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特表2023-500465インライン・ミキサ・デバイス、混合方法、及びインライン・ミキサ・デバイスの作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-06
(54)【発明の名称】インライン・ミキサ・デバイス、混合方法、及びインライン・ミキサ・デバイスの作製方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 25/4314 20220101AFI20221226BHJP
   B01F 23/45 20220101ALI20221226BHJP
   B01F 23/50 20220101ALI20221226BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20221226BHJP
   B01F 101/22 20220101ALN20221226BHJP
【FI】
B01F25/4314
B01F23/45
B01F23/50
B29C45/14
B01F101:22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525032
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 US2020056872
(87)【国際公開番号】W WO2021091704
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/930,125
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513307933
【氏名又は名称】パーカー-ハネフィン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】PARKER-HANNIFIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】6035 Parkland Blvd. Cleveland, OH 44124 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ホスターマン,デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
4F206
4G035
【Fターム(参考)】
4F206AA33
4F206AA36
4F206AD05
4F206AD15
4F206AG03
4F206AG08
4F206AH05
4F206JA07
4F206JB12
4F206JF05
4F206JL02
4G035AB37
4G035AB44
4G035AC10
4G035AE17
(57)【要約】
インライン・ミキサ・デバイスは、可撓性管と、ミキサ部分とを含む。ミキサ部分は、管の内部にあり、管と一体である。ミキサ部分及び管は、同じ可撓性材料から構成し得る。インライン・ミキサ・デバイスを形成する方法を提供する。インライン・ミキサ・デバイスで流体を混合する方法を提供する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インライン・ミキサ・デバイスであって、前記インライン・ミキサ・デバイスは、
a.可撓性管部分と、
b.前記管部分の内部にあり、前記管部分と一体であるミキサ部分と
を備え、前記ミキサ部分及び前記管部分は、可撓性材料から構成する、インライン・ミキサ・デバイス。
【請求項2】
前記ミキサ部分及び前記管部分は、同じ可撓性材料から形成する、請求項1に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項3】
前記ミキサ部分は、ある長尺部を有し、前記ミキサ部分は、前記ミキサ部分を前記管部分の内壁に成形することによって、前記長尺部の少なくとも一部分に沿って前記管部分の前記内壁に結合し、前記ミキサ部分と前記管部分との間の結合は、個別の結合材料を含まない、請求項1に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項4】
前記管部分及び前記ミキサ部分は、熱硬化性材料である、請求項1に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項5】
前記管部分は、ある内径を有する内部流路を画定する管壁を有し、前記ミキサ部分は、前記管壁から径方向内側に突出し、前記管部分を通る非円筒形流路をもたらす、請求項1に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項6】
前記管部分は、第1の区分と、第2の区分と、第3の区分とを有し、前記第2の区分は、前記第1の区分と前記第3の区分との間で軸方向に配置し、前記第1の区分及び第3の区分は、第1の外径を有し、前記第2の区分は、前記第1の外径とは異なる第2の外径を有する、請求項1に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項7】
a.前記第1の区分は、第1の壁部分を有し、前記第2の区分は、第2の壁部分を有し、前記第3の区分は、第3の壁部分を有し、
b.前記ミキサ部分は、前記第1の壁部分、前記第2の壁部分及び前記第3の壁部分から径方向内側に突出する、請求項6に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項8】
前記ミキサ部分は、第1の混合要素と、第2の混合要素とを有し、前記第1の混合要素は、前記第2の混合要素とは個別であり、前記第1の混合要素は、前記第1の壁部分及び前記第2の壁部分から径方向内側に延在し、前記第2の混合要素は、前記第3の壁部分及び前記第2の壁部分から径方向内側に延在する、請求項7に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項9】
前記第1の混合要素は、前記管部分の中心軸回りに第1の角度方向に延在する第1のらせん突出部であり、前記第2の混合要素は、前記管部分の中心軸回りに第2の角度方向に延在する第2のらせん突出部であり、前記第2の角度方向は、前記第1の角度方向とは反対である、請求項8に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項10】
前記管部分及び前記ミキサ部分は、単一の一体成形構成要素として形成する、請求項1に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項11】
前記第2の区分の内径は、前記第1の区分及び前記第3の区分の内径より大きい、請求項6に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項12】
前記管部分及び前記ミキサ部分には、前記管部分の内面と前記ミキサ部分との間に形成される割れ目又は間隙がない、請求項1に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項13】
前記第1の混合要素は、前記第1の長尺壁部分の一部分及び前記第2の長尺壁部分の一部分にのみ延在し、前記第2の混合要素は、前記第3の長尺壁部分の一部分及び前記第2の長尺壁部分の一部分にのみ延在する、請求項8に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項14】
前記第1の混合要素を含まない前記第1の長尺壁部分の一部分は、混合要素が一切ない平滑な円筒形内面をもたらし、
前記第2の混合要素を含まない前記第3の長尺壁部分の一部分は、混合要素が一切ない平滑な円筒形内面をもたらす、請求項13に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項15】
前記可撓性管部分は、第1の長尺可撓性管と、第2の長尺可撓性管とを含み、前記ミキサ部分は、前記第1の長尺可撓性管の第1の端部を前記第2の長尺可撓性管の第1の端部に機械的に流体接続する、請求項1に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項16】
前記ミキサ部分は、前記可撓性管の一部分を形成し、前記第1の長尺可撓性管の前記第1の端部と前記第2の長尺可撓性管の前記第1の端部との間で軸方向に配置する、請求項15に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項17】
前記ミキサ部分の一部分は、前記第1の長尺可撓性管及び前記第2の長尺可撓性管のそれぞれの中、並びに前記第1の長尺可撓性管及び前記第2の長尺可撓性管のそれぞれの少なくとも一部分の外周部の周囲に延在する、請求項15に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項18】
前記第1の長尺可撓性管及び前記第2の長尺可撓性管並びに前記ミキサ部分は、同じ材料から形成する、請求項15に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項19】
インライン・ミキサ・デバイスを形成する方法であって、
a.可撓性管部分を準備するステップと、
b.ミキサ部分の可撓性材料を少なくとも部分的に前記管部分内に射出成形するステップと
を含む方法。
【請求項20】
前記可撓性管部分及び前記ミキサ部分は、同じ可撓性材料から形成する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ミキサ部分の可撓性材料を少なくとも部分的に前記管部分内に射出成形することは、前記可撓性管部分と前記ミキサ部分とを一体に組み合わせることである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
i)最初に、前記ミキサ部分の少なくとも1つの混合要素を画定する外形を有するダイを前記管部分に挿入するステップと、
ii)熱硬化性材料を前記管部分の中、及び前記ダイの周囲に射出し、前記熱硬化性材料を硬化させるステップと、次に、
iii)前記硬化させた熱硬化性材料が前記ミキサ部分を画定するように、前記ダイを前記管部分から取り外すステップと
を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記管部分を準備するステップは、前記可撓性管部分を射出成形することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記可撓性管部分及び前記ミキサ部分が、単一成形工程の間に形成される単一の一体成形構成要素を形成するように、前記管部分を射出成形するステップ及び前記ミキサ部分を前記管部分内に射出成形するステップは、同時に実施する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
i)最初に、前記ミキサ部分の少なくとも1つの混合要素を画定する外形を有するダイを、前記管部分の外周部の外形を画定するモールドのキャビティ内に挿入するステップと、
ii)材料を前記モールドの中、及び前記ダイの周囲に射出するステップと、次に、
iii)前記材料が前記管部分及び前記ミキサ部分を画定するように、前記ダイを取り外すステップと
を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記可撓性管部分の準備は、第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管を準備することを含み、前記方法は、
前記第1の長尺可撓性管の第1の端部をモールド内に挿入することと、
前記第2の長尺可撓性管の第1の端部を前記モールド内に挿入することと
を更に含み、前記ミキサ部分の射出成形により、前記第1の長尺可撓性管を前記第2の長尺可撓性管に取り付け、前記第1の長尺可撓性管と前記第2の長尺可撓性管とを流体接続させる、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記ミキサ部分の射出成形は、前記可撓性管部分の一部を形成する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ミキサ部分は、少なくとも1つの混合要素を含み、前記ミキサ部分の射出成形は、前記少なくとも1つの混合要素を、少なくとも部分的に、前記第1の長尺可撓性管及び前記第2の長尺可撓性管の一方の中に射出成形することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記ミキサ部分を射出成形するステップは、前記ミキサ部分を形成する材料を、前記第1の長尺可撓性管の前記第1の端部の外周部の周囲、及び前記第2の長尺可撓性管の前記第1の端部の外周部の周囲に成形することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
ダイを前記モールドに挿入することを更に含み、前記ミキサ部分の射出成形は、前記ミキサ部分を前記ダイの周囲に射出成形することを含み、前記ダイは、少なくとも部分的に、前記ミキサ部分の少なくとも1つの混合要素を画定する、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記ミキサ部分を射出成形するステップの後、前記第1の長尺管を通じて前記ダイを前記ミキサ部分から取り外すことを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ミキサ部分を射出成形するステップは、前記可撓性管部分の一部を形成することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記ダイを挿入するステップは、前記ミキサ部分を射出成形するステップの前に、前記ダイを前記第1の長尺管の前記第1の端部に少なくとも挿入することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記モールドのモールド・キャビティの内周部は、前記ミキサ部分の外周部を画定する、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記ミキサ部分を射出成形した後、前記可撓性管及び前記ミキサ部分を殺菌することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項36】
インライン・ミキサ・デバイスであって、前記インライン・ミキサ・デバイスは、
a.可撓性管部分と、
b.前記管部分の内部にあり、前記管部分と一体であり、前記管部分の長尺部に沿って前記管部分の内壁に固着するミキサ部分と
を備え、前記ミキサ部分及び前記管部分は、可撓性材料から構成する、インライン・ミキサ・デバイス。
【請求項37】
前記可撓性材料は、熱硬化性材料である、請求項36に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項38】
前記可撓性材料は、シリコーンである、請求項36に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項39】
前記可撓性管部分及び前記ミキサ部分は、同じ可撓性材料から形成する、請求項36に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項40】
前記可撓性管部分及び前記ミキサ部分は、熱可塑性エラストマから形成する、請求項36に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項41】
インライン・ミキサ・デバイスであって、
a.第1の端部を有する、第1の長尺可撓性管と、
b.第1の端部を有する、第2の長尺可撓性管と、
c.前記第1の長尺可撓性管の前記第1の端部と前記第2の長尺可撓性管の前記第1の端部とを機械的に接続し、流体連通させるミキサ部分と
を備えるインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項42】
前記ミキサ部分は、少なくとも部分的に、前記第1の長尺可撓性管の前記第1の端部と前記第2の長尺可撓性管の前記第1の端部との間で軸方向に配置する、請求項41に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項43】
前記ミキサ部分は、少なくとも1つの径方向内側に突出する混合要素を含み、前記混合要素は、前記第1の長尺可撓性管の内周部及び前記第2の長尺可撓性管の内周部よりも更に径方向内側に突出する、請求項41に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項44】
前記ミキサ部分は、少なくとも1つの径方向内側に延在する混合要素を含み、前記混合要素は、前記第1の長尺可撓性管の内周部の中に軸方向に延在し、前記第1の長尺可撓性管の内周部に固着する、請求項41に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項45】
前記ミキサ部分は、前記第1の長尺可撓性管と前記第2の長尺可撓性管とを接続するように、前記第1の長尺可撓性管の前記第1の端部の外周部に固着し、前記第2の長尺可撓性管の前記第1の端部の外周部に固着する、請求項41に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項46】
前記第1の長尺可撓性管、前記第2の長尺可撓性管、及び前記ミキサ部分は、同じ可撓性材料から形成する、請求項41に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項47】
前記ミキサ部分は、前記第1の長尺可撓性管と前記第2の長尺可撓性管との間で軸方向に配置し、前記第1の長尺可撓性管及び前記第2の長尺可撓性管は、第1の外径を有し、前記ミキサ部分は、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する、請求項41に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項48】
前記可撓性材料は、シリコーンであり、前記第1の長尺可撓性管のシリコーンと、前記第2の長尺可撓性管のシリコーンと、前記ミキサ部分のシリコーンとの間に更なる結合剤はない、請求項46に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項49】
前記第1の長尺可撓性管及び前記ミキサ部分は、一体に接続し、前記第2の長尺可撓性管及び前記ミキサ部分は、一体に接続する、請求項41に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項50】
前記第1の長尺可撓性管と前記ミキサ部分との間の一体接続は、架橋結合を含み、前記第2の長尺可撓性管と前記ミキサ部分との間の一体接続は、架橋結合を含む、請求項49に記載のインライン・ミキサ・デバイス。
【請求項51】
装置であって、前記装置は、
流路を画定する管部分と、
前記管部分に一体に接続するミキサ部分と
を備え、前記ミキサ部分及び前記管部分は、可撓性材料から構成する、装置。
【請求項52】
前記ミキサ部分は、少なくとも1つの混合要素を含み、前記少なくとも1つの混合要素は、前記管部分が画定する前記流路に延在し、前記流路に乱流を生じさせる、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記管部分及び前記ミキサ部分は、互いに単体であり、単一の連続材料体を形成する、請求項51に記載の装置。
【請求項54】
前記管部分は、10から100の間のショアAデュロメータ硬度を有する基材を含む、請求項51に記載の装置。
【請求項55】
前記管部分は、少なくとも1つの予備成形管区分を含み、前記ミキサ部分は、現場で成形される構成要素であり、前記構成要素は、前記少なくとも1つの予備成形管区分内に成形する、請求項51に記載の装置。
【請求項56】
前記管部分は、前記流路の第1の部分を画定する第1の予備成形管区分を含み、
前記管部分は、前記流路の第2の部分を画定する第2の予備成形管区分を含み、
接続部分は、前記第1の予備成形管区分と前記第2の予備成形管区分とを接続し、前記管部分の一部を形成し、前記接続部分は、前記管部分の前記流路の第3の部分を画定し、前記流路の前記第3の部分は、前記流路の前記第1の部分と前記第2の部分との間に流通可能に配置し、前記流路の前記第1の部分と前記第2の部分とを相互接続する、請求項51に記載の装置。
【請求項57】
前記接続部分は、現場で成形される構成要素であり、前記構成要素は、前記第1の予備成形管区分及び前記第2の予備成形管区分に成形し、
前記ミキサ部分は、前記接続部分の一部として形成する、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記接続部分と前記第1の予備成形管区分との間の接続は、少なくとも部分的に、前記接続部分の材料と前記第1の予備成形管区分の材料との間の架橋結合によってもたらし、
前記接続部分と前記第2の予備成形管区分との間の接続は、少なくとも部分的に、前記接続部分の材料と前記第2の予備成形管区分の材料との間の架橋結合によってもたらす、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記ミキサ部分の一部分は、前記第1の予備成形管区分及び前記第2の予備成形管区分の少なくとも一方の中に延在する、請求項57に記載の装置。
【請求項60】
前記管部分及び前記ミキサ部分は、単一材料体をもたらすように、単一成形工程の間に同時に形成する、請求項54に記載の装置。
【請求項61】
前記管部分及び前記ミキサ部分は、可撓性である、請求項51に記載の装置。
【請求項62】
前記管部分及び前記ミキサ部分は、シリコーンから形成する、請求項51に記載の装置。
【請求項63】
前記管部分及びミキサ部分は、前記管部分又は前記ミキサ部分とは異なる材料から生成した個別の接着剤を使用せずに、互いに一体に接続する、請求項51に記載の装置。
【請求項64】
前記ミキサ部分は、前記管部分に一体に接続する前に形成しない、請求項51に記載の装置。
【請求項65】
前記ミキサ部分及び前記管部分は、同じ材料から形成する、請求項51に記載の装置。
【請求項66】
前記管部分は、複合構造であり、前記複合構造は、基材と、前記基材内に埋め込んだ補強構造とを含む、請求項51に記載の装置。
【請求項67】
前記補強構造は、ナイロン撚線によってもたらし、前記ナイロン撚線は、ナイロン撚線が前記管部分の屈曲可撓性を制限する程度よりも大きい程度まで、前記管部分の軸方向での可撓性を低減する、請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記ミキサ部分の第2の部分は、前記第1の予備成形管区分及び前記第2の予備成形管区分の外周部の周囲に延在する、請求項59に記載の装置。
【請求項69】
バイオプロセス流体を混合する方法であって、
請求項1から請求項18若しくは請求項36から請求項50のいずれか一項に記載のインライン・ミキサ・デバイス、又は請求項51から請求項68のいずれか一項に記載の装置を通じて1つ又は複数のバイオプロセス流体を流すことと、
前記1つ又は複数のバイオプロセス流体を前記ミキサ部分に流す際、前記1つ又は複数のバイオプロセス流体の流れの中に増大した乱流をもたらすことと
を含む方法。
【請求項70】
インライン・ミキサ・デバイスを形成する方法であって、
a.可撓性管部分を準備するステップと、
b.ミキサ部分の可撓性材料を前記管部分に少なくとも部分的に射出成形するステップと
を含む方法。
【請求項71】
前記ミキサ部分の可撓性材料を前記管部分に少なくとも部分的に射出成形するステップは、前記ミキサ部分の一部分を前記可撓性管部分の流路内に射出成形することを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記管部分の材料は、前記ミキサ部分の可撓性材料と同じである、請求項70に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インライン・ミキサ・デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオ製薬産業では、バイオプロセス流体を混合しなければならないことが多い。例えば、濃縮流体は、使用前に水等の他の流体で希釈されることが多い。バイオ製薬産業の場合、既存の使い捨てミキサは、典型的には、大型混合貯蔵器を必要とする。一例は、GE Xcellerex XDM(登録商標)である。
【0003】
公知のミキサは、接着剤、塗料、水道水及び食料等の材料を混合するために使用されるが、こうしたミキサの構造体内で使用される一部の材料は、バイオ製薬産業には適していない。更に、公知のミキサで典型的な端接続部は、フランジ、又は螺入若しくは溶接端部である。しかし、そのような接続部も、バイオ製薬産業では広範に使用されていない。
【0004】
大部分の既存のミキサは、個別部品として混合要素と共に作製され、この混合要素は、管に挿入され、端部に固着される。更に、最も公知のミキサは、剛性混合要素又は剛性配管部品を有するので、ミキサの混合特性を変更するには、新たな混合要素が必要であるか、又は管・混合要素組立体全体を取り替える必要がある。
【0005】
いくつかの従来のミキサは、米国特許第8,147,124号、及び同第8,322,381号、米国特許公開第2002/0036951号及び同第2006/0176764号、並びにオハイオ州クリーブランドのParker-Hannifin社によって流通されるSMU-1シリーズのインライン・スタティック・ミキサに示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,147,124号
【特許文献2】米国特許第8,322,381号
【特許文献3】米国特許公開第2002/0036951号
【特許文献4】米国特許公開第2006/0176764号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願は、中を流れる流体をインライン混合する、新しい向上したインライン・ミキサ・デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一例では、インライン・ミキサ・デバイスは、可撓性管部分とミキサ部分とを含む。ミキサ部分は、管部分の内部にあり、管部分と一体である。ミキサ部分及び管部分は、可撓性材料から構成される。
【0009】
一例では、材料は、ミキサ部分及び管部分の両方で同じである。
【0010】
一例では、ミキサ部分は、長尺部を有する。ミキサ部分は、ミキサ部分を管部分の内壁に成形することによって、長尺部に沿って管部分の内壁に結合される。ミキサ部分と管部分との間の結合には、個別の結合材料を含まない。一例では、結合は、架橋結合によってもたらされる。この架橋結合は、可撓性材料の加熱により行うことができる。
【0011】
一例では、管部分及びミキサ部分は、熱硬化性材料である。特定の例では、熱硬化性材料は、シリコーンである。
【0012】
一例では、管部分及びミキサ部分は、可撓性である熱可塑性エラストマ材料である。
【0013】
一例では、管部分は、ある内径を有する内側流路を画定する管壁を有する。ミキサ部分は、少なくとも部分的に、管部分を通る非円筒形流路をもたらす管壁から径方向内側に突出する。一例では、ミキサ部分の混合要素は、管部分の内径の50パーセントよりも大きい距離で管壁から径方向内側に突出する。
【0014】
一例では、管部分は、第1の区分と、第2の区分と、第3の区分とを有する。第2の区分は、第1の区分と第3の区分との間に軸方向に配置される。第1の区分及び第3の区分は、第1の外径を有し、第2の区分は、第1の外径とは異なる第2の外径を有する。
【0015】
一例では、第1の区分は、第1の壁部分を有し、第2の区分は、第2の壁部分を有し、第3の区分は、第3の壁部分を有する。ミキサ部分は、少なくとも部分的に、第1の壁部分、第2の壁部分及び第3の壁部分から径方向内側に突出する。
【0016】
一例では、ミキサ部分は、第1の混合要素と第2の混合要素とを有する。第1の混合要素は、第2の混合要素とは異なる。第1の混合要素は、第1の壁部分及び第2の壁部分から径方向内側に延在する。第2の混合要素は、第3の壁部分及び第2の壁部分から径方向内側に延在する。第1の混合要素は、第3の壁部分から延在せず、第2の混合要素は、第1の壁部分から延在しない。
【0017】
一例では、第1の混合要素は、管部分の中心軸回りに、中心軸に沿って長手方向に第1の角度方向に延在する第1のらせん突出部である。第2の混合要素は、管部分の中心軸回りに、中心軸に沿って長手方向に第2の角度方向に延在する第2のらせん突出部である。第2の角度方向は、第1の角度方向とは反対である。
【0018】
一例では、管部分及びミキサ部分は、単一の一体成形構成要素として形成される。
【0019】
一例では、管部分及びミキサ部分は、単一構成要素を形成する。
【0020】
一例では、第2の区分の内径は、第1の区分及び第3の区分の内径より大きい。
【0021】
一例では、管部分及びミキサ部分は、管部分とミキサ部分との間、特に、管部分の内面とミキサ部分との間に形成される割れ目又は間隙がない。
【0022】
一例では、第1の混合要素は、第1の長尺壁部分の一部分にのみ、及び第2の長尺壁部分の一部分にのみ延在する。第2の混合要素は、第3の長尺壁部分の一部分にのみ、及び第2の長尺壁部分の一部分にのみ延在する。
【0023】
一例では、第1の混合要素を含まない第1の長尺壁部分の一部分は、ミキサ部分又は混合要素が一切ない平滑な円筒形内面をもたらす。第2の混合要素を含まない第3の長尺壁部分の一部分は、ミキサ部分又は混合要素が一切ない平滑な円筒形内面をもたらす。これらの円筒形内面は、第1の壁部分及び第2の壁部分に挿入し得る接続器とを良好に封止する。
【0024】
一例では、可撓性管部分は、第1の長尺可撓性管と、第2の長尺可撓性管とを含む。ミキサ部分は、第1の長尺可撓性管の第1の端部と、第2の長尺可撓性管の第1の端部とを機械的に流体接続する。第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管は、予備成形管とし得る。
【0025】
一例では、ミキサ部分は、可撓性管部分の一部分を形成し、第1の長尺可撓性管の第1の端部と第2の長尺可撓性管の第1の端部との間に軸方向に配置される。ミキサ部分は、第1の長尺可撓性管と第2の長尺可撓性管とを接続する接続部分、又は接続部分の一部を形成し得る。接続部分は、第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管と共に管部分の一部を形成する。
【0026】
一例では、ミキサ部分の一部分は、第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管のそれぞれの中、及び第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管のそれぞれの少なくとも一部分の外周部の周囲に延在する。このことは、ミキサ部分が第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管を互いに接続する際に有益である。この構成において、ミキサの一部分は、可撓性管部分の一部分及びこれによって画定される流路を画定し得る。
【0027】
一例では、第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管並びにミキサ部分は、同じ材料から形成される。
【0028】
一例では、インライン・ミキサ・デバイスを形成する方法を提供する。方法は、可撓性管部分を準備することと、管部分としてミキサ部分を同じ材料の管部分内に成形することとを含む。一例では、成形は、射出成形である。したがって、混合部分及びその混合要素は、可撓性管部分に対して現場で成形される。
【0029】
一例では、方法は、i)最初に、ミキサ部分を画定する外形を有するダイを管部分に挿入するステップと、ii)熱硬化性材料を管部分の中及びダイの周囲に射出し、熱硬化性材料を硬化させるステップと、次に、iii)硬化させた熱硬化性材料がミキサ部分を画定するように、ダイを管部分から取り外すステップとを更に含む。射出した熱硬化性材料が硬化すると、ミキサ部分を管部分に結合させる。一例では、結合は、架橋結合によってもたらされる。一例では、架橋結合は、熱硬化性材料の加熱によって生じる。特に、ダイを管部分から取り外すステップは、ミキサ部分が完全に硬化する前に行い得る。
【0030】
やはり、この成形工程は、混合部分、特にその混合要素を現場で形成する。
【0031】
一例では、管部分を準備するステップは、可撓性管部分を成形することを含む。一例では、管部分の成形は、射出成形を含む。
【0032】
一例では、可撓性管部分を射出成形するステップ及びミキサ部分を管部分内に射出成形するステップは、同時に実施し、管部分及びミキサ部分が、単一成形工程の間に形成される単一の一体成形構成要素を形成するようにする。単一の一体成形構成要素は、連続する1つの成形材料から形成されるものであり、互いに結合又は固着される2つの別々に形成される部品ではない。単一の一体成形構成要素は、架橋結合を中に呈し得る。この架橋結合は、成形後、材料の加熱によって行い得る。
【0033】
一例では、方法は、i)最初に、ミキサ部分を画定する外形を有するダイを、管部分の外周部の外形を画定するモールドのキャビティ内に挿入するステップと、ii)モールドの中及びダイの周囲に材料を射出するステップと、次に、iii)成形した材料が管部分及びミキサ部分を画定するように、ダイを取り外すステップとを含む。
【0034】
一例では、方法は、少なくとも部分的に、第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管を準備することによって、可撓性管部分を準備することを含む。方法は、第1の長尺可撓性管の第1の端部をモールドに挿入することと、第2の長尺可撓性管の第1の端部をモールドに挿入することとを更に含む。ミキサ部分の射出成形により、第1の長尺可撓性管と、第2の長尺可撓性管とを取り付け、流体接続させる。
【0035】
一例では、第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管を準備するステップは、予備成形長尺可撓性管を準備することを含む。
【0036】
一例では、ミキサ部分の射出成形により、可撓性管部分の一部を形成する。
【0037】
一例では、ミキサ部分は、少なくとも1つの混合要素を含む。ミキサ部分の射出成形は、少なくとも1つの混合要素を、第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管の一方の中に少なくとも部分的に射出成形することを含む。
【0038】
一例では、ミキサ部分の射出成形ステップは、ミキサ部分を形成する材料を、第1の長尺可撓性管の第1の端部の外周部の周囲、及び第2の長尺可撓性管の第1の端部の外周部の周囲に成形することを含む。そのような構成において、ミキサ部分は、可撓性管部分の2つの部分を接続する接続部分の一部を形成するとみなすことができる。また更に、接続部分及び/又はミキサ部分は、可撓性管部分の一部を形成し得る。
【0039】
一例では、方法は、ダイをモールドに挿入することを含む。ミキサ部分の射出成形は、ミキサ部分をダイの周囲に射出成形することを含む。ダイは、少なくとも部分的に、ミキサ部分の少なくとも1つの混合要素を画定する。
【0040】
一例では、方法は、ミキサ部分を射出成形するステップの後、第1の長尺管を通じてダイをミキサ部分から取り外すことを更に含む。
【0041】
一例では、ミキサ部分の射出成形は、可撓性管部分の一部を形成することを含む。
【0042】
一例では、ダイを挿入するステップは、ミキサ部分を射出成形するステップの前に、ダイを第1の長尺管の第1の端部に少なくとも挿入することを含む。このことは、第1の長尺管及び第2の長尺管をモールドに挿入する前に行い得る。
【0043】
一例では、モールドのモールド・キャビティの内周部は、ミキサ部分の外周部を画定する。
【0044】
一例では、方法は、ミキサ部分の形成後、ミキサ部分及び可撓性管部分にガンマ線を照射することを含む。
【0045】
一例では、可撓性管部分とミキサ部分とを含むインライン・ミキサ・デバイスが提供される。ミキサ部分は、管部分の内部にあり、管部分と一体であり、ミキサ部分の長尺部に沿って管部分の内壁に固着される。ミキサ部分及び管部分は、可撓性材料から構成される。
【0046】
一例では、可撓性材料は、熱硬化性材料である。
【0047】
一例では、可撓性材料は、シリコーンである。
【0048】
一例では、可撓性材料は、熱可塑性エラストマである。
【0049】
一例では、管部分の材料及びミキサ部分の材料は同じである。
【0050】
別の例では、第1の長尺可撓性管と、第2の長尺可撓性管と、ミキサ部分とを含むインライン・ミキサ・デバイスが提供される。第1の長尺可撓性管は、第1の端部を有する。第2の長尺可撓性管は、第1の端部を有する。ミキサ部分は、第1の長尺可撓性管の第1の端部と、第2の長尺可撓性管の第1の端部とを機械的に接続し、流体連通させる。
【0051】
一例では、ミキサ部分は、少なくとも部分的に、第1の長尺可撓性管の第1の端部と第2の長尺可撓性管の第1の端部との間で軸方向に配置される。
【0052】
一例では、ミキサ部分は、少なくとも1つの径方向内側に突出する混合要素を含み、混合要素は、第1の長尺可撓性管の内周部及び第2の長尺可撓性管の内周部よりも更に径方向内側に突出する。
【0053】
一例では、ミキサ部分は、少なくとも1つの径方向内側に延在する混合要素を含む。混合要素は、第1の長尺可撓性管の内周部に軸方向に延在し、第1の長尺可撓性管の内周部に固着される。
【0054】
一例では、ミキサ部分は、第1の長尺可撓性管の第1の端部の外周部、及び第2の長尺可撓性管の第1の端部の外周部に固着され、第1の長尺可撓性管と第2の長尺可撓性管とを接続する。これにより、ミキサ部分と第1の長尺可撓性管と第2の長尺可撓性管は機械的により強固に固着し得る。
【0055】
一例では、第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管並びにミキサ部分は、同じ材料から形成される。
【0056】
一例では、ミキサ部分は、第1の長尺可撓性管と第2の長尺可撓性管との間に軸方向に配置される。第1の長尺可撓性管及び第2の長尺可撓性管は、第1の外径を有し、ミキサ部分は、第1の外径より大きい第2の外径を有する。
【0057】
一例では、材料は、シリコーンであり、第1の長尺可撓性管のシリコーンと、第2の長尺可撓性管のシリコーンと、ミキサ部分のシリコーンとの間に更なる結合剤はない。
【0058】
一例では、第1の長尺可撓性管及びミキサ部分は、少なくともシリコーンの架橋結合によって接続される。第2の長尺可撓性管及びミキサ部分は、少なくともシリコーンの架橋結合によって接続される。この架橋結合は、ミキサ部分を形成するシリコーンの加熱工程により行い得る。
【0059】
一例では、バイオプロセス流体を混合する方法は、1つ又は複数のバイオプロセス流体を上記で概説したインライン・ミキサ・デバイスを通じて流すことを含む。方法は、バイオプロセス流体をインライン・ミキサ・デバイスのミキサ部分に流す際、増大した乱流をバイオプロセス流体流内に生成することを含む。
【0060】
一例では、管部分とミキサ部分とを備える装置が提供される。管部分は、流路を画定し、ミキサ部分は、管部分に一体に接続される。ミキサ部分及び管部分は、可撓性材料から構成される。可撓性材料は、装置の形成後、可撓性である。
【0061】
一例では、ミキサ部分は、少なくとも1つの混合要素を含み、少なくとも1つの混合要素は、管部分が画定する流路に延在し、流路に乱流を生じさせる。
【0062】
一例では、管部分及びミキサ部分は、互いに、単一の連続材料体を形成する単一体である。
【0063】
一例では、管部分は、10から100の間のショアAデュロメータ硬度を有する基材を含む。
【0064】
一例では、管部分は、少なくとも1つの予備成形管区分を含み、ミキサ部分は、現場で成形される構成要素であり、この構成要素は、少なくとも1つの予備成形管区分内に成形される。
【0065】
一例では、管部分は、流路の第1の部分を画定する第1の予備成形管区分を含む。管部分は、流路の第2の部分を画定する第2の予備成形管区分を含む。接続部分は、第1の予備成形管区分と第2の予備成形管区分とを接続し、管部分の一部を形成する。接続部分は、管部分の流路の第3の部分を画定する。流路の第3の部分は、流路の第1の部分と第2の部分との間に流通可能に配置され、流路の第1の部分と第2の部分とを相互接続する。
【0066】
一例では、接続部分は、現場で成形される構成要素であり、この構成要素は、第1の予備成形管区分及び第2の予備成形管区分に成形される。ミキサ部分は、接続部分の一部として形成される。
【0067】
一例では、接続部分と第1の予備成形管区分との間の接続は、少なくとも部分的に、接続部分の材料と、第1の予備成形管区分の材料との間の架橋結合によってもたらされる。接続部分と第2の予備成形管区分との間の接続は、少なくとも部分的に、接続部分の材料と、第2の予備成形管区分の材料との間の架橋結合によってもたらされる。
【0068】
一例では、ミキサ部分の一部分は、第1の予備成形管区分及び第2の予備成形管区分の少なくとも1つの中に延在する。
【0069】
一例では、管部分及びミキサ部分は、単一材料体をもたらすように、単一成形工程の間に同時に形成される。
【0070】
一例では、管部分及びミキサ部分は、可撓性である。
【0071】
一例では、管部分及びミキサ部分は、シリコーンから形成される。
【0072】
一例では、管部分及びミキサ部分は、管部分又はミキサ部分とは異なる材料から生成した個別の接着剤を使用せずに互いに一体に接続される。
【0073】
一例では、ミキサ部分は、管部分に一体に接続する前に形成されない。
【0074】
一例では、ミキサ部分及び管部分は、同じ材料から形成される。
【0075】
一例では、管部分は、複合構造であり、複合構造は、基材と、基材内に埋め込んだ補強構造とを含む。
【0076】
一例では、補強構造は、ナイロン撚線によってもたらし、ナイロン撚線は、ナイロン撚線が管部分の屈曲可撓性を制限する程度よりも大きい程度まで、管部分の軸方向での可撓性を低減する。
【0077】
一例では、ミキサ部分の第2の部分は、第1の予備成形管区分及び第2の予備成形管区分の外周部の周囲に延在する。
【0078】
一例では、インライン・ミキサ・デバイスを形成する方法を提供する。方法は、可撓性管部分を準備することと、少なくとも部分的に、ミキサ部分の可撓性材料を管部分に射出成形することとを含む。
【0079】
一例では、ミキサ部分の可撓性材料を少なくとも部分的に管部分に射出成形するステップは、可撓性管部分の流路内にミキサ部分の一部分を射出成形することを含む。
【0080】
一例では、管部分の材料は、ミキサ部分の可撓性材料と同じである。
【0081】
一例では、方法は、可撓性管部分の材料をミキサ部分の材料に架橋結合させることを含む。このことは、硬化又は硫化によって行い得る。
【0082】
本明細書内に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本明細書と共に、本発明のいくつかの態様を示し、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1】本出願によるインライン・ミキサを形成するインライン・ミキサ・デバイスの断面図である。
図2図1のインライン・ミキサ・デバイスの正面図である。
図3図1のインライン・ミキサ・デバイスを形成するモールド及びミキサ・ダイの断面図である。
図4】インライン・ミキサ・デバイスが中に成形される図3のモールド及びミキサ・ダイの断面図である。
図5図3及び図4のミキサ・ダイの正面図である。
図6図1のインライン・ミキサ・デバイスを形成する別の方法で使用される図3のモールド及びミキサ・ダイの断面図であり、モールド内の予備成形管、及び混合要素を成形する前に予備成形管内に置かれるミキサ・ダイを伴う。
図7図3のモールド内で形成した後のインライン・ミキサ・デバイスの断面図であり、混合要素は、予備成形管の内部に形成されている。
図8】インライン・ミキサ・デバイスを形成する別の方法で使用されるモールド及びミキサ・ダイの断面図であり、独立した予備成形管区分は、図10に示す射出成形ミキサを使用して接続される。
図9】モールド及びミキサ・ダイ、並びにミキサを有する図8の管を示す断面図であり、ミキサは、モールド内に射出成形され、管区分を接続する。
図10図8及び図9の構成を使用して形成され、モールドから取り外されて得られたインライン・ミキサ・デバイスの断面図である。
図11図10のインライン・ミキサ・デバイスを組み込み、2つの個別の流体の混合を示す混合システムの簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
本発明は、いくつかの好ましい実施形態に関して説明するが、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図しない。反対に、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲内に含まれる全ての代替形態、修正形態及び等価物を含むことを意図する。
【0085】
本開示は、インライン・ミキサ(本明細書では「インライン・ミキサ・デバイス」とも呼ぶ)、インライン・ミキサを作製する方法、及びインライン・ミキサを使用して1つ又は複数のバイオプロセス流体を混合する方法に関する。本開示によるインライン・ミキサ・デバイスを使用して混合し得るバイオプロセス流体の非網羅的なリストの例は、バイオ医薬流体、調製・媒体緩衝液、緩衝液の作製に使用する水、開発中、臨床中及び市販の薬品、成分及び配合物、有機溶液、並びに細胞、組織、細胞成長副産物を含む他の有機材料、補助剤、医薬品有効成分(API)、抗体、抗体-薬物複合体、ワクチン、並びにそれらの組合せ及びそれらの希釈物を含む。
【0086】
装置及び方法は、NFF用途、TFF用途、クロマトグラフィ用途、緩衝液調製用途、媒体調製用途、希釈用途、分注用途、搬送用途、及び生物反応器/発酵器を含むあらゆるバイオプロセス流体システムのために使用し得る。
【0087】
図1及び図2は、インライン・ミキサ・デバイス100の一例を示す。インライン・ミキサ・デバイス100は、1つ又は複数のバイオプロセス流体の流れ内で乱流を増大させることによってバイオプロセス流体を混合することに特定の使用が見出されており、1つ又は複数のバイオプロセス流体は、バイオ製薬産業で使用されるものである。インライン・ミキサ・デバイス100は、可撓性管部分102と、可撓性管部分102の内部にあるミキサ部分104とを含む。
【0088】
好ましくは、ミキサ部分104は、可撓性管部分102と一体である。本明細書で使用する「一体」とは、複数の構成要素が一緒に接続されており、構成要素の一方又は両方を破壊しない限り、分離することがないことを意味する。一体構成要素の一例は、構成要素の同時成形等により、単一材料から形成される構成要素を含む。一体構成要素の別の例は、単一体を含む。一体構成要素の別の例は、一方の構成要素がもう一方の構成要素に直接成形されている状況を含む。そのような一例では、もう一方の構成要素に直接成形される構成要素は、現場成形(mold-in-place)構成要素、又は現場形成(formed-in-place)構成要素と呼ぶことがある。いくつかの例では、一体構成要素は、一緒に結合し得る。例えば、架橋結合を使用し得る。いくつかの例では、架橋結合は、一方の構成要素をもう一方の構成要素に成形した後に生じさせる。
【0089】
架橋結合は、成形材料の加熱によって生じさせ得る。この加熱は、成形材料を取り外す前にモールドを加熱することによって実施し得る。この加熱は、使用する材料に応じて、硫化又は硬化と呼ぶことができる。
【0090】
ミキサ部分104及び可撓性管部分102は、好ましくは、同じ可撓性材料から構成される。しかし、他の実施形態では、ミキサ部分104は、管部分102とは異なる可撓性材料から形成し得る。より特定の実施形態では、可撓性材料は、限定はしないが、シリコーンを含む熱硬化性材料である。熱硬化性材料は、典型的には、架橋結合を中で発生させるために硬化又は硫化される。架橋結合を生成する1つの方法は、熱硬化性材料を成形した後、熱硬化性材料を加熱することによるものである。
【0091】
他の例では、管部分及び/若しくはミキサ部分104の一方又は両方を形成するために使用される可撓性材料は、可撓性熱可塑性エラストマである。熱可塑性エラストマは、成形して最終形状を与えた後に冷却される。
【0092】
一例では、インライン・ミキサ・デバイス100の材料は、生体適合性を規定するUSPクラスVI要件を満たす。
【0093】
一例では、インライン・ミキサ・デバイス100は、形成後処理を受ける。一例では、形成後処理は、滅菌工程を含み、滅菌工程は、形成したインライン・ミキサ・デバイス100にガンマ線を照射すること、又は形成したインライン・ミキサ・デバイス100をオートクレーブで処理することを含み得る。
【0094】
一例では、インライン・ミキサ・デバイス100は、使い捨てである。個々の例は、これらの特性の1つ、又はこれらの特性の組合せを有し得る。
【0095】
本明細書で使用する「可撓性」材料は、10から100の間、好ましくは、10から90の間のショアAスケールで測定されるデュロメータ硬度、及び多くともショアDスケールで60のデュロメータ硬度を有するものとする。実施形態で使用される可撓性材料は、所望のデュロメータ値を有する基材を有し得るが、基材の中に埋め込まれる補強材料又は構造を含むことに留意されたい。非網羅的な例は、シリコーンから形成されるインライン・ミキサ・デバイスであり、このインライン・ミキサ・デバイスは、強度を増大させるため補強用に埋め込まれるナイロン撚線又は紐を含む。基材、例えば本例ではシリコンが所望の範囲のデュロメータ硬度を有する限り、材料及び得られるインライン・ミキサ・デバイスは、可撓性であるとみなす。典型的には、補強構造は、インライン・ミキサ・デバイス(例えば、インライン・ミキサ・デバイスの管部分102)の長手方向の伸張を制限するために使用されるが、インライン・ミキサ・デバイスの屈曲可撓性については、限定的な制限のみをもたらすか、無制限である。
【0096】
インライン・ミキサ・デバイスが可撓性であると、曲げる又は挟む等によって、インライン・ミキサ・デバイスの流れの特性を修正することを可能にし、管又は混合要素の取替えを必要としない。
【0097】
典型的には、インライン・ミキサ・デバイス100は、単回使用ミキサである。したがって、単回使用ミキサとして使用する際、上述の可撓性により、ミキサを交換するのにより多大なレベルのシステムの分解を必要とすることが多い剛性システムと比較して、システム全体からのより単純でより迅速な取外し及び取替えを促進し得る。しかし、他の実装形態では、インライン・ミキサ・デバイス100は、複数回使用ミキサである。
【0098】
概して、ミキサ部分104は、1つ又は複数の径方向内側に突出する混合要素によってもたらされ、混合要素は、管部分102の内側流路を画定する可撓性管部分102の管壁と一体である。
【0099】
一例では、ミキサ部分104は、らせん突出部106の形態の複数の混合要素を含み、らせん突出部106は、可撓性管部分102の中心軸110回りに角度を付けて延在する。混合要素は、乱流を増大させて混合を促進するように、管部分102によって画定される流路に非円筒形外形をもたらす。他の混合要素の設計、例えば、非らせん突出部を使用し得る。更に、複数の個別の径方向に突出する突出部を使用し得る。実施形態では、1つ又は複数の混合要素が設けられる。
【0100】
一例では、ミキサ部分104は、径方向内側に延在する複数のらせん突出部106を含む。一例では、らせん突出部106は、反対方向で角度を付けて延在し、インライン・ミキサ・デバイス100を流れる流体が、中心軸110に沿った異なる軸方向位置で、反対の角度の付いた向きの混合要素に露出され、インライン・ミキサ・デバイス100の混合特性を向上させるようにする。図5に示すミキサ・ダイ134は、反対の角度方向で延在する複数のらせん突出部106を含むミキサ部分104を形成するように構成される一例である。
【0101】
一例では、らせん突出部106は、第1の対のらせん突出部を含み、第1の対のらせん突出部は、同じ方向で中心軸110回りに角度を付けて延在し、中心軸110に沿って全体的に軸方向に互いに位置合わせされるが、中心軸110回りに互いに角度を付けて180度ずれている。らせん突出部106は、第2の対のらせん突出部も含み、第2の対のらせん突出部は、同じ方向で中心軸110回りに角度を付けて延在し、中心軸110に沿って全体的に軸方向に互いに位置合わせされるが、中心軸110回りに互いに角度を付けて180度ずれている。この第2の対のらせん突出部は、第1の対のらせん突出部から全体的に軸方向にずれている。一例では、第1の対のらせん突出部の端部は、中心軸110回りに第2の対のらせん突出部から90度の角度を付けてずれている。他の実施形態は、ある角度方向で延在する第1のらせん突出部と、それとは反対の角度方向で延在する第2のらせん突出部とを含み得る。
【0102】
一例では、様々な異なるらせん突出部106は、互いに個別であり、中心軸106に沿って軸方向に延在する連続突出部ではない。更に、らせん突出部は、らせんパターンで互いに位置合わせされる複数の個別の突出部から形成することができ、組み合わせて見ると、らせん構成をもたらす。
【0103】
らせん突出部の形態の混合要素を提供するが、他の形状及び構成が企図される。例えば、単純な隆起部であってらせん突出部ではない径方向に延在する突出部を組み込み、異なる混合特性をもたらし得る。混合要素の長さ、サイズ、ピッチ、形状、数及び他の特性は、様々な混合特性をもたらすように改変し得る。更に、異なる混合要素を、ミキサ部分内の様々な場所に設けることができる。更に、反対に向けたらせん突出部によって示されるように、同じミキサ部分104の混合要素は、やはり、ミキサ部分104の混合特性を変更するように、いくつかの特性のいずれかで変更し得る。混合要素の数、長さ、幅、高さ、手(回転)、ピッチ(角度)、及び断面形状を変更し得る。これらは、ミキサ部分104の長尺部に沿って変更し得る。これらは、管部分102の断面積に基づき変更し得る。混合要素の間隔は、変更し得る。
【0104】
可撓性管部分102及びミキサ部分104は、同時に形成し得る(例えば、図4を参照)。代替的に、可撓性管部分102を最初に形成し、次に混合要素を形成することができ、混合要素は、個別ステップで可撓性管部分102の側壁の内面に一体に取り付けられる(例えば、図7及び図9を参照)。この取付けは、混合要素が現場で形成されるように、混合要素を形成する間に行い得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、可撓性管部分102の一部を(例えば、予備成形可撓性管によって)予備成形することができ、次に、ミキサ部分104を形成する際及び/又は予備成形長尺可撓性管を接続する際、可撓性管部分の一部を形成することができる。
【0106】
インライン・ミキサ・デバイス100は、成形又は押出成形の1つ又は複数から形成し得ることが企図される。
【0107】
図1を参照すると、インライン・ミキサ・デバイス100、特にインライン・ミキサ・デバイス100の可撓性管部分102は、第1の外径D1を有する第1の区分112と、第2の外径D2を有する第2の区分114と、第3の外径D3を有する第3の区分116とを有する。第2の区分114は、第1の区分112と第3の区分116との間に軸方向に配置される。第1の外径D1及び第3の外径D3は、本例では、同じであり、第2の外径D2は、第1の外径D1及び第3の外径D3とは異なる。
【0108】
第1の区分112、第2の区分114及び第3の区分116の側壁部分の内径は、同じであっても、異なっていてもよい。以下の図示の例では、混合要素が位置しない内径は、3つの区分112、114、116の全てで同じである。
【0109】
図3は、インライン・ミキサ・デバイス100の一例を形成するために使用されるモールド120を示す。この例では、モールドは、組み合わせてモールド・キャビティ126を形成する第1のモールド半部122と第2のモールド半部124とを有する。キャビティ126は、可撓性管部分102の第1の区分112、第2の区分114及び第3の区分116に対応する第1の領域128と第2の領域130と第3の領域132とを含む。
【0110】
ミキサ・ダイ134は、混合要素の外形/形状を画定するように、モールド・キャビティ126内に位置する。ダイの形状は、内部混合要素(複数可)の形状を決定する。ミキサ・ダイ134は、本例では、らせん溝136を含み、らせん溝136は、反対方向で角度を付けて延在する2対のらせん突出部106を有する上記で説明した混合要素の構成を画定する。
【0111】
成形中、可撓性材料は、モールド・キャビティ126の中、及びミキサ・ダイ134の周囲に射出され、連続する1つの材料から形成される単一の一体構成要素として可撓性管部分102及びミキサ部分104を形成する。材料は、モールド半部122、124の1つ又は複数内に形成される1つ又は複数の材料供給通路を通じて射出し得る。図3は、モールド半部122内に形成される材料供給通路137を示す。しかし、2つ以上の材料供給通路をモールド半部122、124の両方に組み込むことができる。代替的に、材料は、ミキサ・ダイ134内に形成される1つ又は複数の材料供給通路を通じて射出し得る。図6は、ミキサ・ダイ134内に形成される材料供給通路139を示す。材料供給通路139は、得られるミキサ部分の混合要素を画定するミキサ・ダイ134内の形状部(例えば、溝136)と連通する。
【0112】
図4は、モールド120を示し、インライン・ミキサ・デバイス100は、モールド・キャビティ126内で成形される状態にある。(例えば、インライン・ミキサ・デバイス100がその形状を維持するように)インライン・ミキサ・デバイス100を形成する材料を十分に硬化させた後、モールド半部122、124を分離し、インライン・ミキサ・デバイス100の内部流路を通じてミキサ・ダイ134を軸方向に取り外す。
【0113】
図5は、らせん溝136を示すため、モールド120から取り外したミキサ・ダイ134を示す。らせん溝136の外形は、既に説明したらせん突出部106のネガティブ部であり、らせん突出部106は、このネガティブ部によって成形工程の間に形成される。
【0114】
図3及び図4、主に図4を更に参照すると、この例では、らせん溝136は、ミキサ・ダイ134の全長に延在せず、このため、らせん溝136の最外端部142からずれている端部分140は、平滑である。これらの端部分140は、モールド・キャビティ120の第1の領域128及び第3の領域132と協働し、インライン・ミキサ・デバイス100の端部144に平滑な内面を形成する。この平滑な内面により、インライン・ミキサ・デバイス100を、トリクランプ、y字、t字又は十字管接続部等の接続器に良好に封止接続可能にする。こうした接続器は、バイオ製薬産業で一般に公知のものである。例えば、接続器の一部分をインライン・ミキサ・デバイスの平滑端部分に挿入し、良好な封止部を間に形成し得る。したがって、組立ての柔軟性のために、インライン・ミキサ・デバイス100の取替えを如何に迅速で容易に行い得るか了解されよう。
【0115】
図4を参照すると、この例では、一対のらせん突出部106のらせん突出部106は、第1の区分112の一部分、及び第2の区分114の一部分内に延在する。もう一対のらせん突出部106の他のらせん突出部106は、第2の区分114の一部分、及び第3の区分116の一部分内に延在する。やはり、この例では、混合要素は、可撓性管部分102の全長に延在せず、接続器に接続するための平滑な内面近接端部144をもたらす。
【0116】
図6及び図7は、インライン・ミキサ・デバイス102を形成する第2の工程を示す。この工程では、最初に、可撓性管部分102を形成し、次に、ミキサ部分104を可撓性管部分102の内面に追加する。好ましくは、ミキサ部分104を形成するために使用する材料は、管部分102を形成する材料と同じである。
【0117】
図6は、モールド120を示し、可撓性管部分102の区分は、既に形成されている、及び/又は少なくとも部分的に硬化し、モールド・キャビティ126内に位置する。ミキサ・ダイ134は、可撓性管部分102の流路を形成する中心のキャビティ内に挿入している。管部分102は、モールド120内に示されているが、他の工程では、ミキサ・ダイ134を挿入する際にモールド120内にある必要はない。
【0118】
図6において、この時点では、ミキサ・ダイ134のらせん溝136には材料がない。したがって、ミキサ部分104及び対応する混合要素は形成されていない。
【0119】
図7を参照すると、材料は、ミキサ・ダイ134(図6を参照)内の通路139を介してらせん溝136に射出され、ミキサ部分104及びその対応する混合要素、やはりこの例ではらせん突出部106を形成する。
【0120】
材料、例えばシリコーンが十分に硬化した後、ミキサ・ダイ134を管部分102から引き出し、可撓性管部分102の側壁の内面に一体に固着されるミキサ部分104としてミキサ・ダイ134のネガティブ部を残す。
【0121】
一例では、可撓性管部分102及びミキサ部分104をこの複数ステップ工程を使用して形成する場合、シリコーン等の材料は、既に形成している可撓性管部分102に混合要素を一体に固着するのに前向きな結果をもたらす。というのは、未硬化の流動可能なシリコーンは、既に少なくとも部分的に硬化している、例えば既に硬化しているか又は既に形成されている可撓性管部分102を有するシリコーンに対して、良好な接着特性を有するためである。
【0122】
図8及び図9は、インライン・ミキサ・デバイス200を形成する更なる方法を示す。得られるインライン・ミキサ・デバイス200は、図10に示す。本実施形態では、可撓性管部分は、2つの個別の長尺可撓性管201、202、及びミキサ部分204の一部によって形成される。したがって、ミキサ部分204は、可撓性管部分の一部、特に、本例の可撓性管部分によって画定される流路をもたらす。
【0123】
ミキサ部分204は、第1の長尺可撓性管201を第2の長尺可撓性管202に機械的に固着し、第1の長尺可撓性管201と第2の長尺可撓性管202とを流体接続させる。したがって、ミキサ部分204は、接続部分とみなし得る。
【0124】
図8は、モールド120に挿入されている2つの長尺可撓性管201、202を示し、長尺可撓性管201、202の自由端は、モールド120の内部キャビティ126内に位置する。モールド120は、第1の長尺可撓性管201及び第2の長尺可撓性管202の外周部の周囲に留められ、中で成形する材料が長尺可撓性管201、202とモールド120の内周部との間で漏出しないようにする。
【0125】
第1の長尺可撓性管201は、キャビティ126の領域128に位置し、第2の長尺可撓性管202は、キャビティ126の領域132に位置し、第1の長尺可撓性管201及び第2の長尺可撓性管202は、キャビティ126の領域130内に全体的に完全に露出される構成で位置する。キャビティ126の領域を特定するには図4を参照されたい。
【0126】
本実施形態では、ミキサ・ダイ134は、第1の長尺可撓性管201及び第2の長尺可撓性管202の両方の端部に挿入される。典型的には、この挿入は、管をモールド半部の間に留める前に行われる。しかし、他の実施形態では、ミキサ・ダイ134は、第1の長尺可撓性管201及び第2の長尺可撓性管202の一方のみに延在し得る。また更に、いくつかの実施形態では、ミキサ・ダイ134は、長尺可撓性管201、202のいずれにも延在しない。
【0127】
ミキサ・ダイ134のらせん溝136は、予備成形した長尺可撓性管201、202の中に軸方向に延在することが好ましく、得られるミキサ部分204及びその混合要素が、少なくとも部分的に、第1の長尺可撓性管201及び第2の長尺可撓性管202の中に軸方向に延在するようにする。このようにして、ミキサ部分204は、長尺可撓性管201、202の内周部に取り付けられる。このことにより、ミキサ部分204によってもたらされる第1の長尺可撓性管201と第2の長尺可撓性管202との接続を強化する。しかし、いくつかの実施形態では、混合要素は、長尺可撓性管201、202のいずれにも延在しない、又は長尺可撓性管201、202の一方にのみ延在する。
【0128】
更に、長尺可撓性管201、202は、モールド120の内部キャビティ126内に配置されることが好ましく、このため、長尺可撓性管201、202の端部の外周部の一部分が、図8のように自由に露出されるようにする。このことにより、ミキサ部分204を形成する材料が、第1の長尺可撓性管201及び第2の長尺可撓性管202の露出される径方向外側部分を係合し、この径方向外側部分に取り付けられ、ミキサ部分204を長尺可撓性管201、202に更に取り付けられることを可能にする。このことにより、ミキサ部分204と長尺可撓性管201、202との間の接続を向上させる。
【0129】
組み合わせた際に架橋結合をもたらす材料は、様々な構成要素の間に強力な接続をもたらす。いくつかの実装形態では、第1の長尺可撓性管201及び第2の長尺可撓性管202の材料、並びにミキサ部分204の材料は、ミキサ部分204を成形した後、単一体を形成する。
【0130】
いくつかの実施形態では、ミキサ部分204を形成する材料は、長尺可撓性管201、202の外周部の周囲に延在させる必要も、外周部に接続させる必要もない。
【0131】
この例では、長尺可撓性管201、202は、モールド120に挿入される前に予備成形される。更に、本実施形態では、ミキサ部分204は、第1の長尺可撓性管201の端部と第2の長尺可撓性管202の端部との間で軸方向に少なくとも部分的に配置される。この構成では、長尺可撓性管201と202との間に配置されるミキサ部分204の一部分は、得られるインライン・ミキサ・デバイス200の可撓性管部分の一部を形成するとみなすことができる。したがって、得られる混合要素(例えば、突出部206)は、インライン・ミキサ・デバイスの可撓性管部分の内部に一体に形成される。
【0132】
成形される構成要素は、本実施形態では接続部分とみなし得る。この接続部分は、予備成形長尺管201、202を接続し、可撓性管部分の一部分をもたらし、ミキサ部分204をもたらす。
【0133】
更に、ミキサ部分204を形成する材料が、第1の長尺可撓性管201及び第2の長尺可撓性管202の端部の周囲に延在する実施形態では、ミキサ部分204の外径は、典型的には、第1の長尺可撓性管201及び第2の長尺可撓性管202の外径よりも大きい。
【0134】
成形し、十分に硬化させた後、ミキサ・ダイ134は、取り外すことができる。この取外しは、ミキサ・ダイ134を長尺可撓性管201、202の一方を通じて引き出すことによって行われる。典型的には、棒がミキサ・ダイ134の一方の端部の雌ねじに接続され、ミキサ・ダイ134をインライン・ミキサ・デバイス200の内側から取り外すことができるようにする。ねじ部は、少なくとも部分的に、ミキサ・ダイ134の端部内の破線及びキャビティによってミキサ・ダイ134内に示される。典型的には、常にそうではないが、棒は、成形工程の前に、対応する長尺可撓性管201、202に挿入される。
【0135】
このインライン・ミキサ・デバイス200を形成する工程により、ミキサ部分204の両側に、実質的に無制限の長尺管を提供する容易な方法を可能にする。
【0136】
上記した工程の好ましい例では、ミキサ部分と壁部分の壁との間に割れ目又は間隙が形成されない。というのは、混合要素は、可撓性管部分の壁と同時に成形されるか、又は可撓性管部分の壁に直接成形されるためである。このことは、例えば、たんぱく質適合性に有益であり得る。
【0137】
単一のダイを上記で使用するものとして示されるが、1つ又は複数の混合要素を形成する際等の他の工程は、直列に配置される混合ダイ等、複数の混合ダイを使用し得る。このことは、複数の混合部分を単一のインライン・ミキサ・デバイス内に設ける際に有用であり得る。やはり、混合要素は、1つの同じ外形、又は異なる特性を有する複数の外形を有し得る。例えば、単一インライン・ミキサ・デバイスは、複数の軸方向に離間するミキサ部分を有することができ、このミキサ部分は、混合要素のない中間管区分によって一緒に一体に接続される。これらのミキサ部分は、同じ混合要素を有しても、異なる混合要素を有してもよい。
【0138】
可撓性管部分、及び可撓性混合要素を有する可撓性ミキサ部分を使用することによって、上記したインライン・ミキサ・デバイスは、管部分が屈曲し得るあらゆる形状への屈曲に対して可撓性である。この可撓性により、あらゆる組合せの剛性接続器、槽、袋又は他の構成要素への取付け又はこれらの間での取付け等の取付け点で、応力を低減するか又はなくす。更に、可撓性ミキサ部分も屈曲し得る。更に、この可撓性により、インライン・ミキサ・デバイスを通じて(例えば、曲げる又は挟むことによって)流れの特性を改変し、デバイスの混合特性の修正を可能にする。
【0139】
上記で説明したインライン・ミキサ・デバイス、及び特にそのミキサ部分は、あらゆる長さのものであってよく、可撓性管部分は、あらゆる内径のものであってよい。やはり、異なる形状を有する混合要素は、ミキサ部分の乱流(例えば、混合)の度合いを変化させるために使用し得る。このことは、混合要素の長さを変更すること、混合要素の形状を変更すること、混合要素の数を変更すること、混合要素が径方向内側に延在する程度を変更すること等によって行い得る。
【0140】
ミキサ部分は、1/8インチの内径を有する可撓性管等の小径の管に入れることができる。混合には、直列での希釈、添加、補充等を含み得る。
【0141】
上記で説明したインライン・ミキサ・デバイス並びに対応する管部分及びミキサ部分(複数可)は、1つの連続部品又は1つの一体ユニットとして形成することができ、これにより、オペレータを細胞毒性製品から分離する。上記で説明したインライン・ミキサ・デバイス並びに対応する管部分及びミキサ部分は、開放せずに捨てることができ、オペレータが混合製品に曝される可能性がある洗浄の必要性をなくす。
【0142】
上記で説明したインライン・ミキサ・デバイスを使用することによって、主題のインライン・ミキサ・デバイスは、大型混合貯蔵器を必要としない。大型混合貯蔵器は、典型的には、洗浄及び再利用を必要とし、混合システムの費用及び経費を増大させ得るものである。
【0143】
可撓性管部分及びミキサ部分を同時に成形する、又はミキサ部分を予備成形可撓性管部分内に成形する、又はミキサ部分を個別の長尺予備成形可撓性管に成形する成形技法を使用することによって、ミキサ部分は、その全長に沿って可撓性管部分の内壁に結合し得る。ミキサ部分を可撓性管部分に固着するために、個別の接着又は結合材料/剤、例えば、異なる材料が与えられない。上記のように、この結合は、架橋結合を呈する材料を使用した場合、かなり強力であり得る。
【0144】
好ましい実施形態では、混合要素は、混合要素が径方向外側に延在する中心部材を有さない。そうではなく、混合要素は、好ましい実施形態では、バイオプロセス流体が流れる可撓性管/流路を画定する側壁から、径方向内側にのみ延在する。このことにより、成形されるミキサ部分の製造中、及びミキサ部分を十分に硬化させた後、ミキサ・ダイを取り外すことを可能にする。
【0145】
図11は、混合システム300内で使用する用途に従ったインライン・ミキサ・デバイス200を示す。インライン・ミキサ・デバイス200は、インライン・ミキサ・デバイス200によって混合すべき流体の2つの供給源302、304に接続される。
【0146】
流体306は、第1の流体源302から流出し、流体308は、第2の流体源304から流出する。流体306及び流体308の流れは、t字接続器310で合流し、次に、第1の区分112でインライン・ミキサ・デバイス200に流れる。流体306、308を表す矢印は、比較的まっすぐな矢印として示されており、この場所では流体の流れが比較的少量の乱流であることを示す。
【0147】
流体306及び流体308の合流した流れがミキサ部分204を通じて下流に流れるにつれて、流体流内の乱流は、曲がり始める矢印312によって示されるように、増大する。矢印314によって示されるミキサ部分204を出た混合流は、ミキサ部分204によって生成される流体流内の乱流が増大するために、高レベルの混合を有する。乱流の増大レベルは、湾曲の増大量によって矢印314で示される。この乱流の増大により、流体306と308との間に高レベルの混合を生じさせる。
【0148】
次に、ミキサ部分204を出た混合流体314は、流体が保存される容器318に流れる。代替的に、混合流体314は、混合流体314を使用する他の下流システム又はデバイスに流すことができる。
【0149】
流体源302、304は、重力供給されるか、又は流体306、308の流れを加圧するポンプを含み得る。
【0150】
上記のように、ミキサ部分204は、所望の量の流体306、308の混合をもたらすように構成し得る。したがって、より多くの又はより少ない混合を必要とする場合、インライン・ミキサ200は、異なる混合特性を有する別のインライン・ミキサと取り替えることができる。
【0151】
インライン・ミキサ・デバイス200を使用するシステム300を図示しているが、本明細書に記載のあらゆるインライン・ミキサをシステム300内で利用し得る。
【0152】
いくつかの実装形態では、上記のように、インライン・ミキサ・デバイス200は、単回使用することができ、流体306及び流体308の全て(又は所望の量の流体306、308)を混合した後、インライン・ミキサ・デバイス200を廃棄し、後続の混合工程で使用するために新たなインライン・ミキサ・デバイスと取り替えるようにする。t字接続器又はあらゆる付随する管等のシステム300の他の構成要素は、単回使用とし得る。代替的に、いくつかの実装形態では、管及びt字接続器310は、システム300の固定構成要素とし得る。上記のように、この状況では、インライン・ミキサ・デバイスの可撓性により、容易な取替えを促進し得る。
【0153】
本明細書で引用した刊行物、特許出願、特許を含む引用文献は、まるで各参照が個々に具体的に示され、参照により組み込まれて本明細書でその全体が示されるのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0154】
本発明を説明する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「1つの(a、an、the)」及び同様の指示対象の使用は、本明細書で別段に規定されていない限り、又は文脈によって明確に否定されていない限り、単数形及び複数形の両方を含むと解釈されたい。用語「備える」、「有する」、「含む」及び「含有する」は、別段に記載されていない限り、オープンエンドの(即ち、「限定はしないが、を含む」を意味する)用語として解釈されたい。本明細書の値範囲の列挙は、本明細書で別段に規定されていない限り、当該値内にある各個の値を個々に指す簡潔な方法として働くことを意図するにすぎず、各個の値は、まるで個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書で別段に規定されていない限り、又は文脈によって明確に否定されていない限り、あらゆる適切な順で実施し得る。本明細書で提供するあらゆる全ての例、又は例示的な言い回し(例えば、「等」)の使用は、本発明をより明らかにすることを意図するにすぎず、別様に請求されない限り、本発明の範囲に対する限定をもたらすものではない。本明細書の言い回しは、本発明の実行に必須の非請求要素を示すものとして解釈すべきではない。
【0155】
本発明の好ましい実施形態は、本発明者等が知っている、発明を実施するための最良の形態を含めて本明細書に記載される。これら好ましい実施形態に対する変形形態は、上記の説明を読めば当業者にとって明らかになるであろう。本発明者等は、当業者がそのような変形形態を適切に利用することを予期しており、本明細書に具体的に記載されるものとは別の様式で本発明が実行されることが意図されている。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲で列挙される主題に対する、適用可能な法が許容する全ての修正形態及び等価物を含む。更に、全ての可能な変形形態における上述の要素のあらゆる組合せは、本明細書で別段に規定されていない限り、又は文脈によって明確に否定されていない限り、本発明に包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】