(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-04
(54)【発明の名称】不透明面の背後で検出された物体を区別するためのスキャナ
(51)【国際特許分類】
G01V 3/08 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
G01V3/08 B
G01V3/08 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525654
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 US2020058677
(87)【国際公開番号】W WO2021108091
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593013133
【氏名又は名称】ジルコン・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Zircon Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタウス、ジョン ロバート
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB04
2G105BB05
2G105BB09
2G105DD02
2G105EE02
2G105GG01
2G105HH04
2G105KK06
2G105LL02
(57)【要約】
本開示によれば、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するシステムであって、1以上のプロセッサによって制御され、不透明面の背後の1以上の物体のセンサデータを並列に収集するように構成された複数のセンサを備え、1以上のプロセッサは、センサデータを分析して、不透明面の背後の1以上の物体の推定領域を識別するステップと、不透明面の背後の1以上の物体の推定領域を区別するステップと、不透明面の背後の推定領域内の1以上の物体を、ユーザインターフェースを介してユーザに通知するステップと、を実施するように構成される、システムが提供される。
【選択図】
図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するシステムであって、
1以上のプロセッサによって制御され、不透明面の背後の1以上の物体のセンサデータを並列に収集するように構成された複数のセンサを備え、
前記1以上のプロセッサは、
前記センサデータを分析して、前記不透明面の背後の前記1以上の物体の推定領域を識別するステップと、
前記不透明面の背後の前記1以上の物体の前記推定領域を区別するステップと、
前記不透明面の背後の前記推定領域内の1以上の物体を、ユーザインターフェースを介してユーザに通知するステップと、を実施するように構成される、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記複数のセンサは、第1の種類の物体を検出するように構成された少なくとも第1のセットのセンサと、第2の種類の物体を検出するように構成された第2のセットのセンサとを含み、
前記推定領域は、前記第1の種類の物体の第1の推定領域と、前記第2の種類の物体の第2の推定領域とを含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記第1のセットのセンサは1以上の静電容量センサを含み、前記第1の種類の物体は木製スタッドを含み、
前記第2のセットのセンサは1以上の金属センサを含み、前記第2の種類の物体は金属物体を含む、システム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムであって、
前記複数のセンサは、第3の種類の物体を検出するように構成された第3のセットのセンサをさらに含み、
前記第3のセットのセンサは1以上の電流センサを含み、前記第3の種類の物体は電線を含む、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、前記不透明面の背後の前記1以上の物体の前記センサデータを、共通基準点に対してマッピングするステップをさらに実施するように構成される、システム。
【請求項6】
請求項3に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、
前記センサデータを分析して前記木製スタッドの第1の測定領域を識別し、前記第1の測定領域を第1のプログラム可能な割合だけ縮小して、前記木製スタッドの前記第1の推定領域を導出するステップと、
前記センサデータを分析して前記金属物体の第2の測定領域を識別し、前記第2の測定領域を第2のプログラム可能な割合だけ拡大して、前記金属物体の前記第2の推定領域を導出するステップと、をさらに実施するように構成される、システム。
【請求項7】
請求項4に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、
前記センサデータを分析して前記電線の第3の測定領域を識別し、前記第3の測定領域を第3のプログラム可能な割合だけ拡大して、前記電線の第3の推定領域を導出するステップをさらに実施するように構成される、システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、
温度、湿度、前記不透明面の材料の種類、またはそれらの任意の組み合わせを含む動作環境の変化に応じて、プログラム可能な安全マージンを、それに対応する前記推定領域に加えるステップをさらに実施するように構成される、システム。
【請求項9】
請求項2に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、
前記第1の推定領域と前記第2の推定領域との重複領域を決定するステップをさらに実施するように構成される、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、
前記重複領域における情報の表示を防ぐステップ、または、
前記重複領域において、前記第1の種類の物体、前記第2の種類の物体、またはその両方の種類の物体を選択的に表示するステップをさらに実施するように構成される、システム。
【請求項11】
不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別する方法であって、
1以上のプロセッサによって制御される複数のセンサによって、不透明面の背後の1以上の物体のセンサデータを並列に収集するステップと、
前記1以上のプロセッサによって前記センサデータを分析して、前記不透明面の背後の前記1以上の物体の推定領域を識別するステップと、
前記1以上のプロセッサによって、前記不透明面の背後の前記1以上の物体の前記推定領域を区別するステップと、
前記1以上のプロセッサによって、ユーザインターフェースを介して、前記不透明面の背後の前記推定領域内の前記1以上の物体をユーザに通知するステップと、を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記複数のセンサは、第1の種類の物体を検出するように構成された少なくとも第1のセットのセンサと、第2の種類の物体を検出するように構成された第2のセットのセンサとを含み、
前記推定領域は、前記第1の種類の物体の第1の推定領域と、前記第2の種類の物体の第2の推定領域とを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記第1のセットのセンサは1以上の静電容量センサを含み、前記第1の種類の物体は木製スタッドを含み、
前記第2のセットのセンサは1以上の金属センサを含み、前記第2の種類の物体は金属物体を含む、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
前記複数のセンサは、第3の種類の物体を検出するように構成された第3のセットのセンサをさらに含み、
前記第3のセットのセンサは1以上の電流センサを含み、前記第3の種類の物体は電線を含む、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記センサデータを収集する前記ステップは、
前記不透明面の背後の前記1以上の物体の前記センサデータを、共通基準点に対してマッピングするステップを含む、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、
前記センサデータを分析して前記1以上の物体の前記推定領域を識別する前記ステップは、
前記センサデータを分析して前記木製スタッドの第1の測定領域を識別し、前記第1の測定領域を第1のプログラム可能な割合だけ縮小して、前記木製スタッドの前記第1の推定領域を導出するステップと、
前記センサデータを分析して前記金属物体の第2の測定領域を識別し、前記第2の測定領域を第2のプログラム可能な割合だけ拡大して、前記金属物体の前記第2の推定領域を導出するステップと、を含む、方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法であって、
前記センサデータを分析して前記1以上の物体の前記推定領域を識別する前記ステップは、
前記センサデータを分析して前記電線の第3の測定領域を識別し、前記第3の測定領域を第3のプログラム可能な割合だけ拡大して、前記電線の第3の推定領域を導出するステップを含む、方法。
【請求項18】
請求項16または17に記載の方法であって、
前記センサデータを分析して前記1以上の物体の前記推定領域を識別する前記ステップは、
温度、湿度、前記不透明面の材料の種類、またはそれらの任意の組み合わせを含む動作環境の変化に応じて、プログラム可能な安全マージンを、それに対応する前記推定領域に加えるステップを含む、方法。
【請求項19】
請求項2に記載の方法であって、
前記1以上の物体の前記推定領域を区別する前記ステップは、
前記第1の推定領域と前記第2の推定領域との重複領域を決定するステップを含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記推定領域内の前記1以上の物体をユーザに通知する前記ステップは、
前記重複領域における情報の表示を防ぐステップ、または、
前記重複領域において、前記第1の種類の物体、前記第2の種類の物体、またはその両方の種類の物体を選択的に表示するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年11月27日出願の「不透明面の背後で検出された物体を区別するためのスキャナ(Scanner for Differentiating Objects Detected Behind an Opaque」)という名称の米国特許出願第16/698、751号に基づく優先権を主張するものである。上記米国特許出願の開示内容の全体は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するためのスキャナの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
一例として、スタッドファインダが、建設業界や住宅改修業界で一般的に使用されている。
図1は、スタッドファインダとして使用される従来のスキャナの側面図を示す。
図1に示すように、スキャナ102は、建設や住宅改修の環境100で使用される。例えば、スキャナ102は、不透明面103の背後の物体101を検出するように構成される。いくつかの用途では、物体101は、スタッド(間柱)または金属パイプであり得る。例示的な一実施形態では、スタッドは、木製スタッド、垂直木製部材、ブリッジブロック、防火ブロック、任意の他のブロック、根太、垂木、ヘッダー、柱、カラム、レットブレース、または、構造部材の完全性、製造、若しくは維持のために使用される任意の同様の木製部材であり得る。例示的な一実施形態では、不透明面103は、例えば、乾式壁、パーティクルボード、または合板で覆われた壁であり、例えば、構造部材に取り付けられた不透明材料を有する床、垂木に取り付けられた不透明面を有する天井、または、その背後の物体の視認を妨げる任意の他の不透明な材料で覆われた壁であり得る。
【0004】
例示的な一実施形態では、スキャナ102は、様々な電子部品を囲んで保護するためのハウジングを含む。例えば、スキャナ102のハウジング内に、プリント回路基板(PCB)104が収容される。PCB104は、1以上の静電容量センサ108、1以上の金属センサ109、1以上の電流センサ(図示せず)、コントローラ/プロセッサ及び他の集積回路(106a、106bの符号を付す)などの様々な電子部品を保持するように構成される。PCB104は、スキャナ102に電力を供給するバッテリ107に接続される。従来のスキャナは、1以上の静電容量センサ108、1以上の金属センサ109、及び1以上の電流センサは一般的に、互いに独立して、すなわち個別に動作する。しかしながら、このような従来のスキャナは、不透明面103の背後で検出された1以上の物体を区別するという複雑な処理に対処するには不十分であった。
【0005】
このため、不透明面の背後で検出された1以上の物体の区別における、従来のスキャナの上記の欠点に対処することができるスキャナが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するシステムであって、1以上のプロセッサによって制御され、不透明面の背後の1以上の物体のセンサデータを並列に収集するように構成された複数のセンサを備え、1以上のプロセッサは、センサデータを分析して、不透明面の背後の1以上の物体の推定領域を識別するステップと、不透明面の背後の1以上の物体の推定領域を区別するステップと、不透明面の背後の推定領域内の1以上の物体を、ユーザインターフェースを介してユーザに通知するステップと、を実施するように構成される、システムが提供される。
【0007】
本開示の別の態様によれば、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別する方法であって、1以上のプロセッサによって制御される複数のセンサによって、不透明面の背後の1以上の物体のセンサデータを並列に収集するステップと、1以上のプロセッサによってセンサデータを分析して、不透明面の背後の1以上の物体の推定領域を識別するステップと、1以上のプロセッサによって、不透明面の背後の1以上の物体の推定領域を区別するステップと、1以上のプロセッサによって、ユーザインターフェースを介して、不透明面の背後の推定領域内の1以上の物体をユーザに通知するステップと、を含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の上述の特徴及び利点、並びに追加の特徴及び利点は、以下の図面の非限定的かつ非網羅的な態様と併せて本発明の実施形態の詳細な説明を読んだ後に、より明確に理解されるであろう。本開示の全体を通して、同様の符号が使用される。
【0009】
【
図2A】
図2Aは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための例示的な実施形態の上面図を示す。
【
図2B】
図2Bは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための
図2Aの例示的な実施形態の正面図を示す。
【
図2C】
図2Cは、本発明の態様による、
図2Bのスキャナによって収集されたセンサデータの第1のセットを示す。
【
図2D】
図2Dは、本発明の態様による、
図2Bのスキャナによって収集されたセンサデータの第2のセットを示す。
【
図3A】
図3Aは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための別の例示的な実施形態の正面図を示す。
【
図3B】
図3Bは、本発明の態様による、
図3Aの或る物体の推定領域を決定する例示的な方法を示す。
【
図3C】
図3Cは、本発明の態様による、
図3Aの別の物体の推定領域を決定する別の例示的な方法を示す。
【
図3D】
図3Dは、本発明の態様による、
図3Aの別個の物体の推定領域を表示する例示的な実施形態を示す。
【
図4A】
図4Aは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための、さらに別の例示的な実施形態の正面図を示す。
【
図4B】
図4Bは、本発明の態様による、
図4Aの或る物体の推定領域を決定する例示的な方法を示す。
【
図4C】
図4Cは、本発明の態様による、
図4Aの別の物体の推定領域を決定する別の例示的な方法を示す。
【
図4D】
図4Dは、本発明の態様による、
図4Aの別個の物体の推定領域を表示する例示的な実施形態を示す。
【
図5A】
図5Aは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための、さらに別の例示的な実施形態の上面図を示す。
【
図5B】
図5Bは、本発明の態様による、不透明な表面の背後で検出された1以上の物体を区別するための
図5Aの例示的な実施形態の正面図を示す。
【
図5D】
図5Dは、本発明の態様による、
図5Cの別個の物体の推定領域を表示する例示的な実施形態を示す。
【
図6A】
図6Aは、本発明の態様による、別個のセンサからのセンサデータを使用して、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための例示的な実施形態の上面図を示す。
【
図6B】
図6Bは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための
図6Aの例示的な実施形態の正面図を示す。
【
図6C】
図6Cは、本発明の態様による、
図6Bのスキャナと物体との間の距離を決定する例示的な方法を示す。
【
図7A】
図7Aは、本発明の態様による、別個のセンサからのセンサデータを用いて不透明面の背後の金属物体を検出するための例示的な実施形態の上面図を示す。
【
図7B】
図7Bは、本発明の態様による、金属物体を検出するための
図7Aの例示的な実施形態の正面図を示す。
【
図7C】
図7Cは、本発明の態様による、
図7Bのスキャナと金属物体との間の距離を決定する例示的な方法を示す。
【
図8】
図8は、本発明の態様による、別個のセンサからのセンサデータを使用して不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するためのシステムの例示的な実施形態のブロック図を示す。
【
図9A】
図9Aは、本発明の態様による、別個のセンサからのセンサデータを使用して、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別する方法を示す。
【
図9B】
図9Bは、本発明の態様による、センサデータを分析して、不透明面の背後で検出された物体の推定領域を識別する方法を示す。
【
図9C】
図9Cは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された物体をユーザに通知する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための方法及び装置が提供される。以下の説明は、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にするために提示される。特定の実施形態及び用途の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に記載された実施例の様々な変更及び組み合わせは、当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義された一般的原理は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施例及び用途に適用することができる。したがって、本発明は、説明及び図示された実施例に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理及び特徴と一致する範囲を許容するものである。「例示的」または「例」という用語は、本明細書では、「例、実例、または説明としての役割を果たす」という意味で使用される。本明細書において「例示的」または「例」として説明される任意の態様または実施形態は、必ずしも他の態様または実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0011】
以下の詳細な説明の一部は、フローチャート、論理ブロック、及び、コンピュータシステム上で実行可能な情報に対する操作の他の記号的表現の観点から示されている。手順、コンピュータ実行ステップ、論理ブロック、プロセスなどは、ここでは、所望の結果を導く1以上のステップまたは命令の自己無撞着シーケンスであると考えられている。ステップは、物理量の物理的操作を利用するものである。これらの量は、コンピュータシステムにおいて記憶、転送、結合、比較、または他の方法で操作することができる電気信号、磁気信号、または無線信号の形態をとることができる。これらの信号は、時には、ビット、値、要素、記号、文字、項、数字などと呼ばれることがある。各ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実行することができる。
【0012】
図面は説明のために提示されたものであり、一定の縮尺で描かれているわけではない。いくつかの例では、矩形、円形、または他の形状が、物体の形状及び物体の推定形状を示すために使用される。実世界の適用では、物体の形状及び物体の推定形状は不規則であってもよく、任意の形状または形態であってもよい。なお、以下の図面では、各物体について、物体全体ではなく、物体の一部分を示していることに留意されたい。このことは、各物体の推定形状についても同様である。
【0013】
図2Aは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別(differentiating)するための例示的な実施形態の上面図を示す。
図2Aに示すように、この例示的な実施形態は、スキャナ202と、不透明面204と、不透明面204の背後の1以上の物体(206、208の符号を付す)を含む。スキャナ202は、不透明面204の背後で検出された様々な物体を区別(識別)するように構成され、そのような物体としては、例えば、これに限定しないが、(1)木製スタッド(木製間柱)、木製根太、木製垂木、(2)金属物体、(3)電線、または、(4)他の物体が、挙げられる。
図2Aの例では、物体206は木製スタッドであり、物体208は金属パイプである。
【0014】
図2Bは、本発明の態様による、不透明面の背後の1以上の物体を検出するための
図2Aの例示的な実施形態の正面図を示す。
図2Bの例では、簡略化のために、不透明面は図示していない。
図2A及び
図2Bに示すように、走査方向は右から左である。当業者であれば、走査方向は、作業環境、ユーザの好み、及び特定の用途に基づいて調節してもよいことを理解するであろう。換言すれば、走査方向は、左から右、右から左、上から下、下から上、または、斜め方向であってもよい。用途によっては、ユーザは、収集されるセンサデータの精度を向上させるために、複数回の走査及び/または複数の方向からの走査を実施してもよい。
【0015】
図2Cは、本発明の態様による、
図2Bのスキャナ202によって収集されたセンサデータの第1のセットを示す。
図2Cの例では、センサデータは、スキャナ202の1以上の静電容量センサによって収集され、センサセットには、1以上の信号が含まれる。信号は、不透明面の背後の物体の密度の変化に起因する静電容量(キャパシタンス)の変化を表し、物体206及び物体208の密度の表示を含む。縦軸は、静電容量センサによって観測された信号の大きさを表し、横軸は、検出された物体と静電容量センサとの間の距離を表す。(
図2Bに示すように)スキャナ202を右から左へ移動させて走査するにしたがって、静電容量センサによって観測される信号の大きさは増加し、スキャナが、物体の中心に略対向する位置に位置したときにプラトーに達する。そして、スキャナ202が物体の中心を越えて移動するにしたがって、静電容量センサによって観測される信号の大きさは減少する。
【0016】
本発明の態様によれば、第1の基準信号強度(RS
1)を使用して、物体206の境界を識別(identify)することができる。例えば、2本の破線210a及び破線210bの間の領域は、RS
1以上の信号強度を有し、これにより、この領域に物体206が存在すると推定される。一方、2本の破線210a及び破線210bの外側の領域は、RS
1未満の信号強度を有し、これにより、この領域に物体206が存在しないと推定される。静電容量センサによって検出された信号の大きさが第1の基準信号強度RS
1に達すると、不透明面の背後の物体206が検出され、
図2Cの破線210a及び破線210bによって示すように、物体206の境界が記録される。
【0017】
第1の基準信号強度RS1は、実験データから導出できることに留意されたい。第1の基準信号強度RS1は、プログラム可能であってもよく、スキャナ202の販売後であってもソフトウェア更新によって修正することができ、その配信方法は当業者に既知である。グラフの中心の距離DMIN1は、スキャナ202の静電容量センサと物体206の略中心との間の最小距離を表す。この例では右から左への走査の場合について説明したが、左から右への走査の場合でも同様の観察結果が得られることに留意されたい。用途によっては、物体206の推定境界の精度を向上させるために、異なる方向からの複数回の走査を行ってもよい。
【0018】
図2Dは、本発明の態様による、
図2Bのスキャナによって収集されたセンサデータの第2のセットを示す。
図2Dの例では、センサデータは、スキャナ202の1以上の金属センサによって収集され、センサセットには、1以上の信号が含まれる。信号は、不透明面の背後で検出された磁界を表し、磁界は、主に物体208などの金属物体の存在の影響を受ける。縦軸は、金属センサによって観測された信号の大きさを表し、横軸は、物体208と金属センサとの間の距離を表す。(
図2Bに示すように)スキャナ202を右から左へ移動させて走査するにしたがって、金属センサによって観察される信号の大きさは増加し、スキャナが物体208の中心に略対向する位置に位置したときにプラトーに達する。そして、スキャナ202が物体208の中心を越えて移動するにしたがって、金属センサによって観測される信号の大きさは減少する。
【0019】
本発明の態様によれば、第2の基準信号強度(RS
2)を使用して、物体208の境界を識別することができる。例えば、2本の破線212a及び破線212bの間の領域は、RS
2以上の信号強度を有し、これにより、この領域に物体208が存在すると推定される。一方、2本の破線212a及び破線212bの外側の領域は、RS
2未満の信号強度を有し、これにより、この領域に物体208が存在しないと推定される。金属センサによって検出された信号の大きさが第2の基準信号強度RS
2に達すると、不透明面の背後の物体208が検出され、
図2Dの破線212a及び破線212bによって示すように、物体208の境界が記録される。
【0020】
第2の基準信号強度RS2は、実験データから導出できることに留意されたい。第2の基準信号強度RS2は、プログラム可能であってもよく、スキャナ202の販売後であっても、ソフトウェア更新によって修正することができ、その配信方法は当業者に既知である。グラフの中心の距離DMIN2は、スキャナ202の金属センサと物体208の略中心との間の最小距離を表す。この例では右から左への走査の場合について説明したが、左から右への走査の場合でも同様の観察結果が得られることに留意されたい。用途によっては、物体208の推定境界の精度を向上させるために、異なる方向からの複数回の走査を行ってもよい。
【0021】
図3Aは、本発明の態様による、不透明面の背後の1以上の物体を検出するための別の例示的な実施形態の正面図を示す。
図3Aに示すように、この例示的な実施形態は、スキャナ302と、不透明面の背後の1以上の物体(304、306の符号を付す)とを含む。簡略化するために、不透明面は図示していないことに留意されたい。物体304は木製スタッドであり、物体306は金属パイプである。走査方向は、左から右である。
図2A~
図2Dに関連して上述した方法を、不透明面の背後の各物体の推定領域を決定するために使用することができる。そのため、ここでは、説明は繰り返さない。この例では、矩形314は物体304の推定領域を表し、円形316は物体306の推定領域を表す。
【0022】
図3Bは、本発明の態様による、
図3Aの或る物体の推定領域を決定する例示的な方法を示す。
図3Bに示すように、物体304(木製スタッド)の推定領域を決定する方法を例として用いる。実際の物体304と比較して、第1の推定領域314aは、
図2Cに関連して説明したように、第1の基準信号強度(RS
1)を使用して決定することができる。第1の基準信号強度はプログラム可能であるので、物体304(木製スタッド)については、第1の推定領域314aが実際の物体304の実際の大きさよりも小さくなるようにプログラムすることができる。第1の推定領域314aを実際の物体304の実際の大きさよりも小さく形成することによって、ユーザが不透明面にドリルで穴を開けたときに物体304(木製スタッド)にドリルビットを当てることができるという高レベルの信頼性が得られるという利点を提供することができる。
【0023】
加えて、または任意選択で、安全マージンを挿入(確保)することによって、第2の推定領域314bを決定することができる。この安全マージンは、第1の推定領域314aと第2の推定領域314bとの間の面積によって表される。安全マージンは様々な要因に基づいて決定することができ、そのような要因としては、これに限定しないが、例えば、(1)不透明面の材料の種類、(2)環境の湿度、(3)環境の温度、または、(4)物体304の推定領域を決定する精度に影響し得る他の要因、が挙げられる。安全マージンとして、上記の要因及びスキャナの設計基準に基づいて、第1の推定領域314aの各側に2mm、4mm、または他の値の安全マージンを確保することにより、第2の推定領域314bを形成することができる。用途に応じて、第1の推定領域314aまたは第2の推定領域314bのいずれかを使用して、物体304の推定領域を表すことができる。
【0024】
図3Cは、本発明の態様による、
図3Aの別の物体の推定領域を決定する別の例示的な方法を示す。
図3Cに示すように、物体306(金属パイプ)の推定領域を決定する方法を例として用いる。実際の物体306と比較して、第1の推定領域316aは、
図2Dに関連して説明したように、第2の基準信号強度(RS
2)を用いて決定することができる。第2の基準信号強度はプログラム可能であるので、物体306(金属パイプ)については、第1の推定領域316aが実際の物体306の実際の大きさよりも大きくなるようにプログラムすることができる。例えば、第1の推定領域316aは、実際の物体306の外周縁から、1mm、3mm、またはスキャナの設計基準に基づく他の値だけ大きくなるように形成することができる。第1の推定領域316aが実際の物体306の実際の大きさよりも大きくなるように選択することによって、ユーザが不透明面にドリルで穴を開けたときに物体306(金属パイプ)にドリルビットが当たるのを避けることができるという高レベルの信頼性が得られるという利点を提供することができる。
【0025】
加えて、または任意選択で、安全マージンを挿入(確保)することによって、第2の推定領域316bを決定することができる。この安全マージンは、第1の推定領域316aと第2の推定領域316bとの間の面積によって表される。安全マージンは様々な要因に基づいて決定することができ、そのような要因としては、これに限定しないが、例えば、(1)不透明面の材料の種類、(2)環境の湿度、(3)環境の温度、または、(4)物体306の推定領域を決定する精度に影響し得る他の要因、が挙げられる。用途に応じて、第1の推定領域316aまたは第2の推定領域316bのいずれかを使用して、物体306の推定領域を表すことができる。
【0026】
図3Dは、本発明の態様による、
図3Aの別個の物体の推定領域を表示する例示的な実施形態を示す。本開示の態様によれば、ユーザインターフェースは、ユーザに対する任意の形態のコミュニケーション、これに限定しないが、例えば、視覚的(例えば、表示装置または1以上の発光ダイオードを用いる)、聴覚的(例えば、スピーカを用いる)、または感覚的(例えば、振動を用いる)なコミュニケーションを意味する。通信される情報は、表示されるか、ストリームされるか、格納されるか、マッピングされるか、または、複数のデバイスに分散される。ユーザへの通信は、ユーザ、または、通信を受信できる他のユーザまたは物体のいずれかを意味する。或るアプローチでは、複数の物体が検出された場合、本方法は、単一の物体が検出された領域だけでなく、複数の物体が検出された領域も決定する。
図3Dに示す例では、円形326は、複数の物体(金属パイプ306と、木製スタッド304の一部)が検出された領域を表す。そして、矩形324は、その一部(円形326との重複領域)が複数の物体(金属パイプ306と、木製スタッド304の一部)が検出された領域を表し、その別の一部(円形326との重複領域を除く部分)が単一の物体(木製スタッド304)が検出された領域を表す。
【0027】
上記の情報に基づいて、円形326の領域については、不透明面の背後で検出された複数の物体を表示するように表示装置を構成することができる。また、矩形324の領域の円形326との重複領域を除外した部分については、不透明面の背後で検出された単一の物体を表示するように表示装置を構成することができる。いくつかの実施形態では、円形326の領域については、検出された物体の種類、この例では木製スタッド及び金属パイプ、に応じて、円形326の領域については何も表示しないように表示装置を構成することができる。
【0028】
図4Aは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための、さらに別の例示的な実施形態の正面図を示す。
図4Aに示すように、この例示的な実施形態は、スキャナ402と、不透明面の背後の1以上の物体(404、406の符号を付す)とを含む。簡略化するために、不透明面は図示していないことに留意されたい。物体404は木製スタッドであり、物体406は電線である。走査方向は、左から右である。
図2A~
図2Dに関連して上述した方法を、不透明面の背後の各物体の推定領域を決定するために使用することができる。そのため、ここでは、説明は繰り返さない。この例では、矩形414は物体404の推定領域を表し、矩形416は物体406の推定領域を表す。
【0029】
図4Bは、本発明の態様による、
図4Aの或る物体の推定領域を決定する例示的な方法を示す。
図4Bに示すように、物体404(木製スタッド)の推定領域を決定する方法を例として説明する。実際の物体404と比較して、第1の推定領域414aは、
図2Cに関連して説明したように、第1の基準信号強度(RS
1)を使用して決定することができる。第1の基準信号強度はプログラム可能であるので、物体404(木製スタッド)については、第1の推定領域414aが実際の物体404の実際の大きさよりも小さくなるようにプログラムすることができる。例えば、第1の推定領域414aは、実際の物体404の外周縁から、2mm、4mm、またはスキャナの設計基準に基づく他の値だけ小さくなるように形成することができる。第1の推定領域414aを実際の物体404の実際の大きさよりも小さく形成することによって、ユーザが不透明面にドリルで穴を開けたときに物体404(木製スタッド)にドリルビットを当てることができるという高レベルの信頼性が得られるという利点を提供することができる。
【0030】
加えて、または任意選択で、安全マージンを挿入(確保)することによって、第2の推定領域414bを決定することができる。この安全マージンは、第1の推定領域414aと第2の推定領域414bとの間の面積によって表される。安全マージンは様々な要因に基づいて決定することができ、そのような要因としては、これに限定しないが、例えば、(1)不透明面の材料の種類、(2)環境の湿度、(3)環境の温度、または、(4)物体404の推定領域を決定する精度に影響し得る他の要因、が挙げられる。用途に応じて、第1の推定領域414aまたは第2の推定領域414bのいずれかを使用して、物体404の推定領域を表すことができる。
【0031】
図4Cは、本発明の態様による、
図4Aの別の物体の推定領域を決定する別の例示的な方法を示す。
図4Cに示すように、物体406の推定領域を決定する方法を例として用いる。実際の物体406と比較して、第1の推定領域416aは、
図2Dに関連した説明と同様の第3の基準信号強度(RS
3)を用いて決定することができる。第3の基準信号強度は、プログラム可能であり得る。例えば、物体406(電線)については、第1の推定領域416aが実際の物体406の実際の大きさよりも大きくなるようにプログラムすることができる。例えば、第1の推定領域416aは、実際の物体406の外周縁から、3mm、5mm、またはスキャナの設計基準に基づく他の値だけ大きくなるようにプログラムすることができる。第1の推定領域416aが実際の物体406の実際の大きさよりも大きくなるように選択することによって、ユーザが不透明面をドリルで開けたときに物体406(電線)にドリルビットが当たるのを避けることができるという高レベルの信頼性が得られるという利点を提供することができる。
【0032】
加えて、または任意選択で、安全マージンを挿入(確保)することによって、第2の推定領域416bを決定することができる。この安全マージンは、第1の推定領域416aと第2の推定領域416bとの間の面積によって表される。安全マージンは様々な要因に基づいて決定することができ、そのような要因としては、これに限定しないが、例えば、(1)不透明面の材料の種類、(2)環境の湿度、(3)環境の温度、または、(4)物体406の推定領域を決定する精度に影響し得る他の要因、が挙げられる。安全マージンとして、上記の要因及びスキャナの設計基準に基づいて、第1の推定領域416aの各側に1mm、3mm、または他の値の安全マージンを確保することにより、第2の推定領域416bを形成することができる。用途に応じて、第1の推定領域416aまたは第2の推定領域416bのいずれかを使用して、物体406の推定領域を表すことができる。
【0033】
図4Dは、本発明の態様による、
図4Aの別個の物体の推定領域を表示する例示的な実施形態を示す。或るアプローチでは、複数の物体が検出された場合、方法は、単一の物体が検出される領域だけでなく、複数の物体が検出された領域も決定する。
図4Dに示す例では、矩形426は、複数の物体が検出された領域を表す。そして、矩形424(矩形426の一部を含む)は、その一部(矩形426との重複領域)が複数の物体が検出された領域を表し、その別の一部(矩形426との重複領域を除く部分)が単一の物体が検出された領域を表す。
【0034】
上記の情報に基づいて、矩形426の領域については、不透明面の背後で検出された複数の物体を表示するように表示装置を構成することができる。また、矩形424の領域の矩形426との重複領域を除外した部分については、不透明面の背後に検出された単一の物体を表示するように表示装置を構成することができる。いくつかの実施形態では、矩形426の領域については、検出された物体の種類、この例では木製スタッド及び電線、に応じて、矩形426の領域について何も表示しないように表示装置を構成することができる。
【0035】
図5Aは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための、さらに別の例示的な実施形態の上面図を示す。
図5Aに示すように、この例示的な実施形態は、スキャナ502と、不透明面504と、不透明面504の背後の1以上の物体(506、508、510の符号を付す)とを含む。スキャナ502は、不透明面の背後で検出された様々な物体を区別(識別)するように構成され、そのような物体としては、例えば、これに限定しないが、(1)木製スタッド、木製根太、木製垂木、(2)金属物体、(3)電線、または、(4)他の物体が、挙げられる。
図5Aの例では、物体506は木製スタッドであり、物体508は金属パイプであり、物体510は電線である。
【0036】
図5Bは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された1以上の物体を検出するための
図5Aの例示的な実施形態の正面図を示す。
図5Bの例では、簡略化のために、不透明面は図示していない。
図5A及び
図5Bに示すように、走査方向は右から左である。当業者であれば、走査方向は、作業環境、ユーザの好み、及び特定の用途に基づいて調節してもよいことを理解するであろう。換言すれば、走査方向は、左から右、右から左、上から下、下から上、または、斜め方向であってもよい。用途によっては、ユーザは、収集されるセンサデータの精度を向上させるために、複数の走査及び/または複数の方向からの走査を実施してもよい。
【0037】
図5Cは、本発明の態様による、
図5Bの別個の物体の例示的な推定領域を示す。なお、物体の推定領域の決定方法については、
図3B及び
図3Cを参照して説明したので、ここでは、説明は繰り返さない。
図5Cに示すように、矩形516は物体506(木製スタッド)の推定領域を示し、矩形518は物体508(金属パイプ)の推定領域を示し、矩形520は、物体510(電線)の推定領域を示す。
【0038】
この特定の例では、物体506は木製スタッドであるので、推定領域516は物体506(木製スタッド)の実際の大きさよりも小さく構成され、これにより、ユーザが不透明面にドリルで穴を開けたときに、物体506(木製スタッド)にドリルビットを当てることができるという高レベルの信頼性が得られるという利点を提供することができる。また、物体508は金属パイプであるので、推定領域518は物体508(金属パイプ)の実際の大きさよりも大きく構成され、これにより、ユーザが不透明面にドリルで穴を開けたときに、物体508(金属パイプ)にドリルビットが当たるのを避けることができるという高レベルの信頼性が得られるという利点を提供することができる。同様に、物体510は電線であるので、推定領域520は物体510(電線)の実際の大きさよりも大きく構成され、これにより、ユーザが不透明面にドリルで穴を開けたときに、物体510(電線)にドリルビットが当たるのを避けることができるという高レベルの信頼性が得られるという利点を提供することができる。
【0039】
図5Dは、本発明の態様による、
図5Cの別個の物体の推定領域を表示する例示的な実施形態を示す。推定領域516は物体506(木製スタッド)の実際の大きさよりも小さく構成され、推定領域518は物体508(金属パイプ)の実際の大きさよりも大きく構成され、推定領域520は物体510(電線)の実際の大きさよりも大きく構成される。いくつかの実施形態では、表示装置は、物体506(木製スタッド)の推定領域を矩形526で表示し、物体508(金属パイプ)の推定領域を矩形528で表示し、物体510(電線)の推定領域を矩形530で表示するように構成される。いくつかの他の実施形態では、表示装置は、物体508(金属パイプ)と物体506(木製スタッド)との両方を含むように矩形528の下の領域を表示し、物体510(電線)と物体506(木製スタッド)との両方を含むように矩形530の下の領域を表示するように構成される。
【0040】
図6Aは、本発明の態様による、別個のセンサからのセンサデータを使用して、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するための例示的な実施形態の上面図を示す。
図6Aに示す例では、例示的な実施形態は、スキャナ602と、不透明面604と、不透明面604の背後の1以上の物体(606の符号を付す)とを含む。
図6Aの例では、物体606は、例えば、金属パイプである。
【0041】
図6Bは、本発明の態様による、不透明面の背後の物体606を検出するための
図6Aの例示的な実施形態の正面図を示す。
図6Bの例では、簡略化のために、不透明面は図示していない。
図6A及び
図6Bに示すように、走査方向は左から右である。当業者であれば、走査方向は、作業環境、ユーザの好み、及び特定の用途に基づいて調節してもよいことを理解するであろう。換言すれば、走査方向は、左から右、右から左、上から下、下から上、または、斜め方向であってもよい。用途によっては、ユーザは、収集されるセンサデータの精度を向上させるために、複数の走査及び/または複数の方向からの走査を実施してもよい。
【0042】
図6Cは、本発明の態様による、
図6Bのスキャナと物体との間の距離を決定する例示的な方法を示す。
図6Cに示すように、縦軸は、スキャナ602と物体606(金属パイプ)との間の距離を推定するための共通基準点または共通基準線を表す。横軸は、共通基準点または共通基準線から物体までの距離を表す。スキャナ602は、
図2C及び
図2Dに関連して上述したように、センサデータを収集するように構成される。例えば、スキャナ602の1以上の静電容量センサによって収集されたセンサデータに基づいて、スキャナ602と物体606(金属パイプ)との間の距離を表す第1の距離D1を、静電容量センサによって推定することができる。
【0043】
加えて、スキャナ602の1以上の金属センサによって収集されたセンサデータに基づいて、スキャナ602と物体606(金属パイプ)との間の距離を表す第2の距離D2を、金属センサによって推定することができる。不透明面604の背後に存在するのは同一の物体606(金属パイプ)であるが、静電容量センサ及び金属センサは、スキャナ602と物体606(金属パイプ)との間の距離に関して、互いに異なる推定値を提供し得ることに留意されたい。この例示的な実施形態では、大量の金属の存在に起因して、金属センサは、スキャナ602と物体606(金属パイプ)との間の実際の距離よりも短い推定距離(例えば、D2)を提供する。一方、静電容量センサは、スキャナ602と物体606(金属パイプ)との間の実際の距離に近い推定距離(例えば、D1)を提供する。
【0044】
静電容量センサ(図示せず)によって収集されたセンサデータと、金属センサ(図示せず)によって収集されたセンサデータとの両方から、スキャナ602は、共通基準点または共通基準線から物体606(金属パイプ)までの距離D3を導出するように構成される。このように、静電容量センサによって収集されたセンサデータと、金属センサによって収集されたセンサデータとを使用することによって、スキャナ602は、この例では、スキャナ602と物体606(金属パイプ)との間の距離の改善された推定値を得ることができる。本発明の態様によれば、静電容量センサによって収集されたセンサデータと、金属センサによって収集されたセンサデータとの両方を1パスの走査で並列に収集してもよいし、または、電容量センサ及び金属センサの複数パスの走査によって、複数セットのセンサデータをそれぞれ並列に収集してもよい。
【0045】
図7Aは、本発明の態様による、別個のセンサからのセンサデータを使用して、不透明面の背後で検出された物体、この例では物体706(金属ネジ)6及び物体708(木製スタッド)を区別するための例示的な実施形態の上面図を示す。
図7Aに示すように、この例示的な実施形態は、スキャナ702と、不透明面704と、不透明面704の背後の1以上の物体(706(金属ネジ)、708(木製スタッド)の符号を付す)とを含む。
図7Aの例では、物体706は金属ネジであり、物体708は木製スタッドである。
【0046】
図7Bは、本発明の態様による、不透明面の背後の金属製の物体706(金属ネジ)を検出するための
図7Aの例示的な実施形態の正面図を示す。
図7A及び
図7Bに示すように、走査方向は左から右である。当業者であれば、走査方向は、作業環境、ユーザの好み、及び特定の用途に基づいて調節してもよいことを理解するであろう。換言すれば、走査方向は、左から右、右から左、上から下、下から上、または、斜め方向であってもよい。用途によっては、ユーザは、収集されるセンサデータの精度を向上させるために、複数の走査及び/または複数の方向からの走査を実施してもよい。
【0047】
図7Cは、本発明の態様による、
図7Bのスキャナと金属製の物体706(金属ネジ)との間の距離を決定する例示的な方法を示す。
図7Cに示すように、縦軸は、スキャナ702と物体706(金属ネジ)及び物体708(木製スタッド)との間を推定するための共通基準点または共通基準線を表す。横軸は、共通基準点または共通基準線から物体までの距離を表す。スキャナ702は、
図2C及び
図2Dに関連して上述したように、センサデータを収集するように構成される。例えば、スキャナ702の1以上の静電容量センサによって収集されたセンサデータに基づいて、スキャナ702と物体706(金属ネジ)及び物体708(木製スタッド)との間の距離を表す第1の距離D1を、静電容量センサによって推定することができる。
【0048】
加えて、スキャナ702の1以上の金属センサによって収集されたセンサデータに基づいて、スキャナ702と物体706(金属ネジ)との間の距離を表す第2の距離D2を、金属センサよって推定することができる。静電容量センサ及び金属センサは、金属ネジの相対的サイズに基づいて、スキャナ702と物体706(金属ネジ)との間の距離に関して、互いに異なる推定値を提供し得ることに留意されたい。この例示的な実施形態では、金属の存在に起因して、金属センサは、スキャナ702と物体706(金属ネジ)との間の実際の距離とは異なる推定距離(例えば、D2)を提供する。一方、静電容量センサは、スキャナ702と物体706(金属ネジ)との間の実際の距離に近い推定距離(例えば、D1)を提供する。
【0049】
静電容量センサによって収集されたセンサデータと、金属センサによって収集されたセンサデータとの両方から、スキャナ702は、共通基準点または共通基準線から物体706(金属ネジ)までの距離D3を導出するように構成される。このように、静電容量センサによって収集されたセンサデータと、金属センサによって収集されたセンサデータとを使用することによって、スキャナ702は、この例では、スキャナ702と物体706(金属ネジ)との間の距離の改善された推定値を得ることができる。本発明の態様によれば、静電容量センサによって収集されたセンサデータと、金属センサによって収集されたセンサデータとの両方を1パスの走査で並列に収集してもよいし、または、静電容量センサ及び金属センサの複数パスの走査によって、複数セットのセンサデータをそれぞれ並列に収集してもよい。
【0050】
図8は、本発明の態様による、別個のセンサからのセンサデータを使用して不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するためのシステムの例示的な実施形態のブロック図を示す。
図8に示す例示的なシステムでは、コントローラ802は、スキャナのセンサによって収集されたセンサデータ、すなわち、静電容量センサ804、金属センサ806、及び電流センサ808によって収集されたセンサデータを処理するように構成される。コントローラはさらに、静電容量センサ804、金属センサ806、及び/または電流センサ808によって並列に収集されたセンサデータに基づいて、不透明面の背後で検出された物体に関する情報を決定するように構成される。コントローラは、1以上のプロセッサを含むことができる。表示装置810は、検出された物体に関する情報をユーザに提供するように構成される。
【0051】
本開示の態様によれば、
図8のシステムに記載された機能ブロックは、
図2Aのスキャナ202などの集積デバイスに実装することができる。他の実施形態では、静電容量センサ804、金属センサ806、及び電流センサ808を第1の装置に配置し、コントローラ802及び表示装置810を第2の装置に配置してもよい。例えば、第1の装置であるスキャナ装置にセンサを配置し、スキャナ装置によって収集されたセンサデータを第2の装置に無線通信するようにしてもよい。そして、第2の装置、例えば、スマートフォン、タブレット、またはラップトップに、コントローラ802及び表示装置810を配置してもよい。さらに他の実施形態では、コントローラ802、静電容量センサ804、金属センサ806、及び電流センサ808を、第1の装置に配置し、表示装置810を第2の装置に配置してもよい。例えば、第1の装置であるスキャナ装置にコントローラ802及び各センサを配置し、スキャナ装置によって収集されたセンサデータを、第2の装置に無線通信するようにしてもよい。そして、第2の装置、例えばモニタが、センサデータを受信して表示するように構成してもよい。
【0052】
本開示の態様によれば、静電容量センサ及びその動作方法の例は、「STUD SENSOR WITH OVER-STUD MISCALIBRATION VIA CIRCUIT WHICH STORES AN INITIAL CALIBRATION DENSITY, COMPARES THAT TO A CURRENT TEST DENSITY AND OUTPUTS RESULT VIA INDICATOR」という名称の米国特許第5,619,128号明細書に記載されている(この特許文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。金属センサ及びその動作方法の例は、「DUAL ORIENTATION METAL SCANNER」という名称の米国特許第7,812,722号明細書に記載されている(この特許文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。電流センサ及びその動作方法の例は、「ELECTRICAL CIRCUIT TRACING AND IDENTIFYING APPARATUS AND METHOD」という名称の米国特許第6,933,712号明細書に記載されている(この特許文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。例示的な一実施形態では、電流センサは、交流センサであり得る。別の例示的な実施形態では、電流センサは、直流の静磁界または直流に関連する静磁界を検出することができる。
【0053】
図9Aは、本発明の態様による、別個のセンサからのセンサデータを使用して、不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別する方法を示す。
図9Aに示すように、ステップ902において、本方法は、1以上のプロセッサによって制御される複数のセンサによって、不透明面の背後の1以上の物体のセンサデータを並列に収集する。続いて、ステップ904において、本方法は、1以上のプロセッサによってセンサデータを分析して、不透明面の背後の1以上の物体の推定領域を識別する。次に、ステップ906において、本方法は、1以上のプロセッサによって、不透明面の背後の1以上の物体の推定領域を区別する。そして、ステップ908において、本方法は、1以上のプロセッサによって、不透明面の背後の推定領域内の1以上の物体をユーザに通知する。
【0054】
本開示の態様によれば、複数のセンサは、第1の種類の物体を検出するように構成された少なくとも第1のセットのセンサと、第2の種類の物体を検出するように構成された第2のセットのセンサとを含む。そして、推定領域は、第1の種類の物体の第1の推定領域と、第2の種類の物体の第2の推定領域とを含む。第1のセットのセンサは1以上の静電容量センサを含み、第1の種類の物体は木製スタッドを含む。第2のセットのセンサは1以上の金属センサを含み、第2の種類の物体は金属物体を含む。複数のセンサは、第3の種類の物体を検出するように構成された第3のセットのセンサをさらに含むことができる。第3のセットのセンサは1以上の電流センサを含み、第3の種類の物体は電線を含む。本開示の態様によれば、センサのセットは、セット内に1つまたは複数のセンサを含み得る。
【0055】
センサデータを収集するステップは、不透明面の背後の1以上の物体のセンサデータを、共通基準点に対してマッピングするステップを含む。不透明面の背後の1以上の物体の推定領域を区別するステップは、第1の推定領域と第2の推定領域との重複領域を決定するステップを含む。
【0056】
図9Bは、本発明の態様による、センサデータを分析して、不透明面の背後で検出された物体の推定領域を識別する方法を示す。
図9Bの例示的な実施形態では、ステップ912において、本方法は、センサデータを分析して、木製スタッドの第1の測定領域を識別し、第1の測定領域を第1のプログラム可能な割合だけ縮小して、木製スタッドの第1の推定領域を導出する。続いて、ステップ914において、本方法は、センサデータを分析して、金属物体の第2の測定領域を識別し、第2の測定領域を第2のプログラム可能な割合だけ拡大して、金属物体の第2の推定領域を導出する。
【0057】
本開示の態様によれば、ステップ912及びステップ914において実施される方法は、追加的にまたは任意選択で、ステップ916及び/またはステップ918において実施される方法を含むことができる。ステップ916では、本方法は、センサデータを分析して、電線の第3の測定領域を識別し、第3の測定領域を第3のプログラム可能な割合だけ拡大して、電線の第3の推定領域を導出する。ステップ918では、本方法は、動作環境の変化に応じて、プログラム可能な安全マージンを、それに対応する推定領域に追加する。動作環境の変化としては、例えば、温度、湿度、不透明面の材料、またはそれらの任意の組み合わせの変化が挙げられる。
【0058】
図9Cは、本発明の態様による、不透明面の背後で検出された物体をユーザに通知する方法を示す。
図9Cに示す例では、ステップ922またはステップ924のいずれかに記載された方法を実行することができる。ステップ922では、本方法は、重複領域における情報の表示を防ぐ。ステップ924では、本方法は、重複領域において、第1の種類の物体、第2の種類の物体、またはその両方の種類の物体を選択的に表示する。
【0059】
上記の説明では、明確化のために、異なる機能ユニット及びコントローラを参照して本発明の実施形態を説明したことを理解されたい。しかしながら、異なる機能ユニットまたはプロセッサまたはコントローラ間の機能の任意の好適な配分が、本発明を損なうことなく使用され得ることは明らかであろう。例えば、別個のプロセッサまたはコントローラによって実行するように示された機能は、ユニットに含まれる同一のプロセッサ及び/またはコントローラによって実行してもよい。別の例示的な実施形態では、プロセッサ及び/またはコントローラまたは表示装置によって実行されるように示された機能は、ユーザに情報を表示することができる及び/またはユーザがアクセス可能な手段を提供することができる、独立した及び/また遠隔の受信装置によって実行してもよい。したがって、特定の機能ユニットへの言及は、厳密な論理的または物理的な構造または組織を示すというよりも、記載された機能を提供するための適切な手段への言及と見なされるべきである。
【0060】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な形態で実施することができる。本発明は、任意選択で、上述のハードウェア構成要素と共に、1以上のデータプロセッサ及び/またはデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして部分的に実施してもよい。本発明の一実施形態の要素及び構成要素は、任意の適切な方法で、物理的、機能的、及び論理的に実施することができる。実際、機能は、単一のユニット、複数のユニット、または他の機能ユニットの一部として実施することができる。このように、本発明は、単一のユニットで実施してもよいし、または、異なるユニット及びプロセッサ/コントローラ間に物理的及び機能的に分散させてもよい。
【0061】
当業者であれば、開示された実施形態の様々な可能な変更及び組み合わせが、依然として、同一の基本的な基本的機構及び方法論を用いて使用できることを認識するであろう。上述の説明は、説明の目的で、特定の実施形態を参照して記載されている。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であることも、開示された正確な形態に本発明を限定することも意図していない。上記の教示を考慮して、様々な変更及び変形が可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実用的な用途を説明するために、また、当業者が本発明及び意図される特定の用途に適した様々な変更を伴う様々な実施形態を最良に利用できるようにするために選択され、記載されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別するシステムであって、
1以上のプロセッサによって制御され、不透明面の背後の1以上の物体のセンサデータを並列に収集するように構成された複数のセンサを備え、
前記1以上のプロセッサは、
前記センサデータを分析して、前記不透明面の背後の前記1以上の物体の推定領域を識別するステップ
であって、前記センサデータを分析して第1の種類の物体の第1の測定領域を識別し、前記第1の測定領域を第1のプログラム可能な割合だけ縮小して、前記第1の種類の物体の第1の推定領域を導出し、かつ、前記センサデータを分析して第2の種類の物体の第2の測定領域を識別し、前記第2の測定領域を第2のプログラム可能な割合だけ拡大して、前記第2の種類の物体の第2の推定領域を導出する、該ステップと、
前記不透明面の背後の前記1以上の物体の前記推定領域を区別するステップと、
前記不透明面の背後の前記推定領域内の1以上の物体を、ユーザインターフェースを介してユーザに通知するステップと、を実施するように構成される、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記複数のセンサは、
前記第1の種類の物体を検出するように構成された少なくとも第1のセットのセンサと、
前記第2の種類の物体を検出するように構成された第2のセットのセンサとを含み、
前記推定領域は、前記第1の種類の物体の前記第1の推定領域と、前記第2の種類の物体の前記第2の推定領域とを含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記第1のセットのセンサは1以上の静電容量センサを含み、前記第1の種類の物体は木製スタッドを含み、
前記第2のセットのセンサは1以上の金属センサを含み、前記第2の種類の物体は金属物体を含
み、
前記複数のセンサは、第3の種類の物体を検出するように構成された第3のセットのセンサをさらに含み、
前記第3のセットのセンサは1以上の電流センサを含み、前記第3の種類の物体は電線を含む、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、前記不透明面の背後の前記1以上の物体の前記センサデータを、共通基準点に対してマッピングするステップをさらに実施するように構成される、システム。
【請求項5】
請求項
1に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、
前記センサデータを分析して
第3の種類の物体の第3の測定領域を識別し、前記第3の測定領域を第3のプログラム可能な割合だけ拡大して、前記
第3の種類の物体の第3の推定領域を導出するステップをさらに実施するように構成される、システム。
【請求項6】
請求項
1に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、
温度、湿度、前記不透明面の材料の種類、またはそれらの任意の組み合わせを含む動作環境の変化に応じて、プログラム可能な安全マージンを、それに対応する前記推定領域に加えるステップをさらに実施するように構成される、システム。
【請求項7】
請求項
1に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、
前記第1の推定領域と前記第2の推定領域との重複領域を決定するステップをさらに実施するように構成される、システム。
【請求項8】
請求項
7に記載のシステムであって、
前記1以上のプロセッサは、
前記重複領域における情報の表示を防ぐステップ、または、
前記重複領域において、前記第1の種類の物体、前記第2の種類の物体、またはその両方の種類の物体を選択的に表示するステップをさらに実施するように構成される、システム。
【請求項9】
不透明面の背後で検出された1以上の物体を区別する方法であって、
1以上のプロセッサによって制御される複数のセンサによって、不透明面の背後の1以上の物体のセンサデータを並列に収集するステップと、
前記1以上のプロセッサによって前記センサデータを分析して、前記不透明面の背後の前記1以上の物体の推定領域を識別するステップ
であって、前記センサデータを分析して第1の種類の物体の第1の測定領域を識別し、前記第1の測定領域を第1のプログラム可能な割合だけ縮小して、前記第1の種類の物体の第1の推定領域を導出し、かつ、前記センサデータを分析して第2の種類の物体の第2の測定領域を識別し、前記第2の測定領域を第2のプログラム可能な割合だけ拡大して、前記第2の種類の物体の第2の推定領域を導出する、該ステップと、
前記1以上のプロセッサによって、前記不透明面の背後の前記1以上の物体の前記推定領域を区別するステップと、
前記1以上のプロセッサによって、ユーザインターフェースを介して、前記不透明面の背後の前記推定領域内の前記1以上の物体をユーザに通知するステップと、を含む、方法。
【請求項10】
請求項
9に記載の方法であって、
前記複数のセンサは、
前記第1の種類の物体を検出するように構成された少なくとも第1のセットのセンサと、
前記第2の種類の物体を検出するように構成された第2のセットのセンサとを含み、
前記推定領域は、前記第1の種類の物体の前記第1の推定領域と、前記第2の種類の物体の前記第2の推定領域とを含む、方法。
【請求項11】
請求項
10に記載の方法であって、
前記第1のセットのセンサは1以上の静電容量センサを含み、前記第1の種類の物体は木製スタッドを含み、
前記第2のセットのセンサは1以上の金属センサを含み、前記第2の種類の物体は金属物体を含
み、
前記複数のセンサは、第3の種類の物体を検出するように構成された第3のセットのセンサをさらに含み、
前記第3のセットのセンサは1以上の電流センサを含み、前記第3の種類の物体は電線を含む、方法。
【請求項12】
請求項
9に記載の方法であって、
前記センサデータを収集する前記ステップは、
前記不透明面の背後の前記1以上の物体の前記センサデータを、共通基準点に対してマッピングするステップを含む、方法。
【請求項13】
請求項
9に記載の方法であって、
前記センサデータを分析して前記1以上の物体の前記推定領域を識別する前記ステップは、
前記センサデータを分析して
第3の種類の物体の第3の測定領域を識別し、前記第3の測定領域を第3のプログラム可能な割合だけ拡大して、前記
第3の種類の物体の第3の推定領域を導出するステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項
9に記載の方法であって、
前記センサデータを分析して前記1以上の物体の前記推定領域を識別する前記ステップは、
温度、湿度、前記不透明面の材料の種類、またはそれらの任意の組み合わせを含む動作環境の変化に応じて、プログラム可能な安全マージンを、それに対応する前記推定領域に加えるステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項
9に記載の方法であって、
前記1以上の物体の前記推定領域を区別する前記ステップは、
前記第1の推定領域と前記第2の推定領域との重複領域を決定するステップを含む、方法。
【請求項16】
請求項
15に記載の方法であって、
前記推定領域内の前記1以上の物体をユーザに通知する前記ステップは、
前記重複領域における情報の表示を防ぐステップ、または、
前記重複領域において、前記第1の種類の物体、前記第2の種類の物体、またはその両方の種類の物体を選択的に表示するステップを含む、方法。
【国際調査報告】