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特表2023-500326骨髄増殖性腫瘍の治療のためのヤヌスキナーゼ阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤の使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-05
(54)【発明の名称】骨髄増殖性腫瘍の治療のためのヤヌスキナーゼ阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20221223BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221223BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221223BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221223BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20221223BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20221223BHJP
   A61K 31/529 20060101ALI20221223BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20221223BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20221223BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20221223BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20221223BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K31/519
A61K31/506
A61K31/529
A61K31/7088
A61K31/5377
A61K31/7125
C12N15/113 130Z
C12N15/113 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525704
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 US2020058718
(87)【国際公開番号】W WO2021091904
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/930,251
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595161223
【氏名又は名称】ジェロン・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】GERON CORPORATION
(71)【出願人】
【識別番号】504320190
【氏名又は名称】アイカーン スクール オブ メディシン アット マウント シナイ
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シャオリ
(72)【発明者】
【氏名】ファン, フェイ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA20
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC751
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC42
4C086BC73
4C086CB05
4C086CB22
4C086EA16
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示の態様は、骨髄増殖性腫瘍を治療するための方法を含む。特定の実施形態による方法は、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤と、オリゴヌクレオチドならびにオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合した脂質部分を含むテロメラーゼ阻害剤と、を対象に共投与することを含む。アポトーシスを誘導するのに十分な量のJAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤と細胞を接触させることによって骨髄増殖性腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するための方法も、記載される。本方法を実施するためのJAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤を有する組成物も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨髄増殖性腫瘍を有する対象を治療する方法であって、前記方法が、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤と、オリゴヌクレオチドならびに前記オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合した脂質部分を含むテロメラーゼ阻害剤と、を対象に共投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤が、同時に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記JAK阻害剤および前記テロメラーゼ阻害剤が、順次投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記JAK阻害剤が投与された後に投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記JAK阻害剤が、前記テロメラーゼ阻害剤の後に投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記JAK阻害剤が前記対象に投与される同じ日に、前記対象に投与される、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記JAK阻害剤が前記対象に投与された約0~約13日後に、前記対象に投与される、請求項3または4に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、
1日目にJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与量およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与量を投与することと、
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与量を前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり1回または2回投与することと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり1回投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の前記投与量が、前記1日目に2回投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり2回投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、21日を含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、28日を含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、1回以上繰り返される、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、5回以上繰り返される、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、
JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を約14日~21日の期間にわたって1日当たり1回または2回前記対象に投与することと、
ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量後約1日~約7日の期間中に1つ以上の用量のテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を前記対象に投与することと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項17】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記対象に1日当たり1回投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記対象に1日当たり2回投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記対象に14日間投与される、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記対象に21日間投与される、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記方法が、1回以上繰り返される、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、5回以上繰り返される、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、
1日目にテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与量を投与することと、
JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与量を前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり1回または2回投与することと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項24】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり1回投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり2回投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記方法が、21日を含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記方法が、28日を含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法が、1回以上繰り返される、請求項23~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、5回以上繰り返される、請求項23~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記JAK阻害剤が、約5mg/日~約600mg/日の投与量で前記対象に投与される、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記JAK阻害剤が、約10mg/日~約400mg/日の投与量で前記対象に投与される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記テロメラーゼ阻害剤が、約4mg/kg~10mg/kgの投与量で前記対象に投与される、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記テロメラーゼ阻害剤が、約7.5mg/kg~約9.4mg/kgの投与量で前記対象に投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記テロメラーゼ阻害剤が、約9.4mg/kgの投与量で前記対象に投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記テロメラーゼ阻害剤が、約1時間~約3時間の期間をかけて静脈内注入によって前記対象に投与される、請求項32~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記テロメラーゼ阻害剤が、約2時間の期間をかけて静脈内注入によって前記対象に投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記JAK阻害剤が、前記対象に1日当たり1回投与される、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記JAK阻害剤が、約1日~約21日の期間にわたって1日当たり1回前記対象に投与される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記JAK阻害剤が、約7日~約14日の期間にわたって1日当たり1回前記対象に投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記JAK阻害剤が、前記対象に1日当たり2回投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記JAK阻害剤が、約1日~約21日の期間にわたって1日当たり2回前記対象に投与される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記JAK阻害剤が、約7日~約14日の期間にわたって1日当たり2回前記対象に投与される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記JAK阻害剤が、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、またはそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記JAK阻害剤が、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩が、対象に、
前記対象が約100×10/L血小板未満のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回5mg、
前記対象が約100×10/L血小板~約200×10/L血小板のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回15mg、かつ
前記対象が約200×10/L血小板超のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回20mgの投与量で投与される、請求項44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記対象に3週間ごとに1回投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記対象に4週間ごとに1回投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホラミデートヌクレオシド間結合を含む、請求項1~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、リンカーを介して前記オリゴヌクレオチドの前記5’および/または3’末端に結合している、請求項1~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記リンカーが、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットナトリウムである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記方法が、
ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を0日~21日の期間にわたって1日当たり1回または2回前記対象に投与することと、
ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の7日以内に、1用量以上のイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に投与することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項55】
ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩が、前記対象に1日当たり1回投与される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩が、前記対象に1日当たり2回投与される、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩が、3週間ごとに1回投与される、請求項54~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩が、4週間ごとに1回投与される、請求項54~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記骨髄増殖性腫瘍が、骨髄線維症(MF)、骨髄異形成症候群(MDS)、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、および急性骨髄性白血病(AML)から選択される、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記骨髄増殖性腫瘍が、骨髄線維症である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記骨髄増殖性腫瘍が、原発性骨髄線維症である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
骨髄増殖性腫瘍を有すると対象を診断することをさらに含む、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記方法が、骨髄線維症を有すると対象を診断することを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記方法が、原発性骨髄線維症を有すると対象を診断することを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
骨髄増殖性腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する方法であって、前記方法が、アポトーシスを誘導するのに十分な量のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤、ならびにオリゴヌクレオチドと前記オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合した脂質部分とを含む、テロメラーゼ阻害剤と、前記細胞を接触させることを含む、方法。
【請求項66】
前記骨髄増殖性腫瘍細胞が、骨髄線維症造血幹細胞(HSC)または悪性造血前駆細胞(HPC)である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤および前記テロメラーゼ阻害剤が、前記骨髄増殖性腫瘍細胞とインビトロで接触する、請求項65または66に記載の方法。
【請求項68】
前記ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤が、対象における前記骨髄増殖性腫瘍細胞と接触し、前記方法が、前記ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤および前記テロメラーゼ阻害剤を前記対象に共投与することを含む、請求項65または66に記載の方法。
【請求項69】
前記JAK阻害剤および前記テロメラーゼ阻害剤が、同時に投与される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤が、順次投与される、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記JAK阻害剤が投与された後に投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記JAK阻害剤が、前記テロメラーゼ阻害剤の後に投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記JAK阻害剤が前記対象に投与される同じ日に、前記対象に投与される、請求項70~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記JAK阻害剤が前記対象に投与された約0~約13日後に、前記対象に投与される、請求項70~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記方法が、
1日目にJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与量およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与量を投与することと、
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与量を前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり1回または2回投与することと、を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項76】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり1回投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の前記投与量が、前記1日目に2回投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり2回投与される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記方法が、21日を含む、請求項75~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記方法が、28日を含む、請求項75~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記方法が、1回以上繰り返される、請求項75~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記方法が、5回以上繰り返される、請求項75~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記方法が、
JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を約14日~21日の期間にわたって1日当たり1回または2回前記対象に投与することと、
ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量から約1日~約7日の期間中に1用量以上のテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を前記対象に投与することと、を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項84】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記対象に1日当たり1回投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記対象に1日当たり2回投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記対象に14日間投与される、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記対象に21日間投与される、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記方法が、1回以上繰り返される、請求項83~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記方法が、5回以上繰り返される、請求項83~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記方法が、
1日目にテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与量を投与することと、
JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与量を前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり1回または2回投与することと、を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項91】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり1回投与される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、前記1日目の後に約20日~約27日の期間にわたって1日当たり2回投与される、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記方法が、21日を含む、請求項90~92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記方法が、28日を含む、請求項90~92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記方法が、1回以上繰り返される、請求項90~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記方法が、5回以上繰り返される、請求項90~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記JAK阻害剤が、約5mg/日~約600mg/日の投与量で前記対象に投与される、請求項65~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記JAK阻害剤が、約10mg/日~約400mg/日の投与量で前記対象に投与される、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記テロメラーゼ阻害剤が、約4mg/kg~15mg/kgの投与量で前記対象に投与される、請求項65~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記テロメラーゼ阻害剤が、約7.5mg/kg~約9.4mg/kgの投与量で前記対象に投与される、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記テロメラーゼ阻害剤が、約9.4mg/kgの投与量で前記対象に投与される、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記テロメラーゼ阻害剤が、約1時間~約3時間の期間をかけて静脈内注入によって前記対象に投与される、請求項99~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記テロメラーゼ阻害剤が、約2時間の期間をかけて静脈内注入によって前記対象に投与される、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記JAK阻害剤が、前記対象に1日当たり1回投与される、請求項65~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記JAK阻害剤が、約1日~約21日の期間にわたって1日当たり1回前記対象に投与される、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記JAK阻害剤が、約7日~約14日の期間にわたって1日当たり1回前記対象に投与される、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記JAK阻害剤が、前記対象に1日当たり2回投与される、請求項65~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記JAK阻害剤が、約1日~約21日の期間にわたって1日当たり2回前記対象に投与される、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記JAK阻害剤が、約7日~約14日の期間にわたって1日当たり2回前記対象に投与される、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記ルキソリチニブが、対象に、
前記対象が約100×10/L血小板未満のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回5mg、
前記対象が約100×10/L血小板~約200×10/L血小板のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回15mg、かつ
前記対象が約200×10/L血小板超のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回20mgの投与量で投与される、請求項65~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記対象に3週間ごとに1回投与される、請求項65~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記対象に4週間ごとに1回投与される、請求項65~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホラミデートヌクレオシド間結合を含む、請求項65~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、リンカーを介して前記オリゴヌクレオチドの前記5’および/または3’末端に結合している、請求項65~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記リンカーが、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーである、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、請求項65~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩である、請求項65~116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットナトリウムである、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記方法が、
ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を0日~21日の期間にわたって1日当たり1回または2回前記対象に投与することと、
ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の7日以内に、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に投与することと、を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項120】
ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩が、前記対象に1日当たり1回投与される、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩が、前記対象に1日当たり2回投与される、請求項119に記載の方法。
【請求項122】
イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩が、3週間ごとに1回投与される、請求項119~121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩が、4週間ごとに1回投与される、請求項119~121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
請求項1~123のいずれか一項に記載の方法における使用のための組成物であって、前記組成物が、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤を含む、組成物。
【請求項125】
前記JAK阻害剤が、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項124に記載の組成物。
【請求項126】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩である、請求項124または125に記載の組成物。
【請求項127】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットナトリウムである、請求項126に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月4日出願の米国仮特許出願第62/930,251号に対する優先権の利益を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
序論
骨髄増殖性腫瘍(MPN)は、体が白血球もしくは赤血球、または血小板を産生しすぎると生じる血液障害の群である。骨髄における血液細胞のこの過剰産生は、血流に問題を生じさせ、様々な症状につながり得る。MPNは、骨髄における骨髄細胞系列の前駆体から生じ得る。MPNは、異形成、骨髄細胞過形成、ならびに血栓症、出血、および骨髄線維症の素因を伴わない骨髄増殖を特徴とする。
【0003】
イメテルスタットまたはイメテルスタットナトリウムは、テロメラーゼのRNA成分のテンプレート領域に対して高い親和性で結合するテロメラーゼ阻害剤である。研究は、イメテルスタットまたはイメテルスタットナトリウムがテロメラーゼ活性を阻害し、多くの異なるがん細胞株およびヒト腫瘍における細胞増殖に対して有効であることを示している。イメテルスタットまたはイメテルスタットナトリウムは、血液悪性腫瘍を有する患者の臨床試験において使用されている。骨髄線維症を有する患者の臨床試験は、イメテルスタットまたはイメテルスタットナトリウムが特定の患者において完全な臨床的寛解を達成することができたことを示した。これらの患者において、イメテルスタットは、骨髄線維症への拮抗をもたらし、形態学的および分子的寛解を生じた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の態様は、骨髄増殖性腫瘍を治療するための方法を含む。特定の実施形態による方法は、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤と、オリゴヌクレオチドならびにオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合した脂質部分を含むテロメラーゼ阻害剤と、を対象に共投与することを含む。アポトーシスを誘導するのに十分な量のJAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤と細胞を接触させることによって骨髄増殖性腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するための方法も、記載される。本方法を実施するためのJAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤を有する組成物も提供される。
【0005】
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤は、同時に投与される。他の実施形態では、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤は、順次投与される。いくつかの場合では、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤が対象に投与された後に、対象に投与される。いくつかの事例では、JAK阻害剤は、テロメラーゼ阻害剤が対象に投与された後に、対象に投与される。一例では、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤が対象に投与される同じ日に、対象に投与される。別の例では、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤が対象に投与された後13日以内、例えば、JAK阻害剤が対象に投与された後3日以内に対象に投与される。例えば、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤の最後の投与量が対象に投与された後3日以内に投与される。いくつかの事例では、JaK阻害剤は、テロメラーゼ阻害剤が対象に投与された後13日以内に対象に投与される。例えば、JAK阻害剤は、テロメラーゼ阻害剤の最後の投与量が対象に投与された後3日以内に投与され、その後1日2回投与される。
【0006】
投薬は、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤の投与のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、サイクルは、21日であり、いくつかの事例では、サイクルは、28日以上である。薬物投与のサイクルは、1、2、3、4、5、6、7、8回、または8回を超える投与量サイクル、合計6ヶ月もしくは1年もしくは2年もしくは3年もしくは4年以上の期間にわたって繰り返され得る。
【0007】
特定の実施形態では、JAK阻害剤は、約10mg/日~約40mg/日の投与量で対象に投与される。JAK阻害剤は、対象に1日当たり1回または1日2回投与され得る。いくつかの事例では、JAK阻害剤は、30日、29日、28日、27日、26日、25日、24日、23日、22日、21日、20日、19日、18日、17日、16日、15日、14日、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、もしくは2日、または1日の期間にわたるサイクルで対象に1日当たり1回または2回投与される。いくつかの事例では、JAK阻害剤は、対象に約1日~約30日の期間にわたって1日当たり1回、例えば、約1日~約28日、1日~21日、7日~14日の期間にわたって1日当たり1回投与される。他の事例では、JAK阻害剤は、対象に約1日~約30日の期間にわたって1日当たり2回、例えば、約1日~約28日、1日~21日、7日~14日の期間にわたって1日当たり2回投与される。
【0008】
特定の実施形態では、JAK阻害剤は、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、モメロチニブ、およびパクリチニブ、またはそれらの薬学的に許容される塩、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、パクリチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示の方法によって対象に投与されるJAK阻害剤の投与量は、約5mg/日~約500mg/日などの範囲であり得る。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩であり、対象に、対象が約100×10/L血小板未満のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回5mg、対象が約100×10/L血小板~約200×10/L血小板のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回15mg、対象が約200×10/L血小板超のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回20mgの投与量で投与される。
【0010】
特定の実施形態では、JAK阻害剤は、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩であり、対象が約50×10/L以上のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり1回400mgの投与量で対象に投与される。特定の事例では、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1日当たり1回300mgの投与量で対象に投与される。他の事例では、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に200mgの投与量で1日当たり1回投与される。さらに他の事例では、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に100mgの投与量で1日当たり1回投与される。さらに他の事例では、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に100mg未満の投与量で1日当たり1回投与される。
【0011】
他の実施形態では、JAK阻害剤は、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩であり、対象に400mgの投与量で1日当たり1回投与される。特定の事例では、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に300mgの投与量で1日当たり1回投与される。他の事例では、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に200mgの投与量で1日当たり1回投与される。いくつかの事例では、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩は、150mgの投与量で1日当たり2回投与される。いくつかの事例では、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩は、100mgの投与量で1日当たり2回投与される。
【0012】
他の実施形態では、JAK阻害剤は、パクリチニブまたはその薬学的に許容される塩であり、1日当たり1回約100mg~約500mgなど、1日当たり1回約150mg~約400mgなど、および1日当たり1回約200mg~約350mgを含む、1日当たり1回約50mg~約600mgの投与量で対象に投与される。特定の事例では、パクリチニブまたは薬学的に許容される塩は、1日当たり2回約100mg~約500mgなど、1日当たり2回約150mg~約400mgなど、および1日当たり2回約200mg~約350mgを含む、1日当たり2回約50mg~約600mgの投与量で対象に投与される。他の事例では、パクリチニブまたは薬学的に許容される塩は、対象に1日当たり1回100mg、または1日当たり2回約100mg、または1日当たり2回200mgの投与量で投与される。
【0013】
特定の実施形態による方法はまた、対象にJAK阻害剤を投与する前に、対象のベースライン血小板数を決定することを含む。これらの実施形態では、方法は、対象のベースライン血小板数を決定することと、対象のベースライン血小板数に基づいて、対象に投与するためのJAK阻害剤の量を決定することと、を含み得る。
【0014】
対象に投与されるテロメラーゼ阻害剤の投与量は、約4.0mg/kg~約10mg/kg、約7.5mg/kg~9.4mg/kgなどの範囲であり得る。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、4.0mg/kg、4.1mg/kg、4.2mg/kg、4.3mg/kg、4.4mg/kg、4.5mg/kg、4.6mg/kg、4.7mg/kg、4.8mg/kg、4.9mg/kg、5.0mg/kg、5.1mg/kg、5.2mg/kg、5.3mg/kg、5.4mg/kg、5.5mg/kg、5.6mg/kg、5.7mg/kg、5.8mg/kg、5.9mg/kg、6.0mg/kg、6.1mg/kg、6.2mg/kg、6.3mg/kg、6.4mg/kg、6.5mg/kg、6.6mg/kg、6.7mg/kg、6.8mg/kg、6.9mg/kg、7.0mg/kg、7.1mg/kg、7.2mg/kg、7.3mg/kg、7.4mg/kg、7.5mg/kg、7.6mg/kg、7.7mg/kg、7.8mg/kg、7.9mg/kg、8.0mg/kg、8.1mg/kg、8.2mg/kg、8.3mg/kg、8.4mg/kg、8.5mg/kg、8.6mg/kg、8.7mg/kg、8.8mg/kg、8.9mg/kg、9.0mg/kg、9.1mg/kg、9.2mg/kg、9.3mg/kg、9.4mg/kg、9.5mg/kg、9.6mg/kg、9.7mg/kg、9.8mg/kg、9.9mg/kg、10.0mg/kgの投与量で対象に投与される。
【0015】
テロメラーゼ阻害剤の投与量は、テロメラーゼ阻害剤が1週間ごとに1回、2週間(14日)ごとに1回、3週間(21日)ごとに1回、または4週間(28日)ごとに1回、6週間ごとに1回、8週間ごとに1回、10週間ごとに1回、12週間ごとに1回投与されるサイクルで対象に投与され得る。特定の実施形態では、イメテルスタットまたは薬学的に許容される塩は、1、2、3、4、5、6、7、8回、または8回を超える投与サイクルにわたって投与され得る。特定の実施形態では、各サイクルは、3週間ごとに1回約4~10mg/kgのイメテルスタットもしくは薬学的に許容される塩の静脈内投与、4週間ごとに1回約4~10mg/kgのイメテルスタットもしくはイメテルスタットナトリウムの静脈内投与、2週間ごとに1回約4~10mg/kgのイメテルスタットもしくはイメテルスタットナトリウムの静脈内投与、または3週間ごとに1回約7.5~9.4mg/kgのイメテルスタットもしくはイメテルスタットナトリウムの静脈内投与を含む。特定の事例では、各投与量サイクルは、約7.5~9.4mg/kgのイメテルスタットまたはイメテルスタットナトリウムの4週間ごとに1回の静脈内投与を含む。いくつかの場合では、各投与量サイクルは、約9.4mg/kgのイメテルスタットまたはイメテルスタットナトリウムの約3週間ごとに1回の静脈内投与を含む。
【0016】
いくつかの事例では、テロメラーゼ阻害剤のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホラミデートヌクレオシド間結合を含む。いくつかの事例では、テロメラーゼ阻害剤の脂質部分は、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーなどの、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合される。いくつかの事例では、テロメラーゼ阻害剤の脂質部分は、パルミトイル(C16)部分である。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩、例えば、イメテルスタットナトリウムである。
【0017】
特定の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩およびイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩の21日投与サイクルで対象を治療することを含み、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を21日間1日当たり1回または2回投与することと、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を21日投与サイクルの1日目に対象に投与することと、を含む(すなわち、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩およびイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩はともに、21日サイクルの1日目に対象に投与される)。特定の事例では、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩およびイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩の21日投与サイクルを含み、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩は、21日間1日当たり1回投与され、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩は、21日サイクルの1日目に投与される。他の事例では、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩およびイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩の21日投与サイクルを含み、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩は、21日間1日当たり2回投与され、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩は、21日サイクルの1日目に投与される。これらの実施形態によるルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩、続いてイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与する21日投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含む、1回以上繰り返すことができる。ルキソリチニブおよびイメテルスタットの21日投与サイクルが1回以上繰り返される場合、各21日投与サイクル間の期間は、1日以上など、2日以上など、3日以上など、4日以上など、5日以上など、6日以上など、および7日以上を含む、0日以上であり得る。使用されるルキソリチニブおよびイメテルスタットの21日投与サイクルの数ならびに各サイクル間の期間に応じて、これらの実施形態による対象の治療の期間は、3ヶ月以上など、6ヶ月以上など、1年以上など、2年以上など、3年以上など、4年以上など、5年以上など、6年以上など、7年以上など、8年以上など、9年以上など、および10年間以上を含む、約1.5ヶ月以上であり得る。
【0018】
特定の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩およびイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩の28日投与サイクルで対象を治療することを含む。これらの実施形態では、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を28日間1日当たり1回または2回投与することと、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を28日サイクルの1日目に対象に投与することと、を含む(すなわち、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩およびイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩はともに、28日サイクルの1日目に対象に投与される)。特定の事例では、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩およびイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩の28日投与サイクルを含み、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩は、28日間1日当たり1回投与され、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩は、28日サイクルの1日目に投与される。他の事例では、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩およびイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩の28日投与サイクルを含み、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩は、28日間1日当たり2回投与され、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩は、28日サイクルの1日目に投与される。
【0019】
これらの実施形態によるルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩、続いてイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与する28日投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含む、1回以上繰り返すことができる。ルキソリチニブおよびイメテルスタットの28日投与サイクルが1回以上繰り返される場合、各28日投与サイクル間の期間は、1日以上など、2日以上など、3日以上など、4日以上など、5日以上など、6日以上など、および7日以上を含む、0日以上であり得る。使用されるルキソリチニブおよびイメテルスタットの28日投与サイクルの数ならびに各サイクル間の期間に応じて、これらの実施形態による対象の治療の期間は、4ヶ月以上など、6ヶ月以上など、1年以上など、2年以上など、3年以上など、4年以上など、5年以上など、6年以上など、7年以上など、8年以上など、9年以上など、および10年間以上を含む、約2ヶ月以上であり得る。
【0020】
特定の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩およびイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩の投与サイクルで対象を治療することを含み、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩が、対象に14日または21日間1日当たり1回または2回投与され、続いて1用量以上のイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩が、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩のその投与サイクルの最後に投与された投与量の1日~7日後に対象に投与される。一例では、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩が、対象に14日間1日当たり1回投与され、続いて1用量以上のイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩が、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日~7日後に投与される、投与サイクルを含む。別の例では、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩が、対象に21日間1日当たり1回投与され、続いて1用量以上のイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩が、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日~7日後に投与される、投与サイクルを含む。さらに別の例では、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩が、対象に14日間1日当たり2回投与され、続いて1用量以上のイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩が、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日~7日後に投与される、投与サイクルを含む。また別の例では、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩が、対象に21日間1日当たり2回投与され、続いて1用量以上のイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩が、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日~7日後に投与される、投与サイクルを含む。これらの実施形態では、1用量以上のイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日後など、2日後など、3日後など、4日後など、5日後など、6日後など、およびその7日後に1用量のイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日~7日後に対象に投与される。これらの実施形態によるルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩、続いてイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩の投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含む、1回以上繰り返すことができる。
【0021】
特定の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩およびルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の21日投与サイクルで対象を治療することを含み、方法は、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を21日投与サイクルの1日目に対象に投与し、続いてルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を21日サイクルのその後の各日に1日当たり1回または2回対象に投与することを含む(すなわち、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩は、21日サイクルの1日目に対象に投与され、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩は、21日投与サイクルの2~21日目に1日当たり1回または2回投与される)。特定の事例では、方法は、21日投与サイクルの1日目にイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与し、続いて21日サイクルのその後の各日に1日当たり1回ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。他の事例では、方法は、21日投与サイクルの1日目にイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与し、続いて21日サイクルのその後の各日に1日当たり2回ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。これらの実施形態によるイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩、続いてルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を投与する21日投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含む、1回以上繰り返すことができる。イメテルスタットおよびルキソリチニブの21日投与サイクルが1回以上繰り返される場合、各21日投与サイクル間の期間は、1日以上など、2日以上など、3日以上など、4日以上など、5日以上など、6日以上など、および7日以上を含む、0日以上であり得る。使用されるイメテルスタットおよびルキソリチニブの21日投与サイクルの数ならびに各サイクル間の期間に応じて、これらの実施形態による対象の治療の期間は、3ヶ月以上など、6ヶ月以上など、1年以上など、2年以上など、3年以上など、4年以上など、5年以上など、6年以上など、7年以上など、8年以上など、9年以上など、および10年間以上を含む、約1.5ヶ月以上であり得る。
【0022】
他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩およびルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の28日投与サイクルで対象を治療することを含み、方法は、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を28日投与サイクルの1日目に対象に投与し、続いてルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を28日サイクルのその後の各日に1日当たり1回または2回対象に投与することを含む(すなわち、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩は、28日サイクルの1日目に対象に投与され、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩は、28日投与サイクルの2~28日目に1日当たり1回または2回投与される)。特定の事例では、方法は、28日投与サイクルの1日目にイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与し、続いて28日サイクルのその後の各日に1日当たり1回ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。他の事例では、方法は、28日投与サイクルの1日目にイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与し、続いて28日サイクルのその後の各日に1日当たり2回ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。これらの実施形態によるイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩、続いてルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を投与する28日投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含む、1回以上繰り返すことができる。イメテルスタットおよびルキソリチニブの28日投与サイクルが1回以上繰り返される場合、各28日投与サイクル間の期間は、1日以上など、2日以上など、3日以上など、4日以上など、5日以上など、6日以上など、および7日以上を含む、0日以上であり得る。使用されるイメテルスタットおよびルキソリチニブの28日投与サイクルの数ならびに各サイクル間の期間に応じて、これらの実施形態による対象の治療の期間は、4ヶ月以上など、6ヶ月以上など、1年以上など、2年以上など、3年以上など、4年以上など、5年以上など、6年以上など、7年以上など、8年以上など、9年以上など、および10年間以上を含む、約2ヶ月以上であり得る。
【0023】
他の実施形態では、方法は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を所定の期間(1日~21日)投与することと、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の投与を中止することと、対象に投与されたルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後の投与量の7日(例えば、2日、1日、または同日)以内にイメテルスタットを投与することと、を含む。この投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含み、繰り返され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、骨髄線維症(MF)、例えば、原発性骨髄線維症、または以前のETもしくはPV後の骨髄線維症(ET後MFもしくはPV後MF)である。他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、および急性骨髄性白血病(AML)を含む。他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、骨髄異形成症候群(MDS)である。さらに他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、単離されたdel(5q)を伴う骨髄異形成症候群(MDS)である。骨髄異形成症候群(MDS)には、不応性貧血、過剰芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単血球系異形成を伴う不応性血球減少症、および慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの疾患が含まれる。特定の実施形態による方法は、骨髄増殖性腫瘍を有する対象を診断することも含む。一例では、方法は、原発性骨髄線維症などの骨髄線維症を有する対象を診断することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、以前にJAK阻害剤を投与されていない(すなわち、JAK阻害剤ナイーブである)。他の実施形態では、対象は、以前にテロメラーゼ阻害剤を投与されていない(例えば、テロメラーゼ阻害剤ナイーブである)。さらに他の実施形態では、対象は、以前にJAK阻害剤またはテロメラーゼ阻害剤を投与されていない(すなわち、JAK阻害剤ナイーブおよびテロメラーゼ阻害剤ナイーブの両方である)。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】特定の実施形態によるルキソリチニブと組み合わされたイメテルスタット治療でのインビボ治療設計を示す。
図2】特定の実施形態によるルキソリチニブとインビトロで組み合わされたイメテルスタット治療での、造血前駆細胞(HPC)アッセイを示す。
図3】特定の実施形態によるルキソリチニブと組み合わされたイメテルスタット治療でのインビトロ治療設計を示す。
図4】特定の実施形態によるイメテルスタットおよびルキソリチニブの投与による正常なCD34細胞の短期インビトロ併用治療を示す。正常なCB CD34細胞を、ビヒクル単独、ルキソリチニブ(Rux、50nM)単独、ミスマッチオリゴヌクレオチド(MM、1.8uM)またはイメテルスタット(Ime、1.8uM)単独、RuxおよびMMまたはImeで、本文に記載されるように同時および順次治療した。細胞をRuxに3日間、MMまたはImeに7日間曝露した。培養物中で生成された細胞を表現型的に特徴付け、HPCについてアッセイした。対応するビヒクル単独に曝露された培養物中で生成されたものと比較して、様々な治療に曝露された正常なCD34細胞の培養物中で生成されたLin-CD34細胞(図4、パネルA)、アッセイ可能なHPCのすべてのクラス(図4、パネルB)、およびCD15CD34図4、パネルC)の絶対数のパーセンテージを示す。n=3。Pすべて>0.05、ビヒクル単独を含有する培養物対Ruxを含有する培養物、MMを含有する培養物対Imeを含有する対応する培養物。
図5】特定の実施形態によるイメテルスタットおよびルキソリチニブによるインビトロでの長期併用治療で観察される正常なHSC/HPCに対する付加的な阻害効果の欠如を示す。正常なCB CD34細胞を、ビヒクル単独、ルキソリチニブ(Rux、50nM)単独、ミスマッチオリゴヌクレオチド(MM、1.8uM)またはイメテルスタット(Ime、1.8uM)単独、RuxおよびMMまたはImeで、本文に記載されるように同時および順次治療した。細胞をRuxに3日間、MMまたはImeに14日間曝露した。対応するビヒクル単独に曝露された培養物中で生成されたものと比較して、様々な治療に曝露された正常なCD34細胞の培養物中で生成されたLin-CD34細胞(図5、パネルA)、アッセイ可能なHPCのすべてのクラス(図5、パネルB)、およびCD15CD34図5、パネルC)の絶対数のパーセンテージを示す。n=3。Pすべて>0.05、ビヒクル単独を含有する培養物対Ruxを含有する培養物、指示がない限り、MMを含有する培養物対Imeを含有する対応する培養物。
図6】特定の実施形態によるイメテルスタットおよびルキソリチニブによるインビトロでの同時または順次短期併用治療によるMF HSC/HPCに対する付加的な阻害効果の欠如を示す。MF脾臓CD34細胞を、CB CD34細胞と同一の方法で2つの薬物で治療した。細胞をRuxに3日間、MMまたはImeに7日間曝露した。培養後に生成された細胞を表現型的に特徴付け、HPCについてアッセイした。対応するビヒクル単独に曝露された培養物中で生成されたものと比較して、様々な治療に曝露されたMF脾臓CD34細胞の培養物中で生成されたLin-CD34細胞(図6、パネルA)、アッセイ可能なHPCのすべてのクラス(図6、パネルB)、およびCD15CD34図6、パネルC)の絶対数のパーセンテージを示す。JAK2V617F+MF、n=3、JAK2V617F-MF、n=4。Pすべて>0.05、ビヒクル単独を含有する培養物対Ruxを含有する培養物、指示がない限り、MMを含有する培養物対Imeを含有する対応する培養物。
図7】特定の実施形態によるイメテルスタットおよびルキソリチニブによるインビトロでの順次長期併用治療でのMF HSC/HPCに対する付加的な阻害活性を示す。MF脾臓CD34細胞を、CB CD34細胞と同一の方法で単独および組み合わされた2つの薬物で治療した。細胞をRuxに3日間、MMまたはImeに14日間曝露した。培養後に生成された細胞を表現型的に特徴付け、HPCについてアッセイした。対応するビヒクル単独に曝露された培養物中で生成されたものと比較して、様々な治療に曝露されたMF脾臓CD34細胞の培養物中で生成されたLin-CD34細胞(図7、パネルA)、アッセイ可能なHPCのすべてのクラス(図7、パネルB)、およびCD15CD34図7、パネルC)の絶対数のパーセンテージを示す。JAK2V617FMF、n=3、JAK2V617FMF、n=4。P値は、示される通りであり、そうでなければP>0.05、パネルA:ビヒクル対Rux単独、Rux+MM対Rux+Ime、パネルC:Rux+MM対Rux+Ime。
図8】特定の実施形態によるイメテルスタットおよびルキソリチニブによるインビトロでの順次長期併用治療でのJAK2V617F造血前駆細胞の低減を示す。(図8、パネルA)様々な治療に曝露された2人のJAK2V617FMF患者からの個々のコロニー(CFU-GM)を取り出し、ネステッド対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用してJAK2V617Fについて遺伝子型決定した。次いで、JAK2V617FCFU-GMのパーセンテージを決定した。(図8、パネルBおよびC)JAK2V617F CFU-GMの絶対数は、各培養物中で生成されたCFU-GMの合計数に、パネルAに示されるJAK2V617F CFU-GMのパーセンテージを乗じることによって計算した。両患者からの脾臓CD34細胞の、Rux、続いてイメテルスタットでの順次長期併用治療は、悪性MF HPCに対する付加的な阻害活性を有する。
図9-1】特定の実施形態によるイメテルスタットおよびルキソリチニブによるインビボでの同時または順次併用治療による正常なNSG再増殖細胞(SRC)に対する効果の欠如を示す。(図9、パネルAおよびD)マウスの骨髄において生成されたヒト(h)CD45細胞キメラ現象(図9、パネルA)およびhCD34細胞(図9、パネルD)を示す代表的なFACSプロットである。(図9、パネルB~C、図9、パネルE~F)移植の4ヶ月後のNSGマウスの骨髄(図9、パネルBおよびE)および脾臓(図9、パネルCおよびF)において生成されたhCD45図9、パネルB~C)およびhCD34細胞(図9、パネルE~F)の絶対数である。NSGマウスに正常なCB CD34細胞を移植し、移植の1週間後に様々な薬物単独または組み合わせで治療した。これらの治療は、レシピエントマウスの骨髄および脾臓におけるhCD45+細胞キメラ現象およびhCD34+細胞生成の程度における最小限の低減(脾臓におけるhCD45細胞:Rux+Ime、脾臓におけるhCD34+細胞:Ime単独、Rux+Ime)をもたらした。
図9-2】同上。
図10-1】特定の実施形態によるイメテルスタットおよびルキソリチニブによるインビボでの併用治療による骨髄線維症NSG再増殖細胞(SRC)の枯渇に対する付加的な効果を示す。(図10、パネルAおよびD)マウスの骨髄において生成されたヒト(h)CD45+細胞キメラ現象(図10、パネルA)およびhCD34細胞(図10、パネルD)を示すFACSプロットである。(図10、パネルB~C、図10、パネルE)移植の4ヶ月後のNSGマウスの骨髄(図10、パネルBおよびE)および脾臓(図10、パネルC)において生成されたhCD45図10、パネルB~C)およびhCD34細胞(図10、パネルE)の絶対数である。ビヒクル単独を受けるマウスにおいて生成されたものと比較して、各薬物治療を受けるマウスの骨髄および脾臓において生成されたhCD45およびhCD34細胞の絶対数のパーセンテージを示す。NSGマウスにPt5の脾臓CD34+細胞を移植し、本文に記載されるように移植の1週間後に様々な薬物単独または組み合わせで治療した。Rux、続いてイメテルスタットによる順次治療は、Pt5のMF長期SRCの枯渇において付加的な活性を有した。
図10-2】同上。
図10-3】同上。
図11】特定の実施形態によるイメテルスタットおよびルキソリチニブによるインビボでの併用治療による骨髄線維症NSG再増殖細胞(SRC)の枯渇における相乗的な効果を示す。NSGマウスにPt10の脾臓CD34+細胞を移植し、この患者からのCD34+細胞の限られた入手可能性のため、Rux単独、Ime単独、およびRux、続いてイメテルスタットで治療した。ビヒクル単独を受けるマウスにおいて生成されたものと比較して、薬物治療を受けるマウスの骨髄において検出されたhCD45+細胞の絶対数を示す。Rux、続いてイメテルスタットによる順次治療は、Pt10のMF長期SRCの枯渇において相乗的な活性を有した。
図12A】[図12Aおよび図12B]特定の実施形態によるイメテルスタットおよびルキソリチニブのインビボ併用治療とイメテルスタット単独との副作用の比較を示す。(図12A図12B)NSGマウスに正常CB(図12A)またはMF(図12B)膵臓CD34細胞を移植した。移植の1週間後、マウスをビヒクル単独で、45mg/kgのRux単独で7日間、または10mg/kgのMMもしくはイメテルスタット単独で4週間、またはRuxおよびMMもしくはイメテルスタットを同時もしくは順次組み合わせて治療し始めた。マウスを、移植の4ヶ月後(W17)に屠殺した。正常なCB(図12A)またはMF(図12B)脾臓CD34細胞のいずれかを受けるマウスの順次併用療法は、同等の10mg/kg用量のイメテルスタット単独治療と比較して、マウスのさらなる体重減少をもたらさなかった。また、MF脾臓CD34細胞(Pt5)が移植されたマウスが屠殺された時点で、順次45mg/kgのRuxおよび10mg/kg用量のイメテルスタット(6.5%)を受けるマウスの体重減少の程度は、同等用量のイメテルスタット単独(9.6%)または30mg/kg用量のイメテルスタット単独(13.1%)未満であった。X軸は、移植後の週数を示す。
図12B】同上。
【発明を実施するための形態】
【0026】
定義を選択する
「ヌクレオシド」という用語は、一般的な構造:
【化1】
を有する部分を指し、式中、Bは、核酸塩基を表し、2’炭素は、以下に記載されるように置換することができる。オリゴマーまたはポリマーに組み込まれる場合、3’炭素は、酸素または窒素原子にさらに結合される。ヌクレオシドは、2’-デオキシおよび2’-ヒドロキシル(すなわち、デオキシリボースおよびリボース)形態、ならびにそれらの類似体を含み得る。特定の事例では、5’-NH基は、5’-酸素に置換することができる。「類似体」は、ヌクレオシドに関して、修飾核酸塩基部分(以下の「核酸塩基」の定義を参照されたい)および/または他の類似体のなかでも、2’-フルオロ糖などの、修飾糖部分を有する合成ヌクレオシドを含む。そのような類似体は、典型的には、結合特性、例えば、安定性、特異性などに影響を与えるように設計される。ヌクレオシドという用語は、例えば、Komberg and Baker,DNA Replication,2nd Ed.(Freeman,San Francisco,1992)に記載されるような、2’-でオキシおよび2’-ヒドロキシ形態を含む、天然ヌクレオシド、ならびに類似体を含む。「類似体」は、ヌクレオシドに関して、修飾核酸塩基部分(以下の「核酸塩基」の定義を参照されたい)および/または一般にScheit,Nucleotide Analogs(John Wiley,New York,1980)によって記載される、修飾糖部分を有する合成ヌクレオシドを含む。そのような類似体は、例えば、Uhlmann and Peyman,Chemical Reviews 90:543-584,1990)によって開示されるような、結合特性、例えば、安定性、特異性などを増強するように設計された合成ヌクレオシドを含む。そのようなヌクレオシドを含有し、典型的には合成ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合を含有するオリゴヌクレオチドは、それ自体が「類似体」と称され得る。
【0027】
「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は、約2~約200個の連続したサブユニットを有する、リボースおよび/またはデオキシリボースヌクレオシドサブユニットポリマーまたはオリゴマーを指す。ヌクレオシドサブユニットは、これらに限定されないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、P3’→N5’ホスホラミデート、N3’→P5’ホスホラミデート、N3’→P5’チオホスホラミデート、およびホスホロチオエート結合を含む、様々なサブユニット間結合によって結合することができる。用語には、糖(例えば、2’置換)、塩基、ならびに3’および5’末端などへの修飾を有するそのようなポリマーまたはオリゴマーも含まれる。オリゴヌクレオチド部分が複数のサブユニット間結合を含む実施形態では、各結合は同じ化学物質を使用して形成してもよく、または結合化学物質の混合物を使用してもよい。オリゴヌクレオチドが「ATGUCCTG」などの一連の文字によって表される場合、ヌクレオチドが左から右へ5’→3’の順序であることが理解されるであろう。この方法でオリゴヌクレオチドの塩基配列を表すことは、オリゴヌクレオチドにおける任意の特定のタイプのヌクレオシド間サブユニットの使用を意味しない。
【0028】
「核酸塩基」としては、(i)天然DNAおよびRNA核酸塩基(ウラシル、チミン、アデニン、グアニン、およびシトシン)、(ii)修飾核酸塩基または核酸塩基類似体(例えば、5-メチルシトシン、5-ブロモウラシル、またはイノシン)、ならびに(iii)核酸塩基類似体が挙げられる。核酸塩基類似体は、その分子構造が典型的なDNAまたはRNA塩基の分子構造を模倣する化合物である。
【0029】
「脂質」という用語は、本明細書では、有機溶媒中に可溶性であるが、水中に存在する場合、難溶性である物質を包含するために広く使用される。脂質という用語には、これらに限定されないが、炭化水素、油、脂肪(脂肪酸およびグリセリドなど)、ステロール、ステロイド、およびこれらの化合物の誘導体形態が含まれる。いくつかの実施形態では、脂質は、脂肪酸およびそれらの誘導体、炭化水素およびそれらの誘導体、ならびにコレステロールなどのステロールである。脂肪酸は、通常、直鎖(一般的には12~24個の炭素)に偶数個の炭素原子を含有し、飽和であっても不飽和であってもよく、様々な置換基を含有することができるか、または含有するように修飾され得る。単純化するために、「脂肪酸」という用語はまた、脂肪またはエステルなどの、脂肪酸誘導体を包含する。いくつかの実施形態では、「脂質」という用語は、脂質部分および親水性部分の両方を含有する両親媒性化合物も含む。
【0030】
「個体」または「患者」または「対象」は、任意の一般的な実験室モデル生物などの、哺乳動物であり得る。哺乳動物としては、ヒトおよび非ヒト霊長類、農場動物、スポーツ動物、ペット、マウス、ラット、ならびに他のげっ歯類が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、個体または患者または対象は、ヒトである。特定の実施形態では、対象または患者は、特定の実施形態の前に、JAK阻害剤療法および/またはテロメラーゼ阻害剤療法を以前に受けたことがなく、そのような患者は、それぞれ、「JAK阻害剤ナイーブ」または「テロメラーゼ阻害剤ナイーブ」である。
【0031】
「有効量」または「治療有効量」または「臨床有効量」は、所望の治療効果をもたらすのに有効である、哺乳動物対象に、単一用量として、または一連の用量の一部としてのいずれかで投与される、JAK阻害剤またはテロメラーゼ阻害剤などの、治療用化合物の量を指す。本発明の1つの利点は、テロメラーゼ阻害剤が、JAK阻害剤と組み合わせて投与されるとき、単剤用量よりも低い用量で投与され得、よって同等または優れた治療効果を達成しながら、化合物の副作用および全体的な毒性を低減することである。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤が、本明細書に記載される実施形態によるJAK阻害剤と共投与される場合、治療上有効な応答を達成するために必要であるJAK阻害剤の量は、1重量%以上、例えば2重量%以上、例えば3重量%以上、例えば5重量%以上、例えば10重量%以上、例えば15重量%以上、例えば25重量%以上低減され得、治療上有効な応答を達成するために必要なJAK阻害剤の量を50重量%以上低減させることを含む。言い換えれば、治療上有効な応答を達成するために必要なJAK阻害剤の量は、治療上有効な応答を達成するために必要であるJAK阻害剤単独の量と比較して1重量%以上低減される。他の実施形態では、JAK阻害剤が、本明細書に記載される実施形態によるテロメラーゼ阻害剤と共投与される場合、治療上有効な応答を達成するために必要であるテロメラーゼ阻害剤の量は、1重量%以上、例えば2重量%以上、例えば3重量%以上、例えば5重量%以上、例えば10重量%以上、例えば15重量%以上、例えば25重量%以上低減され得、治療上有効な応答を達成するために必要なテロメラーゼ阻害剤の量を50重量%以上低減させることを含む。言い換えれば、治療上有効な応答を達成するために必要なテロメラーゼ阻害剤の量は、治療上有効な応答を達成するために必要であるテロメラーゼ阻害剤単独の量と比較して、例えば2重量%以上、例えば3重量%以上、例えば5重量%以上、例えば10重量%以上、例えば15重量%以上、例えば25重量%以上、および50重量%以上を含む、1重量%以上低減される。
【0032】
本明細書で使用される場合、「腫瘍細胞」は、細胞増殖の制御の著しい喪失を特徴とする異常な増殖表現型を示すように、比較的自律的な増殖を示す細胞を指す。腫瘍細胞は、能動的に複製し得るか、または一時的な非複製静止状態(GまたはG)にあり得る細胞を含み、同様に、腫瘍細胞は、よく分化した表現型、あまり分化していない表現型、または両方のタイプの細胞の混合物を有する細胞を含み得る。よって、すべての腫瘍細胞が、所与の時点で複製細胞であるとは限らない。「腫瘍細胞」は、良性腫瘍におけるそのような細胞および悪性腫瘍における細胞を包含する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「腫瘍性前駆細胞」は、腫瘍性になる能力を有する細胞組成物の細胞を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、「腫瘍」または「腫瘍形成」または「腫瘍性」という用語は、異常な新規細胞成長を指す。過形成とは異なり、腫瘍性増殖は、元の刺激の不在下でも継続する。
【0035】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段に示されない限り、複数の参照物を含む。
【0036】
本明細書全体を通して与えられるすべての最大数値制限は、そのような下限数値制限が本明細書に明示的に記述されたかのように、すべての下限数値制限を含むことが意図される。本明細書全体を通して与えられるすべての最小数値制限は、そのような上限数値制限が本明細書に明示的に記述されたかのように、すべての上限数値制限を含むであろう。本明細書全体を通して与えられるすべての数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記述されたかのように、そのようなより広い数値範囲内に収まるすべてのより狭い数値範囲を含むであろう。
【0037】
本発明をさらに記載する前に、そのようなものは当然ながら変動し得るので、本発明は記載の特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本発明の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるので、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を記載する目的のためであり、制限することを意図しないことも理解されるべきである。
【0038】
値の範囲が提供される場合、別段文脈が明確に指示しない限り、上限と下限との間の各介在値、およびその記載された範囲の任意の他の値または介在値の下限の単位の10分の1までが、本発明内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して、より小さい範囲に含まれ得、また、発明内に包含され、記載された範囲の任意の具体的に除外される制限の対象となる。記載された範囲が、制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる制限の一方または両方を除外する範囲もまた、発明に含まれる。
【0039】
明確にするために、別個の実施形態の文脈に記載される発明のある特定の特色はまた、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈に記載される発明の様々な特色はまた、別個にまたは任意の好適な部分的組み合わせで提供され得る。発明に関連する実施形態のすべての組み合わせは、本発明によって具体的に包含され、各々およびすべての組み合わせが個々にかつ明示的に開示されたかのように、そのような組み合わせが、例えば、安定な化合物である化合物(すなわち、生物学的活性について作製、単離、特徴評価、および試験され得る化合物)である主題を包含する程度まで、本明細書に開示される。加えて、様々な実施形態およびそれらの要素(例えば、そのような変数を記載する実施形態に列挙される化学基の要素)のすべての部分的組み合わせもまた、本発明によって具体的に包含され、各々およびすべてのそのような部分的組み合わせが本明細書で個々にかつ明示的に開示されたかのように、本明細書に開示される。
【0040】
別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似のまたは同等な任意の方法および材料もまた、本発明の実施または試験に使用することができるが、目的の方法および材料は、以下記載される。本明細書で言及されるすべての刊行物は、引用された刊行物に関連する方法および/または材料を開示および記載するために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことが留意されるべきである。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を排除するように記載され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の記載に関連する「単に」、「のみ」などの排他的な用語の使用、または「否定的」な限定の使用の先行詞として機能することが意図される。
【0042】
明確にするために、別個の実施形態の文脈に記載される発明のある特定の特色はまた、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈に記載される発明の様々な特色はまた、別個にまたは任意の好適な部分的組み合わせで提供され得る。
【0043】
本明細書で論じられる刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示についてのみ提供される。本明細書におけるいかなるものも、本発明が先行発明によってそのような公開に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、刊行物の実際の日付とは異なり得、個々に確認される必要があり得る。
【0044】
本明細書に記載の化合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、分取薄層クロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィー、およびイオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー手段を含む、当該技術分野で既知の手段のうちのいずれかによって精製することができる。順相および逆相、ならびにイオン性樹脂を含む、任意の好適な固定相を使用することができる。例えば、Introduction to Modern Liquid Chromatography,2nd Edition,ed.L.R.Snyder and J.J.Kirkland,John Wiley and Sons,1979、およびThin Layer Chromatography,ed E.Stahl,Springer-Verlag,New York,1969を参照されたい。
【0045】
本明細書に記載の化合物は、1つ以上のキラル中心および/または二重結合を含有し得、したがって、二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、鏡像異性体、またはジアステレオマーなどの立体異性体として存在し得る。したがって、立体異性体的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、鏡像異性体的に純粋、またはジアステレオマー的に純粋)、ならびに鏡像異性体の混合物および立体異性体の混合物を含む、化合物のすべての可能な鏡像異性体および立体異性体は、本明細書の化合物の記載に含まれる。エナンチオマーの混合物および立体異性体の混合物は、当業者に周知の分離技法またはキラル合成技法を使用して、それらの構成要素のエナンチオマーまたは立体異性体に分解することができる。化合物はまた、エノール形態、ケト形態、およびそれらの混合物を含む、いくつかの互変異性体形態で存在し得る。したがって、本明細書に示される化学構造は、例示される化合物のすべての可能な互変異性形態を包含する。記載の化合物はまた、1つ以上の原子が、自然界で従来見出される原子質量とは異なる原子質量を有する、同位体標識された化合物を含む。本明細書に開示される化合物に組み込むことができる同位体の例としては、限定されないが、H、H、11C、13C、14C、15N、18O、17Oなどが挙げられる。化合物は、非溶媒和形態、および水和形態を含む、溶媒和形態で存在し得る。一般に、化合物は、水和または溶媒和され得る。ある特定の化合物は、複数の結晶性または非晶質形態で存在し得る。一般に、すべての物理的形態は、本明細書で企図される使用について同等であり、本開示の範囲内であることが意図される。
[発明を実施するための形態]
【0046】
本開示の態様は、骨髄増殖性腫瘍を治療するための方法を含む。特定の実施形態による方法は、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤と、オリゴヌクレオチドならびにオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合した脂質部分を含むテロメラーゼ阻害剤と、を対象に共投与することを含む。いくつかの事例では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、インビトロでの骨髄増殖性腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することなどの、骨髄増殖性腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することを含む。他の事例では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、対象における骨髄増殖性腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することを含む。いくつかの実施形態では、骨髄増殖性腫瘍細胞は、悪性造血幹細胞(HSC)である。他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍細胞は、悪性造血前駆細胞(HPC)である。本方法に従って治療される骨髄増殖性腫瘍は、例えば、原発性骨髄線維症などの骨髄線維症(MF)、または以前のETもしくはPV後の骨髄線維症(ET後MFもしくはPV後MF)を含み得る。他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、および急性骨髄性白血病(AML)を含む。他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、骨髄異形成症候群(MDS)である。さらに他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、単離されたdel(5q)を伴う骨髄異形成症候群(MDS)である。骨髄異形成症候群(MDS)には、不応性貧血、過剰芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単血球系異形成を伴う不応性血球減少症、および慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの疾患が含まれる。
【0047】
いくつかの実施形態では、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤を共投与することは、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤を同時に投与することを含む。JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤が同時に投与されるいくつかの事例では、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤は、共製剤化され(例えば、錠剤、注射剤、凍結乾燥剤、静脈内流体などのような単一剤形に組み合わされ)、単一用量として対象に投与される。JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤が同時に投与される他の事例では、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤は、2つの異なる組成物として製剤化され、同時に対象に投与される。
【0048】
他の実施形態では、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤を共投与することは、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤を順次投与することを含む。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤がまず対象に投与され、続いてテロメラーゼ阻害剤が対象に投与される。一例では、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤が対象に投与される同じ日に、対象に投与される。別の例では、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤が対象に投与された後13日以内に対象に投与される。例えば、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤の最後の投与量が対象に投与された後3日以内に投与される。
【0049】
実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤を投与した約0~13日、例えば約1日~約12日、例えば約2日~約11日、例えば約3日~約10日、例えば約4日~約9日、例えば約5日~約8日後に対象にテロメラーゼ阻害剤を投与するなど、およびJAK阻害剤を投与した約6日~約7日後に対象にテロメラーゼ阻害剤を投与することを含み、JAK阻害剤を投与した後約14日以内に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤が投与された後3日以内に投与される。特定の事例では、JAK阻害剤は、所定の期間にわたって(例えば、以下により詳細に記載されるように、0日~7日の期間にわたって)対象に投与され、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤の最後の用量の約0~13日、例えば約1日~約12日、例えば約2日~約11日、例えば約3日~約10日、例えば約4日~約9日、例えば約5日~約8日後に対象にテロメラーゼ阻害剤を投与するなど、およびJAK阻害剤の最後の用量の約6日~約7日後に対象にテロメラーゼ阻害剤を投与することを含み、JAK阻害剤の最後の用量後約14日以内に対象に投与される。いくつかの事例では、テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤の最後の用量後3日以内に投与される。
【0050】
いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤がまず対象に投与され、続いてJAK阻害剤が対象に投与される。いくつかの事例では、JAK阻害剤は、テロメラーゼ阻害剤が対象に投与された後13日以内に対象に投与される。例えば、JAK阻害剤は、テロメラーゼ阻害剤の最後の投与量が対象に投与された後3日以内に投与され、その後1日2回投与される。
【0051】
投薬は、JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤の投与のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、サイクルは、21日であり、いくつかの事例では、サイクルは、28日以上である。薬物投与のサイクルは、1、2、3、4、5、6、7、8回、または8回を超える投与量サイクル、合計6ヶ月もしくは1年もしくは2年もしくは3年もしくは4年以上の期間にわたって繰り返され得る。
【0052】
特定の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の21日投与サイクルで対象を治療することを含み、方法は、JAK阻害剤を21日間1日当たり1回または2回投与することと、テロメラーゼ阻害剤を21日投与サイクルの1日目に対象に投与することと、を含む(すなわち、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩はともに、21日サイクルの1日目に対象に投与される)。特定の事例では、方法は、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の21日投与サイクルを含み、JAK阻害剤は、21日間1日当たり1回投与され、テロメラーゼ阻害剤は、21日サイクルの1日目に投与される。他の事例では、方法は、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の21日投与サイクルを含み、JAK阻害剤は、21日間1日当たり2回投与され、テロメラーゼ阻害剤は、21日サイクルの1日目に投与される。これらの実施形態によるJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与する21日投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含む、1回以上繰り返すことができる。JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤の21日投与サイクルが1回以上繰り返される場合、各21日投与サイクル間の期間は、1日以上など、2日以上など、3日以上など、4日以上など、5日以上など、6日以上など、および7日以上を含む、0日以上であり得る。使用されるJAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤の21日投与サイクルの数ならびに各サイクル間の期間に応じて、これらの実施形態による対象の治療の期間は、3ヶ月以上など、6ヶ月以上など、1年以上など、2年以上など、3年以上など、4年以上など、5年以上など、6年以上など、7年以上など、8年以上など、9年以上など、および10年間以上を含む、約1.5ヶ月以上であり得る。
【0053】
特定の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の28日投与サイクルで対象を治療することを含み、方法は、JAK阻害剤を28日間1日当たり1回または2回投与することと、テロメラーゼ阻害剤を28日投与サイクルの1日目に対象に投与することと、を含む(すなわち、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩はともに、28日サイクルの1日目に対象に投与される)。特定の事例では、方法は、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の28日投与サイクルを含み、JAK阻害剤は、28日間1日当たり1回投与され、テロメラーゼ阻害剤は、28日サイクルの1日目に投与される。他の事例では、方法は、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の28日投与サイクルを含み、JAK阻害剤は、28日間1日当たり2回投与され、テロメラーゼ阻害剤は、28日サイクルの1日目に投与される。これらの実施形態によるJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与する28日投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含む、1回以上繰り返すことができる。JAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤の28日投与サイクルが1回以上繰り返される場合、各28日投与サイクル間の期間は、1日以上など、2日以上など、3日以上など、4日以上など、5日以上など、6日以上など、および7日以上を含む、0日以上であり得る。使用されるJAK阻害剤およびテロメラーゼ阻害剤の28日投与サイクルの数ならびに各サイクル間の期間に応じて、これらの実施形態による対象の治療の期間は、4ヶ月以上など、6ヶ月以上など、1年以上など、2年以上など、3年以上など、4年以上など、5年以上など、6年以上など、7年以上など、8年以上など、9年以上など、および10年間以上を含む、約2ヶ月以上であり得る。
【0054】
特定の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与サイクルで対象を治療することを含み、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、対象に14日または21日間1日当たり1回または2回投与され、続いて1つ以上の用量のテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩のその投与サイクルの最後に投与された投与量の1日~7日後の期間中に対象に投与される。一例では、方法は、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、対象に14日間1日当たり1回投与され、続いて1つ以上の用量のテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日~7日後の期間中に投与される、投与サイクルを含む。別の例では、方法は、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、対象に21日間1日当たり1回投与され、続いて1つ以上の用量のテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日~7日後の期間中に投与される、投与サイクルを含む。さらに別の例では、方法は、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、対象に14日間1日当たり2回投与され、続いて1つ以上の用量のテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日~7日後の期間中に投与される、投与サイクルを含む。また別の例では、方法は、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、対象に21日間1日当たり2回投与され、続いて1つ以上の用量のテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩が、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日~7日後の期間中に投与される、投与サイクルを含む。これらの実施形態では、1用量以上のテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日後など、2日後など、3日後など、4日後など、5日後など、6日後など、およびその7日後にテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の1日~7日後に対象に投与される。これらの実施形態によるJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含む、1回以上繰り返すことができる。
【0055】
特定の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、テロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の21日投与サイクルで対象を治療することを含み、方法は、テロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を21日投与サイクルの1日目に対象に投与し、続いてJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を21日サイクルのその後の各日に1日当たり1回または2回対象に投与することを含む(すなわち、テロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、21日サイクルの1日目に対象に投与され、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、21日投与サイクルの2~21日目に1日当たり1回または2回投与される)。特定の事例では、方法は、21日投与サイクルの1日目にテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を対象に投与し、続いて21日サイクルのその後の各日に1日当たり1回JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。他の事例では、方法は、21日投与サイクルの1日目にテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を対象に投与し、続いて21日サイクルのその後の各日に1日当たり2回JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。21日サイクルでは、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与は、1日に1回または2回のいずれかの投与の前に1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日間遅延され得る。これらの実施形態によるテロメラーゼまたはその薬学的に許容される塩、続いてJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与する21日投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含む、1回以上繰り返すことができる。テロメラーゼ阻害剤およびJAK阻害剤の21日投与サイクルが1回以上繰り返される場合、各21日投与サイクル間の期間は、1日以上など、2日以上など、3日以上など、4日以上など、5日以上など、6日以上など、および7日以上を含む、0日以上であり得る。使用されるテロメラーゼ阻害剤およびJAK阻害剤の21日投与サイクルの数ならびに各サイクル間の期間に応じて、これらの実施形態による対象の治療の期間は、3ヶ月以上など、6ヶ月以上など、1年以上など、2年以上など、3年以上など、4年以上など、5年以上など、6年以上など、7年以上など、8年以上など、9年以上など、および10年間以上を含む、約1.5ヶ月以上であり得る。
【0056】
特定の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、テロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の28日投与サイクルで対象を治療することを含み、方法は、テロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を28日投与サイクルの1日目に対象に投与し、続いてJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を28日サイクルのその後の各日に1日当たり1回または2回対象に投与することを含む(すなわち、テロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、28日サイクルの1日目に対象に投与され、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、28日投与サイクルの2~28日目に1日当たり1回または2回投与される)。特定の事例では、方法は、28日投与サイクルの1日目にテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を対象に投与し、続いて28日サイクルのその後の各日に1日当たり1回JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。他の事例では、方法は、28日投与サイクルの1日目にテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を対象に投与し、続いて28日サイクルのその後の各日に1日当たり2回JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。28日サイクルでは、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与は、1日に1回または2回のいずれかの投与の前に1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日間遅延され得る。これらの実施形態によるテロメラーゼまたはその薬学的に許容される塩、続いてJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与する28日投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含む、1回以上繰り返すことができる。テロメラーゼ阻害剤およびJAK阻害剤の28日投与サイクルが1回以上繰り返される場合、各28日投与サイクル間の期間は、1日以上など、2日以上など、3日以上など、4日以上など、5日以上など、6日以上など、および7日以上を含む、0日以上であり得る。使用されるテロメラーゼ阻害剤およびJAK阻害剤の28日投与サイクルの数ならびに各サイクル間の期間に応じて、これらの実施形態による対象の治療の期間は、4ヶ月以上など、6ヶ月以上など、1年以上など、2年以上など、3年以上など、4年以上など、5年以上など、6年以上など、7年以上など、8年以上など、9年以上など、および10年間以上を含む、約2ヶ月以上であり得る。
【0057】
他の実施形態では、方法は、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩を所定の期間(1日~21日)投与することと、JAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の投与を中止することと、対象に投与されたJAK阻害剤またはその薬学的に許容される塩の最後の投与量の7日(例えば、2日、1日、または同日)以内にテロメラーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を投与することと、を含む。この投与サイクルは、2回以上など、3回以上など、4回以上など、5回以上など、6回以上など、7回以上など、8回以上など、9回以上など、および10回以上を含み、繰り返され得る。
【0058】
本明細書で使用されるヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤という用語は、ヤヌスキナーゼ1(JAK1)、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)、ヤヌスキナーゼ3(JAK3)、およびチロシンキナーゼ2(TYK2)などの1つ以上のヤヌスキナーゼ酵素の活性を阻害する化合物を指す。特定の実施形態では、目的のJAK阻害剤は、ヤヌスキナーゼ/シグナル伝達兼転写活性化因子(JAK-STAT)経路に干渉する。JAK阻害剤の例には、これらに限定されないが、ルキソリチニブ((3R)-3-シクロペンチル-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピラゾール-1-イル]プロパンニトリル)、トファシチニブ(3-[(3R,4R)-4-メチル-3-[メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ]ピペリジン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル)、オクラシチニブ(N-メチル{トランス-4-[メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ]シクロヘキシル}メタンスルホンアミド)、バリシチニブ(2-[1-エチルスルホニル-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル]アセトニトリル)、ペフィシチニブ(4-[[(1R,3S)-5-ヒドロキシ-2-アダマンチル]アミノ]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルボキサミド)、フェドラチニブ(N-tert-ブチル-3-{5-メチル-2-[4-(2-ピロリジン-1-イル-エトキシ)-フェニルアミノ]-ピリミジン-4-イルアミノ}-ベンゼンスルホンアミド)、ウパダシチニブ((3S,4R)-3-エチル-4-(3H-イミダゾ[1,2-a]ピロロ[2,3]-e]ピラジン-8-イル)-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピロリジン-1-カルボキサミド)、フィルゴチニブ(N-[5-[4-[(1,1-ジオキソ-1,4-チアジナン-4-イル)メチル]フェニル]-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル]シクロプロパンカルボキサミド)、セルデュラチニブ(4-(シクロプロピルアミノ)-2-[4-(4-エチルスルホニルピペラジン-1-イル)アニリノ]ピリミジン-5-カルボキサミド)、ガンドチニブ(3-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-2-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(モルホリノメチル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-アミン)、レスタウルチニブ((5S,6S,8R)-6-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7,8,14,15-テトラヒドロ-5H-16-オキサ-4b,8a,14-トリアザ-5,8-メタノジベンゾ[b,h]シクロオクタ[jkl]シクロペンタ[e]-as-インダセン-13(6H)-オン)、モメロチニブ(N-(シアノメチル)-4-{2-[4-(モルホリン-4-イル)アニリノ]ピリミジン-4-イル}ベンズアミド)、およびパクリチニブ((16E)-11-[2-(1-ピロリジニル)エトキシ]-14,19-ジオキサ-5,7,26-トリアザテトラシクロ[19.3.1.12,6.18,12]ヘプタコサ-1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23-デカエン)、ならびにその薬学的に許容される塩が含まれる。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、モメロチニブ、およびパクリチニブ、またはそれらの薬学的に許容される塩、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、パクリチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0059】
実施形態では、本明細書で使用されるテロメラーゼ阻害剤という用語は、哺乳動物細胞におけるテロメラーゼ逆転写酵素の活性を低減または阻害することができる化合物を指す。目的のテロメラーゼ阻害剤は、いくつかの事例では、オリゴヌクレオチドを含むhTRテンプレート阻害剤を含む。「hTRテンプレート阻害剤」は、ヒトテロメラーゼのRNA成分のテンプレート領域を遮断し、酵素の活性を阻害することができる化合物である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列5’-CUAACCCUAAC-3’を有する、この領域のより特異的な部分にハイブリダイズするのに有効な配列を含む。
【0060】
目的のテロメラーゼ阻害剤は、オリゴヌクレオチドならびにオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合した脂質部分を含む。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、細胞外および細胞内ヌクレアーゼによる、非ハイブリダイゼーションまたはハイブリダイゼーション形態で、ヌクレアーゼ切断に実質的に耐性であるサブユニット結合を有する骨格を有する「ヌクレアーゼ耐性結合」を有するオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの事例では、オリゴヌクレオチドは、生理的条件下でヌクレアーゼ切断をほとんどまたは全く示さない。
【0061】
hTR配列を標的とする治療用オリゴヌクレオチドの領域は、いくつかの実施形態では、対応するhTR配列に相補的である。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの塩基配列は、hTR標的に相補的である8ヌクレオチド以上など、10ヌクレオチド以上など、12ヌクレオチド以上など、15ヌクレオチド以上など、hTR標的に相補的である5ヌクレオチド以上の配列を含む。特定の実施形態では、本開示のテロメラーゼ阻害剤中のオリゴヌクレオチドは、hTR標的配列に完全に相補的であり、例えば、オリゴヌクレオチドの全長がhTR標的配列に相補的である。
【0062】
テロメラーゼ阻害剤は、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、P3’→N5’ホスホラミデート、N3’→P5’ホスホラミデート、N3’→P5’チオホスホラミデート、およびホスホロチオエート結合などの、ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、目的のテロメラーゼ阻害剤は、少なくとも1つのN3’→P5’ホスホラミデート(NP)またはN3’→P5’チオホスホラミデート(NPS)結合を含み、この結合は、構造:3’-(-NH--P(=O)(--XR)--O-)-5’によって表され得、式中、XRがOHまたはSHである場合、Xは、OまたはSであり、Rは、水素、アルキル、およびアリール、ならびにそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、すべてのNP、またはいくつかの実施形態では、すべてのNPS結合を含む。一実施形態では、hTRテンプレート阻害剤オリゴヌクレオチドの配列は、配列番号1のヌクレオチド42-54に相補的な配列である(GGGUUGCGGAGGGUGGGCCUGGGAGGGGUGGUGGCCAUUU UUUGUCUAACCCUAACUGAGAAGGGCGUAGGCGCCGUGCUUUUGCUCCCC GCGCGCUGUUUUUCUCGCUGACUUUCAGCGGGCGGAAAAGCCUCGGCCUG CCGCCUUCCACCGUUCAUUCUAGAGCAAACAAAAAAUGUCAGCUGCUGGC CCGUUCGCCUCCCGGGGACCUGCGGCGGGUCGCCUGCCCAGCCCCCGAAC CCCGCCUGGAGCCGCGGUCGGCCCGGGGCUUCUCCGGAGGCACCCACUGC CACCGCGAAGAGUUGGGCUCUGUCAGCCGCGGGUCUCUCGGGGGCGAGGG CGAGGUUCACCGUUUCAGGCCGCAGGAAGAGGAACGGAGCGAGUCCCGCC GCGGCGCGAUUCCCUGAGCUGUGGGACGUGCACCCAGGACUCGGCUCACA CAUGCAGUUCGCUUUCCUGUUGGUGGGGGGAACGCCGAUCGUGCGCAUCC GUCACCCCUCGCCGGCAGUGGGGGCUUGUGAACCCCCAAACCUGACUGAC UGGGCCAGUGUGCU)。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列5’-CUAACCCUAAC-3’を有する11ヌクレオチド領域のいくらかの部分に相補的またはほぼ相補的である配列を含む。この配列(TAGGGTTAGACAA、配列番号12)およびN3’→P5’チオホスホラミデート(NPS)結合を有するオリゴヌクレオチドは、本明細書ではGRN163と表される。例えば、Asai et al.,Cancer Research 63:3931-3939(2003)およびGryaznov et al.,Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids 22(5-8):577-81(2003)を参照されたい。別の標的領域は、hTRのヌクレオチド137~179にわたる領域である(Pruzan et al.,Nucl.Acids Research,30:559-568,2002を参照されたい)。この領域内では、141~153にわたる配列が好ましい標的である。PCT公開第98/28442号は、テロメラーゼを阻害するための少なくとも7ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドの使用を記載しており、オリゴヌクレオチドは、hTRのヌクレオチド137~196、290~319、および350~380を含む、テンプレート領域の外側のhTR配列のアクセス可能な部分に相補的であるように設計される。好ましいhTR標的配列を以下に示し、配列番号2~22によって特定する。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤のオリゴヌクレオチドは、ヒトテロメラーゼRNA(hTR)を標的とする配列を有し、以下の配列を含むが、これに限定されない。
【表A】
【0063】
本開示のテロメラーゼ阻害剤は、オリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端に結合した脂質部分を含む。いくつかの事例では、構造基は、非修飾形態と比較してより少量のコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドを使用して同等の生物学的効果が得られ得るように、優れた細胞取り込み特性を提供する。脂質部分は、炭化水素および脂肪酸の誘導体などの、脂肪族炭化水素または脂肪酸であり得る。例えば、脂質部分は、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、およびステアリン酸(オクタデカン酸)、ならびにそれらの対応する脂肪族炭化水素形態、テトラデカン、ヘキサデカン、およびオクタデカンなどの14~20個の炭素を有する飽和直鎖化合物であり得る。他の脂質部分の例としては、コレステロールなどのステロール、ならびに置換脂肪酸および炭化水素、特にこれらの基のポリフッ素化形態が挙げられる。特定の実施形態では、脂質部分は、脂質部分のアミン、アミド、エステル、およびカルバメート誘導体などの1つ以上の誘導体を含む。一例では、脂質部分は、パルミトイルアミドなどの、パルミトイル(C16)部分である。脂質部分は、グリセロールまたはアミノグリセロールリンカーなどの、リンカーを通してオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、米国特許第9,375,485号に記載される化合物であり、その開示は参照によって本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、イメテルスタット(配列5’-TAGGGTTAGACAA-3’で構成される5’パルミトイル化13-merチオホスホラミデートオリゴヌクレオチド)、またはイメテルスタットナトリウム(GRN163L):
【化2】
などの、その薬学的に許容される塩である。
【0065】
本方法の実施において、対象に投与されるJAK阻害剤または薬学的に許容される塩の量は、約10mg/日~約550mg/日など、10mg/日~約400mg/日など、約15mg/日~約300mg/日など、約20mg/日~約200mg/日など、約25mg/日~約100mg/日など、および約30mg/日~約35mg/日を含む、約1mg/日~約600mg/日の範囲で変動し得る。特定の実施形態では、対象に投与されるJAK阻害剤の量は、約10mg/日~約400mg/日である。
【0066】
対象に投与されるルキソリチニブまたは薬学的に許容される塩の各投与量は、約7.5mg~約27.5mgなど、約10mg~約25mgなど、約12.5mg~約22.5mgなど、および約15mg~約20mgを含む、約5mg~約40mgの範囲で変動し得る。特定の実施形態では、対象に投与されるJAK阻害剤の投与量は、5.0mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6.0mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10mg、10.1mg、10.2mg、10.3mg、10.4mg、10.5mg、10.6mg、10.7mg、10.8mg、10.9mg、11mg、11.1mg、11.2mg、11.3mg、11.4mg、11.5mg、11.6mg、11.7mg、11.8mg、11.9mg、12mg、12.1mg、12.2mg、12.3mg、12.4mg、12.5mg、12.6mg、12.7mg、12.8mg、12.9mg、13mg、13.1mg、13.2mg、13.3mg、13.4mg、13.5mg、13.6mg、13.7mg、13.8mg、13.9mg、14mg、14.1mg、14.2mg、14.3mg、14.4mg、14.5mg、14.6mg、14.7mg、14.8mg、14.9mg、または15mgである。
【0067】
特定の実施形態では、JAK阻害剤ルキソリチニブは、対象に、対象が約100×10/L血小板未満のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回5mg、対象が約100×10/L血小板~約200×10/L血小板のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回15mg、対象が約200×10/L血小板超のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回20mgの投与量で投与される。
【0068】
特定の実施形態では、JAK阻害剤は、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩であり、対象が約50×10/L以上のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり1回400mgの投与量で対象に投与される。特定の事例では、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩は、1日当たり1回300mgの投与量で対象に投与される。他の事例では、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に200mgの投与量で1日当たり1回投与される。さらに他の事例では、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に100mgの投与量で1日当たり1回投与される。さらに他の事例では、フェドラチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に100mg未満の投与量で1日当たり1回投与される。
【0069】
他の実施形態では、JAK阻害剤は、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩であり、対象に400mgの投与量で1日当たり1回投与される。特定の事例では、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に300mgの投与量で1日当たり1回投与される。他の事例では、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に200mgの投与量で1日当たり1回投与される。いくつかの事例では、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩は、150mgの投与量で1日当たり2回投与される。さらに他の事例では、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩は、対象に100mgの投与量で1日当たり1回投与される。
【0070】
他の実施形態では、JAK阻害剤は、パクリチニブまたはその薬学的に許容される塩であり、1日当たり1回約100mg~約500mgなど、1日当たり1回約150mg~約400mgなど、および1日当たり1回約200mg~約350mgを含む、1日当たり1回約50mg~約600mgの投与量で対象に投与される。特定の事例では、パクリチニブまたは薬学的に許容される塩は、1日当たり2回約100mg~約500mgなど、1日当たり2回約150mg~約400mgなど、および1日当たり2回約200mg~約350mgを含む、1日当たり2回約50mg~約600mgの投与量で対象に投与される。他の事例では、パクリチニブまたは薬学的に許容される塩は、対象に1日当たり1回100mg、または1日当たり2回約100mg、または1日当たり2回200mgの投与量で投与される。
【0071】
特定の実施形態による方法はまた、対象にJAK阻害剤を投与する前に、対象のベースラインまたは治療前血小板数を決定することを含む。これらの実施形態では、方法は、対象のベースラインまたは治療前血小板数を決定することと、対象のベースラインまたは治療前血小板数に基づいて、対象に投与するためのJAK阻害剤の量を決定することと、を含み得る。任意の便利な血液学プロトコルを使用して、手動もしくは自動血液学分析装置によって、または血球計算盤によってなど、対象のベースラインまたは治療前血小板数を決定することができる。対象のベースラインまたは治療前血小板数(および投与されるJAK阻害剤の量)は、本明細書に記載される方法の実施形態によって対象にJAK阻害剤投与量を投与する1分以上、例えば2分以上、例えば5分以上、例えば10分以上、例えば15分以上、例えば30分以上、例えば60分以上、例えば2時間以上、例えば3時間以上、例えば6時間以上、例えば12時間以上前に決定され得、対象にJAK阻害剤を投与する24時間前に対象のベースラインまたは治療前血小板数を決定することを含む。
【0072】
JAK阻害剤の各投与量は、1日当たり2回など、1日当たり3回など、および1日当たり4回を含む、1日当たり1回以上、対象に投与され得る。特定の実施形態では、方法は、JAK阻害剤を対象に1日当たり1回投与することを含む。他の実施形態では、方法は、JAK阻害剤を対象に1日当たり2回投与することを含む。いくつかの事例では、JAK阻害剤は、対象に30日、29日、28日、27日、26日、25日、24日、23日、22日、21日、20日、19日、18日、17日、16日、15日、14日、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、もしくは2日、または1日の期間にわたるサイクルで1日当たり1回以上投与される。いくつかの事例では、JAK阻害剤は、対象に約1日~約30日の期間にわたって1日当たり1回、例えば、約1日~約28日、1日~21日、7日~14日の期間にわたって1日当たり1回投与される。他の事例では、JAK阻害剤は、対象に約1日~約30日の期間にわたって1日当たり2回、例えば、約1日~約28日、1日~21日、7日~14日の期間にわたって1日当たり1回投与される。
【0073】
JAK阻害剤は、対象に2日~約20日など、約3日~約19日など、約4日~約18日など、約5日~約17日など、約6日~約16日など、および約7日~約14日を含む、約1日~約21日の期間にわたって1日当たり1回以上投与され得る。一例では、方法は、対象にJAK阻害剤を、2日~約20日など、約3日~約19日など、約4日~約18日など、約5日~約17日など、約6日~約16日など、約1日~約21日の期間にわたって1日当たり1回投与することを含み、対象にJAK阻害剤を約7日~約14日の期間にわたって1日当たり1回投与することを含む。別の例では、方法は、対象にJAK阻害剤を、2日~約20日など、約3日~約19日など、約4日~約18日など、約5日~約17日など、約6日~約16日など、約1日~約21日の期間にわたって1日当たり2回投与することを含み、対象にJAK阻害剤を約7日~約14日の期間にわたって1日当たり2回投与することを含む。特定の実施形態では、JAK阻害剤は、対象が約100×10/L血小板未満のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回約5mg、対象が約100×10/L血小板~約200×10/L血小板のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回約15mg、または対象が約200×10/L血小板超のベースライン血小板数を有する場合、1日当たり2回約20mgの投与量で対象に投与される。
【0074】
対象に投与されるイメテルスタットまたはイメテルスタットナトリウムなどの、テロメラーゼ阻害剤の投与量は、約4.0mg/kg~約10mg/kgなど、約6mg/kg~約14mg/kgなど、約7mg/kg~約13mg/kgなど、約8mg/kg~約12mg/kgなど、約7.5mg/kg~約9.4mg/kgなど、および約9mg/kg~約11mg/kgを含む、約4mg/kg~約15mg/kgの範囲で変動し得る。いくつかの実施形態では、対象に投与されるテロメラーゼ阻害剤の投与量は、約7.5mg/kg~約9.4mg/kgである。例えば、テロメラーゼ阻害剤の投与量は、4.0mg/kg、4.1mg/kg、4.2mg/kg、4.3mg/kg、4.4mg/kg、4.5mg/kg、4.6mg/kg、4.7mg/kg、4.8mg/kg、4.9mg/kg、5.0mg/kg、5.1mg/kg、5.2mg/kg、5.3mg/kg、5.4mg/kg、5.5mg/kg、5.6mg/kg、5.7mg/kg、5.8mg/kg、5.9mg/kg、6.0mg/kg、6.1mg/kg、6.2mg/kg、6.3mg/kg、6.4mg/kg、6.5mg/kg、6.6mg/kg、6.7mg/kg、6.8mg/kg、6.9mg/kg、7mg/kg、7.1mg/kg、7.2mg/kg、7.3mg/kg、7.4mg/kg、7.5mg/kg、7.6mg/kg、7.7mg/kg、7.8mg/kg、7.9mg/kg、8mg/kg、8.1mg/kg、8.2mg/kg、8.3mg/kg、8.4mg/kg、8.5mg/kg、8.6mg/kg、8.7mg/kg、8.8mg/kg、8.9mg/kg、9mg/kg、9.1mg/kg、9.2mg/kg、9.3mg/kg、9.4mg/kg、9.5mg/kg、9.6mg/kg、9.7mg/kg、9.8mg/kg、9.9mg/kg、10mg/kg、10.1mg/kg、10.2mg/kg、10.3mg/kg、10.4mg/kg、10.5mg/kg、10.6mg/kg、10.7mg/kg、10.8mg/kg、10.9mg/kg、11mg/kg、11.1mg/kg、11.2mg/kg、11.3mg/kg、11.4mg/kg、11.5mg/kg、11.6mg/kg、11.7mg/kg、11.8mg/kg、11.9mg/kg、12mg/kg、12.1mg/kg、12.2mg/kg、12.3mg/kg、12.4mg/kg、12.5mg/kg、12.6mg/kg、12.7mg/kg、12.8mg/kg、12.9mg/kg、13mg/kgであり得る。特定の実施形態では、対象に投与されるテロメラーゼ阻害剤の投与量は、約9.4mg/kgである。
【0075】
イメテルスタットまたはイメテルスタットナトリウムなどの、テロメラーゼ阻害剤の投与量は、1週間ごとに1回、2週間(14日)ごとに1回、3週間(21日)ごとに1回、または4週間(28日)ごとに1回、6週間ごとに1回、8週間ごとに1回、10週間ごとに1回、12週間ごとに1回のサイクルで対象に投与され得る。方法の特定の実施形態では、イメテルスタットは、1、2、3、4、5、6、7、8、または8を超える投与量サイクルで投与され、各サイクルは、3週間ごとに1回約4~10mg/kgのイメテルスタットの静脈内投与、4週間ごとに1回約4~10mg/kgのイメテルスタットの静脈内投与、2週間ごとに1回約4~10mg/kgのイメテルスタットの静脈内投与、または3週間ごとに1回約7.5~9.4mg/kgのイメテルスタットの静脈内投与を含む。特定の事例では、各投与量サイクルは、4週間ごとに1回約7.5~9.4mg/kgのイメテルスタットの静脈内投与を含む。いくつかの場合では、各投与量サイクルは、約3週間ごとに1回約9.4mg/kgのイメテルスタットの静脈内投与を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、個体に投与される、イメテルスタットまたはイメテルスタットナトリウムなどのテロメラーゼ阻害剤の量は、約0.5~約5mg、約5~約10mg、約10~約15mg、約15~約20mg、約20~約25mg、約20~約50mg、約25~約50mg、約50~約75mg、約50~約100mg、約75~約100mg、約100~約125mg、約125~約150mg、約150~約175mg、約175~約200mg、約200~約225mg、約225~約250mg、約250~約300mg、約300~約350mg、約350~約400mg、約400~約450mg、または約450~約500mgである。いくつかの実施形態では、個体に投与される有効量(例えば、単位剤形)のテロメラーゼ阻害剤の量は、約5mg~約500mg、例えば、約30mg~約300mg、または約50mg~約200mgの範囲である。いくつかの実施形態では、個体に投与されるテロメラーゼ阻害剤の濃度は、希釈(約0.1mg/ml)または濃縮(約180mg/ml)であり、例えば、約0.1~約200mg/ml、約0.1~約180mg/ml、約0.1~約160mg/ml、約0.1~約140mg/ml、約0.1~約120mg/ml、約0.1~約100mg/ml、約0.1~約80mg/ml、約0.1~約60mg/ml、約0.1~約40mg/ml、約0.1~約20mg/ml、約0.1~約10mg/ml、約2~約40mg/ml、約4~約35mg/ml、約6~約30mg/ml、約8~約25mg/ml、約10~約20mg/ml、約12~約15mg/mlのうちのいずれか、または約0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1mg/ml、1.1mg/ml、1.2mg/ml、1.3mg/ml、1.4mg/ml、1.5mg/ml、1.6mg/ml、1.7mg/ml、1.8mg/ml、1.9mg/ml、2mg/ml、2.1mg/ml、2.2mg/ml、2.3mg/ml、2.4mg/ml、または2.5mg/mlのうちのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の濃度は、少なくとも約0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、11mg/ml、12mg/ml、13mg/ml、14mg/ml、15mg/ml、16mg/ml、17mg/ml、18mg/ml、19mg/ml、20mg/ml、21mg/ml、22mg/ml、23mg/ml、24mg/ml、25mg/ml、26mg/ml、27mg/ml、28mg/ml、29mg/ml、30mg/ml、31mg/ml、32mg/ml、33mg/ml、33.3mg/ml、34mg/ml、35mg/ml、36mg/ml、37mg/ml、38mg/ml、39mg/ml、40mg/ml、50mg/ml、60mg/ml、70mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、110mg/ml、120mg/ml、130mg/ml、140mg/ml、150mg/ml、160mg/ml、170mg/ml、180mg/ml、190mg/ml、200mg/ml、210mg/ml、220mg/ml、230mg/ml、240mg/ml、または250mg/mlのうちのいずれかである。
【0077】
実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の各投与量は、対象に10日以上ごとに1回など、14日以上ごとに1回など、21日以上ごとに1回など、28日以上ごとに1回など、および35日以上ごとに1回を含む、7日以上ごとに1回投与される。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、対象に2週間ごとに1回投与される。他の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、対象に3週間ごとに1回投与される。さらに他の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、4週間ごとに1回投与される。いくつかの事例では、テロメラーゼ阻害剤の各投与量は、約0.5時間~約5時間など、約1時間~約4時間など、および約2時間~約3時間の期間を含む、約0.1時間~約6時間の期間をかけて対象に投与される。特定の事例では、テロメラーゼ阻害剤は、約2時間の期間をかけて対象に投与される。
【0078】
いくつかの実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療するための方法は、JAK阻害剤を対象に所定の時間にわたって投与することと、JAK阻害剤の投与を中断することと、JAK阻害剤の最後の用量後、所定の期間内にテロメラーゼ阻害剤を対象に投与することと、を含む。これらの実施形態では、JAK阻害剤は、約1日~約21日など、約2日~約14日など、および約2日~約7日を含む、約0日~約28日の期間にわたって投与され得る。JAK阻害剤は、1日当たり1回、1日当たり2回、1日当たり3回、または1日当たり4回投与され得る。テロメラーゼ阻害剤は、JAK阻害剤の投与を中止した後6日以内など、5日以内など、4日以内など、および3日以内を含む、JAK阻害剤の最後の用量の7日以内に対象に投与される。
【0079】
いくつかの実施形態では、骨髄増殖性腫瘍を治療するための方法は、テロメラーゼ阻害剤を対象に所定の時間にわたって投与することと、テロメラーゼ阻害剤の投与を中止することと、テロメラーゼ阻害剤の投与を中止した後、所定の期間内にJAK阻害剤を対象に投与することと、を含む。これらの実施形態では、JAK阻害剤は、約1日~約21日など、約2日~約14日など、および約2日~約7日を含む、約0日~約28日の期間にわたって投与され得る。JAK阻害剤は、1日当たり1回、1日当たり2回、1日当たり3回、または1日当たり4回投与され得る。このサイクルは、2、3、4、5、6回以上繰り返され得る。
【0080】
特定の実施形態では、方法は、対象にルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を0日~14日の期間にわたって1日当たり1回投与することと、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩の最後に投与された投与量の3日(例えば、2日、1日、または同日)以内にイメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することと、を含む。次いで、イメテルスタットまたはその薬学的に許容される塩は、これらの実施形態では、2週間ごとに1回、3週間ごとに1回、または4週間ごとに1回投与され得る。
【0081】
各薬学的組成物の投与は、約1ヶ月~約7年など、(維持療法中などの)長期間にかけて延長することができる。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤組成物およびテロメラーゼ阻害剤組成物のうちの1つ以上は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84ヶ月のうちのいずれかの期間にかけて投与され得る。他の実施形態では、JAK阻害剤組成物およびテロメラーゼ阻害剤組成物のうちの1つ以上は、対象の残りの生涯にわたって投与される。
【0082】
実施形態では、本方法を実施するために適したJAK阻害剤組成物およびテロメラーゼ阻害剤組成物は、経口、静脈内、皮下、筋肉内、局所、腹腔内、鼻腔内、吸入、または眼内投与のうちの1つ以上に製剤化され得る。本明細書に記載されるJAK阻害剤組成物およびテロメラーゼ阻害剤組成物、ならびに適切な投与量を投与するために使用される所望のプロトコルは、特定の実施形態では、有資格の医療従事者(例えば、医師)によって決定され得る。
【0083】
薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体を含み得る。薬学的に許容される賦形剤は、例えば、A.Gennaro(2000)“Remington:The Science and Practice of Pharmacy”,20th edition,Lippincott,Williams,&Wilkins、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(1999)H.C.Ansel et al.,eds 7th ed.,Lippincott,Williams,&Wilkins、およびHandbook of Pharmaceutical Excipients(2000)A.H.Kibbe et al.,eds.,3rd ed.Amer.Pharmaceutical Assoc.を含む、様々な刊行物に十分に記載されている。例えば、1つ以上の賦形剤は、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウム、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアガム、ポリ(エチレングリコール)、スクロース、またはデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、またはクエン酸カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、またはラウリル硫酸ナトリウム)、香味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシン、または橙色粉末)、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、またはプロピルパラベン)、安定剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、または酢酸)、懸濁剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、またはステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)、およびベースワックス(例えば、カカオバター、白色ワセリン、またはポリエチレングリコール)を含み得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、目的の組成物は、水性緩衝液を含む。好適な水性緩衝液としては、これらに限定されないが、約5mM~約100mMで強度が変動する酢酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、およびリン酸塩緩衝液が挙げられる。いくつかの実施形態では、水性緩衝液は、等張溶液を提供する試薬を含む。そのような試薬としては、限定されないが、塩化ナトリウム、ならびに糖、例えば、マンニトール、デキストロース、スクロースなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、水性緩衝液は、ポリソルベート20または80などの非イオン性界面活性剤をさらに含む。いくつかの事例では、目的の組成物は、防腐剤をさらに含む。好適な防腐剤としては、これらに限定されないが、ベンジルアルコール、フェノール、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる。多くの場合では、組成物は、約4℃で保存される。製剤はまた、凍結乾燥され得、その場合、それらは一般的に、スクロース、トレハロース、ラクトース、マルトース、マンニトールなどの凍結保護剤を含む。凍結乾燥された製剤は、周囲温度であっても、長期間にわたって保存することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、組成物は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、またはジャガイモデンプンなどの、他の添加剤を、結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、トウモロコシデンプン、またはゼラチンなどの結合剤と、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの崩壊剤と、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤と、ならびに必要に応じて希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、防腐剤、および香味剤とともに含む。
【0086】
組成物が注射用に製剤化される場合、組成物は、植物性または他の類似の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステル、またはプロピレングリコールなどの水性または非水性溶媒中で、必要に応じて、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤、および防腐剤などの従来の添加剤とともに、JAK阻害剤またはテロメラーゼ阻害剤を溶解、懸濁、または乳化することによって製剤化され得る。
【実施例
【0087】
以下の実施例は、当業者に本発明の作製および使用方法の完全な開示および記載を提供するために提示されており、発明者がそれらの発明とみなす範囲を限定することを意図するものではなく、また以下の実験が実施されるすべてまたは唯一の実験であることを表すことを意図するものではない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関する正確性を確保するために努力がなされているが、いくつかの実験誤差および偏差が考慮される必要がある。別段の指示がない限り、部分は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度にあり、圧力はほぼ大気圧にある。「平均」とは、算術平均を意味する。標準的な略語、例えば、bp、塩基対;kb、キロベース;pl、ピコリットル、sまたはsec、秒;min、分;hまたはhr、時間;aa、アミノ酸;kb、キロベース;bp、塩基対;nt、ヌクレオチド;i.m、筋肉内(の);腹腔内(の);s.c.、皮下(の)などが使用され得る。
【0088】
材料および方法
化合物。イメテルスタットナトリウム(GRN163L)は、配列5’-TAGGGTTAGACAA-3’で構成される5’パルミトイル化13-merチオホスホラミデートオリゴヌクレオチドである。ミスマッチオリゴヌクレオチド(MM)は、配列5’-TAGGTGTAAGCAA-3’で構成される5’パルミトイル化13-merチオホスホラミデートオリゴヌクレオチドである。両方の化合物は、Janssen Research&Development,LLC(Raritan、NJ、USA)によって提供された。ルキソリチニブ((3R)-3-シクロペンチル-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピラゾール-1-イル]プロパンニトリル)は、Selleck Chemicals LLC(Houston、TX、USA)から購入した。
【0089】
患者検体および細胞調製。単細胞懸濁液は、治療的脾臓摘出術を必要とする進行形態のMFを有する13人の患者の外科的に除去された脾臓から調製した(表1)。これらの患者の各々の変異性JAK2、CALR、およびMPLを表1に示す。臍帯血(CB)収集物は、New York Blood Centerによって提供された。CD34細胞選択キット(StemCell Technologies、Vancouver、BC、Canada)を使用して、CD34細胞を単核細胞から選択した。FACSCantoフローサイトメーターを使用して分析される90%以上の純度を有するCD34細胞を各実験で使用した。
【表1】
*各MF患者のJAK2V617F状態は、リアルタイム対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応(AS-PCR)アッセイを利用してPB顆粒球を分析することによって決定した。CALRの変異分析は、CALRの既知の変異が以前に記載されているDNAの領域を配列決定することによって実施した。AS-PCRによって、MPLW515L/K変異を検出した。WT:野生型。N/A:該当なし。
【0090】
正常またはMF脾臓CD34+細胞が移植されたNOD/SCID/IL2Rヌル(NSG)マウスを様々な薬物によって単独でまたは組み合わせて直接治療する。NSGマウスによって忍容され、正常CD34細胞の挙動に最小限の影響を及ぼしたイメテルスタット単独の用量を特定するために、8~10ドナーからのCB CD34細胞をプールし(n=3)、尾静脈を介して8~9週齢の亜致死的に照射された(240cGy)NSGマウスに移植した(5×105/マウス)。次いで、これらのマウスに、移植の1週間後、腹腔内(IP)に、5、15、30mg/kgのイメテルスタットまたはMMを4~8週間にわたって毎週3回注射した。イメテルスタットまたはMM投与の中止から2~3ヶ月後、マウスを屠殺し、大腿骨、脛骨、上腕骨の骨髄(BM)から細胞を回収した。ヒト(h)CD45、CD41a、およびCD34細胞の存在を、mAb染色およびフローサイトメトリー分析によって決定した。
【0091】
MF HSCに対するイメテルスタットの効果を調べるために、MF脾臓CD34細胞(3~5×10/マウス、n=3)は、NSGマウスへのそれらの移植が利用された4ヶ月後に著しい程度のヒト細胞キメラ現象を達成することが示された。これらの脾臓からのCD34+細胞をNSGマウスに移植し、1週間後、イメテルスタットまたはMMによって15mg/kgの用量で4週間治療した。薬物治療の中止から3ヶ月後、レシピエントマウスのBM中の様々なヒト造血細胞系統に属する細胞の存在を定量化した。加えて、レシピエントマウスのBM中のhCD45細胞を、FACSAria細胞選別機を使用して選択した。85.1%の顆粒球JAK2V617F対立遺伝子負荷を有する患者からの脾臓CD34細胞を受けるマウス由来の選択されたhCD45細胞のゲノムDNA中に存在するJAK2V617F/JAK2合計のパーセンテージを、対立遺伝子判別法での定量的リアルタイム(RT)-ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて決定した。hCD45細胞がマウスBM中の有核細胞の0.1%以上で存在した場合、ヒト生着はNSGマウスにおいて生じたものとして認められた。
【0092】
Ruxおよびイメテルスタット単独ならびに組み合わせでのインビボ試験を、図1に示されるように行った。12ドナーからのCB CD34+細胞(n=1)(2.5×10/マウス)またはMF HSCに対するイメテルスタット単独治療の効果について評価された2人の患者からのMF脾臓CD34細胞(3~5×10/マウス)を、尾静脈を介して8~9週齢の亜致死的に照射された(240cGy)NSGマウスに移植した。移植の1週間後、移植されたマウスを2~3匹のマウスの8つの治療コホートに無作為に分け、以下のように治療した。群1:Rux単独、群2:イメテルスタットまたはMM単独、群3:同時RuxおよびイメテルスタットまたはMM(Rux+Ime)、群4:Rux、続いてイメテルスタットまたはMM(Rux→ImeまたはMM)、群5:ビヒクル単独。Ruxは、45mg/kgの用量で1週間にわたって強制経口投与によって1日1回与え、イメテルスタットまたはMMは、4週間にわたって10mg/kgのI.P.注射によって1週間に3回与えた。移植の4ヶ月後、マウスを屠殺し、上記のように分析した。
【0093】
ウェスタンブロッティング。主要CBおよび脾臓MF CD34細胞を溶解した。次いで、タンパク質溶解物を、以前に記載されたように4~20%のSDS-PAGEによって分析した。ウサギ抗hTERT、および対応するHRPコンジュゲート二次抗体をCell Signaling Technology,Inc.,(Danvers,MA)から調達した。タンパク質を、増強された化学発光検出(ECL、Amersham Pharmacia Biotech、Piscataway,NJ)によって可視化した。
【0094】
テロメラーゼ活性(TA)アッセイ。定量的テロメラーゼ検出キットを利用して、TAを測定した。TAを、テロメア特異的配列オリゴヌクレオチド基質の存在下でテロメア反復合成を監視することによって、0.01~0.1μgの細胞溶解物中で測定した。次いで、新たに合成されたDNAをPCRによって検出した。結果を、得られたPCR生成物への結合から生じるSYBR緑色蛍光の検出に必要なリアルタイムPCR閾値サイクル(C)の数としてプロットした。熱不活化テロメラーゼを、各実験条件下での細胞抽出物の陰性対照として使用した。増加したTAは、より少ないPCRサイクル(C)を必要とした、増加した二本鎖DNA合成と関連付けられた(例えば、C数が低いほど、TAが高い)。
【0095】
テロメラーゼ長分析。テロメア長の分析のために、フロー蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(Flow-FISH)をフローサイトメトリーのためのテロメアPNAキット/FITCで行った。同数の原発性MFまたは正常CB CD34+細胞を、FITCコンジュゲートペプチド核酸(PNA)テロメアプローブを含まないハイブリダイゼーション溶液の存在下またはプローブを含有するハイブリダイゼーション溶液中のいずれかで、マイクロ遠心チューブにおいて再懸濁させた。チューブを、82℃に調整された予熱加熱ブロック中に10分間配置し、試料DNAを変性させた。次いで、プローブがTTAGGGテロメア反復とハイブリダイズするために、チューブを室温(RT)で一晩暗所に置いた。ハイブリダイゼーションに続いて、40℃の洗浄溶液を用いた2回の10分のハイブリダイゼーション後洗浄を行った。最後の洗浄ステップ後、細胞をCD34およびCD38mAbで染色し、DNA溶液とともに2~3時間インキュベートした後、フローサイトメトリー分析を行った。各試料からのCD34、CD34CD38、およびCD34CD38細胞のテロメア蛍光強度(TFI)を以下のように計算した:TFI=プローブを伴わないFITC-PNAのプローブ-MFIを伴うFITC-PNAの平均蛍光強度(MFI)。TFIが高いほど、テロメアが長くなる。
【0096】
Ruxおよびイメテルスタット単独および組み合わせの用量を用いたMFおよび正常CD34細胞の治療。インビトロ試験は、CB CD34細胞の数が、様々な用量のRux(50~500nM)での治療後に限られた程度までのみ減少したが、MF脾臓CD34+細胞の絶対数が用量依存的に減少したことを示す。MF CD34細胞増殖およびCFU-GM形成の50%阻害は、150nMのRuxを使用することによって達成された。これらの観察およびイメテルスタットのインビトロ試験からの結果に基づいて、50nMのRuxおよび1.8μMのイメテルスタットが選択され、これら2つの薬物の順次または同時併用が、MF HSC/HPCに対する付加的または相乗的な効果を有したかを決定した。図2はインビトロ併用試験設計の概略図を示し、図3は薬物治療戦略を示す。簡潔に、CB(n=3)またはMF(JAK2V617F、n=3、JAK2V617F、n=4)(2.5×10/mL)CD34細胞を、3日間Rux(50nM)単独、または7日(短期治療)もしくは14日(長期治療)間イメテルスタット(1.8uM)単独の存在下で、50ng/mlのSCF、100ng/mlのFLT-3リガンド(FLT-3L)、100ng/mlのTPO、および50ng/mlのIL-3(Gemini Bio-Products)が補充された無血清増殖培地(SFEM、StemCell Technologies)中でインキュベートした。同時併用治療のために、CD34細胞をRuxおよびイメテルスタットに3日間曝露し、洗浄した。次いで、細胞を再度イメテルスタットにさらに4日または11日間曝露した。順次併用治療のために、CD34細胞を、Rux単独の存在下で3日間、続いてイメテルスタット単独で7日または14日間インキュベートした。イメテルスタットを含有する3つの治療戦略について、細胞にイメテルスタットを合計3回投与した。Rux単独治療の3日後、およびイメテルスタットによる各治療の7日または14日後に、細胞を数え、CD34、系統カクテル、およびCD15mAbで染色し、フローサイトメトリーで分析した。培養物中で生成されたLinCD34(表現型的に定義されたHSC/HPC)およびCD15CD34(骨髄)細胞の絶対数は、合計生存細胞数にCD34LinおよびCD15CD34細胞のパーセンテージを乗じることによって計算した。加えて、MMまたはビヒクル単独が添加された並列培養を行った。
【0097】
HPCアッセイ。上記培養物から採取された細胞の画分も、製造業者の指示(StemCell Technologies)に従ってサイトカインカクテルが添加されたメチルセルロース中で分析した。コロニーの数は、12~14日のインキュベーション後に数えた。個々のCFU-GMコロニー(20~38コロニー/治療群/患者)を取り出し、ネステッド対立遺伝子特異的PCRを使用してJAK2V617Fの存在について分析した。次いで、JAK2V617F+CFU-GMのパーセンテージを決定した。
【0098】
統計分析。結果は、平均±SDとして報告される。両側スチューデントt検定を用いて、統計学的有意性を決定した。すべてのP値は両側であり、0.05未満のP値は有意であると考えられた。
【0099】
結果および考察
Ruxと組み合わされたイメテルスタットによる順次治療は、MF HSCおよびHPCに対する付加的な阻害活性を有する。図4~5に示されるように、Rux単独(50nM)、イメテルスタット単独(1.8μM)、これらの薬物の組み合わせの同時または順次の短期(図4)または長期(図5)のいずれの用量も、正常な表現型的に定義されたCB HSC、ならびに機能的に定義されたHPC産生および正常な骨髄細胞の生成の数に影響を及ぼさなかった。これらの2つの薬物単独および組み合わせの効果を、MF HSC/HPC上で評価した。図6~7に示されるように、Rux単独は、脾臓MF CD34細胞の培養物中で生成されたアッセイ可能なHPCの数(CFU-GM+BFU-E+CFU-GEMM、P=9.69E-06、図6~7、パネルB)および成熟骨髄細胞の数(図6~7、パネルC、P=0.001)を低減した。しかしながら、短期イメテルスタット単独でも、短期同時または順次薬物併用治療でも、表現型的に定義されたMF HSC、機能的に定義されたHPC産生および骨髄細胞生成の数に影響を与えなかった。50nM用量のRux、続いて1.8μM用量のイメテルスタットを用いた脾臓MF CD34細胞の順次長期治療は、対照的に、LinCD34細胞、アッセイ可能なHPC、および成熟骨髄細胞の数の有意な低減をもたらした(図7)。そのような順次併用治療は、MF LinCD34細胞(P=0.001対Rux単独、P=0.059対イメテルスタット単独、図7、パネルA)およびアッセイ可能なHPC(P=0.02対Rux単独、P=0.05対イメテルスタット単独、図7、パネルB)の産生を、いずれかの薬物単独治療よりもさらに大きな程度に抑制した。同じ薬物併用での順次長期治療に曝露された培養物中で生成されたCD15CD34細胞の数は、Rux単独またはイメテルスタット単独の存在下で培養物中で生成されたものと同様の程度に低減した(図6、パネルC、図7、パネルC)。しかしながら、LinCD34細胞およびアッセイ可能なHPCに対するそのような阻害効果は、同じ薬物併用での長期同時治療を受けた培養物において観察されなかった(図7)。これらの発見は、Rux、続いてイメテルスタットでの順次治療が、表現型的に定義されたMF HSCおよび機能的に定義されたMF HPCに対する付加的な阻害効果をもたらすが、それらの正常な対応物には影響しないことを示す。そのような併用治療が、変異体MF HPCに選択的に影響を及ぼしたかを決定するために、生成された個々のCFU-GMコロニーを選択し、JAK2V617Fの存在について遺伝子型決定した。図8に示されるように、Ruxおよびイメテルスタットを用いたSP7 CD34細胞の順次長期併用治療は、JAK2V617F骨髄前駆体のパーセンテージ(ビヒクル単独:94.2%、Rux→MM:88.9%、Rux→イメテルスタット:75%、図8、パネルA)および絶対数(ビヒクル単独:Rux→MM:50.3%、Rux→イメテルスタット:22.7%、図8、パネルB)の両方において低減をもたらし、これはイメテルスタット単独(ビヒクル単独に対して:72.4%、図8、パネルB)または同時併用治療(ビヒクル単独に対して:60.3%、図8、パネルB)よりもさらに低かった。JAK2V617F骨髄前駆体の絶対数の低減は、別の患者細胞(Pt13、ビヒクル単独と比較した絶対数:Rux→MM:97.5%、Rux→イメテルスタット:44.1%、図8、パネルC)でも見られた。これらの発見は、Rux、続いてイメテルスタットでの順次治療によって、悪性MF HPCに対する付加的な阻害活性を達成することができることを示す。
【0100】
イメテルスタットおよびRuxによる順次併用治療は、MF SRCに対する付加的な阻害活性を有する。イメテルスタット(10mg/kg)およびRux(45mg/kg)による併用治療が、CBまたはMF CD34細胞が移植されたNSGマウスをこれら2つの薬物で直接治療することによって、正常またはMF HSCに対する付加効果を有したかの評価を行った。図9、パネルAおよびDは、これらの薬物単独または組み合わせでの治療後のCB CD34細胞が移植されたマウスの骨髄に存在するhCD45図9、パネルA)およびhCD34細胞(図9、パネルD)のFACSプロットを示す。これらの治療は、正常なCB移植片を受けたレシピエントマウスの骨髄(図9、パネルB、E)および脾臓(図9、パネルC、F)におけるhCD45細胞キメラ現象およびhCD34+細胞生成の程度を低減しなかったか、または軽度の低減をもたらしただけである。対照的に、同等の用量のRuxおよびイメテルスタットを用いたPt5からの脾臓CD34細胞が移植されたマウスの同時および順次併用治療の療法は、いずれかの薬物単独治療と比較して、骨髄(図10、パネルB)および脾臓(図10、パネルC)におけるhCD45細胞の絶対数のより大きな低減をもたらした。また、順次併用治療は、同時併用治療よりもさらに大きなhCD45細胞の数の低減をもたらした(図10、パネルB~C)。さらに、Pt5 CD34細胞が移植されたマウスの骨髄において、いずれかの薬物単独治療と比較して順次であるが同時ではない併用治療で、hCD34細胞の絶対数のより大きな低減が観察された(図10、パネルE)。Pt5からの移植片が移植されたマウスの脾臓においてhCD34細胞が検出されなかったため、移植されたマウスの脾臓におけるhCD34細胞に対するこれらの治療の効果を評価することができなかった。順次併用治療によるMF SRCの枯渇は、別の患者、Pt10(図11)からの脾臓CD34細胞を受けるマウスにおいても達成されたが、いずれかの薬物単独での治療は、この患者からのMF SRCに対する限定された阻害効果を有した。これらの発見は、Rux、続いてイメテルスタットの用量での順次治療が、MF長期HSCの枯渇において少なくとも付加的な活性を有することを示す。この同じ順次薬物スキーマは、正常なHSC機能に影響を与えなかった。加えて、図12A~12Bに示されるように、各薬物の用量での順次併用治療は、同じ用量(10mg/kg)のイメテルスタット単独を受けるマウスと比較して、正常(図12A)またはMF脾臓CD34+細胞(図12B)のいずれかを受けるマウスにおける体重の同様の低減をもたらした。まとめて、これらの観察は、Rux、続いてイメテルスタットによる順次治療が、許容される毒性プロファイルを有するMF幹細胞を排除することができる有効な治療戦略を表すことを示す。
【0101】
前述の発明は、理解を明確にする目的のために例示および例としていくらか詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、特定の変更および修正が行われ得ることが本発明の教示に照らして当業者には容易に明らかである。
【0102】
したがって、前述は、発明の原理を例示するにすぎない。当業者は、本明細書に明示的に記載または示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨および範囲内に含まれる、様々な構成を考案することができるであろうことが理解されるであろう。さらに、本明細書に列挙されるすべての例および条件付き言語は、主に、本発明の原理および発明者によって当該技術分野を促進するために寄与される概念を読者が理解するのを支援することを意図しており、そのような具体的に列挙される例および条件への限定を含まないものとして解釈されるべきである。また、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにそれらの特定の例を列挙する本明細書におけるすべての記述は、それらの構造的および機能的等価物の両方を包含することが意図される。加えて、そのような等価物は、現在既知の等価物および将来開発される等価物の両方、すなわち、構造にかかわらず、同じ機能を行う任意の開発される要素を含むことが意図される。また、本明細書に開示されるいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲で明示的に列挙されるかにかかわらず、公衆に提供されることを意図しない。
【0103】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、記載される例示的な実施形態に限定されることが意図されるものではない。むしろ、本発明の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲では、米国特許法第112条(f)または米国特許法第112条(6)は、特許請求の範囲における特徴について、特許請求の範囲においてそのような特徴の最初に正確な句「~のための手段」または正確な句「~のためのステップ」が列挙される場合にのみ、援用されると明示的に定義され、そのような正確な句が特許請求の範囲において特徴に使用されない場合、米国特許法第112条(f)または米国特許法第112条(6)は援用されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9-1】
図9-2】
図10-1】
図10-2】
図10-3】
図11
図12A
図12B
【配列表】
2023500326000001.app
【国際調査報告】