(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-05
(54)【発明の名称】ツカレソール誘導体及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 209/20 20060101AFI20221223BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221223BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20221223BHJP
A61K 39/00 20060101ALI20221223BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221223BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221223BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20221223BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20221223BHJP
A61K 31/192 20060101ALI20221223BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20221223BHJP
A61K 31/4164 20060101ALI20221223BHJP
A61K 31/40 20060101ALI20221223BHJP
A61K 31/7008 20060101ALI20221223BHJP
A61K 31/235 20060101ALI20221223BHJP
A61K 31/7034 20060101ALI20221223BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20221223BHJP
C07D 233/64 20060101ALI20221223BHJP
C07D 207/09 20060101ALI20221223BHJP
C07H 5/04 20060101ALI20221223BHJP
C07H 15/203 20060101ALI20221223BHJP
C07C 235/42 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
C07D209/20 CSP
A61P35/00
A61P37/04
A61K39/00 H
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K39/395 T
A61K45/06
A61K31/192
A61K31/404
A61K31/4164
A61K31/40
A61K31/7008
A61K31/235
A61K31/7034
A61K31/496
C07D233/64 101
C07D207/09
C07H5/04
C07H15/203
C07C235/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526841
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(85)【翻訳文提出日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 US2020059722
(87)【国際公開番号】W WO2021096811
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】201911094713.8
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517282078
【氏名又は名称】ビヨンドスプリング ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,チェンジアン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ラン
(72)【発明者】
【氏名】トンラ,ジェームス アール.
【テーマコード(参考)】
4C057
4C084
4C085
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C057AA17
4C057AA18
4C057CC03
4C057DD01
4C057JJ23
4C084AA19
4C084AA22
4C084AA23
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB091
4C084ZB092
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C085AA03
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC23
4C085DD61
4C085EE03
4C085GG01
4C085GG08
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC07
4C086BC13
4C086BC38
4C086BC49
4C086EA02
4C086EA08
4C086GA07
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB09
4C086ZB26
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA21
4C206DB15
4C206DB43
4C206KA17
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA05
4C206ZB26
4C206ZC75
4H006AA01
4H006AB20
(57)【要約】
本明細書で開示されるのは、ツカレソール誘導体化合物及びそれを含む組成物である。又、本明細書では、ツカレソール誘導体化合物を投与することにより、又はツカレソール誘導体化合物と1つ以上の追加的な薬剤を共投与することにより、対象の免疫反応を増強する方法が開示される。又、本明細書では、癌治療のための又は対象者の免疫反応を増強する、医薬の製造における、ツカレソール誘導体化合物及びそれを含む組成物の使用も開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の構造:
【化1】
(式中、
R
1は、-COOH、-COOR
1a、-COO(CH
2)
mC(O)NR
1aR
2a、-CONHR
1b、-COR
4、又は-CONH(CH
2)
mCOOR
2b;
R
2は、-CH(O)又は-CH(=NOR
1a);
R
3は、H、-C(O)R
1a、置換されていてもよいC
1-10アルキル、置換されていてもよいC
2-10アルケニル、置換されていてもよいC
2-10アルキニル、置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよい5~6員単糖環、置換されていてもよいC
6-10アリール又は置換されていてもよい5~10員へテロアリールであり;
R
4は、N-末端アミンを介して結合したアミノ酸残基であり;
各R
1a、R
2a、R
1b及びR
2bは、独立して、-H、ハロゲン、-OH、-COOH、-COO(C
1-4アルキル)、置換されていてもよいC
1-10アルキル、置換されていてもよいC
2-10アルケニル、置換されていてもよいC
2-10アルキニル、置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよい5~6員単糖環、置換されていてもよいC
6-10アリール、あるいは置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールから選ばれ;及び
mは0~3の整数である。)を有する化合物;
又はその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項2】
式(II)の構造:
【化2】
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項3】
式(III)の構造:
【化3】
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項4】
R
1が-CONHR
1bであり、R
1bが置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリ
ル、又は置換されていてもよい5~6員単糖環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R
1bがデオキシグルコースである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R1
bが、
【化4】
である、請求項4又は5に記載の化合物。
【請求項7】
R
2が-CH(=NOR
1a)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R
2が-CH(=NOH)である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
R
1aがC
1-6アルキルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
R
1aが、エチル、ブチル、セチル、デシル又はドデシルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
R
1が-COR
4である請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
R
4が、L-アミノ酸残基である、請求項に11に記載の化合物。
【請求項13】
R
4が、L-Lys又はL-Glu残基である、請求項11又は12に記載の化合物。
【請求項14】
R
4が、Gly、Ala、PHe、Tyr、Glu、Leu、Ser、Arg、Gln、Val、Lys、Thr、Asn、Met、Cys、Trp、Asp、His、Pro、又はIleから選ばれるアミノ酸残基である、請求項11又は12に記載の化合物。
【請求項15】
R
1が、-CONHCH(COOH)(CH
2)
nR
5であり、nが0~5の整数であり、及びR
5が、-H、-OH、-COOH、-COO(C
1-4アルキル)、-NHC(=NH)NH
2、置換されていてもよいC
1-10アルキル、置換されていてもよいC
2-10アルケニル、置換されていてもよいC
2-10アルキニル、置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよい5~6員単糖環、置換されていてもよいC
6-10アリール、又は置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
nが0~3の整数である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
R
5がH、メチル、フェニル、
【化5】
-COOH、-CH(CH
3)
2、-OH、-OCH
3、-NHC(=NH)NH
2、-CONH
2、-CH(CH
3)
2、-NH
2、-SH、-SCH
3、-CH(CH
3)(
CH
2OH)、インドリル、-CH(CH
3)(CH
2CH
3)、イミダゾリル又はピロリジニルである、請求項15又は16に記載の化合物。
【請求項18】
R
3が、アシル、D-グルコース、2-デオキシ-D-グルコース、D-リボース、又は2-デオキシ-D-リボースである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
R
3が、
【化6】
である、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
前記化合物が、
【化7】
【化8】
から選択される請求項1に記載の化合物、又はその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物又はその薬剤的に許容可能な塩と、少なくとも薬剤的に許容可能な担体又は賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項22】
1つ以上の追加的な薬剤をさらに含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む、請求項21又は22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤の各々が、独立して、PD-1、PD-Ll、PD-L2、PD-L3、PD-L4、CTLA-4、LAG3、B7-H3、B7-H4、KIR又はTIM3の阻害剤である、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
プリナブリンをさらに含む、請求項21~24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
1つ以上の追加の化学療法剤をさらに含む、請求項21~25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
1つ以上の薬剤的に許容可能な賦形剤をさらに含む、請求項21~26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
対象における癌を治療する医薬品の製造における、請求項1~20までのいずれか一項記載の化合物又はその薬剤的に許容可能な塩の使用。
【請求項29】
対象の免疫反応を増強する医薬品の製造における、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物又はその薬剤的に許容可能な塩の使用。
【請求項30】
癌被験体における免疫反応を増強する医薬品の製造における、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬剤的に許容可能な塩又は請求項21~27のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項31】
対象にワクチン又は免疫を投与する、請求項28~30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
前記対象に1つ以上の追加的な薬剤を投与する、請求項28~31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項33】
前記対象に1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤を投与する、請求項28~32のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1、PD-Ll、PD-L2、PD-L3、PD-L4、CTLA-4、LAG3、B7-H3、B7-H4、KIR又はTIM3の阻害剤である、請求項33に記載の使用。
【請求項35】
前記対象にプリナブリンを投与する、請求項28~34のいずれか一項に記載の使用。
【請求項36】
前記対象に1つ以上の追加の化学療法剤を投与する、請求項28~35のいずれか一項に記載の使用。
【請求項37】
前記対象に放射線療法を施す、請求項28~36のいずれか一項に記載の使用。
【請求項38】
式(A-1)R-Hの化合物を、式A-2の化合物:
【化9】
(式中、R-Hはアミノ酸、D-グルコサミン、アルコール又はヒドロキシルアミンであり;RはR-Hの脱プロトン化により生成するラジカルであり;そしてR
3はH又はC
1-6アルキルである。)
と反応させることを含む、式(II-A)の化合物:
【化10】
の製造方法。
【請求項39】
R-Hが、Gly、Ala、PHe、Tyr、Glu、Leu、Ser、Arg、Gln、Val、Lys、Thr、Asn、Met、Cys、Trp、Asp、His、Pro、又はIleから選択されるアミノ酸である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
R-HがD-グルコサミン、メタノール、又はヒドロキシルアミンである、請求項38に記載の方法
【請求項41】
R
3がHである、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
ツカレソールをNH
2-OR
aと反応させることを含み、R
aはH又はC
1-6アルキルである、式(II-B)の化合物:
【化11】
の製造方法
【請求項43】
ツカレソール上の前記カルボン酸基を保護し、式(A-3)の化合物:
【化12】
を形成すること、及び
前記式(A-3)の化合物中の水酸基をエステルに変換し、次いで加水分解を経て式(II-C)の化合物を形成することを含み、R’はアシル、D-グルコース、2-デオキシ-D-グルコース、D-リボース、又は2-デオキシ-D-リボース、及びRbはC
1-6アルキルである、式(II-C)の化合物を調製する方法。
【請求項44】
R’が
【化13】
である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
Rbがメチルである、請求項43又は44に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本特許出願は、2019年11月11日に出願された中国出願第201911094713.8号明細書に対する優先権の利益を主張するものである。前述の出願の全ては、全ての目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、化学及び医学の分野に関する。より詳細には、本開示は、ツカレソール誘導体化合物、並びにその製造方法及び使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ヒトの癌は、多数の遺伝子及び後成的エピジェネティックな変化を示し、免疫系によって認識され得る新抗原を生成する(Sjoblomら、2006)。Tリンパ球及びBリンパ球からなる適応免疫系は、多様な腫瘍抗原に反応する幅広い能力と絶妙な特異性を有し、強力な抗癌作用を呈し得る。
【0004】
感染症や癌などの疾患に対する細胞応答を強める免疫モデルを開発する継続的必要性が存在する。したがって、免疫モジュレーター及び特異的免疫チェックポイント阻害剤を開発する試みが始まっており、進行性黒色腫患者を治療するための、細胞障害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)に結合及び阻害する抗体である、イピリムマブの開発などの、癌治療の新しい免疫療法アプローチがもたらされつつある。又、抗PD-1抗体であるニボルマブ及びペムブロリズマブは、メラノーマ、NSCLC及び腎臓癌の治療薬として承認されているが、これらの治療薬に対する患者の応答は限定的なものであった。特に、癌患者の癌細胞に対する免疫反応を高められる有効な治療薬の開発が求められている。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態は、式(I)の構造を有する化合物に関する。
【化1】
ここで、式中、
R
1は、-COOH、-COOR
1a、-COO(CH
2)
mC(O)NR
1aR
2a、-CONHR
1b、-COR
4、又は-CONH(CH
2)
mCOOR
2b;
R
2は、-CH(O)又は-CH(=NOR
1a);
R
3は、H、-C(O)R
1a、置換されていてもよいC
1-10アルキル、置換されていてもよいC
2-10アルケニル、置換されていてもよいC
2-10アルキニル、置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよい5~6員単糖環、置換されていてもよいC
6-10アリール又は置換されていてもよい5~10員へテロアリールであり;
R
4は、N-末端アミンを介して連結したアミノ酸残基であり;
各R
1a、R
2a、R
1b及びR
2bは、独立して、-H、ハロゲン、-OH、-COOH、-COO(C
1-4アルキル)、置換されていてもよいC
1-10アルキル、置換されていてもよいC
2-10アルケニル、置換されていてもよいC
2-10アルキニル、置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシ
クリル、置換されていてもよい5~6員単糖環、置換されていてもよいC
6-10アリール、あるいは置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールから選ばれ;
mは0~3の整数である。
【0006】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載される化合物と、少なくとも薬剤的に許容可能な担体又は賦形剤とを含む医薬組成物に関するものである。いくつかの実施形態は、治療上有効な量の本明細書に記載の化合物と、薬剤的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0007】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物又は組成物を投与することを含む、対象者における免疫反応を増強する方法に関するものである。
【0008】
いくつかの実施形態は、癌を治療する方法であって、本明細書に記載の化合物又は組成物を、治療を必要とする対象者に投与することを含む、方法に関するものである。
【0009】
いくつかの実施形態は、癌患者における免疫反応を増強する方法であって、本明細書に記載の化合物又は組成物を投与することを含む方法に関するものである。
【0010】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物又は組成物を使用して、免疫反応を刺激する方法、免疫原の免疫原性を高める方法、及び感染症、自己免疫疾患、アレルギーを治療する方法に関するものである。
【0011】
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物を、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と共投与することによって、癌に対するT細胞活性化の共刺激をもたらす方法に関する。いくつかの実施形態は、式(I)の化合物を、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と共投与することによって、癌に対するナチュラルキラー細胞の共刺激をもたらす方法に関する。
【0012】
いくつかの実施形態は、対象者における癌を治療する医薬品の製造における、本明細書に記載の化合物又は組成物の使用に関するものである。
【0013】
いくつかの実施形態は、対象者における免疫反応を増強する医薬品の製造における、本明細書に記載の化合物又は組成物の使用に関する。
【0014】
いくつかの実施形態は、癌患者における免疫反応を増強する医薬品の製造における、本明細書に記載の化合物又は組成物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】
図1Aは、ツカレソールの静脈内投与(IV)(3mg/kg)後、又は経口投与(PO)(10mg/kg)後の血漿ツカレソールレベルを示すグラフである。
【
図1B】
図1Bは、化合物C02の静脈内投与(IV)(3mg/kg)後、又は経口投与(PO)(10mg/kg)後の血漿ツカレソールレベルを示すグラフである。
【
図1C】
図1Cは、化合物C01の静脈内投与(IV)(3mg/kg)後、又は経口投与(PO)(10mg/kg)後の血漿ツカレソールレベルを示すグラフである。
【
図1D】
図1Dは、化合物C02-1の静脈内投与(IV)(3mg/kg)後、又は経口投与(PO)(10mg/kg)後の血漿ツカレソールレベルを示すグラフである。
【
図2A】
図2A及び
図2Bは、それぞれ、マウス肝癌モデルにおけるツカレソール及び化合物C02の有効性試験の結果を示すグラフである。
図2Aは、第1群~第5群(1日1回、5日間投与)の治療結果を示している。
【
図2B】
図2A及び
図2Bは、それぞれ、マウス肝癌モデルにおけるツカレソール及び化合物C02の有効性試験の結果を示すグラフである。
図2Bは、第6群~第10群(隔日投与、11回投与)の結果を示している。
【
図3A】
図3A及び
図3Bは、それぞれ、MC38マウス大腸癌モデルにおけるツカレソール群、抗PD1群、及び抗CTLA4群の各種用量での阻害活性を示すグラフである。
【
図3B】
図3A及び
図3Bは、それぞれ、MC38マウス大腸癌モデルにおけるツカレソール群、抗PD1群、及び抗CTLA4群の各種用量での阻害活性を示すグラフである。
【
図4A】
図4A及び
図4Bは、それぞれ、MC38マウス大腸癌モデルにおいて、化合物C02及び抗PD1を組み合わせて、様々な容量で投与した場合の腫瘍成長及び生存率を示すグラフである。
【
図4B】
図4A及び
図4Bは、それぞれ、MC38マウス大腸癌モデルにおいて、化合物C02及び抗PD1を組み合わせて、様々な容量を投与した場合の腫瘍成長及び生存率を示すグラフである。
【
図5A】
図5A及び
図5Bは、それぞれ、化合物C02及び抗PD1組み合わせた場合の経時的な腫瘍成長を示すグラフである。
【
図5B】
図5A及び
図5Bは、それぞれ、化合物C02及び抗PD1組み合わせた場合の経時的な腫瘍成長を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。すべての特許、出願、公開されたアプリケーション、及び他の出版物は、その全体が参照により援用される。本明細書における用語の定義が複数ある場合、特に断らない限り、本項における定義が優先される。
【0017】
「溶媒和物」とは、溶媒と本明細書に記載の化合物又はその塩との相互作用によって形成される化合物を指す。好適な溶媒和物は、水和物などの薬剤的に許容可能な溶媒和物である。
【0018】
「薬剤的に許容可能な塩」という用語は、ある化合物を薬剤として使用するにあたり、生物学的でないか、さもなくば望ましくない特性の中で、生物学的効果と特性とを保持する塩を意味する。多くの場合、本明細書に開示の化合物は、アミノ基及び/又はカルボキシル基又はそれに類似する基の存在により、酸及び/又は塩基塩を形成することが可能である。薬剤的に許容可能な酸付加塩は、無機酸及び有機酸で形成され得る。塩の由来となり得る無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。塩の由来となり得る有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等を挙げることができる。又、無機塩基及び有機塩基を用いて、薬剤的に許容可能な塩を形成することもできる。塩の由来となり得る無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含む塩基が挙げられ、特に好ましいのは、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の化合物を無機塩基で処理すると、化合物から不安定な水素が失われ、Li+、Na+、K+、Mg2+及びCa2+等の無機カチオンを含む塩の形態が得られる。塩の由来となり得る有機塩基としては、例えば、1級、2級、3級アミン、天然に存在する置換アミンなどの置換アミン、環状アミン、塩基性イオ
ン交換樹脂等、具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン等を挙げることができる。このような塩の多くは、国際公開第87/05297号パンフレット、Johnstonら
、1987年9月11日公開(参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されているように、当技術分野で既知である。
【0019】
本明細書で使用する場合、「a」及び「b」が整数である「Ca~Cb」又は「Ca-b」は、指定された基の炭素原子の数を意味する。すなわち、その基は、「a」~「b」まで、包括的に、炭素原子を含むことができる。したがって、例えば、「C1~C4アルキル」又は「C1-4アルキル」基は、1~4個の炭素を有するすべてのアルキル基、すなわち、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH(CH3)-、(CH3)2CH2-、及び(CH3)3C-を意味する。
【0020】
本明細書で使用する用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、元素周期表第7列の放射性安定原子のいずれか1つ、例えば、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味し、フッ素及び塩素が好ましい。
【0021】
本明細書で使用する場合、「アルキル」は、完全に飽和している(すなわち、二重結合又は三重結合を含まない)直鎖又は分枝状の炭化水素鎖を指す。アルキル基は、1~20個の炭素原子を有していてもよい(本明細書に登場するときはいつでも、「1~20」のような数値範囲は、与えられた範囲内の各整数を指す;例えば、「1~20個の炭素原子」は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等から、最大20個の炭素原子からなっていてよいことを意味するが、本発明の定義では、数値範囲を指定しない用語「アルキル」が出てきた場合でもその対象とする。)。アルキル基は又、1~9個の炭素原子を有する中級アルキルであってもよい。アルキル基は又、1~4個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。アルキル基を、「C1-4アルキル」又は類似の呼称で指定してもよい。例としてのみ挙げるが、「C1-4アルキル」は、アルキル鎖中に1~4個の炭素原子があることを示し、すなわち、アルキル鎖を、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、及びt-ブチルからなる群から選択することを示す。代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書において、「アルコキシ」は、式-ORを指し、ここでRは上記で定義されるアルキルであり、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、iso-ブトキシ、sec-ブトキシ及びtert-ブトキシ等の「C1-9アルコキシ」が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書において、「アルキルチオ」は、式-SRを指し、ここでRは上記で定義されるようなアルキルであり、例えばメチルメルカプト、エチルメルカプト、n-プロピルメルカプト、1-メチルエチルメルカプト(イソプロピルメルカプト)、n-ブチルメルカプト、iso-ブチルメルカプト、sec-ブチルメルカプト、tert-ブチルメルカプト等の「C1-9アルキルチオ」が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用する場合、「アルケニル」は、1つ以上の二重結合を含む直鎖又は分枝状の炭化水素鎖を意味する。数値範囲が指定されていない「アルケニル」という用語が出てきた場合でも、アルケニル基は2~20個の炭素原子を有していてもよい。アルケニル基は、2~9個の炭素原子を有する中級アルケニルであってもよい。アルケニル基は、2~4個の炭素原子を有する低級アルケニルであり得る。アルケニル基を、「C2-4アルケニル」又は同様の呼称で指定してもよい。例としてのみ挙げるが、「C2-4アルケニ
ル」は、アルケニル鎖中に2~4個の炭素原子があることを示し、すなわち、アルケニル鎖は、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、プロペン-3-イル、ブテン-1-イル、ブテン-2-イル、ブテン-3-イル、ブテン-4-イル、1-メチルプロペン-1-イル、2-メチルプロペン-1-イル、1-エチルエテン-1-イル、2-メチルプロペン-3-イル、ブタ-1,3-ジエニル、ブタ-1,2,-ジエニルおよびブタ-1,2-ジエン-4-イルから成る群から選ばれる。代表的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
本明細書で使用する場合、「アルキニル」は、1つ以上の三重結合を含む直鎖又は分枝状の炭化水素鎖を指す。数値範囲が指定されていない「アルキニル」という用語が出てきた場合でも、アルキケニル基は2~20個の炭素原子を有していてもよい。アルキニル基は又、2~9個の炭素原子を有する中級のアルキニルであってもよい。アルキニル基は又、2~4個の炭素原子を有する低級アルキニルであってもよい。アルキニル基を、「C2-4アルキニル」又は同様の呼称で指定してもよい。例としては、「C2-4アルキニル」は、アルキニル鎖中に2~4個の炭素原子があることを示し、すなわち、アルキニル鎖は、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル、ブチン-1-イル、ブチン-3-イル、ブチン-4-イル、及び2-ブチニルからなる群から選ばれることを示す。典型的なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、及びヘキシニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
本明細書で使用する場合、「ヘテロアルキル」は、鎖骨格中に1つ以上のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素及び硫黄などの、炭素以外の元素を含む直鎖又は分枝炭化水素鎖を意味する。数値範囲が指定されていない「ヘテロアルキル」という用語が出てきた場合でも、ヘテロアルキル基は1~20個の炭素原子を有していてもよい。ヘテロアルキル基は、1~9個の炭素原子を有する中級のヘテロアルキル基であってもよい。ヘテロアルキル基は、1~4個の炭素原子を有する低級ヘテロアルキル基であってもよい。ヘテロアルキル基を、「C1-4ヘテロアルキル」又は類似の呼称で指定してもよい。ヘテロアルキル基は、1つ以上のヘテロ原子、例えば、1、2、3、4又は5個のヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロアルキル基は、1~2個、1~3個又は1~4個のヘテロ原子を含んでもよい。例としてのみ挙げるが、「C1-4ヘテロアルキル」とは、ヘテロアルキル鎖中に1~4個の炭素原子が存在し、さらに鎖の骨格中に1個以上のヘテロ原子が存在することを示す。
【0027】
本明細書で使用する場合、「アルキレン」とは、2つの連結点(すなわち、アルカンジイル)を介して分子の残りの部分に連結している、炭素及び水素のみを含む分岐、又は直鎖完全飽和ジラジカルの化学基を意味する。数値範囲が指定されていない「アルキレン」という用語が出てきた場合でも、アルキレン基は1~20個の炭素原子を有していてもよい。アルキレン基は、1~9個の炭素原子を有する中級のアルキレンであってもよい。アルキレン基は、1~4個の炭素原子を有する低級アルキレンであってもよい。アルキレン基を、「C1-4アルキレン」又は類似の呼称で指定してもよい。例としてのみ挙げるが、「C1-4アルキレン」は、アルキレン鎖中に1~4個の炭素原子があることを示し、すなわち、アルキレン鎖は、メチレン、エチレン、エタン-1、1-ジイル、プロピレン、プロパン-1、1-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、1-メチルエチレン、ブチレン、ブタン-1,1-ジイル、ブタン-2,2-ジイル、2-メチルプロパン-1,1-ジイル、1-メチル-プロピレン、2-メチル-プロピレン、1,1-ジメチル-エチレン、1,2-ジメチル-エチレン及び1-エチル-エチレンからなる群から選択されることを示す。
【0028】
本明細書で使用する場合、「アルケニレン」とは、炭素と水素のみを含み、2つの連結
点を介して分子の残りの部分に付着している、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分枝鎖ジラジカルの化学基を意味する。数値範囲が指定されていない「アルケニレン」という用語が出てきた場合でも、アルケニレン基は2~20個の炭素原子を有していてもよい。アルケニレン基を、2~9個の炭素原子を有する中級アルケニレンとすることもできる。アルケニレン基を、2~4個の炭素原子を有する低級アルケニレンとすることもできる。アルケニレン基を、「C2-4アルケニレン」又は同様の呼称で指定してもよい。例としてのみであるが、「C2-4アルケニレン」は、アルケニレン鎖中に2~4個の炭素原子があることを示し、すなわち、アルケニレン鎖は、エテニレン、エテン-1,1-ジイル、プロペニレン、プロペン-1,1-ジイル、プロパ-2-エン-1,1-ジイル、1-メチル-エテニレン、ブタ-1-エチレン、ブタ-2-エニレン、ブタ-1,3-ジエニレン、ブテン-1,1-ジイル、ブタ-1,3-ジエン-1,1-ジイル、ブタ-2-エ-1,1-ジイル、ブタ-3-エン-1,1-ジイル、1-メチル-プロパ
-2-エン-1,1-ジイル、2-メチル-プロパ-2-エン-1,1-ジイル、1-エチル-エチニレン、1,2-ジメチル-エチニレン、1-メチルプロペニレン、2-メチ
ルプロペニレン、3-メチルプロペニレン、2-メチルプロペン-1,1-ジイル及び2,2-ジメチル-エテン-1,1-ジイル、から成る群から選ばれる。
【0029】
用語「芳香族」は、共役π電子系を有する環又は環系を指し、炭素環式芳香族(例えば、フェニル)及びヘテロ環式芳香族基(例えば、ピリジン)の両方を含む。この用語は、環系全体が芳香族である限り、単環式又は縮合環式多環式(すなわち、原子の隣接対を共有する環)基を含む。
【0030】
本明細書で使用する場合、「アリール」は、環骨格中に炭素のみを含む芳香環又は環系(すなわち、2つの隣接する炭素原子を共有する2つ以上の縮合環)を意味する。アリールが環系である場合、系内のすべての環が芳香族である。数値範囲が指定されていない「アリール」という用語が出てきた場合でも、アリール基は6~18個の炭素原子を有していてもよい。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~10個の炭素原子を有する。アリール基を、「C6-10アリール」、「C6又はC10アリール」、又は類似の呼称で指定してもよい。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、アズレニル、及びアントラセニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
本明細書において、「アリールオキシ」及び「アリールチオ」は、RO-及びRS-を指し、ここでRは上記で定義されるようなアリール、例えばフェニルオキシ等の、「C6-10アリールオキシ」又は「C6-10アリールチオ」が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
「アラルキル」又は「アリールアルキル」は、置換基として、アルキレン基を介して接続されたアリール基であり、例えば「C7-14アラルキル」などが挙げられ、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル及びナフチルアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、アルキレン基は低級アルキレン基(すなわち、C1-4アルキレン基)である。
【0033】
本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」は、1つ以上のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素及び硫黄等の、炭素以外の元素を環骨格に含む(複数の)芳香環又は環系(すなわち、2つの隣接原子を共有する2以上の縮合環)をいう。ヘテロアリールが環系である場合、その系内の環はすべて芳香族である。数値範囲が指定されていない「ヘテロアリール」という用語が出てきた場合でも、ヘテロアリール基は、5~18個の環員(すなわち、炭素原子及びヘテロ原子を含む環骨格を構成する原子の数)を有していてもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、5~10個の環構成員又は5~7個の環構成員を有する。ヘテロアリール基を、「5~7員ヘテロアリール」、「5~10員ヘテロ
アリール」、又は同様の呼称で指定してもよい。ヘテロアリールは、1個以上のヘテロ原子、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のヘテロ原子を含有していてもよい。ヘテロアリールは、1~2個、1~3個、又は1~4個のヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロアリール環の例としては、フリル、チエニル、フタラジニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、イソインドリル及びベンゾチエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
「ヘテロアラルキル」又は「ヘテロアリールアルキル」は、置換基として、アルキレン基を介して連結されたヘテロアリール基である。例としては、2-チエニルメチル、3-チエニルメチル、フリルメチル、チエニルエチル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソオキサゾリルアルキル、及びイミダゾリルアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、アルキレン基は、低級アルキレン基(すなわち、C1-4アルキレン基)である。
【0035】
本明細書で使用する場合、「カルボシクリル」は、環系骨格中に炭素原子のみを含む非芳香族環状環又は環系を意味する。カルボシクリルが環系である場合、2つ以上の環が縮合、架橋又はスピロ結合で結合していてもよい。カルボシクリルは、環系内の少なくとも1つの環が芳香族でない限り、任意の飽和度を有することができる。したがって、カルボシクリルには、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルが含まれる。数値範囲が指定されていない「カルボシクリル」という用語が出てきた場合でも、カルボシクリル基は、3~20個の炭素原子を有していてもよい。カルボシクリル基は、3~10個の炭素原子を有する中級カルボシクリルであってもよい。カルボシクリル基は、3~6個の炭素原子を有するカルボシクリルであってもよい。カルボシクリル基を、「C3-6カルボシクリル」又は同様の呼称で指定することができる。カルボシクリル環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、2,3-ジヒドロ-インデン、ビシクル[2.2.2]オクタニル、アダマンチル
、スピロ[4.4]ノナニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0036】
「(カルボシクリル)アルキル」は、置換基として、アルキレン基を介して連結したカルボシクリル基であり、例えば、「C4-10(カルボシクリル)アルキル」等の、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルブチル、シクロブチルエチル、シクロプロピルイソプロピル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。場合によっては、アルキレン基は低級アルキレン基である。
【0037】
本明細書で使用する場合、「シクロアルキル」は、完全飽和カルボシクリル環又は環系を意味する。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
【0038】
本明細書で使用する場合、「シクロアルケニル」とは、少なくとも1つの二重結合を有するカルボシクリル環又は環系であって、環系中のどの環も芳香族でないものを意味する。例としては、シクロヘキセニルが挙げられる。
【0039】
本明細書で使用する場合、「ヘテロシクリル」は、環骨格中に少なくとも1つのヘテロ原子を含む非芳香族環状環又は環系を意味する。ヘテロシクリルは、縮合、架橋又はスピロ結合で結合していてもよい。ヘテロシクリルは、環系内の少なくとも1つの環が芳香族
でない限り、任意の飽和度を有していてもよい。ヘテロ原子は、環系中の非芳香族環又は芳香族環のいずれに存在してもよい。数値範囲を指定しない「ヘテロシクリル」という用語が出てきた場合でも、ヘテロシクリル基は、3~20個の環員(すなわち、炭素原子及びヘテロ原子を含む環骨格を構成する原子の数)を有してよい。ヘテロシクリルは、1つ以上のヘテロ原子、例えば、1、2、3、4又は5個のヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロシクリルは、1~2個、1~3個、又は1~4個のヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロシクリル基はまた、3~10個の環員を有する中級ヘテロシクリルであってもよい。ヘテロシクリル基を、3~6個の環員を有するヘテロシクリルとすることもできる。ヘテロシクリル基を、「3~6員ヘテロシクリル」又は同様の呼称で指定してもよい。好ましい6員単環式ヘテロシクリルでは、ヘテロ原子(複数可)は、O、N又はSのうちの1つ~3つまでから選択され、好ましい5員単環式ヘテロシクリルでは、ヘテロ原子(複数可)は、O、N又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子から選択される。ヘテロシクリル環の例としては、アゼピニル、アクリジニル、カルバゾリル、シノリニル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセパニル(oxepanyl)、チエパニル(thiepanyl)、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキソピペラジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピロリジオニル、4-ピペリドニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、1,3-ジオキシニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチアニル、1,4-オキサチイニル、1,4-オキサチアニル、2H-1,2-オキサジニル、トリオキサニル、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジニル、1,3-ジオキソリル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオリル、1,3-ジチオラニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、1,3-オキサチオラニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロ-1,4-チアジニル、チアモルホリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンズイミダゾリジニル及びテトラヒドロキノリンが挙げられるが、それらに限定されるものではない。「置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル」は、それぞれ独立して-OH、-OC(O)CH3、-CH2OH、-CH2OC(O)CH3、-(C2-3アルキレン)-OH、及び-(C2-3アルキレン)-OC(O)CH3から選ばれる最大4個の置換基で置換されていてもよく、1つの酸素へテロ原子を含んでいてもよい。
【0040】
「(ヘテロシクリル)アルキル」は、置換基として、アルキレン基を介して連結されたヘテロシクリル基である。例としては、イミダゾリニルメチル、インドリニルエチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
「単糖」又は「単糖環」は、単一の糖残基を意味する。単糖は、5員又は6員の炭素骨格を有していてもよい。「5~6員単糖環」の非限定的な例としては、グルコース(例えば、D-グルコース)、デオキシグルコース(例えば、2-デオキシ-D-グルコース)、ガラクトース、フルクトース、リボース(例えば、D-リボース)、及びデオキシリボース(例えば、2-デオキシ-D-リボース)等が挙げられる。「アミノ単糖」とは、糖骨格が単糖であるアミノ糖をいう。
【0042】
本明細書において、「アシル」は、-C(=O)Rを指し、ここでRは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員へテロアリール及び3~10員へテロシクリルで、本明細書に定義されている通りである。非限定的な例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、及びアクリルが挙げられる。
【0043】
「Oカルボキシ」基は、Rが、本明細書に定義されるように、水素、C1-6アルキル
、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール及び3~10員ヘテロシクリルから選択される「-OC(=O)R」基を意味する。
【0044】
「Cカルボキシ」基は、Rが、本明細書に定義されるように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる「C(=O)OR」基を意味する。非限定的な例としては、カルボキシル(すなわち、-C(=O)OH)が挙げられる。
【0045】
「シアノ」基は、「CN」基を指す。
【0046】
「シアナト」基とは、「-OCN」基を意味する。
【0047】
「イソシアナト」基とは、「-NCO」基のことである。
【0048】
「チオシアナト」基とは、「-SCN」基のことである。
【0049】
「イソチオシアナト」基とは、「-NCS」基のことである。
【0050】
「スルフィニル」基は、本明細書に定義されるように、Rが水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール及び3~10員ヘテロシクリルから選択される「S(=O)R」基をいう。
【0051】
「スルホニル」基は、Rが、本明細書に定義されるように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる「-SO2R」基を意味する。
【0052】
「S-スルホンアミド」基は、本明細書に定義されるように、RA及びRBがそれぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる「-SO2NRARB」基を意味する。
【0053】
「N-スルホンアミド」基は、本明細書に定義されるように、RA及びRBがそれぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる「-N(RA)SO2RB」基を指す。
【0054】
「O-カルバミル」基は、本明細書に定義されるように、RA及びRBがそれぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる「-OC(=O)NRARB」基を意味する。
【0055】
「N-カルバミル」基は、本明細書で定義されるように、RA及びRBがそれぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる「-N(RA)C(=O)ORB」基を意味する。
【0056】
「O-チオカルバミル」基は、本明細書で定義されるように、RA及びRBがそれぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる「-OC(=S)NRARB」基を意味する。
【0057】
「N-チオカルバミル」基は、「-N(RA)C(=S)ORB」基を指し、本明細書で定義されるように、RA及びRBは、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる。
【0058】
「C-アミド」基は、本明細書で定義されるように、RA及びRBがそれぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる「C(=O)NRARB」基を指す。
【0059】
「N-アミド」基は、本明細書で定義されるように、RA及びRBがそれぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる「-N(RA)C(=O)RB」基を指す。
【0060】
「アミノ」基は、本明細書で定義されるように、RA及びRBがそれぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び3~10員ヘテロシクリルから選ばれる「-NRARB」基を意味する。非限定的な例としては、遊離アミノ(すなわち、-NH2)が挙げられる。
【0061】
「アミノアルキル」基とは、アルキレン基を介して連結されたアミノ基をいう。
【0062】
「アルコキシアルキル」基とは、アルキレン基を介して連結したアルコキシ基をいい、例えば、「C2-8アルコキシアルキル」等が挙げられる。
【0063】
本明細書で使用する場合、置換基は、非置換の親基から、1個以上の水素原子を他の原子又は基と交換したものである。他に示されない限り、基が「置換されている」とみなされる場合、その基が、C1~C6アルキル(-OH又はO-カルボキシで置換されていてもよい)、C1~C6アルケニル、C1~C6アルキニル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C7カルボシクリル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、C3~C7-カルボシクリル-C1~C6-アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、3~10員ヘテロシクリル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、3~10員ヘテロシクリル-C1~C6-アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、アリール(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、アリール(C1~C6)アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、5~10員ヘテロアリール(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、5~10員ヘテロアリール(C1~C6)アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1
~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルキルで置換されていてもよい)、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルコキシ(C1~C6)アルキル(すなわち、エーテル)、アリールオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C1~C6)アルキル(例えば、-CF3)、ハロ(C1~C6)アルコキシ(例えば、-OCF3)、C1~C6アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミノ(C1~C6)アルキル、ニトロ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、アシル、シアナト、イソシアナト、チオシアナト、イソチシアナと、サルフィニル、スルホニル及びオキソ(=O)、から独立して選ばれる1以上の置換基で置換されることを意味する。
【0064】
ある種のラジカルを命名する場合の慣例として、文脈に応じて、モノラジカル又はジラジカルのいずれかを含むことができると理解される。例えば、置換基が分子残基部位に対して2つの連結点を必要とする場合、その置換基はジ-ラジカルであると理解される。例えば、アルキルとして特定される置換基で、2点の連結が必要なものには、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-などのジ-ラジカルが含まれる。命
名慣例上、他のラジカルとして、“アルキレン”又は“アルケニレン”などのジラジカルがあることは自明である。
【0065】
2つのR基が「それらが連結している原子と共に」、環(例えば、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環)を形成すると言われる場合、その原子とその2つのR基の集合単位は引用環であることを意味する。各R基を個々に捉えた場合の環は、特に限定されない。例えば、以下のような部分構造
【化2】
を有する場合で、R
1及びR
2が水素及びアルキルからなる群から選択されると定義されるか、又はR
1及びR
2が、それらが結合している窒素とともにヘテロアリールを形成する場合、R
1及びR
2は水素又はアルキルから選択できることを意味し、又は代わりに、その置換基は以下の構造:
【化3】
を有す。ここで、環Aは、描かれた窒素を含むヘテロアリール環である。
【0066】
同様に、2つの「隣接する」R基が、「それらが結合している原子と共に」、環を形成すると言われる場合、その原子、介在する結合、及びその2つのR基の集合単位は、引用環であることを意味する。例えば、以下のような部分構造:
【化4】
を有する場合で、R
1及びR
2は、水素及びアルキルからなる群から選択されるか、又はR
1及びR
2は、それらが結合している原子とともに、アリール又はカルボシリルを形成する場合、それは、R
1及びR
2が水素またはアルキルから選択できる、または代わりに、下部構造は以下の構造
【化5】
を有することを意味する。ここで、Aはアリール環又は描かれた二重結合を含むカルボシリルである。
【0067】
置換基がジ-ラジカルとして描かれている場合(すなわち、分子残基に対して2つの連結点を有する)、置換基は、他に示されない限り、任意の方向に向いた配置で連結され得ると理解される。したがって、例えば、-AE-又は
【化6】
として描かれた置換基は、Aが分子の右端の連結点で連結するとともに、Aが分子の左端の連結点で連結するように配向している置換基を含む。
【0068】
ある化学的置換基を、カルボキシル基を持つ同配体に付した場合、その化合物はカルボキシル基を持つ同配体の特性を保持するとも考えられる。カルボキシル基を持つ同配体が、上記で定義したRから選択される1つ以上の部分により、任意選択で置換される場合、その置換及び置換位置は、その化合物がカルボキシル基を持つ同配体の特性を排除しないように選択されると考えられる。同様に、カルボキシル基を持つ、又はヘテロ環式カルボン酸同配体を1つ以上のR置換基で置換することにより、そのような置換基が化合物のカルボン酸同配る体の特性を損なう場合、その化合物のカルボン酸同配体の特性を維持する又は特性上不可欠である1つ以上の原子による置換ではないことを想定する。
【0069】
本明細書で使用する「対象」は、ヒト又は非ヒト哺乳類、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、非ヒト霊長類又は鳥、例えば、ニワトリ、並びに他の脊椎動物又は無脊椎動物を意味する。
【0070】
用語「哺乳類」は、その通常の生物学的意味で使用される。したがって、具体的には、類人猿(チンパンジー、類人猿、サル)及びヒトを含む霊長類、牛、馬、羊、山羊、豚、ウサギ、犬、猫、齧歯類、ラット、マウスモルモット、又は同様のものを含むが、これら
に限定されるものではない。
【0071】
本明細書で使用する「有効量」又は「治療上有効量」とは、疾患又はその状態の1つ以上の症状をある程度緩和するか、又は発症の可能性を低減するのに有効な治療剤の量を意味し、疾患又はその状態を治癒することを含む。「治癒」とは、疾患又はその状態にある症状がなくなることを意味するが、治癒した後でも、特定の長期的又は永続的な影響(広範な組織損傷など)が続く場合がある。
【0072】
本明細書において、「治療」又は「治療する」は、予防及び/又は治療目的のために化合物又は医薬組成物を対象に投与することを意味する。用語「予防的治療」は、特定疾患又は症状の疑い、そうでなければその危険性のある対象を治療することを指し、そして治療により、患者が疾患又は疾患状態を発症する可能性を減少させることができる。「治療的処置」という用語は、既に疾患又はその状態にある対象に処置を施すことを意味する。
【0073】
化合物
いくつかの実施形態は、式(I)の構造:
【化7】
(式中、
R
1は、-COOH、-COOR
1a、-COO(CH
2)
mC(O)NR
1aR
2a、-CONHR
1b、-COR
4、又は-CONH(CH
2)
mCOOR
2b;
R
2は、-CH(O)又は-CH(=NOR
1a);
R
3は、H、-C(O)R
1a、置換されていてもよいC
1-10アルキル、置換されていてもよいC
2-10アルケニル、置換されていてもよいC
2-10アルキニル、置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよい5~6員単糖環、置換されていてもよいC
6-10アリール又は置換されていてもよい5~10員へテロアリールであり;
R
4は、N-末端アミンを介して結合したアミノ酸残基であり;
各R
1a、R
2a、R
1b及びR
2bは、独立して、-H、ハロゲン、-OH、-COOH、-COO(C
1-4アルキル)、置換されていてもよいC
1-10アルキル、置換されていてもよいC
2-10アルケニル、置換されていてもよいC
2-10アルキニル、置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよい5~6員の単糖環、置換されていてもよいC
6-10アリール、あるいは置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールから選ばれ;及び
mは0~3の整数である。);
を有する化合物に関するものである。
【0074】
いくつかの実施形態では、R
1a、R
2a、R
1b及びR
2bのいずれか1つ以上は、存在する場合、独立して、-OH、-OC(O)CH
3、-CH
2OH、-CH
2OC(O)CH
3、-(C
2-3アルキレン)-OH及び-(C
2-3アルキレン)-OC(O)CH
3からそれぞれ独立して選択される、最大で4つの置換基で置換される、1つの酸素ヘテロ原子を含む5~6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、R
1a、R
2a、R
1b及びR
2bいずれか1つ以上は、存在する場合、独立して、置換されていてもよい5~6員単糖環である。いくつかの実施形態では、R
1a、R
2a、R
1b及びR
2bのいずれか1つ以上は、存在する場合、独立して、グルコース、ガラクトース、デ
オキシグルコース、フルクトース、リボース、及びデオキシリボースからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、R
1a、R
2a、R
1b及びR
2bのいずれか1つ以上は、存在する場合、デオキシグルコースである。いくつかの実施形態では、R
1a、R
2a、R
1b及びR
2bのいずれか1つ以上は、存在する場合、独立して、
【化8】
である。いくつかの実施形態では、R
1a、R
2a、R
1b及びR
2bのいずれか1つ以上は、存在する場合、
【化9】
である。いくつかの実施形態では、R
1a、R
2a、R
1b及びR
2bのいずれか1つ以上は、存在する場合、独立して、D-グルコース、2-デオキシ-D-グルコース、D-リボース、及び2-デオキシ-D-リボースからなる群より選択される5~6員単糖環である。
【0075】
いくつかの実施形態において、-(CH2)m-における1、2、又は3個のH原子は、それぞれ独立して、ハロゲン、-OH、-COOH、-COO(C1-4アルキル)、置換されていてもよいC1-30アルキル、置換されていてもよいC2-10アルケニル、置換されていてもよいC2-10アルキニル、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよい5~6員単糖鎖、置換されていてもよいC6-10アリール及び置換されていてもよい5~10員へテロアリールで置換されている。
【0076】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(II)の構造
【化10】
を有するか、又はその薬剤的に許容可能な塩を含む。
【0077】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(III)の構造
【化11】
を有するか、又はその薬剤的に許容可能な塩を有する。
【0078】
いくつかの実施形態において、R
1は-CONHR
1bであり、R
1bは置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、又は置換されていてもよい5~6員単糖環である。いくつかの実施形態では、R
1は、-CONHR
1bであり、R
1bは、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、R
1bは、-OH、-OC(O)CH
3、-CH
2OH、-CH
2OC(O)CH
3、-(C
2-3アルキレン)-OH、及び-(C
2-3アルキレン)-OC(O)CH
3から、それぞれ独立して選択される最大4つの置換基で置換された、酸素ヘテロ原子を1つ含む5~6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、R
1bは、置換されていてもよい5~6員の単糖環である。いくつかの実施形態では、R
1bは、D-グルコース、2-デオキシ-D-グルコース、D-リボース、及び2-デオキシ-D-リボースからなる群より選択される、5~6員単糖環である。いくつかの実施形態では、R
1bは、グルコース、ガラクトース、デオキシグルコース、フルクトース、リボース、及びデオキシリボースからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、R
1bは、デオキシグルコースである。いくつかの
実施形態では、R
1bは、
【化12】
である。いくつかの実施形態では、R
1bは、
【化13】
である。
【0079】
いくつかの実施形態では、R2は、-CH(=NOR1a)である。いくつかの実施形態では、R2は-CH(=NOH)である。
【0080】
いくつかの実施形態では、R1aは、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R1aは、エチル、ブチル、セチル、デシルまたはドデシルである。
【0081】
いくつかの実施形態では、R
1は、-COO(CH
2)
mC(O)NR
1aR
2aであり;そしてR
1a及びR
2aの一方は、それぞれ独立して-OH、-OC(O)CH
3、-CH
2OH、-CH
2OC(O)CH
3、-(C
2-3アルキレン)-OH、及び-(C
2-3アルキレン)-OC(O)CH
3から、それぞれ独立に選択される選ばれる4個までの置換基で置換された、1個の酸素へテロ原子を含む5~6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、R
1は、-COO(CH
2)
mC(O)NR
1aR
2aであり;そしてR
1a及びR
2aの一方は、置換されていてもよい5~6員単糖環である。いくつかの実施形態では、5~6員単糖環は、D-グルコース、2-デオキシ-D-グルコース、D-リボース、及び2-デオキシ-D-リボースからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
1は、-COO(CH
2)
mC(O)NR
1aR
2aであり;そしてR
1a及びR
2aの1つは、グルコース、ガラクトース、デオキシグルコース、フルクトース、リボース、及びデオキシリボースからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、R
1は、-COO(CH
2)
mC(O)NR
1aR
2aであり;そしてR
1a及びR
2aの1つは、デオキシグルコースである。いくつかの実施形態では、R
1は、-
COO(CH
2)
mC(O)NR
1aR
2aであり;そしてR
1a及びR
2aのうちの一方は、
【化14】
である。いくつかの実施形態では、R
1は、-COO(CH
2)
mC(O)NR
1aR
2aであり;そしてR
1a及びR
2aのうちの一方は、
【化15】
である。いくつかの実施形態では、R
1a及びR
2aのうちの他方はHである。一部の実施形態では、mは0、1、又は2である。いくつかの実施形態において、mは0であり、いくつかの実施形態において、mは1であり、いくつかの実施形態において、mは2である。
【0082】
いくつかの実施形態において、R
1は、-COR
4である。いくつかの実施形態では、R
1は-CONHCH(COOH)(CH
2)
nR
5であり、nは0~5の間の整数であり、R
5は、-H、-OH、-COOH、-COO(C
1-4アルキル)、-NHC(=NH)NH
2、置換されていてもよいC
1-10アルキル、置換されていてもよいC
2-10アルケニル、置換されていてもよいC
2-10アルキニル、置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよい5~6員単糖環、置換されていてもよいC
6-10アリール、又は置換されていてもよい5~10員へテロアリール、から選択される。いくつかの実施形態では、R
5は、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、又は置換されていてもよい5~6員単糖環である。いくつかの実施形態において、R
5は、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、R
5は、それぞれ独立して、-OH、-OC(O)CH
3、-CH
2OH、-CH
2OC(O)CH
3、-(C
2-3アルキレン)-OH、及び-(C
2-3アルキレン)-OC(O)CH
3から選択される最大4つの置換基で置換された、1つの酸素ヘテロ原子を含む5~6員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、R
5は、置換されていてもよい5~6員の単糖環である。いくつかの実施形態では、R
5は、D-グルコース、2-デオキシ-D-グルコース、D-リボース、及び2-デオキシ-D-リボースからなる群から選択される、5~6員単糖環である。いくつかの実施形態では、R
5は、グルコース、ガラクトース、デオキシグルコース、フルクトース、リボース、及びデオキシリボースからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
5は、デオキシグルコースである。いくつかの実施形態では、R
5は、
【化16】
である。いくつかの実施形態では、R
5は、
【化17】
である。いくつかの実施形態では、-(CH
2)n-における1個、2個、又は3個のH原子は、それぞれ独立して、ハロゲン、-OH、-COOH、-COO(C
1-4アルキル)、置換されていてもよいC
1-30アルキル、置換されていてもよいC
2-10アルケニル、置換されていてもよいC
2-10アルキニル、置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよい5~6員単糖環、置換されていてもよいC
6-10アリール及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールで置換される。
【0083】
いくつかの実施形態では、nは0~3の間の整数である。いくつかの実施形態では、nは0、1、又は2である。いくつかの実施形態では、nは0であり、いくつかの実施形態では、nは1であり、いくつかの実施形態では、nは2である。
【0084】
いくつかの実施形態では、R4は、L-アミノ酸残基である。いくつかの実施形態では、R4は、L-Lys又はL-Glu残基である。いくつかの実施形態では、R4は、Gly、Ala、Phe、Tyr、Glu、Leu、Ser、Arg、Gln、Val、Lys、Thr、Asn、Met、Cys、Trp、Asp、His、Pro、又はIleから選択されたアミノ酸残基である。
【0085】
いくつかの実施形態において、R
5は、H、メチル、フェニル、
【化18】
-COOH、-CH(CH
3)
2、-OH、-OCH
3、-NHC(=NH)NH
2、-CONH
2、-CH(CH
3)
2、-NH
2、-SH、-S-CH
3、-CH(CH
3)(CH
2OH)、インドリル、-CH(CH
3)(CH
2CH
3)、イミダゾリル、又はピロリジニルのいずれかである。いくつかの実施形態において、R
5はHであり、いくつかの実施形態において、R
5はメチルである。いくつかの実施形態では、R
5はフェニルである。いくつかの実施形態では、R
5は、
【化19】
である。いくつかの実施形態では、R
5は、-COOHである。いくつかの実施形態では、R
5は、-CH(CH
3)
2である。いくつかの実施形態では、R
5は、-OHである。いくつかの実施形態では、R
5は、-NHC(=NH)NH
2である。いくつかの実施形態では、R
5は、-CONH
2である。いくつかの実施形態では、R
5は、-CH(CH
3)
2である。いくつかの実施形態では、R
5は、-NH
2である。いくつかの実施形態では、R
5は、SHである。いくつかの実施形態では、R
5は、S-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
5は、-CH(CH
3)(CH
2OH)である。いくつかの実施形態では、R
5は、インドリルである。いくつかの実施形態では、R
5は、CH(CH
3)(CH
2CH
3)である。いくつかの実施形態では、R
5は、イミダゾリルである。
いくつかの実施形態では、R
5は、ピロリジニルである。
【0086】
いくつかの実施形態において、R
3は、アシル、D-グルコース、2-デオキシ-D-グルコース、D-リボース、又は2-デオキシ-D-リボースである。いくつかの実施形態において、R
3は、
【化20】
である。いくつかの実施形態において、R
3は、
【化21】
である。R
3は、H又はC
1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R
3はHである。
【0087】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、以下から選択される化合物
【化22】
【化23】
又はそれらの薬剤的に許容可能な塩である。
【0088】
本明細書に開示の化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらは個々のエナンチオマー及びジアステレオマーとして、又はラセミ体を含むそのような異性体の混合物として存在することができる。個々の異性体の分離又は個々の異性体の選択的合成は
、当業者によく知られている様々な方法を適用することによって達成される。特に示されない限り、そのような異性体及びその混合物はすべて、本明細書に開示される化合物の範囲内に包含される。さらに、本明細書に開示の化合物は、1つ以上の結晶又は非晶質の形態で存在することができる。特に示さない限り、そのような形態はすべて、あらゆる多形形態を含めて、本明細書に開示される化合物の範囲に包含される。さらに、本明細書に開示の化合物のいくつかは、水(すなわち、水和物)又は一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成することができる。特に指示されない限り、そのような溶媒和物は、本明細書に開示される化合物の範囲内に包含される。
【0089】
当業者は、本明細書に記載されるいくつかの構造は、他の化学構造から類推される、ないしは動力学的に見て妥当だと判断され得る、共鳴形態又は互変異性体を形成し得ることを認識でき、当業者は、かかる構造は、かかる化合物のサンプルのごく一部のみを表わしているかもしれないことを認識できる。そのような化合物のそういった共鳴形態又は互変異性体は、本明細書には表されていないが、描かれた構造の範囲内のものとみなされる。
【0090】
同位体は、記載の化合物中に存在してもよい。化合物構造で表されるような各化学元素は、当該元素の任意の同位体を含むことができる。例えば、化合物構造において、水素原子が化合物中に存在することが明示されている又はそのように理解される場合がある。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子を、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)を含むが、これらに限定されない、水素の任意の同位体とすることができる。したがって、本明細書における化合物が言及される場合、文脈上明らかにそうでないことが指示されない限り、化合物にはすべての潜在的な同位体形態が包含される。
【0091】
投与及び医薬組成物
いくつかの実施形態は、治療上有効な量の本明細書に記載の化合物又はその薬剤的に許容可能な塩と、薬剤的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1つ以上の追加的な薬剤をさらに含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤を更に含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤の各々は、独立して、PD-1、PD-Ll、PD-L2、PD-L3、PD-L4、CTLA-4、LAG3、B7-H3、B7-H4、KIR、TIM3、CEACAM、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4又はTGFRベータの阻害剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤の各々は、独立して、PD-1、PD-Ll、PD-L2、PD-L3、PD-L4、CTLA-4、LAG3、B7-H3、B7-H4、KIR、又はTIM3の阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1の結合リガンドである。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L2阻害剤又はPD-L1/PD-L2複合阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。
【0094】
いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1の阻害剤、例えば、ヒトPD-1である。別の実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1、例えば、ヒトPD-L1の阻害剤である。一実施形態では、PD-1又はPD-L1の阻害剤は、PD-1又はPD-L1に対する抗体分子である。PD
-1又はPD-L1阻害剤は、単独で、又は他の1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、例えば、LAG-3、TIM-3、CEACAM(例えば、CEACAM-1、-3及び/又は-5)又はCTLA-4の阻害剤と組み合わせて投与することができる。例示的な実施形態では、PD-1又はPD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-1又はPD-L1抗体分子は、LAG-3阻害剤、例えば、抗LAG-3抗体分子と組み合わせて投与される。別の実施形態では、PD-1又はPD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-1又はPD-L1抗体分子は、TIM-3阻害剤、例えば、抗TIM-3抗体分子と組み合わせて投与される。別の実施形態では、PD-1又はPD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-1又はPD-L1抗体分子は、CEACAM阻害剤(例えば、CEACAM-1、-3及び/又は-5阻害剤)、例えば、抗CEACAM抗体分子を併用して投与される。別の実施形態では、PD-1又はPD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-1又はPD-L1抗体分子は、CEACAM-1阻害剤、例えば、抗CEACAM-1抗体分子と組み合わせて投与される。別の実施形態では、PD-1又はPD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-1又はPD-L1抗体分子は、CEACAM-5阻害剤、例えば、抗CEACAM-5抗体分子と組み合わせて投与される。さらに他の実施形態では、PD-1又はPD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-1抗体分子は、LAG-3阻害剤、例えば、抗LAG-3抗体分子、及びTIM-3阻害剤、例えば、抗TIM-3抗体分子と併用して投与される。1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と、PD-1阻害剤(例えば、PD-L2、CTLA-4、TIM-3、LAG-3、CEACAM(例えば、CEACAM-1、-3および/または-5)、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4及び/又はTGFRの1つ以上)の他の組み合わせも、本発明の開示範囲内である。当技術分野で知られている、又は本明細書に開示されている抗体分子のいずれも、チェックポイント分子の阻害剤の前述の組み合わせに使用することができる。
【0095】
PD-1、PD-L1、PD-L2、PD-L3、又はPD-L4に対して高親和性結合を有する抗体を含む、様々な抗体(Abs)を本明細書に記載の組成物に対して使用することができる。PD-1に特異的に結合する(例えば、ヒトPD-1に結合し、カニクイザルなどの他の種由来のPD-1と交差反応し得る)ヒトmAbs(HuMAbs)が、米国特許第8,008,449号明細書に開示されており、その全体が参照により本明細書に援用される。PD-L1との親和性が高く、特異的に結合するHuMAbsが、米国特許第7,943,743号明細書に開示されており、これは参照によりその全体が本明細書に援用される。他の抗PD-1 mAbsが、例えば、米国特許第6,808,710号明細書、同第7,488,802号明細書及び同第8,168,757号明細書、並びに国際公開PCT第2012/145493号パンフレットに記載されており、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に援用されるものとする。抗PD-L1 mAbsは、例えば、米国特許第7,635,757号明細書、同第8,217,149号明細書、第10,723,799号明細書、米国特許公開第2009/0317368号明細書、及び国際公開PCT第2011/066389号パンフレット及び同2012/14549号パンフレットに記載されており、これらは全て、参照によりその全体が本明細書に援用されるものとする。
【0096】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 HuMAbsは、17D8、2D3、4H1、5C4(本明細書ではニボルマブとも呼ぶ)、4A1 1、7D3及び5F4から選択でき、これらは全て、米国特許第8,008,449号明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、抗PD-1 HuMAbsは、3G10、12A4(本明細書ではBMS-936559とも呼ばれる)、10A5、5F8、10H10、1B12、7H1、11E6、12B7、及び13G4から選択され得、これらはいずれも米国特許第7,943,743号明細書に記載されている。
【0097】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体はニボルマブである。ニボルマブの代替名に
は、MDX-1106、MDX-1106-04、ONO-4538、又はBMS-936558が含まれる。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ(CAS登録番号:946414-94-4)である。ニボルマブは、PD1を特異的に遮断する完全ヒトIgG4モノクローナル抗体である。ニボルマブ(クローン5C4)及びPD1に特異的に結合する他のヒトモノクローナル抗体は、米国特許第8,008,449号明細書及び国際公開第2006/121168号パンフレットに開示されており、これらは、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0098】
他の実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。ペムブロリズマブ(商品名KEYTRUDA、以前はLambrolizumab、Merck3745、MK-3475又はSCH-900475としても知られる)は、PD1に結合するヒト化IgG4モノクローナル抗体である。ペムブロリズマブは、例えば、Hamid,Oら、
New England Journal of Medicine 369(2):134-44(2013)、国際公開第2009/114335号パンフレット、及び米国特許第8,354,509号明細書に開示されており、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0099】
いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体は、ピジリズマブである。ピジリズマブ(CT-011;Cure Tech社製)は、PD1に結合するヒト化IgG1kモノクローナル抗体である。ピジリズマブ及び他のヒト化抗PD-1モノクローナル抗体は、国際公開第2009/101611号パンフレットに開示されている。他の抗PD1抗体は、米国特許第8,609,089号明細書、米国特許第2010028330号明細書、及び/又は米国特許第20120114649号明細書に開示されており、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に援用される。他の抗PD1抗体には、AMP514(Amplimmune社製)が含まれる。
【0100】
いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤は、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)に融合したPD-L1又はPD-L2の細胞外又はPD-1結合部分を含むイムノアドヘシン)である。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤はAMP-224である。
【0101】
一実施形態において、PD-L1阻害剤は、MDX-1105である。BMS-936559としても知られるMDX-1105は、国際公開2007/005874号パンフレットに記載されている抗PD-L1抗体であり、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0102】
一実施形態では、PD-L1阻害剤は、YW243.55.S70である。YW243.55.S70抗体は、国際公開第2010/077634号パンフレット(それぞれS
EQ ID No.20及び21に示される重鎖及び軽鎖可変領域配列)に記載される抗PD-L1であり、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0103】
一実施形態において、PD-L1阻害剤は、MDPL3280A(Genentech/Roche社製)である。MDPL3280Aは、PD-L1に結合するヒトFc最適化IgG1モノクローナル抗体である。MDPL3280A及びPD-L1に結合する他のヒトモノクローナル抗体は、米国特許第7,943,743号明細書及び米国特許出願公開第20120039906号明細書に開示されており、これらの両方は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0104】
他の実施形態において、PD-L2阻害剤は、AMP-224である。AMP-224は、PD1とB7-H1(B7-DCIg;Amplimmune製;例えば、国際公開
第2010/027827パンフレット及び国際公開第2011/066342号パンフレットに開示され、その両方が参照によりその全体が本明細書に援用される。)の間の相互作用を遮断するPD-L2 Fc融合可溶型受容体である。
【0105】
一実施形態では、LAG-3阻害剤は、抗LAG-3抗体分子である。一実施形態では、LAG-3阻害剤は、BMS-986016である。
【0106】
いくつかの実施形態では、CTLA-4阻害剤は、APCのB7.1(CD80)及びB7.2(CD86)リガンドと、CD28及びCD4+T-リンパ球のCTLA-4受容体との間で結合する阻害剤(Sharpe,A.H.ら(2002)Nature Rev.Immunol.2:116-126;Lindley,P.S.ら(2009)Immunol.Rev.229:307-321;これらの両方は、その全体が参照により本明細書に援用される)。B7.1又はB7.2のCD28への結合は、T細胞の活性化を刺激するが、B7.1又はB7.2のCTLA-4への結合は、そのような活性化を阻害する(Dong、C.ら(2003)Immunolog.Res.28(1):39-48;Greenwald,R.J.ら(2005)Ann.Rev.Immunol.23:515-548;これらの両方は、その全体が参照により本明細書に援用される。)。CD28は、T細胞の表面に構成的に発現する(Gross,J.ら(1992)J.Immunol.149:380-388、このことは参照によりその全体が本明細書に援用される。)、一方、CTLA4発現は、T細胞活性化後に急速にアップレギュレートされる(Linsley,P.ら(1996)Immunity 4:535-543、このことは参照によりその全体が本明細書に援用される。)。本明細書に開示の方法により使用可能な、例示的な抗CTLA4抗体には、トレメリムマブ(ファイザー社から入手可能なIgG2モノクローナル抗体、以前はチシリムマブ、CP-675、206として知られていた。);およびイピリムマブ(CTLA-4抗体、MDX-010としても知られ、CAS番号477202-00-9)などがあるが、それだけに制限されるものではない。CTLA-4などのT細胞共刺激分子に対する抗体(例えば、米国特許第5,811,097号明細書、参照によりその全体が本明細書に援用される。)、CTLA-4阻害剤(例えば、CP-675,206、イピリムマブ)。
【0107】
別の実施形態では、CEACAM(例えば、CEACAM-1、-3及び/又は-5)の阻害剤は、抗CEACAM抗体分子である。一実施形態では、CEACAMの阻害剤は、国際公開第2010/125571号パンフレット、国際公開第2013/82366号パンフレット及び国際公開第2014/022332号パンフレット(これらの全ては参照によりその全体が本明細書に援用される。)に記載されているような抗CEACAM-1抗体、例えば、米国特許出願公開第2004/0047858号明細書、米国特許第7,132,255号明細書及び国際公開99/52552号パンフレット(これらの全ては、その全体が参照により本明細書に援用される。)に記載されているモノクローナル抗体34B1、26H7及び5F4又はそれらの組替え体である。他の実施形態では、抗CEACAM抗体は、例えば、国際公開第2010/125571号パンフレット、国際公開第2013/054331号パンフレット及び米国特許出願公開2014/0271618号明細書(これらの全ては、その全体が参照により本明細書に援用される。)に記載されているような、抗CEACAM-1及び/又は抗CEACAM-5抗体分子である。
【0108】
いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、米国特許出願公開第2018/0029531号明細書(参照によりその全体が本明細書に援用される。)に開示されているような、α-CD3-APC、α-CD3-APC-H7、α-CD4-ECD、α-CD4-PB、α-CD8-PE-Cy7、α-CD-8-PerCP-Cy5.5、α-CD11C-APC、α-CD11b-PE-Cy7、α-CD11
b-AF700、α-CD14-FITC、α-CD16-PB、α-CD19-AF780、α-CD19-AF700、α-CD20-PO、α-CD25-PE-Cy7、α-CD40-APC、α-CD45-ビオチン、ストレプトアビジン-BV605、α-CD62L-ECD、α-CD69-APC-Cy7、α-CD80-FITC、α-CD83-ビオチン、ストレプトアビジン-PE-Cy7、α-CD86-PE-Cy7、α-CD86-PE、α-CD123-PE、α-CD154-PE、α-CD161-PE、α-CTLA4-PE-Cy7、α-FoxP3-AF488(クローン259D)、IgG1-イソタイプ-AF488、α-ICOS (CD278)-PE、α-
HLA-A2-PE、α-HLA-DR-PB、α-HLA-DR-PerCPCy5.5、α-PD1-APC、VISTA、共刺激分子OX40、及びCD137から選択された抗体である。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、プリナブリンをさらに含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1つ以上の追加の化学療法剤をさらに含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1つ以上の薬剤的に許容可能な賦形剤をさらに含む。
【0112】
本明細書に開示の化合物又はその薬剤的に許容可能な塩の投与は、経口、皮下、静脈内、局所、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、膣内、直腸、又は眼内への投与を含むが、これらに限らない同様の効用を果たす、薬剤として認められた任意の投与様式を経由することが可能である。経口及び非経口投与は、好ましい実施形態の主題である適応症の治療において慣用となっている。
【0113】
上記のように有用な化合物は、これらの症状の治療に使用する医薬組成物として製剤化することができる。標準的な薬剤製剤化技術、例えば、Remingtonによる、“The Science and Practice of Pharmacy、21版、Lippincott Williams & Wilkins出版(2005)に開示されるもの(参照によりその全体が本明細書に援用される。)が使用される。したがって、いくつかの実施形態では、以下のものを含む医薬組成物が包含される:(a)安全かつ治療上有効な量の、本明細書に記載の化合物(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、互変異性体、多形体、及び溶媒和物を含む)、又はその薬剤的に許容可能な塩;及び(b)薬剤的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤又はそれらを組合せたもの。
【0114】
用語「薬剤的に許容可能な担体」又は「薬剤的に許容可能な賦形剤」には、任意の及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤及び同様のものが含まれる。薬学的活性物質に対して、このような媒体及び薬剤を使用することは、当該技術分野において周知である。任意の従来の媒体又は薬剤が活性成分と不適合である場合を除き、治療用組成物においてそれらを使用することが想定される。さらに、当技術分野で一般的に使用されるような種々のアジュバントが含まれ得る。医薬組成物における様々な成分の含有に関する考察は、例えば、Gilmanら(編)(1990);Goodman and Gilmanら:The Pharmacological B
asis of Therapeutics、8版、Pergamon Press出版、に記載されており、この内容は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0115】
薬剤的に許容可能な担体又はその成分として機能し得る物質のいくつかの例は、ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖類;コーンスターチ及びポテトデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びメチルセルロ
ースなどのセルロース及びその派生物;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;ステアリン酸及びステアリン酸マグネシウムなどの固体潤滑剤;硫酸カルシウム;ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、テオブロマの油などの植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコールなどのポリオール;アルギン酸;TWEEN(登録商標)などの乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;着色剤;香味剤;打錠剤、安定剤;酸化防止剤;防腐剤;パイロゲンフリー水;等張食塩水;及びリン酸緩衝液、である。
【0116】
対象化合物と共に使用する薬剤的に許容可能な担体を選択するのは、化合物が投与される方法に応じて決められ得る。
【0117】
本明細書に記載される組成物は、好ましくは単位投与という形態で提供される。本明細書における「単位剤形」は、良好な医療行為に従って、動物、好ましくは哺乳類の対象への投与に適した量の化合物を含む組成物である。しかしながら、単回又は単位剤形として製剤するとは、剤形を1日1回又は治療のコースごとに1回投与することを意味するものではない。そのような剤形は、1日に1回、2回、3回又はそれ以上投与されることが想定され、一定期間(例えば、約30分から約2~6時間)の間に注入・投与してもよく、連続注入して投与しても良く、単一投与は特に除外されないものの、治療のコース中に複数回投与してもよい。当業者は、治療の全過程にわたる製剤の具体的な使い方について考えることは想定しておらず、そのような決定は、製剤よりも治療技術に精通した者に委ねればよいと認識するだろう。
【0118】
上記したような有用な組成物は、例えば、経口、鼻腔、直腸、局所(経皮投与を含む)、眼、脳内、頭蓋内、髄腔内、動脈内、静脈内、筋肉内、又は他の非経口的に投与するのに適した、それぞれに合った形態であってよい。当業者は、経口及び鼻用組成物には、吸入投与向けの組成物が含まれ、利用可能な方法を用いて製造されることを理解するであろう。所望される特定の投与経路に応じて、当技術分野で周知の様々な薬剤的に許容可能な担体が使用され得る。薬剤的に許容可能な担体には、例えば、固体又は液体の充填剤、希釈剤、水和剤、表面活性剤、及びカプセル化物質が含まれる。化合物の阻害活性を実質的に阻害しない、任意の薬剤的活性物質が含まれてもよい。その化合物と共に採用される担体の量は、その化合物の単位用量当たりの投与実用量の物質をもたらすのに十分な量である。本明細書に記載の方法にとって有用となる、剤形を製造する技術及び組成物については、以下の文献に記載されており、これらは全て参照により本明細書に援用される:Modern Pharmaceutics、第4版、9章、10章(Banker & R
hodes編者、2002);Liebermanら「薬剤的投与材剤形」;錠剤(1989);及びAnsel、「Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms」第8版(2004)。
【0119】
錠剤、カプセル、顆粒及びバルク粉末のような固体形態を含む、種々の経口投与形態を使用することができる。錠剤は、適当な結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、流動化剤、及び融解剤を含む、圧縮、錠剤三剤、腸溶性コーティング、糖衣、フィルムコーティング、又は多重圧縮されたものとすることができる。液体経口剤形には、水溶液、乳剤、懸濁液、非発泡性顆粒から再構成された溶液及び/又は懸濁液、ならびに発泡性顆粒から再構成された発泡性製剤があり、適切な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁剤、希釈剤、甘味剤、融剤、着色剤および香味剤が含まれる。
【0120】
経口投与のための、単位剤形の調製に適した薬剤的に許容可能担体は、当技術分野ではよく知られている。錠剤は、典型的には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース及びセルロースのような不活性希釈剤として、従来の薬剤的に適合するアジュバント;デンプン、ゼラチン及びスクロースのような結合剤;デンプン、アルギン酸
及びクロスカルメロースなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及びタルクなどの潤滑油を含む。粉末混合物の流動特性を改善するために、二酸化ケイ素などの滑剤を使用することができる。FD&C染料などの着色剤は、外観面から添加することができる。アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、フルーツフレーバーなどの甘味料及び香味料は、かみ砕くタイプのチュアブル錠剤のアジュバントとして有用である。カプセルには、典型的に上記に開示の1つ以上の固体希釈剤が含まれる。担体成分は、味、コスト、及び貯蔵安定性のような二次的な事項を考慮して選択されるが、これらは重要ではなく、当業者であれば容易に行うことができる。
【0121】
経口用組成物は、液体溶液、乳剤、懸濁液なども含む。このような組成物の調製に適した薬剤的に許容可能な担体については、当技術分野ではよく知られている。シロップ、エリキシル、エマルジョン及び懸濁液用に用いる担体中の典型的な成分としては、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトール及び水などが挙げられる。懸濁液の場合、代表的な懸濁剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC-591、トラガカント、アルギン酸ナトリウム、代表的な湿潤剤としてはレシチン、ポリソルベート80、代表的な保存料としてはメチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。ペロ-ラル液体組成物は、上記開示の甘味料、香味剤及び着色剤などの1つ以上の成分を含有することもできる。
【0122】
このような組成物は又、従来の方法、典型的にはpH又は時間依存性コーティングにより、対象化合物が所望する局所辺りの消化管内で放出されるように、又は放出される組成物の時間をそれぞれ変えて所望の作用を延長できるようにすることができる。そのような剤形には、典型的には、セルロースアセテートフタレート、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルセルロース、オイドラギットコーティング、ワックス及びシェラックの1つ以上が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0123】
本明細書に記載の組成物は、任意に他の薬物活性剤を含んでもよい。
【0124】
対象化合物の全身送達を達成するのに有用な他の組成物としては、舌下投与剤形、頬投与剤形及び鼻腔投与剤形が含まれる。このような組成物は、典型的には、スクロース、ソルビトール及びマンニトールのような可溶性充填物質;並びにアカシア、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのような結合剤の1つ以上を含んでいる。又、上記に開示した滑剤、滑沢剤、甘味料、着色料、酸化防止剤、香味剤も含まれ得る。
【0125】
眼科用外用剤である液体組成物は、眼に局所的に投与することができるように製剤化されたものである。投与する際に、快適さを可能な限り最優先してもよいが、時には製剤上の考慮、例えば薬物の安定性を、快適さよりも優先する場合がある。快適さを最優先しない場合、液体を、患者にとって眼科局所使用する上で許容できるように処方し得る。さらに、眼科的に許容される液体は、単回使用のために包装されるか、又は複数回の使用による汚染を防止するために防腐剤を含むかのいずれかである。
【0126】
眼科用には、生理食塩水を主なビヒクルとして溶液又は医薬品を調製することが多い。眼科用溶液は、好ましくは、適切な緩衝系を用いて快適なpHに維持され得る。製剤はまた、従来の、薬剤的に許容可能な保存剤、安定化剤及び界面活性剤を含んでもよい。
【0127】
本明細書に開示の医薬組成物において使用され得る保存剤には、塩化ベンザルコニウム、PHMB、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀、アセテート及び硝酸フェニル水銀が含まれるが、これらに限定されるわけではない。有用な界面活性剤は、例えば
、Tween(登録商標)80である。同様に、本明細書に開示の眼科用製剤には、様々な有用なビヒクルを使用することができる。これらのビヒクルとしては、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及び精製水などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0128】
強壮調整剤は、必要に応じて、又は使い勝手がよくなるように添加することができる。それらには、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール及びグリセリン、又は他の任意の適切な眼科的に許容可能なる強壮調整剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
得られる調製物が眼科的に許容可能な限り、様々な緩衝剤及びpHを調整するための手段を使用することができる。多くの組成物について、pHは4~9の間となる。したがって、緩衝剤には、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤などがある。必要に応じて、これらの製剤のpHを調整するために、酸又は塩基を使用してもよい。
【0130】
眼科的に許容可能な抗酸化剤には、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール及びブチル化ヒドロキシトルエンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0131】
眼科用製剤に含まれ得る他の賦形剤成分は、キレート剤である。有用なキレート剤はエデト酸二ナトリウムであるが、他のキレート剤もこれに代えて又はこれと併用して使用することができる。
【0132】
局所的な使用のためには、本明細書に開示の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゲル、溶液又は懸濁液などが採用される。局所用製剤は、一般に、医薬担体、共溶媒、乳化剤、浸透促進剤、保存系、及びエモリエント剤を含んで構成され得る。
【0133】
静脈内投与のために、本明細書に記載の化合物及び組成物は、生理食塩水又はブドウ糖溶液などの薬剤的に許容可能な希釈剤中に溶解又は分散させることができる。所望のpHを達成するのに使う適切な賦形剤としては、NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、HCl、及びクエン酸が挙げられるが、これらに限定されない。様々な実施形態において、最終組成物のpHは、2~8、又は好ましくは4~7の範囲である。酸化防止賦形剤としては、重亜硫酸ナトリウム、アセトン重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウム、スルホキシレート、チオ尿素、及びEDTAが挙げられ得る。最終の静脈内組成物中に見出される適切な賦形剤の他の非限定的な例としては、リン酸ナトリウム又はカリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、及びデキストロース、マンニトール、及びデキストランなどの炭水化物を挙げることができる。さらなる許容可能な賦形剤は、Powellら、Compendium of Excipients for Parenteral
Formulations、PDA J Pharm Sci and Tech 1998、52 238-311及びNemaら、Excipients and Their Role in Approved Injectable Products:Current Usage and Future Directions、PDA J Pharm Sci and Tech 2011、65 287-332に記載されており、いずれも参照によりその全体が本明細書に援用される。抗菌剤も静菌性又は真菌性の溶液とするのに含んでよく、これには硝酸フェニルメルキュール、チメロサール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クレゾール、及びクロロブタノールが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0134】
静脈投与のための組成物は、投与直前に滅菌水、生理食塩水又は水中ブドウ糖などの適
切な希釈剤で再構成される1つ以上の固体の形態で介護者に提供され得る。他の実施形態では、組成物は、非経口的に投与する準備が整った溶液で提供される。さらに他の実施形態では、組成物は、投与前にさらに希釈される溶液で提供される。本明細書に記載の化合物と別の薬剤を組み合わせて投与することを含む実施形態では、このように組み合わせたものを、混合物として介護者に提供してもよく、又は介護者が投与前に2つの薬剤を混合してもよく、又は2つの薬剤を別々に投与してもよい。
【0135】
本明細書に記載の活性化合物の実際の用量は、特定の化合物、及び治療される状態に依存し、当業者の知識の範囲内で適切な用量を選択する。いくつかの実施形態では、1日の投与量は、体重に対して0.25mg/kg~約120mg/kg以上、体重に対して0.5mg/kg以下~約70mg/kg、体重に対して約1.0mg/kg~約50mg/kg、又は体重に対して約1.5mg/kg~約10mg/kgであってよい。したがって、70kgの人へ投与する場合、投与量の範囲は、1日当たり約17mg~約8000mg、1日当たり約35mg以下~約7000mg以上、1日当たり約70mg~約6000mg、1日当たり約100mg~約5000mg、又は1日当たり約200mg~約3000mgとなる。
【0136】
処置の方法
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物又は組成物を投与することを含む、対象における免疫反応を増強する方法に関するものである。
【0137】
いくつかの実施形態は、癌を治療する方法であって、本明細書に記載の化合物又は組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。
【0138】
いくつかの実施形態は、癌患者における免疫反応を増強する方法であって、本明細書に記載の化合物又は組成物を投与することを含む方法に関する。
【0139】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物又は組成物を使用して、免疫反応を刺激する方法、免疫原の免疫原性を高める方法、及び感染症、自己免疫疾患、アレルギーを治療する方法に関するものである。
【0140】
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物と、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤とを共投与することによって、癌に対するT細胞活性化の共刺激を提供する方法に関する。いくつかの実施形態は、式(I)の化合物、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤を共投与することによって、癌に対するナチュラルキラー細胞の共刺激を提供する方法に関する。
【0141】
いくつかの実施形態では、患者に、ワクチン又は免疫物を投与する。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、1つ以上の追加的な薬剤を投与することを含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、1つ以上のチェックポイント阻害剤を投与することを含む。
【0144】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-Ll、PD-L2、PD-L3、PD-L4、CTLA-4、LAG3、B7-H3、B7-H4、KIR又はTIM3の阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1の結合リガンドである。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻
害剤は、PD-L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L2阻害剤又はPD-L1/PD-L2複合阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。いくつかの実施形態では、癌は、PD-1の結合リガンドを発現している癌細胞を含む。いくつかの実施形態では、PD-1の結合リガンドは、PD-L1である。いくつかの実施形態では、PD-1の結合リガンドはPD-L2である。
【0145】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の癌を治療する方法は、PD-1の結合リガンドを発現している癌細胞を同定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の癌の治療方法は、PD-L1を発現している癌細胞を同定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される癌を治療する方法は、PD-L2を発現する癌細胞を同定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される癌を治療する方法は、PD-L3又はPD-L4を発現する癌細胞を同定することをさらに含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、PD-1の結合リガンドを発現する癌細胞を同定することは、結合リガンドの存在を検出するアッセイを使用することを包含する。適用可能なアッセイの例には、Dako社から入手可能なPD-L1 IHC 22C3 pharmDxキット及びPD-L1 IHC 28-8 pharmDxが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0147】
いくつかの実施形態では、癌は、CTLA-4の結合リガンドを発現している癌コールからなる。いくつかの実施形態では、CTLA-4の結合リガンドは、B7.1又はB7.2である。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の癌を治療する方法は、CTLA-4の結合リガンドを発現している癌細胞を同定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の癌を治療する方法は、B7.1又はB7.2を発現している癌細胞を同定することをさらに含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、イピリムマブ、ダカルバジン、BMS 936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブ.セミプリマブ、アベルマブ、スパルタリズマブ、カムレリズマブ(camrelizumab)、シンチリマブ、チスレリズマブ、トリパリマブ、ドスタルリマブ、INCMGA00012、AMP-224、AMP-514、KN035、AUNP12、CA-170、BMS 986189、PD1.1(CNCM寄託番号I-4080)、PD1.2(CNCM寄託番号I-4081)、PD1.3(CNCM寄託番号I-4122)、又はそれらの任意の組合せ、である。
【0150】
いくつかの実施形態では、癌は、頭頸部癌、肺癌、胃癌、結腸癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌、子宮頸癌、メラノーマ、グリオブラストーマ、ミエローマ、リンパ腫、又は白血病である。いくつかの実施形態では、癌は、腎細胞癌、悪性黒色腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、又は扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌、結腸癌、直腸癌、肺癌、前立腺癌、メラノーマ、白血病、卵巣癌、胃癌、腎細胞癌、肝臓癌、膵臓癌、リンパ腫及び骨髄腫から選択される。いくつかの実施形態では、癌は、固形腫瘍又は血液学的癌である。
【0151】
いくつかの実施形態では、癌は、PD-1、PD-L1、又はPD-L2を検出可能なレベルで発現する細胞を有さない。
【0152】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物とPD-1阻害剤(又はPD-L1阻害剤/PD-L2阻害剤)の組み合わせは、CTLA-4とPD-1阻害剤(又はPD-L1阻害剤/PD-L2阻害剤)の組み合わせよりも優れた安全プロファイル及び低い毒性を示す。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物とPD-1阻害剤(又はPD-L1阻害剤/PD-L2阻害剤)との組み合わせの治療指数は、CTLA-4とPD-1阻害剤(又はPD-L1阻害剤/PD-L2阻害剤)との組み合わせの治療指数よりも大きい。ヒビター)。
【0153】
いくつかの実施形態では、癌は、メラノーマ、膵臓癌、大腸腺癌、脳腫瘍、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、ホルモン不応性転移性前立腺癌、転移性乳癌、非小細胞肺癌、腎細胞癌、頭頸部癌、前立腺癌、結腸癌、退形成甲状腺癌からなる群から選択される癌である。
【0154】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の組成物及び/又は医薬組成物を、追加の医薬品と共投与することを含む。例えば、上述のように、いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物を1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と共投与すること、いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物を1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤及びプリナブリンと共投与すること、及びいくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物をプリナブリンと共投与すること、を含む。「共投与」によって、2つ以上の薬剤を投与することとは、1つ以上の薬剤を、それらが実際に投与される時期又は方法にかかわらず、1つ以上の他の薬剤の効力及び/又は安全性に影響を及ぼすような方法で投与することを意味する。一実施形態では、薬剤は同時に投与される。一のそのような実施形態において、組み合わせて投与することは、単一の剤形の薬剤を組み合わせ投与することにより達成される。別の実施形態では、薬剤は、順次投与される。一実施形態では、薬剤を、経口又は静脈内など、同じ経路で投与する。別の実施形態では、薬剤を、一回目は経口投与し、もう一回目は静脈内投与するなど、異なる経路で投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬剤の投与と、共投与する1つ以上の薬剤の投与との間の間隔は、約5分、10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、5時間、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、24時間、36時間、48時間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、10日間、14日間、
21日間、28日間又は30日間であってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬剤の投与と共投与する1つ以上の薬剤の投与との間の間隔は、1分~5分、1分~10分、1分~20分、1分~30分、1分~40分、1分~50分、1分~1時間、1分~2時間、1分~4時間、1分~6時間、1分~8時間、1分~10時間、1分~12時間、1分~24時間、1分~36時間、1分~48時間、1分~60時間、1分~72時間、5分~10分、5分~20分、5分~30分、5分~40分、5分~50分、5分~1時間、5分~2時間、5分~4時間、5分~6時間、5分~8時間、5分~10時間、5分~12時間、5分~24時間、5分~36時間、5分~48時間、5分~60時間、5分~72時間、10分~20分、10分~30分、10分~40分、10分~50分、10分~1時間、10分~2時間、10分~4時間、10分~6時間、10分~8時間、10分~10時間、10分~12時間、10分~24時間、10分~36時間、10分~48時間、10分~60時間、10分~72時間、30分~40分、30分~50分、30分~1時間、30分~2時間、30分~4時間、30分~6時間、30分~8時間、30分~10時間、30分~12時間、30分~24時間、30分~36時間、30分~48時間、30分~60時間、30分~72時間、1時間~2時間、1時間~4時間、1時間~6時間、1時間~8時間、1時間~10時間、1時間~12時間、1時間~24時間、1時間~36時間、1時間~48時間、1時間~60時間、1時間~72時間、6時間~8時間、6時間~10時間、6時間~12時間、6時間~24時間、6時間~36時間、6時間~48時間、6時間~60時間、6時間~72時間、12時間~24時間、12時間~36時間、12時間~48時間、12時間~60時間、又は12時間~72時間であ
る。
【0155】
本明細書に記載の活性化合物の実際の用量は、特定の化合物、及び治療される状態に依存する;当業者の知識の範囲内で適切な用量を選択する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法では、式(I)の化合物を、体重に対して約0.01mg/kg~約250mg/kg、体重に対して約0.1mg/kg~約200mg/kg、体重に対して約0.25mg/kg~約120mg/kg、体重に対して約0.5mg/kg~約70mg/kg、体重に対して約1.0mg/kg~約50mg/kg、体重に対して約1.0mg/kg~約15mg/kg、体重に対して約2.0mg/kg~約15mg/kg、体重に対して約3.0mg/kg~約12mg/kg、又は体重に対して約5.0mg/kg~約10mg/kg、の範囲の中から選択した用量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、式(I)の化合物を、それぞれ体重に対して、0.5~1、0.5~2、0.5~3、0.5~4、0.5~5、0.5~6、0.5~7、0.5~8、0.5~9、0.5~10、1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、2.5~5、2.5~10、2.5~20、2.5~30、2.5~40、2.5~50、2.5~60、2.5~70、2.5~80、2.5~90、2.5~100、3~5、3~10、3~20、3~30、3~40、3~50、3~60、3~70、3~80、3~90、3~100、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、7.5~10、7.5~20、7.5~30、7.5~40、7.5~50、7.5~60、7.5~70、7.5~80、7.5~90、7.5~100、10~10、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~150、10~200、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~150、20~200、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~150、30~200、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~150、40~200、40~300、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~150、50~200、50~250、50~300、60~80、60~100、60~150、60~200、70~100、70~150、70~200、70~250、70~300、80~100、80~150、80~200、80~250、80~300、90~100、90~150、90~200、90~250、90~300、90~350、90~400、100~150、100~200、100~250、100~300,100~350、100~400mg/kg、の範囲の一用量で投与することを含んでいる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の式(I)の化合物を、体重あたり、約0.1、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22.5、25、27.5、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100mg/kgの一用量で投与することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、式(I)の化合物を約3mg/kgの一用量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、式(I)の化合物を約3mg/kgの一用量で3週間ごとに合計4回投与することを含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を、1回の一投与量として、約0.5~1、0.5~2、0.5~3、0.5~4、0.5~5、0.5~6、0.5~7、0.5~8、0.5~9、0.5~10、2.5~3、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~8、2.5~9、2.5~10、3~10、5~10、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、2.5~10、2.5~20、2.5~30、2.5~40、2.5~50
、2.5~60、2.5~70、2.5~80、2.5~90、2.5~100、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、7.5~10、7.5~20、7.5~30、7.5~40、7.5~50、7.5~60、7.5~70、7.5~80、7.5~90、7. 5~100、10~10、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~150、10~200、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~150、20~200、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~150、30~200、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~150、40~200、40~300、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~150、50~200、50~250、50~300、60~80、60~100、60~150、60~200、70~100、70~150、70~200、70~250、70~300、70~500、70~750、70~1000、70~1500、70~2000、70~3000、80~100、80~150、80~200、80~250、80~300、80~500、80~750、80~1000、80~1500、80~2000、80~3000、90~100、90~150、90~200、90~250、90~300、90~350、90~400、90~500、90~750、90~1000、90~1500、90~2000、90~3000、100~150、100~200、100~250、100~300、100~350、100~400、100~500、100~600、100~700、100~800、100~900、100~1000、100~1500、100~2000、100~2500、100~3000、100~3500、100~4000、200~500、200~700、200~1000、200~1500、200~2000、200~2500、200~3000、200~3500、200~4000、500~1000、500~1500、500~2000、500~2500、500~3000、500~3500又は500~4000mg投与する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12.5、15、17.5、20、22.5、25、27.5、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1100、1200、1250、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900又は5000mg/1回の容量で投与する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を、1回当たり約25mg、50mg、又は100mgの量で投与する。
【0157】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、それぞれ体重に対して、約0.5~1、0.5~2、0.5~3、0.5~4、0.5~5、0.5~6、0.5~7、0.5~8、0.5~9、0.5~10、1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、2~3、2~4、2~5、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、2~20、2~30、2~40、2~50、2~60、2~70、2~80、2~90、2~100、2.5~3、2.5~3.5、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~9、2.5~10、3~4、3~5、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、5~10、5~20、5~30、5~40、
5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、7.5~10、7.5~20、7.5~30、7.5~40、7.5~50、7.5~60、7.5~70、7.5~80、7.5~90、7.5~100、10~10、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~150、10~200、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~150、20~200、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~150、30~200、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~150、40~200、40~300、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~150、50~200、50~250、50~300、60~80、60~100、60~150、60~200、70~100、70~250、70~300、80~100、80~150、80~200、80~250、80~300、90~100、90~150、90~200、90~250、90~300、90~350、90~400、100~150、100~200、100~300、100~350、100~400mg/kgの範囲の一用量で、1つ以上のチェックポイント阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、体重に対して、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12.5、15、17.5、20、22.5、25、27.5、30、40、50、60、70、80、90又は100mg/kgの一用量で投与することを含む。
【0158】
いくつかの実施形態において、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、一回の投与当たり、約0.5~1、0.5~2、0.5~3、0.5~4、0.5~5、0.5~6、0.5~7、0.5~8、0.5~9、0.5~10、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、1~150、1~200、1~250、1~300、1~500、2.5~3、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~8、2.5~9、2.5~10、2.5~20、2.5~30、2.5~40、2.5~50、2.5~60、2.5~70、2.5~80、2.5~90、2.5~100、2.5~200、2.5~250、2.5~300、2.5~500、3~10、3~20、3~30、3~40、3~50、3~60、3~70、3~80、3~90、3~100、3~200、3~250、3~300、3~500、5~10、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、7.5~10、7.5~20、7.5~30、7.5~40、7.5~50、7.5~60、7.5~70、7.5~80、7.5~90、7.5~100、10~10、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~150、10~200、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~150、20~200、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~150、30~200、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~150、40~200、40~300、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~150、50~200、50~250、50~300、60~80、60~100、60~150、60~200、70~100、70~150、70~200、70~250、70~300、70~500、70~750、70~1000、70~1500、70~2000、70~3000、80~100、80~150、80~200、80~250、80~300、80~500、80~750、80~1000、80~1500、80~2000、80~3000、90~100、90~150、90~200、90~250、90~300、90~350、90~40
0、90~500、90~750、90~1000、90~1500、90~2000、90~3000、100~150、100~200、100~250、100~300、100~350、100~400、100~500、100~600、100~700、100~800、100~900、100~1000、100~1500、100~2000、100~2500、100~3000、100~3500、100~4000、200~500、200~700、200~1000、200~1500、200~2000、200~2500、200~3500、200~4000、500~1000、500~1500、500~2000、500~2500、500~3000又は500~4000mgの一用量を投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、1回あたり、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、25、27、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900又は2000mgの一用量で投与する。
【0159】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、PD-1の阻害剤を、一回の投与あたり、体重に対して、約0.5~1、0.5~2、0.5~3、0.5~4、0.5~5、0.5~6、0.5~7、0.5~8、0.5~9、0.5~10、1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、2~3、2~4、2~5、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、2~20、2~30、2~40、2~50、2~60、2~70、2~80、2~90、2~100、2.5~3、2.5~3.5、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~9、2.5~10、3~4、3~5、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、7.5~10、7.5~20、7.5~30、7.5~40、7.5~50、7.5~60、7.5~70、7.5~80、7.5~90、7.5~100、10~10、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~150、10~200、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~150、20~200、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~150、30~200、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~150、40~200、40~300、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~150、50~200、50~250、50~300、60~80、60~100、60~150、60~200、70~100、70~250、70~300、80~100、80~150、80~200、80~250、80~300、90~100、90~150、90~200、90~250、90~300、90~350、90~400、100~150、100~200、100~250、100~300、100~350、又は100~400mg/kgの範囲の一用量を投与することを含む。いくつかの実施
形態では、本明細書に記載の方法は、PD-1の阻害剤を、体重あたり、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12.5、15、17.5、20、22.5、25、27.5、30、40、50、60、70、80、90又は100mg/kgの用量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤を、約3mg/kgの用量で投与する。いくつかの実施形態では、PD-1の阻害剤を、約2mg/kgの用量で投与する。
【0160】
いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤を、約1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、1~150、1~200、1~250、1~300、1~500、2.5~3、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~8、2.5~9、2.5~10、2.5~20、2.5~30、2.5~40、2.5~50、2.5~60、2.5~70、2.5~80、2.5~90、2.5~100、2.5~200、2.5~250、2.5~300、2.5~500、3~10、3~20、3~30、3~40、3~50、3~60、3~70、3~80、3~90、3~100、3~200、3~250、3~300、3~500、5~10、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、7.5~10、7.5~20、7.5~30、7.5~40、7.5~50、7.5~60、7.5~70、7.5~80、7.5~90、7.5~100、10~10、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~150、10~200、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~150、20~200、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~150、30~200、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~150、40~200、40~300、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~150、50~200、50~250、50~300、60~80、60~100、60~150、60~200、70~100、70~150、70~200、70~250、70~300、70~500、70~750、70~1000、70~1500、70~2000、70~3000、80~100、80~150、80~200、80~250、80~300、80~500、80~750、80~1000、80~1500、80~2000、80~3000、90~100、90~150、90~200、90~250、90~300、90~350、90~400、90~500、90~750、90~1000、90~1500、90~2000、90~3000、100~150、100~200、100~250、100~300、100~350、100~400、100~500、100~600、100~700、100~800、100~900、100~1000、100~1500、100~2000、100~2500、100~3000、100~3500、100~4000、200~500、200~700、200~1000、200~1500、200~2000、200~2500、200~3000、200~3500、200~4000、500~1000、500~1500、500~2000、500~2500、500~3000又は500~4000mgの範囲にある一用量を投与する。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤を、一回あたり、約10~30、10~50、10~80、10~100、10~125、10~150、10~175、10~200、10~250、10~300、10~400、20~50、20~100、20~125、20~150、20~175、20~200、20~250、20~300、20~400、30~50、30~80、30~100、30~125、30~150、30~175、30~200、30~250、30~300、30~400、40~50、40~80、40~100、40~125、40~150、40~175、40~200、40~250、40~300、40~400、50~80、50~100、50~125、50~150、50~175、50~200、50~250、50~300又は50~400mgの範囲にある一用量を投与する。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、PD-L1の阻害剤を、体重あたり、約0.5~1、0.5~2、0.5~3、0.5~4、0.5~5、0.5~6、0.5~7、0.5~8、0.5~9、0.5~10、1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50
、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、2~3、2~4、2~5、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、2~20、2~30、2~40、2~50、2~60、2~70、2~80、2~90、2~100、2.5~3、2.5~3.5、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~9、2.5~10、3~4、3~5、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、7.5~10、7.5~20、7.5~30、7.5~40、7.5~50、7.5~60、7.5~70、7.5~80、7.5~90、7.5~100、10~10、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~150、10~200、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~150、20~200、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~150、30~200、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~150、40~200、40~300、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~150、50~200、50~250、50~300、60~80、60~100、60~150、60~200、70~100、70~250、70~300、80~100、80~150、80~200、80~250、80~300、90~100、90~150、90~200、90~250、90~300、90~400、100~150、100~200、100~250、100~300、100~350又は100~400mg/kgの範囲の一用量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、PD-L1の阻害剤を、体重に対して約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12.5、15、17.5、20、22.5、25、27.5、30、40、50、60、70、80、90又は100mg/kgの一用量で投与することを含む。
【0162】
一部の実施形態では、PD-L1阻害剤(例えば、アテゾリズマブ)を、一回あたり、約1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、1~150、1~200、1~250、1~300、1~500、2、5~3、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~8、2.5~9、2.5~10、2.5~20、2.5~30、2.5~40、2.5~50、2.5~60、2.5~70、2.5~80、2.5~90、2.5~100、2.5~200、2.5~250、2.5~300、2.5~500、3~10、3~20、3~30、3~40、3~50、3~60、3~70、3~80、3~90、3~100、3~200、3~250、3~300、3~500、5~10、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、7.5~10、7.5~20、7.5~30、7.5~40、7.5~50、7.5~60、7.5~70、7.5~80、7.5~90、7.5~100、10~10、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~150、10~200、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~150、20~200、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~150、30~200、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~150、40~200、40~300、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~150、50~200、50~250、50~300、60~80、60~100、60~150、60~200、70~100、70~150、70~200、70~250、70~300、70~500、70~750、70~1000、70~1500、70~2000
、70~3000、80~100、80~150、80~200、80~250、80~300、80~500、80~750、80~1000、80~1500、80~2000、80~3000、90~100、90~150、90~200、90~250、90~300、90~350、90~400、90~500、90~750、90~1000、90~1500、90~2000、90~3000、100~150、100~200、100~250、100~300、100~350、100~400、100~500、100~600、100~700、100~800、100~900、100~1000、100~1500、100~2000、100~2500、100~3000、100~3500、100~4000、200~500、200~700、200~1000、200~1500、200~2000、200~2500、200~3500、200~4000、500~1000、500~1500、500~2000、500~2500、500~3000又は500~4000mg、の一量で投与する。いくつかの実施形態では、PD-L1阻害剤を、1回当たり、約500~1500、600~1500、700~1500、800~1500、900~1500、1000~1500、又は1100~1300mgの量で投与する。いくつかの実施形態では、PD-L1阻害剤は、1回当たり約1200mgの量で投与する。
【0163】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、CTLA-4の阻害剤(例えば、イピリムマブ)を、体重に対して、約0.5~1、0.5~2、0.5~3、0.5~4、0.5~5、0.5~6、0.5~7、0.5~8、0.5~9、0.5~10、1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、2~3、2~4、2~5、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、2~20、2~30、2~40、2~50、2~60、2~70、2~80、2~90、2~100、2.5~3、2.5~3.5、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~9、2.5~10、3~4、3~5、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、7.5~10、7.5~20、7.5~30、7.5~40、7.5~50、7.5~60、7.5~70、7.5~80、7.5~90、7.5~100、10~10、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~150、10~200、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~150、20~200、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~150、30~200、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~150、40~200、40~300、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~150、50~200、50~250、50~300mg/kgの範囲の一用量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、CTLA-4の阻害剤を、体重に対して、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12.5、15、17.5、20、22.5、25、27.5、30、40、50、60、70、80、90又は100mg/kg体重の一用量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤を、約3mg/kgの用量で投与する。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤を、3mg/kgより少ない用量で投与する。いくつかの実施形態では、CTLA-4の阻害剤を、約0.5、1、1.5、2、又は2.5mg/kgの用量で投与する。
【0164】
いくつかの実施形態では、CTLA-4阻害剤を、一回あたり、約1~10、1~20、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~10
0、1~150、1~200、1~250、1~300、1~500、2.5~3、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~8、2.5~9、2.5~10、2.5~20、2.5~30、2.5~40、2.5~50、2.5~60、2.5~70、2.5~80、2.5~90、2.5~100、2.5~200、2.5~250、2.5~300、2.5~500、3~10、3~20、3~30、3~40、3~50、3~60、3~70、3~80、3~90、3~100、3~200、3~250、3~300、3~500、5~10、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、7.5~10、7.5~20、7.5~30、7.5~40、7.5~50、7.5~60、7.5~70、7.5~80、7.5~90、7.5~100、10~10、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~150、10~200、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、20~150、20~200、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、30~150、30~200、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、40~150、40~200、40~300、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、50~150、50~200、50~250、50~300、60~80、60~100、60~150、60~200、70~100、70~150、70~200、70~250、70~300、70~500、70~750、70~1000、70~1500、70~2000、70~3000、80~100、80~150、80~200、80~250、80~300、80~500、80~750、80~1000、80~1500、80~2000、80~3000、90~100、90~150、90~200、90~250、90~300、90~350、90~400、90~500、90~750、90~1000、90~1500、90~2000、90~3000、100~150、100~200、100~250、100~300、100~350、100~400、100~500、100~600、100~700、100~800、100~900、100~1000、100~1500、100~2000、100~2500、100~3000、100~3500、100~4000、200~500、200~700、200~1000、200~1500、200~2000、200~2500、200~3500、200~4000、500~1000、500~1500、500~2000、500~2500、500~3000又は500~4000mgの範囲にある一用量で投与する。いくつかの実施形態では、CTLA-4阻害剤を、一回あたり、約10~30、10~50、10~80、10~100、10~125、10~150、10~175、10~200、10~250、10~300、10~400、20~50、20~100、20~125、20~150、20~175、20~200、20~250、20~300、20~400、30~50、30~80、30~100、30~125、30~150、30~175、30~200、30~250、30~300、30~400、40~50、40~80、40~100、40~125、40~150、40~175、40~200、40~250、40~300、40~400、50~80、50~100、50~125、50~150、50~175、50~200、50~250、50~300又は50~400mgの範囲にある一用量で投与する。
【0165】
いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、又は8週間に1回、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤(例えば、PD-1/PD-L1阻害剤及びCTLA-4阻害剤)を共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤とを、2週間又は3週間ごとに1回共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、又は8週間ごとに2回、式(I
)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤を共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、又は8週間の治療サイクルで、化学療法剤とプリナブリンを1週間ごとに1回共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤とを、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、又は8週間の治療サイクルで1週間おきに2回、共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤とを、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、又は8週間ごとに3回共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤とを1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、又は8週間ごとに4回、共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤とを、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、又は8週間ごとに5回共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤とを、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、又は8週間ごとに6回共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤とを1週間、2週間、3週間、又は4週間ごとに毎日共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤とを共投与する場合に、式(I)の化合物を、1つ以上のチェックポイント阻害剤を投与する前に投与することが含まれる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、1日当たり1、2、3、4、5、6、又は7回の式(I)の化合物及び1つ以上のチェックポイント阻害剤を共投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療スケジュールとしては、2、3、4、5、又は6日に1回、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤とを共投与することが挙げられる。
【0166】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤とを共投与する場合に、式(I)の化合物を、1つ以上のチェックポイント阻害剤を投与した後に投与することが含まれる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と1つ以上のチェックポイント阻害剤との共投与する場合に、式(I)の化合物を1つ以上のチェックポイント阻害剤と同時に投与することを含む。1つ以上のチェックポイント阻害剤が投与される場合、2つのチェックポイント阻害剤は、別々に又は同時に投与することができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を1つ以上のチェックポイント阻害剤の投与前に投与する場合、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、式(I)の化合物の投与後、約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間又は12時間に投与することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、式(I)の化合物の投与の後、約1分未満、5分未満、10分未満、15分未満、20分未満、25分未満、30分未満、1時間未満、1.5時間未満、2時間未満、2.5時間未満、3時間未満、4時間未満、5時間未満、6時間未満、
7時間未満、8時間未満、9時間未満、10時間未満、11時間未満、12時間未満、13時間未満、14時間未満、15時間未満、16時間未満、17時間未満、18時間未満、19時間未満、20時間未満、21時間未満、22時間未満、23時間未満、又は24時間未満に、投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、式(I)の化合物の投与の後、約1分超、5分超、10分超、15分超、20分超、25分超、30分超、1時間超、1.5時間超、2時間超、2.5時間超、3時間超、4時間超、5時間超、6時間超、7時間超、8時間超、9時間超、10時間超、11時間超、1
2時間超、13時間超、14時間超、15時間超、16時間超、17時間超、18時間超、19時間超、20時間超、21時間超、22時間超、23時間超、又は24時間超に投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、式(I)の化合物の投与後、約1分~5分、約1分~10分、約1分~15分、約1分~20分、約1分~25分、約1分~30分、約0.25時間~0.5時間、約0.25~0.75時間、約0.25~1時間、約0.5時間~2時間、約0.5時間~2.5時間、約1時間~2時間,1時間~3時間、約1時間~5時間に投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、式(I)の化合物の投与後、約1分~5分、約1分~10分、約1分~20分、約1分~30分、約1分~40分、約1分~50分、約1分~1時間、約1分~2時間、約1分~4時間、約1分~6時間、約1分~8時間、約1分~10時間、約1分~12時間、約1分~24時間、約1分~36時間、約1分~48時間、約1分~60時間、約1分~72時間、約5分~10分、約5分~20分、約5分~30分、約5分~40分、約5分~50分、約5分~1時間、約5分~2時間、約5分~4時間、約5分~6時間、約5分~8時間、約5分~10時間、約5分~12時間、約5分~24時間、約5分~36時間、約5分~48時間、約5分~60時間、約5分~72時間、約10分~20分、約10分~30分、約10分~40分、約10分~50分、約10分~1時間、約10分~2時間、約10分~4時間、約10分~6時間、約10分~8時間、約10分~10時間、約10分~12時間、約10分~24時間、約10分~36時間、約10分~48時間、約10分~60時間、約10分~72時間、約30分~40分、約30分~50分、約30分~1時間、約30分~2時間、約30分~4時間、約30分~6時間、約30分~8時間、約30分~10時間、約30分~12時間、約30分~24時間、約30分~36時間、約30分~48時間、約30分~60時間、約30分~72時間、約1時間~2時間、約1時間~4時間、約1時間~6時間、約1時間~8時間、約1時間~10時間、約1時間~12時間、約1時間~24時間、約1時間~36時間、約1時間~48時間、約1時間~60時間、約1時間~72時間、約6時間~8時間、約6時間~10時間、約6時間~12時間、約6時間~24時間、約6時間~36時間、約6時間~46時間、約6時間~48時間、約6時間~60時間、約6時間~72時間、約12時間~24時間、約12時間~36時間、約12時間~48時間、約12時間~60時間、又は約12時間~72時間の範囲内の時間に投与する。
【0168】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を投与する前に1つ以上のチェックポイント阻害剤を投与する場合、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、式(I)の化合物を投与する前の、約1分~5分、約1分~10分、約1分~15分、約1分~20分、約1分~25分、約1分~30分、約0.25時間~0.5時間、約0.25~0.75時間、約0.25~1時間、約0.5時間~1時間、約0.5時間~2時間、約0.5時間~2.5時間、約1時間~2時間、約1時間~3時間、約又は1時間~5時間に投与する。いくつかの実施形態では、約1つ以上のチェックポイント阻害剤を、約式(I)の化合物を投与する前の、約1分、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約1時間、約1.5時間、約2時間、約2.5時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間又は約12時間に投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、式(I)の化合物を投与する前の、約1分未満、5分未満、10分未満、15分未満、20分未満、25分未満、30分未満、1時間未満、1.5時間未満、2時間未満、2.5時間未満、3時
間未満、4時間未満、5時間未満、6時間未満、7時間未満、8時間未満、9時間未満、10時間未満、11時間未満、12時間未満、13時間未満、14時間未満、15時間未満、16時間未満、17時間未満、18時間未満、19時間未満、20時間未満、21時間未満、22時間未満、23時間未満、又は24時間未満に投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、式(I)の化合物を投与する前の、約1分超、5分超、10分超、15分超、20分超、25分超、30分超、1時間超、1.5時間超、2時間超、2.5時間超、3時間超、4時間超、5時間超、6時間超、7時間超
、8時間超、9時間超、10時間超、11時間超、12時間超、13時間超、14時間超、15時間超、16時間超、17時間超、18時間超、19時間超、20時間超、21時間超、22時間超、23時間超、又は24時間超に投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上のチェックポイント阻害剤を、式(I)の化合物を投与する前の、約1分~5分、約1分~10分、約1分~20分、約1分~30分、約1分~40分、約1分~50分、約1分~1時間、約1分~2時間、約1分~4時間、約1分~6時間、約1分~8時間、約1分~10時間、約1分~12時間、約1分~24時間、約1分~36時間、約1分~48時間、約1分~60時間、約1分~72時間、約5分~10分、約5分~20分、約5分~30分、約5分~40分、約5分~50分、約5分~1時間、約5分~2時間、約5分~4時間、約5分~6時間、約5分~8時間、約5分~10時間、約5分~12時間、約5分~24時間、約5分~36時間、約5分~48時間、約5分~60時間、約5分~72時間、約10分~20分、約10分~30分、約10分~40分、約10分~50分、約10分~1時間、約10分~2時間、約10分~4時間、約10分~6時間、約10分~8時間、約10分~10時間、約10分~12時間、約10分~24時間、約10分~36時間、約10分~48時間、約10分~60時間、約10分~72時間、約30分~40分、約30分~50分、約30分~1時間、約30分~2時間、約30分~4時間、約30分~6時間、約30分~8時間、約30分~10時間、約30分~12時間、約30分~24時間、約30分~36時間、約30分~48時間、約30分~60時間、約30分~72時間、約1時間~2時間、約1時間~4時間、約1時間~6時間、約1時間~8時間、約1時間~10時間、約1時間~12時間、約1時間~24時間、約1時間~36時間、約1時間~48時間、約1時間~60時間、約1時間~72時間、約6時間~8時間、約6時間~10時間、約6時間~12時間、約6時間~24時間、約6時間~36時間、約6時間~46時間、約6時間~48時間、約6時間~60時間、約6時間~72時間、約12時間~24時間、約12時間~36時間、約12時間~48時間、約12時間~60時間、又は約12時間~72時間に投与する。
【0169】
治療サイクルは、レジメンが臨床的に許容可能な限り、繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物及び1つ以上のチェックポイント阻害剤の治療サイクルは、n回繰り返され、nは2~30の範囲の整数である。いくつかの実施形態では、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。いくつかの実施形態では、新しい治療サイクルは、前の治療サイクルの完了後すぐに起こり得る。いくつかの実施形態では、新しい治療サイクルを開始する前に、ウォッシュアウト期間が発生し得る。いくつかの実施形態では、ウォッシュアウト期間は、1週間、2週間、3週間、又は4週間とすることができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の用量は、各治療サイクルについて同じとすることができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の用量を、各治療サイクルに対して異なるものとすることができる(例えば、用量は、第1の治療サイクルについて20mg、第2の治療サイクルについて50mg、第3の治療サイクルについて100mgとすることができる。)。
【0170】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物及び1つ以上のチェックポイント阻害剤を治療の1サイクル目に投与した後、次の治療サイクルでは、式(I)の化合物のみを投与する、ということが包含され得る。いくつかの実施形態では、治療の1サイクルで、式(I)の化合物及び1つ以上のチェックポイント阻害剤を投与した後、次の治療サイクルでは、式(I)の化合物及び1つ以上のチェックポイント阻害剤の両方を投与することが包含させ得る。
【0171】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を、治療サイクルとして3週間ごとに約3mg/kgの用量で投与し、この治療サイクルを4回繰り返す。いくつかの実施形態では、1つ以上のチェックポイント阻害剤(例えば、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、及びそれらの任意の組み合わせのいずれか)を、各治療サイクルにお
いて式(I)の化合物と共投与することができ、いくつかの実施形態では、治療サイクルの半分(例えば、第1及び第3治療サイクル)において1つ以上のチェックポイント阻害剤を、式(I)の化合物と共投与することができる。
【0172】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に、プリナブリンを投与することを含むことができる。
【0173】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法としては、放射線療法投与が挙げられる。
【0174】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に、1つ以上の追加の医薬品を含むことができる。追加の医薬品の例には、他の化学療法剤が含まれる。
【0175】
いくつかの実施形態において、化学療法剤は、酢酸アビラテロン、アビトレキサート(メトトレキサート)、アブラキサン(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、AC-T、アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)、ADE、アド-トラスズマブエムタンシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン塩酸塩)、アファチニブマレイン酸塩、アフィニトール(エベロリムス)、アキンゼオ(ネツピタント/パロノセトロン塩酸塩)、アルダラ(イミキモド)、アルデスロイキ
ン、アレセンサ(アレクチニブ)、アレクチニブ、アレムツズマブ、アリムタ(ペメトレキセド二ナトリウム)、アロキシ(パロノセトロン塩酸塩)、アンボクロリン(クロラムブシル)、アンボクロリン(クロラムブシル)、アミノレブリン酸塩酸塩/アナストロゾール、アプレピタント、アレディア(パミドロネート二ナトリウム)、アリミデックス(アナストロゾール)、アロマシン(エキセメスタン)、アラノン(ネララビン)、三酸化ヒ素、アルゼラ(オファツムマブ)、アスパラギナーゼエルウィニアクリサンチミー、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、アザシチジン、BEACOPP、ベセヌム(カルムスチン)、ベレオダク(ベリノスタット)、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、BEP、ベバシズマブ、ベキサロテン、ベキサール(トシツモマブ及びヨードI131トシツモマブ)、ビカルタミド、BiCNU(カルムスチン)、ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ブリンサイト(ブリナツモマブ)、ボルテゾミブ、ボシュリフ(ボスチニブ)、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ-S-リンゴ酸塩、CAF、キャンパス(アレムツズマブ)、カンプトサル(イリノテカン塩酸塩)、カペシタビン、CAPOX、カラック(Carac)(フルオロウラシル外用薬)、カルボプラチン、CARBOPLATIN‐TAXOL(カルボプラチン‐タキソール)、カルフィルゾミブ、カルムブリス(カルムスチン)、カルムスチン、カルムスチンインプラント、カソデックス(ビカルタミド)、CeeNU(ロムスチン)、セリチニブ、セルビジン(ダウノルビシン塩酸塩)、セルバリックス(HPV2価ワクチン(遺伝子組換え))、セツキシマブ、クロラムブシル、CHLORAMBUCIL‐PREDNISONE(クロラムブシル‐プレドニゾン)、CHOP、シスプラチン、クラフェン(シクロホスファミド)、クロファラビン、クロファレックス(クロファラビン)、クロラール(クロファラビン)、CMF、コビメチニブ、コメトリック(カボザンチニブ‐S‐リンゴ酸塩)、COPDAC、COPP、COPP‐ABV、コスメゲン(ダクチノマイシン)、コテリック(コビメチニブ)、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、サイフォス(Cyfos)(イホスファミド)、サイラムザ(ラムシルマブ)、シタラビン、シタラビンリポソーム、シトサール‐U(シタラビン)、シトキサン(シクロホスファミド)、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダコゲン(デシタビン)、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダルザレックス(ダラツムマブ)、ダサチニブ、ダウノルビシン塩酸塩、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デポサイト(シタラビンリポソーム)、デキサメタゾン、デクスラゾキサン塩酸塩、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドキシル(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ドキソルビシン塩酸
塩、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム、Dox‐SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC‐Dome(ダカルバジン)、エフディクス(Efudex)(フルオロウラシル外用薬)、エリテック(ラスブリカーゼ)、エレンス(エピルビシン塩酸塩)、エロツズマブ、エロキサチン(オキサリプラチン)、エルトロンボパグオラミン、イメンド(アプレピタント)、エムプリシティ(エロツズマブ)、エンザルタミド、エピルビシン塩酸塩、EPOCH、アービタックス(セツキシマブ)、エリブリンメシル酸塩、エリベッジ(ビスモデギブ)、エルロチニブ塩酸塩、エルウィナーゼ(アスパラギナーゼエルウィニアクリサンテミ)、エトポホス(Etopophos)(エトポシドリン酸塩)、エトポシド、エトポシドリン酸塩、エバセト(Evacet)(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、エベロリムス、エビスタ(ラロキシフェン塩酸塩)、エキセメスタン、5‐FU(フルオロウラシル注射液)、5‐FU(フルオロウラシル外用薬)、フェアストン(トレミフェン)、ファリーダック(パノビノスタット)、フェソロデックス(フルベストラント)、FEC、フェマーラ(レトロゾール)、フィルグラスチム、フルダラ(フルダラビンリン酸エステル)、フルダラビンリン酸エステル、フルオロプレックス(フルオロウラシル外用薬)、フルオロウラシル注射液、フルオロウラシル外用薬、フルタミド、フォレックス(メトトレキサート)、フォレックスPFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRI‐BEVACIZUMAB、FOLFIRI‐CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、フォロチン(プララトレキサート)、FU‐LV、フルベストラント、ガーダシル(HPV4価ワクチン(遺伝子組換え))、ガーダシル9(HPV9価ワクチン(遺伝子組換え))、ガジーバ(オビヌツズマブ)、ゲフィチニブ、ゲムシタビン塩酸塩、GEMCITABINE‐CISPLATIN(ゲムシタビン‐シスプラチン)、GEMCITABINE‐OXALIPLATIN(ゲムシタビン‐オキサリプラチン)、ゲムツズマブオゾガマイシン、ジェムザール(ゲムシタビン塩酸塩)、ジオトリフ(アファチニブ二マレイン酸塩)、グリベック(イマチニブメシル酸塩)、ギリアデル(カルムスチンインプラント)、グリアデルウェファー(カルムスチンインプラント)、グルカルピダーゼ、ゴセレリン酢酸塩、ハラヴェン(エリブリンメシル酸塩)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、HPV2価ワクチン(遺伝子組換え)、HPV9価ワクチン(遺伝子組換え)、HPV4価ワクチン(遺伝子組換え)、ハイカムチン(トポテカン塩酸塩)、ハイパーCVAD、イブランス(パルボシクリブ)、イブリツモマブチウキセタン、イブルチニブ、ICE、アイクルシグ(ポナチニブ塩酸塩)、イダマイシン(イダルビシン塩酸塩)、イデラリシブ、アイフェックス(Ifex)(イホスファミド)、イホスファミド、IL‐2(アルデスロイキン)、イマチニブメシル酸塩、イムブルビカ(イブルチニブ)、イミキモド、イムリジク(Imlygic)(タリモジンラヘルパレプベク)、インライタ(アキシチニブ)、インターフェロンα-2b(遺伝子組換え)、インターロイキン-2(アルデスロイキン)、イントロンA(インターフェロンα-2b(遺伝子組換え))、ヨードI 131 トシツモマブ及びトシツモマブ、イピリムマブ、イレッサ(ゲフィチニブ)、イリノテカン塩酸塩、イリノテカン塩酸塩リポソーム、イストダックス(ロミデプシン)、イクサベピロン、イキサゾミブクエン酸エステル、イキセンプラ(イクサベピロン)、ジャカフィ(ルキソリチニブリン酸塩)、ジェブタナ(カバジタキセル)、カドサイラ(アド-トラスツズマブエムタンシン)、ケオキシフェン(ラロキシフェン塩酸塩)、ケピバンス(パリフェルミン)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)、カイプロリス(カルフィルゾミブ)、ランレオチド酢酸塩、ラパチニブジトシル酸塩、レナリドマイド、レンバチニブメシル酸塩、レンビマ(レンバチニブメシル酸塩)、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、ロイケラン(クロラムブシル)、ロイプロリド酢酸塩、レブラン(アミノレブリン酸)、リンフォリジン(Linfolizin)(クロラムブシル)、リポドックス(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ロムスチン、ロンサーフ(トリフルリジン及びチピラシル塩酸塩)、リュープリン(Lupron)(リュープロリド酢酸塩)、リュープリンデポ(Lupron Depot)(リュープロリド酢酸塩)、リュープリンデポ-ペド(Lupron Depot-Ped)(リュープロリド酢酸塩)、リュープリンデポ-3ヶ月(Lupron Depot-3
Month)(リュープロリド酢酸塩)、リュープリンデポ-4ヶ月(Lupron Depot-4Month)(リュープロリド酢酸塩)、リンパルザ(オラパリブ)、マーキボ(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、マツラン(Matulane)(プロカルバジン塩酸塩)、メクロレタミン塩酸塩、メゲース(メゲストロール酢酸エステル)、メゲストロール酢酸エステル、メキニスト(トラメチニブ)、メルカプトプリン、メスナ、メスネックス(メスナ)、メタゾラストン(テモゾロミド)、メトトレキサート、メトトレキサートLPF(メトトレキサート)、メキサート(メトトレキサート)、メキサート‐AQ(メトトレキサート)、マイトマイシンC、ミトキサントロン塩酸塩、ミトザイトレックス(マイトマイシンC)、MOPP、モゾビル(プレリキサホル)、ムスタルゲン(メクロレタミン塩酸塩)、ミュータマイシン(マイトマイシンC)、ミレラン(ブスルファン)、マイロサー(Mylosar)(アザシチジン)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ナノ粒子パクリタキセル(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ナベルビン(ビノレルビン酒石酸塩)、ネシツムマブ、ネララビン、ネオサール(シクロホスファミド)、ネツピタント及びパロノセトロン塩酸塩、ニューポジェン(フィルグラスチム)、ネクサバール(ソラフェニブトシル酸塩)、ニロチニブ、ニンラーロ(イキサゾミブクエン酸エステル)、ニボルマブ、ノルバデックス(タモキシフェンクエン酸塩)、Nプレート(ロミプロスチム)、オビヌツズマブ、オドムゾ(ソニデジブ)、OEPA、オファツムマブ、OFF、オラパリブ、オマセタキシンメペスクシナート、オンカスパー(Oncaspar)(ペガスパルガーゼ)、オンダンセトロン塩酸塩、オニバイド(イリノテカン塩酸塩リポソーム)、オンタック(デニロイキンディフティトックス)、オプジーボ(ニボルマブ)、OPPA、オシメルチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、PAD、パルボシクリブ、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩及びネツピタント、パミドロン酸二ナトリウム、パニツムマブ、パノビノスタット、パラプラット(カルボプラチン)、パラプラチン(カルボプラチン)、パゾパニブ塩酸塩、PCV、ペガスパルガーゼ、ペグインターフェロンα-2b、PEG-イントロン(ペグインターフェロンα-2b)、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウムパージェタ(ペルツズマブ)、ペルツズマブ、プラチノール(シスプラチン)、プラチノール-AQ(シスプラチン)、プレリキサホル、ポマリドミド、ポマリスト(ポマリドミド)、ポナチニブ塩酸塩、ポルトラザ(ネシツムマブ)、プララトレキサート、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩、プロロイキン(アルデスロイキン)、プロリア(デノスマブ)、プロマクタ(エルトロンボパグオラミン)、プロベンジ(シプロイセル-T)、プリントール(メルカプトプリン)、プリキサン(Purixan)(メルカプトプリン)、二塩化ラジウム223、ラロキシフェン塩酸塩、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、R‐CHOP、R‐CVP、遺伝子組換えヒトパピローマウイルス(HPV)2価ワクチン、遺伝子組換えヒトパピローマウイルス(HPV)9価ワクチン、遺伝子組換えヒトパピローマウイルス(HPV)4価ワクチン、遺伝子組換えインターフェロンα‐2b、レゴラフェニブ、R‐EPOCH、レブリミド(レナリドマイド)、リウマトレックス(メトトレキサート)、リツキシマブ、ロラピタント塩酸塩、ロミデプシン、ロミプロスチム、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、ルキソリチニブリン酸塩、スクラロウス胸膜内エアロゾル)(タルク)、シルツキシマブ、シプリューセル-T、ソマチュリンデポ(ランレオチド酢酸塩)、ソニデジブ、ソラフェニブトシル酸塩、スプリセル(ダサチニブ)、STANFORD V、滅菌タルクパウダー(タルク)、ステリタルク(タルク)、スチバーガ(レゴラフェニブ)、スニチニブリンゴ酸塩、スーテント(スニチニブリンゴ酸塩)、サイラトロン(Sylatron)(ペグインターフェロンα-2b)、シルバント(シルツキシマブ)、サイノウヴィアル(サリドマイド)、シンリボ(オマセタキシンメペスクシナート)、タブロイド(チオグアニン)、TAC、タフィンラー(ダブラフェニブ)、タグリッソ(オシメルチニブ)、タルク、タリモジーンラハーパレプベック、タモキシフェンクエン酸塩、タラビンPFS(シタラビン)、タルセバ(エルロチニブ塩酸塩)、タルグレチン (ベキサロ
テン)、タシグナ(ニロチニブ)、タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセ
タキセル)、テモダール(テモゾロミド)、テモゾロミド、テムシロリムス、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トラク(Tolak)(フルオロウラシル外用薬)、トポサール(エトポシド)、トポテカン塩酸塩、トレミフェン、トリセル(テムシロリムス)、トシツモマブ及びヨードI 131、トシツモマブ、トテクト(デクスラゾキサン塩酸塩)、TPF、トラベクテジン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トレアンダ(ベンダムスチン塩酸塩)、トリフルリジン及びチピラシル塩酸塩、トリセノックス(亜ヒ酸)、タイカーブ(ラパチニブジトシル酸塩)、ユニツキシン(ジヌツキシマブ)、ウリジントリアセテート、VAC、バンデタニブ、VAMP、バルビ(Varubi)(ロラピタント塩酸塩)、ベクティビックス(パニツムマブ)、VeIP、ベルバン(ビンブラスチン硫酸塩)、ベルケイド(ボルテゾミブ)、ベルサール(ビンブラスチン硫酸塩)、ベムラフェニブ、ベプシド(エトポシド)、ビアドゥール(Viadur)(リュープロリド酢酸塩)、ビダーザ(アザシチジン)、ビンブラスチン硫酸塩、ビンカサールPFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ビンクリスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム、ビノレルビン酒石酸塩、VIP、ビスモデギブ、ビストガード(Vistogard)(ウリジントリアセテート)、ボラキサーゼ(Voraxaze)(グルカルピダーゼ)、ボリノスタット、ヴォトリエント(パゾパニブ塩酸塩)、ウェルコボリン(ロイコボリンカルシウム)、ザーコリ(クリゾチニブ)、ゼローダ(カペシタビン)、XELIRI、XELOX、Xgeva(デノスマブ)、ゾーフィゴ(二塩化ラジウム223)、イクスタンジ(Xtandi)(エンザルタミド)、ヤーボイ(イピリムマブ)、ヨンデリス(トラベクテジン)、ザルトラップ(Ziv‐アフリベルセプト)、ザルジオ(フィルグラスチム)、ゼルボラフ(ベムラフェニブ)、ゼヴァリン(イブリツモマブ チウキセタン)、ザイン
カード(Zinecard)(デクスラゾキサン塩酸塩)、Ziv‐アフリベルセプト、ゾフラン(オンダンセトロン塩酸塩)、ゾラデックス(ゴセレリン酢酸塩)、ゾレドロン酸、ゾリンザ(ボリノスタット)、ゾメタ(ゾレドロン酸)、ザイデリグ(イデラリシブ)、ジカディア(セリチニブ)、及びザイティガ(アビラテロン酢酸エステル)からなる群から選択することができる。
【0176】
調製の方法
いくつかの実施形態は、
スキーム1:
【化24】
式(A-1)の化合物を、式A-2の化合物と反応させることを含む、式(II-A)の化合物の調製に関する。いくつかの実施形態では、式(A-1)の化合物は、アミノ酸である。いくつかの実施形態では、式(II-A)の化合物は、アミノ酸残基、例えば、Gly、Ala、Phe、Tyr、Glu、Leu、Ser、Arg、Gln、Val、Lys、Thr、Asn、Met、Cys、Trp、Asp、His、Pro、又はIleから選択されたアミノ酸残基である。いくつかの実施形態では、R
3はHである。いくつかの実施形態では、式(A-1)の化合物は、アミノ酸、アミノ単糖、アルコール、又はヒドロキシルアミンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、式(A-1)の化合物は、D-グルコサミン、アルコール(例えば、メタノール)、又はヒドロキシルアミンである。いくつかの実施形態において、Rは、R-Hの脱プロトン化の際に形成されるラジカルである。
【0177】
いくつかの実施形態は、ツカレソールをNH
2-OR
aと反応させることを含む、式(II-B)の化合物の調製に関する。いくつかの実施形態では、R
aは、H又はC
1-6アルキルである。
スキーム2:
【化25】
【0178】
いくつかの実施形態は、ツカレソール上のカルボン酸基を保護して式(A-3)の化合物を形成し、式(A-3)の化合物中の水酸基をエステル化し、次に加水分解を受けて、式(II-C)の化合物を形成することを含む、式(II-C)の化合物の調製に関する。いくつかの実施形態において、R
bはアルキルである。いくつかの実施形態では、R
bは、メチル、エチル、又はプロピルである。いくつかの実施形態では、R
bはメチルである。いくつかの実施形態において、R’は、それぞれ独立して、-OH、-OC(O)CH
3、-CH
2OH、-CH
2OC(O)CH
3、-(C
2-3アルキレン)-OH、及び-(C
2-3アルキレン)-OC(O)CH
3から選択される最大4個の置換基で置換された、酸素ヘテロ原子を1つ含む5~6員ヘテロシクリルのことを指す。いくつかの実施形態では、R’は、D-グルコース、2-デオキシ-D-グルコース、D-リボース、及び2-デオキシ-D-リボースからなる群より選択される、5~6員単糖環である。いくつかの実施形態では、R’は、アシル、D-グルコース、2-デオキシ-D-グルコース、D-リボース、又は2-デオキシ-D-リボースである。いくつかの実施形態では、R’は、
【化26】
である。いくつかの実施形態では、R’は、
【化27】
である。
スキーム3:
【化28】
【0179】
本明細書に開示の化合物は、上記の方法によって、又はこれらの方法の改良によって合成することができる。方法論上での改良の方法としては、特に、当業者にとって公知の温度、溶媒、試薬等が挙げられる。一般に、本明細書に開示される化合物の調製のためのいずれかの工程の間、当該分子のいずれかの、敏感な又は反応性の基を保護することが必要及び/又は望ましい場合がある。このことは、例えば、Protective Groups in Organic Chemistry (J.F.W. McOmie編、Plenum Press、1973);及びP.G.M.Green、T.W.Wutt
s、Protecting Groups in Organic Synthesis(第3版) Wiley, New York(1999)に記載の、従来の保護基により達成され、これら両方とも参照によりその全体を本明細書中に援用される。保護基は、当技術分野における公知の方法を用いて、後続の都合の良い段階で脱保護することができる。適用可能な化合物を合成する上で有用な合成化学変換方法は、当技術分野で知られており、例えば、R.Larock、Comprehensive Organic Tra
nsformations、VCH Publishers、1989、又はL.Paquette編、Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons、1995に記載のものを含み、これらは両方とも、その全体が参照により、本明細書に援用される。本明細書に示され、記載された反応経路は例示に過ぎず、いかなる方法も特許請求の範囲を限定することを想定しておらず、またそう解釈されるべきものでもない。当業者は、本明細書の開示に基づいて、開示された合成の改良方法を理解し、代替経路を考案することができるであろう;全てのそのような改変及び代替経路は、特許請求の範囲に含まれるものである。
【実施例】
【0180】
本開示をさらに説明するために、以下の実施例を挙げる。もちろん、実施例は、本開示を特に限定するものとして解釈されるべきではない。特許請求の範囲内のこれらの実施例のバリエーションは、当業者の範囲内であり、本明細書に記載され、特許請求される本開示の範囲内に入ると考えられる。読者は、本開示を武装された当業者であれば、網羅的な例なしでも本開示を準備し、使用することができると認識するであろう。
実施例1
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【0181】
ツカレソールを、対応する各アミノ酸と反応させ、それぞれ化合物A01~A20を生成した。
【0182】
ツカレソールは、D-グルコサミン、メタノール及びヒドロキシルアミンとそれぞれ反応し、化合物A21、A22及びB01を形成した。
【0183】
化合物C03及びC04に関しては、まず、メタノール中にツカレソールを加え、その溶液を0℃に冷却し、SOCl2を加えることにより、ツカレソールのメチルエステルを得た。次に、このメチルエステルをPPh3とTHFの混合物に加え、DIADで反応させ、それぞれ化合物C03及びC04を得た。
【0184】
実施例2
化合物B02:
(E)-4-((3-ヒドロキシ-2-((メトキシイミノ)メチル)フェノキシ)メチル)安息香酸
【化29】
250mlフラスコにツカレソール(8.5g、31mmol、1.0eq)、K
2CO
3(13.8g、100mmol、3eq)及び70mlのDMFを加えた。続いて、メトキシアミン塩酸塩(4.8g、58mmol、1.7eq)を少しずつ添加した。その後、混合物を25℃で8時間撹拌し、200mlの水に注ぎ、HClでpH1~2の酸性とした。得られた固体を濾過し、50℃のオーブンで乾燥させた。粗生成物(8.6g)を60ml酢酸エチル中で還流し、室温に冷却後、濾過して7.1gの白色固体を得た(収率
80%)。H―NMR(d6DMSO中):7.863(1H,S),7.270-7.2
50(2H,d),6.755-6.736(2H,d),6.409-6.406(1H,t),5.728-5.736(2H,t),4.413(2H,S),3.16(3H,s)。TLC DCM:MeOH=20:1、Rf=0.6。
【0185】
実施例3
化合物B02-1:
エチル(E)-(4-((3-ヒドロキシ-2-((メトキシイミノ)メチル)フェノキシ)メチル)ベンゾイル)グリシネート
【化30】
化合物B02(1.7g、5mmol、1.0eq)、グリシンメチルエステル塩酸塩(0.81g、6mmol、1.2eq)、HOBT(0.81g、6mmol、1.2eq)及び20mlのTHFを100mlの三口フラスコに加えた。TEA(2.5g、
5.0eq)を滴下した後、25℃で2時間攪拌した。次に、反応混合物を100mlの
水に加え、これを50mlのDCMで抽出した。その後、DCM溶液を乾燥させ(Na
2SO
4)、減圧下で蒸留した。乾燥した粗混合物を、カラム分離によって精製した。Rf=0.5-0.6(PE/EA=1/1)のフラクションを集め、蒸留して250mgの標記化合物を得た(収率13%)。H-NMR(CDCl
3中):10.36(1H,S);8.7(1H,S);7.85-7.87(2H,d),7.49-7.51(2H,m);7.1(1H,m);5.15(2H,S);4.26-4.32(4H,m);4.00(3H,S),1.33-1.37(3H、t)。
【0186】
実施例4
化合物C01:
4-((3-アセトキシ-2-ホルミルフェノキシ)メチル)安息香酸
【化31】
0℃に予冷した100mlのフラスコにツカレソール(3.0g、11mmol、1.0eq)とピリジン30mlを加え、酢酸無水物をゆっくり加えた後、25℃に加温して72時間撹拌した。酢酸無水物をゆっくり加えた後、25℃に温め、72時間攪拌し、溶媒を留去し、カラム精製した。Rf=0.4(PE/EA/Ac=1/2/drops)のフラクションを回収し、0.64gの標記化合物を得た。H-NMR(d6DMSO中):12.93(1H,S),10.395(1H,S);8.00(1H,d);7.6
29-7.696(3H,m);7.254(1H,d);6.831(1H,d);5.763(2H,s),2.282(3H,s)であった。
【0187】
実施例5
化合物C02-1:
4-((2-ホルミル-3-ヒドロキシフェノキシ)メチル)安息香酸メチル
【化32】
250mlのフラスコにツカレソール(10.0g、36mmol、1.0eq)と100mlのメタノールを加えた。0℃に冷却した後、4mlのSOCl
2を注意深く添加した。この反応溶液を5時間、還流した。その後、この溶液を蒸留して乾燥し、PE/PE(10/1)でスラリー化し、濾過して、9.4gの標記化合物(Rf=0.55、EA/PE=2/1)を得、これをさらに精製せずに直接使用した。
【0188】
得られたツカレソールのメチルエステル(9.4g、32mmol、1.0eq)を250mlフラスコに(2R,3R,4S,5R)-2-(アセトキシメチル)-6-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリルトリアセテート(12g、36mmol、1.1eq)、PPh3(10g、40mmol、1.2eq)及びTHF
150mlと共に添加した。反応液を0℃に冷却した後、20mlのDIADを慎重に加え、温度を5℃以下に保った。反応終了後、水300mlを加えた。200mlのEAを加え、水溶液から、得られた化合物を抽出した。その後、溶媒を除去した。そして、得られた化合物をカラムで精製した。Rf=0.7(EA:PE=2:1)のフラクションを回収し、蒸留して溶媒を除去し、標記化合物3.0gを得た。H-NMR(CDCl3)10.473(1H,s),8.090(2H,d),7.577(2H,d),7.404(1H,t),6.750(2H,m),5.144-5.373(5H,m),4.297(1H,m),4.230(1H,m),3.941(3H,s),3.932(1H,m),2.045-2.180(12H,m)であった。
【0189】
実施例6
化合物C02:
【化33】
化合物C02-1(2.0g、33mmol、1.0eq)、20mlのTHF及び20molのH
2Oを100mlのフラスコに添加した。溶液を0℃に冷却した後、LiOH.H
2O(8g、200mmol)を添加した。反応液を25℃で16時間撹拌し、その後、0℃に冷却し、1MのHClでpH=2まで酸性化した。得られた固体を濾過し、カラムで精製した。Rf=0.1(DCM/メタノール/Ac=10/1/drops)のフラクションを集め、溶媒を除去し、0.7gの標記化合物を得た。H-NMR:(DMSO)12.928(1Hs),10.516(1Hs),7.985(2Hd),7.650(2Hd),7.558(1Ht),4.943-5.421(6Hm),4.608(1Hs),3.179-3.717(6Hm)であった。
【0190】
実施例7
ツカレソールの静脈内投与及び経口投与の薬物動態スクリーニング及び化合物B02、C
01、C02-1及びC02の薬物動態スクリーニング
ツカレソール、化合物B02、化合物C01、化合物C02-1、及び化合物C02を、非絶食雄C57BL/6マウスに、IVボーラス(1eqのNaOH入り20%ヒドロキシプロフィル-β-シクロデキストリン中の3mg/kg)又はPO(水中の1%カルボキシメチルセルロース/0.1%Tween(登録商標)80における10mg/kg)で1回、投与した。投与後、0.083(静脈内投与のみ)、0.25、0.5、1、2、4、8、24時間に、動物の中足背静脈から(24時間時点では心臓から)、K2-EDTA血漿を採血した。投与したツカレソール又は化合物の血漿中濃度をLC/MS/MS(MS用装置I-CMS-8060)により測定した。その後、WinNonlin
6.1によりPKパラメータを算出した。又、化合物C01、C02及びC02-1については、LCを利用して22℃で1時間にわたりC57BL/6 K2EDTA血漿中の安定性を評価した。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0191】
表2は、ツカレソール、化合物B02、化合物C01、化合物C02-1及び化合物C02を、静脈内投与(IV)(3mg/kg)又は経口投与(PO)(10mg/kg)投与した後の、血中のツカレソールのPKパラメータを示すものである。具体的には、表2から、化合物C02は、経口投与した場合、ツカレソールを経口投与した場合と同様の血漿ツカレソールレベルとなることが実証された。化合物C01を経口投与した場合、化合物C02を投与した場合よりも有意ではあるが、より低いツカレソール曝露量がもたらされた。
【0192】
表3~表7は、この研究のPKサンプルについて行われた個々の測定値を報告する。
【0193】
表8は、化合物C01、C02、及びC02-1のマウス血漿安定性を報告する。化合物C01及びC02-1は22℃では不安定である。化合物C02は初期不安定性を示したが、1時間を通して開始時の約60~70%で平準化された。
【0194】
C57BL/6マウスに化合物C02及びC01を経口投与すると、血漿中にツカレソールが有意に曝露され、化合物C02はツカレソールを経口投与したときと同様のレベルを達成した。ツカレソール、化合物C01、化合物C02、及び化合物C02-01の経口及び静脈内投与におけるツカレソールの血漿中濃度を、それぞれ
図1A、1B、1C、および1Dに示した。表9は、健常者におけるツカレソール単回投与後のツカレソールの薬物動態を示したものである。
【表9】
【0195】
実施例8
ツカレソール及び化合物C02の単剤によるマウス皮下Hepa1-6肝癌モデルに対す
るインビボ(in vivo)治療効果試験
C57BL/6マウス皮下Hepa1-6肝癌モデルに対するツカレソール及び化合物C02の単剤での治療効果を前臨床インビボで評価した。
【0196】
細胞培養:Hepa1-6腫瘍細胞は、37℃、空気中5%CO2の雰囲気下、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地で単層培養としてインビトロ(in vitro)で維持した。指数増殖期にある細胞を収穫し、腫瘍接種のために計数した。
【0197】
腫瘍の接種:各C57BL/6マウスの右脇腹に、0.1mlのPBS(リン酸緩衝液)中のHepa1-6腫瘍細胞(5×106個)を皮下接種し、腫瘍を発生させた。腫瘍細胞を接種した日を0日目とした。
【0198】
無作為化:無作為化は、各モデルにおいて平均腫瘍サイズが約100~150mm3に達した時点で開始した。研究用に、120匹のマウスを登録した。すべての動物を、腫瘍体積によって10の研究群に無作為に割り当て、群間の体重に有意差がないことを確認した。無作為化は、ランダム化ブロックデザインに基づいて行われた。
【0199】
腫瘍細胞接種後、動物を毎日チェックし、病的状態及び死亡率を確認した。日常的なモニタリングの間、動物を、移動程度、食物及び水の消費、体重の増加/減少(体重は無作為化後1週間に2回測定する)、目/毛のつや消し及び他の異変などの行動に対する腫瘍増殖及び治療の影響についてチェックした。死亡率及び観察された臨床兆候を、個々の動物について詳細に記録した。
【0200】
腫瘍体積は、ノギスを用いて2次元的に週2回測定し、体積は式を用いてmm
3単位で表した。V=(L×W×W)/2、ここでVは腫瘍体積、Lは腫瘍長(最も長い腫瘍寸法)、Wは腫瘍幅(Lの方向に垂直な最も長い腫瘍寸法)である。投与並びに腫瘍及び体重の測定は、層流キャビネット内で行われた。以下の表10は、様々な試験群に対する投与スケジュールを示している。
【表10】
【0201】
腫瘍増殖抑制率(TGI):TGI%は、抗腫瘍活性の指標であり、次のように表される。TGI(%)=100(1-T/C)。T及びCは、それぞれ、ある日の処理群及びコントロール群の平均腫瘍体積(又は重量)である。群間の平均腫瘍体積の差の統計解析
は、試験に登録された全ての/ほとんどのマウスについてTGIを導き出すことができるように、ビヒクル群の平均TVが、人道的エンドポイントに達する日に収集したデータを用いて実施した。AUC=線形混合効果回帰モデルを用いて統計解析を行った。ビヒクル処理コントロール群の平均腫瘍負担が2,000mm3に達するか、又は最終投与から1週間後のいずれか先に来たときに、研究を終了させた。
【0202】
マウス肝癌モデルにおけるツカレソール及び化合物C02の有効性の結果を
図2A及び
図2Bに示す。
図2Aは第1群~第5群までの治療結果を示し、
図2Bは第6群~第10群までの結果を示している。この結果から、化合物C02とツカレソールは同様の効果を得ることができ、経口投与されたC02はより高い効果を得ることができることが示された。化合物C02を1日1回、5日間投与(QDx5)した場合、隔日投与よりも高い有効性が得られた。有効性が得られた後、腫瘍の高レベル免疫細胞浸潤に変化は認められなかった。
【0203】
実施例9
皮下投与型MC-38マウス大腸癌モデルの治療における、化合物C02の単剤及び抗PD-1抗体との併用によるインビボ治療効果試験
本試験は、C57BL/6マウス皮下MC-38大腸癌モデルに対する、化合物C02の単剤及び抗PD-1抗体との併用によるインビボ治療効果を前臨床的に評価したものである。以下の表11に、調査した様々な群の投与スケジュールを示す。
【表11】
【0204】
治療レジメンは、定められた規則及び/又は患者の要求に従って、BW損失又は他の副作用ごとに変更され得る。同じ日に投与する場合、C02のビヒクルを、抗PD1又はコントロールIgGの投与の約1~2時間後に投与した。
【0205】
Hepa1-6腫瘍細胞は、37℃、空気中5%CO2の雰囲気下、10%ウシ胎児血清を補充したRPMI-1640中、単層培養としてインビトロで維持した。指数増殖期にある細胞を収穫し、腫瘍接種のために計数した。
【0206】
腫瘍の接種:各C57BL/6マウスの右脇腹に、0.1mlのPBS中のMC-38腫瘍細胞(1×106個)を皮下接種し、腫瘍を発生させた。腫瘍細胞を接種した日を0日目とした。
【0207】
無作為化:無作為化は、各モデルにおいて平均腫瘍サイズが約100~150mm3に達した時点で開始した。研究用に120匹のマウスを登録した。すべての動物を、腫瘍体積によって10の研究群に無作為に割り当て、群間の体重に有意差がないことを確認した。無作為化は、ランダム化ブロックデザインに基づいて行われた。C02用ビヒクル、抗PD1及びコントロールIgGの治療を、無作為化後直ちに開始した。無作為化及び最初の治療の日をPG(グルーピング後)-0日目と表記した。
【0208】
腫瘍細胞接種後、動物を毎日チェックし、病的状態及び死亡率を確認した。日常的なモニタリングの間、動物を、移動の程度、食物及び水の消費、体重の増加/減少(体重は無作為化後1週間に2回測定される)、目/毛のマット及び他の異変などの行動に対する腫瘍増殖及び処置の影響についてチェックした。死亡率及び観察された臨床兆候を、個々の動物について詳細に記録した。
【0209】
腫瘍体積は、ノギスを用いて2次元的に週2回測定し、体積は式を用いてmm3単位で表現した。V=(L×W×W)/2、ここでVは腫瘍体積、Lは腫瘍長(最も長い腫瘍寸法)、Wは腫瘍幅(L方向に対して垂直な最も長い腫瘍寸法)である。投与並びに腫瘍及び体重の測定は、層流キャビネット内で実施した。
【0210】
直腸温は、最初の投与の前日と最後の経口投与の翌日に無麻酔で記録した。
【0211】
各種試験群における投与スケジュールは、上記の表11に示すとおりである。
【0212】
図3A及び
図3Bは、MC38のネズミ大腸癌モデルにおける、様々な用量でのツカレソール、抗PD1、及び抗CTLA4群の阻害活性を示す図である。
図4A及び
図4Bはそれぞれ、MC38のネズミ大腸癌モデルにおける、様々な用量での化合物C02及び抗PD1組み合わせの場合の腫瘍成長率及び生存率を示す図である。単剤療法として又は抗PD1との組み合わせとして1日1回5日間投与した(QDx5)化合物C02の場合における確固たる優位性は、治療の約15~20日後に特に明白であり、免疫学的MOA(例えば、既存の免疫反応のブースト又はネオ抗原生成)を示す。化合物C02のQDx5投与の有効性は、QDx5を10mg/kgまで落としても、逆用量反応関係を示した。
【0213】
実施例10
C47BL/6雌マウスの皮下合成大腸癌モデルMC38の治療における、C02と抗PD1との併用によるインビボ試験
MC38腫瘍細胞は、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地を用いて、37℃、空気中5%CO2の雰囲気でインビトロにて維持した。腫瘍接種前に指数増殖期の細胞を採取し、セルカウンターで定量した。各マウスに、1×106個のMC38腫瘍細胞を0.1mlのPBSに溶解して右脇腹に皮下接種し、腫瘍を発生させた。
【0214】
平均腫瘍サイズが約145mm3に達した時点で無作為化を開始した。研究用に108匹のマウスを登録した。全ての動物を9つの試験群に無作為に割り付けた。腫瘍体積による無作為化は、「マッチング分布」法/「層化抽出」法(StudyDirectorTMソフトウェア、バージョン3.1.399.19)/ランダムブロックデザイン法に基づいて実施した。
【0215】
腫瘍細胞接種後、動物を毎日チェックして、病的状態及び死亡率を確認した。日常的なモニタリングの間、動物を、移動の程度、食物及び水の消費、体重の増加/減少(体重は無作為化後1週間に3回測定した)、目/毛のマット及び他の異変などの行動に対する腫瘍増殖及び処置の影響をチェックした。死亡率及び観察された臨床症状に関し、個々の動物について詳細に記録した。
【0216】
腫瘍体積は、ノギスを用いて無作為化後1週間に3回2次元的に測定し、体積を以下の式によりmm3単位で表した。V=(L×W×W)/2、ここでVは腫瘍体積、Lは腫瘍長(最も長い腫瘍寸法)、Wは腫瘍幅(L方向に対して垂直な最も長い腫瘍寸法)である。投与並びに腫瘍及び体重の測定は、クリーンベンチ(Laminar Flow Cabinet)で行われた。体重及び腫瘍体積は、StudyDirectorTMソフトウェア(バージョン3.1.399.19)を用いて測定した。
【0217】
治療を無作為化後に開始した。ここに記載した試験群の試験品投与と動物数は表12の通りであった。
【表12】
【0218】
72時間の間継続して、体重減少がBWL>20%又はBWL>15%であるマウスの体重を1回測定した後、個々のマウスを犠牲とした。BWLは、投与初日のマウスのBWに基づいて計算した。BWL>15%のものを1回測定した後、BWL>15%の個体には投与を中止し、別のケージに単独で収容して72時間毎日監視し、同じ群の他のマウスには予定通り投与を行った。BWLが、BWL<10%に回復した時点で、投与を再開した。補足のゲルはスポンサーの要求に応じて、5日目~15日目の試験中のすべての動物に供給された。
【0219】
腫瘍増殖抑制率(TGI):TGI%は抗腫瘍活性の指標であり、次のように表される
。TGI(%)=100×(1-T/C)。T及びCは、それぞれ、ある日の治療群及びコントロール群の平均腫瘍体積(又は重量)である。群間の平均腫瘍体積の差の統計分析を、生存事象/安楽死までの時間という方法を用いて行った。個々のマウスは、腫瘍体積が3000mm3を超えた時点で安楽死させた。最終的に、試験は36日目に終了した。
【0220】
全ての動物の体重を試験中モニターし、投与初日の体重に対して15%以上の体重減少が3日間連続した場合、又は投与初日の体重に対して20%以上の体重減少があった場合、動物を安楽死させた。
【0221】
腫瘍体積が3000mm3を超えたマウス個体を犠牲にした。腫瘍潰瘍化(発赤部位の脱毛、創傷滲出物(湿潤開放創、出血)及び/又は皮膚がもはや閉じていない(孔あき、凹み、かさぶたなし))の認められるマウスは安楽死させた。また、重度の脱水、低体温、呼吸の異常・遅れ、嗜眠、明らかな痛み、下痢、皮膚病変、神経症状、著しい腹水と腹部肥大による運動障害(飲食不可)、失神、連続した横向き姿勢、筋萎縮の兆候、麻痺性歩行、間代性けいれん、緊張性けいれん、体の開口部からの持続的出血、のあるマウスも同様に処理した。
【0222】
あらかじめ指定された日における異なる群の腫瘍体積を比較するために、バートレット検定を使用して、すべての群にわたって分散の均質性の仮定をチェックした。バートレット検定のp値が0.05以上であった場合、一元配置分散分析(one-way ANOVA)を実行し、すべての群にわたる平均の全体的な等質性を検定した。一元配置分散分析のp値が0.05未満の場合、すべてのペアワイズ比較についてチューキーのHSD(正直な有意差)検定を実行し、各治療群とビヒクル群を比較するダネット検定を実行することにより、ポストホックテストを行った。バートレット検定のp値が0.05未満の場合は、クラスカル-ウォリス検定を実行し、全群間の中央値の全体的な等質性を検定した。クラスカル-ウォリス検定のp値が0.05未満の場合、すべてのペアワイズ比較、又は各治療群とビヒクル群の比較についてコノバーのノンパラメトリック検定を実行し、両者とも1段階のp値調整で、ポストホック検定を実施した。
【0223】
又、ペアワイズ比較は多重比較補正を行わず、ウエルチのt検定又はマン-ホイットニーのU検定から直接、名目/無補正のp値を示した。具体的には、ペア群について分散の均質性の仮定を確認するためにバートレット検定を用た。バートレット検定のp値が0.05以上の場合はウエルチのt検定を、それ以外の場合はマン-ホイットニーのU検定を実行し、名目上のp値を求めた。生存曲線はログランク(マンテル-コックス)検定により群間で比較した。
【0224】
全ての統計解析は、R-統計計算及びグラフィックス用の言語及び環境(バージョン3.3.1)を用いて行われた。特に指定がない限り、すべての検定は両側性であり、0.05未満のp値は統計的に有意であるとみなされた。
【0225】
G1~G9で治療したマウスの生存率を示すカプラン-マイヤープロット。腫瘍体積が3000mm
3を超えたマウスを犠牲にし、カプラン-マイヤープロット上でスコアリングした。以下の表13.1及び13.2で、24日間にわたって収集したデータによる腫瘍成長阻害について説明する。以下の表14.1及び14.2で、平均体重について説明する。
【表13-1】
【表13-2】
【表14-1】
【表14-2】
【0226】
利用した方法では、C02(20mg/kg、PO、QDx5(1日目~5日目))は、単独療法としての、又は抗PD1と組み合わせた、免疫能力のあるマウスに対して確立したMC38マウス大腸癌モデルにおいて、体重減少と相関がなかった。
図5A及び
図5Bは、経時的な腫瘍体積をグラフ化したものである。
図5Aに示すように、20mg/kgのC02(群4)は、抗PDA1単独投与(群3)の抗腫瘍効果を有意に増加させた。
【国際調査報告】