(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】コーティングされたデバイスのためのレーザーアブレーション
(51)【国際特許分類】
B23K 26/351 20140101AFI20221227BHJP
B23K 26/03 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
B23K26/351
B23K26/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523838
(86)(22)【出願日】2020-08-31
(85)【翻訳文提出日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 US2020048824
(87)【国際公開番号】W WO2021042061
(87)【国際公開日】2021-03-04
(32)【優先日】2019-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522161801
【氏名又は名称】エイチゼットオー,インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャニック,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】オーウェン,ゲイリー
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD04
4E168AD18
4E168CA06
4E168CA13
4E168CB22
4E168FB03
4E168JB01
(57)【要約】
レーザーアブレーションシステムは、電子デバイス上に配置された薄膜コーティングの一部を照射しまたは昇華させるよう構成されるレーザーと、前記レーザーを制御するための制御装置と、前記電子デバイスと、照射されまたは昇華する前記薄膜コーティングの前記一部の位置とを検出するよう構成される1つ以上の光学式センサを備える光学系と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーアブレーションシステムであって、前記システムは、
電子デバイス上に配置された薄膜コーティングの一部を照射しまたは昇華させるよう構成されるレーザーと、
前記レーザーを制御するための制御装置と、
前記電子的コンポーネントと、照射されまたは昇華する前記薄膜コーティングの前記一部の位置とを検出するよう構成される1つ以上の光学式センサを備える光学系と、
を備える、レーザーアブレーションシステム。
【請求項2】
前記電子デバイスを固定し姿勢決定するよう構成されるデバイスキャリアをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光学系はさらに1つ以上の基準を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光学系はさらに1つ以上の基準を備え、前記1つ以上の基準は前記デバイスキャリア上に配置される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記光学系はさらに1つ以上の基準を備え、前記1つ以上の基準は前記1つ以上の光学式センサに内蔵される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記薄膜コーティングを備える前記電子デバイスをさらに備え、前記コーティングはパリレンである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記光学系は静止しており、前記1つ以上の光学式センサは静止している、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
制御プロセッサを備え、
前記制御プロセッサは、前記制御装置および前記光学系と通信するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上の光学式センサは自動光学検査ツールを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上の光学式センサはカメラを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上の光学式センサは、前記電子的コンポーネントの座標を検出し前記制御装置に報告するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記制御装置は前記レーザーの強度を制御するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御装置は、前記レーザーの、向き、コヒーレンス、または周波数のうち少なくとも1つを制御するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
レーザーアブレーションシステム内に1つ以上の電子デバイスを提供することであって、前記1つ以上の電子デバイスは薄膜コーティングを備える、提供することと、
1つ以上の光学式センサを備える光学系によって、前記1つ以上の電子デバイスを光学的に感知することと、
前記薄膜コーティングの一部をレーザーで照射しまたは昇華させることによって前記薄膜コーティングの前記一部をアブレーションすることと、
を備える、方法。
【請求項15】
前記方法はさらに、前記アブレーション中に、前記1つ以上の電子デバイスの上方に窒素ガスを向けることをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法はさらに、アブレーションすべき前記薄膜コーティングの前記一部をマークするための基準を用いることを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記方法はさらに、前記レーザーについて20%および80%の間の出力を利用することを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記方法はさらに、前記アブレーション中に前記1つ以上の電子デバイスを移動させ回転させることを備え、前記1つ以上の電子デバイスはデバイスキャリアによって移動させられる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記方法はさらに、前記アブレーション中に、前記レーザーのスキャンスピードおよび前記レーザーの出力を決定する部品レシピに従うことを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記薄膜コーティングはパリレン層を備え、
前記方法はさらに、前記1つ以上の電子デバイスのコンポーネントの上方の前記薄膜コーティングの前記一部を完全にアブレーションし、前記薄膜コーティングを通って露出する前記コンポーネントを残すことを備える、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2019年8月31日に出願された米国仮特許出願第62/894,692号明細書の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
[背景]
周辺条件からデバイスを保護するためにコーティングすることは、コーティングされるデバイスの種類および用いられるコーティングプロセスによって、特定の問題を提示し得る。たとえば、電子デバイスにパリレンまたはプラズマ等の薄いコーティングを適用することは、水、塵、および他の腐食性物質または有害条件からの保護を提供し得る。しかしながら、電子デバイス上の特定のコンポーネントが他のコンポーネントと同様にはコーティングできなかったり、場合によってはまったくコーティングできないという要件により、コーティングプロセスは複雑になり得る。
【0003】
いくつかのプロセスは、デバイスにコーティングが適用される前後で、コンポーネントをマスクおよびデマスクする手動および自動のプロセスを用いる。効果的であるが、既知のプロセスは、時間がかかり、デバイスに全体的な製造コストが追加される可能性がある。
【0004】
[サマリー]
本願の事項は、従来技術に応じて開発され、とくに、現在利用可能な技術によっては未だ完全には解決できていない従来のコーティング除去システムに関連する問題および不利益に応じて開発された。したがって、本願の事項は、従来技術の短所の少なくともいくつかを解消するレーザーアブレーションシステムの実施形態を提供するために開発された。
【0005】
本明細書にレーザーアブレーションシステムが開示される。前記システムは、電子デバイス上に配置された薄膜コーティングの一部を照射しまたは昇華させるよう構成されるレーザーと、前記レーザーを制御するための制御装置と、前記電子的コンポーネントと、照射されまたは昇華する前記薄膜コーティングの前記一部の位置とを検出するよう構成される1つ以上の光学式センサを含む光学系と、を備える。プラズマ源はガスを含む。本段落における前記の事項は、本開示の例1を特徴付ける。
【0006】
前記システムは、前記電子デバイスを固定し姿勢決定するよう構成されるデバイスキャリアをさらに含む。本段落における前記の事項は、本開示の例2を特徴付け、例2は上述の例1による事項も含む。
【0007】
前記光学系はさらに1つ以上の基準を含む。本段落における前記の事項は、本開示の例3を特徴付け、例3は上述の例1および2のいずれかによる事項も含む。
【0008】
前記光学系はさらに1つ以上の基準を含む。前記1つ以上の基準は前記デバイスキャリア上に配置される。本段落における前記の事項は、本開示の例4を特徴付け、例4は上述の例1~3のいずれかによる事項も含む。
【0009】
前記光学系はさらに1つ以上の基準を含み、前記1つ以上の基準は前記1つ以上の光学式センサに内蔵される。本段落における前記の事項は、本開示の例5を特徴付け、例5は上述の例1~4のいずれかによる事項も含む。
【0010】
前記システムは、前記薄膜コーティングを含む前記電子デバイスをさらに含み、前記コーティングはパリレンである。本段落における前記の事項は、本開示の例6を特徴付け、例6は上述の例1~5のいずれかによる事項も含む。
【0011】
前記光学系は静止しており、前記1つ以上の光学式センサは静止している。本段落における前記の事項は、本開示の例7を特徴付け、例7は上述の例1~6のいずれかによる事項も含む。
【0012】
前記システムは制御プロセッサを含み、前記制御プロセッサは、前記制御装置および前記光学系と通信するよう構成される。本段落における前記の事項は、本開示の例8を特徴付け、例8は上述の例1~7のいずれかによる事項も含む。
【0013】
前記1つ以上の光学式センサは自動光学検査ツールを含む。本段落における前記の事項は、本開示の例9を特徴付け、例9は上述の例1~8のいずれかによる事項も含む。
【0014】
前記1つ以上の光学式センサはカメラを含む。本段落における前記の事項は、本開示の例10を特徴付け、例10は上述の例1~9のいずれかによる事項も含む。
【0015】
前記1つ以上の光学式センサは、前記電子的コンポーネントの座標を検出し前記制御装置に報告するよう構成される。本段落における前記の事項は、本開示の例11を特徴付け、例11は上述の例1~10のいずれかによる事項も含む。
【0016】
前記制御装置は前記レーザーの強度を制御するよう構成される。本段落における前記の事項は、本開示の例12を特徴付け、例12は上述の例1~11のいずれかによる事項も含む。
【0017】
前記制御装置は、前記レーザーの、向き、コヒーレンス、または周波数のうち少なくとも1つを制御するよう構成される。本段落における前記の事項は、本開示の例13を特徴付け、例13は上述の例1~12のいずれかによる事項も含む。
【0018】
本明細書に方法が開示される。前記方法は、レーザーアブレーションシステム内に1つ以上の電子デバイスを提供することであって、前記1つ以上の電子デバイスは薄膜コーティングを含む、提供することと、1つ以上の光学式センサを含む光学系によって、前記1つ以上の電子デバイスを光学的に感知することとを含む。前記方法は、前記薄膜コーティングの一部をレーザーで照射しまたは昇華させることによって前記薄膜コーティングの前記一部をアブレーションすることを含む。本段落における前記の事項は、本開示の例14を特徴付ける。
【0019】
前記方法はさらに、前記アブレーション中に、前記1つ以上の電子デバイスの上方に窒素ガスを向けることをさらに含む。本段落における前記の事項は、本開示の例15を特徴付け、例15は上述の例14による事項も含む。
【0020】
前記方法はさらに、アブレーションすべき前記薄膜コーティングの前記一部をマークするための基準を用いることを含む。本段落における前記の事項は、本開示の例16を特徴付け、例16は上述の例14~15のいずれかによる事項も含む。
【0021】
前記方法はさらに、前記レーザーについて20%および80%の間の出力を利用することを含む。本段落における前記の事項は、本開示の例17を特徴付け、例17は上述の例14~16のいずれかによる事項も含む。
【0022】
前記方法はさらに、前記アブレーション中に前記1つ以上の電子デバイスを移動させ回転させることを含み、前記1つ以上の電子デバイスはデバイスキャリアによって移動させられる。本段落における前記の事項は、本開示の例18を特徴付け、例18は上述の例14~17のいずれかによる事項も含む。
【0023】
前記方法はさらに、前記アブレーション中に、前記レーザーのスキャンスピードおよび前記レーザーの出力を決定する部品レシピに従うことを含む。本段落における前記の事項は、本開示の例19を特徴付け、例19は上述の例14~18のいずれかによる事項も含む。
【0024】
前記薄膜コーティングはパリレン層を含み、前記方法はさらに、前記1つ以上の電子デバイスのコンポーネントの上方の前記薄膜コーティングの前記一部を完全にアブレーションし、前記薄膜コーティングを通って露出する前記コンポーネントを残すことを含む。本段落における前記の事項は、本開示の例20を特徴付け、例20は上述の例14~19のいずれかによる事項も含む。
【0025】
本開示の事項の記載される特徴、構造、利点、および/または特性は、1つ以上の実施形態および/または実装において任意の適切な態様で組み合わせることができる。以下の記載では、本開示の事項の実施形態の徹底した理解を与えるために、いくつかの具体的な詳細が提供される。本開示の事項が、特定の実施形態または実装の、具体的な特徴、詳細、コンポーネント、材料、および/または方法のうち1つ以上なしで実施できるということを、当業者は認識する。他の例では、すべての実施形態または実装には存在しない可能性がある追加の特徴および利点が、特定の実施形態および/または実装において認識され得る。さらに、いくつかの例では、本開示の事項の態様を曖昧にするのを避けるために、周知の構造、材料または動作は、詳細には図示されずまたは記載されない。本開示の事項の特徴および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、または、以下に記載される事項の実施によって学習され得る。
【0026】
本事項の利点を容易に理解できるようにするために、簡潔に上述した本事項のより具体的な記載が、添付図面に例示される特定の実施形態を参照して行われる。これらの図面は本事項の典型的な実施形態のみを示しているので、その範囲を限定するものと考えられるものではないという理解をもって、本事項は図面を用いて追加の具体性および詳細をもって記載され説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】1つ以上の実施形態によるレーザーアブレーションシステムの概略図。
【
図2】1つ以上の実施形態によるレーザーアブレーションシステムの斜視図。
【
図3】1つ以上の実施形態によるレーザーアブレーションシステムの斜視図。
【
図4】1つ以上の実施形態によるレーザーアブレーションシステム内のコンポーネントの斜視図。
【
図5】1つ以上の実施形態による
図4に示すレーザーアブレーションシステム内のコンポーネントの別の図。
【
図6】1つ以上の実施形態によるデバイスキャリアの斜視図。
【
図7】1つ以上の実施形態によるレーザーアブレーションシステムの斜視図。
【
図8】1つ以上の実施形態による
図7に示すレーザーアブレーションシステムの別の斜視図。
【
図9】1つ以上の実施形態によるレーザーアブレーションシステムの斜視図。
【
図10】1つ以上の実施形態による
図9に示すレーザーアブレーションシステムの別の斜視図。
【
図11】1つ以上の実施形態による、矩形のデバイスコンポーネント上の部分的にアブレーションされたコーティングの一実施形態の平面図。
【
図12】1つ以上の実施形態による、円形のデバイスコンポーネント上の部分的にアブレーションされたコーティングの別の実施形態の平面図。
【
図13】1つ以上の実施形態による、3次元の複雑なデバイスコンポーネント上の部分的にアブレーションされたコーティングの別の実施形態の斜視図。
【
図14】本明細書に記載され図示される1つ以上のレーザーアブレーションシステムで実装するためのコーティングアブレーション方法のフローチャート図。
【
図15】1つ以上の実施形態によるフローシステムを伴うレーザーアブレーションシステムの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本記載を通して、同様の要素を特定するために同様の参照数字が用いられる可能性がある。
【0029】
本明細書を通して、「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」または同様の文言への参照は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が、本開示の実施形態の少なくとも1つに含まれるということを意味する。本明細書を通して、「一実施形態において(in one embodiment)」、「実施形態において(in an embodiment)」という語句または同様の文言の出現は、すべて同一の実施形態を参照する可能性があるが、必ずしもそうではない。同様に、「実装」という語の使用は、本開示の実施形態の1つ以上に関連して記載される特定の特徴、構造または特性を有する実装を意味するが、しかしながら、そうでないと示す明示の相互関係がない場合には、実装は1つ以上の実施形態に関連付けられる場合がある。
【0030】
本明細書に一般的に記載され添付図面に図示される実施形態のコンポーネントは、異なる様々な構成において配置され設計され得るということが容易に理解される。したがって、図面に表されるような、以下の、様々な実施形態のより詳細な記載は、本開示の範囲を制限するようには意図されず、様々な実施形態の単なる代表として意図される。実施形態の様々な態様が図面に提示されるが、図面はとくに指示しない限り必ずしも縮尺が正確ではない。
【0031】
本発明は、その精神または本質的特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態において実施可能である。記載される実施形態は、すべての態様において、限定的ではなく例示的なものとしてのみ理解される。本発明の範囲は、したがって、この詳細な説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって指示される。特許請求の範囲の意味および均等の範囲に入るすべての変更は、その範囲に包含される。
【0032】
本明細書を通して、特徴、利点、または同様の文言への参照は、本発明において実現可能なすべての特徴および利点が、本発明の単一の実施形態にあるということを示唆しない。そうではなく、特徴および利点を参照する文言は、実施形態に関連する特定の特徴、利点または特性が、本発明の実施形態の少なくとも1つに含まれるということを意味する。このように、本明細書を通して、特徴および利点および同様の文言の議論は、同一の実施形態を参照する可能性があるが、必ずしもそうではない。
【0033】
コンピュータ可読媒体への参照は、デジタル処理装置上の、少なくとも一時的に非過渡的状態にある、機械可読命令を格納可能な任意の物理的形態を取り得る。コンピュータ可読媒体は、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、ブルーレイディスク、磁気テープ、ベルヌーイドライブ、磁気ディスク、フラッシュメモリ、集積回路、または他の任意のデジタルストレージおよび/または処理装置によって実施可能である。
【0034】
さらに、本発明の記載された特徴、利点、および特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされ得る。当業者は、本明細書の説明に照らして、本発明は、特定の実施形態の特定の特徴または利点の1つ以上がなくても実施可能であるということを認識する。他の例では、本発明のすべての実施形態に存在しない可能性がある追加の特徴および利点が、特定の実施形態において認識され得る。
【0035】
本明細書を通して、「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」または同様の文言への参照は、指示された実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が、本発明の実施形態の少なくとも1つに含まれるということを意味する。したがって、本明細書全体を通しての「一実施形態において(in one embodiment)」、「実施形態において(in an embodiment)」、及び同様の文言は、すべてが同一の実施形態を参照する可能性があるが、必ずしもそうではない。
【0036】
本明細書には様々な実施形態が記載されるが、記載された実施形態の少なくともいくつかは、敏感な電子デバイス(たとえば回路基板および同様のデバイス)上の薄膜コーティングの改善された除去を容易にする。そのようなデバイスのサイズおよび温度制約と、大抵のレーザーデバイスの典型的な動作条件とにより、薄膜コーティングのレーザーアブレーションは、コーティングされたデバイスを破損しない効果的かつ効率的なプロセスを確立するための多くの障害を提示する。
【0037】
このような種類のアブレーションタスクのためのユースケースの一例は、劣悪な環境条件からデバイスを防水するために、または他の方法で保護するために、プラズマまたはパリレンの膜でコーティングされる消費者用または業務用の電子デバイスを含む。典型的には、これらの種類のデバイス上のコンポーネントのいくつかはまったくコーティングされず、他のものはコーティングが最終組み立て前に除去される限り一時的にコーティングされ得るため、これらのデバイスをコーティングする処理は単純ではない。たとえば、音響スピーカーは、コーティング処理中にはまったくコーティングされ得ない可能性がある種類のデバイスである。別の例として、電子的接触点は、コーティング処理中にコーティングされる可能性があるが、しばしば最終製品の一部としてコーティング除去されなければならない。
【0038】
様々なコーティング要件を達成するため、1つの手法は、全体的なコーティング処理の一部として、コンポーネントをマスクおよびデマスクすることに依存する。このマスク/デマスク手法では、いくつかのデバイスコンポーネントはコーティング前にマスクされ、その後、コーティングが適用された後にデマスクされる。コンポーネントのデマスクは、マスク材料およびすべての上塗りされたコーティング材料の双方を除去し、結果として、元のコンポーネント表面を露出させる。
【0039】
マスク/デマスク手法に対して、アブレーション手法は、マスク材料の使用を先に行ってもよい。結果として、コーティングが適用される時には、それはすべてのコンポーネントに対して直接的に適用され、続いて、特定のコンポーネント表面から、アブレーション、溶融、または他の方法を用いてコーティングを除去するために、レーザーを用いて特定のコンポーネントからコーティングが除去される。しかしながら、コンポーネントは高温および/または温度の変動に対して非常に敏感なため、多くのアブレーション技術は、電子デバイスに用いられる各コーティングおよびコンポーネントの各種類に適合しない。
【0040】
これらの制約のコンテキスト内で、敏感な電子デバイスおよびコンポーネントに適合するコーティングアブレーションプロセスを実行するために、改善されたレーザーアブレーション技術が要求されている。
【0041】
図1は、レーザーアブレーションシステム100の一実施形態の概略図を示す。図示のレーザーアブレーションシステム100は、概して、デバイス102のコンポーネントから薄膜コーティングを除去するよう構成される。デバイス102は、任意の種類の、回路基板、または、水、湿気、塵、塩、および他の潜在的汚染物質を含む特定種類の環境条件に対する曝露に敏感なコンポーネント部分を有する他の電子デバイスであり得る。レーザーアブレーションシステム100は特定のコンポーネントおよび機能性とともに図示され説明されるが、レーザーアブレーションシステム100の他の実施形態は、より少ないまたはより多くの機能を実装するために、より少ないまたはより多くのコンポーネントを含んでもよい。
【0042】
図示のレーザーアブレーションシステム100は、制御プロセッサ104を含む。制御プロセッサ104は、概して、単独で、または、レーザーアブレーションシステム100内の他のシステムに統合された様々な処理サブシステムと一緒に、レーザーアブレーションシステム100の動作を制御するよう構成される。たとえば、制御プロセッサ104は、レーザーシステム112、光学系114、キャリア制御装置118、およびレーザーアブレーションシステム100の様々な実施形態に含まれる他の任意のシステム(複数可)と電子的に通信する可能性がある。
【0043】
いくつかの実施形態において、制御プロセッサ104は、また、ソフトウェア106(任意の形態のコンピュータ可読媒体に格納され、制御プロセッサ104によって実行のためにアクセス可能である)を含む。ソフトウェア106の正確な形態またはフォーマットは、本明細書に記載される機能および同様のデバイスの範囲内の関連する機能を実行可能であること以外は制約がない。とくに、ソフトウェア106は、レーザーアブレーションシステム100およびそのコンポーネントサブシステムの他の機能的記載において記載される、任意の方法、ステップ、プロセス、または機能の一部または全部を実行可能であってもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、レーザシステム112は、レーザー122および制御装置124を含む。レーザー122は、デバイスまたはコンポーネントの表面に適用された薄膜コーティングをアブレーションするために、デバイス102に、またはデバイス102の特定のコンポーネントに、向けることができる。レーザー122は、薄膜コーティングに照射され薄膜コーティングを蒸発または昇華させる、任意の種類の適合したレーザーであってもよい。潜在的に適合したレーザー122のいくつかの例は、エキシマレーザー、エキシプレックスレーザー、紫外レーザー、ガスレーザー、固体レーザー、色素レーザー、金属蒸気レーザー、化学レーザー、半導体レーザー、可変波長レーザー、連続波レーザー、パルスレーザー、および他の種類のレーザーを含むが、これらに限定されない。
【0045】
いくつかの実施形態において、レーザーシステムは制御装置124を含む。制御装置124は、レーザーの様々な態様(レーザー122の強度、レーザー122の指向性、レーザー122の平行移動、レーザー122の回転移動、レーザー122のコヒーレンシー、レーザー122の周波数、およびレーザー122の他の同様の属性を含むがこれらに限定されない)を制御するよう構成される。制御装置124は、任意の種類の適合する制御装置またはレーザードライバであってもよい。潜在的に適合する制御装置124のいくつかの例は、定電流ドライバ、パルシングドライバ、低電力ドライバ、高出力ドライバ、および同様の制御装置を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、制御装置124は、レーザーの様々な属性を個別の制御する様々なサブシステムまたはサブ回路を有してもよい。いくつかの実施形態において、制御装置124は、制御プロセッサ104と電子的に通信する。いくつかの実施形態において、制御装置124は、光学系114および/またはキャリア制御装置118と電子的に通信する。そのような通信は、光学系114またはキャリア制御装置118に対して直接的であってもよいし、制御プロセッサ104を介してもよい。
【0046】
レーザーシステム112の指向性を支援するために、レーザーアブレーションシステム100は、光学系114を含んでもよい。いくつかの実施形態において、光学系114は、デバイス座標を検出してレーザーシステム112に報告するための1つ以上の光学式センサ(カメラまたは他の光学式センサを含む)を含む。一実施形態において、光学系114は、4つの光学式センサ132を含む。このようにして、それらの光学式センサ132は、レーザーアブレーションを要する電子的コンポーネントの位置およびサイズを決定するための機能を実装してもよい。一実施形態において、追加のモーションなしで、1500基板/時に対する時間あたり数に対して、アブレーション領域内のすべてのサンプルを取得するために4つのカメラが利用された。加えて、電子的コンポーネントをより正確に位置決定するために、光学式センサ132は、制御装置124およびキャリア制御装置118とインタフェースしてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、光学系114は、自動光学検査(AOI)ツールである。自動検査により、製品フローが増加し、エラーレートが低下する可能性がある。AOIにより、カメラは自律的にデバイスをスキャンし、オフセットを決定し、レーザーシステムのために位置パラメータを決定できる。ここで、他の種類の自動光学系も考えられる。
【0048】
いくつかの実施形態において、電子デバイス102の様々なコンポーネントの測定または位置決定を支援するために、光学系114は、1つ以上の基準(fiducials)または基準マーカーを含んでもよい。基準は、電子デバイス102またはそのコンポーネントのサイズをマークするための、または、電子デバイス102のコンポーネント間の距離を測定するための、参照点として機能する対象物または物理的表現であってもよい。基準マーカーは、電子デバイス102上にあってもよく、デバイスキャリア116上にあってもよく、光学式センサ132またはレーザーアブレーションシステム100の他のコンポーネントに内蔵されてもよい。いくつかの実施形態において、コンポーネントの画像を取得するために5メガピクセルのカメラが用いられ、基準マーカーは用いられない。
【0049】
電子デバイス102の整合性に対して、温度制御が重要な可能性がある。レーザーアブレーションシステム100における温度制御は、制御装置124、またはフローシステム(
図15とともにより完全に説明されるが、本明細書に記載される他のすべての実施形態に存在してもよい)、または別の分離された温度制御システムを介して実現されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、レーザーアブレーションシステム100は、電子デバイス102の適切な光学的読み取りおよび電子デバイス102の薄膜コーティングの適切なレーザーアブレーションを可能にするために、電子デバイス102を固定し、支持し、配置し、姿勢決定するデバイスキャリア116を含む。デバイスキャリア116は、デバイスキャリア116上の特定の位置にデバイスキャリア116上の特定の姿勢で電子デバイス102を固定する物理的特徴を含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、レーザーアブレーションシステム100はキャリア制御装置118を含む。キャリア制御装置118は、概して、レーザーアブレーションシステム100内でデバイスキャリア116の移動を制御するよう構成される。キャリア制御装置118は、光学系114によって光学的に読み取られるための位置に電子デバイスを配置するよう構成される。キャリア制御装置118は、さらに、レーザーシステム112によってアブレーションするための位置に電子デバイス102を配置するよう構成される。
【0052】
いくつかの実施形態において、レーザーアブレーションシステム100は、比較的静止した光学系114およびレーザーシステム112を含む。そのような実施形態では、キャリア制御装置118によって、デバイスキャリア116がレーザーアブレーションシステム100内の正しい位置へと回転または平行移動される。いくつかの実施形態において、光学系114およびレーザーシステム112は、レーザーアブレーションシステム100内で移動するよう構成されてもよい。すなわち、上記の3つのサブシステムは、光学式センサ132が電子デバイス102を光学的に読み取るために配置され、レーザーが電子デバイス102の薄膜コーティングをアブレーションするために配置されるように移動するよう構成されてもよい。いくつかの実施形態において、各サブシステムのうちただ1つが静止し、一方で、他の2つが互いに対して移動する。
【0053】
図2を参照すると、1つ以上の実施形態によるレーザーアブレーションシステム140の斜視図が示される。
図1に関連して記載した特徴の一部または全部が、
図2に示す実施形態に組み込まれてもよく、簡明のために省略されるだけである。加えて、
図2に関連して図示され記載される特徴およびコンポーネントは、
図1に示す実施形態に組み込まれてもよい。加えて、レーザーアブレーションシステム140は特定のコンポーネントおよび機能を有して図示され記載されるが、レーザーアブレーションシステム140の他の実施形態は、より少ないまたはより多くの機能を実装するために、より少ないまたはより多くのコンポーネントを含んでもよい。
【0054】
レーザーアブレーションシステム140は、概してレーザーアブレーションシステム140の様々なサブコンポーネントを収容し支持するよう構成されるフレーム142を含む。
図2の実施形態は、フレーム142の内部のサブコンポーネントの図示を可能にするため、壁なしで図示される。レーザーアブレーションシステム140は、いくつかの実施形態において、概してレーザーアブレーションシステムのサブコンポーネントを制御するよう構成されるプロセッサ144を含む。
【0055】
レーザーアブレーションシステム140は、さらに、フレーム142内で上側プラットフォーム148上に配置されるレーザーシステム150および光学系(4つの光学式センサ152を含む)を含む。レーザーシステム150および光学系は、下側プラットフォーム156(デバイスキャリア172を支持しキャリア制御装置158を含む)の上方に、概して下側プラットフォーム156に向けて配置される。キャリア制御装置158により、デバイスキャリアはレーザー範囲160内で適切な位置に移動することができる。
【0056】
レーザーアブレーションシステム140は、さらに、使用時にサブコンポーネントを固定できアイソレーションできるようにするロック機構164を含んでもよい。いくつかの実施形態において、レーザーアブレーションシステム140は、フローシステム146(これはさらにフローノズル154および排気システム162を含んでもよい)を含む。フローシステム146は、概して、レーザーアブレーション中、電子デバイス102に、冷却物質(窒素ガス等)を向けるかまたは吹き付けるよう構成される。
【0057】
図3を参照すると、1つ以上の実施形態によるレーザーアブレーションシステム170の斜視図が示される。
図1および2に関連して記載した特徴の一部または全部が、
図3に示す実施形態に組み込まれてもよく、簡明のために省略されるだけである。加えて、
図3に関連して図示され記載される特徴およびコンポーネントは、
図1および2に示す実施形態に組み込まれてもよい。加えて、レーザーアブレーションシステム170は特定のコンポーネントおよび機能を有して図示され記載されるが、レーザーアブレーションシステム170の他の実施形態は、より少ないまたはより多くの機能を実装するために、より少ないまたはより多くのコンポーネントを含んでもよい。
【0058】
図4を参照すると、光学系およびデバイスキャリア172の斜視図が示される。
図5は、
図4に示すレーザーアブレーションシステム内のコンポーネント(ただしデバイスキャリアが異なる位置)の別の図を示す。
図6は、デバイスキャリア172の斜視図を示す。デバイスキャリアは、複数の電子デバイスがデバイスキャリア172上に配置できるようにする様々な物理的特徴を含んでもよい。デバイスキャリア172は、さらに、キャリア制御装置158に取り付けられ、キャリア制御装置158とインタフェースするよう構成される。
【0059】
図7および8を参照すると、1つ以上の実施形態によるレーザーアブレーションシステム210の斜視図が示される。
図1~6に関連して記載した特徴の一部または全部が、
図7および8に示す実施形態に組み込まれてもよく、説明は簡明のために省略されるだけである。加えて、
図7および8に関連して図示され記載される特徴およびコンポーネントは、
図1~6に示す実施形態に組み込まれてもよい。加えて、レーザーアブレーションシステム210は特定のコンポーネントおよび機能を有して図示され記載されるが、レーザーアブレーションシステム210の他の実施形態は、より少ないまたはより多くの機能を実装するために、より少ないまたはより多くのコンポーネントを含んでもよい。
【0060】
図9および10を参照すると、1つ以上の実施形態によるレーザーアブレーションシステム220の斜視図が示される。
図1~8に関連して記載した特徴の一部または全部が、
図9および10に示す実施形態に組み込まれてもよく、そのような特徴および記載は、簡明のために省略されるだけである。加えて、
図9および10に関連して図示され記載される特徴およびコンポーネントは、
図1~8に示す実施形態に組み込まれてもよい。加えて、レーザーアブレーションシステム220は特定のコンポーネントおよび機能を有して図示され記載されるが、レーザーアブレーションシステム220の他の実施形態は、より少ないまたはより多くの機能を実装するために、より少ないまたはより多くのコンポーネントを含んでもよい。
【0061】
図11を参照すると、矩形デバイスコンポーネント240上の部分的にアブレーションされたコーティング246の一実施形態の平面
図240が示される。アブレーションされた表面244は、コーティング246が部分的にアブレーションされているので、もはやコーティング246を有していない。
図12を参照すると、円形デバイスコンポーネント232上の部分的にアブレーションされたコーティング236の一実施形態の平面
図230が示される。アブレーションされた表面234は、コーティング236が部分的にアブレーションされているので、もはやコーティング236を有していない。図示のように、コーティング236の一部が露出表面238からアブレーションされている。光学系およびキャリア制御装置の精度によっては、アブレーションされたコンポーネントを通り過ぎて露出表面が延び、除去されたものとコンポーネントの具体的な位置との不整合を残す。複数の光学式センサを用いるデバイスキャリアの高度に正確な移動により、アブレーションプロセス中の精度がより高まる。オフセットおよび/または回転の情報が、コンポーネントを検査することによって生成されてもよく、より正確なアブレーションプロセスを生成するためにレーザーシステムにフィードバックされてもよい。制御プロセスにおけるソフトウェアは、レーザーがコンポーネントを正確にアブレーションすることを保証するために、各コンポーネントのオフセットに関する制御をユーザに与えてもよい。
【0062】
図13を参照すると、部分的にアブレーションされた3次元コンポーネント252の一実施形態の斜視
図250が示される。アブレーションされた表面254は、コーティング256が部分的にアブレーションされているので、もはやコーティング256を有していない。
【0063】
図14は、本明細書に記載され図示される1つ以上のレーザーアブレーションシステムで実装するためのコーティングアブレーション方法300のフローチャート図を示す。方法300は
図1のレーザーアブレーションシステムに関連して記載されるが、方法300の実施形態は他の種類のレーザーアブレーションシステムでも実装可能である。
【0064】
ブロック302において、部品(または電子デバイス102)がデッドネスト(dead nest)(またはデバイスキャリア116)内に装荷される。部品は、一実施形態では手動で装荷されてもよく、他の実施形態では自動的に装荷されてもよい。
【0065】
ブロック304において、部品レシピが選択される。このコンテキストにおいて、部品レシピは、レーザーアブレーションシステムがどのように動作し機能するかを記述してもよい。いくつかの実施形態において、部品レシピは、レーザーの機能、デバイスキャリアの移動、またはシステムの他の機能を、自動化された態様で記述する。いくつかの実施形態において、部品レシピは、デバイスキャリアに対してレーザーが移動するスピード、レーザーの強度、および他の特徴および機能を記述する。
【0066】
ブロック306において、光学系またはビジョンシステムが部品を撮像し、部品、基準およびアブレーションする必要がある特徴を位置決定する。
【0067】
ブロック308において、オフセットおよび回転の情報が生成され、レーザーシステムに送信され、調整が行われ、将来の部品について、より正確なアブレーションプロセスが提供される。ブロック310において、レーザーシステムは、部品レシピに基づいて部品の各領域をアブレーションする。ブロック312において、部品が取り外され、手動で検査される。その後、方法は終了する。
【0068】
いくつかの実施形態において、部品レシピは、レーザーの出力、レーザーのスキャンスピード、利用されるシールドガスの量、を含んでもよい。いくつかの実施形態は、300mm/sのスキャンスピードで40%の出力で窒素を伴う部品レシピを含む。別の実施形態において、300mm/sのスキャンスピードで40%の出力が用いられるが、窒素なしである。別の実施形態において、300mm/sのスキャンスピードで80%の出力が用いられ、窒素を伴う。スキャンスピードの様々な範囲は、20%~100%の出力の範囲を伴って、10mm/s~1000mm/sを含んでもよい。出力およびスキャンスピードの設定および窒素の使用は、炭化なしでより均一なアブレーションを提供するためにすべて最適化されてもよい。
【0069】
図15を参照すると、フローシステムを伴うレーザーアブレーションシステムの別の実施形態の概略図が示される。
図1~14に関連して記載した特徴の一部または全部が、
図15に示す実施形態に組み込まれてもよく、簡明のために省略されるだけである。加えて、
図15に関連して図示され記載される特徴およびコンポーネントは、
図1~14に示す実施形態に組み込まれてもよい。加えて、レーザーアブレーションシステム100は特定のコンポーネントおよび機能を有して図示され記載されるが、レーザーアブレーションシステム100の他の実施形態は、より少ないまたはより多くの機能を実装するために、より少ないまたはより多くのコンポーネントを含んでもよい。
【0070】
レーザーアブレーションシステム100はフローシステム134を含む。フローシステム134は、概して、アブレーションプロセス中、電子デバイス102の近傍および上方の流体フローを制御するよう構成される。流体は、コンポーネントを冷却し、アブレーションプロセスにおいて電子デバイス102のコンポーネントの炭化を回避するよう構成される任意の種類の気体とすることができる。いくつかの実施形態において、気体は窒素である。
【0071】
上述のように、窒素(または他の気体)はノズルによって吹き付けられてもよい。他の実施形態において、ノズルに代えてエアナイフを利用してもよい。エアナイフは、シールドガスのより均一の適用を提供してもよい。
図15に示すように、フローシステムは電子デバイスに隣接して配置されてもよく、電子デバイス102のすぐ上方にフローを提供してもよい。いくつかの実施形態において、フローシステム134は、アブレーションプロセスの間、整合したフローを提供するフロー渦136を生成してもよい。いくつかの実施形態において、フローシステム134は、機械の前面に向かって下向きに吹き付けてもよい。
【0072】
上記の記載では、様々な実施形態の具体的な詳細が提供される。しかしながら、いくつかの実施形態は、それらの具体的な詳細のすべてを有さずに実施可能な可能性がある。他の例では、簡潔および明瞭のため、特定の方法、手順、コンポーネント、構造、および/または機能が、高々、本発明の様々な実施形態を可能にする程度の詳細をもって記載される。
【0073】
本明細書に記載される方法(複数可)の動作は、特定の順序で図示され記載されるが、各方法の動作の順序は、特定の動作が少なくとも部分的に他の動作と同時に実行可能となるように逆順で動作可能となるように、変更可能である。別の実施形態において、個別の動作の指示またはサブ動作が、間欠的および/または交番的方法で実装可能であってもよい。
【0074】
本発明の具体的な実施形態が記載され図示されたが、本発明はそのように記載され図示された具体的形態または部品の配置には限定されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって定義されるべきである。
【0075】
各方法のための動作の少なくともいくつかは、コンピュータによる実行のためのコンピュータ可用記憶媒体に格納されたソフトウェア命令を用いて実装可能であるということに留意すべきである。例として、コンピュータプログラム製品の実施形態は、コンピュータ上で実行された場合に、ウェブページにおけるポインタ移動を監視する動作を含む動作をコンピュータに実行させるコンピュータ可読プログラムを格納するコンピュータ可用記憶媒体を含む。ウェブページは、1つ以上のコンテンツフィードを表示する。一実施形態において、相互作用ジェスチャーを含むポインタ移動に応じてポインタ移動を報告するための動作が、コンピュータプログラム製品に含まれる。さらなる実施形態において、ウェブページによる1つ以上のコンテンツフィードとの相互作用の1種類以上のある量を作表するための動作が、コンピュータプログラム製品に含まれる。
【0076】
本明細書に記載される方法(複数可)の動作は、特定の順序で図示され記載されるが、各方法の動作の順序は、特定の動作が少なくとも部分的に他の動作と同時に実行可能となるように逆順で動作可能となるように、変更可能である。別の実施形態において、個別の動作の指示またはサブ動作が、間欠的および/または交番的方法で実装可能であってもよい。
【0077】
本発明の実施形態は、全体がハードウェアの実施形態、全体がソフトウェアの実施形態、またはハードウェア要素およびソフトウェア要素の双方を含む実施形態の形態を取り得る。一実施形態において、本発明はソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、等を含むがこれに限らない)で実装される。
【0078】
さらに、本発明の実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムによって用いるためのまたはこれに接続されたプログラムコードを提供するコンピュータ可用媒体またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態を取り得る。この記載の目的で、コンピュータ可用媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスによって用いるためのまたはこれに接続されたプログラムを、含み、格納し、通信し、伝搬し、または転送することが可能な任意の装置であり得る。
【0079】
プロセッサは、本明細書に記載される機能を実装するためのコンピュータ可用媒体またはコンピュータ可読媒体を利用してもよい。コンピュータ可用媒体またはコンピュータ可読媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外、または半導体システム(または装置またはデバイス)または伝搬媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体の例は、半導体またはソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット(登録商標)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク、および光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、読み出し専用メモリを有するコンパクトディスク(CD-ROM)、読み出し/書き込みを有するコンパクトディスク(CD-R/W)、およびデジタルビデオディスク(DVD)を含む。
【0080】
入力/出力またはI/Oデバイス(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス、等を含むがこれらに限らない)は、直接的に、または介在するI/O制御装置を介して、システムに結合されてもよい。加えて、ネットワークアダプタがシステムに結合され、データ処理システムが介在する私用または公用ネットワークを介して他のデータ処理システムまたはリモートプリンタまたはストレージデバイスに結合できるようになってもよい。モデム、ケーブルモデム、イーサネット(登録商標)カードは、現在利用可能な種類のネットワークアダプタのいくつかの例である。
【国際調査報告】