(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】分割型ハンドル、狭幅転動型バッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 13/26 20060101AFI20221227BHJP
A45C 5/03 20060101ALI20221227BHJP
A45C 5/14 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
A45C13/26 K
A45C5/03
A45C5/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515615
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 US2020023688
(87)【国際公開番号】W WO2020197946
(87)【国際公開日】2020-10-01
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521504223
【氏名又は名称】ネッタ・ドル・シャルギ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ネッタ・ドル・シャルギ
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA02
3B045CE07
3B045CE08
3B045GB01
3B045GC02
3B045GD03
3B045GD07
(57)【要約】
本発明は、幅方向に関してではなく深さ方向に関して引かれる転動型スーツケースを対象としており、スーツケースを開くときに分離される分割型ハンドルを組み込んでいる。分割型ハンドルは、分割型ハンドル半体をロック、解放するための機械的な、磁気的なまたは他のコネクタを組み込み得る。スーツケースは、インサート車輪及びハンドル伸長部を使用することによって内部容積を最大化し、また、多くの一般的なタイプの破損に対する保護を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面に沿って複数の転動素子を有するスーツケースであって、
当該スーツケースは、複数の前記転動素子が地面に接触しているときに、上面及び前記地面によって画成される高さと、前側部及び後側部によって画成される幅と、左側部及び右側部によって画成される深さと、を有し、
前記深さが、前記幅の長さが未満でありかつ前記高さの長さ未満である長さを有しており、
当該スーツケースが、
前下縁部にある第1対の車輪であって、前記左側部、前記右側部、前記前側部から挿入されている、第1対の車輪と、
後下縁部にある第2対の車輪であって、前記左側部及び前記右側部から挿入されており、前記第1対の車輪の直径よりも大きい直径を有する、第2対の車輪と、
前記左側部及び前記右側部のチャネルに各別に配設された第1及び第2腕体であって
、配設された当該第1及び第2腕体が完全に前記チャネル内で各別にスライド可能である
、第1及び第2腕体と、遠位端部それぞれで前記第1及び第2腕体を接続するグリップ部材であって第1及び第2構成部材に分割可能であるグリップ部材と、を有する伸長可能なハンドルと、
を備え、
当該スーツケースが、前記グリップ部材を前記第1及び第2構成部材へ分離すると開くことが可能であり、前記グリップ部材を単一構造へロックすると開くことが不能であることを特徴とするスーツケース。
【請求項2】
前記第2対の車輪が、共通の横断方向車軸を共有していないことを特徴とする請求項1に記載のスーツケース。
【請求項3】
前記第1対の車輪が、垂直軸回りに転回することを特徴とする請求項1に記載のスーツケース。
【請求項4】
前記グリップ部材の前記第1及び第2構成部材のうちの一方が、前記第1及び第2構成部材を単一構造へロックするロックアクチュエータを有することを特徴とする請求項1に記載のスーツケース。
【請求項5】
前記ロックアクチュエータが、第1位置において、前記グリップ部材の前記第1及び第2構成部材の外形と共通の外形を共有し、第2位置において、前記グリップ部材の前記第1及び第2構成部材との整合性から外れるように回転することを特徴とする請求項4に記載のスーツケース。
【請求項6】
前記ロックアクチュエータが、当該ロックアクチュエータを解放して前記グリップ部材の前記第1及び第2構成部材との整合性から外れるように回転させる解放ボタンを有することを特徴とする請求項5に記載のスーツケース。
【請求項7】
前記ロックアクチュエータを前記第1位置へ付勢するバネ部材さらに備えることを特徴とする請求項6に記載のスーツケース。
【請求項8】
前記解放ボタン及び前記ロックアクチュエータが、片手で前記グリップ部材を把持することによってユーザの親指が当該解放ボタンを押下して前記バネ部材の付勢に抗して当該ロックアクチュエータを回転させることが可能であり、前記グリップ部材を前記第1及び第2構成部材へ分離するように、構成されていることを特徴とする請求項7に記載のスーツケース。
【請求項9】
前記グリップ部材の前記第1及び第2構成部材のうちの一方が、支持ピンを備え、
前記支持ピンが、前記グリップ部材の前記第1及び第2構成部材のうちの他方にある筒状突起内に挿入可能であり、前記グリップ部材の接続を補強することを特徴とする請求項8に記載のスーツケース。
【請求項10】
前記支持ピン回りにある開口部をさらに有し、
前記開口部が、前記筒状突起にあるタブと一致するチャネルを有し、それにより、前記グリップ部材が、前記タブが前記開口部の前記チャネルと位置合わせするロック解除位置へ前記ロックアクチュエータを回転させたときにのみ、前記第1及び第2構成部材へ分離可能であることを特徴とする請求項9に記載のスーツケース。
【請求項11】
第1及び第2端部において前記グリップ部材を各別に包囲する第1及び第2保護シールドプレートをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のスーツケース。
【請求項12】
前記グリップ部材を回転させることにより、前記第1及び第2腕体が前記チャネルから各別に解放され、それにより、前記後側部から伸長位置へ伸長させることを特徴とする請求項1に記載のスーツケース。
【請求項13】
前記グリップ部材を逆方向に回転させることにより、前記第1及び第2腕体を現在の位置でロックさせることを特徴とする請求項12に記載のスーツケース。
【請求項14】
前記第1及び第2腕体が湾曲していることを特徴とする請求項12に記載のスーツケース。
【請求項15】
前記上面及び前記後側部が、協働してC字状の第1及び第2バリアを形成し、
前記第1及び第2バリアが、前記グリップ部材の第1及び第2端部を保護することを特徴とする請求項1に記載のスーツケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
United States Luggage社は、ほぼ50年前にスーツケースに車輪を配置した最初の企業として一般的に高い評価を得ている。「転動式ラゲッジ」と題された米国特許第3653474号明細書は、この最高の業績を反映しており、現在ほぼすべてのラゲッジ製品には、転動させるための何らかの手段が形成されている。ラゲッジを使用する態様、特にラゲッジを搬送する方法を改善しようと試みることについて上記474号特許に追従する多数の特許がある。
【背景技術】
【0002】
本願は軟質カバーから硬質シェルまでの様々なバッグを説明するために、用語「スーツケース」を広い意義で使用しており、この用語は、本願の目的に関して可能な限り最も広く考慮される。
【0003】
下ろしたときにケースが頂面に伸長可能ハンドルを有する場合、横寸法がより大きい方を幅として称し、横寸法がより小さい方を深さと称し、高さは、頂部から底部までの寸法である。スーツケースを平らに寝かせて開き、姿勢を変更して高さがもはや頂部から底部までではなく深さが前部から背部までではないときであっても、この命名法を維持する。この命名法を維持することにより、本発明の説明における混乱を防止する。使用可能な容積のスーツケースは、有効高さ×有効幅×有効深さである。
【0004】
現在の典型的な転動型スーツケースには、ケースの頂部分から伸長するまたは伸縮するハンドルが備えられている。ハンドルを伸長させるロッドまたはポールは、スーツケースのほぼ半分に位置し、ケースは、幅を画成する縁部に沿ってケースの底面に少なくとも2つの車輪を有する。この部分がケースを幅方向に対する横断方向で転動させる、それにより、最大の外形で移動させることを必要とする一方、この状況は、2つのポールがケースの開口部を跨がないようにする必要がある。旅行者は、混雑した空港、歩道、側道などを走行することを試みつつ転動しているケースの全幅が、ケースを狭い(深さ)方向で搬送するのに時々より不便であるという事実をしばしば嘆く。不幸にも、上述のように幅ではなく深さを横断するように硬質ハンドルを配置することは、ケースを適切に開けることを邪魔する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、幅位置ではなく深さに関して押し引きされる転動型スーツケースである。本発明にかかるスーツケースは、同様に、格納容量を最大化し、ハンドル機構の容易かつ信頼性のあるロック・ロック解除を容易にするといういくつかの新規な特徴及び以下で詳述する他の特徴を採用している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の最も重要なことは、ケースを開く必要があるときに分離しかつケースを引くまたはロックするときにロックする分割型ハンドルである。第1の好ましい形態において、ハンドルは、(均等である必要がないが)中央で分割して2つの別個の半体を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】少し開いた構成にある
図1の実施形態を示す斜視図である。
【
図3】
図2の実施形態を示す反対側の斜視図である。
【
図4】寝かせて開いた構成にある
図1の実施形態を示す斜視図である。
【
図6】ロック解除位置にある分割型ハンドルを示す拡大斜視図である。
【
図7】分離位置にある分割型ハンドルを示す拡大斜視図である。
【
図8】分割型ハンドルロック機構を示す拡大斜視図である。
【
図9】ロック解除インジケータを有する分割型ハンドルを示す拡大斜視図である。
【
図10】伸長ロック位置にある分割型ハンドルを示す拡大斜視図である。
【
図11】伸長ロック解除位置にある分割型ハンドルを示す拡大斜視図である。
【
図12】伸長した分割型ハンドルを示す拡大斜視図である。
【
図13】伸長してロックした分割型ハンドルを示す拡大斜視図である。
【
図14】伸長可能ハンドルのためのカムロック機構を示す断面図である。
【
図15】解放位置にあるカムロック機構を示す断面図である。
【
図16】インターロックバンパを示す断面図である。
【
図17】側部ポケットを有する別の実施形態を示す斜視図である。
【
図18】別の磁気ハンドルロック機構を示す拡大斜視図である。
【
図19】取付構成にある別の磁気ハンドルロック機構を示す拡大斜視図である。
【
図20】ハンドルに迅速解放ボタンを有する別の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の第1の好ましい実施形態を示す斜視図であり、全体として右半体101及び左半体102を有するスーツケース100を示す。スーツケース100は、
図1に示すようにスーツケースの車輪の上にあるときに、高さ「H」、幅「W」及び深さ「D」によって特徴づけられる。本発明の特徴を説明する目的で、スーツケースは、頂端部104、底端部106、前端部110、後端部108、左側部112及び右側部114を有する。第1実施形態において、スーツケース100には、前底縁部において多方向小車輪116(「スピナ」としても知られる)が備えられており、車輪は、垂直支持体回りで旋回可能であり、ケースをより良好に操縦するために車輪が360°回ることを可能とする。車輪116の反対側には、後底縁部においてより大きな2つのインサート車輪118がある。車輪118は、ケースの左右側部から挿入されており、それにより、完全にケースの外形内に、すなわち、左右側部が画成する平面内にある。大型車輪118は、より大きな中断部/隆起部/湾曲部などを転動して乗り越え、平衡を取る目的でケースの重心を車輪の上方に容易に設立することを可能とし、ケースの重量中心が車輪118の上方で平衡を取る場合に、慣性モーメントを低減してケースを軽量にみせる。2つの車輪でケースを転動させると、ユーザは、主ハンドルを上昇させるよりも押し下げ、これは、ユーザの腕の重量を支えることに伴っても生じる。大型車輪は、同様に、小型車輪がガタツキまたは非線形の移動を引き起こし得るのとは逆に、直線状の移動方向を促進する。
【0009】
ケースの頂部104には、端部それぞれに固定されたグリップまたはストラップ120が備えられ得、ケース100を迅速に把持して持ち上げることを可能とする。ケースには、同様に、伸長可能な/伸縮可能なハンドル122が備えられており、このハンドルは、スーツケースを引っ張る/操縦する/押す/操作するために使用される。伸長可能なハンドル122は、左右のインサートレール、管体またはシャフト124を介してケースに取り付けられており、このインサートレール、管体またはシャフトは、左右側部に形成された対応チャネル126内に各別にある。シャフト124は、完全にチャネル126内を移動し、それにより、ケースの深さを増加させない一方で、ケースの本体から外へ離間するように伸長しつつ側部112、114のフレーム内にあるままである。すなわち、シャフト124は、スーツケースの左右側部が画成する平面の外側に延在しない。シャフト124及びチャネル126は、対角線上にかつ直線状となるように図示されているが、別の実施形態において、湾曲し得るまたは他の方向に方向付けられ得る。
【0010】
図2は、若干開いた位置にある
図1の実施形態を示す。左半体102及び右半体101は、ヒンジ128回りに開くように回動され、スーツケース100の内部を露出させる。示されていることは、スーツケース100の頂後角部130が斜面部で面取りされており、それにより、分割型ハンドル122が角部を面取りすることによって形成された外側空間内にあること、である。
図2に示されていることは、ハンドル122が左右構成部材に分離されており、スーツケースの左半体102及び右半体101が分離して開くことを可能とすること、である。従来、ハンドルは、もっぱら半体のうちの一方に位置し、ケースを横方向で引っ張る/押すことを可能とする。本設計では、ケースを深さ方向で引っ張る/押すことを可能とし、移動方向でのスーツケースの外形を著しく低減する。
図3は、同じ構成を反対側から示す。
【0011】
図4は、
図1の実施形態が内部を露出した状態で広げて完全に開いていることを示している。この図から、本発明のいくつかの特徴がより容易に明らかになる。大型車輪の横断方向車軸に起因して、内部に容積の損失がない(替わりに、被装着ハブ123に装着されている)。同様に、シャフト124をチャネル126に挿入することによって、スーツケースの深さは、連邦の規制により許可されている最大深さまで拡大される。シャフト124が側部112、114の外側にある場合には、シャフトの寸法を受け入れる全容積を損失する。同様に示されることは、車輪116をキャビティ132内に保護してシャリの側方衝撃の可能性を低減すること、である。業界で知られていることは、車輪が時期尚早な破損に関するまたはスーツケースの不能に関する主な欠陥点であること、及び、横方向衝撃が車輪破損の主要な原因であること、である。車輪をキャビティ132内に位置付ける本発明の設計は、車輪の機能を曲げる、破損するまたは不能にする横方向力から保護する。
【0012】
図5から
図8は、本発明と共に使用するための第1実施形態にかかる分割型ハンドル122及びロック機構を示す。頂後角部の外側は、分割型ハンドル122を包囲して保護するシールドプレート134を有する。車輪116、118と同様に、ハンドル122は、通常のバゲッジ取り扱い、角部に落下させること、積み重ねたもしくは集めた他のバゲッジからの衝撃になど起因する横方向衝撃から容易に破損または故障し得る場所である。シールドプレート134は、ハンドル122の直接的な横方向衝撃を防止しつつ、スーツケースのフレーム内にあるままとし、それにより、不必要に深さを追加しない。スーツケース100の頂部104及び後端部108は、同様に、協働してC字状の障壁部138を形成し、この障壁部は、分割型ハンドル122の端部を包囲して保護する。C字状の障壁部138は、角部130を斜面とすることによって形成された空間を占め、それにより、この目的のために追加の空間を使用しない。C字状の障壁部138は、分割型ハンドル122の中間部分を露出させたままとし、斜面角部130と分割型ハンドル122との間の空間に起因してハンドルを容易に把持することを可能とする。ハンドル122をチャネル126の方向に沿って引っ張ると、ハンドル122及びシャフト124は、スーツケースの本体から離間するように伸長し、ハンドル122が牽引構成(例えば
図12参照)を取ることを許容する。
【0013】
分割型ハンドル122が偶発的に分離することを防止するために、新規なロック機構は、第1実施形態にかかるハンドル122に組み込まれている。ハンドル122は、卵状のまたは卵形状の外形(または他の人間工学的形状)で形成されており、ほぼ円状のまたは楕円状の部分と、角度付きのまたは楔状の部分と、を有する。
図5のロック構成において、円状のまたは楕円状の部分は、角部130に隣接しており、それにより、把持すると、この部分は、ユーザの掌のパッドに当接して支持する。中央に配設された回転可能なアクチュエータ140は、ハンドル122の外形を共有し、ハンドル自体と同一直線状の軸回りに回転し、それにより、ハンドルの残りの部分との整合性から外れるように回動する(
図6参照)。解放ボタン149は、アクチュエータの前部に配設されており、押下すると、アクチュエータ140を解放してロック解除位置へ回転することを許容する。アクチュエータ140は、解放ボタン149を押下したとき回転するのみであり、回転は、バネの付勢に抗してなされる。解放ボタン149は、一本の指を用いた1つの動作ですべて、ユーザが解放ボタン149を押圧してアクチュエータ140を解放し、アクチュエータを回転させることを可能とする。1つの好ましい実施形態において、バネは、アクチュエータ140を拘束したすなわちロック位置に付勢し、それにより、手動の力は、バネを克服して分離するためにハンドルをロック解除するために必要である。これにより、ハンドルが偶発的に分離して場合によってはケースを開放することを可能とすることを防止する。
【0014】
図7及び
図8は、分割型ハンドル122が分離状態にあり、アクチュエータ140が、回転されたロック解除位置にあること、を示す。ハンドルの右側部122aは、開口中心部146を有する筒状突起144を有する。筒状突起144の端部は、突起の周囲の周りで間隔を開けた複数の径方向タブ148を有する。ハンドルの左側部122bは、支持ピン150を有し、この支持ピンは、筒状突起144の開口中心部146に挿入されると、ハンドルの左右側部間の接続を補強し、これにより、しっかりとした一体的なハンドグリップを形成するように機能する。ハンドルの左側部122bは、同様に、支持ピン150の周囲にチャネル154を有する開口部152を備え、これらチャネルは、筒状突起144のタブ148と同心状であり、それにより、ハンドルは、アクチュエータ140を
図8のロック解除位置へ回転させたときのみ開閉可能である。すなわち、筒状突起144は、開口部152を通過し、タブ148は、チャネル154と位置合わせされて分割型ハンドル122を閉じ、アクチュエータをロック解除位置へ回転させると、左側部122b及び右側部122aは、分離可能である。しかしながら、筒状突起144を開口部152内に挿入してアクチュエータ140をロック位置へ回転させると、筒状突起144は、捕捉され、タブ148がチャネル154と位置ずれしていることに起因して取り外されることができない。このようにして、ハンドル122は、偶発的に分離する可能性なくロック位置に固定され得、親指でアクチュエータ140を押すことにより、ハンドルは、容易に分離し得、スーツケースを開くことを可能とする。
図9において、アクチュエータ140の露出側部160は明るいまたは目を引く色(例えば、赤、黄色、燐光など)で着色され得またはマーク付けされ得、ハンドルが分離し得るロック解除位置にアクチュエータの位置があることにユーザが気付くことを確実にする。これにより、スーツケースが偶発的に開くことを防止し、ケースがロックされたままであることになっているときにハンドルが偶発的に分離することを防止する。
【0015】
ハンドル122をケースから引き出すことを
図10から
図15を参照して説明する。スーツケース100のシャフト124は、チャネル126内に初期的にロックされており、ハンドルを下方へ回転させることによってハンドルを「解放」するまで、伸長させることができない。
図10は、ハンドル122がロック位置にあり、ハンドルの楔状部分がC字状の障壁部から離間する方向を向いてユーザに向かって面していること、を示す。ユーザが
図11に示す位置までハンドル(アクチュエータ140を含む)を下方(すなわち、
図10における時計回り)に手動で回転させると、シャフト124は、各別のチャネル126から「解放」され、ハンドルは、ハンドルを
図11及び
図12の下方位置に回転している限り、引っ張り出され得る(
図12)。いったんハンドルを回転させて
図10及び
図13のロック位置に戻すように回転させると、シャフトは、もはやこれらチャネルから伸長またはチャネル内に後退できず。ハンドルの伸長を固定する。これにより、ユーザは、ユーザの高さ、スーツケースの重量などに基づいてハンドルの快適な離間距離を設立することが可能となる。後述するように、ハンドルを解放、ロックそして固定する機構は、ハンドル122をロック位置へ回転させることによって、ハンドルが完全伸長位置と完全後退位置との間の任意の場所に位置することを可能とする。
【0016】
図14及び
図15は、本発明にかかるハンドル解放伸長システムのための一タイプの作動ロック機構を示す。ハンドル122には、軸体171が装着されており、この軸体は、バネ戻し機構によって作動されるピン172と接触した状態でカム部材170を支持する。ピン172は、ピンが伸長位置にあるときにシャフトをチャネル内にロックするためのロック機構に連結されている。すなわち、ハンドル122が
図14に示すロック位置にあると、カム部材170は、ピン172がカム部材を当接支持して完全に伸長するように回転される。ピン172がこの位置にある状態で、ロック機構は、係合され、スーツケースのシャフト124は、ロックされ、チャネル126から伸長しないまたはチャネル126内に後退しない。
図15において、ハンドル122は、ロック解除位置へ回転されており、カム部材170は、バネ174の付勢に抗してピン172を下方に駆動する。ピン172がこの後退位置にある状態で、ロック機構は、係合解除され、シャフト124は、チャネル126から伸長し得るまたはチャネル126内に後退し得る。
【0017】
図16は、側部101、102それぞれの前パネル110にある一対の対応バンパ190を示す。バンパ190は、ほぼL字状であり、スーツケースが
図4に示す開放構成にあるときに対向するバンパ190が互いに若干接触するように寸法付けられている。バンパ190のこの形状により、バンパの突出部分は、対向するバンパの平坦部分と接触することを確実にし、バンパがケースの本体と接触することに起因して摩耗する可能性を除外する。
【0018】
図17は、任意の機能である利便性のある側部ポケット200を示しており、この側部ポケットは、電子デバイス205や鍵、財布などを保管する。側部ポケットは、ジッパー、フラップまたは他の閉塞手段で閉塞され得、ポケット200の内容物を保護する。
【0019】
図18及び
図19は、分割型ハンドル222のための別のロック機構を示す。ハンドルの第1構成部材は、非円状外形を有するロックピン230を有し、対向する構成部材は、対応する非円状外形を有するキャビティ231を有し、それにより、第1及び第2構成部材を係合させると、ロックピン230は、キャビティ231内に挿入され得る。2つの構成部材は、磁気的結合によって所定位置で保持され得、それにより、構成部材は、互いに磁気的に引き付けられるが、磁気的取付を遮断することにより、分離され得る。
【0020】
図20から
図24は、好ましい実施形態にかかる分割型ハンドルにある解放ボタン149の動作を示す。ボタン149は、アクチュエータ140に組み込まれており、ボタンの露出面は、若干湾曲しており、ハンドルの平面から若干外れて位置するように付勢されている(
図20)。若干湾曲した露出面の反対側には、角度付部材305があり、この角度付部材305は、駆動ピン310の同様の角度付面を当接支持する。駆動ピン310は、ボタン149をハンドルから外へ押すバネ320によってハンドル内で付勢されている。バネ320は、同様に、駆動ピン310の端部325を分割型ハンドル122の端部330との干渉位置へ配置し、それにより、アクチュエータ140は、
図6に示すようには回転できない。しかしながら、ボタン149を押下すると、角度付部材305は、駆動ピン310を当接支持し、駆動ピン310をバネ320に向けてそして分割型ハンドル端部330との干渉から外れるように押す。そして、駆動ピン端部325と分割型ハンドル端部330との間の干渉をこのように除去することにより、アクチュエータ140が中央のロックピン回りに回転することを可能とする。迅速解放ボタンは、アクチュエータを回転させることができハンドルを図示のように分離させるとすぐに、ユーザがボタン149を押下するまで、分割型ハンドルが安全に閉じたままであることを可能とする。
【0021】
本発明は、硬質シェル式または軟質シェル式のバッグに限定されず、本明細書に例示されたバッグを超えた様々なタイプ及び数の車輪を有し得る。あるいは、本発明は、スライダ、ヒンジ固定式車輪、キャスタ、トラックホイール、スキー式支持体またはモータ駆動式車輪を有し得る。分割型ハンドルは、機械式、電気式、電磁式、磁気式などのロック機構を含む本明細書で説明した及び図示したロック機構とは異なるロック機構を採用し得る。ハンドルは、均等にまたは非対称に分割し得、ロック機構は、中央に配設されても中央に位置しなくてもよい。ケースは、ユーザに追従するためまたは追跡する目的で、モータ駆動式システムを有し得る。ハンドルを接続するシャフトは、直線状または曲線状であり得、曲線状シャフトは、チャネルがパッキング空間の中央を直接通過することを回避し得る。シャフトは、互いに独立して動作し得、必要に応じて異なる長さまで延在する。
【0022】
本発明では、当業者が直ちに理解する多くの代替、置換及び改変が可能であり、本発明の範囲は、このような代替、置換及び改変全てを含むことを意図している。したがって、明白に述べない限り、本発明は、説明または図面の記載に限定されず、むしろ、本発明は、本願に添付された特許請求の範囲によって制限される。
【符号の説明】
【0023】
100 スーツケース、101 右半体,側部、102 左半体,側部、104 頂端部、106 底端部、108 後端部、110 前端部,前パネル、112 左側部、114 右側部、116 多方向小車輪、118 大型車輪,インサート車輪、120 ストラップ、122 分割型ハンドル、122a 右側部、122b 左側部、123 被装着ハブ、124 シャフト、126 チャネル、128 ヒンジ、130 頂後角部、130 斜面角部、132 キャビティ、134 シールドプレート、138 障壁部、140 アクチュエータ、144 筒状突起、146 開口中心部、148 径方向タブ、149 解放ボタン、150 支持ピン、152 開口部、154 チャネル、160 露出側部、170 カム部材、171 軸体、172 ピン、174 バネ、190 バンパ、200 側部ポケット、205 電子デバイス、222 分割型ハンドル、230 ロックピン、231 キャビティ、305 角度付部材、310 駆動ピン、320 バネ、325 駆動ピン端部、330 分割型ハンドル端部
【国際調査報告】