部領域933及びフレーム領域935はまた、カソード930上でも見え、フレーム領域935は、最初のサイクリング中に、イオンの流れが遮断された場所を示す。
【0069】
[0079] 図10A~10Gは、一実施形態による、分解された電気化学セル1000の図を示す。これらの図では、アノード1010、アノード集電体1020、カソード1030、カソード集電体1040、及びセパレータシール1055を有するセパレータ1050が見える。アノード1020は、リチウム金属アノードである。セパレータシール1055は、セパレータ1050の外側の周囲に配置された樹脂フレーミング部材である。
【0070】
[0080] 図11A及び図11Bは、一実施形態による電気化学セル1100を示す。電気化学セル1100は、アノード集電体1120上に配置されたアノード1110、カソード集電体1140上に配置されたカソード1130、及びアノード1110とカソード1130との間に配置されたセパレータ1150を含む。図示するように、セパレータ1150は、セパレータ1150の外側エッジの周囲に向いたセパレータシール1155を含む。いくつかの実施形態では、アノード集電体1120上にエッジコーティング部材1123が配置され得る。いくつかの実施形態では、アノード集電体1120及び/又はカソード集電体1140は、プラスチックフィルム又はパウチ材料(図示せず)に結合され得る。アノード1110は、アノード長さL及びアノード幅Wを有する。カソード1130は、カソード長さL及びカソード幅Wを有する。セパレータシール1155は、特徴長さLSS及び特徴幅WSSを有する。アノード集電体1120は、特徴長さLACC及び特徴幅WACCを有する。いくつかの実施形態では、アノード1110、アノード集電体1120、カソード1130、カソード集電体1140、セパレータ1150、セパレータシール1155、L、W、L、W、LSS、及びWSSは、図3を参照して上述したようなアノード310、アノード集電体320、カソード330、カソード集電体340、セパレータ350、セパレータシール355、L、W、L、W、LSS、及びWSSと同じ又は実質的に同様であり得る。したがって、アノード1110、アノード集電体1120、カソード1130、カソード集電体1140、セパレータ1150、セパレータシール1155、L、W、L、W、LSS、及びWSSの特定の態様は、本明細書では更に詳細には説明されていない。
【0071】
[0081] 図示するように、LACCはLよりも大きく、WACCはWよりも大きい。換言すれば、アノード集電体1120は、アノード1110よりも大きい長さ及び幅の寸法を有する。この寸法の違いは、いくつかの利点を有し得る。アノード集電体1120とアノード1110との間のサイズの差により、アノード1110の外周の周囲にエッジコーティング部材1123を配置することが可能になる。いくつかの実施形態では、エッジコーティング部材1123は、アノード1110よりも導電性が低い場合がある。いくつかの実施形態では、エッジコーティング部材1123とセパレータシール1150との組み合わせにより、アノード1110の近くでの電気活性材料のめっきの防止において改善された性能がもたらされ得る。いくつかの実施形態では、エッジコーティング部材1123は、UV硬化された材料を含み得る。いくつかの実施形態では、エッジコーティング部材1123は、セパレータ1150にコーティングされて、セパレータシール1155の全部又は一部を形成し得る。いくつかの実施形態では、エッジコーティング部材1123は、シリコン及び/又はスズとの合金を含み得る。いくつかの実施形態では、エッジコーティング部材1123は、層間化合物を含み得る。いくつかの実施形態では、エッジコーティング部材1123は、硬質炭素を含み得る。いくつかの実施形態では、エッジコーティング部材1123は、めっきに対する耐性を有するように、接地よりも高い電位を有し得る。いくつかの実施形態では、エッジコーティング部材1123は、チタン酸リチウム(LTO)を含み得る。いくつかの実施形態では、エッジコーティング部材1123は、酸化チタン(TiO)を含み得る。エッジコーティング部材及びフレーミング部材の更なる例は、米国特許第10,593,952号(’952特許)に記載されており、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0072】
[0082] いくつかの実施形態では、(WACC-W)は、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cmであり得る。いくつかの実施形態では、(WACC-W)は、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であり得る。(WACC-W)に関して、上記で参照した値の組み合わせ(例えば、少なくとも約1μm且つ約10cm以下、又は少なくとも約10mm且つ約1cm以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、(WACC-W)は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約5mm、約1cm、約5cm、又は約10cmであり得る。
【0073】
[0083] いくつかの実施形態では、(LACC-L)は、少なくとも約1μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約500μm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cmであり得る。いくつかの実施形態では、(LACC-L)は、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であり得る。(LACC-L)に関して、上記で参照した値の組み合わせ(例えば、少なくとも約1μm且つ約10cm以下、又は少なくとも約10mm且つ約1cm以下)も可能であり、全ての値と、値の間の範囲とを含む。いくつかの実施形態では、(LACC-L)は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約5mm、約1cm、約5cm、又は約10cmであり得る。
【0074】
[0084] いくつかの実施形態では、カソード集電体1140は、カソード1130よりも大きい長さ及び幅の寸法を有し得る。いくつかの実施形態では、カソード集電体1140及びカソード1130の寸法の差は、アノード1110及びアノード集電体1120に関して上述したものと同じ又は実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、カソード集電体1140上にカソードエッジコーティング部材(図示せず)が配置され得る。
【0075】
[0085] 様々な概念を1つ以上の方法として具体化することができ、その少なくとも1つの例が提供されている。方法の一部として実施される行為は、任意の好適な形で順序付けされてもよい。したがって、行為が、図示したものとは異なる順序で実施される実施形態を構築することができ、これは、例示的な実施形態では順序付けされた行為として示されていたとしても、いくつかの行為を同時に実施することを含み得る。言い換えれば、そのような機能は、必ずしも特定の実行順序に限定されなくてもよく、むしろ、シリアルに、非同期に、並行して、並列に、同時に、同期して、及び/又は本開示と整合するような形態で実行される、任意の数のスレッド、プロセス、サービス、サーバーなどであってよいことが理解されるべきである。したがって、これらの機能のいくつかは、単一の実施形態に同時に存在することができないという点で、相互に矛盾する場合がある。同様に、一部の機能は、本革新の一態様に適用可能であり、他の態様には適用不可能である。
【0076】
[0086] 加えて、本開示は、現在説明されていない他の革新を含み得る。出願人は、そのような革新を実施する権利、追加出願、継続出願、一部継続出願、分割出願などを提出する権利を含む、そのような革新における全ての権利を留保する。したがって、本開示の利点、実施形態、実施例、機能的、特徴的、論理的、運用的、組織的、構造的、トポロジー的、及び/又は他の態様が、実施形態により定義されるような開示に対する限定、又は実施形態の等価物に対する限定と見なされるべきではないことを理解すべきである。個人ユーザ及び/又は企業ユーザの特定の要望及び/又は特性、データベース構成及び/又はリレーショナルモデル、データタイプ、データ送信及び/又はネットワークフレームワーク、シンタックス構造などに応じて、本明細書に開示される技術の様々な実施形態が、本明細書に記載されるような大幅な柔軟性及びカスタマイズを可能にする形で実現され得る。
【0077】
[0087] 本明細書で定義され使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書における定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を支配するものと理解すべきである。
【0078】
[0088] 本明細書で使用される場合、用語「約」及び「およそ」は、一般に記載された値のプラスマイナス10%を意味する。例えば、約250μmは、225μm~275μmを含むことになり、約1,000μmは、900μm~1,100μmを含むことになる。
【0079】
[0089] 本明細書で使用される場合、特定の実施形態では、用語「約」又は「およそ」が数値の前にある場合、その値のプラスマイナス10%の範囲を示す。値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間にある各値であって、別段の明確な指示がない限り下限の単位の10分の1に至る値と、記載された範囲における任意の他の記載された値又は間にある値とが、本開示に包含されることが理解される。これらのより狭い範囲の上限及び下限が、独立して、このより狭い範囲に含まれ得ることもまた本開示に包含され得るが、この記載された範囲において何らかの限定が特に除外され得る。記載された範囲が限定の一方又は両方を含む場合、それら含まれる限定のいずれか又は両方を除外した範囲もまた本開示に含まれる。
【0080】
[0090] 本明細書及び実施形態で使用される場合、語句「及び/又は」は、そのように連結された要素の「一方又は両方」、すなわち、ある場合には連結的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素、を意味すると理解すべきである。「及び/又は」で列挙された複数の要素は、同様に、すなわち、そのように連結された要素のうちの「1つ以上」、と解釈されるべきである。「及び/又は」節により具体的に特定される要素とは別の他の要素が、具体的に特定される要素に関連するかどうかにかかわらず、任意選択で存在し得る。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「備える、含む(comprising)」などのオープンエンド用語と共に使用される場合、一実施形態では、Aのみを指し(任意選択で、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみを指し(任意選択で、A以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、A及びBの両方を指す(任意選択で、他の要素を含む)、などの可能性がある。
【0081】
[0091] 本明細書及び実施形態で使用される場合、「又は」は、上記で定義された「及び/又は」と同じ意味を有すると理解すべきである。例えば、リストにおいて項目を区切る場合、「又は」又は「及び/又は」は包括的であると解釈されるものとする。すなわち、複数要素又は要素リストのうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含み、任意選択で、列挙されていない追加の物品も含む。「のうちの1つのみ」又は「のうちの厳密に1つ」、又は実施形態で使用される場合は「からなる」など、明確に反対の意味を示す用語だけが、複数要素又は要素リストのうちの厳密に1つを含むことを指す。一般に、本明細書で使用される用語「又は」は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つだけ」、又は「のうちの厳密に1つ」などの排他的用語が先行する場合、排他的な代替的形態(すなわち、「一方又は他方であるが、両方ではない」)を示すとだけ解釈されるものとする。実施形態で使用される場合、「から本質的になる」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0082】
[0092] 本明細書及び実施形態で使用される場合、1つ以上の要素からなるリストに関連する「少なくとも1つ」という語句は、要素リスト中の要素のうちの1つ以上から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、要素リスト中で具体的に列挙されているあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含むとは限らないこと、及び要素リスト中の要素の任意の組み合わせを除外しないこと、を理解すべきである。この定義はまた、「少なくとも1つ」という語句が指す要素リスト中で具体的に指定された要素、とは別の要素が、具体的に指定されたこれら要素に関連するかどうかにかかわらず、任意選択で存在することを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(又は同様な意味で、「A又はBのうちの少なくとも1つ」、又は同様な意味で、「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しない(及び、任意選択でB以外の要素を含む)状態で、少なくとも1つのA、任意選択で2つ以上のAを含むこと、別の実施形態では、Aが存在しない(及び、任意選択でA以外の要素を含む)状態で、少なくとも1つのB、任意選択で2つ以上のBを含むこと、更に別の実施形態では、少なくとも1つのB、任意選択で2つ以上のBを含む(及び、任意選択で他の要素を含む)状態で、少なくとも1つのA、任意選択で2つ以上のAを含むこと、を指し得る。
【0083】
[0093] 実施形態において、並びに上記の明細書において、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保持する」、「構成される」などの全ての移行句は、オープンエンドである、すなわち、含むがこれに限定されない、ことを意味すると理解されるべきである。米国特許商標庁の特許審査便覧のセクション2111.03に記述されているように、「~からなる(consisting of)」及び「本質的に~からなる(consisting essentially of)」の移行句のみが、それぞれクローズド(closed)又はセミクローズド(semi-closed)移行句であるものとする。
【0084】
[0094] 本開示の特定の実施形態が上で概説されているが、多数の代替形態、修正形態、及び変形形態が当業者には明らかである。したがって、本明細書に記述される実施形態は、例示を意図するものであり、限定を意図するものではない。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなしに、様々な変更が行われてもよい。上述した方法及びステップが特定の順序で起こる特定の事象を示す場合、本開示の恩恵を受ける当業者は、特定のステップの順序が変更されてもよく、そのような変更が本発明の変形形態に従うことを理解するであろう。加えて、特定のステップが、可能な場合は並列プロセスで同時に実行されてもよく、上述したように順次実行されてもよい。実施形態を具体的に示し説明してきたが、形態及び詳細において様々な変更がなされてもよいことが理解されるであろう。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図11A
図11B
【国際調査報告】