(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-05
(54)【発明の名称】負荷共有受信機を用いた無線電力伝送
(51)【国際特許分類】
H02J 50/40 20160101AFI20221223BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20221223BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20221223BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/12
H02J50/80
H02J7/00 301D
H02J7/00 301B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527041
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(85)【翻訳文提出日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 US2020059851
(87)【国際公開番号】W WO2021096866
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】201911045900
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315005451
【氏名又は名称】ジーイー・ハイブリッド・テクノロジーズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】カナカサバイ, ヴィスワナサン
(72)【発明者】
【氏名】バト, スマ メマナ, ナラヤナ
(72)【発明者】
【氏名】ガネーシャ, ジャヤンティ
(72)【発明者】
【氏名】バサック, ルパム
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503CC08
5G503FA03
5G503GB08
(57)【要約】
本開示は、無線電力伝送のための、記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラムを含む、システム、装置、装置、および方法を提供する。無線受電装置は、複数の無線電力信号から電力を合成するように構成されることができる。いくつかの実装形態では、無線受電装置は、複数の二次コイルから受信した無線電力を合成して、バッテリ充電器または電子装置などの負荷に合成無線電力信号を提供することができる。いくつかの実装形態では、各組の一次コイルおよび二次コイルは、無線充電規格にしたがって低電力無線電力信号(15ワット以下など)を利用することができる。複数の低電力無線電力信号からの電力を合成することにより、無線受電装置は、電子装置のより高い電力要件をサポートすることができる。開示された設計は、電磁干渉(EMI)を最小化し、無線電力伝送の効率を高めることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線受電装置であって、
複数の無線受電(RX)回路であって、各RX回路が、少なくとも1つの二次コイルを含み、各二次コイルが、1つ以上の無線送電装置の異なる一次コイルから無線電力を受信し、電力合成回路に無線電力を提供することができる、複数の無線受電回路と、
前記複数のRX回路に電気的に結合され、少なくとも2つのRX回路からの前記無線電力を合成し、合成無線電力を少なくとも第1の負荷に提供するように構成される、電力合成回路と、
を備える、無線受電装置。
【請求項2】
前記複数のRX回路に接続された1つ以上のRXコントローラであって、前記1つ以上のRXコントローラのそれぞれが、少なくとも1つのドループ構成にしたがって動作するように構成され、前記ドループ構成が、RX回路によって前記電力合成回路に提供される電圧レベルと電流量との間の関係を示す、RXコントローラ、をさらに備える、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項3】
単一のRXコントローラが複数のRX回路を制御し、前記単一のRXコントローラが、各RX回路の位置合わせメトリックに基づいて前記複数のRX回路のそれぞれに対して異なるドループ特性に構成される、請求項2に記載の無線受電装置。
【請求項4】
前記1つ以上のRXコントローラが、前記複数のRX回路のうちの第1のRX回路を制御するための少なくとも第1のRXコントローラを含み、前記第1のRXコントローラが、第1のドループ構成によって構成される、請求項2に記載の無線受電装置。
【請求項5】
前記第1のRXコントローラが、
前記第1のRX回路によって前記電力合成回路に提供される前記無線電力の測定電圧および測定電流を決定することと、
測定電圧および前記第1のドループ構成に基づいて予想電流を決定することであって、前記第1のドループ構成が、異なる測定電圧に基づいて異なる予想電流レベルを示す、決定することと、
前記予想電流と前記測定電流との差に基づいて電流誤差値を決定することと、
前記第1のRX回路に、前記電流誤差値に基づいてフィードバック通信を無線送電装置に通信させることであって、前記フィードバック通信が、前記無線送電装置に、前記無線送電装置の第1の一次コイルによって伝送された前記無線電力の動作点を前記第1のRX回路の第1の二次コイルに更新させるように構成される、通信させることと、
を行うように構成される、請求項4に記載の無線受電装置。
【請求項6】
前記第1のRXコントローラが、
前記無線送電装置から送信機通信を受信することと、
前記第1のRX回路が前記無線送電装置の前記第1の一次コイルとどの程度良好に位置合わせされているかを示す位置合わせメトリックを決定することと、
前記位置合わせメトリックに基づいて前記第1のドループ構成と第2のドループ構成との間で選択することと、
を行うように構成される、請求項4に記載の無線受電装置。
【請求項7】
前記複数のRX回路のそれぞれが、無線充電規格にしたがって低電力無線信号を受信することができ、前記電力合成回路が、前記合成無線電力を高電力信号として前記第1の負荷に提供するように構成される、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項8】
各低電力無線信号が15ワットを超えず、前記高電力信号が15ワットを超える、請求項7に記載の無線受電装置。
【請求項9】
前記複数のRX回路のそれぞれが、同じ量の無線電力を前記電力合成回路に供給するように構成される、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項10】
前記複数のRX回路が、第1のRX回路および第2のRX回路を含み、前記第1のRX回路および前記第2のRX回路が、前記電力合成回路に異なる量の無線電力を供給する、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項11】
前記異なる量の無線電力が、少なくとも部分的に、前記第1のRX回路の第1の二次コイルと第1の一次コイルとの第1の位置合わせと、前記第2のRX回路の第2の二次コイルと第2の一次コイルとの第2の位置合わせとの差に基づく、請求項10に記載の無線受電装置。
【請求項12】
前記複数のRX回路が、前記電力合成回路に互いに並列に接続される、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項13】
前記複数のRX回路が、第1のRX回路および最後のRX回路が前記電力合成回路に接続されるように直列に接続される、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項14】
第1の組のRX回路が互いに直列に接続され、第2の組のRX回路が直列に接続され、前記第1の組のRX回路および前記第2の組のRX回路が前記電力合成回路に並列に接続される、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項15】
前記複数のRX回路のうちの選択された1つを前記電力合成回路に接続する前に、前記複数のRX回路のうちの選択された1つを並列または直列回路に追加または削除するように構成されたスイッチの組、をさらに備える、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項16】
前記合成無線電力を前記第1の負荷に提供するように構成された少なくとも1つの電力出力であって、前記第1の負荷が前記無線受電装置の外部にある、少なくとも1つの電力出力、をさらに備える、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項17】
少なくとも第1の電力出力ポートおよび第2の電力出力ポートを含む複数の電力出力、
をさらに備える、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項18】
前記複数の電力出力のそれぞれが、異なる出力電力定格に関連付けられている、請求項17に記載の無線受電装置。
【請求項19】
前記複数のRX回路のためのハウジングであって、前記電子装置に取り付けられるように構成され、前記負荷が前記電子装置の充電器を含む、ハウジング、をさらに備える、請求項2に記載の無線受電装置。
【請求項20】
1つ以上のRX回路を管理するように構成された少なくとも1つの監視コントローラであって、前記負荷の電力消費に基づいて前記RX回路のうちの1つ以上をいつイネーブルまたはディセーブルにするかを決定するように構成された少なくとも1つの監視コントローラ、をさらに備える、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項21】
前記監視コントローラが、各RX回路と対応するTX回路との間の位置合わせの推定に基づいて、前記RX回路のうちの1つ以上をいつイネーブルまたはディセーブルにするかを決定するようにさらに構成される、請求項20に記載の無線受電装置。
【請求項22】
外部RX回路から電力を受信し、前記電力合成回路に前記電力を提供するように構成された少なくとも1つの電力入力接続、をさらに備える、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項23】
前記電力合成回路が、第1の電力出力を介して前記第1の負荷に第1の電力信号を提供し、第2の電力出力を介して第2の負荷に第2の電力信号を提供するように構成される、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項24】
方法であって、
無線受電(RX)回路用の複数の回路によって、1つ以上の無線送電装置から無線電力を受信することであって、各RX回路が、1つ以上の無線送電装置の異なる一次コイルから無線電力を受信し、電力合成回路に無線電力を提供するための少なくとも1つの二次コイルを含む、受信することと、
前記電力合成回路によって、前記複数のRX回路によって受信された前記無線電力を合成して、合成電力信号を形成することと、
前記合成電力信号を少なくとも第1の負荷に提供することと、
を含む、方法。
【請求項25】
無線送電装置の第1の一次コイルとの第1のRX回路内の第1の二次コイルとの位置ずれに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のRX回路を非活性化することを決定することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の負荷が前記合成電力信号よりも少ない電力を使用しているという判定に基づいて、前記複数のRX回路のうちの1つ以上を非活性化することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記複数のRX回路のそれぞれによって提供される無線電力の量を低減するための決定に基づいて、前記複数のRX回路のうちの1つ以上を活性化することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
第1の電力出力を介して前記電力合成回路から前記第1の負荷に第1の電力信号を提供することと、
前記電力合成回路から第2の電力出力を介して第2の負荷に第2の電力信号を提供することと、
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
第1のRX回路によって前記電力合成回路に提供される無線電力の測定電圧および測定電流を決定することと、
測定電圧および第1のドループ構成に基づいて予想電流を決定することであって、前記第1のドループ構成が、異なる測定電圧に基づいて異なる予想電流レベルを示す、決定することと、
前記予想電流と前記測定電流との差に基づいて電流誤差値を決定することと、
前記第1のRX回路に、前記電流誤差値に基づいてフィードバック通信を無線送電装置に通信させることであって、前記フィードバック通信が、前記無線送電装置に、前記無線送電装置の第1の一次コイルによって伝送された前記無線電力の動作点を前記第1のRX回路の第1の二次コイルに更新させるように構成される、通信させることと、
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
無線送電装置から送信機通信を受信することと、
前記第1のRX回路が前記無線送電装置の前記第1の一次コイルとどの程度良好に位置合わせされているかを示す位置合わせメトリックを決定することと、
前記位置合わせメトリックに基づいて前記第1のドループ構成と第2のドループ構成との間で選択することと、
をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線電力に関し、より具体的には、負荷共有受信機を用いた無線電力伝送に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線電力システムは、モバイル装置、小型電子装置、ガジェットなどの無線受電装置内のバッテリを充電することを主目的として開発されてきた。従来の無線電力システムでは、無線送電装置は、電磁場を生成する一次コイルを含むことができる。電磁場は、二次コイルが一次コイルに近接して配置されたときに、無線受電装置の二次コイルに電圧を誘起することができる。この構成では、電磁場は、無線で二次コイルに電力を伝送することができる。電力は、一次コイルと二次コイルとの間の共振または非共振誘導結合を使用して伝送されてもよい。無線受電装置は、受信した電力を使用して動作してもよく、または受信したエネルギーをその後の使用のためにバッテリに貯蔵してもよい。無線電力伝送のための従来の技術は、より新たな電子装置に十分な電力を提供しない可能性がある。無線で伝送可能な電力の信頼性および量を高めることが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
本開示のシステム、方法、および装置は、それぞれ、いくつかの革新的な態様を有し、そのうちの1つだけが本明細書に開示された望ましい属性を単独で担当することはない。
【0004】
本開示に記載された主題の1つの革新的な態様は、無線受電装置に実装されることができる。いくつかの実装形態では、無線受電装置は、複数の無線受電(RX)回路を含むことができる。各RX回路は、1つ以上の無線送電装置の異なる一次コイルから無線電力を受信し、無線電力を電力合成回路に提供することができる少なくとも1つの二次コイルを含むことができる。無線受電装置は、複数のRX回路に電気的に結合され、少なくとも2つのRX回路からの無線電力を合成し、合成無線電力を少なくとも第1の負荷に提供するように構成された電力合成回路を含むことができる。
【0005】
いくつかの実装形態では、無線受電装置は、複数のRX回路に接続された1つ以上のRXコントローラを含むことができる。1つ以上のRXコントローラのそれぞれは、少なくとも1つのドループ構成にしたがって動作するように構成されることができる。ドループ構成は、電圧レベルとRX回路によって電力合成回路に提供される電流量との間の関係を表すことができる。
【0006】
いくつかの実装形態では、単一のRXコントローラが複数のRX回路を制御する。単一のRXコントローラは、各RX回路の位置合わせメトリックに基づいて、複数のRX回路のそれぞれについて異なるドループ特性を有するように構成されることができる。
【0007】
いくつかの実装形態では、1つ以上のRXコントローラは、複数のRX回路のうちの第1のRX回路を制御するための少なくとも第1のRXコントローラを含み、第1のRXコントローラは、第1のドループ構成によって構成される。
【0008】
いくつかの実装形態では、第1のRXコントローラは、第1のRX回路によって電力合成回路に提供される無線電力の測定電圧および測定電流を決定するように構成される。第1のRXコントローラは、測定電圧および第1のドループ構成に基づいて予想電流を決定するように構成されることができる。第1のドループ構成は、異なる測定電圧に基づいて異なる予想電流レベルを示すことができる。第1のRXコントローラは、予想電流と測定電流との差に基づいて電流誤差値を決定することができる。第1のRXコントローラは、第1のRX回路に、現在の誤差値に基づいてフィードバック通信を無線送電装置に通信させてもよい。フィードバック通信は、無線送電装置に、無線送電装置の第1の一次コイルによって伝送された無線電力の動作点を第1のRX回路の第1の二次コイルに更新させるように構成されることができる。
【0009】
いくつかの実装形態では、第1のRXコントローラは、無線送電装置から送信機通信を受信するように構成される。第1のRXコントローラは、第1のRX回路が無線送電装置の第1の一次コイルとどの程度良好に位置合わせされているかを示す位置合わせメトリックを決定することができる。第1のRXコントローラは、位置合わせメトリックに基づいて第1のドループ構成と第2のドループ構成との間で選択することができる。
【0010】
いくつかの実装形態では、複数のRX回路のそれぞれは、無線充電規格にしたがって低電力無線信号を受信することができる。電力合成回路は、合成無線電力を高電力信号として第1の負荷に提供するように構成されてもよい。
【0011】
いくつかの実装形態では、各低電力無線信号は、15ワットを超えず、高電力信号は、15ワットを超える。
【0012】
いくつかの実装形態では、複数のRX回路のそれぞれは、電力合成回路に同じ量の無線電力を供給するように構成される。
【0013】
いくつかの実装形態では、複数のRX回路は、第1のRX回路および第2のRX回路を含む。第1のRX回路および第2のRX回路は、電力合成回路に異なる量の無線電力を供給することができる。
【0014】
いくつかの実装形態では、異なる量の無線電力は、第1のRX回路の第1の二次コイルと第1の一次コイルとの第1の位置合わせと、第2のRX回路の第2の二次コイルと第2の一次コイルとの第2の位置合わせとの間の差に少なくとも部分的に基づく。
【0015】
いくつかの実装形態では、複数のRX回路は、電力合成回路に互いに並列に接続される。
【0016】
いくつかの実装形態では、複数のRX回路は、第1のRX回路および最後のRX回路が電力合成回路に接続されるように直列に接続される。
【0017】
いくつかの実装形態では、第1の組のRX回路が互いに直列に接続され、第2の組のRX回路が直列に接続され、第1の組のRX回路および第2の組のRX回路が電力合成回路に並列に接続される。
【0018】
いくつかの実装形態では、無線受電装置は、複数のRX回路のうちの選択された1つを電力合成回路に接続する前に、複数のRX回路のうちの選択された1つを並列または直列回路に追加または削除するように構成されたスイッチの組を含むことができる。
【0019】
いくつかの実装形態では、無線受電装置は、合成無線電力を第1の負荷に提供するように構成された少なくとも1つの電力出力を含むことができ、第1の負荷は、無線受電装置の外部にある。
【0020】
いくつかの実装形態では、無線受電装置は、少なくとも第1の電力出力ポートおよび第2の電力出力ポートを含む複数の電力出力を含むことができる。
【0021】
いくつかの実装形態では、複数の電力出力のそれぞれは、異なる出力電力定格に関連付けられている。
【0022】
いくつかの実装形態では、無線受電装置は、複数のRX回路のためのハウジングを含むことができる。ハウジングは、電子装置に取り付けられるように構成されてもよい。
【0023】
いくつかの実装形態では、負荷は、電子装置のバッテリ充電器を含む。
【0024】
いくつかの実装形態では、無線受電装置は、1つ以上のRX回路を管理するように構成された少なくとも1つの監視コントローラを含むことができる。監視コントローラは、負荷の電力消費に基づいて、RX回路のうちの1つ以上をいつイネーブルまたはディセーブルにするかを決定するように構成されることができる。
【0025】
いくつかの実装形態では、監視コントローラは、各RX回路と対応するTX回路との間の位置合わせの推定に基づいて、RX回路のうちの1つ以上をいつイネーブルまたはディセーブルにするかを決定するようにさらに構成される。
【0026】
いくつかの実装形態では、無線受電装置は、外部RX回路から電力を受信し、電力合成回路に電力を提供するように構成された少なくとも1つの電力入力接続を含むことができる。
【0027】
いくつかの実装形態では、電力合成回路は、第1の電力出力を介して第1の負荷に第1の電力信号を提供し、第2の電力出力を介して第2の負荷に第2の電力信号を提供するように構成される。
【0028】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、無線受電装置によって実行される方法で実装されることができる。いくつかの実装形態では、本方法は、複数のRX回路によって、1つ以上の無線送電装置から無線電力を受信することを含むことができる。各RX回路は、1つ以上の無線送電装置の異なる一次コイルから無線電力を受信し、電力合成回路に無線電力を提供するための少なくとも1つの二次コイルを含むことができる。本方法は、電力合成回路によって、複数のRX回路によって受信された無線電力を合成して合成電力信号を形成することを含むことができる。本方法は、合成電力信号を少なくとも第1の負荷に提供することを含むことができる。
【0029】
いくつかの実装形態では、本方法は、第1のRX回路内の第1の二次コイルと無線送電装置の第1の一次コイルとの位置ずれに少なくとも部分的に基づいて、第1のRX回路を非活性化することを決定することを含むことができる。
【0030】
いくつかの実装形態では、本方法は、第1の負荷が合成電力信号よりも少ない電力を使用しているという判定に基づいて、複数のRX回路のうちの1つ以上を非活性化することを含むことができる。
【0031】
いくつかの実装形態では、本方法は、複数のRX回路のそれぞれによって提供される無線電力の量を低減するための決定に基づいて、複数のRX回路のうちの1つ以上を活性化することを含むことができる。
【0032】
いくつかの実装形態では、本方法は、第1の電力出力を介して電力合成回路から第1の負荷に第1の電力信号を提供することを含むことができる。いくつかの実装形態では、本方法は、電力合成回路から第2の電力出力を介して第2の負荷に第2の電力信号を提供することを含むことができる。
【0033】
いくつかの実装形態では、本方法は、第1のRX回路によって電力合成回路に提供される無線電力の測定電圧および測定電流を決定することを含むことができる。本方法は、測定電圧および第1のドループ構成に基づいて予想電流を決定することを含むことができ、第1のドループ構成は、異なる測定電圧に基づいて異なる予想電流レベルを示す。本方法は、予想電流と測定電流との差に基づいて電流誤差値を決定することを含むことができる。いくつかの実装形態では、本方法は、第1のRX回路に、現在の誤差値に基づいてフィードバック通信を無線送電装置に通信させることを含むことができる。フィードバック通信は、無線送電装置に、無線送電装置の第1の一次コイルによって伝送された無線電力の動作点を第1のRX回路の第1の二次コイルに更新させるように構成されることができる。
【0034】
いくつかの実装形態では、本方法は、無線送電装置から送信機通信を受信することを含むことができる。本方法は、第1のRX回路が無線送電装置の第1の一次コイルとどの程度良好に位置合わせされているかを示す位置合わせメトリックを決定することを含むことができる。いくつかの実装形態では、本方法は、位置合わせメトリックに基づいて第1のドループ構成と第2のドループ構成との間で選択することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本開示に記載された主題の1つ以上の実装形態の詳細は、添付の図面および以下の明細書に記載されている。他の特徴、態様、および利点は、明細書、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対寸法は、縮尺通りに描かれていない場合があることに留意されたい。
【0036】
【
図1】いくつかの実装形態にかかる例示的な無線電力システムに関連する構成要素の概要を示している。
【
図2】いくつかの実装形態にかかる、無線送電装置の複数の一次コイルから電力を受信することができる無線受電装置を含む例示的な無線電力システムを示している。
【
図3】いくつかの実装形態にかかる、無線送電装置が重なり合うパターンで配置された複数層の一次コイルを含む例示的な無線電力システムを示している。
【
図4】いくつかの実装形態にかかる、無線受電装置が電子装置に電力を提供するように構成された例示的な無線電力システムを示している。
【
図5】いくつかの実装形態にかかる、複数の二次コイルからの電力を合成する例示的な無線電力システムのブロック図を示している。
【
図6】いくつかの実装形態にかかる例示的なドループ構成のグラフを示している。
【
図7】いくつかの実装形態にかかる例示的な動的ドループ構成のグラフを示している。
【
図8】いくつかの実装形態にかかる、位置合わせメトリックに基づく別の例示的な動的ドループ構成のグラフを示している。
【
図9】いくつかの実装形態にかかる、並列に接続された複数の無線受電器を有する例示的な無線受電装置を示している。
【
図10】いくつかの実装形態にかかる監視コントローラを有する例示的な無線受電装置を示している。
【
図11】いくつかの実装形態にかかる、直列に接続された複数の無線受電器を有する例示的な無線受電装置を示している。
【
図12】いくつかの実装形態にかかる、直列および並列に接続された複数の無線受電器を有する例示的な無線受電装置を示している。
【
図13】いくつかの実装形態にかかる、異なる電力定格で電力出力を生成することができる例示的な無線受電装置を示している。
【
図14】いくつかの実装形態にかかる、複数の電力出力を生成することができる例示的な無線受電装置を示している。
【
図15】いくつかの実装形態にかかる、外部無線受電器を利用する例示的な無線受電装置を示している。
【
図16】いくつかの実装形態にかかる、内部および外部無線受電器を利用することができる例示的な無線受電装置を示している。
【
図17】いくつかの実装形態にかかる無線電力伝送のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示している。
【
図18】いくつかの実装形態にかかる例示的な無線受電装置のブロック図を示している。
【
図19】いくつかの実装形態にかかる無線電力システムで使用するための例示的な装置のブロック図を示している。
【0037】
様々な図面における同様の参照番号および符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明は、本開示の革新的な態様を説明する目的のための特定の実装形態に関する。しかしながら、当業者は、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用されることができることを容易に認識するであろう。記載された実装形態は、無線電力を送信または受信するための任意の手段、装置、システム、または方法で実装されることができる。
【0039】
従来の無線電力システムは、無線送電装置および無線受電装置を含むことができる。無線送電装置は、無線エネルギーを(無線電力信号として)無線受電装置内の対応する二次コイルに伝送する一次コイルを含むことができる。一次コイルは、無線送電装置における無線エネルギー(誘導または磁気共鳴エネルギーなど)の供給源を指す。二次コイルは、無線受電装置内に配置され、無線エネルギーを受信する。いくつかの従来の無線電力システムでは、一次コイルは、無線規格によって予め決められた量まで無線エネルギーを二次コイルに伝送することができる。例えば、低電力無線電力信号は、5ワット(W)、9W、12W、または15Wを伝送することができる。したがって、低電力無線電力システムは、多くの電子装置に適した最大15ワットのエネルギーを供給することができる。
【0040】
より多くの電力(15Wよりも大きい)を必要とする電子装置への無線電力伝送をサポートするために、より高電力の無線システムが開発されている。例えば、ラップトップコンピュータ、モニタ、機器、または他の電子装置は、65W、90W、または120Wを使用することができる。高電力無線システムに関する懸念は、高電力無線システムが引き起こすことがある電磁干渉(EMI)の量である。望ましくないEMIは、二次コイルに連結されない過剰な磁束によって引き起こされる可能性がある。さらにまた、より大きな一次コイルおよびより大きな二次コイルを使用すると、より高い電力伝送をサポートすることができるが、故障または位置ずれに対する感度が高くなる。
【0041】
電力伝送能力は、一次コイルおよび二次コイルが互いにどの程度密接に配置または位置合わせされるかに関連することができる。無線電力伝送は、一次コイルおよび二次コイルが近接して配置されている場合により効率的である。逆に、一次コイルおよび二次コイルが位置ずれしている場合、効率が低下する(または電力伝送が停止する)可能性がある。本開示では、位置合わせは、無線受電装置の二次コイルと無線送電装置の一次コイルとの間の空間的関係を指すことができる。位置ずれは、無線電力伝送の効率を低下させる可能性があり、または位置ずれを調整するための一次コイルからの無線電力信号の増加を引き起こす可能性がある。例えば、一次コイルは、位置ずれした二次コイルに関連する負荷の要求を満たすために、より多くの量の磁束を出力することができる。
【0042】
様々な実装形態は、一般に、異なる一次コイルから無線電力を同時に受信するための複数の二次コイルの使用に関する。無線受電装置は、無線電力を合成して合成無線電力を生成することができる。電力出力は、合成無線電力を負荷(電子装置のバッテリまたは他の電力入力など)に供給することができる。いくつかの実装形態は、より具体的には、異なる二次コイルを制御する独立受信(RX)コントローラを利用する無線受電装置に関する。RXコントローラは、二次コイルが合成無線電力に寄与する電力量を管理することができる。いくつかの実装形態では、RXコントローラは、各二次コイルが供給する電流または電圧の量を決定するドループ構成を含むことができる。ドループ構成は、ドループコントローラを使用して実装されてもよいし、RXコントローラ内のソフトウェアとして実装されてもよい。ドループ構成は、電流負荷に基づいて各二次コイルから電力合成回路に供給される電圧の量を制御することができる。いくつかの実装形態では、ドループ構成は、一次コイルと二次コイルとの間の位置合わせおよび電力伝送効率を考慮することができる。各RXコントローラのドループ構成は、各二次コイルの電力定格に基づくことができる。
【0043】
本開示によれば、無線電力システムは、無線送電装置から無線受電装置に無線電力を伝送するために、複数の一次コイルおよび二次コイルを利用することができる。例えば、各一次コイルは、対応する二次コイルに低電力信号(15W以下)を送信することができる。無線受電装置は、複数の二次コイルからの無線電力を合成して、高電力無線電力を負荷に提供することができる。例えば、無線受電装置は、6つの二次コイルのそれぞれからの15Wを合成して、90Wの電力信号を電子装置に提供することができる。電力伝送に関与する一次コイルの活性化および二次コイルの数は、一次コイルと二次コイルとの位置合わせまたは負荷需要、またはその双方に基づいてもよい。
【0044】
いくつかの実装形態では、無線送電装置および無線受電装置は、ワイヤレス・パワー・コンソーシアムによって提供されるQi(登録商標)仕様などの標準化された無線電力仕様にしたがって製造されることができる。例えば、無線送電装置は、複数の一次コイルを含むことができ、各一次コイルは、Qi仕様に準拠することができる。無線受電装置は、複数の二次コイルを含むことができ、各二次コイルは、Qi仕様に準拠することができる。Qi仕様は、複数の二次コイルを有する無線受電装置を記載していないが、本開示のいくつかの実装形態は、複数の二次コイルを利用して、複数のQi互換性一次コイルから受信した無線電力を合成する。
【0045】
いくつかの実装形態では、無線送電装置の充電面は、重なり合う配置の一次コイルのアレイを有することができる。いくつかの実装形態では、一次コイルは、重なり合わない配置で構成されてもよい。一次コイルの配置(重複または非重複)は、デッドゾーンを最小化、低減、または排除することができる。設計は、充電面上の無線受電装置に電力を伝送するために利用可能な磁束の領域を分散させることができる。いくつかの実装形態では、無線送電装置は、ゾーンレス充電パッドと呼ばれることがある。充電面上の無線受電装置の向きおよび位置に応じて、異なる一次コイルが活性化されて、無線受電装置の対応する二次コイルに電力を提供することができる。
【0046】
いくつかの実装形態では、無線受電装置は、二次コイルのアレイを有することができる。いくつかの実装形態では、無線受電装置の2つ以上の二次コイルは、1つ以上の無線送電装置の対応する一次コイルによって活性化されてもよい。位置合わせ(または無線電力伝送効率)または負荷要件に応じて、二次コイルの異なるものが活性化または非活性化されることができ、その結果、活性化されたままの二次コイルは、高効率および良好な位置合わせを有する。いくつかの実装形態では、無線受電装置は、各活性化された二次コイルによって引き出される無線電力の量を低減することができるように、負荷共有を使用することができる。
【0047】
いくつかの実装形態では、無線受電装置は、2つ以上の電力出力を有することができる。例えば、無線受電装置は、スリーブ、パッド、装置、または複数の負荷を充電するための複数の電力出力ポートを有することができる他の構造であってもよい。無線受電装置は、複数の二次コイルによって受信された無線電力を合成し、異なる負荷に電力を提供することができる。いくつかの実装形態では、無線受電装置は、外部負荷(他の電子装置など)に接続するための電力出力ポートを提供することができる。
【0048】
本開示に記載された主題の特定の実装は、以下の潜在的な利点のうちの1つ以上を実現するために実装されることができる。いくつかの実装形態では、記載された技術が使用されて、複数の二次コイルから受信した無線電力を合成して負荷への高電力出力を生成することができる。無線電力システムは、ただ1つの無線電力信号を使用する従来の無線電力システムと比較して、EMIを低減し、無線電力伝送の効率を向上させることができる。無線送電装置および無線受電装置の双方の電子装置は、より小さい電力定格を有する構成要素を有するモジュール設計を利用することができる。複数の一次コイルまたは二次コイル(またはその双方)の使用は、二次コイルと部分的にのみ位置合わせされている一次コイルによって伝送される無線電力の量を低減することができる。有利には、本開示の実装形態は、より大量の電力を必要とする機器および電子装置のためのより高い電力をサポートすることができる。より大きな無線電力伝送に対応するために複数の低電力無線電力信号を使用することによって、無線電力システムのコストおよび複雑さが低減されることができる。
【0049】
図1は、いくつかの実装形態にかかる例示的な無線電力システムに関連する構成要素の概要を示している。無線電力システム100は、複数の一次コイル120を有する無線送電装置110を含む。一次コイル120のそれぞれは、電力信号発生器に関連付けられてもよい。例えば、第1の一次コイル121は、電力信号発生器141に関連付けられてもよい。各一次コイルは、無線電力信号(無線エネルギーとも呼ばれる)を送信するワイヤコイルであってもよい。一次コイルは、誘導または磁気共鳴場を使用して無線エネルギーを伝送することができる。電力信号発生器は、無線電力信号を準備するための構成要素(図示せず)を含むことができる。例えば、電力信号発生器は、1つ以上のスイッチ、ドライバ、直列コンデンサ、または他の構成要素を含むことができる。無線送電装置110は、無線送電装置110内の各送信回路に電力を提供するように構成された電源140を含むことができる。電源140は、交流(AC)を直流(DC)に変換することができる。いくつかの実装形態では、一次コイル120は、各一次コイルが独立して励磁されることができるように、各一次コイルに対して別個のTX回路を有することができる。
【0050】
一次コイル120は、一次コイルが無線電力を伝送しているかどうかを制御する1つ以上のコントローラ(通信および電流/電力コントローラなど)によって管理されることができる。一次コイル120は、単一のコントローラ(マスタコントローラなど)によって制御されてもよい。いくつかの実装形態では、各一次コイルは、異なるローカルコントローラ、ドライバ、電圧レギュレータなどに関連付けられてもよい。いくつかの実装形態では、各一次コイルは、コンデンサ(一次コイルと直列)、電流検出抵抗器、または他の要素などの別個の回路構成要素と結合されてもよい。各ローカルコントローラは、その関連する一次コイルに無線電力を送信させるかどうかを決定することができる。例えば、ローカルコントローラは、一次コイル(および直列コンデンサ)に関連する1つ以上のスイッチを周期的に活性化して、一次コイルを励磁(または短時間励磁)することができる。ローカルコントローラは、無線受電装置が一次コイルの近くに配置されているかどうかを判定するためにコイル電流検知プロセスを実行することができる。無線受電装置が検出された場合、ローカルコントローラは、一次コイルに無線電力を伝送させるために、一次コイルに関連付けられた1つ以上のスイッチを作動させることができる。いくつかの実装形態では、ローカルコントローラは、2つ以上の一次コイルを独立して管理することができる。ping動作に応答して無線受電装置から通信を受信するローカルコントローラは、無線受電装置がその一次コイルにラッチされていると判定することができる。ローカルコントローラは、その一次コイルに、無線エネルギーを無線受電装置の二次コイルに提供させることができる。近くの一次コイルに関連付けられたローカルコントローラは、第2の無線受電装置の存在を求めてpingを続けることができる。いくつかの実装形態では、監視コントローラ145は、複数のローカルコントローラと連携することができる。
【0051】
コントローラ(マスタコントローラまたは各ローカルコントローラなど)は、無線受電装置の存在または近接を検出するように構成されてもよい。例えば、コントローラ(マスタコントローラまたは各ローカルコントローラ)は、それらの関連する一次コイルに検出信号を周期的に送信させ、一次コイルの近くの物体を示すコイル電流または負荷の変化を測定させることができる。いくつかの実装形態では、ローカルコントローラは、無線受電装置の二次コイルが一次コイルの近くにあると判定するために、ping、無線通信、負荷変調などを検出することができる。
【0052】
図1はまた、無線受電装置150を示している。無線受電装置は、携帯電話、コンピュータ、ラップトップ、周辺機器、ガジェット、ロボット、車両などを含む、無線電力を受信することができる任意のタイプの装置とすることができる。無線受電装置150は、第1の二次コイル161、第2の二次コイル162、および第3の二次コイル163を含む二次コイル160のアレイを有することができる。二次コイル160は、それぞれ、異なる一次コイルから無線電力を受信することができる。例えば、第1の二次コイル161が第1の一次コイル121の近くに位置するとき、第1のローカルコントローラ131は、その存在を検出してもよい。例えば、検出段階中、第1の一次コイル121は、検出信号(pingとも呼ばれる)を送信してもよい。第1の一次コイル121におけるコイル電流は、コイル電流が第1の一次コイル121の電磁場内の物体を示す閾値を超えたかどうかを判定するために測定されてもよい。物体が検出された場合、第1のローカルコントローラ131は、無線受電装置150からのハンドシェイク信号(識別信号やセットアップ信号など)を待機し、物体が無線受電装置であるか異物であるかを判定してもよい。ハンドシェイク信号は、一連の負荷変化(負荷変調など)を使用して無線受電装置150によって通信されることができる。負荷変化は、検知回路によって検出可能であり、第1の一次コイル121によって解釈されることができる。第1の一次コイル121は、負荷の変動を解釈して、無線受電装置150からの通信を復旧してもよい。通信は、充電レベル、要求電圧、受信電力、受信機電力能力、無線充電規格のサポートなどの情報を含むことができる。
【0053】
無線受電装置150では、二次コイル160のそれぞれは、別個の受信(RX)回路の一部であってもよい。例えば、各RX回路は、1つ以上の二次コイルと、整流器170と、受信(RX)コントローラ180とを含むことができる。適切に位置合わせされた各二次コイル160は、一次コイル120のうちの一方から受信した無線電力信号に基づいて誘起電圧を生成することができる。コンデンサ(図示せず)は、二次コイルと整流器との間に直列にあってもよい。整流器は、誘導電圧を整流し、誘導電圧を、複数の二次コイルからの電力を合成する電力合成回路185に提供することができる。電力合成回路185は、バッテリモジュール(図示せず)などの負荷190に合成無線電力を提供することができる。負荷190は、無線受電装置150内にあってもよいし、無線受電装置150の電力出力187などの電気的インターフェースによって結合された外部装置であってもよい。負荷190は、充電器ステージと、温度検出回路などの保護回路と、過電圧および過電流保護回路とを含んでもよい。
【0054】
一次コイル120に対する無線受電装置150の位置に応じて、いくつかの二次コイルは、一次コイルと位置合わせされてもよいが、いくつかの他の二次コイルは、一次コイルと位置合わせされなくてもよい。例えば、
図1では、第1の二次コイル161は、第1の一次コイル121と位置合わせされてもよく、第3の二次コイル163は、第3の一次コイル123と位置合わせされてもよい。しかしながら、第2の二次コイル162は、一次コイルと位置合わせされなくてもよく、または(第2の一次コイル122などの)位置合わせが不十分であってもよい。各RXコントローラ(または図示されていない無線受電装置150の監視コントローラ)は、特定の二次コイルから電力を受信するかどうかを決定することができる。例えば、二次コイルが十分に位置合わせされているという判定は、効率メトリックまたは対応する一次コイルとの通信に基づくことができる。
図1の例では、第2の二次コイル162は、第2の一次コイル122との良好な磁気結合を有していないため、非活性化されてもよい。同様に、110は、どの一次コイルが無線電力を伝送するかを決定することができる。無線送電装置110のコントローラ(マスタコントローラまたは各ローカルコントローラなど)は、第1の一次コイル121および第3の一次コイル123を活性化させて、無線電力を無線送電装置110に提供してもよい。コントローラは、無線電力伝送の位置合わせが不十分であるかまたは効率が低いために、第2の一次コイル122を非活性化させることができる。
【0055】
図2は、いくつかの実装形態にかかる、無線送電装置110の複数の一次コイルから電力を受信することができる無線受電装置150を含む例示的な無線電力システム200を示している。例示的な無線送電装置110は、12個の一次コイル(部分153に示す)を含む。しかしながら、一次コイルの数および配置は、例として提供される。他の数の一次コイル、層の数、または配置が可能であってもよい。充電面155は、一次コイルを収容することができる。無線受電装置150は、充電面155上に配置されてもよい。ラップトップとして示されているが、無線受電装置150は、任意のタイプの電子装置であってもよい。さらにまた、無線受電装置150は、電子装置に一体化された部品であってもよいし、電子装置に結合する外部部品またはアタッチメントであってもよい。
図2では、無線受電装置150は、第1の組の一次コイル221が活性化されて無線電力を伝送し、他の一次コイル(一次コイル223など)が非活性化されるように、充電面155上に配置される。非活性化された一次コイルは、二次コイル(無線受電装置150の移動に起因して、または図示されていない別の無線受電装置からの移動に起因して)の存在を検出するためにpingまたは検出のために周期的に活性化することができる。無線受電装置150の内部(ラップトップの底面部の内部など)には、活性化された一次コイル221にラッチされる複数の二次コイル(図示せず)が存在する。
【0056】
図3は、いくつかの実装形態にかかる、無線送電装置110が重なり合うパターンで配置された複数層の一次コイルを含む例示的な無線電力システム300を示している。例示的な無線送電装置110は、(部分154に示す)重なり合う層に配置された18個の一次コイルを含む。一次コイルの数および配置は、例として提供される。他の数の一次コイル、層の数、または配置が可能であってもよい。無線受電装置150は、無線送電装置110の充電面155に配置されてもよい。第1の組の一次コイル321は、無線受電装置150内の対応する二次コイル(図示せず)に無線電力を伝送するために活性化されてもよい。他の一次コイル323は、非活性化されてもよい。
図3は、活性化されたコイルのいくつかが重なり合っていることを示しているが、いくつかの実装形態では、無線送電装置110は、重なり合っているコイルを活性化することを控えてもよい。
【0057】
無線送電装置110または無線受電装置150(またはその双方)が重複コイルを実装する実装形態では、重複コイルのパターンは、無線電力信号が露出する(または二次コイルと位置合わせされない)面積の量を低減することができる。これは、EMIを低減する結果を有することができる。さらにまた、複数の一次コイル321を活性化することによって、活性化された各一次コイル321が供給する電力量が低減されることができる。各一次コイルのより低い電力伝送は、EMI、および無線受電装置150の他の構成要素(またはそれが給電する電子装置)に対する他の干渉の量を低減することができる。
【0058】
図4は、いくつかの実装形態にかかる、無線受電装置150が電子装置450に電力を提供するように構成された例示的な無線電力システム400を示している。
図4では、無線受電装置150は、複数の二次コイル460を有する無線電力パッドであってもよい。
図4の例では、二次コイルは、重なり合うパターンで配置されている。無線受電装置150は、無線受電装置150から電子装置450に電力を提供する電気インターフェース455または他の接続を有することができる。いくつかの実装形態では、締結具457(クリップ、磁石、ボタン、ケーシングなど)が使用されて、無線受電装置150を電子装置450に物理的に結合することができる。締結具457は、無線受電装置150、電子装置450、またはその双方の一部であってもよい。例えば、無線受電装置150は、二次コイルを収容するハウジングを含み、ハウジングは、ラップトップまたはタブレットに取り付けることができる。
【0059】
図5は、いくつかの実装形態にかかる、複数の二次コイルからの電力を合成する例示的な無線電力システム400のブロック図を示している。無線受電装置150は、複数の無線受電(RX)回路(RX回路521、522、523んど)を含んでもよい。
図5には3つのRX回路のみが示されているが、他の実装形態は、より多くのTX回路またはより少ないRX回路を含んでもよい。各RX回路は、
図1を参照して説明した第1の二次コイル161、整流器170、およびRXコントローラ180と同様に、二次コイル、整流器、およびRXコントローラを有することができる。簡潔にするために、二次コイル、整流器、およびRXコントローラは、
図5には示されていない。RX回路521、522、523のそれぞれは、異なる無線電力伝送(TX)回路(TX回路501、502、503など)から無線電力を受信することができてもよい。各TX回路は、
図1を参照して説明した第1の一次コイル121、電力信号発生器141、および第1のローカルコントローラ131と同様に、一次コイル、電力信号発生器、およびローカルコントローラを有することができる。簡潔にするために、一次コイル、電力信号発生器、およびローカルコントローラは、
図5には示されていない。RX回路521、522および523のRXコントローラは、各RX回路によって受信される無線電力の量を独立して制御することができる通信および制御ユニットを含む。この実装形態では、監視コントローラは必要とされないことに留意されたい。本開示でさらに説明されるように、RX回路521、522、および523の各RXコントローラは、各RX回路521、522、および523によって供給される電流量を管理するドループ構成を有してもよい。RX回路521、522、および523のそれぞれは、対応するダイオード531、532、および533(または他の保護回路)によって保護されてもよい。
【0060】
RX回路521、522および523は、それらのそれぞれによって受信された無線電力を集約するために並列に接続されてもよい。いくつかの実装形態では、集約された無線電力の使用は、より高い電力定格をサポートしながら、より大量の無線電力を供給するために単一の二次コイルを使用することに関連することができる欠点を軽減することができる。
【0061】
無線受電装置150は、負荷スイッチ540およびDC-DCコンバータ550を有してもよい。負荷スイッチ540は、DC-DCコンバータ550をRX回路521、522、523から切断するために開かれてもよく、またはDC-DCコンバータ550をRX回路521、522、523に接続するために閉じられてもよい。負荷スイッチ540は、RX回路のうちの1つ以上からの出力電圧が確立されるまで、最初は開いていてもよい。負荷スイッチ540が閉じられると、電流は、負荷190への出力電圧を生成するDC-DCコンバータ550に流れることができる。
【0062】
図5で説明した一般的なアーキテクチャを使用して、例示的なシナリオは、無線受電装置150の動作を説明することができる。例示的なシナリオでは、負荷190は、3アンペアの電力定格を有する5ボルトの電力出力を利用することができる。RX回路521、522、および523のそれぞれは、合成された電力出力および電力定格に対応するドループ構成でプログラムされることができる。例えば、RX回路521、522、および523のそれぞれは、負荷が0から0.67アンペアの間であるときに(DC-DCコンバータ550に)8ボルトから9ボルトの間で線形的に出力するように各RX回路の電圧出力を変化させるドループ構成を有することができる。例えば、出力電圧が8ボルトである場合、出力電流は、0.67アンペアである。出力電圧が9ボルトのとき、出力電流は、0アンペアである。このドループ構成は、
図6を参照してさらに説明される。
【0063】
図5を続けると、各RX回路は、8ボルトで0.67アンペアの最大電流を出力することができ、これは、5.36ワット(8ボルト×0.67アンペア)に相当する。したがって、RX回路521、522、523の3つ全てからの電力を合成する場合、無線受電装置150は、合計15ワット(3×5.36ワット=16.08ワット)を超える電力を出力することができる。上述したように、このシナリオにおける例示的な負荷190は、15ワット(5ボルト×3アンペア=15ワット)を必要とする。
【0064】
RX回路521、522および523のRXコントローラにプログラムされたドループ構成は、各RX回路によって提供される電流の量を制御することができる。RX回路521、522、および523が最初にTX回路501、502、および503に配置されると、RX回路521、522、および523の全ては、無線電力伝送を最大化しようと試みることができる。それらは、9ボルトの出力電圧を生成することができる。しかしながら、ドループ構成は、負荷なし(0アンペア)を示す。したがって、RX回路は、RX出力電圧を制御するために適切な制御動作を行うために、電圧誤差をそのそれぞれのTX回路に通信することができる。
【0065】
(3つのRX回路521、522、523のうちから)最も高い出力電圧を有するRX回路(RX回路521など)は、負荷電流を供給し始めることができる。より多くの負荷電流を生成する結果として、そのRX回路の出力電圧は、他のRX回路の出力電圧を下回る。そして、他のRX回路は、より高い電圧を有し、負荷電流供給を開始する。RXコントローラの各制御サイクルについて、そのそれぞれのRX回路によって生成される電圧に応じて、基準電流は、線形ドループ構成から計算される。RXコントローラは、測定された出力電流が計算された基準電流を上回るか下回るかを判定することができる。電流誤差(Ierror=Imeasured-Icalculated)は、TX回路に伝達されて、各RX回路によってDC-DCコンバータ550に生成される電力量を補正するための適切な制御動作を行う。最終的に、RX回路521、522、および523は、それらの間に同様の動作点を確立することができる。
【0066】
RX回路521、522、および523のそれぞれが、それらのそれぞれのRX回路501、502、および503と同じ程度の位置合わせを有し、RX回路521、522、および523のそれぞれが同じドループ構成で構成される場合、それらは、並列接続されたRX回路521、522、および523の間でほぼ等しい負荷共有を達成する。いくつかの実装形態では、ドループ構成は、各RX回路の電力定格(異なる電力定格の場合)に基づいて、またはRX回路のそれぞれのTX回路への位置合わせに基づいて変更されることができることに留意されたい。
【0067】
いくつかの実装形態では、電圧制御は、ゼロ電流でのADCオフセット誤差に起因するRXコントローラの誤動作を回避するために、負荷がないときに行われてもよい。負荷スイッチ540は、DC-DCコンバータ550を保護するとともに、RX回路521、522および523を保護することができる。例えば、特定のRX回路521、522、または523の負荷電流が設計値を超える場合。このシナリオは、例えば、RX回路521、522または523のうちの一方がスナップオフまたはアンラッチするが、負荷190は、同じままである場合に発生することができる。第1のRX回路のアンラッチを補償するために、他のRX回路の出力電圧は、より多くの出力電流を提供するために低下することができる。しかしながら、負荷スイッチ540が開かれて負荷を切断し、それらのRX回路の過負荷を回避することができる。
【0068】
図6は、いくつかの実装形態にかかる例示的なドループ構成600のグラフを示している。
図6に示す例示的なドループ構成600は、
図5に記載された例示的なシナリオに基づいている。
図6に記載されているように、各RXコントローラは、線形ドループ構成に基づいてそれらのそれぞれのRX回路の出力を制御することができる。ドループ構成は、いくつかの他の実装形態では非線形とすることができることに留意されたい。
【0069】
図6に示す例示的なドループ構成600は、9ボルト610(0アンペア630を出力するか、または無負荷であるべきである)から8ボルト620(全負荷で0.67アンペア640を出力するべきである)の範囲を示す。RXコントローラは、RX回路の出力電圧を測定することにより、ドループ構成から基準電流値を算出することができる。測定された出力電流が計算された基準電流値と異なる場合、RXコントローラは、TX回路とRX回路との間の無線電力量を調整するために、TX回路にメッセージを通信することができる。電圧が閾値670を超えて低下した(または電流が増加した)場合、RXコントローラは、RX回路への損傷を防ぐために、RX回路をディセーブルにするまたは切断することができる。
図6に示すように、閾値670は、不足電圧もしくは過電流、またはその双方に基づいてもよい。
【0070】
図7は、いくつかの実装形態にかかる例示的な動的ドループ構成700のグラフを示している。RX回路がTX回路の近くに配置されている場合、RXコントローラは、信号強度パケットをTX回路のローカルコントローラへ通信するために、負荷変調を使用することができる。信号強度パケットは、TX回路とRX回路との間の位置合わせの尺度として使用されることができる。TX回路のローカルコントローラは、位置ずれを補正するために送信電力を調節することができる。しかしながら、いくつかの位置ずれシナリオでは、TX回路は、受信された電圧または電流誤差を補正するのに十分に送信電力を調整することができない場合がある。例えば、TX回路は、無線送信電力量の限界に到達することができる。そのような位置ずれシナリオでは、RXコントローラは、そのRX回路に対して異なるドループ構成を利用して、負荷電圧に基づいてそのRX回路によって提供される負荷供給を低減することができる。したがって、RXコントローラは、RX回路がTX回路と良好に位置合わせされているとRXコントローラが判定した場合、第1のドループ構成710を使用することができる。RXコントローラは、RX回路がTX回路と良好に位置合わせされていないとRXコントローラが判定した場合、第2のドループ構成720を使用することができる。第1のドループ構成710は、I
1_maxからI
1の範囲のより高い出力電流をサポートすることができ、第2のドループ構成720は、I
2_maxからI
2の範囲のより低い出力電流をサポートすることができる。いくつかの実装形態では、信号強度パケットに示された信号強度は、閾値と比較されて、どのドループ構成を使用するかを決定することができる。
【0071】
同じ出力電圧の場合、良好に位置合わせされたTX-RX対(TX回路から無線電力を引き出すRX回路)は、それほど良好に位置合わせされていないTX-RX対よりも多くの電力を負荷に供給する。この手法は、そのように良好に位置合わせされていないRX回路に電力を提供している一次コイルの電流を低減することができる。したがって、無線受電装置の全体的な動作効率が改善されることができる。
【0072】
図8は、いくつかの実装形態にかかる、位置合わせメトリックに基づく別の例示的な動的ドループ構成のグラフを示している。グラフは、位置合わせメトリックが使用されて複数のドループ構成から選択する方法を視覚的表現を提供する。位置合わせメトリックの例は、他の例の中でも、信号強度測定、品質係数測定、または磁場測定を含むことができる。いくつかの実装形態では、位置合わせメトリックは、無線送電装置からの通信において示された送信電力と、無線受電装置によって測定された受信電力との間の差に基づいて決定されてもよい。位置合わせメトリックは、TX-RX対が十分に位置合わせされていないことを示す低い値から、TX-RX対が十分に位置合わせされていることを示す高い値までのスケールを示すことができる。
【0073】
RXコントローラは、位置合わせメトリックを1つ以上の閾値と比較して、RX回路にどのドループ構成を使用するかを決定することができる。例えば、位置合わせメトリックが第1の閾値(THIGH)を上回る場合、RXコントローラは、第1のドループ構成(DHIGH)810を選択することができる。位置合わせメトリックが第1の閾値を下回るが、第2の閾値(TMID)を上回る場合、RXコントローラは、第2のドループ構成(DMID)820を選択することができる。位置合わせメトリックが第2の閾値を下回るが、第3の閾値(TLOW)を上回る場合、RXコントローラは、第3のドループ構成(DLOW)830を選択することができる。位置合わせメトリックが第3の閾値を下回る場合、RXコントローラは、ディセーブルにされたドループ構成(DOFF)840を選択することができる。ディセーブルにされたドループ構成は、RX回路に、不十分な位置合わせに起因して無線電力の受信を中断させることがある。
【0074】
図8に記載された閾値およびドループ構成は、例示的な例である。他の実装形態では、異なる数の閾値および関連するドループ構成が使用されることができる。
【0075】
図9は、いくつかの実装形態にかかる、並列に接続された複数の無線受電器を有する例示的な無線受電装置900を示している。
図9の例は、並列回路に配置された無線電力RX回路951、952、953、954および955の集合を示している。RX回路の数は例であり、他の数または構成が様々な実装形態で使用されることができる。さらにまた、
図9は、並列回路を示しているが、RX回路を直列または組み合わせた直列-並列配置に配置することが可能であり、これらの双方は後の図で説明される。RX回路951、952、953、954および955は、合成電力信号を負荷190に提供する電力合成回路185に結合される。負荷190は、充電器であってもよいし、電気機器の他の構成要素であってもよい。
【0076】
第1のRX回路951は、例示目的のために追加の詳細とともに示されている。他のRX回路952、953、954、955も同様の構成要素(図示せず)を有してもよい。無線電力RX回路951において、RX回路951の二次コイル161は、TX回路(図示せず)の一次コイル(図示せず)から無線電力を受信するように構成される。RXコントローラ180は、通信および制御回路915を利用して、一次コイルからのpingを検出することができる。RXコントローラ180はまた、通信および制御回路915のスイッチにパルスまたは変調を引き起こすことによってTX回路と通信することができる。RXコントローラ180はまた、電流検知測定値925、または電圧検知測定値935、またはその双方を受信することができる。無線電力信号が検出されると、RXコントローラ180は、(イネーブル線945を介して)スイッチ947をイネーブルにして、電力が電力合成回路185に流れることを可能にすることができる。いくつかの実装形態では、スイッチ947は、RX回路951の代わりに電力合成回路185に配置されてもよい。RXコントローラ180は、電圧検知測定値935または電流検知測定値925を使用して、第1の二次コイル161が対応する一次コイルと位置合わせされているかどうかを決定することができる。いくつかの実装形態では、RXコントローラ180はまた、負荷190によって引き出される電力量を決定することができ、第1の二次コイル161によって受信される電力量の調整を引き起こすことができる。上述したように、RXコントローラ180は、ドループ構成を使用して調整値を決定することができる。RXコントローラ180は、(通信制御回路915を介して)一次コイルと通信を行い、TX回路に調整値を通知してもよい。例えば、無線電力RX回路951が全てのRX回路間の電力共有に基づくべきよりも多くの電流を生成している場合、通信は、一次コイルに無線電力量を減少させることができる。例えば、各RXコントローラ180は、
図5~
図8に記載されているようなドループ構成を使用することができる。
【0077】
RX回路951、952、953、954および955(独立して、または監視コントローラ(図示せず)によって)のそれぞれは、RXコントローラ180によって引き出された総電力に基づいて、それらのそれぞれの二次コイルによって伝送される電力量を調整することができる。いくつかの実装形態では、活性化されたRX回路のそれぞれは、それらのそれぞれの二次コイルにおける無線電力伝送のために同じ電力を使用することができる。いくつかの実装形態では、RX回路は、各二次コイルに対する無線電力伝送の効率に基づいて、(異なるドループ構成に基づいて)異なる電力レベルを提供することができる。
【0078】
図10は、いくつかの実装形態にかかる監視コントローラを有する例示的な無線受電装置1000を示している。無線受電装置1000は、
図9で説明した無線受電装置900と同様である。例えば、無線受電装置1000は、並列回路に配置された無線電力RX回路951、952、953、956、955の集合を含む。
図9の無線受電装置900とは異なり、無線受電装置1000は、監視コントローラ1050(マスタコントローラとも呼ばれる)を含む。
【0079】
監視コントローラ1050は、RX回路951、952、953、956、および955のそれぞれのRXコントローラと通信することができる。例えば、監視コントローラ1050は、無線電力RX回路951のRXコントローラ180への通信リンク1037とともに示されている。監視コントローラ1050は、他のRX回路952、953、956、および955のRXコントローラ(図示せず)への通信リンクを有することができる。監視コントローラ1050は、RXコントローラからいくつかの情報を収集することができる。例えば、各RX回路の制御および通信の大部分は、RXコントローラによって管理されるが、監視コントローラ1050は、どのRX回路が対応するTX回路(図示せず)に結合されているかに関するいくつかの情報を収集することができる。監視コントローラ1050は、RX回路がその対応するTX回路とどの程度良好に位置合わせされているかに関するインジケータまたは値を各RXコントローラから受信することができる。監視コントローラ1050は、固定値または可変値に基づいて全体的な負荷電圧を調整することができる。例えば、監視コントローラ1050は、負荷190によって必要とされる電圧出力1029を決定することができる。監視コントローラ1050は、RX回路951、952、953、956、および955のそれぞれが負荷190をサポートするために電力合成回路185にどのくらいの電力(電圧または電流など)を供給すべきかを決定することができる。監視コントローラ1050は、超過数のRX回路が結合されたときに、1つ以上のRX回路からの電力をディセーブルにすることができる。例えば、負荷190によって必要とされる電力がより少ない場合、監視コントローラ1050は、イネーブルにされたままのRX回路の全体的な負荷動作効率を改善するために、その対応するRX回路からの電力伝送をディセーブルにするようにRXコントローラのうちの1つ以上に通知することができる。監視コントローラ1050は、各RXコントローラから取得された位置合わせメトリックまたは電力伝送効率メトリックに基づいて、どのRX回路をディセーブルにするかを選択することができる。いくつかの実装形態では、監視コントローラ1050は、RX回路内の過負荷または過温度誤動作を防止するための保護機能を提供することができる。
【0080】
いくつかの実装形態では、監視コントローラ1050は、RX回路のそれぞれの電圧またはアンペア測定ユニットに直接接続されてもよい。例えば、
図10は、RXコントローラ180が電流検知測定値925、または電圧検知測定値935、またはその双方を受信することを示しているが、いくつかの実装形態では、監視コントローラ1050は、電流検知測定値925、または電圧検知測定値935、またはその双方を受信することができる。いくつかの実装形態では、RXコントローラのそれぞれは、上述したようなドループ構成を実装する。代替的または追加的に、監視コントローラ1050は、ドループ構成を実装し、電流誤差(または電圧誤差)値をRXコントローラに送信することができる。
【0081】
図11は、いくつかの実装形態にかかる、直列に接続された複数の無線受電器を有する例示的な無線受電装置1100を示している。無線受電装置1100は、直列に接続されたRX回路1151、1152、1153、1154、および1155の集合を含むことができる。例えば、電力合成回路185は、第1のRX回路1151および最後のRX回路1155に接続され、他のRX回路1152、1153、および1154のそれぞれは、第1のRX回路1151と最後のRX回路1155との間に直列に接続されてもよい。
【0082】
図12は、いくつかの実装形態にかかる、直列および並列に接続された複数の無線受電器を有する例示的な無線受電装置1200を示している。無線受電装置1200は、RX回路1251、1252、1253、および1254の集合を含むことができる。電力合成回路185内の直列回路および並列回路の様々な組み合わせは、RX回路1251、1252、1253、および1254の様々な組み合わせをサポートすることができる。例えば、第1の組のRX回路1251および1252は、互いに直列に接続されてもよい。第2の組のRX回路1253および1254は、互いに直列に接続されてもよい。第1の組の1251および1252ならびに第2の組のRX回路1253および1254 RSは、並列に接続されてもよい。いくつかの実装形態では、電力合成回路185内のスイッチ(図示せず)は、どのRX回路が負荷190に直列または並列に結合されるかを制御することができる。
【0083】
図13は、いくつかの実装形態にかかる、異なる電力定格で電力出力を生成することができる例示的な無線受電装置1350を示している。例えば、無線受電装置1350は、(RX
1からRX
Nとラベル付けされた)複数のRX回路1351、1352、1355を含むことができる。RX回路1351、1352、1355は、(TX
1からTX
Nとラベル付けされた)TX回路1311、1312、および1315のような異なるTX回路から無線電力を受信することができてもよい。
図13は、同じ無線送電装置1310内のTX回路1311、1312、および1315を示しているが、これらは異なる無線送電装置内にあってもよい。電力合成回路185は、RX回路1351、1352、1355からの電力を合成することができてもよい。いくつかの実装形態では、RX回路1351、1352、1355のそれぞれは、上述したようなドループ構成によって構成されてもよい。
【0084】
電力合成回路185は、負荷(図示せず)に接続するための電力出力187を提供することができる。電力出力187は、異なる電力定格をサポートすることができる。例えば、電力出力187は、どのタイプの装置が電力出力187に接続されているかに応じて、第1の出力レベル1391(20ボルトで90ワットなど)、第2の出力レベル1391(12ボルトで15ワットなど)、または第3の出力レベル1393(5ボルトで5ワットなど)をサポートしてもよい。いくつかの実装形態では、RX回路1351、1352、1355のそれぞれによって使用されるドループ構成は、電力合成回路185または監視コントローラ(図示せず)によって選択され、RX回路1351、1352、1355のそれぞれのRXコントローラに通信されることができる。ドループ構成は、電力出力187に必要な出力レベルに基づくことができる。
【0085】
いくつかの実装形態では、無線受電装置1350は、他の例の中でも、ラップトップ、タブレット、携帯電話、またはウェアラブル装置などの、1つ以上の異なる種類の装置をサポートする装置であってもよい。いくつかの実装形態では、電力出力187は、無線充電をサポートしないが有線電力入力ポートを有するレガシー装置への接続をサポートする。例えば、無線受電装置1350は、レガシー装置に無線充電能力を追加することができるスリーブ、パッド、カバー、またはケースであってもよい。無線受電装置1350は、RX回路1351、1352、1355において無線電力を収集し、電力出力187を介して接続された装置に出力電力を供給することによって無線電力伝送を実装することができる。いくつかの実装形態では、無線受電装置1350は、接続された装置が無線充電をサポートする場合でも有利であり得る。例えば、接続された装置の無線充電機能がディセーブルにされることができ、電力出力187への有線接続が使用されて接続された装置に電力を供給することができる。(接続された装置の代わりに)無線受電装置1350がTX回路1311、1312、および1315から無線電力を収集するために使用されることから、無線受電装置1350は、接続された装置を熱問題から保護することができ、または接続された装置への電力供給を増加させることができる。いくつかの実装形態では、無線受電装置1350は、接続された装置が有線接続を介して無線受電装置1350からより高い電力を引き出すことができ、無線受電装置1350が複数のTX回路から受信した無線電力を集約することができるため、充電速度を増加させることができる。
【0086】
いくつかの実装形態では、無線受電装置1350は、マルチポート装置であってもよい。例えば、
図13にはただ1つの電力出力187が示されているが、電力合成回路185は、複数の接続された装置を同時に充電するために複数の電力出力(図示せず)を提供することができてもよい。いくつかの実装形態では、各電力出力は、出力レベル1391、1392、および1393などの異なる電力定格をサポートすることができる。
【0087】
図14は、いくつかの実装形態にかかる、複数の電力出力を生成することができる例示的な無線受電装置1450を示している。無線受電装置1450は、(RX
1からRX
7とラベル付けされた)7つのRX回路を備えることができる。RX回路1451、1452、1456、1457は、(TX
1からTX
7とラベル付けされた)TX回路1411、1412、1416、および1317のような異なるTX回路から無線電力を受信することができてもよい。
図14は、同じ無線送電装置1410内のTX回路を示しているが、それらは異なる無線送電装置内にあってもよい。無線受電装置1450は、第1の電力合成回路185Aおよび第2の電力合成回路185Bを含んでもよい。第1の電力合成回路185Aは、第1の電力出力187Aを提供することができ、第2の電力合成回路185Bは、第2の電力出力187Bを提供することができる。
【0088】
簡潔にするために4つのRX回路1451、1452、1456、および1457のみが示されているが、本開示は、7つのRX回路が使用されることができるという説明を含む。この例では、RX回路のそれぞれは、15ワット受信機とすることができる。6つのRX回路1451から1456(RX1からRX6)は、第1の電力合成回路185Aに並列に接続された15ワット受信機とすることができる。第1の電力合成回路185Aは、ラップトップなどの高出力電子装置に90ワット出力を提供することができる。第7のRX回路1457(RX7)は、第2の電力合成回路185Bに接続されて、モバイル装置などの低電力電子装置に15ワット出力を提供することができる。
【0089】
いくつかの実装形態では、無線受電装置1450は、電力合成回路185Aおよび185Bのそれぞれに並列に動的に接続するRX回路の数を選択するように構成された監視コントローラ(図示せず)を有することができる。例えば、電力出力187Aおよび187Bのそれぞれの充電状態に応じて、監視コントローラは、RX回路と電力合成回路との間の接続をイネーブルまたはディセーブルにするスイッチを制御することができる。
【0090】
図15は、いくつかの実装形態にかかる、外部無線受電器を利用する例示的な無線受電装置1550を示している。例えば、無線受電装置1550は、異なる出力レベル1591、1592、および1593を有する1つ以上の電力出力187A、187B、および187Cを生成することができる電力合成回路185を含むことができる。しかしながら、
図13~
図14とは異なり、無線受電装置1550は、それぞれ、外部RX回路1551、1552、および1553からの入力接続1561、1562、および1563をサポートすることができる。入力接続1561、1562、および1563は、無線受電装置1550の電力合成回路185が外部受電器から電力を受信し、RX回路のそれぞれによって個別に可能となるものとは異なる(またはより高い)電力出力をサポートするために電力を集約することを可能にすることができる。
【0091】
RX回路1551、1552、および1553は、異なる受信機ユニット1541、1542、および1543内にあってもよい。RX回路1551、1552、および1553は、異なるTX回路1511、1512、および1513から無線電力を受信するように構成されることができる。TX回路1511、1512、および1513は、異なる無線送電装置1501、1502、および1503内にあってもよい。本開示における他の例と同様に、TX回路およびRX回路の数および位置は、異なる設計において異なってもよい。
【0092】
図16は、いくつかの実装形態にかかる、内部および外部無線受電器を利用することができる例示的な無線受電装置1650を示している。無線受電装置1650は、異なる出力レベル1591、1592、および1593を有する1つ以上の電力出力187A、187B、および187Cを生成することができる電力合成回路185を含むことができる。無線受電装置1650は、
図15を参照して説明したように、外部無線電力RX回路1551および1552、ならびに内部無線電力RX回路1671および1672の双方をサポートすることができる。
【0093】
図17は、いくつかの実装形態にかかる無線電力伝送のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示している。フローチャート1700は、ブロック1710で始まる。ブロック1710において、プロセスは、無線受電装置の複数の二次コイルによって、無線送電装置から無線電力を受信することを含む。例えば、無線受電装置は、複数の二次コイルのそれぞれにおける無線電力を整流することができる。無線受電装置は、整流された無線電力を合成して合成無線電力を準備してもよい。ブロック1720において、プロセスは、複数の二次コイルからの合成無線電力を使用して無線受電装置に関連する負荷に電力を供給することを含む。
【0094】
いくつかの実装形態では、無線受電装置は、無線送電装置の対応する一次コイルへの二次コイルの近接度に少なくとも部分的に基づいて、無線電力を受信するために複数の二次コイルの中からどの二次コイルを使用するかを決定することができる。例えば、二次コイルの選択は、対応する一次コイルとの通信に基づいてもよい。いくつかの実装形態では、二次コイルが使用されて電力伝送効率(品質メトリックなど)を決定することができる。(品質メトリックなどの)電力伝送効率は、無線送電装置に伝達されることができる。電力伝送効率が閾値を下回る場合、無線送電装置は、二次コイルが良好に位置合わせされていないと判定し、対応する一次コイルを非活性化させることができる。
【0095】
図18は、いくつかの実装形態にかかる例示的な無線受電装置1800のブロック図を示している。無線受電装置1800は、0、1つ、または複数のRX回路1810を含むことができる。各RX回路1810は、1つ以上の二次コイル161およびRXコントローラ180を有することができる。いくつかの実装形態では、各RX回路1810は、各RX回路1810が電力合成回路185に供給すべき電力量を決定するために、1つ以上のドループ構成1880によって構成される。
【0096】
無線受電装置1800は、外部接続されたRX回路から電力を受信するための0、1つ、または複数の電力入力接続1820を有することができる。電力合成回路185は、RX回路から(内部RX回路1810、または外部RX回路のいずれか、または双方から)受信した電力を合成してもよい。いくつかの実装形態では、電力合成回路185は、内部負荷190(バッテリなど)に電力を提供することができる。いくつかの実装形態では、電力合成回路185は、1つ以上の電力出力187に電力を提供することができる。いくつかの実装形態では、無線受電装置1800は、内部負荷190と1つ以上の電力出力187の双方を含むことができる。
【0097】
いくつかの実装形態では、監視コントローラ1830は、どの程度の電力が必要であるかを決定することができる。例えば、監視コントローラ1830は、負荷190、電力出力187、またはその双方から電力要件を決定することができる。いくつかの実装形態では、監視コントローラ1830は、電力合成回路185と通信することができる。監視コントローラ1830は、電力要件に基づいてRX回路の異なるもの(RX回路1810など)をイネーブルまたはディセーブルにすることができる。いくつかの実装形態では、監視コントローラ1830は、RX回路のうちの1つ以上によってどのドループ構成1880が使用されるべきかを選択することができる。いくつかの他の実装形態では、ドループ構成1880は、監視コントローラ1830に記憶されてもよく、監視コントローラ1830は、電力共有値を各RX回路に通信してもよい。
【0098】
図19は、いくつかの実装形態にかかる無線電力システムで使用するための例示的な装置のブロック図を示している。いくつかの実装形態では、装置1900は、無線送電装置(無線送電装置110など)または無線受電装置(無線受電装置150など)とすることができる。装置1900は、プロセッサ1902(場合によっては、複数のプロセッサ、複数のコア、複数のノード、またはマルチスレッディングなどを含む)を含むことができる。装置1900はまた、メモリ1906を含むことができる。メモリ1906は、システムメモリ、または本明細書に記載のコンピュータ可読媒体の可能な実現のいずれか1つ以上であってもよい。装置1900はまた、バス1910(例えば、PCI、ISA、PCI-Express、HyperTransport(登録商標)、InfiniBand(登録商標)、NuBus(登録商標) AHB、AXIなど)を含むことができる。
【0099】
装置1900は、複数の二次コイル(受信コイルアレイなど)を管理するように構成された1つ以上のコントローラ1962を含むことができる。いくつかの実装形態では、コントローラ1962は、プロセッサ1902、メモリ1906、およびバス1910内に分散させることができる。コントローラ1962は、本明細書に記載の動作の一部または全部を実行することができる。例えば、コントローラ1962は、二次コイル1964のそれぞれからの電力量を決定するためのドループ構成1966によってプログラムされることができる。いくつかの実装形態では、ドループ構成1966は、メモリ1906に記憶されることができる。
【0100】
メモリ1906は、
図1~
図18に記載された実装形態の機能を実装するためにプロセッサ1902によって実行可能なコンピュータ命令を含むことができる。これらの機能のいずれかは、ハードウェアまたはプロセッサ1902に部分的に(または全体的に)実装されてもよい。例えば、機能は、特定用途向け集積回路、プロセッサ1902に実装されたロジック、周辺機器またはカード上のコプロセッサなどで実装されてもよい。さらに、実現は、
図19に示されていないより少ないまたは追加の構成要素を含むことができる。プロセッサ1902、メモリ1906、およびコントローラ1962は、バス1910に結合されることができる。バス1910に結合されているものとして示されているが、メモリ1906は、プロセッサ1902に結合されてもよい。
【0101】
図1~
図19および本明細書に記載の動作は、例示的な実装形態の理解を助けることを意図した例であり、潜在的な実装形態を限定したり、特許請求の範囲を限定したりするために使用されるべきではない。いくつかの実装形態は、追加の動作、より少ない動作、並列または異なる順序での動作、およびいくつかの異なる動作を実行することができる。
【0102】
本明細書で使用される場合、項目のリスト 「のうちの少なくとも1つ」 または 「のうちの1つ以上」 を指す語句は、単一の部材を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例えば、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aのみ、bのみ、cのみ、aとbとの組み合わせ、aとcとの組み合わせ、bとcとの組み合わせ、およびaとbとcとの組み合わせの可能性を網羅することを意図している。
【0103】
本明細書に開示された実装形態に関連して説明された様々な例示的な構成要素、論理、論理ブロック、モジュール、回路、動作およびアルゴリズムプロセスは、本明細書に開示された構造およびその構造的均等物を含む、電子ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはハードウェア、ファームウェアもしくはソフトウェアの組み合わせとして実装されることができる。ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの互換性は、機能に関して一般的に説明されており、上述した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびプロセスに示されている。そのような機能がハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアのいずれで実装されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0104】
本明細書に開示された態様に関連して記載された様々な例示的な構成要素、論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはその他のプログラマブル論理装置(PLD)、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、または本明細書に記載された機能を実行するように設計されたこれら任意の組み合わせを用いて実装または実行されることができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティング装置の組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装されてもよい。いくつかの実装形態では、特定のプロセス、動作、および方法は、所与の機能に固有の回路によって実行されてもよい。
【0105】
上述したように、いくつかの態様では、本明細書に記載の主題の実装形態は、ソフトウェアとして実装されることができる。例えば、本明細書に開示された構成要素の様々な機能、または本明細書に開示された方法、動作、プロセスまたはアルゴリズムの様々なブロックまたはステップは、1つ以上のコンピュータプログラムの1つ以上のモジュールとして実装されることができる。そのようなコンピュータプログラムは、本明細書に記載の装置の構成要素を含むデータ処理装置によって実行するために、またはその動作を制御するために、1つ以上の有形のプロセッサまたはコンピュータ可読記憶媒体上に符号化された非一時的なプロセッサまたはコンピュータ実行可能命令を含むことができる。限定ではなく例として、そのような記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または命令もしくはデータ構造の形態でプログラムコードを記憶するために使用されることができる任意の他の媒体を含むことができる。上記の組み合わせも記憶媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0106】
本開示に記載された実装形態に対する様々な変更は、当業者にとって容易に明らかとすることができ、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用されることができる。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される実装形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される本開示、原理、および新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0107】
さらに、別個の実装形態の文脈で本明細書に記載されている様々な特徴は、単一の実装形態において組み合わせて実装されることもできる。逆に、単一の実装形態の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実装形態において別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装されることもできる。このように、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、最初はそのように特許請求されていてもよいが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、その組み合わせから削除されることができ、特許請求された組み合わせは、部分的な組み合わせまたは部分的な組み合わせの変形を対象とすることができる。
【0108】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、または連続した順序で実行されること、または示された全ての動作が実行されることを必要とすると理解されるべきではない。さらに、図面は、1つ以上の例示的なプロセスをフローチャートまたは流れ図の形式で概略的に示すことができる。しかしながら、図示されていない他の動作は、概略的に示されている例示的なプロセスに組み込まれることができる。例えば、1つ以上の追加の動作は、図示の動作のいずれかの前、後、同時に、またはその間に実行されることができる。状況によっては、マルチタスク処理および並列処理が有利な場合がある。さらに、上述した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装形態においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されることができることを理解されたい。
【国際調査報告】