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特表2023-500579乳製品ベースの製品、食品、その製造方法及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】乳製品ベースの製品、食品、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
   A23C 9/00 20060101AFI20221227BHJP
   A23G 3/34 20060101ALN20221227BHJP
   A23G 3/46 20060101ALN20221227BHJP
【FI】
A23C9/00
A23G3/34 102
A23G3/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022521233
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2020079241
(87)【国際公開番号】W WO2021074397
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】19203763.8
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508335831
【氏名又は名称】アーラ フーズ エーエムビーエー
【氏名又は名称原語表記】Arla Foods amba
【住所又は居所原語表記】Sonderhoj 14,8260 Viby J,Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エルバーロブ-ヤコブセン,ヤニック アイナー
(72)【発明者】
【氏名】シェーラー,イェッペ
【テーマコード(参考)】
4B001
4B014
【Fターム(参考)】
4B001AC02
4B001AC03
4B001AC05
4B001AC07
4B001AC15
4B001AC20
4B001AC31
4B001AC45
4B001BC13
4B001EC01
4B001EC05
4B001EC99
4B014GB11
4B014GE03
4B014GG05
4B014GG07
4B014GG11
4B014GG12
4B014GG14
4B014GG17
4B014GK04
4B014GL10
4B014GP02
4B014GP12
4B014GP18
(57)【要約】
本発明は、高タンパク乳製品ベースの製品を調製するための方法、その方法によって調製される高タンパク乳製品ベースの製品、食品を製造するための方法、その方法によって調製される食品及び乳製品ベースの製品の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
14~40%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、前記混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、前記高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物であり、前記酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総重量の8~20%w/wを構成する、方法。
【請求項2】
高タンパク質乳製品ベースの製品が、自立型である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
乳製品ベースの製品が、40~75%w/wの範囲、好ましくは40~70%w/wの範囲、なおもより好ましくは40~60%w/wの範囲、最も好ましくは50~60%w/wの範囲の乾物含有量を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体が、乳製品ベースの製品の総重量の9~18%w/wの範囲、好ましくは10~16%w/wの範囲又は12~14%w/wの範囲を構成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
混合物のpHが、3.5~6.0の範囲内、好ましくは4.0~5.5の範囲、4.0~5.0の範囲又は4.2~4.5の範囲のpHを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
0~20℃の範囲、好ましくは0~15℃の範囲、より好ましくは5~15℃の範囲の温度又はなおもより好ましくは10℃の温度で実行される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
さらなる成分が、脂肪、炭水化物、ビタミン、甘味料、炭水化物ベースの安定剤及びそれらの混合物から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
混合物が、0~10℃の温度で1~24時間の期間、好ましくは0~5℃の温度で1~24時間の期間又はより好ましくは0~5℃の温度で5~16時間の期間にわたって保存される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
混合物が、押し出し、成型及び/又は容器内への充填、好ましくは押し出しによって成形される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法によって入手可能な高タンパク質乳製品ベースの製品であって、好ましくは、組成物のテクスチャーが、少なくとも20.000g・秒である、高タンパク質乳製品ベースの製品。
【請求項11】
生存乳酸菌を含む、請求項10に記載の乳製品ベースの製品。
【請求項12】
食品を製造するための方法であって、
a)請求項10又は11に記載の乳製品ベースの製品を提供するステップと;
b)乳製品ベースの製品を少なくとも1つのさらなる成分と組み合わせて、食品を得るステップと;
c)任意選択的に、前記食品を包装するステップと
を含む方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法によって入手可能な食品であって、乳製品ベースの製品及び少なくとも1つのさらなる成分を含む食品。
【請求項14】
ヨーグルトバー、デザート、ケーキ、スポーツバー及びプロテインバーからなる群から選択される、請求項13に記載の食品。
【請求項15】
タンパク質の摂取量を増加させるための、請求項10若しくは11に記載の高タンパク質乳製品ベースの製品又は請求項13若しくは14に記載の食品の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、高タンパク乳製品ベースの製品を調製するための方法、その方法によって調製される高タンパク乳製品ベースの製品、食品を製造するための方法、その方法によって調製される食品及び乳製品ベースの製品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
間食又はおやつは、世界的な傾向になっている。消費者は、外出先、フィットネスセンター、職場又は自宅で手軽に食べられる多数の少量の食事を望む傾向にある。マークされたスナックは、多様であり、従来、高脂肪及び高糖含有量の製品を包含する。スポーツマンを対象にしたプロテインバーでさえ、キャンディー同様であり、かなりの量の砂糖及び脂肪を有する。しかし、消費者は、必要に応じて簡単に持ち運ぶか、つまむか又は食べられる健康的な代替物を求めている。さらに、消費者は、成分が自然で健康的であり、透明性のあるラベルが付いた製品を望んでいる。
【0003】
スナックバーの一例は、Clio(商標)バーであり、これは、ヨーグルトベース製品のコアを有するチョコレートバーである。ヨーグルトは、キサンタンを用いて安定化されている。Clio(商標)バーは、1つのバー(50g)当たり8gのタンパク質、合計170kcalを提供し、エネルギー分布は、約41E%の脂肪、41E%の炭水化物及び18E%のタンパク質である(https://cliosnacks.com/products/peanut-butter)。
【0004】
国際公開第2014/058873号は、タンパク質含有量が約5~10%である冷蔵又は冷凍培養乳製品バーを開示している。乳製品バーは、38%を超える乳固形分を有し、0.7~1.5%のゼラチン及び4℃で約200,000cP~約700,000cPの粘度を含む培養乳組成物を調製することによって製造される。ヨーグルト組成物は、凍結されてフローズンヨーグルトバーを形成し、凍結中に脂肪ベースのコーティングでコーティングされる。次に、バーは、解凍され、7℃未満で冷蔵保存される。
【0005】
国際公開第2018/011392号は、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体を製造するための方法並びに飲用ヨーグルト、撹拌タイプヨーグルト及び固化タイプヨーグルトなどのヨーグルト様製品の調製における粒子の使用を開示している。
【0006】
国際公開第2019/206797A1号は、固化タイプヨーグルトスナックを製造するための方法を開示し、前記方法は、前記ヨーグルトスナックを型又はブロック内で固化させることを含み、前記ヨーグルトスナックは、少なくとも12%(w/w)のタンパク質及び少なくとも35%(w/w)の全固形分を含む。
【0007】
英国特許出願公開第1494502A号は、pH6~9で凝固した熱凝固回収酸性ホエータンパク質から構成されるマトリックスに組み込まれた、増粘剤、脂肪、肉、肉副産物、穀物、タンパク質性植物性物質、フレーバー、許可する着色物質及び栄養添加物から選択される食用材料を含むタンパク質食品を開示している。
【0008】
国際公開第2015/092044A1号は、
(a)0.001~8重量%のテクスチャー付与剤を含有し、9.5~42重量%の固形分と、2.5~25重量%の全タンパク質含有量とを有する発酵乳製品を提供するステップと、
(b)前記発酵乳製品を0℃未満の温度で凍結し、冷凍発酵乳製品を得るステップと、
(c)前記冷凍発酵乳製品を0℃~10℃の温度で解凍し、より軽い食感の冷蔵発酵乳製品を得るステップと
の連続したステップを含む、発酵乳製品のテクスチャーを軽くするための方法を開示している。
【0009】
米国特許出願公開第4720390A号は、増粘剤又はカルシウムが添加されない熱ゲル化エマルジョンの調製を開示している。調製は、集中的条件下で脂質媒体と共に均質化された後、エマルジョンが熱処理される、ゲル化可能ホエータンパク質を含有する水性媒体を伴う。この工程を使用して、例えばエッグカスタード、オムレツ、パンケーキ、キッシュ、ソーセージ、ゼリー、デザート及びスプレッドクリームが調製され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、健康的で自然であり、不健康なスナック製品の代替となり得る高タンパク質食品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
本発明は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0012】
本発明の別の態様は、本発明の方法によって入手可能な高タンパク質乳製品ベースの製品に関する。
【0013】
本発明のさらなる態様は、食品を製造するための方法であって、
a)本発明による乳製品ベースの製品を提供するステップと;
b)乳製品ベースの製品を少なくとも1つのさらなる成分と組み合わせて、食品を得るステップと;
c)任意選択的に、食品を包装するステップと
を含む方法に関する。
【0014】
本発明の追加的な態様は、食品を製造するための本発明の方法によって入手可能な食品に関する。
【0015】
本発明のなおも別の態様は、タンパク質の摂取量を増加させるための、本発明による乳製品ベースの製品又は食品の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図の簡単な説明
図1】MPC、WPC及びカゼイネートと比較した、agWPAを含むホエー粉末から製造されたヨーグルトバーのテクスチャーを示す。
図2】ボールに形成された高タンパク質乳製品ベースの製品を示す。
図3】混合直後の高タンパク質乳製品ベースの製品を示す。
図4】5℃で3日間保存した後の高タンパク質乳製品ベースの製品を示す。
図5】バーに成形された高タンパク質乳製品ベースの製品を示す。
図6】5℃で一晩保存した後の高タンパク質乳製品ベースの製品を示す。
図7】バーに成形された高タンパク質乳製品ベースの製品を示す。
図8】半分に切断した図4の高タンパク質乳製品ベースの製品を示す。
図9】チョコレートでコーティングされた2つのヨーグルトバーを示す。
図10】半分に切断した図6のヨーグルトバーを示す。
図11図7の2つのバーの切断面を拡大して示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
一態様では、本発明は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0018】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法は、14~40%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するためのものであり、方法は、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物であり、好ましくは、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総重量の8~20%w/wを構成する。
【0019】
別の態様では、本発明は、本発明の方法によって入手可能な高タンパク質乳製品ベースの製品であって、好ましくは、実施例1.2の分析で測定した場合、乳製品ベースの製品のテクスチャーは、少なくとも20.000g・秒である、高タンパク質乳製品ベースの製品に関する。
【0020】
本発明者らは、本発明の方法により、高いタンパク質含有量を有し、プロバイオティクス細菌を含み、貯蔵寿命が長く、味が心地よい、自立型の乳製品ベースの製品を調製することが可能であることを見出した。本発明の方法は、酸性化された乳製品の余剰を乳製品ベースの製品などの有価製品に加工し得ることから、食品の廃棄が禁止されるため、さらに有利である。
【0021】
本発明の方法から入手可能な製品ベースの製品は、自立型である。「自立型」という用語は、乳製品ベースの製品が、少なくとも空気中で1バールの圧力及び20℃の温度において、製品の側面又は上部からさらに支持することなく水平面に置いたとき、製品がその形状を保持できるテクスチャーを有することを意味する。
【0022】
乳製品ベースの製品は、例えば、押し出しによって特定の形状に成形されて、外部の支援に依存することなく、それ自体を支持することによってこの形状を保持し得る。成形ステップ中に押し出しを使用することが好ましい。
【0023】
本発明の一実施形態では、乳製品ベースの製品のテクスチャーは、実施例1.2の分析で測定した場合、少なくとも20.000g・秒である。本発明のさらなる実施形態では、乳製品ベースの製品のテクスチャーは、少なくとも25.000g・秒、好ましくは少なくとも30.000g・秒、より好ましくは少なくとも35.000g・秒、なおもより好ましくは少なくとも35.000g・秒又は最も好ましい少なくとも40.000g・秒である。
【0024】
本発明の一実施形態では、乳製品ベースの製品テクスチャーは、実施例1.2の分析で測定した場合、20.000~60.000g・秒の範囲、好ましくは25.000~60.000g・秒の範囲、より好ましくは30.000~60.000g・秒の範囲、なおもより好ましくは35.000~60.000g・秒の範囲又は最も好ましくは40.000~60.000g・秒の範囲であり得る。
【0025】
高タンパク質乳製品ベースの製品は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量を有する製品である。本発明の一実施形態では、本発明の乳製品ベースの製品は、少なくとも18%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも50%w/wの乾物含有量、少なくとも20%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも55%w/wの乾物含有量又は少なくとも21%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも50%w/wの乾物含有量など、少なくとも16%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも45%w/wの乾物含有量を有する。
【0026】
乳製品ベースの製品は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量を有し得る。好ましくは、乳製品ベースの製品は、16~36%w/wの範囲、より好ましくは18~34%w/wの範囲、なおもより好ましくは20~30%w/w、最も好ましくは21~28%w/wの範囲のタンパク質含有量を有する。
【0027】
乳製品ベースの製品の乾物含有量は、少なくとも45%w/w、好ましくは少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも55%w/wであり得る。本発明の一実施形態では、乳製品ベースの製品は、40~60%w/wの範囲、好ましくは45~60%w/wの範囲、より好ましくは50~60%w/wの範囲又は55~60%w/wの範囲の乾物含有量を有する。
【0028】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、40~75%w/wの範囲、より好ましくは40~70%w/wの範囲、なおもより好ましくは40~60%w/wの範囲、最も好ましくは50~60%w/wの範囲の乾物含有量を有する。
【0029】
本発明の乳製品ベースの製品は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する。乳製品ベースの製品の高タンパク質含有量は、製品が消費者に大量のタンパク質を確実に供給することを保証する。本発明の一実施形態では、乳製品ベースの製品は、少なくとも16%w/w、好ましくは少なくとも18%w/w、より好ましくは少なくとも18%w/w、なおもより好ましくは少なくとも20%w/w、最も好ましくは少なくとも21%w/wのタンパク質含有量を有する。
【0030】
一実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量と、40~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0031】
好ましくは、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量と、45~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0032】
より好ましくは、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量と、50~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0033】
最も好ましくは、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量と、55~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0034】
本発明に関連して、「乳製品ベースの製品」という用語は、ミルクベースのタンパク質を含み、タンパク質の少なくとも50%w/wがミルクベースのタンパク質からなる製品に関する。「乳製品ベースの製品」は、総タンパク質含有量を基準にして少なくとも70%w/wのミルクベースのタンパク質、総タンパク質含有量を基準にして少なくとも80%w/wのミルクベースのタンパク質、総タンパク質含有量を基準にして少なくとも90%w/wのミルクベースのタンパク質又は総タンパク質含有量を基準にして少なくとも95%w/wのミルクベースのタンパク質など、総タンパク質含有量を基準にして少なくとも60%w/wのミルクベースのタンパク質を含み得る。
【0035】
本発明に関連して、「高タンパク質乳製品ベースの製品」及び「乳製品ベースの製品」という用語は、交換可能に使用される。
【0036】
乳製品ベースの製品は、酸性化された乳製品を含む。酸性化された乳製品は、当技術分野で周知である。酸性化された乳製品は、原料をスタータ培養物で発酵させるか、又は原料を化学的に酸性化することによって調製され得る。原料は、ミルクであり得る。原料は、植物起源の脂肪及び/又はタンパク質を含有し得る。
【0037】
ミルクは、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、牝馬又はヒトが消費するのに適したミルクを産生する他の動物から得られ得る。好ましくは、ミルクは、牛乳である。ミルクは、タンパク質、脂肪及び/又はラクトース含有量を所望のレベルに調整するために、必要に応じて前処理され得る。原料は、全乳、クリーム、低脂肪乳、脱脂乳、バターミルク、初乳、低ラクトース乳、ラクトースフリー乳、乳清タンパク質枯渇乳、カゼインと粉乳と水から製造された再構成(還元)乳又はこれらの組み合わせから選択され得る。
【0038】
本発明に関連して、「ミルクベースのタンパク質」という用語は、例えば、カゼイン及びホエータンパク質など、ミルク中に存在するタンパク質を意味する。
【0039】
本発明の一実施形態では、酸性化された乳製品は、例えば、5.5未満、5.0未満又は4.5未満など、6未満のpHを有する。酸性化された乳製品のpHは、3.5~6の範囲、好ましくは4.0~5.5の範囲、より好ましくは4.0~5.0の範囲、最も好ましくは4.2~4.5の範囲であり得る。
【0040】
酸性化された乳製品のpHは、好ましくは、5.5未満であり、最も好ましくは4.0~5.0の範囲である。
【0041】
酸性化された乳製品は、水切りヨーグルト、撹拌ヨーグルト、クリームチーズ、フレッシュチーズ又はそれらの混合物から選択され得る。このような酸性化された乳製品の例は、ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク及びクリームチーズである。
【0042】
ギリシャヨーグルト又はギリシャヨーグルト混合物の形態の酸性化された乳製品が特に好ましい。
【0043】
酸性化された乳製品は、0.5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有し得る。本発明の一実施形態では、酸性化された乳製品は、0.5~12%w/wの範囲、好ましくは1~11%w/wの範囲又は2~10%w/wの範囲の脂肪含有量を有する。別の実施形態では、酸性化された乳製品は、20~30%w/wの範囲、好ましくは22~28%w/wの範囲又は24~26%w/wの範囲の脂肪含有量を有する。
【0044】
酸性化された乳製品は、乳製品ベースの製品の乾物含有量に寄与する。酸性化された乳製品は、15~55%w/wの範囲の乾物含有量を有し得る。本発明の一実施形態では、酸性化された乳製品は、15~25%w/wの範囲、好ましくは18~20%w/wの範囲の乾物含有量を有する。別の実施形態では、酸性化された乳製品は、45~55%w/wの範囲、好ましくは48~52%w/wの範囲の乾物含有量を有する。
【0045】
酸性化された乳製品は、3~20%w/wの範囲、好ましくは4~8%w/wの範囲又は9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量を有し得る。
【0046】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、酸性化された乳製品は、3~20%w/w、より好ましくは4~15%w/w、なおもより好ましくは8~15%w/w、最も好ましくは9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量を有する。
【0047】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、酸性化された乳製品は、以下を有する:
- 3~20%w/w、より好ましくは4~15%w/w、さらにより好ましくは8~15%w/w、最も好ましくは9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量、及び
- 0.5~30%w/wの範囲の脂肪含有量。
【0048】
本発明の他の好ましい実施形態では、酸性化された乳製品は、以下を有する:
- 3~20%w/w、より好ましくは4~15%w/w、さらにより好ましくは8~15%w/w、最も好ましくは9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量、及び
- 0.5~12%w/wの範囲の脂肪含有量。
【0049】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、酸性化された乳製品は、以下を有する:
- 3~20%w/w、より好ましくは4~15%w/w、さらにより好ましくは8~15%w/w、最も好ましくは9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量、及び
- 1~11%w/wの範囲の脂肪含有量。
【0050】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、酸性化された乳製品は、以下を有する:
- 3~20%w/w、より好ましくは4~15%w/w、さらにより好ましくは8~15%w/w、最も好ましくは9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量、及び
- 0.5~3%w/wの範囲の脂肪含有量。
【0051】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、酸性化された乳製品は、以下を有する:
- 3~20%w/w、より好ましくは4~15%w/w、さらにより好ましくは8~15%w/w、最も好ましくは9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量、
- 0.5~30%w/wの範囲の脂肪含有量、及び
- 15~55%w/wの範囲の乾物含有量。
【0052】
本発明の他の好ましい実施形態では、酸性化された乳製品は、以下を有する:
- 3~20%w/w、より好ましくは4~15%w/w、さらにより好ましくは8~15%w/w、最も好ましくは9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量、
- 0.5~12%w/wの範囲の脂肪含有量、及び
- 15~55%w/wの範囲の乾物含有量。
【0053】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、酸性化された乳製品は、以下を有する:
- 3~20%w/w、より好ましくは4~15%w/w、さらにより好ましくは8~15%w/w、最も好ましくは9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量、
- 1~11%w/wの範囲の脂肪含有量、及び
- 15~55%w/wの範囲の乾物含有量。
【0054】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、酸性化された乳製品は、以下を有する:
- 3~20%w/w、より好ましくは4~15%w/w、さらにより好ましくは8~15%w/w、最も好ましくは9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量、
- 0.5~3%w/wの範囲の脂肪含有量、及び
- 15~25%w/wの範囲の乾物含有量。
【0055】
酸性化された乳製品は、好ましくは、高タンパク質乳製品ベースの製品の総タンパク質含有量の5~50%w/w、より好ましくは10~40%w/w、なおもより好ましくは12~30%w/w、最も好ましくは高タンパク質乳製品ベースの製品の総タンパク質含有量の14~25%w/wに寄与する。
【0056】
酸性化された乳製品は、好ましくは、生存乳酸菌などのプロバイオティクス細菌を含み、これは、健康な腸内細菌叢の維持に対する寄与が認められ得る。乳酸菌は、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus Acidophilus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)及びラクトバチルス・デルブレッキイ・ブルガリクス亜株(Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus)から選択され得る。酸性化された乳製品は、好ましくは、高タンパク質乳製品ベースの製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存乳酸菌を高タンパク質乳製品ベースの製品に提供し、より好ましくは高タンパク質乳製品ベースの製品1グラム当たり少なくとも300万個の生存乳酸菌を高タンパク質乳製品ベースの製品に提供するのに十分な量で使用される。
【0057】
酸性化された乳製品は、好ましくは、高タンパク質乳製品ベースの製品の重量の25~80%w/w、より好ましくは30~70%w/w、なおもより好ましくは35~65%w/w、最も好ましくは高タンパク質乳製品ベースの製品の重量の40~60%w/wに寄与する。
【0058】
混合物及び高タンパク質乳製品ベースの製品は、同じ組成的特徴を有する。したがって、高タンパク質乳製品ベースの製品に関連して言及される組成的特徴は、混合物にも適用され、逆も同様である。
【0059】
好ましい実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量と、40~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0060】
好ましい実施形態では、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量と、45~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0061】
好ましい実施形態では、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量と、50~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0062】
好ましい実施形態では、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量と、55~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0063】
本発明者らは、酸性化された乳製品が製品の心地よい味に寄与することを見出した。
【0064】
本発明の一実施形態では、本発明は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0065】
一実施形態では、本発明の方法のステップa)では、酸性化された乳製品は、乳製品ベースの製品の総重量を基準にして少なくとも9%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、好ましくは乳製品ベースの製品の総重量を基準にして少なくとも10%w/w、少なくとも11%w/w、少なくとも12%w/w、少なくとも13%w/w又は少なくとも14%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体と組み合わされる。
【0066】
本発明者らは、乳製品ベースの製品が8~20%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体を含むにもかかわらず、実施例2で実証されるように、乳製品ベースの製品の味がいかなる粉末の味もなく、優れていることを見出した。
【0067】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総重量を基準にして8~20%w/wの範囲の酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、好ましくは乳製品ベースの製品の総重量を基準にして9~18%w/wの範囲、10~16%w/wの範囲又は12~14%w/wの範囲を構成し得る。
【0068】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総重量を基準にして8~20%w/wの範囲、好ましくは乳製品ベースの製品の総重量を基準にして9~18%w/wの範囲、より好ましくは10~16%w/wの範囲、最も好ましくは12~14%w/wの範囲を構成し得る。
【0069】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総タンパク質含有量に寄与する。本発明の一実施形態では、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品中の総タンパク質の少なくとも40%w/w、好ましくは乳製品ベースの製品中の総タンパク質の少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも55%w/w、なおもより好ましくは少なくとも60%w/w又は少なくとも65%w/wを構成する。
【0070】
本発明の一実施形態では、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品中の総タンパク質の40~70%w/wの範囲を構成する。酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品中の総タンパク質の45~68%w/wの範囲、乳製品ベースの製品中の総タンパク質の50~68%w/wの範囲、55~68%w/wの範囲又は60~68%w/wの範囲を構成し得る。
【0071】
本発明の一実施形態では、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総重量を基準にして少なくとも10%w/w、好ましくは乳製品ベースの製品の総重量を基準にして少なくとも12%w/w又は乳製品ベースの製品の総重量を基準にして少なくとも14%w/wを構成し得る。酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総重量を基準にして10~20%w/wの範囲、好ましくは12~18%w/wの範囲又はより好ましくは14~16%w/wの範囲を構成し得る。
【0072】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体を提供する供給源は、好ましくは、高タンパク質乳製品ベースの製品の総タンパク質含有量の50~95%w/w、より好ましくは高タンパク質乳製品ベースの製品の総タンパク質含有量の60~90%w/w、より好ましくは70~88%w/w、最も好ましくは75~86%w/wに寄与する。
【0073】
乳製品ベースの製品の乾物含有量を基準にして、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、少なくとも15%w/w、好ましくは18~16%w/wの範囲又はより好ましくは20~24%w/wの範囲を構成し得る。酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の乾物含有量を基準にして15~30%w/wの範囲、好ましくは18~16%w/wの範囲又はより好ましくは20~24%w/wの範囲を構成し得る。
【0074】
本発明者らは、乳製品ベースの製品のタンパク質及び乾物含有量の増加に寄与することに加えて、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体が乳製品ベースの製品のテクスチャーの増加にも寄与することを見出した。本発明者らは、例えば、これが、高タンパク質乳製品ベースの製品を先行技術の製品よりも押し出しに適したものにすることを見出した。
【0075】
本発明に関連して、「ホエータンパク質」という用語は、ミルク又は凝固ミルクのいずれかの漿液相に存在するタンパク質に関する。ミルクの漿液相のタンパク質は、乳清タンパク質又は理想ホエーと称されることもある。本明細書で使用される場合、「ホエータンパク質」という用語は、天然ホエータンパク質と、変性及び/又は凝集形態にあるホエータンパク質との両方を包含する。
【0076】
本発明に関連して、「ホエー」という用語は、カゼインがミルクから除去されたときに残される液体組成物に関する。カゼインは、例えば、精密濾過によって除去されて、カゼインミセルを含まない又は本質的に含まないが、天然ホエータンパク質を含有する透過液が提供され得る。この透過液は、理想ホエー、漿液又は乳清と称されることもある。
【0077】
代わりに、カゼインは、ミルク組成物をレンネット酵素に接触させて、κ-カゼインをパラ-κ-カゼインとペプチドカゼイノマクロペプチド(CMP)とに切断し、それによりカゼインミセルを不安定化させてカゼインを沈殿させることでミルクから除去され得る。レンネット沈殿カゼイン周囲の液体は、多くの場合、甘性ホエーと称され、ミルクに通常見られるホエータンパク質に加えて、CMPを含有する。
【0078】
カゼインは、酸沈殿、すなわちカゼインの等電点であるpH4.6未満にミルクのpHを低下させ、カゼインミセルを崩壊させて沈殿させることによってもミルクから除去され得る。酸沈殿カゼイン周囲の液体は、多くの場合、ホエー又はカゼインホエーと称され、CMPを含有しない。
【0079】
本発明に関連して、「酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体」という用語は、酸性化中に凝集して強力な(天然ホエータンパク質よりはるかに強力な)ゲルを形成できる変性ホエータンパク質の凝集体に関し、その凝集体は、典型的には、線状、虫状、分枝状又は鎖状の形状を有する。酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、多くの場合、脱塩ホエータンパク質の熱変性によって調製される。酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、例えば、6~9の範囲のpHを有する脱ミネラルホエータンパク質溶液を、変性中のホエータンパク質に作用する剪断力あり又はなしで、最大で2時間にわたり少なくとも68℃の温度で熱変性することによって入手可能である。組成物の酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体の量は、実施例1.1に従って定量化される。
【0080】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、溶解ホエータンパク質の加熱変性により、しかし、典型的には1~5%(w/w)の範囲のより低いタンパク質濃度において、低下されたカルシウムレベルでも製造され得る。酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体の製造の例は、参照により本明細書に援用される米国特許第5,217,741号、米国特許出願公開第2008/0305235号、国際公開第07/110411号(線形凝集体として言及される)又は国際公開第2018/011392号に見出され得る。
【0081】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、好ましくは、国際公開第2018/011392号の4~24ページに概説されるように製造され、酸によりゲル化可能ななホエータンパク質凝集体の生成に関してこれらのページに記載される特徴は、本発明に等しく適用される。
【0082】
本発明の高タンパク質乳製品ベースの製品を調製する場合、酸性化された乳製品は、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分と組み合わされて、混合物が得られる。混合物のpHは、混合物中の成分のpHに依存し、6.0未満、好ましくは5.5未満、より好ましくは5.0未満又はなおもより好ましくは4.5未満のpHに調整され得る。本発明の一実施形態では、混合物のpHは、3.5~6.0の範囲、好ましくは4.0~5.5の範囲、4.0~5.0の範囲及び4.2~4.5の範囲であり得る。
【0083】
混合物は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量を有する。本発明の一実施形態では、混合物は、少なくとも18%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも50%w/wの乾物含有量、少なくとも20%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも55%w/wの乾物含有量又は少なくとも21%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも50%w/wの乾物含有量など、少なくとも16%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも45%w/wの乾物含有量を有する。
【0084】
混合物は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量を有し得る。好ましくは、混合物は、16~36%w/wの範囲、より好ましくは18~34%w/wの範囲、なおもより好ましくは20~30%w/w、最も好ましくは21~28%w/wの範囲のタンパク質含有量を有する。
【0085】
混合物の乾物含有量は、少なくとも45%w/w、好ましくは少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも55%w/wであり得る。本発明の一実施形態では、混合物は、40~60%w/wの範囲、好ましくは45~60%w/wの範囲、より好ましくは50~60%w/wの範囲又は55~60%w/wの範囲の乾物含有量を有する。
【0086】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、混合物は、40~75%w/wの範囲、より好ましくは40~70%w/wの範囲、なおもより好ましくは40~60%w/wの範囲、最も好ましくは50~60%w/wの範囲の乾物含有量を有する。
【0087】
本発明の混合物は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する。本発明の一実施形態では、混合物は、少なくとも16%w/w、好ましくは少なくとも18%w/w、より好ましくは少なくとも18%w/w、なおもより好ましくは少なくとも20%w/w、最も好ましくは少なくとも21%w/wのタンパク質含有量を有する。
【0088】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、混合物総重量を基準にして8~20%w/wの範囲の酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、好ましくは混合物の総重量を基準にして9~18%w/wの範囲、10~16%w/wの範囲又は12~14%w/wの範囲を構成し得る。
【0089】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、混合物の総重量を基準にして8~20%w/wの範囲、好ましくは乳製品ベースの製品の総重量を基準にして9~18%w/wの範囲、より好ましくは10~16%w/wの範囲、最も好ましくは12~14%w/wの範囲を構成し得る。
【0090】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、混合物のタンパク質含有量に寄与する。本発明の一実施形態では、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、混合物中の総タンパク質の少なくとも40%w/w、好ましくは混合物中の総タンパク質の少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも55%w/w、なおもより好ましくは少なくとも60%w/w又は少なくとも65%w/wを構成する。
【0091】
本発明の一実施形態では、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、混合物中の総タンパク質の40~70%w/wの範囲を構成する。酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、混合物中の総タンパク質の45~68%w/wの範囲、混合物中の総タンパク質の50~68%w/wの範囲、55~68%w/wの範囲又は60~68%w/wの範囲を構成し得る。
【0092】
本発明の一実施形態では、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、混合物の総重量を基準にして少なくとも10%w/w、好ましくは混合物の総重量を基準にして少なくとも12%w/w又は混合物の総重量を基準にして少なくとも14%w/wを構成し得る。酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、混合物の総重量を基準にして10~20%w/wの範囲、好ましくは12~18%w/wの範囲又はより好ましくは14~16%w/wの範囲を構成し得る。
【0093】
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体を提供する供給源は、好ましくは、混合物の総タンパク質含有量の50~95%w/w、より好ましくは混合物の総タンパク質含有量の60~90%w/w、より好ましくは70~88%w/w、最も好ましくは75~86%w/wに寄与する。
【0094】
混合物の乾物含有量を基準にして、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、少なくとも15%w/w、好ましくは18~16%w/wの範囲又はより好ましくは20~24%w/wの範囲を構成し得る。酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、混合物の乾物含有量を基準にして15~30%w/wの範囲、好ましくは18~16%w/wの範囲又はより好ましくは20~24%w/wの範囲を構成し得る。
【0095】
好ましい実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量と、40~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0096】
好ましい実施形態では、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量と、45~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0097】
好ましい実施形態では、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量と、50~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0098】
好ましい実施形態では、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量と、55~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0099】
方法は、低温環境で実行され得る。これは、加工中に微生物の繁殖に実質的に寄与しない。本発明の一実施形態では、乳製品ベースの製品を製造する間、温度は、20℃未満に保たれる。好ましくは、乳製品ベースの製品は、本発明の方法に従い、15℃未満の温度又はより好ましくは10℃未満の温度で製造される。一実施形態では、方法は、0~20℃の範囲、好ましくは0~15℃の範囲、より好ましくは5~15℃の範囲の温度又はなおもより好ましくは約10℃の温度で実施される。
【0100】
好ましい実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量と、40~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0101】
好ましい実施形態では、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量と、45~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0102】
好ましい実施形態では、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量と、50~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0103】
好ましい実施形態では、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量と、55~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0104】
本発明の好ましい実施形態では、この方法は、低温環境で実行され、温度は、20℃を超えて上昇しない。これにより、乳製品ベースの製品の製造中、乳酸菌などのプロバイオティクス微生物を確実に増殖させることができる。ステップa)で得られた混合物は、20℃未満の温度、好ましくは15℃未満の温度、より好ましくは10℃未満の温度又はなおもより好ましくは5℃未満の温度に冷却され得る。一実施形態では、得られた混合物は、0~20℃の範囲、好ましくは0~15℃の範囲、より好ましくは0~10℃の範囲の温度又はなおもより好ましくは5℃の温度に冷却される。
【0105】
しかし、望まれない微生物(例えば、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、サルモネラ属(Salmonella)、カンピロバクター属(Campylobacter)、クロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)、大腸菌(Escherichia coli))が、得られた混合物中にプロバイオティクス細菌と共に存在する場合、混合物を加熱して微生物の数を低減し得る。本発明の一実施形態では、混合物は、少なくとも部分的な微生物の減少を得るのに十分な時間にわたり、少なくとも70℃の温度に加熱される。好ましい実施形態では、混合物は、生存大腸菌(Escherichia coli)の少なくとも5log10の減少を得るのに十分な時間、好ましくは少なくとも15秒間にわたり、少なくとも72℃の温度に加熱される。加熱後、ステップa)で得られた混合物は、20℃未満の温度、好ましくは15℃未満の温度、より好ましくは10℃未満の温度又はなおもより好ましくは5℃未満の温度に冷却され得る。一実施形態では、混合物は、0~20℃の範囲、好ましくは0~15℃の範囲、より好ましくは0~10℃の範囲の温度又はなおもより好ましくは5℃の温度に冷却され得る。
【0106】
本発明の一実施形態では、本発明は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られる混合物であり、さらなる成分は、脂肪、炭水化物、ビタミン、甘味料、炭水化物ベースの安定剤及びそれらの混合物から選択され得る、方法に関する。
【0107】
一実施形態では、さらなる成分は、動物性脂肪又は植物性脂肪から選択される脂肪である。さらなる成分は、乳脂肪などの1つ又は複数の動物性脂肪を含み得る。乳脂肪は、クリーム、酸性化クリーム及び/又はバターに由来し得る。植物性脂肪は、トウモロコシ油、ゴマ油、大豆油、大豆種子油、亜麻仁油、ブドウ種子油、ナタネ油、オリーブ油、ラッカセイ油、ヒマワリ油、紅花油及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。代わりに、食品成分が1つ又は複数の植物性脂肪を含み得る場合、脂肪は、パーム脂肪、パーム核脂肪及び椰子脂肪並びにそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0108】
好ましい実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量と、40~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0109】
好ましい実施形態では、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量と、45~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0110】
好ましい実施形態では、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量と、50~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0111】
好ましい実施形態では、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量と、55~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0112】
本発明の一実施形態では、さらなる成分は、炭水化物であり得る。炭水化物は、例えば、二糖及び/又は単糖を含み得る。炭水化物は、通常、スクロース、マルトース、ラクトース、デキストロース、グルコース、フルクトース、ガラクトース又はそれらの組み合わせを含むか又はさらにそれからなる。スクロースが好ましい二糖である。
【0113】
好ましい実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量と、40~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0114】
好ましい実施形態では、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量と、45~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0115】
好ましい実施形態では、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量と、50~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0116】
好ましい実施形態では、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量と、55~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、混合物を得ること;
b)混合物を成形及び/又は包装して乳製品ベースの製品を得ること
を含み、混合物のpHは、例えば、混合物のpHを調整することにより、3.5~6.0の範囲であり、方法は、5~15℃の範囲の温度で実行される、方法に関する。
【0117】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、0.5~15%w/wの範囲、好ましくは1~10%w/wの範囲又は1~9%w/wの範囲の炭水化物総量を含む。例えば、乳製品ベースの製品は、6~9%w/wの範囲の炭水化物を含み得る。
【0118】
乳製品ベースの製品は、食物繊維をさらに含み得る。食物繊維は、高タンパク質乳製品の粘度に寄与しないことが好ましい。本発明の好ましい実施形態では、食物繊維は、フルクトースオリゴ糖及び/又はガラクトースオリゴ糖から選択される。好ましくは、イヌリンは、乳製品ベースの製品中のプレバイオティックとして使用される。
【0119】
好ましい実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量と、40~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0120】
好ましい実施形態では、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量と、45~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0121】
好ましい実施形態では、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量と、50~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0122】
好ましい実施形態では、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量と、55~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0123】
本発明のいくつかの実施形態では、さらなる成分は、炭水化物ベースの安定剤であり得る。好ましい実施形態では、炭水化物ベースの安定剤は、親水コロイドである。炭水化物ベースの安定剤は、キサンタン、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラビアガム、アルギン酸塩、ペクチン、カラゲニン、ゼラチン、ジェラン及び寒天の群から選択され得る。
【0124】
さらなる成分は、さらに、非炭水化物の天然又は人工甘味料の1つ又は複数であり得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、さらなる成分は、糖類でない1つ又は複数の天然甘味剤から選択され得る。これらの天然甘味料は、単独で又は記載されるような炭水化物甘味料との併用のいずれかで第2の甘味料の成分として提供され得る。天然非炭水化物甘味料は、例えば、ラカンカ(Momordica grosvenorii)(モグロシドIV又はV)抽出物、ルイボス抽出物、ハニーブッシュ抽出物、ステビア抽出物、レバウジオシドA、タウマチン、ブラゼイン、グリシルリジン酸及びその塩、クルクリン、モネリン、フィロズルチン、ルブソシド、マビンリン、ズルコシドA、ズルコシドB、シアメノシド、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリドジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、シクロカリオシドI、エリスリトール、イソマルツロース及び/又は天然ポリオールなどマルチトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール、トレイトール、ガラクチトール並びにそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0126】
使用される場合、天然甘味料の総量は、典型的には、例えば1~10%w/wの範囲など、0.5~10%w/wの範囲である。代わりに、天然甘味料の総量の範囲は、5~10%w/wであり得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、さらなる成分は、1つ又は複数の人工甘味料であり得る。これらの人工甘味料は、単独で又は上で定義されるような他の甘味料との併用のいずれかで第1の甘味料の成分として提供され得る。人工非炭水化物甘味料は、例えば、アスパルテーム、シクラメート、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、サッカリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ステビア抽出物、レバウジオシドA、タウマチン、ブラゼイン、グリシルリジン酸及びその塩、クルクリン、モネリン、フィロズルチン、ルブソシド、マビンリン、ズルコシドA、ズルコシドB、シアメノシド、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)並びにそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0128】
使用される場合、人工甘味料の総量は、典型的には、0.1~0.5%w/wの範囲など、0.1~1%w/wの範囲である。代わりに、人工甘味料の総量の範囲は、0.2~0.5%w/wであり得る。
【0129】
本発明のいくつかの実施形態では、甘味料は、1つ又は複数の高強度甘味料(HIS)を含むか又はさらにそれからなることが特に好ましい。HISは、天然及び人工甘味料の両方に見られ、典型的にスクロースの少なくとも10倍の甘味強度を有する。有用なHISの非限定的例は、アスパルテーム、シクラメート、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、サッカリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン及びそれらの組み合わせである。
【0130】
本発明に関連して、「高甘味度甘味料」という用語は、スクロースによって提供される甘味強度の少なくとも10倍である1g当たりの甘味強度(25℃の水中で試験)を提供する甘味料に関する。
【0131】
使用される場合、HISの総量は、典型的には、0.01~2%w/wの範囲である。例えば、HISの総量の範囲は、0.05~1.5%w/wであり得る。代わりに、HISの総量の範囲は、0.1~1.0%w/wであり得る。
【0132】
甘味料が1つ又は複数のポリオール甘味料を含むか又はさらにそれからなることがさらに好ましいこともある。有用なポリオール甘味料の非限定的例は、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール、トレイトール、ガラクチトール又はそれらの組み合わせである。
【0133】
使用される場合、ポリオール甘味料の総量は、典型的には、1~20%w/wの範囲である。例えば、ポリオール甘味料の総量の範囲は、2~15%w/wであり得る。代わりに、ポリオール甘味料の総量の範囲は、4~10%w/wであり得る。
【0134】
本発明の好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、非炭水化物天然又は人工甘味料を含まない。
【0135】
さらなる成分は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、コリン、ビタミンB8、それらの塩、それらの誘導体及びそれらの組み合わせなどの1つ又は複数のビタミンからさらに選択され得る。
【0136】
1つ又は複数のビタミンの含有量は、例えば、乳製品ベースの製品の重量を基準として0.01~1%w/wの範囲、好ましくは0.1~0.5%w/wの範囲であり得る。
【0137】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ビタミンは、ビタミンDを含むか又はさらに本質的にそれからなる。
【0138】
いくつかの好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、0.5~2.5マイクログラム/100mlの範囲内の量のビタミンDを含み、より好ましくは、乳製品ベースの製品は、1.0~1.5マイクログラム/100mlの範囲内の量のビタミンDを含む。なおもより好ましくは、乳製品ベースの製品は、1.1~1.3マイクログラム/100mlの範囲内の量のビタミンDを含み、より好ましくは、乳製品ベースの製品は、1.15~1.25マイクログラム/100mlの範囲内の量のビタミンDを含む。好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、1.2マイクログラム/100mlの量のビタミンDを含む。
【0139】
本発明のいくつかの実施形態では、乳製品ベースの製品は、ビタミンDとビタミンKとの両方を含む。
【0140】
本発明の一実施形態では、さらなる成分は、乳製品であり、乳製品ベースの製品は、乳製品成分のみを含む。これは、一部の消費者により、よりクリーンな製品として認識され得、ラベルの成分も認識しやすいため、評価され得る。
【0141】
好ましい実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量と、40~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる乳製品ベースの成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0142】
好ましい実施形態では、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量と、45~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる乳製品ベースの成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0143】
好ましい実施形態では、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量と、50~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる乳製品ベースの成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0144】
好ましい実施形態では、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量と、55~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる乳製品ベースの成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0145】
一実施形態では、本発明は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0146】
本発明の好ましい実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)から得られた混合物である。混合物は、例えば、成形及び/又は包装によってさらに加工されるまで、例えばバルクで低温において保存され得る。
【0147】
いくつかの好ましい実施形態では、ステップa)の下で得られた混合物は、成形される前に、0~10℃の温度で1~24時間の期間にわたって保存される。より好ましい実施形態では、混合物は、0~5℃の温度で1~24時間の期間又はより好ましくは0~5℃の温度で5~16時間の期間にわたって保存される。
【0148】
本発明の好ましい実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップb)から得られた混合物である。ステップa)の下で得られた混合物は、特定の構成を形成するように成形され得、例えば、混合物は、バー又は一口サイズの断片の形態に成形されて、高タンパク質乳製品ベースの製品を形成し得る。混合物は、押し出し、成形又は容器内への充填によって成形され得る。押し出しが少なくとも高タンパク質乳製品ベースの製品の成形に関与していることが好ましく、押し出しは、好ましくは、切断操作と組み合わされて、高タンパク質乳製品ベースの製品を適切な長さのバー又は一口サイズの断片として提供する。
【0149】
乳製品ベースの製品は、任意の適切なパッケージ又は容器内にさらに包装され得る。
【0150】
乳製品ベースの製品は、最終的にパッケージ又は容器内に包装され、パッケージ/容器内で5℃に冷却される。それ以降、容器は、5℃で最大3ヶ月間保存され得る。
【0151】
好ましい実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量と、40~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)混合物を成形してバーを形成し、任意選択的に包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0152】
好ましい実施形態では、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量と、45~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)混合物を成形してバーを形成し、任意選択的に包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0153】
好ましい実施形態では、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量と、50~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)混合物を成形してバーを形成し、任意選択的に包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0154】
好ましい実施形態では、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量と、55~60%w/wの範囲の乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク又はクリームチーズと、少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分とを組み合わせて、例えば混合物のpHを調整することにより、pHが3.5~6.0の範囲である混合物を得ること;
b)混合物を成形してバーを形成し、任意選択的に包装すること
を含み、5~15℃の範囲の温度で実行され、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法に関する。
【0155】
別の態様では、本発明は、本発明の方法によって入手可能な高タンパク質乳製品ベースの製品であって、好ましくは、実施例1.2の分析で測定した場合、乳製品ベースの製品のテクスチャーは、少なくとも20.000g・秒である、高タンパク質乳製品ベースの製品に関する。
【0156】
乳製品ベースの製品は、高いタンパク質含有量を有し、プロバイオティク細菌及び/又はプレバイオティクスを含み得、長い貯蔵寿命を有し、心地よい味を有する。
【0157】
本発明の一実施形態では、乳製品ベースの製品のテクスチャーは、実施例1.2の分析で測定した場合、少なくとも20.000g・秒である。本発明のさらなる実施形態では、乳製品ベースの製品のテクスチャーは、少なくとも25.000g・秒、好ましくは少なくとも30.000g・秒、より好ましくは少なくとも35.000g・秒、なおもより好ましくは少なくとも35.000g・秒又は最も好ましい少なくとも40.000g・秒である。
【0158】
本発明の一実施形態では、乳製品ベースの製品テクスチャーは、実施例1.2の分析で測定した場合、20.000~60.000g・秒の範囲、好ましくは25.000~60.000g・秒の範囲、より好ましくは30.000~60.000g・秒の範囲、なおもより好ましくは35.000~60.000g・秒の範囲又は最も好ましくは40.000~60.000g・秒の範囲であり得る。
【0159】
高タンパク質乳製品ベースの製品は、典型的には、3.5~6.0の範囲、好ましくは4.0~5.5の範囲、より好ましくは4.0~5.0の範囲、最も好ましくは4.2~4.5の範囲のpHを有する。
【0160】
本発明の乳製品ベースの製品は、健康な腸内細菌叢の維持の対するその寄与が認められ得る生存乳酸菌などのプロバイオティクス細菌を含み得る。製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万の生存乳酸菌、好ましくは製品1グラム当たり少なくとも300万の生存乳酸菌を含み得る。乳酸菌は、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)及びラクトバチルス・デルブレッキイ・ブルガリクス亜株(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)から選択され得る。
【0161】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能であり、少なくとも20.000g・秒のテクスチャーを有する高タンパク質乳製品ベースの製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存乳酸菌を含む。
【0162】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能であり、少なくとも30.000g・秒のテクスチャーを有する高タンパク質乳製品ベースの製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存酸菌を含む。
【0163】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能であり、少なくとも40.000g・秒のテクスチャーを有する高タンパク質乳製品ベースの製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存乳酸菌を含む。
【0164】
乳製品ベースの製品は、高いタンパク質含有量を有し、したがって例えばスポーツマンの筋肉を維持若しくは構築するか、又は菜食主義者若しくは厳格菜食主義者の食餌に追加的なタンパク質を補給するためにタンパク質を必要とする人々にとって優れたタンパク質源になる。乳製品ベースの製品のタンパク質含有量は、少なくとも18エネルギー%(E%、乳製品のエネルギーの18%がタンパク質に由来する)で栄養価に寄与し得る。好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品のタンパク質含有量は、少なくとも20E%、より好ましくは少なくとも23E%、さらにより好ましくは少なくとも28E%、最も好ましくは少なくとも30E%で栄養価に寄与し得る。
【0165】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能であり、少なくとも20.000g・秒のテクスチャーを有する高タンパク質乳製品ベースの製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存可能な乳酸菌を含み、乳製品ベースの製品のタンパク質含有量は、少なくとも18E%で栄養価に寄与し得る。
【0166】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能であり、少なくとも30.000g・秒のテクスチャーを有する高タンパク質乳製品ベースの製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存可能な乳酸菌を含み、乳製品ベースの製品のタンパク質含有量は、少なくとも20E%で栄養価に寄与し得る。
【0167】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能であり、少なくとも40.000g・秒のテクスチャーを有する高タンパク質乳製品ベースの製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存可能な乳酸菌を含み、乳製品ベースの製品のタンパク質含有量は、少なくとも23E%で栄養価に寄与し得る。
【0168】
乳製品ベースの製品の栄養価は、20~40E%のタンパク質、30~45E%の脂肪、25~35E%の炭水化物の範囲であり得る。本発明の好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品の栄養価は、28~35E%のタンパク質、30~40E%の脂肪及び28~35E%の炭水化物の範囲であり得る。
【0169】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能であり、少なくとも20.000g・秒のテクスチャーを有する高タンパク質乳製品ベースの製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存乳酸菌を含み、28~35E%のタンパク質、30~40E%の脂肪及び28~35E%の炭水化物など、20~40E%タンパク質、30~45E%の脂肪及び25~35E%の炭水化物の栄養価分布を有する。
【0170】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能であり、少なくとも30.000g・秒のテクスチャーを有する高タンパク質乳製品ベースの製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存乳酸菌を含み、28~35E%のタンパク質、30~40E%の脂肪及び28~35E%の炭水化物など、20~30E%タンパク質、30~45E%の脂肪及び25~35E%の炭水化物の栄養価分布を有する。
【0171】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能であり、少なくとも40.000g・秒のテクスチャーを有する高タンパク質乳製品ベースの製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存乳酸菌を含み、28~35E%のタンパク質、30~40E%の脂肪及び28~35E%の炭水化物など、20~40E%タンパク質、30~45E%の脂肪及び25~25E%の炭水化物の栄養価分布を有する。
【0172】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能な高タンパク質乳製品ベースの製品は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量及び40~60%w/wの範囲の乾物含有量並びに少なくとも20.000g・s秒のテクスチャーを有し、製品は、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存乳酸菌を含み、28~35E%のタンパク質、30~40E%の脂肪及び28~35E%の炭水化物など、20~40E%のタンパク質、30~45E%の脂肪及び25~35E%の炭水化物の栄養価分布を有する。
【0173】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能な高タンパク質乳製品ベースの製品は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量及び45~60%w/wの範囲の乾物含有量並びに少なくとも30.000g・s秒のテクスチャーを有し、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存乳酸菌を含み、28~35E%のタンパク質、30~40E%の脂肪及び28~35E%の炭水化物など、20~40E%のタンパク質、30~45E%の脂肪及び25~35E%の炭水化物の栄養価分布を有する。
【0174】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法によって入手可能な高タンパク質乳製品ベースの製品は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量及び50~60%w/wの範囲の乾物含有量並びに少なくとも40.000g・s秒のテクスチャーを有し、製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存乳酸菌を含み、28~35E%のタンパク質、30~40E%の脂肪及び28~35E%の炭水化物など、20~40E%のタンパク質、30~45E%の脂肪及び25~35E%の炭水化物の栄養価分布を有する。
【0175】
好ましい実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量、40~60%w/wの範囲の乾物含有量、3.5~6.0のpHを有し、ギリシャヨーグルト及び少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン並びに任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を含む、高タンパク質乳製品ベースの製品に関する。
【0176】
好ましい実施形態では、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量、45~60%w/wの範囲の乾物含有量、3.5~6.0のpHを有し、ギリシャヨーグルト及び少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン並びに任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を含む、高タンパク質乳製品ベースの製品に関する。
【0177】
好ましい実施形態では、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量、50~60%w/wの範囲の乾物含有量、3.5~6.0のpHを有し、ギリシャヨーグルト及び少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン並びに任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を含む、高タンパク質乳製品ベースの製品に関する。
【0178】
好ましい実施形態では、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量、55~60%w/wの範囲の乾物含有量、3.5~6.0のpHを有し、ギリシャヨーグルト及び少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン並びに任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を含む、高タンパク質乳製品ベースの製品に関する。
【0179】
高タンパク質乳製品ベースの製品は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量を有する製品である。本発明の一実施形態では、本発明の高タンパク質乳製品ベースの製品は、少なくとも18%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも50%w/wの乾物含有量、少なくとも20%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも55%w/wの乾物含有量又は少なくとも21%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも50%w/wの乾物含有量など、少なくとも16%w/wのタンパク質含有量及び少なくとも45%w/wの乾物含有量を有する。
【0180】
高タンパク質乳製品ベースの製品は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量を有し得る。好ましくは、高タンパク質乳製品ベースの製品は、16~36%w/wの範囲、より好ましくは18~34%w/wの範囲、なおもより好ましくは20~30%w/wの範囲、最も好ましくは21~28%w/wの範囲のタンパク質含有量を有する。
【0181】
高タンパク質乳製品ベースの製品の乾物含有量は、少なくとも45%w/w、好ましくは少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも55%w/wであり得る。本発明の一実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、40~60%w/wの範囲、好ましくは45~60%w/wの範囲、より好ましくは50~60%w/wの範囲又は55~60%w/wの範囲の乾物含有量を有する。
【0182】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、40~75%w/wの範囲、より好ましくは40~70%w/wの範囲、なおもより好ましくは40~60%w/wの範囲、最も好ましくは50~60%w/wの範囲の乾物含有量を有する。
【0183】
本発明の高タンパク質乳製品ベースの製品は、少なくとも14%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する。高タンパク質乳製品ベースの製品の高タンパク質含有量は、製品が消費者に大量のタンパク質を確実に供給することを保証する。本発明の一実施形態では、乳製品ベースの製品は、少なくとも16%w/w、好ましくは少なくとも18%w/w、より好ましくは少なくとも18%w/w、なおもより好ましくは少なくとも20%w/w、最も好ましくは少なくとも21%w/wのタンパク質含有量を有する。
【0184】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、脂肪をさらに含む。脂肪は、好ましく動物性脂肪又は植物性脂肪から選択される。高タンパク質乳製品ベースの製品は、乳脂肪などの1つ又は複数の動物性脂肪を含み得る。乳脂肪は、クリーム、酸性化クリーム及び/又はバターに由来し得る。植物性脂肪は、トウモロコシ油、ゴマ油、大豆油、大豆種子油、亜麻仁油、ブドウ種子油、ナタネ油、オリーブ油、ラッカセイ油、ヒマワリ油、紅花油及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。代わりに、食品成分が、1つ又は複数の植物性脂肪を含み得る場合、脂肪は、パーム脂肪、パーム核脂肪及び椰子脂肪並びにそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0185】
高タンパク質乳製品ベースの製品は、0.1~30%w/wの範囲、より好ましくは0.5~12%w/wの範囲、なおもより好ましくは1~10%w/wの範囲、最も好ましくは2~5%w/wの範囲のタンパク質含有量を有する。他の実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、20~30%w/wの範囲、好ましくは22~28%w/wの範囲、最も好ましくは24~26%w/wの範囲の脂肪含有量を有する。
【0186】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、炭水化物をさらに含む。炭水化物は、例えば、二糖及び/又は単糖を含み得る。炭水化物は、通常、スクロース、マルトース、ラクトース、デキストロース、グルコース、フルクトース、ガラクトース又はそれらの組み合わせを含むか又はさらにそれからなる。スクロースが好ましい二糖である。
【0187】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、0.5~15%w/wの範囲、好ましくは1~10%w/wの範囲又は1~9%w/wの範囲の炭水化物総量を含む。例えば、乳製品ベースの製品は、6~9%w/wの範囲の炭水化物を含み得る。
【0188】
高タンパク質乳製品ベースの製品は、食物繊維をさらに含み得る。物繊維は、高タンパク質乳製品の粘度に寄与しないことが好ましい。本発明の好ましい実施形態では、食物繊維は、フルクトースオリゴ糖及び/又はガラクトースオリゴ糖から選択される。好ましくは、イヌリンは、乳製品ベースの製品中のプレバイオティックとして使用される。
【0189】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、炭水化物ベースの安定剤を含む。好ましい実施形態では、炭水化物ベースの安定剤は、親水コロイドである。炭水化物ベースの安定剤は、キサンタン、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラビアガム、アルギン酸塩、ペクチン、カラゲニン、ゼラチン、ジェラン及び寒天の群から選択され得る。しかし、本発明の他の好ましい実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、炭水化物ベースの安定剤を含まない。
【0190】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、非炭水化物の天然又は人工甘味料の1つ又は複数を含む。
【0191】
例えば、高タンパク質乳製品ベースの製品は、糖類でない1つ又は複数の天然甘味料を含み得る。これらの天然甘味料は、単独で又は記載されるような炭水化物甘味料との併用のいずれかで第2の甘味料の成分として提供され得る。天然非炭水化物甘味料は、例えば、ラカンカ(Momordica grosvenorii)(モグロシドIV又はV)抽出物、ルイボス抽出物、ハニーブッシュ抽出物、ステビア抽出物、レバウジオシドA、タウマチン、ブラゼイン、グリシルリジン酸及びその塩、クルクリン、モネリン、フィロズルチン、ルブソシド、マビンリン、ズルコシドA、ズルコシドB、シアメノシド、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリドジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、シクロカリオシドI、エリスリトール、イソマルツロース及び/又は天然ポリオールなどマルチトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール、トレイトール、ガラクチトール並びにそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0192】
使用される場合、高タンパク質乳製品ベースの製品の天然甘味料の総量は、典型的には、例えば1~10%w/wの範囲など、0.5~10%w/wの範囲である。代わりに、天然甘味料の総量の範囲は、5~10%w/wであり得る。
【0193】
代わりに又は加えて、高タンパク質乳製品ベースの製品は、1つ又は複数の人工的甘味料を含み得る。これらの人工甘味料は、単独で又は上で定義されるような他の甘味料との併用のいずれかで第1の甘味料の成分として提供され得る。人工非炭水化物甘味料は、例えば、アスパルテーム、シクラメート、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、サッカリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ステビア抽出物、レバウジオシドA、タウマチン、ブラゼイン、グリシルリジン酸及びその塩、クルクリン、モネリン、フィロズルチン、ルブソシド、マビンリン、ズルコシドA、ズルコシドB、シアメノシド、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)並びにそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0194】
使用される場合、高タンパク質乳製品ベースの製品の人工甘味料の総量は、典型的には、0.1~0.5%w/wの範囲など、0.1~1%w/wの範囲である。代わりに、人工甘味料の総量の範囲は、0.2~0.5%w/wであり得る。
【0195】
本発明のいくつかの実施形態では、甘味料は、1つ又は複数の高強度甘味料(HIS)を含むか又はさらにそれからなることが特に好ましい。HISは、天然及び人工甘味料の両方に見られ、典型的にスクロースの少なくとも10倍の甘味強度を有する。有用なHISの非限定的例は、アスパルテーム、シクラメート、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、サッカリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン及びそれらの組み合わせである。
【0196】
本発明に関連して、「高甘味度甘味料」という用語は、スクロースによって提供される甘味強度の少なくとも10倍である1g当たりの甘味強度(25℃の水中で試験)を提供する甘味料に関する。
【0197】
使用される場合、高タンパク質乳製品ベースの製品のHISの総量は、典型的には、0.01~2%w/wの範囲である。例えば、HISの総量の範囲は、0.05~1.5%w/wであり得る。代わりに、HISの総量の範囲は、0.1~1.0%w/wであり得る。
【0198】
甘味料が1つ又は複数のポリオール甘味料を含むか又はさらにそれからなることがさらに好ましいこともある。有用なポリオール甘味料の非限定的例は、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール、トレイトール、ガラクチトール又はそれらの組み合わせである。
【0199】
使用される場合、高タンパク質乳製品ベースの製品のポリオール甘味料の総量は、典型的には、1~20%w/wの範囲である。例えば、ポリオール甘味料の総量の範囲は、2~15%w/wであり得る。代わりに、ポリオール甘味料の総量の範囲は、4~10%w/wであり得る。
【0200】
本発明の好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、非炭水化物天然又は人工甘味料を含まない。
【0201】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、高タンパク質乳製品ベースの製品は、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、コリン、ビタミンB8、それらの塩、それらの誘導体及びそれらの組み合わせなど、1つ又は複数のビタミンをさらに含む。
【0202】
高タンパク質乳製品ベースの製品の1つ又は複数のビタミンの含有量は、例えば、乳製品ベースの製品の重量を基準として0.01~1%w/wの範囲、好ましくは0.1~0.5%w/wの範囲であり得る。
【0203】
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ビタミンは、ビタミンDを含むか又はさらに本質的にそれからなる。
【0204】
いくつかの好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、0.5~2.5マイクログラム/100mlの範囲内の量のビタミンDを含み、より好ましくは、乳製品ベースの製品は、1.0~1.5マイクログラム/100mlの範囲内の量のビタミンDを含む。なおもより好ましくは、乳製品ベースの製品は、1.1~1.3マイクログラム/100mlの範囲内の量のビタミンDを含み、より好ましくは、乳製品ベースの製品は、1.15~1.25マイクログラム/100mlの範囲内の量のビタミンDを含む。好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、1.2マイクログラム/100mlの量のビタミンDを含む。
【0205】
本発明のいくつかの実施形態では、乳製品ベースの製品は、ビタミンDとビタミンKとの両方を含む。
【0206】
高タンパク質乳製品ベースの製品は、任意の形状に成形され、少なくとも1つの追加的な成分と組み合わせされ得る。好ましくは、乳製品ベースの製品は、バー又は一口サイズの断片の形態に成形される。ステップb)から得られた高タンパク質乳製品ベースの製品は、好ましくは、押し出しバーである。
【0207】
本発明の一態様では、本発明は、食品を製造するための方法であって、
a)本発明による乳製品ベースの製品を提供するステップと;
b)乳製品ベースの製品を少なくとも1つのさらなる成分と組み合わせて、食品を得るステップと;
c)任意選択的に、食品を包装するステップと
を含む方法に関する。
【0208】
食品を製造するための方法によって入手可能な食品は、乳製品ベースの製品及び少なくとも1つのさらなる成分を含む。
【0209】
好ましい実施形態では、食品は、ヨーグルトバー、一口サイズの断片、デザート、ケーキ、スポーツバー及びプロテインバーからなる群から選択され得る。
【0210】
好ましい実施形態では、本発明は、ヨーグルトバーを製造するための方法であって、
a)本発明によるバー形態の乳製品ベースの製品を提供するステップと;
b)乳製品ベースの製品を少なくとも1つのさらなる成分と組み合わせて、食品を得るステップと;
c)任意選択的に、食品を包装するステップと
を含む方法に関する。
【0211】
本発明の好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品をコーティングするためにさらなる成分が使用される。コーティングは、チョコレート、ココア、フルーツ及び/又は砂糖から選択されるベースを有し得る。コーティングの一例は、高いチョコレート含有量を有するチョコレートコーティングである。コーティングは、例えば、砂糖、植物性脂肪及びココアをベースとしたコーティングなどの低品位チョコレートコーティングでもあり得る。好ましい実施形態では、食品は、チョコレートベースのコーティングでコーティングされた乳製品ベースの製品バーである。なおもより好ましい実施形態では、食品は、チョコレートベースのコーティングでコーティングされたヨーグルトバーである。
【0212】
好ましい実施形態では、本発明は、ヨーグルトバーを製造するための方法であって、
a)本発明によるバー形態の乳製品ベースの製品を提供するステップと;
b)乳製品ベースの製品を少なくとも1つのさらなる成分と組み合わせて、食品を得るステップと;
c)任意選択的に、食品を包装するステップと
を含み、さらなる成分は、チョコレート、ココア、フルーツ及び/又は砂糖をベースとしたコーティングである、方法に関する。
【0213】
一実施形態では、さらなる成分は、乳製品ベースの製品と混合され得る。さらなる成分は、チョコレート、ココア、フルーツ及び/又は砂糖をベースとし得るか、又は成分は、ベイクド製品であり得る。
【0214】
本発明の一実施形態では、乳製品ベースの製品は、例えば、乳製品ベースの製品の1つ又は複数の表面とベイクド製品とを接触させることにより、ベイクド製品と組み合わされる。ベイクド製品は、ワッフル、クッキー、ビスケット又はペイストリーであり得る。好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、バーの形態であり、ベイクド製品の上に載せられて、乳製品ベースの製品とベイクド製品とを含むバーを形成する。より好ましい実施形態では、乳製品ベースの製品は、ベイクド製品の上に載せられて、チョコレートベースのコーティングでコーティングされたバーである。なおもより好ましいのは、ベイクド製品をベースとし、チョコレートでコーティングされたヨーグルトバーである。
【0215】
本発明による乳製品ベースの製品及び本発明による食品は、高いタンパク質の含有量を有し、タンパク質の摂取量を増加させるために使用され得る。
【0216】
好ましい実施形態では、本発明は、14~40%w/wの範囲のタンパク質含有量、40~60%w/wの範囲の乾物含有量、3.5~6.0のpHを有し、ギリシャヨーグルト及び少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン並びに任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分及びチョコレート、ココア、フルーツ及び/又は砂糖を含むコーティングを含む、高タンパク質乳製品ベースの製品のコアを有する食品に関する。
【0217】
好ましい実施形態では、本発明は、16~36%w/wの範囲のタンパク質含有量、45~60%w/wの範囲の乾物含有量、3.5~6.0のpHを有し、ギリシャヨーグルト及び少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン並びに任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分及びチョコレート、ココア、フルーツ及び/又は砂糖を含むコーティングを含む、高タンパク質乳製品ベースの製品のコアを有する食品に関する。
【0218】
好ましい実施形態では、本発明は、18~34%w/wの範囲のタンパク質含有量、50~60%w/wの範囲の乾物含有量、3.5~6.0のpHを有し、ギリシャヨーグルト及び少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン並びに任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分及びチョコレート、ココア、フルーツ及び/又は砂糖を含むコーティングを含む、高タンパク質乳製品ベースの製品のコアを有する食品に関する。
【0219】
好ましい実施形態では、本発明は、20~30%w/wの範囲のタンパク質含有量、55~60%w/wの範囲の乾物含有量、3.5~6.0のpHを有し、ギリシャヨーグルト及び少なくとも8%w/wの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体、クリーム、スクロース、イヌリン並びに任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分及びチョコレート、ココア、フルーツ及び/又は砂糖を含むコーティングを含む、高タンパク質乳製品ベースの製品のコアを有する食品に関する。
【0220】
本発明を以下の実施形態でさらに要約する。
1.少なくとも14%w/wのタンパク質含有量と、少なくとも40%w/wの乾物含有量とを有する、高タンパク質乳製品ベースの製品を調製するための方法であって、
a)酸性化された乳製品、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体及び任意選択的に少なくとも1つのさらなる成分を組み合わせて、混合物を得ること;
b)任意選択的に、混合物を成形及び/又は包装すること
を含み、高タンパク質乳製品ベースの製品は、ステップa)及び/又はステップb)から得られた混合物である、方法。
2.高タンパク質乳製品ベースの製品は、自立型である、実施形態1に記載の方法。
3.混合物は、少なくとも20.000g・秒のテクスチャーを有する、実施形態1~2のいずれかに記載の方法。
4.乳製品ベースの製品は、少なくとも16%w/w、好ましくは少なくとも18%w/w、より好ましくは少なくとも18%w/w、なおもより好ましくは少なくとも20%w/w、最も好まくは少なくとも21%w/wのタンパク質含有量を有する、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
5.乳製品ベースの製品は、少なくとも45%w/w、好ましくは少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも55%w/wの乾物含有量を有する、実施形態1~4のいずれかに記載の方法。
6.乳製品ベースの製品は、40~60%w/wの範囲、好ましくは45~60%w/wの範囲、より好ましくは50~60%w/wの範囲又は55~60%w/wの範囲の乾物含有量を有する、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
7.酸性化された乳製品は、0.5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する、実施形態1~6のいずれかに記載の方法。
8.酸性化された乳製品は、0.5~12%w/wの範囲、好ましくは1~11%w/wの範囲又は2~10%w/wの範囲の脂肪含有量を有する、実施形態7に記載の方法。
9.酸性化された乳製品は、20~30%w/wの範囲、好ましくは22~28%w/wの範囲又は24~26%w/wの範囲の脂肪含有量を有する、実施形態7に記載の方法。
10.酸性化された乳製品は、15~55%w/wの範囲の乾物含有量を有する、実施形態1~9のいずれかに記載の方法。
11.酸性化された乳製品は、15~25%w/wの範囲、好ましくは18~20%w/wの範囲の乾物含有量を有する、実施形態10に記載の方法。
12.酸性化された乳製品は、45~55%w/wの範囲、好ましくは48~52%w/wの範囲の乾物含有量を有する、実施形態10に記載の方法。
13.酸性化された乳製品は、3~20%w/wの範囲、好ましくは4~8%w/wの範囲又は9~15%w/wの範囲のタンパク質含有量を有する、実施形態1~12のいずれかに記載の方法。
14.酸性化された乳製品は、水切りヨーグルト、撹拌ヨーグルト、クリームチーズ又はそれらの混合物である、実施形態1~13のいずれかに記載の方法。
15.酸性化された乳製品は、ギリシャヨーグルト、スキール、クワルク及びクリームチーズの群から選択される、実施形態14に記載の方法。
16.酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総重量を基準にして少なくとも8%w/wを構成する、実施形態1~15のいずれかに記載の方法。
17.酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総重量を基準にして酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体の8~20%w/wの範囲、好ましくは9~18%w/wの範囲、10~16%w/wの範囲又は12~14%w/wの範囲を構成する、実施形態1~16のいずれかに記載の方法。
18.酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品中の総タンパク質の少なくとも40%w/w、好ましくは乳製品ベースの製品中の総タンパク質の少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも55%w/w、なおもより好ましくは少なくとも60%w/w又は少なくとも65%w/wを構成する、実施形態1~17のいずれかに記載の方法。
19.酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品中の総タンパク質の40~70%w/wの範囲、好ましくは45~68%w/wの範囲、50~68%w/wの範囲、55~68%w/wの範囲又は60~68%w/wの範囲を構成する、実施形態1~18のいずれかに記載の方法。
20.酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総重量を基準にして少なくとも10%w/w、好ましくは乳製品ベースの製品の総重量を基準にして少なくとも12%w/w又は乳製品ベースの製品の総重量を基準にして少なくとも14%w/wを構成する、実施形態1~19のいずれかに記載の方法。
21.酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の総重量を基準にして10~20%w/wの範囲、好ましくは12~18%w/wの範囲又はより好ましくは14~16%w/wの範囲を構成する、実施形態1~20のいずれかに記載の方法。
22.酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の乾物含有量を基準にして少なくとも15%w/w、好ましくは18~16%w/wの範囲又はより好ましくは20~24%w/wの範囲を構成する、実施形態1~21のいずれかに記載の方法。
23.酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体は、乳製品ベースの製品の乾物含有量を基準にして15~30%w/wの範囲、好ましくは18~16%w/wの範囲又はより好ましくは20~24%w/wの範囲を構成する、実施形態1~22のいずれかに記載の方法。
24.混合物のpHは、6.0未満、好ましくは5.5未満、より好ましくは5.0未満又はなおもより好ましくは4.5未満のpHに調整される、実施形態1~23のいずれかに記載の方法。
25.混合物のpHは、3.5~6.0の範囲内、好ましくは4.0~5.5の範囲、4.0~5.0の範囲又は4.2~4.5の範囲のpHを有する、実施形態1~24のいずれか一項に記載の方法。
26.方法は、20℃未満の温度、好ましくは15℃未満の温度、より好ましくは10℃未満の温度で実行される、実施形態1~25のいずれかに記載の方法。
27.方法は、0~20℃の範囲、好ましくは0~15℃の範囲、より好ましくは5~15℃の範囲の温度又はなおもより好ましくは10℃の温度で実行される、実施形態1~26のいずれかに記載の方法。
28.混合物は、例えば、生存大腸菌(Escherichia coli)の少なくとも5log10の減少を得るのに十分な時間、好ましくは少なくとも15秒間など、少なくとも部分的な微生物の減少を得るのに十分な時間にわたり、少なくとも72℃の温度などの少なくとも70℃の温度に加熱される、実施形態1~25のいずれかに記載の方法。
29.混合物は、20℃未満の温度、好ましくは15℃未満の温度、より好ましくは10℃未満の温度又はなおもより好ましくは5℃未満の温度に冷却される、実施形態1~28のいずれかに記載の方法。
30.混合物は、0~20℃の範囲の温度、好ましくは0~15℃の範囲、より好ましくは0~10℃の範囲又はなおもより好ましくは5℃の温度に冷却される、実施形態1~29のいずれかに記載の方法。
31.さらなる成分は、脂肪、炭水化物、ビタミン、甘味料、炭水化物ベースの安定剤及びそれらの混合物から選択される、実施形態1~30のいずれかに記載の方法。
32.さらなる成分は、乳製品ベースの脂肪又は植物性脂肪から選択される脂肪である、実施形態1~31のいずれかに記載の方法。
33.乳性脂肪は、クリーム、酸性化クリーム及び/又はバターの1つ又は複数から選択される、実施形態32に記載の方法。
34.植物性脂肪は、トウモロコシ油、ゴマ油、大豆油、大豆種子油、亜麻仁油、ブドウ種子油、ナタネ油、オリーブ油、ラッカセイ油、ヒマワリ油、紅花油、パーム脂肪、パーム核脂肪及びココナッツ脂肪及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態32に記載の方法。
35.さらなる成分は、単糖、二糖及び/又は多糖から選択される炭水化物である、実施形態1~34のいずれかに記載の方法。
36.炭水化物は、スクロース、マルトース、ラクトース、デキストロース、グルコース、フルクトース、ガラクトース又はそれらの組み合わせから選択される、実施形態31に記載の方法。
37.炭水化物は、食物繊維であり、好ましくはフルクトースオリゴ糖及び/又はガラクトースオリゴ糖から選択され、好ましくはイヌリンである、実施形態31に記載の方法。
38.炭水化物は、炭水化物ベースの安定剤、好ましくは親水コロイドである、実施形態31に記載の方法。
39.さらなる成分は、炭水化物甘味料又は非炭水化物甘味料から選択される甘味料である、実施形態1~38のいずれかに記載の方法。
40.さらなる成分は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミンe、リボフラビン、ピリドキシン、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、コリン、ビタミンB8、それらの塩、それらの誘導体及びそれらの組み合わせから選択されるビタミンである、実施形態1~39のいずれかに記載の方法。
41.全てのさらなる成分は、乳製品ベースの成分である、実施形態1~40のいずれかに記載の方法。
42.混合物は、0~10℃の温度で1~24時間の期間、好ましくは0~5℃の温度で1~24時間の期間又はより好ましくは0~5℃の温度で5~16時間の期間にわたって保存される、実施形態1~41のいずれかに記載の方法。
43.混合物は、押し出し、成型及び/又は容器内への充填によって成形される、実施形態1~42のいずれかに記載の方法。
44.乳製品ベースの製品は、任意の有用な包装又は容器内に包装される、実施形態1~43のいずれかに記載の方法。
45.実施形態1~44のいずれかに記載の方法によって入手可能な高タンパク質乳製品ベースの製品であって、好ましくは、組成物のテクスチャーは、少なくとも20.000g・秒である、高タンパク質乳製品ベースの製品。
46.組成物のテクスチャーは、少なくとも25.000g・秒、好ましくは少なくとも30.000g・秒、より好ましくは少なくとも35.000g・秒、なおもより好ましくは少なくとも35.000g・秒又は最も好ましくは少なくとも40.000g・秒である、実施形態45に記載の乳製品ベースの製品。
47.製乳品ベースの製品のテクスチャーは、20.000~60.000g・秒の範囲、好ましくは25.000~60.000g・秒の範囲、より好ましくは30.000~60.000g・秒の範囲、なおもより好ましくは35.000~60.000g・秒の範囲又は最も好ましくは40.000~60.000g・秒の範囲である、実施形態45~46のいずれかに記載の乳製品ベースの製品。
48.生存乳酸菌を含む、実施形態45~47のいずれかに記載の乳製品ベースの製品。
49.製品1グラム当たり少なくとも250万個の生存乳酸菌、好ましくは製品1グラム当たり少なくとも300万個の生存乳酸菌を含む、実施形態48に記載の乳製品ベースの製品。
50.乳酸菌は、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)及びラクトバチルス・デルブレッキイ・ブルガリクス亜株(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)から選択される乳酸菌を含む、実施形態48~49のいずれかに記載の乳製品ベースの製品。
51.タンパク質は、少なくとも18E%、好ましくは少なくとも20E%、より好ましくは少なくとも23E%、なおもより好ましくは少なくとも28E%、最も好ましくは少なくとも30E%で栄養価に寄与する、実施形態45~50のいずれかに記載の乳製品ベースの製品。
52.組成物の栄養価は、20~40E%タンパク質、30~45E%脂肪及び25~35E%炭水化物の範囲、好ましくは28~35E%タンパク質、30~40E%脂肪及び28~35E%炭水化物の範囲である、実施形態45~51のいずれかに記載の乳製品ベースの製品。
53.食品を製造するための方法であって、
a)実施形態45~52のいずれかに記載の乳製品ベースの製品を提供するステップと;
b)乳製品ベースの製品を少なくとも1つのさらなる成分と組み合わせて、食品を得るステップと;
c)任意選択的に、食品を包装するステップと
を含む方法。
54.乳製品ベースの製品は、好ましくは、チョコレート、ココア、フルーツ及び/又は砂糖から選択されるベースを有するコーティングで乳製品ベースの製品をコーティングすることにより、さらなる成分でコーティングされる、実施形態53に記載の方法。
55.乳製品ベースの製品は、さらなる成分と混合される、実施形態53~54のいずれかに記載の方法。
56.乳製品ベースの製品は、ベイクド製品と組み合わされる、実施形態53~55のいずれかに記載の方法。
57.実施形態43~56に記載の方法によって入手可能な食品であって、乳製品ベースの製品及び少なくとも1つのさらなる成分を含む食品。
58.ヨーグルトバー、デザート、ケーキ、スポーツバー及びプロテインバーからなる群から選択される、実施形態57に記載の食品。
59.チョコレートコーティングでコーティングされる、実施形態57~58のいずれかに記載の食品。
60.タンパク質の摂取量を増加させるための、実施形態45~52のいずれか一項に記載の高タンパク質乳製品ベースの製品又は実施形態57~59のいずれか一項に記載の食品の使用。
【実施例
【0221】
実施例
実施例1.1:酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体(agWPA)の定量:
酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体の量を、以下の手順を用いて判定する。
【0222】
手順:
1.約1.00gの粉末のサンプルをリン酸緩衝液に溶解し、1000mLを得る。サンプルが液体形態である場合、約1.00gの乾物を含有する液体サンプルをリン酸緩衝液(0.02 MNaHPO pH7.5)で1000mLに希釈する。精密な希釈係数(典型的に1000に近い)を記録する。ステップ2に進む前に溶解(又は希釈)サンプルを24時間静置する。
2.実施例1.4に記載されるように、溶解サンプルの総タンパク質量(純タンパク質)を判定する。溶解サンプルの総タンパク質量は、「X」と称される(溶解サンプルの総重量に対する総タンパク質%(w/w))。
3.100mlの溶解サンプルを62000gで30分間遠心分離する。遠心分離は、SIGMA Laborzentrifugen GmbH製の冷却遠心機3-30K及び85mL管(注文番号15076)又は類似装置を使用して、約15℃で実施する。
4.生じた上清を収集し、0.22ミクロン濾紙を通してそれを濾過し、以下のHLPC分析のHPLCカラムを損傷し得る極微量の微粒子を除去する。
5.実施例1.4で開示された手順を用いて、濾過上清の総タンパク質(純タンパク質)を判定する。濾過上清の総タンパク質量は、「Y」と称される(濾過上清の総重量に対する総タンパク質%(w/w))。
6.実施例1.2に記載される手順を用いて、天然α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン及びカゼイノマクロペプチドの量(濾過上清総重量に対する%(w/w))を定量化する。
7.酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体の相対量を計算する(原サンプルのタンパク質総量に対する酸によりゲル化可能な凝集体の%(w/w))。これは、式:
酸によりゲル化可能な凝集体の相対量=((Y-Cα-Cβ-CCMP)/X)*100%(原サンプルの総タンパク質のw/w)
を使用して行われ得る。原サンプルの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体の絶対量は、酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体の相対量にX*希釈係数を乗じることによって計算される(1gのサンプルを1000mL(=約1000g)の溶解サンプルにすると、1000の希釈率が得られる)。式は、以下のようになる。
原サンプルの酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体の絶対量=Z酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体の相対量*X*希釈係数
【0223】
実施例1.2:テクスチャーの判定
高タンパク質酸性化製品のテクスチャーは、圧縮測定によって特性解析され得る。この方法では、高タンパク質酸性化製品は、0.5mm/秒の速度で高タンパク質酸性化製品内に30mm差し込まれるテクスチャー分析器上で測定される。ほとんどの食品システムでは、テクスチャーは、温度に大きく依存し、そのため、説明した方法は、温度制御されたキャビネットから直接サンプルを取り出して実施する。測定結果は、高タンパク質酸性化製品の30mmの平均面積値として示される、g*秒(力の面積)で表される。
【0224】
より高いテクスチャーは、より緻密な物質に対応する。
【0225】
手順:
1.サンプル調製
処理中に各サンプルを5つのカップに軽く叩いて入れ、冷蔵(4℃)で2日間保存する。カップを実験室のクーラー(5℃)に入れ、1日かけてテンパリングする。
2.設定
方法の設定に記載されるように、プログラムを設定する。5kgのロードセル、プローブ及びカップホルダープレートを取り付ける。最初の測定前に力及び高さを校正し、必要に応じて、力は、最終的に2kgの重りで校正する。
3.測定
各カップを実験室クーラー(5℃)から1つずつ取り出し、プローブの下の中央にあるカップホルダーに入れる。測定を実行する。
4.洗浄
測定間にプローブを実験用ティッシュできれいに拭き取る。
結果:
測定結果は、ヨーグルト内への30mmの部分の平均面積値として示されるg*sec(力面積)で示される。95%信頼区間を計算し、結果を95%信頼区間のグラフに示す。
【0226】
材料:
この手順では、以下が必要である。
・テクスチャー分析器TA XTPlus、Stable Micro Systems
・交換可能な5KGロードセル、Stable Micro Systems。
・P/35 Aluプローブ、Stable Micro Systems
・2kgの校正分銅(手袋のみでの取り扱い)
・カップホルダープレート。
・サンプルカップの寸法65mm(高さ)×65mm(上部の直径)×55mm(下部の直径);155ml(容量)
【0227】
実施例1.3:総タンパク質の判定
サンプルの総タンパク質含有量(純タンパク質)を以下によって判定する:
1)ISO 8968-1/2|IDF 020-1/2 - ミルク - 窒素含有量の測定 - 第1/2部:ケルダール法を使用した窒素含有量の判定に準拠して、サンプルの全窒素を判定する。
2)ISO 8968-4|IDF 020-4 - ミルク - 窒素含有量の判定 - 第4部:非タンパク質窒素含有量の判定に準拠して、サンプルの非タンパク質窒素を判定する。
3)総量タンパク質を(m全窒素-m非タンパク質-窒素)*6.38として計算する。
【0228】
実施例1.4:粉末の含水量の判定
食品の含水量は、ISO 5537:2004(粉乳 - 含水量の測定(参照法))に準拠して判定する。NMKLは、「Nordisk Metodikkomite for Naeringsmidler(北欧食品委員会)」の略語である。
【0229】
実施例1.5:灰分の判定
食品の灰分は、NMKL 173:2005「灰分、食品中の重量測定」によって判定する。
【0230】
実施例1.6:溶液の全固形分の判定
溶液の全固形分は、NMKL 110第2版、2005(全固形分(水)- ミルク及び乳製品における重量判定)によって判定され得る。NMKLは、「Nordisk Metodikkomite for Naeringsmidler(北欧食品委員会)」の略語である。
【0231】
溶液の含水量は、100%から全固形分(%w/w)の相対量を差し引いて計算され得る。
【0232】
実施例1.7:ラクトースの総量の判定
ラクトースの総量は、ISO 5765-2:2002(IDF79-2:2002)「乾燥乳、乾燥アイスミックス及びプロセスチーズ - ラクトース含有量の測定 - 第2部:ラクトースのガラクトース部分を利用した酵素法」に準拠して判定する。
【0233】
実施例1.8:変性度の判定
変性ホエータンパク質組成物のタンパク質の変性度は、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE-HPLC)によって分析する。Waters 600 E Multisolvent Delivery System、Waters 700 Satellite Wisp Injector及びWaters H90 Programmable Multiwavelength Detector(米国マサチューセッツ州ミルフォードのWaters)を使用した。溶出緩衝液は、0.15MのNa2S04、0.09MのKH2P04及び0.01MのK2HP04から構成された。流速は、0.8mL/分であり、温度は、20℃であった。
【0234】
分析の24時間前に、変性ホエータンパク質組成物の懸濁液を、ナトリウムリン酸緩衝液(0.02M)を使用して調製し、0.1%(w/v)の最終的タンパク質含有量を得た。さらに、α-ラクトアルブミン(ドイツ国シュタインハイムのSigma-Aldrich Chemie GmbH)及びβ-ラクトグロブリン(Sigma-Aldrich Chemie GmbH)及びカゼイノマクロペプチドの標準溶液を1mg/mLの濃度で調製した。注入前に溶液を撹拌して濾過した(0.22ミクロン)。25μLのサンプルを注入した。吸光度を210及び280nmで記録した。全てのサンプル変性ホエータンパク質組成物及び標準物質について、総タンパク質含有量を実施例1.4に従って判定した。
【0235】
天然ホエータンパク質含有量の定量分析は、対応する標準タンパク質について得られたピーク領域をサンプルのものと比較することで実施した。その後、サンプルの総タンパク質含有量及びそれらの定量化天然タンパク質を考察することで、変性ホエータンパク質組成物の変性ホエータンパク質含有量を計算した。変性度は、(w総タンパク質-w可溶性タンパク質)/w総タンパク質*100%として計算され、式中、w総タンパク質は、総タンパク質重量であり、w可溶性タンパク質は、可溶性タンパク質重量である。
【0236】
実施例1.9:カルシウム、マグネシウム、ナトリウム及びカリウムの総量の判定。
カルシウム、マグネシウム、ナトリウム及びカリウム陽イオンの総量は、サンプルが最初に電子レンジ消化を使用して分解され、次にミネラルの総量がICP装置を使用して判定される手順で判定される。
【0237】
装置:
電子レンジは、Anton Paar製であり、ICPは、PerkinElmer Inc.製のOptima 2000DVである。
【0238】
材料:
1M HNO
2%HNO中のイットリウム
5%HNO中のカルシウム、マグネシウム、ナトリウム及びカリウムの適切な標準物質
【0239】
前処置:
一定量の粉末を量り取り、粉末を電子レンジ分解管に移し入れる。
【0240】
5mLの1M HNOを添加する。電子レンジの取扱説明書に従い、電子レンジでサンプルを分解する。
【0241】
分解された管を煙乾燥器霧に入れ、蓋を外して揮発性煙霧を蒸発させる。
【0242】
測定手順:
既知量のミリQ水を使用して、前処理サンプルをdigitubeに移し入れる。2%のHNO3中のイットリウム溶液を消化チューブに添加し(50mLの1つの希釈サンプル当たり約0.25mL)、ミリQ水を使用して既知容量に希釈する。製造業者によって記載される手順でICP上においてサンプルを分析する。
【0243】
10mLの1M HNOと、0.5mLの2%HNO中のイットリウム溶液との混合物をミリQ水で最終容積100mLに希釈して、盲検サンプルを調製する。
【0244】
予想されるサンプル濃度を囲む濃度を有する少なくとも3つの標準サンプルを調製する。
【0245】
実施例1.10:pHの判定
全てのpH値は、pHガラス電極を使用して測定し、25℃に正規化する。
【0246】
pHガラス電極(温度補償付き)は、使用前に慎重にすすぎ、校正する。
【0247】
サンプルが液体である場合、pHは、25℃の溶液中で直接測定する。
【0248】
サンプルが粉末である場合、10グラムの粉末を90mlの脱塩水に室温で激しく撹拌しながら溶解する。次に、溶液のpHを25℃で測定する。
【0249】
実施例1.11:官能評価
この官能評価は、式のグループを記述し、比較するための方法として使用される。結果は、相対的である。官能パネルは、新鮮な乳製品を評価するための訓練を受けた技術要員である。パネルは、通常、3~5人である。スケールで0~10のレベルを決定するための参照サンプルがないため、評価は、製品のタイプの平均グレードを知っている経験に基づく。
【0250】
例:配合グループにおいて相対的な口当たりが最高であるサンプルは、10点ではなく、このタイプの製品で通常であるものに従って等級付けされることが多い。
【0251】
製品は、からなる訓練された官能検査パネルによって官能的に評価され得る。製品は、以下の特性によって評価されランク付けされた。
【0252】
【表1】
【0253】
2つ以上のサンプルが評価される場合、サンプルは、評価されたパラメーターに従って比較されランク付けされる。サンプルは、評価において同等のスコアを得ることができる。
【0254】
最初の評価は、製造後1週間以内に実施され、その後、必要に応じて週に1回実施される。
【0255】
実施例1.12:コロニー形成単位数の判定
貯蔵寿命中の生存細菌の存在への関心を、食品の腐敗の中で最もよく知られている汚染微生物の不在と共に評価する。
【0256】
ブルガリア乳酸杆菌(Lactobacillus Bulgaricus)の数の判定は、ISO 7889:2003に準拠して実施し、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)の数の判定は、ISO 7889:2003に準拠して実施し、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の判定は、FVST 08:2007に準拠して実施する。
【0257】
バチルス・セレウス(Bacillus cereus)の含有量の判定は、ISO 7932:2005に準拠して実施し、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)は、NordVal 022に準拠して実施し、サルモネラ属(Salmonella)は、ISO 6785に準拠して実施し、耐熱性カンピロバクター属(Campylobacter)は、NMKL 199:2007に準拠して実施し、クロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)は、NMKL 95:2009-Mに準拠して実施し、コアグラーゼ陽性ブドウ球菌は、Eurofins Steins Laboratoriumの内部的な方法であるUM1M2に準拠して実施した。微生物種の全ての判定は、Eurofins Steins Laboratorium A/Sで実施される。
【0258】
実施例2:agWPAを含む様々なタンパク質源から乳製品ベースの製品を調製する
この実施例では、ギリシャヨーグルト10%及び様々なタンパク質源からヨーグルトバー(乳製品ベースの製品)を調製する。ギリシャヨーグルト10%及び酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体(agWPA)から乳製品ベースの製品を調製する。比較のために、ギリシャヨーグルト10%並びにMPC(乳タンパク質粉末)、WPC80(ホエータンパク質粉末、総タンパク質80%w/w)、カゼイネート及びVariolac(登録商標)836からのタンパク質源から乳製品ベースの製品を調製する。乳製品は、組成物のpH調整あり又はなしで調製する。pHは、実施例1.10に概説されるように測定する。組成物は、実施例1.11、1.12及び1.2に記載されるように、官能的、微生物的及びテクスチャーに関して評価する。
【0259】
【表2】
【0260】
乳製品ベースの製品は、ホバートミキサーのボウルに全ての材料を入れることによって調製した。成分を107RPMで1分間、198RPMで30秒間及び361RPMで30秒間混合した。ボウルを掻き取った。組成物1~4について、乳酸でpHを約4.35のpHに調整した。次に、組成物を361RPMで30秒間混合した。次に、組成物を5℃で約16時間保存した後、押し出して約50グラムの重さのバー形状の塊を形成し、引き続いてチョコレートでコーティングした。
【0261】
成分を混合した後及びpH調整後の組成物のpHを表2に示す。
【0262】
【表3】
【0263】
栄養素及びエネルギーの含有量を表3に示す。
【0264】
【表4】
【0265】
次に、実施例1.11に記載されるように、訓練を受けた4人の検査員が組成物を感覚的に評価した。表4に結果を示す。
【0266】
【表5】
【0267】
官能分析は、MPC、WPC及びカゼイネートと比較して、agWPAを含むホエー粉末を使用して組成物の最も堅固な構造が作られることを示す。これは、調整されたpH(1~4)と、調整されていないpH(5~8)との両方の組成物に当てはまる。agWPA(1)を含むホエー粉末で作られたpH調整組成物は、MPC(2)、又はWPC(3)、又はカゼイン(4)のいずれかで作られた他の全てのpH調整組成物と比較して、最も高いスプーン粘度及び口当たり並びに最も低い乾燥スコアを有する。
【0268】
組成物をテクスチャーに関して評価した。図1は、MPC、WPC及びカゼイネートと比較して、agWPAを含むホエー粉末を使用して組成物の最も堅固な構造が作られることを示す。これは、調整されたpHの組成物(1~4)で非常に優勢であるが、調整されていないpHの組成物(5~8)でも非常に明確である。
【0269】
図2は、様々な組成で同じ時間及び力をかけて、丸い手作りボールを作成する試みを示す。上の4つの組成物(1~4)は、pH調整されている。下の4つの組成物(5~8)は、pH調整されていない。pH調整された組成物(1~4)を見ると、以下が観察される。agWPA(1)を含むホエー粉末を使用すると、MPC(2)、WPC(3)及びカゼイネート(4)と比較して、はるかにより硬いボールを作り得る。組成番号1に最も近い硬さを有するのは、番号4のようであるが、それは、より脆い。pHが調整されていない組成物(5~8)を見ると、以下が観察される。崩壊する組成物は、カゼイネート(8)を使用するのと同様に、agWPA(5)を含むホエー粉末を使用して作成される。MPC(6)を使用すると、ボールを作成するのがはるかに簡単になるが、WPC(7)を使用すると、固いボールが作成されない。
【0270】
ヨーグルト組成物番号1及び番号5を、実施例1.12で説明したように微生物学に関して分析した。組成物を5℃で8日間保存した後、以下の微生物のコロニー形成単位(CFU)の数を試験した:バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、コアグラーゼ陽性スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、サルモネラ属(Salmonella)、耐熱性カンピロバクター属(Campylobacter)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・デルブレッキイ・ブルガリクス亜株(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)及びクロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)。
【0271】
全ての組成物において、データは、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、コアグラーゼ陽性スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、サルモネラ属(Salmonella)、耐熱性カンピロバクター属(Campylobacter)及びクロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)が存在しないことを示す。バチルス・セレウス(Bacillus cereus)の数は、10CFU/g未満であった。
【0272】
全ての組成物について、乳酸菌数は、以下のとおりであった。
ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus):3.000.000CFU/gを超える
ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus):10.000CFU/g未満
ラクトバチルス・デルブレッキイ・ブルガリクス亜株(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus):140.000CFU/gを超える
【0273】
実施例3:ギリシャヨーグルト2%とagWPAから乳製品ベースの製品を調製する - ヨーグルトバー
この実施例では、2%ギリシャヨーグルト及び様々なタンパク質源からヨーグルトバー(乳製品ベースの製品)を調製する。ギリシャヨーグルト10%及び酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体(agWPA)から乳製品ベースの製品を調製する。比較のために、ギリシャヨーグルト2%並びにMPC(乳タンパク質粉末)、WPC80(ホエータンパク質粉末、総タンパク質80%w/w)、カゼイネート及びVariolac(登録商標)836からのタンパク質源から乳製品ベースの製品を調製する。乳製品のpHを調整する。pHは、実施例1.11に概説されているように測定する。
【0274】
組成物は、表5に示す成分から調製する。
【0275】
【表6】
【0276】
乳製品ベースの製品は、ホバートミキサーのボウルに全ての材料を入れることによって調製する。成分を107RPMで1分間、198RPMで30秒間及び361RPMで30秒間混合する。ボウルを掻き取る。乳酸でpHを約4.35に調整する。次に、組成物を361RPMで30秒間混合する。次に、製品を5℃で約16時間保存した後、押し出して約50グラムの重さのバー形状の塊を形成し、引き続いてチョコレートでコーティングする。
【0277】
栄養素及びエネルギーの含有量を表6に示す。
【0278】
【表7】
【0279】
図3は、混合直後の組成物の外観を示す。左側:組成物1(上)及び3(下)。右側:組成物2(上)及び4(下)。図4は、5℃で3日間保存した後の組成を示す。左側:組成物1(上)及び3(下)。右側:組成物2(上)及び4(下)。写真から、組成物の成形性が顕著に異なることが分かる。
【0280】
図5は、バーとして成形された組成物を示す。左側:組成物1(上)及び3(下)。右側:組成物2(上)及び4(下)。
【0281】
実施例4:ギリシャヨーグルト2%及び8%から乳製品ベースの製品を調製する - ヨーグルトバー
この実施例では、ギリシャヨーグルト2%又はギリシャヨーグルト10%及び酸によりゲル化可能なホエータンパク質凝集体からヨーグルトバーを調製する。
【0282】
組成物は、表7に示す成分から調製する。
【0283】
【表8】
【0284】
乳製品ベースの製品は、ホバートミキサーのボウルに全ての材料を入れることによって調製した。ギリシャヨーグルトのpHは、4.5であった。成分を107RPMで1分間、198RPMで30秒間及び361RPMで30秒間混合した。ボウルを掻き取った。pHは、5.85と測定され、乳酸でpHを約4.5に調整した。次に、組成物を361RPMで30秒間混合する。次に、組成物を5℃で約16時間保存した後、押し出して約50グラムの重さのバー形状の塊を形成し、引き続いてチョコレートでコーティングした。
【0285】
栄養素及びエネルギーの含有量を表8に示す。
【0286】
【表9】
【0287】
図6は、混合を終了し、組成物を5℃で一晩保存した後、agWPAを含むホエー粉末を使用して調製された組成物4を示す。
【0288】
図7は、組成物が手動でバーに成形された同じ組成物を示す。
【0289】
図8は、手動で成形したバーを2つに切断したものを示し、表面は、きれいに均一に切断されている。
【0290】
図9は、2つのヨーグルトバーを示す。写真の左のものは、市販のヨーグルトバーであり、右のものは、agWPAを含むホエー粉末を使用して作成されたバーである。
【0291】
図10は、図6と同じバーを示すが、半分に切断した後のものである。
【0292】
図11は、図7の2つのバーの切断面を拡大したものを示す。市販のヨーグルトバーを上に配置し、agWPAを含むホエー粉末を使用して作成されたバーを下に配置する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】