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特表2023-500640コバルトフリー層状正極材料及びその製造方法、並びにリチウムイオン電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】コバルトフリー層状正極材料及びその製造方法、並びにリチウムイオン電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/525 20100101AFI20221227BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20221227BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20221227BHJP
   C01G 53/00 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
H01M4/525
H01M4/505
H01M4/36 C
C01G53/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525185
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2020132907
(87)【国際公開番号】W WO2021143375
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】202010055698.2
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522057847
【氏名又は名称】蜂巣能源科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100146064
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 玲子
(72)【発明者】
【氏名】喬斉斉
(72)【発明者】
【氏名】江衛軍
(72)【発明者】
【氏名】許▲しん▼培
(72)【発明者】
【氏名】施澤涛
(72)【発明者】
【氏名】馬加力
【テーマコード(参考)】
4G048
5H050
【Fターム(参考)】
4G048AA04
4G048AB02
4G048AB04
4G048AB06
4G048AC06
4G048AD04
4G048AE05
4G048AE08
5H050AA02
5H050AA07
5H050AA08
5H050BA17
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB12
5H050DA09
5H050EA12
5H050FA18
5H050GA02
5H050GA10
5H050GA12
5H050GA27
5H050HA01
5H050HA02
5H050HA05
5H050HA07
5H050HA10
5H050HA14
(57)【要約】
本発明はリチウムイオン電池のコバルトフリー層状正極材料及びその製造方法、並びにリチウムイオン電池を提供する。当該コバルトフリー層状正極材料は、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムと、前記ニッケルマンガン酸リチウムの表面に被覆された酸化亜鉛とを含み、但し、前記ニッケルマンガン酸リチウムの一般式はLiNiMn1-xであり、0.55≦x≦0.95である。これにより、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムの表面に酸化亜鉛を被覆することにより、ニッケルマンガン酸リチウム中のマンガンイオンがリチウムイオン電池の電解液に溶解されることを効果的に防止することができ、従って、リチウムイオン電池の比容量、初回充電効率(初回効率と略称する)及びサイクル性能を効果的に向上させることができ、しかも、本願のコバルトフリー層状正極材料の残留アルカリ(水酸化リチウム又は炭酸リチウム)の含有量は低い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン電池のコバルトフリー層状正極材料であって、
単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムと、前記ニッケルマンガン酸リチウムの表面に被覆された酸化亜鉛とを含み、但し、前記ニッケルマンガン酸リチウムの一般式はLiNiMn1-xであり、0.55≦x≦0.95である、
ことを特徴とするリチウムイオン電池のコバルトフリー層状正極材料。
【請求項2】
前記コバルトフリー層状正極材料の総質量に基づいて、前記酸化亜鉛の質量パーセンテージは0.05%~0.3%である、
ことを特徴とする請求項1に記載のコバルトフリー層状正極材料。
【請求項3】
前記ニッケルマンガン酸リチウムの粒径は1~5μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコバルトフリー層状正極材料。
【請求項4】
前記コバルトフリー層状正極材料の比表面積は0.1m/g~0.8m/gである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコバルトフリー層状正極材料。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のコバルトフリー層状正極材料を製造する方法であって、
単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムと亜鉛塩溶液とを混合し、混合液を得るステップと、
前記混合液を蒸発乾固させ、予備混合物を得るステップと、
前記予備混合物を所定温度で所定時間反応させ、前記コバルトフリー層状正極材料を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記亜鉛塩は酢酸亜鉛、硫酸亜鉛及び硝酸亜鉛のうちの少なくとも1種から選択される、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記亜鉛塩の濃度は0.5~2mol/Lである、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記所定温度は400~700℃であり、前記所定時間は5~10時間である、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記予備混合物は酸素含有雰囲気下で反応し、但し、酸素の濃度は20%~100%である、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項10】
リチウムイオン電池であって、
請求項1~4のいずれか一項に記載のコバルトフリー層状正極材料を含む、
ことを特徴とするリチウムイオン電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウムイオン電池技術分野に関し、具体的には、リチウムイオン電池のコバルトフリー層状正極材料及びその製造方法、並びにリチウムイオン電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン動力電池の急速な発展に伴い、そのコスト、安全性、サイクル寿命などに、より高い要求が出て来る。正極材料はリチウムイオン電池のコア構成要素として、その性能が電池全体の性能に重要な役割を果たす。コバルトフリー正極材料は従来の三元正極材料と比較して、コストが低く、構造が安定するなどの利点がある。しかし、コバルトフリー正極材料にコバルトが含まれておらず、Mn元素が比較的多いため、コバルトフリー正極材料は金属Mnイオンが溶解しすぎるという問題がある。
したがって、コバルトフリー正極材料に関する研究を深める必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、関連技術における技術的問題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。そこで、本発明の目的の1つは、コバルトフリー層状正極材料中のマンガンイオンが電解液に溶解されにくい、リチウムイオン電池のコバルトフリー層状正極材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様では、本発明は、リチウムイオン電池のコバルトフリー層状正極材料を提供する。本発明の実施例によれば、当該コバルトフリー層状正極材料は、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムと、前記ニッケルマンガン酸リチウムの表面に被覆された酸化亜鉛とを含み、但し、前記ニッケルマンガン酸リチウムの一般式はLiNiMn1-xであり、0.55≦x≦0.95である。これにより、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムの表面に酸化亜鉛を被覆することにより、ニッケルマンガン酸リチウム中のマンガンイオンがリチウムイオン電池の電解液に溶解されることを効果的に防止することができ、従ってリチウムイオン電池の比容量、初回充電効率(初回効率と略称する)及びサイクル性能を効果的に向上させることができ、しかも、本願のコバルトフリー層状正極材料の残留アルカリ(水酸化リチウム又は炭酸リチウム)の含有量は低い。
【0005】
本発明の実施例によれば、前記コバルトフリー層状正極材料の総質量に基づいて、前記酸化亜鉛の質量パーセンテージは0.05%~0.3%である。
【0006】
本発明の実施例によれば、前記ニッケルマンガン酸リチウムの粒径は1~5μmである。
【0007】
本発明の実施例によれば、前記コバルトフリー層状正極材料の比表面積は0.1m/g~0.8m/gである。
【0008】
本発明の別の態様では、本発明は、前述のコバルトフリー層状正極材料を製造する方法を提供する。本発明の実施例によれば、コバルトフリー層状正極材料を製造する方法は、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムと亜鉛塩溶液とを混合し、混合液を得るステップと、前記混合液を蒸発乾固させ、予備混合物を得るステップと、前記予備混合物を所定温度で所定時間反応させ、前記コバルトフリー層状正極材料を得るステップと、を含む。これにより、上記方法は、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムの表面に一層の酸化亜鉛を被覆することができるので、ニッケルマンガン酸リチウム中のマンガンイオンがリチウムイオン電池の電解液に溶解されることを効果的に防止し、従って、リチウムイオン電池の比容量、初回充電効率(初回効率と略称する)及びサイクル性能を効果的に向上させることができ、しかも、製造したコバルトフリー層状正極材料の残留アルカリ(水酸化リチウム又は炭酸リチウム)の含有量が低く、また、上記製造方法は簡単で操作しやすく、工業化生産に便利で、生産コストが低い。
【0009】
本発明の実施例によれば、前記亜鉛塩は酢酸亜鉛、硫酸亜鉛及び硝酸亜鉛のうちの少なくとも1種から選択される。
【0010】
本発明の実施例によれば、前記亜鉛塩の濃度は0.5~2mol/Lである。
【0011】
本発明の実施例によれば、前記所定温度は400~700℃であり、前記所定時間は5~10時間である。
【0012】
本発明の実施例によれば、前記予備混合物は酸素含有雰囲気下で反応し、但し、酸素の濃度は20%~100%である。
【0013】
本発明のさらに別の態様では、本発明は、リチウムイオン電池を提供する。本発明の実施例によれば、リチウムイオン電池は、前述のコバルトフリー層状正極材料を含む。これにより、当該リチウムイオン電池は、高い比容量及び初回効率を有し、且つサイクル性能が良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本願の一部を構成する添付図面は、本発明の更なる理解を提供するためのものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を不適切に限定するものではない。
【0015】
図1】本発明の一実施例に係るコバルトフリー層状正極材料の概略構造図である。
図2】本発明の別の実施例に係るコバルトフリー層状正極材料を製造する方法のフローチャートである。
図3】実施例1で製造した単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムの走査型電子顕微鏡写真である。
図4】実施例1で製造したコバルトフリー層状正極材料の走査型電子顕微鏡写真である。
図5】実施例1で製造した単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムのEDS図である。
図6】実施例1で製造したコバルトフリー層状正極材料の走査型EDS図である。
図7】実施例1に係るリチウムイオン電池A及びリチウムイオン電池Bの1週目の充放電曲線図である。
図8】実施例1に係るリチウムイオン電池A及びリチウムイオン電池Bのサイクル性能試験図である。
図9】実施例1に係る異なる温度におけるリチウムイオン電池A及びリチウムイオン電池Bの50週間サイクル後の電解液中のマンガンイオンの含有量比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。以下に説明する実施例は、例示的なものであって、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。具体的な技術又は条件が実施例に明記されていないものは、当該技術分野の文献に記載されている技術又は条件に従うか、又は製品説明書に従う。使用される試薬又は機器は、製造業者が明記されていない場合、いずれも市販品で入手可能な通常のものである。
【0017】
本発明の一態様では、本発明は、リチウムイオン電池のコバルトフリー層状正極材料を提供する。本発明の実施例によれば、図1を参照すると、当該コバルトフリー層状正極材料100は、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウム10と、前記ニッケルマンガン酸リチウムの表面に被覆された酸化亜鉛20とを含み、但し、ニッケルマンガン酸リチウム10の一般式はLiNiMn1-xであり、0.55≦x≦0.95である。これにより、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムの表面に酸化亜鉛を被覆することにより、ニッケルマンガン酸リチウム中のマンガンイオンがリチウムイオン電池の電解液に溶解されることを効果的に防止することができ、従って、リチウムイオン電池の比容量、初回充電効率(初回効率と略称する)及びサイクル性能を効果的に向上させることができ、しかも、本願のコバルトフリー層状正極材料の残留アルカリ(水酸化リチウム又は炭酸リチウム)の含有量は低い(いくつかの実施例において、残留アルカリの質量含有量は0.4%未満である)。
【0018】
本発明の実施例によれば、コバルトフリー層状正極材料の総質量に基づいて、酸化亜鉛の質量パーセンテージは0.05%~0.3%であり、例えば0.05%、0.08%、0.1%、0.12%、0.15%、0.18%、0.2%、0.23%、0.25%、0.28%、0.3%である。これにより、上記含有量の酸化亜鉛は、ニッケルマンガン酸リチウム中のマンガンイオンが電解液に溶解されることをより良く回避するように、コバルトフリー層状正極材料を良く且つ均一に被覆することができ、酸化亜鉛の含有量が0.05%未満であると、ニッケルマンガン酸リチウムへの被覆が不完全で、不均一になり、その結果、電解液に溶解したマンガンイオンの含有量が依然として相対的に高い可能性があり、酸化亜鉛の含有量が0.3%を超えると、酸化亜鉛が不活性材料であるため、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の含有量が大きくなり、層状正極材料全体の抵抗が相対的に大きくなり、且つ比容量が相対的に低下する。
【0019】
本発明の実施例によれば、前記ニッケルマンガン酸リチウムの粒径は1~5μmであり、例えば1μm、2μm、3μm、4μm、5μmである。これにより、コバルトフリー層状正極材料の比容量が比較的大きく、且つ比表面積が比較的小さく、電解液とニッケルマンガン酸リチウムとの副反応をさらに防止し、マンガンイオンが溶解されることを回避することができ、ニッケルマンガン酸リチウムの粒径が1μm未満であると、ニッケルマンガン酸リチウムの比表面積が相対的に大きく、従って、電解液とニッケルマンガン酸リチウムとの副反応の確率が高くなり、ニッケルマンガン酸リチウムの粒径が5μmを超えると、コバルトフリー層状正極材料の比容量及び倍率性能が相対的に低下する。
【0020】
本発明の実施例によれば、前記コバルトフリー層状正極材料の比表面積は0.1m/g~0.8m/gであり、例えば0.1m/g、0.2m/g、0.3m/g、0.4m/g、0.5m/g、0.6m/g、0.7m/g、0.8m/gである。これにより、上記好適な大きさの比表面積は、コバルトフリー層状正極材料の良好な活性を効果的に保証することができるだけでなく、電解液とコバルトフリー層状正極材料との副反応を効果的に防止し、比表面積が0.1m/g未満であると、コバルトフリー層状正極材料の活性が相対的に小さく、従って、リチウムイオン電池の充放電性能に影響を与え、コバルトフリー層状正極材料の比表面積が0.8m/gを超えると、コバルトフリー層状正極材料と電解液とが反応するリスクが比較的大きく、従って、リチウムイオン電池の電気的性能に影響を与える。
【0021】
1つの好ましい実施例では、上記ニッケルマンガン酸リチウムはLiNi0.75Mn0.25であり、当該単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムの表面に酸化亜鉛を被覆した後に、形成されたコバルトフリー正極材料はより高い比容量、初回充放電効率、及びより良いサイクル性能を有する。
【0022】
本発明の別の態様では、本発明は、前述のコバルトフリー層状正極材料を製造する方法を提供する。本発明の実施例によれば、図2を参照すると、コバルトフリー層状正極材料を製造する方法は、S100~S300を含む。
【0023】
S100:単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムと亜鉛塩溶液とを混合し、混合液を得る。
【0024】
本発明の実施例によれば、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムの製造ステップは、高速混合装置を用いてLiOHと前駆体NiMn1-x(OH)(0.50≦x≦0.95)とを混合し、混合時間を5~15分間とし、回転数を800~900rpmとするステップと、混合した材料を酸素雰囲気(濃度が90%以上である。)下で反応させ、反応温度を800~970℃(昇温レートが1~5℃/min)とし、反応時間を10~20hとし、その後自然冷却した後に単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムを得るステップと、を含む。
【0025】
ここで、ニッケルマンガン酸リチウムと亜鉛塩とを均一に反応させるために、さらに上記方法で製造したニッケルマンガン酸リチウムを、破砕装置を用いて粉砕し、粉末状のニッケルマンガン酸リチウムを得て、そして篩に掛け、篩目を300~400メッシュとし、適切な粒径のニッケルマンガン酸リチウムを得る。
【0026】
本発明の実施例によれば、亜鉛塩は、酢酸亜鉛(Zn(CHOO))、硫酸亜鉛及び硝酸亜鉛のうちの少なくとも1種から選択される。これにより、後続の高温反応において酸化亜鉛を効果的に得ることができる。ここで、酢酸亜鉛を採用する場合に、後続の高温反応において、酢酸亜鉛が反応して二酸化炭素、水及び酸化亜鉛を生成し、ここで酸化亜鉛がニッケルマンガン酸リチウムの表面に被覆される。硫酸亜鉛を採用する場合に、硫酸亜鉛が高温反応において酸化亜鉛及び硫酸リチウムを生成する(残留アルカリが反応に関与する。)ため、このときの被覆層酸化亜鉛に少量の硫酸リチウムがドープされ、且つ当該反応において残留アルカリの含有量を低減することにも有利である。硝酸亜鉛を採用する場合に、硝酸亜鉛が高温反応において酸化亜鉛、一酸化窒素及び/又は二酸化窒素を生成する。
【0027】
本発明の実施例によれば、亜鉛塩の濃度は0.5~2mol/L(例えば0.5mol/L、0.8mol/L、1.0mol/L、1.2mol/L、1.5mol/L、1.8mol/L、2.0mol/L)であり、これにより、所望の含有量の酸化亜鉛を得ることに役立つ。ここで、亜鉛塩溶液の体積は、最終的なコバルトフリー層状正極材料中の所望の酸化亜鉛の含有量に応じて当業者が柔軟に調整することができ、ここでは限定しない。
【0028】
また、亜鉛塩溶液中の溶媒は、亜鉛塩を完全に溶解できるものであれば特に限定されないが、当業者が実情に応じて柔軟に選択することができ、例えば溶媒は水、エタノールなどを含むがこれらに限定されない。
【0029】
S200:混合液を蒸発乾固させ、予備混合物を得る。
【0030】
ここで、蒸発乾固の具体的な方法は、混合液中の溶媒(即ち亜鉛塩の溶媒)を蒸発させ、且つニッケルマンガン酸リチウムと亜鉛塩とを反応させないものであれば特に限定されないが、例えば100℃(温度は選択した溶媒に応じて調整可能である。)で撹拌蒸発乾固させることができる。
【0031】
S300:予備混合物を所定温度で所定時間反応させ、コバルトフリー層状正極材料を得る。
【0032】
本発明の実施例によれば、所定温度は400~700℃(例えば400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、650℃、700℃)であり、所定時間は5~10時間(例えば5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間)である。これにより、上記温度において、酸化亜鉛の生成を効果的に保証することができる。温度が400℃未満であると、反応温度に到達せず、酸化亜鉛の生成に不利となり、温度が700℃を超えると、生成した酸化亜鉛はニッケルマンガン酸リチウムの内部に拡散しやすく、このようにニッケルマンガン酸リチウムの活性に影響を与えるだけでなく、ニッケルマンガン酸リチウムへの被覆が不完全で、不均一になる可能性があり、それによって電解液のマンガンイオンに対する溶解が相対的に大きくなる。
【0033】
本発明の実施例によれば、予備混合物は酸素含有環境下で反応し、但し、酸素の濃度は20%~100%である。これにより、酸素環境下で、ニッケルマンガン酸リチウム中の不安定なNi3+が安定なNi2+へ変換することを抑制することができ、且つ酸化亜鉛の生成にも有利である。酸素含有量が20%未満であれば、ニッケルマンガン酸リチウムの再分解が起こりやすく、所望の製品を生成することが困難である。
【0034】
本発明の実施例によれば、ステップS300でコバルトフリー層状正極材料を得た後に、さらに、コバルトフリー層状正極材料を篩い分け処理するステップであって、篩目を300~400メッシュとし、これにより適切な粒径のコバルトフリー層状正極材料を得るステップを含む。
【0035】
本発明の実施例によれば、上記方法は、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムの表面に一層の酸化亜鉛を被覆することができるので、ニッケルマンガン酸リチウム中のマンガンイオンがリチウムイオン電池の電解液に溶解されることを効果的に防止し、従ってリチウムイオン電池の比容量、初回充電効率(初回効率と略称する)及びサイクル性能を効果的に向上させることができ、しかも、製造したコバルトフリー層状正極材料の残留アルカリ(水酸化リチウム又は炭酸リチウム)の含有量が低く、また、上記製造方法は簡単で操作しやすく、工業化生産に便利で、生産コストが低い。
本発明のさらに別の態様では、本発明は、リチウムイオン電池を提供する。本発明の実施例によれば、リチウムイオン電池は、前述のコバルトフリー層状正極材料を含む。これにより、当該リチウムイオン電池は、高い比容量及び初回効率を有し、且つサイクル性能に優れている。
【0036】
(実施例)
(実施例1)
コバルトフリー層状正極材料の製造方法は、
高速混合装置を用いてLiOHと前駆体Ni0.75Mn0.25(OH)とを混合し、混合時間を10分間とし、回転数を800rpmとし、混合した材料を酸素雰囲気(濃度が90%以上である。)下で反応させ、反応温度を930℃とし、反応時間を12hとし、反応終了後に自然冷却して400メッシュの篩に掛け、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムを得るステップ1と、
ステップ1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)と濃度が1mol/Lの酢酸亜鉛水溶液(1.2mL)とを均一に混合し、混合液が得られ、その後得られた混合液を100℃で撹拌蒸発乾固させ、予備混合物が得られ、そして予備混合物を500℃で5時間反応させ、ここで反応雰囲気中の酸素の濃度を95%とし、反応終了後に自然冷却して400メッシュの篩に掛け、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量が0.1%である(ICPによりコバルトフリー層状正極材料中の亜鉛イオンの含有量を測定し、それによって酸化亜鉛の含有量を決定することができる)ステップ2と、を含む。
【0037】
結果の分析:
(1)得られた単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムとコバルトフリー層状正極材料をそれぞれ電子顕微鏡で走査し、ニッケルマンガン酸リチウムとコバルトフリー層状正極材料の走査型電子顕微鏡図を図3図4に示し、図3及び図4から明らかなように、図3のニッケルマンガン酸リチウムと比較して、図4のコバルトフリー層状正極材料は表面が比較的粗く、一層の物質が被覆されており、且つ被覆前後で、材料の粒径が大きく変化しない。
【0038】
(2)ニッケルマンガン酸リチウムとコバルトフリー層状正極材料のエネルギースペクトル(EDS)図をそれぞれ図5図6に示し、EDSエネルギースペクトルから明らかなように、コバルトフリー層状正極材料表面の物質が亜鉛元素を含んでいることから、ニッケルマンガン酸リチウムの表面に被覆された物質が酸化亜鉛であることがわかる。
【0039】
(3)得られたニッケルマンガン酸リチウムとコバルトフリー層状正極材料を、それぞれ導電剤SP、結着剤PVDFと92:4:4の割合でNMPに溶解して均一に混合させ、スラリーを得る。スラリーをアルミ箔上に均一に塗布し、100℃で乾して正極シートを得る。正極シートと、負極(リチウムシート)、電解液(電解液成分はLiPF(六フッ化リン酸リチウム)/EC(エチレンカーボネート)-DMC(ジメチルカーボネート)である。)、セパレータなどを、アルゴンガスを満たしたグローブボックス中でリチウムイオン電池A(電池Aと略称する)とリチウムイオン電池B(電池Bと略称する)に組み立て、電池型番がR2032であり、セパレータがポリプロピレンミクロポーラスフィルム(Celgard2300)であり、電池AとBは、正極材料が異なること以外、同様である。それぞれリチウムイオン電池Aとリチウムイオン電池Bに充放電性能試験を行い、充放電性能試験(電圧範囲は3.0~4.3V)結果を図7に示す(1週目の充放電曲線)。図7と結合してわかるように、0.1Cの放電レートにおいて、リチウムイオン電池Aは1週目の充電及び放電比容量がそれぞれ201.6mAh/g及び173.6mAh/gであり、初回効率が86.1%であり、リチウムイオン電池Bは1週目の充電及び放電比容量がそれぞれ201.5mAh/g及び178.2mAh/gであり、初回効率が88.4%である。
【0040】
(4)(3)におけるリチウムイオン電池Aとリチウムイオン電池Bをそれぞれ1C倍率でサイクルさせ、サイクル曲線を図8に示し、図8からわかるように、リチウムイオン電池Aの50週間サイクル後の電池容量維持率は95%であり、リチウムイオン電池Bの50週間サイクル後の電池容量維持率は99%である。
【0041】
(5)異なる温度におけるリチウムイオン電池A及びリチウムイオン電池Bの50週間サイクル後の電解液中のMnイオンの含有量を比較し、試験結果を図9に示す。図9からわかるように、酸化亜鉛で被覆した後に、コバルトフリー層状正極材料中のマンガンイオンの電解液への溶解量が大きく低下する。
【0042】
(実施例2)
実施例1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を濃度が1mol/Lの酢酸亜鉛水溶液(体積1.8mL)と均一に混合し、且つ実施例1と同じ条件で乾燥及び反応を行い、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量は0.15%であった。
【0043】
(実施例3)
実施例1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を濃度が1mol/Lの酢酸亜鉛水溶液(体積2.4mL)と均一に混合し、且つ実施例1と同じ条件で乾燥及び反応を行い、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量は0.20%であった。
【0044】
(実施例4)
実施例1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を濃度が1mol/Lの酢酸亜鉛水溶液(体積3.6mL)と均一に混合し、且つ実施例1と同じ条件で乾燥及び反応を行い、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量は0.3%であった。
【0045】
(実施例5)
実施例1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を濃度が1mol/Lの酢酸亜鉛水溶液(体積0.36mL)と均一に混合し、且つ実施例1と同じ条件で乾燥及び反応を行い、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量は0.03%であった。
【0046】
(実施例6)
実施例1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を濃度が1mol/Lの酢酸亜鉛水溶液(体積4.8mL)と均一に混合し、且つ実施例1と同じ条件で乾燥及び反応を行い、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量は0.4%であった。
【0047】
(実施例7)
実施例1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を、実施例1と同じ濃度体積の酢酸亜鉛水溶液と均一に混合し、400℃で5時間反応させ、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量は0.1%であった。
【0048】
(実施例8)
実施例1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を、実施例1と同じ濃度体積の酢酸亜鉛水溶液と均一に混合し、600℃で5時間反応させ、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量は0.1%であった。
【0049】
(実施例9)
実施例1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を、実施例1と同じ濃度体積の酢酸亜鉛水溶液と均一に混合し、700℃で5時間反応させ、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量は0.1%であった。
【0050】
(実施例10)
実施例1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を、実施例1と同じ濃度体積の酢酸亜鉛水溶液と均一に混合し、300℃で5時間反応させ、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量は0.04%であった。
【0051】
(実施例11)
実施例1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を、実施例1と同じ濃度体積の酢酸亜鉛水溶液と均一に混合し、800℃で5時間反応させ、コバルトフリー層状正極材料が得られ、ここで、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の質量含有量は0.1%であった。
【0052】
(実施例12)
ステップ1、高速混合装置を用いてLiOHと前駆体Ni0.55Mn0.45(OH)とを混合したこと以外、実施例1と同じであり、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムLiNi0.55Mn0.45を得る。
【0053】
ステップ2、実施例1と同じである。
【0054】
(実施例13)
ステップ1、高速混合装置を用いてLiOHと前駆体Ni0.95Mn0.05(OH)とを混合したこと以外、実施例1と同じであり、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムLiNi0.95Mn0.05を得る。
【0055】
ステップ2、実施例1と同じである。
【0056】
(比較例1)
実施例1のステップ1と同じであり、被覆はしない。
【0057】
(比較例2)
ステップ1、高速混合装置を用いてLiOHと前駆体Ni0.45Mn0.55(OH)とを混合し、混合時間が20分間であり、回転数が700rpmであり、混合物を酸素雰囲気(濃度が80%である。)で反応し、反応温度が1000℃であり、反応時間が24hであり、反応した後に、自然に冷却させて400メッシュの篩に掛けることで、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムを得る。
【0058】
ステップ2、ステップ1で得られたニッケルマンガン酸リチウム(100g)を0.1mol/Lの濃度の酢酸亜鉛水溶液(48mL)と均一に混合して混合液を獲得し、次に、得られた混合液を100℃で撹拌して蒸発乾固させ、予備混合物を獲得し、続いて、予備混合物を300℃で15時間反応させ、但し、反応雰囲気中の酸素濃度は15%であり、反応した後に、自然に冷却させて400メッシュの篩に掛けることで、コバルトフリー層状正極材料を獲得し、ここで、コバルトフリー層状正極材料内の酸化亜鉛の含有量は0.4%である(ICPによりコバルトフリー層状正極材料内の亜鉛イオン含有量を測定することにより、酸化亜鉛の含有量を決定することができる)。
【0059】
(比較例3)
ステップ1、高速混合装置を用いてLiOHと前駆体Ni0.75Mn0.15Co0.10(OH)とを混合したこと以外、実施例1と同じであり、単結晶形態の層状ニッケルマンガン酸リチウムLiNi0.75Mn0.15Co0.10を得る。
【0060】
ステップ2、実施例1と同じである。
【0061】
実施例1と同じ方法及び条件を採用してそれぞれ実施例2~13、比較例1~3で得られたコバルトフリー層状正極材料をリチウムイオン電池に組み合わせ、且つ0.1C放電レートで電池の1週目の充電及び放電の比容量を試験し、1C倍率で電池のサイクル性能(50週間サイクル)を試験し、且つ50℃で電池の電解液中のマンガンイオンの含有量を試験し(試験条件はいずれも実施例1と一致)、試験結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例1~6からわかるように、酸化亜鉛の含有量が0.05%~0.3%の範囲内である場合に、リチウムイオン電池の放電比容量が高く、サイクル容量維持率も比較的高く、50週間サイクル後に、電解液に溶解したマンガンイオンの含有量も比較的低い。酸化亜鉛の含有量が低めになる場合に、電解液に溶解したマンガンイオンの含有量が比較的高く(ニッケルマンガン酸リチウムへの被覆が不完全である。)、従って、リチウムイオン電池の放電比容量及びサイクル容量維持率を低下させる。酸化亜鉛の含有量が高めになる場合に、リチウムイオン電池の放電比容量は低下し、それに、ニッケルマンガン酸リチウムの表面に被覆された酸化亜鉛の含有量が比較的多いため、さらに、コバルトフリー層状正極材料の構造安定性を向上して、マンガンイオンの溶解を低減させることができ、従って、電池のサイクル容量維持率を相対的に向上できる。リチウムイオン電池の各総合性能を総合的に考慮し、本願は酸化亜鉛の含有量を0.05%~0.3%の範囲内に限定し、リチウムイオン電池に良好な総合性能を持たせることができる。
【0064】
実施例1及び7~11からわかるように、コバルトフリー層状正極材料中の酸化亜鉛の含有量は一致していたが(実施例10を除く)、反応温度の上昇に伴い、酸化亜鉛はニッケルマンガン酸リチウムの表面から徐々にニッケルマンガン酸リチウムの内部に分散し、温度が高いほど、ニッケルマンガン酸リチウムの内部に分散した酸化亜鉛の含有量が高くなり、表面に分布している酸化亜鉛の含有量が低くなるため、反応温度が400℃未満である場合(例えば実施例10)に、生成した酸化亜鉛の含有量が低めになり、それによってニッケルマンガン酸リチウムの表面被覆が不完全になり、電解液中に溶解したマンガンの含有量が相対的に高くなり、従って、リチウムイオン電池の放電比容量及びサイクル性能が低下し、反応温度が700℃を超える(例えば実施例11)と、多くの酸化亜鉛がニッケルマンガン酸リチウムの内部に拡散し、このため電解液中のマンガンイオンの溶解量が相対的に高くなり、それによってリチウムイオン電池の放電比容量が低下する。したがって、リチウムイオン電池の良好な総合性能を考慮し、本願は反応温度を400℃~700℃の範囲内に限定する。
【0065】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などの用語を参照する説明は、当該実施例や例を結合して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特点が、本発明の少なくとも1つの実施例や例に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語に対する概略的な表現は、必ずしも同じ実施例や例を指すとは限らない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特点は、いずれか1つ又は複数の実施例や例において適切な方式で結合することができる。さらに、当業者は、互いに矛盾することなく、本明細書に記載されている異なる実施例や例及び異なる実施例や例の特徴に対して結び合わせと組み合わせを行うことができる。
【0066】
以上、本発明の実施例について示し、説明したが、上記の実施例は例示的であり、本発明を限定するものとして理解されるべきではなく、当業者は、本発明の範囲内で、上記の実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができることを理解されたい。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】