(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-04
(54)【発明の名称】四肢のための領域管理を有するドレッシング
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
A61M27/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524957
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 IB2020060158
(87)【国際公開番号】W WO2021084469
(87)【国際公開日】2021-05-06
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508268713
【氏名又は名称】ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】レーベイン,ジョナサン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ランドルフ,ラリー タブ
(72)【発明者】
【氏名】カザラ,リチャード エム.
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA38
4C267BB24
4C267BB40
4C267CC06
4C267JJ02
4C267JJ06
4C267JJ08
4C267JJ09
(57)【要約】
患者の四肢の周りの領域を治療するためのドレッシングとの使用のためのマニホールドは、マニホールドの第1の端部において位置付けられた凹状窪みを含み得る。折り畳み軸は、凹状窪みを二等分し得、マニホールドの第1の端部からマニホールドの第2の端部まで延び得る。マニホールドの第1の部分は、マニホールドの第1の側部に向かって、折り畳み軸に直交して延び得、マニホールドの第2の部分は、第1の側部とは反対側のマニホールドの第2の側部に向かって、折り畳み軸に直交して延び得る。折り畳み軸は、四肢に沿って長手方向に延びるように構成され得る。追加的に、他の装置、ドレッシング、システム、及び方法が開示されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四肢の周りの領域を減圧で治療するためのドレッシングであって、
治療開口を含む取り付けデバイスと、
前記治療開口を通って前記四肢の周りの前記領域に少なくとも部分的に露出されるように構成されたマニホールドであって、
第1の端部において前記マニホールドの縁部内に延びる凹状窪みと、
前記凹状窪みを二等分し前記マニホールドの長さに沿って前記第1の端部から第2の端部まで延びる折り畳み軸と、
前記マニホールドの幅に沿って及び前記マニホールドの第1の側部に向かって、前記折り畳み軸に直交して延びる第1の適合可能領域と、
前記マニホールドの前記幅に沿って及び前記第1の側部とは反対側の前記マニホールドの第2の側部に向かって、前記折り畳み軸に直交して延びる第2の適合可能領域であって、前記マニホールドの前記幅の少なくとも一部分が、前記第1の端部から前記第2の端部まで増加する、第2の適合可能領域と
を含むマニホールドと、
前記マニホールドの上に配置され前記マニホールドの周りで前記取り付けデバイスに結合されるように構成されているカバーと
を備えるドレッシング。
【請求項2】
前記凹状窪みが、前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記マニホールドの前記長さの約15パーセント~約30パーセントの間で前記マニホールドの前記縁部内に延びる、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項3】
前記凹状窪みが、アーチ又はV字形状を形成する、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項4】
前記凹状窪みが、足の背部部分を受容するようにサイズ決定されており、前記折り畳み軸が、脚の向こうずねに沿って長手方向に延びるように構成されており、前記第1の適合可能領域及び前記第2の適合可能領域が、前記脚の足首及びふくらはぎに巻き付くように構成されている、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項5】
前記凹状窪みが、第1の凹状窪みであり、前記マニホールドが、前記第2の端部において前記マニホールドの前記縁部内に延びる第2の凹状窪みを更に含み、前記第2の凹状窪みが、前記第1の凹状窪みよりも大きい、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項6】
前記第1の適合可能領域が、第1のフレア部分を含み、前記第2の適合可能領域が、第2のフレア部分を含み、前記マニホールドの前記幅が、前記第1のフレア部分から前記第2のフレア部分まで最大である、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項7】
前記第1のフレア部分及び前記第2のフレア部分が、前記第1の端部よりも前記マニホールドの前記第2の端部の近くに位置付けられている、請求項6に記載のドレッシング。
【請求項8】
前記第1のフレア部分が、前記第1の側部上の前記マニホールドの前記縁部において位置付けられており、前記第2のフレア部分が、前記第2の側部上の前記マニホールドの前記縁部において位置付けられている、請求項6に記載のドレッシング。
【請求項9】
前記ドレッシングが、前記凹状窪みの第1の二等分部分によって部分的に画定された前記第1の適合可能領域内の第1のフラップと、前記凹状窪みの第2の二等分部分によって部分的に画定された第2の適合可能領域内の第2のフラップとを更に備え、前記凹状窪みが、前記第1のフラップと前記第2のフラップとの間に位置付けられている、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項10】
前記第1のフラップ及び前記第2のフラップが、足首の対向する側部上に位置付けられるように構成されている、請求項9に記載のドレッシング。
【請求項11】
前記第1の適合可能領域が、前記折り畳み軸を中心にして前記第2の適合可能領域に対称である、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項12】
前記取り付けデバイスが、封止された空間を前記カバーと前記四肢の周りの前記領域との間に生成するように構成されており、前記マニホールドが、前記封止された空間内に位置付けられるように構成されている、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項13】
前記マニホールドが、多孔質発泡体を含む、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項14】
前記取り付けデバイスが、フィルム層及び接着剤を含む、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項15】
前記取り付けデバイスが、ヒドロコロイドを含む、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項16】
前記取り付けデバイスが、ガスケット部材である、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項17】
前記取り付けデバイスが、前記マニホールドの前記縁部の周りに位置付けられており、前記四肢の周りの前記領域を囲むように構成されている、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項18】
前記マニホールドが、第1の表面及び反対側の第2の表面を含み、前記マニホールドの前記第2の表面の少なくとも一部分が、前記治療開口を通って前記四肢の周りの前記領域に面するように構成されており、前記取り付けデバイスが、前記マニホールドの前記第2の表面の一部分上に位置付けられている、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項19】
前記カバーが、前記マニホールドの前記縁部から外向きに延びる前記取り付けデバイスの一部分に結合されるように構成されている、請求項18に記載のドレッシング。
【請求項20】
前記ドレッシングが、ガスケット部材を更に備え、前記取り付けデバイスの少なくとも一部分が、前記マニホールドと、前記四肢の周りの前記領域に面するように構成された前記マニホールドの表面上の前記ガスケット部材との間に位置付けられている、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項21】
前記ドレッシングが、前記四肢の周りの前記領域に露出されるように構成された前記マニホールドの表面に結合された組織接触層を更に備え、前記組織接触層が、前記四肢の周りの前記領域と直接接触して位置付けられるように構成されている、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項22】
前記組織接触層が、織布材料、不織布材料、ポリエステル編布材料、及び有窓フィルムからなる群から選択される、請求項21に記載のドレッシング。
【請求項23】
前記ドレッシングが、前記カバーを通って及び前記マニホールドの前記第2の端部に向かって流体的に結合されたドレッシングインターフェースを更に備え、前記ドレッシングインターフェースが、減圧源に結合されるように構成されている、請求項1に記載のドレッシング。
【請求項24】
四肢の周りの領域を減圧で治療するための方法であって、
請求項1に記載の前記ドレッシングを、前記折り畳み軸が前記四肢に沿って長手方向に延びるように適用することと、
前記第1の適合可能領域を前記四肢に第1の方向に周方向に巻き付けることと、
前記第2の適合可能領域を前記四肢に前記第1の方向とは反対の第2の方向に周方向に巻き付けることと、
減圧源を前記マニホールドに流体的に結合することと、
減圧を前記減圧源から前記マニホールドに送達することと
を含む方法。
【請求項25】
前記四肢が脚であり、前記ドレッシングを適用することが、前記折り畳み軸を前記脚の向こうずねに沿って長手方向に適用することと、前記脚の足の背部部分を前記凹状窪み内に位置付けることとを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ドレッシングが、第1のフラップ及び第2のフラップを更に備え、前記方法が、前記第1のフラップ及び前記第2のフラップを足首の対向する側部上に位置付けることを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記ドレッシングが、前記四肢の周りの前記領域に面するように構成された前記ドレッシングの表面上の接着剤と、前記ドレッシングを適用する前に前記接着剤を覆う複数の剥離ライナーとを更に備え、前記方法が、前記折り畳み軸を前記四肢に沿って長手方向に適用する前に、及び前記剥離ライナーのうちの別のライナーを除去する前に又は前記第1の適合可能領域若しくは前記第2の適合可能領域を巻き付ける前に、前記折り畳み軸において前記接着剤を覆う前記複数の剥離ライナーのうちの1つ以上を除去することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
四肢の周りの領域を減圧で治療するためのドレッシングとの使用のためのマニホールドであって、
第1の端部において前記マニホールドの縁部内に延びる凹状窪みと、
前記凹状窪みを二等分し前記マニホールドの長さに沿って前記第1の端部から第2の端部まで延びる折り畳み軸と、
前記マニホールドの幅に沿って及び前記マニホールドの第1の側部に向かって、前記折り畳み軸に直交して延びる第1の適合可能領域と、
前記マニホールドの前記幅に沿って及び前記第1の側部とは反対側の前記マニホールドの第2の側部に向かって、前記折り畳み軸に直交して延びる第2の適合可能領域と
を備えるマニホールドにおいて、
前記第1の適合可能領域が、前記折り畳み軸を中心にして前記第2の適合可能領域に対称である、マニホールド。
【請求項29】
前記マニホールドの前記幅の少なくとも一部分が、前記第1の端部から前記第2の端部まで増加する、請求項28に記載のマニホールド。
【請求項30】
前記凹状窪みが、前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記マニホールドの前記長さの約15パーセント~約30パーセントの間で前記マニホールドの前記縁部内に延びる、請求項28に記載のマニホールド。
【請求項31】
前記凹状窪みが、アーチ又はV字形状を形成する、請求項28に記載のマニホールド。
【請求項32】
前記凹状窪みが、足の背部部分を受容するようにサイズ決定されており、前記折り畳み軸が、脚の向こうずねに沿って長手方向に延びるように構成されており、前記第1の適合可能領域及び前記第2の適合可能領域が、前記脚の足首及びふくらはぎに巻き付くように構成されている、請求項28に記載のマニホールド。
【請求項33】
前記凹状窪みが、第1の凹状窪みであり、前記マニホールドが、前記第2の端部において前記マニホールドの前記縁部内に延びる第2の凹状窪みを更に備え、前記第2の凹状窪みが、前記第1の凹状窪みよりも大きい、請求項28に記載のマニホールド。
【請求項34】
前記マニホールドが、前記凹状窪みの第1の二等分部分によって部分的に画定された前記第1の適合可能領域内の第1のフラップと、前記凹状窪みの第2の二等分部分によって部分的に画定された第2の適合可能領域内の第2のフラップとを更に備え、前記凹状窪みが、前記第1のフラップと前記第2のフラップとの間に位置付けられている、請求項28に記載のマニホールド。
【請求項35】
前記第1のフラップ及び前記第2のフラップが、足首の対向する側部上に位置付けられるように構成されている、請求項34に記載のマニホールド。
【請求項36】
前記マニホールドが、多孔質発泡体を含む、請求項28に記載のマニホールド。
【請求項37】
四肢の周りの領域を減圧で治療するためのドレッシングとの使用のためのマニホールドであって、
前記マニホールドの第1の端部における凹状窪みと、
前記凹状窪みを二等分し前記マニホールドの前記第1の端部から第2の端部まで延びる折り畳み軸と、
前記マニホールドの第1の側部に向かって、前記折り畳み軸に直交して延びる第1の部分と、
前記第1の側部とは反対側の前記マニホールドの第2の側部に向かって、前記折り畳み軸に直交して延びる第2の部分と
を備えるマニホールドにおいて、
前記折り畳み軸が、前記四肢に沿って長手方向に延びるように構成されている、マニホールド。
【請求項38】
前記四肢が脚であり、前記凹状窪みが、足の背部部分を受容するようにサイズ決定されており、前記折り畳み軸が、前記脚の向こうずねに沿って長手方向に延びるように構成されており、前記第1の部分及び前記第2の部分が、前記脚の足首及びふくらはぎに巻き付くように構成されている、請求項37に記載のマニホールド。
【請求項39】
実質的に本明細書で図示及び説明されているような、システム、ドレッシング材、装置、及び方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている、2019年11月1日に出願された米国特許仮出願第62/929,215号及び2019年12月31日に出願された米国特許仮出願第62/955,534号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、組織治療システムに関し、特に、限定されないが、減圧療法を使用する、患者の1つ以上の四肢の組織領域管理に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床研究及び臨床診療は、組織部位の近接の圧力の低減は、組織部位における新しい組織の成長を増強及び加速させることができることを示している。この現象の用途は数多くあるが、創傷を治療するために特に有利であることが判明している。創傷の原因に関わらず、外傷、手術、又は別の原因かどうかに関わらず、創傷の適切なケアが転帰に重要である。創傷又は他の組織の減圧での治療は、一般的に、「陰圧療法」と称され得るが、例えば、「陰圧創傷療法」、「減圧療法」、「真空療法」、「陰圧閉鎖」、及び「局所陰圧」を含む他の名称によっても知られている。陰圧療法は、上皮組織及び皮下組織の移行、血流の改善、及び創傷部位における組織の微小変形などを含む多くの利益を提供することができる。これらの利益は全体として、肉芽組織の発達を増加させることができ、治癒時間を低減することができる。
【0004】
陰圧療法の臨床的利益は広く知られているが、治療システム(therapy system)、構成要素、及びプロセスの改善は、医療提供者及び患者に利益をもたらすことができる。
【発明の概要】
【0005】
陰圧療法環境において組織部位を管理するための新規の有用なシステム、装置、及び方法が、添付の特許請求の範囲に記載されている。以下の説明は、当業者が、特許請求される主題を作製及び使用することを可能にするための非限定的な例示的実施形態を提供する。
【0006】
いくつかの例示的な実施形態では、四肢の周りの領域を減圧で治療するためのドレッシングは、取り付けデバイスと、マニホールドと、カバーとを含み得る。取り付けデバイスは、治療開口を含み得る。マニホールドは、治療開口を通って四肢の周りの領域に少なくとも部分的に露出されるように構成され得る。マニホールドは、凹状窪み、折り畳み軸、第1の適合可能領域、及び第2の適合可能領域を含み得る。凹状窪みは、マニホールドの第1の端部においてマニホールドの縁部内に延び得る。折り畳み軸は、凹状窪みを二等分し、マニホールドの長さに沿ってマニホールドの第1の端部から第2の端部まで延び得る。第1の適合可能領域は、マニホールドの幅に沿って及びマニホールドの第1の側部に向かって、折り畳み軸に直交して延び得る。第2の適合可能領域は、マニホールドの幅に沿って及び第1の側部とは反対側のマニホールドの第2の側部に向かって、折り畳み軸に直交して延び得る。マニホールドの幅の少なくとも一部分は、第1の端部から第2の端部まで増加し得る。カバーは、マニホールドの上に配置されマニホールドの周りで取り付けデバイスに結合されるように構成され得る。
【0007】
いくつかの例示的な実施形態では、四肢の周りの領域を減圧で治療するための方法は、折り畳み軸を含むドレッシングを、折り畳み軸が四肢に沿って長手方向に延びるように四肢に適用することを含み得る。更に、方法は、ドレッシングの第1の適合可能領域を四肢に第1の方向に周方向に巻き付けることと、ドレッシングの第2の適合可能領域を四肢に第1の方向とは反対の第2の方向に周方向に巻き付けることとを含み得る。更に、方法は、減圧源をドレッシングのマニホールドに流体的に結合することと、減圧を減圧源からマニホールドに送達することとを含み得る。
【0008】
いくつかの例示的な実施形態では、四肢の周りの領域を減圧で治療するためのドレッシングとの使用のためのマニホールドは、凹状窪みと、折り畳み軸と、第1の適合可能領域と、第2の適合可能領域とを含み得る。凹状窪みは、マニホールドの第1の端部においてマニホールドの縁部内に延び得る。折り畳み軸は、凹状窪みを二等分し、マニホールドの長さに沿ってマニホールドの第1の端部からマニホールドの第2の端部まで延び得る。第1の適合可能領域は、マニホールドの幅に沿って及びマニホールドの第1の側部に向かって、折り畳み軸に直交して延び得る。第2の適合可能領域は、マニホールドの幅に沿って及び第1の側部とは反対側のマニホールドの第2の側部に向かって、折り畳み軸に直交して延び得る。第1の適合可能領域は、折り畳み軸を中心にして第2の適合可能領域に対称であり得る。
【0009】
いくつかの例示的な実施形態では、四肢の周りの領域を減圧で治療するためのドレッシングとの使用のためのマニホールドは、凹状窪みと、折り畳み軸と、第1の部分と、第2の部分とを含み得る。凹状窪みは、マニホールドの第1の端部において位置付けられ得る。折り畳み軸は、凹状窪みを二等分し、マニホールドの第1の端部からマニホールドの第2の端部まで延び得る。マニホールドの第1の部分は、マニホールドの第1の側部に向かって、折り畳み軸に直交して延び得る。マニホールドの第2の部分は、第1の側部とは反対側のマニホールドの第2の側部に向かって、折り畳み軸に直交して延び得る。折り畳み軸は、四肢に沿って長手方向に延びるように構成され得る。
【0010】
特許請求されている主題を作製及び使用する目的、利点、及び好ましい様式は、例示的な実施形態の以下の詳細な説明と共に添付の図面を参照することによって、最も良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本明細書による、減圧療法を提供することができる治療システムの例示的な一実施形態のブロック図である。
【0012】
【
図2】
図1の治療システムのいくつかの実施形態に関連し得る例示的な圧力制御モードを示すグラフである。
【0013】
【
図3】
図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に好適な別の例示的な圧力制御モードを示すグラフである。
【0014】
【
図4】
図1の治療システムの例示的な一実施形態に関連し得るドレッシングの例示的な一実施形態の上面図である。
【0015】
【
図5】いくつかの例に関連し得る追加の詳細を示す、
図4のドレッシングの展開斜視図である。
【0016】
【
図6】いくつかの例に関連し得る追加の詳細を示す、
図4の線6-6に沿う、組み立てられた状態の
図4の例示的なドレッシングの側面切取図である。
【0017】
【
図7A】
図4の例示的なドレッシングを患者の脚に適用する例示的な工程を示す図である。
【0018】
【
図7B】
図7Aに示す例示的なドレッシングの適用の例示的な後続の又は最終の工程を示す図である。
【0019】
【
図8】患者の腕に適用された
図4の例示的なドレッシングを示す図である。
【0020】
【
図9】
図1の治療システムの例示的な一実施形態に関連し得るドレッシングの別の例示的な実施形態の上面図である。
【0021】
【
図10】
図1の治療システムの例示的な一実施形態に関連し得るドレッシングの更に別の例示的な実施形態の上面図である。
【0022】
【
図11】
図1の治療システムの例示的な一実施形態に関連し得るドレッシングの更に別の例示的な実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
例示的な実施形態の以下の説明は、当業者が、添付の特許請求の範囲に記述されている主題を製造及び使用することを可能にする情報を提供するが、当該技術分野において既に周知の特定の詳細については省略することがある。したがって、以下の詳細な説明は、限定ではなく、例示として解釈されるべきである。
【0024】
図1は、本明細書による、減圧療法を組織部位に提供することができる治療システム100の例示的な実施形態のブロック図である。この文脈での用語「組織部位」とは、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、真皮組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、又は靭帯を含むが、これらに限定されない組織上又は内に位置する創傷、欠損、又は他の治療標的を広範に指し得る。創傷は、例えば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、及び裂開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(糖尿病潰瘍、圧迫潰瘍、又は静脈不全潰瘍など)、皮弁、移植組織、及び切り傷を含み得る。用語「組織部位」とはまた、必ずしも創傷又は欠損がある任意の組織の領域ではないが、代わりに、追加の組織の成長を追加又は促進することが望ましいことがある領域を指し得る。例えば、陰圧は、採取及び移植され得る追加の組織を成長させるために組織部位に適用されてもよい。
【0025】
治療システム100は、例えば、減圧源105などの減圧源又は減圧供給源と、ドレッシング110と、容器115などの流体容器と、コントローラ120などの調整器又はコントローラとを含み得る。追加的に、治療システム100は、動作パラメータを測定し、動作パラメータを示すフィードバック信号をコントローラ120に提供するためのセンサを含み得る。
図1に示すように、例えば、治療システム100は、第1のセンサ125及び第2のセンサ130などの、コントローラ120に結合された1つ以上のセンサを含み得る。
図1の例に示すように、いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、組織界面135、カバー140、又は両方を含み得る。
【0026】
治療システム100のいくつかの構成要素は、療法を更に容易にするセンサ、処理ユニット、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示デバイス、又はユーザインターフェースなどの他の構成要素内に収容されてもよく、又はこれらと共に使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、減圧源105は、コントローラ120及び他の構成要素と組み合わされて治療ユニット(therapy unit)になされてもよい。
【0027】
一般に、治療システム100の構成要素は、直接又は間接的に結合されてもよい。例えば、減圧源105は、容器115に直接結合されてもよく、容器115を介してドレッシング110に間接的に結合されてもよい。結合は、流体結合、機械的結合、熱的結合、電気的結合、若しくは化学的結合(化学結合など)、又は、いくつかの文脈では、結合のある組み合わせを含むことができる。例えば、減圧源105は、コントローラ120に電気的に結合されてもよく、組織部位への流体経路を提供するために1つ以上の分配構成要素に流体的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、構成要素はまた、物理的近接によって、又は単一の構造に一体化されることによって、又は同じ材料片から形成されることによって結合されてもよい。
【0028】
分配構成要素は、取り外し可能であってもよく、使い捨て可能、再使用可能、又はリサイクル可能であってもよい。ドレッシング110及び容器115は、分配構成要素の例示である。流体導管は、分配構成要素の別の例示的な例である。この文脈での「流体導管」は、チューブ、パイプ、ホース、管路、又は流体を2つの端部間で運ぶように適合された1つ以上の内腔又は開放通路を有する他の構造体を広く含み得る。典型的には、チューブは、ある程度の可撓性を有する細長い円筒状の構造体であるが、幾何学的形状及び剛性は変化し得る。また、いくつかの流体導管は、他の構成要素内に成形されてもよく、又はそうでなければ他の構成要素と一体的に組み合わされてもよい。分配構成要素はまた、他の構成要素の結合及び分離を容易にするために、インターフェース又は流体ポートを含み得る。いくつかの実施形態では、例えば、ドレッシングインターフェースは、流体導管をドレッシング110に結合することを容易にしてもよい。例えば、かかるドレッシングインターフェースは、San Antonio、TexasのKCIから入手可能なSENSAT.R.A.C.(商標)Padであってもよい。
【0029】
減圧源105などの減圧供給部は、減圧での空気のリザーバであってもよく、又は、例えば、真空ポンプ、吸引ポンプ、多くの医療施設において使用可能な壁面吸引ポート、若しくはマイクロポンプなどの手動若しくは電動のデバイスであってもよい。「陰圧」又は「減圧」とは、一般に、封止された療法環境の外部の局所的環境における周囲圧力などの局所的周囲圧力未満の圧力を指す。多くの場合、局所的周囲圧力はまた、組織部位が位置する大気圧であり得る。更に、圧力は、組織部位における組織に関連する静水圧未満であり得る。別途指示のない限り、本明細書に記載されている圧力の値は、ゲージ圧である。減圧の増加についての言及は、絶対圧力の減少を指し、減圧の減少は絶対圧力の増加を指し得る。組織部位に適用される減圧の大きさ及び性質は、療法要件に応じて変化し得るが、圧力は、一般に、-5mmHg(-667Pa)~-500mmHg(-66.7kPa)の間の低真空(rough vacuum)とも一般的に称される低い真空(low vacuum)である。一般的な療法範囲は、-50mmHg(-6.7kPa)~-300mmHg(-39.9kPa)の間である。
【0030】
容器115は、組織部位から引き出された滲出液及び他の流体を管理するために使用され得る容器、キャニスタ、パウチ、又は他の貯蔵構成要素を表す。多くの環境では、剛性の容器が、流体の収集、貯蔵、及び廃棄のために好ましい又は必要とされることがある。他の環境では、流体は、剛性の容器に貯蔵されずに適切に廃棄され得、再使用可能な容器は、減圧療法に関連する廃棄物及びコストを低減することができる。
【0031】
コントローラ120などのコントローラは、治療システム100の1つ以上の構成要素、例えば減圧源105などを動作させるようにプログラムされたマイクロプロセッサ又はコンピュータであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ120は、マイクロコントローラであってもよく、マイクロコントローラは、治療システム100の1つ以上の動作パラメータを直接又は間接的に制御するようにプログラムされた、プロセッサコアと及びメモリを含む集積回路を含み得る。動作パラメータは、例えば、減圧源105に適用される電力、減圧源105によって生成される圧力、又は組織界面135に分配される圧力を含み得る。コントローラ120はまた、フィードバック信号などの1つ以上の入力信号を受信するように構成され得、入力信号に基づいて1つ以上の動作パラメータを修正するようにプログラムされ得る。
【0032】
第1のセンサ125及び第2のセンサ130などのセンサは、物理的現象又は物理的特性を検出若しくは測定し検出又は測定された現象又は特性を示す信号を一般に提供するように動作可能な任意の装置とすることができる。例えば、第1のセンサ125及び第2のセンサ130は、治療システム100の1つ以上の動作パラメータを測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1のセンサ125は、空気通路内の圧力を測定し、測定値を、測定された圧力を示す信号に変換するように構成されたトランスデューサであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、第1のセンサ125は、ピエゾ抵抗歪みゲージであってもよい。いくつかの実施形態では、第2のセンサ130は、任意選択で、電圧又は電流などの、減圧源105の動作パラメータを測定し得る。第1のセンサ125及び第2のセンサ130からの信号は、コントローラ120への入力信号として好適であり得るが、いくつかの実施形態では、ある信号調整が適切であり得る。例えば、信号は、信号がコントローラ120によって処理され得る前に、フィルタリング又は増幅される必要があり得る。典型的には、信号は、電気信号であるが、光信号などの他の形態で表されてもよい。
【0033】
組織界面135は、組織部位に部分的又は完全に接触するように適合されてもよい。組織界面135は、様々な要因、例えば、実施されている治療のタイプ、又は組織部位の性質及びサイズなどに依存して、多くの形態を取り得、多くのサイズ、形状、又は厚さを有し得る。例えば、組織界面135のサイズ及び形状は、深い不規則な形状の組織部位の輪郭に適合されてもよい。また、組織界面135の表面のうちのいくつか又は全ては、突起、又は、平らでない、粗い、又はぎざぎざの外形を有し得、該外形は、歪み及び応力を組織部位上に誘発することができ、これは、組織部位における肉芽形成を促進することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、組織界面135は、マニホールドであってもよく、又は所望の治療に依存して、マニホールド及び組織接触層などの追加の層を含んでもよい。この文脈での「マニホールド」は、組織に対して流体を収集又は分配するように適合された複数の通路を提供する任意の物質又は構造を含み得る。例えば、マニホールドは、減圧を供給源から受容し、減圧を、複数の開口を通って組織部位に又は組織部位から分配するように適合されてもよく、これは、流体を組織部位から収集し流体を供給源に向かって引き寄せる効果を有し得る。いくつかの実施形態では、組織部位に対して流体を送達する又は移動させることを容易にするために、流体経路は、逆転されてもよく、又は二次流体経路が、設けられてもよい。
【0035】
いくつかの例示的な実施形態では、マニホールドの通路は、組織部位における流体の分配又は収集を改善するために相互接続されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、マニホールドは、相互接続された気泡又は細孔を有する多孔質発泡材料であってもよい。例えば、連続気泡発泡体、多孔質組織集合体、及びガーゼ又はフェルトのマットなどの他の多孔質材料は、一般に、相互接続された流体チャネルを形成するように適合された細孔、縁部、及び/又は壁を含む。液体、ゲル、及び他の発泡体はまた、開口及び流体通路を含んでよく、又はこれらを含むように硬化してもよい。いくつかの実施形態では、マニホールドは、追加的に又は代替的に、相互接続された流体通路を形成する突起を含んでもよい。例えば、マニホールドは、相互接続された流体通路を画定する表面突起を設けるように成形され得る。
【0036】
発泡体の平均細孔サイズは、規定の療法の必要性に従って変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、組織界面135は、400~600マイクロメートルの範囲の細孔サイズを有する発泡体であってもよい。組織界面135の引張強度はまた、規定の療法の必要性に従って変化し得る。例えば、発泡体の引張強度は、局所治療溶液の点滴注入のために増加してもよい。いくつかの例では、組織界面135は、San Antonio、TexasのKCIから両方入手可能な、GRANUFOAM(商標)ドレッシング又はV.A.C.VERAFLO(商標)ドレッシングにおいて見出されるような網状ポリウレタン発泡体であってもよい。
【0037】
組織界面135は、疎水性又は親水性のいずれかであり得る。組織界面135が親水性であり得る例では、組織界面135はまた、陰圧を組織部位に分配し続けつつ、流体を組織部位から離れるように吸い上げることができる。組織界面135の吸い上げ特性は、毛細管流又は他の吸い上げ機構によって流体を組織部位から離れるように引き寄せることができる。親水性発泡体の一例は、San Antonio、TexasのKCIから入手可能なV.A.C.WHITEFORM(商標)ドレッシングなどのポリビニルアルコール連続気泡発泡体である。他の親水性発泡体は、ポリエーテルから作製されたものを含み得る。親水性特徴を呈し得る他の発泡体は、親水性を付与するように処理又はコーティングされた疎水性発泡体を含み得る。
【0038】
組織界面135は、封止された療法環境内の圧力が低減したときに、組織部位における肉芽形成を更に促進し得る。例えば、組織界面135の表面のうちのいくつか又は全ては、平らでない、粗い、又はぎざぎざの外形を有し得、該外形は、陰圧が組織界面135を通って適用された場合、微小歪み及び応力を組織部位において誘発することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、組織界面135は、生体吸収性材料から構築され得る。好適な生体吸収性材料は、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)とのポリマーブレンドを含み得るが、これらに限定されない。ポリマーブレンドはまた、ポリカーボネート、ポリフマレート、及びカプララクトン(capralactone)含み得るが、これらに限定されない。組織界面135は、新しい細胞成長のためのスキャフォールドとして更に機能してもよく、又はスキャフォールド材料は、細胞成長を促進するために、組織界面135と共に使用されてもよい。スキャフォールドは、一般に、細胞の成長又は組織の形成を強化又は促進するために使用される物質又は構造体、例えば、細胞成長のためのテンプレートを提供する3次元多孔質構造体などである。スキャフォールド材料の例示的な例としては、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラル(coral)ヒドロキシアパタイト、カーボネート、又は、加工された同種移植片材料が挙げられる。
【0040】
いくつかの実施形態では、カバー140は、細菌に対する障壁、及び物理的外傷からの保護を提供し得る。カバー140はまた、蒸発損失を低減することができ、2つの構成要素間又は2つの環境間の流体シール、例えば、療法環境と局所的外部環境との間の流体シールなどを提供することができる材料から構築され得る。例えば、カバー140は、例えば、所与の減圧源についての組織部位における減圧を維持するのに適切なシールを提供することができるエラストマーのフィルム若しくは膜を含んでもよく、又はこのようなフィルム若しくは膜から実質的になってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、カバー140は、水蒸気に透過性であるが液体に不透過性である、ポリウレタンフィルムなどのポリマードレープであってもよい。カバー140は、いくつかの用途において、高い水蒸気透過率(moisture-vapor transmission rate、MVTR)を有し得る。例えば、(直立カップ測定のためのASTM E96/E96Mに基づく)いくつかの実施形態では、MVTRは、24時間当たり少なくとも250g/m^2であり得る。このようなドレープは、典型的には、25~50ミクロンの範囲の厚さを有する。透過性材料については、透過性は、一般に、所望の陰圧が維持され得るのに十分に低いべきである。
【0041】
取り付けデバイスは、カバー140を、無傷の表皮、ガスケット、又は別のカバーなどの取り付け表面に取り付けるために使用されてもよい。取り付けデバイスは、多くの形態を取り得る。例えば、取り付けデバイスは、カバー140を組織部位の周りの表皮に接合するように構成された医学的に許容可能な感圧接着剤であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、カバー140のある部分又は全ては、25~65グラム/平方メートル(gram per square meter、g.s.m.)の間のコーティング重量を有し得るアクリル接着剤などの接着剤でコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、より厚い接着剤、又は接着剤の組み合わせが、シールを改善し漏れを低減するために適用されてもよい。取り付けデバイスの他の例示的な実施形態は、両面テープ、糊、ヒドロコロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル、又はオルガノゲルを含み得る。
【0042】
図2は、コントローラ120のいくつかの実施形態に関連し得る例示的な制御モードの追加の詳細を示すグラフである。いくつかの実施形態では、コントローラ120は、連続圧力モードを有し得し、連続圧力モードにおいて、減圧源105は、治療の持続時間の間又は手動で作動停止されるまで、線205及び線210によって示すように一定の目標減圧を提供するように動作される。追加的に又は代替的に、コントローラは、
図2の例に示すように、間欠圧力モードを有し得る。
図2では、x軸は、時間を表し、y軸は、減圧源105によって経時的に生成された減圧を表す。
図2の例では、コントローラ120は、目標圧力と大気圧との間で循環するように、減圧源105を動作させることができる。例えば、目標圧力は、指定の時間(例えば、5分)の間、線205によって示すように125mmHgの値に設定され得、その後、作動実線215と実線220との間の間隙によって示すように、作動停止の指定の時間(例えば、2分)が続く。循環は、線220によって示すように、減圧源105を作動させることによって繰り返され得、これは、目標圧力と大気圧との間での方形波のパターンを形成することができる。
【0043】
いくつかの例示的な実施形態では、周囲圧力から目標圧力への減圧の増加は、瞬間的ではないことがある。例えば、減圧源105及びドレッシング110は、破線225によって示すような、初期上昇時間を有し得る。初期上昇時間は、使用されているドレッシング及び治療機器(therapy equipment)のタイプに依存して変化し得る。例えば、ある治療システムについての初期上昇時間は、約20~30mmHg/秒の範囲であってもよく、別の治療システムについての初期上昇時間は、約5~10mmHg/秒の範囲であってもよい。治療システム100が、間欠モードで動作している場合、実線220によって示すような繰り返し上昇時間は、破線225によって示すような初期上昇時間と実質的に等しい値であり得る。
【0044】
図3は、治療システム100のいくつかの実施形態における別の例示的な圧力制御モードに関連し得る、追加の詳細を示すグラフである。
図3では、x軸は、時間を表し、y軸は、減圧源105によって生成された陰圧を表す。
図3の例における目標圧力は、動的圧力モードで、時間と共に変化し得る。例えば、目標圧力は、+25mmHg/分の速度に設定された上昇時間305と、-25mmHg/分に設定された降下時間310とをそれぞれ有する50~125mmHgの最低減圧と最高減圧との間で変化する三角波形の形態で変化し得る。治療システム100の他の実施形態では、三角波形は、+30mmHg/分の速度に設定された上昇時間305と、-30mmHg/分に設定された降下時間310とを有する25~125mmHgの減圧間で変化し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、コントローラ120は、動的圧力モードにおいて、可変の目標圧力を制御又は判定することができ、可変の目標圧力は、オペレータによって所望の減圧の範囲として規定された入力として設定され得る最大圧力値と最小圧力値との間で変化し得る。可変の目標圧力はまた、コントローラ120によって処理及び制御されてもよく、コントローラ120は、三角波形、正弦波形、又は鋸歯状波形などの所定の波形に従って、目標圧力を変化させることができる。いくつかの実施形態では、波形は、療法のために所望される所定の減圧又は時間と共に変化する減圧として、オペレータによって設定され得る。
【0046】
図4~
図8を参照すると、ドレッシング110は、脚、腕、足首、手首、又はこれらの一部分などの患者の四肢402における組織部位、並びに組織部位及び四肢402の周りの組織領域を治療することができる特徴を含み得る。例えば、組織部位は、患者の脚若しくは足首の一方の側部又は両方の側部上の切り傷又は他の治療標的であり得る。ドレッシング110は、切り傷又は治療標的のみでなく、所望に応じて、切り傷又は治療標的、脚、及び足首の周りの組織の領域も治療するように構成され得る。
【0047】
より具体的に
図4~
図6を参照すると、いくつかの例では、ドレッシング110は、取り付けデバイス404と、マニホールド406と、カバー140とを含み得る。取り付けデバイス404及び他の構成要素のいくつかの例は、治療開口408を含み得、マニホールド406は、治療開口408を通って四肢402の周りの組織の領域に少なくとも部分的に露出されるように構成され得る。更に、いくつかの例では、ドレッシング110は、任意選択で、接着リング410を含み得、接着リング410は、マニホールド406の周辺部分を取り付けデバイス404の一部分に接合するように構成され得る。いくつかの例では、接着リング410は、取り付けデバイス404の一部分として形成されてもよく、又は接着リング410は、省略されてもよく、取り付けデバイス404は、代わりに、別の医学的に許容可能な結合装置でマニホールド406に結合されている。いくつかの例では、カバー140、マニホールド406、任意選択の接着リング410、及び取り付けデバイス404は、同様の形状を有し得る。取り付けデバイス404は、マニホールド406の周りでのカバー140への取り付けデバイス404の結合を可能にするように、マニホールド406よりもわずかに大きくてもよく。いくつかの例では、接着剤は、治療開口408を通って露出されたマニホールド406の一部分上に配置され得る。いくつかの実施形態では、接着剤は、パターンコーティングされ得、マニホールド406の露出した部分又は表面の最大50%を覆い得る。
【0048】
カバー140、マニホールド406、取り付けデバイス404、又は様々な組み合わせは、適用前に又は治療部位において組み立てられ得る。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、単一のユニットとして提供され得る。
【0049】
マニホールド406は、第1の表面412及び反対側の第2の表面414を含み得る。いくつかの例では、マニホールド406の第2の表面414の少なくとも一部分は、治療開口408を通って四肢402の周りの組織の領域に面するように構成され得る。いくつかの例では、取り付けデバイス404は、マニホールド406の第2の表面414の一部分上又は第2の表面414の一部分において位置付けられ得る。いくつかの例では、マニホールド406は、発泡体などの多孔質材料を含んでもよく、又はこのような多孔質材料から形成されてもよい。
【0050】
いくつかの例では、取り付けデバイス404は、カバー140と四肢402の周りの組織の領域との間に封止された空間を生成するように構成され得、マニホールド406は、封止された空間内に位置付けられるように構成され得る。例えば、取り付けデバイス404は、マニホールド406の縁部416の周りに位置付けられ得、四肢402の周りの組織の領域を囲むように構成され得る。カバー140は、マニホールド406の上に配置され得、マニホールド406の周りで取り付けデバイス404に結合され得る。例えば、カバー140は、マニホールド406の縁部416から外向きに延びる取り付けデバイス404の一部分に結合され得る。更に、カバー140は、
図5の例に示すように、マニホールド406よりも大きくてもよく、取り付けデバイス404に取り付けられるように構成された周囲又はフランジ418を有してもよい。組み立てられると、カバー140は、マニホールド406の第1の表面412の上に配置され得、フランジ418は、マニホールド406の周りで取り付けデバイス404に取り付けられ得る。例えば、接着剤は、フランジ418を取り付けデバイス404に接着するために使用されてもよく、又はフランジ418は、取り付けデバイス404に溶接、縫合、又はステープル留めされてもよいが、これらに限定されない。カバー140はまた、開口420を含み得、開口420は、本明細書に記載されているように、マニホールド404とドレッシングインターフェース422及び/又は流体導管424との間の流体連通を可能にするように構成されている。
【0051】
取り付けデバイス404は、多くの形態を取り得る。いくつかの例では、取り付けデバイス404は、療法減圧環境におけるシールを提供することができるフィルム若しくは膜を含んでもよく、又はこのようなフィルム若しくは膜から形成され得る。いくつかの例示的な実施形態では、取り付けデバイス404は、水蒸気に透過性であるが液体に不透過性であるポリウレタンフィルムなどのポリマーフィルムであってもよい。取り付けデバイス404は、25~50マイクロメートルの範囲の厚さを有し得る。透過性材料については、透過性は、所望の減圧が維持され得るように十分に低くてもよい。取り付けデバイス404はまた、感圧接着剤などの医学的に許容可能な接着剤を含み得る。いくつかの例では、取り付けデバイス404は、25~65グラム/平方メートル(g.s.m.)の間のコーティング重量を有し得るアクリル接着剤などの接着剤でコーティングされたポリマーフィルムであってもよい。いくつかの例では、より厚い接着剤、又は接着剤の組み合わせは、シールを改善し漏れを低減するために適用され得る。
【0052】
いくつかの例では、取り付けデバイス404は、ヒドロコロイドを含んでもよく、又はヒドロコロイドから形成されてもよい。いくつかの例では、取り付けデバイス404は、封止リング又はガスケット部材として構成され得、又はこのように称され得る。他の例では、ドレッシング110は、取り付けデバイス404に加えて、ガスケット部材(図示せず)を含み得る。このような例では、ガスケット部材は、ヒドロコロイドリングなどの周辺部材であってもよく、取り付けデバイス404の少なくとも一部分は、マニホールド406と、四肢402の周りの組織の領域に面するように構成された第2の表面414などのマニホールド406の表面上の又はマニホールド406の表面におけるガスケット部材との間に位置付けられてもよい。いくつかの例では、ガスケット部材は、接着リング410と同様又は類似の形状を有し得るが、ガスケット部材は、四肢402に面するように構成された取り付けデバイス404の表面上に位置付けられ得、これにより、ガスケット部材は、四肢402と取り付けデバイス404との間に位置付けられるように構成されている。
【0053】
いくつかの例では、ドレッシング110は、組織接触層426を更に含み得、組織接触層426は、四肢402の周りの組織の領域に露出されるように構成された第2の表面414などのマニホールド406の表面に結合され得る。組織接触層426は、四肢402の周りの組織の領域と直接接触して位置付けられるように構成され得る。組織接触層426は、組織接触層426を通る流体移動を可能にしつつ、皮膚刺激を実質的に低減又は排除する材料を含んでもよく、又はこのような材料から形成されてもよい。いくつかの例では、組織接触層426は、織布材料、不織布材料、ポリエステル編布材料、及び有窓フィルムなどを含むがこれらに限定されない材料のうちの1つ以上を含んでもよく、又はこのような材料から成されてもよい。
【0054】
いくつかの例では、端部402の周りの組織の領域に面するように構成されたドレッシング110の表面上の取り付けデバイス404又は接着剤は、ドレッシング110を組織部位において適用する前に、1つ以上の剥離ライナー428によって覆われ得る。例えば、
図5に示すように、ドレッシング110は、第1の剥離ライナー428a、第2の剥離ライナー428b、及び第3の剥離ライナー428cを含み得る。第1の剥離ライナー428aは、マニホールド406又はドレッシング110の第1の側部430に近接して位置付けられてもよく、第2の剥離ライナー428bは、マニホールド406又はドレッシング110の第2の側部432に近接して位置付けられてもよく、第3の剥離ライナー428cは、マニホールド406又はドレッシング110の折り畳み軸434に近接して位置付けられてもよい。第3の剥離ライナー428cは、第1の剥離ライナー428aと第2の剥離ライナー428bとの間に位置付けられ得る。いくつかの例では、第3の剥離ライナー428cは、第1の剥離ライナー428a及び第2の剥離ライナー428bの除去の前に、折り畳み軸434に近接する接着剤又は取り付けデバイス404の部分を露出させるために除去されるように構成され得る。このような構成は、第1の剥離ライナー428a及び第2の剥離ライナー428bが接着剤又は取り付けデバイス404の他の部分を保護しつつ、ドレッシング110の折り畳み軸434が四肢402などの組織部位において最初に位置付けられる又は位置合わせされることを可能にすることができる。例えば、第3の剥離ライナー428cの一部分は、第1の剥離ライナー428a及び/若しくは第2の剥離ライナー428bの一部分を覆ってもよく、又は第1の剥離ライナー428a及び/若しくは第2の剥離ライナー428bの一部分の上に位置付けられてもよく、これにより、第3の剥離ライナー428cは、第1の剥離ライナー428a及び第2の剥離ライナー428bの除去の前に除去され得る。いくつかの例では、ドレッシング110は、2つの剥離ライナーを有し、2つの剥離ライナーのそれぞれは、剥離ライナーが除去のためにより小さい片に分離されることを可能にするように構成された穿孔又はスリット(図示せず)を有し得る。追加的に、いくつかの実施形態はまた、1つ以上の鋳造シートライナー436を有し得る。
【0055】
追加的に又は代替的に、第1の剥離ライナー428a、第2の剥離ライナー428b、及び第3の剥離ライナー428cは、取り扱い及び適用を容易にするために、取り付けデバイス404に剛性を提供することができる。追加的に又は代替的に、鋳造シートライナー436は、取り扱い及び適用のためにカバー140に剛性を提供するために、フランジ418を覆ってもよい。
【0056】
いくつかの例では、ドレッシング110は、ドレッシングインターフェース422を含み得、ドレッシングインターフェース422は、カバー140内の開口420を通ってマニホールド406に流体的に結合され得る。ドレッシングインターフェース422は、マニホールド406の第2の端部438に向かって結合され得、例えば、ドレッシングインターフェース422と減圧源105との間で流体連通して結合された流体導管424、管路、又はチューブを通って減圧源105に結合されるように構成され得る。
【0057】
いくつかの例では、マニホールド406は、凹状窪み440と、折り畳み軸434と、第1の部分又は適合可能領域442と、第2の部分又は適合可能領域444とを含み得る。凹状窪み440は、マニホールド406の第1の端部446において位置付けられ得、第1の端部446においてマニホールド406の縁部416内に延び得る。いくつかの例では、凹状窪み440は、第1の端部446と第2の端部438との間でマニホールド406の長さ448の約15パーセント~約30パーセントの間でマニホールド406の縁部416内に延び得る。いくつかの例では、凹状窪み440は、アーチ又はV字形状に形成又は構成され得る。
【0058】
折り畳み軸434は、凹状窪み440を二等分し得、マニホールド406の長さ448に沿ってマニホールド406の第1の端部446からマニホールド406の第2の端部438まで延び得る。マニホールド406の第1の端部446は、マニホールド406の長さ448に沿ってマニホールド406の第2の端部438の反対側に位置付けられ得る。第1の適合可能領域442は、マニホールド406の幅450に沿って及びマニホールド406の第1の側部430に向かって、折り畳み軸434に直交して延び得る。第2の適合可能領域444は、マニホールド406の幅450に沿って及び第1の側部430とは反対側のマニホールド406の第2の側部432に向かって、折り畳み軸434に直交して延び得る。
【0059】
いくつかの例では、マニホールド406の幅450の少なくとも一部分は、マニホールド406の第1の端部446からマニホールド406の第2の端部438まで増加し得る。例えば、第1の適合可能領域442は、第1のフレア部分452を含み、第2の適合可能領域444は、第2のフレア部分454を含み得る。マニホールド406の幅450は、第1のフレア部分452から第2のフレア部分454まで最大であり得る。いくつかの実施形態では、第1のフレア部分452と第2のフレア部分454との間のマニホールド406の幅450は、約26センチメートル~約30センチメートルの間であり得る。更に、第1の端部446と第2の端部438との間のマニホールド406の長さ448は、約27センチメートル~約30センチメートルの間であり得る。
【0060】
いくつかの例では、第1のフレア部分452及び第2のフレア部分454は、マニホールド406の第1の端部446よりもマニホールド406の第2の端部438の近くに位置付けられ得る。いくつかの例では、第1のフレア部分452は、マニホールド406の第1の側部430上のマニホールド406の縁部416において位置付けられ得、第2のフレア部分454は、マニホールド406の第2の側部432上のマニホールド406の縁部416において位置付けられ得る。
【0061】
いくつかの例では、ドレッシング110は、凹状窪み440の第1の二等分部分458によって部分的に画定された第1の適合可能領域442内の第1のフラップ456と、凹状窪み440の第2の二等分部分462によって部分的に画定された第2の適合可能領域444内の第2のフラップ460とを含み得る。凹状窪み440は、第1のフラップ456と第2のフラップ460との間に位置付けられ得る。いくつかの例では、第1のフラップ456及び第2のフラップ460は、
図7A~
図7Bに示すように、足首の対向する側部上に位置付けられるように構成され得る。更に、いくつかの例では、第1の適合可能領域442は、折り畳み軸434を中心にして第2の適合可能領域444に対称であり得る。
【0062】
例えば、第1の表面412と第2の表面414との間のマニホールド406の厚さは、規定の療法に従って変化し得る。いくつかの例では、マニホールド406又はマニホールド406の一部分は、剛性を増加させるように構成されたフェルトの連続気泡発泡体を含み得る。追加的に又は代替的に、マニホールド406は、異なる密度を有する発泡セグメントを含み得る。
【0063】
図7A~
図7Bを参照すると、いくつかの例では、ドレッシング110の凹状窪み440は、足464の背部部分を受容するようにサイズ決定及び構成され得る。このような例では、折り畳み軸434は、脚466の向こうずねに沿って長手方向に延びるように構成され得、第1の部分又は適合可能領域442及び第2の部分又は適合可能領域444は、脚466の足首及びふくらはぎに巻き付くように構成され得る。他の例では、ドレッシング110の凹状窪み440は、
図8に示すように、患者の腕470の手首468の一部分を受容するようにサイズ決定及び構成され得る。このような例では、折り畳み軸434は、腕470に沿って長手方向に延びるように構成され得、第1の適合可能領域442及び第2の適合可能領域444は、手首468及び腕470に巻き付くように構成され得る。
【0064】
四肢402の周りの領域を減圧で治療するための方法のいくつかの例はまた、
図7A及び
図7Bを参照して例示され得る。いくつかの例では、このような方法は、ドレッシング110を、折り畳み軸434が四肢402に沿って長手方向に延びるように四肢402に適用することを含み得る。更に、方法は、第1の適合可能領域442又は部分を四肢402に第1の方向に周方向に巻き付けることと、第2の適合可能領域444又は部分を、四肢402に第1の方向とは反対の第2の方向に周方向に巻き付けることとを含み得る。更に、方法は、減圧源105をマニホールド406に流体的に結合することと、減圧を減圧源105からマニホールド406に送達することとを含み得る。いくつかの例では、方法は、折り畳み軸434を脚466の向こうずねに沿って長手方向に適用することと、脚466の足464の背部部分を凹状窪み440内に位置付けることとを含み得る。更に、いくつかの例では、方法は、第1のフラップ456及び第2のフラップ460を足首の対向する側部上に位置付けることを含み得る。
【0065】
更に、いくつかの例では、ドレッシング110は、四肢402の周りの組織の領域に面するように構成されたドレッシング110の表面上の取り付けデバイス又は接着剤と、ドレッシング110を適用する前に取り付けデバイス又は接着剤を覆う複数の剥離ライナー428とを更に含み得る。方法は、四肢402に沿って長手方向に折り畳み軸434を適用する前に、及び剥離ライナー428のうちの別のライナーを除去する前に又は第1の適合可能領域442若しくは第2の適合可能領域444を巻き付ける前に、折り畳み軸434に近接する位置において取り付けデバイス又は接着剤を覆う第3の剥離ライナー428cなどの複数の剥離ライナー428のうちの1つ以上を除去することを更に含む。
【0066】
図9~
図11を参照すると、ドレッシング110及びマニホールド406は、所望に応じて、組織部位及び四肢の様々なタイプ及びサイズに適合するように、ドレッシング110及びマニホールド406の能力を促進又は強化するための図示されているような追加の形状を含み得る。
図9を参照すると、マニホールド406は、マニホールド406aであってもよく、ここで、同様の参照番号は、他の例示的な実施形態に関連して記載されている同様の特徴又は要素を指す。いくつかの例では、凹状窪み440は、第1の凹状窪み440aであってもよく、マニホールド406aは、マニホールド406aの第2の端部438においてマニホールド406aの縁部416内に延びる第2の凹状窪み440bを追加的に含み得る。いくつかの例では、第2の凹状窪み440bは、第1の凹状窪み440aよりも大きくてもよく、これは、大きいサイズの範囲の患者に適合するマニホールド406の能力を強化することができる。
【0067】
図10を参照すると、いくつかの例では、マニホールド406は、マニホールド406bであってもよく、ここで、同様の参照番号は、他の例示的な実施形態に関連して記載されている同様の特徴又は要素を指す。
図10の例のマニホールド406bの長さ448は、約8インチ~約10インチの間であり得る。更に、第1の端部446に近接する、第1の側部430と第2の側部432との間の例示的なマニホールド406bの幅450は、約6インチ~約8インチの間であり得る。更に、例示的なマニホールド406bの幅450は、第2の端部438に向かって、第2の端部438において、又は第2の端部438に近接して、約11インチ~約13インチの間の値まで増加し得る。例示的なマニホールド406bの第1のフレア部分452及び第2のフレア部分454は、マニホールド406bの第2の端部438上に位置付けられ得、マニホールド406bの幅450は、第1のフレア部分452と第2のフレア部分454との間で最大であり得る。
【0068】
図11を参照すると、いくつかの例では、マニホールド406は、マニホールド406cであってもよく、ここで、同様の参照番号は、他の例示的な実施形態に関連して記載されている同様の特徴又は要素を指す。
図11の例のマニホールド406cの長さ448は、約8インチ~約10インチの間であり得る。更に、第1の端部446に近接する、第1の側部430と第2の側部432との間の例示的なマニホールド406cの幅450は、約6インチ~約8インチの間であり得る。更に、例示的なマニホールド406cの幅450は、第2の端部438に向かって、第2の端部438において、又は第2の端部438に近接して、約7インチ~約9インチの間の値まで増加し得、これは、
図10の例よりも小さく、
図10の例よりも先細でない。更に、例示的なマニホールド406cの第1のフレア部分452及び第2のフレア部分454は、マニホールド406cの第2の端部438上に位置付けられ得、マニホールド406cの幅450は、第1のフレア部分452と第2のフレア部分454との間で最大であり得る。
【0069】
動作において、減圧源105は、封止された療法環境における圧力を低減することができる。封止された療法環境においてマニホールド406を通って組織部位に適用された減圧は、マクロ歪み及び微小歪みを組織部位において誘発することができ、滲出液及び他の流体を組織部位から除去することができ、滲出液及び他の流体は、容器115内に収集され得る。
【0070】
一般に、滲出液及び他の流体は、流体経路に沿ってより低い圧力に向かって流れる。したがって、用語「下流」とは、減圧源に相対的により近い又は陽圧源からよりより遠い流体経路内の位置を指し得る。反対に、用語「上流」とは、減圧源からより遠い又は陽圧源により近い位置を指し得る。
【0071】
いくつかの例示的な実施形態では、コントローラ120は、第1のセンサ125などの1つ以上のセンサからデータを受信及び処理することができる。コントローラ120はまた、マニホールド406及び関連の構成要素などの組織界面135に送達される圧力を管理するために、治療システム100の1つ以上の構成要素の動作を制御することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ120は、所望の目標圧力を受信するための入力を含み、組織界面135に適用される目標圧力の設定及び入力に関するデータを処理するようにプログラムされ得る。いくつかの例示的な実施形態では、目標圧力は固定の圧力値であってもよく、固定圧力値は、組織部位における療法のために所望される目標減圧としてオペレータによって設定され、次いで、コントローラ120に入力として提供される。目標圧力は、組織部位を形成する組織のタイプ、(存在する場合)傷害又は創傷のタイプ、患者の健康状態、及び主治医の選好に基づいて、組織部位に応じて変化してもよい。所望の目標圧力を選択した後に、コントローラ120は、目標圧力に基づいて、減圧源105を1つ以上の制御モードで動作させることができ、組織界面135における目標圧力を維持するために、1つ以上のセンサからフィードバックを受信することができる。いくつかの実施形態では、マニホールド406は、別個の圧力ゾーンを有し、異なる目標圧力及び制御モードは、異なる圧力ゾーンに適用され得る。
【0072】
本明細書に記載されているシステム、装置、及び方法は、著しい利点を提供することができる。例えば、肉芽組織の発達の促進及び治癒時間の低減という利益に加えて、システム100はまた、組織部位若しくは切り傷などの治療標的を囲む又はこれに隣接する組織のより広い領域における浮腫及び挫傷を低減することができる。ドレッシング110は、例えば、切り傷上への応力を低減することができ、患者の四肢の治療適用範囲領域を最大にすることができる。ドレッシング110はまた、切り傷又は開放創のない組織部位の浮腫及び挫傷、例えば捻挫などを管理するために有益であり得る。
【0073】
いくつかの例示的な実施形態において示されているが、本明細書に記載されているシステム、装置、及び方法は、添付の特許請求の範囲内の様々な変更及び修正が可能であることが、当業者には理解されよう。また、「又は(or)」などの用語を使用する様々な代替形態の説明は、文脈によって明らかに必要とされない限り、相互排他性を必要とせず、不定冠詞「a」又は「an」は、文脈によって明らかに必要とされない限り、対象を単一の場合に限定しない。構成要素はまた、販売、製造、組み立て、又は使用のために、様々な構成において組み合わされてよく、又は排除されてよい。例えば、いくつかの構成において、ドレッシング110、容器115、又は両方は、製造又は販売のために、排除されてもよく、又は他の構成要素から分離されてもよい。他の例示的な構成において、コントローラ120はまた、他の構成要素とは独立して製造されてもよく、構成されてもよく、組み立てられてもよく、又は販売されてもよい。
【0074】
添付の特許請求の範囲は、上記の主題の新規性及び進歩性を記載するが、特許請求の範囲はまた、具体的には詳細に記載されていない追加の主題を包含し得る。例えば、ある特徴、要素、又は態様は、新規性及び進歩性を有する特徴を当業者に既に知られているものから区別するのに必要でない場合、特許請求の範囲から省略され得る。いくつかの実施形態の文脈で記載されている特徴、要素、及び態様はまた、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、省略されてもよく、組み合わされてもよく、又は同じ目的、均等の目的、若しくは同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えられてもよい。
【国際調査報告】