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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-05
(54)【発明の名称】アクティブ温度制御を備えた冷却器
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/22 20060101AFI20221223BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
A47G19/22 C
B65D25/20 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527048
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(85)【翻訳文提出日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 US2020059689
(87)【国際公開番号】W WO2021096807
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】62/934,151
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517360055
【氏名又は名称】エンバー テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー クレイトン
(72)【発明者】
【氏名】ムリンティ ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】リース ダレン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ティンペリ ミッコ ジュハニ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイカム クリストファー トマス
【テーマコード(参考)】
3B001
3E062
【Fターム(参考)】
3B001AA40
3B001BB10
3B001CC11
3B001CC35
3E062AA10
3E062AB07
3E062AC09
3E062BA20
3E062BB06
3E062BB10
3E062JA01
3E062JA07
3E062JB12
3E062JC04
(57)【要約】
アクティブ温度制御システムを備えた冷却器容器が提供される。アクティブ温度制御システムは、その中に液体容器(例えば、ソーダ缶、ビール缶などの金属缶)を受け入れるような大きさのチャンバを加熱又は冷却するように作動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブ温度制御を備えた冷却器容器であって、
液体容器をその中に受け入れるように構成されたチャンバを有する容器本体であって、断熱性の入れ物と、高い熱伝導率を有し、前記断熱性の入れ物の内面と熱連通し、前記チャンバを画定する内周ライナーと、を有する容器本体と、
温度制御システムと、を備え、
前記温度制御システムは、
一方の側面において前記内周ライナーの少なくとも一部と熱連通している熱電素子と、
前記熱電素子の他方の側面と熱連通しているヒートシンクと、
前記ヒートシンクの少なくとも一部の上に、又はその上方を通って、空気を流すように構成されたファンと、
前記熱電素子および前記ファンの一方又は両方の動作を制御するように構成された回路と、を備え、
前記温度制御システムは、前記熱電素子を作動させて前記ライナーから熱を受け取ることによって、前記液体容器および/又はその中の前記液体の少なくとも一部の温度を上昇又は低下させ、又は維持するように作動可能であり、前記ライナーは、次に、前記液体容器から熱を受け取り、前記熱電素子は、前記熱を前記ヒートシンクに伝達するように構成され、前記ファンは、前記ヒートシンクから前記熱を放熱するように作動可能であり、前記加熱された空気は、1以上の通気口を介して前記容器本体から排出される、冷却器容器。
【請求項2】
1以上のバッテリをさらに備える、請求項1に記載の冷却器容器。
【請求項3】
前記ライナーと熱連通している熱伝導性スラグをさらに備え、前記スラグは、前記入れ物の底壁における開口部を通って延在するように構成される、請求項1又は2に記載の冷却器容器。
【請求項4】
前記スラグは、前記チャンバ内に延在し、前記液体容器の底部の少なくとも一部と接触するように構成される、請求項3に記載の冷却器容器。
【請求項5】
前記スラグが、前記液体容器の底部の凹形状にほぼ一致する凸形状を有する、請求項3~4のいずれか1項に記載の冷却器容器。
【請求項6】
前記熱電素子を前記ヒートシンクと熱連通させるヒートパイプをさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の冷却器容器。
【請求項7】
前記熱電素子と前記ヒートパイプとの間に伝熱ブロックをさらに備える、請求項6に記載の冷却器容器。
【請求項8】
前記熱電素子および前記ヒートシンクは、前記容器本体の上端に取り外し可能に連結可能なリング内にある、請求項1~7のいずれか1項に記載の冷却器容器。
【請求項9】
前記ファンは、前記空気が前記ヒートシンクの少なくとも一部を通過して流れることで前記ヒートシンクから放熱させるために、前記容器本体の頂部に向かう流路に沿って前記空気を流すように作動可能である、請求項8に記載の冷却器容器。
【請求項10】
前記ライナーの少なくとも一部がリブ形状を有する、請求項の1~9のいずれか1項に記載の冷却器容器。
【請求項11】
前記液体容器が金属缶である、請求項1~10のいずれか1項に記載の冷却器容器。
【請求項12】
前記液体容器がガラス製の飲料容器である、請求項1~11のいずれか1項に記載の冷却器容器。
【請求項13】
前記スラグおよび前記ライナーが単一ピースである、請求項3~12のいずれか1項に記載の冷却器容器。
【請求項14】
前記断熱性の入れ物が、二重壁構造の一対の壁の間に間隙を有する二重壁の断熱性の入れ物である、請求項1~13のいずれか1項に記載の冷却器容器。
【請求項15】
前記間隙が真空である、請求項14に記載の冷却器容器。
【請求項16】
前記回路が、遠隔電子デバイスと無線通信するように構成される、請求項1~15のいずれか1項に記載の冷却器容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願と共に提出された出願データシートにおいて外国又は国内の優先権主張が特定される全ての出願は、37 CFR 1.57の下で参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とみなされるべきである。
【0002】
本発明は、携帯型冷却器に関し、より詳細には、金属缶およびその内容物を冷却するために、その中に金属(例えば、アルミニウム)容器(例えば、缶)を受け入れることができるアクティブ温度制御を備えた冷却器に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの飲料(例えば、ソーダ、ビール)は、個人消費(例えば、パーティー、ピクニック、屋外イベント等)のために金属(例えば、アルミニウム)缶に包装される。このような飲料は、冷却状態又はチルド状態で消費されることが多い(例えば、缶を冷蔵庫に入れるか、又は冷却器などの氷の上に置くことによって)。しかし、缶を冷蔵庫から取り出したり氷から取り出したりすると、缶を持っている間のユーザの手からの熱と周囲の空気への曝露のために、缶とその飲料の温度は時間とともに変化する。可撓性又は変形可能な織物又は発泡体で作られた断熱スリーブ(通常「クージー」と呼ばれる)は、その中に缶(例えば、ソーダ缶、ビール缶)を保持するためにしばしば使用され、容器内の飲料を断熱し、それをより長期間冷たく保つ。しかしながら、このようなクージーは、飲料を延長された期間冷たく保つことができない。
【発明の概要】
【0004】
したがって、金属缶およびその内容物(例えば、飲料)を冷却するために、金属(例えば、アルミニウム)容器(例えば、缶)をその中に受け入れることができる、改良された個人用の携帯型冷却器が必要とされている。個人用の携帯型冷却器は、冷却器のチャンバ内に少なくとも部分的に単一の金属容器(例えば、アルミニウム製の、ソーダ缶、ビール缶)を受け入れるような大きさにすることができる。冷却器は、金属缶および/又はその内容物を冷却状態に長時間(例えば、1/2時間、1時間、2時間、3時間など)維持することができる。一例では、冷却器は、金属缶および/又はその内容物を所望の温度又は温度範囲に維持することができる。
【0005】
金属缶およびその内容物を冷却するために金属(例えばアルミニウム)容器(例えば缶)をその中に受け入れることができるアクティブ温度制御を備える。
【0006】
一態様によれば、アクティブ温度制御システムを備えた個人用の携帯型冷却器容器が提供される。一例では、アクティブ温度制御システムは、金属容器又は金属缶を受け入れる冷却器の入れ物のチャンバを冷却するように作動する。
【0007】
別の態様によれば、アクティブ温度制御を備えた冷却器容器が提供される。容器は、底部と容器本体の内周壁とによって画定されるチャンバを有する容器本体を備える。容器はまた、チャンバの少なくとも一部分を能動的に加熱又は冷却するように構成された1以上の熱電素子と、チャンバの少なくとも一部分を所定の温度又は所定の温度範囲まで加熱又は冷却するように1以上の熱電素子の動作を制御するように構成された回路と、を備える温度制御システムを備える。チャンバは、金属容器(例えば、アルミニウム缶)の少なくとも一部をその中に受け入れるサイズであり、温度制御システムは、金属容器およびその内容物(例えば、飲料)の温度を上昇又は低下させるか、又は所定の温度又は所定の温度範囲で長時間(例えば、1/2時間、1時間、2時間、3時間など)維持するように作動するように構成される。
【0008】
任意選択的に、容器は、回路および1以上の熱電素子の一方又は両方に電力を供給するように構成された1以上のバッテリを含むことができる。
【0009】
任意選択的に、回路はさらに、遠隔電子デバイス(例えば、携帯電話)と無線通信するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は冷却器容器の断面図である。
図2図2は他の冷却器容器の断面図である。
図3図3は他の冷却器容器の断面図である。
図4図4は冷却器容器と遠隔電子デバイスとの間の通信を示す概略ブロック図である。
図5図5は冷却器容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、冷却器容器アセンブリ100(「冷却器」)を示す。冷却器100は、開放上端と、貫通する開口部(例えば、中央開口部)を有する閉鎖下端と、を備える、断熱された円筒形の入れ物10を含むことができる。一実施形態では、入れ物10は、内周壁(例えば、円筒形内壁)から間隙分離間された外周壁(例えば、円筒形外壁)を有する二重壁とすることができる。一例では、間隙は空気で満たされていてもよい。他の例では、間隙は断熱材料(例えば、発泡体)で充填することができる。他の例では、間隙は真空であってもよい。有利には、内周壁は、外周壁から断熱されている(例えば、冷却器100を保持するユーザの手からの熱が内周壁に伝わらないようにして、冷却器内の金属缶およびその内容物への熱伝達を阻害する)。他の実施形態では、入れ物10は単層であってもよい。一実施形態では、入れ物10は断熱材料(例えば、プラスチック、他の高分子材料、他の非金属材料)から作製される。
【0012】
冷却器100は、任意選択的に、内周ライナー20(「ライナー」)を有することができる。このライナー20は、そのチャンバ内に挿入された飲料容器と熱連通(例えば、熱接触、直接接触)している。ライナー20は、任意選択的に、入れ物10の内周壁(例えば、円筒形内壁)に接触する。ライナー20は、任意選択的に、実質的に入れ物10の上端まで延在することができる。ライナー20は、入れ物10と実質的に同一の広がりを有するように延在することができる。ライナー20は、開放上端から、貫通する開口部(例えば、中央開口部)を備えた閉鎖下端まで、延在することができる。任意選択的に、ライナー20の下端の開口部は、入れ物10の下端の開口部と整列する(例えば、同じ幅を有し、同じ直径を有する)。
【0013】
ライナー20は、高い熱伝導特性を有する材料で作ることができる。一例では、ライナー20はアルミニウムで作ることができる。他の例では、ライナー20は、熱伝導率の高い別の材料で作られる。ライナー20は、金属缶(例えば、ソーダ缶、ビール缶など)200の少なくとも一部をその中に受け入れるような大きさのチャンバを画定する。チャンバは、65.5mm±2mmの公称径を有することができる。しかしながら、チャンバは、異なるサイズの飲料容器を収容する他の適切な寸法を有することができる。
【0014】
冷却器は、任意選択的に、チャンバの底部に配置された熱伝導性スラグ30(「スラグ」)を有することができる。一例では、スラグ30は、入れ物10の開放上端の方向に面する凸形状を有することができる。他の例では、スラグ30の凸形状は、入れ物10内に挿入されると、金属缶200の凹状底部と実質的に一致し、スラグ30が金属缶200の凹状底部の全領域と実質的に接触することを可能にする。これは、有利には、スラグ30と金属缶200との間の熱伝達(例えば、金属缶200を冷却するための金属缶200からスラグ30への熱伝達)を促進する。
【0015】
一実施形態では、スラグ30は、ライナー20の少なくとも一部と熱連通(例えば、熱接触、直接接触)している。一例では、スラグ30およびライナー20は、互いに取り付けられた別個の部品である。他の例では、スラグ30およびライナー20はモノリシック(例えば、単一の継ぎ目のないピースとして製造又は成形された単一のピース)である。スラグ30は、熱伝導率の高い材料で作ることができる。一例では、スラグ30はライナー20と同じ材料で作られる。一例では、スラグ30はアルミニウムで作られる。
【0016】
スラグ30の少なくとも一部は、ライナー20および/又は入れ物10の開口部(例えば、中央開口部)を通って少なくとも部分的に延在することができる。任意選択的に、スラグ30は、ライナー20および/又は入れ物10の開口部(例えば、中央開口部)を実質的に封止する。
【0017】
スラグ30の下端は、熱電素子(例えば、ペルチェ素子)40の上面に接触することができる。一例では、熱電素子40はスラグ30に接触するが、ライナー20には接触しない。他の例では、熱電素子40は、スラグ30およびライナー20に接触する。他の例では、スラグ30は排除され、熱電素子40はライナー20の少なくとも一部と接触する。熱電素子40は、複数の熱電素子であってよい。熱電素子40の底面側は、任意選択的に、ヒートシンク50に接触することができる。任意選択的に、ヒートシンク50は1以上(例えば、複数)のフィンを有することができる。
【0018】
入れ物10の下のハウジングは、熱電素子40の少なくとも一部を収容するキャビティと、回路と、バッテリ60(例えば、複数のバッテリ、充電式バッテリ)と、ファン70と、を有することができる。ハウジングは、キャビティとキャビティの外側の環境との間の空気の流れを可能にするために、1以上の通気口80をその中に有することができる。任意選択的に、回路は、熱電素子40および/又はファン70を作動させて、金属缶およびその内容物(例えば、飲料)の温度を、温度設定値(例えば、ユーザ選択温度、所定温度)又は温度範囲に上昇又は低下させ又は維持することができる。任意選択的に、回路は、遠隔電子デバイス(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、スマートウォッチなど)と(例えば、無線で)通信する。例えば、回路は、後述するように、遠隔電子デバイスから温度設定値を受け取り、熱電素子40および/又はファン70を作動させて、金属缶およびその内容物(例えば、飲料)の温度を温度設定値に上昇又は低下させ又は維持することができる。
【0019】
動作中、ユーザは、金属缶200(例えば、ソーダ缶、ビール缶)をライナー20のチャンバ内に挿入することができ、その結果、金属缶200の外壁は、ライナー20と金属缶200との間の熱連通を容易にするために、ライナー20に近接(例えば、隣接、接触)する。上述したように、金属缶200は、スラグ30が金属缶200の凹状底部に接触するように挿入することができる。一実施形態では、回路は、熱電素子40を作動させ(例えば、ライナー20のチャンバ内への金属缶200の挿入を検知すると、自動的に作動する)、スラグ30から、およびライナー20から(例えば、ライナー20と熱接触しているスラグ30を介して)熱を受け取る。ライナー20およびスラグ30は、金属缶200から熱を受け取り、金属缶200はその内容物(例えば、飲料)から熱を受け取り、それによって金属缶200および/又は飲料を冷却する。前記熱は、熱電素子40によってヒートシンク50に伝達されて、放熱する。任意選択的に、回路は、ファン70を作動させて、ヒートシンク50を通過する空気を吸い込ませ、ヒートシンク50から放熱させる。前記空気は、ヒートシンクから熱を取り除くために、1つ以上の通気口80を通ってキャビティ内およびヒートシンク50の少なくとも一部の上に吸い込まれ得る。そして、加熱された空気は、1以上の通気口80を介してファン70によってキャビティから排出され得る。有利には、冷却器100は、金属缶200の温度を長時間(例えば、30分、1時間、2時間、3時間など)にわたって上昇又は低下させ又は維持することができる。
【0020】
図2は、冷却器容器アセンブリ100A(「冷却器」)の断面図を示す。冷却器100Aの特徴のいくつかは、図1の冷却器100の特徴に類似している。したがって、冷却器100Aの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、識別符号に「A」が付加されていることを除いて、図1の冷却器100の対応する構成要素を識別するために使用される参照符号と同一である。したがって、図1の冷却器100の様々な特徴についての構造および説明は、以下に説明する場合を除いて、図2の冷却器100Aの対応する特徴にも適用されることが理解される。
【0021】
冷却器100Aは、熱電素子40Aの底面側が、熱電素子40Aの下方の伝熱ブロック50Aと熱接触(例えば、直接接触)している点で、冷却器100と異なる。伝熱ブロック50Aは、プレート形状を有することができる。しかしながら、伝熱ブロック50Aは、他の形状因子を有することができる。一実施形態では、伝熱ブロック50Aは、熱電素子40Aと同一の広がりを有する(例えば、同一の接触領域を有する)ことができる。他の実施形態において、伝熱ブロック50Aは、熱電素子40Aよりも大きな領域を有することができる。伝熱ブロック50Aは、熱伝導率の高い材料(例えば、アルミニウム、銅などの金属)で作ることができる。他の実施形態において、伝熱ブロック50Aは、熱電素子40Aの作動による熱変動を減衰させるために、エンクロージャ内に入れられた相変化材料(PCM)を有することができる。
【0022】
冷却器100Aは、任意選択的に、ヒートパイプ65Aの一部で伝熱ブロック50Aの少なくとも一部と熱連通(例えば、熱接触、直接接触)しているヒートパイプ65Aを有する。一実施形態では、ヒートパイプ65Aおよび伝熱ブロック50Aは、互いに取り付けられた別個の部品である。他の実施形態において、ヒートパイプ65Aおよび伝熱ブロック50Aは、単一のピース(例えば、単一の継ぎ目のないピースとして成形又は製造されたモノリシック)である。伝熱パイプ65Aは、熱伝導率の高い材料(例えば、アルミニウム、銅などの金属)で作ることができる。他の実施形態では、伝熱パイプ65Aは、内部のウィッキング構造と迅速な熱伝達のための熱伝達流体を備えた中空ヒートパイプであり得る。ヒートパイプ65Aは、任意選択的に、ヒートパイプ65Aの別の部分でヒートシンク68Aの少なくとも一部と熱連通(例えば、熱接触、直接接触)している。ヒートシンク68Aは、任意選択的に、1以上のフィンを有する。一実施形態では、伝熱ブロック50A、ヒートパイプ65Aおよびヒートシンク68Aは、単一構造(例えば、モノリシック、単一の継ぎ目のないピース)であり得る。他の実施形態において、伝熱ブロック50A、ヒートパイプ65Aおよびヒートシンク68Aは、互いに熱連通(例えば、熱接触、直接接触)している別個の部品であり得る。冷却器100Aは、ヒートシンク68Aの少なくとも一部に近接する(例えば、フィンに近接する)ファン70Aを有することができる。
【0023】
図2に示すように、ヒートパイプ65Aは、入れ物10Aの底面の少なくとも一部および入れ物10の外側面の少なくとも一部とほぼ平行に、しかしそれらから離間して、延在することができる。しかしながら、ヒートパイプ65Aは、入れ物10の底面および/又は側面に沿った他の位置に配置してもよい。図示されていないが、容器100Aは、入れ物10とヒートパイプ65A、ヒートシンク68Aとファン70Aの周囲に配置された外側エンクロージャ又は入れ物を有することができる。外側エンクロージャは、容器100Aの電子機器(例えば、回路、バッテリ、センサなど)を収容することができる入れ物10の下のハウジングおよびキャビティを画定することができる。
【0024】
動作中、ユーザは、金属缶200(例えば、ソーダ缶、ビール缶)を容器100Aのライナー20Aのチャンバ内に挿入することができ、その結果、金属缶200の外壁は、ライナー20Aと金属缶200との間の熱連通を容易にするために、ライナー20Aに近接(例えば、隣接、接触)する。上述したように、金属缶200は、スラグ30Aが金属缶200の凹状底部に接触するように挿入することができる。一実施形態では、回路は、熱電素子40Aを作動させ(例えば、ライナー20Aのチャンバ内への金属缶200の挿入を検知すると、自動的に作動する)、スラグ30Aから、およびライナー20Aから(例えば、ライナー20Aと熱接触しているスラグ30Aを介して)熱を受け取る。ライナー20Aおよびスラグ30Aは、金属缶200から熱を受け取り、金属缶200はその内容物(例えば、飲料)から熱を受け取り、それによって金属缶200および/又は飲料を冷却する。前記熱は、熱電素子40Aによって伝熱ブロック50Aに伝達され、この伝熱ブロック50Aは熱をヒートパイプ65Aに伝達する。ヒートパイプ65Aは、前記熱をヒートシンク68Aに伝えて、放熱させる。任意選択的に、回路は、ファン70Aを作動させて、ヒートシンク68Aを通過する空気を吸い込ませ、ヒートシンク68Aから放熱させる。図示されていないが、前記空気は、ヒートシンク68Aから熱を取り除くために、容器100Aの外側エンクロージャにおける1以上の通気口を通ってヒートシンク68Aの少なくとも一部の上に吸い込まれ得る。そして、加熱された空気は、1以上の通気口を介してファン70Aによってエンクロージャから排出され得る。有利には、冷却器100Aは、金属缶200の温度を長時間(例えば、30分、1時間、2時間、3時間など)にわたって上昇又は低下させ又は維持することができる。
【0025】
図3は、冷却器容器アセンブリ100B(「冷却器」)の断面図を示す。冷却器100Bの特徴のいくつかは、図1の冷却器100の特徴に類似している。したがって、冷却器100Bの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、識別符号に「B」が付加されていることを除いて、図1の冷却器100の対応する構成要素を識別するために使用される参照符号と同一である。したがって、図1の冷却器100の様々な特徴についての構造および説明は、以下に説明する場合を除いて、図3の冷却器100Bの対応する特徴にも適用されることが理解される。
【0026】
冷却器100Bは、熱電素子40Bおよびヒートシンク50Bが容器100Bの頂部のリング内にある点で冷却器100と異なる。リングは、容器100Bの頂部に取り外し可能に取り付けることができる(例えば、リングは、容器100Bのねじ部95Bに螺合するねじ部90Bを有することができる)。ねじ部95Bは、任意選択的に、ライナー20Bの1以上の表面によって画定することができる。
【0027】
容器100Bは、ファン70B、1以上のバッテリ60B、および他の電子機器(例えば、回路、センサなど)を収容する入れ物10Bの下のキャビティを画定する外側ハウジングを有することができる。外側ハウジングは、入れ物10Bの外面と外側ハウジングの外面との間に間隙を画定することができ、この間隙は、容器100Bの頂部に向かう空気流路80Bを提供する。
【0028】
リングが容器100Bの頂部に取り付けられる場合、熱電素子40Bの片側は、ライナー20Bの少なくとも一部と(例えば、ねじ接続部90B、95Bを介して)熱連通(例えば、熱接触、直接接触)することができる。ヒートシンク50Bは、熱電素子40Bの反対側と熱連通(例えば、熱接触、直接接触)することができる。図示されていないが、熱電素子40Bは、互いに接触するリングと容器100Bの頂部との間の電気接点を介して給電され得る。容器の頂部における電気接点は、任意選択的に、1以上の電線を介して入れ物10Bの下の回路および/又はバッテリ60Bと接続することができる。
【0029】
動作中、ユーザは、金属缶200(例えば、ソーダ缶、ビール缶)を容器100Bのライナー20Bのチャンバ内に挿入することができ、その結果、金属缶200の外壁は、ライナー20Bと金属缶200との間の熱連通を容易にするために、ライナー20Bの内面22Bに近接(例えば、隣接、接触)する。上述したように、金属缶200は、スラグ30Bが金属缶200の凹状底部に接触するように挿入することができる。リングは、金属缶200がチャンバ内に挿入される前又は後に、容器100Bの頂部に取り付けることができる。一実施形態では、回路は、熱電素子40Bを作動させ(例えば、ライナー20Bのチャンバ内への金属缶200の挿入を検知すると、自動的に作動する)、ライナー20Bから(およびライナー20Bを介してスラグ30Bから)熱を受け取る。ライナー20Bおよびスラグ30Bは、金属缶200から熱を受け取り、金属缶200はその内容物(例えば、飲料)から熱を受け取り、それによって金属缶200および/又は飲料を冷却する。前記熱は、熱電素子40Bによってヒートシンク50Bに伝達される。任意選択的に、回路は、ファン70Bを作動させて、容器100Bの外側ハウジングにおける1以上の通気口を介して空気を吸い込み、空気流路80Bに沿って前記空気を容器100Bの頂部に向かって流す。空気は、ヒートシンク50Bから放熱するために、ヒートシンク50Bの少なくとも一部を通過して流れ、容器100Bにおける1以上の排気口から流出する。一実施形態では、排気口は、図3に示すように、容器100Bの頂部に画定される。しかしながら、他の実施形態では、排気口は、容器100Bの他の位置にあってもよい。有利には、冷却器100Bは、金属缶200の温度を長時間(例えば、30分、1時間、2時間、3時間など)にわたって上昇又は低下させ又は維持することができる。
【0030】
容器100、100A、100Bを参照すると、回路は、任意選択的に、熱電素子40、40A、40Bを作動させて、金属缶200および/又はその中の飲料を所望の温度(例えば、温度設定値)に冷却することができる。一実施形態において、所望の温度は所定温度である(例えば、回路と通信する容器100、100A、100B内のメモリに格納される)。他の実施形態では、所望の温度は、ユーザ選択温度である。任意選択的に、ユーザ選択温度は、容器100、100A、100B上のユーザインターフェースを介してユーザが手動で提供することができる。他の実施形態では、ユーザ選択温度は、以下でさらに説明するように、遠隔電子デバイスを介してユーザが無線で提供することができる。任意選択的に、容器100、100A、100Bは、回路と通信する1以上のセンサを有することができ、回路は、1以上のセンサによって提供される検知された情報に少なくとも部分的に基づいて、熱電素子40、40A、40Bおよびファン70、70A、70Bの一方又は両方を作動させる。センサは、ライナー20、20A、20Bおよび/又はスラグ30、30A、30Bおよび/又は飲料容器25および/又は周囲環境の温度を感知する温度センサを含むことができる。センサは、圧力センサ、接触センサ、近接センサ、荷重センサ、又は容器100、100A、100Bのチャンバ内の金属容器(例えば、金属缶)の存在を感知するための他の適切なセンサを含むことができる。
【0031】
バッテリ60、60Bは、充電式バッテリとすることができる。一実施形態では、バッテリ60、60Bは、容器100、100A、100Bを電力ベース(図示せず)上に配置することによって再充電することができる。一実施形態では、容器100、100A、100Bは、その底部に電気接点を有することができる。この電気接点は、電力ベース上の電気接点と接触し、それによって、電力ベースからバッテリ60、60Bへ電力を伝送する。他の実施形態において、バッテリ60、60Bは、容器100、100A、100Bがベース上に配置されている場合に、誘導結合を介して無線で再充電することができる(例えば、容器100、100A、100Bの回路は、電力ベース内の無線電力送信機から電力を受信する無線電力受信機を有することができる)。他の実施形態では、冷却器容器アセンブリ100、100A、100Bは、電源ケーブルが接続可能なコネクタを有することができ、電源ケーブルの他端は、電源(例えば、壁ソケットなど)に接続可能である。一実施形態では、バッテリ60、60Bは、取り外し可能なパック内にあることができ、バッテリ60、60Bを別のパックと交換、および/又は再充電することができ、それによって、冷却器容器100、100A、100Bの温度制御性能を延長することが可能となる。
【0032】
図5は、冷却器容器アセンブリ100C(「冷却器」)の断面図を示す。冷却器100Cの特徴のいくつかは、図1の冷却器100の特徴に類似している。したがって、冷却器100Cの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、「C」が識別符号に付加されていることを除いて、図1の冷却器100の対応する構成要素を識別するために使用される参照符号と同一である。したがって、図1の冷却器100の様々な特徴についての構造および記述は、以下に説明する場合を除いて、図5の冷却器100Cの対応する特徴にも適用されるものと理解される。
【0033】
冷却器100Cは、開放上端と、貫通する開口部(例えば、中央開口部)を有する閉鎖下端と、を備える、断熱された円筒形の入れ物10C(例えば、外側容器)を含むことができる。一実施形態では、入れ物10Cは、内周壁(例えば、円筒形内壁)から間隙分離間した外周壁(例えば、円筒形外壁)を有する二重壁とすることができる。一例では、間隙は空気で満たされていてもよい。他の例では、間隙は、断熱材料(例えば、発泡体)で充填することができる。他の例では、間隙は真空であってもよい。有利には、内周壁は外周壁から断熱されている(例えば、冷却器100Cを保持するユーザの手からの熱が内周壁に伝達されないようにして、内周壁と外周壁との間の熱伝達を阻害する)。他の実施形態では、入れ物10Cは単層とすることができる。一実施形態では、入れ物10Cは断熱材料(例えば、プラスチック、他の高分子材料、他の非金属材料)で作製される。
【0034】
入れ物10Cは、その中にチャンバを画定し、内周ライナー20C(「ライナー」)は、入れ物10Cの内周壁と熱連通(例えば、熱接触、直接接触)して配置することができる。ライナー20Cは、任意選択的に、実質的に入れ物10Cの上端まで(例えば、内周壁の高さの70%又は80%又は90%、あるいはそれらの間の高さなど、上端のすぐ下まで)延在することができる。ライナー20Cは、入れ物10Cと実質的に同一の広がりを有することができる。ライナー20Cは、開放上端から閉鎖下端21Cまで延在することができる。ライナー20Cのライナー壁22Cの少なくとも一部は、リブ形状を有することができる。
【0035】
ライナー20Cは、高い熱伝導特性を有する材料で作ることができる。一例では、ライナー20Cはアルミニウムで作ることができる。他の例では、ライナー20Cは、熱伝導率の高い別の材料でできている。ライナー20Cは、飲料容器25の少なくとも一部を受け入れるような大きさのチャンバを画定する。飲料容器25は、ライナー20Cの内周面の少なくとも一部と熱連通(例えば、熱接触、直接接触)することができる。飲料容器25は、ガラスで作ることができる。しかしながら、飲料容器25は、別の適切な材料でできていてもよい。一実施形態では、飲料容器25は、入れ物10Cおよびライナー20Cの上端から突出することができる。一実施形態では、飲料容器25は、入れ物10Cの縁上に配置することができるリップ又はショルダ26を有することができる(例えば、飲料容器25の上端壁が入れ物10Cの壁と実質的に整列するように)。一実施形態では、飲料容器25は、例えば、洗浄することができるように、入れ物10C内から取り外し可能となっていてもよい。他の実施形態では、飲料容器25は、ライナー20Cから取り外し可能ではない。
【0036】
冷却器100Cは、任意選択的に、入れ物10Cの底部の開口部(例えば中央開口部)を通って延在し、かつ、ライナー20Cと熱通信(例えば、熱接触、直接接触)している、熱伝導性スラグ30C(「スラグ」)を備えることができる。一実施形態では、スラグ30Cは、ライナー20Cの少なくとも一部と熱連通(例えば、熱接触、直接接触)している。一例では、スラグ30Cおよびライナー20Cは、互いに取り付けられた別個の部品である。他の例では、スラグ30Cおよびライナー20Cは、モノリシック(例えば、継ぎ目のない単一ピースとして製造又は成形される単一ピース)である。スラグ30Cは、熱伝導率の高い材料で作ることができる。一例では、スラグ30Cは、ライナー20Cと同じ材料で作られる。一例では、スラグ30Cはアルミニウムでできている。
【0037】
スラグ30Cの少なくとも一部は、入れ物10Cの開口部(例えば、中央開口部)を通って少なくとも部分的に延在することができる。任意選択的に、スラグ30Cは、入れ物10Cの開口部(例えば、中央開口部)を実質的に封止する。
【0038】
スラグ30Cの下端は、熱電素子(例えば、ペルチェ素子)40Cの上面に接触することができる。一例では、熱電素子40Cは、スラグ30Cに接触するが、ライナー20Cには接触しない。他の例では、スラグ30Cは除外され、熱電素子40Cはライナー20Cの少なくとも一部と接触する。熱電素子40Cは、複数の熱電素子であってよい。熱電素子40Cの底面側は、任意選択的に、ヒートシンク50Cに接触することができる。任意選択的に、ヒートシンク50Cは1以上(例えば、複数)のフィンを有することができる。
【0039】
入れ物10の下のハウジングは、熱電素子40Cの少なくとも一部を収容するキャビティ90と、回路EMと、バッテリ60C(例えば、複数のバッテリ、充電式バッテリ)と、ファン70Cと、を有することができる。ハウジングは、内部に1以上の通気口80Cを有することができる。通気口80Cは、キャビティ90とキャビティ外の環境との間の空気の流れを可能にするために、吸気口82および排気口84(例えば、平面構造体85のような仕切りによって分離されている)を含む。任意選択的に、回路EMは、熱電素子40Cおよび/又はファン70Cを作動させて、飲料容器25およびその内容物(例えば、飲料)の温度を、温度設定値(例えば、ユーザ選択温度、所定温度)又は温度範囲で上昇又は低下させ、又は維持することができる。任意選択的に、回路EMは、遠隔電子デバイス(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、スマートウォッチなど)と(例えば、無線で)通信する。例えば、回路EMは、遠隔電子デバイスから温度設定値を受け取り、熱電素子40Cおよび/又はファン70Cを作動させて、以下でさらに説明するように、飲料容器25およびその内容物(例えば、飲料)の温度を温度設定値に上昇又は低下させ、又は維持することができる。
【0040】
動作中、ユーザは飲料を飲料容器25に注ぐことができる。飲料容器25が取り外し可能である場合、ユーザは、飲料容器25がライナー20Cと熱連通するように入れ物10Cに挿入される前又は後に、前記飲料をその中に注ぐことができる。一実施形態では、回路は、熱電素子40Cを作動させて(例えば、ライナー20Cのチャンバ内への飲料容器25の挿入を感知すると、自動的に作動して)、スラグ30Cから、およびライナー20Cから(例えば、ライナー20Cと熱接触しているスラグ30Cを介して)熱を受け取る。ライナー20Cおよびスラグ30Cは、飲料容器25から熱を受け取り、飲料容器25は、その内容物(例えば、飲料)から熱を受け取り、それによって飲料容器25および/又は飲料を冷却する。前記熱は、熱電素子40Cによってヒートシンク50Cに伝達されて、放熱する。任意選択的に、回路は、ファン70Cを作動させ、ヒートシンク50Cを通過させて空気を吸い込み、ヒートシンク50Cから放熱させる。前記空気は、ヒートシンクから熱を除去するために、1以上の吸気口82を通ってキャビティ90内およびヒートシンク50Cの少なくとも一部の上に吸い込まれ得る。加熱された空気は、1以上の排気口84を介してファン70によってキャビティ90から排出され得る。有利には、冷却器100Cは、長時間(例えば、30分、1時間、2時間、3時間など)にわたって飲料容器25の温度を上昇又は低下させ、又は維持することができる。
【0041】
ライナー20Cのリブ部22Cは、(例えば、冷たい)スラグ30Cからライナー20Cと飲料容器25との間の一次熱インターフェース(例えば、飲料容器25の頂部中央付近)へのより長い熱橋(例えば、経路)を提供する。熱電素子40Cが非アクティブである場合、熱電素子40Cの低温側が時間の経過とともにゆっくりと加温を開始するので、このより長い経路は飲料の加熱を阻害する(例えば、妨げる)。したがって、ライナー20Cのリブ部22Cは、飲料容器25内の冷たい飲料温度をより長く維持することを容易にする。
【0042】
図4は、本明細書に記載の装置(例えば、冷却器容器アセンブリ100、100A、100B、100C)のための(例えば、その中に組み込まれた)制御システムのブロック図を示す。図示の実施形態では、回路EM (例えば、制御回路、マイクロコントローラユニットMCU、コンピュータプロセッサなど)は、1以上のセンサS1-Sn(例えば、温度センサ、バッテリ充電センサ、荷重センサ、無線周波数識別又はRFIDリーダなど)から検知された情報を受信することができる。回路EMは、入れ物10、10A、10B、10Cの下のキャビティ内に収容することができる。回路EMは、熱電素子40、40A、40B、40Cなどの1以上の加熱又は冷却素子HCから情報を受信し、かつ/又はそれに情報(例えば、命令)を送信することができる(例えば、加熱モードおよび/又は冷却モードで熱電素子を作動させ、電源を切り、入りし、電力出力を変化させるなど)。回路EMは、任意選択的に、1以上の電力貯蔵デバイスPS (例えば、バッテリ60、60B、60C)に情報(例えば、命令)を送信することができる(例えば、バッテリを充電するため、又はバッテリによって熱電素子に供給される電力を管理するため)。
【0043】
任意選択的に、回路EMは、以下のものと通信し(例えば、検知された温度などの情報を送信し)、それらからユーザ命令又は温度設定値などの情報を受信することができる、無線送信機、受信機、および/又はトランシーバを含むことができる。前記以下のものとは、以下の1以上のものである:a)ユニット上(例えば、容器の入れ物10の本体上)のユーザインターフェースUI1、b)電子デバイスED(例えば、携帯電話、PDA、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、電子時計などのモバイル電子デバイス)、c)クラウドCL経由、又はd)WiFi(登録商標)、ブロードバンドネットワーク、および/又はブルートゥース(登録商標)BTなどの無線通信システム経由。ここで、電子デバイスEDは、ユーザインターフェースUI2を有することができる。ユーザインターフェースUI2は、冷却器容器アセンブリ100、100A、100B、100Cの動作に関連する情報をディスプレイすることができ、かつ、ユーザから情報(例えば、命令)を受信し、前記情報を冷却器容器アセンブリ100、100A、100B、100Cに通信することができる。
【0044】
本発明の特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は、例としてのみ提示されており、本開示の範囲を限定することを意図していない。実際に、本明細書に記載される新規な方法およびシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。例えば、上記の記載は、容器100、100A、100B、100Cに挿入される金属容器に言及しているが、それは金属容器である必要はなく、他の材料(例えば、プラスチック製の水筒などのプラスチック)でできていてもよい。加えて、上述の構成要素(例えば、バッテリ60、60B、60C、熱電素子40、40A、40B、40C、ファン70、70B、70C)は、単数で記載されてもよいが、開示は、複数のそのような構成要素の使用を意図するものであることを当業者は認識するであろう。さらに、図面は断面図を示すが、当業者であれば、容器100、100A、100B、100Cの形状ファクタは、一実施形態では、図面に示される断面を中心軸の周りに回転させることによって画定することができることを理解するであろう(例えば、容器100、100A、100B、100Cは、円筒形であってもよい)。さらに、本明細書で説明されるシステムおよび方法における様々な省略、置換、および変更は、本開示の精神から逸脱することなく行われ得る。添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物は、本開示の範囲および精神内に含まれるような形態又は修正を包含することが意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0045】
特定の態様、実施形態、又は実施例に関連して説明される特徴、材料、特性、又はグループは、本明細書のこのセクション又は他の箇所で説明される任意の他の態様、実施形態、又は実施例と互換性がない場合を除き、それらに適用可能であると理解されるべきである。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)に開示された特徴のすべて、および/又はそのように開示された方法又はプロセスのすべてのステップは、そのような特徴および/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで結合することができる。発明の保護は、前述の実施形態の詳細に限定されない。発明の保護は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)に開示された特徴の任意の新規な1つ、又は任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規な1つ、又は任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0046】
さらに、別個の実施形態の文脈で本開示に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態で別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施することも可能である。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述されている場合もあるが、特許請求される組み合わせからの1以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除されてもよく、組み合わせは、サブコンビネーションのサブコンビネーション又はバリエーションとして特許請求されてもよい。
【0047】
さらに、動作は、図面に示されるか、又は特定の順序で本明細書に記載されている場合もあるが、そのような動作は、所望の結果を達成するために、示される特定の順序で、又は順次的な順序で、又はすべての動作が実行される必要はない。図示又は説明されていない他の動作を、例示的な方法およびプロセスに組み込むことができる。例えば、1以上の追加の動作を、説明した動作のいずれかの前、後、同時に、又はその間に実行することができる。さらに、動作は、他の実施形態において再配置又は再順序付けされてもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態において、図示および/又は開示されたプロセスにおいて行われる実際のステップは、図面に示されたものとは異なり得ることを理解するであろう。実施形態に応じて、上述のステップのうちのいくつかを除去することができ、他のステップを追加することができる。さらに、上記で開示された特定の実施形態の特徴および属性は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わされてもよく、それらのすべては、本開示の範囲内にある。また、上述の実施形態における種々のシステム構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明される構成要素およびシステムは、一般に、単一の製品に一体化されるか、又は複数の製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0048】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、および新規な特徴について、本明細書に説明する。必ずしもすべてのそのような利点が、任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示又は示唆され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点のグループを達成する方法で実施又は実行され得ることを認識するであろう。
【0049】
「可能」、「できる」、「かもしれない」又は「してもよい」などの条件用語は、特に断りのない限り、又は、使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、一般に、特定の実施形態が含まれることを伝えるように意図されているが、他の実施形態は、特定の特徴、要素、および/又はステップを含まない。したがって、そのような条件用語は、一般に、特徴、要素、および/又はステップが、1以上の実施形態に何らかの形で必要とされること、又は1以上の実施形態が、ユーザ入力又はプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、および/又はステップが、任意の特定の実施形態に含まれているか、又は任意の特定の実施形態で実行されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを暗示することを意図する。
【0050】
特に断らない限り、語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」などの結合用語は、項目、用語などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために一般的に使用される文脈とは別に理解される。したがって、このような結合用語は、特定の実施形態が、少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、および少なくとも1つのZの存在を必要とすることを一般的に暗示することを意図していない。
【0051】
本明細書で使用される用語「ほぼ」、「約」、「一般的に」、および「実質的に」などは、所望の機能を実行する又は所望の結果を達成する記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表す。例えば、「ほぼ」、「約」、「一般的に」、および「実質的に」という用語は、記載された量の10%未満の範囲内、5%未満の範囲内、1%未満の範囲内、0.1%未満の範囲内、および0.01%未満の範囲内にある量を指すことができる。他の例として、特定の実施形態では、「一般的に平行」および「実質的に平行」という用語は、正確な平行から15度、10度、5度、3度、1度、又は0.1度以下だけ逸脱する値、量、又は特性を指す。
【0052】
本開示の範囲は、このセクション又は本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されるようには意図されておらず、このセクション又は本明細書の他の箇所に提示されるように、あるいは将来提示されるように、特許請求の範囲によって定義されてもよい。特許請求の範囲の言語は、特許請求の範囲に採用された言語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載された例に限定されるものではなく、出願手続き中においても広く解釈されるべきであり、これらの例は、非排他的なものとして解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】