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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】選択的波長透過率コンタクトレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
G02C7/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524561
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(85)【翻訳文提出日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 SG2020050630
(87)【国際公開番号】W WO2021086269
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】62/928,991
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508055973
【氏名又は名称】メニコン シンガポール ピーティーイー. リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン, スティーヴン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ワタナベ, タスク
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006BB01
2H006BB05
2H006BB06
2H006BB07
2H006BC07
(57)【要約】
コンタクトレンズは、本体と、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が本体を透過しないように遮断するフィルタ特性と、500ナノメートルを超える波長の少なくとも一部の光に本体を透過させる透過特性と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が前記本体を透過しないように遮断するフィルタ特性と、
500ナノメートルを超える波長の少なくとも一部の光に前記本体を透過させる透過特性と、
を含むコンタクトレンズ。
【請求項2】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の100パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項3】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも90パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項4】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも80パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項5】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも70パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項6】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも50パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項7】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断し、450ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項8】
400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の100パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項9】
400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも90パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項10】
400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも80パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項11】
400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも70パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項12】
400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも50パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項13】
前記本体は、少なくとも一部がポリマで製作される、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項14】
ポリマ中に組み込まれた遮光剤をさらに含み、
前記遮光剤はフィルタ特性を生じさせる、
請求項13のコンタクトレンズ。
【請求項15】
前記遮光剤は少なくともトリフェニルホスフィンを含む、請求項14のコンタクトレンズ。
【請求項16】
前記遮光剤は少なくとも2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-yl)-4-ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレートを含む、請求項14のコンタクトレンズ。
【請求項17】
前記遮光剤は、前記コンタクトレンズの少なくとも1.0重量パーセントを占める、請求項15のコンタクトレンズ。
【請求項18】
前記遮光剤は、前記コンタクトレンズの少なくとも5.0重量パーセントを占める、請求項15のコンタクトレンズ。
【請求項19】
前記遮光剤は、前記コンタクトレンズの少なくとも10.0重量パーセントを占める、請求項15のコンタクトレンズ。
【請求項20】
前記遮光剤は、前記コンタクトレンズの少なくとも15.0重量パーセントを占める、請求項15のコンタクトレンズ。
【請求項21】
前記遮光剤は、前記コンタクトレンズの少なくとも25.0重量パーセントを占める、請求項15のコンタクトレンズ。
【請求項22】
前記本体の光学ゾーンをさらに含み、
前記遮光剤は前記光学ゾーン内にある、
請求項14のコンタクトレンズ。
【請求項23】
前記本体の周辺ゾーンをさらに含み、
前記遮光剤は前記周辺ゾーン内にある、
請求項14のコンタクトレンズ。
【請求項24】
前記ポリマはシリコーン材料を含む、請求項13のコンタクトレンズ。
【請求項25】
前記ポリマはヒドロゲル材料を含む、請求項13のコンタクトレンズ。
【請求項26】
400ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光に前記本体を透過させる第二の透過特性をさらに含む、
請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項27】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項28】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~370ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項29】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項30】
前記第二の透過特性は、370ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項31】
前記第二の透過特性は、380ナノメートル~390ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項32】
前記第二の透過特性は、390ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項6のコンタクトレンズ。
【請求項33】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の前記光の100パーセントに前記本体を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項34】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の前記光の少なくとも90パーセントに前記本体を透過させることを含む、請求項6のコンタクトレンズ。
【請求項35】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の前記光の少なくとも80パーセントに前記本体を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項36】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の前記光の少なくとも70パーセントに前記本体を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項37】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の前記光の少なくとも50パーセントに前記本体を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項38】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の前記光の100パーセントに前記本体を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項39】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の前記光の少なくとも90パーセントに前記本体を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項40】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の前記光の少なくとも80パーセントに前記本体を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項41】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の前記光の少なくとも70パーセントに前記本体を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項42】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の前記光の少なくとも50パーセントに前記本体を透過させることを含む、請求項26のコンタクトレンズ。
【請求項43】
360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光を前記本体内の吸収と蛍光発光を通じて増強させる第三の透過特性をさらに含む、
請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項44】
前記第三の透過特性は、360ナノメートル未満及び400ナノメートルを超える波長範囲の前記光の少なくとも一部を吸収し、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の少なくとも一部の光を発することを含む、請求項43のコンタクトレンズ。
【請求項45】
角膜矯正レンズである、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項46】
ガス透過性ハードレンズである、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項47】
ソフトコンタクトレンズである、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項48】
近視の進行/発症を制御する方法において、
コンタクトレンズを提供することと、
使用者に前記コンタクトレンズを装用するように指示することと、
を含み、
前記コンタクトレンズは、
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が前記コンタクトレンズを透過するのを遮断するフィルタ特性と、
500ナノメートルを超える波長の少なくとも一部の光に前記コンタクトレンズを透過させる透過特性と、
400ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光に前記コンタクトレンズを透過させる第二の透過特性と、
を含む方法。
【請求項49】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項50】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~370ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項51】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項52】
前記第二の透過特性は、370ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項53】
前記第二の透過特性は、380ナノメートル~390ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項54】
前記第二の透過特性は、390ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の前記光の少なくとも一部を透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項55】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の前記光の少なくとも90パーセントに前記コンタクトレンズを透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項56】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の前記光の少なくとも70パーセントに前記コンタクトレンズを透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項57】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の前記光の少なくとも50パーセントに前記コンタクトレンズを透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項58】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の前記光の少なくとも90パーセントに前記コンタクトレンズを透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項59】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の前記光の少なくとも70パーセントに前記コンタクトレンズを透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項60】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の前記光の少なくとも50パーセントに前記コンタクトレンズを透過させることを含む、請求項48の方法。
【請求項61】
360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光を前記本体内の吸収と蛍光発光を通じて増強させる第三の透過特性
をさらに含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項62】
前記第三の透過特性は、360ナノメートル未満及び400ナノメートルを超える波長範囲の光の少なくとも一部を吸収し、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の少なくとも一部の光を発することを含む、請求項61のコンタクトレンズ。
【請求項63】
前記使用者に対し、前記コンタクトレンズを装用することには、近視の進行を遅らせる可能性があると伝えることをさらに含み、
前記使用者は近視と診断されている、
請求項48の方法。
【請求項64】
前記使用者に対し、前記コンタクトレンズを装用することには、近視の発症を予防する可能性があると伝えることをさらに含み、
前記使用者は近視と診断されていない、
請求項48の方法。
【請求項65】
前記使用者に対し、前記コンタクトレンズを装用することには、近視の発症を遅らせる可能性があると伝えることをさらに含み、
前記使用者は近視と診断されていない、
請求項8の方法。
【請求項66】
前記使用者は5歳未満である、請求項48の方法。
【請求項67】
前記使用者は3歳~12歳である、請求項48の方法。
【請求項68】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも90パーセントを遮断することを含む、請求項48の方法。
【請求項69】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも70パーセントを遮断することを含む、請求項48の方法。
【請求項70】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも50パーセントを遮断することを含む、請求項48の方法。
【請求項71】
前記コンタクトレンズは、少なくとも一部がポリマで製作される、請求項48の方法。
【請求項72】
前記コンタクトレンズは、前記ポリマ内に組み込まれた遮光剤を含み、前記遮光剤はフィルタ特性を生じさせる、請求項71の方法。
【請求項73】
前記遮光剤は少なくともトリフェニルホスフィンを含む、請求項72の方法。
【請求項74】
前記遮光剤は少なくとも2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-yl)-4-ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレートを含む、請求項71の方法。
【請求項75】
前記遮光剤は、前記コンタクトレンズの少なくとも1.0重量パーセントを占める、請求項51の方法。
【請求項76】
前記遮光剤は、前記コンタクトレンズの少なくとも5.0重量パーセントを占める、請求項72の方法。
【請求項77】
前記遮光剤は、前記コンタクトレンズの少なくとも10.0重量パーセントを占める、請求項72の方法。
【請求項78】
前記コンタクトレンズは前記コンタクトレンズの光学ゾーンを含み、前記遮光剤は前記光学ゾーン内にある、請求項72の方法。
【請求項79】
前記コンタクトレンズは前記コンタクトレンズの周辺ゾーンを含み、前記遮光剤は前記周辺ゾーン内にある、請求項72の方法。
【請求項80】
前記コンタクトレンズは、シリコーン材料を含むポリマで製作される、請求項48の方法。
【請求項81】
前記コンタクトレンズは、ヒドロゲル材料を含むポリマで製作される、請求項48の方法。
【請求項82】
コンタクトレンズの製造方法において、
液体レンズ材料をスピンキャスティング鋳型内に注入することと、
前記スピンキャスティング鋳型を回転させることと、
を含み、
前記液体レンズ材料は、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が前記液体レンズ材料を通過しないように遮断する特性を有する遮光剤を含む方法。
【請求項83】
前記液体レンズ材料を少なくとも部分的に硬化させて、前記コンタクトレンズを形成することをさらに含む、請求項82の方法。
【請求項84】
前記コンタクトレンズは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が前記コンタクトレンズを通過しないように遮断する前記特性を有する、請求項83の方法。
【請求項85】
コンタクトレンズの製造方法において、
第一の液体レンズ材料をスピンキャスティング鋳型内に注入することと、
前記スピンキャスティング鋳型を回転させることと、
前記第一の液体レンズ材料を少なくとも部分的に硬化させることと、
第二の材料を前記第一の液体レンズ材料上に注入することと、
を含み、前記第二の材料は、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が前記第一の液体レンズ材料を通過しないように遮断する特性を含む方法。
【請求項86】
前記第二の材料は第二の液体レンズ材料である、請求項85の方法。
【請求項87】
前記第二の材料を前記第一の液体レンズ材料上に注入することは、前記第二の材料を前記スピンキャスティング鋳型に注入することを含む、請求項85の方法。
【請求項88】
前記第二の材料を前記第一の液体レンズ材料上に注入することは、前記第二の材料を前記第一の液体レンズ材料中に噴射することを含む、請求項85の方法。
【請求項89】
前記第二の材料を前記第一の液体レンズ材料上に注入することは、前記第一の液体レンズ材料を大気圧で浸透させることを含む、請求項85の方法。
【請求項90】
前記第二の材料を前記第一の液体レンズ材料上に注入することは、前記第二の材料を前記第一の液体レンズ材料中に吸収させることを含む、請求項85の方法。
【請求項91】
前記第一の液体レンズ材料は遮光剤を含まない、請求項85の方法。
【請求項92】
前記第一の液体レンズ材料と前記第二の材料を一緒に硬化させることをさらに含む、請求項85の方法。
【請求項93】
前記第二の材料の追加の液体レンズ材料を前記第一の液体レンズ材料又は前記第二の材料の上に注入することをさらに含む、請求項85の方法。
【請求項94】
前記第二の材料は前記第一の液体レンズ材料と前記追加の液体レンズ材料との間にある、請求項93の方法。
【請求項95】
前記追加の液体レンズ材料を硬化させることをさらに含む、請求項94の方法。
【請求項96】
前記追加の液体レンズ材料を硬化させることにより、前記追加の液体レンズ材料を前記第一の液体レンズ材料に架橋結合する、請求項93の方法。
【請求項97】
前記追加の液体レンズ材料を硬化させることにより、前記追加の液体レンズ材料を前記第二の材料に架橋結合する、請求項93の方法。
【請求項98】
前記第一の液体レンズ材料を少なくとも部分的に硬化させることは、前記第一の液体レンズ材料を化学線に暴露することを含む、請求項85の方法。
【請求項99】
コンタクトレンズにおいて、
鋳造体を含み、前記鋳造体は、
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が前記鋳造体を透過しないように遮断するフィルタ特性と、
500ナノメートルを超える波長の少なくとも一部の光に前記鋳造体を透過させる透過特性と、
400ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光に前記鋳造体を透過させる第二の透過特性と、
を含むコンタクトレンズ。
【請求項100】
前記フィルタ特性を生じさせる遮光剤をさらに含む、
請求項99のコンタクトレンズ。
【請求項101】
前記遮光剤は、トリフェニルホスフィン又は他の遮光剤の少なくとも1つである、請求項100のコンタクトレンズ。
【請求項102】
前記鋳造体の光学ゾーンをさらに含み、
前記遮光剤は前記光学ゾーン内にある、
請求項101のコンタクトレンズ。
【請求項103】
前記鋳造体の周辺ゾーンをさらに含み、
前記遮光剤は周辺ゾーン内にある、
請求項100のコンタクトレンズ。
【請求項104】
前記鋳造体はシリコーン材料を含む、請求項99のコンタクトレンズ。
【請求項105】
前記鋳造体はヒドロゲル材料を含む、請求項99のコンタクトレンズ。
【請求項106】
前記鋳造体は、360ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光が前記鋳造体を透過しないように遮断する第二のフィルタ特性を含む、請求項99のコンタクトレンズ。
【請求項107】
360ナノメートル未満の波長の前記光は紫外線A波を含む、請求項106のコンタクトレンズ。
【請求項108】
360ナノメートル未満の波長の前記光は紫外線B波を含む、請求項106のコンタクトレンズ。
【請求項109】
第二のフィルタ特性を生じさせる第二の遮光剤をさらに含む、請求項106のコンタクトレンズ。
【請求項110】
前記第二の遮光剤は、二酸化チタン、オキシベンゾン、サリチル酸オクチル、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、ベンゾトリアゾール、その他の遮光剤、又はそれらの組合せを含む、請求項109のコンタクトレンズ。
【請求項111】
360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光を前記本体内の吸収と蛍光発光を通じて増強させる第三の透過特性
をさらに含む、請求項99のコンタクトレンズ。
【請求項112】
前記第三の透過特性は、360ナノメートル未満及び400ナノメートルを超える波長範囲の前記光の少なくとも一部を吸収し、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の少なくとも一部の光を発することを含む、請求項110のコンタクトレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は眼用レンズの分野に関し、特に摩擦を制御するための表面構造を有する眼用レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
正視とは、見ている人が物体を近くでも遠くでもはっきりと見ることのできる視力の状態である。角膜と水晶体が眼内に入射する光を共同で網膜の中心領域に集束させる。正視は、角膜と水晶体の集合的な屈折力が光を網膜の中心領域に正確に集束させる場合に実現される。
【0003】
近視とは、見ている人の近くの物体ははっきり見えるが、その人からより遠くに離れる物体は徐々にぼやける視力の状態である。近視は近眼と呼ばれることもある。近視は様々な理由により引き起こされる可能性がある。多くの近視症例における重大な要因は、眼軸長の伸長である。近視は、集束された光の焦点が網膜の前で形成されると発生する。換言すれば、眼に入射する光線の焦点が網膜に届かずに結ばれる。
【0004】
眼軸長により影響を受ける他の状態は遠視である。この状態であると、見ている人は遠くの物体ははっきりと見え、物体がその人に近付くと徐々にぼやける。この状態もまた複数の理由で発生する可能性があるが、人は眼により集束される光の焦点が網膜の後ろで形成されると遠視となる。
【0005】
眼軸長は子供の年齢と共に成長する。若年者が青年期を迎えると、眼は一般に成長が止まり、眼軸長はより不変となる。それゆえ、子供が小さいうちに眼軸長の成長を制御できれば、成人期における近視又は遠視を軽減又はさらには排除できる。したがって、眼軸長が成長し得るあらゆる年齢において眼軸長の成長を制御する装置、システム、及び方法が望ましい可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示される使用者向け主題の様々な特徴、特性、及び利点を説明するために複数の代表例が提供される。1つの例に関して説明されている特徴、特性、利点等は、別々にも、又は他の例に関して説明されるその他の特徴との各種の組合せ及び部分的組合せでも使用できると理解すべきである。
【0007】
1つの例において、コンタクトレンズは、本体と、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が本体を透過しないように遮断するフィルタ特性と、500ナノメートルを超える波長の少なくとも一部の光に本体を透過させる透過特性と、を含む。
【0008】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の100パーセントを遮断することを含み得る。
【0009】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも90パーセントを遮断することを含み得る。
【0010】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも80パーセントを遮断することを含み得る。
【0011】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも70パーセントを遮断することを含み得る。
【0012】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも50パーセントを遮断することを含み得る。
【0013】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断し、450ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を透過させることを含む。
【0014】
400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の100パーセントを遮断することを含む。
【0015】
400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも90パーセントを遮断することを含む。
【0016】
400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも80パーセントを遮断することを含む。
【0017】
400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも70パーセントを遮断することを含む。
【0018】
400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも50パーセントを遮断することを含む。
【0019】
本体は、少なくとも一部がポリマで製作され得る。
【0020】
コンタクトレンズは、ポリマ中に組み込まれた遮光剤を含み得て、遮光剤はフィルタ特性を生じさせる。
【0021】
遮光剤は少なくともトリフェニルホスフィンを含み得る。
【0022】
遮光剤は少なくとも2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-y1)-4-ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレートを含み得る。
【0023】
遮光剤は、コンタクトレンズの少なくとも1.0重量パーセントを占め得る。
【0024】
遮光剤は、コンタクトレンズの少なくとも5.0重量パーセントを占め得る。
【0025】
遮光剤は、コンタクトレンズの少なくとも10.0重量パーセントを占め得る。
【0026】
遮光剤は、コンタクトレンズの少なくとも15.0重量パーセントを占め得る。
【0027】
遮光剤は、コンタクトレンズの少なくとも25.0重量パーセントを占め得る。
【0028】
コンタクトレンズは本体の光学ゾーンを含み得て、遮光剤は光学ゾーン内にある。
【0029】
コンタクトレンズは本体の周辺ゾーンを含み得て、遮光剤は周辺ゾーン内にある。
【0030】
ポリマはシリコーン材料を含み得る。
【0031】
ポリマはヒドロゲル材料を含み得る。
【0032】
コンタクトレンズは、400ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光に本体を透過させる第二の透過特性を含み得る。
【0033】
第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0034】
第二の透過特性は、360ナノメートル~370ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0035】
第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0036】
第二の透過特性は、370ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0037】
第二の透過特性は、380ナノメートル~390ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0038】
第二の透過特性は、390ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0039】
第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の100パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0040】
第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも90パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0041】
第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも80パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0042】
第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも70パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0043】
第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも50パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0044】
第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の光の100パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0045】
第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の光の少なくとも90パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0046】
第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の光の少なくとも80パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0047】
第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の光の少なくとも70パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0048】
第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の光の少なくとも50パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0049】
コンタクトレンズは、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光を本体内の吸収と蛍光発光を通じて増強させる第三の透過特性をさらに含み得る。
【0050】
第三の透過特性は、360ナノメートル未満及び400ナノメートルを超える波長範囲の光の少なくとも一部を吸収し、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の少なくとも一部の光を発することを含み得る。
【0051】
コンタクトレンズは角膜矯正レンズであり得る。
【0052】
コンタクトレンズはガス透過性ハードレンズであり得る。
【0053】
コンタクトレンズはソフトコンタクトレンズであり得る。
【0054】
1つの例において、近視の進行/発症を制御する方法は、コンタクトレンズを提供することと、使用者にそのコンタクトレンズを装用するように指示することを含む。コンタクトレンズは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が本体を透過するのを遮断するフィルタ特性、500ナノメートルを超える波長の少なくとも一部の光に本体を透過させる透過特性と、400ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光に本体を透過させる第二の透過特性を含み得る。
【0055】
第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0056】
第二の透過特性は、360ナノメートル~370ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0057】
第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0058】
第二の透過特性は、370ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0059】
第二の透過特性は、380ナノメートル~390ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0060】
第二の透過特性は、390ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0061】
第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも90パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0062】
第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも70パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0063】
第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも50パーセントに本体を透過させることを含み得る。
【0064】
第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の光の少なくとも90パーセントにコンタクトレンズを透過させることを含み得る。
【0065】
第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の光の少なくとも70パーセントにコンタクトレンズを透過させることを含み得る。
【0066】
第二の透過特性は、360ナノメートル~380ナノメートルの波長の光の少なくとも50パーセントにコンタクトレンズを透過させることを含み得る。
【0067】
コンタクトレンズは、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光を本体内の吸収と蛍光発光を通じて増強させる第三の透過特性をさらに含み得る。
【0068】
第三の透過特性は、360ナノメートル未満及び400ナノメートルを超える波長範囲の光の少なくとも一部を吸収し、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の少なくとも一部の光を発することを含み得る。
【0069】
方法は、使用者に対し、使用者が近視と診断されている場合、初期のコンタクトレンズを装用することには、近視の進行を遅らせる可能性があると伝えることを含み得る。
【0070】
方法は、使用者に対し、使用者が近視と診断されていない場合、初期のコンタクトレンズを装用することには、近視の発症を予防する可能性があると伝えることを含み得る。
【0071】
方法は、使用者に対し、使用者が近視と診断されていない場合、初期のコンタクトレンズを装用することには、近視の発症を遅らせる可能性があると伝えることを含み得る。
【0072】
使用者は5歳未満であり得る。
【0073】
使用者は3歳~12歳であり得る。
【0074】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも90パーセントを遮断することを含み得る。
【0075】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも70パーセントを遮断することを含み得る。
【0076】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも50パーセントを遮断することを含み得る。
【0077】
本体は、少なくとも一部がポリマで製作され得る。
【0078】
本体は、ポリマ内に組み込まれた遮光剤を含み得て、遮光剤はフィルタ特性を生じさせる。
【0079】
遮光剤は少なくともトリフェニルホスフィンを含み得る。
【0080】
遮光剤は少なくとも2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-y1)-4-ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレートを含み得る。
【0081】
遮光剤は、コンタクトレンズの少なくとも1.0重量パーセントを占め得る。
【0082】
遮光剤は、コンタクトレンズの少なくとも5.0重量パーセントを占め得る。
【0083】
遮光剤は、コンタクトレンズの少なくとも10.0重量パーセントを占め得る。
【0084】
コンタクトレンズは本体の光学ゾーンを含み得て、遮光剤は光学ゾーン内にある。
【0085】
コンタクトレンズは本体の周辺ゾーンを含み得て、遮光剤は周辺ゾーン内にある。
【0086】
ポリマはシリコーン材料を含み得る。
【0087】
ポリマはヒドロゲル材料を含み得る。
【0088】
1つの例において、コンタクトレンズの製造方法は、液体レンズ材料をスピンキャスティング鋳型内に注入することと、スピンキャスティング鋳型を回転させることを含み得る。液体材料は、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が液体レンズ材料を通過しないように遮断する特性を有する遮光剤を含む。
【0089】
方法は、液体レンズ材料を少なくとも部分的に硬化させて、コンタクトレンズを形成することを含み得る。
【0090】
コンタクトレンズは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光がコンタクトレンズを通過しないように遮断する特性を有し得る。
【0091】
1つの例において、コンタクトレンズの製造方法は、第一の液体レンズ材料をスピンキャスティング鋳型に注入することと、スピンキャスティング鋳型を回転させることと、第二の材料を第一の液体レンズ材料上に注入することと、を含み得て、第二の材料は、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が液体レンズ材料を通過しないように遮断する特性を有する遮光剤を含む。
【0092】
第二の材料は第二の液体レンズ材料であり得る。
【0093】
第二の材料を第一の液体レンズ材料上に注入することは、第二の材料をスピンキャスティング鋳型に注入することを含み得る。
【0094】
第二の材料を第一の液体レンズ材料上に注入することは、第二の材料を第一の液体レンズ材料中に噴射することを含み得る。
【0095】
第二の材料を第一の液体レンズ材料上に注入することは、第一の液体レンズ材料を大気圧で浸透させることを含み得る。
【0096】
第二の材料を第一の液体レンズ材料上に注入することは、第二の材料を第一の液体レンズ材料中に吸収させることを含み得る。
【0097】
第一の液体レンズ材料は遮光剤を含まないようにし得る。
【0098】
方法は、第一の液体レンズ材料と第二の材料を一緒に硬化させることを含み得る。
【0099】
方法、第二の材料の追加の液体レンズ材料を第一の液体レンズ材料又は第二の材料の上に注入することを含み得る。
【0100】
方法は、第一の液体レンズ材料と追加の液体レンズ材料との間に第二の材料を含み得る。
【0101】
方法は、追加の液体レンズ材料を硬化させることを含み得る。
【0102】
方法は、追加の液体レンズ材料を硬化させて、追加の液体レンズ材料を第一の液体レンズ材料に架橋結合させることを含み得る。
【0103】
方法は、追加の液体レンズ材料を硬化させて、追加の液体レンズ材料を第二の材料に架橋結合させることを含み得る。
【0104】
方法は、第一の液体レンズ材料を化学線に暴露することを含む、第一の液体レンズ材料を少なくとも部分的に硬化させることを含み得る。
【0105】
1つの例において、コンタクトレンズは鋳造体を含む。鋳造体は、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が本体を透過しないように遮断するフィルタ特性と、500ナノメートルを超える波長の少なくとも一部の光に本体を透過させる透過特性と、400ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光が本体を透過させるようにする第二の透過特性と、を含む。
【0106】
コンタクトレンズは、フィルタ特性を生じさせる遮光剤を含み得る。
【0107】
遮光剤は、トリフェニルホスフィン又は他の遮光剤の少なくとも1つであり得る。
【0108】
コンタクトレンズは鋳造体の光学ゾーンを含み得て、遮光剤は光学ゾーン内にある。
【0109】
コンタクトレンズは鋳造体の周辺ゾーンを含み得て、遮光剤は周辺ゾーン内にある。
【0110】
鋳造体はシリコーン材料を含み得る。
【0111】
鋳造体はヒドロゲル材料を含み得る。
【0112】
鋳造体は、360ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光が本体を透過しないように遮断する第二のフィルタ特性を含み得る。
【0113】
360ナノメートル未満の波長の光は紫外線A波を含み得る。
【0114】
360ナノメートル未満の波長の光は紫外線B波を含み得る。
【0115】
コンタクトレンズは、第二のフィルタ特性を生じさせる第二の遮光剤を含み得る。
【0116】
第二の遮光剤は、二酸化チタン、オキシベンゾン、サリチル酸オクチル、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、その他の遮光剤、又はそれらの組合せを含み得る。
【0117】
コンタクトレンズは、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光を本体内の吸収と蛍光発光を通じて増強させる第三の透過特性をさらに含み得る。
【0118】
第三の透過特性は、360ナノメートル未満及び400ナノメートルを超える波長範囲の光の少なくとも一部を吸収することと、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の少なくとも一部の光を発することを含む。
【0119】
添付の図面は、本明細書に記載の原理の様々な例を示しており、明細書の一部である。図の例は単に例に過ぎず、特許請求の範囲を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0120】
図1】光を眼内に導くコンタクトレンズの断面図である。
図2】あるコンタクトレンズの断面図である。
図3】あるコンタクトレンズの断面図である。
図4】あるコンタクトレンズの断面図である。
図5】眼用レンズのための鋳型の断面図である。
図6】液体レンズ材料と図5の鋳型の断面図である。
図7図5の鋳型の、液体レンズ材料が遠心力により鋳型の輪郭部全体に広げられた状態の断面図である。
図8】眼用レンズを製作するために鋳型を形成し、硬化させるために使用されるスピニング構造の断面図である。
図9】眼用レンズのための鋳型の断面図である。
図10】液体レンズ材料と図9の鋳型の断面図である。
図11図9の鋳型の、液体レンズ材料が遠心力により鋳型の輪郭部全体に広げられた状態の断面図である。
図12】コンタクトレンズの分解図である。
図13】遮光剤の化学式の概略図である。
図14】遮光剤の化学式の概略図である。
図15】遮光剤の化学式の概略図である。
図16】近視の発症を予防し、及び/又は近視の進行を遅らせる方法のブロック図である。
図17】コンタクトの製造方法のブロック図である。
図18】コンタクトレンズの製造方法のブロック図である。
図19】コンタクトレンズの製造方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0121】
図面全体を通じて、同様及び同じ参照番号は同様であるが必ずしも同じとはかぎらない要素を示す。
【0122】
青色光は一般に、約475ナノメートルを中心とする波長範囲を有すると考えられている。青色光は、自然光、すなわち太陽光の中に豊富にあるが、青色光の量は1日のうちで変化する。青色光は、日中時間帯の終わりに太陽が沈むにつれて減少する傾向がある。1日の青色光の量の変化に基づき、人体は概日周期を較正する。青色光は発光ダイオード(LEDs)、テレビ、携帯電話を含むデジタルスクリーンからも大量に発せられることが多い。これらの機器からの青色光は、特に就寝直前に使用すると人が寝付けなくなる問題の要因と考えられる。それに加えて、児童が青色光に多く暴露されることは、後の黄斑変性及びその他の眼疾患の発現の寄与要因と考えられている。一般に成人では、眼の硝子体腔内の、青色光が網膜に届く前に青色光を吸収する合成物の量が増えている。しかしながら、子供は、眼がまだ変化して、その完全な大きさと発達状態に到達しつつあり、青色光に対する同じ保護能力を持たない。それゆえ、子供は成人より、青色光の影響の少なくとも一部による被害を受けやすいと考えられる。
【0123】
一般に360ナノメートル未満の波長の高レベルの紫外(UV)光も人間の目にとって不健康であると考えられる。多くのUV-C波は大気オゾンにより排除され、また、UV-A波及びUV-B波は一般に、これらの波長の光が概して角膜と水晶体により排除されるため、眼の網膜に届くことはない。しかしながら、角膜と水晶体の大量のUV光への暴露は、白内障やその他の種類のダメージの原因となり得る。
【0124】
360ナノメートル~400ナノメートルの波長を有する紫色光は、UV光と青色光のそれら間の波長を有する。多くの場合、大量の青色光を生成する人工光源、例えば携帯電話、テレビ、及びLEDsはそれほど多くの量の紫色光を生成しない。このような場合、紫色光は近視発症を予防するか、近視の進行を軽減させることに対するプラスの影響を有し得る。何れの理論にも拘束されることを望まないが、網膜に到達した紫色光は近視の予防又は近視の進行の遅延に関係する特定のたんぱく質の産生を増大させることになる経路をトリガする生物学的フィードバックを提供する。この視覚的フィードバックは、眼軸長と角膜と水晶体の集合的な集光能力とのバランスをとるために使用できる。眼は、網膜上の光の焦点を利用して、いつ眼軸長とのバランスがとれたかを特定する。
【0125】
多くの場合、UV光及び青色光を除去する眼鏡もUV波長と青色光波長までに及ぶ波長の光を遮断し、及び/又は除去し、その結果として、紫色光の波長も遮断され、及び/又は除去される。それゆえ、使用者はUV光と青色光の両方を遮断するように設計されたサングラスやその他の眼鏡を使用する際に、紫色光も遮断してしまうリスクを負う。時間の経過により、紫色光の遮断の結果として、紫色光が不足することになり得、これは使用者の近視状態に寄与し得る。
【0126】
これらの理論に同意も反対もすることなく、本明細書に記載のコンタクトレンズは、特定の波長の光を選択的に除去しながら、それ以外の所望の波長の光の透過を可能にすることによって、近視の進行を遅らせ、及び/又は近視の進行発症を予防するために使用できる。特定の例において、透過する波長は除去され、及び/又は遮断される波長範囲同士の間にある。
【0127】
一般に、子供の眼は、生後3年間で残りの子供時代と比較して大幅な成長を遂げる。多くの場合、個人の眼の成長は18歳になる時点までに完了する。使用者が、ほとんど青色光を生成し、紫色光を生成しない屋内環境、例えばLED光により照明される環境等で過ごす状況であると、年少の児童はこれらの重要な期間に近視を予防するのに十分な量の紫色光を受けないかもしれない。それゆえ、このような子供たちは環境要因に基づき近視を発症させやすいかもしれない。
【0128】
本明細書に記載のコンタクトレンズ並びにこのコンタクトレンズにより近視の進行及び/又は近視の発症を制御する方法は、小児期発症近視を経験している、又は経験しやすい人物の他、他の何れの1人又は複数の使用者にも適用され得る。世界の一部の地域、例えばアジアの多くの地域では、小児期発症近視はほとんどの子供たちに影響している。本明細書に記載のコンタクトレンズは、近視と診断された子供たち及び近視とは診断されていないが、子供が近視を進行させやすい遺伝的指標又は環境的指標を有する子供たちのどちらによっても、またその他の子供たちによっても使用され得る。本明細書に記載のコンタクトレンズは、特定の波長内の光を健康的な量だけ透過させ、他方で、眼の小児期発症近視を予防するか、小児期発症近視の進行を止めることのできるその他の種類の波長を遮断する。小児等の使用者は18歳の誕生日まで、又は眼が成長を止めるか、停止が紫色光により影響を受けると考えられる時期と一致すると特定される他のマイルストーンまでコンタクトレンズを装用し得る。眼は子供が年少であると急成長しやすいかもしれないが、使用者は、使用者がコンタクトレンズの装用を停止した後に近視の進行に再び陥らないようにするために、より高い年齢までコンタクトレンズの装用を継続し得る。これらの方法は、特に小児期発症近視に関して説明されるが、これらの原理の少なくとも一部は成人期発症近視を経験している、又は経験しやすい人物にも適用され得る。
【0129】
従来、コンタクトレンズは、旋盤が係わるプロセスを通じて形成される。本明細書に記載のコンタクトレンズは旋盤で製造され得る。しかしながら、幾つかの例において、本明細書に記載のコンタクトレンズは、注型成形(非組立型及び組立型の両方)又は、製造しようとするコンタクトレンズをより費用効果率の高い速度で正確に複製することのできるスピンキャスティングプロセスで製造できる。本明細書に記載のコンタクトレンズはまた、当業界で知られている、又は将来開発される付加又は除去製造プロセスの何れの組合せによっても製造できる。
【0130】
図1は、光を眼12へと入射させることのできるコンタクトレンズ100の断面図である。この例では、コンタクトレンズ100は眼12の上に設置されている。周囲光線14、16、18は、コンタクトレンズ100を通った後に眼12に入射する。これらの光線は眼の角膜20及び水晶体21によって網膜24の中心領域22に向かって自然に集束される。この例では、コンタクトレンズは光の自然の焦点を保持っている。換言すれば、この例では、光線14、16、18の焦点25は、コンタクトレンズを装用しているか否かを問わず、網膜24の中心領域22上にある。しかしながら、他の例では、コンタクトレンズ100は光の焦点がどこに着地するかに影響を与え、又はそれを調整し得る。これらの例は網膜の中心領域22上に集束された光を示しているが、光は当然、網膜の中心領域又は網膜の周辺領域の何れかに集束されたり焦点がずれたりすることもあり得る。幾つかの例では、コンタクトレンズは眼12の周辺領域に向かって案内される光の焦点を変化させ、他の例では、コンタクトレンズは光の自然の周辺の焦点を保持する。
【0131】
図の例では、コンタクトレンズ100は図解のために眼12から離れているように描かれている。コンタクトレンズ100は、角膜21、強膜、眼12のその他の部分、又はそれらの組合せの一部と直接接触し得る。幾つかの状況では、コンタクトレンズ100は眼12のうち、コンタクトレンズ100に隣接する全ての部分と直接接触し得る。他の例では、コンタクトレンズ100のある部分は眼12から離間されて、眼12がこれらの特定の領域ではコンタクトレンズ100と接触しないが、眼12は眼12のその他の部分と直接接触するようにされ得る。この種の例のうちの1つにおいて、コンタクトレンズ100の周辺は眼12と直接接触し、他方でレンズ100の中央部分は眼12と直接接触しないようにされ得る。レンズ100の幾つかの部分が眼12と直接接触しない幾つかの状況において、これらの部分は、涙液等の液体を通して眼12と間接的に接触し得る。眼12とコンタクトレンズ100との間にギャップが存在する場合、これらのギャップは涙管から生成される涙液で満たされ得る。
【0132】
他の例において、眼12にコンタクトレンズ100から加えられる圧力は、コンタクトレンズ100が眼12を覆っている領域全体にわたり均一であり得る。他の例では、眼12への圧力は、コンタクトレンズ100により覆われる領域を通じて変化し得る。1つの例において、コンタクトレンズ100により加えられる最も高い圧力は眼12の角膜部分上にある。他の例において、コンタクトレンズ100から加えられる最も高い圧力は、眼12の強膜部分内にある。また別の例において、眼12に加えられる最も高い圧力は、眼12の角膜部分と眼12の強膜部分との間の移行部にある。最も高い圧力が眼12の角膜部分にかかる例において、圧力は均一に付加され得る。しかし、他の例では、角膜21に加えられる圧力は眼12の角膜部分全体を通じて変化し得る。例えば、眼12の角膜部分への最も高い圧力は、眼12の瞳に対応する部分であり得、他方で、より低い、又は負の圧力は角膜21のうち、眼12の虹彩に対応する部分に加えられる。
【0133】
何れの適当なタイプのコンタクトレンズ100でも、本開示に記載の原理にしたがって使用され得る。例えば、コンタクトレンズ100は、ソフトコンタクトレンズ、ガス透過ハードコンタクトレンズ、オルソKコンタクトレンズ、複合コンタクトレンズ、カラーコンタクトレンズ、その他のタイプのコンタクトレンズ、又はこれらの組合せであり得る。幾つかの例において、コンタクトレンズ100は層状である。1つの特定の例において、コンタクトレンズ100の、遮光剤を含む層はコンタクトレンズ100の他の2つの層間に挟まれ得る。適当なコンタクトレンズ100に組み込まれ、又は含まれ得る材料の非限定的なリストには、シリコーン材料、ヒドロゲル材料、テフィルコン、テトラフィルコンA、クロフィルコン、ヘルフィルコンA&B、マフィルコン、ポリマコン、ヒオキシフィルコンB、ロトラフィルコンA、ロトラフィルコンB、ガリフィルコンA、セノフィルコンA、シフィルコンA、コムフィルコンA、エンフィルコンA、リドフィルコンB、サーフィルコンA、リドフィルコンA、アルファフィルコンA、オマフィルコンA、バサフィルコンA、ヒオキシフィルコンA、ヒオキシフィルコンD、ネルフィルコンA、ヒラフィルコンA、アコフィルコンA、ブフィルコンA、デルタフィルコンA、フェムフィルコンA、ブフィルコンA、パーフィルコン、エタフィルコンA、フォコフィルコンA、オキュフィルコンB、オキュフィルコンC、オキュフィルコンDオキュフィルコンE、オキュフィルコンF、フェムフィルコンA、メタフィルコンA、メタフィルコンB、ビルフィルコンA、その他の種類のポリマ、又はこれらの組合せが含まれる。これらの材料には、モノマ、ポリマ、遮光剤、及び最終ポリマを形成するためのその他の材料の各種の組合せが含まれ得る。例えば、これらの材料の一般的な成分には、HEMA、HEMA-GMAその他が含まれ得る。
【0134】
図2は、透過特性を有するコンタクトレンズ200の例を示す。コンタクトレンズ200は、本明細書に記載のコンタクトレンズの何れとも実質的に同様であり、その特徴の幾つか又は全部を含み得る。この例では、UV-A波は矢印202で概略的に表現され、UV-B波は矢印204で概略的に表現され、紫色光は矢印206で概略的に表現され、青色光は矢印208で概略的に表現され、緑色光は矢印210で概略的に表現され、黄色光は矢印212で概略的に表現される。この例において、コンタクトレンズ200は、UV-A波、UV-B波、紫色光、緑色光、及び黄色光にコンタクトレンズを透過させる透過特性を含む。この例では、コンタクトレンズ200は、青色光の少なくとも一部がコンタクトレンズを透過しないように遮断するフィルタ特性を含む。例えば、透過特性は、500ナノメートルを超える波長を有する全ての光を透過させることを含み得る。さらに、幾つかの例において、透過特性は、400ナノメートル未満の波長の全ての光を透過させることを含み得る。
【0135】
この例は、コンタクトレンズ200を透過する特定の種類の光のみを示しているが、図示されていないその他の種類の光もレンズ200を透過し得る。例えば、青色光を除く他の全ての種類の光がコンタクトレンズ200を透過し得る。他の例では、他の種類の可視光がコンタクトレンズ200を透過し得て、これには赤色光、橙色光、藍色光、及び/又はその他の種類の光が含まれ得る。
【0136】
幾つかの例において、フィルタ特性はまた、青色光の波長に隣接する波長の、その他の種類の光、例えば藍色光及び緑色光の幾つかの部分も遮断し得る。幾つかの例において、フィルタ特性は、400ナノメートル~500ナノメートルの範囲内の波長の光の少なくとも一部を遮断する。幾つかの例において、フィルタ特性は、400ナノメートル~450ナノメートルの範囲内の波長の光の少なくとも一部を遮断する。幾つかの例において、フィルタ特性は、約360ナノメートル未満又は約280ナノメートル未満の波長の光の少なくとも一部を遮断する。
【0137】
幾つかの例において、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の100パーセントを遮断すること、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも90パーセントを遮断すること、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも80パーセントを遮断すること、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも70パーセントを遮断すること、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の少なくとも50パーセントを遮断すること、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光の他のパーセントを遮断すること、又はそれらの組合せを含む。幾つかの例において、遮光剤が400ナノメートル~500ナノメートルの範囲内の光のあるパーセンテージのみを遮断する場合、遮光剤はその範囲内の特定の波長のみの100パーセントを遮断する。他の例において、遮光剤は、より広い波長範囲を遮断するが、それが遮断する波長のうちのあるパーセンテージのみを遮断する。
【0138】
幾つかの例において、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも一部を遮断することは、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の100パーセントを遮断すること、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも90パーセントを遮断すること、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも80パーセントを遮断すること、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも70パーセントを遮断すること、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光の少なくとも50パーセントを遮断すること、400ナノメートル~450ナノメートルの波長の光のその他のパーセントを遮断すること、又はそれらの組合せを含む。幾つかの例において、遮光剤が400ナノメートル~450ナノメートルの範囲内の光のあるパーセンテージのみを遮断する場合、遮光剤はその範囲内の特定の波長のみの100パーセントを遮断する。他の例において、遮光剤は、より広い波長範囲を遮断するが、それが遮断する波長のうちのあるパーセンテージのみを遮断する。
【0139】
幾つかの例において、360ナノメートル未満の波長の光の少なくとも一部を遮断することは、360ナノメートル未満の波長の光の100パーセントを遮断すること、360ナノメートル未満の波長の光の少なくとも90パーセントを遮断すること、360ナノメートル未満の波長の光の少なくとも80パーセントを遮断すること、360ナノメートル未満の波長の光の少なくとも70パーセントを遮断すること、360ナノメートル未満の波長の光の少なくとも50パーセントを遮断すること、360ナノメートル未満の波長の光の少なくともその他のパーセンテージを遮断すること、又はそれらの組合せを含む。幾つかの例において、遮光剤が360ナノメートル未満の光のあるパーセンテージのみを遮断する場合、遮光剤はその範囲内の特定の波長のみの100パーセントを遮断する。他の例において、遮光剤は、より広い波長範囲を遮断するが、それが遮断する波長のうちのあるパーセンテージのみを遮断する。
【0140】
図3は、透過特性を有するコンタクトレンズ200の例を示す。コンタクトレンズ200は、本明細書に記載のコンタクトレンズの何れとも実質的に同様であり、その特徴の幾つか又は全部を含み得る。この例では、UV-A波は矢印202で概略的に表現され、UV-B波は矢印204で概略的に表現され、紫色光は矢印206で概略的に表現され、青色光は矢印208で概略的に表現され、緑色光は矢印210で概略的に表現され、黄色光は矢印212で概略的に表現される。この例において、コンタクトレンズ200は、コンタクトレンズを通る紫色光、緑色光、及び黄色光を含んでいる。この例において、コンタクトレンズ200は、UV-A波、UV-B波、及び青色光の少なくとも一部がコンタクトレンズを通過しないように遮断するフィルタ特性を含む。幾つかの例において、コンタクトレンズ200は、400ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光に本体を透過させる透過特性を含み得る。幾つかの例において、コンタクトレンズ200は、500ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光に本体を透過させる透過特性を含み得る。この例において、360ナノメートル~400ナノメートル又は360ナノメートル~380ナノメートルの波長を含み得る紫色光はコンタクトレンズ200を透過し得る。
【0141】
透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。透過特性は、360ナノメートル~370ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させること、370ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させること、380ナノメートル~390ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させること、390ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させること、又はそれらの組合せ、例えば360ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0142】
透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の100パーセントにコンタクトレンズの本体を透過させること、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも90パーセントに本体を透過させること、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも80パーセントに本体を透過させること、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも70パーセントに本体を透過させること、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくとも50パーセントに本体を透過させること、360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光の少なくともその他のパーセンテージにコンタクトレンズを透過させることを含み得る。
【0143】
透過特性は、360ナノメートルを超える波長の光の100パーセントにコンタクトレンズの本体を透過させること、360ナノメートルを超える波長の光の少なくとも90パーセントに本体を透過させること、360ナノメートルを超える波長の光の少なくとも80パーセントに本体を透過させること、360ナノメートルを超える波長の光の少なくとも70パーセントに本体を透過させること、360ナノメートルを超える波長の光の少なくとも50パーセントに本体を透過させること、360ナノメートルを超える波長の光の少なくとも他のパーセンテージにコンタクトレンズを透過させることを含み得る。
【0144】
幾つかの例において、透過特性はまた、約280ナノメートル又はそれ以下の波長の光の少なくとも一部を透過させることも含み得る。透過特性は、280ナノメートル未満の波長の光の100パーセントにコンタクトレンズの本体を透過させること、280ナノメートル未満の波長の光の少なくとも90パーセントに本体を透過させること、280ナノメートル未満の波長の光の少なくとも80パーセントに本体を透過させること、280ナノメートル未満の波長の光の少なくとも70パーセントに本体を透過させること、280ナノメートル未満の波長の光の少なくとも50パーセントに本体を透過させること、280ナノメートル未満の波長の光の少なくともその他のパーセンテージにコンタクトレンズを透過させることを含み得る。
【0145】
図4は、透過特性を有するコンタクトレンズ200の例を示す。コンタクトレンズ200は、本明細書に記載のコンタクトレンズの何れとも実質的に同様であり、その特徴の幾つか又は全部を含み得る。この例では、UV-A波は矢印202で概略的に表現され、UV-B波は矢印204で概略的に表現され、紫色光は矢印206で概略的に表現され、青色光は矢印208で概略的に表現され、緑色光は矢印210で概略的に表現され、黄色光は矢印212で概略的に表現される。この例において、コンタクトレンズ200は、コンタクトレンズを通る紫色光、緑色光、及び黄色光を含んでいる。この例において、コンタクトレンズ200は、レンズに入射するUV-A波、UV-B波、及び/又は青色光の少なくとも一部を吸収し、UV-A、UV-B、及び/又は青色光の少なくとも一部がコンタクトレンズを通過できないようにするフィルタ特性を含む。さらに、この例において、コンタクトレンズ200は、入射したUV-A、UV-B、及び/又は青色光から、矢印206として示される紫色光として吸収したエネルギの少なくとも一部を発出するフィルタ特性を含む。幾つかの例において、UV-A、UV-B、及び/又は青色光の吸収によりレンズから発せられる紫色光の少なくとも一部は、図のように眼に入射し得る。幾つかの例において、それによってコンタクトレンズ200は、少なくとも一部のUV-A波、UV-B波、及び/又は青色光を遮断し、紫色光への眼の暴露を増強させる効果を実現する。
【0146】
幾つかの例において、この効果は、例えばコンタクトレンズ200に蛍光剤を含めることにより実現され得る。幾つかの例において、このような蛍光剤は、UV-A、UV-B、及び/又は青色光を吸収及び/又は遮断し得て、蛍光発光し、又は紫色光を発し得る。本明細書に記載されているように、幾つかの例において、コンタクトレンズ200はIndo-I等の蛍光剤を含み得る。幾つかの例において、適当な蛍光剤は遮光剤として使用され得るか、又は蛍光剤は1つ又は複数のその他の遮光剤に追加して使用され得る。
【0147】
幾つかの例において、コンタクトレンズは、例えば本明細書に記載されているように蛍光発光により、400ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光を増強させる透過特性を含み得る。本明細書で使用されるかぎり、増強させる、又は増強とは、眼を光の1つ又は複数の波長の、レンズに入射する前記1つ又は複数の波長の自然の量又は強度より多い量又は高い強度に暴露させることを含み得る。幾つかの例において、コンタクトレンズは、500ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光を増強させる透過特性を含み得る。この例において、360ナノメートル~400ナノメートル又は360ナノメートル~380ナノメートルの波長を含み得る紫色光は、コンタクトレンズ200内の蛍光剤により増強させ得る。
【0148】
透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を増強させることを含み得る。透過特性は、360ナノメートル~370ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を増強させること、370ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させること、380ナノメートル~390ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させること、390ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させること、又はそれらの組合せ、例えば360ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。透過特性はさらに、例えば図2及び3に関して本明細書中で説明されているように、360ナノメートル未満及び/又は400ナノメートルを超える波長範囲の光の少なくとも一部を遮断又は吸収することを含み得る。
【0149】
幾つかの例において、コンタクトレンズは、例えば1つ又は複数の染料を含めることによって色味を含み得る。幾つかの例において、色味は選択的フィルタリングを通じて光のスペクトルの所望の部分を増強させ得る。幾つかの例において、色味を含むコンタクトレンズは、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を増強させることを含み得る。透過特性は、360ナノメートル~370ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を増強させること、370ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させること、380ナノメートル~390ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させること、390ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させること、又はそれらの組合せ、例えば360ナノメートル~380ナノメートルの波長範囲の光の少なくとも一部を透過させることを含み得る。
【0150】
幾つかの例において、コンタクトレンズは、例えば薄膜干渉により光の所望の波長又は波長範囲を増強させ得る。幾つかの例において、コンタクトレンズの1つ又は複数の表面は、少なくとも一部のUV-A、UV-B、及び/又は青色光を反射させ、又はそれ以外にレンズを透過しないように遮断するように構成された厚さの薄膜を含み得る。例えば、幾つかの例において、コンタクトレンズは、UV-A、UV-B、及び/又は青色光の半波長の倍数である厚さを有する、ポリマ薄膜等の薄膜を含み得る。例えば、一部のUV光の波長は300ナノメートルであり、コンタクトレンズは、150ナノメートル、300ナノメートル、450ナノメートル、又はUV光の波長の半分、すなわち150ナノメートルのこれら以外の倍数である厚さを有する薄膜を含み得る。さらに、幾つかの例において、薄膜は、コンタクトレンズ本体の屈折率とは異なる屈折率を有し得る。
【0151】
図5~8は、コンタクトレンズ100、200等、本明細書に記載のコンタクトレンズを製造するための、特定の例において使用可能な各種のコンポーネントを示す。液体レンズ材料52は、鋳型42の輪郭部54に注入できる。鋳型42は液体レンズ材料52と共にスピニング構造68の中に装填でき、これは鋳型42を回転させて、液体レンズ材料52が遠心力によって輪郭部54全体に広がり、コンタクトレンズの所望の形状とするように構成される。鋳型42の回転中、硬化剤(例えば、温度、化学線、又はその他の種類の硬化剤)が液体レンズ材料52に適用される。その結果、液体レンズ材料52が硬化してコンタクトレンズとなる。
【0152】
図5は、本開示の原理によるコンタクトレンズのための鋳型の1つの例の断面図である。この例において、鋳型42は基底部56を有し、そこには複数の切欠き58、60、62があり、これらは離間されて、製造の後の段階でスピニング構造の内面と嵌合するような形状である。鋳型42の輪郭部54は、コンタクトレンズの前面を形成する形状である。
【0153】
図6は、本開示の原理による鋳型42の1つの例と液体レンズ材料52の断面図である。この例において、液体レンズ材料52は鋳型の輪郭部54の中に堆積させられている。
【0154】
液体レンズ材料52は、コンタクトレンズへの使用に適した何れの材料でも製作できる。例えば、液体レンズ材料52は、何れのシリコーン材料及び/又はヒドロゲル材料でも製作できる。このような材料には、ポリマ、例えばテフィルコン、テトラフィルコンA、クロフィルコン、ヘルフィルコンA&B、マフィルコン、ポリマコン、ヒオキシフィルコンB、ロトラフィルコンA、ロトラフィルコンB、ガリフィルコンA、セノフィルコンA、シフィルコンA、コムフィルコンA、エンフィルコンA、リドフィルコンB、サーフィルコンA、リドフィルコンA、アルファフィルコンA、オマフィルコンA、バサフィルコンA、ヒオキシフィルコンA、ヒオキシフィルコンD、ネルフィルコンA、ヒラフィルコンA、アコフィルコンA、ブフィルコンA、デルタフィルコンA、フェムフィルコンA、ブフィルコンA、パーフィルコン、エタフィルコンA、フォコフィルコンA、オキュフィルコンB、オキュフィルコンC、オキュフィルコンDオキュフィルコンE、オキュフィルコンF、フェムフィルコンA、メタフィルコンA、メタフィルコンB、ビルフィルコンA、その他の種類のポリマ、モノマ、又はこれらの組合せが含まれる。これらの材料には、モノマ、ポリマ、及び液体レンズ材料を形成するためのその他の材料の各種の組合せが含まれ得る。
【0155】
幾つかの例において、液体レンズ材料を構成する材料には、所望の波長内の光を遮断する少なくとも1つの遮光剤が含まれ得る。幾つかの例において、青色光を遮断する遮光剤が液体レンズ材料に組み込まれる。青色光のための何れの適当な種類の遮光剤もレンズに組み込まれ得る。幾つかの例において、青色光のための遮光剤は、トリフェニルホスフィン、着色染料、その他の種類の遮光剤、又はこれらの組合せを含む。幾つかの例において、UV光を遮断する遮光剤が液体レンズ材料に組み込まれる。幾つかの例において、2種類以上の遮光剤が液体レンズ材料に組み込まれ得る。
【0156】
幾つかの例において、その他の種類の遮光剤を使って、約360ナノメートル未満若しくは360ナノメートル未満、又は約280ナノメートル未満若しくは280ナノメートル未満の光の所望の波長を遮断し得る。これらの遮光剤は、UV又は青色光波長を遮断するために使用され得る。これらの例において、何れの適当な種類の遮光剤もこれらの波長を遮断するために使用し得て、これらは例えば二酸化チタン、オキシベンゾン、サリチル酸オクチル、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、RUVA-93、熱可塑性オレフィン、黄色染料#15等の染料、2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-yl)-4-ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレート、その他の遮光剤、又はそれらの組合せである。
【0157】
青色光のための遮光剤、UV光のための遮光剤、又はその他の種類の光のための遮光剤は何れの適当な量でもコンタクトレンズの本体に組み込まれ得る。これらの遮光剤の何れも、コンタクトレンズの少なくとも1.0重量パーセント、コンタクトレンズの少なくとも5.0重量パーセント、コンタクトレンズの少なくとも10.0重量パーセント、コンタクトレンズの少なくとも15.0重量パーセント、コンタクトレンズの少なくとも25.0重量パーセント、他の適当な量(重量)、又はこれらの組合せを構成し得る。
【0158】
1つの例において、液体レンズ材料は、シリコーンを一切含まないヒドロゲルポリマで構成される。これは、コンタクトレンズの水濡れ性を増大させるために望ましいものであり得る。他の例では、液体レンズ材料はシリコーンヒドロゲル材料で製作される。
【0159】
コンタクトレンズは、使用者の眼の形状と大きさ、コンタクトレンズの中央部分により達成すべき各種の光学特性をはじめとする様々な要素に基づく形状及び大きさとすることができる。幾つかの例において、コンタクトレンズの総厚は、約0.1mm~約0.14mmとすることができる。コンタクトレンズの厚さは、コンタクトレンズ上の場所によって徐々に変化し得る。例えば、コンタクトレンズは、コンタクトレンズの外縁付近においてコンタクトレンズの中央部分より厚くすることができる。
【0160】
図7及び8は、鋳型42の断面図であり、本開示の原理にしたがって液体レンズ材料52が遠心力により鋳型42の輪郭部54全体に広がっている。この例において、鋳型42はスピニング構造(図7の68)内で中心軸66の周囲で回転させられる。スピニング構造68は、ある速度で、コンタクトレンズの所望の後面70を形成するような方法で回転させられる。
【0161】
スピニング構造68は、液体レンズ材料52の入っている鋳型42を受けることができる中央装填領域を含む。中央装填領域は、ガラス管、金属管、又は鋳型42をスタック状態で保持できるその他の種類の構造により形成され得る。化学線が硬化剤として使用される例では、スピニング構造68は、化学線が中央装填領域の中へ入り込めるような十分な量の開口を含む不透明材料、半透明材料、又は透明材料を有し得る。図8の例において、スピニング構造68は、鋳型42をスタック状態で保持する複数のガイドポスト74を含む。スピニング構造68はまた、モータ等のスピニングドライバを取り付けるために使用できる領域76も含む。
【0162】
スピニング構造68は、コンタクトレンズの所望の後面70を形成するための正確な方法で回転するようにプログラムされ、これはコンタクトレンズのうち眼と接触することになる表面である。スピニング構造68を回転させるプログラムは、異なる使用者のための各使用者の個々の処方に基づく所望のプロファイルを作るために修正できる。硬化剤は、スピニング構造68が鋳型42を回転させている間に液体レンズ材料52に適用される。その結果、コンタクトレンズは、スピニング構造の回転中に形成される。幾つかの例において、コンタクトレンズは、スピニング構造の中で完全に硬化される。しかし、他の例では、コンタクトレンズは複数の硬化ステージを経て十分に硬化され得る。例えば、コンタクトレンズは、スピニング構造68内で、液体レンズ材料がその形状を保持するが、完全には硬化されない点まで硬化され得る。この段階で、コンタクトレンズが入っている状態の鋳型をスピニング構造から取り出して、費用効果の高い環境で硬化を完了させ得る。本明細書に記載の原理と両立するスピニング構造は、Stephen D.Newmanに発行された米国特許第9,193,119号明細書に記載されている。米国特許第9,193,119号は、その開示内容全体が参照により本願に援用される。
【0163】
図9は、本開示の原理によるコンタクトレンズのための鋳型の1つの例の断面図である。この例において、液体レンズ材料52は一部のみ硬化されて、その後、第二の材料900が追加される。この例では、第二の材料900は他の液体レンズ材料であり、部分的に硬化された液体レンズ材料52の後面に追加される。図10は再び回転し、第二の材料900が広がって部分的に硬化された液体レンズ材料52の後面の少なくとも一部を覆うようにしている状態の鋳型42を示す。幾つかの例において、第二の材料900は広がって液体レンズ材料52の後面全体を覆うが、他の例では、第二の材料900は後面の表面積の一部のみに広がる。第二の材料900は第二の材料900が広がりながらその場で硬化され得る。
【0164】
前面のための鋳型面のみを提供するように示されているが、幾つかの実施形態において、例えば鋳型成形システムにおける場合等、コンタクトレンズの裏面の形状を供給する追加の鋳型部品を提供することができる。このような抜型子は、相互に型締めし、両側から圧力をかけ、それらの間の液体レンズ材料を外側に押し出し、型穴を満たし、コンタクトレンズの形状を形成することができる。液体レンズ溶液は、例えば選択された波長の光(例えば、UV光)に露光させることを通じて、鋳型内で硬化させることができる。成形プロセスから生じたフラッシュは、コンタクトレンズが硬化した後、又は鋳型の2つの部分の結合に応じてトリミングできる。
【0165】
幾つかの例において、第一の液体レンズ材料は遮光剤の少なくとも1つを含まず、他方で第二の材料がその含まれていない遮光剤を含む。例えば、第一の液体レンズ材料は青色遮光剤を含まず、第二の材料がその青色遮光剤を含み得る。他の例では、液体レンズ材料はUV遮光剤の少なくとも1つを含まず、第二の材料がそのUV遮光剤を含む。他の例では、液体レンズ材料は遮光剤を含み得るが、ただし第二の材料とは濃度が異なる。遮光剤を含まない液体レンズ材料を堆積させる1つの利点は、遮光剤が液体レンズ材料の硬化速度に影響を与え得ることである。第二の材料は、液体レンズ材料と同じ材料であり得るが、それより小さい体積のみで、高い濃度の遮光剤である。この例において、レンズ材料のより小さい部分のみの硬化速度が遮光剤により影響を受ける。
【0166】
また別の例において、液体レンズ材料は第一の種類の遮光剤を含み得て、第二の材料は第二の種類の遮光剤を含み得る。遮光剤を、それらを別々に堆積させ、液体レンズ材料中の遮光剤のうちの1つを部分的に硬化させてから、第二の種類の遮光剤を含む第二の層を追加することによって相互に分離することにより、遮光剤が混ざり合うこと、相互に化学反応を起こすこと、及び/又はそれ以外に相互に干渉し合うことを防止し得る。異なる遮光剤の堆積を分離する他の理由は、1つの遮光剤がレンズ本体を硬化させるために使用される第一の種類の放射に基づく硬化速度に影響を与え得ることである。例えば、液体レンズ材料はUV光で硬化させられ得る。その例では、青色遮光剤は液体レンズ材料に組み込まれ得る。青色光は、第二の材料を硬化させために使用され得る。この例において、第二の材料はUV遮光剤を含み得る。
【0167】
幾つかの例において、青色光は青色光遮光剤を組み込んだ材料を硬化させるために使用され得る。幾つかの例において、青色遮光剤は、青色光が硬化させられる場合に硬化速度に影響を与えるが、他の例では、硬化速度は、青色光が青色遮光剤を含む材料を硬化させるために使用された場合は影響を受けない。
【0168】
幾つかの例において、UV光はUV光遮光剤を組み込んだ材料を硬化させるために使用され得る。幾つかの例において、UV遮光剤は、UV光が硬化させられる場合に硬化速度に影響を与えるが、他の例では、硬化速度は、UV光がUV遮光剤を含む材料を硬化させるために使用された場合は影響を受けない。
【0169】
図11は、液体レンズ材料の追加の層が鋳型42のコンタクトレンズに追加される例を示す。追加の液体レンズ材料1100は、第一の液体レンズ材料と同じ種類の材料であり得るか、又は異なる種類の材料でもあり得る。第一の液体レンズ材料は部分的に硬化させられてから、第二の材料900及び追加の液体レンズ材料が追加され得る。幾つかの例において、第二の材料900及び追加の液体レンズ材料1100は同時に硬化させられる。他の例において、第二の材料900が少なくとも部分的に硬化させられてから、追加の液体レンズ材料が硬化させられる。
【0170】
1つの例において、第一の液体レンズ材料52は鋳型42に追加され、回転されて部分的に硬化させられる。第二の材料900は、部分的に硬化した液体レンズ材料に追加され、同じく部分的に硬化させられる。追加の液体レンズ材料は、部分的に硬化した第二の材料と部分的に硬化した第一の液体レンズ材料に追加される。すると、追加の液体レンズ材料が硬化させられ得て、それによって追加の液体レンズ材料は第一の液体レンズ材料の周辺部分に架橋結合する。このプロセスは、第二の材料を囲い込み得る。第二の材料が、使用者が装用したときに第二の材料から使用者の眼へ滲出する可能性のある遮光剤を含む例においては、追加の液体レンズ材料と第一の液体レンズ材料は、その遮光剤の移動を防止するバリアとなり得る。
【0171】
幾つかの例において、遮光剤は、使用者が典型的にコンタクトレンズを装用する条件下でレンズ本体を通じて滲出する特性を持たない。この例において、単層のコンタクトレンズが望ましいものであり得る。
【0172】
前述の例の幾つかは液体レンズ材料である第二の材料を用いて説明されているが、第二の材料は何れの適当な形態もとり得る。例えば、第二のレンズ材料は、旋盤上で成形される固体材料であり得る。他の例では、第二のレンズ材料は、シート状材料であり得る。また別の例において、第二の材料は、第一の液体レンズ材料とは異なる環境中で硬化させられた、部分的に硬化済みの材料を含み得る。
【0173】
さらに、第二のレンズ材料は、部分的に硬化済みの第一のレンズに、それが鋳型の中に残っている間に追加されなくてもよい。部分的に硬化済みの第一の液体レンズ材料は、第二の材料が追加される前に、鋳型から取り出され、他の環境に移され得る。幾つかの例において、第一の液体レンズ材料は、第二の材料が少なくとも部分的に硬化させられる前に、同じ鋳型又は異なる鋳型に戻され得る。
【0174】
図12は、複数の層95、96、97を有するコンタクトレンズ100の例を示す。前層95と後層97は、例えば層96に含まれる光波長遮光剤の滲出を防止するバリア材料で製作され得る。幾つかの例において、前層95と後層97は、より高い酸素透過性を提供する材料で製作され得て、眼に対してより快適であり得る。層95、96、及び97は、架橋結合プロセスを通じて相互に付着され得る。幾つかの例において、前及び後層95、97は、中間層96より大きいものであり得る。これらのこのような例において、中間層は、眼の、近視の進行を遅らせ、又は近視の発症を予防するのに十分なコンタクトレンズからの圧力を受けることになる部分を覆うのに十分に大きいものであり得る。
【0175】
図13は、トリフェニルホスフィン1200の例を示しており、これは青色光を遮断するために使用され得る遮光剤であり、ポリマ鎖に接続されている。トリフェニルホスフィンはP(Cと略されることが多い。トリフェニルホスフィンは、周囲空気中で比較的安定であり得、室温で無色であり得る。幾つかの例において、トリフェニルホスフィンは空気中でゆっくりと酸化して酸化物を形成し得る。幾つかの例において、酸化物の形成は、遮光剤を不活性環境中で混合することによって回避できる。幾つかの例において、酸化反応は、トリフェニルホスフィン又はその他の遮光剤がコンタクトレンズ本体を形成するポリマ鎖の中に組み込まれた後で最小化される。しかし、幾つかの例において、遮光剤を含むレンズ材料は、酸化を回避し、又は低減させるために不活性環境中で硬化させられ得る。幾つかの例において、コンタクトレンズの、遮光剤を含む層は、遮光剤を含まない層の中に封入され、それによって酸化が予防される。幾つかの例において、酸化した形態の遮光剤は、コンタクトレンズの一部であることと同時に、依然として所望の波長を遮断することにおいて両立できる。
【0176】
この例は特定の種類の遮光剤に関して説明されているが、何れの適当な種類の遮光剤も本明細書に記載の原理にしたがって使用され得る。例えば、青色光を遮断し、及び/又はUV光を遮断するための他の種類の透明及び/又は透き通った遮光剤が使用され得る。他の例において、遮光剤はコンタクトレンズ又はその中の領域を着色し得る。
【0177】
図14は、Norbloc 7966、別名2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-yl)-4-ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレートの例を示しており、これはUV光を遮断するために使用し得るベンゾトリアゾール系遮光剤である。ベンゾトリアゾール系UV遮光剤は、非常に強力な、又は明確に定義される吸収カットオフを有し得る。例えば、Norbloc 7966は、約385ナノメートル~390ナノメートルまでの波長を有するUV光を吸収し、その時点で吸収は急速に減少する。それゆえ、本明細書に記載されているように、この吸収プロファイルにより、Norbloc 7966はUV光を有効に遮断しながら、高いパーセンテージの可視光を透過させることができる。
【0178】
さらに、吸収が急激に減少する点は、1つ又は複数の置換基を含むように分子を変更することによって希望に合わせて変更され得る。例えば、5位の電子供与基は、吸収カットオフをより長い波長へとシフトされ得る。幾つかの例において、置換基は5位の塩素(Cl)であり得、この場合、吸収カットオフは400ナノメートルであり得る。幾つかの例において、図14に示される分子の中でスチレン部位がエチルメタクリレート基と置換され得る。幾つかの例において、電子供与置換基は5位、例えばCl基に含められ得る。幾つかの例において、このようなUV遮光剤は400ナノメートルの吸収カットオフを有し得る。幾つかの例において、電子吸引基が代替的に5位に配置され得る。このような置換基は、吸収カットオフをより短い波長へとシフトさせる効果を有し得る。例えば、幾つかの例において、ニトロ基(-NO)又はスルホン酸基(-SONa)は5位の置換基として使用され得て、これは吸収カットオフを約370ナノメートルへとシフトさせ得る。幾つかの例において、ベンゾトリアゾール系遮光剤、例えばNorbloc 7966の1つ又は複数の変異体は、本明細書に記載されているように光の所望の波長を選択的に遮断するために、コンタクトレンズに含められ得る。
【0179】
図15は、2-[4-(ビス(カルボキシメチル)アミノ)-3-[2-[2-(ビス(カルボキシメチル)アミノ)-5-メチルフェノキシ]エトキシ]フェニル]-1H-インドール-6-カルボキシル酸、別名Indo-1の例を示しており、これは本明細書に記載されているようにUV光を吸収し、紫色光を発するために使用し得るUV吸収蛍光剤である。Indo-1は、発光ピークを475ナノメートルに有する蛍光分子である。しかしながら、カルシウムが存在すると、Indo-1の発光ピークは400ナノメートルにシフトする。したがって、Indo-1とカルシウムは、本明細書に記載されているように、400のメートルの波長を有する光を増強するためにコンタクトレンズに組み込まれ得る。幾つかの例において、Indo-1とカルシウムを含むコンタクトレンズは、レンズに入射する少なくとも一部のUV光を吸収し得て、その後、400ナノメートルの波長を有する光を眼に向けて発し得る。
【0180】
図16は、近視の進行を制御し、及び/又は近視の発症を予防する方法1300を示す。この例において、方法1300は、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が本体を透過しないように遮断するフィルタ特性と、500ナノメートルを超える波長の少なくとも一部の光に本体を透過させる透過特性と、400ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光に本体を透過させる第二の透過特性を含むコンタクトレンズを提供すること1302と、任意選択により、使用者に最初のコンタクトレンズを装用するように指示すること1304を含む。
【0181】
ブロック1302で、コンタクトレンズが使用者に提供される。コンタクトレンズは、特定の波長の光が眼に入射しないように遮断し、他方で所望の波長の光はコンタクトレンズの本体を通り、使用者の眼へと透過させる少なくとも1つの遮光剤を含む。幾つかの例において、第二の透過特性は360ナノメートル~400ナノメートルの波長の少なくとも一部の光を透過させることを含む。幾つかの例において、追加の遮光剤は、360ナノメートル未満の波長の光の少なくとも一部を遮断するためにコンタクトレンズに組み込まれ得る。
【0182】
ブロック1304で、使用者はコンタクトレンズを装用するように指示される。近視の進行を遅らせ、及び/又は近視の発症を予防する所望の効果は、紫色光が存在する環境中でコンタクトレンズを装用し、他方で青色光及び/又はUV光を除去することによって実現され得る。紫色光は、まず近視が形成されること、又は進行することを予防する生物学的フィードバックを提供し得る。幾つかの例において、紫色光の存在によって、すでに進行している近視の進み方を遅らせ得る。
【0183】
使用者は、眼軸の成長に対応する期間が終了するまでコンタクトレンズを装用するように指示され得る。その期間が過ぎた後、使用者には、使用者がコンタクトレンズの装用を停止し得ることが指示され得る。幾つかの例において、眼軸の成長に対応する期間は使用者が18歳になるまでであり得る。その結果、使用者は、幾つかの例において、18歳の誕生日頃に使用を停止するように指示され得る。幾つかの例において、使用者は、任意選択により、眼軸の成長に対応する期間が経過した後でもコンタクトレンズの装用を継続し、成人期発症近視又はその他の同様の眼の問題を軽減又は予防し得る。幾つかの例において、使用者は眼軸の成長に対応する期間後の所望の期間にわたり、コンタクトレンズを装用することを選択し得る。
【0184】
使用者は、使用者が近視であると診断されていなくても、近視を進行させる遺伝的リンクを有する場合に、コンタクトレンズを装用するように指示され得る。幾つかの例において、使用者は、使用者が近視であると診断されていなくても、近視の発症につながり得るような環境的、遺伝的、生物学的、社会学的、又はその他の何れかの要因若しくは要因の組合せを有する場合に、コンタクトレンズを装用するように指示され得る。近視を進行させる環境要因として考えられるのは、大量の紫色光を含まない、人工光源しかない屋内環境で生活することが含まれる。
【0185】
図17は、コンタクトレンズを製造する方法1400の例を示す。この例において、方法1400は、液体レンズ材料をスピンキャスティング鋳型に注入すること1402であって、液体材料は、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が液体レンズ材料を透過しないように遮断する特性を有する遮光剤を含む、注入すること1402と、スピンキャスティング鋳型を回転させること1404と、を含む。本プロセスは主としてスピンキャスティングプロセスに関して開示されているが、この材料は何れの数のコンタクトレンズ形成プロセスでも使用及び製造でき、これにはスピンキャスティング、注型成形(非組立型及び組立型の両方)、及び旋盤加工が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの例において、ハイブリッドプロセスはスピンキャスティング又は注型成形の後に旋盤加工を含む。
【0186】
ブロック1402で、液体レンズ材料が鋳型に注入される。液体レンズ材料は、所定の波長の光を除去及び/又は遮断する遮光剤を含み得る。遮光剤は、青色光、UV-A波、UV-B波、異なる波長の光、又はそれらの組合せの少なくとも一部を遮断し得る。遮光剤は、その他の波長の光にコンタクトレンズ本体を透過させるようにして、これは例えば紫色光及び、青色光の波長より長い波長を有する可視光スペクトル内のその他の全ての光である。
【0187】
図18は、コンタクトレンズを製造する方法1500の例を示す。この例において、方法1500は、液体レンズ材料をスピンキャスティング鋳型の中に注入すること1502と、液体レンズ材料を少なくとも部分的に硬化させて、コンタクトレンズを形成すること1504と、第二の材料を第一の液体レンズ材料の上に注入すること1506と、を含み、第二の材料は、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が液体レンズ材料を透過できないように遮断する特性を有する遮光剤を含む。
【0188】
ブロック1502で、液体レンズ材料が鋳型に追加される。幾つかの例において、第一の液体レンズ材料は遮光剤を含むが、他の例において、第一の液体レンズ材料は実質的に遮光剤を含まない。
【0189】
ブロック1504で、第一の液体レンズ材料は少なくとも部分的に硬化させられる。幾つかの例において、第一の液体レンズ材料は、第一の液体レンズ材料のスピンキャスティング中に硬化プロセスを経る。少なくとも部分的な硬化により、液体レンズ材料は所望の形状に硬化するが、依然としてある程度の分子結合が、製造プロセスのその後の段階のために結合されないままである。幾つかの例において、第一の液体レンズ材料は完全に硬化する。少なくとも部分的に硬化させることは、青色光、UV光、他の波長の光、又はそれらの組合せ等の特定の波長内の光の強度で実現され得る。
【0190】
ブロック1506で、第二の材料は第一の液体レンズ材料上に注入される。幾つかの例において、第二の材料は、第一の液体レンズ材料が少なくとも部分的に硬化した後に追加される。幾つかの例において、第二の材料は液体材料である。しかし、他の例では、第二の材料は第一の液体材料の上/中に堆積される固体材料又は気体材料でもあり得る。
【0191】
図19は、コンタクトレンズを製造する方法1600の例を示す。この例において、方法1600は、液体レンズ材料をスピンキャスティング鋳型の中に注入すること1602と、液体レンズ材料を少なくとも部分的に硬化させて、コンタクトレンズを形成すること1604と、第二の材料を第一の液体レンズ材料の上に注入すること1606であって、第二の材料は400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が液体レンズ材料を通過しないように遮断する特性を有する遮光剤を含む、注入すること1606と、第二の材料の他の追加の液体レンズ材料を第一の液体レンズ材料又は第二の材料の上に注入すること1608と、追加の液体レンズ材料を硬化させること1610と、を含む。
【0192】
ブロック1608で、追加の液体レンズ材料は遮光剤を含み得るが、他の例では、追加の液体レンズ材料は実質的に遮光剤を含まないようにし得る。幾つかの例において、追加の液体レンズ材料は、遮光剤が第一の液体レンズ材料又は第二の材料の何れからも滲出しないようにするバリアを提供し得る。追加の液体レンズ材料は、硬化後に使用者の眼と直接接触する層であり得る。
【0193】
ブロック1610で、追加の液体レンズ材料が硬化させられる。追加の液体レンズ材料は、硬化中に、第一の液体レンズ材料、第二の材料、又はそれらの組合せの何れかと架橋結合し得る。幾つかの例において、この段階で硬化させるために、第一の液体レンズ材料を少なくとも部分的に硬化させるために以前に使用したものと同じ種類の硬化メカニズムが使用され得る。例えば、各硬化段階で、同じ青色光、同じUV光、同じ温度等を硬化に使用し得る。代替的に、これらの異なる段階で、異なる硬化メカニズムが使用され得る。
【0194】
本明細書で開示される全ての範囲は、その中のあらゆる部分的範囲又はその中に包摂されるあらゆる個々の数値を包含し、それらを列挙する特許請求事の裏付けを提供すると理解するものとする。例えば、1~10と明記された範囲は、最小値1と最大値10の間及び/又はそれらを含むあらゆる部分的範囲又は個々の数値、すなわち、最小値1以上から始まり最大値10以下で終わる全ての部分的範囲(例えば、5.5~10、2.34~3.56等々)又は1~10のあらゆる数値(例えば、3、5.8、9.9994等々)を含み、それらを列挙する特許請求項の裏付けを提供すると理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2022-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が前記本体を透過しないように遮断するフィルタ特性と、
500ナノメートルを超える波長の少なくとも一部の光に前記本体を透過させる透過特性と、
を含むコンタクトレンズ。
【請求項2】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長少なくとも一部の光を遮断することは、前記コンタクトレンズの前記本体に入射する400ナノメートル~500ナノメートルの波長の前記光の少なくとも50パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項3】
400ナノメートル~500ナノメートルの波長少なくとも一部の光を遮断することは、前記コンタクトレンズの前記本体に入射する400ナノメートル~450ナノメートルの波長の前記光の少なくとも50パーセントを遮断することを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項4】
前記本体はポリマを含み、
前記コンタクトレンズは前記ポリマ中に組み込まれた遮光剤をさらに含み、
前記遮光剤はフィルタ特性を生じさせる、
請求項のコンタクトレンズ。
【請求項5】
前記遮光剤はトリフェニルホスフィンを含む、請求項のコンタクトレンズ。
【請求項6】
記コンタクトレンズの少なくとも1.0重量パーセントが前記遮光剤を含む、請求項のコンタクトレンズ。
【請求項7】
前記本体は、光学ゾーン及び周辺ゾーンを含み、
前記遮光剤は前記光学ゾーンと前記周辺ゾーンとのうちの一方の内部で分離されている
請求項のコンタクトレンズ。
【請求項8】
前記ポリマはシリコーン材料とヒドロゲル材料とのうちの少なくとも一方を含む、請求項のコンタクトレンズ。
【請求項9】
400ナノメートル未満の波長の光に前記本体を透過させる第二の透過特性をさらに含む、
請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項10】
前記第二の透過特性は、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の光前記本体を透過させることを含む、請求項のコンタクトレンズ。
【請求項11】
360ナノメートル~400ナノメートルの波長の光を前記本体内の吸収と蛍光発光を通じて増強させる第三の透過特性をさらに含む、
請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項12】
前記第三の透過特性は、360ナノメートル未満及び400ナノメートルを超える波長範囲の前記光の一部を吸収し、360ナノメートル~400ナノメートルの波長範囲の一部の光を発することを含む、請求項11のコンタクトレンズ。
【請求項13】
角膜矯正レンズ、ガス透過性ハードレンズ、又はソフトコンタクトレンズを含む、請求項1のコンタクトレンズ。
【請求項14】
コンタクトレンズの製造方法において、
液体レンズ材料を鋳型内に注入することと、
前記鋳型内で前記液体レンズ材料を硬化させることと
を含み、
前記液体レンズ材料は、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光が前記硬化されたレンズ材料を通過しないように遮断するようにされた遮光剤を含む方法。
【請求項15】
前記液体レンズ材料を少なくとも部分的に硬化させて、前記コンタクトレンズを形成することをさらに含む、請求項14の方法。
【請求項16】
前記コンタクトレンズは、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光が前記コンタクトレンズを通過しないように遮断するようにされた、請求項15の方法。
【請求項17】
第一の液体レンズ材料をスピンキャスティング鋳型内に注入することと、
前記スピンキャスティング鋳型を回転させることと、
前記第一の液体レンズ材料を少なくとも部分的に硬化させることと、
第二の材料を前記第一の液体レンズ材料上に注入することと、
さらに含み、前記第二の材料は、400ナノメートル~500ナノメートルの波長の光が前記コンタクトレンズを通過しないように遮断するようにされた、請求項14の方法。
【請求項18】
記第一の液体レンズ材料は遮光剤を含まない、請求項17の方法。
【請求項19】
追加の液体レンズ材料を前記鋳型内に堆積することと、
前記追加の液体レンズ材料を前記第一の液体レンズ材料と前記第二の材料とのうちの少なくとも一方に架橋結合することを含む、前記追加の液体レンズ材料を硬化させることと、
をさらに含む、請求項17の方法。
【請求項20】
コンタクトレンズにおいて、
鋳造体を含み、前記鋳造体は、
400ナノメートル~500ナノメートルの波長の少なくとも一部の光が前記鋳造体を透過しないように遮断、500ナノメートルを超える波長の少なくとも一部の光に前記鋳造体を透過させる第一の透過特性、及び400ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光に前記鋳造体を透過させる第二の透過特性を有するようにされたトリフェニルホスフィンを含む第一の遮光剤と、
360ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光が前記鋳造体を透過しないように遮断するようにされた第二の遮光剤と、
を含み、
前記鋳造体はシリコーン材料とヒドロゲル材料とのうちの一方を含む、コンタクトレンズ。
【請求項21】
前記本体は、360ナノメートル未満の波長の少なくとも一部の光が前記本体を透過しないように遮断する第二のフィルタ特性を含
360ナノメートル未満の波長の前記光は紫外線A波又は紫外線B波を含む、請求項のコンタクトレンズ。
【請求項22】
第二のフィルタ特性を生じさせる第二の遮光剤をさらに含む、請求項21のコンタクトレンズ。
【請求項23】
前記第二の遮光剤は、二酸化チタン、オキシベンゾン、サリチル酸オクチル、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、及びベンゾトリアゾールのうちの少なくとも一つを含む、請求項22のコンタクトレンズ。
【請求項24】
前記第二の遮光剤は、二酸化チタン、オキシベンゾン、サリチル酸オクチル、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、及びベンゾトリアゾールのうちの少なくとも一つを含む、請求項20のコンタクトレンズ。
【国際調査報告】