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特表2023-500635投影画像を表示するためのヘッドマウント装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】投影画像を表示するためのヘッドマウント装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20221227BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20221227BHJP
   A63G 31/16 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/74 C
H04N5/74 Z
A63G31/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524636
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 US2020056800
(87)【国際公開番号】W WO2021091697
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/930,873
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/791,512
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.BLUETOOTH
3.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ジェロミン アーロン チャンドラー
【テーマコード(参考)】
2H199
5C058
【Fターム(参考)】
2H199CA04
2H199CA12
2H199CA37
2H199CA42
2H199CA47
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA31
5C058EA32
5C058EA38
5C058EA54
(57)【要約】
システムが、視覚装置の受像面上に画像を投影するように構成された投影装置を含む。視覚装置は、受像面と、受像面に対向する視聴面とを有する画面を含む。画面は、視聴面上で画像が見えるように、画面を通じた受像面から視聴面への画像の透過を可能にするように構成される。視覚装置は、ユーザが視覚装置を装着している時に画像の焦点をユーザに合わせるように構成された集束レンズも含む。さらに、システムは、視覚装置の受像面の位置及び向きを決定するように構成された追跡システムを含む。投影装置は、決定された受像面の位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて画像の画像特性を調整するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影画像を表示するための投影システムであって、
受像面上に1又は2以上の画像を投影するように構成された投影装置と、
ユーザによって装着されるように構成されるとともに、画面及び集束レンズを保持するフレームを含む視覚装置と、
を備え、
前記画面は、前記受像面と、該受像面の反対側に配置された視聴面とを含み、前記画面は、前記投影された1又は2以上の画像が前記視聴面上で見えるように、前記画面を通じた前記受像面から前記視聴面への前記1又は2以上の画像の透過を可能にするように構成され、
前記集束レンズは、ユーザが前記視覚装置を装着している時に、前記視聴面上で見える前記投影された1又は2以上の画像の焦点を前記ユーザに合わせるように構成され、前記投影システムは、
前記視覚装置の前記受像面の位置及び向きを決定するように構成された追跡システムをさらに備え、
前記投影装置は、前記決定された前記受像面の位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて、前記投影された1又は2以上の画像の画像特性を調整するように構成される、
ことを特徴とする投影システム。
【請求項2】
前記画像特性は、歪み、オフセット、スケール、又はこれらの組み合わせを含む、
請求項1記載の投影システム。
【請求項3】
前記視覚装置は、前記追跡システムに赤外線位置信号を出力するように構成された赤外線トランシーバを含み、前記追跡システムは、前記赤外線位置信号を受信し、前記赤外線位置信号に少なくとも部分的に基づいて前記視覚装置の前記位置及び向きを決定するように構成される、
請求項1記載の投影システム。
【請求項4】
前記視覚装置は受動赤外線追跡特徴を含み、前記追跡システムは、前記受動赤外線追跡特徴を検出し、該受動赤外線追跡特徴の検出に少なくとも部分的に基づいて前記視覚装置の前記位置及び向きを決定するように構成された赤外線装置を備える、
請求項1に記載の投影システム。
【請求項5】
前記受動赤外線追跡特徴は、赤外線インクパターン、赤外線LED照明器、又はこれらの両方を含む、
請求項4に記載の投影システム。
【請求項6】
前記追跡システムは、前記視覚装置上に配置された光学的に見える追跡特徴を検出するように構成されたカメラを備え、前記追跡システムは、前記検出された光学的に見える追跡特徴に少なくとも部分的に基づいて前記視覚装置の前記位置及び向きを決定するように構成される、
請求項1に記載の投影システム。
【請求項7】
前記光学的に見える追跡特徴は、再帰反射マーカ、QRコード、光学的に見えるインクパターン、又はこれらの組み合わせを含む、
請求項6に記載の投影システム。
【請求項8】
前記視覚装置は、前記追跡システムにGPS信号を出力するように構成された全地球測位システム(GPS)装置を含み、前記追跡システムは、前記GPS信号に少なくとも部分的に基づいて前記視覚装置の前記位置を決定するように構成される、
請求項1に記載の投影システム。
【請求項9】
前記投影装置は、制御システムから受け取られた画像投影命令に基づいて前記1又は2以上の画像を投影するように構成される、
請求項1に記載の投影システム。
【請求項10】
前記1又は2以上の画像は、テキストベースのメッセージ、画像、ビデオ、又はこれらの組み合わせを伝えるように構成される、
請求項1に記載の投影システム。
【請求項11】
前記投影された1又は2以上の画像を前記視覚装置の前記画面の前記受像面上に反射するように構成された反射面を備える、
請求項1に記載の投影システム。
【請求項12】
前記視覚装置の前記位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて前記投影装置を動かすように構成された投影装置アクチュエータを備える、
請求項1記載の投影システム。
【請求項13】
投影画像を表示するための投影システムであって、
受像面の位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて画像投影命令を生成するように構成された制御システムと、
各投影装置が前記画像投影命令に基づいて前記受像面の少なくとも一部に固有の画像を投影するように構成された複数の投影装置と、
ユーザによって装着されるように構成されるとともに、画面及び集束レンズを保持するフレームを含む視覚装置と、
を備え、
前記画面は、前記受像面及び視聴面を含み、前記画面は、前記視聴面上でブレンド画像が見えるように、前記受像面から前記画面を通じた前記視聴面への前記ブレンド画像の透過を可能にするように構成され、前記ブレンド画像は、前記複数の投影装置から前記受像面上に投影される前記固有の画像で形成され、
前記集束レンズは、前記視覚装置に関連するユーザに前記ブレンド画像の焦点を合わせるように構成され、前記投影システムは、
前記受像面の位置及び向きを決定するように構成された追跡システムをさらに備え、
前記複数の投影装置は、前記ブレンド画像を形成するために、前記画像投影命令に少なくとも部分的に基づいて前記固有の画像のそれぞれの画像特性を調整するように構成される、
ことを特徴とする投影システム。
【請求項14】
前記画面は背面投影材料を含み、該背面投影材料は、前記画面が該画面を通じた前記受像面から前記視聴面への前記ブレンド画像の透過を可能にするように少なくとも部分的に半透明である、
請求項13に記載の投影システム。
【請求項15】
前記視覚装置は、ユーザによって装着されるように構成されたメガネを含む、
請求項13に記載の投影システム。
【請求項16】
前記画面は、前記視覚装置に取り外し可能に取り付けられる、
請求項13に記載の投影システム。
【請求項17】
前記視聴面は、前記ブレンド画像が前記ユーザに見えるように前記ユーザの方に面した前記画面の表面を含む、
請求項15に記載の投影システム。
【請求項18】
前記複数の投影装置の各投影装置は、前記固有の画像を前記複数の視覚装置に投影するように構成される、
請求項13に記載の投影システム。
【請求項19】
投影画像を表示する方法であって、
ユーザによって装着されるように構成されるとともに、画面及び集束レンズを保持するように構成されたフレームを含む視覚装置の位置及び向きを、追跡システムを介して決定するステップと、
前記視覚装置の前記位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて、1又は2以上の投影装置を介して1又は2以上の画像の画像特性を調整するステップと、
前記1又は2以上の投影装置を介して、前記視覚装置の前記画面の受像面上に前記1又は2以上の画像を投影するステップと、
を含み、前記受像面の反対側に前記画面の視聴面が配置され、前記画面は、前記1又は2以上の画像が前記集束レンズを通じて前記視聴面上でユーザに見えるように、前記画面を通じた前記受像面から前記視聴面への前記1又は2以上の画像の透過を可能にするように構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記画像特性は、歪み、オフセット、スケール、又はこれらの何らかの組み合わせを含む、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2019年11月5日に出願された「投影画像を表示するためのヘッドマウント装置(HEAD-MOUNTED DEVICE FOR DISPLAYING PROJECTED IMAGES)」という名称の米国仮特許出願第62/930,873号の利益を主張するものであり、この文献の開示は全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、ヘッドマウント装置を装着したユーザに投影画像を表示するヘッドマウント装置に関する。
【背景技術】
【0003】
本節は、以下で説明する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0004】
テーマパーク又は遊園地アトラクションはますます人気が高まってきており、国内外のゲストに独特な没入体験を提供する様々な遊園地アトラクションが創出されている。遊園地アトラクションの中には、ゲストに独特な没入体験を提供するのに役立つように仮想現実装置を組み込んだものもある。従来、仮想現実体験のためにゲストに画像(例えば、ビデオフィード)を提供するには、画像を生成してHMDのディスプレイに電力を供給する電子機器を内蔵したヘッドマウントディスプレイ(HMD)が必要である。しかしながら、これらのHMDは一般に高価であり、多くの電力を必要とし、重いため、独特な没入感を損なってしまう恐れがある。また、ヘッドマウントディスプレイの中には、ヘッドマウントディスプレイの位置又は向きを決定するための内蔵カメラを含むものもある。内蔵カメラは、従来のHMDのコスト、消費電力及び重量を増大させることによって独特な没入感をさらに損なう恐れがある。従って、今ではこれらのヘッドマウントディスプレイを改善することが望ましいと認識されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0006】
ある実施形態によれば、システムが、受像面上に1又は2以上の画像を投影するように構成された投影装置を含む。システムは、ユーザによって装着されるように構成された視覚装置も含む。視覚装置は、画面及び集束レンズを保持するフレームを有する。視覚装置の画面は、受像面と、受像面に対向する視聴面とを有する。画面は、1又は2以上の画像が視聴面上で見えるように、画面を通じた受像面から視聴面への1又は2以上の画像の透過を可能にするように構成される。視覚装置の集束レンズは、ユーザが視覚装置を装着している時に、視聴面上で見ることができる1又は2以上の画像の焦点をユーザに合わせるように構成される。さらに、システムは、視覚装置の受像面の位置及び向きを決定するように構成された追跡システムを含む。投影装置は、決定された受像面の位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて1又は2以上の投影画像の画像特性を調整するように構成される。
【0007】
ある実施形態によれば、システムが、受像面の位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて画像投影命令を生成するように構成された制御システムを含む。システムは、複数の投影装置も含む。複数の投影装置の各投影装置は、画像投影命令に基づいて受像面の少なくとも一部に固有の画像を投影するように構成される。また、システムは、ユーザによって装着されるように構成されるとともに、画面及び集束レンズを保持するフレームを有する視覚装置を含む。視覚装置は、受像面及び視聴面を有する画面を含む。画面は、視聴面上でブレンド画像(blended image)が見えるように、受像面から画面を通じた視聴面へのブレンド画像の透過を可能にするように構成される。ブレンド画像は、複数の投影装置から受像面上に投影される固有の画像で形成される。視覚装置は、視覚装置に関連するユーザにブレンド画像の焦点を合わせるように構成されたフォーカスレンズも含む。さらに、システムは、受像面の位置及び向きを決定するように構成された追跡システムを含む。複数の投影装置は、ブレンド画像を形成するために、画像投影命令に少なくとも部分的に基づいて固有の画像のそれぞれの画像特性を調整するように構成される。
【0008】
ある実施形態によれば、方法が、追跡システムを介して視覚装置の位置及び向きを決定するステップを含む。視覚装置は、ユーザによって装着されるように構成されるとともに、画面及び集束レンズを保持するように構成されたフレームを含む。方法は、視覚装置の位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて1又は2以上の画像の画像特性を調整するステップをさらに含む。さらに、方法は、1又は2以上の投影装置を介して、視覚装置の画面の受像面上に1又は2以上の画像を投影するステップを含む。画面の視聴面は受像面の反対側に配置され、画面は、1又は2以上の画像が集束レンズを通じて視聴面上でユーザに見えるように、画面を通じた受像面から視聴面への1又は2以上の画像の透過を可能にするように構成される。
【0009】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の態様による、投影画像を表示する投影システムの実施形態を示す斜視図である。
図2】本開示の態様による、投影画像を表示する投影システムの実施形態を示す斜視図である。
図3】本開示の態様による、視覚装置上に投影画像を表示する投影システムの制御システムの実施形態のブロック図である。
図4】本開示の態様による、視覚装置上に同時に画像を投影する複数の投影装置を有する実施形態の斜視図である。
図5】本開示の態様による、視覚装置の外部の実施形態の斜視図である。
図6】本開示の態様による、視覚装置の内部の実施形態の斜視図である。
図7】本開示の態様による、視覚装置を使用して投影装置からの投影画像を視聴する方法の実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の1又は2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明していない場合もある。いずれかの工学又は設計プロジェクトに見られるいずれかのこのような実施の開発では、実装によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の特定の目的を達成するために数多くの実装固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間が掛かる場合もあるが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0012】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介する場合、「a」、「an」及び「the」といった冠詞は、これらの要素が1つ又は2つ以上存在することを意味するものとする。「備える(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的なものとして意図されており、列記する要素以外のさらなる要素が存在し得ることを意味する。また、本開示の「1つの実施形態」又は「ある実施形態」についての言及は、記載する特徴も含むさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されるように意図するものではないと理解されたい。
【0013】
本明細書では、従来のヘッドマウントディスプレイのハードウェア及び処理回路を伴わずにユーザに画像(例えば、ビデオフィード)を表示するシステム及び方法を提供する。このシステム及び方法は、ユーザによって装着されるように構成された視覚装置(例えば、メガネ)上に画像を投影するように構成された独立した投影装置を含む。具体的には、投影装置は、視覚装置の画面の受像面上に画像を投影する。画面は、受像面及び視聴面を含み、受像面から視聴面への画像の透過を可能にするように構成される。すなわち、画面は、受像面から視聴面に画像が通過することを可能にする背面投影材料を含む。視覚装置は、ユーザが視聴面上で画像を見ることができるように、視覚装置を装着したユーザに画像の焦点を合わせる集束レンズも含む。従って、計算が複雑な画像生成及び/又は投影は、ユーザによって装着される視覚装置上に存在するのではなく投影装置へと負荷軽減される。このシステム及び方法は、画像を表示するために内蔵電子機器が不要であるため、ユーザに画像を表示するための低コストで快適で節電的なオプションを提供する。
【0014】
図1は、遊園地アトラクション16における、投影装置12及び視覚装置14を有する投影システム10の実施形態の斜視図である。上述したように、投影装置12は、ユーザ18が視覚装置14の視聴面20上で画像(例えば、ビデオフィード)を見ることができるように、視覚装置(例えば、メガネ)から間隔を置いて視覚装置に画像を投影するように構成することができる。図示の実施形態では、遊園地アトラクション16内の各ユーザ18が、画像を見るためにそれぞれの視覚装置14を有する。投影システムは、各ユーザ18に共通のビデオフィードが見えるように、各視覚装置14に同じ画像を出力するように構成することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、各ユーザ18がそれぞれの視覚装置14を介して固有の画像(例えば、固有のビデオフィード)を見ることができるように、これらの画像をユーザ固有又は装置固有の画像とすることもできる。例えば、遊園地アトラクション16の一部として各ユーザに特定の役割(例えば、機長、パイロット、ナビゲータなど)を割り当てることができる。各ユーザ18のそれぞれの視覚装置14は、ユーザ18が割り当てられた役割の立場から遊園地アトラクション16を体験できるように、ユーザ18に割り当てられた特定の役割に固有のビデオフィードを受け取ることができる。投影システムは、固有のビデオフィードを出力するために複数の投影装置12(例えば、専用投影装置)を有することができる。投影システムは、遊園地アトラクション16内の各ユーザ18又は各視覚装置14のための専用投影装置12を有することができる。いくつかの実施形態では、単一の投影装置が複数の視覚装置14に共通のフィード又は固有のビデオフィードを出力することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、投影システム10を、遊園地アトラクション16内で共通のフィードと固有のビデオフィードとの組み合わせを出力するように構成することができる。例えば、遊園地アトラクション16の紹介部分の最中には、投影システム10が共通のフィードを出力することができる。遊園地アトラクション16のその後の部分の最中には、投影システム10が、いくつかの投影装置12に対し、特定の役割のユーザ18に固有のビデオフィードを出力させることができる。役割のないユーザ18、又はアクティブなタスクを有していない役割のユーザ18は、共通のフィードを受け取り続けることができる。しかしながら、遊園地アトラクション16のいくつかの部分の最中では、投影システム10が遊園地アトラクション16の各ユーザ18に固有のビデオフィードを出力することができる。
【0016】
上述したように、視覚装置14はユーザ18によって装着されるように構成される。視覚装置14はヘッドマウント装置(例えば、メガネ)とすることができる。視覚装置14はフレーム22(例えば、メガネフレーム)を含む。フレーム22には視覚装置14のコンポーネントを取り付けることができる。フレーム22の一部には、画面24の視聴面20がユーザ18に見えるように画面24を取り付けることができる。画面24は、少なくとも視聴面20と、視聴面20に対向して配置された受像面26とを含む。視聴面20は、視覚装置14の内部に配置することができる。すなわち、視聴面20は、ユーザ18が視覚装置14を装着している間に視聴面20がユーザに見えるように、ユーザ18に面する画面24の一部に配置することができる。受像面26は、ユーザ18から外向きに面する。いくつかの実施形態では、遊園地アトラクション16が、受像面26が概ね投影装置12の方に向くようにユーザ18の向きを定めるように構成される。例えば、遊園地アトラクション16は、ユーザ18のための乗り物シート28を含むことができる。乗り物シート28は、ユーザ18及び視覚装置14が投影装置12の方に面するように投影装置12の方を向くことができる。
【0017】
投影装置12は、視覚装置14の画面24の受像面26上に画像(例えば、ビデオフィード)を投影するように構成される。画面24は、背面投影材料を含むことができる。背面投影材料は少なくとも部分的に半透明であり、視聴面20上でユーザ18に画像が見えるように、画面24を通じた受像面26から視聴面20への画像(例えば、ビデオフィード)の透過を可能にする。また、受像面26上では、ユーザ18が見ることができる画像(例えば、ビデオフィード)の背面画像を見ることもできる。いくつかの実施形態では、視覚装置14のそれぞれの受像面26上に見える背面画像を遊園地職員が視覚的に検査することによって、各ユーザの視覚装置14が正しく画像(例えば、ビデオフィード)を表示していることを確認するチェックを行うことができる。
【0018】
視覚装置14は、視覚装置14を装着しているユーザ18に画像が見えるように、視聴面上に見える画像(例えば、ビデオフィード)に焦点を合わせるように構成された集束レンズを含むこともできる。いくつかの実施形態では、画像が、テキストベースのメッセージ、画像、ビデオ又はこれらの何らかの組み合わせを含む。例えば、遊園地アトラクション16は、画像が仮想現実環境のビデオ画像を含むような仮想現実タイプのアトラクションとすることができる。別の例では、画像が、遊園地アトラクション16のためのテキストベースの指示を含むことができる。テキストベースの指示は、投影装置12から投影される画像が失われるのを避けるためにユーザに視覚装置14の使用方法を知らせることができる。
【0019】
上述したように、投影装置12は、視覚装置14の受像面26上に画像を投影するように構成される。しかしながら、視覚装置14はヘッドマウント装置であるため、ユーザ18が頭を動かすと視覚装置14が投影装置12に対して動く(例えば、向きを変える)ようになる。ユーザ18は、複数の方向に頭を傾け又は動かして受像面26を投影装置12に対して動かすことができる。従って、投影システム10は、受像面26の動きを検出して受像面26の位置及び向きを決定する追跡システム32を含むことができる。投影システム10は、検出された受像面26の動きに基づいて画像を調整する(例えば、受像面に出力される画像を補正する)ように構成することができる。投影システム10は、ユーザ18が自身の頭の動きにもかかわらず一貫した画像を見ることができるように投影装置12に画像を調整させることができる。いくつかの実施形態では、投影システム10を、ユーザ18が自身の頭の動きにもかかわらず一貫した画像を見るように、投影装置12を移動又は回転させて受像面26を追いかけるように構成することができる。
【0020】
しかしながら、ユーザ18は、投影装置12の画像調整能力を超える方向に頭を動かした場合には、画像が失われて視聴面20上で画像が見えなくなってしまう場合がある。いくつかの事例では、ユーザ18が(例えば、右向きに90度)頭を回転させると、投影装置12が視覚装置14に正確に画像を投影できなくなってしまうことがある。
【0021】
いくつかの実施形態では、図2に示すように、投影システム10が、遊園地アトラクションのユーザの潜在的な動きの範囲を拡大するように構成された反射面27を含む。反射面27は、投影装置12から投影された画像29を視覚装置14の画面24の受像面26上に反射するように構成することができる。投影装置12は、概ねユーザ18の背後に位置することができ、これによって実施形態の没入体験を向上させることもできる。投影装置12が視覚装置上に正確な画像を投影する動きの閾値範囲は-50度~+50度とすることができる。反射面は、反射画像を受信する能力を失うことなくユーザがミラーのドーム面内で回転することを可能にする凹面鏡とすることができる。反射面27は、ユーザ18がたとえ90度の向きであっても正確な画像を見ることができるように視覚装置14の受像面26に向けて画像を反射するように構成される。いくつかの実施形態では、投影装置12の動きの閾値範囲外の方向へのユーザの動きを他のシステムが補償することができる。例えば、投影システム10は、単一の視覚装置14のために複数の投影装置を使用するように構成することができる。
【0022】
図3は、本開示の態様による、視覚装置14(例えば、ヘッドマウント装置)上に投影画像を表示する投影システム10の制御システム36の実施形態のブロック図である。上述したように、投影装置12は、視覚装置14の画面24の受像面26に向けて画像34(例えば、ビデオフィード)を投影するように構成される。制御システム36は、投影装置が投影画像を出力するための画像投影命令38を生成するように構成される。画像投影命令38は、投影装置12に、視覚装置14の受像面26に遊園地アトラクション16の紹介ビデオを投影させることができる。別の例では、投影画像が固有のメッセージ(例えば、警告、今すぐ座標を入力、又は右に旋回)を含むことができる。
【0023】
制御システム36は、プロセッサ40a及びメモリ42aを介して画像投影命令38を生成するように構成することができる。プロセッサ40aは1又は2以上の処理装置を含むことができ、メモリは1又は2以上の有形の非一時的な機械可読媒体を含むことができる。一例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、又は光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶装置、或いは機械実行可能命令又はデータ構造の形の所望のプログラムコードを保持又は記憶するために使用することができてプロセッサ50a又は他のプロセッサベースの装置(例えば、モバイル装置)がアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ42aが、様々な制御システム信号(例えば、画像投影命令38)を出力するためにプロセッサ40aによって実行可能なコントローラ命令を記憶するように構成される。例えば、プロセッサ40aは、画像投影命令38を出力して投影装置12を作動させるためにコントローラ命令を実行することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、プロセッサ40aを、ユーザインターフェイス39を介したユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて画像投影命令38を生成するように構成することができる。ユーザインターフェイス39は、プロセッサ40aにユーザ入力を提供するように構成された入力/出力装置41(例えば、キーボード、マウス又はタッチ画面)を含むことができる。さらに、ユーザインターフェイス39は、制御システム36のためのユーザオプションを表示するように構成されたディスプレイ44(例えば、コンピュータモニタ又はパーソナル装置画面)を含むことができる。
【0025】
さらに、制御システム36は、通信回路46aを介して画像投影命令38を出力するように構成することができる。通信回路46aは、アンテナ、無線トランシーバ回路、及び信号処理ハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、ハードウェア又はソフトウェアフィルタ、A/D変換器、マルチプレクサ、増幅器)、又はこれらの組み合わせを含むことができ、赤外線(IR)無線通信、衛星通信、放送ラジオ、マイクロ波ラジオ、Bluetooth、Zigbee、Wifi、UHF、NFCなどを介して無線通信経路を通じて通信するように構成することができる。
【0026】
投影装置12は、画像投影命令38を受け取り、画像投影命令38に少なくとも部分的に基づいて画像34(例えば、ビデオフィード)を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、制御システム36が複数の投影装置(例えば、第1の投影装置48及び第2の投影装置50)を含む。各投影装置12は、各投影装置12が固有の画像(例えば、第1の画像56及び第2の画像58)を出力するように、固有の画像投影命令(例えば、第1の画像投影命令52及び第2の画像投影命令54)を受け取るように構成することができる。従って、各投影装置12は、それぞれの固有の画像投影命令を受け取るための通信回路46b、46cを含むことができる。通信回路46b、46cは、受け取ったそれぞれの固有の画像投影命令をそれぞれのプロセッサ40b、40c及び/又はメモリデバイス42b、42cに出力するように構成することができる。それぞれのプロセッサ40b、40cは、受け取ったそれぞれの画像投影命令に少なくとも部分的に基づいてそれぞれのプロジェクタ命令(projector instructions)を生成して出力するように構成することができる。それぞれのプロジェクタ(例えば、第1のプロジェクタ60及び第2のプロジェクタ62)は、それぞれのプロジェクタ命令を受け取ってそれぞれの画像56、58を出力するように構成することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、投影装置48、50が、視覚装置14の受像面26の少なくとも一部にそれぞれの画像56、58を投影するように構成される。すなわち、複数の投影装置12は、それぞれの画像を単一の視覚装置14上に放出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、投影装置48、50が、第1の投影装置が第1の画像56を第1の視覚装置上に出力し、第2の投影装置が第2の画像58を第2の視覚装置上に出力するように、それぞれの画像56、58を対応する視覚装置上に出力するように構成される。いくつかの実施形態では、単一の投影装置12が複数の受像装置上に画像34を出力するように構成される。画像34は、複数の各受像装置上に共通フィードを表示するように構成することができる。例えば、画像34は、遊園地アトラクションの部屋の幅にわたることができる。画像34は、画像34内に複数の共通フィードを含むことができる。各共通フィードは、室内の視覚装置の位置及び向きに基づいて画像34内に配置することができる。すなわち、投影装置12は、複数の視覚装置の各々に共通フィードが投影されるように、画像34内の各共通フィードを視覚装置に位置合わせするように構成することができる。
【0028】
さらに、投影装置12は、画像34を投影するように構成されたいずれかの好適な投影装置12とすることができる。例えば、投影装置12は、デジタルライトプロセッシング(DLP)プロジェクタ、発光ダイオード(LED)プロジェクタ、又は液晶ディスプレイ(LCD)プロジェクタを含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、視覚装置14がヘッドマウントディスプレイを含む。例えば、視覚装置14は、ユーザによって装着されるように構成されたメガネを含むことができる。上述したように、視覚装置14は画面24を含む。画面24は、受像面26と、受像面26に対向する視聴面20とを含む。画面24は、視聴面20上で画像34が見えるように、画面24を通じた受像面26から視聴面20への画像34の透過を可能にするように構成される。視覚装置14は、視聴面上で見える画像34の焦点を視覚装置14に関連するユーザに合わせるように構成された集束レンズ30も含む。
【0030】
上述したように、制御システム36は、メモリ42aに記憶された予めプログラムされたコントローラ命令、又はユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて画像投影命令38を生成するように構成することができる。また、制御システム36は、視覚装置14の画面24の位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて画像投影命令38を生成するように構成することもできる。投影装置12は、視覚装置14の距離及び相対的角度が投影装置12に対して変化した時に、画像34(例えば、ビデオストリーム)が視覚装置14上に正しく表示されるように画像34を変更するように構成することができる。例えば、ユーザは、最初に投影装置12から5フィート離れて位置することができる。ユーザは、遊園地アトラクション16の一部の最中に、投影装置12から10フィート離れるように投影装置12から離れて後方に移動することができる。投影装置12が画像34を変更しなければ、画像34は視覚装置14よりも大きく表示され、視覚装置14上では画像34の一部しか見えないようになる。従って、投影装置12は、視覚装置14上に画像34が正しく投影されるように、視覚装置14の位置及び向きに基づいて画像34の画像特性(例えば、焦点、歪み、オフセット又はスケール)を調整するように構成することができる。
【0031】
投影システム10は、視覚装置の受像面の位置及び向きを決定するように構成された追跡システム32を含むことができる。追跡システムは、プロセッサ40d及びメモリ42dを含むことができる。いくつかの実施形態では、追跡システム32が、視覚装置14の位置及び/又は向きを決定するために、視覚装置14上に配置された追跡特徴64を検出するように構成される。追跡システム32は、決定された視覚装置14の位置及び/又は向きを制御システム36に出力するように構成された通信回路46dを含むことができる。視覚装置14は、赤外線インクパターン、赤外線LED照明器又は別の好適な受動追跡特徴64などの受動赤外線追跡特徴を有することができる。追跡システム32は、受動赤外線追跡特徴を検出し、受動赤外線追跡特徴の検出に少なくとも部分的に基づいて視覚装置14の位置及び/又は向きを決定するように構成された追跡装置66(例えば、赤外線追跡装置)を含むことができる。追跡装置66は、投影装置12に取り付けることも、又は追跡特徴64への見通し線をもたらすいずれかの好適な位置に取り付けることもできる。例えば、追跡装置66は、遊園地アトラクションの壁の上部に取り付けることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、追跡システム32が、視覚装置14上に配置された光学的に見える追跡特徴を検出するように構成されたカメラを有する。光学的に見える追跡特徴は、再帰反射ドット(retroreflective dots)、QRコード、光学的に見えるインクパターン、又は他のいずれかの好適な追跡特徴を含むことができる。追跡システム32は、検出された光学的に見える追跡特徴に少なくとも部分的に基づいて視覚装置14の位置及び/又は向きを決定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、視覚装置14が、追跡システム32に赤外線位置信号を出力するように構成された赤外線トランシーバを含む。追跡システム32は、赤外線位置信号68を受信し、赤外線位置信号68に少なくとも部分的に基づいて視覚装置14の位置及び/又は向きを決定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、視覚装置14が、追跡システム32にGPS信号70を出力するように構成されたグローバルポジショニングシステム(GPS)装置を含む。追跡システム32は、GPS信号70に少なくとも部分的に基づいて視覚装置の位置を決定するように構成することができる。
【0033】
図4は、本開示の態様による、視覚装置14に同時に画像を投影する複数の投影装置を有する遊園地アトラクション16内の投影システム10の実施形態の上面図である。いくつかの実施形態では、投影システム10が複数の投影装置(例えば、第1の投影装置48及び第2の投影装置50)を含む。上述したように、複数の投影装置は、単一の視覚装置14上に画像を放出するように構成することができる。具体的には、複数の投影装置の各投影装置12は、視覚装置14の受像面26の少なくとも一部にそれぞれの固有の画像(例えば、第1の画像56及び第2の画像58)を放出するように構成することができる。視覚装置14(例えば、メガネ)は、ユーザによって装着されるように構成され、画面24を保持するフレーム22と集束レンズとを含む。
【0034】
画面24は、受像面26及び視聴面20を含む。受像面26は、画面24の視聴面20に対して反対側に配置される。画面24は、少なくとも部分的に半透明とすることができる。画面24は、画面24を通じた可視光の透過を可能にするように構成された背面投影材料を含むことができる。具体的には、画面24は、画面24の視聴面20上で画像34が見えるように、受像面26から画面24を通じた視聴面20への画像34の透過を可能にするように構成される。視聴面20は、視覚装置14の内側部分に配置される。すなわち、ユーザは、視覚装置14を装着している時に画面24の視聴面20を見ることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、投影システム10が、ブレンド画像72を介して画像(例えば、ビデオフィード)を送信するように構成される。ブレンド画像72は、複数の投影装置48、50から受像面26上に投影される固有の画像56、58の組み合わせで形成される。上述したように、視覚装置14は、投影装置12が視覚装置14上に正確な画像を投影することを可能にする、投影装置12に対する動きの閾値範囲74を有することができる。いくつかの実施形態では、閾値範囲74を-50度~+50度とすることができる。視覚装置14が第1の投影装置48に対して動く(例えば、ユーザが頭を回転させる)と、視覚装置14は、第2の投影装置50が閾値範囲74内に存在するように回転することができる。例えば、第1の投影装置48は部屋の正面76に位置し、第2の投影装置は部屋の右壁78に位置することができる。第1の投影装置48及び第2の投影装置50の各々は、それぞれの画像(例えば、第1の画像56及び第2の画像58)を部屋の中心に向けて投影するように構成することができる。ユーザは、最初に部屋の前方76を向くと、第1の投影装置48が視覚装置14の閾値範囲74内に存在するようになる。しかしながら、ユーザが閾値範囲外(例えば、右側に80度)に頭を回転させると、第2の投影装置50が視覚装置14の閾値範囲74内に回転するようになる。
【0036】
いくつかの実施形態では、閾値範囲74の外側に視覚装置12の品質低下ゾーン80が存在する。例えば、視覚装置14の品質低下ゾーン80は、-50度~-70度、及び+50度~+70度とすることができる。視覚装置14の品質低下ゾーン80内では、投影装置12が劣化した画像を投影することができる。いくつかの実施形態では、第1の投影装置48及び第2の投影装置50が品質低下ゾーン内でそれぞれの画像(例えば、第1の画像56及び第2の画像58)を投影してブレンド画像72を形成することができる。第1の投影装置48及び第2の投影装置50の各々は、視覚装置14に正確な画像を投影するために、それぞれの固有の画像(例えば、第1の画像56及び第2の画像58)を介して画像34の一部(例えば、ビデオフィード)を放出するように構成することができる。これらの固有の画像(例えば、第1の画像56と第2の画像58)の組み合わせがブレンド画像を形成する。画面24は、視聴面20上でブレンド画像72が見えるように、受像面26から画面24を通じた視聴面20へのブレンド画像72の透過を可能にするように構成される。
【0037】
いくつかの実施形態では、投影システム10が投影装置アクチュエータを含む。投影装置アクチュエータ82は、視覚装置14の位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて投影装置12を動かすように構成することができる。投影装置アクチュエータ82は、複数の軸に沿って回転するように構成することができる。さらに、投影装置アクチュエータ82は、遊園地アトラクション16の部屋全体を通じて動くように構成することができる。例えば、投影装置アクチュエータ82は、投影装置12が部屋の前方76から部屋の後方に移動できるように、天井に結合された軌道システム上に存在することができる。投影装置アクチュエータ82は、投影システム10の制御システムから受け取られたアクチュエータ信号に少なくとも部分的に基づいて動くように構成することができる。
【0038】
図5は、本開示の態様による視覚装置14の外部84の実施形態の斜視図である。上述したように、視覚装置14(例えば、メガネ)はユーザによって装着されるように構成される。視覚装置14はフレーム22(例えば、メガネフレーム)を含み、フレーム22には視覚装置14のコンポーネントを取り付けることができる。例えば、フレーム22の一部には、クリップ85を介して画面24を取り付けることができる。画面24は、損傷時又は摩耗時に交換できるとともに必要に応じてフレーム22から取り外すことができる安価な使い捨て部品とすることができる。画面24は、受像面26と、受像面26に対向する視聴面(図示せず)とを含む。受像面26は、ユーザに対して外向きに面する画面24の表面である。
【0039】
投影装置は、視覚装置の画面の受像面26上に画像34(例えば、ビデオフィード)を投影するように構成される。画面は背面投影材料を含むことができる。背面投影材料は少なくとも部分的に半透明であり、視聴面上でユーザに画像が見えるように、画面を通じた受像面26から視聴面への画像(例えば、ビデオフィード)の透過を可能にする。上述したように、受像面26上では画像(例えば、ビデオフィード)の背面画像86を見ることができる。いくつかの実施形態では、ユーザの視覚装置14の受像面26上に見える背面画像86を遊園地職員が視覚的に検査することによって、各ユーザの視覚装置14が画像(例えば、ビデオフィード)を表示していることを確認するチェックを行うことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、視覚装置14が、制御システムと(例えば、受動的又は能動的に)通信して視覚装置14の受像面の位置及び/又は向きを提供するように構成された追跡特徴64を有することができる。追跡特徴64は、視覚装置14の前面部分88に配置することができる。例えば、追跡特徴64は、視覚装置14の前面部分においてフレーム22に取り付け、或いはフレーム22内又はフレーム22上に配置することができる。別の例では、追跡特徴64が画面24の受像面26に結合される。しかしながら、追跡特徴64は、視覚装置14のいずれかの好適な部分に結合することができる。さらに、いくつかの実施形態では、投影システム10が外部追跡特徴を含むことができる。例えば、外部追跡特徴は、視覚装置14を装着しているユーザに対応するウェアラブル装置(例えば、ブレスレット)上に配置することができる。外部追跡特徴は、遊園地アトラクション内のユーザの位置を提供するように構成することができる。
【0041】
追跡特徴64は、赤外線インクパターン、赤外線LEDイルミネータ又は別の好適な受動追跡特徴などの受動赤外線追跡特徴とすることができる。追跡特徴64は、視覚装置14の位置及び向き情報を制御システムに提供するために追跡システムによって検出されるように構成することができる。追跡特徴64は、追跡システムの受動赤外線追跡特徴への見通し線を可能にする視覚装置14の一部に取り付けることができる。例えば、追跡特徴64は、投影装置に近接して配置された追跡システムとの見通し線内に存在するように視覚装置14の前面部分88に取り付けることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、追跡特徴64が、再帰反射マーカ、再帰反射ドット、QRコード、光学的に見えるインクパターン、又は他のいずれかの好適な追跡特徴などの、光学的に見える追跡特徴を含む。光学的に見える追跡特徴は、追跡システムのカメラに見える視覚装置14の一部に配置することができる。上述したように、追跡システムのカメラは、視覚装置14の位置及び向きを決定するために、視覚装置14上に配置された光学的に見える追跡特徴を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、視覚装置14が、追跡システムに能動的に赤外線位置信号を出力するように構成された赤外線トランシーバを含む。追跡システムは、赤外線位置信号を受信し、赤外線位置信号に少なくとも部分的に基づいて視覚装置14の位置及び向きを決定するように構成することができる。
【0043】
視覚装置14上の受動追跡特徴64は、視覚装置14全体を一般に使い捨てとし、又は収集可能アイテムとして提供できるように、追跡特徴が比較的安価な材料で形成されることを可能にする。この特徴は、画像生成及び処理回路が一体になったさらに高価なヘッドマウント装置を凌ぐ利点をもたらす。体験の最後に高価な装置を回収するのには時間がかかるが、開示する投影システム10では、体験後に視覚装置14を回収する必要なく迅速に視覚装置14を配布することができる。
【0044】
図6は、本開示の態様による視覚装置14の内部90の実施形態の斜視図である。上述したように、視覚装置14はヘッドマウント装置(例えば、メガネ)とすることができる。視覚装置14はフレーム22(例えば、メガネフレーム)を含む。フレーム22には、視覚装置14のコンポーネントを取り付けることができる。フレーム22の一部には、画面24の視聴面20がユーザに見えるように画面24を取り付けることができる。画面24は、少なくとも視聴面20と、視聴面に対向して配置された受像面(図示せず)とを含む。視聴面20は、視覚装置14の内部90に配置することができる。すなわち、視聴面20は、視聴面20がユーザに見えるように、ユーザに面する画面の一部に配置することができる。
【0045】
投影装置は、視覚装置の画面24の受像面上に画像34(例えば、ビデオフィード)を投影するように構成される。画面24は、背面投影材料を含むことができる。背面投影材料は少なくとも部分的に半透明であり、視聴面20上でユーザに画像34が見えるように、画面24を通じた受像面から視聴面20への画像34(例えば、ビデオフィード)の透過を可能にする。
【0046】
さらに、視覚装置14は、視覚装置14を装着しているユーザに画像34が見えるように、視聴面20上に見える画像34(例えば、ビデオフィード)に焦点を合わせるように構成された集束レンズ30を含むこともできる。集束レンズ30は、ユーザと視聴面20との間に位置するように視覚装置14上に配置することができる。いくつかの実施形態では、画像34が、テキストベースのメッセージ、画像、ビデオ、又はこれらの何らかの組み合わせを含む。例えば、遊園地アトラクションは、画像34が仮想現実環境のビデオ画像を含むような仮想現実タイプのアトラクションとすることができる。別の例では、画像34が、遊園地アトラクションのためのテキストベースの指示を含むことができる。テキストベースの指示は、投影装置から投影される画像34が失われるのを避けるために、ユーザに視覚装置14の使用方法を知らせることができる。
【0047】
図7は、本開示の態様による、視覚装置を使用して投影装置からの投影画像を見る方法92の実施形態のフローチャートである。この方法は、ユーザによって装着されるように構成されるとともに、画面及び集束レンズを保持するように構成されたフレームを含む視覚装置(例えば、メガネ)の位置及び向きを、追跡システムを介して決定するステップを含む(ブロック94)。
【0048】
方法は、1又は2以上の投影装置を介して視覚装置の画面の受像面上に画像を投影するステップをさらに含む(ブロック96)。ユーザは、遊園地アトラクションの最中に頭を動かすことによって、投影装置から出力される投影画像に対して視覚装置を動かしてしまうことがある。従って、ユーザが頭を動かした後には、視覚装置上に投影画像が正確に表示されないことがある。従って、方法は、視覚装置の位置及び向きに少なくとも部分的に基づいて画像の画像特性を調整するステップをさらに含む(ブロック98)。例えば、ユーザが遊園地アトラクションの座席内で移動することによって、視覚装置が新たな位置及び/又は向き(例えば、右側)に動くことがある。制御システムは、視覚装置の新たな向き及び位置を決定し、視覚装置上に投影画像を正確に表示できるように画像特性を調整(例えば、画像を右側にシフト)することができる。いくつかの実施形態では、方法が、歪み、オフセット、スケール、又は他のいずれかの好適な画像特性などの画像特性を調整することを含むことができる。
【0049】
方法は、視覚装置の画面の視聴面上に投影画像を表示するステップをさらに含み、視聴面は受像面の反対側に配置され、画面は、少なくとも1つの集束レンズを通じて投影画像が視聴面上でユーザに見えるように、画面を通じた受像面から視聴面への画像の透過を可能にするように構成される(ブロック100)。
【0050】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に含まれる全てのこのような修正及び変更も対象とすることが意図されていると理解されたい。
【0051】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0052】
12 投影装置
14 視覚装置
27 反射面
29 画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】